粉体浸透速度検出方法、粉体浸透速度検査用カラム充填装置
【課題】粉体の浸透速度検査の高精度化を実現する。
【解決手段】粉体浸透速度検出方法として、筒状のカラム10に粉体を充填する充填ステップと、カラム10内に押圧棒20を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、カラム10の端部に液体を接触させる接液ステップと、カラム10の重量変化に基づいて、液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップを備えるようにした。
【解決手段】粉体浸透速度検出方法として、筒状のカラム10に粉体を充填する充填ステップと、カラム10内に押圧棒20を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、カラム10の端部に液体を接触させる接液ステップと、カラム10の重量変化に基づいて、液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップを備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体の接触角等を算出するために、粉体に対する液体の浸透速度を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉体のぬれ性や接触角を検査する手法として浸透速度法が存在する。この浸透速度法では、筒状のカラムに粉体を充填し、このカラムを鉛直に保持した状態でその下端を液体表面に浸漬させる。この結果、カラム内の粉体に対して、毛管現象によって液体が上方に浸透していくので、その重量変化を時間追尾して浸透速度を検出する。なお、浸透速度が分かると粉体の接触角を理論的に算出できる。具体的には、浸透高さを検出できることを前提とすれば、Washburnの数式1を利用して、粉体の接触角を算出できる。
【数1】
なお、この数式1は、浸透高さlを浸透重量Wに変換することで以下の数式2となる。
【数2】
従って、浸透重量変化が分かれば接触角が算出できることが分かる。
【0003】
ところで、このカラムに対する粉体の充填はタッピング装置によって行う。タッピング装置は、図10に示されるように、所定量の落下運動を生じさせるカムを利用して、カラムを繰り返し自然落下させる構造となっている。その複数回の落下運動と、着地時の衝撃によって粉体が細密状態で充填されていく。落下距離と落下回数を同じにすれば、原則として、同一条件で粉体が充填されたカラムを複数本用意することができる。これらのカラムを利用すれば、同じ条件で複数回の浸透速度検査が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】山形大学紀要(工学)第16巻第1号 昭和55年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの未公知の研究によれば、タッピング装置による粉体の充填は、充填状態にばらつきが生じやすいという問題があった。同一充填条件となるカラムを利用して具体的に浸透速度を検査したところ、浸透速度が異なってしまう状況も確認できた。特に、比重の軽い粉体は、タッピングによる落下中に、カラム内で簡単に分散したり浮遊したりしやすいので、タッピング回数を増大させても、充填状態にばらつきが生じやすいという問題があった。
【0006】
また、カラムの下端を液体に浸漬させる際に、図11に示されるように、カラム下端の口金の外表面で表面張力が生じ、液面が盛り上がってしまう。本発明者らの未公知の研究によると、この液面が表面張力で盛り上がる現象が、カラムの重量計測に悪影響を与えていると推察された。この結果、浸透速度に誤差が生じている可能性があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、検査精度を向上させる検査手法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明は、筒状のカラムに粉体を充填する充填ステップと、前記カラム内に押圧棒を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、前記カラムの端部に液体を接触させる接液ステップと、前記カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、を備えることを特徴とする粉体浸透速度検出方法である。
【0009】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明の前記接液ステップにおいて、前記液体の液面を凸状態に保持しておき、前記液面に前記カラムの端部を接触させてメニスカス状態の液体架橋を形成し、前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明において、前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙を装着し、前記濾紙を介して前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明において、前記カラムを透明又は半透明に構成することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成する本発明は、基台と、内部に粉体が充填された状態で前記基台に搭載された粉体浸透速度検査用のカラムと、前記カラム内に挿入されて、自身の端面によって前記カラム内の粉体を圧縮する押圧棒と、前記押圧棒を軸方向にスライドさせるスライド機構と、前記押圧棒のスライド方向の位置を計測する計測装置と、を備え、前記スライド機構によって前記押圧棒をスライドさせ、前記計測装置によって、前記カラム内の粉体の充填高さが所望の位置となるまで前記粉体を押圧することを特徴とする粉体浸透速度検査用カラム充填装置である。
【0013】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記押圧棒側に固定されて該押圧棒と共に移動可能な移動部と、前記基台側に固定される固定部と、前記移動部と前記固定部間の前記軸方向の間隔を調整することで、前記押圧棒の位置を微調整可能な微調整機構と、を備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムが透明又は半透明材料で構成されることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムがテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂であることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙が装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カラムに対する粉体の充填を、充填高さの設定によって高精度に行うことにより、繰り返し再現性の高い浸透速度検査を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す斜視図
【図2】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す上面図
【図3】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す正面図
【図4】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置のカラムの構造を示す断面図
【図5】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の使用方法を示す上面図
【図6】本実施形態で用いられる粉体浸透速度検査装置の構造を模式的に示す断面図
【図7】同粉体浸透速度検査装置の検査状態を模式的に示す断面図
【図8】本実施形態の実施例1の検査結果を示すグラフ図
【図9】本実施形態の実施例2の検査結果を示すグラフ図
【図10】従来のタッピング装置の構造を示す正面図
【図11】従来の粉体浸透速度検査装置の検査状態を模式的に示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1から図3には、本発明の実施の形態に係る粉体浸透速度検査用カラム充填装置(以下、カラム充填装置)1の全体構造が示されている。このカラム充填装置1は、基台8と、カラム10と、押圧棒20と、スライド機構30と、計測装置40を備えている。カラム10は、図4に示されるように、円筒状の筒部12と、筒部12の下端に設置される口金14と、口金14内に配置されるガラス繊維状の濾紙16を備えて構成されており、筒部12の内部に粉体18が充填される。口金14は有底のキャップ構造であり、筒部12の下端とその外周近傍を覆う構造となっている。口金14の底面14Aには開口14Bが形成されており、この開口14Bから液体が進入して、濾紙16を介して粉体18に浸透していく。ガラス繊維状の濾紙16を用いることで、濾紙16が液面に浸漬させた際の吸液が極めて素早くなり、この濾紙16の下面に発生する気泡を低減させることが出来る。また、後述するようにカラム10内の粉体を圧縮すると、その圧力を受けて濾紙16が変形するが、ガラス繊維な耐荷重性が高く、その変形を低減できるので特に好ましい。
【0021】
なお、通常の紙材料では、吸液が遅いために気泡が発生しやすく、この気泡部分については接液しない状況となることから、浸透速度に誤差が生じやすい。
【0022】
筒部12の材料には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂が用いられる。この材料によれば、筒部12を透明又は半透明に構成することができ、更に撥水性が高い(濡れにくい)ので、内周面に沿って液体を吸い上げる現象を抑制できる。この結果、粉体18のみの浸透速度を検査することが可能になる。また、内部の粉体18の状態を確認することが出来るので、粉体18を圧縮する際に、粉体を視認しながら行うことが出来る。また、この種の樹脂材料を用いると、弾性変形が可能となるので、口金14を比較的強固に圧入固定できる。この結果、粉体18を圧縮した状態でも、検査作業中に口金14が外れてしまうようなトラブルを抑制できる。
【0023】
なお、ここでは、筒部12の材料として、透明(又は半透明)、撥水性、弾性の3条件を同時に満たすことが出来る材料としてPFAを例示したが、その他にも、撥水性及び弾性を両立させる観点では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)樹脂、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)樹脂、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)樹脂、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂などのフッ素樹脂が好ましい。弾性を満たす点では、他の樹脂も用いることも出来る。
【0024】
図1に戻って、カラム10は、基台8に対して水平方向に寝かした状態で固定される。カラム10の口金14側は、基台8に立設される基準部材8Aに当接することで位置決めされる。押圧棒20は、カラム10の内周径と略同じ直径となる軸部材であり、カラム10と平行に配置される。押圧棒20の一端は、カラム10内に挿入され、その端面20Aによって内部の粉体18を圧縮する。スライド機構30は、押圧棒20を軸方向(水平方向)に移動自在に保持している。具体的にスライド機構30は、基台8側に固定される棒状のガイド32と、ガイド32に対して摺動自在に保持されるスライダ34と、スライダ34に固定される保持部材36を備える。押圧棒20は、保持部材36に保持されている。従って、スライダ34をガイド32に沿ってスライドさせることで、押圧棒20をカラム10の内部に挿入することができる。
【0025】
計測装置40はいわゆるリニアスケールである。この計測装置40は、基台8上においてガイド32と平行に配置されるスケールベース42と、このスケールベース42上に配置されるスケールヘッド44を備える。スケールヘッド44は、スライド機構30のスライダ34側に固定されており、スライダ34と共に移動する。スケールヘッド44には表示部44Aが設けされており、スケールベース42に対するスケールヘッド44の位置を高精度で表示できる。この計測装置40によって、スライダ34の位置(即ち押圧棒20の位置)を検出できることになる。
【0026】
更にこのカラム充填装置1は、移動部50、固定部56、及び微調整機構60を備える。移動部50は、ここでは保持部材36が兼ねる構造となっており、押圧棒20側に固定されて一緒にスライドする部材となる。固定部56は、ガイド32に摺動自在に配置されると共に、固定レバー58によってこのガイド32上の任意の場所で固定できるようになっている。即ち、固定部56は基台8側に固定される。微調整機構60は、移動部50(保持部材36)と固定部56の間に配置されるネジ機構であって、調整ネジ62をグリップ64で回転させることで、移動部50(保持部材36)と固定部56のスライド方向(押圧棒20の軸方向)の相対距離を微調整可能になっている。
【0027】
このカラム充填装置1の使用する際、まず、カラム10に指定重量の粉体18を充填してから、このカラム充填装置1にセットする。その後、図5(A)に示されるように、固定レバー58を開放した状態で、スライダ34を手で移動させることで、大凡の場所まで押圧棒20カラム10内に挿入する。その後、図5(B)に示されるように、固定レバー58を閉じて固定部56を基台8側に固定してから、スケールヘッド44の表示を目視しつつ、グリップ64を回転させて更に押圧棒20を所定位置までカラム10内に押し込んでいく。この結果、カラム10内において、極めて正確な充填高さまで、粉体18を強制的に押圧出来る。
【0028】
次に、このカラム充填装置1によって粉体18の充填が完了したカラム10を用いた浸透速度検出方法について、図6の浸透速度検出装置100を用いながら説明する。
【0029】
この浸透速度検出装置100は、カラム10と、このカラム10を釣り下げられると同時に、その重量変化を計測可能な重量計測部110と、カラム10の下側に配置される液体貯留部120を備える。液体貯留部120は、液体容器122と、液体容器122の内部に鉛直方向に配置されるノズル部124と、液体容器122の底側とノズル部124の底側を連通させるトンネル部126を備えている。この液体貯留部120では、液体容器122に貯留される液体が、底側のトンネル部126を介してノズル部124に供給される構造となっている。ノズル部124の上端は、液体容器122に貯留される液面122Aよりも多少低い位置に設定されており、これによりノズル部124側の液面124Aは、表面張力によって上方に凸形状となる。
【0030】
このノズル部124の液面124Aに対して、カラム10の口金14を接液させると、図7に拡大してしめされるように、メニスカス状態の液体架橋130が形成される。カラム10とノズル124の距離を一定に保ち、この液体架橋130を維持しながら、液体をカラム10内の粉体に浸透させていく。液体が浸透するとカラム10の重量が増加するので、重量計測部110によりこの重量変化を計測する。この結果、粉体の浸透速度を検出することが可能となる。既に述べたWashburn式(数式1、2)を用いれば、粉体の接触角を算出することができる。
【0031】
本実施形態のカラム充填装置1によれば、カラム10内の粉体の空隙率を高精度に設定することが可能となる。その結果、再現性の高い充填作業を行うことが可能となり、浸透速度の計測精度を高めることができる。特に、比重の低い粉体や、タッピング装置では均一に充填できない粉体などでも、再現性の高い検査を行うことができる。
【0032】
また、このカラム充填装置1によれば、スライダ34を直接移動させて押圧棒20の大凡の位置決めを行い、その後に微調整機構60を用いて詳細位置決めができるようになっている。この2段階動作によって、素早く且つ高精度に粉体18を圧縮することができる。この結果、計測者の作業負担を軽減できる。更にカラム10は、筒部12が透明又は半透明樹脂によって構成されているので、内部の粉体18の状態を目視しながら圧縮することが可能となる。また、樹脂の弾性によって、口金14を圧入によって装着できるので、粉体18を圧縮した状態でも、検査作業中に口金14が外れてしまうトラブルを抑制できる。更に、樹脂を用いることで、筒部12の製造コストを大幅に削減できるので、容易に交換することができる。特にフッ素樹脂を用いていることから、筒部12の内壁が濡れにくいので、内壁に沿って液体が浸透する現象を抑制でき、粉体のみの浸透速度をより高精度で検査できる。
【0033】
更に本カラム10では、下端のガラス繊維状の濾紙16が装着されるので、耐荷重性を高めながらも、吸液速度が極めて素早くなり、この濾紙16の下面に発生する気泡を低減させることが出来る。
【0034】
また、本実施形態による粉体浸透速度検出方法によれば、メニスカス状態の液体架橋130を形成しながら、カラム10内の粉体18に液体を浸透させることができる。この結果、口金14を液体内に浸漬させる従来手法(図11参照)と比較して、カラム10の重量を正確に測定することが出来る。この結果、計測誤差をより小さく抑制できることになる。
【実施例1】
【0035】
カラム充填装置1の意義を確認するために、実施例1として、このカラム充填装置1を用いて複数本のカラム10を準備し、それぞれの浸透速度を検出した。その結果を図8(A)に示す。なお、粉体には炭酸カルシウムを用い、液体には純水を用いた。なお、比較例1として、同一粉体をタッピングによって充填した複数本のカラムを準備し、これらの浸透速度を検出した結果を図8(B)に示す。なお、この実施例1における浸透速度の検出は、メニスカス状態の液体架橋を形成することなく、液面にカラム10の下端を浸漬させる従来の検出手法(図11参照)を採用した。この実施例1から明らかなように、カラム充填装置1を利用することで、検査の繰り返し再現性が飛躍的に高められる。
【実施例2】
【0036】
実施例2ではメニスカスによる液体架橋を形成した浸透速度検出方法の意義を確認した。具体的には、カラム充填装置1を用いてカラム10を準備し、図7で示した浸透速度検出装置100によって浸透速度を検出した、その結果を図9の線Aに示す。なお、測定試料には圧粉体のチョーク(主原料は焼石膏)を用い、液体には純水を用いた。また比較例2として、同じカラム10を準備し、メニスカス状態の架橋を形成しない従来の浸透速度検出装置(図11参照)を用いて浸透速度を検出した。その結果を図9の線Bに示す。実施例2から明らかなように、計測開始直後に浸透重量速度(W2/t)が素早く一定の値に収束した。一方、比較例2では、浸透重量速度が少しずつ小さくなっており、カラムの口金周囲の液面の盛り上がりが悪影響を与えていることが推察された。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、粉体の浸透速度、接触角等を測定する様々な分野で用いることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 カラム充填装置
8 基台
10 カラム
20 押圧棒
30 スライド機構
40 計測装置
60 微調整機構
100 浸透速度検出装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体の接触角等を算出するために、粉体に対する液体の浸透速度を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉体のぬれ性や接触角を検査する手法として浸透速度法が存在する。この浸透速度法では、筒状のカラムに粉体を充填し、このカラムを鉛直に保持した状態でその下端を液体表面に浸漬させる。この結果、カラム内の粉体に対して、毛管現象によって液体が上方に浸透していくので、その重量変化を時間追尾して浸透速度を検出する。なお、浸透速度が分かると粉体の接触角を理論的に算出できる。具体的には、浸透高さを検出できることを前提とすれば、Washburnの数式1を利用して、粉体の接触角を算出できる。
【数1】
なお、この数式1は、浸透高さlを浸透重量Wに変換することで以下の数式2となる。
【数2】
従って、浸透重量変化が分かれば接触角が算出できることが分かる。
【0003】
ところで、このカラムに対する粉体の充填はタッピング装置によって行う。タッピング装置は、図10に示されるように、所定量の落下運動を生じさせるカムを利用して、カラムを繰り返し自然落下させる構造となっている。その複数回の落下運動と、着地時の衝撃によって粉体が細密状態で充填されていく。落下距離と落下回数を同じにすれば、原則として、同一条件で粉体が充填されたカラムを複数本用意することができる。これらのカラムを利用すれば、同じ条件で複数回の浸透速度検査が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】山形大学紀要(工学)第16巻第1号 昭和55年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの未公知の研究によれば、タッピング装置による粉体の充填は、充填状態にばらつきが生じやすいという問題があった。同一充填条件となるカラムを利用して具体的に浸透速度を検査したところ、浸透速度が異なってしまう状況も確認できた。特に、比重の軽い粉体は、タッピングによる落下中に、カラム内で簡単に分散したり浮遊したりしやすいので、タッピング回数を増大させても、充填状態にばらつきが生じやすいという問題があった。
【0006】
また、カラムの下端を液体に浸漬させる際に、図11に示されるように、カラム下端の口金の外表面で表面張力が生じ、液面が盛り上がってしまう。本発明者らの未公知の研究によると、この液面が表面張力で盛り上がる現象が、カラムの重量計測に悪影響を与えていると推察された。この結果、浸透速度に誤差が生じている可能性があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、検査精度を向上させる検査手法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明は、筒状のカラムに粉体を充填する充填ステップと、前記カラム内に押圧棒を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、前記カラムの端部に液体を接触させる接液ステップと、前記カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、を備えることを特徴とする粉体浸透速度検出方法である。
【0009】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明の前記接液ステップにおいて、前記液体の液面を凸状態に保持しておき、前記液面に前記カラムの端部を接触させてメニスカス状態の液体架橋を形成し、前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明において、前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙を装着し、前記濾紙を介して前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する粉体浸透速度検出方法は、上記発明において、前記カラムを透明又は半透明に構成することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成する本発明は、基台と、内部に粉体が充填された状態で前記基台に搭載された粉体浸透速度検査用のカラムと、前記カラム内に挿入されて、自身の端面によって前記カラム内の粉体を圧縮する押圧棒と、前記押圧棒を軸方向にスライドさせるスライド機構と、前記押圧棒のスライド方向の位置を計測する計測装置と、を備え、前記スライド機構によって前記押圧棒をスライドさせ、前記計測装置によって、前記カラム内の粉体の充填高さが所望の位置となるまで前記粉体を押圧することを特徴とする粉体浸透速度検査用カラム充填装置である。
【0013】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記押圧棒側に固定されて該押圧棒と共に移動可能な移動部と、前記基台側に固定される固定部と、前記移動部と前記固定部間の前記軸方向の間隔を調整することで、前記押圧棒の位置を微調整可能な微調整機構と、を備えることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムが透明又は半透明材料で構成されることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムがテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂であることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する粉体浸透速度検査用カラム充填装置は、上記発明において、前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙が装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カラムに対する粉体の充填を、充填高さの設定によって高精度に行うことにより、繰り返し再現性の高い浸透速度検査を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す斜視図
【図2】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す上面図
【図3】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の全体構造を示す正面図
【図4】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置のカラムの構造を示す断面図
【図5】同粉体浸透速度検査用カラム充填装置の使用方法を示す上面図
【図6】本実施形態で用いられる粉体浸透速度検査装置の構造を模式的に示す断面図
【図7】同粉体浸透速度検査装置の検査状態を模式的に示す断面図
【図8】本実施形態の実施例1の検査結果を示すグラフ図
【図9】本実施形態の実施例2の検査結果を示すグラフ図
【図10】従来のタッピング装置の構造を示す正面図
【図11】従来の粉体浸透速度検査装置の検査状態を模式的に示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1から図3には、本発明の実施の形態に係る粉体浸透速度検査用カラム充填装置(以下、カラム充填装置)1の全体構造が示されている。このカラム充填装置1は、基台8と、カラム10と、押圧棒20と、スライド機構30と、計測装置40を備えている。カラム10は、図4に示されるように、円筒状の筒部12と、筒部12の下端に設置される口金14と、口金14内に配置されるガラス繊維状の濾紙16を備えて構成されており、筒部12の内部に粉体18が充填される。口金14は有底のキャップ構造であり、筒部12の下端とその外周近傍を覆う構造となっている。口金14の底面14Aには開口14Bが形成されており、この開口14Bから液体が進入して、濾紙16を介して粉体18に浸透していく。ガラス繊維状の濾紙16を用いることで、濾紙16が液面に浸漬させた際の吸液が極めて素早くなり、この濾紙16の下面に発生する気泡を低減させることが出来る。また、後述するようにカラム10内の粉体を圧縮すると、その圧力を受けて濾紙16が変形するが、ガラス繊維な耐荷重性が高く、その変形を低減できるので特に好ましい。
【0021】
なお、通常の紙材料では、吸液が遅いために気泡が発生しやすく、この気泡部分については接液しない状況となることから、浸透速度に誤差が生じやすい。
【0022】
筒部12の材料には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂が用いられる。この材料によれば、筒部12を透明又は半透明に構成することができ、更に撥水性が高い(濡れにくい)ので、内周面に沿って液体を吸い上げる現象を抑制できる。この結果、粉体18のみの浸透速度を検査することが可能になる。また、内部の粉体18の状態を確認することが出来るので、粉体18を圧縮する際に、粉体を視認しながら行うことが出来る。また、この種の樹脂材料を用いると、弾性変形が可能となるので、口金14を比較的強固に圧入固定できる。この結果、粉体18を圧縮した状態でも、検査作業中に口金14が外れてしまうようなトラブルを抑制できる。
【0023】
なお、ここでは、筒部12の材料として、透明(又は半透明)、撥水性、弾性の3条件を同時に満たすことが出来る材料としてPFAを例示したが、その他にも、撥水性及び弾性を両立させる観点では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)樹脂、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)樹脂、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)樹脂、ECTFE(クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂などのフッ素樹脂が好ましい。弾性を満たす点では、他の樹脂も用いることも出来る。
【0024】
図1に戻って、カラム10は、基台8に対して水平方向に寝かした状態で固定される。カラム10の口金14側は、基台8に立設される基準部材8Aに当接することで位置決めされる。押圧棒20は、カラム10の内周径と略同じ直径となる軸部材であり、カラム10と平行に配置される。押圧棒20の一端は、カラム10内に挿入され、その端面20Aによって内部の粉体18を圧縮する。スライド機構30は、押圧棒20を軸方向(水平方向)に移動自在に保持している。具体的にスライド機構30は、基台8側に固定される棒状のガイド32と、ガイド32に対して摺動自在に保持されるスライダ34と、スライダ34に固定される保持部材36を備える。押圧棒20は、保持部材36に保持されている。従って、スライダ34をガイド32に沿ってスライドさせることで、押圧棒20をカラム10の内部に挿入することができる。
【0025】
計測装置40はいわゆるリニアスケールである。この計測装置40は、基台8上においてガイド32と平行に配置されるスケールベース42と、このスケールベース42上に配置されるスケールヘッド44を備える。スケールヘッド44は、スライド機構30のスライダ34側に固定されており、スライダ34と共に移動する。スケールヘッド44には表示部44Aが設けされており、スケールベース42に対するスケールヘッド44の位置を高精度で表示できる。この計測装置40によって、スライダ34の位置(即ち押圧棒20の位置)を検出できることになる。
【0026】
更にこのカラム充填装置1は、移動部50、固定部56、及び微調整機構60を備える。移動部50は、ここでは保持部材36が兼ねる構造となっており、押圧棒20側に固定されて一緒にスライドする部材となる。固定部56は、ガイド32に摺動自在に配置されると共に、固定レバー58によってこのガイド32上の任意の場所で固定できるようになっている。即ち、固定部56は基台8側に固定される。微調整機構60は、移動部50(保持部材36)と固定部56の間に配置されるネジ機構であって、調整ネジ62をグリップ64で回転させることで、移動部50(保持部材36)と固定部56のスライド方向(押圧棒20の軸方向)の相対距離を微調整可能になっている。
【0027】
このカラム充填装置1の使用する際、まず、カラム10に指定重量の粉体18を充填してから、このカラム充填装置1にセットする。その後、図5(A)に示されるように、固定レバー58を開放した状態で、スライダ34を手で移動させることで、大凡の場所まで押圧棒20カラム10内に挿入する。その後、図5(B)に示されるように、固定レバー58を閉じて固定部56を基台8側に固定してから、スケールヘッド44の表示を目視しつつ、グリップ64を回転させて更に押圧棒20を所定位置までカラム10内に押し込んでいく。この結果、カラム10内において、極めて正確な充填高さまで、粉体18を強制的に押圧出来る。
【0028】
次に、このカラム充填装置1によって粉体18の充填が完了したカラム10を用いた浸透速度検出方法について、図6の浸透速度検出装置100を用いながら説明する。
【0029】
この浸透速度検出装置100は、カラム10と、このカラム10を釣り下げられると同時に、その重量変化を計測可能な重量計測部110と、カラム10の下側に配置される液体貯留部120を備える。液体貯留部120は、液体容器122と、液体容器122の内部に鉛直方向に配置されるノズル部124と、液体容器122の底側とノズル部124の底側を連通させるトンネル部126を備えている。この液体貯留部120では、液体容器122に貯留される液体が、底側のトンネル部126を介してノズル部124に供給される構造となっている。ノズル部124の上端は、液体容器122に貯留される液面122Aよりも多少低い位置に設定されており、これによりノズル部124側の液面124Aは、表面張力によって上方に凸形状となる。
【0030】
このノズル部124の液面124Aに対して、カラム10の口金14を接液させると、図7に拡大してしめされるように、メニスカス状態の液体架橋130が形成される。カラム10とノズル124の距離を一定に保ち、この液体架橋130を維持しながら、液体をカラム10内の粉体に浸透させていく。液体が浸透するとカラム10の重量が増加するので、重量計測部110によりこの重量変化を計測する。この結果、粉体の浸透速度を検出することが可能となる。既に述べたWashburn式(数式1、2)を用いれば、粉体の接触角を算出することができる。
【0031】
本実施形態のカラム充填装置1によれば、カラム10内の粉体の空隙率を高精度に設定することが可能となる。その結果、再現性の高い充填作業を行うことが可能となり、浸透速度の計測精度を高めることができる。特に、比重の低い粉体や、タッピング装置では均一に充填できない粉体などでも、再現性の高い検査を行うことができる。
【0032】
また、このカラム充填装置1によれば、スライダ34を直接移動させて押圧棒20の大凡の位置決めを行い、その後に微調整機構60を用いて詳細位置決めができるようになっている。この2段階動作によって、素早く且つ高精度に粉体18を圧縮することができる。この結果、計測者の作業負担を軽減できる。更にカラム10は、筒部12が透明又は半透明樹脂によって構成されているので、内部の粉体18の状態を目視しながら圧縮することが可能となる。また、樹脂の弾性によって、口金14を圧入によって装着できるので、粉体18を圧縮した状態でも、検査作業中に口金14が外れてしまうトラブルを抑制できる。更に、樹脂を用いることで、筒部12の製造コストを大幅に削減できるので、容易に交換することができる。特にフッ素樹脂を用いていることから、筒部12の内壁が濡れにくいので、内壁に沿って液体が浸透する現象を抑制でき、粉体のみの浸透速度をより高精度で検査できる。
【0033】
更に本カラム10では、下端のガラス繊維状の濾紙16が装着されるので、耐荷重性を高めながらも、吸液速度が極めて素早くなり、この濾紙16の下面に発生する気泡を低減させることが出来る。
【0034】
また、本実施形態による粉体浸透速度検出方法によれば、メニスカス状態の液体架橋130を形成しながら、カラム10内の粉体18に液体を浸透させることができる。この結果、口金14を液体内に浸漬させる従来手法(図11参照)と比較して、カラム10の重量を正確に測定することが出来る。この結果、計測誤差をより小さく抑制できることになる。
【実施例1】
【0035】
カラム充填装置1の意義を確認するために、実施例1として、このカラム充填装置1を用いて複数本のカラム10を準備し、それぞれの浸透速度を検出した。その結果を図8(A)に示す。なお、粉体には炭酸カルシウムを用い、液体には純水を用いた。なお、比較例1として、同一粉体をタッピングによって充填した複数本のカラムを準備し、これらの浸透速度を検出した結果を図8(B)に示す。なお、この実施例1における浸透速度の検出は、メニスカス状態の液体架橋を形成することなく、液面にカラム10の下端を浸漬させる従来の検出手法(図11参照)を採用した。この実施例1から明らかなように、カラム充填装置1を利用することで、検査の繰り返し再現性が飛躍的に高められる。
【実施例2】
【0036】
実施例2ではメニスカスによる液体架橋を形成した浸透速度検出方法の意義を確認した。具体的には、カラム充填装置1を用いてカラム10を準備し、図7で示した浸透速度検出装置100によって浸透速度を検出した、その結果を図9の線Aに示す。なお、測定試料には圧粉体のチョーク(主原料は焼石膏)を用い、液体には純水を用いた。また比較例2として、同じカラム10を準備し、メニスカス状態の架橋を形成しない従来の浸透速度検出装置(図11参照)を用いて浸透速度を検出した。その結果を図9の線Bに示す。実施例2から明らかなように、計測開始直後に浸透重量速度(W2/t)が素早く一定の値に収束した。一方、比較例2では、浸透重量速度が少しずつ小さくなっており、カラムの口金周囲の液面の盛り上がりが悪影響を与えていることが推察された。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、粉体の浸透速度、接触角等を測定する様々な分野で用いることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 カラム充填装置
8 基台
10 カラム
20 押圧棒
30 スライド機構
40 計測装置
60 微調整機構
100 浸透速度検出装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のカラムに粉体を充填する充填ステップと、
前記カラム内に押圧棒を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、
前記カラムの端部に液体を接触させる接液ステップと、
前記カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、
を備えることを特徴とする粉体浸透速度検出方法。
【請求項2】
前記接液ステップにおいて、前記液体の液面を凸状態に保持しておき、前記液面に前記カラムの端部を接触させてメニスカス状態の液体架橋を形成し、前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする請求項1に記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項3】
前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙を装着し、前記濾紙を介して前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項4】
前記カラムを透明又は半透明に構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項5】
基台と、
内部に粉体が充填された状態で前記基台に搭載された粉体浸透速度検査用のカラムと、
前記カラム内に挿入されて、自身の端面によって前記カラム内の粉体を圧縮する押圧棒と、
前記押圧棒を軸方向にスライドさせるスライド機構と、
前記押圧棒のスライド方向の位置を計測する計測装置と、を備え、
前記スライド機構によって前記押圧棒をスライドさせ、前記計測装置によって、前記カラム内の粉体の充填高さが所望の位置となるまで前記粉体を押圧することを特徴とする粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項6】
前記押圧棒側に固定されて該押圧棒と共に移動可能な移動部と、
前記基台側に固定される固定部と、
前記移動部と前記固定部間の前記軸方向の間隔を調整することで、前記押圧棒の位置を微調整可能な微調整機構と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項7】
前記カラムが透明又は半透明材料で構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項8】
前記カラムがテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項9】
前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙が装着されることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項1】
筒状のカラムに粉体を充填する充填ステップと、
前記カラム内に押圧棒を挿入して、粉体を外部から強制的に押圧して充填高さを決定する押圧ステップと、
前記カラムの端部に液体を接触させる接液ステップと、
前記カラムの重量変化に基づいて、前記液体が前記粉体に浸透していく浸透速度を検出する検出ステップと、
を備えることを特徴とする粉体浸透速度検出方法。
【請求項2】
前記接液ステップにおいて、前記液体の液面を凸状態に保持しておき、前記液面に前記カラムの端部を接触させてメニスカス状態の液体架橋を形成し、前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする請求項1に記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項3】
前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙を装着し、前記濾紙を介して前記液体を前記粉体に浸透させることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項4】
前記カラムを透明又は半透明に構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体浸透速度検出方法。
【請求項5】
基台と、
内部に粉体が充填された状態で前記基台に搭載された粉体浸透速度検査用のカラムと、
前記カラム内に挿入されて、自身の端面によって前記カラム内の粉体を圧縮する押圧棒と、
前記押圧棒を軸方向にスライドさせるスライド機構と、
前記押圧棒のスライド方向の位置を計測する計測装置と、を備え、
前記スライド機構によって前記押圧棒をスライドさせ、前記計測装置によって、前記カラム内の粉体の充填高さが所望の位置となるまで前記粉体を押圧することを特徴とする粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項6】
前記押圧棒側に固定されて該押圧棒と共に移動可能な移動部と、
前記基台側に固定される固定部と、
前記移動部と前記固定部間の前記軸方向の間隔を調整することで、前記押圧棒の位置を微調整可能な微調整機構と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項7】
前記カラムが透明又は半透明材料で構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項8】
前記カラムがテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【請求項9】
前記カラムの端部にガラス繊維状の濾紙が装着されることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の粉体浸透速度検査用カラム充填装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−122960(P2011−122960A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281403(P2009−281403)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 博覧会名:2009分析展 主催者名:社団法人日本分析機器工業会 開催日:平成21年9月2日から9月4日
【出願人】(000162504)協和界面科学株式会社 (10)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 博覧会名:2009分析展 主催者名:社団法人日本分析機器工業会 開催日:平成21年9月2日から9月4日
【出願人】(000162504)協和界面科学株式会社 (10)
[ Back to top ]