説明

米保存容器

【課題】 少量の米を冷蔵庫で保存するのに適当であり、米残量を視覚的に把握しやすく、その上、計量機能が付いた米保存容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 容器本体(1)と、容器本体(1)の上側の口部に着脱可能な蓋(2)とから構成され、容器本体(1)を縦長の有底角筒状であって且つ6合〜12合の米が収容可能な大きさに形成し、米残量を視覚的に把握する透明部(5)を容器本体(1)の全体に、又は容器本体(1)の全周のうち一部の高さ方向に沿って設け、蓋(2)を1合、2合又は3合升の大きさにしてあることを特徴とする米保存容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は数kg以下の米を保存するのに好適な米保存容器に関する。
【背景技術】
【0002】
米は大概、袋に詰められて販売されている。販売重量は10kgのものが多いが、近年では、5kgや、数kgのものもある。
【0003】
米は保存期間が長くなると、美味しくなくなる。従って、美味しい米を食べたい消費者は、自身の消費ペースを考慮して、短期間に食べきれる量の米を購入する。さらに、近年、核家族化が進むにつれて、一回に炊く米の量も減ってきている。このような事情を考慮して、数kgで袋詰めされた米の販売が行われている。
【0004】
上述したような少量の米を購入したとしても購入後、短期間とはいえ保存することに変わりはない。そして、米は高温で保存するよりも、低温で保存する方が品質の劣化を遅らせることができる。従って、冷蔵庫で保存することが望ましいが、それに適した米保存容器は現在販売されていない。また、仮に米をビニール等の袋に詰めたまま保存した場合は、使用に伴って米が減ることは袋の大きさの変化から分かるが、あと何合残っているかといった、だいたいの残量を視覚的に把握し難い。
【0005】
さらに、米を炊く単位は、1合、2合等、合を用いるので、計量機能を米保存容器に付けてあれば、保存した米を次回以降炊く際に都合が良い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、少量の米を冷蔵庫で保存するのに適当であり、米残量を視覚的に把握しやすく、その上、計量機能が付いた米保存容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の米保存容器は、容器本体と、容器本体の上側に着脱可能な蓋とから構成され、容器本体を縦長の有底角筒状であって且つ6合〜12合の米が収容可能な大きさに形成し、米残量を視覚的に把握する透明部を容器本体の全体に、又は容器本体の全周のうち一部の高さ方向に沿って設け、蓋を1合、2合又は3合升の大きさにしてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
米保存容器は容器本体を6合〜12合の米が入る大きさに形成してあるので、市販の家庭用冷蔵庫に入れて米を保存するのに好適で、長期間に亘って品質の良い状態を保持できる。また、容器本体が縦長の角筒状であると共に、容器本体の全体に、又は容器本体の全周のうち一部の高さ方向に沿って透明部を設けてあるので、容器本体全体の米収容量を把握しておけば、透明部から見える米の高さによって、米残量を視覚的に把握しやすい。さらに、蓋を1合、2合又は3合升としてあるので、容器本体に残った米を、蓋の大きさに合った分だけ炊くのに都合がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
米保存容器は図1、2に示すように二重構造の容器本体1に蓋2を着脱可能に被せたものである。
【0010】
容器本体1は有底角筒状であって、その上端部を、蓋2を被せる口部3としてある。口部3はそれより下側の胴部4よりも小径に形成してあり、蓋2を被せた際に蓋2と胴部4の面が一致する形態となる。また、胴部4の一部には縦方向(高さ方向)に沿って、米残量を視覚的に把握する透明部5を設けてある。
【0011】
さらに言えば、容器本体1は、例えば、縦長の有底角筒状の内容器本体6と、内容器本体6よりも一回り小さくて高い外容器本体7とからなる。内容器本体6と外容器本体7はいずれも厚紙を折り曲げてその一部を糊付けして有底角筒状とし、周囲四面のうちすくなくとも一面の同一箇所を高さ方向に沿って切除して、縦長のスリット8,9を内外容器本体6,7の全高の大半に形成する。そして、各スリット8,9の内側から透明な樹脂フィルム10,11を貼って、スリット8,9を塞ぐ。なお、内容器本体6のスリット8は、外容器本体7のスリット9と同じか、少し大きく形成して、外容器本体7のスリット9越しに内容器本体6のスリット8の形状を見えにくくして、体裁を良くしてある。そして、外容器本体7の中に内容器本体6を底まで差し込んで重ね合わせた状態で糊付けし、内容器本体6の上部を外容器本体7よりも上側に突出させ、その突出した分を口部3とする。なお、蓋2も同様に厚紙を折り曲げてその一部を糊付けして四角い1合升に製作する。
【0012】
容器本体1は6合の米が丁度入る大きさ、より具体的な一例を挙げれば、外容器本体7を縦:70mm×横:70mm×高さ:200mmの大きさに形成する。また、内容器本体6の縦横を外容器本体7の肉厚分(厚み分)だけ小さくすると共に、高さを245mmにする。一方、蓋2は1合の米が丁度入る大きさ、縦:70mm×横:70mm×高さ:45mm+容器本体1の肉厚分とする。このような大きさであれば、1リットル、或いは1.5リットルの飲料が入ったペットボトルなどの飲料容器と同程度であるので、市販の家庭用冷蔵庫の飲料用容器の専用収納部に収容できる。
【0013】
図3は米保存容器の別例を示し、容器本体1及び蓋2を透明な樹脂成型品とし、全体を透明部5としたものである。そして、容器本体1の口部3と蓋2をスナップ式に止めるために、凹溝12と凸部13の一方を口部3の外周面に沿って環状に形成し、凹溝12と凸部13の他方を蓋2の内周面に沿って形成してある。凹溝12と凸部13を樹脂の弾力性を利用して嵌め込んで、蓋2を容器本体1に一体化する。
【0014】
図4も米保存容器の別例を示すもので、容器本体1を12合の米が丁度入る大きさに(縦:70mm×横:70mm×高さ:245mm)形成し、蓋2を3合升の大きさ(縦:70mm×横:210mm×高さ:45mm+容器本体の肉厚分)に形成したことを特徴とする。なお、この場合、蓋2の内周面には全高の1/3及び2/3の箇所に1合、2合の目盛りを付けておくことが望ましい。
【0015】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、容器本体1も7,8,9,10,11合の米が丁度入る大きさに形成しても良い。また、容器本体1や蓋2の表面に各種文字や記号等を付すことも自由である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の米保存容器の一例を示す分解斜視図である。
【図2】容器本体を外容器本体と内容器本体に分けた斜視図である。
【図3】米保存容器の別例を示す分解斜視図である。
【図4】米保存容器の別例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 容器本体
2 蓋
3 口部
4 胴部
5 透明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体(1)と、容器本体(1)の上側の口部(3)に着脱可能な蓋(2)とから構成され、容器本体(1)を縦長の有底角筒状であって且つ6合〜12合の米が収容可能な大きさに形成し、米残量を視覚的に把握する透明部(5)を容器本体(1)の全体に、又は容器本体(1)の全周のうち一部の高さ方向に沿って設け、蓋(2)を1合、2合又は3合升の大きさにしてあることを特徴とする米保存容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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