説明

粉体噴射装置

【解決手段】 圧力気体供給源5からの圧力気体Pは、粉体噴射装置の本体1内に設けられた圧力気体通路3を流通して外部に噴射されるようになっている。上記本体1には薬剤などの粉体を収容する粉体容器2が設けられており、この粉体容器2内の粉体は上記圧力気体通路3に供給されて、圧力気体Pとともに噴射されるようになっている。
上記本体1には、回転中心に対して重心が偏った偏心回転体31が設けられており、上記粉体を圧力気体Pとともに噴射する際には、偏心回転体31の回転によって上記本体並びに粉体容器に振動が付加されるようになっている。
【効果】 上記本体並びに粉体容器に振動を付加することによって、粉体をより均一に圧力気体Pに混合させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉体噴射装置に関し、より詳しくは、例えば患者の体内の患部へ止血薬剤などの粉体を噴射するのに好適な粉体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の粉体噴射装置として、粉体噴射装置の本体と、この本体に取り付けられて薬剤などの粉体を収容する粉体容器と、上記本体に設けられ、上記粉体容器内の粉体が供給される圧力気体通路と、この圧力気体通路に圧力気体を供給する圧力気体供給源とを備え、上記圧力気体供給源から圧力気体通路に供給された圧力気体に上記粉体容器内の粉体を供給して、該粉体を圧力気体とともに噴射するようにしたものが知られている(特許文献1)。
この粉体噴射装置においては、粉体容器内の粉体を圧力気体に供給する際には、該圧力気体を一旦粉体容器内に噴射し、その噴射により粉体容器内において粉体を攪拌して該粉体を圧力気体内に混合させ、その後に該粉体を圧力気体とともに粉体容器外に排出させて、さらに患者の体内の患部などへ噴射するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2809976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の粉体噴射装置においては、圧力気体を粉体容器内に噴射することにより粉体を圧力気体内に良好に混合させるようにしているが、粉体容器内の粉体の容量が減少すると、気体内と混合する粉体が減少するため、最後まで効率的に粉体が十分量ノズルに供給されなくなるおそれがある。
本発明はそのような事情に鑑み、使用時のどの時点においても粉体が十分量ノズルに供給、噴霧される粉体噴射装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、粉体噴射装置の本体と、この本体に取り付けられて薬剤などの粉体を収容する粉体容器と、上記本体に設けられ、上記粉体容器内の粉体が供給される圧力気体通路と、この圧力気体通路に圧力気体Pを供給する圧力気体供給源とを備え、上記圧力気体供給源から圧力気体通路に供給された圧力気体Pに上記粉体容器内の粉体を供給して、該粉体を圧力気体Pとともに噴射するようにした粉体噴射装置において、
回転中心に対して重心が偏った偏心回転体を上記本体に回転自在に設けるとともに、該偏心回転体を回転させる回転駆動手段を設けて、上記粉体を圧力気体Pとともに噴射する際には、偏心回転体の回転により粉体容器に振動を付加するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記粉体を圧力気体とともに噴射する際には、偏心回転体の回転により上記本体並びに粉体容器に振動を付加することができるので、その振動によって粉体容器内の粉体を流動化させて該流動化された粉体を粉体容器内から通路内に供給させることができ、それによって振動が付加されていない従来装置に比較して、粉体量が少なくなった状態においても粉体をより均一に圧力気体Pに混合させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】図1の拡大断面図。
【図3】図1と異なる状態を示す断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す要部の拡大断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す要部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、粉体噴射装置の本体1は概略L字形のピストル形状を有しており、そのL字形の下方に伸びる部分はグリップ部1Aとなっていて、これを把持して使用することができるようになっている。
他方、上記L字形本体1の水平方向に伸びる部分はバレル部1Bとなっており、その上面に止血薬剤などの粉体を収容した粉体容器2を倒立状態で着脱自在に取り付けることができるようになっている。
上記本体1の内部には、グリップ部1Aの底部に設けられたコネクタ3Aとバレル部1Bの先端に設けられたコネクタ3Bとの間に亘って圧力気体通路3が設けられており、この圧力気体通路3内を流通する圧力気体P(図2参照)に上記粉体容器2内の粉体を供給することができるようになっている。
【0009】
上記グリップ部1A側のコネクタ3Aには、フレキシブルホース4の一端を着脱可能に接続することができるようになっており、該フレキシブルホース4の他端は圧力気体供給源5に接続されている。
またバレル1B側のコネクタ3Bには、図示しないが患者の患部へ上記止血薬剤などの粉体を噴射するのに好適なノズルを接続することができるようになっている。なお、必要に応じて、このコネクタ3Bから直接患部に粉体を噴射することも可能である。
【0010】
上記本体1には、上記粉体容器2を該本体1に着脱自在に取り付けるために支持部材7を取り付けてある。
図2に拡大して示すように、この支持部材7はその上端部に円筒状に伸びる筒状部8を備えており、該筒状部8の上端部を本体1の上方に突出させた状態で、本体1に固定してある。支持部材7及び筒状部8は、粉体容器を振動させるための振動ユニットである。
上記本体1の上面には円筒状の凹部1Cを形成してあり、上記筒状部8はこの凹部1Cの内部の同心位置に設けてある。そして筒状部8の外周面に、本体1よりも上方に突出された部分の先端部に、環状のシール部材9を設けてある。
上記粉体容器2の開口部は円柱状の内周面を備えており、該内周面の内部に上記支持部材7の筒状部8を嵌合した際に、上記シール部材9の弾性により気密を保って両者を着脱自在に連結できるようにしている。粉体容器の接続方法については、筒状部8のかわりに、粉体容器に穿刺接続可能な、中空穿刺針型の連結部を形成してもよい。
なお、粉体容器2が本体1から脱落することがないように脱落防止手段11を設けてあるが、これについては後に詳述する。
【0011】
図1に示すように、上記圧力気体通路3は、上記グリップ部1A側のコネクタ3Aと、この圧力気体通路3の流路を切換えるために設けた切換弁15の入口ポート15Aとを接続するチューブ16を備えている。
また上記圧力気体通路3は、上記切換弁15の第1出口ポート15Bと上記支持部材7に設けた入口ポート7Aとを接続するチューブ17と、さらに支持部材7に設けた出口ポート7Bと上記バレル1B側のコネクタ3Bとを接続するチューブ18とを備えている。
そして図2に示すように、上記支持部材7に設けられた入口ポート7Aと出口ポート7Bとは、通路21によって連通させてあり、この通路の中央部分にベンチュリー効果を得るための絞り部21Aを形成してある。この絞り部21Aよりも上流側の通路21から導入通路22を分岐させて形成してあり、この導入通路22は上記筒状部8内を貫通して粉体容器2内に連通して、該粉体容器2内に圧力気体Pを供給することができるようになっている。
また、粉体容器2内の粉体を上記絞り部21Aに円滑に案内するために、上記筒状部8に底面が円錐状に窄まった案内通路23を形成してあり、さらにこの案内通路23の下端部と上記絞り部21Aの中央部とを小径の連通路24によって連通させてある。
【0012】
したがって、入口ポート7Aに導入された圧力気体Pは、導入通路22を介して粉体容器2内にも圧力気体Pが導入される。この時、粉体容器2は、振動ユニットにより振動が付与されているため、容器内の粉体は案内通路23に連通路24を常時塞ぐかたちで流動化された状態で存在する。
他方、上記入口ポート7Aに導入された圧力気体Pは、通路21及びこの通路の中央部分の絞り部21Aを流通して出口ポート7Bから排出されるようになり、その際、絞り部21Aにベンチュリー効果が生じ、圧力気体Pよりも低い圧力気体P1(図2参照)が発生する。これにより、案内通路23に集められ、流動化した状態となっている粉体は、連通路24を介して絞り部21Aを流通する圧力気体P1により吸引されて通路21へ供給され、チューブ18を流通してコネクタ3Bから外部に噴出されるようになる。
【0013】
さらに図1に示すように、上記グリップ部1Aの上端部分にクランプローラ26を設けている。このクランプローラ26は、その中心に両端に突出する軸部材27を備えており、クランプローラ26の外周部の一部を、グリップ部1Aの上端部分にその上下方向に沿って形成したスリット28から外部に突出させるとともに、両端の軸部材27をそれぞれグリップ部1Aの内壁面に転動可能に当接させている。
他方、チューブ16は、上記グリップ部1Aの内部に上下方向に沿って設けた挟持板29に沿って配置してあり、この挟持板29とグリップ部1Aの内壁面とは、下方となるに従って徐々にその間隔が狭まるように設定してある。
したがって、クランプローラ26の外周面と挟持板29との間でチューブ16を挟み込んだ状態で、クランプローラ26を回転させながら徐々に下方に転動させれば、該クランプローラ26の外周面と挟持板29との間でチューブ16を徐々に押し潰すことができ、その押し潰し量によりチューブ16を流通する圧力気体Pの流量を、したがってノズルからの圧力気体Pの噴射量を調整することができるようになっている。
【0014】
次に図2に示すように、上記支持部材7の下部には、振動の発生源となる、回転中心に対して重心が偏った偏心回転体31を回転自在に軸支してある。
この偏心回転体31は円柱状に形成してあり、上記支持部材7にはこの偏心回転体31を収容する円柱状の収容空間32を形成してある。上記偏心回転体31は円柱状の収容空間32内に収容した状態で、その回転中心が水平方向となるように、したがって偏心回転体31が鉛直面内で回転するように、支持部材7に回転自在に軸支してある。
上記偏心回転体31には、外周側の円周方向等間隔位置に8個の円形孔33を形成してあり、本実施例では上記8個の円形孔33のうち、隣接する3個の円形孔33にウエイト35を設けて、偏心回転体31の重量がアンバランスとなるようにしてある。円形孔の33及びウエイト35の数は、必要に応じて適宜増減できることは勿論である。
上記偏心回転体31の外周には、偏心回転体31の反時計方向の回転方向を基準として、その回転方向後方側に向けて斜めに突出する羽根36を多数形成してあり、また上記収容空間32を形成する円柱状の内壁面は、各羽根36の先端に微少の間隙をあけて隣接するように形成してある。
なお、上記の一例に限らず、回転体の重心が中心でないものであれば同様の効果が得られ、その形状、方向等は特に問わない。
【0015】
さらに上記支持部材7には、上記偏心回転体31を回転させるために、偏心回転体31の羽根36に圧力気体Pを吹き付ける噴射口41を形成してある。この噴射口41は、円柱状の収容空間32内に、その内壁面の接線方向に圧力気体Pを噴射させることができる位置に形成してあり、円柱状の収容空間32内に送り込まれた圧力気体Pは、上記噴射口41に対して、偏心回転体31の回転方向後方側に隣接させて形成した排出口42から外部に排出されるようになっている。
図1に示すように、上記噴射口41と上記切換弁15の第2出口ポート15Cとは、圧力気体通路を構成するチューブ43によって接続してある。
上記切換弁15は、そのレバー44を水平の閉鎖位置に回転させた際に、入口ポート15Aと出口ポート15B及び15Cとの連通を遮断して、圧力気体Pが粉体容器2や偏心回転体31へ供給されるのを遮断することができるようになっている。
他方、切換弁15のレバー44を垂直上方の噴射位置に回転させた際には、上記入口ポート15Aと出口ポート15B及び15Cとを連通させて、これにより圧力気体を粉体容器2内に供給するとともに、偏心回転体21にも供給することができるようになっている。
【0016】
ところで、上述した脱落防止手段11は粉体容器2が本体1から脱落することがないようにするためのものであるが、同時に、粉体容器2が本体1に脱落することがないようにセットされた状態でないと、上記切換弁15のレバー44を水平の閉鎖位置から垂直上方の噴射位置に切り換えることができないようにした安全手段も兼ねている。
すなわち上記脱落防止手段10は、バレル部1Bの外側に該バレル部1Bの長手方向に沿って摺動可能なスライド部材12を備えている。上記バレル部1Bの両側にはその長手方向に沿って係合溝1Dを形成してあり、スライド部材12の両側に設けた係合凸部12Aをそれぞれ係合溝1Dに摺動自在に係合させることにより、該スライド部材12をバレル部1Bの長手方向に沿って摺動させることができるようにしてある。
上記スライド部材12の上面には、図1、図2における左側部分にバレル部1Bの長手方向に沿ってスリット12Bを形成してあり、粉体容器2を本体1に取り付けた状態でスライド部材12を図示係合位置に位置させた際には、該スリット12Bの両側縁部を粉体容器2の先端外周に形成したフランジ部2Aに係合させて、粉体容器2が上方に抜け出るのを防止できるようにしてある。
そしてこの状態では、図1に示すようにスライド部材12の右端部は、上記切換弁15のレバー44を垂直上方の噴射位置に位置させることができるように、そのレバー44の垂直上方位置を僅かに左方に越えた位置となるように設定してある。
他方、図3に示すように、スライド部材12を上記係合位置から右方の開放位置に移動させた際には、スリット12Bの両側縁部とフランジ部2Aとの係合を解除させて、粉体容器2を本体1の上方に取り外すことができるようにしてある。そしてこれと同時に、上記スライド部材12の右端部は、水平の閉鎖位置となっている上記切換弁15のレバー44を覆うようになっており、この状態では、レバー44を垂直上方の噴射位置に回転移動させることができないようになっている。
【0017】
以上の構成において、粉体噴射装置を使用する際には、先ず切換弁15のレバー44を水平位置に回転させて、圧力気体Pが粉体容器2や偏心回転体31へ供給されないようにしておく。そして脱落防止手段10のスライド部材12を右方の開放位置に移動させて(図3の状態)、粉体容器2を本体1に取り付けることができる状態とすると同時に、スライド部材12の右端部で水平の閉鎖位置となっている上記レバー44を覆わせて、該レバー44を垂直上方の噴射位置に回転移動させることができないようにする。
次に、グリップ部1A側のコネクタ3Aにフレキシブルホース4の一端を接続して、圧力気体供給源5からの圧力気体Pを粉体噴射装置に供給できるようにする。そしてこれと同時に、内部に止血薬剤などの粉体を収容した粉体容器2を本体1に取り付ける。
上記粉体容器2を本体1に取り付けたら、上記スライド部材12を左方に移動させて係合位置に位置させ(図1、図2の状態)、これによりスリット12Bの両側縁部を粉体容器2の先端外周に形成したフランジ部2Aに係合させて、粉体容器2が本体1から上方に抜け出るのを防止できるようにする。この状態では、上記レバー44は垂直上方の噴射位置に位置させることができる状態となっている。
この状態となったら、コネクタ3B若しくはこれに接続した図示しないノズルを患者の患部に向けた状態で、上記切換弁15のレバー44を垂直上方の噴射位置に回転させる。これにより切換弁15の入口ポート15Aと第1出口ポート15Bとが連通されるので、圧力気体供給源5からの圧力気体Pは、フレキシブルホース4、コネクタ3B、チューブ16、切換弁15の入口ポート15Aと第1出口ポート15B、チューブ17、支持部材7の入口ポート7A、通路21、絞り部21A、支持部材7の出口ポート7B及びチューブ18を介して上記コネクタ3Bから外部に噴射されるようになる。
これと同時に、案内通路23に集められ、流動化した状態である粉体は、ベンチュリー効果により、連通路24を介して絞り部21Aを流通する圧力気体P1により吸引されて通路21へ供給され、チューブ18を流通してコネクタ3Bから外部に噴出されるようになる。
【0018】
他方、上記切換弁15のレバー44が垂直上方位置に回転された際には、切換弁15の入口ポート15Aと第2出口ポート15Cも連通されるので、圧力気体供給源5から入口ポート15Aに導入されていた圧力気体Pは、第2出口ポート15C及びチューブ43を介して噴射口41から収容空間32内に噴射される。
これにより、圧力気体Pが偏心回転体31の羽根36に吹き付けられて該偏心回転体31を反時計方向に回転させるようになり、偏心回転体31を反時計方向に回転させた圧力気体Pは、排出口42から外部に排出されるようになる。
そして偏心回転体31が回転されると、該偏心回転体31は回転中心に対して重心が偏っているので、その回転によって振動が生じるようになり、この振動は偏心回転体31を軸支した支持部材7を介して粉体容器2に付加されるようになる。粉体容器2が振動されると、該粉体容器2内の粉体が流動化し、容器内の粉体は案内通路23に連通路24を常時塞ぐ状態で存在し、ベンチュリー効果によって通路21に向かって確実に吸引、供給され、粉体容器内の粉体量の多少に関わらず、安定して患者の幹部に噴射されるようになる。
【0019】
図4は本発明の第2実施例を示す要部の拡大断面図で、本実施例では、第1実施例と異なり、偏心回転体31の回転中心が鉛直方向となるように、したがって偏心回転体31が水平面内で回転するように、支持部材7に回転自在に軸支してある。このような構成であっても、偏心回転体31の回転によって本体1や粉体容器2に振動を付加することができることは明らかである。
また上記第1実施例では、支持部材7に設けた入口ポート7Aと出口ポート7Bとを通路21によって直接連通させていたが、本実施例では入口ポート7Aと出口ポート7Bとを直接連通させるようにはしていない。すなわち本実施例では、入口ポート7Aに連通させた入口通路51を粉体容器2内に連通させてあり、また出口ポート7Bに連通させた出口通路52も粉体容器2内に連通させている。
したがって本実施例においては、入口ポート7Aからの圧力気体Pはその全量が入口通路51から粉体容器2内に流入するようになり、該粉体容器2内に流入してその内部の粉体を攪拌した圧力気体Pは、粉体とともに全量が出口通路52を介して出口ポート7Bに流通するようになる。
なお、その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、第1実施例と同一若しくは相当部分には、第1実施例と同一の符号を付して示してある。
【0020】
図5は本発明の第3実施例を示す要部の拡大断面図である。本実施例では、上記第1実施例と同様に支持部材7に設けた入口ポート7Aと出口ポート7Bとを通路21によって直接連通させているが、この通路21に設けた絞り部21Aは省略してある。また、第1実施例の導入通路22も省略してあり、粉体容器2内の粉体は、案内通路23と連通路24を介して、自重によって通路21内に落下されるようになっている。
その他の構成は第1実施例と同様に構成してあり、第1実施例と同一若しくは相当部分には、第1実施例と同一の符号を付して示してある。
このような構成においても、偏心回転体31の回転によって本体1や粉体容器2に振動を付加することができ、それによって粉体容器2内の粉体は良好に通路21内に落下されるので、振動が付加されていない従来装置に比較して、粉体をより均一に圧力気体Pに混合させることが可能となる。
【0021】
なお、上記実施例では、上記偏心回転体31を回転させる回転駆動手段を、偏心回転体31の羽根36に圧力気体Pを吹き付けて該偏心回転体31を回転させる圧力気体通路(チューブ43、噴射口41)から構成しているが、これに限定されるものではなく、モータであっても良いことは勿論である。
【符号の説明】
【0022】
1 本体 1A グリップ部
1B バレル部 2 粉体容器
3 圧力気体通路 5 圧力気体供給源
7 支持部材 15 切換弁
21 通路 21A 絞り部
22 導入通路 23 案内通路
24 連通路 31 偏心回転体
32 収容空間 41 噴射口
42 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体噴射装置の本体と、この本体に取り付けられて薬剤などの粉体を収容する粉体容器と、上記本体に設けられ、上記粉体容器内の粉体が供給される圧力気体通路と、この圧力気体通路に圧力気体を供給する圧力気体供給源とを備え、上記圧力気体供給源から圧力気体通路に供給された圧力気体に上記粉体容器内の粉体を供給して、該粉体を圧力気体とともに噴射するようにした粉体噴射装置において、
回転中心に対して重心が偏った偏心回転体を上記本体に回転自在に設けるとともに、該偏心回転体を回転させる回転駆動手段を設けて、上記粉体を圧力気体とともに噴射する際には、偏心回転体の回転により上記本体並びに粉体容器に振動を付加することを特徴とする粉体噴射装置。
【請求項2】
上記本体に支持部材が取り付けられるとともに、この支持部材に上記粉体容器が取り付けられており、また該支持部材には上記圧力気体通路を構成する入口ポートと出口ポートとが形成されて、該入口ポートと出口ポートとは通路によって連通されており、さらに該通路には、上記粉体容器内に連通する連通路が形成されて、粉体容器内の粉体は該連通路から上記入口ポートと出口ポートとを連通する通路内に供給されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
【請求項3】
上記入口ポートと出口ポートとを連通する通路内にベンチュリー効果を有する絞り部が形成されるとともに、上記連通路はこの絞り部に連通しており、また絞り部よりも上流の通路から導入通路が分岐しており、この導入通路は上記粉体容器内に連通して圧力気体の一部を粉体容器内に導入することを特徴とする請求項2に記載の粉体噴射装置。
【請求項4】
上記本体に支持部材が取り付けられるとともに、この支持部材に上記粉体容器が取り付けられており、また該支持部材には上記圧力気体通路を構成する入口ポートと出口ポートとが形成されて、入口ポートは入口通路を介して粉体容器内に、また出口ポートは出口通路を介して粉体容器内にそれぞれ連通し、入口ポートからの圧力気体は入口通路を介して粉体容器内に供給され、該粉体容器内に供給された圧力気体は粉体とともに出口通路を介して出口ポートに流通することを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
【請求項5】
上記偏心回転体の外周に羽根が形成されており、また上記回転駆動手段は、該偏心回転体の羽根に圧力気体を吹き付けて該偏心回転体を回転させる圧力気体通路を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粉体噴射装置。
【請求項6】
上記本体に切換弁が設けられており、上記粉体容器内の粉体が供給される圧力気体通路と偏心回転体を回転させる圧力気体通路とは、上記切換弁を介して圧力気体供給源に連通されていることを特徴とする請求項5に記載の粉体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−143502(P2012−143502A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6074(P2011−6074)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)