説明

粉砕袋ならびに使用および製造の方法

ピル粉砕用パウチは、開口した上部と開口した底部とを有する可撓性のあるシート材料であって、開口した底部は開口した上部よりも寸法的に小さく、漏斗のような内部パウチ空隙を形成する、可撓性のあるシート材料と、パウチの底部の近くにあり、使用者がパウチを展開するまで、使用者がパウチを容易に折り、粉砕されたピル製品が開口した底部を通して分注されることを防止する一時的なシールを形成することを可能にする折目と、で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2009年10月13日に出願された米国仮特許出願第61/251,084号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、全般的に、患者管理デバイスに関し、特に、ピル粉砕デバイスのためのパウチに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの薬剤は、ピルまたはタブレットの形態(以下、総称的にピルと呼ぶ)で製造されるが、それは、この乾燥形態において保管寿命および安定性が向上することを含む種々の理由のためである。ピルは、種々のサイズおよび形状で販売されており、乾燥粉末の硬い圧密体であることが多い。
【0004】
貯蔵および製造に便利であっても、患者が常に硬いピルを摂取できるとは限らない。これは高齢の患者が飲み込みに困難をきたすおそれのある養護施設などのいくつかの施設環境において特にあてはまる。これらおよび他の場合において、医師および薬剤師は、患者にピルを全体で摂取させようとするのではなく、粉砕することを薦める。粉砕された製品は、アップルソース、果汁または他の摂取可能な、より患者の口に合うものなどのキャリアと容易に混合することができる乾燥粉末である。したがって、種々のピルクラッシュ考案は当該技術分野において公知である。
【0005】
米国特許第5,915,637号、米国特許第7,347,394号および米国特許第7,051,963号に記載されているピルクラッシュデバイスを含む多くのピルクラッシュデバイスがあり、ピルを粉砕するための力を付与するための簡便な機械的動作を提供する。‘637、‘394および‘963特許に記載されているものなどのピル粉砕パウチもある。
【0006】
使用が簡単かつ迅速で製造が安価であるとともに、患者が処方された薬剤の完全な投与を受けることを保証する方策を提供する簡便なパウチに対する要求は依然としてある。
【発明の概要】
【0007】
それ自体平らに折り畳まれ、十分に密着した壁と壁の接触を有する閉じた内部を提供し、その間におけるピルの粉砕を容易にする、可撓性のあるシート材料を含むピル粉砕用パウチが開示され、その内部壁は長手方向の縁に沿って密閉され、前パネルと後パネルとを有するパウチを形成する。パウチは、上部および底部部分において開口し、その中の粉砕されたピル材料のいかなる蓄積物も平易に解放し、前記開口したパウチの投与内部(dose interior)から粉砕されたピル材料の分注を容易にすることを可能にする。一実施形態において、ピル粉砕用パウチは透明な材料で作製される。さらなる実施形態において、ピル粉砕用パウチは主としてポリエチレンからなる。
【0008】
以下の本発明の詳細な実施形態の説明は、同様の構造が同様の参照符号を用いて示される以下の図面とともに読むと最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1Aは、本発明により構成されるピル粉砕用パウチの正面斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのピル粉砕用パウチの正面斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図2B】図2Bは、図1のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図3A】図3Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図4A】図4Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図4C】図4Cは、ミシン目が入れられた分注部が配備された後の、図4Aおよび図4Bのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図4D】図4Dは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図5A】図5Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図6A】図6Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図7A】図7Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図7B】図7Bは、図6Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図7C】図7Cは、図6Aおよび6Bのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図7D】図7Dは、図6A,6B,および6Cのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図8A】図8Aは、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【図8B】図8Bは、図8Aのピル粉砕用パウチの正面図である。
【図9】図9は、本発明により構成される別のピル粉砕用パウチの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで本発明は、本発明の特定の実施形態を度々参照して説明される。本発明は、しかしながら、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に述べられる実施形態を限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全に、当業者に発明の範囲が十分伝わるように提供される。
【0011】
特に定義しない限り、本明細書において用いられる技術用語および科学用語はすべて本発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中で、本発明の記述に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記述するためであり、本発明を限定することは意図しない。本発明の明細書および添付の特許請求の範囲に使用される、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他を指示しないかぎり、複数形も含むことを意図する。本明細書中に言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の引用文献は、全体として参照することにより本明細書に組み込むものとする。
【0012】
特に示さない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される、成分量、重量分率などの特性、反応条件等を表すすべての数値は、すべての例において、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。したがって、特に示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に記載された数値特性は、本発明の実施形態により得ることが求められる所望の特性によって変化し得る近似値である。本発明の広範囲で示す数値的範囲およびパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値もそれらの各測定値において見られる誤差から必然的に生じる特定の誤差を本来包含する。
【0013】
ピル粉砕および分注のための袋またはパウチが開示される。袋は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Buckleyの米国特許第7,051,963号(「‘963特許」)に記載されるようなプラテンとアンビル型のピル粉砕器間に受容されるような寸法にされてもよく、または他の種類の粉砕デバイスとともに使用されるような任意の簡便なサイズのものであってもよい。本明細書中に記載される本発明のパウチは、先行技術と比較して、操作者にとってより簡便であることとともに、分注後、パウチ内に捕集されたままの、残りの粉砕された製品の量を最小化する、粉砕されたピル製品を分注する方法を提供する。
【0014】
ここで図を参照すると、図1(a)は、本発明によるピル粉砕パウチの図を示す。パウチ100は、前面101と、左縁102と、右縁103と、上部前縁104と、上部後縁105と、内部空隙106と、分注端107と、折線108と含む。図1(b)は、パウチ100が折線108において折り畳まれた、図1(a)のパウチ100を示す。図2(a)は、パウチ100の正面図を示し、図2(b)は、パウチ100が折線108において折り畳まれたパウチ100の正面図を示す。図1、図2および後続の図において、線A−Aは折線を示すことに留意されたい。
【0015】
動作時、パウチ100は、パウチ100が全体として図1(b)および2(b)に類似して見えるように、折線108において折ることにより使用に備えられる。折り目は、操作者が製品を分注する準備ができるまで、粉砕されたピル製品がパウチ100から落下することを防止する一時的なシールまたは隔壁をパウチ100の底部の近くに生成する役割を果たす。ピルが粉砕される間、折り目は、操作者が、例えばパウチ100を親指および人差し指で折線のわずかに上の箇所で保持することにより、したがって、パウチの折り畳まれた部分を共につまむことにより、確保されてもよい。任意選択で、操作者は、ペーパークリップまたはテープ片もしくは他の簡便な手段などの、折り目を確保するための別の手段を使用してもよい。操作者は、ピルを水平にまたはほぼ水平に粉砕してもよく、それは、部分的にパウチ100の製造に使用される材料の種類によっては、折り目を保持する必要をなくしてもよい。
【0016】
この時点で、ピルまたは複数のピルが、パウチ100の内部、内部空隙106内にあるように、1つ以上のピルがパウチ100内に配置される。ピルまたは複数のピルを含むパウチ100は、次いで、‘963特許に記載されたデバイスなどのピル粉砕デバイス内に完全にまたは部分的に挿入されうるか、またはピルは、ハンマーまたは他の鈍器を用いた粉砕を含む、任意の利用可能な手段によって粉砕されうる。所望の量の粉砕が達成された後、操作者は、折り目が依然完全な状態のままで、粉砕デバイスからパウチ100を除去することができ、製品はここで分注の準備ができている。操作者が、アップルソースのカップなどの受容容器内に製品を分注する準備ができると、操作者は、パウチ100を受容容器上に単に配置し、パウチ100が図1(a)および図2(a)に示されるものに類似して見えるように、折り目を除去する。パウチ100は、この形態において漏斗に類似するように見え、粉砕されたピル製品は容易に滑り下り、分注端107においてパウチ100を出る。任意選択で、受容容器上に依然配置されている間、パウチ100の壁に付着している可能性のある、あらゆる残りのピル製品を解放するために、指または鉛筆もしくは他の簡便なデバイスを用いて、パウチ100を軽くたたいてもよい。代替的に、パウチ100は、受容容器上の所定の位置にあるままで、またはより便利な位置に移動され、折線108において再度折り畳まれ、いずれの残りの粉砕された製品も解放するために、たたかれるかまたは揺り動されてもよい。この時点で、パウチ100は、受容容器上に再度配置され、残った製品を分注するために展開される。所望であれば、このプロセスは任意選択で繰り返されてもよい。
【0017】
任意選択で、折線108は、どこを折るかを使用者がすぐにわかるように、また折線108において簡単に折れるように、製造時に、プレス、熱の印加により、または他の手段により強化されてもよい。任意選択で、パウチ100がどこで折り畳まれるべきかを使用者に対して示すために、線で印をつけてもよい。
【0018】
ここで図3を参照すると、図3(a)および3(b)は、本発明による別のピル粉砕パウチを示す。パウチ200は、前面201と、左縁202と、右縁203と、上部前縁204と、内部空隙206と、分注端207と、折線208と、下部折り部209と、下部無効空隙210と、左外縁211と、右外縁212と、左無効空隙213と、右無効空隙214とを含む。図3(b)は、パウチ200が折線208において折り畳まれる、図3(a)のパウチ200を示す。
【0019】
パウチ200は、パウチ200の重要でない部分が、図1および図2のパウチ100内においては、切り落とされ、廃棄されるかまたは再利用されるのに対して残る以外は、上記されたパウチ100に類似する。特に、パウチ200の重要でない部分は、下部無効空隙210と、左無効空隙213と、右無効空隙214(ならびにまた、左外縁211および右外縁212)である。リサイクル製品としての材料の価値と比較した、重要でない部分を製造プロセス時に切り落とすためのコスト、ならびに1つのデザインが別のデザインよりも使用者に与える任意の可能な製品利点によって、デザインのタイプが製造者により選択される。パウチ100と比較した、パウチ200の使用者にとっての1つの可能な利点は、左外縁211と右外縁212が、使用者が使用時にパウチ200を保持し、可能な圧搾を行い、内部空隙206を開けるためのより簡便な手段を提供してもよいことである。
【0020】
パウチ200のタイプのデザインの別の利点が図4に示される。図4(a)は、前面301と、左縁302と、右縁303と、上部前縁305と、上部後縁305と、内部空隙306と、分注端307と、折線308と、下部折り部309と、下部無効空隙310と、左外縁311と、右外縁312と、左無効空隙313と、右無効空隙314とを含むパウチ300を示す。パウチ300の利点を示すために、左の折り畳まれた縁315および右の折り畳まれた縁316が示される。左の折り畳まれた縁315および右の折り畳まれた縁316は、それらが使用者により引っ張られると、下部無効空隙310から容易に切り離されるように、工場においてミシン目が入れられる。内部空隙306を形成するシールは残り、ミシン目はそのようなシールの外側に形成されることに留意されたい。
【0021】
図4(b)は、パウチ300が折線308において折り畳まれた図4(a)のパウチ300を示す。製造プロセス時、パウチ300は折線において折り畳まれ、左外縁311および右外縁312が密閉され、材料が接合または融着することとなり、左下部密閉外縁317および右下部密閉外縁318を作製する。この時点で、パウチ300は使用する準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ300の内部、内部空隙306内にあるように、1つ以上のピルがパウチ300内に配置される。ピルまたは複数のピルを含むパウチ300は、次いで、‘963特許に記載されたデバイスなどのピル粉砕デバイス内に完全にまたは部分的に挿入されうるか、またはピルは、ハンマーまたは他の鈍器を用いた粉砕を含む、任意の利用可能な手段によって粉砕されうる。所望の量の粉砕が達成された後、操作者は、パウチ300を粉砕デバイスから除去することができ、製品はここで分注の準備ができる。操作者がアップルソースのカップなどの受容容器内に製品を分注する準備ができると、操作者は、パウチ300を受容容器上に単に配置し、ミシン目と、左の折り畳まれた縁315と、右の折り畳まれた縁316の位置において、下部折り部309を下部無効空隙310から切り離す。図4(c)に示すように、下部折り部309はここで垂下し、粉砕された製品を分注端307を通して容易に分注することを可能にする。
【0022】
図4(d)は、左縁352と右縁353とが、パウチ350の上部縁の下のいくつかの箇所においてそれぞれ左外縁311と、右外縁312とに接触する、図4(a)から(c)に示されるデザインを緩和したものを示す。このデザインは、使用者に、パウチ300と比較した場合、開口がより容易なパウチ350を提供してもよい。
【0023】
上述のように、任意選択で、受容容器上に依然配置されている間、パウチ300の壁に付着している可能性のある、あらゆる残りのピル製品を解放するために、指または鉛筆もしくは他の簡便なデバイスを用いて、パウチ300を軽くたたいてもよい。代替的に、下部折り部309は、受容容器上の所定の位置にあるままで、またはより便利な位置に移動され、折線308において再度折り畳まれ、あらゆる残りの粉砕された製品を解放するために、たたかれるかまたは揺り動かされてもよい。
【0024】
ここで図5を参照すると、図5(a)および5(b)は、本発明による別のピル粉砕パウチを示す。パウチ400は、前面401と、左縁402と、右縁403と、上部前縁404と、内部空隙406と、分注端407と、折線408と、分注端シール415と、分注端のミシン目416と、パウチ固定部417とを含む。
【0025】
図5(a)に示されるパウチ400は、使用の準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ400の内部、内部空隙406内にあるように、1つ以上のピルがパウチ400内に配置される。ピルまたは複数のピルを含むパウチ400は、次いで、‘963特許に記載されたデバイスなどのピル粉砕デバイス内に完全にまたは部分的に挿入されうるか、またはピルは、ハンマーまたは他の鈍器を用いた粉砕を含む、任意の利用可能な手段によって粉砕されうる。所望の量の粉砕が達成された後、操作者は、粉砕デバイスからパウチ400を除去することができ、製品はここで分注の準備ができている。操作者がアップルソースのカップなどの受容容器内に製品を分注する準備ができると、操作者は、パウチ400を受容容器上に単に配置し、分注端のミシン目416においてパウチ400を裂き、パウチ400の分注端407を解放する。
【0026】
この時点で、パウチ400は図5(b)に示される形態をとる。図に示されるように、パウチ固定部417は、パウチ400に固定されたままであり、分注端シール415および分注端のミシン目416の一部を残す。分注端のミシン目416の相手部分が分注端407上にある。分注端407はここで垂下し、分注端407を通して粉砕された製品を容易に分注することを可能にする。製造時、分注端のミシン目416を作製するためにミシン目を入れる工程は、パウチ固定部417から分注端407が切り離された後、分注端407がいかなるようにも密閉されず、内部空隙406に対して完全に開口するように、ミシン目のみであり、シールではないことに留意されたい。
【0027】
ここで図6を参照すると、図6(a)および6(b)は、本発明による別のピル粉砕パウチを示す。パウチ500は、前面501と、左縁502と、右縁503と、上部前縁504と、内部空隙506と、分注端507と、折線508と、テープ片518と、任意選択の、テープの非粘着性の部分519とを含む。
【0028】
図6(a)に示されるパウチ500は、使用の準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ500の内部、内部空隙506内にあるように、1つ以上のピルがパウチ500内に配置される。ピルまたは複数のピルを含むパウチ500は、上述のように所望のように粉砕されうる。操作者が受容容器内に製品を分注する準備ができると、操作者は、パウチ500を受容容器上に単に配置し、テープ片518をパウチ500から轟かし、パウチ500の分注端507を解放する。示されるように任意のテープの非粘着性の部分519が用いられる場合、操作者は、分注端507からテープ片518を単に轟かし、パウチ500の分注端507を解放し、利便性のために使用者がテープ片518をパウチ500上に保持することを可能にする。
【0029】
この時点で、パウチ500は、図6(b)に示される形態をとる。図に示されるように、任意のテープの非粘着性の部分519が用いられる際、テープ片518はパウチ500に固定されたままである。分注端507はここで垂下し、分注端507を通して、粉砕された製品を容易に分注することを可能にする。任意のタイプのテープまたは他の平らなシール手段を使用することができるが、好ましくは、使用時に、使用者がテープ片518を容易に轟かすことができるように、「簡単に轟かす」タイプのテープが使用される。
【0030】
ここで図7を参照すると、図7(a)から7(d)は、本発明による別のピル粉砕パウチを示す。パウチ600は、前面601と、左縁602と、右縁603と、上部前縁604と、内部空隙606と、底部端620とを含む。
【0031】
図7(a)に示されるパウチ600は、使用の準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ600の内部、内部空隙606内にあるように、ピル621がパウチ内600に配置される。任意選択で、1つより多いピルが使用されてもよいことに留意されたい。ピル621を含むパウチ600が図6(b)に示され、先に記載されたように、所望のように粉砕されうる。図6(c)に示すように、粉砕後、ピルは621(p)として示される粉末である。操作者が受容容器内に製品を分注する準備ができると、使用者が粉砕されたピル621(p)をパウチ600から注ぎ出すように、操作者はパウチ600を受容容器の近くに単に配置し、パウチをゆっくりと上下逆にする。粉砕されたピル621(p)のすべてがパウチ600から分注されることを確実にするため、図7(d)に示すように、使用者は、底部端620を、指、鉛筆、ペンまたは他の適切なデバイスを用いて押し、パウチ600を部分的に裏返しにする。
【0032】
パウチ600の底部端620の形状に留意することが重要である。分注時に裏返しにされる場合、粉砕されたピル621(p)を保持するまたは捕集するための裂け目または他の特徴がなく、したがって、粉砕されたピル621(p)のすべてが分注されることを可能にするように、底部端620の形状は凸状である。任意選択で、受容容器上に依然配置されている間、パウチ600の壁に付着している可能性のあるあらゆる残りのピル製品を解放するために、指または鉛筆もしくは他の簡便なデバイスを用いてパウチ600を軽くたたいてもよい。
【0033】
ここで図8を参照すると、図8(a)および8(b)は、本発明による別のピル粉砕パウチを示す。パウチ700は、前面701と、左縁702と、右縁703と、上部前縁704と、内部空隙706と、分注端707と、折線708と、ピル保持用ミシン目714とを含む。
【0034】
図8(a)に示されるパウチ700は、使用の準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ700の内部、内部空隙706内にあり、ピル保持用ミシン目714上に配置されるように、1つ以上のピルがパウチ700内に配置される。この時点で、図8(a)のパウチ700は、以下を含む、いくつかの可能な使用のモードを有する。
【0035】
第1の可能なモードでは、パウチ700は、ピルまたは複数のピルの粉砕の前にパウチ700が折線708において折り畳まれ、かつ粉砕されたピルを分注端707から分注したいときに展開されうる、上記したパウチ100と類似の手法で使用されてもよい。
【0036】
第2の可能なモードでは、パウチ700は、受容容器が下に配置されてもよいように持ち上げられる粉砕デバイス内に配置されてもよい。このモードでは、分注端707を受容容器の上に配置したままで、パウチ700はピル粉砕器内に配置される。ピルまたは複数のピルが粉砕されると、より小さな粉砕粒子が、ピル保持用ミシン目714のミシン目間に、かつ好都合に受容容器内に落下する。
【0037】
第3の可能なモードでは、ピルが粉砕される間、パウチ700は実質的に水平に保持され、次いで、受容容器上で、垂直にされ、かつそこで維持され、粉砕された製品を分注端407を通して分注する。ピル保持用ミシン目714は、水平の場合、粉砕された製品の非常にゆるやかな流れに対して抵抗を付与するが、垂直の場合、粉砕された製品を分注することをなお可能にする。
【0038】
ピル保持用ミシン目714は、いかなるサイズ、形状および向きのものであってもよい。図8に示されるピル保持用ミシン目714は、それらが粉砕されたピル製品を捕集しないように角度が付けられている。任意選択で、ピル保持用ミシン目714により作製された開口部は、望ましい粉砕粒子のサイズのみが通り抜けることができるような大きさに作られ、したがって、所望の製品サイズのみを通過させるフィルターを作製する。
【0039】
ここで図9を参照すると、本発明による別のピル粉砕パウチが示される。パウチ800は、前面801と、左外縁802と、右外縁803と、上部前縁804と、底部縁805と、左内側縁806と、右内側縁807と、開口部808と、内部空隙809と、無効空隙810と、左内側コーナ811と、右内側コーナ812と、底部内側コーナ813とを含む。
【0040】
パウチ800の重要なデザインの特徴の1つは、粉砕されたピル製品を捕捉しがちな内部表面がないことである。具体的には、左内側コーナ811、右内側コーナ812と、底部内側コーナ813は、それぞれ鋭利なコーナを除去した半径を有し、角度が付けられた特徴を結合して、粉砕された製品を開口部808に注ぎ込む。
【0041】
図9に示されるパウチ800は、使用の準備ができている。使用時に、ピルまたは複数のピルが、パウチ800の内部、内部空隙809内にあるように、1つ以上のピルが開口部808を通してパウチ800内に配置される。ピルまたは複数のピルを含むパウチ800は、上述のように所望のように粉砕されうる。操作者が受容容器内に製品を分注する準備ができると、使用者が粉砕された製品をパウチ800から注ぎ出すように、操作者は、パウチ800を受容容器の近くに単に配置し、パウチをゆっくりと上下逆にする。
【0042】
本発明のパウチは、種々の工業プロセスを通じて形成されうる。例えば、それらは、高密度または低密度ポリエチレンもしくは他の適切な材料などの可撓性のある材料の単一のシートから形成されてもよい。ポリエチレンなどのプラスチックを使用する場合、縁のシールおよびシート材料が融着されることが必要な他の箇所は、高分子工学の技術分野において周知のヒートシーラまたは超音波シーラを用いて局所的熱を印加することにより容易に完成されうる。ポリエチレンシートは、最終的に所望されるパウチのサイズに可能な限り正確にシートに切断され、次いで、2つのシートは、1つがもう一方の上部に配置され、2層のセットを形成する。代替的に、1つのシートが適切な寸法に切断され、それ自体の上に折り畳まれ、各層がほぼ同一のサイズであり、ほぼ最終的に所望されるパウチのサイズである、2層のセット、前および後層を形成する。
【0043】
この時点で、ヒートシールが必要な位置に適用される。ヒートシールが、特定の位置において前層と後層を共に封止するため、および全体的に図に示されるような封止線を形成するための材料の部分に適用される。例えば、図3(a)を参照すると、ヒートシールが、パウチ200に、左縁202、右縁203に沿って適用され、内部空隙206を形成するとともに、左外縁211および右外縁212に沿って、および内部空隙に開かれていることが必要な、分注端207の位置以外の底部縁に沿って適用される。代替的に、底部縁全体がヒートシールされてもよく、次いで、切断されるかまたはそうでなければシールされず、分注端207に開口部を提供する。ブランド名、製造場所および他の特徴がパウチ200上に刻印されるかまたは印刷されてもよい。
【0044】
図1に示されるものなどのデザインが所望であれば、シート材料は、熱または超音波シールを適用する前に、切り落とされて所定の大きさにされてもよい、またはパウチ100は、上のように(外縁に沿ったものなどの不必要なシールなく)製造され、次いで、シールが作製された後に切り落とされてもよい。
【0045】
好ましくは、シート材料は、厚さが500マイクロメーター未満、より好ましくは、厚さが200マイクロメーター未満である。
【0046】
代替的に、本発明のパウチは、多くのポリエチレンの製造により提供される連続的な円筒状の製品である、フラットチューブを使用することにより形成されてもよい。そのような製品は、500マイクロメーター以下を含む種々の厚さで提供される。
【0047】
所望のピルまたは複数のピルを粉砕するための力に耐えうるあらゆる材料が適切であるが、いくつかの薬剤では患者に完全な投与を行うことが要求されるため、本発明のパウチは、好ましくは半透明な材料およびより好ましくは透明な材料で作製される。さらに、United States Food and Drug Administration(FDA)などの規制機関により求められた場合、製造材料は、FDAが、材料を、人が摂取する製品に接触して使用されるのに適切であると決定したような、「FDAコンプライアンス」となることが必要とされうる。
【0048】
以下の材料は、FDAコンプライアンスにされてもよく、パウチの製造に適切であってもよい。高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWまたはUHMWPE)、高分子量ポリエチレン(VHMWまたはVHMWPE)、DuPontのTeflon(登録商標)製品などのフルオロポリマー、ポリエーテルイミドおよびポリメチルペンテン。他の材料が使用されてもよく、前述のリストは、本明細書中の本発明のための製造材料を制限するものと考えられるべきではない。例えば、紙製品または他のセルロースベースの材料が使用されてもよい。
【0049】
本発明は完全かつ明瞭な開示のため特定の好適な実施形態に関して記載されたが、添付の特許請求の範囲は、したがって、限定されるものではなく、当業者が想起することができ、かつ本明細書中に記載される基本的な教示内に完全に入るすべての変更物および代替構造物を具現化するものと解釈される。
【図1(A)】

【図1(B)】

【図2(A)】

【図2(B)】

【図3(A)】

【図3(B)】

【図4(A)】

【図4(B)】

【図4(c)】

【図4(d)】

【図5(A)】

【図5(B)】

【図6(A)】

【図6(B)】

【図7(A)】

【図7(B)】

【図7(C)】

【図7(D)】

【図8(A)】

【図8(B)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピル粉砕用パウチにおいて、それ自体平らに折り畳まれ、十分に密着した壁と壁の接触を有する閉じた内部を提供し、その間におけるピルの粉砕を容易にする、可撓性のあるシート材料を含み、前記壁と壁の接触を有する内部は、その長手方向の縁部に沿って密閉され、前パネルと後パネルとを有するパウチを形成し、前記パウチは、前記上部および底部部分において開口し、そこで粉砕されたピル材料のいかなる蓄積物も簡単に解放することを可能にし、前記開口したパウチの投与内部からの粉砕されたピル材料の前記分注を容易にすることを特徴とするピル粉砕用パウチ。
【請求項2】
請求項1に記載のピル粉砕用パウチにおいて、前記可撓性のあるシート材料は透明な材料のシートであることを特徴とするピル粉砕用パウチ。
【請求項3】
請求項1に記載のピル粉砕用パウチにおいて、前記可撓性のある材料のシートはポリエチレンからなることを特徴とするピル粉砕用パウチ。

【図9】
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【公表番号】特表2013−507252(P2013−507252A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534263(P2012−534263)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/052153
【国際公開番号】WO2011/046861
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(512093918)ファースト ウェイブ プロダクツ グループ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】