説明

粉粒体計量システム

【課題】粉粒体収容器に収容されずに飛散した粉粒体による不具合を防止することが可能な粉粒体計量システムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の粉粒体計量システム100によれば、計量瓶99と粉粒体供給装置90との間の粉粒体の落下経路を回収フード80で覆い、粉粒体供給装置90から粉粒体が供給されている最中に回収フード80内を吸引ポンプ85にて吸引する。これにより、粉粒体供給装置90から下方に排出された粉粒体の一部が、落下経路から逸れて回収フード80内に残留しても、その不要な粉粒体を回収フード80内から吸引除去することができる。これにより、電子天秤60やその周囲及び計量瓶99の外面に粉粒体が降りかかることを防ぎ、計量誤差や電子天秤60の故障を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定量ずつ粉粒体を量り取るための粉粒体計量システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉粒体計量システムとして、粉粒体供給装置から粉粒体を下方に落下させて、電子天秤に載置された粉粒体収容器に粉粒体を量り取るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−90756号公報([0009]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した従来の粉粒体計量システムでは、比重の軽い粉粒体や分散度の高い粉粒体を量り取る場合に、粉粒体供給装置と粉粒体収容器との間で粉粒体の一部が側方に飛散し、電子天秤やその周囲及び粉粒体収容器の外面に降りかかって汚れるという問題があった。粉粒体が電子天秤や粉粒体収容器の外面に降りかかると、計量誤差や故障の原因となり得た。また、毒劇物に分類される粉粒体が粉粒体収容器の外面に付着すると、取り扱いが困難となるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、粉粒体収容器に収容されずに飛散した粉粒体による不具合を防止することが可能な粉粒体計量システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る粉粒体計量システムは、所定量ずつの粉粒体を下方に排出可能な粉粒体供給装置と、粉粒体供給装置から排出された粉粒体を、上面開口から受け入れ可能な粉粒体収容器が載置されて、その粉粒体収容器に収容された粉粒体の重さを計測可能な計量器と、計量器に載置された状態の粉粒体収容器の側方を囲んだ容器包囲壁と、上面を覆った天板とを有し、天板が粉粒体収容器の上面に隣接配置された収容器ケースと、容器包囲壁に形成されて、粉粒体収容器を側方から水平移動して計量器に載置するための容器搬入口と、容器搬入口を開閉するための開閉部材と、天板のうち、粉粒体収容器の上面開口との対向位置に貫通形成されて、粉粒体供給装置から排出された粉粒体が通過する天板開口と、収容器ケースの天板上に設けられ、粉粒体供給装置のうち少なくとも粉粒体を排出する端部を収容し、その端部と天板開口との間の粉粒体落下経路を覆った回収フードと、回収フードに形成され、粉粒体落下経路から逸れた粉粒体を吸引するための吸引ポンプが接続される不要粉粒体吸引口とを備えたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給装置から粉粒体を排出中に、吸引ポンプによって回収フードの内側を吸引するところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体計量システムにおいて、回収フードには、吸引ポンプによる吸引に伴って外部からの空気を取り入れるための空気取入口が形成されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、開閉部材は、容器搬入口に対して側方から接離する方向に直動可能に設けられ、開閉部材にアーム挿通孔を設けると共に、アーム挿通孔に1対の可撓アームを挿通し、開閉部材の外側に配置した1対の可撓アームの基端部同士を固定して、開閉部材の内側に配置した1対の可撓アームの先端部同士の間に粉粒体収容器を配置可能とし、開閉部材の外側で1対の可撓アームを摘んで粉粒体収容器を挟持可能としたところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、収容器ケースの内側には、粉粒体収容器を粉粒体供給装置の真下に位置決めするための容器位置決め部材が備えられたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、収容器ケースの内側の静電気を除電するための除電装置が備えられたところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明に係る粉粒体計量システムは、粉粒体を受け入れ可能な上面開口を有した粉粒体収容器に対して上方に配置され、上面開口に向けて所定量ずつの粉粒体を排出可能な粉粒体供給装置と、粉粒体収容器の上面に隣接配置された天板と、天板のうち、粉粒体収容器の上面開口との対向位置に貫通形成されて、粉粒体供給装置から排出された粉粒体が通過する天板開口と、天板上に設けられ、粉粒体供給装置のうち少なくとも粉粒体を排出する端部を収容し、その端部と天板開口との間の粉粒体落下経路を覆った回収フードと、回収フードに形成され、粉粒体落下経路から逸れた粉粒体を吸引するための吸引ポンプが接続される不要粉粒体吸引口とを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体の排出に伴う粉粒体供給装置全体の重量の減少量を、粉粒体収容器に収容された粉粒体の重量として計測する計量器を備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給装置は、粉粒体を収容した円筒状の粉粒体供給容器と、粉粒体供給容器内の中心部に保持されて、粉粒体供給容器の内側面との間に環状空間を有すると共に、底壁に上方から対向配置された容器内天井壁と、粉粒体供給容器の底壁のうち容器内天井壁に覆われた部分の中心に貫通形成されて、粉粒体を下方に排出するための粉粒体排出孔と、粉粒体供給容器の底壁に設けられて、粉粒体排出孔の周囲を囲み、環状空間から容器内天井壁の下方に流下した粉粒体が、安息角を有した粉粒体山として堆積可能な粉粒体堆積面と、容器内天井壁と底壁との間に配置されて、粉粒体排出孔を中心にして回転駆動され、粉粒体山を崩しながら粉粒体を粉粒体排出孔へと案内する底面旋回部材とを備えたところに特徴を有する。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9に記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給容器の上端部に設けられた上端壁と、上端壁に回転可能に軸支されると共に、容器内天井壁を貫通し、下端部が底面旋回部材に固定され、回転駆動力を底面旋回部材に伝達するための回転駆動シャフトとを備えたところに特徴を有する。
【0015】
請求項11の発明は、請求項10に記載の粉粒体計量システムにおいて、回転駆動シャフトは、パイプ状の第1回転駆動シャフトと、その第1回転駆動シャフトの内側に挿通されて下端部から第1回転駆動シャフトより下方に突出した第2回転駆動シャフトとからなり、底面旋回部材は、第1回転駆動シャフトの下端部に一体回転可能に固定された第1底面旋回部材と、第1底面旋回部材の下方に配置されて、第2回転駆動シャフトの下端部に一体回転可能に固定された第2底面旋回部材とからなり、第1回転駆動シャフトと第2回転駆動シャフトとを別々に駆動可能することが可能な1対の駆動源を備えたところに特徴を有する。
【0016】
請求項12の発明は、請求項11に記載の粉粒体計量システムにおいて、第2底面旋回部材を、第1底面旋回部材より薄肉にしたところに特徴を有する。
【0017】
請求項13の発明は、請求項11又は12に記載の粉粒体計量システムにおいて、容器内天井壁を、第1回転駆動シャフトに一体回転可能に固定したところに特徴を有する。
【0018】
請求項14の発明は、請求項10に記載の粉粒体計量システムにおいて、容器内天井壁を、回転駆動シャフトに一体回転可能に固定したところに特徴を有する。
【0019】
請求項15の発明は、請求項13又は14に記載の粉粒体計量システムにおいて、容器内天井壁を、円板状とし、粉粒体供給容器に固定されて、容器内天井壁の上面に堆積した粉粒体を環状空間に案内する上面待ち受けガイドを備えたところに特徴を有する。
【0020】
請求項16の発明は、請求項14に記載の粉粒体計量システムにおいて、容器内天井壁を、下方に向かうに従って拡径した円錐形状としたところに特徴を有する。
【0021】
請求項17の発明は、請求項9乃至16の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体堆積面に突出又は陥没した状態に形成されて、粉粒体排出孔を中心にして渦巻き状に湾曲し、底面旋回部材に押されて粉粒体堆積面上を移動する粉粒体を粉粒体排出孔に案内する底面渦巻きガイドを備えたところに特徴を有する。
【0022】
請求項18の発明は、請求項17に記載の粉粒体計量システムにおいて、底面渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかであるところに特徴を有する。
【0023】
請求項19の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給装置は、粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、粉粒体供給容器内の中心部に保持されて、粉粒体供給容器の内側面との間に環状空間を有すると共に、底壁に上方から対向配置された容器内天井壁と、粉粒体供給容器の底壁のうち容器内天井壁に覆われた部分の中心から垂下され、内側に粉粒体供給容器と連通した粉粒体排出孔を有し、その粉粒体排出孔の下端部が閉塞壁にて閉塞された粉粒体排出筒と、粉粒体排出筒の閉塞壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、粉粒体供給容器の底壁に設けられて、粉粒体排出孔の周囲を囲み、環状空間から容器内天井壁の下方に流下した粉粒体が、安息角を有した粉粒体山として堆積可能な粉粒体堆積面と、容器内天井壁と底壁との間に配置されて、粉粒体排出孔を中心にして回転駆動され、粉粒体山を崩しながら粉粒体を粉粒体排出孔へと案内する底面旋回部材と、底面旋回部材に形成されて粉粒体排出筒内に延び、粉粒体排出筒の閉塞壁の上方を旋回して粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体アーチを構成していた粉粒体を粉粒体通過孔から閉塞壁の下方に強制落下させるための粉粒体アーチ粉砕アームとを備えたところに特徴を有する。
【0024】
請求項20の発明は、請求項19に記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体排出筒に螺合して、粉粒体排出孔の下端開口を閉塞する閉塞キャップを備えたところに特徴を有する。
【0025】
請求項21の発明は、請求項9乃至20に記載の粉粒体計量システムにおいて、底面旋回部材に形成されて粉粒体排出筒内に延び、粉粒体排出孔の内周面の近傍を旋回する付着粉粒体除去アームを備えたところに特徴を有する。
【0026】
請求項22の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給装置は、粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、粉粒体供給容器の底壁の中心に貫通形成された粉粒体排出孔と、粉粒体供給容器内に遊嵌されると共に底壁上に重ねて配置され、粉粒体排出孔を中心にして回転する容器内回転円板と、容器内回転円板の外周面を一部を全体に比べて凹ませてなる側面凹部と、容器内回転円板の下面に形成された溝構造をなし、一端が粉粒体排出孔に開放する一方、他端が側面凹部に開放し、容器内回転円板の回転に伴い、側面凹部側の開放口から粉粒体排出孔側の開放口へと粉粒体を案内する粉粒体誘導通路と、粉粒体供給容器に固定されて、容器内回転円板の上面に堆積した粉粒体を側面凹部と粉粒体供給容器の内周面との間の空間へと案内する上面待ち受けガイドとを備えたところに特徴を有する。
【0027】
請求項23の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システムにおいて、粉粒体供給装置は、粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、粉粒体供給容器の底壁の中心に貫通形成された粉粒体排出孔と、粉粒体排出孔を中心にして粉粒体供給容器を回転駆動するモータと、粉粒体供給容器の底壁上に重ねて配置され、粉粒体供給容器の外部から磁力によって拘束されて、粉粒体供給容器に対して相対回転可能な粉粒体案内板と、粉粒体案内板に形成されて、粉粒体供給容器が回転したときに底壁上の粉粒体を受け止めて粉粒体排出孔へと案内する案内段差面と、粉粒体供給容器に固定されて粉粒体案内板の上面に堆積した粉粒体を底壁に落とす強制落下部材とを備えたところに特徴を有する。
【0028】
請求項24の発明は、請求項23に記載の粉粒体計量システムにおいて、底壁の上面に突出又は陥没した状態に形成されて、粉粒体排出孔を中心にして渦巻き状に湾曲し、案内段差面に受け止められて底壁上を移動する粉粒体を粉粒体排出孔に案内する底面渦巻きガイドを備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0029】
[請求項1及び2の発明]
請求項1の発明によれば、粉粒体供給装置から下方に排出された粉粒体の一部が、粉粒体落下経路から逸れた場合に、その粉粒体は回収フードの内側に滞留(浮遊或いは、天板の上面に落下)し、回収フードの不要粉粒体吸引口に接続した吸引ポンプを作動させることで、回収フードの内側に滞留した不要な粉粒体を吸引除去することができる。つまり、収容器ケースの内側に粉粒体が流入しないから、計量器やその周囲及び粉粒体収容器の外面に粉粒体が降りかかることを防止することができ、計量誤差や計量器の故障を防止することができる。また、毒劇物に分類される粉粒体を量り取る場合でも、粉粒体収容器を安全に取り扱うことができる。
【0030】
ここで、吸引ポンプによる回収フード内の粉粒体の吸引除去は、粉粒体の排出が停止しているときに行ってもよいし、請求項2の発明のように粉粒体の排出中に行ってもよい。粉粒体の排出中、即ち、粉粒体の計量中に回収フード内の粉粒体の吸引除去を行えば、計量終了後、直ぐに、次の計量を開始することができ、複数の粉粒体収容器に粉粒体を量り取る作業を効率よく行うことができる。
【0031】
また、回収フードの内側と粉粒体収容器を収容する収容器ケースの内側とは天板にて仕切られているから、回収フード内を吸引することに伴う収容器ケース内の気流の変動を抑えることができる。これにより、粉粒体の排出中に回収フード内を吸引した場合に、気流の変動による計量誤差が生じることを防ぐことができる。
【0032】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、回収フードには空気取入口が形成され、吸引ポンプによる吸引時には回収フードの外部から空気が取り入れられるので、計量器に粉粒体収容器を載置したまま吸引を行った場合に、粉粒体収容器内に収容された粉粒体が外部に放出することを防止することができる。
【0033】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、開閉部材の外側に配置した1対の可撓アームの基端部を摘むことで開閉部材の内側に配置した1対の可撓アームの先端部間にて粉粒体収容器が挟持され、1対の可撓アームから手を離すことで、粉粒体収容器の挟持を解除することができる。
【0034】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、粉流体容器を確実に粉粒体供給装置の真下に配置することができ、粉粒体を受け損なうことを防止できる。
【0035】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、粉粒体や粉粒体収容器の静電気を除電することができ、計量器の誤作動を防止することができる。
【0036】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、粉粒体供給装置から下方に排出された粉粒体の一部が、粉粒体落下経路から逸れた場合に、その粉粒体は回収フードの内側に滞留(浮遊或いは、天板の上面に落下)し、回収フードの不要粉粒体吸引口に接続した吸引ポンプを作動させることで、回収フードの内側に滞留した不要な粉粒体を吸引除去することができる。これにより、粉粒体収容器の外面に粉粒体が降りかかることを防止することができるから、毒劇物に分類される粉粒体を量り取る場合でも、粉粒体収容器を安全に取り扱うことができる。
【0037】
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、粉粒体の排出に伴う粉粒体供給装置全体の重量の減少量を、粉粒体収容器に収容された粉粒体の重量として計測するから、粉粒体収容器を取り替える毎に風袋引きを行う手間が省け、複数の粉粒体収容器に効率よく粉粒体を量り取ることができる。
【0038】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、粉粒体は、粉粒体供給容器内に保持された容器内天井壁と粉粒体供給容器の内側面との間の環状隙間から下方に流下して、粒体供給容器の底壁に堆積し、容器内天井壁と底壁との間で安息角を有した粉粒体山となる。この粉粒体山により、環状隙間が塞がれるから、通常は、粉粒体が粉粒体排出孔から排出されることはない。
【0039】
そして、底面旋回部材を回転させると、底面旋回部材が粉粒体山を崩しながら粉粒体を粉粒体排出孔へと案内する。また、粉粒体山が崩されると直ぐに、環状隙間から粉粒体が供給されて新たな粉粒体山が形成されるから、底面旋回部材を旋回させている間だけ粉粒体を供給することができる。
【0040】
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、底面旋回部材を回転させる駆動源を、粉粒体供給容器の外部に配置することができる。
【0041】
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、第1底面旋回部材と第2底面旋回部材とが上下に重ねて備えられ、それらが別々に駆動可能となっているので、回転させる底面旋回部材の数に応じて、粉粒体排出孔から排出される粉粒体の量を調節することができる。
【0042】
例えば、比較的大量の粉粒体を量り取る場合には、第1底面旋回部材と第2底面旋回部材とを同時に旋回させることで大量の粉粒体を速やかに排出させ、比較的少量の粉粒体を量り取る場合には、第1底面旋回部材と第2底面旋回部材の何れか一方のみを旋回させることで過剰な供給を防止する。
【0043】
また、所定重量の粉粒体を量り取る場合に、所定重量まで程遠い段階では、第1底面旋回部材と第2底面旋回部材とを同時に旋回させて多くの粉粒体を供給し、所定重量に近づいたら、第1底面旋回部材を停止し第2底面旋回部材だけを旋回させて少量ずつ粉粒体を供給する。これにより、所定重量の粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。
【0044】
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、第2底面旋回部材は、第1底面旋回部材より少量ずつ粉粒体を排出させることができる。
【0045】
[請求項13の発明]
請求項13の発明によれば、容器内天井壁を第1回転駆動シャフトと一体回転可能としたことで、粉粒体の攪拌が可能となる。
【0046】
[請求項14の発明]
請求項14の発明によれば、容器内天井壁を回転駆動シャフトと一体回転可能としたことで、粉粒体の攪拌が可能となる。
【0047】
[請求項15の発明]
請求項15の発明によれば、回転駆動シャフトが回転して容器内天井壁が一体回転すると、容器内天井壁に載っている粉粒体が上面待ち受けガイドによって外縁側に案内され、環状隙間から下方に流下する。
【0048】
[請求項16の発明]
請求項16の発明によれば、粉粒体は円錐の斜面を滑って自重により環状隙間から下方に流下するから、容器内天井壁に載った粉粒体を環状隙間に向けて誘導するための部材を別途必要としない。
【0049】
[請求項17,18の発明]
粉粒体の流動性が低いと、底面旋回部材が回転しても粉粒体が誘導されないことがある。これに対し、請求項17の発明によれば、底面旋回部材が粉粒体体積面上で回転して底面渦巻きガイドとすれ違う際に、それら底面旋回部材と底面渦巻きガイドとが協働して粉粒体を中心側に移動させるので、流動性の低い粉粒体でもスムーズに粉粒体排出孔に案内することができる。ここで、底面渦巻きガイドは、1つだけでもよいし複数設けてもよい。また、請求項18の発明のように、底面渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかにすると、より効果的である。
【0050】
[請求項19の発明]
請求項19の発明によれば、粉粒体は、粉粒体供給容器内に保持された容器内天井壁と粉粒体供給容器の内側面との間の環状隙間から下方に流下して、粒体供給容器の底壁に堆積し、容器内天井壁と底壁との間で安息角を有した粉粒体山となる。この粉粒体山により環状隙間が塞がれるから、通常は、粉粒体が粉粒体排出筒に落下することはない。
【0051】
そして、底面旋回部材を回転させると、底面旋回部材が粉粒体山を崩しながら粉粒体を粉粒体排出孔へと案内する。また、粉粒体山が崩されると直ぐに、環状隙間から粉粒体が供給されて新たな粉粒体山が形成されるから、底面旋回部材を旋回させている間だけ粉粒体を粉粒体排出筒に落下させることができ、粉粒体排出筒に過剰に粉粒体が流入することを防ぐことができる。。
【0052】
粉粒体排出筒に落下した粉粒体は、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチによって粉粒体排出筒内の閉塞壁に形成された粉粒体排出孔を塞ぐ。そして、底面旋回部材が回転すると粉粒体アーチ粉砕アームが粉粒体排出筒内で回転し、粉粒体アーチに外力が付与されて粉粒体アーチを構成していた粉粒体を、粉粒体通過孔から下端壁の下方に強制落下させる。つまり、底面旋回部材を旋回させている間だけ粉粒体を粉粒体供給装置から下方に排出させることができる。
【0053】
[請求項20の発明]
請求項20の発明によれば、粉粒体供給容器を、粉粒体の保存容器に兼用することができる。
【0054】
[請求項21の発明]
請求項21の発明によれば、底面旋回部材が回転すると、付着粉粒体除去アームが粉粒体排出孔の内周面の近傍を旋回するので、静電気等により粉粒体排出孔の内周面に付着した粉粒体を落とすことができる。
【0055】
[請求項22の発明]
請求項22の発明によれば、粉粒体供給容器内側で容器内回転円板が回転すると、容器内回転円板の上面に堆積した粉粒体が、上面待ち受けガイドによって粉粒体供給容器の内周面と容器内回転円板の側面凹部との間の空間へと案内される。そして、容器内回転円板の回転に伴い、粉粒体は、粉粒体誘導通路の側面凹部側の開放口から粉粒体排出孔側の開放口へと移動し、粉粒体排出孔から落下する。
【0056】
[請求項23の発明]
請求項23の発明によれば、粉粒体供給容器が回転すると強制落下部材が一体回転する一方で、粉粒体供給容器の外部から磁力によって拘束された粉粒体案内板が、粉粒体供給容器の底壁の上面にて粉粒体供給容器に対して相対回転する。すると、粉粒体案内板の上面に堆積した粉粒体が強制落下部材によって底壁上に落とされると共に、底壁上の粉粒体が、粉粒体案内板に形成された案内段差面で受け止められて、粉粒体排出孔へと案内される。
【0057】
[請求項24の発明]
請求項24の発明によれば、粉粒体供給容器の底壁の上面に形成された底面渦巻きガイドと案内段差面とが協働して粉粒体を案内するから、流動性の低い粉粒体でもスムーズに粉粒体排出孔に案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、本発明の粉粒体計量システム100の全体が示されている。同図に示すように、粉粒体計量システム100は、粉粒体供給装置90の下方に本発明の「計量器」に相当する電子天秤60を備えており、その電子天秤60上に載置された計量瓶99(本発明の「粉粒体収容器」に相当する)に、所定重量の粉粒体を量り取る構成となっている。
【0059】
まず、粉粒体供給装置90について説明する。粉粒体供給装置90は、粉粒体を収容した粉粒体ドラム10の下面から下方に粉粒体を排出する。
【0060】
図2に示すように、粉粒体ドラム10は、下方に向かって段付き状に縮径した円筒構造をなしている。詳細には、下端有底の粉粒体供給容器11と、粉粒体供給容器11の底壁11Aの中心部から鉛直下方に向かって突出した粉粒体排出筒12とを備え、それらが連通している。そして、粉粒体供給容器11に収容された粉粒体は、粉粒体排出筒12の軸部を貫通した粉粒体排出孔12Aを通って下方(計量瓶99)に落下する。なお、粉粒体排出筒12の外側には螺子が形成されており、図示しない下端有底の閉塞キャップを螺合することで、粉粒体ドラム10を粉粒体の保存容器として使用可能となっている。
【0061】
粉粒体ドラム10の上端外周面には雄螺旋部10Aが形成されている。これに対し、粉粒体ドラム10を計量瓶99の上方位置にて保持するためのブラケット19(図1参照)には、保持キャップ13が一体に備えられており、この保持キャップ13に雄螺旋部10Aを螺合することで、粉粒体ドラム10の上端開口が閉鎖されかつ粉粒体ドラム10がブラケット19に保持される。つまり、粉粒体ドラム10はブラケット19に対して着脱可能となっている。なお、ブラケット19は、上下方向に伸縮可能であり、計量瓶99の高さに応じて粉粒体ドラム10の保持位置を上下に調節可能となっている。
【0062】
保持キャップ13の上端壁13Aには、図示しない投入口が形成されている。投入口は螺合キャップの上端壁13Aの中央からずれた位置に偏在して設けられており、この投入口から、粉粒体ドラム10内に粉粒体を供給可能となっている。
【0063】
上端壁13Aの上面中央には供給モータ14が固定されている。供給モータ14に連結された回転駆動シャフト14Aは、上端壁13Aを貫通して粉粒体ドラム10(詳細には、粉粒体供給容器11)内でその中心軸に沿って延びている。
【0064】
回転駆動シャフト14Aの下端部には、スクレーパ21が取り付けられている。スクレーパ21は、粉粒体供給容器11の底壁11Aの上面に摺接しつつ水平面内で回転する。
【0065】
図4に示すように、スクレーパ21は、円盤状の軸心プレート25から側方に片持ち梁状の集粉羽23を延ばした構造になっている。軸心プレート25には六角孔25Aが形成され、ここに回転駆動シャフト14Aの下端部が嵌合している。
【0066】
集粉羽23は、スクレーパ21の回転方向(図4の実線矢印の方向)とは逆側に丸みを帯びて膨らんだ湾曲構造をなしている。また、集粉羽23は、その先端が粉粒体供給容器11の内周面11Cと隣接する位置まで延びている。そして、スクレーパ21が回転すると、集粉羽23のうち回転方向の前方を向いた粉粒体ガイド面23Aにて、粉粒体が底壁11Aの縁側から粉粒体排出孔12Aに向けて誘導される。
【0067】
図3に示すように、粉粒体供給容器11の内部には、容器内天井壁38及び上面待ち受けガイド39が備えられている。容器内天井壁38は、粉粒体供給容器11の内径よりも小径でかつ、粉粒体排出孔12Aの内径よりも大径な平らな円盤であり、スクレーパ21の上方に離して水平に取り付けられている(図2参照)。また、容器内天井壁38は、中心部に六角孔(図示せず)を備えて回転駆動シャフト14Aの外側に嵌合されており、スクレーパ21と一体回転する。そして、容器内天井壁38を取り付けて、保持キャップ13の投入口(図示せず)から粉粒体供給容器11内に粉粒体を投入すると、容器内天井壁38上に粉粒体が堆積する。
【0068】
一方、上面待ち受けガイド39は、容器内天井壁38が旋回することで、容器内天井壁38上の粉粒体を縁側に掻き出すために設けられている。上面待ち受けガイド39は、容器内天井壁38の上面に隣接して配置された水平板39Aと、水平板39Aの基端部から垂直上方に延びて保持キャップ13の上端壁13Aに固定された垂直板39Bとから構成される。
【0069】
そして、水平板39Aの平面を、供給モータ14の回転駆動シャフト14Aの側面に当接させて取り付けることで、容器内天井壁38の回転方向に対して水平板39Aが傾斜し、図5の点線矢印で示すように、容器内天井壁38上の粉粒体が、水平板39Aに案内されて容器内天井壁38の縁部に向けて押し出される。また、水平板39Aの基端部は、粉粒体供給容器11の内周面11Cに隣接する位置まで延びており、押し出された粉粒体を、容器内天井壁38の周縁部と内周面11Cとの間の環状隙間40から粉粒体供給容器11の底壁11A上に流下させる。さらに、上面待ち受けガイド39によって、粉粒体供給容器11内の粉粒体を撹拌して、粉粒体が固まったり、詰まったりすることを防ぐことができる。これにより、容器内天井壁38の上部の粉粒体を安定して底壁11A上に流下させることが可能となる。
【0070】
図2に示すように、粉粒体供給容器11の底壁11Aに流下した粉粒体は、容器内天井壁38と底壁11Aとの間で粉流体の山を形成する。この粉粒体山の安息角α1は、粉粒体によって一定となり、粉粒体山が「堰」となって容器内天井壁38の上方から底壁11Aへ過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。即ち、容器内天井壁38の周縁部と粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間にできる環状隙間40が粉粒体山で塞がれて粉粒体が排出されなくなるように、容器内天井壁38と粉粒体供給容器11の底壁11Aとを接近させて過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。なお、底壁11Aの上面は、本発明における「粉粒体堆積面」に相当する。以上が、粉粒体供給装置90の構成に関する説明であって、以下、粉粒体供給装置90の動作について説明する。
【0071】
保持キャップ13に形成された粉粒体投入孔(図示せず)から粉粒体ドラム10内に投入された粉粒体は、一旦、容器内天井壁38の上に堆積する。供給モータ14を駆動すると容器内天井壁38が回転し、その容器内天井壁38上の粉粒体が上面待ち受けガイド39によって外周縁側に向けて誘導される。そして、容器内天井壁38の外周縁と粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間の環状隙間40から底壁11A上に粉粒体が流下する。
【0072】
底壁11Aに流下した粉粒体は、容器内天井壁38と底壁11Aとの間で所定の安息角α1を有した粉粒体山を形成するので、環状隙間40から過剰に粉粒体が流入することはなく、底壁11Aに流入した粉粒体がそのまま流動して粉粒体排出孔12Aから排出されることもない。
【0073】
供給モータ14の駆動によりスクレーパ21が回転すると、スクレーパ21の集粉羽23が底壁11Aの上面に摺接しながら旋回する。このとき、集粉羽23は、粉流体山を崩しつつ、その粉粒体を底壁11Aの縁側から中心に誘導して粉粒体排出孔12Aから一定量ずつ排出させる(図4参照)。
【0074】
また、集粉羽23の旋回により粉粒体山が崩れると、直ぐに、環状隙間40から粉粒体が流入し、容器内天井壁38と底壁11Aとの間に新たな粉粒体山が形成される。これにより、スクレーパ21が回転している間だけ、粉粒体排出孔12Aから下方(計量瓶99)に向けて粉粒体を排出することができる。以上が、粉粒体供給装置90の動作に関する説明である。
【0075】
さて、上述の如く粉粒体供給装置90から下方に排出された粉粒体を、計量瓶99で確実に受けるために、粉粒体計量システム100における電子天秤60の秤量皿61には、図1に示すように容器ホルダ62(本発明の「容器位置決め部材」に相当する)が固定載置されている。図6に示すように、容器ホルダ62は、粉粒体計量システム100の一側方(図1の右方向)に開放したU字壁63を備えており、粉粒体計量システム100の一側方から計量瓶99を水平移動することで挿抜可能となっている。そして、U字壁63の奥に計量瓶99の下部を嵌合させることで、計量瓶99を粉粒体排出孔12Aの鉛直下方に位置決めして、粉粒体供給装置90から真下に落下する粉粒体を受容することが可能となっている。
【0076】
図1に示すように、電子天秤60の上面には、箱形の風防70が設置されている。図7に示すように、風防70は、秤量皿61の全体を覆った扁平な下段風防ケース71と、下段風防ケース71の天板71Aに固定載置されて、電子天秤60に載置された計量瓶99の側方及び上方を覆う上段風防ケース72(本発明の「収容器ケース」に相当する)とから構成されている。
【0077】
下段風防ケース71の天板71Aのうち秤量皿61の真上部分にはホルダ挿通口73が貫通形成されており、秤量皿61に固定載置された容器ホルダ62が、ホルダ挿通口73から上段風防ケース72内に突出している。
【0078】
上段風防ケース72は、容器ホルダ62に載置された計量瓶99を収容可能となっており、その天板72Bが計量瓶99の上面から僅かに離して隣接配置されている。天板72Bのうち、容器ホルダ62に載置された計量瓶99の上面開口との対向位置でかつ粉粒体ドラム10における粉粒体排出筒12(粉粒体排出孔12A)の真下位置には、粉粒体供給装置90から排出された粉粒体が通過する円形の天板開口72Aが貫通形成されている。また、上段風防ケース72のうち、電子天秤60に載置された計量瓶99の側方を囲む容器包囲壁72Cには、計量瓶99を出し入れするための容器搬入口74が形成されている。容器搬入口74は、横長の長方形状をなしており、粉粒体計量システム100の一側方(図1の右方向)に開放している。
【0079】
図8に示すように、容器搬入口74は開閉板75(本発明の「開閉部材」に相当する)によって閉鎖可能となっている。開閉板75は容器搬入口74より横長の長方形板状をなしており、開閉板75の下辺からは粉粒体計量システム100の正面側に向かって台盤76が張り出している。その台盤76の上面から起立した垂直壁77には、計量瓶99を把持するためのクランプアーム78が取り付けられている。クランプアーム78は、例えば、金属製の線材を曲げ加工した1対の可撓アーム78A,78Aの基端部を垂直壁77の両面に溶接してなり、図7に示すように垂直壁77から水平方向に延びている。開閉板75には、横長のアーム挿通孔75A(図8参照)が貫通形成され、そこに各可撓アーム78A,78Aが挿通されている。また、図9に示すように、両可撓アーム78A,78Aの先端部は計量瓶99の側面形状に合わせて半円弧状に湾曲しており、常には、それら先端部間が開くように付勢されている。そして、クランプアーム78のうち、開閉板75より基端側部分を握ることで、両可撓アーム78A,78Aの先端部間が閉じて計量瓶99を挟持可能となっている。なお、クランプアーム78は手で操作するものに限定せず、図示しない駆動装置によって自動開閉する構成としてもよい。
【0080】
クランプアーム78で計量瓶99を把持して、そのクランプアーム78を上段風防ケース72の容器搬入口74に向けて前進(図9における上方に移動)させると、垂直壁77及び台盤76を介してクランプアーム78と一体になった開閉板75も容器搬入口74に向かって前進する。そして、クランプアーム78の先端部で把持した計量瓶99が、U字壁63の奥部に当接して位置決めされたときに、開閉板75が容器搬入口74の周縁部に当接して容器搬入口74が閉鎖される。これにより、上段風防ケース72内が無風状態にされる。
【0081】
また、計量瓶99を上段風防ケース72から取り出すために、計量瓶99をクランプアーム78で把持してクランプアーム78を容器搬入口74から後退(図9における下方に移動)させると、開閉板75が容器搬入口74から一側方に離れて、容器搬入口74が開放される。このように、クランプアーム78による上段風防ケース72内への計量瓶99の出し入れと、開閉板75による容器搬入口74の開閉とを一動作で行うことが可能となっている。
【0082】
なお、図1における符号102は、静電気除去器(具体的には、イオナイザ)である。静電気除去器102は、例えば、上段風防ケース72の内部における電荷及び電位を測定して、相殺(中和)する電荷及び電位のイオンを上段風防ケース72内に照射し、上段風防ケース72内の粉粒体や計量瓶99の静電気を除去する。これにより、電子天秤60の誤作動(例えば、表示のふらつき)を防止し、電子天秤60を安定させることができる。なお、静電気除去器102は、粉粒体の計量中(粉粒体供給装置90が粉粒体を排出している最中)でもイオンを照射することができる。
【0083】
ところで、粉粒体供給装置90(詳細には、粉粒体ドラム10)と計量瓶99とが接触していると、計量値に誤差が生じるので、粉粒体供給装置90と計量瓶99とは上下方向に互いに離しておく必要がある(図7参照)。そのため、比重の軽い粉粒体や分散度の高い粉粒体を粉粒体ドラム10から下方の計量瓶99に向けて排出した場合には、排出された粉粒体の一部が真下に落下せずに側方に飛散することがある。
【0084】
これに対し、本実施形態の粉粒体計量システム100では、上段風防ケース72の天板72B上に回収フード80が固定載置されている。そして、回収フード80と、上段風防ケース72の天板72Bとによって、粉粒体ドラム10における粉粒体排出筒12の下端部と天板72Bの天板開口72Aとの間における粉粒体の落下経路が覆われており、粉粒体の落下経路から側方に逸れて飛散した粉粒体が、回収フード80内の外に漏れ出さないようになっている。そして、回収フード80内の粉粒体は、吸引ポンプ85によって回収フード80内から吸引除去可能となっている。
【0085】
具体的には、回収フード80の天板80Aの中央には、円孔81が貫通形成され、粉粒体ドラム10における粉粒体排出筒12の下端部(本発明の「粉粒体を排出する端部」に相当する)が挿入されている。回収フード80の天板80A及び側壁80Bの所定位置には、複数の空気取入口82が形成されている。さらに、側壁80Bには、空気取入口82とは別に不要粉粒体吸引口83が形成され、その不要粉粒体吸引口83の周縁部から側方に突出した接続筒部84に吸引ポンプ85(図1参照)が接続可能となっている。
【0086】
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。所定重量、例えば10mgの粉粒体を計量瓶99に量り取る場合には、以下のように操作する。まず、クランプアーム78の基端部を握って計量瓶99をクランプアーム78の先端部で把持し、その状態で上段風防ケース72の容器搬入口74に向けてクランプアーム78を前進させて風防70内に計量瓶99を挿入する。このとき、台盤76が下段風防ケース71の天板71A上をスライドして、開閉板75も容器搬入口74に向かって接近する。計量瓶99が容器ホルダ62におけるU字壁63の奥部に突き当たると、計量瓶99が粉粒体排出孔12Aの鉛直下方に配置されると共に、開閉板75によって容器搬入口74が塞がれて上段風防ケース72が閉鎖される。そして、クランプアーム78から手を放して計量瓶99を容器ホルダ62に保持させたら、電子天秤60の操作部(図示せず)を操作して風袋引きを行う(表示をゼロにする)。
【0087】
次いで、電子天秤60の計量値を確認しながら供給モータ14を回転させて粉粒体を供給する。即ち、計量値が10mgの手前になる(例えば、9mg)までは、スクレーパ21を比較的高速で回転させることで、速やかに9mg以上の粉粒体を量り取る。次いで、計量値が10mgとなる手前、即ち、計量値が9mg以上になったら、供給モータ14の回転を遅くして、少量ずつ粉粒体を供給し、計量値を徐々に10mgに近づけていく。そして、計量値が10mgになったときに供給モータ14の回転を止める。これにより、10mgの粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。
【0088】
なお、電子天秤60の計量値を図示しない制御装置にフィードバックして、供給モータ14の回転を自動でオンオフしたり回転速度を調節するようにしてもよい。例えば、予め所望の粉粒体の重量を制御装置に設定し、図示しないスタートスイッチをオンすると、供給モータ14を駆動して粉粒体供給装置90から微少量ずつ粉粒体が計量瓶99に供給される。また、制御装置は、電子天秤60の測定値を取り込んで、その計量値が設定した重量に近くなったときに、供給モータ14の回転速度を遅くし、設定した重量に達したときに、供給モータ14の回転を停止する。これにより、制御装置に設定した重量の粉粒体を量り取ることができる。
【0089】
さて、粉粒体供給装置90から粉粒体を落下させると、殆どの粉粒体は垂直に落下して、上段風防ケース72の天板開口72Aを通過し計量瓶99に収容されるが、一部の粉粒体は、気流等の影響で垂直に落下せずに側方に逸れ、計量瓶99に入らないことがある。この粉粒体は、回収フード80の外部に漏れ出すことなく、回収フード80の内側で浮遊するか或いは、天板72B上に落下する。そして、本実施形態では、回収フード80内の粉粒体を即座に除去するために、粉粒体供給装置90からの粉粒体の供給中に吸引ポンプ85を作動させる。すると、回収フード80内に浮遊或いは天板72Bに落下している不要な粉粒体が吸引されて回収フード80の外部に除去される。このとき、回収フード80内を移動する粉粒体が、電子天秤60の計量値に影響することはない。
【0090】
このように本実施形態の粉粒体計量システム100によれば、計量瓶99と粉粒体供給装置90との間の粉粒体の落下経路を回収フード80で覆い、粉粒体供給装置90から粉粒体が供給されている最中に回収フード80内を吸引ポンプ85にて吸引する。これにより、粉粒体供給装置90から下方に排出された粉粒体の一部が、落下経路から逸れて回収フード80内に残留しても、その不要な粉粒体を回収フード80内から吸引除去することができる。これにより、電子天秤60やその周囲及び計量瓶99の外面に粉粒体が降りかかることを防ぎ、計量誤差や電子天秤60の故障を防止することができる。また、毒劇物に分類される粉粒体を量り取る場合でも、計量瓶99を安全に取り扱うことができる。
【0091】
また、粉粒体供給装置90から粉粒体を供給している最中(即ち、計量中)に回収フード80内を吸引して、回収フード80内で浮遊している粉粒体を除去しているから、計量終了後、直ぐに、次の計量を開始することができる。よって、粉粒体の計量と回収フード80内の吸引とを別々に行った場合に比較して、複数の計量瓶99に粉粒体に量り取る作業を効率よく行うことができる。
【0092】
また、回収フード80と、計量瓶99を収容した上段風防ケース72との間が計量瓶99の上方で天板72Bによって仕切られているから、回収フード80内を吸引することに伴う上段風防ケース72内の気流の変動を抑えることができる。これにより、粉粒体の排出中に回収フード80内を吸引した場合に、気流の変動による計量誤差が生じることを防ぐことができる。
【0093】
さらに、回収フード80には空気取入口82が形成され、吸引時には、回収フード80の外部から空気が取り込まれるので、風防70(上段風防ケース72)内に計量瓶99を収容したまま吸引を行った場合に、計量瓶99に収容された粉粒体が放出することを防ぐことができる。
【0094】
[第2実施形態]
以下、本発明に係る第2実施形態を図10〜図18に基づいて説明する。この第2実施形態は、粉粒体供給装置91の構成が上記第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0095】
図11に示すように、粉粒体供給装置91における粉粒体排出孔12Aの上下方向の中間位置には、多孔板30(本発明における「閉塞壁」に相当する)が装着されている。多孔板30は、図12(A)に示すように薄肉円板に複数の粉粒体通過孔30Aが貫通形成されたパンチングメタルである。粉粒体通過孔30Aは、多孔板30上に粉粒体が堆積して粉粒体山が形成されたときに、粉粒体同士が付着して形成された粉粒体アーチにより閉塞されると共に、その粉粒体アーチが崩れた状態で粉粒体が通過可能な大きさになっている。即ち、粉粒体通過孔30Aは粉粒体の粒径の数倍から十数倍の大きさになっている。また、粉粒体の性状等によって粉粒体通過孔30Aの最適な大きさは異なるため、粉粒体通過孔30Aの大きさが異なる複数種類の多孔板30が用意されており(図12(B)参照)、粉粒体計量システム100を使用する前に粉粒体に適した多孔板30を選んで取り替えることができるようになっている。なお、多孔板30は、織網やエキスバンドメタルを使用してもよい。
【0096】
図11に示すように、多孔板30は、粉粒体排出筒12の内側に挿入嵌合された1対の保持筒31,31により、その外縁部を上下方向から挟んで保持されている。これら保持筒31,31を粉粒体排出筒12から抜け止めするために、粉粒体排出筒12の外側には抜け止めキャップ32が螺合されており、抜け止めキャップ32の底壁が保持筒31,31を下方から支持している。なお、抜け止めキャップ32の外周面には雄螺旋部32Aが形成されており、ここに、下端有底の閉塞キャップ33を螺合することで粉粒体排出孔12Aの下端開口を封止可能となっている。即ち、粉粒体ドラム10を、粉粒体の保存容器として使用可能となっている。
【0097】
図10に示すように、保持キャップ13の上端壁13Aの中央には、2つの供給モータ14,15が上下に重ねて備えられている。各供給モータ14,15の回転駆動シャフト14A,15Aは上端壁13Aを貫通して粉粒体ドラム10(詳細には、粉粒体供給容器11)内でその中心軸に沿って延びている。また、下側の供給モータ14の回転駆動シャフト14A(本発明の「第1回転駆動シャフト」に相当する)は両端開放のパイプ構造(具体的には、六角筒構造)となっており、上側の供給モータ15の回転駆動シャフト15A(本発明の「第2回転駆動シャフト」に相当する)が、回転駆動シャフト14Aの内側を貫通して下方に突出している。そして両回転駆動シャフト14A,15Aが相対回転可能となっている。
【0098】
両回転駆動シャフト14A,15Aの下端部には、それぞれスクレーパ121,22が取り付けられている。これらスクレーパ121,22は、粉粒体供給容器11の底壁11A近傍に配置され、互いに平行な水平面内で回転する。
【0099】
図13(A)に示すように、上側のスクレーパ121は、円盤状の軸心プレート25から側方に片持ち梁状の集粉羽23(本発明の「第1底面旋回部材」に相当する)と散粉羽24とを延ばした構造になっている。軸心プレート25には六角孔25Aが形成されており、ここに回転駆動シャフト14Aの下端部が嵌合している。
【0100】
図14に示すように、集粉羽23は、回転方向(図14の実線矢印の方向)とは逆側に膨らむように複数の平板をつなげた屈曲構造をなす一方、散粉羽24は粉粒体ドラム10の径方向に向かって真っ直ぐ延びている。また、集粉羽23は、その先端が粉粒体供給容器11の内周面11Cと隣接する位置まで延び、散粉羽24は、それより短くなっている。
【0101】
そして、集粉羽23に備えた粉粒体ガイド面23Aにより、底壁11A上の粉粒体を中心側に誘導して粉粒体排出筒12内に取り込むと共に、散粉羽24により、集粉羽23が取り込み過ぎた粉粒体を外側に移動して逃し、次に集粉羽23が通過したときに取り込み粉粒体供給容器11内の粉粒体圧を安定させ易くしている。また、集粉羽23と散粉羽24とが協働して粉粒体を撹拌して、粉粒体の塊を粉砕する効果も奏する。さらに、粉粒体が2種以上の粉粒体の混合物である場合には、この集積と分散の繰り返しによって2種の粉粒体の混合度合いを高めることができる。
【0102】
ここで、集粉羽23の基端部には、補助ガイド壁20が一体に形成されている。補助ガイド壁20は、粉粒体ガイド面23Aによる粉粒体の誘導方向(図14の点線矢印の方向)に向かって徐々に下るように傾斜している。補助ガイド壁20は、粉粒体ガイド面23Aによって集粉羽23の基端部に移動してきた粉粒体を受け止めると共にその粉粒体を斜め下方に誘導し、粉粒体排出筒12内(粉粒体排出孔12A)に落下させる。
【0103】
一方、下側のスクレーパ22は、図13(B)に示すように、上側のスクレーパ121に比べて薄肉な平板状となっており、底壁11Aの上面に摺接しつつ回転する。スクレーパ22は、回転駆動シャフト15Aに固定された円盤状の軸心プレート26から側方に片持ち梁状の集粉羽27(本発明の「第2底面旋回部材」に相当する)を延ばした構造になっている。
【0104】
集粉羽27は、軸方向から見た平面形状がスクレーパ121に備えた集粉羽23と同一形状であり、回転方向(図14の実線矢印の方向)とは逆側に膨らんだ屈曲構造をなしている。そして、スクレーパ22が回転すると、集粉羽27のうち回転方向の前方を向いた粉粒体ガイド面27Aにて粉粒体が底壁11Aの縁側から中心側に向けて誘導される。なお、各集粉羽23,27が1回転当たりに粉粒体排出筒12に誘導する粉粒体の量は、集粉羽23より集粉羽27の方が少ない。
【0105】
図13(A)及び図13(B)に示すように、各スクレーパ121,22の軸心プレート25,26からは、鉛直下方に向かって旋回脚部28,29が突出しており、それらが図10に示すように、粉粒体排出筒12の内側(粉粒体排出孔12A)に挿入されている。
【0106】
スクレーパ121に備えた旋回脚部28は、軸心プレート25の外縁部から垂下しており、下端部が回転中心に向かって直角に折れ曲がった略L字形状をなしている。旋回脚部28のうち垂直片28Aは、スクレーパ121の回転に伴って粉粒体排出孔12Aの内周面(詳細には、保持筒31の内周面)の近傍を旋回する(図15参照)。これにより、粉粒体排出孔12Aの内周面に静電気等により付着した粉粒体を掻き落とすことができる。なお、垂直片28Aは、本発明の「付着粉粒体除去アーム」に相当する。
【0107】
また、旋回脚部28の下端部の水平片28Bは、スクレーパ121の回転に伴い、多孔板30の上面近傍を旋回する。これにより、多孔板30の径方向の外寄り部分に形成された粉粒体アーチを崩して、粉粒体を粉粒体通過孔30Aから落下させることができる。
【0108】
一方、図13(B)に示すように、下側のスクレーパ22に備えられた旋回脚部29は、軸心プレート26の側方に張り出して設けられ、多孔板30の上面近傍まで延びている(図10及び図11参照)。旋回脚部29は、スクレーパ22の回転に伴って、旋回脚部28の旋回領域の内側を旋回する(図15参照)。これにより、多孔板30の中央部分に形成された粉粒体アーチを崩して、粉粒体通過孔30Aから落とすことができる。つまり、2つの旋回脚部28,29により、多孔板30上に形成された粉粒体アーチのほとんどを崩せるようになっている。
【0109】
ここで、図15(B)に示すように、旋回脚部28の水平片28Bの旋回領域の面積は、旋回脚部29の下端部の旋回領域の面積より大きいので、1回転当たりに多孔板30を通過する粉粒体の量は、旋回脚部28、即ち、スクレーパ121の方が、旋回脚部29、即ち、スクレーパ22より多くなっている。なお、旋回脚部28,29は、本発明の「粉粒体アーチ粉砕アーム」に相当する。
【0110】
図16に示すように、粉粒体ドラム10における粉粒体供給容器11の内部には、容器内天井壁38及び上面待ち受けガイド39が備えられている。容器内天井壁38は、スクレーパ121の上方に水平に取り付けられている(図10参照)。また、容器内天井壁38は、回転駆動シャフト14Aの外側に嵌合されており、上側のスクレーパ121と一体回転する。
【0111】
以上が、粉粒体供給装置91の構成に関する説明であって、以下、粉粒体供給装置91の動作について説明する。
【0112】
粉粒体投入孔から粉粒体ドラム10内に粉粒体を投入すると、粉粒体は、一旦、容器内天井壁38の上に堆積する。そして、供給モータ14を駆動すると、容器内天井壁38が回転し、上面待ち受けガイド39によって、容器内天井壁38上の粉粒体が縁部に向けて誘導され、容器内天井壁38の縁部と粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間の環状隙間40から底壁11A上に流入する。
【0113】
この粉粒体は、容器内天井壁38と底壁11Aとの間で粉流体の所定の安息角α1の粉粒体山を形成するので、底壁11Aに流入した粉粒体がそのまま流動して粉粒体排出孔12Aから排出されることはない(図17参照)。
【0114】
供給モータ14,15の駆動によりスクレーパ121,22が回転すると、各集粉羽23,27が粉流体山を崩しつつ粉粒体を底壁11Aの縁側から中心に誘導して粉粒体排出筒12に取り込む(図14参照。図14にはスクレーパ121のみが示されている)。
【0115】
また、粉粒体山が削り取られると、直ぐに、環状隙間40から粉粒体が流入し、容器内天井壁38と底壁11Aとの間に新たな粉粒体山が形成される。
【0116】
各スクレーパ121,22によって、粉粒体排出筒12に取り込まれた粉粒体は、多孔板30上に堆積して粉粒体山を形成し、粉粒体同士が付着した粉粒体アーチによって粉粒体通過孔30Aを塞ぐ。この粉粒体アーチは、スクレーパ121,22と共に粉粒体排出孔12Aの内側で旋回する旋回脚部28,29から外力を受けて崩され、少量ずつ粉粒体通過孔30Aを通過する。さらに、粉粒体排出孔12Aの内周面に静電気等により付着した粉粒体は、スクレーパ121と共に粉粒体排出孔12Aの内周面の近傍を旋回する旋回脚部28によって掻き落とされる。
【0117】
さて、所定重量の粉粒体、例えば10mgの粉粒体を量り取る場合には、、電子天秤60の計量値を確認しながら供給モータ14,15を回転させて粉粒体を供給する。即ち、計量値が10mgの手前になる(例えば、9mg)までは、2つのスクレーパ121,22、即ち、2つの旋回脚部28,29を同一速度で回転させることで、多孔板30上に形成された粉粒体アーチをほとんど全部崩して比較的多量の粉粒体を排出させ、速やかに9mg以上の粉粒体を量り取る。次いで、計量値が10mgとなる手前、即ち、計量値が9mg以上になったら、一方の供給モータ14の回転を止め、他方の供給モータ15のみ回転させる。即ち、旋回脚部28の旋回を停止し、旋回脚部29のみを多孔板30上で旋回させる。これにより、多孔板30の中央部に形成された粉粒体アーチのみが崩されて、少量ずつ粉粒体が供給され、計量値を徐々に10mgに近づけることができる。そして、計量値が10mgになったときに供給モータ15の回転を止める。これにより、10mgの粉粒体を正確かつ速やかに量り取ることができる。なお、電子天秤60の計量値を図示しない制御装置にフィードバックして、供給モータ14,15の回転を自動でオンオフしたり回転速度を調節するようにしてもよい。そして、本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
【0118】
[第3実施形態]
図19及び図20には、本発明の第3実施形態が示されている。この第3実施形態は、粉粒体供給装置92の構成が、上記第1実施形態とは異なる。
【0119】
粉粒体ドラム10の内側に備えた容器内天井壁138は、下方に向かって拡径しかつ、下端縁と粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間に環状隙間40が形成された円錐筒状をなしている。そして、保持キャップ13の上端壁13Aに備えた図示しない粉粒体投入孔から投入された粉粒体は、容器内天井壁138の斜面を自重で滑って流下し(図20参照)、環状隙間40から底壁11Aに流入する。そして、底壁11Aに流入した粉粒体は、容器内天井壁138と底壁11Aとの間で安息角α1を有した粉粒体山を形成する。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0120】
[第4実施形態]
以下、図21〜図25に基づいて、本発明の第4実施形態を説明する。この第4実施形態は、粉粒体供給装置93の構成が上記第1実施形態とは異なる。
【0121】
図21には、粉粒体供給装置93の全体が示されている。同図に示すように、粉粒体ドラム10の内側には、円盤状の回転プレート220(図22(B)参照)が回転可能に備えられている。回転プレート220は、粉粒体供給容器11の内周面11Cの全周との間に接触しない程度の僅かな隙間を有して遊嵌しており(図25参照)、粉粒体供給容器11の底壁11Aの上面を摺接しつつ回転する。
【0122】
回転プレート220の回転中心には、粉粒体排出孔12Aに連通した中心孔221が形成されている。また、回転プレート220の外周縁には、その一部を全体に比べて凹ませてなる側面凹部223が形成されている。そして、これら中心孔221と側面凹部223とに両端部が開放した粉粒体誘導通路222が形成されている。
【0123】
粉粒体誘導通路222は、回転プレート220の上下に開放すると共に、中心孔221と側面凹部223との間に亘って、回転プレート220の回転方向(図23(B)の実線矢印の方向)と逆方向に向かって膨らむように湾曲して延びている。
【0124】
また、回転プレート220のうち、底壁11Aに摺接する下面には、底壁11Aとの間に入り込んだ粉粒体を排出するための排出溝226が形成されている。この排出溝226は、回転プレート220の下面と外周面とに開放しており、中心孔221の近傍から外周面に亘って、回転方向(図23(B)の実線矢印の方向)の前方に向かって膨らむように湾曲して延びている。
【0125】
回転プレート220の上面には、粉粒体堆積板230が重ねて備えられている。粉粒体堆積板230は、回転プレート220と同径でかつ回転プレート220より薄肉な円盤状をなしている。粉粒体堆積板230の中心部には六角穴231が形成され、供給モータ14の回転駆動シャフト14Aの下端部が嵌合している。また、図22(A)に示すように、粉粒体堆積板230の縁部から複数の係止突部232(図22(A)には1つのみが示されている)が垂下しており、その係止突部232が回転プレート220の外縁部に陥没形成された複数の係止凹部224にそれぞれ凹凸係合している。これにより、回転プレート220が粉粒体堆積板230と共に供給モータ14によって回転可能となっている。
【0126】
図22(A)に示すように、粉粒体堆積板230のうち、回転プレート220の側面凹部223に対応した部分には、粉粒体堆積板230の外周縁の一部を全体に比べて凹ませてなる側面凹部233が形成されている。側面凹部233の縁部には、回転方向の前方に向かって斜めに起立した掻き取り壁234が備えられている。そして、粉粒体堆積板230を回転プレート220の上面に重ねた状態で、粉粒体誘導通路222の上面が塞がれ、側面凹部233と側面凹部223とが上下方向で連通している。
【0127】
なお、回転プレート220と粉粒体堆積板230とから、本発明に係る「容器内回転円板」が構成されている。
【0128】
図21に示すように、粉粒体供給容器11内には、粉粒体堆積板230が旋回することで、粉粒体堆積板230上の粉粒体を側面凹部233,223と、粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間の空間に案内するための上面待ち受けガイド240が設けられている。図24に示すように、上面待ち受けガイド240は、粉粒体堆積板230の上面に隣接して配置された水平板240Aと、水平板240Aの基端部から垂直上方に延びた垂直板240Bとからなり、垂直板240Bの上端が、保持キャップ13の上端壁13Aに固定されている。水平板240Aの平面は、供給モータ14の回転駆動シャフト14Aの側面に当接して取り付けられており、これにより、粉粒体堆積板230の回転方向に対して水平板240Aが傾斜している(図25参照)。
【0129】
そして、粉粒体堆積板230が回転すると、図25に示すように、粉粒体堆積板230上の粉粒体が、水平板240Aに堰き止められると共に、その一部が水平板240Aに案内されて粉粒体堆積板230の縁部に向けて徐々に押し出される。
【0130】
また、粉粒体堆積板230に形成された側面凹部233が、水平板240Aによって堰き止められた粉粒体の下方を通過する際に、その粉粒体の一部が掻き取り壁234に掻き取られて側面凹部233,223と、粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間の空間に取り込まれる。その粉粒体は、回転プレート220の回転に伴って粉粒体誘導通路222の側面凹部223側の開口部から流入し、粉粒体誘導通路222の内側を中心孔221に向かって誘導される。そして、中心孔221から粉粒体排出孔12Aに向けて排出される(図23(B)参照)。
【0131】
また、回転プレート220と粉粒体供給容器11の底壁11Aとの間に噛み込まれた粉粒体は、回転プレート220の回転によって排出溝226に回収され、その排出溝226に案内されて、スクレーパ200と粉粒体供給容器11の内周面11Cとの間の僅かな隙間に排出される(図23(B)参照)。
【0132】
以上が、本実施形態の粉粒体計量システム100における粉粒体供給装置93の説明であって、この粉粒体供給装置93以外の構成は上記第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0133】
[第5実施形態]
以下、図26〜図31に基づいて、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、粉粒体供給装置94の構成が、上記第1実施形態と異なる。
【0134】
図26には粉粒体供給装置94の全体が示されている。この粉粒体供給装置94では、粉粒体ドラム10自体が供給モータ14によって回転する。詳細には、供給モータ14は、ブラケット19の上面に固定されており、そのブラケット19を貫通した回転駆動シャフト14Aの下端部に保持キャップ13が螺合されている(図28参照)。そして、保持キャップ13に上端開放の粉粒体ドラム10が螺合されている。
【0135】
粉粒体ドラム10の内側には、粉粒体ドラム10の回転により粉粒体ドラム10に対して相対回転する粉粒体案内板250が備えられている。図29(A)に示すように、粉粒体案内板250は上方から見たときの平面形状が略扇形をなした平板で構成されており、粉粒体ドラム10における粉粒体供給容器11の底壁11Aに載置されている。粉粒体案内板250のうち、粉粒体ドラム10の回転方向(図29(A)の矢印方向)と逆方向を向いた面は、底壁11A上の粉粒体を粉粒体排出孔12Aに誘導するための粉粒体ガイド面250A(本発明の「案内段差面」に相当する)となっている。粉粒体ガイド面250Aは、粉粒体ドラム10の回転方向の前方に向かって膨らむように丸みを帯びた円弧面をなしている。また、粉粒体案内板250を上方から見たときの「扇の要」部分からは、図29(B)に示すように、鉛直下方に向かって旋回脚部251が突出しており、その旋回脚部251が、図27に示すように粉粒体排出孔12Aに挿入されている。この旋回脚部251は下端部が直角に折れ曲がったL字形状をなしている。
【0136】
また、図27に示すように、粉粒体供給容器11内には、粉粒体案内板250の上面に堆積した粉粒体を、底壁11Cに落とすための強制落下板270(本発明に係る「強制落下部材」に相当する)が設けられている。強制落下板270は、粉粒体案内板250の上面近傍を擦れ違う水平板270Aと、水平板270Aの基端部から垂直上方に延びた垂直板270Bとからなり、垂直板270Bの上端が保持キャップ13の上端壁13Aに固定されている。
【0137】
ここで、粉粒体案内板250は磁性材料で構成されており、粉粒体ドラム10の外側に固定された磁石260の磁力により定位置に拘束されている。即ち、粉粒体ドラム10が回転しても粉粒体案内板250が連れ回りすることはなく、粉粒体ドラム10の回転により、粉粒体案内板250が粉粒体ドラム10に対して相対回転することになる。
【0138】
そして、粉粒体ドラム10が粉粒体案内板250に対して相対回転すると、粉粒体案内板250と強制落下板270とがすれ違い、粉粒体案内板250の上面に堆積した粉粒体が底壁11Aに落とされると共に、それらが協働して粉粒体ドラム10の底壁11A上の粉粒体を粉粒体ガイド面250Aに沿って粉粒体排出孔12Aに向けて誘導する。
【0139】
このとき、旋回脚部251のうち垂直片251Aが粉粒体排出孔12Aの内周面に摺接するから、粉粒体排出孔12Aの内周面に静電気等により付着した粉粒体が掻き落とされる。また、旋回脚部251のうち水平片251Bが、粉粒体排出筒12の内側に固定された多孔板30の上面近傍を旋回するから、多孔板30の粉粒体通過孔30Aを塞いだ粉粒体アーチが崩されて、粉粒体通過孔30Aから粉粒体が排出される。なお、粉粒体排出筒12の途中に多孔板30を設けない場合には、図31に示すように旋回脚部251から水平片251Bを排除した構造としてもよい。
【0140】
以上が、本実施形態の粉粒体計量システム100における粉粒体供給装置94の説明であって、この粉粒体供給装置94以外の構成は上記第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0141】
[第6実施形態]
以下、図32〜図37に基づいて、本発明の第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、粉粒体供給装置95の構成が上記第1実施形態と異なる。
【0142】
本実施形態の粉粒体供給装置95は、図32及び図33に全体が示されており、粉粒体ドラム10自体が供給モータ14によって回転する。詳細には、供給モータ14は、ブラケット19(図32参照)の上面に固定されており、そのブラケット19を貫通した回転駆動シャフト14Aの下端部に保持キャップ13が螺合されている。この保持キャップ13に、上端開放の粉粒体ドラム10が螺合されている。
【0143】
図33に示すように、粉粒体ドラム10における粉粒体供給容器11と粉粒体排出筒12との間の水平段差壁11Dには、粉粒体ドラム10とは別部品の底壁円板310が重ねて配置されており、それら水平段差壁11Eと底壁円板310とで、粉粒体供給容器11の底壁11Aが構成されている。
【0144】
底壁円板310は、粉粒体供給容器11の内径とほぼ同径の円板であり、図35(B)に示すように、底壁円板310の外周の複数位置には、回り止め突部311,311が突出形成されている。その回り止め突部311,311が、粉粒体供給容器11の内周面11Cに形成された複数の回り止め凹部11D,11Dにそれぞれ凹凸嵌合している(図36参照)。これにより、粉粒体ドラム10と底壁円板310とが一体回転するようになっている。
【0145】
図35(B)に示すように、底壁円板310には、上下に貫通した複数の底面渦巻きガイド312が形成されている。底面渦巻きガイド312は底壁円板310の中心に貫通形成された連通孔313から、側方に向かって渦状に延びている。即ち、図36に示すように、底壁円板310を上方から見たときに、粉粒体ドラム10の回転方向(図36の実線矢印の方向)と逆方向に膨らむように丸みを帯びて湾曲している。
【0146】
図33に示すように、粉粒体供給容器11の底壁11Aの上面(底壁円板310の上面)には粉粒体案内板320が重ねて載置されている。粉粒体案内板320も粉粒体供給容器11の内径とほぼ同径の円板となっている。図35(A)に示すように、粉粒体案内板320には、その中心部から外縁寄り部分にかけて粉粒体取込開口部321が形成されている。粉粒体取込開口部321は、粉粒体案内板320を上下に貫通しており、底壁円板310に形成された連通孔313と常時連通している。
【0147】
粉粒体取込開口部321の内側面のうち、粉粒体ドラム10の回転方向の後方を向いた側面は粉粒体ガイド面321A(本発明の「案内段差面」に相当する)である。図36に示すように、粉粒体ガイド面321Aは、粉粒体案内板320を上方から見たときに、粉粒体ドラム10の回転方向の前方に向かって膨らむように丸みを帯びた湾曲面となっている。より詳細には、粉粒体ガイド面321Aは、渦巻き曲線(対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線)或いはインボリュート曲線状に延びている。なお、粉粒体案内板320には、その外周縁の一部をU字状に切除してなる粉粒体回収孔322が形成されている。
【0148】
ここで、粉粒体案内板320は、磁性材料で構成されており、粉粒体ドラム10の外側に固定された複数の磁石260,260の磁力によって定位置に拘束されている。従って、粉粒体ドラム10が回転しても粉粒体案内板320が連れ回りすることはなく、粉粒体案内板320は粉粒体ドラム10、底壁円板310及び次述する回転翼300に対して相対回転することになる。
【0149】
回転翼300は、保持キャップ13の上端壁13Aの中心から下方に延びた円柱シャフト301の下端部に1対の羽根302,302(図33には、一方の羽根302のみが示されている)を備えてなる。図34に示すように、円柱シャフト301の上端部にはDカット部301Aが形成されている。これに対し、保持キャップ13の上端壁13Aの中心部には、下方に開放した嵌合筒部13Bが突出形成され、その嵌合筒部13Bの内側に、円柱シャフト301のDカット部301Aが挿入されている。そして、嵌合筒部13Bを側方から貫通した回り止めピン303が、Dカット部301Aの平面に突き当てられている。これにより、回転翼300が保持キャップ13に対して回り止めされ、粉粒体ドラム10と回転翼300とが一体回転可能となっている。
【0150】
羽根302,302は平板状をなしている。羽根302,302は、円柱シャフト301の外周面の接線方向でかつ互いに相反する方向に向かって真っ直ぐ延びており、その先端部は粉粒体供給容器11の内周面11Cの近傍位置に達している。そして、粉粒体ドラム10が回転すると羽根302,302は、粉粒体案内板320の上面に摺接しつつ旋回する。なお、羽根302,302は、本発明に係る「強制落下部材」に相当する。
【0151】
さて、供給モータ14により粉粒体ドラム10が回転すると、回転翼300及び底壁円板310が粉粒体案内板320に対して相対回転する。すると、粉粒体案内板320上の粉粒体が、回転翼300の各羽根302,302によって粉粒体案内板320の径方向の外側に向けて押し出されると共に、強制的に粉粒体取込開口部321に落とされる。
【0152】
粉粒体取込開口部321から粉粒体供給容器11の底壁11A(底壁円板310)上に落ちた粉粒体は、粉粒体取込開口部321の粉粒体ガイド面321Aにて堰き止められ、さらに、粉粒体ガイド面321Aに沿って底壁円板310の中心(連通孔313)側へ移動する。また、過剰な粉粒体は、粉粒体ガイド面321Aを乗り越えて再度、粉粒体案内板320上に戻される。そして、本実施形態によれば、粉粒体ガイド面321Aに堰き止められて底壁11A(底壁円板310)上を移動する粉粒体を底面渦巻きガイド312によって粉粒体排出孔12Aに案内することができる。即ち、底面渦巻きガイド312と粉粒体ガイド面321Aとが協働して粉粒体を誘導するから、効率よく粉粒体を粉粒体排出孔12Aから排出することができる。
【0153】
以上が、本実施形態の粉粒体計量システム100における粉粒体供給装置95の説明であって、この粉粒体供給装置95以外の構成は上記第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0154】
[第7実施形態]
以下、図38〜図41に基づいて、本発明の第7実施形態について説明する。この第7実施形態は、粉粒体供給装置96の構成が上記第1実施形態と異なる。
【0155】
本実施形態の粉粒体供給装置96は、図38に示されており、粉粒体ドラム10自体が図示しないモータによって回転する。図39に示すように、粉粒体ドラム10における粉粒体供給容器11の内側には、粉粒体ドラム10と一体回転する旋回板350と、粉粒体ドラム10の底壁11A上面にて、粉粒体ドラム10を回転駆動するモータとは別のモータ362によって回転する粉粒体ガイド円板360とが備えられている。
【0156】
旋回板350は、保持キャップ13の上端壁13Aに固定されており、下端部に備えた板状の羽根351,351が相反する方向に張り出して粉粒体供給容器11の内周面11Cの近傍まで延びている。
【0157】
図40に示すように、粉粒体ガイド円板360の直径は、粉粒体ドラム10の半径より小さくなっており、外周面361は、凹部361Aと凸部361Bが周方向で交互に形成された凹凸面となっている。また、粉粒体ガイド円板360は、粉粒体排出孔12Aの側方に偏在しかつ、粉粒体排出孔12Aの一部に重なるように配置されている。さらに、粉粒体ガイド円板360は、磁性材料で構成されており、図38に示すように、粉粒体ドラム10の外側に固定配置されたモータ362と磁気的に結合している。詳細には、図41に示すように、モータ362の出力軸にギヤ362Gを介して板状の磁石363が連結されており、その磁石363が粉粒体供給容器11の底壁11Aの下方で回転可能となっている。この磁石363の磁力によって、粉粒体ガイド円板360は定位置に拘束されかつ磁石363と一体に回転する。ここで、粉粒体ガイド円板360の回転方向は、粉粒体ドラム10の回転方向と逆方向となっている(図40参照)。
【0158】
そして、図示しないモータによって粉粒体ドラム10が回転すると、図40に示すように、粉粒体供給容器11内の粉粒体が、旋回板350によって底壁11Aの外縁側に寄せられる。また、外縁側に寄せられた粉粒体は、粉粒体ガイド円板360の外周面361の凹凸によって底壁11Aの中心側に運搬され、粉粒体排出孔12Aから排出される。
【0159】
なお、粉粒体ガイド円板360と底壁11Aとの間に入り込んだ粉粒体を外側に排除するために、図42に示すように、粉粒体ガイド円板360の下面に、溝364を設けてもよい。この溝364は、粉粒体ガイド円板360の回転方向(図42の実線矢印の方向)の前方に向かって膨らむように途中で屈曲した構造(図42参照)或いは弓なりに湾曲した構造とすればよい。また、溝364の代わりに突条(図示せず)を設けてもよい。
【0160】
以上が、本実施形態の粉粒体計量システム100における粉粒体供給装置96の説明であって、この粉粒体供給装置96以外の構成は上記第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0161】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0162】
(1)本発明の粉粒体計量システム100における粉粒体供給装置90〜96は、上記第1〜第7実施形態の構成に限定するものではなく、例えば、スクリューによって粉粒体を供給するものでもよい。
【0163】
(2)電子天秤60から発する熱による電子天秤60の誤作動(表示のふらつき)を防止するために、下段風防ケース71の内側の温度を安定させるための空調装置やファンを備えてもよい。また、粉粒体計量システム100を恒温室に設置した場合のように、外気の温度変化が無い環境であれば、風の影響を受けない程度の通気孔を下段風防ケース71に設けてもよい。
【0164】
(3)上記第2実施形態において、スクレーパ121,22における集粉羽23,27は屈曲構造をなしていたが、図43(A)に示すように、回転方向(図43(A)における時計回り方向)と逆方向に向かって膨らむように丸みを帯びて湾曲していてもよい。
【0165】
(4)また、図43(A)及び同図(B)に示すように、粉粒体供給容器11の底壁11Aの上面に、スクレーパ121,22の回転方向に向かって膨らむように丸みを帯びて湾曲した渦巻き曲線(対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線)状或いはインボリュート曲線状の溝111を放射状に複数設けてもよい。これにより、集粉羽23,27と溝111とが協働して粉粒体を効率よく粉粒体排出孔12Aに向けて誘導する。なお、図43(C)のように、溝111の代わりに突条112を設けても同様の効果が得られる。これら溝111及び突条112は、本発明に係る「底面渦巻きガイド」に相当する。また、渦巻き曲線或いはインボリュート曲線の一部を直線に置き換えた形状としてもよい。
【0166】
(5)図44(A)に示すように、第2実施形態における上側のスクレーパ121から散粉羽24を排除した構造にしてもよい。また、図44(B)に示すように、下側のスクレーパ22に散粉羽110を設けた構造にしてもよい。
【0167】
(6)また、図45(A)に示すように、第2実施形態における上側のスクレーパ121から旋回脚部28を排除し、代わりに同図(B)に示すように、下側のスクレーパ22に備えた旋回脚部29に多孔板30の上面で旋回する水平片29Aを形成してもよい。
【0168】
また、同図(C)に示すように、スクレーパ22に複数本の旋回脚部128A,128B,128Cを形成してもよい。これら旋回脚部128A,128B,128Cのうち、軸心プレート26から斜め下方に向かって突出した旋回脚部128A,128Cの下端部は、スクレーパ22が回転すると多孔板30の粉粒体通過孔30Aの上方を通過して、その粉粒体通過孔30Aを塞いだ粉粒体アーチに外力を加える(図46参照)。これにより、粉粒体アーチが崩れて、粉粒体アーチを構成していた粉粒体が粉粒体通過孔30Aから排出される。ここで、旋回脚部128Cの下端部は、旋回脚部128Aの下端部より上方位置を旋回する。このため、旋回脚部128Cは、低回転時には粉粒体アーチに外力を加えることなく回転するのに対し、高回転時には粉粒体アーチに外力を加えながら回転する。これにより、粉粒体の供給量をさらに細かく調節することができ、より微少量の粉粒体を供給することが可能となる。また、旋回脚部128A,128B,128Cのうち、軸心プレート26から鉛直可能に向かって突出した旋回脚部128Bは、粉粒体排出孔12Aの内周面の近傍を通過する(図46(B)参照)。これにより、粉粒体排出孔12Aの内周面に付着した粉粒体を掻き落とす。
【0169】
(7)さらに、上記図45(B)及び図45(C)に示されたスクレーパ22から集粉羽27を排除した形状の旋回部材113(図47(A)及び図47(B)参照)を、スクレーパ121の下面側でスクレーパ121と共に一体回転させてもよい。
【0170】
(8)上記第2実施形態において、粉粒体排出孔12Aにおける多孔板30の位置は、図48(A)に示すように粉粒体排出孔12Aの上端寄り位置に配置してもよいし、図48(B)に示すように粉粒体排出孔12Aの下端寄り位置に配置してもよい。そして、多孔板30を粉粒体排出孔12Aの下端寄り位置に配置した場合には、上記第2実施形態における旋回脚部28,29を鉛直下方に延長すればよい。
【0171】
一方、多孔板30を粉粒体排出孔12Aの上端寄り位置に配置した場合には、図49(A)に示すように、底壁11A上で回転するスクレーパ130の下端面から粉粒体排出孔12Aに向かって僅かに壁部132を突出させればよい。これにより、スクレーパ130が回転したときには、同図(B)に示すように壁部132が多孔板30の上面で旋回して多孔板30上に形成された粉粒体アーチを崩し、粉粒体を粉粒体通過孔30Aから落下させることが可能となる。
【0172】
(9)上記第4実施形態において、回転プレート220と底壁11Aとの間に進入した粉粒体を排出するために、図50に示すように、回転プレート220の下面に回転プレート220の回転方向(図50(A)の実線矢印の方向)に向かって膨らむように弓なりに湾曲した複数の突条225を設けてもよい。また、突条225の代わりに溝を設けてもよい。
【0173】
(10)上記第5実施形態の粉粒体供給装置94において、粉粒体供給容器11の内周面11Cに付着した粉粒体を掻き落とすための内面掻き落とし部材280を粉粒体ドラム10内に備えていてもよい。具体的には、図51に示すように、内面掻き落とし部材280は平板状の磁性材料で構成されており、粉粒体案内板250と同様に粉粒体ドラム10の外部に備えた磁石260によって定位置に拘束され、粉粒体ドラム10に対して相対回転可能となっている。そして、粉粒体ドラム10が回転することで、掻き落とし部材280が粉粒体供給容器11の内周面11Cに摺接し、内周面11Cに付着した粉粒体を掻き落とす。
【0174】
(11)また、図52に示すように、粉粒体ドラム10を鉛直方向に対して傾けて保持すると共に、斜め上方に磁石260,260を配置して粉粒体案内板250及び内面掻き落とし部材280を上側位置に拘束した状態で、粉粒体ドラム10を回転させれば、粉粒体案内板250の粉粒体ガイド面250Aで堰き止められた粉粒体が、自重によって粉粒体排出孔12Aに移動し易くなる。これにより、付着性の高い粉粒体でもスムーズに粉粒体排出孔12Aに落下させることが可能となる。
【0175】
(12)回収フード80は、粉粒体ドラム10における粉粒体排出筒12の下端部のみを収容していたが、粉粒体供給装置の全体或いは、粉粒体ドラム10の全体を収容していてもよい。
【0176】
(13)例えば、ガス中に粉粒体を供給して所定濃度の粉塵を生成する場合には、粉塵濃度を計測し、その粉塵濃度から検量線等によって粉粒体供給装置から排出された粉粒体の重量を求めてもよい。
【0177】
(14)上記実施形態では、計量瓶99を電子天秤60上に載置して、計量瓶99に収容された粉粒体の重量を計測していたが、粉粒体を収容した粉粒体供給装置全体の重量を常時計量して、粉粒体の排出に伴う粉粒体供給装置の重量の減少量を計量瓶99に収容された粉粒体の重量として計測してもよい。このようにすれば、計量瓶99を取り替える毎に風袋引きを行う手間が省け、複数の計量瓶99に効率よく粉粒体を量り取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第1実施形態に係る粉粒体計量システムの部分断面図
【図2】粉粒体供給装置の断面図
【図3】粉粒体ドラムの部分断面図
【図4】粉粒体ドラムの平断面図
【図5】粉粒体ドラムの平断面図
【図6】容器ホルダの斜視図
【図7】風防及び回収フードの断面図
【図8】風防及び回収フードの斜視図
【図9】クランプアームの平面図
【図10】第2実施形態に係る粉粒体供給装置の部分断面図
【図11】粉粒体排出筒の断面図
【図12】(A)多孔板の斜視図、(B)その変形例の斜視図
【図13】(A)上側のスクレーパの斜視図、(B)下側のスクレーパの斜視図
【図14】粉粒体ドラムの平断面図
【図15】(A)排出筒部の側断面図、(B)旋回脚部の旋回領域を示す図
【図16】粉粒体ドラムの断面斜視図
【図17】底壁上に粉粒体の堆積山が形成された状態の粉粒体ドラムの側断面図
【図18】粉粒体ドラムの平断面図
【図19】第3実施形態に係る粉粒体供給装置の側断面図
【図20】粉粒体供給装置の断面斜視図
【図21】第4実施形態に係る粉粒体供給装置の部分断面図
【図22】(A)粉粒体堆積板の斜視図、(B)回転プレートの斜視図
【図23】(A)粉粒体堆積板の平面図、(B)回転プレートの平面図
【図24】保持キャップの断面図
【図25】粉粒体ドラムの平断面図
【図26】第5実施形態に係る粉粒体供給装置の部分断面図
【図27】粉粒体供給装置の側断面図
【図28】保持キャップと供給モータの結合状態を示す図
【図29】(A)粉粒体ドラムの平断面図、(B)粉粒体案内板の斜視図
【図30】粉粒体収容孔に旋回脚部が挿入された状態を示す側断面図
【図31】粉粒体案内板の変形例の斜視図
【図32】第6実施形態に係る粉粒体供給装置の斜視図
【図33】粉粒体供給装置の側断面図
【図34】粉粒体ドラムの部分断面図
【図35】(A)固定円板の斜視図、(B)回転円板の斜視図
【図36】粉粒体ドラムの平断面図
【図37】粉粒体ドラムの回転状態における平断面図
【図38】第7実施形態に係る粉粒体供給装置の側断面図
【図39】粉粒体ドラムの部分断面図
【図40】粉粒体ドラムの平断面図
【図41】粉粒体ドラムの部分拡大断面図
【図42】粉粒体ガイド円板の平面図
【図43】他の実施形態(3)及び(4)に係る(A)底壁及びスクレーパの平面図、(B)その断面図、(B)その変形例の断面図
【図44】他の実施形態(5)に係るスクレーパの斜視図
【図45】他の実施形態(6)に係るスクレーパの斜視図
【図46】(A)スクレーパが粉粒体アーチを崩している状態の断面図、(B)スクレーパの平面図
【図47】他の実施形態(7)に係る旋回部材の斜視図
【図48】他の実施形態(8)に係る粉粒体排出筒の断面図
【図49】(A)スクレーパの斜視図、(B)多孔板上で旋回するスクレーパの斜視図
【図50】他の実施形態(9)に係る回転プレートの(A)平面図、(B)側面図、(C)斜視図
【図51】他の実施形態(10)に係る粉粒体ドラムの部分拡大断面図
【図52】他の実施形態(11)に係る粉粒体供給装置の(A)断面斜視図、(B)側断面図
【符号の説明】
【0179】
11 粉粒体供給容器
11A 底壁
12 粉粒体排出筒
12A 粉粒体排出孔
13A 上端壁
14A 回転駆動シャフト(第1回転駆動シャフト)
15A 回転駆動シャフト(第2回転駆動シャフト)
23 集粉羽(第1底面旋回部材)
27 集粉羽(第2底面旋回部材)
28,29 旋回脚部(粉粒体アーチ粉砕アーム)
30 多孔板(閉塞壁)
30A 粉粒体通過孔
38 容器内天井壁
39 上面待ち受けガイド
40 環状隙間
60 電子天秤(計量器)
62 容器ホルダ
72 上段風防ケース(収容器ケース)
72A 天板開口
72B 天板
72C 容器包囲壁
74 容器搬入口
75 開閉板(開閉部材)
75A アーム挿通孔
78A,78A 可撓アーム
80 回収フード
82 空気取入口
83 不要粉粒体吸引口
85 吸引ポンプ
90〜96 粉粒体供給装置
99 計量瓶(粉粒体収容器)
100 粉粒体計量システム
102 静電気除去器(除電装置)
111 溝(底面渦巻きガイド)
112 突条(底面渦巻きガイド)
128A 旋回脚部(粉粒体アーチ粉砕アーム)
128B 旋回脚部(粉粒体アーチ粉砕アーム)
138 容器内天井壁
220 回転プレート(容器内回転円板)
222 粉粒体誘導通路
230 粉粒体堆積板(容器内回転円板)
240 上面待ち受けガイド
250 粉粒体案内板
250A 粉粒体ガイド面(案内段差面)
270 強制落下板(強制落下部材)
302,302 羽根(強制落下部材)
312 底面渦巻きガイド
320 粉粒体案内板
321A 粉粒体ガイド面(案内段差面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量ずつの粉粒体を下方に排出可能な粉粒体供給装置と、
前記粉粒体供給装置から排出された粉粒体を、上面開口から受け入れ可能な粉粒体収容器が載置されて、その粉粒体収容器に収容された粉粒体の重さを計測可能な計量器と、
前記計量器に載置された状態の前記粉粒体収容器の側方を囲んだ容器包囲壁と、上面を覆った天板とを有し、前記天板が前記粉粒体収容器の上面に隣接配置された収容器ケースと、
前記容器包囲壁に形成されて、前記粉粒体収容器を側方から水平移動して前記計量器に載置するための容器搬入口と、
前記容器搬入口を開閉するための開閉部材と、
前記天板のうち、前記粉粒体収容器の上面開口との対向位置に貫通形成されて、前記粉粒体供給装置から排出された粉粒体が通過する天板開口と、
前記収容器ケースの前記天板上に設けられ、前記粉粒体供給装置のうち少なくとも前記粉粒体を排出する端部を収容し、その端部と前記天板開口との間の粉粒体落下経路を覆った回収フードと、
前記回収フードに形成され、前記粉粒体落下経路から逸れた粉粒体を吸引するための吸引ポンプが接続される不要粉粒体吸引口とを備えたことを特徴とする粉粒体計量システム。
【請求項2】
前記粉粒体供給装置から粉粒体を排出中に、前記吸引ポンプによって前記回収フードの内側を吸引することを特徴とする請求項1に記載の粉粒体計量システム。
【請求項3】
前記回収フードには、前記吸引ポンプによる吸引に伴って外部からの空気を取り入れるための空気取入口が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体計量システム。
【請求項4】
前記開閉部材は、前記容器搬入口に対して側方から接離する方向に直動可能に設けられ、
前記開閉部材にアーム挿通孔を設けると共に、前記アーム挿通孔に1対の可撓アームを挿通し、前記開閉部材の外側に配置した前記1対の可撓アームの基端部同士を固定して、前記開閉部材の内側に配置した前記1対の可撓アームの先端部同士の間に前記粉粒体収容器を配置可能とし、
前記開閉部材の外側で前記1対の可撓アームを摘んで前記粉粒体収容器を挟持可能としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項5】
前記収容器ケースの内側には、前記粉粒体収容器を前記粉粒体供給装置の真下に位置決めするための容器位置決め部材が備えられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項6】
前記収容器ケースの内側の静電気を除電するための除電装置が備えられたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項7】
粉粒体を受け入れ可能な上面開口を有した粉粒体収容器に対して上方に配置され、前記上面開口に向けて所定量ずつの粉粒体を排出可能な粉粒体供給装置と、
前記粉粒体収容器の上面に隣接配置された天板と、
前記天板のうち、前記粉粒体収容器の上面開口との対向位置に貫通形成されて、前記粉粒体供給装置から排出された粉粒体が通過する天板開口と、
前記天板上に設けられ、前記粉粒体供給装置のうち少なくとも前記粉粒体を排出する端部を収容し、その端部と前記天板開口との間の粉粒体落下経路を覆った回収フードと、
前記回収フードに形成され、前記粉粒体落下経路から逸れた粉粒体を吸引するための吸引ポンプが接続される不要粉粒体吸引口とを備えたことを特徴とする粉粒体計量システム。
【請求項8】
前記粉粒体の排出に伴う前記粉粒体供給装置全体の重量の減少量を、前記粉粒体収容器に収容された前記粉粒体の重量として計測する計量器を備えたことを特徴とする請求項7に記載の粉粒体供給システム。
【請求項9】
前記粉粒体供給装置は、
粉粒体を収容した円筒状の粉粒体供給容器と、
前記粉粒体供給容器内の中心部に保持されて、前記粉粒体供給容器の内側面との間に環状空間を有すると共に、前記底壁に上方から対向配置された容器内天井壁と、
前記粉粒体供給容器の底壁のうち前記容器内天井壁に覆われた部分の中心に貫通形成されて、前記粉粒体を下方に排出するための粉粒体排出孔と、
前記粉粒体供給容器の底壁に設けられて、前記粉粒体排出孔の周囲を囲み、前記環状空間から前記容器内天井壁の下方に流下した前記粉粒体が、安息角を有した粉粒体山として堆積可能な粉粒体堆積面と、
前記容器内天井壁と前記底壁との間に配置されて、前記粉粒体排出孔を中心にして回転駆動され、前記粉粒体山を崩しながら前記粉粒体を前記粉粒体排出孔へと案内する底面旋回部材とを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項10】
前記粉粒体供給容器の上端部に設けられた上端壁と、
前記上端壁に回転可能に軸支されると共に、前記容器内天井壁を貫通し、下端部が前記底面旋回部材に固定され、回転駆動力を前記底面旋回部材に伝達するための回転駆動シャフトとを備えたことを特徴とする請求項9に記載の粉粒体計量システム。
【請求項11】
前記回転駆動シャフトは、パイプ状の第1回転駆動シャフトと、その第1回転駆動シャフトの内側に挿通されて下端部から前記第1回転駆動シャフトより下方に突出した第2回転駆動シャフトとからなり、
前記底面旋回部材は、前記第1回転駆動シャフトの下端部に一体回転可能に固定された第1底面旋回部材と、前記第1底面旋回部材の下方に配置されて、前記第2回転駆動シャフトの下端部に一体回転可能に固定された第2底面旋回部材とからなり、
前記第1回転駆動シャフトと第2回転駆動シャフトとを別々に駆動可能することが可能な1対の駆動源を備えたことを特徴とする請求項10に記載の粉粒体計量システム。
【請求項12】
前記第2底面旋回部材を、前記第1底面旋回部材より薄肉にしたことを特徴とする請求項11に記載の粉粒体計量システム。
【請求項13】
前記容器内天井壁を、前記第1回転駆動シャフトに一体回転可能に固定したことを特徴とする請求項11又は12に記載の粉粒体計量システム。
【請求項14】
前記容器内天井壁を、前記回転駆動シャフトに一体回転可能に固定したことを特徴とする請求項10に記載の粉粒体計量システム。
【請求項15】
前記容器内天井壁を、円板状とし、
前記粉粒体供給容器に固定されて、前記容器内天井壁の上面に堆積した粉粒体を前記環状空間に案内する上面待ち受けガイドを備えたことを特徴とする請求項13又は14に記載の粉粒体計量システム。
【請求項16】
前記容器内天井壁を、下方に向かうに従って拡径した円錐形状としたことを特徴とする請求項14に記載の粉粒体計量システム。
【請求項17】
前記粉粒体堆積面に突出又は陥没した状態に形成されて、前記粉粒体排出孔を中心にして渦巻き状に湾曲し、前記底面旋回部材に押されて前記粉粒体堆積面上を移動する粉粒体を前記粉粒体排出孔に案内する底面渦巻きガイドを備えたことを特徴とする請求項7乃至16の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項18】
前記底面渦巻きガイドは、インボリュート曲線、対数渦巻き曲線、アルキメデス渦巻き曲線の何れかであることを特徴とする請求項17に記載の粉粒体計量システム。
【請求項19】
前記粉粒体供給装置は、
粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、
前記粉粒体供給容器内の中心部に保持されて、前記粉粒体供給容器の内側面との間に環状空間を有すると共に、前記底壁に上方から対向配置された容器内天井壁と、
前記粉粒体供給容器の底壁のうち前記容器内天井壁に覆われた部分の中心から垂下され、内側に前記粉粒体供給容器と連通した粉粒体排出孔を有し、その粉粒体排出孔の下端部が閉塞壁にて閉塞された粉粒体排出筒と、
前記粉粒体排出筒の閉塞壁に貫通形成され、前記粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、
前記粉粒体供給容器の底壁に設けられて、前記粉粒体排出孔の周囲を囲み、前記環状空間から前記容器内天井壁の下方に流下した前記粉粒体が、安息角を有した粉粒体山として堆積可能な粉粒体堆積面と、
前記容器内天井壁と前記底壁との間に配置されて、前記粉粒体排出孔を中心にして回転駆動され、前記粉粒体山を崩しながら前記粉粒体を前記粉粒体排出孔へと案内する底面旋回部材と、
前記底面旋回部材に形成されて前記粉粒体排出筒内に延び、前記粉粒体排出筒の閉塞壁の上方を旋回して前記粉粒体アーチに外力を付与し、前記粉粒体アーチを構成していた前記粉粒体を前記粉粒体通過孔から前記閉塞壁の下方に強制落下させるための粉粒体アーチ粉砕アームとを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項20】
前記粉粒体排出筒に螺合して、前記粉粒体排出孔の下端開口を閉塞する閉塞キャップを備えたことを特徴とする請求項19に記載の粉粒体計量システム。
【請求項21】
前記底面旋回部材に形成されて前記粉粒体排出筒内に延び、前記粉粒体排出孔の内周面の近傍を旋回する付着粉粒体除去アームを備えたことを特徴とする請求項9乃至20に記載の粉粒体計量システム。
【請求項22】
前記粉粒体供給装置は、
粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、
前記粉粒体供給容器の底壁の中心に貫通形成された粉粒体排出孔と、
前記粉粒体供給容器内に遊嵌されると共に前記底壁上に重ねて配置され、前記粉粒体排出孔を中心にして回転する容器内回転円板と、
前記容器内回転円板の外周面を一部を全体に比べて凹ませてなる側面凹部と、
前記容器内回転円板の下面に形成された溝構造をなし、一端が前記粉粒体排出孔に開放する一方、他端が前記側面凹部に開放し、前記容器内回転円板の回転に伴い、前記側面凹部側の開放口から前記粉粒体排出孔側の開放口へと前記粉粒体を案内する粉粒体誘導通路と、
前記粉粒体供給容器に固定されて、前記容器内回転円板の上面に堆積した粉粒体を前記側面凹部と前記粉粒体供給容器の内周面との間の空間へと案内する上面待ち受けガイドとを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項23】
前記粉粒体供給装置は、
粉粒体を収容可能な円筒状の粉粒体供給容器と、
前記粉粒体供給容器の底壁の中心に貫通形成された粉粒体排出孔と、
前記粉粒体排出孔を中心にして前記粉粒体供給容器を回転駆動するモータと、
前記粉粒体供給容器の底壁上に重ねて配置され、前記粉粒体供給容器の外部から磁力によって拘束されて、前記粉粒体供給容器に対して相対回転可能な粉粒体案内板と、
前記粉粒体案内板に形成されて、前記粉粒体供給容器が回転したときに前記底壁上の粉粒体を受け止めて前記粉粒体排出孔へと案内する案内段差面と、
前記粉粒体供給容器に固定されて前記粉粒体案内板の上面に堆積した粉粒体を前記底壁に落とす強制落下部材とを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体計量システム。
【請求項24】
前記底壁の上面に突出又は陥没した状態に形成されて、前記粉粒体排出孔を中心にして渦巻き状に湾曲し、前記案内段差面に受け止められて前記底壁上を移動する粉粒体を前記粉粒体排出孔に案内する底面渦巻きガイドを備えたことを特徴とする請求項23に記載の粉粒体計量システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図2】
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【図14】
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【図17】
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【図19】
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【図25】
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【図46】
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【公開番号】特開2008−309673(P2008−309673A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158331(P2007−158331)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(302055139)
【Fターム(参考)】