説明

簡易水耕栽培装置

【課題】養液劣化、酸素不足を解消する非養液循環型の簡易遂行栽培装置を提供。
【解決手段】パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3と培地マット5の間に、ネット4を敷くことにより、養液タンク1の養液2上に浮いたパーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3が、養液2の蒸発により自然沈下する際に養液タンク1と干渉し、沈下を妨げる現象をネット4が格子長手方向が突起していることから、点当たりとなり、養液タンク1との摺動性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力を使用せずにパーライト等の吸湿性が顕著な素材に溶液を与え、その多孔質性が溶液と酸素の供給に優れ、根腐れ・養液劣化防止並びに作物に有効な微生物群の菌の住処になり繁殖し、作物の成長を促す。またパーライト等の粒芯部は空気をもち、表面が多孔質であることから好気性バクテリアが付着、繁殖し易く水の浄化も出来る水耕栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術による水耕栽培システムは、養液タンクから培地スペースへ養液循環を行うため高額な循環システムを用いる設備である。また、安価なものでも酸素ポンプを使用して酸素を送り根腐れ防止・液劣化防止を行いどうしても動力が必要であった。
【0003】
また、先行技術文献調査の結果においても特許の先願、論文発表もなかった。
類似の技術として、浮上性ネットを水面に浮かせて、浮上性ネットにより吸水性シートと水の間には空気の層ができ、水面は常に空気に曝(さら)され、浮上性ネットの間を伸びる根と空気に曝(さら)されている水には常に酸素が供給されるものは既存したが、本発明では、養液と培地の間にパーライト等の吸湿性が顕著な素材が浮いていることから、それらの特性である多孔質性が酸素の循環を顕著に誘発することで、根腐れ・液劣化を防止し、尚且つ、パーライト等を使用することにより、作物の育成に有効な微生物群の菌の住処になることにより根に十分に栄養が行き渡るシステムであり、明らかに違うものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術による水耕栽培システムは、養液タンクから培地スペースへ養液循環を行うため高額な投資と設備スペースが必要であった。
【0005】
従来技術による養液劣化、根腐れの原因が「酸素不足」であり、酸素不足を解消するために、水耕栽培では強制酸素排出(ポンプ)を使用している点である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、強制酸素排出(ポンプ)を使用せずに養液循環並びに、根及び養液に酸素を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、動力を使用せずにパーライト等の吸湿性が顕著な素材に養液を与えることにより、培地に液浸透を促す。その多孔質性が養液と酸素の供給に優れ、根腐れ・養液劣化防止並びに作物に有効な微生物群の菌の住処になり繁殖し、作物の成長を促す。またパーライト等の粒芯部は空気をもち、表面が多孔質であることから好気性バクテリアが付着、繁殖し易く養液の浄化も出来ることを特徴とする水耕栽培装置を用いる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パーライト等の吸湿性が顕著な素材を使用することにより、その多孔質性が溶液と酸素の供給に優れ、根腐れ・養液劣化防止効果が得られる。
【0009】
また、動力を使用せず水耕栽培ができる。
【0010】
また、養液を吸収したパーライト等の吸湿性が顕著な素材は、保湿性が顕著であることから養液蒸発の抑制効果が得られる。
【0011】
また、パーライト等を使用することにより、作物の育成に有効な微生物群の菌の住処になることにより根に十分に栄養が行き渡り、作物の育成に効果が得られる。
【0012】
また、パーライト等の粒芯部は空気をもち、表面が多孔質であることから好気性バクテリアが付着、繁殖し易く養液の浄化効果が得られる。
【0013】
また、パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材と培地マットの間に、ネット(PP製)を敷くことにより、養液上に浮いたパーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材が、養液の蒸発により自然沈下する際に養液タンクと干渉し、沈下を妨げる現象をネット(PP製)の格子長手方向が突起していることから、点当たりとなり養液タンクとの摺動性を向上させ解決する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による水耕栽培装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明に係る実施の形態について、図面に従い詳述する。
【実施例1】
図1は本発明を用いた水耕栽培装置の説明図である。
【0016】
養液タンク1.に養液2.を適当に注入する。
【0017】
パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3.を養液2.の上に浮かせる。
【0018】
パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3.と培地マット5.の間にネット(PP製)4.を敷く。
【0019】
ネット4.の上に培地マット5.を乗せる。
【0020】
培地マット5.に培地(播種済み)6.を挿入。
【0021】
養液(微生物群)2.がパーライト等の多孔質な素材3.を伝い植物の根まで浸透する。その際、パーライト等の多孔質な素材3.によって酸素循環が通気口6.から働き根と養液に十分な酸素供給を行う。また、パーライト等の多孔質な素材3.と培地マット4.の接点が点当たりとなることから、通気口が多数存在し、根腐れ・養液劣化を防止する。また、パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3.と培地マット5.の間に、ネット(PP製)4.を敷くことにより、養液上に浮いたパーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材3.が、養液の蒸発により自然沈下する際に養液タンク1.と干渉し、沈下を妨げる現象をネット(PP製)4.の格子長手方向8.が突起していることから、(横手方向9.は下になる)養液タンク10.との摺動性を向上させ解決することを特徴とした簡易水耕栽培装置。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本装置は、家庭用又は公共施設での家庭菜園として安心安全な家庭内菜園の活用が出来る。また、大きさを変え定植数を増やし、植物の製造・販売者に提供出来る。
【符号の説明】
【0023】
1, 養液タンク 8, ネット格子長手方向
2, 養液(微生物群含む) 9, ネット横手方向
3, パーライト等の多孔質な素材 10, 養液タンク拡大図
4, ネット(PP)
5, 培地マット
6, 培地
7, 通気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養液(作物に有効な部生物群)が注入されたタンク内にパーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材を敷き、養液上に浮力で浮かせ、その上に培地マットを乗せる。パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材は保水性が優れていることから、養液を吸いこみ上昇させ培地に十分な養液を与えることができることを特徴とした簡易水耕栽培装置。
【請求項2】
パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材を養液と培地の間に使用することにより、自ら持ちうる特性である酸素供給に優れていることと、培地マットとの接点が点当たりとなることから、通気口が多数存在し、根腐れ・養液劣化を防止することを特徴とした簡易水耕栽培装置。
【請求項3】
パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材を使用することにより、粒芯部に空気をもち、表面が多孔質のため作物の育成に有効な微生物群が付着、繁殖し易く、その住処となる。また、粒芯部に好気性バクテリアが付着、繁殖し易く、水の浄化が図れることを特徴とした簡易水耕栽培装置。
【請求項4】
パーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材と培地マットの間に、ネット(PP製)を敷くことにより、養液上に浮いたパーライト等の多孔質で吸水性顕著な素材が、養液の蒸発により自然沈下する際に養液タンクと干渉し、沈下を妨げる現象をネット(PP製)の格子長手方向が突起していることから、点当たりとなり養液タンクとの摺動性を向上させ解決する。

【図1】
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【公開番号】特開2012−223176(P2012−223176A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108777(P2011−108777)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511284948)
【Fターム(参考)】