説明

粉体の圧縮成形装置およびその衝撃力遮断機構

【課題】磁歪アクチュエータで発生する衝撃力による機械部分の損傷を防止する。
【解決手段】 上板81、下板82の2枚の金属板の間に弾性材83を挟んだ3層構造で、かつ上板81、下板82の弾性材83との接触面を鋸状に連続する複数の傾斜面で構成した衝撃力吸収部材8を、磁歪アクチュエータとこれを取り付けるラムとの中間に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス、金属等の造粒粉を縦型のプレス機によって圧縮成形する粉体の圧縮成形装置、およびその圧縮成形装置で生じる衝撃力を遮断もしくは低減する機構にに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックス、金属等の微粉体にワックス等のバインダを混合して作製した造粒粉をプレス機の金型内に充填し、圧縮成形することが行われている。圧縮成形された粉体は、通常、焼成炉において焼成処理して機械加工用の超硬チップや精密機械部品等とされる。
【0003】
通常のプレス機のようにクランク機構や油圧機構によって上パンチや下パンチをゆっくり昇降させる方法では、粉体間の滑りが悪いため粉体を高密度に成形することが困難であり、また成形品内部の密度分布が不均一で好ましくない。
【0004】
特許文献1には、上ラムあるいは上下ラムに積層形圧電素子を介してパンチを取り付け、金型内に充填された粉体に間欠的な衝撃力を加えることによって所定の形状に成形加工することが記載されている。この文献記載の方法によれば、衝撃力によって粉体間に滑りが発生し、上記の問題点が解消することが期待される。
【0005】
図7はこの特許文献1に記載されている衝撃式粉体圧縮成形プレス機の一例で、符号1は直方体状のフレーム、符号11はその高さ方向中間に設けられた中間フレーム、符号2は上ラム、符号21は上ラム2を昇降させるボールねじによる駆動機構、符号23は衝撃力発生手段である積層形圧電素子、符号3はこの積層形圧電素子23を介して上ラム2に取り付けられた上パンチ、符号4は中間フレーム11に固定されたダイ、符号5は下パンチ6を取り付けた下ラムで、上ラム2と同様に積層形圧電素子53を介してボールねじによる駆動機構51により昇降する。
【0006】
この粉体成形プレス機では、上パンチ3および下パンチ6とダイ4とで形成される空間内に粉体を充填し、下パンチ6を上昇させるか、あるいは上パンチ3を降下させることにより粉体を圧縮して成形する。
【0007】
圧電素子としては、例えばピエゾ抵抗効果を利用したPZT(Piezo-electric Transducer)が知られている。この素子は所定の駆動電圧を印加すると高速で変形するセラミックスである。
【0008】
上記の粉体圧縮成形プレス機では、特許文献1の段落[0030]にも記載があるように、圧電素子の変形量が数μm〜数十μmと小さいために、複数枚を積層する必要があるばかりでなく、スプリングバック量(圧縮時の長さ−圧縮後の長さ)が変位量よりも小さい粉体を対象にしないと効果がないという問題点がある。
【0009】
このため、前記のPZTに代えて、磁歪アクチュエータを用いることが考えられる。市販の磁歪アクチュエータは1本の長さが約50mmの棒状で、周囲に配置されたコイルをパルス電圧により瞬間的に励磁すると、瞬時に200μmの変形を生じる。したがって例えばこれを2本直列に使用すれば、変形ストロークは400μmとなり、有効に作用したときの衝撃力は98MPa(1ton/cm)以上となる。
【0010】
衝撃力は、棒状のアクチュエータの両端に同じだけ発生する。パンチ側の衝撃力は圧縮成形に対して有効であるが、ラム側の衝撃力は圧縮成形には何ら寄与せず、釣り合うだけの反力が得られるまで駆動機構等の機械部分に伝達されてしまい、その機械部分などの損傷をもたらす原因となる。
【0011】
したがって、例えばアクチュエータを取り付ける台座の部分に、何らかの緩衝機能を有する部材を挿入し、衝撃力を遮断もしくは吸収することが望ましい。特許文献2には、住宅等の二重床構造における防音性能を目的とした緩衝機能を有する台座が記載されている。これは二重床の支持脚とスラブとの間に挿入されるものである。軟質、硬質の2層のエラストマーで構成される簡単な構造で、床構造のように常時荷重の作用する部分の防音目的に対して好適であると思われる。
【0012】
また、特許文献3には、弾性ゴム材を2層に成形し、これを台座に嵌め込んで構成する衝撃吸収用具が記載されている。これは住宅内の扉やトイレの便座の蓋等の開閉時に生じる音や衝撃を緩和することを目的とするものである。
【0013】
これら特許文献2または特許文献3に記載の衝撃吸収用具は、衝撃の吸収そのものには有効であるが、たわみが大きいため、衝撃力の大半が粉体の圧縮成形に寄与せずに衝撃吸収用具側で消費されてしまい、本発明が対象とする粉体の圧縮成形プレス機においては採用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−174596号公報
【特許文献2】特開平9−195484号公報
【特許文献3】特開2001−343039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らの実験によれば、微細な粉体を均一に圧縮成形するには、第1段階として下パンチ6を上昇させるか、あるいは上パンチ3を降下させることにより所定圧力までの圧縮を行い、しかる後に衝撃力発生手段によりさらなる圧縮を加えるのがよい。そして必要に応じて所定圧力までの圧縮とさらなる圧縮とを繰り返し行うことが有効である。
【0016】
また、本発明者らの実験によれば、衝撃力発生手段によるさらなる圧縮のストロークは、加工素材である粉体の平均粒径の2倍以上が必要である。セラミックス等の粉体の平均粒径は50μm程度であるから、ストロークとしては少なくとも100μmが必要ということになる。ストロークがこれ以下であると、通常の静的な圧縮とほとんど変わらず、衝撃力による効果がない。一方、ストロークは大きいほど好ましい。
【0017】
このように大きいストロークを実現するため、磁歪アクチュエータを多数直列に使用すると、発生する衝撃力も増大する。
【0018】
本発明は、圧縮成形に寄与する衝撃力や反力を保持したまま、圧縮成形に寄与しない衝撃力による装置の損傷を軽減するようにした粉体の圧縮成形装置およびそのための衝撃力遮断機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1に記載の本発明は、ダイの上下に配置された上パンチと下パンチと、これら上パンチと下パンチとダイとで形成される空間内に粉体を充填し、下パンチを上昇させ、あるいは上パンチを下降させて粉体を圧縮して成形する粉体の圧縮成形装置において、上パンチとその上パンチを取り付けてある上ラムとの間と前記下パンチとその下パンチを取り付けてある下ラムとの間との少なくともいずれか一方に設けられた衝撃力発生手段と、該衝撃力発生手段と該衝撃力発生手段を備えた前記上ラムあるいは下ラムとの間に設けられて、前記衝撃力発生手段による衝撃力の上ラムあるいは下ラムへの伝播を遮断もしくは減じる衝撃力遮断機構とを備えていることを特徴とする装置である。
【0020】
請求項2に記載の本発明は、請求項1の発明において、前記衝撃力遮断機構は、前記衝撃力発生手段に連結された金属板とその金属板に対向する他の金属板との間に弾性材を挟んだ多層構造を備え、かつ前記各金属板の互いに対向しかつ前記弾性材を挟み付けている面が、前記衝撃力発生手段で発生した衝撃力の作用方向に対して斜めに傾斜した面に形成されていることを特徴とする粉体の圧縮成形装置である。
【0021】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2の発明において、前記衝撃力発生手段と前記上パンチあるいは下パンチとの間に、前記衝撃力発生手段による衝撃力を伝達する直円筒状、あるいはテーパ円筒状の衝撃力伝達部材が設けられていることを特徴とする粉体の圧縮成形装置である。
【0022】
請求項4に記載の本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の圧縮成形装置を構成している前記衝撃力発生手段に連結される質量体と、その質量体に前記衝撃力の作用方向で対向する固定板と、これら質量体と固定板との間に挟み付けられた弾性材とを備え、前記質量体と固定板との互いに対向する面が、前記衝撃力発生手段で発生した衝撃力の作用方向に対して斜めに傾斜した面に形成され、これらの傾斜した面の間に前記弾性材が配置されていることを特徴とする粉体の圧縮成形装置の衝撃力遮断機構である。
【0023】
そして、請求項5に記載の本発明は、請求項4の発明において、前記質量体と前記固定板とによって前記弾性材を予め挟み付ける予荷重を調整するプレロード調整手段が設けられていることを特徴とする衝撃力遮断機構である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上パンチとその上パンチを取り付けてある上ラムとの間、あるいは前記下パンチとその下パンチを取り付けてある下ラムとの間に設けた衝撃力発生手段と、この衝撃力発生手段を設けた上ラムあるいは下ラムとの間に衝撃力遮断機構を挿入することにより、衝撃力発生手段に連結されている金属板もしくは質量体が衝撃力に対する反力を慣性質量として発生し、またその金属板もしくは質量体と他の金属板もしくは固定板とが直接接触せずに両者の間に介在された弾性材が緩衝作用を生じ、粉体の圧縮成形に関する衝撃力を弱めることなく、駆動機構側への衝撃力のみを吸収してボールねじ等への損傷を軽減し、メンテナンス性が向上するという、すぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用した衝撃式粉体圧縮成形プレス機を示す正面図である。
【図2】図1における金型まわりを拡大し、一部断面で示す部分正面図である。
【図3】図1における磁歪アクチュエータまわりを拡大し、一部断面で示す部分正面図である。
【図4】本発明を適用した衝撃力遮断機構を示す正面図である。
【図5】その衝撃力遮断機構を分解して示す斜視図である。
【図6】その衝撃力遮断機構の挙動を説明する説明図である。
【図7】従来の技術における衝撃式粉体圧縮成形プレス機を一部断面で示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。図1は本発明に係るプレス機の一実施例を示す正面図であるが、プレス機全体は先に図7に示した従来の技術における衝撃式粉体圧縮成形プレス機とほとんど同じ構成であるから、同一の構造の部分については図1に図7と同一符号を付してその説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0027】
図1において符号7は磁歪アクチュエータを内蔵する衝撃力発生手段で、この実施例では下側のみ、すなわち下パンチ6の下端部に配置されている。符号8はこの衝撃力発生手段7の下端部と下ラム5との間に挿入された衝撃力遮断機構である。なお、衝撃力発生手段7は上パンチ3の上端部と上ラム2との間に配置してもよいし、あるいは上下パンチ3,6の双方に配置してもよい。
【0028】
図2は上パンチ3、ダイ4、下パンチ6の三者で構成される金型まわりを一部断面で示す部分正面図である。下パンチ6が上昇してダイ4の底部を構成し、この内部に粉体が充填され、上パンチ3が下降して圧縮成形が行われるが、所定圧力までの圧縮の後、下パンチ6の下部にある衝撃力発生手段7が作動して衝撃力により下パンチ6が瞬時に上昇して粉体にさらなる圧縮を加えるのである。なお、圧縮成形後は下パンチ6および上パンチ3が共に上昇して下パンチ6がダイ4よりも高くなった状態で、成形後の半製品が取り出される。
【0029】
図3は衝撃力発生手段7およびその周囲を一部断面で示す部分正面図である。衝撃力発生手段7は、衝撃力遮断機構8を介して下ラム5上に載置されており、下ラム5はボールねじによる駆動機構51により昇降する。駆動機構はナットを下ラム5に固定して内部のボールねじを回転させるもの、ボールねじを固定してナットを回転させるもののいずれでもよいが、プレス加工における反力はボールを介して伝達されるため、衝撃力を受けるとボールと点で接触している溝部分に応力が集中し、座屈による圧痕等が発生して寿命を短くしてしまう。追って詳しく説明する衝撃力遮断機構8はこの衝撃力がラム5に伝播することを遮断し、あるいは低減するためのものである。
【0030】
衝撃力発生手段7は、円筒形のケーシング71の内面に励磁用のコイル72を配置し、さらにその内側に棒状の磁歪アクチュエータ75を収納し、その頂部に円板73を置き、皿ばね74を介してケーシング71の上底から下方向へ付勢して磁歪アクチュエータ75に密着させた状態で上方の衝撃力伝達部材9に接続している。皿ばね74のばね力は、磁歪アクチュエータによる衝撃力にほぼ匹敵するように、例えば1トン程度とする。
【0031】
衝撃力伝達部材9は、衝撃力発生手段7で発生した衝撃力を下パンチ6に伝達する直円筒状、あるいはテーパ円筒状の部材で、その長さは衝撃力発生手段7と下パンチ6との距離に応じて決定される。衝撃力伝達部材9の衝撃力発生手段7側端部は衝撃力発生手段7の端部に合わせ、下パンチ6側はパンチホルダの寸法に合わせ、これらをなだらかなテーパで結んだ形状とする。成形する粉体の半製品には、中心に孔を設けるものが多い。この場合、下パンチ6の中心部分に下パンチ6とは別に昇降可能な細い孔抜きのためのピン(コアピン61という)を設けるが、このコアピン61を昇降させるためのアームを挿入するため、円筒部分の側面に縦方向の長孔91が設けられる。
【0032】
図4は衝撃力遮断機構8を示す正面図、図5は同じく衝撃力遮断機構8を分解して示す斜視図である。符号81は下面に鋸状に連続する複数の傾斜面(衝撃力の作用方向に対して傾斜した傾斜面)を有する金属板である上板、符号82は上面に鋸状に連続する複数の傾斜面を有する金属板である下板、符号83は上板81と下板82とに挟まれた状態で前記傾斜面部分に挿入される弾性材、符号84は上板81と下板82とを締め付ける締め付けねじである。
【0033】
図4のように組み立てたあと、締め付けねじ84によって締め付けることにより弾性材83に予荷重をかけ、衝撃力吸収性を調整することができる。したがって締め付けねじ84を含むこのような構成が本発明におけるプレロード調整手段に相当している。
【0034】
寸法例を挙げると、図4における金属板81,82の左右方向の幅は244mm、高さは48mmである。一方、図5に示すような弾性材83の本来の厚さは約10mmである。
【0035】
図6は本発明に使用することのできる衝撃力遮断機構8の挙動を説明する説明図で、(a)は無負荷状態、(b)は荷重が作用した状態を示す。
【0036】
この衝撃力遮断機構8の特徴の第1は硬度(あるいは固有振動数、音の伝播速度)の異なる材料を重ねて構成されていることである。隣接する部分の固有振動数が異なることにより、共振が防止できる。一例を挙げれば、上板81としては例えば熱処理(焼き入れ)したステンレス鋼、下板82は同じく熱処理した工具鋼、弾性材83はウレタン樹脂である。
【0037】
特徴の第2は上板81、下板82と弾性材83との接触面が傾斜していることである。衝撃力は図6においては上から下へ、垂直方向に作用する。上板81から下板82へ伝達される過程で接触面が傾斜しているので、接触面積が拡がるとともに単純な圧縮ではなく厚み方向の剪断が生じ、接触面の滑りと弾性材内部の滑りとの双方によって衝撃力が減衰する。接触面の粗度を変えたり、細かい凹凸を設けることによって滑りの程度を変えることも可能である。
【0038】
さらに、部材全体の厚みに対して、軟らかい部分の割合を小さくすることで垂直方向のたわみを小さくし、たわみよりも滑りや内部摩擦によって衝撃力を熱に変換し、吸収するのである。
【0039】
またさらに、特徴の第3は、上板81が衝撃力発生手段である磁歪アクチュエータ75に連結されていて、これが衝撃力に対する反力をその慣性質量によって発生し、本発明における質量体として機能するように構成されていることである。弾性材83が緩衝作用を行うとしても、瞬間的に発生する衝撃に対して、上板81はその質量と加速度とに応じた反力を発生し、その結果、下パンチ6を介して圧縮成形品に作用する衝撃力を低下させることなく、下ラム5やこれを昇降させる駆動機構51などに作用する衝撃力を遮断もしくは低減することができる。したがって、上板81が本発明における金属板もしくは質量体に相当している。これに対して下板82が本発明における固定板に相当している。
【0040】
以上2枚の金属板とその間に挟まれた1層の弾性材との例で説明したが、金属板の枚数を増やし、各金属板の間に弾性材を挟むようにしてもよい。
【0041】
なお、図1において磁歪アクチュエータ7を下部のみに設けたが、ストロークをさらに大きくするため、上部にも磁歪アクチュエータを設けることが考えられる。その場合にはこれまでの説明と上下を逆にして、上部の磁歪アクチュエータと上ラムとの間にも同様に衝撃力遮断機構を設けることになる。また、磁歪アクチュエータと上ラムとの距離によっては衝撃力伝達部材が不要で、磁歪アクチュエータと上ラムを直接接続することも可能である。さらに、本発明における衝撃力遮断機構の傾斜面は、平坦な傾斜面でなくてもよく、例えば幾分湾曲した凸円弧面および凹円弧面であってもよく、また頂点部分を中心に左右に傾斜した一対の面であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…フレーム、 2…上ラム、 3…上パンチ、 4…ダイ、 5…下ラム、 6…下パンチ、 7…磁歪アクチュエータ、 8…衝撃力吸収部材、 9…衝撃力伝達部材、 11…中間フレーム、 21,51…(ボールねじによる)駆動機構、 23,53…積層形圧電素子、 61…コアピン、 71…ケーシング、 72…励磁コイル、 73…円板、 74…皿ばね、 81…上板、 82…下板、 83…弾性材、 84…締め付けねじ、 91…長孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイの上下に配置された上パンチと下パンチと、これら上パンチと下パンチとダイとで形成される空間内に粉体を充填し、下パンチを上昇させ、あるいは上パンチを下降させて粉体を圧縮して成形する粉体の圧縮成形装置において、
上パンチとその上パンチを取り付けてある上ラムとの間と前記下パンチとその下パンチを取り付けてある下ラムとの間との少なくともいずれか一方に設けられた衝撃力発生手段と、
該衝撃力発生手段と該衝撃力発生手段を備えた前記上ラムあるいは下ラムとの間に設けられて、前記衝撃力発生手段による衝撃力の上ラムあるいは下ラムへの伝播を遮断もしくは減じる衝撃力遮断機構と
を備えていることを特徴とする粉体の圧縮成形装置。
【請求項2】
前記衝撃力遮断機構は、前記衝撃力発生手段に連結された金属板とその金属板に対向する他の金属板との間に弾性材を挟んだ多層構造を備え、かつ前記各金属板の互いに対向しかつ前記弾性材を挟み付けている面が、前記衝撃力発生手段で発生した衝撃力の作用方向に対して斜めに傾斜した面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体の圧縮成形装置。
【請求項3】
前記衝撃力発生手段と前記上パンチあるいは下パンチとの間に、前記衝撃力発生手段による衝撃力を伝達する直円筒状、あるいはテーパ円筒状の衝撃力伝達部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体の圧縮成形装置。
【請求項4】
前記衝撃力発生手段に連結される質量体と、その質量体に前記衝撃力の作用方向で対向する固定板と、これら質量体と固定板との間に挟み付けられた弾性材とを備え、
前記質量体と固定板との互いに対向する面が、前記衝撃力発生手段で発生した衝撃力の作用方向に対して斜めに傾斜した面に形成され、これらの傾斜した面の間に前記弾性材が配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載されている粉体の圧縮成形装置の衝撃力遮断機構。
【請求項5】
前記質量体と前記固定板とによって前記弾性材を予め挟み付ける予荷重を調整するプレロード調整手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の衝撃力遮断機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−30271(P2012−30271A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173882(P2010−173882)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(593016444)三和システムエンジニアリング株式会社 (12)