説明

範囲外の取引注文に対する警告メッセージを用いて取引を管理するシステム及び方法

一実施例によると、取引管理方法が提供される。あるタイプの商品に対する市場において、買い注文と売り注文とが複数の取引者から受け付けされる。各買い注文は係るビッド価格を有し、各売り注文は係るオファー価格を有する。ある取引注文が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断することによって、ある取引注文が範囲外取引注文であるか判断される。当該取引が範囲外取引注文であると判断された場合、範囲外取引注文に関する制限的アクションが実行される。例えば、取引者が以降において範囲外取引注文により取引を行おうとする他の取引注文を提示した場合、警告メッセージが取引者に送信され、後の取引注文は少なくもと一時的に範囲外取引注文により取引されることが回避されるかもしれない。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、一般に市場取引に関し、より詳細には、範囲外の取引注文(売り買い注文など)に対して警告メッセージを利用するシステム及び方法に関する。
[発明の背景]
近年、電子取引システムがアイテムを取引するのに広範に受け入れられるようになってきた。例えば、株式、債券、通貨、先物又は他の適切な金融商品などの金融商品の取引を実現する電子取引システムが生成されてきた。
【0002】
これら電子取引システムの多くは、取引者が特定の取引可能な商品に対する買い(又はビッド)及び売り(又はオファー)注文を提示するビッド/オファープロセスを利用する。買い及び売り注文は、取引プラットフォームによって受け付けされ、当該取引可能な商品の取引所に置かれる。受け付けた買い注文は、買い注文キュー又はスタックに投入され、受け付けた売り注文は、売り注文キュー又はスタックに投入されるかもしれない。受け付けた注文は、例えば、米国特許第6,560,580号に詳述されるFIFO(First In First Out)のfirst buyer/first sellerシステムを利用して、又は受け付けた買い及び売り注文のそれぞれに係るビッド及びオファー価格に基づき、様々な方法によりこのようなスタックに投入されるかもしれない。
【0003】
いくつかの市場では、買い注文と売り注文それぞれのビッド価格とオファー価格は、(a)“ハンドル(handle)”と呼ばれる整数部分と、(b)小数、分数又は小数と分数との組み合わせとして表される端数部分とを有する数値フォーマットにより表示される。例えば、94.26として表示されるビッド価格は、“94”の整数(又はハンドル)部分と“.26”の端数部分とを含む。同様に、5232として表示されるオファー価格は、“52”の整数(又はハンドル)部分と“32”の端数部分とを含む。他の例として、100.12として表示されるビッド又はオファー価格は、“100”の整数(又はハンドル)部分と“.12”の端数部分とを含む。
【0004】
しばしば、“範囲外注文(outlying order)”と呼ばれる同一商品に対する現在の相対市場とかなりの金額で異なる価格を有する注文は、例えば、より良い注文が現在存在しないときなどには、注文スタックの先頭に配置される。いくつかの例では、取引者は、既存の注文の端数部分にのみ着目するときなど、範囲外注文の実際の価格を認識することなく、このような範囲外注文により誤って取引しようとするかもしれない。例えば、現在の市場に類似する端数部分を有するが、現在の市場と異なる(例えば、現在の市場より1以上のポイント高い又は低い)整数(又はハンドル)部分を有する注文が注文スタックの先頭に配置されると、取引者は、範囲外注文のハンドルが現在の市場と異なることを認識することなく、このような範囲外注文により取引を行おうとする注文を発注するかもしれない。すなわち、取引者は、自らの注文を提示する際、範囲外注文の端数部分のみを誤って閲覧又は考慮したかもしれない。何れの場合にも、結果として実行された取引は、典型的には誤った取引者にとって不利益なものであり、誤った取引が取引プラットフォームに通知されるかもしれない。このとき、取引プラットフォームは、当該取引プラットフォームが当該商品に対する取引を停止することを要求し、取引がキャンセルされるべきか否かに関するその後の混乱の結果として、取引プラットフォーム又は顧客に時間と資金の両方の犠牲を払わせる可能性がある範囲外注文により1以上の実行された取引をやり直す必要があるかもしれない。
[発明の概要]
本発明によると、取引注文(買い注文又は売り注文など)が範囲外注文であるか否か判断するシステム及び方法が提供される。範囲外取引注文に対して警告メッセージを利用するシステム及び方法がまた提供される。
【0005】
一実施例によると、取引管理方法が提供される。あるタイプの商品に対する市場において、買い注文と売り注文が複数の取引者から受け付けられる。各買い注文はそれに係るビッド価格を有し、各売り注文はそれに係るオファー価格を有する。受け付けた買い注文と売り注文はそれぞれ、それらが実行されるように取引所に発注される。当該取引注文が少なくとも1つの比較対象となる価格とある閾値以上異なっているか判断することによって、当該取引注文が範囲外取引注文であるか判断される。この比較対象価格は、他の既存の価格、前の取引の価格、1以上の他の市場に基づき決定された価格又は他の何れか適切な比較対象価格であってもよい。当該取引注文が範囲外取引注文であると判断されると、範囲外取引注文に関する限定的なアクションがとられる。例えば、取引者がその後に、範囲外取引注文による取引に適合及び実行する他の取引注文を提示する場合、当該取引者に警告メッセージが送信され、少なくとも警告メッセージに対する応答が受信されるまで、以降の取引注文が範囲外取引注文による取引を禁止されるかもしれない。
【0006】
他の実施例によると、取引管理システムが提供される。本システムは、プロセッサを有するコンピュータと、コンピュータに接続されるコンピュータ可読媒体とを有する。コンピュータ可読媒体は、プログラムを有する。プロセッサによって実行されると、プログラムは、各取引注文がそれに係る価格を有している取引注文を市場における複数の取引者から受け付け、取引注文が実行可能となるように、受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注し、ある取引注文の価格が比較対象となる価格からある閾値以上異なるか判断し、当該取引注文の価格が比較対象価格と閾値以上異なっていると判断されると、当該取引注文に関する限定的アクションを実行するよう処理可能である。
【0007】
この限定的アクションは、範囲外取引注文を発注した取引者と範囲外取引注文に対して実行しようとしている取引者の何れか又は双方に対して実行されるかもしれない。可能な限定的アクションは警告メッセージに限定されるものでなく、範囲外注文をビッド又はオファースタックの先頭に配置することを禁止又は制限すること、ビッド又はオファースタックにおける範囲外注文の表示を禁止すること(又は例えば、範囲外注文を異なる色により表示するなどによって、範囲外注文の表示を変更すること)、取引者が範囲外注文に対する取引を実行することを禁止することなど、他のアクションを含むものであってもよい。
【0008】
本発明の各実施例は、多数の効果を奏するかもしれない。後述される効果の一部又はすべてが1以上の実施例から得られるかもしれないし、又は何れの効果も得られないかもしれないということに留意すべきである。
【0009】
本発明の一効果は、範囲外取引注文(現在の市場よりかなり低いビッド価格を有する買い注文や現在の市場よりかなり高いオファー価格を有する売り注文など)が特定され、当該範囲外取引注文に対する取引を実行しようとする取引者に警告メッセージが送信される取引システムが提供される。警告メッセージは、取引者に当該取引者の取引注文の価格が誤っていることを通知し、取引者に誤った価格を訂正する機会を提供するものであってもよい。この結果、市場における誤った取引の数は低減され、これにより、誤った取引を特定、やり直し又は管理するのに費やされる時間と資金の両方を、市場へのアクセスを提供する取引プラットフォームを節約する。
【0010】
取引におけるミスを低減することは、不要なデータトラフィックを低減するのに役立つ(さらなる電子取引に関するミスが訂正される必要がある)。それはまた、“不要な”管理に費やす時間に役に立ち、コンピュータソフトウェア/コンピュータネットワークシステムの全体的な利用性をより効率的なものにする。これは、競争相手の製品と比較して、当該製品自体をより魅力的なものにすることに役立ちうる。
【0011】
システムがユーザにとって利用することが容易になることを可能にし、範囲外取引注文に関するこのようなミスをする可能性を最小限にすることによる技術的貢献が提供される。具体的には、ユーザにこの問題を警告することは、疲れていたり、緊張状態にあるかもしれないユーザが価格のより大きな数字が変動したことに気付かないことからの技術的問題を克服するのに役立つ。
【0012】
システムの利用と時間により変動する動的な値と閾値を有するというコンセプトは、誤った警告メッセージを減らすため学習及び役立つシステムを提供することに役立ち、これにより、ユーザが警告メッセージに鈍感になることを回避することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、注文が予想されるものとは大きくかけ離れすぎている場合(大きくかけ離れた範囲外注文など)、市場に注文を発注し、当該注文が実際にユーザの意図するものであることを確認するための手動による介入を要求することを回避するシステムの自動介入は、より向上したセーフティ機能である。
【0014】
独自の製品としてより良好な取引システムを提供することは既知の問題である。本発明は、当該問題に対する代替的な解決手段である。本発明はまた、ユーザが取引時に範囲外注文を大変注意深く繰り返し調べることよう訓練することに対する代替的な解決手段である。上記問題に対する従来の解決手段は、多すぎるエラーに対する過酷な結果に関するものであるかもしれない。本発明は、取引者の作業を向上させることができる。
【0015】
他の効果は、以下の図面、説明及び請求項から当業者に容易に明らかとなるであろう。
[発明の詳細な説明]
本発明の実施例及びその効果は、図1〜3を参照することによって最も良く理解される。図面では、同一の数字は同一の部分を参照する。一般に、少なくとも1つの実施例によると、範囲外ビッド又はオファー価格を有する売買取引注文を特定し、範囲外売買注文に対する取引を実行しようとする際、以降の注文を提示する取引者に警告メッセージを送信する取引システムが提供される。この警告メッセージは、注文価格を変更又は訂正する機会を取引者に提供し、システムが取引者から警告メッセージに対する応答を受信するまで、システムは取引者の注文が取引所において実行又は発注されることを防ぐかもしれない。
【0016】
いくつかの実施例では、例えば、売り買い注文は、取引所の「スタック」に表示され、各種ルール又は基準に基づきそのようなスタックの先頭に移されるかもしれない。例えば、最も高い現在のビッド価格を有する買い注文が買い注文スタックの先頭に移され、最も低い現在のオファー価格を有する売り注文が、売り注文スタックの先頭に移されるかもしれない。買い又は売り注文がそれぞれ買い又は売り注文スタックの先頭に移されると、システムは、新たに投入された注文の価格が既存の(又は現在存在するものがない場合には、直近のもの)相対市場の価格と市場状態に従って変動可能なある閾値以上乖離しているか否か判断することによって、新たに移された注文が範囲外注文であるか否か判断する。例えば、システムは、新たに移された売り注文のオファー価格が現在先頭にある買い注文のビッド価格を閾値以上超過しているか判断することによって、新たに移された売り注文が範囲外注文であるか判断するかもしれない。同様に、システムは、新たに移された買い注文のビッド価格が現在先頭の売り注文のオファー価格より閾値以上低いか否か判断することによって、新たに移された買い注文が範囲外注文であるか判断するかもしれない。
【0017】
いくつかの状況では、“先頭の注文”又は“スタックの先頭”という表現は、既存のベストな(売り又は買い)注文又は注文スタックの最初の注文を表し、当該注文は、各スタックの物理的な“先頭”にはないかもしれない。例えば、以下でより詳細に説明されるように、ある実施例では、買い注文と売り注文の双方が垂直の数字のリストに沿って価格が高い方から低い方に下方に移動することによって配置されるように、買い注文は垂直の数字のリストの一方の側に表示され、売り注文は、同じ垂直の数字のリストの反対側に表示される。このような実施例では、最も低いオファー価格を有する既存の売り注文がその他の売り注文の下方に位置するが、このような既存の売り注文は、売り注文スタックの先頭の売り注文又は先頭売り注文と呼ばれるかもしれない。
【0018】
他の実施例では、買い又は売り注文がそれぞれ買い注文スタック又は売り注文スタックの先頭に移されると、システムは、新たに移された注文の価格が前の取引の価格(直近の取引が実行された価格など)とある閾値以上異なるか否か判断することによって、新たに移された注文が範囲外注文であるか判断する。上述されたように、当該閾値は、市場状態に従って変動するかもしれない。例えば、当該閾値は、関連する市場の過去又は現在のボラティリティに基づき、決定及び/又は更新されるかもしれない。同様に、分析されている注文が比較される値自体は(すなわち、閾値を超過するか否か判断するため)、過去又は現在の関連する市場分析から取得された値に等しいか、又はそれに基づくものであってもよい。
【0019】
さらなる他の実施例では、上記2つの実施例の組み合わせが利用可能であり、これにより、システムは、新たに移された注文の価格が、(1)最も良い相対市場の価格と(2)前の取引の価格の双方とある閾値以上乖離しているか判断することによって、新たに移された注文が範囲外注文であるか判断する。このような方法は、例えば、注文の価格が最も近い相対価格と直近に取引された価格の両方と十分乖離している場合に限って、注文が範囲外注文として特定されることを保証するため、僅かに取引された及び/又は急激に変動する市場などにおいて利用可能である。
【0020】
さらなる他の実施例では、取引注文スタック(例えば、買い注文スタック又は売り注文スタックなど)の1以上の取引注文が削除されると、システムは、当該スタックの新たな先頭の注文が1以上の基準に基づき範囲外注文であるか判断するようにしてもよい。当該スタックの新たな先頭の注文が範囲外注文であると判断されると、システムは、範囲外注文が取引表示又は電子価格入力におけるそれの注文スタックの先頭に移されることを回避し、これにより、範囲外注文の上の注文スタックの先頭に1以上のオープンスペースをするかもしれない。このことは、他の取引者が範囲外注文が実際に範囲外注文であり、当該取引者が範囲外注文の価格を注意深く検討すべきであることを通知するかもしれない。さらに、システムは、範囲外の買い又は売り注文に対する取引を実行しようとする際に、注文を発注する取引者に警告メッセージを送信するようにしてもよい。“先頭の注文”又は“スタックの先頭”という表現は、単に一例として当該スタックの他の注文と比較して、スタックの1つの注文の相対的なポジションを伝えることを意図したものであるということに留意すべきである。スタックにおける注文の相対的なポジション決定は、何れか適切な選好又は基準に従って実行されてもよい。例えば、買い注文スタックは、最も低い価格の売り注文が先頭でなくスタックの最後尾に配置されるように構成することも可能である。
【0021】
上述したように、システムが範囲外取引注文を特定し、その後の取引者がこの範囲外注文に対する取引を実行しようとするとき、システムは、警告メッセージを生成し、当該後の取引者にそれを通信する。警告メッセージは、後の取引者の注文の価格が誤りであることを示し、注文の価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供するようにしてもよい。後の取引者の注文の価格が整数部分と端数部分を含む(94.26など)実施例では、システムは、価格の整数部分(94)が誤っていると判断し、取引者がこの注文に対して実際に意図して提示した価格に到達しようとするため、整数部分を変更するかもしれない(94から95になど)。その後、システムは、この提案された変更後の価格(95.26)を後の取引者に警告メッセージにより表示し、後の取引者にこの提案された変更後の価格を受け入れるか照会するようにしてもよい。いくつかの実施例では、後の取引者は、自らの注文をもとの価格により再発注することによって、警告メッセージを回避するようにしてもよい。
【0022】
図1は、本発明の実施例による範囲外注文を決定し、警告メッセージを利用することによって取引を管理する一例となる取引システム10を示す。図示されるように、システム10は、通信ネットワーク18により取引プラットフォーム16に接続される1以上の取引者端末12と、1以上の市場情報ソース14とを有する。
【0023】
取引者端末12は、取引プラットフォーム16を介し取引活動に従事するためのアクセスを取引者20に提供する。取引者端末12は、取引者20が取引プラットフォーム16により提供される1以上の取引所における取引活動に従事することを可能にするため、コンピュータシステム及び適切なソフトウェアを有する。本開示で使用される“コンピュータ”という用語は、入力を受け付け、所定のルールに従って当該入力を処理し、出力を生成するよう動作可能である、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、ワイヤレスデータポート、ワイヤレス電話、携帯情報端末、上記又は他の装置内の1以上のプロセッサ又は他の何れか適切な処理装置などの何れか適切な装置を表す。取引者端末12は、マウス、キーボード、プリンタなどの1以上のヒューマンインタフェースを有するかもしれない。
【0024】
取引者20は、取引システム10を介し取引活動に従事する個人、個人グループ、企業などの任意のエンティティを含むかもしれない。例えば、取引者20は、個人投資家、投資家グループ又は機関投資家であるかもしれない。取引者20はまた、同一商品に対してビッドとアスクの両方の注文を同時に提示及び/又は維持する個人又は企業などのマーケットメーカーを含むかもしれない。
【0025】
取引者20は、取引プラットフォーム16により提供される1以上の取引所に各取引注文22を発注する。取引プラットフォーム16は、オークションタイプの取引所、エンターテイメントタイプの取引所、各種金融商品(株式若しくは他のエクイティ証券、債券、ミューチュアルファンド、オプション、先物、派生商品、スワップ、通貨など)を取引するための取引所など、注文22を取引するための何れか適切なタイプの取引所を提供する。このような取引注文22は、買い注文24、売り注文26又はその両方を含むものであってもよく、以下に限定されるものではないが、成行注文、指値注文、当日限り注文、オープンオーダ、GTC(Good Till Cancelled)オーダ、“グッドスルー(good through)”オーダ、“オールオアナン(all or none)”オーダ、“エニーパート(any part)”オーダなど、取引プラットフォーム16により管理される任意のタイプの注文であってもよい。
【0026】
各買い注文24は、ビッド価格及びサイズによって少なくとも部分的に規定され、各売り注文26は、オファー価格及びサイズによって少なくとも部分的に規定されるかもしれない。各注文の価格、すなわち、各買い注文24のビッド価格及び各売り注文26のオファー価格は、(a)“ハンドル”と呼ばれる整数部分と、(b)小数、分数、小数と分数の組み合わせとして表示される端数部分とを含むかもしれない。例えば、刻みサイズが1/32の1/4(すなわち、1/4/32)となる市場では、94.26として表示される価格は、94のハンドルと26の端数部分とによって規定され、1ポイントの26261/432(又は約0.8203)を表す。1/4はまた、94.262の価格表示を構成する2/8として表示されるかもしれない。テーブル1は、一例となる価格、価格が取引プラットフォーム16により表示される一例となるフォーマット、当該価格のハンドル及び端数部分を示す。
【0027】
【表1】


市場情報ソース14は、市場情報28を取引プラットフォーム16に通信するよう動作可能である。市場情報28は、価格情報、値動き情報、ボラティリティ情報、取引量情報など、各種商品の1以上の市場に関する現在及び/又は過去の何れかの情報を含むかもしれない。市場情報28はまた、利率情報、通貨関連情報などの現在及び/又は過去の金融情報を含むものであってもよい。以下で詳細に説明されるように、取引プラットフォーム16は、例えば、範囲外取引注文22を特定するのに利用される閾値40を決定及び更新するためなど、各種目的に市場情報を利用するかもしれない。市場情報ソース14は、このような市場情報28を取引プラットフォーム16に通信する市場情報28の何れかのソース又は受け付けを含むかもしれない。例えば、市場情報ソース14は、他の取引プラットフォーム、取引所、ブローカー、金融機関、データベンダー又は政府統計局を含むかもしれない。
【0028】
通信ネットワーク18は、取引者端末12、市場情報ソース14及び取引プラットフォーム16の間でデータ又は情報をやりとりするよう動作可能な通信プラットフォームである。本発明の実施例では、通信ネットワーク18は、認可されている取引所に配信される取引を電子的に実行又は開始する機能を取引者20に提供するインターネットアーキテクチャを表す。あるいは、通信ネットワーク18は、同一の処理又は機能を実行するため取引者20が利用可能なPOTS(Plain Old Telephone System)とすることが可能である。このような取引は、取引プラットフォーム16に係るブローカーによって支援され、又は取引が実行されることをリクエストするため、電話や他の適切な電子装置に手動によりキー入力されるものであってもよい。他の実施例では、通信システム14は、システム10の何れか2つのノードの間の通信インタフェース又はやりとりを提供する何れかのPDN(Packet Data Network)とすることも可能である。あるいは、通信ネットワーク18は、何れかのローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、イントラネット、又はネットワーク若しくは通信環境における通信を実現する他の何れか適切なアーキテクチャ若しくはシステムであってもよい。
【0029】
取引プラットフォーム16は、取引注文22の取引を実現するため、1以上の取引所へのアクセスを提供する取引アーキテクチャである。取引プラットフォーム16は、取引注文22の取引を管理しようとする何れかの者、企業又はエンティティのための本社、ワークステーション、管理センター、サーバ、コンピュータであってもよい。このため、取引プラットフォーム16は、取引環境を管理する管理組織又は監視エンティティの処理及び機能を達成するため利用又は実現可能な何れか適切なハードウェア、ソフトウェア、スタッフ、装置、コンポーネント、要素又はオブジェクトを含むかもしれない。
【0030】
いくつかの実施例では、取引プラットフォーム16は、1以上のウェブページ34を提供するため、ウェブサイト及び/又はウェブサイト情報32を格納するよう動作可能な1以上のウェブサーバ30に関連付けされ、又は有するかもしれない。ウェブサーバ30は、通信ネットワーク18に接続可能であり、取引プラットフォーム16に部分的又は完全に一体化又は独立するようにしてもよい。取引者端末12は、取引者20が通信ネットワーク18を介し取引モジュール50と情報を通信し、取引モジュール50から情報を受信することができるように、ウェブサーバ30により提供されるウェブページ34とのインタフェースを提供するよう動作可能なブラウザアプリケーション36を有してもよい。特に、ブラウザアプリケーション36は、取引者20が取引者20と取引プラットフォーム16との間の通信用のインタフェースを提供するため、ウェブサーバ30により提供される各種インターネットウェブサイト又はウェブページ34をナビゲート又は“ブラウズ”することを可能にするかもしれない。例えば、1以上のウェブページ34は、取引者20から取引プラットフォーム16へ取引注文の通信、取引プラットフォーム16から取引者20への警告メッセージの通信、及び取引者20から取引プラットフォーム16への警告メッセージ40に対する応答42の通信を実現するかもしれない。
【0031】
取引プラットフォーム16は、取引者20から取引注文22を受け付け、取引者20の間の金融取引が実行可能となるように、上記取引注文22を管理又は処理するよう動作可能な取引モジュール50を有する。取引モジュール50は、市場取引所とのリンク若しくは接続、又はこのような取引を完了させることを可能にする何れか適切な要素との他の適切な接続を有するかもしれない。
【0032】
取引モジュール50は、範囲外のビッド又はオファー価格を有する買い注文24と売り注文26を特定し、このような範囲外の取引注文22を発注した取引者20に警告メッセージ40を送信するよう動作可能である。上述したように、このような各警告メッセージ40は、範囲外注文22のビッド又はオファー価格が誤っている可能性があることを示し、該当する取引者20が当該注文22のビッド又はオファー価格を変更し、又は注文22をもとの価格により発注することを可能にするかもしれない。
【0033】
図1に示されるように、取引モジュール50は、処理ユニット52とメモリユニット54とを有する。処理ユニット52は、取引注文22又はシステム10に係るデータを処理し、それは、特定の実施例では取引モジュール50に係るソフトウェア56又は他の符号化された命令を実行することを含むかもしれない。メモリユニット56は、ソフトウェア56、取引者20から受け付けた取引注文22、取引管理ルールセット58、1以上の閾値60及び市場情報ソース14から受け付けた市場情報28を格納するものであってもよい。メモリユニット56は、データ処理ユニット52に接続され、1以上のデータベースと、1以上のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、FCRAM(Fast Cycle RAM)、SRAM(Static RAM)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)若しくは他の何れか適切な揮発性又は不揮発性記憶装置などの他の適切な記憶装置とを有するものであってもよい。
【0034】
通信ネットワーク18及び/又は取引モジュール50により提供される機能は、1以上の人が通信ネットワーク18又は取引モジュール50に係る各種機能を提供可能となるように、部分的又は完全に手動的なものであってもよいということが理解されるべきである。例えば、取引プラットフォーム16のヒューマンエージェントは、取引プラットフォーム16に取引注文22を発注するためのプロキシ又はブローカーとして機能する。
【0035】
取引モジュール50は、少なくとも取引管理ルール58に基づき、取引注文22を管理及び処理する。取引管理ルール58は、例えば、特定の取引注文22が範囲外取引であるか判断する方法、警告メッセージ40を生成する方法、閾値を決定及び/又は更新する方法、及びこのような注文24及び26のキュー又はスタック内の買い注文24と売り注文26の移動を管理する方法などを規定するルールを有するかもしれない。
・相対市場価格に基づく範囲外注文の特定
いくつかの実施例では、取引管理ルール58は、一般にそれの各注文スタック(すなわち、買い注文スタック又は売り注文スタック)の先頭に移された各取引注文22の価格と、相対市場における先頭の注文22の価格とを比較することによって、範囲外取引注文22を特定する。例えば、売り注文26が売り注文スタックの先頭に移されると、取引モジュール50は、新たに移された売り注文26のオファー価格が、買い注文スタックの1以上の買い注文24のビッド価格を閾値以上超過しているか判断することによって、新たに移された売り注文26が範囲外注文であるか判断する。ある実施例では、取引モジュール50は、新たに移された売り注文26のオファー価格が先頭の買い注文24のビッド価格を閾値60以上超過しているか判断することによって、新たに移された売り注文26が範囲外注文であるか判断する。
【0036】
範囲外買い注文が特定されると、取引モジュール50は、範囲外買い注文による取引を後に実行しようとすることと範囲外買い注文の何れか又は両方に関する制限的アクションを開始又は有効にする。上述されたように、制限的アクションは、範囲外買い注文による取引を実行しようとする取引者に警告メッセージ40を送信し、範囲外買い注文が買い注文スタック内で移動又は上位化されることを回避し、範囲外買い注文が表示されることを回避し、他の取引者が範囲外買い注文に関する取引を実行することを禁止するなど、何れか適切な制限的アクションを含む。
【0037】
説明のため、ある時点において、10年物米国国債の取引所が以下の買い注文24と売り注文26とをそれぞれ含む買い注文スタックと売り注文スタックを有すると仮定する。
【0038】
【表2】


98.26の売り注文が98.26の売り注文と同じ又はそれを超えるビッド価格を有する新たに受け付けた買い注文によりキャンセル又は取引される場合など、98.26の売り注文が売り注文スタックから削除されたと仮定する。この結果、99.26の売り注文が売り注文スタックの先頭に移される。99.26の売り注文が売り注文スタックの先頭に移された結果、取引モジュール50は、売り注文の99.26のオファー価格が現在先頭の買い注文のビッド価格98.26を閾値以上超過しているか判断することによって、99.26の売り注文が範囲外注文であるか判断する。さらに、10年物米国国債の現在の閾値60は1ポイントの3/32であると仮定する。ここで、先頭の売り注文の99.26のオファー価格は、先頭の買い注文の98.26ビッド価格を3/32の閾値以上超過し、このため、99.26の売り注文は範囲外売り注文であると決定される。
【0039】
99.26の売り注文が範囲外売り注文であると決定された結果として、取引モジュール50は、99.26の売り注文により普通に取引する買い注文を提示した取引者への警告メッセージを生成及び通信するかもしれない。例えば、後の取引者が99.26のビッド価格により後の買い注文を提示した場合(99.26の売り注文により取引しようとする際に)、取引モジュール50は、後の買い注文24のビッド価格が誤りであることを示し、後の買い注文24の価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供する警告メッセージを生成し、後の取引者に通信するようにしてもよい。このような警告メッセージ40を送信する1つの理由は、後の取引者が先頭の売り注文のハンドル(すなわち、整数部分)が98から99に上昇したことに気付いておらず、99.26でなく98.26のビッド価格を入力しようとしていた可能性があるということである。さらに以下でより詳細に説明されるように、取引モジュール50は、後の取引者のビッド価格の整数部分を99から98に変更し(例えば、後の取引者の実際の意図に適合させるようにするため)、98.26の提案された変更後のビッド価格を後の取引者に表示し、後の取引者に98.26の提案された変更後のビッド価格により後の買い注文24を発注することを所望しているか問い合わせる。
【0040】
同様に、買い注文24が買い注文スタックの先頭に移されると、取引モジュール50は、新たに移された買い注文24のビッド価格が、売り注文スタックの1以上の売り注文26のオファー価格より閾値60以上下回るか判断することによって、新たに移された買い注文24が範囲外注文であるか判断する。ある実施例では、取引モジュール50は、新たに移された買い注文26のビッド価格が先頭の売り注文26のオファー価格より閾値60以上下回っているか判断することによって、新たに移された買い注文24が範囲外注文であるか判断する。上述されたように、いくつかの実施例では、“先頭の”売り注文26が売り注文スタックの先頭にある売り注文であり、それは実施例に応じて、最も低い現在のオファー価格を有する売り注文26であるかもしれないし、そうでないかもしれない。範囲外売り注文が特定されると、取引モジュール50は、範囲外売り注文と当該範囲外売り注文による取引を実行しようとする後の試みの何れか又は両方に関する制限的アクションを開始又は有効にするかもしれない。上述されるように、制限的アクションは、何れか適切な制限的アクションを含むかもしれない。
【0041】
説明のため、ある時点において、30年物米国国債の取引所が、以下の買い注文24と売り注文26とをそれぞれ有する買い注文スタックと売り注文スタックとを含むと仮定する。
【0042】
【表3】


ここで、98.26の買い注文が98.26以下のオファー価格を有する新たに受け付けた売り注文によりキャンセル又は取引される場合など、98.26の買い注文が買い注文スタックから削除されると仮定する。この結果、97.27の買い注文が買い注文スタックの先頭に移される。97.27の買い注文が売り注文スタックの先頭に移された結果として、取引モジュール50は、買い注文の97.27のビッド価格が現在先頭の売り注文のオファー価格98.26より閾値以上下回っているか判断することによって、97.27の買い注文が範囲外注文であるか判断する。さらに、30年物米国国債の現在の閾値60が1ポイントの7/32であると仮定する。ここで、先頭の買い注文の97.27のビッド価格が、7/32の閾値以上先頭の売り注文の98.26のオファー価格を下回っており、このため、97.27の買い注文が範囲外買い注文であると決定される。
【0043】
97.27の買い注文が範囲外売り注文であると決定された結果として、取引モジュール50は、97.27の買い注文により普通に取引する売り注文を提示した取引者に警告メッセージを生成及び通信する。例えば、後の取引者が97.27のオファー価格により後の売り注文を提示している場合(97.27の買い注文により取引しようとする際に)、取引モジュール50は、後の売り注文26のオファー価格が誤っている可能性があることを示し、後の売り注文の価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供する警告メッセージを後の取引者に生成及び通信するようにしてもよい。上述したように、このような警告メッセージ40を送信する1つの理由は、後の取引者が先頭の買い注文のハンドル(すなわち、整数部分)が98から97に変更されたことに気付いておらず、97.26でなく98.27のオファー価格を入力しようと意図していたかもしれないためである。さらに以下でより詳細に説明されるように、取引モジュール50は、後の取引者のオファー価格の整数部分を97から98に変更し(例えば、後の取引者の実際の意図に適合しようとするため)、98.27の提案された変更後のオファー価格を後の取引者に表示し、後の取引者に98.27の提案された変更後のオファー価格により後の売り注文26を発注することを所望するか問い合わせる。
【0044】
図2は、取引注文22と相対市場価格とを比較し、範囲外取引注文22に対して取引を行おうとしている取引者20に警告メッセージ40を送信することによって、葉苦い取引注文22を特定する本発明の一実施例による方法を示す。後述される実施例は、範囲外売り注文26を特定し、当該範囲外売り注文26に対して取引を行おうとしている取引者20に警告メッセージ40を送信することに関する。しかしながら、本方法は範囲外買い注文24を特定し、当該範囲外買い注文24に対して取引を行おうとしている取引者20に警告メッセージを送信することにも同様に適用可能であるということが理解されるべきである。また、他の各種制限的アクション(すなわち、警告メッセージ40を送信する以外のもの)が範囲外取引注文22を特定した結果として実現可能であるということが理解されるべきである。
【0045】
ステップ100において、1以上の買い注文24と1以上の売り注文26が、取引者20から受け付けされ、取引プラットフォーム16により取引所に発注される。買い注文24と売り注文26は、買い注文スタック(又はキュー)と売り注文スタック(又はキュー)にそれぞれ配置され、FIFO(First In First Out)システムや米国特許第6,560,580号に詳述されるようなインタラクティブマッチングシステムを利用して、又は当該受け付けた買い注文24と売り注文26とに係る相対的なビッド及びオファー価格に基づくなど、何れか適切な基準に従って順序付けされる。
【0046】
ステップ102において、1以上の売り注文26が売り注文スタックから削除される(例えば、1以上の売り注文26が1以上の買い注文24によりキャンセル又は取引される場合など)。この結果、ある売り注文26は、売り注文スタックの先頭に移され、これにより、現在先頭の売り注文となる。
【0047】
ステップ104において、当該売り注文26が売り注文スタックの先頭に移された結果として、取引モジュール50は、当該売り注文62のオファー価格が現在先頭の買い注文のビッド価格、すなわち、買い注文スタックの先頭に現在ある買い注文24のビッド価格を現在の閾値60以上超過しているか判断することによって、当該売り注文26が範囲外注文であるか判断する。以下でより詳細に説明されるように、閾値60は市場状態に基づくものであって、経時的に可変とされるかもしれない。
【0048】
当該売り注文26が範囲外注文でないと判断された場合、他の買い注文24及び/又は売り注文26が受け付け、発注、取引、キャンセル又は管理されるようにするため、本方法はステップ100に戻る。しかしながら、ステップ104において、当該売り注文が範囲外売り注文であると判断された場合、取引モジュール50は、ステップ106において範囲外売り注文を認識し、この範囲外売り注文による取引を普通に生じさせる買い注文24を待機するかもしれない。いくつかの他の実施例では、特定された範囲外売り注文は、売り注文スタックから一時的に削除されるか、あるいは一緒にキャンセルされてもよい。
【0049】
ステップ108において、取引プラットフォーム16は、後の取引者から範囲外売り注文による普通に取引する後の買い注文24を受け付ける。すなわち、後の買い注文24のビッド価格は、範囲外売り注文のオファー価格以上となる。いくつかの例では、範囲外売り注文のハンドル(すなわち、整数部分)は現在の市場より大きいかもしれず、後の取引者は、範囲外売り注文のより大きなハンドルを認識することなく、後の買い注文24を提示したかもしれない。すなわち、後の取引者は、自分の買い注文24を提示する際、範囲外売り注文の端数部分のみを誤って考慮したかもしれない。
【0050】
ステップ110において、範囲外売り注文により普通に取引する後の買い注文24を受け付けた結果として、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24のビッド価格が誤っている可能性があることを示し、当該買い注文24のビッド価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供する警告メッセージ40を後の取引者に生成及び通信する。いくつかの実施例では、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24のビッド価格のハンドルを変更し(例えば、取引者の実際の意図に適合するようにするため)、提案された変更後のビッド価格を後の取引者に表示し、後の取引者に提案された変更後のビッド価格により後の買い注文24を発注することを所望するか問い合わせるかもしれない。
【0051】
ステップ112において、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24が少なくとも警告メッセージ40に対する応答が後の取引者20から受け付けられるまで、取引所に発注されることを回避する。ステップ114において、取引モジュール50は、後の取引者20から警告メッセージ40に対する応答42を受け付ける。当該応答42が、後の取引者20が自らの買い注文24に対する提案された変更後のビッド価格を受け入れることを示す場合、取引モジュール50は、ステップ116において、提案された変更後のビッド価格により取引所に後の取引者の買い注文24を発注する。あるいは、後の取引者の応答42は、後の取引者20が自らの買い注文24に対する提案された変更後のビッド価格を拒絶することを示すかもしれない。例えば、ステップ118において、後の取引者20は、警告メッセージ40の受け付けに応答して、自らの買い注文42をキャンセルすることを選択するかもしれない。他の例として、ステップ120において、後の取引者20は、自らの買い注文24をもとのビッド価格により再提示することによって警告メッセージ40を回避することを選択するかもしれない。後の取引者20がもとのビッド価格による自らの買い注文24を再提示する場合、取引モジュール50は、ステップ122において、もとのビッド価格により取引所に再提示された買い注文24を発注し、及び/又は再提示された買い注文24と範囲外売り注文との間の取引を実行するかもしれない(範囲外売り注文がまだ利用可能である場合)。
【0052】
売り注文26が範囲外売り注文であるか判断し、後の買い注文24を提示した取引者に警告メッセージを送信する上述した技術は、買い注文24が範囲外買い注文であるか判断し、後の売り注文26を提示した取引者20に警告メッセージを送信するのに同様に利用可能である。
・前の取引価格に基づく範囲外注文の特定
いくつかの実施例では、取引管理ルール58は、一般にそれの各注文スタック(すなわち、買い注文スタック又は売り注文スタック)の先頭に移された各取引注文22の価格と1以上の前の取引の価格と比較することによって、範囲外取引注文22を特定する。例えば、売り注文26が売り注文スタックの先頭に移されると、取引モジュール50は、新たに移された売り注文26のオファー価格が取引所の1以上の前の取引の価格を閾値以上超過しているか判断することによって、新たに移された売り注文26が範囲外注文であるか判断する。1以上の前の取引の価格と注文価格とを比較することは、1以上の前の取引が実行された価格又は実行のため提示された価格と注文価格とを比較することから構成されるかもしれない。ある実施例では、当該注文価格は、直近の取引が実行された価格又は実行のため提示された価格と比較される。範囲外取引注文22が特定されると、取引モジュール50は、範囲外取引注文22と当該範囲外取引注文22による取引を実行しようとする後の試みの何れか又は両方に関する制限的アクションを開始又は有効にするかもしれない。上述されたように、制限的アクションは、何れか適切な制限的アクションを含むかもしれない。
【0053】
説明のため、ある時点において、5年物米国国債の取引所が以下の買い注文24と売り注文26をそれぞれ含む買い注文スタックと売り注文スタックを含むと仮定する。
【0054】
【表4】

一致する93.14の買い注文と93.14の売り注文との間の取引が93.14の価格において実行される(又は実行のため提示される)と仮定する。93.14の買い注文と93.14の売り注文は、これにより、買い注文スタックと売り注文スタックから削除される。この結果、93.14の買い注文が買い注文スタックの先頭に移され、現在先頭の買い注文となり、93.14の売り注文が売り注文スタックの先頭に移され、これにより、現在先頭の売り注文となる。93.14の買い注文と93.14の売り注文が各注文スタックの先頭に移された結果として、取引モジュール50は、93.14の買い注文と93.14の売り注文の何れか(又は両方)が範囲外注文であるか判断する。取引モジュール50は、93.14のビッド価格が前の取引の価格(ここでは、93.14)より閾値60以上下回っているか判断することによって、93.14の買い注文が範囲外注文であるか判断する。5年物米国国債の現在の閾値が2/32であると仮定する。取引モジュール50は、買い注文の93.13のビッド価格が93.14の取引より2/32の閾値以上下回っていないと判断し、93.13の買い注文が範囲外注文でないと判断するであろう。(テーブル1から、93.13の表示されたビッド価格が9313.2532の実際のビッド価格を表し、93.14の前の取引価格が9314.532の実際の取引価格を表すことを思い出されたい。これにより、93.13のビッド価格は、93.14の取引価格の範囲内となる。)
同様に、取引モジュール50は、93.14のオファー価格が93.14の前の取引価格を2/32の閾値以上超過しているか判断することによって、93.14の売り注文が範囲外注文であるか判断する。取引モジュール50は、売り注文の93.14のオファー価格が93.14の前の取引価格を2/32の閾値以上超過していないと判断し、93.14の売り注文は範囲外注文でないと判断するであろう。
【0055】
次に、93.14の売り注文が93.14以上のビッド価格を有する新たに受け付けた買い注文によりキャンセル又は取引される場合など、93.14の売り注文が売り注文スタックから削除されると仮定する。この結果、94.13の売り注文が売り注文スタックの先頭に移され、これにより、取引所における新たな現在先頭の売り注文となる。94.13の売り注文が売り注文スタックの先頭に移された結果として、取引モジュール50は、売り注文の94.13のオファー価格が93.14の前の取引価格を2/32の閾値以上超過しているか判断することによって、94.13の売り注文が範囲外注文であるか判断する。取引モジュール50は、売り注文の94.13のオファー価格が93.14の前の取引価格を2/32の閾値以上超過していると判断し、94.13の売り注文が範囲外注文であると判断するであろう。
【0056】
94.13の売り注文が範囲外注文であると判断した結果として、取引モジュール50は、94.13の売り注文により普通に取引する後の買い注文24を提示する後の取引者に警告メッセージ40を生成及び通信するかもしれない。例えば、後の取引者が94.13のビッド価格により後の買い注文24を提示する場合(94.13の売り注文により取引をしようとする際に)、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24のビッド価格が誤っているかもしれないということを示し、自らの注文のビッド価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供する警告メッセージ40を後の取引者に生成及び通信するようにしてもよい。さらに、以下で詳細に説明されるように、取引モジュール50は、後の取引者のビッド価格の整数部分を94から93に変更し(例えば、後の取引者の実際の意図に適合するようにするため)、93.13の提案された変更後のビッド価格を後の取引者に表示し、93.13の提案された変更後のビッド価格により買い注文24を発注することを所望するか後の取引者に問い合わせる。
【0057】
同様にして、取引モジュール50が、買い注文スタックの先頭に移された買い注文24が範囲外注文であると判断すると、取引モジュール50は、当該買い注文24により普通に取引する売り注文26を提示した取引者に警告メッセージ40を生成及び通信するようにしてもよい。
【0058】
図3は、取引注文22と前の取引価格とを比較し、当該範囲外取引注文22に対して取引を行おうとする取引者20に警告メッセージ40を送信することによって、範囲外取引注文22を特定する本発明の実施例による方法を示す。以下で説明される実施例は、範囲外売り注文26を特定し、当該範囲外売り注文26に対して取引を行おうとする取引者20に警告メッセージを送信することに関する。しかしながら、本方法は範囲外買い注文24を特定し、当該範囲外買い注文24に対して取引を行おうとする取引者20に警告メッセージ40を送信することに同様に適用可能であるということが理解されるべきである。また、他の各種制限的アクション(すなわち、警告メッセージ40の送信以外のもの)が範囲外取引注文22を特定した結果として実現可能であるということが理解されるべきである。
【0059】
ステップ150において、1以上の買い注文24と1以上の売り注文26とが取引者20から受け付けられ、取引プロットフォーム16により取引所に発注される。買い注文24と売り注文26は、それぞれ買い注文スタックと売り注文スタックに配置され、FIFO(First In First Out)システムや米国特許第6,560,580号に規定されるようなインタラクティブマッチングシステムを利用し、又は受け付けた買い注文24と売り注文に係る相対的なビッド及びオファー価格に基づくなどの何れか適切な基準に従って順序付けされる。
【0060】
ステップ152において、買い注文スタックの買い注文24と売り注文スタックの売り注文26の間の1以上の取引が実行される。実行された買い注文24と売り注文26のそれぞれは、それらが実行されるとき、各自のスタックから削除されるかもしれない。ステップ154において、1以上の売り注文26が売り注文スタックから削除される(例えば、当該売り注文が1以上の買い注文24によりキャンセル又は実行された結果として)。この結果、特定の売り注文26が、売り注文スタックの先頭に移され、これにより、取引所における現在先頭の売り注文となる。
【0061】
ステップ156において、当該売り注文26が売り注文スタックの先頭に移された結果として、取引モジュール50は、当該売り注文26のオファー価格が前の取引価格、例えば、ステップ152における直近の取引が実行された価格などを現在の閾値60以上超過しているか判断することによって、当該売り注文26が範囲外注文であるか判断する。以下で詳細に説明されるように、閾値60は市場状態に基づき、経時的に可変とされてもよい。
【0062】
当該売り注文26が範囲外注文でないと判断された場合、本方法は、他の買い注文24及び/又は売り注文26が受け付け、発注、取引、キャンセル又は管理可能となるように、ステップ150に戻る。しかしながら、ステップ156において、当該売り注文が範囲外売り注文であると判断された場合、取引モジュール50は、ステップ158において範囲外売り注文に着目し、範囲外売り注文による取引を普通に生じさせる買い注文24を待機するかもしれない。
【0063】
ステップ160において、取引モジュール16は、範囲外売り注文により普通に取引される後の買い注文24を後の取引者から受け付ける。すなわち、後の買い注文24のビッド価格は、範囲外売り注文のオファー価格以上である。上述したように、いくつかの例では、範囲外売り注文のハンドル(すなわち、整数部分)は、現在の市場より大きく、後の取引者は範囲外売り注文のより大きなハンドルを認識することなく、後の買い注文24を提示しているかもしれない。
【0064】
ステップ162において、範囲外売り注文により普通に取引を行う後の買い注文24を受け付けた結果として、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24のビッド価格が誤っているかもしれないということを示し、自らの買い注文24のビッド価格を変更又は訂正する機会を後の取引者に提供する警告メッセージ40を後の取引者に生成及び通信する。いくつかの実施例では、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24のビッド価格のハンドルを変更し(例えば、取引者の実際の意図に一致するようにするため)、提案された変更後のビッド価格を表示し、後の取引者に提案された変更後のビッド価格により買い注文24を発注することを所望するか問い合わせる。
【0065】
ステップ164において、取引モジュール50は、後の取引者の買い注文24が少なくとも警告メッセージ40に対する応答42が後の取引者20から受け付けされるまでに、取引所に発注されることを回避する。ステップ166において、取引モジュール50は、後の取引者20から警告メッセージ40に対する応答42を受け付ける。この応答42が、後の取引者20が買い注文24に対する提案された変更後のビッド価格を受け入れることを示す場合、取引モジュール50は、ステップ168において、提案された変更後のビッド価格により取引所に後の買い注文24を発注する。あるいは、後の取引者の応答42が、後の取引者20が買い注文24に対する提案された変更後のビッド価格を拒絶したことを示すかもしれない。例えば、ステップ170において、後の取引者20は、警告メッセージ40を受け付けることに応答して、自らの買い注文42をキャンセルすることを選択するかもしれない。他の例として、ステップ172において、後の取引者20は、自らの買い注文24をもとのビッド価格により再提示することによって、警告メッセージ40を回避することを選択するかもしれない。後の取引者20が自らの買い注文24をもとのビッド価格により再提示する場合、取引モジュール50は、ステップ174において、再提示された買い注文24と範囲外売り注文との間の取引を実行し、及び/又はもとのビッド価格により取引所に再提示された買い注文24を発注するようにしてもよい(範囲外売り注文がまだ利用可能である場合には)。売り注文26が範囲外売り注文であるか判断し、後の買い注文24を提示する取引者20に警告メッセージを送信する上述した技術は、買い注文24が範囲外買い注文であり、後の売り注文26を提示する取引者20に警告メッセージを送信するのに同様に利用可能である。
・注文スタックの注文の順位移動の管理
いくつかの実施例では、取引管理ルール58は一般に、取引所における範囲外取引注文22を特定し、取引所の当該特定された範囲外取引注文22の順位移動を管理する。例えば、1以上の売り注文26が売り注文スタックから削除されると(例えば、このような売り注文が1以上の買い注文24によりキャンセル又は実行(すなわち、取引)されるときなど)、取引システム30は、(a)売り注文スタックの最上位の残りの売り注文26を売り注文スタックの先頭に移すか、又は(b)売り注文スタックの最上位の残りの売り注文26をスタックの先頭には移さず、当該最上位の残りの売り注文26の上位の売り注文スタックの1以上のポジションをオープンに保持し、範囲外売り注文26により普通に取引する買い注文24を後に提示する取引者20に警告メッセージ40を送信するか否か判断する。上述されたように、“先頭の注文(top order)”又は“スタックの先頭”という表現は、スタックの順序の相対的なポジションを伝えるための単なる一例であり、順序の配置は、何れか適切な選好又は基準に従って管理されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、ビッドオファースタックは、リストの最後尾から先頭に価格が増加することを表す垂直の数のリストを有する。ここでは、既存の買い注文は各自のビッド価格に基づき数のリストの一方の側に表示され(各買い注文の注文サイズ)、既存の売り注文が各自のオファー価格に基づき数のリストの他方の側に表示される(各売り注文の注文サイズを示す)。従って、このような実施例では、最も高いビッド価格を有する既存の買い注文が、物理的には他の既存の買い注文の上位に配置され、そのような買い注文は先頭の買い注文又は買い注文スタックの先頭にある買い注文と呼ばれる。さらにこのような実施例では、最も低いオファー価格を有する既存の売り注文が、物理的に他の既存の売り注文の下位に配置される。しかしながら、本開示では、その他の既存の売り注文の下位に物理的に配置されても、最も低いオファー価格を有する既存の売り注文が、先頭の売り注文又は売り注文スタックの先頭にある売り注文と呼ばれるかもしれない。従って、いくつかの状況では、“先頭の注文”又は“スタックの先頭”という表現は、注文スタックの前面にある(又は上述される実施例では、物理的に最後尾にある)注文又はベストな既存の注文を表すかもしれない。
【0066】
同様に、1以上の買い注文24が買い注文スタックから削除されると(このような買い注文が、1以上の買い注文24により実行(すなわち、取引)又はキャンセルされるときなど)、取引システム30は、(a)買い注文スタックの最上位の残りの買い注文24を買い注文スタックの先頭に移すか、又は(b)買い注文スタックの最上位の残りの買い注文24をスタックの先頭に移さず、最上位の残りの買い注文24の上位の買い注文スタックの1以上のポジションをオープンにしたままにし、範囲外買い注文24により普通に取引する売り注文26を後に提示する取引者20に警告メッセージ40を送信するか判断する。
【0067】
いくつかの実施例では、取引モジュール50は、当該取引注文の価格が1以上の他の価格と1以上の閾値60以上乖離しているか判断することによって、対象となる取引注文22が範囲外注文であるか判断する。例えば、取引モジュール50は、図2を参照して上述されたように、当該売り注文26の価格が先頭の現在の買い注文24(すなわち、買い注文スタックの先頭に現在ある買い注文24)の価格を閾値60以上上回っているか判断することによって、対象となる売り注文26が範囲外注文であるか判断する。他の例として、取引モジュール50は、図3を参照して上述されたように、当該売り注文26の価格が取引所の1以上の前の取引の価格を閾値60以上上回っているか判断することによって、対象となる売り注文26が範囲外注文であるか判断するかもしれない。
【0068】
さらなる他の実施例として、取引モジュール50は、当該売り注文26の価格が予測される現在の市場価格を閾値60以上上回っているか判断することによって、対象となる売り注文26が範囲外注文であるか判断する。この予測される現在の市場価格は、1以上の市場情報ソース14受け付けされる各種市場情報28など、各種データに基づき取引モジュール30によって決定される。例えば、いくつかの実施例では、取引モジュール30は、商品の市場の現在の中間値(例えば、現在のビッド価格と現在のオファー価格との間の中間ポイントなど)を推定する1以上のアルゴリズムを実行することによって(入力として市場情報28を利用することによって)、当該商品の推定される現在の市場価格を決定するかもしれない。ある実施例では、ある商品に推定される現在の市場価格を決定するための入力として利用される市場情報28は、当該商品の市場に関する1以上の先物市場からの情報を含む。
【0069】
ある実施例では、ある売り注文26が範囲外注文であるか判断することは、以下のそれぞれを決定することを含む。
(a)売り注文26のオファー価格が、買い注文スタックの現在先頭の買い注文24のビッド価格を第1閾値60a以上上回っているか?
(b)売り注文26のオファー価格が、取引所の1以上の直近の取引の価格を第2閾値60b以上上回っているか?
(c)売り注文26のオファー価格が、取引モジュール30により決定される推定される現在の市場価格を第3閾値60c以上上回っているか?
いくつかの実施例では、第1閾値60a、第2閾値60b及び第3閾値60cは同一である。他の実施例では、第1閾値60a、第2閾値60b及び第3閾値60cの1以上は互いに異なるものである。さらに上述されるように、閾値60a、60b及び60cのそれぞれは、市場状態に応じて経時的に可変とされてもよい。例えば、取引モジュール30は、各種市場情報ソース14から受け付けた市場情報28に少なくとも基づき、経時的に閾値60a、60b及び60cを可変としてもよい。
【0070】
一実施例では、取引モジュール30は、上記3つの質問(a)、(b)及び(c)の少なくとも1つが肯定的に回答されると判断した場合、売り注文26が範囲外注文であると判断する。他の実施例では、取引モジュール30は、上述した3つの質問(a)、(b)及び(c)の少なくとも2つが肯定的に回答されると判断した場合、売り注文26が範囲外注文であると判断する。さらなる他の実施例では、取引モジュール30は、上述した3つの質問(a)、(b)及び(c)のすべてが肯定的に回答されると判断した場合、売り注文26が範囲外注文であると判断する。従って、取引注文22を範囲外注文であると判断する基準は、実施例に従って変更されてもよい。
【0071】
売り注文26が範囲外売り注文であるか判断し、後の買い注文24を提示する取引20に警告メッセージを送信する上述した技術は、買い注文24が範囲外買い注文であるか判断し、後の売り注文26を提示した取引者20に警告メッセージを送信するのに同様に利用可能である。
・閾値60
上述したように、閾値60は、少なくとも市場状態に従って経時的に可変とされてもよい。例えば、ある市場の閾値60は、当該市場の過去又は現在のボラティリティ又は1以上の関連する市場に基づき決定及び/又は更新されてもよい。いくつかの実施例では、ある市場に対する閾値60は、1以上の市場情報ソース14から受け付けされる市場情報28に基づき決定及び/又は更新される。このような市場情報28は、当該市場の過去又は現在のボラティリティ又は1以上の関連する市場を示す。さらに、このような市場情報28は、利子率情報や通貨関連情報などの現在及び/又は過去の金融情報を含むものであってもよい。
【0072】
取引モジュール30は、当該市場の現在のボラティリティ又は現在価格などを予測するための各種アルゴリズムの入力としてこのような市場情報28を利用する。その後、取引モジュール30は、当該市場の現在の推定されるボラティリティ又は価格に基づき、当該市場の閾値を決定及び/又は更新するようにしてもよい。いくつかの実施例では、取引モジュール30は、リアルタイム又は実質的にリアルタイムに市場情報を受け付け、現在の市場状態に従ってリアルタイム又は実質的にリアルタイムに閾値を更新するようにしてもよい。
【0073】
本発明の実施例及びその効果が詳細に説明されたが、当業者は、添付した請求項により規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく各種変更、追加及び省略が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明の実施例による範囲外取引注文に対する警告メッセージを用いて取引を管理する一例となるシステムを示す。
【図2】図2は、本発明の実施例による取引注文と相対市場価格とを比較することによって範囲外取引注文を特定し、当該範囲外取引注文に対して取引を行おうとする取引者に警告メッセージを送信する一例となる方法を示す。
【図3】図3は、本発明の実施例による取引注文と前の取引価格とを比較することによって範囲外取引注文を特定し、当該範囲外取引注文に対して取引を行おうとする取引者に警告メッセージを送信する一例となる方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あるタイプの商品の市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格により取引しようとするもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップと、
前記ある取引注文の価格が前記少なくとも1つの比較対象価格と前記閾値以上乖離していると判断された場合、前記ある取引注文の価格により取引しようとするもとの価格を有する後の取引注文を受け付けることに応答して、前記後の取引注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信し、少なくとも前記警告メッセージ対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記ある取引注文により取引されることを回避するステップと、
を有する取引管理方法。
【請求項2】
前記少なくとも前記警告メッセージ対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、後の取引注文が前記ある取引注文により取引されることを回避するステップは、少なくとも前記警告メッセージに対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文を前記取引所に発注することを回避することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ある取引注文は、係るオファー価格を有するある売り注文であり、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある売り注文のオファー価格が既存のある買い注文のビッド価格を閾値以上上回っているか判断することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ある取引注文は、係るビッド価格を有するある買い注文であり、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある買い注文のビッド価格が既存のある売り注文のオファー価格を閾値以上下回っているか判断することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある取引注文の価格が前の取引の価格を閾値以上乖離しているか判断することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ある取引注文は、係るオファー価格を有するある売り注文であり、
前記前記ある取引注文の価格により取引しようとするもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップは、前記ある売り注文のオファー価格以上のもとのビッド価格を有する後の買い注文を前記取引者から受け付けることから構成され、
前記後の取引注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信するステップは、前記後の買い注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記後の買い注文のもとのビッド価格は、整数部分と端数部分とを有し、
当該方法はさらに、
前記もとのビッド価格の整数部分を変更することによって、前記後の買い注文の提案された変更後のビッド価格を決定し、前記後の買い注文に対する前記提案された変更後のビッド価格を示す警告メッセージを生成し、前記取引者に前記提案された変更後のビッド価格を認容又は拒絶するよう要求することを含む、前記後の買い注文に関する警告メッセージを生成するステップを有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある売り注文のオファー価格が既存のある買い注文のビッド価格を閾値以上上回っているか判断することから構成され、
前記既存のある買い注文のビッド価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分の変更は、前記既存のある買い注文のビッド価格の整数部分に一致するように、前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分を変更することから構成される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある売り注文のオファー価格が前の取引価格を閾値以上上回っているか判断することから構成され、
前記前の取引価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分の変更は、前記前の取引価格の整数部分に一致するように、前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分を変更することから構成される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記ある取引注文は、係るビッド価格を有するある買い注文であり、
後の取引注文を受け付けるステップは、前記ある買い注文のビッド価格以下のもとのオファー価格を有する後の売り注文を前記取引者から受け付けることから構成され、
前記後の取引注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信するステップは、前記後の売り注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信することから構成される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記後の売り注文のもとのオファー価格は、整数部分と端数部分とを有し、
当該方法はさらに、
前記もとのオファー価格の整数部分を変更することによって、前記後の売り注文の提案された変更後のオファー価格を決定し、前記後の売り注文に対する前記提案された変更後のオファー価格を示す警告メッセージを生成し、前記取引者に前記提案された変更後のオファー価格を認容又は拒絶するよう要求することを含む、前記後の売り注文に関する警告メッセージを生成するステップを有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある買い注文のビッド価格が既存のある売り注文のオファー価格を閾値以上下回っているか判断することから構成され、
前記既存のある売り注文のオファー価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分の変更は、前記既存のある売り注文のオファー価格の整数部分に一致するように、前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分を変更することから構成される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある買い注文のビッド価格が前の取引価格を閾値以上下回っているか判断することから構成され、
前記前の取引価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分の変更は、前記前の取引価格の整数部分に一致するように、前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分を変更することから構成される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記後の取引注文に関する警告メッセージは、前記後の取引注文に対する提案された変更後の価格を示し、
当該方法はさらに、前記取引者が前記後の取引注文に対する提案された変更後の価格を認容又は拒絶するか否か示す前記警告メッセージに対する応答を前記取引者から受け付けるステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記取引者が前記提案された変更後の価格を認容すると前記応答が示す場合、前記提案された変更後の価格により前記後の取引注文を前記取引所に発注するステップをさらに有する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記取引者が前記後の取引注文に対する提案された変更後の価格を拒絶していることを示す前記警告メッセージに対する応答を前記取引者から受け付けるステップと、
前記後の取引注文と前記ある取引注文との間の取引を実行するステップと、
をさらに有する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記取引者が前記後の取引注文に対する提案された変更後の価格を拒絶していることを示す前記警告メッセージ対する応答を前記取引者から受け付けるステップと、
前記後の取引注文のもとの価格により再提示された前記後の取引注文を前記取引者から受け付けるステップと、
前記後の取引注文と前記ある取引注文との間の取引を実行するステップと、
をさらに有する、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記発注するステップは、複数の取引注文スタックの1つにおける前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注することから構成され、
当該方法はさらに、前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップを有し、
前記ある取引注文が前記各自の取引注文スタックの先頭に移されることに応答して、前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか否か判断される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記ある取引注文は、1以上の他の取引注文が前記取引注文スタックから削除された結果として、前記各自の取引注文スタックの先頭に移される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記受け付けた取引注文は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記複数の取引注文スタックの1つにおける前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注することは、買い注文スタックの各買い注文と売り注文スタックの各売り注文とを発注することから構成され、
前記ある取引注文は、前記売り注文スタックのある売り注文であり、
前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップは、前記ある売り注文を前記売り注文スタックの先頭に移すことから構成される、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある売り注文が前記売り注文スタックの先頭に移される時点において、前記売り注文のオファー価格が前記買い注文スタックのある買い注文のビッド価格を前記閾値以上上回っているか判断することから構成される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある売り注文が前記売り注文スタックの先頭に移される時点において、前記売り注文のオファー価格が前の取引価格を前記閾値以上上回っているか判断することから構成される、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記受け付けた取引注文は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記複数の取引注文スタックの1つにおける前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注するステップは、買い注文スタックの各買い注文と、売り注文スタックの各売り注文とを発注することから構成され、
前記ある取引注文は、前記買い注文スタックのある買い注文であり、
前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップは、前記ある買い注文を前記買い注文スタックの先頭に移すことから構成される、請求項18記載の方法。
【請求項24】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある買い注文が前記買い注文スタックの先頭に移された時点において、前記ある買い注文のビッド価格が前記売り注文スタックのある売り注文のオファー価格を前記閾値以上下回っているか判断することから構成される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある買い注文が前記買い注文スタックの先頭に移された時点において、前記ある買い注文のビッド価格が前の取引価格を前記閾値以上下回っているか判断することから構成される、請求項23記載の方法。
【請求項26】
1以上の市場のボラティリティを推定するステップと、
前記1以上の市場の推定されたボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記1以上の市場のボラティリティは、実質的にリアルタイムに推定され、
前記閾値は、前記1以上の市場の推定されたボラティリティに少なくとも基づき、実質的にリアルタイムに自動更新される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記あるタイプの商品に対して前記市場のボラティリティを推定するステップと、
前記あるタイプの商品に対して推定された前記市場のボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する市場から構成される関連市場のボラティリティを推定するステップと、
前記関連市場の推定されるボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記関連市場のボラティリティと前記あるタイプの商品に対する市場のボラティリティとの間の関係に関する既知のボラティリティ情報を格納するステップと、
前記関連市場の推定されるボラティリティと前記既知のボラティリティ情報とに基づき、前記あるタイプの商品に対する市場のボラティリティを推定するステップと、
をさらに有し、
前記関連市場の推定されるボラティリティに少なくとも基づき前記閾値を更新するステップは、前記あるタイプの商品に対する前記市場の推定されるボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新することから構成される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記あるタイプの商品に対する前記市場に関連する市場から構成される関連市場における価格推移を示す価格推移情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた価格推移情報に少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項32】
前記関連市場の価格推移と前記あるタイプの商品に対する前記市場の価格推移との間の関係に関する既知のボラティリティ情報を格納するステップをさらに有し、
前記閾値は、前記受け付けた価格推移情報と前記格納されている既知のボラティリティ情報とに少なくとも基づき更新される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記価格推移情報を実質的にリアルタイムに受け付けるステップと、
前記実質的にリアルタイムに受け付けた価格推移情報に少なくとも部分的に基づき、前記閾値を自動更新するステップと、
をさらに有する、請求項31記載の方法。
【請求項34】
あるタイプの商品に対する市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離していると判断された場合、前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップと、
を有する取引管理方法。
【請求項35】
前記前の取引価格は、前記あるタイプの商品に対する市場における直近の前の取引が実行された価格から構成される、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記受け付けた取引価格は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離しているか判断するステップは、ある売り注文のオファー価格が前記前の取引価格を閾値以上上回っているか判断することから構成される、請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記受け付けた取引注文は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離しているか判断するステップは、ある買い注文のビッド価格が前記前の取引価格を閾値以上下回っているか判断することから構成される、請求項34記載の方法。
【請求項38】
前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップは、複数の取引注文スタックの1つに前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注することから構成され、
当該方法はさらに、前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップを有し、
前記ある取引注文が各自の取引注文スタックの先頭に移されることに応答して、前記ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離しているか判断される、請求項38記載の方法。
【請求項39】
前記受け付けた取引価格は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記複数の取引注文スタックの1つに前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注するステップは、買い注文スタックの各買い注文と、売り注文スタックの各売り注文とを発注することから構成され、
前記ある取引注文は、前記売り注文スタックのある売り注文であり、
前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップは、前記ある売り注文を前記売り注文スタックの先頭に移すことから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記受け付けた取引価格は、各買い注文が係るビッド価格を有し、各売り注文が係るオファー価格を有する買い注文と売り注文とを有し、
前記複数の取引注文スタックの1つに前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注するステップは、買い注文スタックの各買い注文と、売り注文スタックの各売り注文とを発注することから構成され、
前記ある取引注文は、前記買い注文スタックのある買い注文であり、
前記ある取引注文を各自の取引注文スタックの先頭に移すステップは、前記ある買い注文を前記買い注文スタックの先頭に移すことから構成される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
前記ある取引注文の価格により取引するもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップをさらに有し、
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップは、
前記後の取引注文に関する警告メッセージを生成するステップと、
前記警告メッセージを前記取引者に通信するステップと、
少なくとも前記警告メッセージに対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記ある取引注文により取引されることを回避するステップと、
を有する、請求項34記載の方法。
【請求項42】
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップはさらに、少なくとも前記警告に対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記取引所に発注されることを回避するステップを有する、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記ある取引注文は、係るオファー価格を有するある売り注文であり、
前記ある取引注文の価格により取引するもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップは、前記ある売り注文のオファー価格以上のもとのビッド価格を有する後の買い注文を前記取引者から受け付けることから構成され、
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップは、
前記後の買い注文に関する警告メッセージを生成するステップと、
前記警告メッセージを前記取引者に通信するステップと、
少なくとも前記警告メッセージに対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の買い注文が前記ある売り注文により取引されることを回避するステップと、
を有する、請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記後の買い注文のもとのビッド価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記警告メッセージを生成するステップは、
前記もとのビッド価格の整数部分を変更することによって、前記後の買い注文の提案された変更後のビッド価格を決定するステップと、
前記後の買い注文に対する提案された変更後のビッド価格を示し、前記取引者に前記提案された変更後のビッド価格を認容又は拒絶するよう要求する警告メッセージを生成するステップと、
を有する、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記前の取引価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分の変更は、前記前の取引価格の整数部分に一致するように、前記後の買い注文のもとのビッド価格の整数部分を変更することから構成される、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記ある取引注文は、係るビッド価格を有するある買い注文であり、
前記ある取引注文の価格により取引するもとの価格を有する後の売り注文をある取引者から受け付けるステップは、前記ある買い注文のビッド価格以下のもとのオファー価格を有する後の売り注文を前記取引者から受け付けることから構成され、
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップは、
前記後の売り注文に関する警告メッセージを生成するステップと、
前記警告メッセージを前記取引者に通信するステップと、
少なくとも前記警告メッセージに対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の売り注文が前記ある買い注文により取引されることを回避するステップと、
を有する、請求項41記載の方法。
【請求項47】
前記後の売り注文のもとのオファー価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記警告メッセージを生成するステップは、
前記もとのオファー価格の整数部分を変更することによって、前記後の売り注文の提案された変更後のオファー価格を決定するステップと、
前記後の売り注文に対する提案された変更後のオファー価格を示し、前記取引者が前記提案された変更後のオファー価格を認容又は拒絶することを要求する警告メッセージを生成するステップと、
を有する、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記前の取引価格は、整数部分と端数部分とを有し、
前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分の変更は、前記前の取引価格の整数部分に一致するように、前記後の売り注文のもとのオファー価格の整数部分を変更することから構成される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
1以上の市場のボラティリティを推定するステップと、
前記1以上の市場のボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する請求項34記載の方法。
【請求項50】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する市場から構成される関連市場における価格推移を示す価格推移情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた価格推移情報に少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項34記載の方法。
【請求項51】
あるタイプの商品に対する市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
複数の取引注文スタックの1つに前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注することを含む、前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を前記閾値以上乖離していると判断された場合、各自の取引注文スタック内での前記ある取引注文の移動を制限するステップと、
を有する取引管理方法。
【請求項52】
前記各自の取引注文スタック内での前記ある取引注文の移動を制限するステップは、前記各自の取引スタック内での前記ある取引注文の移動を少なくとも一時的に回避することから構成される、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を前記閾値以上乖離していると判断された場合、前記ある取引注文を各自の取引注文スタック内で移すステップを有する、請求項51記載の方法。
【請求項54】
前記ある取引注文の価格により取引するもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップをさらに有し、
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップはさらに、
前記後の取引注文に関する警告メッセージを生成するステップと、
前記警告メッセージを前記取引者に通信するステップと、
少なくとも前記警告メッセージに対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記ある取引注文により取引されることを回避するステップと、
を有する、請求項51記載の方法。
【請求項55】
前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップはさらに、少なくとも前記警告メッセージ対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記取引所に発注されることを回避するステップを有する、請求項54記載の方法。
【請求項56】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する1以上の市場に関する市場情報を受け付けるステップをさらに有し、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記受け付けた市場情報に少なくとも基づき、ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するか判断することから構成される、請求項51記載の方法。
【請求項57】
前記受け付けた市場情報に少なくとも基づき、前記あるタイプの商品に対する現在の市場価格を決定するステップをさらに有し、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するステップは、前記ある取引注文の価格が前記決定された現在の市場価格を閾値以上乖離しているか判断することから構成される、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する1以上の市場に関する市場情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた市場情報に少なくとも基づき、前記あるタイプの商品に対する現在の市場価格を決定するステップと、
をさらに有し、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するステップは、
前記ある取引の価格が前の取引価格を第1の現在閾値以上乖離しているか否かの第1の判断を実行するステップと、
前記ある取引の価格が既存の他の取引注文を第2の現在閾値以上乖離しているか否かの第2の判断を実行するステップと、
前記ある取引の価格が前記決定された現在市場価格を第3の現在閾値以上乖離しているか否かの第3の判断を実行するステップと、
を有する、請求項51記載の方法。
【請求項59】
前記第1、第2及び第3の現在閾値は同一である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
1以上の市場のボラティリティを推定するステップと、
前記1以上の市場の推定されたボラティリティに少なくとも基づき、前記第1、第2及び第3の現在閾値の少なくとも1つを更新するステップと、
をさらに有する、請求項58記載の方法。
【請求項61】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する市場から構成される関連市場における価格推移を示す価格推移情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた価格推移情報に少なくとも基づき、前記第1、第2及び第3の現在閾値の少なくとも1つを更新するステップと、
をさらに有する、請求項58記載の方法。
【請求項62】
前記第1の判断が、前記ある取引の価格が前記前の取引価格を第1の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第2の判断が、前記ある取引の価格が前記他の既存の取引注文を第2の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第3の判断が、前記ある取引の価格が前記決定された現在の市場価格を第3の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
の少なくとも1つが真である場合、前記ある取引注文の価格は、少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離していると判断される、請求項58記載の方法。
【請求項63】
前記第1の判断が、前記ある取引の価格が前記前の取引価格を第1の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第2の判断が、前記ある取引の価格が前記他の既存の取引注文を第2の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第3の判断が、前記ある取引の価格が前記決定された現在の市場価格を第3の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
の少なくとも2つが真である場合、前記ある取引注文の価格は、少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離していると判断される、請求項58記載の方法。
【請求項64】
前記第1の判断が、前記ある取引の価格が前記前の取引価格を第1の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第2の判断が、前記ある取引の価格が前記他の既存の取引注文を第2の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
前記第3の判断が、前記ある取引の価格が前記決定された現在の市場価格を第3の現在閾値以上乖離していることを示す場合、
のすべてが真である場合、前記ある取引注文の価格は、少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離していると判断される、請求項58記載の方法。
【請求項65】
1以上の市場のボラティリティを推定するステップと、
前記1以上の市場の推定されたボラティリティに少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項51記載の方法。
【請求項66】
前記あるタイプの商品に対する市場に関連する市場から構成される関連市場における価格推移を示す価格推移情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた価格推移情報に少なくとも基づき、前記閾値を更新するステップと、
をさらに有する、請求項51記載の方法。
【請求項67】
プロセッサを有するコンピュータシステムと、
前記コンピュータシステムに接続され、プログラムを有するコンピュータ可読媒体と、
を有する取引管理システムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサにより実行されると、
あるタイプの商品の市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格と閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格により取引しようとするもとの価格を有する後の取引注文をある取引者から受け付けるステップと、
前記ある取引注文の価格が前記少なくとも1つの比較対象価格と前記閾値以上乖離していると判断された場合、前記ある取引注文の価格により取引しようとするもとの価格を有する後の取引注文を受け付けることに応答して、前記後の取引注文に関する警告メッセージを前記取引者に通信し、少なくとも前記警告メッセージ対する応答が前記取引者から受け付けされるまで、前記後の取引注文が前記ある取引注文により取引されることを回避するステップと、
を処理可能である取引管理システム。
【請求項68】
プロセッサを有するコンピュータシステムと、
前記コンピュータシステムに接続され、プログラムを有するコンピュータ可読媒体と、
を有する取引管理システムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサにより実行されると、
あるタイプの商品に対する市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格が前の取引価格を閾値以上乖離していると判断された場合、前記ある取引注文に関する制限的アクションを実行するステップと、
を処理可能である取引管理システム。
【請求項69】
プロセッサを有するコンピュータシステムと、
前記コンピュータシステムに接続され、プログラムを有するコンピュータ可読媒体と、
を有する取引管理システムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサにより実行されると、
あるタイプの商品に対する市場において、各取引注文が係る価格を有する取引注文を複数の取引者から受け付けるステップと、
複数の取引注文スタックの1つに前記受け付けた取引注文のそれぞれを発注することを含む、前記取引注文が実行されるように、前記受け付けた取引注文のそれぞれを取引所に発注するステップと、
ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を閾値以上乖離しているか判断するステップと、
前記ある取引注文の価格が少なくとも1つの比較対象価格を前記閾値以上乖離していると判断された場合、各自の取引注文スタック内での前記ある取引注文の移動を制限するステップと、
を処理可能である取引管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−518285(P2008−518285A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525012(P2007−525012)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/027820
【国際公開番号】WO2006/104509
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(505411170)イースピード, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】