説明

粒子分類装置と方法

【課題】円柱の細分類を行うこと。
【解決手段】粒子含有液の流れを形成するフローセルと、その流れを照明する光源と、流れの中の粒子からの光を受光して電気信号波形に変換する光電変換部と、電気信号波形の高さ方向の第1しきい値に対応する第1パルス幅および第1しきい値より大きい第2しきい値に対応する第2パルス幅を算出するパルス幅算出部と、第1および第2パルス幅を用いて粒子を分類する粒子分類部とを備え、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出部はその複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は粒子分類装置と方法に関し、とくに、尿中有形成分を分類する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明の背景技術としては、例えば、特許文献1に記載された粒子分析装置が知られている。そのような分析装置では、フローセルを用いて粒子含有液の試料流を形成し、試料流にレーザ光を照射して粒子からの散乱光をホトダイオードで受光し、得られる信号波形を分析する。つまり、得られる信号波形を第1しきい値および第2しきい値(第1しきい値より大きい)と比較して、第1しきい値より大きい期間(第1パルス幅)と、第2しきい値より大きい期間(第2パルス幅)を算出し、算出した第1および第2パルス幅に基づいて2次元分布図を作成し、その分布状態によって、円柱,粘液系,上皮細胞,白血球などを分類するようにしている。
【特許文献1】特開平8−136438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の分析装置では、円柱に対応する信号波形を第2しきい値と比較するとき、第2しきい値より大きい期間(パルス幅)が複数存在しても、第1番目に得られるパルス幅を代表的に第2パルス幅として算出するようにしている。ところで、疾患時に出現が認められる円柱(以下、病的な円柱という)は一般に複数の内容物(例えば白血球)を含み、対応する信号波形は第2しきい値より大きい期間を複数有する。これに対して、上記分析装置は、それを無視してしまうので、円柱の細分類、つまり健常時にも認められる円柱と、病的な円柱の分類が難しいという問題点があった。
この発明はこのような事情を考慮してなされたもので、円柱の細分類が可能な粒子分類装置とその方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、粒子含有液の流れを形成するフローセルと、その流れを照明する光源と、流れの中の粒子からの光を受光して電気信号波形に変換する光電変換部と、電気信号波形の高さ方向の第1しきい値に対応する第1パルス幅および第1しきい値より大きい第2しきい値に対応する第2パルス幅を算出するパルス幅算出部と、第1および第2パルス幅を用いて粒子を分類する粒子分類部とを備え、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出部はその複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出する粒子分類装置を提供するものである。
【0005】
また、この発明は別の観点から、粒子含有液の流れを形成する工程と、その流れを照明する工程と、流れの中の粒子からの光を受光して電気信号波形に変換する工程と、得られた電気信号波形の高さ方向の第1しきい値に対応する第1パルス幅および第1しきい値より大きい第2しきい値に対応する第2パルス幅を算出するパルス工程と、第1および第2パルス幅を用いて粒子を分類する工程を備え、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出工程は、その複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出する粒子分類方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明の粒子分類装置によれば、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出部はその複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出するので、病的な円柱、つまり複数の内容物を含む円柱に対応する複数のパルス幅は、その総和が第2パルス幅として算出される。従って、病的な円柱は健常時にも認められる円柱に比べて、第2パルス幅が大きくなるので、円柱を健常時にも認められるものと、病的なものとに細分類できる。
【0007】
また、この発明の粒子分類方法によれば、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出工程はその複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出するので、病的な円柱、つまり複数の内容物を含む円柱に対応する複数のパルス幅は、その総和が第2パルス幅として算出される。従って、病的な円柱は健常時にも認められる円柱に比べて、第2パルス幅が大きくなるので、円柱を健常時にも認められるものと、病的なものとに細分類できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、本発明による粒子分類装置として、尿中有形成分分析装置を例に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置の全体的な外観を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の要部構成を説明するためのブロック図である。図3は、図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の流体系を説明するための系統図である。図4は、図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置の検出部の構成を説明するための斜視図である。図5は、図1に示した一実施形態による尿中有形成分分析装置に用いるパルス幅算出部の構成を説明するためのブロック図である。
【0010】
尿中有形成分分析装置の構成
図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置の構成について説明する。
本実施形態による尿中有形成分分析装置は、図1に示すように、装置本体100と、テーブル101と、電源や空圧源を含む動力源102とを備え、検体容器13内の尿検体の有形成分を赤血球,白血球,上皮細胞,円柱,細菌などに分類する機能を備えている。また、装置本体100の前面の上部には、液晶画面からなる表示部67が設けられている。この表示部67には、尿検体の分類結果や各種設定値などの種々の情報が表示される。また、この表示部67は、タッチパネルとしての機能を有しており、装置を操作するための操作部61と一体的に構成されている。具体的には、表示部67(操作部61)の液晶画面には、尿検体の測定に関する各種設定や各種機能の選択のための操作キーが表示されるとともに、使用者が液晶画面の操作キーに触れることにより各種設定や各種機能の選択などの操作を行うことが可能なように構成されている。また、本体100の前面の中央部には、検体容器13から尿を吸引するための吸引ピペット11が設けられている。また、装置の前面の中央部右側には、スタートスイッチ12が設けられている。
【0011】
以下、図2〜図4を用いて尿中有形成分分析装置の構成をさらに詳述する。
この尿中有形成分分析装置は、図2に示すように解析部35を備える。解析部35は制御部69とパルス幅算出部62を備える。制御部69は散布図作成部65を含む粒子分類部64とデータ格納部63とを備える。制御部69は操作部61とスタートスイッチ12からの出力を受けて流体系駆動部66および検出部68を制御する。そして、パルス幅算出部62は検出部68からの出力を受けてパルス幅を算出する。制御部69は、算出されたパルス幅のデータをデータ格納部63に格納すると共に、粒子分類部64は散布図作成部65においてパルス幅データに基づく散布図を作成し、尿中有形成分の分類を行うようになっている。制御部69は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータで構成される。データ格納部63はRAMなどのメモリから構成される。
【0012】
また、この尿中有形成分分析装置は図3に示すような流体系を備える。この流体系は、セル1とノズル6とを含むシースフローセル23と、ノズル6に接続される定量シリンジ44と、定量シリンジ44のピストン44bを駆動するモータ44aと、電磁バルブ46を介してノズル6に接続される反応チャンバー48と、セル1へ電磁バルブ50を介して接続されると共に定量シリンジ44へ電磁バルブ41を介して接続されるシース液チャンバー42と、シース液チャンバー42に陽圧を印加する圧力装置43と、ノズル6に電磁バルブ47を介して接続される吸引装置49と、セル1に接続される廃液チャンバー45と、廃液チャンバー45から廃液を排出するための電磁バルブ57を備える。ここで、モータ44a、電磁バルブ41,46,47、圧力装置43、吸引装置49は、図2に示される流体系駆動部66である。
【0013】
また、図2に示す検出部68は具体的には図4に示す構成を有する。つまり、検出部68は、シースフローセル23のオリフィス部を照明するレーザダイオード21およびコリメートレンズ22と、粒子からの側方散乱光を検出する集光レンズ27とダイクロイックミラー28とフォトマルチプライアチューブ(以下、フォトマルという)36と、粒子からの側方蛍光を検出するフィルタ29とピンホール板30とフォトマル31とを備える。さらに、フォトマル36と31から出力される信号をそれぞれ増幅して選択部79(図5)へ入力するアンプ33,34が設けられている。
【0014】
また、図2に示すパルス幅算出部62は、具体的には図5に示す構成を有する。つまり、パルス幅算出部62は、検出部68(図4)からの2つの出力信号(アンプ33,34の出力信号)のいずれかを選択して出力する選択部79と、選択部79の出力を濾波するディジタルフィルタ71と、第1および第2しきい値格納部72,76と、ディジタルフィルタ71の出力の第1および第2しきい値より大きい期間をそれぞれパルス波形で出力する第1および第2比較部73,77と、第1および第2比較部73,77の出力パルスからパルス幅を算出する第1および第2パルス幅算出部74,78と、ディジタルフィルタ71の出力が第1しきい値より大きい期間内に限って第2パルス幅算出部78のパルス幅算出動作を許可するパルス幅制御部75とを備える。なお、選択部79はアナログスイッチにより、第1および第2しきい値格納部72,76はレジスターにより、第1および第2比較部73,77はコンパレーターにより、第1および第2パルス幅算出部74,78はカウンターにより、パルス幅制御部75はゲートにより、それぞれ構成される。
【0015】
尿中有形成分分析装置の動作
次に、図1〜図5および図6〜図9を参照して、本実施形態による尿中有形成分分析装置の動作について説明する。まず、使用者は図1に示す吸引ピペット11を検体容器13に挿入して、スタートスイッチ12を押す。それによって検体容器13内の尿が吸引ピペット11から吸引され、蛍光染色処理されると共に希釈処理された後、反応チャンバー48(図3参照)へ移送される。尿の移送動作と並行して、図3に示す流体系の各動作が行われる。
【0016】
図3において、先ず洗浄工程が行われる。この工程では、まず、バルブ41,50が開かれ、シース液を収容したシース液チャンバー42からシース液が圧力装置43から印加される圧力Pによって送出され、バルブ41と定量シリンジ44とノズル6とを介して廃液チャンバー45へ排出されると共に、バルブ50とセル1とを介して廃液チャンバー45に排出され、所定時間後にバルブ41,50が閉じられる。これによって、定量シリンジ44,ノズル6,セル1およびその経路がシース液により洗浄される。
【0017】
次に、測定工程が行われる。この工程では、まず、バルブ46,47が開かれ、試薬で処理された尿、つまり試料液を収容する反応チャンバー48から試料液が吸引装置49の負圧により吸引され、バルブ46とノズル6間の経路が試料液で満たされると、バルブ46,47が閉じられる。次に、バルブ50が開かれると、シース液がシース液チャンバー42から圧力装置43の圧力によりセル1へ送出され、廃液チャンバー45に排出される。
【0018】
次に、バルブ41が開かれると、圧力装置43からの圧力Pは定量シリンジ44を介してノズル6の先端へも伝達され、ノズル6の先端においてノズル外部のシース液の圧力とノズル内部の試料液の圧力とが平衡する。従って、この状態で定量シリンジ44のピストン44bがモータ44aにより駆動されると、バルブ46とノズル6間に存在する試料液はノズル6からオリフィス部へ円滑に吐出され、シース液によって細く絞られてオリフィス部を通過し、シース液と共に廃液チャンバー45へ排出される。
そして、定量シリンジ44のピストン44bの駆動が終了すると、測定工程を終了する。
【0019】
次に、モータ44aが逆転してピストン44bが引き戻され、定量シリンジ44は初期状態に復帰するが、この間にはバルブ41,50は開かれたままであるので、前述の洗浄工程が行われ、次の測定工程に備えられることになる。なお、バルブ57は廃液チャンバー45から廃液を排出するために、必要に応じて開閉される。
【0020】
また、上記測定工程において、図4に示す検出部68では、レーザダイオード21から出射されたビームがコリメートレンズ22を介してシースフローセル23のオリフィス部を照射する。
【0021】
オリフィス部を通過する試料液中の粒子から発せられる側方散乱光と側方蛍光については、側方散乱光は集光レンズ27とダイクロイックミラー28とを介してフォトマル36に入射し、側方蛍光は集光レンズ27とダイクロイックミラー28とフィルタ29とピンホール板30を介してフォトマル31に入射する。
【0022】
フォトマル36から出力される側方散乱光信号と、フォトマル31から出力される側方蛍光信号とは、それぞれアンプ33,34により増幅され、図5に示すパルス幅算出部62へ入力される。
【0023】
ところで、この実施態様が分類対象とする尿中有形成分は、円柱,硝子円柱,白血球,赤血球,細菌および上皮細胞(単体)などであるが、とくに、病的な円柱は多数の内容物を含むので、内容物の数により健常時にも認められる円柱と病的な円柱に分類できる。図7の(a)はサイズL2の1個の内容物(白血球)を含む場合のサイズL1の円柱の上面図、図7の(b)は各サイズD1,D2,D3の3個の内容物を含む場合のサイズL1の円柱の上面図である。そして、これらの円柱の側方蛍光又は側方散乱光の電気信号波形(図4のアンプ34又は33の出力波形)は図6の(a)と(b)に示すようになる。つまり、図6(a)の波形の第1しきい値Th1より大きい部分のパルス幅PW1は図7(a)の円柱のサイズL1に比例し、第2しきい値Th2より大きい部分のパルス幅PW2は図7(a)の内容物のサイズL2に比例する。また、図6(b)の波形の第1しきい値Th1より大きい部分のパルス幅PW1は図7(b)の円柱のサイズL1に比例し、第2しきい値Th2より大きい部分のパルス幅W1,W2,W3は、それぞれ図7(b)の3個の内容物のサイズD1,D2,D3に比例する。
【0024】
そこで、図5に示すパルス幅算出部62では、図4の検出部68のアンプ34又は33から得られる信号のいずれか一方が選択部79で選択される(いずれを選択するかは予め操作部61で設定されている)。選択された波形は、ディジタルフィルタ71で濾波されて第1および第2比較部73,77へ入力され、第1および第2しきい値格納部72,76が出力する第1および第2しきい値Th1,Th2とそれぞれ比較される。各比較結果により第1および第2パルス幅算出部74,78はそれぞれパルス幅を算出する。
【0025】
つまり、ディジタルフィルタ71の出力信号波形が図6(a)に示すような信号波形であるときには、第1および第2パルス幅算出部74,78はそれぞれ第1しきい値Th1に対応する第1パルス幅PW1と、第1しきい値Th1よりも大きい第2しきい値Th2に対応する第2パルス幅PW2を算出する。さらに、図6(b)に示すように1つの信号波形が第2しきい値Th2に対応する複数のパルス幅W1,W2,W3を有するときには、第2パルス幅算出部78はパルス幅制御部75の指令により複数のパルス幅の総和、つまり、(W1+W2+W3)を第2パルス幅PW2として算出する。算出された第1および第2パルス幅PW1,PW2などのデータは、図2に示すデータ格納部63に格納される。
そして、図2に示す粒子分類部64の散布図作成部65は、データ格納部63からデータを読み出し、第1および第2パルス幅PW1,PW2に基づく散布図を作成して粒子を分類し、その結果を表示部67に表示する。
【0026】
尿中有形成分分析装置による測定例
この尿中有形成分分析装置による測定例を以下に示す。検体としてヒトの尿を使用し、希釈液としてHEPESとNaClとEDTA−3KとNaOHを含有する水溶液を用い、染色液として日本感光社製色素「NK−529」を含有するエチレングリーコール溶液を用い、シース液としてはシスメックス(株)製のバクトシースMSE−900Aを使用する。そして、測定を行い、散布図作成部65が作成し、表示部67に表示される2次元散布図の例を図8,図9に示す。
【0027】
図8は図4のフォトマル31から出力される側方蛍光信号のパルス幅PW1,PW2をそれぞれX軸,Y軸とするものであり、図9は図4のフォトマル36から出力される側方散乱光信号のパルス幅PW1,PW2をそれぞれX軸,Y軸とするものである。
図8および図9を見れば、尿に含まれる有形成分を、白血球又は上皮細胞(単体),病的円柱,円柱および硝子円柱に、明確に分類できることが分かる。
【0028】
上記実施形態ではパルス幅の算出は電気的な回路構成であるパルス幅算出部62で算出したが、マイクロコンピュータからなる制御部69によってソフトウェア的に算出することも可能である。
【0029】
上記実施形態では、粒子から発せられる側方蛍光又は側方散乱光を使用してパルス幅を算出し、円柱を分類したが、粒子から発せられる高角散乱光を使用して、パルス幅を算出し、円柱を分類することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態による尿中有形成分分析装置の全体的な外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す分析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す分析装置の流体系を示す系統図である。
【図4】図1に示す分析装置の検出部を示す斜視図である。
【図5】図1に示す分析装置のパルス幅算出部のブロック図である。
【図6】図1に示す分析装置の電気信号波形図である。
【図7】円柱とその内容物を示す説明図である。
【図8】図1に示す分析装置により作成される散布図例である。
【図9】図1に示す分析装置により作成される散布図例である。
【符号の説明】
【0031】
11 吸引ピペット
12 スタートスイッチ
13 検体容器
61 操作部
62 パルス幅算出部
63 データ格納部
64 粒子分類部
65 散布図作成部
66 流体系駆動部
67 表示部
68 検出部
69 制御部
100 装置本体
101 テーブル
102 動力源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子含有液の流れを形成するフローセルと、その流れを照明する光源と、流れの中の粒子からの光を受光して電気信号波形に変換する光電変換部と、電気信号波形の高さ方向の第1しきい値に対応する第1パルス幅および第1しきい値より大きい第2しきい値に対応する第2パルス幅を算出するパルス幅算出部と、第1および第2パルス幅を用いて粒子を分類する粒子分類部とを備え、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出部はその複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出する粒子分類装置。
【請求項2】
第1パルス幅が粒子の大きさを表す情報であり、第2パルス幅が粒子の内容物の大きさを表す情報である請求項1記載の粒子分類装置。
【請求項3】
粒子分類部が、第1および第2パルス幅に基づく2次元散布図を作成する散布図作成部を備え、2次元散布図に基づいて粒子を分類する請求項1又は2記載の粒子分類装置。
【請求項4】
粒子からの光が、蛍光又は側方散乱光である請求項1〜3のいずれか1つに記載の粒子分類装置。
【請求項5】
粒子含有液が尿であり、粒子分類部が第1および第2パルス幅に基づいて尿中の円柱と他成分とを分類する請求項1〜4のいずれか1つに記載の粒子分類装置。
【請求項6】
粒子含有液の流れを形成する工程と、その流れを照明する工程と、流れの中の粒子からの光を受光して電気信号波形に変換する工程と、得られた電気信号波形の高さ方向の第1しきい値に対応する第1パルス幅および第1しきい値より大きい第2しきい値に対応する第2パルス幅を算出するパルス工程と、第1および第2パルス幅を用いて粒子を分類する工程を備え、1つの電気信号波形が第2しきい値に対応する複数のパルス幅を有するとき、パルス幅算出工程は、その複数のパルス幅の総和を第2パルス幅として算出する粒子分類方法。
【請求項7】
第1パルス幅が粒子の大きさを表す情報であり、第2パルス幅が粒子の内容物の大きさを表す情報である請求項6記載の粒子分類方法。
【請求項8】
粒子分類工程が、第1および第2パルス幅に基づく2次元散布図を作成する工程を備え、2次元散布図に基づいて粒子を分類する請求項7又は8記載の粒子分類方法。
【請求項9】
粒子からの光が、蛍光又は側方散乱光である請求項6〜8のいずれか1つに記載の粒子分類方法。
【請求項10】
粒子含有液が尿であり、粒子分類工程が第1および第2パルス幅に基づいて尿中の円柱と他成分とを分類する請求項6〜9のいずれか1つに記載の粒子分類方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−29962(P2006−29962A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208888(P2004−208888)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)