粒状物質センサー
センサーから汚染粒状物質を焼失させるセンサーアセンブリ(130)。センサーアセンブリ(130)は、信号電極アセンブリ(131)と、検出器電極アセンブリ(137)と、ヒーター(136又は142)から成る。信号電極アセンブリ(131)は、信号電極絶縁基板に結合した信号電極(132)を有する。検出器電極アセンブリ(137)は、検出器電極絶縁基板に結合した検出器電極(138)を有する。検出器電極(138)は、周囲状態の測定値を行うために、信号電極に対し配置される。ヒーター(136又は142)は、信号および検出器電極アセンブリ(131及び137)の少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒子の堆積物を焼失させるため、信号および検出器電極アセンブリ(131及び137)に対し配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーから汚染粒状物質を焼失させるセンサーアゼンブリに関する。本願は、2007年4月27日出願の米国仮出願第60/914,634号の優先権を主張し、その全体が、参照により本願に包含される。
【0002】
内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)は、代表的には、可変量の粒状物質(PM)を含有する排気流を発生する。排気流中の粒状物質の量および粒径分布は、燃料噴射タイミング、噴射圧または負荷/エンジン速度関係等のエンジン作動条件に応じて変化する傾向がある。これら条件の調整は、エンジンからの粒状物質排出量および粒状物質サイズの減少に有用である。内燃機関からの粒状物質排出量の減少は、環境の観点から好ましい。更に、ディーゼル排気の粒状物質測定は、PMフィルターのオンボード(例えば、車両搭載)診断および燃焼制御による排気量の減少に有用である。
【背景技術】
【0003】
従来の技術は、代表的には、配線または電極上への粒状物質層の堆積に関する技術を包含しており、電気伝導度または質量等の電極配線ある種の性質の変化を監視する。これらの方法の問題点は、実時間変化に対し感度が悪いという点である。これらの方法では、粒子堆積の履歴が測定されるが、粒状物質の実時間変化は測定されない。
【0004】
これら方法では、また、粒状物質形成が、時間経過に伴って装置の感度を低下されるという問題を生じる。幾つかのセンサーは、電極から粒状物質を焼失させるため、ヒーターを有している。しかしながら、これらの方式では、その作動に粒状物質層が必要なため、粒状物質を連続的に焼失させることができない。このように、上記方法は常に感度低下を受け易い。
【0005】
作動に粒状物質層形成が必要な装置の別例としては、ワイヤーまたはロッド等の金属電極を使用した高圧センサーが挙げられる。これらタイプのセンサーの欠点は、金属電極が、その性質上、例えば、信号変化を生じる振動に起因して、曲がり又は屈曲を生じることである。これは、信号が電極間距離の関数であり、移動可能な電極は、感度および精度に悪影響を与える「信号ノイズ」を生じるためである。ワイヤー電極の別の問題は、もしこれら電極が振動または他の理由に起因して移動または接触した場合、センサーがショートする可能性があることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、作動に粒状物質層形成を要しないセンサーの提供が望まれている。更に、他の利点として、センサーのショートの可能性が全く無いように電極を固定かつ接近して配置し得るセンサー装置の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
装置の実施態様を以下に記載する。本発明の一実施態様は、汚染粒状物質をセンサーから焼失させるためのセンサー装置である。センサー装置の一実施態様は、信号電極アセンブリ、検出器電極アセンブリ及び電気的ヒーターから成る。信号電極アセンブリは、信号電極絶縁基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは検出器電極絶縁基板に結合した検出器電極を有する。検出器電極は周囲状態の測定を行うためにセンサー電極に対し配置される。電気的ヒーターは、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒子堆積物を焼失させるために、信号および検出器電極アセンブリに対し配置される。装置の他の実施態様も同様に記載される。
【0008】
本発明は、方法の実施態様も同様に記載する。一実施態様では、本発明の方法は、センサーから汚染粒状物質を焼失させるセンサー装置を使用する方法である。方法の一実施態様は、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリにより、周囲状態を検知する工程を有する。信号電極アセンブリは、信号セラミック基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは、検出器セラミック基板に結合した検出器電極を有する。上記方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに対して配置されたヒーターに、電力を供給する工程を有する。上記方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電極アセンブリを、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電極アセンブリ上に堆積した汚染粒状物質の燃焼閾値より高い温度に加熱する工程を有する。使用方法の他の実施態様も、同様に記載する。
【0009】
センサーから汚染粒状物質を焼失させるためのセンサー装置の製造方法の実施態様も、同様に記載する。一実施態様では、該方法は、信号電極絶縁基板に信号電極を結合して信号電極アセンブリを形成する工程を有する。該方法は、また、検出器電極絶縁基板に検出器電極を結合して検出器電極アセンブリを形成する工程を有する。検出器電極は、周囲状態の測定を行うために、信号電極に対し配置される。該方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、ヒーターを信号および検出器電極アセンブリに対し配置する工程を有する。製造方法の他の実施態様も、同様に記載する。
【0010】
システムの実施態様も同様に記載する。一実施態様では、本発明のシステムは粒状物質を測定する検知システムである。検知システムの一実施態様は、センサーエレメント、ヒーター及び電子制御モジュールから成る。センサーエレメントは、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリを有する。信号電極アセンブリは、信号電極絶縁基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは、検出器電極絶縁基板に結合した検出器電極を有する。検出器電極は、通過空気流中の粒状物質の検出に応答して電気信号を発生するように、信号電極と組み合わせて配置される。ヒーターは、センサーエレメント上の汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、センサーエレメントに対し配置される。電子制御モジュールはヒーターに結合され、センサーエレメント上に堆積した汚染粒状物質の燃焼閾値に対しヒーター温度を規制する。システムの他の実施態様も、同様に記載される。
【0011】
本発明の実施態様の他の要旨及び長所は、添付図面と共に、本発明の原理例により示す以下の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
以下の記載を通じて、同一の参照番号は、同一の部材を示すために使用される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサー装置は、作動に粒状物質層形成を必要とせず、また、センサーのショートの可能性が全く無いように電極を固定かつ接近して配置し得るセンサー装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、電極アセンブリの一実施態様の模式図である。
【図2】図2は、ヒーターアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図3】図3は、組合せ電極およびヒーターアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図4】図4は、粒状物質センサーアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図5】図5は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図6】図6は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図7】図7は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図8】図8は、粒状物質センサーの一実施態様の模式図である。
【図9】図9は、粒状物質測定システムの一実施態様の模式ブロック図である。
【図10】図10は、粒状物質センサーの作動方法の一実施態様の模式フローチャート図である。
【図11】図11は、粒状物質センサーの製造方法の一実施態様の模式フローチャート図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の記載において、種々の実施態様の特定の詳細を提供する。しかしながら、幾つかの実施態様は、これら特定の詳細の少なくとも一部を要することなしに実施可能である。他の場合には、ある種の方法、手順、構成要素及び回路は、簡潔さ及び明確さのため、その詳細な記述を省略する。
【0016】
本明細書を通じた、特徴、利点または同様の言語の参照は、本発明によって実現される特徴および利点のすべてが、本発明のいずれかの単一の実施態様に包含されるということを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を参照する言語は、実施態様に関して記載された特定の特徴、利点又は特性が、本発明の少なくとも一つの実施態様に包含されることを意味すると解釈されるべきである。つまり、本明細書を通じて、特徴、利点または同様の言語の記載は、同一の実施態様を参照するものであるかもしれないが、必ずしもそうでない場合もある。
【0017】
更に、本発明の記載された特徴、利点又は特性は、1つ以上の実施態様において、適宜組み合わせることにより実施可能であってもよい。当業者に理解されるように、本発明は、特定の実施態様の1つ以上の特定の特徴または利点なしに、実施可能である。他の場合には、更なる特徴および利点は、本発明の何れの実施態様にも開示されないある種の別の実施態様で認識される可能性もある。
【0018】
本明細書を通じて、「一実施態様」、「実施態様」又は同様の言語の参照は、当該実施態様に関して記載された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。つまり、本明細書を通じて、「一実施態様における」、「実施態様における」等の語句及び同様の言語は、全て同一の実施態様を参照するものであるかもしれないが、必ずしもそうでない場合もある。
【0019】
本発明において、一般に、記載された実施態様は、粒状物質(PM)センサー上の炭素質および他の可燃性または揮発性物質の堆積または蓄積に起因する性能低下を減少する方法および装置に関する。高電圧バイアスによる静的蓄積電荷または電流の測定に基づく粒状物質センサーは、斯かる種の堆積によって悪影響を受ける。ここに記載されるPMセンサーの実施態様では、PMセンサーは、連続的または定期的に可燃性または揮発性種を焼失または除去することができるヒーターと密接に結合する。一実施態様では、かかるヒーターは、信号および/または検出器電極を含むか又はこれに近設される基板上に配置されてもよい。便宜上、本発明の記載においては、信号および検出器電極のように参照するが、検知および検出電極等の他の用語を、同一または類似の電極を参照するために使用してもよい。
【0020】
更に、幾つかの実施態様では、厚膜または薄膜形成法により、電極の有効面積を増加させ、信号を最大化またはその他の改良を施すこともできる。厚膜形成法としては、これに限定しないが、スクリーン印刷、スパッタリンング等が挙げられる。薄膜形成法としては、これに限定しないが、化学的または物理的蒸着等の真空蒸着技術が挙げられる。幾つかの実施態様では、PMセンサーは、排気ガス環境又は粒状物質の測定が可能な他の環境内に取付けられる金属ハウジング内に収容される。また、幾つかの実施態様では、排気中、又は粒状物質の測定が可能な他の環境において、粒状物質を測定または監視する方法が実施される。
【0021】
PMセンサーの少なくとも1つの実施態様の基本構成は、信号電極および検出器電極からなる2電極構造を有する。高電圧が、信号電極に印加され、この電圧印加下において、検出器電極に蓄積された電荷を測定することにより、粒状物質の測定が可能となる。また、蓄積電荷により発生する出力電圧を測定することにより、粒状物質の測定が可能となる。
【0022】
図1は、電極アセンブリ100の一実施態様の模式図を示す。図示された電極アセンブリ100は、センサーエレメント内に配置された信号電極または検出器電極のいずれか一方を代表的に示す。図示電極アセンブリ100は、絶縁基板102を有し、絶縁基板102の少なくとも一面には、導電層が付着形成される。便宜上、絶縁基板102は、導電層が信号電極の作製に使用される場合は、信号電極絶縁基板を示す。また、導電層が検出器電極の作製に使用される場合は、検出器電極絶縁基板を示す。しかしながら、この用語は、電極アセンブリ100の上記構成に限定して使用されるものではない。
【0023】
絶縁基板102の表面に付着形成された導電層は、電極104、電極接点106、及び電極104を電極接点106に接続する電極トレース108から成る。一般に、電極104は、他の対応する電極アセンブリの他方の電極と関連して使用され、排気流等の周囲環境中の粒状物質を検出する。電極トレース108は、電気信号(例えば、電荷、電流または電圧)を、コントローラー又は他の装置への電気接続に供する電気接点106に伝送する。一実施態様では、導電層は、白金(Pt)から形成される。他の実施態様では、他の導電材料が使用される。
【0024】
電極アセンブリ100は、いずれの好適な方法により作製されてもよい。幾つかの実施態様では、基板102は、アルミナ等のセラミック基板である。幾つかの実施態様では、基板102は、他のセラミック材料に付着されたセラミック皮膜または層である。また、セラミック皮膜または層は、いずれかの金属材料または耐高温ポリマー層上に付着されてもよい。例えば、金属材料としては、ステンレス鋼、ニッケル系スーパー合金または同様の材料が挙げられる。耐高温ポリマー層としては、熱可塑性または類似の材料が挙げられる。
【0025】
電極アセンブリ100の導電層は、また、いずれの好適な技術を使用して作製されてもよい。幾つかの実施態様では、導電性トレースは、厚膜製造または形成法を使用して、電極基板102の表面に付着形成されてもよい。厚膜製造法の幾つかの例としては、スクリーン印刷およびスパッタリングが挙げられるが、他の厚膜製造法を使用することもできる。幾つかの実施態様では、導電性トレースは、薄膜製造または形成法を使用して、電極基板102の表面に付着形成されてもよい。薄膜製造法の幾つかの例としては、化学的または物理的蒸着等の真空蒸着技術が挙げられるが、他の薄膜製造法を使用することもできる。厚膜または薄膜製造法を使用することにより、電極104の有効面積が、比較的大きくなり、比較的大強度の電気信号を提供することができる。
【0026】
図2は、ヒーターアセンブリ110の一実施態様の模式図を示す。多くの観点で、ヒーターアセンブリ110は、図1の電極アセンブリ100と類似しているが、ヒーターアセンブリ110は、一般に、電気信号を発生させるよりむしろ、熱を発生させるために使用される。図示されたヒーターアセンブリ110は、ヒーター基板112、多数のヒーター114及び116、及び対応するヒーター接点118からなる。注意すべきは、図示されたヒーターアセンブリ110では、多数のヒーター114及び116が示されているが、ヒーターアセンブリ110の他の実施態様では、単一ヒーター、1つを超えるヒーター又は他の個数および/または配置のヒーターが、使用されてもよい。
【0027】
上記した電極アセンブリと同様に、ヒーターアセンブリ110は、厚膜または薄膜製造法を使用して、セラミック又は他の絶縁基板112上に導電性トレース形成することによって、製造することができる。更に、ヒーターアセンブリ110上に1つ以上のヒーター114及び116を配置する実施態様では、別体のコイル状、平坦状または他のヒーター等の更なるヒーターの使用を排除するものではない。
【0028】
幾つかの実施態様では、電極基板102及びヒーター基板112は、同一基板でもよい。例えば、電極アセンブリ100用の導電性トレースは、共通基板の一方の側に付着形成し、ヒーターアセンブリ110用の導電性トレースを、同一基板の他方側に付着形成してもよい(図4及び5参照)。また、幾つかの実施態様では、電極アセンブリ100及びヒーターアセンブリ110用の導電性トレースを、共通基板の同一側に塗布形成してもよい。図3は、組合せ電極およびヒーターアセンブリ120の模式図を示す。図示されたアセンブリ120は、共通基板122の同一側に、電極及びヒーターアセンブリ両用の導電性トレースを有する。
【0029】
図4は、粒状物質センサーアセンブリ130の一実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサーアセンブリ130は、電極及びヒーターアセンブリの組合わせからなり、各アセンブリは、図1の電極アセンブリ100及び図2のヒーターアセンブリ110とそれぞれ同様である。特に、粒状物質センサーアセンブリ130は、信号電極アセンブリ137と検出器電極アセンブリ137とを有する。信号電極アセンブリ137は、信号電極絶縁基板134に付着形成された信号電極132を有する。信号電極アセンブリ137は、また、信号電極絶縁基板134の背面側に付着形成されたヒーター136を有する。同様に、検出器電極アセンブリ137は、検出器電極絶縁基板140に付着形成された検出器電極138を有し、信号電極絶縁基板140の背面側に付着形成されたヒーター142を有する。
【0030】
信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137は、絶縁スペーサー144又は他の機械的セパレーターによって分離される。幾つかの実施態様では、絶縁スペーサー144及び信号および検出器電極アセンブリの物理的配置は、信号電極132及び検出器電極138間の距離が非常に小さくなるように構成される。一例では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、約1ミクロン程度と小さくてもよい。また、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、1cmと大きくてもよい。一実施態様では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、約0.5〜2.0mmの範囲内にある。他の実施態様では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、他の範囲であってもよい。
【0031】
幾つかの実施態様では、絶縁基板134及び140は、絶縁スペーサー144に接合されていてもよい。該接合は、各層を共に焼結するか、又は他の接合方法を使用して行うことができる。各層を共に焼結する実施態様では、信号および検出器電極132及び138は、焼結工程前後に付着形成してもよい。スペーサー144を基板134及び140に接合する方法としては、ガラス接合、金属化接合、又は圧締め又はワイヤー締結等幾つか例示される機械的接合が挙げられる。当業者に理解されるように、上記または他の接合方法は、本明細書中に記載の種々アセンブリの他の構成要素を接合するために使用することもできる。
【0032】
図4では、また、幾つかの矢印により、ヒーター136及び142からそれぞれ信号および検出器電極132及び138への熱伝達が示される。図示の矢印は、ヒーター層136及び142上のヒーター又はヒーター配置114(図2参照)の大よその位置を示す。図示された実施態様では、ヒーター配置114は、信号および検出器電極132及び138とほぼ整合して設けられる。このように、ヒーター配置114は、一般に、信号および検出器電極132及び138に隣接した領域の電極トレース108(図1参照)に向かってよりもむしろ、信号および検出器電極132及び138に向かって熱を伝達する。
【0033】
図5は、粒状物質センサーアセンブリ150の一実施態様の模式図を示す。
図示された粒状物質センサーアセンブリ150は、ヒーター136及び142が、信号および検出器電極132及び138に直接向かうよりもむしろ、信号および検出器電極132及び138に隣接する領域に向かって熱を伝達する点を除いて、図4の粒状物質センサーアセンブリ130と実質的に同様である。言い換えれば、ヒーター136及び142は、信号および検出器電極132及び138から直接よりもむしろ、電極トレース108(図1及び3参照)から、粒状物質を焼失させる。
【0034】
図6は、粒状物質センサーアセンブリ160の他の実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサーアセンブリ160は、ヒーター162及び166が、別体のヒーター基板164及び168に、それぞれ付着形成される点を除いて、図4の粒状物質センサーアセンブリ130と実質的に同様である。このように、ヒーターアセンブリは、電極アセンブリから別体で作製され、上述の接合方法を使用して、電極アセンブリに実質的に接合または他の方法で取り付けてもよい。図示の実施態様では、信号および検出器電極132及び138に直接熱を伝達するヒーター162及び166を設けているが、他の実施態様では、信号および検出器電極132及び138のほぼ隣接領域に直接熱を伝達する、図5に示すヒーター136及び142と同様なヒーターを設けることもできる。
【0035】
図7は、粒状物質センサーアセンブリ170の他の実施態様の模式図を示す。図4〜6に関して上記した粒状物質センサーアセンブリと相違して、図7で示す粒状物質センサーアセンブリ170では、信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137の間に配置されたヒーター基板176上に、ヒーター172及び174が設けられる。それゆえ、信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137を、それぞれ中間に配置されたヒーターアセンブリから絶縁するために、多数の絶縁スペーサー178及び180が使用される。また、図示実施態様では、絶縁スペーサー178及び180は、ヒーター172及び174に対しオフセットして設けられる。このオフセット配置では、ヒーター172及び174を、それぞれの電極132及び138及びそれら電極に結合したリードワイヤーから離間させるギャップ173が設けられる。この配置は、遷移金属酸化物やアルカリ金属酸化物等のセラミック材料中の少量の不純物の存在に起因して、高温下でセラミック材料に電気伝導度の増加が生じる場合に、有利である。ギャップ173を設けることにより、ヒーターと、検知または検出電極のいずれか並びにそれぞれのリードワイヤーとの電気的干渉を減少することができる。ギャップ173は、空間でも高純度スペーサーのいずれでもよい。幾つかの実施態様では、ギャップ173の使用は、充分に高純度のスペーサー材料を使用するよりも、電気伝導度の増加を避けるためにコスト的により有効である。
【0036】
一実施態様では、センサーアセンブリ又は装置は、信号電極絶縁セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリを有していてもよい。また、該センサーアセンブリ又は装置は、検出器電極絶縁セラミック基板に結合された検出器電極を有する検出器電極アセンブリを有し、検出器電極は、周囲状態の測定を行うために、信号電極に対して配置されてもよい。上記装置は、ヒーター又はヒーターアセンブリを有していなくてもよいが、信号または検出器電極の少なくとも1つと結合した電圧供給部を有し、該電圧供給部は、信号および検出器電極の1つにバイアス電圧を印加するように構成されてもよい。バイアス電圧は、信号および検出器電極の他方の電極に対し約50〜10,000ボルトの範囲の電圧である。一実施態様では、バイアス電圧は、100〜2,000ボルトの範囲であってもよい。
【0037】
図8は、粒状物質センサー190の一実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサー190では、図7の粒状物質センサーアセンブリ170を、ハウジング192内に収容する。他の実施態様では、上記したように、他の粒状物質センサーアセンブリを使用してもよい。一実施態様では、ハウジング192は、粒状物質センサーアセンブリ170の環境保護および構造的支持に供する金属ハウジング又は他のタイプのハウジングからなる。一般には、ハウジング192は、排気ガス環境または粒状物質の測定が可能である他の環境内において、粒状物質センサーアセンブリ170の取付けを容易にする。例えば、ハウジング192は、排気ガスシステム(図9参照)内の対応するねじ切孔内への粒状物質センサー190の配置を容易にするため、ねじ切ネック部を有していてもよい。排気ガスシステム内に取り付ける際、信号および検出器電極132及び138は、排気ガス流等の通過空気流に露出される。それ故、粒状物質センサーアセンブリ170は、排気ガス流内において、粒状物質の濃度を測定することができる。
【0038】
一実施態様では、粒状物質センサー190のハウジング192は、電極接点106及びヒーター接点118を露出させて、コントローラー又は他の電子装置への接続を可能とする(図9参照)。幾つかの実施態様では、ハウジング192は、粒状物質センサーアセンブリ170の接続端を完全に密封して、接続ワイヤーを、ハウジング192内の開口を通過させる構成としてもよい。
【0039】
図9は、粒状物質測定システム200の一実施態様の模式ブロック図である。図示された粒状物質測定システム200は、エンジン202及び排気システム204からなる。排気システム204は、排気ガスを発生するエンジン200に結合される。排気システム204は、排気出口206への排気ガスの流れを促進する。
【0040】
エンジン202からの粒状物質排出量を制御するために、又は排気ガス流中の粒状物質レベルを別の方法で監視するために、センサーエレメント190は、上記したように、粒状物質の濃度を測定する。センサーエレメント190の信号および検出器電極132及び138上への粒状物質の堆積は、センサーエレメント190の性能を低下させるので、センサーエレメント190は、信号および検出器電極132及び138上またはその近辺に堆積した可燃粒状物質を焼失させるため、1つ以上ヒーターを有する。粒状物質測定システム200の幾つかの実施態様では、また、センサーエレメント190の前後において、中和化学薬剤を排気システム204内に放出するため、1つ以上のエミッションコントロール部材が、設けられてもよい。
【0041】
センサーエレメント190は、電子制御モジュール208と、電子的に接続される。一般に、電子制御モジュール208では、排気システム204内の粒状物質レベルの測定値が求められる。測定値は、センサーエレメント190によって発生した信号レベルと比例するか、又は該信号レベルと別の相関関係を有する。電子制御モジュール208は、また、センサーエレメント190内のヒーター172及び174の作動を制御する。電子制御モジュール208は、また、直流電源からの入力供給電圧(代表的には、約9〜24ボルト)を、センサーエレメント190で使用可能な、より高圧の供給電圧に変換する。一実施態様では、センサーエレメント190は、約10,000ボルト以下の供給電圧を使用する。他の実施態様では、供給電圧は、500〜5,000ボルトの範囲である。他の実施態様では、供給電圧は、100〜2,000ボルトの範囲であってもよい。
【0042】
例示された電子制御モジュール208は、プロセッサー210、ヒーターコントローラー212及び電子記憶装置214を有する。センサーエレメント190は、無線または有線データ伝送信号を含むいずれかのタイプのデータ信号を使用して、1つ以上の電気信号を、電子制御モジュール208のプロセッサー210に伝送する。
【0043】
一実施態様では、プロセッサー210は、粒状物質測定システム200の1つ以上の操作を実行する。特に、プロセッサー210は、プロセッサー210に局所的に保存されるか、又は電子記憶装置214に保存された指令を実行することができる。更に、種々のタイプのプロセッサー210としては、一般データプロセッサー、応用特定プロセッサー、マルチコアプロセッサー等が挙げられ、これらプロセッサーは、電子制御モジュール208内で使用することができる。
【0044】
いくつかの実施態様では、プロセッサー210は、また、センサーエレメント190に供給する電圧バイアスを発生させる。電圧バイアスは、少なくとも1つの電極の電圧レベルを、他の電極に対し増加させる。一実施態様では、電圧バイアスは、約1〜10,000ボルトの範囲である。より特定の例では、電圧バイアスは、約500〜5,000ボルトの範囲である。他の実施態様では、他の電圧バイアスパラメーターを、使用することもできる。
【0045】
いくつかの実施態様では、プロセッサー210は、電子記憶装置214内に保存されたルックアップテーブルを参照して、排気システム204内の粒状物質濃度の測定を行ってもよい。他の実施態様では、他の方法を使用して、センサーエレメント190の信号レベルを粒状物質測定レベルと相関させてもよい。
【0046】
一実施態様では、ヒーターコントローラー212は、センサーエレメント190内の単一または複数のヒーターを制御して、対応する電極アセンブリ及び特に対応するセンサー電極の作動温度を特定値に維持する。ヒーターコントローラー212は、センサーエレメント190のヒーターを、連続的、定期的またはある種の他の非連続ベースに基づいて、作動してもよい。一実施態様では、ヒーターコントローラー212は、約200℃の温度またはこれを超える温度で、ヒーターを作動する。いくつかの実施態様では、ヒーターコントローラー212は、約400℃の温度またはこれを超える温度で、ヒーターを作動する。他の実施態様では、ヒーターは、他の温度で作動されてもよい。
【0047】
また、注意すべきは、いくつかの実施態様では、センサーエレメント190は、粒状物質センサーアセンブリ又は粒状物質測定システムの他の構成部材の故障を決定するために使用されてもよい。例えば、センサーエレメント190は、排気システム204の粒状物質フィルター(図示せず)の故障を決定するために使用してもよい。一実施態様では、粒状物質測定システム200内の故障を、センサーエレメント190により発生する高強度信号によって検知することもできる。
【0048】
また、注意すべきは、粒状物質センサーアセンブリの実施態様は、排気ガス環境内のある種の気体成分のバラツキ・変動に対し、一定の許容範囲を有していてもよい点である。このように、粒状物質センサーアセンブリは、排気ガス環境内の特定の学物質または材料の測定を、検量法により行うこともできる。
【0049】
図10は、粒状物質センサーを作動する方法220の一実施態様の模式フローチャート図を示す。方法220の記載に関しては、一定の粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリを使用することができるが、方法220の実施態様は、他のタイプの粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリにより実施してもよい。更に、方法220の実施態様は、種々のタイプの粒状物質測定システムにより実施されてもよい。
【0050】
例示された実施態様では、電子制御モジュールは、ヒーターコントローラーを励起し、センサーエレメント内のヒーターに電力を供給する(工程222)。センサーエレメント内の単一または複数のヒーターの温度が上昇するにつれて、電極アセンブリの対応する部分も、同様に加熱される(工程224)。温度を十分に上昇させることによって、ヒーターは、電極アセンブリから汚染粒状物質を焼失させる(工程226)。粒状物質が、電極アセンブリから完全または部分的に焼失した後、又はその焼失プロセス中においても、プロセッサーは、電極アセンブリの少なくとも一方に、バイアス電圧を印加する(工程228)。次いで、プロセッサーは、電極アセンブリで発生した電荷または電流を測定し(工程230)、通過排気流中の粒状物質レベルを決定する(工程232)。図9に関して上記したように、プロセッサーは、電子記憶装置内に保存されたルックアップテーブル又は他のデータを参照して、センサーエレメントから受取った電気信号に対応する粒状物質のレベルを決定してもよい。次いで、図示された方法220を終了する。
【0051】
図11は、粒状物質センサーの製造方法240の一実施態様の模式フローチャート図である。方法240の記載に関しては、一定の粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリを使用することができるが、方法240の実施態様は、他のタイプの粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリによって実施することもできる。更に、方法240の実施態様は、種々のタイプの粒状物質測定システムによって実施することができる。
【0052】
例示された実施態様では、粒状物質センサー190は、信号電極を、信号電極基板に結合する(工程242)ことによって製造される。検出器電極は、また、検出器電極基板に結合される(工程244)。ヒーターは、次いで、信号および検出器電極に対して配置される(工程246)。また、絶縁および/または離間機能を施すために使用される絶縁スペーサーは、信号および検出器電極基板の間に配置される(工程248)。次いで、信号および検出器電極基板は、いずれかのスペーサーに接合され(工程250)、ヒーターは、電子制御モジュールに結合される(工程252)。上記したように又は本明細書から理解されるように、種々の他の製造技術が、粒状物質センサーの1つ以上の実施態様を作製するために、考慮されかつ使用されてもよい。次いで、図示された製造方法240を終了する。
【0053】
方法240の一実施態様では、PMセンサーは、2つの白金(Pt)電極を有し、これら電極は、それぞれ信号電極および検出器電極として作用し、対応アルミナ基板に印刷される(工程242及び244)。基板は、上記Pt電極が互いに対向しかつ接近状態で離間するように配置される(工程248)が、しかし電気的にこれら電極を分離するように配置される。Ptヒーターは、各基板の背面(即ち、電極の反対側)に印刷される(工程246)。これらヒーターは、再生(例えば、炭素質粒状物質の熱的に高められた酸化)を促進する。一実施態様では、次いで、これら2つの同一のアルミナ部材を、ステンレス鋼製のハウジング内に組み付け、接合する。当業者に理解されるように、他の導電電極を使用することもできる(工程250)。
【0054】
更なる、しかしこれに限定されない例としては、Ptヒーターは、基板上にスクリーン印刷されてもよい(工程242又は244)。一実施態様では、Ptインク(例えば、「HERAEUS 5100」)を、約80.5cm×1.1cm×0.1cmの大きさのアルミナ基板上に、スクリーン印刷する。次いで、得られたスクリーン印刷構造体を、1000℃で約1時間焼成し、次いで3時間ランピングする。幾つかの実施態様では、この後に、同一のインクを、再び焼成体の表面に印刷し、1200℃で約1時間焼結し、次いで3時間ランピングする。
【0055】
他の、しかしこれに限定されない例としては、Pt電極を、基板上にスクリーン印刷してもよい。一実施態様では、約0.7cm×0.7cmの大きさの矩形Pt電極は、Ptインク(「HERAEUS 5100」)を、上記ヒーターの背面側にスクリーン印刷することによって、作製される。電極構造は、次いで、1000℃で約0.5時間焼結し、その後4時間ランピングする。
【0056】
上記したように、それぞれセンサー及び検知電極アセンブリとして機能する2つの対称電極アセンブリを作製した後、これら対称電極アセンブリを、アルミナスペーサーを介して結合する。この際、アルミナスペーサーは、これら対称電極アセンブリの間に挿入されるように配置される。上記したように、電極アセンブリは、更に、互いに対向して配置される。得られた構成物は、次いで、ステンレス鋼製センサーハウジング内に、少なくとも電極の一部がハウジングから露出するように、収容される。この構成によって、電極は、ハウジングを通過して流れる気体流に曝露される。幾つかの実施態様では、ハウジング内に残存するスペースの少なくとも一部は、耐高温性セメントによって充填される。更に、上記したように、センサーアセンブリの電気接点は、ハウジングの他端においてもアクセス可能に配置される。
【0057】
本明細書では、方法の操作を、特定の順序で示し記述したが、各方法の操作の順序は、或る操作を、逆の順序で行うか、又は或る操作を、少なくとも部分的に、他の操作と同時に行うように、変更することもできる。他の実施態様では、異なる操作の指令またはサブ操作を、間欠的および/または交互に実施することもできる。
【0058】
本発明の特定の実施態様を記載・例示したが、本発明は、記載・例示された部材の特定の形状または配置に限定されない。本発明の権利範囲は、ここに添付の特許請求の範囲およびその等価物によって限定されるべきものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーから汚染粒状物質を焼失させるセンサーアゼンブリに関する。本願は、2007年4月27日出願の米国仮出願第60/914,634号の優先権を主張し、その全体が、参照により本願に包含される。
【0002】
内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)は、代表的には、可変量の粒状物質(PM)を含有する排気流を発生する。排気流中の粒状物質の量および粒径分布は、燃料噴射タイミング、噴射圧または負荷/エンジン速度関係等のエンジン作動条件に応じて変化する傾向がある。これら条件の調整は、エンジンからの粒状物質排出量および粒状物質サイズの減少に有用である。内燃機関からの粒状物質排出量の減少は、環境の観点から好ましい。更に、ディーゼル排気の粒状物質測定は、PMフィルターのオンボード(例えば、車両搭載)診断および燃焼制御による排気量の減少に有用である。
【背景技術】
【0003】
従来の技術は、代表的には、配線または電極上への粒状物質層の堆積に関する技術を包含しており、電気伝導度または質量等の電極配線ある種の性質の変化を監視する。これらの方法の問題点は、実時間変化に対し感度が悪いという点である。これらの方法では、粒子堆積の履歴が測定されるが、粒状物質の実時間変化は測定されない。
【0004】
これら方法では、また、粒状物質形成が、時間経過に伴って装置の感度を低下されるという問題を生じる。幾つかのセンサーは、電極から粒状物質を焼失させるため、ヒーターを有している。しかしながら、これらの方式では、その作動に粒状物質層が必要なため、粒状物質を連続的に焼失させることができない。このように、上記方法は常に感度低下を受け易い。
【0005】
作動に粒状物質層形成が必要な装置の別例としては、ワイヤーまたはロッド等の金属電極を使用した高圧センサーが挙げられる。これらタイプのセンサーの欠点は、金属電極が、その性質上、例えば、信号変化を生じる振動に起因して、曲がり又は屈曲を生じることである。これは、信号が電極間距離の関数であり、移動可能な電極は、感度および精度に悪影響を与える「信号ノイズ」を生じるためである。ワイヤー電極の別の問題は、もしこれら電極が振動または他の理由に起因して移動または接触した場合、センサーがショートする可能性があることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、作動に粒状物質層形成を要しないセンサーの提供が望まれている。更に、他の利点として、センサーのショートの可能性が全く無いように電極を固定かつ接近して配置し得るセンサー装置の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
装置の実施態様を以下に記載する。本発明の一実施態様は、汚染粒状物質をセンサーから焼失させるためのセンサー装置である。センサー装置の一実施態様は、信号電極アセンブリ、検出器電極アセンブリ及び電気的ヒーターから成る。信号電極アセンブリは、信号電極絶縁基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは検出器電極絶縁基板に結合した検出器電極を有する。検出器電極は周囲状態の測定を行うためにセンサー電極に対し配置される。電気的ヒーターは、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒子堆積物を焼失させるために、信号および検出器電極アセンブリに対し配置される。装置の他の実施態様も同様に記載される。
【0008】
本発明は、方法の実施態様も同様に記載する。一実施態様では、本発明の方法は、センサーから汚染粒状物質を焼失させるセンサー装置を使用する方法である。方法の一実施態様は、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリにより、周囲状態を検知する工程を有する。信号電極アセンブリは、信号セラミック基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは、検出器セラミック基板に結合した検出器電極を有する。上記方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに対して配置されたヒーターに、電力を供給する工程を有する。上記方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電極アセンブリを、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電極アセンブリ上に堆積した汚染粒状物質の燃焼閾値より高い温度に加熱する工程を有する。使用方法の他の実施態様も、同様に記載する。
【0009】
センサーから汚染粒状物質を焼失させるためのセンサー装置の製造方法の実施態様も、同様に記載する。一実施態様では、該方法は、信号電極絶縁基板に信号電極を結合して信号電極アセンブリを形成する工程を有する。該方法は、また、検出器電極絶縁基板に検出器電極を結合して検出器電極アセンブリを形成する工程を有する。検出器電極は、周囲状態の測定を行うために、信号電極に対し配置される。該方法は、また、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、ヒーターを信号および検出器電極アセンブリに対し配置する工程を有する。製造方法の他の実施態様も、同様に記載する。
【0010】
システムの実施態様も同様に記載する。一実施態様では、本発明のシステムは粒状物質を測定する検知システムである。検知システムの一実施態様は、センサーエレメント、ヒーター及び電子制御モジュールから成る。センサーエレメントは、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリを有する。信号電極アセンブリは、信号電極絶縁基板に結合した信号電極を有する。検出器電極アセンブリは、検出器電極絶縁基板に結合した検出器電極を有する。検出器電極は、通過空気流中の粒状物質の検出に応答して電気信号を発生するように、信号電極と組み合わせて配置される。ヒーターは、センサーエレメント上の汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、センサーエレメントに対し配置される。電子制御モジュールはヒーターに結合され、センサーエレメント上に堆積した汚染粒状物質の燃焼閾値に対しヒーター温度を規制する。システムの他の実施態様も、同様に記載される。
【0011】
本発明の実施態様の他の要旨及び長所は、添付図面と共に、本発明の原理例により示す以下の詳細な説明から明らかになる。
【0012】
以下の記載を通じて、同一の参照番号は、同一の部材を示すために使用される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンサー装置は、作動に粒状物質層形成を必要とせず、また、センサーのショートの可能性が全く無いように電極を固定かつ接近して配置し得るセンサー装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、電極アセンブリの一実施態様の模式図である。
【図2】図2は、ヒーターアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図3】図3は、組合せ電極およびヒーターアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図4】図4は、粒状物質センサーアセンブリの一実施態様の模式図である。
【図5】図5は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図6】図6は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図7】図7は、粒状物質センサーアセンブリの他の実施態様の模式図である。
【図8】図8は、粒状物質センサーの一実施態様の模式図である。
【図9】図9は、粒状物質測定システムの一実施態様の模式ブロック図である。
【図10】図10は、粒状物質センサーの作動方法の一実施態様の模式フローチャート図である。
【図11】図11は、粒状物質センサーの製造方法の一実施態様の模式フローチャート図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の記載において、種々の実施態様の特定の詳細を提供する。しかしながら、幾つかの実施態様は、これら特定の詳細の少なくとも一部を要することなしに実施可能である。他の場合には、ある種の方法、手順、構成要素及び回路は、簡潔さ及び明確さのため、その詳細な記述を省略する。
【0016】
本明細書を通じた、特徴、利点または同様の言語の参照は、本発明によって実現される特徴および利点のすべてが、本発明のいずれかの単一の実施態様に包含されるということを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を参照する言語は、実施態様に関して記載された特定の特徴、利点又は特性が、本発明の少なくとも一つの実施態様に包含されることを意味すると解釈されるべきである。つまり、本明細書を通じて、特徴、利点または同様の言語の記載は、同一の実施態様を参照するものであるかもしれないが、必ずしもそうでない場合もある。
【0017】
更に、本発明の記載された特徴、利点又は特性は、1つ以上の実施態様において、適宜組み合わせることにより実施可能であってもよい。当業者に理解されるように、本発明は、特定の実施態様の1つ以上の特定の特徴または利点なしに、実施可能である。他の場合には、更なる特徴および利点は、本発明の何れの実施態様にも開示されないある種の別の実施態様で認識される可能性もある。
【0018】
本明細書を通じて、「一実施態様」、「実施態様」又は同様の言語の参照は、当該実施態様に関して記載された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。つまり、本明細書を通じて、「一実施態様における」、「実施態様における」等の語句及び同様の言語は、全て同一の実施態様を参照するものであるかもしれないが、必ずしもそうでない場合もある。
【0019】
本発明において、一般に、記載された実施態様は、粒状物質(PM)センサー上の炭素質および他の可燃性または揮発性物質の堆積または蓄積に起因する性能低下を減少する方法および装置に関する。高電圧バイアスによる静的蓄積電荷または電流の測定に基づく粒状物質センサーは、斯かる種の堆積によって悪影響を受ける。ここに記載されるPMセンサーの実施態様では、PMセンサーは、連続的または定期的に可燃性または揮発性種を焼失または除去することができるヒーターと密接に結合する。一実施態様では、かかるヒーターは、信号および/または検出器電極を含むか又はこれに近設される基板上に配置されてもよい。便宜上、本発明の記載においては、信号および検出器電極のように参照するが、検知および検出電極等の他の用語を、同一または類似の電極を参照するために使用してもよい。
【0020】
更に、幾つかの実施態様では、厚膜または薄膜形成法により、電極の有効面積を増加させ、信号を最大化またはその他の改良を施すこともできる。厚膜形成法としては、これに限定しないが、スクリーン印刷、スパッタリンング等が挙げられる。薄膜形成法としては、これに限定しないが、化学的または物理的蒸着等の真空蒸着技術が挙げられる。幾つかの実施態様では、PMセンサーは、排気ガス環境又は粒状物質の測定が可能な他の環境内に取付けられる金属ハウジング内に収容される。また、幾つかの実施態様では、排気中、又は粒状物質の測定が可能な他の環境において、粒状物質を測定または監視する方法が実施される。
【0021】
PMセンサーの少なくとも1つの実施態様の基本構成は、信号電極および検出器電極からなる2電極構造を有する。高電圧が、信号電極に印加され、この電圧印加下において、検出器電極に蓄積された電荷を測定することにより、粒状物質の測定が可能となる。また、蓄積電荷により発生する出力電圧を測定することにより、粒状物質の測定が可能となる。
【0022】
図1は、電極アセンブリ100の一実施態様の模式図を示す。図示された電極アセンブリ100は、センサーエレメント内に配置された信号電極または検出器電極のいずれか一方を代表的に示す。図示電極アセンブリ100は、絶縁基板102を有し、絶縁基板102の少なくとも一面には、導電層が付着形成される。便宜上、絶縁基板102は、導電層が信号電極の作製に使用される場合は、信号電極絶縁基板を示す。また、導電層が検出器電極の作製に使用される場合は、検出器電極絶縁基板を示す。しかしながら、この用語は、電極アセンブリ100の上記構成に限定して使用されるものではない。
【0023】
絶縁基板102の表面に付着形成された導電層は、電極104、電極接点106、及び電極104を電極接点106に接続する電極トレース108から成る。一般に、電極104は、他の対応する電極アセンブリの他方の電極と関連して使用され、排気流等の周囲環境中の粒状物質を検出する。電極トレース108は、電気信号(例えば、電荷、電流または電圧)を、コントローラー又は他の装置への電気接続に供する電気接点106に伝送する。一実施態様では、導電層は、白金(Pt)から形成される。他の実施態様では、他の導電材料が使用される。
【0024】
電極アセンブリ100は、いずれの好適な方法により作製されてもよい。幾つかの実施態様では、基板102は、アルミナ等のセラミック基板である。幾つかの実施態様では、基板102は、他のセラミック材料に付着されたセラミック皮膜または層である。また、セラミック皮膜または層は、いずれかの金属材料または耐高温ポリマー層上に付着されてもよい。例えば、金属材料としては、ステンレス鋼、ニッケル系スーパー合金または同様の材料が挙げられる。耐高温ポリマー層としては、熱可塑性または類似の材料が挙げられる。
【0025】
電極アセンブリ100の導電層は、また、いずれの好適な技術を使用して作製されてもよい。幾つかの実施態様では、導電性トレースは、厚膜製造または形成法を使用して、電極基板102の表面に付着形成されてもよい。厚膜製造法の幾つかの例としては、スクリーン印刷およびスパッタリングが挙げられるが、他の厚膜製造法を使用することもできる。幾つかの実施態様では、導電性トレースは、薄膜製造または形成法を使用して、電極基板102の表面に付着形成されてもよい。薄膜製造法の幾つかの例としては、化学的または物理的蒸着等の真空蒸着技術が挙げられるが、他の薄膜製造法を使用することもできる。厚膜または薄膜製造法を使用することにより、電極104の有効面積が、比較的大きくなり、比較的大強度の電気信号を提供することができる。
【0026】
図2は、ヒーターアセンブリ110の一実施態様の模式図を示す。多くの観点で、ヒーターアセンブリ110は、図1の電極アセンブリ100と類似しているが、ヒーターアセンブリ110は、一般に、電気信号を発生させるよりむしろ、熱を発生させるために使用される。図示されたヒーターアセンブリ110は、ヒーター基板112、多数のヒーター114及び116、及び対応するヒーター接点118からなる。注意すべきは、図示されたヒーターアセンブリ110では、多数のヒーター114及び116が示されているが、ヒーターアセンブリ110の他の実施態様では、単一ヒーター、1つを超えるヒーター又は他の個数および/または配置のヒーターが、使用されてもよい。
【0027】
上記した電極アセンブリと同様に、ヒーターアセンブリ110は、厚膜または薄膜製造法を使用して、セラミック又は他の絶縁基板112上に導電性トレース形成することによって、製造することができる。更に、ヒーターアセンブリ110上に1つ以上のヒーター114及び116を配置する実施態様では、別体のコイル状、平坦状または他のヒーター等の更なるヒーターの使用を排除するものではない。
【0028】
幾つかの実施態様では、電極基板102及びヒーター基板112は、同一基板でもよい。例えば、電極アセンブリ100用の導電性トレースは、共通基板の一方の側に付着形成し、ヒーターアセンブリ110用の導電性トレースを、同一基板の他方側に付着形成してもよい(図4及び5参照)。また、幾つかの実施態様では、電極アセンブリ100及びヒーターアセンブリ110用の導電性トレースを、共通基板の同一側に塗布形成してもよい。図3は、組合せ電極およびヒーターアセンブリ120の模式図を示す。図示されたアセンブリ120は、共通基板122の同一側に、電極及びヒーターアセンブリ両用の導電性トレースを有する。
【0029】
図4は、粒状物質センサーアセンブリ130の一実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサーアセンブリ130は、電極及びヒーターアセンブリの組合わせからなり、各アセンブリは、図1の電極アセンブリ100及び図2のヒーターアセンブリ110とそれぞれ同様である。特に、粒状物質センサーアセンブリ130は、信号電極アセンブリ137と検出器電極アセンブリ137とを有する。信号電極アセンブリ137は、信号電極絶縁基板134に付着形成された信号電極132を有する。信号電極アセンブリ137は、また、信号電極絶縁基板134の背面側に付着形成されたヒーター136を有する。同様に、検出器電極アセンブリ137は、検出器電極絶縁基板140に付着形成された検出器電極138を有し、信号電極絶縁基板140の背面側に付着形成されたヒーター142を有する。
【0030】
信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137は、絶縁スペーサー144又は他の機械的セパレーターによって分離される。幾つかの実施態様では、絶縁スペーサー144及び信号および検出器電極アセンブリの物理的配置は、信号電極132及び検出器電極138間の距離が非常に小さくなるように構成される。一例では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、約1ミクロン程度と小さくてもよい。また、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、1cmと大きくてもよい。一実施態様では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、約0.5〜2.0mmの範囲内にある。他の実施態様では、信号電極132及び検出器電極138間の距離は、他の範囲であってもよい。
【0031】
幾つかの実施態様では、絶縁基板134及び140は、絶縁スペーサー144に接合されていてもよい。該接合は、各層を共に焼結するか、又は他の接合方法を使用して行うことができる。各層を共に焼結する実施態様では、信号および検出器電極132及び138は、焼結工程前後に付着形成してもよい。スペーサー144を基板134及び140に接合する方法としては、ガラス接合、金属化接合、又は圧締め又はワイヤー締結等幾つか例示される機械的接合が挙げられる。当業者に理解されるように、上記または他の接合方法は、本明細書中に記載の種々アセンブリの他の構成要素を接合するために使用することもできる。
【0032】
図4では、また、幾つかの矢印により、ヒーター136及び142からそれぞれ信号および検出器電極132及び138への熱伝達が示される。図示の矢印は、ヒーター層136及び142上のヒーター又はヒーター配置114(図2参照)の大よその位置を示す。図示された実施態様では、ヒーター配置114は、信号および検出器電極132及び138とほぼ整合して設けられる。このように、ヒーター配置114は、一般に、信号および検出器電極132及び138に隣接した領域の電極トレース108(図1参照)に向かってよりもむしろ、信号および検出器電極132及び138に向かって熱を伝達する。
【0033】
図5は、粒状物質センサーアセンブリ150の一実施態様の模式図を示す。
図示された粒状物質センサーアセンブリ150は、ヒーター136及び142が、信号および検出器電極132及び138に直接向かうよりもむしろ、信号および検出器電極132及び138に隣接する領域に向かって熱を伝達する点を除いて、図4の粒状物質センサーアセンブリ130と実質的に同様である。言い換えれば、ヒーター136及び142は、信号および検出器電極132及び138から直接よりもむしろ、電極トレース108(図1及び3参照)から、粒状物質を焼失させる。
【0034】
図6は、粒状物質センサーアセンブリ160の他の実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサーアセンブリ160は、ヒーター162及び166が、別体のヒーター基板164及び168に、それぞれ付着形成される点を除いて、図4の粒状物質センサーアセンブリ130と実質的に同様である。このように、ヒーターアセンブリは、電極アセンブリから別体で作製され、上述の接合方法を使用して、電極アセンブリに実質的に接合または他の方法で取り付けてもよい。図示の実施態様では、信号および検出器電極132及び138に直接熱を伝達するヒーター162及び166を設けているが、他の実施態様では、信号および検出器電極132及び138のほぼ隣接領域に直接熱を伝達する、図5に示すヒーター136及び142と同様なヒーターを設けることもできる。
【0035】
図7は、粒状物質センサーアセンブリ170の他の実施態様の模式図を示す。図4〜6に関して上記した粒状物質センサーアセンブリと相違して、図7で示す粒状物質センサーアセンブリ170では、信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137の間に配置されたヒーター基板176上に、ヒーター172及び174が設けられる。それゆえ、信号電極アセンブリ137及び検出器電極アセンブリ137を、それぞれ中間に配置されたヒーターアセンブリから絶縁するために、多数の絶縁スペーサー178及び180が使用される。また、図示実施態様では、絶縁スペーサー178及び180は、ヒーター172及び174に対しオフセットして設けられる。このオフセット配置では、ヒーター172及び174を、それぞれの電極132及び138及びそれら電極に結合したリードワイヤーから離間させるギャップ173が設けられる。この配置は、遷移金属酸化物やアルカリ金属酸化物等のセラミック材料中の少量の不純物の存在に起因して、高温下でセラミック材料に電気伝導度の増加が生じる場合に、有利である。ギャップ173を設けることにより、ヒーターと、検知または検出電極のいずれか並びにそれぞれのリードワイヤーとの電気的干渉を減少することができる。ギャップ173は、空間でも高純度スペーサーのいずれでもよい。幾つかの実施態様では、ギャップ173の使用は、充分に高純度のスペーサー材料を使用するよりも、電気伝導度の増加を避けるためにコスト的により有効である。
【0036】
一実施態様では、センサーアセンブリ又は装置は、信号電極絶縁セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリを有していてもよい。また、該センサーアセンブリ又は装置は、検出器電極絶縁セラミック基板に結合された検出器電極を有する検出器電極アセンブリを有し、検出器電極は、周囲状態の測定を行うために、信号電極に対して配置されてもよい。上記装置は、ヒーター又はヒーターアセンブリを有していなくてもよいが、信号または検出器電極の少なくとも1つと結合した電圧供給部を有し、該電圧供給部は、信号および検出器電極の1つにバイアス電圧を印加するように構成されてもよい。バイアス電圧は、信号および検出器電極の他方の電極に対し約50〜10,000ボルトの範囲の電圧である。一実施態様では、バイアス電圧は、100〜2,000ボルトの範囲であってもよい。
【0037】
図8は、粒状物質センサー190の一実施態様の模式図を示す。図示された粒状物質センサー190では、図7の粒状物質センサーアセンブリ170を、ハウジング192内に収容する。他の実施態様では、上記したように、他の粒状物質センサーアセンブリを使用してもよい。一実施態様では、ハウジング192は、粒状物質センサーアセンブリ170の環境保護および構造的支持に供する金属ハウジング又は他のタイプのハウジングからなる。一般には、ハウジング192は、排気ガス環境または粒状物質の測定が可能である他の環境内において、粒状物質センサーアセンブリ170の取付けを容易にする。例えば、ハウジング192は、排気ガスシステム(図9参照)内の対応するねじ切孔内への粒状物質センサー190の配置を容易にするため、ねじ切ネック部を有していてもよい。排気ガスシステム内に取り付ける際、信号および検出器電極132及び138は、排気ガス流等の通過空気流に露出される。それ故、粒状物質センサーアセンブリ170は、排気ガス流内において、粒状物質の濃度を測定することができる。
【0038】
一実施態様では、粒状物質センサー190のハウジング192は、電極接点106及びヒーター接点118を露出させて、コントローラー又は他の電子装置への接続を可能とする(図9参照)。幾つかの実施態様では、ハウジング192は、粒状物質センサーアセンブリ170の接続端を完全に密封して、接続ワイヤーを、ハウジング192内の開口を通過させる構成としてもよい。
【0039】
図9は、粒状物質測定システム200の一実施態様の模式ブロック図である。図示された粒状物質測定システム200は、エンジン202及び排気システム204からなる。排気システム204は、排気ガスを発生するエンジン200に結合される。排気システム204は、排気出口206への排気ガスの流れを促進する。
【0040】
エンジン202からの粒状物質排出量を制御するために、又は排気ガス流中の粒状物質レベルを別の方法で監視するために、センサーエレメント190は、上記したように、粒状物質の濃度を測定する。センサーエレメント190の信号および検出器電極132及び138上への粒状物質の堆積は、センサーエレメント190の性能を低下させるので、センサーエレメント190は、信号および検出器電極132及び138上またはその近辺に堆積した可燃粒状物質を焼失させるため、1つ以上ヒーターを有する。粒状物質測定システム200の幾つかの実施態様では、また、センサーエレメント190の前後において、中和化学薬剤を排気システム204内に放出するため、1つ以上のエミッションコントロール部材が、設けられてもよい。
【0041】
センサーエレメント190は、電子制御モジュール208と、電子的に接続される。一般に、電子制御モジュール208では、排気システム204内の粒状物質レベルの測定値が求められる。測定値は、センサーエレメント190によって発生した信号レベルと比例するか、又は該信号レベルと別の相関関係を有する。電子制御モジュール208は、また、センサーエレメント190内のヒーター172及び174の作動を制御する。電子制御モジュール208は、また、直流電源からの入力供給電圧(代表的には、約9〜24ボルト)を、センサーエレメント190で使用可能な、より高圧の供給電圧に変換する。一実施態様では、センサーエレメント190は、約10,000ボルト以下の供給電圧を使用する。他の実施態様では、供給電圧は、500〜5,000ボルトの範囲である。他の実施態様では、供給電圧は、100〜2,000ボルトの範囲であってもよい。
【0042】
例示された電子制御モジュール208は、プロセッサー210、ヒーターコントローラー212及び電子記憶装置214を有する。センサーエレメント190は、無線または有線データ伝送信号を含むいずれかのタイプのデータ信号を使用して、1つ以上の電気信号を、電子制御モジュール208のプロセッサー210に伝送する。
【0043】
一実施態様では、プロセッサー210は、粒状物質測定システム200の1つ以上の操作を実行する。特に、プロセッサー210は、プロセッサー210に局所的に保存されるか、又は電子記憶装置214に保存された指令を実行することができる。更に、種々のタイプのプロセッサー210としては、一般データプロセッサー、応用特定プロセッサー、マルチコアプロセッサー等が挙げられ、これらプロセッサーは、電子制御モジュール208内で使用することができる。
【0044】
いくつかの実施態様では、プロセッサー210は、また、センサーエレメント190に供給する電圧バイアスを発生させる。電圧バイアスは、少なくとも1つの電極の電圧レベルを、他の電極に対し増加させる。一実施態様では、電圧バイアスは、約1〜10,000ボルトの範囲である。より特定の例では、電圧バイアスは、約500〜5,000ボルトの範囲である。他の実施態様では、他の電圧バイアスパラメーターを、使用することもできる。
【0045】
いくつかの実施態様では、プロセッサー210は、電子記憶装置214内に保存されたルックアップテーブルを参照して、排気システム204内の粒状物質濃度の測定を行ってもよい。他の実施態様では、他の方法を使用して、センサーエレメント190の信号レベルを粒状物質測定レベルと相関させてもよい。
【0046】
一実施態様では、ヒーターコントローラー212は、センサーエレメント190内の単一または複数のヒーターを制御して、対応する電極アセンブリ及び特に対応するセンサー電極の作動温度を特定値に維持する。ヒーターコントローラー212は、センサーエレメント190のヒーターを、連続的、定期的またはある種の他の非連続ベースに基づいて、作動してもよい。一実施態様では、ヒーターコントローラー212は、約200℃の温度またはこれを超える温度で、ヒーターを作動する。いくつかの実施態様では、ヒーターコントローラー212は、約400℃の温度またはこれを超える温度で、ヒーターを作動する。他の実施態様では、ヒーターは、他の温度で作動されてもよい。
【0047】
また、注意すべきは、いくつかの実施態様では、センサーエレメント190は、粒状物質センサーアセンブリ又は粒状物質測定システムの他の構成部材の故障を決定するために使用されてもよい。例えば、センサーエレメント190は、排気システム204の粒状物質フィルター(図示せず)の故障を決定するために使用してもよい。一実施態様では、粒状物質測定システム200内の故障を、センサーエレメント190により発生する高強度信号によって検知することもできる。
【0048】
また、注意すべきは、粒状物質センサーアセンブリの実施態様は、排気ガス環境内のある種の気体成分のバラツキ・変動に対し、一定の許容範囲を有していてもよい点である。このように、粒状物質センサーアセンブリは、排気ガス環境内の特定の学物質または材料の測定を、検量法により行うこともできる。
【0049】
図10は、粒状物質センサーを作動する方法220の一実施態様の模式フローチャート図を示す。方法220の記載に関しては、一定の粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリを使用することができるが、方法220の実施態様は、他のタイプの粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリにより実施してもよい。更に、方法220の実施態様は、種々のタイプの粒状物質測定システムにより実施されてもよい。
【0050】
例示された実施態様では、電子制御モジュールは、ヒーターコントローラーを励起し、センサーエレメント内のヒーターに電力を供給する(工程222)。センサーエレメント内の単一または複数のヒーターの温度が上昇するにつれて、電極アセンブリの対応する部分も、同様に加熱される(工程224)。温度を十分に上昇させることによって、ヒーターは、電極アセンブリから汚染粒状物質を焼失させる(工程226)。粒状物質が、電極アセンブリから完全または部分的に焼失した後、又はその焼失プロセス中においても、プロセッサーは、電極アセンブリの少なくとも一方に、バイアス電圧を印加する(工程228)。次いで、プロセッサーは、電極アセンブリで発生した電荷または電流を測定し(工程230)、通過排気流中の粒状物質レベルを決定する(工程232)。図9に関して上記したように、プロセッサーは、電子記憶装置内に保存されたルックアップテーブル又は他のデータを参照して、センサーエレメントから受取った電気信号に対応する粒状物質のレベルを決定してもよい。次いで、図示された方法220を終了する。
【0051】
図11は、粒状物質センサーの製造方法240の一実施態様の模式フローチャート図である。方法240の記載に関しては、一定の粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリを使用することができるが、方法240の実施態様は、他のタイプの粒状物質センサー及び粒状物質センサーアセンブリによって実施することもできる。更に、方法240の実施態様は、種々のタイプの粒状物質測定システムによって実施することができる。
【0052】
例示された実施態様では、粒状物質センサー190は、信号電極を、信号電極基板に結合する(工程242)ことによって製造される。検出器電極は、また、検出器電極基板に結合される(工程244)。ヒーターは、次いで、信号および検出器電極に対して配置される(工程246)。また、絶縁および/または離間機能を施すために使用される絶縁スペーサーは、信号および検出器電極基板の間に配置される(工程248)。次いで、信号および検出器電極基板は、いずれかのスペーサーに接合され(工程250)、ヒーターは、電子制御モジュールに結合される(工程252)。上記したように又は本明細書から理解されるように、種々の他の製造技術が、粒状物質センサーの1つ以上の実施態様を作製するために、考慮されかつ使用されてもよい。次いで、図示された製造方法240を終了する。
【0053】
方法240の一実施態様では、PMセンサーは、2つの白金(Pt)電極を有し、これら電極は、それぞれ信号電極および検出器電極として作用し、対応アルミナ基板に印刷される(工程242及び244)。基板は、上記Pt電極が互いに対向しかつ接近状態で離間するように配置される(工程248)が、しかし電気的にこれら電極を分離するように配置される。Ptヒーターは、各基板の背面(即ち、電極の反対側)に印刷される(工程246)。これらヒーターは、再生(例えば、炭素質粒状物質の熱的に高められた酸化)を促進する。一実施態様では、次いで、これら2つの同一のアルミナ部材を、ステンレス鋼製のハウジング内に組み付け、接合する。当業者に理解されるように、他の導電電極を使用することもできる(工程250)。
【0054】
更なる、しかしこれに限定されない例としては、Ptヒーターは、基板上にスクリーン印刷されてもよい(工程242又は244)。一実施態様では、Ptインク(例えば、「HERAEUS 5100」)を、約80.5cm×1.1cm×0.1cmの大きさのアルミナ基板上に、スクリーン印刷する。次いで、得られたスクリーン印刷構造体を、1000℃で約1時間焼成し、次いで3時間ランピングする。幾つかの実施態様では、この後に、同一のインクを、再び焼成体の表面に印刷し、1200℃で約1時間焼結し、次いで3時間ランピングする。
【0055】
他の、しかしこれに限定されない例としては、Pt電極を、基板上にスクリーン印刷してもよい。一実施態様では、約0.7cm×0.7cmの大きさの矩形Pt電極は、Ptインク(「HERAEUS 5100」)を、上記ヒーターの背面側にスクリーン印刷することによって、作製される。電極構造は、次いで、1000℃で約0.5時間焼結し、その後4時間ランピングする。
【0056】
上記したように、それぞれセンサー及び検知電極アセンブリとして機能する2つの対称電極アセンブリを作製した後、これら対称電極アセンブリを、アルミナスペーサーを介して結合する。この際、アルミナスペーサーは、これら対称電極アセンブリの間に挿入されるように配置される。上記したように、電極アセンブリは、更に、互いに対向して配置される。得られた構成物は、次いで、ステンレス鋼製センサーハウジング内に、少なくとも電極の一部がハウジングから露出するように、収容される。この構成によって、電極は、ハウジングを通過して流れる気体流に曝露される。幾つかの実施態様では、ハウジング内に残存するスペースの少なくとも一部は、耐高温性セメントによって充填される。更に、上記したように、センサーアセンブリの電気接点は、ハウジングの他端においてもアクセス可能に配置される。
【0057】
本明細書では、方法の操作を、特定の順序で示し記述したが、各方法の操作の順序は、或る操作を、逆の順序で行うか、又は或る操作を、少なくとも部分的に、他の操作と同時に行うように、変更することもできる。他の実施態様では、異なる操作の指令またはサブ操作を、間欠的および/または交互に実施することもできる。
【0058】
本発明の特定の実施態様を記載・例示したが、本発明は、記載・例示された部材の特定の形状または配置に限定されない。本発明の権利範囲は、ここに添付の特許請求の範囲およびその等価物によって限定されるべきものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号電極絶縁基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁基板に結合されると共に周囲状態の測定を行うために信号電極に対し配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、信号および検出器電極アセンブリに対し配置した第1の電気ヒーターとから成ることを特徴とするセンサー装置。
【請求項2】
前記信号および検出器電極が、更に、粒状物質を検出するように構成された請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
前記信号および検出器電極絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板が、セラミック基板から成る請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項4】
前記信号および検出器電極絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板が、セラミック皮膜および耐高温性ポリマー層から成る請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項5】
更に、信号および検出器電極アセンブリ間に絶縁スペーサーを有する請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項6】
更に、信号および検出器電極アセンブリに対し配置された第2の電気ヒーターを有し、第1の電気ヒーターが、信号電極に対向して、信号電極アセンブリの信号電極絶縁基板上に配置された信号電極ヒーターから成り、第2の電気ヒーターが、検出器電極に対向して、検出器電極アセンブリの検出器電極絶縁基板上に配置された検出器電極ヒーターから成る請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項7】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極とほぼ整合して配置された請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項8】
更に、信号電極ヒーター基板を有し、第1の電気ヒーターが前記信号電極ヒーター基板に結合した信号電極ヒーターから成り、前記信号電極ヒーター及び信号電極ヒーター基板が信号電極アセンブリの信号電極絶縁基板に接合されている請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項9】
更に、検出器電極ヒーターから成る第2の電気ヒーターと検出器電極ヒーター基板とを有し、検出器電極ヒーター及び検出器電極ヒーター基板が検出器電極アセンブリの検出器電極絶縁基板に接合されている請求項8に記載のセンサー装置。
【請求項10】
更に、信号および検出器電極アセンブリ間にヒーター基板を有する請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項11】
更に、信号および検出器電極アセンブリに対し配置された第2の電気ヒーターを有し、第1の電気ヒーターが前記ヒーター基板の信号電極側に配置された信号電極ヒーターから成り、第2の電気ヒーターが、信号電極ヒーターの反対側で前記ヒーター基板の検出器電極側に配置された検出器電極ヒーターから成る請求項10に記載のセンサー装置。
【請求項12】
更に、信号電極ヒーターから信号電極アセンブリを絶縁するための、信号電極ヒーター及び信号電極アセンブリ間に配置された第1のスペーサーと;検出器電極ヒーターから検出器電極アセンブリを絶縁するための、検出器電極ヒーター及び検出器電極アセンブリ間に配置された第2のスペーサーとを有する請求項11に記載のセンサー装置。
【請求項13】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極とほぼ整合して配置された請求項12に記載のセンサー装置。
【請求項14】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極にほぼ隣接した、信号および検出器電極アセンブリの領域とほぼ整合して配置された請求項12に記載のセンサー装置。
【請求項15】
第1及び第2のスペーサーが、信号および検出器電極ヒーターからオフセットして配置され、信号および検出器電極ヒーターから信号および検出器電極アセンブリへの熱伝達を促進する請求項14に記載のセンサー装置。
【請求項16】
信号電極および検出器電極が、約1μm〜約1cmの範囲の距離だけ離間して配置される請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項17】
信号電極および検出器電極が、約0.5〜2.0mmの範囲の距離だけ離間して配置される請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項18】
信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極が、厚膜形成プロセスによって形成されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項19】
信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極が、薄膜形成プロセスによって形成されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項20】
信号電極絶縁基板および検出器電極絶縁基板が、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリ間に配置された少なくとも1つの絶縁スペーサーを介して互いに接合されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項21】
信号電極絶縁基板、検出器電極絶縁基板および絶縁スペーサーは、共に焼結されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
信号セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと、検出器セラミック基板に結合された検出器電極を有する検出器電極アセンブリとによって周囲状態を検知する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに対して配置されたヒーターに電力を供給する工程と;信号および検出器電極アセンブリの1つ以上を、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電気アセンブリ上に存在する汚染粒状物質の燃焼閾値を超える温度に加熱する工程とから成ることを特徴とする方法。
【請求項23】
周囲状態を検知する工程が、更に、信号および検出器電極の一方にバイアス電圧を印加する工程を有し、バイアス電圧は、信号および検出器電極の他方の電極に対し約1〜10,000ボルトの範囲の電圧である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
バイアス電圧が、信号および検出器電極の他方の電極に対し約100〜2,000ボルトの範囲の電圧である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
信号および検出器電極の1つ以上を加熱する工程が、更に、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上から汚染粒状物質を除去するため、信号および検出器電極の1つ以上を、約200℃を超える温度に加熱する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項26】
更に、信号および検出器電極の1つ以上を連続的に加熱する工程を有する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
更に、信号および検出器電極の1つ以上を定期的に加熱する工程を有する請求項25に記載の方法。
【請求項28】
更に、信号および検出器電極の少なくとも1つの電極上の蓄積された電荷を検出する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項29】
更に、信号および検出器電極に結合されたレジスターを通過する電流を検出する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項30】
更に、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上を加熱する加熱源を制御する工程を有し、加熱源制御が、第1及び第2の電極アセンブリにより検出される汚染粒状物質の測定に応答して実行される請求項22に記載の装置。
【請求項31】
信号電極を信号電極絶縁基板に結合して信号電極アセンブリを形成する工程と;検出器電極を検出器電極絶縁基板に結合して検出器電極アセンブリを形成し、周囲状態の測定を行うため、前記検出器電極を信号電極に対し配置する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるため、ヒーターを信号および検出器電極アセンブリに対し配置する工程とから成ることを特徴とする方法。
【請求項32】
信号および検出器絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板がセラミック基板から成る請求項31に記載の方法。
【請求項33】
更に、ヒーター基板にヒーターを結合する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに、ヒーター及びヒーター基板を接合する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項34】
ヒーター及びヒーター基板を接合する工程が、更に、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに、ヒーター及びヒーター基板を焼結する工程を有する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
更に、信号および検出器電極アセンブリの間にヒーター基板を配置する工程を有する請求項33に記載の方法。
【請求項36】
更に、ほぼ信号および検出器電極に隣接した信号および検出器電極アセンブリの領域に、ヒーターを整合して配置する工程を有する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
更に、ヒーター基板と信号および検出器電極アセンブリとの間にスペーサーを配置する工程を有し、前記スペーサーは、ヒーターと信号および検出器電極アセンブリとの電気的接触を防止するための絶縁基板から成る請求項33に記載の方法。
【請求項38】
更に、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリ上に、ヒーターを形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項39】
更に、信号および検出器電極およびヒーターを薄膜形成プロセスによって形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項40】
更に、信号および検出器電極およびヒーターを厚膜形成プロセスによって形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項41】
更に、ヒーターを電子制御モジュールに結合する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項42】
センサーエレメントが信号電極絶縁基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁基板に結合されると共に通過空気流中の粒状物質の検出に呼応して電気信号を発生するため信号電極と組合わせて配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;センサーエレメント上の汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、センサーエレメントに対し配置されたヒーターと;ヒーターに結合されると共に、センサーエレメント上の汚染粒状物質の燃焼閾値に対しヒーター温度を規制する電子制御モジュールとから成ることを特徴とする粒状物質を測定するための検知システム。
【請求項43】
信号および検出器絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板がセラミック基板から成る請求項42に記載の検知システム。
【請求項44】
電子制御モジュールが、対応する複数の電気信号値によりインデックスされた複数の粒状物質値のルックアップテーブルを保存する電子記憶装置と、通過空気流中の粒状物質の測定値を決定するため、電子記憶装置内のルックアップテーブルを参照するように前記電子記憶装置に結合されたプロセッサーとを有する請求項42に記載の検知システム。
【請求項45】
電子記憶装置は、更に、プロセッサーにより実行される際、電子制御モジュールに、電気信号値に基づき通過空気流中の粒状物質の測定値を演算させる装置読取可能指令を保存するように構成されている請求項44に記載の検知システム。
【請求項46】
更に、プロセッサー及びヒーターに結合したヒーターコントローラーを有し、電子記憶装置は、更に、プロセッサーにより実行される際、ヒーターコントローラーにセンサーエレメント上の汚染粒状物質の燃焼閾値に対するヒーター温度を規制する装置読取可能指令を保存するように構成されている請求項44に記載の検知システム。
【請求項47】
信号電極絶縁セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁セラミック基板に結合されると共に周囲状態の測定値を行うために信号電極に対し配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;信号および検出器電極の少なくとも一方に接続され、かつ信号および検出器電極一方に信号および検出器電極の他方に対し約50〜10,000ボルトの範囲の電圧であるバイアス電圧を印加するように構成された電圧供給部とから成ることを特徴とするセンサー装置。
【請求項1】
信号電極絶縁基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁基板に結合されると共に周囲状態の測定を行うために信号電極に対し配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、信号および検出器電極アセンブリに対し配置した第1の電気ヒーターとから成ることを特徴とするセンサー装置。
【請求項2】
前記信号および検出器電極が、更に、粒状物質を検出するように構成された請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項3】
前記信号および検出器電極絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板が、セラミック基板から成る請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項4】
前記信号および検出器電極絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板が、セラミック皮膜および耐高温性ポリマー層から成る請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項5】
更に、信号および検出器電極アセンブリ間に絶縁スペーサーを有する請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項6】
更に、信号および検出器電極アセンブリに対し配置された第2の電気ヒーターを有し、第1の電気ヒーターが、信号電極に対向して、信号電極アセンブリの信号電極絶縁基板上に配置された信号電極ヒーターから成り、第2の電気ヒーターが、検出器電極に対向して、検出器電極アセンブリの検出器電極絶縁基板上に配置された検出器電極ヒーターから成る請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項7】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極とほぼ整合して配置された請求項6に記載のセンサー装置。
【請求項8】
更に、信号電極ヒーター基板を有し、第1の電気ヒーターが前記信号電極ヒーター基板に結合した信号電極ヒーターから成り、前記信号電極ヒーター及び信号電極ヒーター基板が信号電極アセンブリの信号電極絶縁基板に接合されている請求項5に記載のセンサー装置。
【請求項9】
更に、検出器電極ヒーターから成る第2の電気ヒーターと検出器電極ヒーター基板とを有し、検出器電極ヒーター及び検出器電極ヒーター基板が検出器電極アセンブリの検出器電極絶縁基板に接合されている請求項8に記載のセンサー装置。
【請求項10】
更に、信号および検出器電極アセンブリ間にヒーター基板を有する請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項11】
更に、信号および検出器電極アセンブリに対し配置された第2の電気ヒーターを有し、第1の電気ヒーターが前記ヒーター基板の信号電極側に配置された信号電極ヒーターから成り、第2の電気ヒーターが、信号電極ヒーターの反対側で前記ヒーター基板の検出器電極側に配置された検出器電極ヒーターから成る請求項10に記載のセンサー装置。
【請求項12】
更に、信号電極ヒーターから信号電極アセンブリを絶縁するための、信号電極ヒーター及び信号電極アセンブリ間に配置された第1のスペーサーと;検出器電極ヒーターから検出器電極アセンブリを絶縁するための、検出器電極ヒーター及び検出器電極アセンブリ間に配置された第2のスペーサーとを有する請求項11に記載のセンサー装置。
【請求項13】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極とほぼ整合して配置された請求項12に記載のセンサー装置。
【請求項14】
信号および検出器電極ヒーターが、信号および検出器電極にほぼ隣接した、信号および検出器電極アセンブリの領域とほぼ整合して配置された請求項12に記載のセンサー装置。
【請求項15】
第1及び第2のスペーサーが、信号および検出器電極ヒーターからオフセットして配置され、信号および検出器電極ヒーターから信号および検出器電極アセンブリへの熱伝達を促進する請求項14に記載のセンサー装置。
【請求項16】
信号電極および検出器電極が、約1μm〜約1cmの範囲の距離だけ離間して配置される請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項17】
信号電極および検出器電極が、約0.5〜2.0mmの範囲の距離だけ離間して配置される請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項18】
信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極が、厚膜形成プロセスによって形成されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項19】
信号および検出器電極アセンブリの信号および検出器電極が、薄膜形成プロセスによって形成されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項20】
信号電極絶縁基板および検出器電極絶縁基板が、信号電極アセンブリ及び検出器電極アセンブリ間に配置された少なくとも1つの絶縁スペーサーを介して互いに接合されている請求項1に記載のセンサー装置。
【請求項21】
信号電極絶縁基板、検出器電極絶縁基板および絶縁スペーサーは、共に焼結されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
信号セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと、検出器セラミック基板に結合された検出器電極を有する検出器電極アセンブリとによって周囲状態を検知する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに対して配置されたヒーターに電力を供給する工程と;信号および検出器電極アセンブリの1つ以上を、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上の電気アセンブリ上に存在する汚染粒状物質の燃焼閾値を超える温度に加熱する工程とから成ることを特徴とする方法。
【請求項23】
周囲状態を検知する工程が、更に、信号および検出器電極の一方にバイアス電圧を印加する工程を有し、バイアス電圧は、信号および検出器電極の他方の電極に対し約1〜10,000ボルトの範囲の電圧である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
バイアス電圧が、信号および検出器電極の他方の電極に対し約100〜2,000ボルトの範囲の電圧である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
信号および検出器電極の1つ以上を加熱する工程が、更に、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上から汚染粒状物質を除去するため、信号および検出器電極の1つ以上を、約200℃を超える温度に加熱する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項26】
更に、信号および検出器電極の1つ以上を連続的に加熱する工程を有する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
更に、信号および検出器電極の1つ以上を定期的に加熱する工程を有する請求項25に記載の方法。
【請求項28】
更に、信号および検出器電極の少なくとも1つの電極上の蓄積された電荷を検出する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項29】
更に、信号および検出器電極に結合されたレジスターを通過する電流を検出する工程を有する請求項22に記載の方法。
【請求項30】
更に、信号および検出器電極アセンブリの1つ以上を加熱する加熱源を制御する工程を有し、加熱源制御が、第1及び第2の電極アセンブリにより検出される汚染粒状物質の測定に応答して実行される請求項22に記載の装置。
【請求項31】
信号電極を信号電極絶縁基板に結合して信号電極アセンブリを形成する工程と;検出器電極を検出器電極絶縁基板に結合して検出器電極アセンブリを形成し、周囲状態の測定を行うため、前記検出器電極を信号電極に対し配置する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリから汚染粒状物質の堆積物を焼失させるため、ヒーターを信号および検出器電極アセンブリに対し配置する工程とから成ることを特徴とする方法。
【請求項32】
信号および検出器絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板がセラミック基板から成る請求項31に記載の方法。
【請求項33】
更に、ヒーター基板にヒーターを結合する工程と;信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに、ヒーター及びヒーター基板を接合する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項34】
ヒーター及びヒーター基板を接合する工程が、更に、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリに、ヒーター及びヒーター基板を焼結する工程を有する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
更に、信号および検出器電極アセンブリの間にヒーター基板を配置する工程を有する請求項33に記載の方法。
【請求項36】
更に、ほぼ信号および検出器電極に隣接した信号および検出器電極アセンブリの領域に、ヒーターを整合して配置する工程を有する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
更に、ヒーター基板と信号および検出器電極アセンブリとの間にスペーサーを配置する工程を有し、前記スペーサーは、ヒーターと信号および検出器電極アセンブリとの電気的接触を防止するための絶縁基板から成る請求項33に記載の方法。
【請求項38】
更に、信号および検出器電極アセンブリの少なくとも1つの電極アセンブリ上に、ヒーターを形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項39】
更に、信号および検出器電極およびヒーターを薄膜形成プロセスによって形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項40】
更に、信号および検出器電極およびヒーターを厚膜形成プロセスによって形成する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項41】
更に、ヒーターを電子制御モジュールに結合する工程を有する請求項31に記載の方法。
【請求項42】
センサーエレメントが信号電極絶縁基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁基板に結合されると共に通過空気流中の粒状物質の検出に呼応して電気信号を発生するため信号電極と組合わせて配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;センサーエレメント上の汚染粒状物質の堆積物を焼失させるために、センサーエレメントに対し配置されたヒーターと;ヒーターに結合されると共に、センサーエレメント上の汚染粒状物質の燃焼閾値に対しヒーター温度を規制する電子制御モジュールとから成ることを特徴とする粒状物質を測定するための検知システム。
【請求項43】
信号および検出器絶縁基板の少なくとも1つの絶縁基板がセラミック基板から成る請求項42に記載の検知システム。
【請求項44】
電子制御モジュールが、対応する複数の電気信号値によりインデックスされた複数の粒状物質値のルックアップテーブルを保存する電子記憶装置と、通過空気流中の粒状物質の測定値を決定するため、電子記憶装置内のルックアップテーブルを参照するように前記電子記憶装置に結合されたプロセッサーとを有する請求項42に記載の検知システム。
【請求項45】
電子記憶装置は、更に、プロセッサーにより実行される際、電子制御モジュールに、電気信号値に基づき通過空気流中の粒状物質の測定値を演算させる装置読取可能指令を保存するように構成されている請求項44に記載の検知システム。
【請求項46】
更に、プロセッサー及びヒーターに結合したヒーターコントローラーを有し、電子記憶装置は、更に、プロセッサーにより実行される際、ヒーターコントローラーにセンサーエレメント上の汚染粒状物質の燃焼閾値に対するヒーター温度を規制する装置読取可能指令を保存するように構成されている請求項44に記載の検知システム。
【請求項47】
信号電極絶縁セラミック基板に結合された信号電極を有する信号電極アセンブリと;検出器電極絶縁セラミック基板に結合されると共に周囲状態の測定値を行うために信号電極に対し配置された検出器電極を有する検出器電極アセンブリと;信号および検出器電極の少なくとも一方に接続され、かつ信号および検出器電極一方に信号および検出器電極の他方に対し約50〜10,000ボルトの範囲の電圧であるバイアス電圧を印加するように構成された電圧供給部とから成ることを特徴とするセンサー装置。
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2010−525367(P2010−525367A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506292(P2010−506292)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/005480
【国際公開番号】WO2008/134060
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508011511)セラマテック・インク (29)
【出願人】(508305797)
【出願人】(508305775)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/005480
【国際公開番号】WO2008/134060
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508011511)セラマテック・インク (29)
【出願人】(508305797)
【出願人】(508305775)
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