管継手
【課題】狭い取り付け場所においても容易に取り付けることが可能な管継手を提供する。
【解決手段】本発明に係る管継手1は、本体2の一端側に、外部配管60を接続する一もしくは複数の継手部4を備え、他端側に、取付用ネジ部3を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、前記取付用ネジ部3は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部3を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有する。
【解決手段】本発明に係る管継手1は、本体2の一端側に、外部配管60を接続する一もしくは複数の継手部4を備え、他端側に、取付用ネジ部3を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、前記取付用ネジ部3は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部3を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関し、さらに詳細には、一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配管接続に用いられる管継手として、通過流体の多様化から、耐食性等に優れる樹脂材料を多用する管継手が普及している。
【0003】
ここで、管継手に関する従来技術の例として、特許文献1で提案されている管継手100がある(図14参照)。
この管継手100は、樹脂材料および金属材料からなる構成であって、一端側に樹脂管を接合可能な樹脂製の樹脂管接合部106を有すると共に、他端側に管材を連結可能な金属製の管材連結部107を有し、この管材連結部107は、管材に対する連結機構部115と、一端側が樹脂管接合部106にインサート成形され、他端側に連結機構部115に対する取付部116を有するインサートスリーブ117とから構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−64169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるような従来の管継手においては、取り付け時に工具から作用する高トルクに耐えられるように、取付部116を金属材料で形成すると共に、管材連結部107の外周に設ける構成が一般的であった。しかし、金属材料を用いることによって、加工工数の増加等に伴う製造コストの増加が避けられず、また、当該取付部が外周に設けられることによって、狭い取り付け場所においては、回動工具(ここでは、スパナ)が入らない、もしくは回転できないという理由から、取り付けが不可能になるといった課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、狭い取り付け場所においても容易に取り付けることが可能な管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
この管継手は、本体の一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、前記取付用ネジ部は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有することを要件とする。
【0009】
これによれば、回動工具を、取付用ネジ部の内部に挿入して連結および回動が可能となるため、従来のように広い回動用空間を必要とせず、非常に狭い場所であっても、取付用ネジ部を回動させて、管継手を取り付けることが可能となる。
【0010】
また、前記管路の一部もしくは全部が、前記取付用ネジ部を回動させる回動工具の嵌入が可能な前記工具連結部に形成されていることを要件とする。
【0011】
これによれば、取付用ネジ部の内部に工具連結部を設けることが可能となり、管路と兼用することによって、取付用ネジ部の小型化が可能となる。
【0012】
また、前記継手部は、前記外部配管が挿入される開口部を備え、該開口部は、前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさに形成されることを要件とする。
【0013】
これによれば、開口部から回動工具を挿入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。
【0014】
また、前記開口部の中心軸と、前記管路の中心軸とが一致しない構成であって、前記本体に前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさの工具挿入口が設けられ、該工具挿入口の密閉および開放が可能な蓋部が設けられることを要件とする。
【0015】
これによれば、開口部から回動工具を挿入して、工具連結部すなわち貫通孔に嵌入させることが不可能である場合に、工具挿入口から回動工具を挿入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。また、蓋部を備えて、流体通過時に工具挿入口の密閉が可能である。
【0016】
また、前記本体と前記取付用ネジ部とが相互に同軸で回動可能に連結されることを要件とする。
【0017】
これによれば、継手部の向きを固定したまま、取付用ネジ部のみを回動させることが可能となる。
【0018】
また、前記継手部と前記取付用ネジ部との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構を備えることを要件とする。
【0019】
これによれば、狭い場所に、流量調整機構を備える管継手を取り付けることが可能となる。
【0020】
また、前記取付用ネジ部は、軸方向の中心にインサート芯を備え、前記インサート芯の外周に、該インサート芯よりも軟らかい材料からなる雄ネジ状の前記ネジ山を有するネジ山部材が密着して形成されることを要件とする。
【0021】
これによれば、軟らかい材料からなるネジ山部材のネジ山が螺合相手のネジ形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が向上する。
【0022】
また、前記インサート芯に、前記管路が設けられることを要件とする。
【0023】
これによれば、硬い材料を使用するインサート芯に工具連結部を兼用する管路を形成することが可能となる。
【0024】
また、前記管路における前記工具連結部を兼用する箇所は、断面が多角形もしくは楕円形の貫通孔形状に形成されることを要件とする。
【0025】
これによれば、工具連結部を兼用する貫通孔に工具を嵌入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。
【0026】
また、前記インサート芯の先端部ならびに後端部もしくは該後端部よりも該先端部寄りの中間部に設けられる大径部によって前記ネジ山部材が挟み込まれるように構成されることを要件とする。
【0027】
これによれば、締結を行う際に、軸線方向のねじ込む方向およびそれと逆の方向の両方向に、ネジ山部材が流出するように変形することを防止することが可能となり、また、ねじ込む方向と逆方向に変形してインサート芯とネジ山部材との位置ずれが生じることを防止することが可能となる。それにより、長期にわたって緩みを防止することができる。
【0028】
また、前記先端部の大径部の外周には、前記ネジ山部材のネジ山に連続するネジ山が形成されることを要件とする。
【0029】
これによれば、ネジ山部材のネジ山に連続するように、先端部の大径部の外周にネジ山を形成することによって、それらを一つのネジとして一体で機能させつつ、ネジ山部材のネジ山の変形を抑止する効果を最適化することが可能となる。
【0030】
また、前記ネジ山部材は、テーパネジ形状に形成されることを要件とする。
【0031】
特に、このネジ山部材をテーパネジ形状に形成する場合、すなわち、径方向の圧縮力が作用する場合に、軟らかい材料からなるネジ山部材が螺合相手のネジ形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が格段に向上する。
【0032】
また、前記インサート芯の外周形状が、前記ネジ山部材のネジ山の山および谷と山および谷の位置が軸方向において一致するネジ形状を有することを要件とする。
【0033】
これによれば、インサート芯の外周において、ネジ山部材の厚さ均一化することが可能となり、締結の際に生じる力を均等に作用させることができ、変形防止に効果的である。
【0034】
また、前記インサート芯の外周には、前記ネジ形状を構成するネジ溝を周方向に分断する複数のリブが形成されることを要件とする。
【0035】
これによれば、締結の際、インサート芯とネジ山部材との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止できる。
【0036】
また、前記インサート芯の外周には、軸方向に延びる複数の突起部もしくは複数の溝部が形成されることを要件とする。
【0037】
前記同様、これによれば、締結の際、インサート芯とネジ山部材との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止できる。
【0038】
また、前記インサート芯は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて構成されることを要件とする。
【0039】
これによれば、強度、耐熱性、弾性強度、耐薬品性、寸法安定性に優れ、工具の嵌入・使用が可能であり、ネジ部材として用いられる場合の高荷重にも耐えられる。
【0040】
また、前記インサート芯に密着して形成されるネジ山部材は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて構成されることを要件とする。
【0041】
これによれば、熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるため、外周のネジ山部材の材料として好適である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、取付用ネジ部を回動させる回動工具を連結するための工具連結部を、当該取付用ネジ部の外周ではなく、内部に設ける構成を実現することによって、狭い取り付け場所においても、管継手の取り付けが不能になることを防止して、容易に取り付けることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図2は、その管継手1の接続機構5のスリーブ41の構成を示す概略図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は正面断面図、図2(c)は側面断面図である。図3は、その管継手1の接続機構5のロック部材42の構成を示す概略図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面断面図である。図4は、その管継手1の取付用ネジ部3の構成を示す概略図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面断面図である。図5は、その取付用ネジ部3のネジ山部材30とインサート芯31との密着部の構成を示す拡大図である。図6は、その取付用ネジ部3のインサート芯31の外周部の構成を示す拡大図である。図7は、その取付用ネジ部3のインサート芯31の構成を示す概略図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は正面図である。図8は、本発明の第二の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図9は、本発明の第三の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図10は、その管継手1の蓋部16を取り外した状態を示す概略図である。図11は、その管継手1の蓋部16の構成を示す概略図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は正面図である。図12は、本発明の第四の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図13は、本発明の第五実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。
【0044】
図1に示すように、本発明の第一の実施の形態に係る管継手1は、筒状に形成される本体2の後端部2bに、外部配管60を接続・固定する継手部4を備え、先端部2aに、取付用ネジ部3を備えて、内部を流体が通過する構造である。なお、外部配管60は継手部4の開口部12から軸方向に挿入される。一例として、本体2は熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いて構成される。符号7は、開口部12に設けられるゴム製のパッキンであり、本体2および挿入される外部配管60に隙間なく密着することにより、通過させる流体が漏れないようにシールを行う。また、開口部12が設けられる位置には、接続機構5およびパッキン7を本体2内部に保持するためのリング状のキャップ部50が設けられる。
また、取付用ネジ部3は、外周にネジ山を有するネジ山部材30を備えると共に、その内部には当該取付用ネジ部3を回動させるための回動工具を嵌入する工具連結部と、流体が通過する管路とを備える(詳細は後述)。管継手1は、取付用ネジ部3によって、外部流体機器(不図示)における流体が出入する接続孔に接続される。
このようにして、管継手1を介して外部配管60と外部流体機器とを結ぶ流体の流路が構成される。
【0045】
ここで、外部配管60を接続・固定するために継手部4に設けられる接続機構5は、当該接続・固定機能を発揮する構成であれば足り、特にその構成は限定されるものではないが、第一の実施の形態、第二の実施の形態においては、後述のように開口部12から挿入される回動工具が貫通孔6まで到達できる構成であることが必要となる。
一例として、接続機構5は以下に示す構成が考えられる。本体2に、軸方向が本体2の軸方向と一致するようにして筒状のスリーブ41(図2参照)が内嵌されて固定される。さらに、スリーブ41に、環状のリング部43および当該リング部43から軸方向に延出する複数の延出部44を有するロック部材42(図3参照)が内嵌される。このとき、ロック部材42は、リング部43の軸方向と前記スリーブ41の軸方向とが一致するように構成されると共に、スリーブ41内を軸方向に移動可能および周方向に回動可能なように構成される。
【0046】
図2にスリーブ41の構成を示す(図2(a)は平面図、図2(b)は正面断面図、図2(c)は側面断面図)。スリーブ41は、筒状の壁部を貫通する切欠穴48が設けられる。本実施の形態では、切欠穴48は軸対象に二箇所設けられる。なお、切欠穴48には、ロック部材42の突起部45(後述)が係合される。なお、スリーブ41は、一例としてPOM(ポリアセタール)等の樹脂材料からなる。
【0047】
図3にロック部材42の構成を示す(図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面断面図)。本実施の形態では、延出部44はリング部43の軸を対称に二箇所設けられる。なお、延出部44の個数は二箇所でなくてもよいが、二箇所の場合には、金型パーティングラインが2つ割りとなることによって、生産性の向上が図られる。
延出部44は、筒体を(スリットにより)2つ割りにした半筒状の形態をなし、リング部43への接続部には、周方向に伸びる切欠が形成され、これにより両延出部44は、両外方へ、弾力をもって屈曲可能となっている。
各延出部44の内周には、径方向の内方に向かって立設されるプレスツメ46が設けられる。このとき、軸中心に対向するプレスツメ46同士の間の距離D1は、挿入される外部配管60に圧接させることが可能なように、外部配管60の外径よりも小さく構成される。例えば、鋸刃状に形成することにより食い込み力、摩擦力をより高めることができる。
また、ロック部材42には、延出部44において径方向の外方に向かって立設される突起部45が設けられる。各突起部45は、対応する位置の前記切欠穴48内に侵入し、当該切欠穴48内を移動可能な状態となっている。
なお、一例として、ロック部材42は、可撓性を有する樹脂材料からなり、プレスツメ46はステンレス鋼からなる。なお、当該樹脂材料としては、POM(ポリアセタール)が強度、弾性率、耐衝撃性、摺動特性に優れており好適である。
【0048】
また、接続機構5には、ロック部材42を管の抜脱方向(図1中の上方向)に向かって付勢する付勢部材47が設けられる。本実施の形態においては、付勢部材47は、ロック部材42と一体に形成される構成を備え、より具体的には、リング部43から管の挿入方向(図1中の下方向)に向かって螺旋状に延出する形状であって、リング部43の軸に対して軸対称に二箇所設けられる(図3参照)。もちろん、ロック部材42と別体に形成してもよく、コイル状等のように上記以外の形状であってもよい。
なお、各付勢部材47は、各延出部44に対応させてその下方から延出するように形成される構成を備える。
【0049】
上記構成によって、外部配管60をロック部材42に挿入したとき、当該ロック部材42が挿入方向に押動されて、付勢部材47の先端部と対応する本体2の当接部24とが当接・摺動して、リング部43が折れ曲がることによって対向する延出部44間が拡径される作用が生じる。
その結果、対向する延出部44同士の間、特に、外部配管60の外径よりも小さく構成されている対向するプレスツメ46同士の間が拡径されて、外部配管60の外径よりも大きく拡げられるため、外部配管60が対向する延出部44の間(特に、対向するプレスツメ46同士の間)の空間部に進入することが可能となる。なお、厳密には、外部配管60がプレスツメ46に摺接しながら進入することとなる。
【0050】
また、スリーブ41に延出部縮径用テーパ面51が設けられ、これに対応する当接部として、延出部縮径用テーパ面52がロック部材42に設けられる(図2、3参照)。
【0051】
その作用として、ロック部材42内に挿入されてロックされている外部配管60を抜脱方向に引動したとき、スリーブ41に内嵌されているロック部材42が外部配管60と共に抜脱方向に引動されることにより、延出部縮径用テーパ面51と、該テーパ面に対応する当接部すなわち延出部縮径用テーパ面52とが当接して摺動する。このとき、延出部縮径用テーパ面52が延出部縮径用テーパ面51から受ける力(径方向の内方へ押される力)の作用によって、延出部縮径用テーパ面52が設けられている延出部44の開口部12側の端部が径方向の内方に向かって変位する。その結果、対向する延出部44同士の間、特に、外部配管60の外径よりも小さく構成されている対向するプレスツメ46同士の間が縮径されて、当該プレスツメ46がより一層外部配管60の外周に食い込むこととなる。すなわち、外部配管60を抜脱方向に引動する力が大きければ大きいほど、プレスツメ46同士の間が一層縮径されることなり、プレスツメ46が外部配管60の外周に食い込む力すなわち外部配管60とプレスツメ46との圧接力が一層大きくなるため、前記引動力が大きくなっても外部配管60の抜脱を防止することが可能となる。
【0052】
続いて、管継手1に外部配管60を接続・固定する際の操作と、管継手1の動作について説明する。
外部配管60を繋ぐ前の段階では、管継手1は、図1に示すように、ロック部材42が付勢部材47の付勢力で開口部12側に向かって付勢されて静止している。
【0053】
この図1の状態で、作業者は、外部配管60を開口部12から挿入する。このとき、外部配管60の先端部は、最初に、延出部44に設けられたプレスツメ46の開口部12側上面に当接して、スリーブ41に内嵌されているロック部材42が外部配管60によって挿入方向に押動される。これにより、ロック部材42下部に設けられた付勢部材47の先端部と本体2の当接部24とが当接し、付勢部材47が付勢力を発生させるが、当該付勢力に抗して、さらに外部配管60を押し込むと、付勢部材47の先端部と当接部24とが摺動して、リング部43が折れ曲がることによって対向する延出部44間(プレスツメ46間)が拡径される。
なお、ロック部材42のリング部43には、外部配管の進入量を規制するストッパ49が設けられているため、ロック部材42の内部において所定量以上に外部配管60が進入することはない。ただし、外部配管60よりも外径の小さい回動工具の進入は可能である。
ちなみに、上記の動作中において、外部配管60の先端部が当接する箇所は、延出部44間(プレスツメ46間)の拡径が進むにつれて、プレスツメ46の開口部12側上面から、ストッパ49へと移行する。
【0054】
作業者が、外部配管60の挿入を停止することによって、自動的にロックが完了する。より詳しくは、強制的に拡径されている状態の延出部44が元に戻ろうとする復元力が生じるためである。
なお、付勢部材47がロック部材42をスリーブ41内において抜脱方向へ付勢する力を生じさせているため、外部配管60の挿入力を解除すると、付勢部材47がロック部材42を抜脱方向へ押動する。
【0055】
ちなみに、外部配管60がロックされた状態においては、パッキン7の内周と外部配管60の外周とが隙間無く密着し、パッキン7の外周と本体2の内周とが隙間無く密着するため、通過流体が外部に漏出することが防止される。
【0056】
続いて、取付用ネジ部3の構成について説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る取付用ネジ部3は、インサート芯31の外周に、ネジ山部材30が密着して形成されて、雄ネジとして構成される。また、ネジ山部材30のネジ山の先端部と後端部とを軸線方向において挟み込むように、インサート芯31には先端部3aの位置に大径部32が設けられ、後端部3b(後端部3bよりも先端部3a寄りの中間部でもよい)に大径部34が設けられる。
また、後端部3bに連結部35が設けられる。なお、連結部35は、別体で形成して後端部3bに接続してもよく、本実施形態のように、インサート芯31に連続して一体で形成し、後端部3bから本体2の方向へ延出するように構成してもよい。
【0057】
本実施の形態では、本体2を別体として形成しておき、連結部35に連結して、管継手1を構成する(図1参照)。なお、Oリング19によってシール性を保っている。
この構成によれば、本体2に設けられる継手部4の多品種化に対応しつつ、ネジ部(取付用ネジ部3)の共通化を図り、製造コストの削減、あるいは量産化が可能となる。
【0058】
一方、ネジ山部材30は、インサート芯31よりも軟らかい材料で構成する。これにより、特に、ネジ山部材30をテーパネジ形状に形成する場合に顕著な効果が生じる。より具体的には、締結する際、径方向の圧縮力が作用して、軟らかい材料からなるネジ山部材30が螺合相手のネジ部(ここでは雌ネジ)の形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が格段に向上する。なお、軟らかい材料は、径方向の圧縮力によって、軸線方向のねじ込む方向およびそれと逆の方向の両方向に、いわば流出するように変形が生じてしまうが、本実施形態では、インサート芯31の先端部3aおよび後端部3bに設けられる大径部32および34によって、ネジ山部材30の両端部が挟み込まれて形成されているため、そのような変形が抑止されて、変形に起因した締結の緩みが長期にわたって防止される。
【0059】
上記変形を抑止するために、変形が生じる位置、すなわちネジ山部材30の山部21aおよび谷部21bの外径位置において、大径部32および34によって挟み込むように構成することが好適である。しかし、大径部32および34の外径は、ネジ山部材30の山部21aの外径よりも大きく形成すれば、挟み込みは十分となるが、先端部3aの大径部32がネジ山部材30の山部21aよりも大径になると、雌ネジとの螺合が不可能となる。したがって、大径部34はネジ山部材30の山部21aよりも大径で、且つ大径部32はネジ山部材30の山部21aと同径である構成が、ネジ山部材30のネジ山の両端部全体に接して抑止を行うために最適であるといえる。当該構成を実現するため、本実施形態では、特に、インサート芯31の先端部3aの大径部32の外周に、ネジ山部材30のネジ山に連続するネジ山33が形成されている。すなわち、ネジ山部材30の山部21aおよび谷部21bと、ネジ山33の山部33aおよび谷部33bとが、それぞれ連続するように形成されて、一つのネジとして一体で機能させると共に、大径部32の外径を、許容範囲内で最適化(最大化)している。
【0060】
加えて、本実施形態では、図5に示すように、インサート芯31の外周形状が、ネジ山部材30のネジ山の山および谷(山部21aおよび谷部21b)と山および谷の位置が軸線方向において一致するネジ形状(山部36aおよび谷部36b)を有する。それによって、インサート芯31に相対的に硬い材料(例えば、高強度樹脂)を使用し、その外周のネジ山部材30に相対的に軟らかい材質(例えば、樹脂)を均一に成形することにより、工具を使用してインサート芯31を回動させても破壊されることなく、且つネジ締めに伴う高荷重によるネジ山部材30のネジ山の欠落・変形・経年変化等がない構造を可能にする。
【0061】
さらに、図6に示すようにインサート芯31の外周には、ネジ形状を構成するネジ溝36bを周方向に分断する凸状のリブ37が複数形成される。また、図7(図7(a)は平面図、図7(b)は正面図)に示すようにインサート芯31の外周には、軸線方向に延びる複数の突起部38、および複数の溝部39が形成され、ネジ山部材30の延出部22によって被覆される(図4参照)。
これらによって、締結の際、インサート芯31とネジ山部材30との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止でき、経年変化も防止できる。
【0062】
ここで、使用材料の例として、インサート芯31は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂等が好適である。ポリアミドMXD6樹脂は、強度、耐熱性、弾性強度、耐薬品性、寸法安定性に優れ、工具の嵌入・使用が可能であり、ネジ部材として用いられる場合の高荷重にも耐えられる材料で、ガラス繊維を50%含ませることにより、さらに性能を向上させることができる。最適材料はReny(三菱瓦斯化学株式会社登録商標)である。また、ポリフェニレンスルファイド樹脂は、強度や剛性がきわめて高く、耐磨耗性にも優れる。ポリアミドMXD6樹脂よりも靭性が低いものの、食品安全性が高く、アメリカ食品医薬品局および米国科学財団では食品機器厨房用品や水道飲用水に接触する部分への使用を認可しているため、ネジの使用用途によっては最適材料となる。
一方、ネジ山部材30は、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が好適である。熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるため、外周のネジ部分の材料として適している。
【0063】
上記構成を備えることによって、従来の管継手では金属材料を用いて形成していた取付用ネジ部を、樹脂材料で形成することが可能となり、取り付け時の高トルクに耐えられる構成を実現しつつ、製造コストを低下させることが可能となる。
また、本実施形態に係る取付用ネジ部3は、高いシール性と長期にわたる緩み防止が達成可能であるため、管用ネジとして好適である。さらに、取付用ネジ部3を管用テーパ雄ネジとしてJISB203等の規格を適用して形成することで、汎用性を高めることが可能となる。
【0064】
ところで、従来、管継手の管用ネジは、内部に管路を備えるため、回動用の工具を連結するための工具連結部は外周部に設けられていた(図14参照)。そのため、管継手を狭い場所に取り付ける際に、回動工具を工具連結部に連結させることができない、あるいは連結はできても回転させることができない等の事象がしばしば発生し、取り付けが不可能になるといった課題があった。
【0065】
さらに、本実施形態のように、取付用ネジ部3の外周部すなわちネジ山部材30が軟らかい材料からなる場合、工具連結部を形成するには不適である。その一方で、インサート芯31をネジ山部材30の延出部22よりも、後端部3bの方向に長く延出させて、その延出部に工具連結部を形成しようとすると、コンパクト性に欠けることとなる。
【0066】
そこで、本実施形態においては、管路と工具連結部とを兼用することが可能な構造を取付用ネジ部3の内部に設けることによって、上記の課題の解決を可能とした。
より具体的には、取付用ネジ部3のインサート芯31の内部に、管路と取付用ネジ部3を回転させる回動工具を嵌入するための工具連結部とを兼用する断面が多角形の貫通孔6を、当該インサート芯31の径の中心を通って軸線方向に貫通するように設けている。
また、継手部4の開口部12は、回動工具を挿入して回動させることが可能な大きさに形成される。
【0067】
一例として、貫通孔6は、軸線方向の一部もしくは全部を断面が正六角形に形成する。それによって、汎用六角レンチを使用して締結することが可能となる。ただし、貫通孔6の断面形状は正六角形には限定されず、他の多角形(例えば星型のような形状も含む)、もしくは楕円等のように正円以外の曲線からなる形状であってもよい。
【0068】
従来は、管継手を取り付ける際に、外周部に設けられていた工具連結部にスパナ等の回動工具を連結して、取付用ネジ部を回動させ、取り付けていたのに対し、上記構成を備えることによって、六角レンチのような回動工具を取付用ネジ部3の内部に軸線方向に挿入し、連結(嵌入)および回動が可能となるため、従来のスパナのように径方向に広い回動用空間を必要とせず、非常に狭い場所であっても、取付用ネジ部3を回動させて、管継手1を取り付けることが可能となる。さらに、電動回転工具等の使用も可能となるため、短時間に且つ容易に取り付けることが可能となる。
【0069】
続いて、第二の実施の形態に係る管継手1について説明する。
図8に示すように、前記第一の実施の形態との相違点として、取付用ネジ部3の後端部3bに連結部35が設けられない構成であると共に、筒状の本体2とネジ山部材30とが前記樹脂を用いて一体に形成される構成である。
この構成によれば、部品点数の削減および製造工程の削減が可能となるため、製造コストをより低く抑えることが可能となる。
【0070】
続いて、第三の実施の形態に係る管継手1について説明する。
前記第一の実施の形態、第二の実施の形態との相違点として、本実施形態の管継手1は、開口部12の中心軸と、管路すなわち貫通孔6の中心軸とが一致しない構成を有する。
より具体的には、図9に示すように、取付用ネジ部3の中心軸(ここでは貫通孔6の中心軸と一致)と、本体2の中心軸とが一致するように、取付用ネジ部3と本体2とが連結され(第二の実施形態のように一体形成でもよい)、本体2の中心軸と継手部4の中心軸とが0度ではない角度(ここでは90度)をなすように、本体2と継手部4とが連結(本実施形態では一体に形成)される。
【0071】
上記の構成を有する管継手1は、一般に、L字状継手あるいはLタイプ継手等と称されるものであるが、前記第一の実施の形態、第二の実施の形態と相違して、継手部4の開口部12から回動工具を挿入して、工具連結部すなわち貫通孔6に嵌入させることが不可能である。
そこで、本実施形態に特徴的な構成として、回動工具を挿入して回動させることが可能な大きさの工具挿入口14が本体2に設けられる。もちろん、継手部4に設けてもよい。
【0072】
本実施形態では、図9〜図11に示すように、工具挿入口14は、その中心軸が、貫通孔6の中心軸と一致するように本体2に設けられる。さらに、貫通孔6の中心軸と一致するように本体2の内部に設けられる管路17は、回動工具の挿入路を兼用することとなる。このようにして、工具挿入口14から管路17を経て貫通孔6に至る、回動工具の挿入路が構成される。
なお、回動工具を挿入して回動させることが可能でさえあれば、工具挿入口14および管路17は、貫通孔6に対して中心軸を一致させることは必須ではなく、形状についても特に限定されるものではない。
【0073】
一方、工具挿入口14は、流体を通過させる際に、シールする必要があることから、当該工具挿入口14を密閉および開放することが可能な蓋部16が設けられる。本実施形態では、工具挿入口14と蓋部16との間にOリング18を設けて流体が漏れないようにシールを行っている。ここで、図9は蓋部16が取り付けられた状態の図であり、図10は蓋部16が取り外された状態の図である。
なお、蓋部16と工具挿入口14との締結方法は、ネジによる螺合方式としたが、これに限定されるものではない。また、締結に使用する工具もドライバー、レンチ等、どのようなものであってもよく、蓋部16の上面を該工具に対応した工具連結用形状とすればよい。
図11(図11(a)は平面図、図11(b)は正面図)に示すように、本実施形態においては、汎用六角レンチ61により回動可能なように、蓋部16の上面の工具連結用形状を正六角形の溝としている(図11中の符号20)。なお、その溝(正六角形)の大きさと、貫通孔6の断面(正六角形)の大きさとを一致させれば、共通の回動工具(六角レンチ)によっていずれも回動させることが可能となるため、非常に効率的である。
【0074】
なお、本体2と取付用ネジ部3とは相互に同軸で回動可能に連結される構成であってもよい。この構成によれば、例えば、狭い場所における取り付け時等、継手部4を回動させることが出来ない場合であっても、継手部4の向きを固定したまま、取付用ネジ部3のみを回動させることが可能となるため、管継手1の取り付けを行うことが可能となる。
【0075】
続いて、第四の実施の形態に係る管継手1について説明する。
前記第三の実施の形態との相違点として、本実施形態の管継手1は、継手部4を複数備える構成である。
例えば、図12に示すように、本体2に二つの継手部4が連結される(本実施形態では一体に形成される)構成を有し、一般に、T字状継手あるいはTタイプ継手等と称されるものである。
なお、継手部4の数が異なる点以外は、上記第三の実施の形態と同様の構成を備えるものであるため、説明を省略する。もちろん、継手部4が三つ以上である構成も考えられる。
【0076】
続いて、第五の実施の形態に係る管継手1について説明する。
本実施形態の管継手1は、前記第三の実施の形態を基本構成とし、継手部4と取付用ネジ部3との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構9が設けられる構成である。
流量調整機構9については、様々な構成が考えられるが、例えば、図13に示すように、先端部にV字状の切欠部56が設けられたニードル55を、調整ダイヤル57を用いて軸方向に移動させて、当該切欠部56とチェック弁58とによって形成される流路の面積を拡大もしくは縮小することによって、通過流体の流量を調整する機構である。なお、図13中、矢印Aが制御流、矢印Bが自由流の流れ方向を示す。
【0077】
以上説明したように、本発明によれば、従来の管継手では金属材料を用いて形成していた取付用ネジ部を樹脂材料で形成することが可能となり、その結果、取り付け時のトルクに耐えられる構成を実現しつつ、製造コストを低下させることが可能となる。
その一方で、取付用ネジ部のネジ山部材に軟らかい材料を用いて、螺合するネジとの密着性を高め、締結部のシール性を向上させることが可能であると共に、当該ネジ山部材が必要以上に変形してしまうことを抑止し、変形に起因した締結の緩みを長期にわたって防止することが可能となる。
さらに、取付用ネジ部をねじ込むための回動工具を連結するための工具連結部を、当該取付用ネジ部の外周ではなく、内部に設ける構成を実現することによって、狭い取り付け場所においても、従来のように回動工具が回動できないことによる取り付け不能を回避でき、容易に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図2】図1の管継手の接続機構のスリーブの構成を示す概略図である。
【図3】図1の管継手の接続機構のロック部材の構成を示す概略図である。
【図4】図1の管継手の取付用ネジ部の構成を示す概略図である。
【図5】図4の取付用ネジ部のネジ山部材とインサート芯との密着部の構成を示す拡大図である。
【図6】図4の取付用ネジ部のインサート芯の外周部の構成を示す拡大図である。
【図7】図4の取付用ネジ部のインサート芯の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図10】図9の管継手の蓋部を取り外した状態を示す概略図である。
【図11】図9の管継手の蓋部の構成を示す概略図である。
【図12】本発明の第四の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図13】本発明の第五実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図14】従来の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1 管継手
2 本体
3 取付用ネジ部
4 継手部
5 接続機構
6 貫通孔
7 パッキン
9 流量調整機構
12 開口部
14 工具挿入口
16 蓋部
18、19 Oリング
30 ネジ山部材
31 インサート芯
32、34 大径部
33 ネジ山
35 連結部
41 スリーブ
42 ロック部材
60 外部配管
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関し、さらに詳細には、一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配管接続に用いられる管継手として、通過流体の多様化から、耐食性等に優れる樹脂材料を多用する管継手が普及している。
【0003】
ここで、管継手に関する従来技術の例として、特許文献1で提案されている管継手100がある(図14参照)。
この管継手100は、樹脂材料および金属材料からなる構成であって、一端側に樹脂管を接合可能な樹脂製の樹脂管接合部106を有すると共に、他端側に管材を連結可能な金属製の管材連結部107を有し、この管材連結部107は、管材に対する連結機構部115と、一端側が樹脂管接合部106にインサート成形され、他端側に連結機構部115に対する取付部116を有するインサートスリーブ117とから構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−64169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるような従来の管継手においては、取り付け時に工具から作用する高トルクに耐えられるように、取付部116を金属材料で形成すると共に、管材連結部107の外周に設ける構成が一般的であった。しかし、金属材料を用いることによって、加工工数の増加等に伴う製造コストの増加が避けられず、また、当該取付部が外周に設けられることによって、狭い取り付け場所においては、回動工具(ここでは、スパナ)が入らない、もしくは回転できないという理由から、取り付けが不可能になるといった課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、狭い取り付け場所においても容易に取り付けることが可能な管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
この管継手は、本体の一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、前記取付用ネジ部は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有することを要件とする。
【0009】
これによれば、回動工具を、取付用ネジ部の内部に挿入して連結および回動が可能となるため、従来のように広い回動用空間を必要とせず、非常に狭い場所であっても、取付用ネジ部を回動させて、管継手を取り付けることが可能となる。
【0010】
また、前記管路の一部もしくは全部が、前記取付用ネジ部を回動させる回動工具の嵌入が可能な前記工具連結部に形成されていることを要件とする。
【0011】
これによれば、取付用ネジ部の内部に工具連結部を設けることが可能となり、管路と兼用することによって、取付用ネジ部の小型化が可能となる。
【0012】
また、前記継手部は、前記外部配管が挿入される開口部を備え、該開口部は、前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさに形成されることを要件とする。
【0013】
これによれば、開口部から回動工具を挿入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。
【0014】
また、前記開口部の中心軸と、前記管路の中心軸とが一致しない構成であって、前記本体に前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさの工具挿入口が設けられ、該工具挿入口の密閉および開放が可能な蓋部が設けられることを要件とする。
【0015】
これによれば、開口部から回動工具を挿入して、工具連結部すなわち貫通孔に嵌入させることが不可能である場合に、工具挿入口から回動工具を挿入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。また、蓋部を備えて、流体通過時に工具挿入口の密閉が可能である。
【0016】
また、前記本体と前記取付用ネジ部とが相互に同軸で回動可能に連結されることを要件とする。
【0017】
これによれば、継手部の向きを固定したまま、取付用ネジ部のみを回動させることが可能となる。
【0018】
また、前記継手部と前記取付用ネジ部との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構を備えることを要件とする。
【0019】
これによれば、狭い場所に、流量調整機構を備える管継手を取り付けることが可能となる。
【0020】
また、前記取付用ネジ部は、軸方向の中心にインサート芯を備え、前記インサート芯の外周に、該インサート芯よりも軟らかい材料からなる雄ネジ状の前記ネジ山を有するネジ山部材が密着して形成されることを要件とする。
【0021】
これによれば、軟らかい材料からなるネジ山部材のネジ山が螺合相手のネジ形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が向上する。
【0022】
また、前記インサート芯に、前記管路が設けられることを要件とする。
【0023】
これによれば、硬い材料を使用するインサート芯に工具連結部を兼用する管路を形成することが可能となる。
【0024】
また、前記管路における前記工具連結部を兼用する箇所は、断面が多角形もしくは楕円形の貫通孔形状に形成されることを要件とする。
【0025】
これによれば、工具連結部を兼用する貫通孔に工具を嵌入して取付用ネジ部を回動させることが可能となる。
【0026】
また、前記インサート芯の先端部ならびに後端部もしくは該後端部よりも該先端部寄りの中間部に設けられる大径部によって前記ネジ山部材が挟み込まれるように構成されることを要件とする。
【0027】
これによれば、締結を行う際に、軸線方向のねじ込む方向およびそれと逆の方向の両方向に、ネジ山部材が流出するように変形することを防止することが可能となり、また、ねじ込む方向と逆方向に変形してインサート芯とネジ山部材との位置ずれが生じることを防止することが可能となる。それにより、長期にわたって緩みを防止することができる。
【0028】
また、前記先端部の大径部の外周には、前記ネジ山部材のネジ山に連続するネジ山が形成されることを要件とする。
【0029】
これによれば、ネジ山部材のネジ山に連続するように、先端部の大径部の外周にネジ山を形成することによって、それらを一つのネジとして一体で機能させつつ、ネジ山部材のネジ山の変形を抑止する効果を最適化することが可能となる。
【0030】
また、前記ネジ山部材は、テーパネジ形状に形成されることを要件とする。
【0031】
特に、このネジ山部材をテーパネジ形状に形成する場合、すなわち、径方向の圧縮力が作用する場合に、軟らかい材料からなるネジ山部材が螺合相手のネジ形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が格段に向上する。
【0032】
また、前記インサート芯の外周形状が、前記ネジ山部材のネジ山の山および谷と山および谷の位置が軸方向において一致するネジ形状を有することを要件とする。
【0033】
これによれば、インサート芯の外周において、ネジ山部材の厚さ均一化することが可能となり、締結の際に生じる力を均等に作用させることができ、変形防止に効果的である。
【0034】
また、前記インサート芯の外周には、前記ネジ形状を構成するネジ溝を周方向に分断する複数のリブが形成されることを要件とする。
【0035】
これによれば、締結の際、インサート芯とネジ山部材との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止できる。
【0036】
また、前記インサート芯の外周には、軸方向に延びる複数の突起部もしくは複数の溝部が形成されることを要件とする。
【0037】
前記同様、これによれば、締結の際、インサート芯とネジ山部材との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止できる。
【0038】
また、前記インサート芯は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて構成されることを要件とする。
【0039】
これによれば、強度、耐熱性、弾性強度、耐薬品性、寸法安定性に優れ、工具の嵌入・使用が可能であり、ネジ部材として用いられる場合の高荷重にも耐えられる。
【0040】
また、前記インサート芯に密着して形成されるネジ山部材は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて構成されることを要件とする。
【0041】
これによれば、熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるため、外周のネジ山部材の材料として好適である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、取付用ネジ部を回動させる回動工具を連結するための工具連結部を、当該取付用ネジ部の外周ではなく、内部に設ける構成を実現することによって、狭い取り付け場所においても、管継手の取り付けが不能になることを防止して、容易に取り付けることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図2は、その管継手1の接続機構5のスリーブ41の構成を示す概略図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は正面断面図、図2(c)は側面断面図である。図3は、その管継手1の接続機構5のロック部材42の構成を示す概略図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面断面図である。図4は、その管継手1の取付用ネジ部3の構成を示す概略図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面断面図である。図5は、その取付用ネジ部3のネジ山部材30とインサート芯31との密着部の構成を示す拡大図である。図6は、その取付用ネジ部3のインサート芯31の外周部の構成を示す拡大図である。図7は、その取付用ネジ部3のインサート芯31の構成を示す概略図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は正面図である。図8は、本発明の第二の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図9は、本発明の第三の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図10は、その管継手1の蓋部16を取り外した状態を示す概略図である。図11は、その管継手1の蓋部16の構成を示す概略図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は正面図である。図12は、本発明の第四の実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。図13は、本発明の第五実施の形態に係る管継手1の例を示す概略図である。
【0044】
図1に示すように、本発明の第一の実施の形態に係る管継手1は、筒状に形成される本体2の後端部2bに、外部配管60を接続・固定する継手部4を備え、先端部2aに、取付用ネジ部3を備えて、内部を流体が通過する構造である。なお、外部配管60は継手部4の開口部12から軸方向に挿入される。一例として、本体2は熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いて構成される。符号7は、開口部12に設けられるゴム製のパッキンであり、本体2および挿入される外部配管60に隙間なく密着することにより、通過させる流体が漏れないようにシールを行う。また、開口部12が設けられる位置には、接続機構5およびパッキン7を本体2内部に保持するためのリング状のキャップ部50が設けられる。
また、取付用ネジ部3は、外周にネジ山を有するネジ山部材30を備えると共に、その内部には当該取付用ネジ部3を回動させるための回動工具を嵌入する工具連結部と、流体が通過する管路とを備える(詳細は後述)。管継手1は、取付用ネジ部3によって、外部流体機器(不図示)における流体が出入する接続孔に接続される。
このようにして、管継手1を介して外部配管60と外部流体機器とを結ぶ流体の流路が構成される。
【0045】
ここで、外部配管60を接続・固定するために継手部4に設けられる接続機構5は、当該接続・固定機能を発揮する構成であれば足り、特にその構成は限定されるものではないが、第一の実施の形態、第二の実施の形態においては、後述のように開口部12から挿入される回動工具が貫通孔6まで到達できる構成であることが必要となる。
一例として、接続機構5は以下に示す構成が考えられる。本体2に、軸方向が本体2の軸方向と一致するようにして筒状のスリーブ41(図2参照)が内嵌されて固定される。さらに、スリーブ41に、環状のリング部43および当該リング部43から軸方向に延出する複数の延出部44を有するロック部材42(図3参照)が内嵌される。このとき、ロック部材42は、リング部43の軸方向と前記スリーブ41の軸方向とが一致するように構成されると共に、スリーブ41内を軸方向に移動可能および周方向に回動可能なように構成される。
【0046】
図2にスリーブ41の構成を示す(図2(a)は平面図、図2(b)は正面断面図、図2(c)は側面断面図)。スリーブ41は、筒状の壁部を貫通する切欠穴48が設けられる。本実施の形態では、切欠穴48は軸対象に二箇所設けられる。なお、切欠穴48には、ロック部材42の突起部45(後述)が係合される。なお、スリーブ41は、一例としてPOM(ポリアセタール)等の樹脂材料からなる。
【0047】
図3にロック部材42の構成を示す(図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面断面図)。本実施の形態では、延出部44はリング部43の軸を対称に二箇所設けられる。なお、延出部44の個数は二箇所でなくてもよいが、二箇所の場合には、金型パーティングラインが2つ割りとなることによって、生産性の向上が図られる。
延出部44は、筒体を(スリットにより)2つ割りにした半筒状の形態をなし、リング部43への接続部には、周方向に伸びる切欠が形成され、これにより両延出部44は、両外方へ、弾力をもって屈曲可能となっている。
各延出部44の内周には、径方向の内方に向かって立設されるプレスツメ46が設けられる。このとき、軸中心に対向するプレスツメ46同士の間の距離D1は、挿入される外部配管60に圧接させることが可能なように、外部配管60の外径よりも小さく構成される。例えば、鋸刃状に形成することにより食い込み力、摩擦力をより高めることができる。
また、ロック部材42には、延出部44において径方向の外方に向かって立設される突起部45が設けられる。各突起部45は、対応する位置の前記切欠穴48内に侵入し、当該切欠穴48内を移動可能な状態となっている。
なお、一例として、ロック部材42は、可撓性を有する樹脂材料からなり、プレスツメ46はステンレス鋼からなる。なお、当該樹脂材料としては、POM(ポリアセタール)が強度、弾性率、耐衝撃性、摺動特性に優れており好適である。
【0048】
また、接続機構5には、ロック部材42を管の抜脱方向(図1中の上方向)に向かって付勢する付勢部材47が設けられる。本実施の形態においては、付勢部材47は、ロック部材42と一体に形成される構成を備え、より具体的には、リング部43から管の挿入方向(図1中の下方向)に向かって螺旋状に延出する形状であって、リング部43の軸に対して軸対称に二箇所設けられる(図3参照)。もちろん、ロック部材42と別体に形成してもよく、コイル状等のように上記以外の形状であってもよい。
なお、各付勢部材47は、各延出部44に対応させてその下方から延出するように形成される構成を備える。
【0049】
上記構成によって、外部配管60をロック部材42に挿入したとき、当該ロック部材42が挿入方向に押動されて、付勢部材47の先端部と対応する本体2の当接部24とが当接・摺動して、リング部43が折れ曲がることによって対向する延出部44間が拡径される作用が生じる。
その結果、対向する延出部44同士の間、特に、外部配管60の外径よりも小さく構成されている対向するプレスツメ46同士の間が拡径されて、外部配管60の外径よりも大きく拡げられるため、外部配管60が対向する延出部44の間(特に、対向するプレスツメ46同士の間)の空間部に進入することが可能となる。なお、厳密には、外部配管60がプレスツメ46に摺接しながら進入することとなる。
【0050】
また、スリーブ41に延出部縮径用テーパ面51が設けられ、これに対応する当接部として、延出部縮径用テーパ面52がロック部材42に設けられる(図2、3参照)。
【0051】
その作用として、ロック部材42内に挿入されてロックされている外部配管60を抜脱方向に引動したとき、スリーブ41に内嵌されているロック部材42が外部配管60と共に抜脱方向に引動されることにより、延出部縮径用テーパ面51と、該テーパ面に対応する当接部すなわち延出部縮径用テーパ面52とが当接して摺動する。このとき、延出部縮径用テーパ面52が延出部縮径用テーパ面51から受ける力(径方向の内方へ押される力)の作用によって、延出部縮径用テーパ面52が設けられている延出部44の開口部12側の端部が径方向の内方に向かって変位する。その結果、対向する延出部44同士の間、特に、外部配管60の外径よりも小さく構成されている対向するプレスツメ46同士の間が縮径されて、当該プレスツメ46がより一層外部配管60の外周に食い込むこととなる。すなわち、外部配管60を抜脱方向に引動する力が大きければ大きいほど、プレスツメ46同士の間が一層縮径されることなり、プレスツメ46が外部配管60の外周に食い込む力すなわち外部配管60とプレスツメ46との圧接力が一層大きくなるため、前記引動力が大きくなっても外部配管60の抜脱を防止することが可能となる。
【0052】
続いて、管継手1に外部配管60を接続・固定する際の操作と、管継手1の動作について説明する。
外部配管60を繋ぐ前の段階では、管継手1は、図1に示すように、ロック部材42が付勢部材47の付勢力で開口部12側に向かって付勢されて静止している。
【0053】
この図1の状態で、作業者は、外部配管60を開口部12から挿入する。このとき、外部配管60の先端部は、最初に、延出部44に設けられたプレスツメ46の開口部12側上面に当接して、スリーブ41に内嵌されているロック部材42が外部配管60によって挿入方向に押動される。これにより、ロック部材42下部に設けられた付勢部材47の先端部と本体2の当接部24とが当接し、付勢部材47が付勢力を発生させるが、当該付勢力に抗して、さらに外部配管60を押し込むと、付勢部材47の先端部と当接部24とが摺動して、リング部43が折れ曲がることによって対向する延出部44間(プレスツメ46間)が拡径される。
なお、ロック部材42のリング部43には、外部配管の進入量を規制するストッパ49が設けられているため、ロック部材42の内部において所定量以上に外部配管60が進入することはない。ただし、外部配管60よりも外径の小さい回動工具の進入は可能である。
ちなみに、上記の動作中において、外部配管60の先端部が当接する箇所は、延出部44間(プレスツメ46間)の拡径が進むにつれて、プレスツメ46の開口部12側上面から、ストッパ49へと移行する。
【0054】
作業者が、外部配管60の挿入を停止することによって、自動的にロックが完了する。より詳しくは、強制的に拡径されている状態の延出部44が元に戻ろうとする復元力が生じるためである。
なお、付勢部材47がロック部材42をスリーブ41内において抜脱方向へ付勢する力を生じさせているため、外部配管60の挿入力を解除すると、付勢部材47がロック部材42を抜脱方向へ押動する。
【0055】
ちなみに、外部配管60がロックされた状態においては、パッキン7の内周と外部配管60の外周とが隙間無く密着し、パッキン7の外周と本体2の内周とが隙間無く密着するため、通過流体が外部に漏出することが防止される。
【0056】
続いて、取付用ネジ部3の構成について説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る取付用ネジ部3は、インサート芯31の外周に、ネジ山部材30が密着して形成されて、雄ネジとして構成される。また、ネジ山部材30のネジ山の先端部と後端部とを軸線方向において挟み込むように、インサート芯31には先端部3aの位置に大径部32が設けられ、後端部3b(後端部3bよりも先端部3a寄りの中間部でもよい)に大径部34が設けられる。
また、後端部3bに連結部35が設けられる。なお、連結部35は、別体で形成して後端部3bに接続してもよく、本実施形態のように、インサート芯31に連続して一体で形成し、後端部3bから本体2の方向へ延出するように構成してもよい。
【0057】
本実施の形態では、本体2を別体として形成しておき、連結部35に連結して、管継手1を構成する(図1参照)。なお、Oリング19によってシール性を保っている。
この構成によれば、本体2に設けられる継手部4の多品種化に対応しつつ、ネジ部(取付用ネジ部3)の共通化を図り、製造コストの削減、あるいは量産化が可能となる。
【0058】
一方、ネジ山部材30は、インサート芯31よりも軟らかい材料で構成する。これにより、特に、ネジ山部材30をテーパネジ形状に形成する場合に顕著な効果が生じる。より具体的には、締結する際、径方向の圧縮力が作用して、軟らかい材料からなるネジ山部材30が螺合相手のネジ部(ここでは雌ネジ)の形状に対応して隙間を埋めるように変形して密着するため、シール性が格段に向上する。なお、軟らかい材料は、径方向の圧縮力によって、軸線方向のねじ込む方向およびそれと逆の方向の両方向に、いわば流出するように変形が生じてしまうが、本実施形態では、インサート芯31の先端部3aおよび後端部3bに設けられる大径部32および34によって、ネジ山部材30の両端部が挟み込まれて形成されているため、そのような変形が抑止されて、変形に起因した締結の緩みが長期にわたって防止される。
【0059】
上記変形を抑止するために、変形が生じる位置、すなわちネジ山部材30の山部21aおよび谷部21bの外径位置において、大径部32および34によって挟み込むように構成することが好適である。しかし、大径部32および34の外径は、ネジ山部材30の山部21aの外径よりも大きく形成すれば、挟み込みは十分となるが、先端部3aの大径部32がネジ山部材30の山部21aよりも大径になると、雌ネジとの螺合が不可能となる。したがって、大径部34はネジ山部材30の山部21aよりも大径で、且つ大径部32はネジ山部材30の山部21aと同径である構成が、ネジ山部材30のネジ山の両端部全体に接して抑止を行うために最適であるといえる。当該構成を実現するため、本実施形態では、特に、インサート芯31の先端部3aの大径部32の外周に、ネジ山部材30のネジ山に連続するネジ山33が形成されている。すなわち、ネジ山部材30の山部21aおよび谷部21bと、ネジ山33の山部33aおよび谷部33bとが、それぞれ連続するように形成されて、一つのネジとして一体で機能させると共に、大径部32の外径を、許容範囲内で最適化(最大化)している。
【0060】
加えて、本実施形態では、図5に示すように、インサート芯31の外周形状が、ネジ山部材30のネジ山の山および谷(山部21aおよび谷部21b)と山および谷の位置が軸線方向において一致するネジ形状(山部36aおよび谷部36b)を有する。それによって、インサート芯31に相対的に硬い材料(例えば、高強度樹脂)を使用し、その外周のネジ山部材30に相対的に軟らかい材質(例えば、樹脂)を均一に成形することにより、工具を使用してインサート芯31を回動させても破壊されることなく、且つネジ締めに伴う高荷重によるネジ山部材30のネジ山の欠落・変形・経年変化等がない構造を可能にする。
【0061】
さらに、図6に示すようにインサート芯31の外周には、ネジ形状を構成するネジ溝36bを周方向に分断する凸状のリブ37が複数形成される。また、図7(図7(a)は平面図、図7(b)は正面図)に示すようにインサート芯31の外周には、軸線方向に延びる複数の突起部38、および複数の溝部39が形成され、ネジ山部材30の延出部22によって被覆される(図4参照)。
これらによって、締結の際、インサート芯31とネジ山部材30との間に高荷重が加わっても、特に、周方向へ相互に位置ずれ・変形することが防止でき、経年変化も防止できる。
【0062】
ここで、使用材料の例として、インサート芯31は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂等が好適である。ポリアミドMXD6樹脂は、強度、耐熱性、弾性強度、耐薬品性、寸法安定性に優れ、工具の嵌入・使用が可能であり、ネジ部材として用いられる場合の高荷重にも耐えられる材料で、ガラス繊維を50%含ませることにより、さらに性能を向上させることができる。最適材料はReny(三菱瓦斯化学株式会社登録商標)である。また、ポリフェニレンスルファイド樹脂は、強度や剛性がきわめて高く、耐磨耗性にも優れる。ポリアミドMXD6樹脂よりも靭性が低いものの、食品安全性が高く、アメリカ食品医薬品局および米国科学財団では食品機器厨房用品や水道飲用水に接触する部分への使用を認可しているため、ネジの使用用途によっては最適材料となる。
一方、ネジ山部材30は、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が好適である。熱安定性や寸法精度、電気特性に優れるため、外周のネジ部分の材料として適している。
【0063】
上記構成を備えることによって、従来の管継手では金属材料を用いて形成していた取付用ネジ部を、樹脂材料で形成することが可能となり、取り付け時の高トルクに耐えられる構成を実現しつつ、製造コストを低下させることが可能となる。
また、本実施形態に係る取付用ネジ部3は、高いシール性と長期にわたる緩み防止が達成可能であるため、管用ネジとして好適である。さらに、取付用ネジ部3を管用テーパ雄ネジとしてJISB203等の規格を適用して形成することで、汎用性を高めることが可能となる。
【0064】
ところで、従来、管継手の管用ネジは、内部に管路を備えるため、回動用の工具を連結するための工具連結部は外周部に設けられていた(図14参照)。そのため、管継手を狭い場所に取り付ける際に、回動工具を工具連結部に連結させることができない、あるいは連結はできても回転させることができない等の事象がしばしば発生し、取り付けが不可能になるといった課題があった。
【0065】
さらに、本実施形態のように、取付用ネジ部3の外周部すなわちネジ山部材30が軟らかい材料からなる場合、工具連結部を形成するには不適である。その一方で、インサート芯31をネジ山部材30の延出部22よりも、後端部3bの方向に長く延出させて、その延出部に工具連結部を形成しようとすると、コンパクト性に欠けることとなる。
【0066】
そこで、本実施形態においては、管路と工具連結部とを兼用することが可能な構造を取付用ネジ部3の内部に設けることによって、上記の課題の解決を可能とした。
より具体的には、取付用ネジ部3のインサート芯31の内部に、管路と取付用ネジ部3を回転させる回動工具を嵌入するための工具連結部とを兼用する断面が多角形の貫通孔6を、当該インサート芯31の径の中心を通って軸線方向に貫通するように設けている。
また、継手部4の開口部12は、回動工具を挿入して回動させることが可能な大きさに形成される。
【0067】
一例として、貫通孔6は、軸線方向の一部もしくは全部を断面が正六角形に形成する。それによって、汎用六角レンチを使用して締結することが可能となる。ただし、貫通孔6の断面形状は正六角形には限定されず、他の多角形(例えば星型のような形状も含む)、もしくは楕円等のように正円以外の曲線からなる形状であってもよい。
【0068】
従来は、管継手を取り付ける際に、外周部に設けられていた工具連結部にスパナ等の回動工具を連結して、取付用ネジ部を回動させ、取り付けていたのに対し、上記構成を備えることによって、六角レンチのような回動工具を取付用ネジ部3の内部に軸線方向に挿入し、連結(嵌入)および回動が可能となるため、従来のスパナのように径方向に広い回動用空間を必要とせず、非常に狭い場所であっても、取付用ネジ部3を回動させて、管継手1を取り付けることが可能となる。さらに、電動回転工具等の使用も可能となるため、短時間に且つ容易に取り付けることが可能となる。
【0069】
続いて、第二の実施の形態に係る管継手1について説明する。
図8に示すように、前記第一の実施の形態との相違点として、取付用ネジ部3の後端部3bに連結部35が設けられない構成であると共に、筒状の本体2とネジ山部材30とが前記樹脂を用いて一体に形成される構成である。
この構成によれば、部品点数の削減および製造工程の削減が可能となるため、製造コストをより低く抑えることが可能となる。
【0070】
続いて、第三の実施の形態に係る管継手1について説明する。
前記第一の実施の形態、第二の実施の形態との相違点として、本実施形態の管継手1は、開口部12の中心軸と、管路すなわち貫通孔6の中心軸とが一致しない構成を有する。
より具体的には、図9に示すように、取付用ネジ部3の中心軸(ここでは貫通孔6の中心軸と一致)と、本体2の中心軸とが一致するように、取付用ネジ部3と本体2とが連結され(第二の実施形態のように一体形成でもよい)、本体2の中心軸と継手部4の中心軸とが0度ではない角度(ここでは90度)をなすように、本体2と継手部4とが連結(本実施形態では一体に形成)される。
【0071】
上記の構成を有する管継手1は、一般に、L字状継手あるいはLタイプ継手等と称されるものであるが、前記第一の実施の形態、第二の実施の形態と相違して、継手部4の開口部12から回動工具を挿入して、工具連結部すなわち貫通孔6に嵌入させることが不可能である。
そこで、本実施形態に特徴的な構成として、回動工具を挿入して回動させることが可能な大きさの工具挿入口14が本体2に設けられる。もちろん、継手部4に設けてもよい。
【0072】
本実施形態では、図9〜図11に示すように、工具挿入口14は、その中心軸が、貫通孔6の中心軸と一致するように本体2に設けられる。さらに、貫通孔6の中心軸と一致するように本体2の内部に設けられる管路17は、回動工具の挿入路を兼用することとなる。このようにして、工具挿入口14から管路17を経て貫通孔6に至る、回動工具の挿入路が構成される。
なお、回動工具を挿入して回動させることが可能でさえあれば、工具挿入口14および管路17は、貫通孔6に対して中心軸を一致させることは必須ではなく、形状についても特に限定されるものではない。
【0073】
一方、工具挿入口14は、流体を通過させる際に、シールする必要があることから、当該工具挿入口14を密閉および開放することが可能な蓋部16が設けられる。本実施形態では、工具挿入口14と蓋部16との間にOリング18を設けて流体が漏れないようにシールを行っている。ここで、図9は蓋部16が取り付けられた状態の図であり、図10は蓋部16が取り外された状態の図である。
なお、蓋部16と工具挿入口14との締結方法は、ネジによる螺合方式としたが、これに限定されるものではない。また、締結に使用する工具もドライバー、レンチ等、どのようなものであってもよく、蓋部16の上面を該工具に対応した工具連結用形状とすればよい。
図11(図11(a)は平面図、図11(b)は正面図)に示すように、本実施形態においては、汎用六角レンチ61により回動可能なように、蓋部16の上面の工具連結用形状を正六角形の溝としている(図11中の符号20)。なお、その溝(正六角形)の大きさと、貫通孔6の断面(正六角形)の大きさとを一致させれば、共通の回動工具(六角レンチ)によっていずれも回動させることが可能となるため、非常に効率的である。
【0074】
なお、本体2と取付用ネジ部3とは相互に同軸で回動可能に連結される構成であってもよい。この構成によれば、例えば、狭い場所における取り付け時等、継手部4を回動させることが出来ない場合であっても、継手部4の向きを固定したまま、取付用ネジ部3のみを回動させることが可能となるため、管継手1の取り付けを行うことが可能となる。
【0075】
続いて、第四の実施の形態に係る管継手1について説明する。
前記第三の実施の形態との相違点として、本実施形態の管継手1は、継手部4を複数備える構成である。
例えば、図12に示すように、本体2に二つの継手部4が連結される(本実施形態では一体に形成される)構成を有し、一般に、T字状継手あるいはTタイプ継手等と称されるものである。
なお、継手部4の数が異なる点以外は、上記第三の実施の形態と同様の構成を備えるものであるため、説明を省略する。もちろん、継手部4が三つ以上である構成も考えられる。
【0076】
続いて、第五の実施の形態に係る管継手1について説明する。
本実施形態の管継手1は、前記第三の実施の形態を基本構成とし、継手部4と取付用ネジ部3との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構9が設けられる構成である。
流量調整機構9については、様々な構成が考えられるが、例えば、図13に示すように、先端部にV字状の切欠部56が設けられたニードル55を、調整ダイヤル57を用いて軸方向に移動させて、当該切欠部56とチェック弁58とによって形成される流路の面積を拡大もしくは縮小することによって、通過流体の流量を調整する機構である。なお、図13中、矢印Aが制御流、矢印Bが自由流の流れ方向を示す。
【0077】
以上説明したように、本発明によれば、従来の管継手では金属材料を用いて形成していた取付用ネジ部を樹脂材料で形成することが可能となり、その結果、取り付け時のトルクに耐えられる構成を実現しつつ、製造コストを低下させることが可能となる。
その一方で、取付用ネジ部のネジ山部材に軟らかい材料を用いて、螺合するネジとの密着性を高め、締結部のシール性を向上させることが可能であると共に、当該ネジ山部材が必要以上に変形してしまうことを抑止し、変形に起因した締結の緩みを長期にわたって防止することが可能となる。
さらに、取付用ネジ部をねじ込むための回動工具を連結するための工具連結部を、当該取付用ネジ部の外周ではなく、内部に設ける構成を実現することによって、狭い取り付け場所においても、従来のように回動工具が回動できないことによる取り付け不能を回避でき、容易に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図2】図1の管継手の接続機構のスリーブの構成を示す概略図である。
【図3】図1の管継手の接続機構のロック部材の構成を示す概略図である。
【図4】図1の管継手の取付用ネジ部の構成を示す概略図である。
【図5】図4の取付用ネジ部のネジ山部材とインサート芯との密着部の構成を示す拡大図である。
【図6】図4の取付用ネジ部のインサート芯の外周部の構成を示す拡大図である。
【図7】図4の取付用ネジ部のインサート芯の構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図10】図9の管継手の蓋部を取り外した状態を示す概略図である。
【図11】図9の管継手の蓋部の構成を示す概略図である。
【図12】本発明の第四の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図13】本発明の第五実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【図14】従来の実施の形態に係る管継手の例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1 管継手
2 本体
3 取付用ネジ部
4 継手部
5 接続機構
6 貫通孔
7 パッキン
9 流量調整機構
12 開口部
14 工具挿入口
16 蓋部
18、19 Oリング
30 ネジ山部材
31 インサート芯
32、34 大径部
33 ネジ山
35 連結部
41 スリーブ
42 ロック部材
60 外部配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、
前記取付用ネジ部は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有すること
を特徴とする管継手。
【請求項2】
前記管路の一部もしくは全部が、前記取付用ネジ部を回動させる回動工具の嵌入が可能な前記工具連結部に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記継手部は、前記外部配管が挿入される開口部を備え、
該開口部は、前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさに形成されること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の管継手。
【請求項4】
前記開口部の中心軸と、前記管路の中心軸とが一致しない構成であって、
前記本体に前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさの工具挿入口が設けられ、
該工具挿入口の密閉および開放が可能な蓋部が設けられること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の管継手。
【請求項5】
前記本体と前記取付用ネジ部とが相互に同軸で回動可能に連結されること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の管継手。
【請求項6】
前記継手部と前記取付用ネジ部との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構を備えること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の管継手。
【請求項7】
前記取付用ネジ部は、軸方向の中心にインサート芯を備え、
前記インサート芯の外周に、該インサート芯よりも軟らかい材料からなる雄ネジ状の前記ネジ山を有するネジ山部材が密着して形成されること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の管継手。
【請求項8】
前記インサート芯に、前記管路が設けられること
を特徴とする請求項7記載の管継手。
【請求項9】
前記管路における前記工具連結部を兼用する箇所は、断面が多角形もしくは楕円形の貫通孔形状に形成されること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の管継手。
【請求項10】
前記インサート芯の先端部ならびに後端部もしくは該後端部よりも該先端部寄りの中間部に設けられる大径部によって前記ネジ山部材が挟み込まれるように構成されること
を特徴とする請求項8または請求項9記載の管継手。
【請求項11】
前記先端部の大径部の外周には、前記ネジ山部材のネジ山に連続するネジ山が形成されること
を特徴とする請求項10記載の管継手。
【請求項12】
前記ネジ山部材は、テーパネジ形状に形成されること
を特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の管継手。
【請求項13】
前記インサート芯の外周形状が、前記ネジ山部材のネジ山の山および谷と山および谷の位置が軸方向において一致するネジ形状を有すること
を特徴とする請求項8〜12のいずれか一項記載の管継手。
【請求項14】
前記インサート芯の外周には、前記ネジ形状を構成するネジ溝を周方向に分断する複数のリブが形成されること
を特徴とする請求項13記載の管継手。
【請求項15】
前記インサート芯の外周には、軸方向に延びる複数の突起部もしくは複数の溝部が形成されること
を特徴とする請求項8〜14のいずれか一項記載の管継手。
【請求項16】
前記インサート芯は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて構成されること
を特徴とする請求項8〜15のいずれか一項記載の管継手。
【請求項17】
前記インサート芯に密着して形成されるネジ山部材は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて構成されること
を特徴とする請求項8〜16のいずれか一項記載の管継手。
【請求項1】
本体の一端側に、外部配管を接続する一もしくは複数の継手部を備え、他端側に、取付用ネジ部を備えて、内部を流体が通過する管継手であって、
前記取付用ネジ部は、外周にネジ山を有し、内部に該取付用ネジ部を回動させる回動工具が嵌入可能な工具連結部および流体が通過する管路を有すること
を特徴とする管継手。
【請求項2】
前記管路の一部もしくは全部が、前記取付用ネジ部を回動させる回動工具の嵌入が可能な前記工具連結部に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記継手部は、前記外部配管が挿入される開口部を備え、
該開口部は、前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさに形成されること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の管継手。
【請求項4】
前記開口部の中心軸と、前記管路の中心軸とが一致しない構成であって、
前記本体に前記回動工具を挿入し回動させることが可能な大きさの工具挿入口が設けられ、
該工具挿入口の密閉および開放が可能な蓋部が設けられること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の管継手。
【請求項5】
前記本体と前記取付用ネジ部とが相互に同軸で回動可能に連結されること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の管継手。
【請求項6】
前記継手部と前記取付用ネジ部との間に、通過流体の流量を調整する流量調整機構を備えること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の管継手。
【請求項7】
前記取付用ネジ部は、軸方向の中心にインサート芯を備え、
前記インサート芯の外周に、該インサート芯よりも軟らかい材料からなる雄ネジ状の前記ネジ山を有するネジ山部材が密着して形成されること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の管継手。
【請求項8】
前記インサート芯に、前記管路が設けられること
を特徴とする請求項7記載の管継手。
【請求項9】
前記管路における前記工具連結部を兼用する箇所は、断面が多角形もしくは楕円形の貫通孔形状に形成されること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の管継手。
【請求項10】
前記インサート芯の先端部ならびに後端部もしくは該後端部よりも該先端部寄りの中間部に設けられる大径部によって前記ネジ山部材が挟み込まれるように構成されること
を特徴とする請求項8または請求項9記載の管継手。
【請求項11】
前記先端部の大径部の外周には、前記ネジ山部材のネジ山に連続するネジ山が形成されること
を特徴とする請求項10記載の管継手。
【請求項12】
前記ネジ山部材は、テーパネジ形状に形成されること
を特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の管継手。
【請求項13】
前記インサート芯の外周形状が、前記ネジ山部材のネジ山の山および谷と山および谷の位置が軸方向において一致するネジ形状を有すること
を特徴とする請求項8〜12のいずれか一項記載の管継手。
【請求項14】
前記インサート芯の外周には、前記ネジ形状を構成するネジ溝を周方向に分断する複数のリブが形成されること
を特徴とする請求項13記載の管継手。
【請求項15】
前記インサート芯の外周には、軸方向に延びる複数の突起部もしくは複数の溝部が形成されること
を特徴とする請求項8〜14のいずれか一項記載の管継手。
【請求項16】
前記インサート芯は、ポリアミドMXD6樹脂もしくはポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて構成されること
を特徴とする請求項8〜15のいずれか一項記載の管継手。
【請求項17】
前記インサート芯に密着して形成されるネジ山部材は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて構成されること
を特徴とする請求項8〜16のいずれか一項記載の管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−101431(P2010−101431A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273536(P2008−273536)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【特許番号】特許第4355019号(P4355019)
【特許公報発行日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(302012822)有限会社浜インターナショナル (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【特許番号】特許第4355019号(P4355019)
【特許公報発行日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(302012822)有限会社浜インターナショナル (12)
【Fターム(参考)】
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