説明

粉体堆積層角度測定装置

【課題】外光の影響を受けることなく正確な角度測定を行える粉体堆積層の角度測定装置を提供する。
【解決手段】粉体堆積層角度測定装置1は、カメラ20と、カメラ20に向かい合う位置に配置されるバックライトパネル30と、カメラ20とバックライトパネル30の間に配置される、安息角測定テーブル83等の粉体堆積層支持装置を備える。粉体堆積層角度測定装置1の全体制御を行う制御装置40は、カメラ20が撮影した、粉体堆積層のシルエット画像を解析して、粉体堆積層の角度を求める画像解析装置22を備えている。バックライトパネル30は所定波長域で発光するものであり、カメラ20にはバックライトパネル30の発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルター21が組み合わせられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉体堆積層角度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体の物性値は、安息角、崩潰角、スパチュラ角、ゆるめ・固めかさ密度、圧縮度、凝集度、分散度、差角など、様々なパラメータをもって測定される。安息角やスパチュラ角など、粉体堆積層の角度を測定する装置については、特許文献1、2に例を見ることができる。
【0003】
特許文献1記載の装置は、安息角、崩潰角、ゆるめ・固めかさ密度、圧縮度、スパチュラ角、凝集度、分散度、差角等の粉体の物性の内少なくとも1種を測定するための測定手段と、測定手段での測定に必要な制御と演算処理を行う制御手段を備える。測定手段は、堆積した試料粉体の傾斜面と平行になるよう角度測定アームをパルスモータで回転駆動する角度測定治具を含む。制御手段は、パルスモータを駆動パルスで駆動制御し、駆動パルス数のカウントにより角度測定アームの角度算出を行う。
【0004】
特許文献2記載の装置は、ベースの上にカメラを備える。安息角測定時にはカメラの前にバックライトパネルを背にする形で安息角測定テーブルを置く。スパチュラ角測定時にはカメラの前にバックライトパネルを背にする形でスパチュラを置く。カメラで撮影を行うと、安息角測定テーブル上の粉体堆積層のシルエット画像、又はスパチュラ上の粉体堆積層のシルエット画像を得ることができる。この画像をコンピュータで解析し、粉体堆積層の傾斜角度を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2798827号公報
【特許文献2】特許第4155942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2記載の装置のように、画像解析技術で粉体堆積層の角度を求める場合、装置外から差し込む光が外乱因子となって画像の解析を妨げる、あるいは解析精度を低下させるという事態がしばしば発生する。しかしながら、一般的にこの種の装置が使用される環境は照明が明るくされており、外光を遮断するのは難しい。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、外光の影響を受けることなく正確な角度測定を行える粉体堆積層の角度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粉体堆積層角度測定装置は、カメラと、前記カメラに向かい合う位置に配置されるバックライトパネルと、前記カメラと前記バックライトパネルの間に配置される粉体堆積層支持装置と、前記カメラが撮影した、前記粉体堆積層のシルエット画像を解析して、前記粉体堆積層の角度を求める画像解析装置を備え、前記バックライトパネルは所定波長域で発光するものであり、前記カメラには前記バックライトパネルの発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルターが組み合わせられる。
【0009】
本発明の粉体堆積層角度測定装置において、前記バックライトパネルは、450nm〜550nmに発光スペクトルのピークを持つ光源である。
【0010】
本発明の粉体堆積層角度測定装置において、前記バックライトパネルは、導光機能及び光拡散機能を備えた光伝達パネルと、前記光伝達パネルの端面に光を照射するLEDの組み合わせを備える。
【0011】
本発明の粉体堆積層角度測定装置において、前記光伝達パネルは、導光板と拡散板を組み合わせて構成される。
【0012】
本発明の粉体堆積層角度測定装置において、前記光学フィルターは、前記バックライトパネルのピーク波長に対して最大透過率が30%以上のバンドパスフィルターである。
【0013】
本発明の粉体堆積層角度測定装置において、前記カメラ及び粉体堆積層支持装置を覆う開閉自在なカバーが設けられ、前記カバーに前記バックライトパネルが取り付けられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、バックライトパネルは所定の波長域で発光することとされ、カメラにはバックライトパネルの発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルターが組み合わせられているから、バックライトパネルが放つ光以外の光は、基本的にはカメラへの入射光とならない。このため、バックライトパネルからの光のみにより粉体堆積層のシルエット画像が形成され、正確な形状のシルエット画像が得られる。画像解析装置によるシルエット画像の解析も正確なものとなり、角度測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】粉体堆積層角度測定装置の概略正面図である。
【図2】粉体堆積層角度測定装置の概略側面図である。
【図3】バックライトパネルの概略断面図で、側面方向から見たものである。
【図4】バックライトパネルの概略断面図で、正面方向から見たものである。
【図5】バックライトパネルに用いられるLEDアレイの平面図である。
【図6】画像処理の概念の説明図である。
【図7】粉体堆積層角度測定装置のブロック構成図である。
【図8】安息角測定について説明する概略断面図である。
【図9】スパチュラ角測定について説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
粉体堆積層角度測定装置1の外観を構成する二大要素は、本体2と、その前部を覆うカバー3である。本体2は図示しない架台構造の外側を板金製の筐体4で囲んだものであり、高さ調整可能な複数の支持脚5により支持面の上に支持される。カバー3は透明な合成樹脂により主要部が形成されており、左右一対のアーム6で本体2の左右両側面に取り付けられる。アーム6の先端は本体2に連結する支点部7となり、カバー3は支点部7を中心として垂直面内で回動する。
【0017】
カバー3を下ろすと図2の実線状態となる。この時カバー3で囲い込まれる空間が図8または9に示す測定室10となる。前述の通りカバー3は主要部が透明であるため、カバー3を下ろした状態でも測定室10の内部を見通すことができ、作業者は試料の状況等を目視で確認しながら、粉塵の影響を受けることなく測定作業を行うことができる。
【0018】
カバー3の正面には手掛け部3aが形成されており、そこに手を掛けて、カバー3を図2の仮想線の位置まで引き上げることができる。図2の仮想線の位置まで引き上げたときは、カバー3は手を離してもその位置に留まっている。このように測定室10を開放状態にした上で、作業者は測定済みの試料や測定に供した用具の片付け、新たな測定作業のセッティング、保守点検作業などを行う。測定室10を開放状態にしておく必要がなくなったときはカバー3を下ろす。支点部7でカバー3を支える軸にはダンパーが組み合わせられており、下ろす途中で手を離せばカバー3はゆっくりと降下し、衝撃を与えることなく静かに閉じる。
【0019】
測定室10に対し、カメラ20とバックライトパネル30(図3参照)が、互いに向かい合うように配置される。カメラ20とバックライトパネル30の間には粉体堆積層支持装置が配置されるが、これについては後で説明する。
【0020】
カメラ20は、測定室10の中で正面から見て左寄りの一定の高さのところに、固定的に設置される。カメラ20としては、例えばエレコム株式会社がWEBカメラとして販売するUCAM−DLU130Hシリーズ(130万画素)、株式会社バッファローがWEBカメラとして販売するBSW13D06Hシリーズ(130万画素)、株式会社マイクロビジョンが販売するグローバルシャッターCMOSボードカメラ(モノクロ)MCM−4304(30万画素)、株式会社ジェイエイアイコーポレーションが販売するモノクロプログレッシブスキャンカメラCM−030GE(30万画素)、株式会社アートレイが販売するプログレッシブCMOSカラー(BW)カメラARTCAM―036MI(36万画素)などを使用することができる。
【0021】
バックライトパネル30は測定室10の右端に配置される。カバー3の、正面から見て右側の側面、具体的には右側のアーム6に形成されたバックライトパネル支持部6a(図2参照)にバックライトパネル30が取り付けられる。カバー3にはバックライトパネル30が備える矩形の発光面に対応する矩形の開口部が形成されており、その開口部を通じバックライトパネル30の発光面は測定室10の内部に露出する。
【0022】
カバー3の回動と共にバックライトパネル30も回動する。カバー3が閉ざされたとき、バックライトパネル30はカメラ20に対面する。このように、カバー3をバックライトパネル30の取付部材として利用したことにより、バックライトパネル30の取付部材を別途設ける必要がなくなり、構成を簡単化できる。
【0023】
バックライトパネル30は、図3から図5に示す構成を備えている。31は正面から見て左右方向に偏平となった直方体形状のケースである。ケース31は放熱性の良い金属、例えばアルミニウムの板金で形成される。ケース31は正面から見て左側が開口部となっており、その開口部から、反射シート32と、導光機能及び光拡散機能を備えた光伝達パネル33が挿入される。光伝達パネル33は、実施形態では2枚の板を組み合わせて構成される。すなわち導光板33aと拡散板33bである。拡散板33bの、正面から見て左側の垂直面が、バックライトパネル30の発光面30aとなる。
【0024】
発光面30aは、携帯電話のバックライトで採用されているのと同様の仕組みで均一な面状光を発生する。発光面30aを光らせるのは高輝度タイプの発光ダイオード(以下「LED」と称する)34である。複数のLED34を所定間隔で取り付けた基板35が光伝達パネル33の下方に配置される。LED34は光伝達パネル33の端面、具体的には導光板33aの下側の端面に光を照射する。光は導光板33aの内部で向きを変え、拡散板33bに入る。光は拡散板33bの内部で拡散し、発光面30aはむらなく均一に光ることとなる。
【0025】
LED34は特定波長域で高い発光効率を示す単色発光タイプのものであり、発光面30aの発光波長域も前記特定波長域に近い所定波長域となる。カメラ20にはバックライトパネルの発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルター21が組み合わせられる。光学フィルター21としては、一般にロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルターとして知られるものを使用することができる。
【0026】
バックライト30の光源と光学フィルター21は、測定環境によって決められる。例えば、外光が主に太陽光である場合、太陽光の発光スペクトルは主に500nm付近の波長にピークを持つため、光学フィルター21には少なくともその波長域の光を遮断できるものを使用し、バックライト30の光源には光学フィルター21によって遮断されない波長域にピーク波長を持つ光源を使用すれば、測定に際し外光の影響を少なくすることができる。また、外光が主に蛍光灯の光である場合、蛍光灯の発光スペクトルは主に440nm、550nm、620nm付近の波長にピークを持つため、光学フィルター21にはそれらの波長域のうち少なくとも最も発光強度が高い550nm付近の波長を遮断できるものを使用し、バックライト30の光源には光学フィルター21によって遮断されない波長域にピーク波長を持つ光源を使用すれば、測定に際し外光の影響を少なくすることができる。
【0027】
なお、バックライト30の光源の発光スペクトルが複数のピークを持つ場合には、それらのピークのうち少なくとも最も発光強度の高いピーク波長を遮断しないような光学フィルター21を選定する。
【0028】
バックライト30の光源には、400nmから700nmの範囲にピーク波長を持つものが好ましい。より好ましくは、450nmから550nm、さらに好ましくは460nmから480nmの範囲にピーク波長を持つものである。このようなピーク波長域であれば、例えば比較的安価で入手が簡単な青色LEDや白色LEDなどを光源として使用できる。
【0029】
光学フィルター21の最大透過率は、バックライト30の光源のピーク波長に対して30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上である。最大透過率が30%未満であっても角度測定は可能であるが、撮影した像が暗くなり、角度測定の精度が低下するおそれがある。光学フィルター21にバンドパスフィルターを使用する場合、その半値幅は5nmから120nmであることが好ましく、より好ましくは5nmから40nmである。半値幅が120nmより大きくても使用可能であるが、その場合には遮断される波長域が広くなるため、バックライト30の光源の選択肢が制限される。半値幅が40nm以下であれば、バックライト30の光源の選択肢がより広がる。
【0030】
カメラ20の撮像信号は図7に示す制御装置40に入力される。制御装置40は一種のコンピュータと位置づけられるものであって、カメラ20とバックライトパネル30に対して制御信号を出力する。制御装置40は画像解析装置22を備えており、画像解析装置22が撮像画像を解析する。
【0031】
カメラ20が撮像する画像は図6に示すようなものとなる。画像は多数の画素の集合からなる。図6には安息角測定テーブルまたはスパチュラ角測定ブレードの上に円錐形あるいは山形の粉体堆積層が存在する状況が示されている。
【0032】
図6の画像からは、特許第4155942号公報に開示されているような計算式を用いて粉体堆積層の傾斜角を求めることができる。
【0033】
バックライトパネル30は所定の波長域で発光し、カメラ20にはバックライトパネル30の発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルター21が組み合わせられているから、バックライトパネル30が放つ光以外の光は、基本的にはカメラ20への入射光とならない。このため、バックライトパネル30からの光のみにより粉体堆積層のシルエット画像が形成され、正確な形状のシルエット画像が得られる。画像解析装置22によるシルエット画像の解析も正確なものとなり、角度測定精度が向上する。
【0034】
粉体堆積層角度測定装置1には、崩潰角測定時に用いられる衝撃付与装置50(図8参照)が設けられている。ここで、崩潰角とは、安息角を形成していた粉体堆積層が、衝撃にともない形を変えた後の粉体堆積層の傾斜角のことである。
【0035】
衝撃付与装置50は、筐体4の内部に水平に配置されたブラケット51と、ブラケット51から垂直に立ち上がるガイドポール52を有する。ブラケット51には後述する安息角測定テーブルやスパチュラ角測定ブレードが連結される。ガイドポール52には衝撃錘53が上下自在に支持されている。衝撃錘53を持ち上げてブラケット51の上に落下させることにより、ブラケット51に振動が生じ、その振動が安息角測定テーブルやスパチュラ角測定ブレードに伝わる仕組みである。
【0036】
粉体堆積層角度測定装置1には、試料粉体を振動篩にかける振動装置が設けられている。振動装置の本体部分は筐体4内に存在し、その本体部分が支持する篩取付枠60のみが、図8に示す通り測定室10に突き出している。篩取付枠60には、図7に示す電磁石61により上下方向の振動が与えられる。
【0037】
制御装置40には、図7に示す通り、カメラ20、画像解析装置22、バックライトパネル30、電磁石61といった既出の構成要素の他に、表示装置70が接続される。表示装置70は外付けのモニター装置などにより構成され、測定データや計算結果などの表示を行う。
【0038】
続いて、図8及び図9に基づき、粉体堆積層角度測定装置1がどのように用いられるかについて説明する。
【0039】
図8に示すのは安息角測定用のセッティングである。篩取付枠60の上面には篩80が取り付けられている。篩80には篩押さえ81を重ね、篩取付枠60の下面には安息角測定用漏斗82を取り付け、これらを締結具93で篩取付枠60に固定している。衝撃付与装置50のブラケット51には粉体堆積層支持装置である安息角測定テーブル83を支えるブラケット84が連結されている。安息角測定テーブル83の下にはそこからこぼれた試料を受けるバット85が配置されている。バット85は筐体4の内部から測定室10に突き出す垂直な支持軸86により支持されている。支持軸86は図7に示す支持軸昇降モータ87により昇降せしめられる。支持軸昇降モータ87はモータドライバ88で駆動される。
【0040】
篩80に試料粉体を投入し、篩取付枠60を振動させると、篩80を通過した試料粉体が安息角測定用漏斗82から落下し、安息角測定テーブル83上に円錐形に堆積する。その粉体堆積層のシルエット画像をカメラ20で撮像し、画像解析により安息角を求める。安息角測定後、衝撃付与装置50による衝撃で粉体堆積層を崩潰させ、崩潰角を測定する。その後差角を算出する。ここで、差角とは、安息角から崩潰角を引いた角度のことで、その大きさから粉体の噴流性(フラッシング性)を推測することができる。
【0041】
図9に示すのはスパチュラ角測定用のセッティングである。図8の安息角測定用セッティングで安息角測定用漏斗82であったものがスパチュラ角測定用シュート89に置き換えられ、安息角測定テーブル83とそれを支えるブラケット84の組み合わせが、これも粉体堆積層支持装置であるスパチュラ角測定ブレード90と、それを支えるブラケット91の組み合わせに置き換えられている。このときバット85上には、スパチュラ角測定ブレード90を囲む囲枠92を設置する。
【0042】
バット85を、ブラケット91にほぼ密着する高さまで持ち上げておいて、篩80に試料粉体を投入し、篩取付枠60を振動させると、篩80を通過した試料粉体がスパチュラ角測定用シュート89から落下し、スパチュラ角測定ブレード90の上に積もる。スパチュラ角測定ブレード90がすっかり試料粉体に埋もれたところでバット85と囲枠92を降下させると、スパチュラ角測定ブレード90の上には連続した山形状の粉体堆積層が残る。その粉体堆積層のシルエット画像をカメラ20で撮像し、画像解析により傾斜角を求める。その後、衝撃付与装置50による衝撃で粉体堆積層を崩潰させ、崩潰後の傾斜角を測定する。そして、崩潰前と崩潰後の傾斜角の平均値を算出する。この値がスパチュラ角である。
【0043】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【実施例】
【0044】
粉体の物性特性の評価を行うための測定装置(粉体特性測定装置「パウダテスタ」:ホソカワミクロン株式会社製)を使用して、角度測定を行った。外光が主に蛍光灯の光で、照度610ルクスから6300ルクスという環境下で測定を行った。LED34には、ピーク波長が460nm〜480nmの範囲にある青色LEDを使用した。また、光学フィルター21としては、中心波長460.0±2nm、半値幅6.0±2nm、最大透過率30.0%以上のバンドパスフィルターを使用した。比較例では、カメラに光学フィルターを取り付けていないこと以外は実施例と同様の条件下で測定を行った。なお、測定環境の照度が高い方が外光の強度が高く、測定に際し悪影響が出てくる。
【0045】
上記角度測定の実験結果を表1に示す。比較例1では、610ルクスの下では角度計算を行うことができたが、比較例2の750ルクスの下では、二値化処理によってシルエット像にスポットやスリットが現れ、シルエット像の稜線や頂点が検出できず、角度計算を行うことができなかった。一方、実施例1〜4では、それぞれ750ルクス、2200ルクス、4200ルクス、6300ルクスの下で測定を行い、所定の角度測定を行うことができた。このように、通常の測定環境下の照度とされる3000ルクスを大幅に超える6300ルクスの環境下であっても角度計算を行うことができた。
【0046】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は粉体堆積層角度測定装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 粉体堆積層角度測定装置
2 本体
3 カバー
10 測定室
20 カメラ
21 光学フィルター
22 画像解析装置
30 バックライトパネル
33 光伝達パネル
33a 導光板
33b 拡散板
34 LED
40 制御装置
50 衝撃付与装置
60 振動プレート
80 篩
83 安息角測定テーブル
90 スパチュラ角測定ブレード
93 締結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラに向かい合う位置に配置されるバックライトパネルと、
前記カメラと前記バックライトパネルの間に配置される粉体堆積層支持装置と、
前記カメラが撮影した、前記粉体堆積層のシルエット画像を解析して、前記粉体堆積層の角度を求める画像解析装置を備え、
前記バックライトパネルは所定波長域で発光するものであり、
前記カメラには前記バックライトパネルの発光波長域に対し高い透過率を有する光学フィルターが組み合わせられることを特徴とする粉体堆積層角度測定装置。
【請求項2】
前記バックライトパネルは、450nm〜550nmに発光スペクトルのピークを持つ光源であることを特徴とする請求項1に記載の粉体堆積層角度測定装置。
【請求項3】
前記バックライトパネルは、導光機能及び光拡散機能を備えた光伝達パネルと、前記光伝達パネルの端面に光を照射するLEDの組み合わせを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体堆積層角度測定装置。
【請求項4】
前記光伝達パネルは、導光板と拡散板を組み合わせて構成されることを特徴とする請求項3に記載の粉体堆積層角度測定装置。
【請求項5】
前記光学フィルターは、前記バックライトパネルのピーク波長に対して最大透過率が30%以上のバンドパスフィルターであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の粉体堆積層角度測定装置。
【請求項6】
前記カメラ及び粉体堆積層支持装置を覆う開閉自在なカバーが設けられ、前記カバーに前記バックライトパネルが取り付けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の粉体堆積層角度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−225720(P2012−225720A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92593(P2011−92593)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000113355)ホソカワミクロン株式会社 (43)