説明

簡易液体商品充填装置

【課題】 本発明の課題は、経済的で取り扱い易い半自動型簡易液体商品充填装置を提供する事にある。
【解決手段】 本発明の液体商品充填装置は、複数本の注入管を備えた液体商品充填機と、同数本のキャップ打栓ロッドを備えた打栓機と、此れ等を制御する制御スイッチ盤と、並走する二本の不均一なコンベヤより成るボトル搬送装置と、此の搬送装置を挟んで前記打栓機の対向側に敷設されたキャップ受渡し装置並びに其のキャップ供給コンベヤーとより構成され、前記充填機並びに打栓機は、夫々前者が液体商品を同時に注入管と同数のボトルに注入するに反し、後者は此れ等商品充填ボトルを同時に又は個別的に打栓密封して出荷する如く構成し、必要に応じて、注入管と同数の異種液体商品を、同時に注入し且つ同時又は個別的に打栓密封して、半自動的に生産出荷し得る如く構成した事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体商品例えば醤油の如き液体調味料、飲料水、酒、食用油、等の液体商品を、ボトル詰めにする簡易液体商品充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体商品をボトル容器に注入充填し、密封し、ラベルを貼付し、ボトル商品として出荷する全自動型の大規模製造装置又は製造ラインは、多数提案されている。
然しながら、半自動型の小型又は小規模装置又はラインであって、取り扱い易く、初心者でも容易に操作し得ると共に、省スペースで半自動型の経済的なこの種装置或いは製造ラインの提案は比較的少なく、殆どが非能率的な装置又はラインであるのが実情であった。
【0003】
斯くの如き経済的な半自動型充填機は、一般に出荷量が少ないボトル詰め商品用として、或いは小企業の狭小な生産現場用として使用されるものであるから、最低限の人手で操作し得ると同時に、省スペースである事が必須の条件とするものであった。
従って、液体商品用容器を除き、全ての機器及び製造手段は、極力小型で、集約的構造並びに配置である必要があった。
【0004】
そこで本発明者は、この種半自動型の簡易液体商品ボトル充填装置を提供せんとして、先の発明に於いて、先ず第一に液体商品充填用ボトルの供給搬送手段(Aを、(1):一条の空ボトル移送第一ベルトコンベヤー、(2):此れに並走し、複数の往復連動自在且つ開閉自在のボトル把持爪及び一条の滑動面よりなるボトル把持―滑動コンベヤー一、(3):此のコンベヤーに接続する第二ベルトコンベヤー、(4):此のコンベヤーに接続し、最終的に此処より商品として出荷する一台の回転円盤型集荷台とで構成すると共に、此の搬送手段を挟んで一方の側に、液体商品充填機、密封キャップ打栓機、此れ等機器を制御する制御スイッチ盤等の主要機器部分(B)を、略直線状に敷設し、前記打栓機の対向側に、密封キャップ供給手段とラベル貼付装置とを一体化した付属部品供給部(C)を敷設して、装置全体の敷設面積の最小化を図ると共に、前記主要機器部分を着脱自在の構造として、非稼動時には、夫々の分離自在部分を別途に収納保存して、他の作業又は他商品の生産場所を確保し、工場敷地の有効利用をも図らんとした。
【0005】
又一方、液体商品取り扱い上の一問題は、作業中の機器及び商品が、充填機からの液洩れ、液垂れで汚染され、非衛生的となると同時に、商品の劣化に繋がり兼ねないので、先の発明の装置に於いては、此の充填機の商品注入管の先端に、逆止弁、泡取りキャップ、液漏れ受けトレー等を装着して、商品の逆流、液垂れ汚染等を防ぐと共に、液体商品の無駄な流出を防止する如く改善した。
【0006】
更に又、此の発明では、前記一体化されたキャップ供給装置とラベル貼付装置とを、走行する前記ボトル搬送手段(A)を挟んで、前記打栓機に対向する位置に斜め方向から着脱自在に取り付けて、省スペース化を図ると共に、それらの適所に各種センサーを取り付けて、夫々の作業不具合時には、全生産ラインを停止して、余分な損失を極力排除する如く構成すると同時に、、ラベル貼付装置部分も、ラベル貼付が数種のボトルサイズに適応され得る如く形成し、ラベルの糊付け作業は、巧みなラベル送りベルトと合理的な糊付けローラーの作用で、夫々の部分の高効率化を図っている。
【特許文献1】 特開2010−131975
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
斯くの如き簡易液体商品充填装置は、一応所期の目的を達成する事が出来たが、前記液体商品充填機およびそのキャップ打栓機の動作部分即ち液体充填管及びキャップ打栓ロッドは、夫々単独で商品を充填し、キャップ打ちを行なうのみであるから、作業効率は極めて限定されたものであった。
【0008】
更に又、前記した本発明のラベル貼付装置及びキャップ供給手段は、一体的に一台の受け台上に装着されているので、此の部分の機構はやや複雑に成り、取り扱い上、この型の充填装置の省スペース的利益を相当相殺する欠点があった。
本発明は、この様な従来型装置の生産効率を比較的簡単な改良で、略倍増させる事を第一の課題とし、此の改良された同種液体商品充填機を更に改良する事に依って、複数の商品を同時に生産し得るこの種新充填装置を提供する事を他の課題とするものである。
【課題を解決する為の手段】
【0009】
上記課題を解決する為に本発明は、先ず第一に前記液体商品充填装置に同一操作を行ない得る複数の(例えば二本の)注入管を装着し、夫々の注入管より同時に単一種又は複数種の液体商品を、同数の空ボトルに同時に注入し得る様に構成して、一装置で一種以上のボトル詰め液体商品を生産するか、或いは単一液体商品のみを使用して、同時に複数倍の同種商品を生産し得る様に構成した事を第一の特徴とするものである。
【0010】
更にこの種充填装置は、複数本の注入管を一度に使用するので、注入時の液体商品の泡、液垂れ等の発生量は、単一商品、単一ボトルの場合に比べて相当増大するので、夫々の装置に応じた泡取り手段、液垂れ手段を装着じた事を第二の特徴とする。
【0011】
次に第三の特徴として、前記複数本の商品注入管の充填率に対応して、打栓機の打栓ロッドも同数のものとし、状況に応じて、一本打ち、複数本打ちの態様として、前記充填機の効率に順応させた事を第三の特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
上記の如き構成及び作用に依って本発明の液体商品充填装置は、:
(1) 液体商品注入管及びキャップ打栓ロッドが夫々複数且つ同数であるので、其の生産効率は、従来装置に比し相当改善されている。
(2) ラベル貼付装置が分離されているので、省スペース、省力的である。
(3) 同一装置に、単に必要とする数の付加的な液体商品貯槽及び電動ポンプのみを設備するのみで、必要とする複数のボトル詰め異種液体商品を、同時に生産する事が可能である。
(4) 複数本の注入管を使用するので、泡の発生、液垂れ等は相当増加するが、機械部品の僅かな改良のみで、装置の清潔度は、従来品のそれと変らぬ程度に維持される。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0013】
本発明を実施する為の最良の形態は、先ず第一に生産設備の省スペース化の為、液体商品充填用ボトルの搬送装置を、連続した2条の不均一の並走コンベヤー(ベルトコンベヤー並びにボトル把持―滑動コンベヤー)で行うと同時に、商品及び装置の清浄化を図る為に、生産行程中の液体商品の液垂れ防止、泡取り、並びに逆流防止を徹底して、商品並びに装置の完全清浄化を達成し得る如く構成した事を特徴とする。
【0014】
次いでこの装置の主たる最良の実施態様は、液体商品充填装置の注入管と打栓ロッドとを、一基当たり夫々複数本装着して、同一液体ボトル商品と複数の異種液体ボトル商品の生産(此の場合には複数の電動ポンプと其の付属液体商品供給部材が必要)とを同時に生産し得る様に構成した事である。
即ち、此の装置での同一商品生産時には、先ず同一液体商品を、同時に夫々の注入管に注入し、打栓処理時には、キャップ単独打ち或いは複数打ちを行って、生産速度を復数倍向上させた事を特徴とし、他方の異種液体商品同時生産時には、此れ等複数の注入管の夫々に、異種液体商品を同時に注入させ得る如く、一基当り同数の商品供給用電動ポンプ及び其の付属部品を付加的に装着し、前記複数本の注入管に異種液体商品を同時に注入し得る如く改良する事のみで、復数種のボトル詰め液体商品を生産し得る如く構成した事を特徴とするものである。
以下、本発明の好個の実施例を、図面を参照して詳述する。
【実施例1】
【0015】
本発明の基本的簡易液体商品充填装置(1)は、図1及び特に図5に示す如く、主として並走する不均一な二本のボトル搬送用コンベヤー(A)と、其の一方の側に略直列に並設された液体商品タンク(T),液体商品充填機(2)、キャップ密封用打栓機(3)、及び此れ等機器を制御する制御スイッチ盤(4)より成る充填装置主部(B)と,他方の側の前記打栓機(3)に対向する位置に敷設されたボトルキャップ把持ー受渡手段(23)、及びキャップ搬送用コンベヤー(5)より成る付属部分(C)と、より構成されている。
【0016】
この様な構成に於いて、前記搬送用コンベヤー(A)は、[特許文献1]の構造とほぼ同じに構成されており、特に図5に示す様に、空ボトル(10)を搬送する一条の第一ベルトコンベヤー(6)と、此れに並走し、前記充填機(2)及びキャップ打栓機(3)と一体的に敷設され、往復移動並びに開閉自在で連動する複数のボトル把持爪(12a),(12b)・・(以下、連動ボトル把持爪と呼称する)に依り、前記第一ベルトコンベヤーからの空ボトルを把持移送するボトル把持ー滑動コンベヤー(7)(以下、ボトル把持コンベヤーと呼称する)と、此れと接続して打栓密封された商品ボトル(25)を、円形集荷台(9)に移送する第二ベルトコンベヤー(8)とより構成されている。
【0017】
この様な構成の搬送用コンベヤー(A)に於いて、先ず第一コンベヤー(6)からの空ボトル(10)は、此のコンベヤーの終端に於いて、押し棒(11)に依り(W)方向に押し出され(図5参照)、並設されたボトル把持コンベヤー(7)上に受け取られ、此のコンベヤー上で、爪を開いて待ち受ける、前記ボトル把持爪(12a)に押し込まれて把持され、次工程の液体商品充填位置に向かい、矢印(t)方向に移送され、所定時間後、後続する一本の空ボトル(10)が、上記先行するボトルを運んで引き返してきた把持爪(12a)で同様に掴れ、先行する把持爪(12b)に掴まれた先行する空ボトル共々、液体商品充填機の二本の注入管(13)(13)直下に移送され、後述する様に、夫々同時に液体商品を注入される。
【0018】
斯くの如くして、液体商品を充填されたボトル(10)(10)は、同様な方法に依り、繰り返し往復移動する前記ボトル把持爪(12a)(12b)・・に依って、ボトル把持コンベヤー(7)上を順次移動し、キャップ密封打栓機(3)の二本の打栓ロッド(22)(22)下に(10‘)(10’)で示す如く移送され、此のコンベヤーの反対側に設けられた受け台(3)上のキャップ挟持受け渡爪(23)(以下キャップ挟持爪と呼称する)に依り、後述する如く、キャップコンベヤー(5)からの密封キャップ(24)を打栓されて、ボトル詰め商品(25)として第二ベルトコンベヤー(8)に押し出され、円形集荷台(9)を経て出荷される。
【0019】
又、この様な液体商品搬送コンベヤー(A)の一側に設けられた液体商品充填機(2)は、次工程のキャップ打栓機(3)(以下打栓機と呼称する)及び其れ等の制御盤(4)と共に、符号(B)で示す如く、略直列状に配置され、夫々に沿う適当な位置に設けられたコンプレッサー(C)、電動ポンプ(M)等に依って作動され、適当な位置に設けられた液体商品タンク(T)から、液体商品を順次搬送コンベヤー上の空ボトル(10)に注入充填する様に構成されている。
【0020】
斯くの如き構成より成る本発明の液体商品充填装置(1)は、先ず電動ポンプ(M)に依り、前記タンク(T)に準備された液体商品例えば醤油を、夫々一本のホース(16)、(17)と一個の分枝管(18)とを介して、ニ本のホース(19)(19)に分流させ、夫々二本の充填機注入管(13)(13)に導入し、前記搬送コンベヤー(A)で送られて来た二本のボトルを同時に注入充填し、次の打栓処理工程で、同様に二本の打栓ロッド(22)(22)に依り、二本の液体商品ボトルを密封打栓して、最終的に二本の液体商品ボトルとして出荷する如く構成し、従来の単独充填、単独打栓製造方式に比して生産効率を著しく向上させた事主たる特徴とするものである。
【0021】
此の場合の本装置の泡取りカップ(14)(14)の作用効果は、略従来の装置即ち特開2010−137815の技術と同様であるが、二本の注入管を使用する点でやや構造的にも作用的にも異なるので、以下にこの点に就いて詳述する。
即ち、図2に示す如く、前記分枝管(18)で分流された液体商品は、矢印(f)の如く夫々の注入管(13)(13)の上方から、其の下部に設けられた泡取りカップ(14)(14)にまで流入するが、此の部分は逆止弁(30)(30)で閉鎖されていて、其の弁棒を作動しない限り流出しないように構成されている。
【0022】
此の様な状態の注入管(13)(13)の直下には、既に連動する前記往復移動自在のボトル把持爪(12b)(12c)にまで、運ばれて来た二本の空ボトル(10)(10)が、注入管台座に同様に設けられている出し入れ自在の固定爪(15)(15)に依って固定されて待機しているので、自動制御による加圧手段(図示せず)に依って、注入管(13)(13)は、矢印(P)方向に加圧されて下降し、其の泡取りカップ(14)(14)の先端を、夫々上記二個の液体商品注入待機空ボトル(10)(10)の注入口に同時に挿入する。
【0023】
斯くの如く挿入された泡取りカップ(14)(14)は、図2の右側ボトル(10)に示す如く、其の挿入口内側の底部がボトル口上端で受け止められるので、これ以上は下降することが出来ず、更なる加圧に依って、連結する注入管(13)内部の弁棒(29)を下降させて、其の先端の逆止弁(30)を開き、矢印(f)方向に液体商品(L)を噴出して、ボトル内を充満させる。
【0024】
此の注入時に発生する商品の泡及び余分な余剰液体商品(w)は、泡取りカップ挿入口内側に設けられたパッキング(v)に依って流出を防止され、矢印(f‘)方向に逆流し、前記注入管(13)と泡取りカップ調整管(28)間の空隙を通って泡排出口(20)へと取り出され、液垂れトレー(21)からの液体商品と共に、充填機台下の廃液タンク(27)等に取り出されて回収される。
【0025】
一方、前記充填機(2)で液体商品を注入された二個のボトル(10)(10)は、先ず矢印(t)方向からボトル把持爪(12d)(12e)に挟まれたまま一個ずつ搬送されて、打栓ロッド(22)(22)直下に固定爪(15)(15)で固定され、次工程のキャップ受渡動作に応ずべく待機する。
【0026】
斯くの如くして打栓状況が整うと、図4に示す如く、前記打栓機の対向位置に、ボトル把持コンベヤー(7)を挟んで設けられた受け台上を、摺動自在に行き来する一個のキャップ受渡爪(23)は、適当な位置に設けられたコンベヤー(5)からボトルキャップ(24)を一個ずつ受け取って、先ず最初に、受け台上を矢印(m)方向即ちボトル流れと逆方向に摺動して、後続する右側の第2ボトル(10‘)に相対する位置で停止し、其の進行方向軸線に対して矢印(r)の如く90度回転し、把持するボトルキャップ(24)を、前記第2ボトルの口部に受渡し、応対する第一打栓ロッド(右側ロッド)(22)で、(p’)方向に打ち込んで密封する。
【0027】
此の第2ボトルの打栓が終わると、キャップ受け渡爪(23)は直ちに、90度振り戻されて、爪先を先頭に前記軸線上を矢印(m’)方向(ボトル進行方向)に向かい、キャップ受渡位置即ち第1ボトル打栓相対位置まで引き戻され、キャップコンベヤー(5)からの新たなキャップ(24)を受け取って、前記打栓行動と同様に、其の爪先を90度回転させて、第ニ打栓ロッド(左側のロッド)(22)で打栓密封を実施する。
【0028】
斯くて、第1ボトルの打栓操作が終わると同時に、後続する二個の液体商品を注入されたボトルが、前期把持爪で搬送されて来るので、其の前に、この打栓処理されたニ個の液体商品ボトルは、把持爪(12‘)(12’)の掴みを解かれて前記コンベヤーの滑動面上に下ろされ、後続する二個のボトルが同様に把持爪(12d)(12e)に掴まれて運ばれてくると、其の先頭の爪(12e)の外側で第二ベルトコンベヤー(8)上に押し出され、此れを介して円形集荷台(9)上に液体商品ボトル(25)(25)として集められる。
【0029】
図5には、本発明装置の一実施態様を説明する為に、特にボトル把持コンベヤー(7)が、等間隔の5個の爪(12a)(12b)(12c)(12d)(12e)を備えて相互に往復連動すると共に、液体商品充填機(2)が、二本の注入管を備えて液体商品を同時に注入し、然もキャップ打栓機(3)が、二本の打栓ロッドを備えて一本打ちを行う此の種充填装置の製造行程を平面略図として示している。
然しながら、本図に於いては、夫々の爪間の間隔が不揃いに図示されているが、その理由は、図面の複雑化を避ける為のものであり、特に図1に於いては、液体商品二本ボトル同時注入及び一本ボトル打栓打ち型の実施態様を示すものでやや複雑であるから、本文での説明は、主として図5の態様についての説明であることを特に理解すべきである。
【0030】
この様な図5の製造行程に於いて、先ず液体商品例えば醤油(L)は、材料タンク(T)に仕込まれ、電動ポンプ(M)の始動に依って、パイプ(16)(17)、分枝管(18)、パイプ(19)(19)を経て前記充填機(2)の二本の注入管(13)(13)から、二本の空ボトル(10)(10)に同時に液体商品(L)を充填する如く構成されている。
【0031】
一方、此の液体商品充填用空ボトル(10)(10)は、上記した様に、第一ベルトコンベヤー(6)を通って(t)方向に供給され、此のコンベヤーの終端に於いて、押し棒(11)で(W)方向にボトル把持コンベヤー(7)の滑動面へと押し出され、5個の連動するボトル把持爪(12a)に受け取られて把持固定される。
【0032】
斯くの如く把持されたボトル(10)は、第一ベルトコンベヤー(6)上の後続する空ボトルが押し出される前に、次の行程の液体商品充填機直下の第二把持爪(12b)の位置へ、矢印(t)に沿って移動され、此の位置で、図2に示す(12F)(12F’)’方向に、180度把持爪を開いて運んで来たボトルを滑動面上に置き、爪を開いたままで後方の取り付け台座に向かい後退し、前記ボトルの後側を通って、連動する他の4個の爪と共に、夫々の前位置(把持爪(12a)であれば、第一ベルトコンベヤー押し出し部分相当位置)に後戻りして、後続のボトルが到来するに備えて、そのままの姿勢(爪を開いたままの姿勢)で待機する。
【0033】
此の時、ボトル把持爪(12c)の位置に移動していたボトル把持爪(12b)も又、元位置まで爪を開いたまま戻り、爪(12a)が運んで来て置いたままの滑面上の第一空ボトルを掴み、爪(12c)の位置即ち第二注入管の直下まで運び込むと同時に、爪(12a)も叉、後続して第一ベルトコンベヤー(6)上から滑動面上に押し出されていた第二空ボトルを挟んで、爪(12b)の元位置、即ち第一注入管の直下まで運び込む。
【0034】
斯くて、二本の把持爪(12a)(12b)で注入管(13)(13)下に同時に運び込まれた第一、第二空ボトルは、前記後方受け台に出し入れ自在に装着されている、ボトル固定爪(15)(15)で、夫々の首部を強固に挟まれて前記滑動面上に固定され、注入管(13)(13)から同時に液体商品を注入される。
【0035】
この様にして液体商品を注入された二本のボトルは、次行程の打栓密封処理工程に移動せられるが、この際の此れ等ボトルは、前記第一ベルトコンベヤー(6)からの空ボトルが、一個ずつボトル把持コンベヤーの滑面上に押し出される毎に、前期把持爪(12a)(12b)(12c)と連動する打栓機用のボトル把持爪(12d)(12e)に依って、一個ずつ打栓ロッド(22)(22)直下に運ばれて固定され、前記した如く、キャップ密封爪の協同作業に依り打栓密封され、集荷台(9)を経て出荷される。
【実施例2】
【0036】
図6には、二種の液体商品を夫々同時に夫々一本の空ボトルに充填密封する本発明装置の他の実施態様の操作フローシートが示されている。
此の装置に於いては、二種の液体商品(a)(b)例えば醤油とキムチ液とを、夫々のタンク(Ta)(Tb’)に仕込み、二台の電動ポンプ(M)(M’)で直接前記充填機の二本の注入管(13)(13)に導入し、夫々別個の空ボトルに実施例1の方式に従って注入、充填し、同様な構造の打栓機で、一本打ち又は二本打ち方式で打栓密封して、二種のボトル詰め液体商品を生産し得る様に構成されている。
【0037】
従って、三種のボトル詰め液体商品も、同数の材料タンク、電動ポンプ、注入管および打栓ロッドを準備すれば、上記実施態様と同様に三種の商品を些少の設備費の増加のみで生産し得るので、極めて合理的な実益を付帯した装置と見做すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の簡易液体商品充填装置の一実施態様の正面図である。
【図2】本発明の二本の注入管の二本の空ボトルへの液体商品注入状態を示す一部切断正面部分図である。
【図3】本発明装置の打栓機の打栓作用を示す正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明装置の他の実施態様の同種液体商品二本ボトル詰め全生産行程の作用説明平面図である。
【図6】異種液体商品二本ボトル詰めの図5と同様な平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・本発明の簡易液体商品充填装置
2・・・・・液体商品充填機
3・・・・・キャップ打栓機
4・・・・・制御スイッチ盤
5・・・・・キャップコンベヤー
6・・・・・第一ベルトコンベヤー
7・・・・・ボトル把持コンベヤー
8・・・・・第二ベルトコンベヤー
9・・・・・円形集荷台
10・・・・空ボトル
11・・・・押し棒
12a・・・ボトル把持爪
13・・・・注入管
14・・・・泡取りキャップ
15・・・・ボトル固定爪
16・・・・ホース
21・・・・液垂れトレー
22・・・・打栓ロッド
23・・・・キャップ挟持爪
24・・・・キャップ
28・・・・調整管
29・・・・弁棒
30・・・・逆止弁
A・・・・・ボトル搬送用コンベヤー
B・・・・・充填装置主部
C・・・・・コンプレッサー
M・・・・・電動ポンプ
T・・・・・液体商品タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体商品充填用ボトルを搬送する不均一で断続的に並走する二条のコンベヤーと、此のコンベヤーの一方の終端に接続して出荷商品ボトルを集荷する一台の円形集荷台とより構成されたボトル搬送部を備えると共に、此の搬送部の一側に沿って直列に、夫々一基の液体商品充填機とキャップ打栓機とを備え、其の他方の側の後者に対向する位置に、反復往復自在の一基のキャップ受渡し爪手段を備え、更に此の手段の先端に、適当なキャップコンベヤを接続した構造より成り、前記液体商品充填機及びキャップ打栓機は、夫々一作業工程中に、複数のボトルに同種又は異種液体商品を同時に充填し、複数個のキャップを個別的に又は同時に打栓密封し得る如く構成した事を特徴とする簡易液体商品充填装置。
【請求項2】
前記液体商品充填機及びキャップ打栓機は、夫々一作業工程中に充填され、打栓されるボトル数と同数の液体商品注入管、打栓ロッド、を具備している事を特徴とする請求項1記載の充填装置。
【請求項3】
前記液体商品充填機及びキャップ打栓機は、一作業工程中に、前者は単一液体商品若しくは復数種の液体商品を同時に同数のボトルに充填し。後者は復数の密封キャップを同時に又は個別的に同数のボトルに打栓する事を特徴とする請求項1又は2何れかに記載の充填装置。
【請求項4】
前記液体商品充填機の夫々の注入管が、液体商品逆止弁及び泡取りキャップを備えると共に、液垂れトレーを共有して、此れ等からの排液を、夫々別個に回収する如く構成した事を特徴とする前記請求項何れか一項に記載の充填装置。
【請求項5】
前記不均一で断続的に並走する二条のコンベヤーが、一本の第一ベルトコンベヤー、此れと並走し往復移動自在且つボトル把持自在の復数の連動ボトル把持爪及びボトル受け滑動面を備えたボトル把持コンベヤー、此れに直結する第二ベルトコンベヤー及び円形集荷台の組合体より成る事を特徴とする前記各項何れか一項に記載の充填装置。
【請求項6】
上記充填装置は、其の注入管に相当する数の電動ポンプ及びそれに付属する液体商品移送管を備えている事を特徴とする前記請求項何れかに記載の充填装置。。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−121627(P2012−121627A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293864(P2010−293864)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(502128257)
【Fターム(参考)】