説明

粉砕コーヒーの粒子サイズ分布および/または粉砕程度を自動確定するエスプレッソ機または全自動コーヒー機

本発明は、粉砕器(1)と、抽出器(2)および抽出室(3)を備える抽出装置とを有するエスプレッソ機または全自動コーヒー機であって、粉砕器によって挽かれた規定量のコーヒー粉末(K)の粉砕体積(V)を確定するように設計された体積確定部(4)と、この量のコーヒー粉末(K)の粉砕質量(m)を確定するように設計された質量確定部(5)と、好ましくは計算部自体の中に記憶され、一方の粉砕コーヒーの粒子サイズ分布および/または粉砕程度と、他方の粉砕コーヒーの質量および体積、またはこれらの2つの変数から導かれる変数、とりわけ密度との間の所定の相関(Z)に基づいて、確定された粉砕体積(V)から、かつ確定された粉砕質量(m)から、この量のコーヒー粉末(K)の粒子サイズ分布および/または粉砕程度が計算されてよい、計算部(6)とを特徴とする、エスプレッソ機または全自動コーヒー機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕器と、抽出器および抽出室を備える抽出装置とを有するエスプレッソ機または全自動コーヒー機に関する。
【背景技術】
【0002】
ある量の粉砕コーヒー粉末または粉砕コーヒー豆の中の粒子サイズ分布は、コーヒーの抽出時間、完成したコーヒー飲料(例えば、エスプレッソ、カフェクリーム)の外観および味に決定的な影響を与える。このことは、粒子サイズ分布が、とりわけ、水が粉砕コーヒーを通って流れるときに粉砕コーヒーが水に対して与える粉砕コーヒーの抵抗、それゆえコーヒーの抽出時間を確定するという事実に起因する可能性がある。
【0003】
本発明の範囲内で、粒子サイズ分布によって、規定量の粉砕コーヒー豆の平均粒径の度数分布が分かる。粉砕器の所定の粉砕円板間隔の場合、この粒子サイズ分布は、通常、粒子サイズの上部範囲(粗い部分)と粒子サイズの下部範囲(細かい部分)との両方において、度数分布における極大を有し、粒子サイズ分布は、いわゆるx63.2値によって特徴付けられてよい。この値は、所与の粒子サイズ分布の粒子の63.2%がx63.2値より小さいサイズを有するように定義される。また、x63.2値は、粉砕程度と称されてよい(粒子サイズ分布を特徴付ける異なるサイズの値もまた、粉砕程度として使用可能である)。
【0004】
また、これらの2つの変数(粒子サイズ分布および粉砕程度)は、単純化のために、以降は同意語として使用される。
今まで、エスプレッソ機または全自動コーヒー機(そのような機械は、以後、代わりに、全自動コーヒー機または略してコーヒー機とも称される)が提供する粒子サイズ分布および/または粉砕程度は、視覚的に概略的に評価可能であるか、または抽出時間によって間接的に確定可能であるにすぎなかった。しかし、後者の抽出時間による間接的確定はまた、コーヒー機の抽出器内の粉砕コーヒーの、測定された量および加圧力によって決まる。コーヒー機の製造中の、コーヒー機の粉砕器(以後、単純化のために、ミルとも称される)の調節は、今まで、単に粉砕円板の間隔、すなわち粉砕器の個々の粉砕円板の間隔によって達成されてきた。
【0005】
しかし、粒子サイズ分布は、粉砕円板の間隔と部分的に相関するにすぎず、個別の一対の粉砕円板の平面平行度または細かい歯の深さ(fine tooth depth)など、他の調節できない変数の影響を受ける。粉砕円板の間隔によって粒子サイズ分布を調節することは、それゆえ、明確に再現性良く保障されえない。粉砕程度を同じように調節したにもかかわらず、その調節から、コーヒー機の出力において非常に異なる粉砕程度が、結果的にもたらされる。さらに、例えば、豆の種類または炒り程度など、他の要因が、粒子サイズ分布に影響を与えるが、これらの他の要因は、一部分においては、最終顧客にしか分からない。それゆえ、粉砕程度は、今のところ、コーヒー機の製造業者の顧客サービス技術者によって、感覚に照らして(コーヒーの味に照らして、粉砕コーヒーの粉砕物の視覚的評価に照らして、かつ/または抽出時間に照らして)、コーヒー機の最終顧客に対して調節されるにすぎない。それゆえ、豆の種類が変わるたびに、または粉砕円板が摩耗および裂傷を生じるたびに、粉砕程度の新たな調節が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、本発明の目的は、粒子サイズ分布の自動確定を可能にし、それゆえ、個々の粉砕器が、現時点で、使用される豆の種類および粉砕円板の所与の間隔に関連してもたらす粒子サイズ分布が、確定可能であり、かつ同様に、場合により所望の値に適合されうることを可能にする、エスプレッソ機または全自動コーヒー機を利用可能にすることである。さらに、本発明の目的は、粒子サイズ分布および/または粉砕程度を確定するための、対応する方法を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機によって、かつ請求項15に記載の方法によって達成される。有利な実施形態の変形形態が、それぞれ、従属請求項から導かれてよい。
【0008】
以下に、本発明が、最初に全体的に説明され、次いで実施形態を参照して説明される。互いに組み合わされた実施形態の中で生み出される個々の特徴は、本発明の範囲(本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定される)の中で、示された組合せにおいて厳密に生み出される必要はなく、異なる組合せにおいて生み出されてもよい。本発明の範囲内で、とりわけ、同様に、実施形態の中で示される個々の特徴は、省略されてよく、または異なる構成で使用されてよい。
【0009】
本発明の基本的な考え方は、粉砕コーヒーの密度(すなわち、例えばg/cmで測定される粉砕コーヒー粉末の密度)は、とりわけ、そのような粉砕粉(grinding)が構成する粒子サイズによって決まることにある。それゆえ、主に粗い粒子構造(粒子サイズ分布の中の主に大きい粒子)を有する粗い粉砕粉は、より細かい粉砕粉(粒子サイズ分布の中の主に小さい粒子)より、特定の容積(cubic measure)の中でより小さい質量を有し、より細かい粉砕粉の場合、より小さい粒子は、中間領域をよりよく満たす。言い換えれば、粉砕コーヒーの密度は、粒子サイズ分布によって決まり、これらの2つの変数の間には、(少なくとも概略的に)明確な相関が存在する。
【0010】
本発明の範囲内で、規定量のコーヒー粉末の質量、体積または密度によって、この量のコーヒー粉末の質量、体積または密度の正確な物理値のみならず、以下に同様に詳細に説明される測定方法によって確定され、かつこれらの正確な物理値と明確な相関があり、かつ/またはこれらの正確な物理値を明確に特徴付ける(この量のコーヒー粉末特有の)変数値(すなわち、例えば正確な物理値に対して直線的に拡縮する変数値)もまた理解される。
【0011】
したがって、本発明において、正確な密度、正確な体積または正確な質量が確定されることが重要であるのではなく、これらの物理値を明確に特徴付ける変数値が得られ、明確で再現性のある測定条件の下で(例えば、規定の加圧力によって)評価されることが重要である。
【0012】
したがって、最初に、規定の粉砕粉の質量および体積(またはこれらの物理値を特徴付ける変数)を確定することによって、密度、または前記密度を特徴付けるこの粉砕粉の変数が確定されてよく、結論が、この密度から、粉砕粉の粒子サイズ分布または粉砕程度に関連して引き出される。
【0013】
このために、本発明によるコーヒー機は、ある量の粉砕コーヒー粉末の粉砕体積を確定するように設計された体積確定部と、この量の粉砕コーヒー粉末の粉砕質量を確定するように設計された質量確定部と、計算部とを有し、計算部を用いて、一方の粉砕粉の粒子サイズ分布および/または粉砕程度と、他方の粉砕粉の質量および体積、またはこれら2つの変数から導かれる変数(例えば密度)との間の所定の相関に基づいて、体積確定部によって確定される粉砕体積および質量確定部によって確定される粉砕粉の粉砕質量から、粉砕粉の粒子サイズ分布および/または粉砕程度が計算されうる。
【0014】
それにより、体積確定部、質量確定部、および計算部は、本発明によるコーヒー機の個々の構成要素の組立体の範囲内で作り出されてよい。有利な変形形態では、粉砕粉すなわち規定量のコーヒー粉末の体積確定および/または質量確定は、コーヒー機の抽出装置の抽出室内で達成される。しかし、コーヒー機の中に、規定量の粉砕コーヒー粉末を受けるように設計され、その中でまたはそれを用いて、粉砕体積および/または粉砕質量が確定されうる、(抽出室に関して)別個の収集室を設けることも、基本的に可能である。
【0015】
有利には、この確定は、収集室内(または抽出室内)で、規定量のコーヒー粉末を圧縮するように設計された加圧要素の支援を受けて行われる。この加圧要素は、例えば、抽出装置の抽出ピストンと関係があり、抽出装置の抽出器は、この場合は、(加圧要素として)抽出ピストンがその中で変位可能な抽出円筒として設計される。
【0016】
以下により詳細に説明されるように、規定量のコーヒー粉末すなわち粉砕粉の体積確定(体積確定部の支援を受けて)は、有利には、ある量のコーヒー粉末を乾燥加圧することによって、かつある量のコーヒー粉末のそのような乾燥加圧の間またはその後に、加圧要素の位置および/または進行路を確定することによって達成される。
【0017】
規定量のコーヒー粉末の質量確定は、有利には、ある量のコーヒー粉末を湿潤加圧することに基づいて、かつ同様に、この湿潤加圧の後またはその間に、加圧要素の位置および/または進行路を確定することに基づいて達成される。この位置および/またはこの進行路に基づいて、最初に、加圧されたある量のコーヒー粉末の湿潤加圧体積が、それによって確定され、この湿潤加圧体積から、一方の粉砕コーヒーの質量と、他方の粉砕コーヒーの湿潤加圧体積との間の所定の相関関係によって、粉砕質量が確定される。
【0018】
乾燥加圧の間および湿潤加圧の間のある量のコーヒー粉末の圧縮は、有利には、一定の加圧力で達成され、乾燥状態におけるある量のコーヒー粉末は、湿潤状態におけるよりも小さい加圧力で圧縮される。
【0019】
好ましくは、1つの同じ量の粉砕コーヒーを用いて、最初に、粉砕体積を確定するために、乾燥加圧処理が、本明細書によって実施され、次に(この量の粉砕コーヒーを湿らせた後に)、粉砕コーヒーの質量を確定するために、湿潤加圧処理が実施される。すでにこれらの2つの値から、密度値が確実に確定可能であり、この密度値を用いて、次いで、粒子サイズ分布および/または粉砕程度が、上述の相関を用いて計算可能である。
【0020】
しかし、複数の規定量のコーヒー粉末を用いて乾燥加圧および湿潤加圧を連続して個別に実施し、それにより、上述のように複数の個々の密度値を確定し、次いで、これらの密度値を平均することも、当然ながら可能である。対応する平均値から、次いで、粉砕程度または粒子サイズ分布が、前述の相関から計算されてよい。
【0021】
ある量のコーヒー粉末の粉砕体積および/または粉砕質量を確定するために、とりわけ(後で粉砕体積および粉砕質量が導かれうる)前述の位置および/または前述の進行路を確定するために、多数の可能なセンサ構成要素が、本発明の範囲内で使用されてよく、したがって、例えば、加圧要素を駆動する(駆動電動機の支援で駆動する)心棒の心棒軸回りの回転数が、求められる位置および/または求められる進行路をこの回転数から最終的に確定するために、検出されてよい。
【0022】
あるいは、ホール素子、光電式バリア、超音波式位置認識センサ、または容量式位置認識センサに基づく位置認識センサが、使用されてよい。そのようなセンサの構成要素または素子の構造は、当業者に知られている。
【0023】
本発明の範囲内で、ある量のコーヒー粉末を圧縮する間の加圧力(または加圧力進路)を確定することも可能であり(このことは、例えば、加圧要素を駆動する駆動電動機の電流消費を測定し、評価することによって実施されてよい)、この加圧力の確定は、例えば、規定量のコーヒー粉末が、所定の加圧力に達するまでだけ圧縮され、次いで、この加圧力に達すると、加圧が終了されて抽出室内のコーヒー粉末の充填高さ(filling level)が確定される(以下の実施形態を参照)ことによって、測定条件の再現性を確実にするように働く。
【0024】
最後に、本発明によるコーヒー機は、有利な一変形形態では、粉砕粉の粒子サイズ分布および/または粉砕程度に影響を及ぼすパラメータが変更されうる、調節および制御装置(adjustment and control device)を有する。例えば、本明細書によれば、粒子サイズ分布および/または粉砕程度は、最初に、前述のように規定量のコーヒー粉末に対して確定されてよく、次いで、その特定の値によって、粉砕器の2枚の粉砕円板の平均間隔が、間隔を変更された後の粒子サイズ分布および/または粉砕程度の新たな確定が、粉砕粉の所望の粒子サイズ分布および/または所望の粉砕程度を生み出すまで変更されてよい。
【0025】
本発明は、以下に、実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この実施形態による全自動コーヒー機の構造を示す図(概略図)である。
【図2】本発明によって使用される、ある量のコーヒー粉末の粉砕程度とこの量のコーヒー粉末の密度との間の相関の一例を示すグラフである。
【図3】物理変数間の相関を確定するための2枚の表である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
単に断面図として図1に表される全自動コーヒー機は、2枚の個々の粉砕円板を有する粉砕器1を有する。粉砕器1で挽かれた粉砕コーヒーは、供給部1aを通過して抽出円筒7の内部に入る。この抽出円筒7の中に、抽出ピストン8が、移動可能に配置される。抽出円筒7、および前記円筒の内部に円筒軸の方向に移動可能に配置された抽出ピストン8は、共に、全自動コーヒー機の抽出装置の抽出器2を形成する。
【0028】
抽出ピストン8の端面8a(ここでは抽出ピストン8の端面は底に位置する)と、この端面8aに対向して位置する抽出円筒7の端面7aとの間に、全自動コーヒー機の抽出装置の抽出室3が構成される。
【0029】
図が示すように、抽出ピストン8が可能な限り遠く引き出された(すなわち、例示される場合では可能な限り上方に押し戻された)状態に配置される場合、供給部1aと抽出室3との間に接続が形成され、それによって、粉砕コーヒーの粉砕物は、抽出室3内に移送されうる。次いで、例示された(抽出ピストン8が下方に移動させられた)状態では、この接続は(図示されない閉止要素によって)閉じられ、それにより、例示される状態では、粉砕コーヒーは、もはや、抽出室3内に供給されえない。
【0030】
底に位置するシリンダカバーの端面7a、または対応する抽出円筒の端部は、本明細書の場合では、抽出ピストン8の底に位置する抽出ピストンの端部8aに平行に配置された、平らなろ過器として構成され、水だけが(このろ過器の上方の抽出室3内に配置されたコーヒー粉末を通って流れた後に)ろ過器を通過することができる。
【0031】
抽出ピストン8を抽出円筒7の円筒軸に沿って下方に変位させることによって(互いに面する端面7aと端面8aとの間の間隔が縮小され)、抽出室3内に配置されたある量のコーヒー粉末Kが圧縮される。抽出ピストン8の中心に水の出口開口17が配置され、出口開口17に対して、コーヒー粉末Kを通して流れるように供給される温水が、抽出円筒7の円筒軸に沿って配置され、端面8aから離れて上方に通じる管路13を介して供給されてよい。この水供給は、圧縮された抽出室内のある量のコーヒー粉末Kが、十分な高圧下にある場合に発生し、それにより、温水は、圧縮されたある量のコーヒー粉末Kを通して加圧され、次に、ろ過器7aを介してろ過器7aの下方に配置された出口室11内に入り、底に接続された(図示されない弁を有する)出口12を介して送り出されてよい。
【0032】
全自動コーヒー機の前述の構成要素を用いて、ある量のコーヒー粉末Kの粒子サイズ分布の計算が、本発明によって、以下のような2段階で達成される(しかし、異なる段階順序または部分的な段階順序もまた、本発明の範囲内で生み出されてよい)。
【0033】
ステップ1:体積の確定
最初に、抽出装置の抽出室3内の所定の量のコーヒー粉末Kの粉砕体積Vの確定は、量Kに対応するある量のコーヒー豆が粉砕器1によって挽かれ、挽かれた産物が接続部1aを介して抽出室3に供給されることによって達成される。次いで、抽出ピストン8が、ある量のコーヒー粉末Kに対して、所定の一定の、第1の加圧力(乾燥加圧力)で加圧される。乾燥状態のコーヒー粉末Kを圧縮するために必要なこの第1の加圧力は、例えば、本明細書に示されないバネ要素の支援を受けて達成されてよい。それにより、加圧は、第1の加圧力に達した後に終了され、すなわち、抽出ピストン8は、達した位置で「凍結」され、すなわち、この位置で保持され、以下に説明されるように、圧縮された体積Vが確定される。
【0034】
次に、押し型(stamp)すなわち抽出ピストンの端部8aの支援を受けて生み出される、ある量のコーヒー粉末Kの圧縮された体積V(または抽出室3の残存空間)が、以下のように確定される、すなわち、抽出円筒7が、上部円筒カバー面の内部の内壁上に、天井に据えられた(すなわち、抽出室3の外側で抽出ピストン8の上方に)超音波センサ要素を有し、超音波センサ要素は、本明細書では参照番号4b、5bを与えられる。この超音波センサ要素の支援を受けて、抽出円筒7の内部の加圧要素または抽出ピストン8の瞬時の位置が、当業者に知られている方式で定められてよい。この位置を参照することによって、規定の方式で圧縮された、抽出室3内のコーヒー粉末の充填高さhが確定されてよく、その充填高さから(半径rの円筒形抽出室を与えられて)、抽出室3内の残存体積すなわち乾燥加圧されたコーヒー粉末Kの粉砕体積Vが、V=h・r・πによって確定されてよい。このために、超音波センサ要素4b、5bの対応する位置測定値が、測定データ線14を介してマイクロコントローラ10に伝達される。マイクロコントローラ10では、部分4a(本明細書では、対応する評価プログラムがロードされている、マイクロコントローラ10のメモリ部)が配置され、マイクロコントローラ10は、前述の測定値から、求められる粉砕体積Vを計算する。
【0035】
それゆえ、この場合では、本発明による体積確定部4は、超音波センサ要素4b、5bと、測定データ線14と、マイクロコントローラ10の部分4aとを備え、求められる粉砕体積Vの確定は、抽出器の位置または抽出器の進行路に基づいて、粉砕コーヒーの固形物(cake)の高さの評価を介して行われる。上述の、一定の第1の加圧力(乾燥加圧力)は、例えば100Nである。
【0036】
実施形態では、評価されるべきある量のコーヒー粉末Kを受けるために使用される収集室は、それゆえ、抽出室3に一致する。しかし、同様に、抽出室3に代わるもの(本明細書に図示されない)として、ある量のコーヒー粉末が、粉砕体積Vに関して(また粉砕質量Mに関して、以下を参照)対応する方式で評価されてよい個別の収集室が、使用されてよい。
【0037】
しかし、例示される実施形態に対する代替実施形態として、抽出器の位置または抽出室3の体積が、心棒の回転、またはこの心棒を駆動する電動機の回転を確定することによって、同様に確定されてよい(この場合は、抽出ピストン8は心棒として設計され、抽出ピストン8は、それゆえ、ねじ運動によって抽出円筒7の中で上下に動かされる)。このために、心棒に取り付けられた磁石の支援を受けて、電動機の回転数を確定するホールセンサが使用されてよい。
【0038】
他の代替実施形態では、抽出器内のある量のコーヒー粉末Kの粉砕体積Vが、同様に、光電式バリアまたは容量式センサによって直接測定されてよい。また、そのようなセンサは、当業者に知られている。
【0039】
本発明による体積確定のためのステップでは、抽出室の体積または抽出室内の粉砕体積(例えばcmにおいて)が、それゆえ、抽出器の位置から確定される。粉砕コーヒーの、求められる粉砕程度または求められる粒子サイズ分布は、この体積に影響を与える。
【0040】
ステップ2:粉砕質量mの確定
管路13によって、温水(さらには冷水)が、次に、抽出ピストン8の中心に配置された出口17を介して抽出室3内の(すでに圧縮された)粉砕コーヒーKに供給される。このことによって、粉砕コーヒーの粒子が膨脹し、それにより、これらの膨脹した粒子が十分に大きい力で圧縮される場合、ある量の粉砕コーヒーの求められる質量は、元の(乾燥した)粒子サイズ分布に関わりなく、圧縮された体積に(または抽出室内の充填高さに)比例する。水が供給された後、すでに圧縮された、湿った粉砕コーヒーは、それゆえ、ステップ1で選択された加圧力より少なくとも5の倍数、好ましくは少なくとも10の倍数だけ大きい、所定の第2の一定の加圧力によってさらに圧縮される。また、この第2の加圧力は、抽出ピストン8のバネユニット(図示されない)の支援を受けて生み出され、第2の加圧力は、それゆえ、ステップ1で選択された(乾燥)加圧力より十分に大きい。例えば、1000Nの値が、第2の(湿った)加圧力のために使用される。次いで、求められる質量mに対して、(h=湿潤状態で確定された充填高さを用いて)m〜V=h・r・πが適用される。好ましくは、湿潤加圧力対乾燥加圧力の比は、およそ10〜20である(コンパクトな再現性のよい乾燥体積を得るために、十分に大きな乾燥加圧力を与えられると理論的にみなされるこの比は、可能な限り大きくあるべきである)。
【0041】
上述のように、超音波センサユニット4b、5bの支援を受けて粉砕コーヒーKをさらに圧縮した後に、未だに残存する抽出室3の抽出室体積またはある量のコーヒー粉末Kの湿潤加圧体積が、再び確定される。このために、センサユニット4b、5bは、対応する測定値を測定データ線14を介して、マイクロコントローラ10の中に構成された他の部分5aに放出する(この他の部分5aはまた、本明細書では、マイクロコントローラ10のメモリ部として設計され、そのメモリ部は、適切な評価プログラムをロードされる)。
【0042】
それゆえ、この場合の質量確定ユニット5は、センサ4b、5bと、測定データ線14と、部分5aとを備える。それゆえ、実施形態は、体積確定部4および質量確定部5が、1つの同じ物理的構成要素によって形成される場合を生み出す。しかし、異なる構成要素が、体積確定部4および質量確定部5を形成するように使用されてもよい。
【0043】
次に、抽出室3の中で圧縮されたコーヒー粉末Kの、求められる粉砕質量mが、確定された湿潤加圧された体積(第2の抽出室体積)から以下のように計算され、マイクロコントローラ10の一部として設計された、計算部6の記憶部の中に、所定の表(例えば、参照表)Aが記憶される。この表Aは、一方の粉砕コーヒー粉末の質量と、他方の、そのように挽かれたコーヒー粉末の湿潤体積との間の相関を記載する。センサ4b、5bの対応する湿潤測定値を測定データ線14を介して供給した後に、部分5aおよび計算部6は、それゆえ、検出された湿潤体積から表Aに基づいて、求められる粉砕質量mを計算することができる(例えば、gにおける質量計算)。
【0044】
所定の表Aを作成するために、知られている質量の粉砕コーヒーが、試験容器(本明細書では、抽出室3)内に導入され、水を付加して、一定の力(本明細書で前述したように、1000N)が加圧要素(抽出ピストン8)によって加えられる。力が作用している間(または抽出室内の体積のさらなる縮小がもはや達成されない場合、それゆえ、圧縮された粉砕コーヒーが、あまりに大きな抵抗を抽出ピストンに与えて、抽出ピストンが停止する場合)、高さhが、前述のように確定される。次いで、この高さから、抽出室内の知られている質量の、関連する体積Vが、前述のようにV=h・r・πによって生み出される。
【0045】
この処理は、常に同じ力(例えば1000N)および可変の粉砕コーヒーの質量によって、繰り返される。その結果から、次に、線形方程式が、(当業者に知られている数学的フィット法(mathematical fit method)によって)得られ、その方程式の支援を受けて、求められる質量mが、加圧の間に確定されたhの値(または関連する体積V)から計算部6において確定されうる。
【0046】
図3aは、そのような計算表Aの一例を示す。
2つの値、粉砕体積Vおよび粉砕質量mが確定され、または計算された後、次いで、求められる粉砕程度または求められる粒子サイズ分布の確定が、以下のように達成される、すなわち、比m/Vが形成される、すなわち、ある量のコーヒー粉末Kの密度(例えばg/cm)が計算される。計算ユニット6のメモリ部には、一方が粉砕コーヒーの粒子サイズ分布および/または粉砕程度、他方が粉砕コーヒーの密度である(例えば同様に表または参照表の形態などの)相関Zが記憶される。
【0047】
図2は、ある量のコーヒー粉末Kの(粉砕程度の形の)粒子サイズ分布と、ある量のコーヒー粉末の関連する密度との間の、表に記憶された、そのような相関Zの一例を示す。
コーヒー機のソフトウェアでは、それゆえ、例えば経験から導かれた式に基づいて参照表Zが記憶されてよく、その表を用いて、粒子サイズ分布が、確定された密度値のそれぞれに割り当てられてよい。
【0048】
それゆえ、計算ユニット6は、この表Zから形成された密度値m/Vに基づいて、求められる粒子サイズ分布または求められる粉砕程度を計算する。
相関Zを確定するために、知られている質量および知られている粒子サイズ分布の(または知られている粉砕程度もしくはx63.2値を有する)粉砕コーヒーが、試験容器(抽出室3)の中に導入され、例えば本明細書では100Nの一定の力が、加圧要素(抽出ピストン8)を介して加えられる。前述のように、本明細書によって、水は加えられない(乾燥加圧)。力が作用する間(または圧縮された乾燥した粉砕コーヒーが、あまりに大きい抵抗を加圧要素に与えて、加圧要素がもはや動かない場合)、高さhが、上述のように確定される。体積Vが、高さhからV=h・r・πによって計算される。粉砕コーヒーの質量は知られているので、比m/Vおよびそれゆえ関連する密度が形成されてよい。
【0049】
この処理は、常に同じ力(100N)および粉砕質量を用いて、かつ可変の粒子サイズ分布(またはx63.2値)を用いて繰り返される。それにより、粒子サイズ分布(またはx63.2値)の段階が小さいほど、より正確に、計算が、後で達成されうる。次に、その結果から、方程式が、例えば多項式フィット法(polynomial-based fit method)(図2参照)の支援を受けて生成されてよく、その方程式の支援を受けて、求められる関連する粒子サイズ分布(またはx63.2値)が、比m/Vから、計算部6の中で確定されてよい。図2は、対応する相関Zを示し、図3bは、一例として、関連する測定値を示す。
【0050】
可能性のある結果の分散を最小にするために、密度の確定が、前述のように本発明によって数回繰り返されてよく、次いで、平均が、このようにして確定された密度値から形成されてよく、求められる粒子サイズ分布を計算するために使用されてよい。
【0051】
本実施形態の全自動コーヒー機は、前述の要素に加えて、(図示されないサーボモータをさらに備える)調節および制御装置9を有する。調節および制御装置9は、データ交換のために計算ユニット6に接続される(図示されない)。前述のように確定された粒子サイズ分布に基づいて、ユニット9は、粉砕器1の2枚の粉砕円板の間隔の適合を可能にする。それゆえ、確定された粒子サイズ分布が望ましくない値を示す場合、全自動コーヒー機の粉砕器1は、この値に基づいて再調節されてよい。前述のように、粒子サイズ分布の新たな確定、および場合によりユニット9による新たな制御によって、粉砕程度または粒子サイズ分布に関する全自動コーヒー機の所望の調節が、徐々にかつ自動的に企てられてよい。
【0052】
本実施形態の全自動コーヒー機は、底に位置し、すなわち抽出室3の方を向く、抽出ピストン8の面8a上に、圧力センサ15をさらに有し、圧力センサ15の測定値が、データ線16によってマイクロコントローラ10に伝送されうる。このセンサ15は、瞬間的な加圧力(例えば、前述のような乾燥加圧力または湿潤加圧力)の確定のために、それゆえ、所定の力に達した後で加圧のスイッチを切るために、または再現性のよい測定条件を確実にするために働く。しかし、本実施形態に対する代替実施形態として、抽出器の加圧力はまた、ある量のコーヒー粉末Kに対して抽出ピストン8を押しつけるために使用される、抽出器の電動機の電流消費を評価することによって、確定されてよい。例えば圧電センサが、センサ15として使用されてよく、また、他の直接力測定方法も可能性がある。
【0053】
粒子サイズ分布を確定するための、前述の知られている可能性に比べて、本発明は、一連の本質的な利点を有する。
連続する処理(上述の2つのステップ)において、乾燥加圧および湿潤加圧の両方が、1つの同じ粉砕コーヒーを用いて、少ない必要時間で実施されうるので、本発明によって、粉砕コーヒーおよび時間の節約が、こうして、結果的にもたらされる。
【0054】
また、前述の測定処理は、コーヒーを抽出している間に実施されてよく、それにより、たとえ抽出中であっても、粉砕程度を検査する可能性および場合により調節を実行する可能性が存在する。
【0055】
前述の調節および制御装置によって、エスプレッソ機または全自動コーヒー機は、所望の粉砕程度に自動的に調節されてよく、または変更の機会(例えば、異なる種類の豆を使用するとき、および/または粉砕円板が摩耗したとき)に自動的に調節されてよい。
【0056】
粒子サイズ分布は、速やかに、簡単にかつ追加の支援なしに確定され、適合されうる。
粒子サイズ分布と共に、製粉特性、すなわち、g/単位時間における粉砕粉出力に対する粉砕程度の従属関係が、一処理の中で確定されてよく、粉砕程度および質量が、上述のように確定され、粉砕粉出力が、簡単な時間測定によって得られる。
【0057】
このようにして確定される製粉特性は、例えば、gにおける使用されたコーヒーの量を指示し、調節するために使用されてよい。
エスプレッソ機または全自動コーヒー機の(例えば、粉砕円板の許容誤差に基づく)試料の分散は、今や、対処が容易であり、骨の折れる粉砕粉の処理に適用されうる。
【0058】
周期的な自動試験によって、粒子サイズ分布に関する機械または製粉機の慣らし運転挙動および/または摩耗挙動が、検出および補正可能である。また、測定量(単位時間当たりに挽かれた粉砕コーヒーの量)における増加または減少が自動的に検出可能であり、ソフトウェアを介して、より短いかまたはより長い粉砕継続期間によって、例えば、規定の時間間隔内に挽かれる粉砕コーヒーの量を少なくして、対応する粉砕の時間間隔の長さを増加させることによって、補正可能である。
【0059】
確定された粒子サイズ分布によって、抽出時間に対する予測(prognosis)が生み出されてよく、また、(例えば、湿潤加圧の種類に関して)事前処理方法が提案されてよく、確定された粉砕程度またはx63.2値が小さいほど、より正確に抽出時間が調節されうる。
【0060】
調節の限界が確定されてよく、これらの限界を超えたことが、指示されてよい。したがって、機械内の機械的入力が省略されてよく、粉砕コーヒーの手動による計量も同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕器(1)と、抽出器(2)および抽出室(3)を備える抽出装置とを有するエスプレッソ機または全自動コーヒー機であって、
前記粉砕器によって挽かれた規定量のコーヒー粉末(K)の粉砕体積(V)を確定するように設計された体積確定部(4)と、
この量のコーヒー粉末(K)の粉砕質量(m)を確定するように設計された質量確定部(5)と、
好ましくは計算部自体の中に記憶される、一方の粉砕コーヒーの粒子サイズ分布および/または粉砕程度と、他方の前記粉砕コーヒーの前記質量および前記体積、またはこれらの2つの変数から導かれる変数、とりわけ密度との間の所定の相関(Z)に基づいて、前記確定された粉砕体積(V)および前記確定された粉砕質量(m)から、この量のコーヒー粉末(K)の前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度が計算されてよい、計算部(6)とを特徴とする、エスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項2】
前記体積確定部(4)および/または前記質量確定部(5)が、前記抽出室(3)内に存在するある量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕体積(V)および/または前記粉砕質量(m)を確定するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項3】
前記規定量の粉砕コーヒー粉末(K)を受けるように設計された収集室、およびこの量のコーヒー粉末(K)を前記収集室内で圧縮するように設計された加圧要素であって、
好ましくは前記抽出器(2)が、抽出円筒(7)と、加圧要素としてこの抽出円筒内で変位可能な抽出ピストン(8)とを有し、好ましくは前記収集室が、1つの抽出ピストン端部(8a)とこの抽出ピストンの端部に対向して位置する抽出円筒端部(7a)との間の前記抽出円筒内に構成された前記抽出室(3)である、収集室および加圧要素を特徴とする、請求項1または2に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項4】
前記体積確定部(4)が、前記ある量のコーヒー粉末(K)を加圧した後、とりわけ乾燥加圧した後の前記加圧要素の位置、および/またはそのように圧縮している間の前記加圧要素の進行路を確定するように、かつこの位置および/またはこの進行路に基づいて前記ある量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕体積(V)を確定するように設計され、
かつ/または
前記質量確定部(5)が、前記ある量のコーヒー粉末(K)を加圧した後、とりわけ湿潤加圧した後の前記加圧要素の位置、および/またはそのように加圧している間の前記加圧要素の進行路を確定するように、かつこの位置および/またはこの進行路に基づいて前記ある量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕質量(m)を確定するように設計され、好ましくは前記ある量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕質量(m)が、最初に前記ある量のコーヒー粉末(K)を湿潤加圧した後の前記加圧要素の前記位置によって確定可能であり、かつ/またはそのように湿潤加圧している間の前記加圧要素の前記進行路が確定され、その結果、この位置および/またはこの進行路からこの量のコーヒー粉末(K)の前記湿潤加圧された体積が確定され、最終的に、前記確定された湿潤加圧体積から、好ましくは前記計算部(6)に記憶される、一方の前記粉砕コーヒーの質量と他方の前記粉砕コーヒーの前記湿潤体積との間の所定の相関(A)によって、この量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕質量(m)が計算されることを特徴とする、請求項3に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項5】
前記収集室内の前記ある量のコーヒー粉末(K)の圧縮が、所定の加圧力の進路によって、とりわけ少なくとも1つの一定の所定の加圧力によって達成されてよく、
かつ/または
前記抽出装置が、その装置によって、前記ある量のコーヒー粉末(K)が、任意選択で乾燥状態または湿潤状態において圧縮されてよいように設計され、
好ましくは前記ある量のコーヒー粉末(K)が、前記加圧要素によって、前記乾燥状態において所定の一定の、第1の加圧力で圧縮可能であり、かつ/または前記ある量のコーヒー粉末(K)が、前記加圧要素によって、前記湿潤状態において所定の一定の、第2の加圧力で圧縮可能であり、特に好ましくは、前記第2の加圧力が、前記第1の加圧力より少なくとも5の倍数だけ、とりわけ好ましくは少なくとも10の倍数だけ、とりわけ好ましくは少なくとも20の倍数だけ大きいことを特徴とする、請求項3または4に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項6】
駆動電動機によって動かされてよく、前記加圧要素を駆動し、その心棒軸回りの心棒の回転数が検出されうる心棒、ホール素子ベースの位置認識センサ、光電式バリア、超音波ベースの位置認識センサ、および/または前記ある量のコーヒー粉末(K)を加圧した後の前記加圧要素の前記位置および/または前記ある量のコーヒー粉末(K)を加圧している間の前記加圧要素の前記進行路が確定されうる容量式位置認識センサを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項7】
前記加圧要素の前記加圧力および/または前記加圧力の進路が確認されて(established)よく、このことが、好ましくは前記加圧要素を駆動する駆動電動機の電流消費を測定し評価することによって遂行可能であり、かつ/または前記加圧要素による加圧が所定の加圧力に達すると、前記達した状態で凍結されてよいことを特徴とする、請求項3から6のいずれか1項に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項8】
前記体積確定部(4)、前記質量確定部(5)および前記計算部(6)によって、1つの同じ粉砕量のコーヒー粉末の粉砕体積、粉砕質量、およびそれらの体積および質量からの密度が数回計算されてよく、かつ/または異なる量の粉砕コーヒーの、粉砕体積、粉砕質量、およびそれらの体積および質量からの密度が計算されてよく、密度の平均が、これらの密度値から計算されてよく、この/これらの量のコーヒー粉末の前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度が、この密度平均から、前記所定の相関(Z)によって計算されてよいことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項9】
調節および制御装置(9)が、好ましくは、規定量のコーヒー粉末(K)に対して確定された粒子サイズ分布および/または粉砕程度を参照して、前記粉砕器によって挽かれるべき量のコーヒー粉末の前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度に影響を与える前記粉砕器(1)のパラメータ、とりわけ前記粉砕器の2枚の粉砕円板の前記平均間隔、を変更するためのサーボモータを備え、
かつ/または
前記体積確定部(4)、前記質量確定部(5)および/または前記計算部(6)が、前記エスプレッソ機または前記全自動コーヒー機の少なくとも1つ、好ましくは複数の共通構成要素を有し、かつ/または共通構成要素組立体(4、5、6)として設計されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機。
【請求項10】
粉砕器(1)と、抽出器(2)および抽出室(3)を備える抽出装置とを有するエスプレッソ機または全自動コーヒー機内にある量のコーヒー粉末の前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度を確定する方法であって、
前記粉砕器によって挽かれた規定量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕体積(V)が確定され、
この量のコーヒー粉末(K)の前記粉砕質量(m)が確定され、
一方の粉砕コーヒーの前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度と、他方の前記挽かれたコーヒーの前記質量および前記体積、またはこれらの2つの変数から導かれる変数、とりわけ前記密度との間の所定の相関(Z)に基づいて、前記確定された粉砕体積(V)および前記確定された粉砕質量(m)から、この量のコーヒー粉末(K)の前記粒子サイズ分布および/または前記粉砕程度が計算されることを特徴とする、好ましくは請求項1から9のいずれか1項に記載のエスプレッソ機または全自動コーヒー機によって実施される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−507209(P2013−507209A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533526(P2012−533526)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006273
【国際公開番号】WO2011/045055
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(502241800)ヴェーエムエフ ヴュルテンベルギッシェ メタルヴァーレンファブリーク アクチエンゲゼルシャフト (18)
【氏名又は名称原語表記】WMF Wuerttembergische Metallwarenfabrik AG
【住所又は居所原語表記】Eberhardstrasse, 73309 Geislingen/Steige, Die Bundesrepublik Deutschland
【Fターム(参考)】