説明

篩枠

【課題】フェルトシールを必要とせず、篩枠の積重ね体を、垂直整合を確保するように結合する手段を有する改良篩枠を提供する。
【解決手段】機械篩に一般的に使用される種類の篩枠であって、機械篩では、多数のかかる篩枠が積重ね体にして積み重ねられ、篩枠は、材料が篩分けられる交換可能布枠を包囲するようになった側壁(13)を有し、食品に相応しいプラスチック材料で作られ、かつ重ね合わされた篩枠を互いに係止するために及び篩枠の間から原料の漏れだしを防ぐようにシールするために上縁と下縁に雄形及び雌形結合ラビリンスシール(20、21、22及び23、24、25)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は篩枠に関し、特に、限るわけではないが、振動内に置かれるべき積重ね体に互いに重ね合わされる種類のかかる篩枠に関する。篩分けされるべき原料は積重ね体の頂から供給され、「スルー(throughs)(篩の目を通り抜けたもの)」が収集のために篩を通過して積重ね体全体にわたって滝状に下り、「オーバーテール(overtails)」は、さらなる篩分けのために各次々の篩に漸次供給され、遂には、積重ね体の底で、「オーバーテール(overtails)(篩の上に残ったものが流れてゆくもの又は出てゆくもの))」は別の収集のために排出される。
【背景技術】
【0002】
普通、このような篩枠は、木製であり、キャビネットメーカーによって精密に作られ、キャビネットメーカーは枠を組み立て、かくして各枠内に、原料を篩分けるメッシュ材料のスクリーンを有する交換可能布枠(loose clothing frame)を受け入れる。
【0003】
木製篩枠は、整合した積重ね体に重ね合わされた関係に取り付けられなければならず、整合した積重ね体は、篩枠を機械篩内に一緒に保持するために適所にクランプされ、フェルトストリップが篩枠の上縁及び下縁に固定されて、篩枠間に、原料の漏れだしを防止するシールを形成する。フェルトシールは、水分を吸収し、原料の材料で汚染されるようになる傾向を有し、ある期間後、フェルトシールは平になって、積重ね体の篩枠間に適切なシールをしなくなる傾向がある。
【0004】
加えて、在来の篩枠は積重ね体の完全な垂直整合の手段を有しておらず、この問題は、フェルトシールのへたりによって悪化される。使用中篩枠のその結果の相対的な動きはフェルトシールの過剰な磨滅を引き起し、かくして周期的に交換されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、フェルトシールを必要とせず、篩枠の積重ね体を、垂直整合を確保するように結合する手段を有する改良篩枠を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、各々上縁及び下縁を有する複数の側壁を含み、上縁及び下縁の少なくとも一方が重ね合わせ並置状態にある他の篩枠の側壁のそれぞれの縁との界面を形成するようになった、篩枠において、前記少なくとも一方の縁は、少なくとも2つの斜め配置の面で構成され、かくして、かかる他の篩枠の側壁とともにラビリンスシールを形成することを特徴とする篩枠を提供する。
【0007】
篩枠は平面が矩形であるのがよく、その4つの側壁は、それらの間に交換可能布枠を収容する空所を構成する。
【0008】
側壁の上縁及び下縁には、各々少なくとも2つの斜め配置の面が形成されて側壁の上縁と下縁の両方に篩枠の周り全てにラビリンスシールを形成する。
【0009】
ラビリンスシールは少なくとも4つの斜め配置の面で形成されるのがよい。
【0010】
ラビリンスシールは少なくとも5つの斜め配置の面で形成されてもよい。
【0011】
斜め配置の面のうちの少なくとも1つはそれぞれの側壁の上から下の平面に対して傾けられるのがよい。
【0012】
ラビリンスシールは横断面が台形であるのがよい。
【0013】
各側壁はその上縁及び下縁に雄形ラビリンスシール及び雌形ラビリンスシールをそれぞれ有するのがよい。
【0014】
篩枠は、交換可能布枠を受けるためにプラスチック又はシリコーン材料の内部シールを含むのがよい。
【0015】
ラビリンスシールは、積重ね体に重ね合わされた複数の篩枠の垂直整合を確保するように形成されるのがよい。
【0016】
側壁は食品に相応しいプラスチック材料で作られるのがよい。
【0017】
篩枠は食品に相応しいプラスチック材料で作られた複数の内部支持部材を含むのがよい。
【0018】
食品に相応しいプラスチック材料は高密度ポリエチレンであるのがよい。
【0019】
篩枠はステンレススチールの底板を含み、使用中篩分けされた材料がかかる底板の上に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
今、本発明の実施形態を単なる例示として添付図面を参照して説明する。
【0021】
図1を今参照すると、代表的な機械篩の適用では、いくつかの他のケーシングと一緒に多機械篩に取り付けられる外側ケーシング10が、複数の篩枠を全体的に11で指示した積重ね体にして収容する。篩われるべき原料はケーシング10に、12で指示したようにケーシング10の上端から導入され、そして排出されるべき積み重ねの底まで滝状に通る。
【0022】
今図2を参照すると、この例では、平面が矩形である各篩枠は、コーナブロックによって互いに固定され、かつ一対の内側支持壁15を有する4つの側壁13を含み、支持壁は補強材16とともに、このような機械篩に典型的に使用される種類の交換可能布枠を支持し、布枠は、メッシュスクリーン17を有し、メッシュスクリーンの下に目の粗い金網(図示せず)があり、メッシュが塞がれるのを防止するために機械篩ケーシングの自然の動きで移動する自由に可動なクリーニング部材(図示せず)がメッシュスクリーンの上に配置される。
【0023】
この例では、メッシュ17を通過する小麦粉のような原料は、目の粗い金網の下のステンレススチールの底板17aに配置され、そこから排出シュート18の中へ外方に通る。メッシュ17を通過することができない原料は出口通路19の中へ排出され、原料はそこから、積重ね体の次ぎの下の篩枠に供給され、再びそのメッシュ17の上に通される。在来の篩枠と同じように、出口19は、原料が図1に示すように、積重ね体の中を、滝状に段々に且つ連続的に確実に供給されるように積重ね体の両側に交互に配置される。
【0024】
排出シュート及び開口の異なる構成を篩分けられる原料及び篩分け操作にしたがって設けても良い。このような詳細は機械篩において共通し、本発明の一部をなしていない。
【0025】
今、図5を参照すると、各側壁13はその上縁に段形成部を有し、該段形成部は一対の水平な平坦部20と、一対の傾斜面21と、頂面22と、を有する。
【0026】
同様に、側壁の下縁は、平坦部23と、傾斜面24と、頂部25と、を有する。この例では、平坦部及び面20、21及び22、及び23、24及び25は台形のラビリンスシールを形成し、各側壁の上縁及び下縁は雄雌シールとして構成され、それによって、積重ね体にして配置された、かかる篩枠は結合されるようになって相対的な側方移動を防止し、縁は原料が積重ね体から漏れ出さないようにシールされる。篩枠の側壁の多面縁によって形成されたラビリンスは、原料が漏れ出さないようにし、フェルトシール又は他の追加シールの必要性が回避される。
【0027】
典型的には、10mmの側壁厚さについては、水平平坦部20の各々は巾が約3mmであり、平坦頂部22は約3.5mmであり、かくして、傾斜面21は各々、巾が3.5mmを占める。各側壁の底の雌形成部は一対の1mm巾平坦部23と約4.5mmの頂部25及び各々巾が約1.75mmを占める傾斜面24とを有する。平坦部20と22の間の高さは4mmであり、底縁の台形凹部の高さは4.5mmである。かくして、各傾斜面の角度は側壁の頂部から底平面までほぼ115度である。
【0028】
したがって、頂平坦部22は頂平坦部25よりも0.5mm狭い。この種の2つ以上の篩枠が重ね合わせの関係に積み重ねられるとき、ある程度の自由なしかし一定の側方移動が各界面で篩枠間に与えられる。ラビリンスシールが少なくとも2つの面にわたって、好ましくは、平坦部20と23にわたって、及び傾斜面21と24にわたって有効である。したがって、これらのラビリンスシールは、在来の篩枠に使用されたフェルトのような追加のシール材の必要なしに、原料が積重ね体から漏れ出すのを防止するのに適当である。ラビリンスシールによって与えられる結合により、かかる篩枠の積重ね体を、かかる移動中篩枠の過剰な不整列の危険なしに操作することができ、かくして、完全な積重ね体を、積重ね体の転倒の危険なしに機械篩に導入したり機械篩から取り出したりすることができる。
【0029】
側壁13、コーナブロック14、内壁15及び補強材16はすべて、篩枠の面及び縁に大変僅かな弾力性を許すに十分なショア硬度を有する高密度ポリエチレンのような食品に相応しいプラスチック材料で作られ、かくして、負傷を引き起こすかもしれない鋭い縁又は端部の形成を回避する。
【0030】
このような材料は、適用及び篩分けられるべき材料の性質にとって十分な程度まで生物学的且つ化学的に不活性である。内壁15はプラスチック又はシリコーン材料のシールストリップを備えてもよく、交換可能布枠がこのシールストリップの上に位置し、再び、原料が篩枠と交換可能布枠との間から漏れ出すのを防止する。
【0031】
本発明にしたがって作られた篩枠を設けることにより種々の追加の利点が生じ、篩枠は、篩枠間にラビリンスシール及び物理的結合を伴って、大部分、食品に相応しいプラスチック材料のものである。特に、このような篩枠は、材料の不活性特性及び長期間清潔と衛生的に安全のままである能力に照らしてより長い寿命をもつと期待される。篩枠の高密度ポリエチレン材料は、小麦粉又は他の原料を篩枠に付着させず、また静電効果を有しない。材料は、容易に洗浄することができない木材及びフェルトと違って、圧力洗浄に耐え、磨滅又は汚染されることになるフェルトのような容易に磨滅する材料がない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】各々交換可能布枠を支持した篩枠の積重ね体の中を滝状に下るように原料が通される機械篩を概略的に示す。
【図2】本発明に従って作られた篩枠の平面図である。
【図3】図2のA−A線で取った縦断面図である。
【図4】図2のB−B線で取った縦断面図である。
【図5】図2に示す篩枠の側壁の拡大縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々上縁及び下縁を有する複数の側壁を含み、上縁及び下縁の少なくとも一方が重ね合わせ並置状態にある他の篩枠の側壁のそれぞれの縁との界面を形成するようになった、篩枠において、前記少なくとも一方の縁は、少なくとも2つの斜め配置の面で構成され、かくして、かかる他の篩枠の側壁とともにラビリンスシールを形成することを特徴とする篩枠。
【請求項2】
平面が矩形であり、4つの側壁が、それらの間に交換可能布枠を収容する空所を構成する、請求項1による篩枠。
【請求項3】
側壁の上縁及び下縁には、各々少なくとも2つの斜め配置の面が形成されて側壁の上縁と下縁の両方に篩枠の周り全てにラビリンスシールを形成する、請求項1による篩枠。
【請求項4】
ラビリンスシールは少なくとも4つの斜め配置の面で形成される、請求項1ないし3のいずれか1項による篩枠。
【請求項5】
ラビリンスシールは少なくとも5つの斜め配置の面で形成される、請求項1ないし4のいずれか1項による篩枠。
【請求項6】
斜め配置の面のうちの少なくとも1つはそれぞれの側壁の上から下の平面に対して傾けられる、請求項1ないし5のいずれか1項による篩枠。
【請求項7】
ラビリンスシールは横断面が台形である、請求項4による篩枠。
【請求項8】
各側壁はその上縁及び下縁に雄形ラビリンスシール及び雌形ラビリンスシールをそれぞれ有する、請求項1ないし7のいずれか1項による篩枠。
【請求項9】
交換可能布枠を受けるためにプラスチック又はシリコーン材料の内部シールを含む、請求項1ないし8のいずれか1項による篩枠。
【請求項10】
ラビリンスシールは、積重ね体に重ね合わされた複数の篩枠の垂直整合を確保するように形成される、請求項1ないし9のいずれか1項による篩枠。
【請求項11】
側壁は食品に相応しいプラスチック材料で作られる、請求項1ないし10のいずれか1項による篩枠。
【請求項12】
食品に相応しいプラスチック材料で作られた複数の内部支持部材を含む、請求項11による篩枠。
【請求項13】
食品に相応しいプラスチック材料は高密度ポリエチレンである、請求項11又は12による篩枠。
【請求項14】
ステンレススチールの底板を含み、使用中篩分けされた材料がかかる底板の上に配置される、請求項1ないし13のいずれか1項による篩枠。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項による篩枠の少なくとも1つの積重ね体を含む機械篩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−516747(P2008−516747A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536243(P2007−536243)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003824
【国際公開番号】WO2006/040517
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】