説明

粒子療法検証のための装置及び方法

本発明は、荷電ハドロン療法、すなわち強く相互作用する粒子を使用した放射線療法の分野に関する。より具体的には、本発明は、対象物における荷電ハドロンビームのビーム領域、及び対象物における粒子線量分布を測定するための検出器及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電ハドロン療法、すなわち強く相互作用する粒子を使用した放射線療法の分野に関する。より具体的には、本発明は、対象物における荷電ハドロンビームのビーム領域、及び対象物における粒子線量分布を測定するための検出器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線療法の分野において、荷電ハドロン(すなわち、陽子、パイオン、炭素イオンなどのイオン)はX線またはガンマ線に対して物理的利点を有することが定着している。例えば、所定のエネルギー(すなわち、単一エネルギー陽子ビーム)の陽子は、対象物において特定の領域または侵入深さを有し、領域を超えて侵入することはなく、さらには、対象体積における放射線の最大侵入点に対応するいわゆるブラッグピークにおいてエネルギーまたは線量の最大量を蓄積する。ブラッグピーク位置は、ハドロンビームのエネルギーに依存するため、エネルギーを精密に制御及び修正することによって、腫瘍の適当な深さにブラッグピークを置き、選択された箇所に最大放射エネルギーを投与し、逆に前記箇所の周囲の健康な組織には投与しないようにすることができる。
【0003】
結果として、対象腫瘍が過少摂取を受け得るのに対して、対象腫瘍付近に位置する決定組織が過量摂取を受け得るため、ブラッグピークの位置を正確に把握しなければならない。
【0004】
既存の放射線治療計画ツールは「理論上の」または「計画上の」ビーム領域及びCT画像に基づいた線量分布を計算するが、周囲の組織の複雑な原子組成を完全に考慮することはほぼ不可能である。結果として、不確実性の度合が粒子領域に影響を与える。従って、粒子領域を直接オンラインで、すなわちビーム発射の間に測定することが必要とされる。
【0005】
ハドロンビームは、たとえ照射の間であっても治療容積内で停止するため、ハドロンビーム蓄積の投与の終わりを直接検出することは不可能である。
【0006】
解決策として、粒子ビームの線量蓄積に関する定量的情報を与える二次粒子を検出する方法がある。このような方法は、非特許文献1に開示されている。この文献には、β+活性分布を、硬光子ビームの照射と同時にオンラインで測定することが開示されている。簡潔に言うと、硬光子照射(20MeVを超えるエネルギー)によって、(γ,n)反応に起因してファントム中に陽電子放射体が生成され、対消滅及び続く2つの同時ガンマ線の放出がもたらされる。Mockelは、ビーム方向に直線的に移動する二つのヘッドを持ったPETカメラを使用して、これらのガンマ線を検出し、二次元活性分布を推測している。
【0007】
陽子ビームでは、炭素ビームと比較した場合に、陽子ビームでPET同位体を生成する機構が異なるため、この原理を利用することができない。陽子誘発核反応によって生成される陽電子放射体の対象物体における分布は、対象物体における空間陽子線量分布とは直接相関性はない。さらに、陽子ビームで陽電子放射体PET同位体を生成するための衝突断面積は、炭素ビームでPET同位体を生成するための断面積と比較してかなり小さい。主に11Cと15Oである、粒子ビームによって発生した陽電子放射体は、異なる半減期を有するため、照射とオフビームPET走査との間の遅延が線量蓄積の決定に影響を及ぼし得る。さらに、陽電子放射体の血流へのリークもまたオフビームPET走査による線量蓄積測定に影響を及ぼし得る。
【0008】
別の解決方法が非特許文献2に開示されている。この文献の著者は、1つの多層コリメータシステムが設けられたガンマ線シンチレーションカメラを使用して、照射によって発生する即発ガンマ線を測定している。しかしながら、この装置は、ビーム方向の90°の方向に放射された即発ガンマ線しか検出することができない。ビーム方向に沿った即発ガンマ線分布を得るためには、検出器を段階ごとに異なる測定位置に移動させなければならず、この装置は実用的なオンライン測定には有用でない。
【0009】
非特許文献3には、陽子ビーム領域のオンライン測定のための直線配列のシンチレーション検出器及びフォトダイオードが開示されている。この装置の1つの欠点は、コリメータ遮蔽を低減した結果バックグラウンドのレベルが増大することである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Mockel, “Comparison of Ion−Beam and Off−beam PET Experiments at Hard Photons”, IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 2007, p.4113−4116
【非特許文献2】Chul−Hee Min and Chan Hyeong Kim, “Prompt gamma measurements for locating the dose falloff region in the proton therapy”, Applied Physics Letters, 2006, article 183517
【非特許文献3】Chul−Hee Min, Journal of the Korean Ohysical Society,2008年3月, Vol 52, No.3, pp888−891
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来の検出器及び方法の欠点を克服する荷電ハドロン療法検証のための装置及び方法を提供することである。本発明の目的は特に、オンライン検出器、すなわち荷電ハドロンビームを照射された物体または体における荷電ハドロンビームの侵入深さまたは領域の実時間測定を提供することが可能な検出器を提供することである。さらには、荷電ハドロンビームを照射された物体または体における空間線量分布を決定することができる検出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、荷電ハドロンビームを物体または体に照射する場合に生成される即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン療法検証のための装置であって、前記装置は、前記荷電ハドロンビームが前記物体または体に侵入する間に放出される前記即発ガンマ線の数を取得するように配置されたガンマ線ピンホールカメラを備える装置に関する。
【0013】
好ましくは、ガンマ線ピンホールカメラは、不要な粒子の検出を防ぐための遮蔽手段を備える。
【0014】
好ましくは、ガンマ線ピンホールカメラは、データ取得のための電気的手段を備える。
【0015】
好ましくは、本発明による装置は、前記電気的手段に接続され、計測された前記即発ガンマ線から、前記物体または体における前記荷電ハドロンビームの測定侵入深さまたは領域を決定することが可能な演算手段をさらに備える。
【0016】
好ましくは、前記演算手段は、前記測定侵入深さを理論的または予定侵入深さと比較することを可能にする。
【0017】
好ましくは、前記電気的手段に接続された前記演算手段は、相対的線量蓄積を表す画像の構築を可能にする。
【0018】
好ましくは、前記画像は、相対的線量蓄積の二次元または三次元表示である。
【0019】
好ましくは、カメラの光軸は、ビームの方向に垂直である。
【0020】
好ましくは、ピンホールの内径dは、最もエネルギーの高い放出された即発ガンマ線の波長の値よりも厳密に高い。
【0021】
好ましくは、本発明による装置は、前記荷電ハドロンビームの時間構造に同調した前記即発ガンマ線の前記数を取得するための電気的手段をさらに備える。
【0022】
好ましくは、本発明による装置は、即発ガンマ線を検出するための少なくとも2つのカメラを備える。
【0023】
本発明の別の態様は、ファントムに粒子ビームを照射することによって得られる即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン療法検証のための方法であって、
ファントムに荷電ハドロンビームを照射する段階と、
照射の間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から前記荷電ハドロンビームの領域または侵入深さを推測する段階と、
専用の領域測定装置でファントム中の荷電ハドロンビームの領域を測定する段階と、
即発ガンマ線検出に基づく推測領域を、前記専用の領域測定装置で測定された領域と比較する段階と、を含む方法に関する。
【0024】
好ましくは、本発明による方法は、
前記検出された即発ガンマ線に基づいてファントムに与えられた放射線量を計算する段階をさらに含む。
【0025】
好ましくは、本発明による方法は、前記照射する段階の前に、
ファントムに対して固定位置に即発ガンマ線検出器を配置する段階をさらに含む。
【0026】
好ましくは、本発明による方法において使用される即発ガンマ線検出器は、ガンマ線ピンホールカメラである。
【0027】
本発明はまた、荷電ハドロンビームを物体または体に照射する場合に生成される即発ガンマ線を検出及び/または定量化することによる荷電ハドロン領域検証のためのハドロン療法装置であって、前記装置は、前記荷電ハドロンビームが前記物体または体に侵入する間に放出される前記即発ガンマ線の数を取得するように配置されたガンマ線ピンホールカメラを備える装置に関する。
【0028】
好ましくは、前記ガンマ線ピンホールカメラは、即発ガンマ線以外の粒子の検出を防ぐための遮蔽手段を備える。
【0029】
好ましくは、前記ガンマ線ピンホールカメラは、データ取得のための電気的手段を備える。
【0030】
好ましくは、ハドロン療法装置は、前記電気的手段に接続され、計測された前記即発ガンマ線から、前記物体または体における前記荷電ハドロンビームの侵入深さまたは領域を決定するための演算ユニットをさらに備える。
【0031】
好ましくは、前記演算ユニットは、前記測定侵入深さを理論的または予定侵入深さと比較する。
【0032】
好ましくは、前記電気的手段に接続された前記演算ユニットは、相対的線量蓄積を表す画像を構築する。
【0033】
好ましくは、前記画像は、相対的線量蓄積の二次元または三次元表示である。
【0034】
好ましくは、カメラの光軸は、ビームの方向に垂直である。好ましくは、ピンホールの内径dは、最もエネルギーの高い放出された即発ガンマ線の波長の値よりも厳密に高い。
【0035】
好ましくは、ハドロン療法装置は、前記荷電ハドロンビームの時間構造に同調した前記即発ガンマ線の前記数を取得するための電気的手段をさらに備える。
【0036】
本発明の別の態様は、即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン領域検証のための方法に関し、
荷電ハドロンビームを照射する段階と、
放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から前記荷電ハドロンビームの領域または侵入深さを推測する段階と、
専用の領域測定装置で荷電ハドロンビームの領域を測定する段階と、
即発ガンマ線検出に基づく推測領域を、前記専用の領域測定装置で測定された領域と比較する段階と、を含む方法に関する。
【0037】
本発明による方法は、
前記検出された即発ガンマ線に基づいて放射線量を計算する段階をさらに含む。
【0038】
本発明による方法は、前記照射する段階の前に、
処理室に対して固定位置に即発ガンマ線検出器を配置する段階をさらに含む。
【0039】
好ましくは、該方法において使用される即発ガンマ線検出器は、ガンマ線ピンホールカメラである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】陽子ビームを照射された体または物体において生じ得る核反応を示す。
【図2】図2aは、別のモンテカルロコードと比較した、水中での侵入深さによる230MeV陽子ビームのエネルギー損失または線量のモンテカルロシミュレーションを示し、図2bは、別のモンテカルロコードと比較した、陽子ビーム路に沿った相対的即発ガンマ線生成頂点のモンテカルロシミュレーションを示す。
【図3】図3aは、様々なエネルギーの陽子ビームを体または物体に照射した結果得られる中性子スペクトル、図3bは、光子スペクトルのモンテカルロシミュレーションを示す。
【図4】本発明の第1実施形態による即発ガンマ線を検出するように配置されたガンマカメラを示す。
【図5】本発明の第2実施形態による即発ガンマ線を検出するように配置されたピンホールカメラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、荷電ハドロンビーム(例えば陽子ビーム、炭素ビーム)を物体または体に照射する場合に即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン療法のための装置に関するものであり、前記装置は、前記荷電ハドロンビームが前記物体または体に侵入する間に放出された前記即発ガンマ線の数を取得するように配置された計数手段を備える。
【0042】
好ましくは、前記計数手段は、少なくとも1つのシンチレーション結晶と連結された複数のコリメータを備え、前記結晶は光電子倍増管及びデータ取得用電子的手段と連結されている。
【0043】
さらに好ましくは、前記計数手段は、データ取得用の電子的手段を有するガンマ線ピンホールカメラを備える。
【0044】
好ましくは、前記計数手段は、不要な粒子を検出しないための遮蔽手段を備える。
【0045】
好ましくは、前記電子的手段と接続された計算手段によって、計測された前記即発ガンマ線から、前記物体または体における前記荷電ハドロンビームの測定された侵入深さまたは領域を決定することが可能となる。
【0046】
さらに、計算手段によって、前記測定された侵入深さを理論上または計画上の侵入深さと比較することが可能となる。
【0047】
好ましくは、電子的手段に接続された計算手段によって、相対的線量蓄積を表すイメージを構築することが可能となる。
【0048】
好ましくは、前記イメージは相対的線量蓄積の二次元または三次元表示である。
【0049】
好ましくは、カメラの光軸はビームの方向と垂直である。
【0050】
さらに、本発明は、ファントムに粒子ビームを照射することによって得られる即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン療法のための方法に関し、ファントムに荷電ハドロンビームを照射する段階と、照射の間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、検出された即発ガンマ線から前記荷電ハドロンビームの領域または侵入深さを減算する段階と、専用領域測定装置でファントム中の荷電ハドロンビームの領域を測定する段階と、即発ガンマ線検出に基づいて推定された領域を前記専用領域測定装置で測定された領域と比較する段階と、を含む。
【0051】
さらには、測定された即発ガンマ線に基づいて物体に投与された線量を計算することができる。
【0052】
本発明は、人体、動物体、または水ファントムなどの任意の物体に照射することによって得られる即発ガンマ線の検出に基づくものである。
【0053】
陽子ビームなどの荷電ハドロンビームの照射を受けて、複数の核反応によって励起状態の核は基底状態へと戻ることができる。複数の核反応のうちのいくつかを図1に示す。図1aに示すように、これらの反応では、ビームからの陽子との相互作用の後、即発ガンマ線の放出が直接観測される。
【0054】
荷電ハドロンビームのエネルギー蓄積と即発ガンマ線の分配との間の相関関係は、PHITS(Proton and Heavy Ion Transport System)及びMCNPX2.5.0(Monte Carlo N−Particle eXtended version 2.5.0)コードの両方を使用したモンテカルロシミュレーションによって理論的に評価した。
【0055】
230MeV単一エネルギー陽子ビームを水ファントムに照射した場合のモンテカルロシミュレーション結果を図2に示す。
【0056】
深さ−線量の分布(図2a)は、水ファントムにおけるハドロンビームの浸入深さに応じた水ファントムにおける相対的エネルギー蓄積または線量蓄積を表す。
【0057】
ブラッグピークと呼ばれる線量蓄積の最大値が、水ファントム中の約32cmの深さで観測される。
【0058】
ブラッグピークの右側の線量蓄積の90%値は、物体(例えば水ファントム、体)におけるハドロンビームの侵入深さまたは領域と呼ばれる。
【0059】
ハドロンビームの領域のその他の定義がある(例えば80%値、など)。
【0060】
陽子ビームの深さ−線量分布(図2a)は、即発ガンマ線発生量(図2b)と密接に関係する。
【0061】
即発ガンマ線発生量(図2b)は、水ファントムにおける荷電ハドロン浸入深さに応じた、放出された即発ガンマ線の相対数値を表す。
【0062】
即発ガンマ線スペクトルのピーク(図2b)は、深さ−線量分布スペクトルにおけるブラッグピーク(図2a)とほぼ同じ深さの位置で観測される。
【0063】
これらのシミュレーションにおいて考慮された水ファントムは、直径20cm、長さ40cmの円柱である。
【0064】
人体、動物体または任意の物体に照射する間に、即発ガンマ線の放出の他に、その他の粒子が放出される。特に、図1bに示すように、高速中性子が生成され、即発ガンマ線計数信号に影響を及ぼすバックグラウンド源を構成する。
【0065】
異なる陽子ビームエネルギーに対してPHITSコードを使用したモンテカルロシミュレーションでシミュレーションされた高速中性子のスペクトルを図3に示す。
【0066】
高速中性子は主に前方に向かう一方で、治療室の壁上で散乱した後、信号の劣化に大きく寄与する。従って、中性子に対する検出器の適当な遮蔽が必要とされる。
【0067】
制動放射によって発生するX線などのその他の粒子に対する遮蔽も必要である。
【0068】
好ましくは、本発明による装置は、即発ガンマ線を検出するための少なくとも2つのカメラを備える。
【0069】
前記カメラは、同一であっても異なるものであってもよい。
【0070】
好ましくは、即発ガンマ線計測は、加速器によって提供される粒子ビームの時間構造に同調して起こる。
【0071】
本発明では、「時間構造」との用語は時間に応じたビーム強度の変動に言及する。
【0072】
たいていの場合、前記ビーム強度は経時変化し、粒子加速器の特性に依存する。
【0073】
以降で、粒子療法に適した2種類の粒子加速器に対する時間構造の2つの例を説明する。
【0074】
粒子加速器(例えば、サイクロトロン、シンクロサイクロトロン、線形加速器など)の時間構造は、高周波(RF)加速器システムによって決定される。
【0075】
例えば100MHzの一定RF周波数を使用した230MeV陽子サイクロトロンは、10nsec毎に(ビームパルス繰り返し期間)ビームパルスを供給し、典型的に1nsecのパルス幅を有する。
【0076】
粒子加速器の別の例は、時変RF周波数を使用した250MeVのシンクロサイクロトロンであり、粒子の相対論的質量増加の効果を考慮するために周波数が高から低へと変化する。シンクロサイクロトロンにおける粒子の加速サイクルの間に、RF周波数を例えば86MHzから66MHzの間で変化させることができる。その後、生成される各ビームパルスに対してこの加速サイクルを繰り返す。
【0077】
加速器サイクルの典型的な繰り返し周波数(RF変調周波数に対応)は、200から1000Hzの間である。結果として、シンクロサイクロトロンで生成された粒子ビームの時間構造は、マクロレベル及びミクロレベルの時間構造を有する。
【0078】
マクロレベルの時間構造は、例えば2ms毎などの加速サイクル毎に生成されるマクロレベルのパルス(すなわち500HzのRF変調周波数に対して)に対応し、数百ナノ秒(例えば0.3マイクロ秒)の典型的な幅を有する。
【0079】
マクロレベルパルスは、マクロレベルパルスの周波数がRF加速周波数に対応するような一連のマイクロレベルパルスを含む。
【0080】
RF周波数66MHzとは、典型的に1.5ナノ秒のパルス幅で15.2ナノ秒毎にマイクロレベルパルスが生成することを意味する。
【0081】
例えば、マクロレベルパルスは、一連の20マイクロレベルパルスを含むことができる。
【0082】
即発ガンマ線とバックグラウンド放射線との間の割合を向上させるために、有利には上述のように粒子加速器の時間構造を利用することができる。
【0083】
粒子ビームの対象(人体、動物体または水ファントムなどの任意の物体)との相互作用の後、ガンマカメラによって放射現象が検出する前にかかる時間は、放射現象の種類に依存する。
【0084】
光の速度で移動する即発ガンマ線は、ガンマカメラにおいて放射現象を即座に発生させる一方で、速度の遅い中性子はガンマカメラにおいてより後で放射現象を発生させる。
【0085】
即発ガンマ線の生成後(粒子ビームと対象との相互作用に続いた)、ガンマカメラにおいて即発ガンマ線を検出することができる間の時間ウィンドウは小さい(例えば数ナノ秒以下程度)。
【0086】
高速即発ガンマ線と比較した場合、中性子はガンマカメラとより遅い時間に相互作用するだけでなく、ビームが対象に衝突した後に(広いエネルギースペクトルを有する)中性子をガンマカメラで検出することができる間の時間ウィンドウはずっと大きく、数十ナノ秒以上(対象とガンマカメラとの配置に応じて)となり得る。
【0087】
ガンマカメラにおいて放射現象を発生させる前の即発ガンマ線と中性子との間の飛行時間(TOF)のこの差を使用してバックグラウンド放射線強度(中性子及び中性子誘導放射線)に対する即発ガンマ線信号強度を増強することができる。
【0088】
例えば10ns毎に1nsのパルス幅を有するパルスを生成する上述の粒子加速器の時間構造は、信号対ガンマカメラで検出される即発ガンマ線のバックグラウンド比の最適化に適している。
【0089】
粒子加速器のRF加速器周波数と同時に即発ガンマ線を測定することによって、ビームが対象に衝突して即発ガンマ線が生成された後の小さな時間ウィンドウの間に即発ガンマ線のみ得られる必要がある。
【0090】
バックグラウンド低減量は、ビームパルス繰り返し時間に対する即発ガンマ線を分析するために選択された時間ウィンドウに依存する。
【0091】
ビームパルス繰り返し時間が10ナノ秒であり、パルス幅が1ナノ秒であるような前述のサイクロトロンの場合、例えば1ナノ秒の即発ガンマ線時間ウィンドウを適用したとき、バックグラウンド放射は最大因子10低減する。
【0092】
例えば1.5ナノ秒の周期を有する20ビームパルスが2ミリ秒の加速サイクル時間の各々に供給されるシンクロサイクロトロンの場合、例えば即発ガンマ線ウィンドウを1.5ナノ秒に設定したとき、バックグラウンドレベルは最大因子66666低減することができる。
【0093】
好ましくは、本発明による装置は、粒子加速器のRF周波数と同時に即発ガンマ線の強度を測定する電気的手段を備える。
【0094】
粒子加速器のRF周波数と同時に即発ガンマ線を測定する電気的手段は、例えば原子核物理学において使用される従来の電子機器とすることができる。
【0095】
例えば、タイミングNIMモジュール(核計測モジュール)を使用することができる。
【0096】
タイミング解析に使用することができる基本NIMモジュールは、開始入力信号と停止入力信号との間の時間に正比例する振幅を有する出力パルスを生成するTACモジュール(時間−アナログ変換器)である。
【0097】
TACを使用してRFパルス信号の開始(開始入力)からガンマカメラにおいて放射現象が検出される時(停止入力)までの間の時間を測定することができる。
【0098】
即発ガンマ線が処理室で測定される設備の配置に応じて、粒子ビームの粒子が加速器から処理室へと移動するのに必要な時間を考慮に入れてRF信号を遅延することができる。この遅延は、標準NIM遅延モジュールでも実施することができる。
【0099】
NIM電子機器は、データ取得システム及びユーザインターフェースと連結される。ガンマカメラにおけるそれぞれの放射現象に対して取得される基本データは、蓄積されたエネルギー及びTAC(TOF測定に対応)で測定された特性時間である。
【0100】
得られたあらゆる放射現象は、例えばTACで決定される時間の関数としてプロットすることができ、これは飛行時間スペクトルである。
【0101】
上述のように、即発ガンマ線と中性子との間の飛行時間(TOF)の差によって、即発ガンマ線と中性子とを識別することができる。測定された放射現象のエネルギー上に追加のウィンドウを設定することによって、中性子と即発ガンマ線との識別をさらに大きくすることができる。
【0102】
代わりに、上述のようなTOF測定を実施する開始信号として、ビーム線における粒子ビームの存在を検出する非妨害粒子ビーム検出器を使用することもできる。
[実施形態1]
【0103】
好ましい一実施形態では、アンガーカメラ(10)を使用して、ビーム方向に対して基本的に90°の方向に放出された即発ガンマ線を検出する。
【0104】
物体から90°の角度で放出された即発ガンマ線を検出するために、カメラ(10)を光軸(9)がビーム方向に垂直となるように設置する。
【0105】
同一の原理を利用して、カメラをビーム方向に対して別の配置に設置して別の角度の即発ガンマ線を測定することができる。
【0106】
アンガーカメラ(10)は、中性子、X線及び不要なガンマ線に対する適当な遮蔽を備える。
【0107】
図4に示されるように、カメラ(10)は、PbまたはWなどの高原子番号材料からなる複数のコリメータ(1)を備え、その上部に少なくとも1つのシンチレーション結晶(2)が配置される。
【0108】
少なくとも1つのシンチレーション結晶は、少なくとも1つの光電子倍増管(3)と光学的に連結され、それらの各々は、適当な読み出し電子機器(4)と接続される。
【0109】
従って、前記カメラは、照射された体または照射された物体から放出される即発ガンマ線の計測が可能な手段を備える。
【0110】
好ましくは、光電子倍増管(3)は直線配列を形成する。
【0111】
さらに好ましくは、光電子倍増管(3)は二次元配列を形成する。
【0112】
適当な読み出し電子機器(4)は、PC(5)などの演算手段と接続される。
【0113】
コリメータ(1)は、通常2.5cmから8cmの厚さを有し、全て互いに平行であり、シンチレーション結晶によって画定される面に対して垂直であるような一連の高原子番号材料の厚いシートを備える。この場合、カメラは複数のコリメータを備えるため、体または物体に対していかなる移動も実施しなくても、体または物体全体から放出される即発ガンマ線を検出することができる。
【0114】
少なくとも1つのシンチレーション結晶(2)は、タリウムでドープされたヨードナトリウムなどのシンチレーション材料からなる。
【0115】
シンチレーション結晶の各々は、隣接する結晶間の信号の交差汚染を防ぐ遮光体である。
【0116】
中性子の遮蔽は、2つの層(6,7)から構成される。外層(6)は、パラフィンまたは高密度ポリエチレンなど、高速中性子のエネルギーを低減させる材料からなり、一方で内層(7)は、BC粉末、Cd層、またはLiもしくはBでドープされたプラスチックなど、(n,γ)中性子捕獲反応によって低エネルギー中性子を捕獲する材料からなる。
【0117】
例えばPbまたはWである第三の層(8)は、非弾性散乱反応によって発生した光子または前記(n,γ)中性子捕獲反応によって発生した光子などの不要な光子に対する遮蔽を可能にする。
【0118】
PC(5)などの演算手段に接続された適当な読み出し電子機器(4)は、即発ガンマ線の分布の構築を可能にする。この分布は、照射された物体または体における相対的線量分布の典型である。
【0119】
分布は、物体における線量分布の一次元(1D)または二次元(2D)表示のいずれかである。
【0120】
好ましくは、第1のカメラと同一の第2のカメラを使用して、即発ガンマ線を検出し、即発ガンマ線の第2分布を構築する。
【0121】
これらの分布の組み合わせによって、演算手段(5)で動作する専用ソフトのおかげで即発ガンマ線の三次元(3D)分布を構築することが可能となる。
【0122】
好ましくは、2D及び3D分布は、演算手段(5)で動作する画像ソフトで作成される2Dまたは3Dマップを使用して表される。
[実施形態2]
【0123】
別の好ましい実施形態では、ピンホールカメラを使用して照射された体または物体から放出される即発ガンマ線を検出する。
【0124】
物体から放出された即発ガンマ線を検出するために、カメラを光軸(30)がビーム方向に垂直となるように設置する。
【0125】
ピンホールカメラは、中性子、X線及び不要なガンマ線に対する遮蔽を備える。
【0126】
図5に示されるように、ピンホールカメラ(20)は、PbまたはWなどの高原子番号材料からなるピンホールコリメータ(21)を備える。
【0127】
アンガーカメラと比較した場合のピンホールカメラを使用する利点は、ピンホールカメラはバックグラウンド放射線をより遮蔽できることである。
【0128】
アンガーカメラの問題点は、即発ガンマ線の分布を測定する際に高解像度を得るためには、コリメータ間の距離が小さいため(数mm、例えば2または3mm)、有効な遮蔽が減少することである。
【0129】
好ましくは、ピンホールの光軸(30)を含む面に続く部分は、円錐形(22)を有する。この円錐形によって、ビーム方向の90°から放出されない即発ガンマ線を検出することが可能となる。
【0130】
従って、カメラは、体または物体に対していかなる移動も実施しなくても、体または物体全体から放出される即発ガンマ線を検出することができる。
【0131】
好ましくは、物体または体の照射の間に、カメラは移動しない。
【0132】
最終的には、物体または体の照射の間に、カメラは移動することができる。
【0133】
好ましくは、ピンホールの内径dは、最もエネルギーの高い放出された即発ガンマ線の波長の値よりも厳密に高い。この値以下では、光子の回折が生じる。
【0134】
ピンホールカメラは、少なくとも1つの光電子倍増管(24)と光学的に連結された少なくとも1つのシンチレーション結晶(23)を備え、それらの各々は、適当な読み出し電子機器(25)と接続される。
【0135】
従って、前記カメラは、照射された体または照射された物体から放出される即発ガンマ線の計測が可能な手段を備える。
【0136】
好ましくは、光電子倍増管(24)は直線配列を形成する。
【0137】
さらに好ましくは、光電子倍増管(24)は二次元配列を形成する。
【0138】
少なくとも1つのシンチレーション結晶(23)は、タリウムでドープされたヨードナトリウムなどのシンチレーション材料からなる。
【0139】
好ましくは、シンチレーション結晶の各々は、隣接する結晶間の信号の交差汚染を防ぐ遮光体である。
【0140】
好ましくは、中性子の遮蔽は、2つの層(27,28)から構成される。外層(27)は、パラフィンまたは高密度ポリエチレンなど、高速中性子のエネルギーを低減させる材料からなり、一方で内層(28)は、BC粉末、Cd層、またはLiもしくはBでドープされたプラスチック化合物など、(n,γ)反応によって中性子を捕獲する材料からなる。
【0141】
好ましくは、例えばPbまたはWである第三の層(29)は、非弾性散乱反応によって発生した光子、前記(n,γ)中性子捕獲反応によって発生した光子などの不要な光子、及び大きな角度で生成された即発ガンマ線に対する遮蔽を可能にする。
【0142】
大きな角度でされた即発ガンマ線とは、光軸(30)に対して以下の数式で与えられる値を超える角度でピンホールを通過する即発ガンマ線を意味する:
β=arctg(R/(2f))
ここで、fは焦点距離、すなわちピンホールとシンチレーション材料表面との間の距離であり、Rはシンチレーション材料の長手方向の長さである。
【0143】
PCなどの演算手段(26)に接続された適当な読み出し電子機器(25)は、即発ガンマ線の二次元(2D)分布の構築を可能にする。2D分布は、照射された物体または体における相対的線量分布の典型である。
【0144】
好ましくは、ピンホールカメラは、ビーム方向の周囲に設置された一連のピンホールカメラ(最低2)からなる。
【0145】
PC(5)などの演算手段に接続された適当な読み出し電子機器(4)は、即発ガンマ線の分布の構築を可能にする。この分布は、照射された物体または体における相対的線量分布の典型である。
【0146】
分布は、物体における線量分布の一次元(1D)または二次元(2D)表示のいずれかである。
【0147】
好ましくは、第1のカメラと同一の第2のカメラを使用して、即発ガンマ線を検出し、即発ガンマ線の第2分布を構築する。
【0148】
別の方法では、第1のカメラと異なる第2のカメラを使用して即発ガンマ線を検出し、即発ガンマ線の第2分布を構築する。
【0149】
有利には、2つのカメラの光軸は垂直である。
【0150】
各々のピンホールカメラが即発ガンマ線を検出し、即発ガンマ線の2D分布を構築する。
【0151】
これらの2D分布の組み合わせによって、専用ソフトのおかげで即発ガンマ線の三次元(3D)分布を構築することが可能となる。
【0152】
これらの分布の組み合わせによって、演算手段(5)で動作する専用ソフトのおかげで即発ガンマ線の三次元(3D)分布を構築することが可能となる。
【0153】
好ましくは、2D及び3D分布は、演算手段(5)で動作する画像ソフトで作成される2Dまたは3Dマップを使用して表される。
【0154】
本発明による装置は、ファントム(例えば水ファントム)での比較測定を実施することによって検証及び/または調整することができる。
【0155】
即発ガンマ線検出に基づいて推定された領域を、専用の領域測定装置(例えば電離箱、ダイオード)を使用することによって得られた領域と比較することができる。
【0156】
本発明の別の態様は、本発明の装置を検証及び/または調整する方法に関し、
ファントムに荷電ハドロンビームを照射する段階と、
照射の間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から前記荷電ハドロンビームの領域または侵入深さを推測する段階と、
専用の領域測定装置でファントム中の荷電ハドロンの領域を測定する段階と、
即発ガンマ線検出に基づく推測領域を、前記専用の領域測定装置で測定された領域と比較する段階と、を含む。
【0157】
本発明による装置はさらに、
患者に荷電ハドロンビームを照射する段階と、
患者の照射の間、すなわち前記ハドロンビームが患者の体に侵入する間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から前記ハドロンビームの領域または侵入深さを推測する段階と、を含む方法において使用することができる。
【0158】
さらに、本発明による装置は、
患者に荷電ハドロンビームを照射する間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から、前記照射の結果得られる患者における線量分布を推測する段階と、を含む方法においても使用することができる。
【0159】
さらに、本発明による装置は、
患者に荷電ハドロンビームを照射する間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
即発ガンマ線検出に基づいて、患者に与えられた放射線量を計算する段階と、を含む方法においても使用することができる。
【符号の説明】
【0160】
1 コリメータ
2、23 シンチレーション結晶
3、24 光電子倍増管
4、25 電子機器
5、26 演算手段
6、27 外層
7、28 内層
8、29 第三の層
9、30 光軸
10 アンガーカメラ
21 ピンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電ハドロンビームを物体または体に照射する場合に生成される即発ガンマ線を検出及び/または定量化することによる荷電ハドロン療法検証のための装置であって、前記装置は、前記荷電ハドロンビームが前記物体または体に侵入する間に放出される前記即発ガンマ線の数を取得するように配置されたガンマ線ピンホールカメラ(20)を備える装置。
【請求項2】
前記ガンマ線ピンホールカメラが、不要な粒子の検出を防ぐための遮蔽手段(27,28,29)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガンマ線ピンホールカメラ(20)が、データ取得のための電気的手段(25)を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電気的手段(25)に接続され、計測された前記即発ガンマ線から、前記物体または体における前記荷電ハドロンビームの測定侵入深さまたは領域を決定することが可能な演算手段(26)をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記演算手段(26)が、前記測定侵入深さを理論的または予定侵入深さと比較することを可能にする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電気的手段(25)に接続された前記演算手段(26)が、相対的線量蓄積を表す画像の構築を可能にする、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記画像が、相対的線量蓄積の二次元または三次元表示である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
カメラ(30)の光軸がビームの方向に垂直である、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
ピンホール(21)の内径dが、最もエネルギーの高い放出された即発ガンマ線の波長の値よりも厳密に高い、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記荷電ハドロンビームの時間構造に同調した前記即発ガンマ線の前記数を取得するための電気的手段をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
ファントムに粒子ビームを照射することによって得られる即発ガンマ線を検出することによる荷電ハドロン療法検証のための方法であって、
ファントムに荷電ハドロンビームを照射する段階と、
照射の間に放出された即発ガンマ線を検出する段階と、
検出された即発ガンマ線から前記荷電ハドロンビームの領域または侵入深さを推測する段階と、
専用の領域測定装置でファントム中の荷電ハドロンビームの領域を測定する段階と、
即発ガンマ線検出に基づく推測領域を、前記専用の領域測定装置で測定された領域と比較する段階と、を含む方法。
【請求項12】
前記検出された即発ガンマ線に基づいてファントムに与えられた放射線量を計算する段階をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記照射する段階の前に、
ファントムに対して固定位置に即発ガンマ線検出器を配置する段階をさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記即発ガンマ線検出器がガンマ線ピンホールカメラである、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−526504(P2011−526504A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515480(P2011−515480)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058458
【国際公開番号】WO2010/000857
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(509125981)
【Fターム(参考)】