説明

管切断加工装置

【課題】簡易な構成で低コストにて供給でき、案内レールを用いないためその設置等の準備に時間を割かれることなく、管切断作業と溝切り作業とを同時に迅速に行うことが可能な管切断加工装置を提供すること。
【解決手段】管40の端部の切断と溝切りとを同時に行う装置であって、2本のホイール軸4a、4bと複数の連結杆4、4cを介して対設された側板2、3を有していて、管40への固定手段15−18、走行手段8、9及び周回駆動手段20、21、並びに、管端部の切断・溝切り手段23、24の多くの部分が側板2、3間に組み込まれ、装置全体の重心が側板2、3の中間位置にくるように重量バランスが取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道工事、土木工事等の工事現場等において、比較的小口径のダクタイル管等の既設埋設管、その他の管の端部を切断し、また同時に、その端縁部に周溝を形成するための管切断加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般の上水道の送水管は、一定長さの鉄管を連結金物で連結して敷設されるが、その敷設に際しては、敷設場所の地形や鉄管連結時の寸法調整のため、敷設工事現場で管を切断する必要が生じる。また、切断した管の端部付近外周面に、連結金物を接合するための周溝が必要となり、当該切断加工と溝切り加工は一連の作業となる。
【0003】
従来、上水道管敷設現場における上記切断・周溝加工には、例えば、特公昭59−9288号公報(特許文献1)、特許第2676331号公報(特許文献2)、特許第3944441号公報(特許文献3)、特開平8−25127号公報(特許文献4)等に記載されているような切断機が用いられてきた。
【0004】
上記切断機は、加工する管の外周面に設置され、管を周回できるようにローラー付きチェーン等を用いて管の外周面に保持される。そして、当該切断機が周回するに伴い、その側面に設置されている円盤状刃物で、切断加工と溝切り加工が同時に行われる。その動作の際の周回駆動力は、切断機に備え付けられたキャタピラ装置を介して管に伝えられ、ローラー付きチェーンのローラーが回転することにより、切断機がローラー付きチェーンと共に円滑に周回動作を行う。
【0005】
ところで、切断位置や溝切り加工位置は、管の中心軸と垂直な面内にあることが求められ、切断機が管を一周して元の位置に戻ったときに、位置ずれが事実上ないと言える状態になることが必要となる。この位置ずれを無くす方法としては、円環状の案内レールを鉄管の外周面に予め設置し、切断機をこの案内レールに沿って周回させるようにする構成が一般的である。上記特許文献2の実施例では、案内レールは取扱いの簡便を図るために分割式とされ、また、当該案内レールに沿って周回するために、切断機に案内車輪が設置されている。
【0006】
この従来の切断装置を用いた管の切断・溝切り加工作業は、次の工程により行われる。
1)管に案内レールを設置する。
2)切断機を、管外周に配置する。
3)切断機のキャタピラ装置を調整する。
4)キャタピラ装置の一端部にローラー付きチェーンの一端部を取り付ける。
5)ローラー付きチェーンの他端部を管の周りに廻して切断機のフックに引っ掛ける。
6)切断機の案内車輪を案内レールに係合させる。
7)チェーンタイトナーを用いてローラー付きチェーンを強く張る。
8)キャタピラ装置を用いて切断機を周回させる。この周回操作は、刃物を管に接触させない空回り状態で行う。
9)円盤状刃物の切断刃が加工所要位置にあることを確認する。その位置がずれているときは、位置修正した後、再度空回し状態にての周回動作を行う。
10)ローラー付きチェーンの張力を確認し、弱いときはチェーンタイトナーを操作してその張力調整を行う。
11)切断刃を管の外周面に当接させて、管の切断加工を開始する。
12)その状態で切断機を周回させつつ、切断刃による管の切断と溝切り刃による管の溝切り加工を行う。
【0007】
上記従来の工程においては、特に、切断機の周回前の準備工程である1、3、6、7の工程に多くの時間を割かれるため、全体の作業時間が長くなるという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特公昭59−9288号公報
【特許文献2】特許第2676331号公報
【特許文献3】特許第3944441号公報
【特許文献4】特開平8−25127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の管切断加工作業における問題に鑑みてなされたもので、簡易な構成で低コストにて供給でき、案内レールを用いないためその設置等の準備に時間を割かれることなく、管切断作業と溝切り作業とを同時に迅速に行うことが可能な管切断加工装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、管への固定手段と、前記管の外周面に沿っての走行手段及び周回駆動手段と、前記管の端部の切断・溝切り手段とを備えていて、前記管の端部の切断と溝切りとを同時に行う装置であって、2本のホイール軸と複数の連結杆を介して対設された側板を有していて、前記管への固定手段、走行手段及び周回駆動手段、並びに、管端部の切断・溝切り手段の多くの部分が前記側板間に組み込まれ、装置全体の重心が前記側板の中間位置にくるように重量バランスが取られていることを特徴とする管切断加工装置である。
【0011】
好ましくは、前記走行手段は、前記側板の下部間前後に備え付けられて、前記管の周面に当接して転動するホイールとされ、前記管周面に沿っての進行方向後方側に配備される後方ホイールは、前記ホイール軸の1方の前記側板自体に軸支されていて変位しない固定ホイール軸に取り付けられ、進行方向前方側に配備される前方ホイールは、前記ホイール軸の他方の前記側板に設置された旋回板に軸支された可動ホイール軸に取り付けられ、前記可動ホイール軸は、前記旋回板の旋回端において、小径管用の第1の位置又は大径管用の第2の位置のいずれかの位置に収まるようにされる。
【0012】
また、好ましくは、前記固定手段は、前記連結杆の1つに設置される締め付け具と、一端が前記周回駆動手段に固定され、他端側の任意の部位が前記締め付け具のフックに引っ掛けられる1本のサポートチェーンとから成るものとされ、前記締め付け具は、本体ケースと前記本体ケース下部に設置される前記フックと、前記本体ケース上面に設置される調整ハンドルとで構成されていて、前記調整ハンドルを螺進又は螺退させることにより、前記フックを前記本体ケースから出し、あるいは、前記本体ケース内に引き込むことが可能な構成とされる。
【0013】
また、好ましくは、前記周回駆動手段は、前記側板間に揺動自在に取り付けられる周回駆動モーターと、前記周回駆動モーターによって回転駆動される駆動ホイールとから成るものとされ、前記周回駆動モーターのモーターケースの上部に前記側板において軸支されるモーター取付板が延設され、以て、前記モーターケースが前記側板に対して首振り自在の状態に支持される。
【0014】
また、好ましくは、前記切断・溝切り手段は、前記側板間に設置されるカッティング用モーターと、一方の前記側板の外側に配置される円盤状刃物とから成るものとされ、前記円盤状刃物は、刃物軸に同心に取り付けられた管切断用の切断刃と管の外周面に周溝を形成するための溝切り刃とを備えたものとされ、前記切断・溝切り手段は、前記連結杆の1つによって軸支されて旋回可能にされ、且つ、所望の旋回位置に固定可能にされる。
【0015】
本装置による加工方法の一態様では、前記周回駆動手段により、回転自在に支持された管が回転駆動されて加工される。また、前記側板の一方又は前記ホイール軸の一方に、案内レールに係合するコロを備えたコロ軸を脱着可能に設ける使用法もある。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述した通りであって、簡易な構成で低コストにて供給でき、案内レールを用いないためにその設置及び案内レールに対する案内車輪の係合等の加工作業前の準備作業に時間を割かれることがなく、管の加工作業を迅速簡便に行うことが可能となり、また、装置の中間位置に重心を配置する重量バランスのために、周回動作が安定して横方向へのずれ動きがなくなり、切断・溝切りの開始端と終了端のずれが防止され、切断機の管軸と垂直な面内走行が実現されて精度の高い切断作業と溝切り作業とを同時に行うことが可能となる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を、添付図面に依拠して説明する。本発明に係る管切断加工装置(本装置1)は、切断・溝切り加工する管40に取り付けられ、管40の外周面に沿って周回しつつ、管40の端部の切断と溝切りとを同時に行う装置であって、管40への固定手段と、管40の周面に沿っての走行手段及び周回駆動手段と、管40の端部の切断と溝切りとを同時に行う切断・溝切り手段とを備えて成る。
【0018】
本装置1は、2本のホイール軸4a、4bと複数の連結杆4、4cを介して対置連結された側板2、3を有していて、上記管40への固定手段、管40の周面に沿っての走行手段及び周回駆動手段、並びに、管40端部の切断・溝切り手段の構成部のほとんどの部分が、この側板2、3間(一部は側板2、3の外側面)に組み込まれる。その際、好ましい実施形態においては、本装置1の重心が側板2、3の中間位置にくるように重量バランスが取られて、各部が配置される。
【0019】
本装置1が管40の周面に沿って移動するための走行手段は、側板2、3下部間前後に備え付けられて、管40の周面に当接して転動するホイールである。管40周面に沿っての進行方向後方側に配備される後方ホイール8は、側板2、3自体に軸支されていて変位しない固定ホイール軸4aに固定される。一方、進行方向前方側に配備される前方ホイール9は、旋回板10に軸支された可動ホイール軸4bに固定される。旋回板10は、旋回軸11を介して側板2、3に軸支されている(図3、図4参照)。
【0020】
この可動ホイール軸4bは、旋回軸11を軸とする旋回板10の旋回に伴い、固定ホイール軸4aに近付く小径管用である第1の位置(図4における実線参照)と、固定ホイール軸4aから離れる大径管用である第2の位置(図4における仮想線参照)との間を揺動し、旋回板10の旋回端において、上記第1又は第2の位置に収まる。このように可動ホイール軸4bが変位することで、本装置1は、径の異なる管40についての使用が可能となる。側板2、3には、可動ホイール軸4bを上記第1の位置、あるいは、第2の位置に保持するために、可動ホイール軸4bが収まる2つの凹陥部12が形成される(図1、3参照)。図示した例では、可動ホイール軸4bは、固定ホイール軸4aに近い小径管用の凹陥部12の方に収まっている。
【0021】
通例、上記後方ホイール8及び前方ホイール9としては、金属製のものが用いられるが、その場合好ましくは、各ホイール8、9の周面に、横滑りを防止するための周溝14が1又は数本形成される(図6参照)。
【0022】
本装置1の管40周面への固定手段は、連結杆4cに設置される締め付け具とサポートチェーン16とから成る。締め付け具は、本体ケース15と、本体ケース15下部に設置されるフック17と、本体ケース15上面に設置される調整ハンドル18とで構成されていて、調整ハンドル18を螺進又は螺退させることにより、フック17を本体ケース15から出し、あるいは、本体ケース15内に引き込むことができるようになっている(図3参照)。
【0023】
サポートチェーン16は、一端が後述する周回駆動手段に固定されていて、本装置1の管40への固定操作時に、その中間部から先端部に至る部分の適宜箇所が、フック17に引っ掛けられることになる(図3参照)。
【0024】
本装置1の周回駆動手段は、側板2、3間に揺動自在に取り付けられる周回駆動モーターと、周回駆動モーターによって回転駆動される駆動ホイール20とから成る。周回駆動モーターはモーターケース21内に収納されており、モーターケース21の上部には、側板2、3において軸支される取付板22が延設されている(図2、4、5参照)。従って、モーターケース21は、側板2、3に対して首振り自在の状態となっている。
【0025】
駆動ホイール20の軸は、モーターケース21において軸支される。駆動ホイール20は、管40の周面に強く当接して管40を回転させるように作用するものであるので、管40に対して摩擦抵抗の大きいゴム又は樹脂製とされる。また、駆動ホイール20の軸には、板状のチェーン取り付け部材28が回動可能に取り付けられていて、そこにサポートチェーン16の一端が固定される(図6参照)。
【0026】
管40の端部の切断と溝切りとを同時に行うための切断・溝切り手段は、側板2、3間に設置されるカッティング用モーター23と、一方の側板3の外側に配置される円盤状刃物24とから成る。円盤状刃物24は、刃物軸25に同心に取り付けられた、管40切断用の切断刃(ダイヤモンドカッタ−)26と管40の外周面に周溝41を形成するための溝切り刃(ダイヤモンドカッター)27とを備え(特に図5参照)、更に必要に応じ、これらの刃26、27の近辺に、位置決めローラー(図示してない)を備えて成る。切断刃26及び溝切り刃27は、その切り込みに携わる部分を除き、蓋付き安全カバー30によって被覆される。
【0027】
位置決めローラーは、刃物軸25に軸支されて自由回転し、溝切り刃27による溝切り深さを規制する。即ち、位置決めローラーは溝切り刃27よりも小径で、その径差が周溝41の深さに対応している。従って、溝切り刃27による加工が進むにつれ、位置決めローラーの周面が次第に管40の外周面に近付いていく。やがて位置決めローラーの周面が管40の外周面に当接するに至るが、その状態になると切り込みはそれ以上進まず、その結果、周溝41は一定の深さのものとなる。
【0028】
なお、刃物軸25の回転駆動は、図示した例のように、それに直結したカッティング用モーター23によって行うだけでなく、フレキシブルシャフトを介して、外部エンジンやモ−タ−等からの動力を伝達することによって行うこともできる。
【0029】
切断・溝切り手段は、連結杆4cに軸支されて旋回可能に支持される。即ち、連結杆4cに、カッティング用モーター23の減速機構部23aを挟持する支持ブロック31を回動可能に取り付ける(特に図2参照)。また、減速機構部23aの一部を突出させて、レバー取付部23bを形成し、そこに調整レバー32の軸を固定する。
【0030】
側板3には、調整レバー32の軸を遊挿するための上下方向に長い弧状孔33が形成され、更に、円盤状刃物24に隠れて見えないが、カッティング用モーター23の軸を遊挿するための、やはり上下方向に長い弧状孔が形成される。
【0031】
調整レバー32は締付具32aを有していて、それを緩めることによって弧状孔33に沿って摺動可能となり、それを締めることによって弧状孔33の任意の位置に固定できるようになっている。従って、締付具32aを締め、あるいは、緩めることで調整レバー32を操作することにより、連結杆4cに軸支されている切断・溝切り手段を旋回させて、所望の旋回位置に固定することが可能となる。
【0032】
なお、図中35は、側板2の外側面に取り付けた操作盤、36は図示せぬ吸塵機から延びる吸塵ホースである。また、図1、2における42は、本装置1の方は移動せずに管40の方が回転動作する使用態様において用いる支持ベースで、43は支持ベース上において自由回転して管40を受ける受けローラーであり、また、図6における44は、管40が固定されて本装置1の方がその周りを周回動作する使用態様において用いる、管固定具を示している。
【0033】
上記のとおり、本装置1の場合、それ自体移動せずに管40の方が回転動作する使用態様と、管40が固定されて本装置1の方がその周りを周回動作する使用態様とがある。
【0034】
先ず、前者(主に図1乃至図3参照)の場合から説明すると、その作業工程は、概ね次のとおりとなる。
a.加工すべき管40を支持ベース42の受けローラー43上に載置する。
b.旋回板10を操作して、前方ホイール9を、管40の径に対応する第1の位置又は第2の位置に移動させた後、本装置1を管40上に載置する。
c.垂れ下っているサポートチェーン16を管40の下をくぐらせて引き出し、その適宜箇所をフック17に引っ掛ける。
d.刃物26、27の加工位置を確認し、必要に応じて本装置1を横方向にずらし動かした後、調整ハンドル18を回してサポートチェーン16を軽く締め付ける。
e.周回駆動モーターを始動させ、管40を少し回転させたところで一旦停止させ、刃物26、27の加工位置を確認しつつ、サポートチェーン16を増し締めする。
f.カッティング用モーター23を始動して刃物26、27の回転を開始させ、刃物26、27が管40に接するまで刃物軸25をゆっくり下ろし、更に徐々に押下げて切り込みを開始させる。
g.位置決めローラーが管40に接触して回転しなくなるまで切り込みを続け、調整レバー32の締付具32aを締めつけて刃物軸25を所望位置に固定する。
h.周回駆動モーターを再びスタートさせ、切断終了前に脱落することになる管40の切断端を保持する。
i.溝切り終了まで周回を継続させ、溝切り終了後、締付具32aを緩めて調整レバー32上昇させることで刃物軸25を上端まで引き上げ、締付具32aを締めて調整レバー32を固定する。
【0035】
上記bの工程において、重量のあるモーターケース21が接地し、また、重心が側板2、3間の中心位置にくる重量バランスとされているため、本装置1は管40上に比較的安定した状態にて載置することができ、その後の操作が容易となる。また、上記重量バランスのために、サポートチェーン16が1本であっても周回動作が安定して横方向へのずれ動きがなくなり、切断・溝切りの開始端と終了端のずれが防止される。
【0036】
このように本装置1は、単に管40上に載置し、サポートチェーン16を管40の下をくぐらせて引き出してフック17に引っ掛けるだけで管40に架装でき、次いで調整ハンドル18を回してサポートチェーン16を締め付けることで装着完了となる。そしてその後、周回駆動モーターを始動させることで直ちに切断・溝切り作業を開始することが可能となる。
【0037】
管40が固定されて本装置1の方がその周りを周回動作する使用態様の場合は、上記aの工程において、加工すべき管40を管固定具44によって固定しておくことが異なるだけで、他の工程は基本的に変わりがない。
【0038】
上述した例は案内レールを用いないものであるが、上記構成において、側板2の外側面に、案内レールに係合するコロを備えたコロ軸を脱着可能に装備することとすれば(あるいは、固定ホイール軸4aを延長してコロ軸とすることもできる。)、案内レールを用いる使用方法にも対応できるものとなる。
【0039】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示す正面側斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の構成を示す背面側斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の構成における特に固定手段を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の他の使用態様を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態の他の使用態様を示す側面側斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態の他の使用態様を示す正面側斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 本装置
2、3 側板
4、4c 連結杆
4a 固定ホイール軸
4b 可動ホイール軸
8 後方ホイール
9 前方ホイール
10 旋回板
11 旋回軸
12 凹陥部
14 周溝
15 本体ケース
16 サポートチェーン
17 フック
20 駆動ホイール
21 モーターケース
22 モーター取付板
23 カッティング用モーター
23a 減速機構部
23b レバー取付部
24 円盤状刃物
25 刃物軸
26 切断刃
27 溝切り刃
32 調整レバー
32a 締付具
33 弧状孔
35 操作盤
36 吸塵ホース
40 管
41 周溝
42 支持ベース
43 受けローラー
44 管固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管への固定手段と、前記管の外周面に沿っての走行手段及び周回駆動手段と、前記管の端部の切断・溝切り手段とを備えていて、前記管の端部の切断と溝切りとを同時に行う装置であって、
2本のホイール軸と複数の連結杆を介して対設された側板を有していて、前記管への固定手段、走行手段及び周回駆動手段、並びに、管端部の切断・溝切り手段の多くの部分が前記側板間に組み込まれ、装置全体の重心が前記側板の中間位置にくるように重量バランスが取られていることを特徴とする管切断加工装置。
【請求項2】
前記走行手段は、前記側板の下部間前後に備え付けられて、前記管の周面に当接して転動するホイールであり、前記管周面に沿っての進行方向後方側に配備される後方ホイールは、前記ホイール軸の1方の前記側板自体に軸支されていて変位しない固定ホイール軸に取り付けられ、進行方向前方側に配備される前方ホイールは、前記ホイール軸の他方の前記側板に設置された旋回板に軸支された可動ホイール軸に取り付けられ、前記可動ホイール軸は、前記旋回板の旋回端において、小径管用の第1の位置又は大径管用の第2の位置のいずれかの位置に収まる、請求項1に記載の管切断加工装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記連結杆の1つに設置される締め付け具と、一端が前記周回駆動手段に固定され、他端側の任意の部位が前記締め付け具のフックに引っ掛けられる1本のサポートチェーンとから成り、前記締め付け具は、本体ケースと前記本体ケース下部に設置される前記フックと、前記本体ケース上面に設置される調整ハンドルとで構成されていて、前記調整ハンドルを螺進又は螺退させることにより、前記フックを前記本体ケースから出し、あるいは、前記本体ケース内に引き込むことが可能な構成である、請求項1又は2に記載の管切断加工装置。
【請求項4】
前記周回駆動手段は、前記側板間に揺動自在に取り付けられる周回駆動モーターと、前記周回駆動モーターによって回転駆動される駆動ホイールとから成り、前記周回駆動モーターのモーターケースの上部に前記側板において軸支されるモーター取付板が延設され、以て、前記モーターケースが前記側板に対して首振り自在の状態に支持されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の管切断加工装置。
【請求項5】
前記切断・溝切り手段は、前記側板間に設置されるカッティング用モーターと、一方の前記側板の外側に配置される円盤状刃物とから成り、前記円盤状刃物は、刃物軸に同心に取り付けられた管切断用の切断刃と管の外周面に周溝を形成するための溝切り刃とを備えたものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の管切断加工装置。
【請求項6】
前記切断・溝切り手段は、前記連結杆の1つによって軸支されて旋回可能であり、所望の旋回位置にて固定可能である、請求項1乃至5のいずれかに記載の管切断加工装置。
【請求項7】
前記周回駆動手段により、回転自在に支持された管が回転駆動されて加工される、請求項1に記載の管切断加工装置。
【請求項8】
前記側板の一方又は前記ホイール軸の一方に、案内レールに係合するコロを備えたコロ軸を脱着可能に設けた、請求項1乃至7のいずれかに記載の管切断加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−69558(P2010−69558A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238040(P2008−238040)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(594115463)株式会社中野製作所 (9)