粘性流体身体排泄物管理物品
【課題】軟便又は流動性便などの粘性流体身体排泄物に対する、改良された便管理特性を有する吸収性構造物を提供する。
【解決手段】吸収性物品の股区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素を備え、排泄物管理要素は、受入要素と貯蔵要素152を含む。貯蔵要素152は好ましくは、嵩高にされた開口構造部材を形成する接着自在箇所128と断続的な弓状部分130を有する三次元ウエブ126を含む。三次元ウエブ126は、嵩高不織材料又はループ状の材料を含む。
【解決手段】吸収性物品の股区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素を備え、排泄物管理要素は、受入要素と貯蔵要素152を含む。貯蔵要素152は好ましくは、嵩高にされた開口構造部材を形成する接着自在箇所128と断続的な弓状部分130を有する三次元ウエブ126を含む。三次元ウエブ126は、嵩高不織材料又はループ状の材料を含む。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品を含む、身体排泄物を吸収及び/又は収容する物品に関する。特に、本発明は、改良された便状物質管理特性を有する使い捨て吸収性物品に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
おむつ、及び成人失禁用ブリーフのような吸収性物品の主な機能は、身体排泄物が、着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品を汚し、濡らし、又はその他の形で汚染することを防止することにある。近年になって、1975年1月14日にKenneth Barclay Buellへ付与された米国特許第3,860,003号に開示されるもののような使い捨ておむつが、一般に数多く使用されており、その便宜性と確実性のために、耐久性のある布製の吸収性物品に取って代わってきた。しかしながらそのような使い捨て吸収性物品の有効性にもかかわらず、身体排泄物は、依然漏れたり、又はおむつ内に貯蔵するので、着用者の皮膚を汚したり、及び/又は刺激することが多い。
【0003】
漏れ及び/又は不適当な収容の好ましくない影響は、おむつ内に堆積される便状物質に関して特に明らかである。おむつ内に堆積される便が経時的に着用者の皮膚を傷める恐れがあり、またおむつからの便の漏れにより、殆ど例外なく不快で厄介な清浄化処置が必要となる。かくして、バリヤー、ポケット、スペーサ、横方向バリヤー、及び開口トップシートなどの機能をおむつへ付与し、及び/又は便状物質をおむつ内に一層効果的に収容しようとする幾つかの試みがなされてきた。しかしながらそのような試みは、そのコストと複雑性により、又は便の悪影響の減少には限界があることにより、一般に成果をあげていない。
【0004】
本発明を身体排泄物の改良された管理を提供するように適応できるが、以下に説明される実施例は、粘性流体身体排泄物の管理に特に適切である。そのような粘性流体身体排泄物には、軟便又は流動性便などが含まれ、そのような便は、尿より一般に粘性が高いが、通常の固形成人便よりも低い。粘性流体身体排泄物は、尿のような非常に低粘性流体を取り入れ移送する通常の毛管作用により、そのような粘性流体身体排泄物を移動するには不十分であるので、従来の吸収性構造物に吸収及び/又は収容するのが難しい。かくして粘性流体身体排泄物は、物品のトップシート上に溜まることが多く、そこにおいて移動が一般に制限されないので、着用者の皮膚へ近づき接触する。更に排泄物の流体特性により、トップシートを通して排泄物が流れ、時には物品から漏れる。したがって粘性流体身体排泄物の特殊な特性は、受入れ、貯蔵及び圧縮変転下での不動化の構造物により、対応する必要がある。
【0005】
したがって、改良された便管理特性を有する吸収性構造物を提供することが望ましい。更に着用者又は介護者への悪影響を最小にする機能を有する経済的な使い捨て吸収性物品を提供することが好都合であろう。また便状物質、特に軟便又は流動性便のような比較的低粘性便状物質のような粘性流体身体排泄物を受入れるように特に設計された吸収性物品を提供することが好都合であろう。更に予定使用期間を通して着用者の皮膚及び/又は衣類から安全かつ清浄に離して、中に堆積された便を貯蔵するに足る有効容量と保持能力を有する吸収性物品を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
粘性流体身体排泄物を一層良く管理するために、本発明は、第1のウエスト区域、第1のウエスト区域に対向する第2のウエスト区域、及び第1のウエスト区域と第2のウエスト区域との間に配設される股区域を有する吸収性物品を提供する。吸収性物品は好ましくは、液体透過性トップシート、トップシートの少なくとも一部分へ接合される液体不透過性バックシート、トップシートの少なくとも一部分とバックシートとの間に配設される吸収性コア、及び股区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素を含む。排泄物管理要素は、エネルギー入力のミリジュール当たり、かつ排泄物管理要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.50グラムよりも大きい、圧力下での許容値を有する。この改良された受入性能により、粘性流体身体排泄物をその物品により急速かつ効果的に吸収することができる。吸収性物品は好ましくは、排泄物を着用者の皮膚から離して貯蔵する箇所を提供するように、排泄物管理要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約0.70グラムの圧力下での貯蔵値を有する。したがって本発明の吸収性物品は、着用者の皮膚を傷める可能性を減少し、及び/又は排便及び特に流動性便に通常関与する介護者の不便を減少できる。
【0007】
本明細書は、本発明とみなされる、特に指摘されかつ明確に請求される内容を請求項に含めるが、その説明は、同様な表示記号がほぼ同一の要素を指すのに図面中で使用される添付図面を参照してなされる以下の説明から一層良く理解されると信じられる。
【0008】
本明細書で使用される用語「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収し収容する物品を指し、具体的には、着用者の身体へ押付けられ、又はそれに近接し、身体から排出される種々の排泄物を吸収し収容する物品を指す。用語「使い捨て」とは、吸収性物品として一般に洗濯もしくは他の方法で回復又は再使用されないのを意図する吸収性物品を説明するのにここでは使用される(すなわち、その物品は、一回の使用後に廃棄され、また好ましくは環境に適応した仕方でリサイクルされるか、堆肥化されるか、又は他の方法で処分されるのを意図する)。(ここで使用される用語「配設される」とは、おむつの1つ又はそれ以上の要素が、おむつの他の要素と共に単一の構造物として、又はおむつの他の要素へ接合される別個の要素として、特定の場所又は位置に形成(接合又は位置決め)されることを意味するのに使用される。ここで使用される用語「接合される」とは、1つの要素が、他の要素へ装着することにより、他の要素へ直接固定される接続形態、及び1つの要素が、中間部材へ装着することにより間接的に固定され、その中間部材がついで他の要素へ装着される接続形態を包含する。)「単一の」吸収性物品とは、共に接合される別個の部分から形成されて、別個のホルダー又はライナーのような別個の操作部分を必要としないように連係された実体を形成する吸収性物品を指す。本発明の吸収性物品の好ましい実施例は、図1に示される単一の使い捨て吸収性物品のおむつ20である。ここで使用される用語「おむつ」とは、一般に幼児及び失禁者により胴体下部の周りに着用される吸収性物品を指す。
また本発明は、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収用挿入部材、おむつホルダーとライナー、女性用衛生衣類、拭き取り用品、モップ及び包帯などのような他の吸収性物品にも適用できる。
【0009】
図1は、平坦にした状態における本発明のおむつ20の平面図であり、おむつ20の構成をより明確に示すために構造物の一部を切り欠いている。着用者に面するおむつ20の部分は、観察者へ向けて配向される。図1に示されるようにおむつ20は好ましくは、液体透過性トップシート24と、液体不透過性バックシート26と、トップシート24の少なくとも一部とバックシート26との間に好ましくは位置決めされる吸収性コア28と、サイドパネル30と、弾性脚カフス32と、弾性ウエスト機能部分34と、及び一般に40で示される締結システムとを含む。おむつ20は、図1において、第1のウエスト区域36、第1のウエスト区域36に対向する第2のウエスト区域38、及び第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38との間に配設される股区域37を有するのが示される。おむつ20の周囲は、おむつ20の外縁部により形成され、そこにおいて長手方向縁部50が、おむつ20の長手方向中心線100へ一般に平行に設けられ、また端部縁部52が、おむつ20の横方向中心線110へ一般に平行な長手方向縁部50の間に設けられる。
【0010】
おむつ20の基台22は、おむつ20の本体を含む。基台22は、吸収性コア28の少なくとも一部と、及び好ましくは、トップシート24とバックシート26を備える外部被覆層とを含む。吸収性物品が別個のホルダーとライナーを含むならば、基台22は、一般にホルダーとライナーを含む。(例えば、ホルダーは物品の外部被覆を形成するように1枚以上の材料層を含むことができ、またライナーはトップシート、バックシート及び吸収性コアを備える吸収性集成物を含むことができる。そのような場合、ホルダー及び/又はライナーは、使用期間を通してライナーを所定位置に保持するのに使用される締付け部材を含むことができる。)単一の吸収性物品の場合、基台22は、おむつの主要構造部材を含み、他の機能部分がおむつ構造物を形成するために付加される。トップシート24、バックシート26及び吸収性コア26は、種々の既知の接続形態で集成できるが、おむつの好ましい接続形態は、一般に下記の特許に記載される。すなわち、1975年1月14日にKenneth B.Buellへ付与された「使い捨ておむつの収縮性側部分」という名称の米国特許第3,860,003号、1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号、1992年9月9日にBuellへ付与された米国特許第5,151,092号、1996年9月10日にRoeなどへ付与された「多ゾーン構造的弾性状フイルムエブ延伸自在ウエスト機能部分を有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,554,145号、1996年10月29日にBuellなどへ付与された「使い捨てプルオンパンツ」という名称の米国特許第5,569,234号、1996年12月3日にNeaseなどへ付与された「吸収性物品用サイドパネルを製造するゼロスクラップ方法」という名称の米国特許第5,580,411号、及びRoblesなどの名前で1997年8月20日に出願された「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品」という名称の米国特許出願番号08/915,471であり、以上の特許のそれぞれはここに参照として組込まれる。
【0011】
バックシート26は、吸収性コア28の衣類に面する表面45に隣接して位置決めされる一般におむつ20の部分であり、それに吸収及び収容される排泄物が、ベッドシーツや下着などのおむつ20と接触する物品を汚すのを防止する。好ましい実施例においてバックシート26は、液体(例えば尿)に対して不透過であり、また約0.012mm(0.5ミル)乃至約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フイルムのような薄いプラスチックフイルムを含む。
適切なバックシートフイルムには、インディアナ州Terre HauteにあるTredegar Industries Inc.により製造され、かつX15306、X10962及びX10964の商品名で販売されるものがある。
他の適切なバックシート材料は、排泄物がバックシート26を通過するのを依然防止しながら、蒸気がおむつ20から逃げることができる通気性材料でもよい。
代表的な通気性材料として、織ウエブ、不織ウエブ、フイルム被覆不織ウエブのような複合材料、及びESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社により、またEXXAIREの名称でテキサス州Bay CityにあるEXXON Chemical Co.により製造されるような多孔性フイルムなどがある。ポリマーブレンドを含む適切な通気性複合材料は、HYTRELブレンドP18−3097の名称でオハイオ州シンシナチにあるClopay Corporationから入手できる。そのような通気性複合材料は、E.I.DuPontの名前で1995年6月22日に公告されたPCT出願番号WO 95/16746、及びCurroの名前で1996年11月6日に出願された同時係属米国特許出願番号08/744,487に詳細に記載される。不織ウエブ及び開口形成フイルムを含む他の通気性バックシートは、1996年11月5日にDobrinなどに付与された米国特許第5,571,096号に記載される。これらの参考特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0012】
バックシート26、又はその一部分は、1つ以上の方向に弾性的に延伸自在にできる。一実施例においてバックシート26は、構造的に弾性状のフイルム(「SELF」)ウエブを含むことができる。構造的に弾性状のフイルムエブは、追加の弾性材料を使用することなく、伸び方向に弾性状挙動を示す延伸自在の材料である。SELFウエブは、少なくとも2つの連続し別個のかつ異なる区域を有する緊張自在の網目を含む。好ましくは区域の1つは、所定の軸へ平行な方向に加えられる軸方向の伸びに応答して抵抗力を生じてから、他の区域のかなりの部分が、その加えられた伸びに対してかなりの抵抗力を発生するように構成される。区域の少なくとも1つは、材料が非引っ張り状態にある間に、所定の軸に対してほぼ平行に測定した時に、他の区域のものよりも大きい表面通路長さを有する。この長い表面通路長さを示す区域は、他の区域の平面を越えて延びる1つ以上の変形部を含む。SELFウエブは、所定の軸に平行な方向に加えられる伸びを受ける時、少なくとも1つの所定の軸に沿う伸びに対して制御された抵抗力の少なくとも2つのかなり異なる段階を示す。SELFウエブは、ウエブの伸びが、長い表面通路長さを有する区域のかなりの部分を、加えられた伸びの平面に入りきるよう延びるまで、加えられた伸びに対して第1の抵抗力を生じ、その結果、SELFウエブは、さらなる伸びに対して第2の抵抗力を生じる。伸びに対する合計抵抗力は、第1の区域により提供された伸びに対する第1の抵抗力よりも大きい。本発明にとり適切なSELFウエブは、1996年5月21日にChappellなどに付与された「弾性状挙動を示すウエブ材料」という名称の米国特許第5,518,801号に一層詳細に記載され、ここに参照として組込まれる。他の実施例においてバックシート26は、弾性フイルム、フォーム、ストランド、もしくはこれら又は他の適切な材料と不織フイルム又は合成フイルムとの組合せ含むことができる。
【0013】
バックシート26は、技術上既知の装着手段により、トップシート24、吸収性コア28又はおむつ20の他の要素へ接合できる。例えば、装着手段としては、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン層、もしくは接着剤の個々の線、渦巻き又は点の列を含むことができる。1つの好ましい装着手段は、接着剤のフィラメントの開放パターン網目を含み、それは、1986年3月4日にMinetolaなどに付与された「使い捨て排泄物収容衣類」という名称の米国特許第4,573,986号に開示される。他の適切な装着手段としては、渦巻き状に渦を巻いた接着剤フィラメントの数本の線を含み、以下の特許に示される機器と方法により図示される。すなわち、1975年10月7日にSprague,Jr.に付与された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZieckerなどに付与された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にWereniczに付与された米国特許第4,842,666号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。妥当であると判明した接着剤は、ミネソタ州セントポールにあるH.B.Fuller Companyにより製造され、かつHL−1620及びHL−1358−XZPとして市販される。代わりに、装着手段は、加熱接着、圧力接着、超音波結合、動的機械的接着、もしくは技術上周知であるように他の適切な接着手段又はこれらの接着手段の組合せを含むことができる。
【0014】
トップシート24は好ましくは、吸収性コア28の本体表面47に隣接して位置決めされ、また技術上既知の装着手段により吸収性コア28へ、及び/又はバックシート26へ接合できる。適切な装着手段は、バックシート26をおむつ20の他の要素へ接合する手段に関して前述した通りである。本発明の1つの好ましい実施例においてトップシート24及びバックシート26は、幾つかの箇所において互いに直接接合され、またおむつ20の他の要素へそれらを直接接合することにより、他の箇所において共に間接的に接合される。
【0015】
トップシート24は好ましくは、着用者の皮膚に対して形状が合致し、柔らかな感触を与え、非刺激性のものである。更にトップシート24の少なくとも一部分は、液体透過性であり、その厚さを通して液体を容易に浸透できるものである。適切なトップシート24は、多孔性発泡体、網状発泡体、開口化プラスチックフイルム、もしくは天然繊維(例えば木材繊維又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)又は天然繊維と合成繊維の組合せの織ウエブ又は不織ウエブなどの広範囲の材料で製造できる。吸収性集成物が繊維を含むならば、その繊維は、スパンボンド布、カード布、ウエットレイド布、メルトブラウン布、ヒドロエンタングル布又は技術上既知の他の方法で処理した布でよい。ステープル長ポリプロピレン繊維のウエブを含む1つの適切なトップシート24は、P−8の名称でマサチューセッツ州WalpoleにあるVeratec,Inc.、a Division of International Paper Companyにより製造される。
【0016】
適切に形成されたフイルムトップシートは、以下の特許に記載される。すなわち、1975年12月30日にThompsonに付与された「先細の毛細管を有する吸収性構造物」という名称の米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneなどに付与された「耐汚染性トップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にRadelなどに付与された「繊維状特性を示す弾性プラスチックウエブ」という名称の米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にAhrなどに付与された「非光沢可視表面と布状触覚を示す巨視的に発泡された三次元プラスチックウエブ」という名称の米国特許第4,463,045号、及び1991年4月9日にBairdに付与された「多層ポリマーフイルム」という名称の米国特許第5,006,394号である。他の適切なトップシート30は、1986年9月2日及び1986年12月16日にそれぞれCurroなどに付与された米国特許第4,609,518号及び第4,629,643号に従って製造され、その両方の特許はここに参照として組込まれる。そのように形成されたフイルムは、「DRI−WEAVE」としてオハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから、及び「CLIFF−T」としてインディアナ州Terre HauteにあるTredegar Corporationから入手できる。
【0017】
好ましくはトップシート24は、着用者の皮膚を吸収性コア28に収容される液体から隔離するために、疎水性材料から製造されるか、又は疎水性であるように処理される。トップシート24が疎水性材料から製造されるならば、好ましくはトップシート24の少なくとも上面は、液体がトップシートを通して一層急速に移行するように親水性であるように処理される。これにより、身体排泄物がトップシート24を通して引き出され吸収性コア28により吸収されないで、むしろトップシートから外へ流出する可能性が減少する。トップシート24は、界面活性剤で処理することにより、又は界面活性剤をトップシート中に組込むことにより親水性にされることができる。界面活性剤でトップシート24を処理する適切な方法には、トップシート24の材料を界面活性剤で噴霧する方法、及びその材料を界面活性剤中に浸漬する方法がある。そのような処理と親水性の詳細な検討は、以下の特許に記載される。すなわち、1991年1月29日にReisingなどに付与された「多層吸収層を有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にReisingに付与された「急速に吸収する吸収性コアを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,988,345号である。トップシートに界面活性剤を組込む幾つかの適切な方法の詳細な検討は、Azizなどの名前で1997年7月1日に公告された米国法定発明登録番号H1670に見出すことができる。これらの参考特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。代わりに、トップシート24は、疎水性である開口化ウエブ又はフイルムを含むことができる。これは、生産工程から親水性処理段階を無くし、及び/又は後述するように、SCOTCHGUARDのようなポリテトラフルオロエチレン化合物又は疎水性ローション配合物のような疎水性処理剤をトップシート24へ適用して、達成できる。そのような実施例において、開口は、かなりの抵抗無しに水性の流体状尿を通過させるに足るように大きいことが好ましい。
【0018】
トップシート24の一部分に、技術上既知のローションを塗布できる。適切なローションの例としては、以下の特許に記載されるものがある。すなわち、1997年3月4日にRoeに付与された「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル不動化剤を含有するローション処理されたトップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,607,760号、1997年3月11日にRoeに付与された「液体ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と不動化剤から成るローショントップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,609,587号、1997年6月3日にRoe他に付与された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローション処理されたトップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,635,191号、及び1997年7月1日にRoe他に付与された「ローション処理されたトップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,643,588号である。ローションは、上述の疎水性化処理として、単独又は他の薬剤と組合せて機能できる。トップシートは、抗菌剤を含有するか、又はそれで処理でき、その幾つかの例が、Theresa Johsonの名前で1995年9月14日に公告された「臭い抑制のためにトップシート内に抗菌剤を含有する吸収性物品」という名称のPCT公開番号WO95/24173に開示される。更にトップシート24、バックシート26、もしくはトップシート又はバックシートの一部分を、一層布状外観を形成するために浮き出し加工及び/又は艶消仕上加工をすることができる。
【0019】
吸収性コア28は、着用者の皮膚に対して一般に圧縮性があり、形状合致で非刺激性であり、また尿及び一定の身体排泄物のような液体を吸収かつ保持できる吸収性材料を含むことができる。吸収性コア28は、広範囲のサイズと形状(例えば方形形状、中央が細い形状、T形形状、非対称形状など)に製造でき、またエアフェルトと一般に呼ばれる微粉砕された木材パルプのような、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通常使用される広範囲の液体吸収材を含むことができる。他の適切な吸収材の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding)、コーフォームを含むメルトブラウンポリマー、化学的に剛化あるいは改質又は架橋されたセルロース繊維、組織ラップと組織積層を含む組織、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、もしくは他の既知の吸収性材料又は材料の組合せとがある。
【0020】
吸収性コア28の形状と構造も変えることができる(例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造部材は、異なる厚さのゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又は低平均密度と低平均坪量の獲得帯(acquisition zones)を有することができるか、もしくは1つ以上の層又は構造部材を有することができる)。しかしながら吸収性コア28の合計吸収容量は、設計負荷とおむつ20の意図される用途に対応すべきである。
【0021】
吸収性集成物として使用される代表的な吸収性構造物が以下の特許に記載される。すなわち、1986年9月9日にWeismanなどに付与された「高密度吸収性構造物」という名称の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanなどに付与された「二重層コアを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,673,402号、1989年5月30日にAlemanyなどに付与された「低密度と低坪量の獲得帯(acquisition zones)を有する高密度吸収性部材」という名称の米国特許第4,834,735号、1989年12月19日にAngstadtに付与された「除塵層を有する吸収性コア」という名称の米国特許第4,888,231号、1992年8月11日にHerronらなどに付与された「単一化されたポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収構造」という名称の米国特許第5,137,537号、1992年9月15日にYoungらなどに付与された「失禁管理用の高効率吸収性物品」という名称の米国特許第5,147,345号、1994年8月30日にRoeに付与された「低粘性便状物質用の使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,342,338号、1993年11月9日にDesMaraisなどに付与された「水性身体排泄物用の吸収性発泡材料とそのような材料を含む吸収性物品」という名称の米国特許第5,260,345号、1995年2月7日にDyerなどに付与された「水性身体排泄物用の湿潤まで薄い吸収性発泡材料及びその材料を製造するプロセス」という名称の米国特許第5,387,207号、及び1997年7月22日にDesMaraisなどに付与された「非常に高い水対油比を有する高不連続相エマルジョンから製造された水性流体用の吸収性発泡材料」という名称の米国特許第5,625,222号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0022】
おむつ20は、改良された適合と収容に役立つ少なくとも1つの弾性ウエスト機能部材34も有することができる。弾性ウエスト機能部材34は、着用者のウエストに動的に適合するために、一般に弾性的に伸縮するようになっている。弾性ウエスト機能部材34は好ましくは、吸収性コア28の少なくとも1つのウエスト縁部62から少なくとも長手方向外側に延び、またおむつ20の端部縁部52の少なくとも一部分を一般に形成する。使い捨ておむつは、1つが第1のウエスト区域36に位置決めされ、1つが第2のウエスト区域38に位置決めされる2つの弾性ウエスト機能部材を有するように構成されることが多い。更に、弾性ウエスト機能部材34又はその要素は、おむつ20へ装着される1つ以上の別個の要素を含むことができるが、弾性ウエスト機能部材34は、バックシート26、トップシート24、又は両方のバックシート26とトップシート24のようなおむつ20の他の要素の伸張部として構成できる。
【0023】
弾性ウエスト機能部材34は、以下の特許に記載されるものを含む幾つかの異なる形状で構成できる。すなわち、1985年5月7日にKievitなどに付与された米国特許第4,515,595号、1987年12月1日にLashに付与された米国特許第4,710,189号、1992年9月9日にBuellに付与された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号である。他の適切なウエスト形状は、1991年6月25日にRobertsonに付与された米国特許第5,026,364号、及び1989年3月28日にForemanに付与された米国特許第4,816,025号に記載されるものようなウエストキャップを含むことができる。上述の引例の全ては、ここに参照として組込まれる。
【0024】
おむつ20は、締結システム40も含有できる。締結システム40は好ましくは、着用者上におむつ20を保持するために、おむつ20の周辺に横方向張力を形成するように、重なる形状に第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38を維持する。締結システム40は好ましくは、構造部材を締付けるテープタブ及び/又はフックとループを含むことができる。ただし他の既知の締結手段も一般に受入れできる。幾つかの代表的な締結システムが、以下の特許に開示される。すなわち、1974年11月19日にBuellに付与された「使い捨ておむつ用のテープ締結システム」という名称の米国特許第3,848,594号、1987年5月5日にHirotsuなどに付与された「吸収性物品」という名称の米国特許第B1−4,662,875号、1989年7月11日にScrippsに付与された「改良された締結装置を有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,846,815号、1990年1月16日にNestegardに付与された「改良されたフック締結装置部分を有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,894,060号、1990年8月7日にBattrellに付与された「粘着締結装置とそれを製造する方法」という名称の米国特許第4,946,527号、及び1992年9月9日にBuellに付与され、ここで先に引用された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号である。締結システムは、1990年10月16日にRobertsonなどに付与された米国特許第4,963,140号に開示される使い捨て形状の物品を保持する手段も設けることができる。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。別の実施例において、衣類の両側を接合又は溶接してパンツを形成できる。これにより、物品を、トレーニングパンツのようなプルオン式(引っ張ってはく)おむつとして使用できる。
【0025】
おむつ20は、サイドパネル30も含むことができる。サイドパネル30は、おむつ20が排泄物を受けた時に、着用者へ先ずおむつ20を従順に適合させ、ついで着用期間を通して適合を維持することにより、一層快適で輪郭適合を形成するように弾性又は延伸自在にできる。というのは、弾性化したサイドパネル30により、おむつ20の両側が広がり、かつ伸縮できるからである。使用中に、おむつ着用者が一方のサイドパネル30を他方のサイドパネル30よりも更に引っ張る場合でも、着用中、おむつ20が「自己調整」するので、サイドパネル30により、おむつ20の一層有効な使用ができる。
【0026】
本発明のおむつ20は好ましくは、第2のウエスト区域38に配設されるサイドパネル30を有するが、おむつ20には、第1のウエスト区域36又は両方の第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38に配設されるサイドパネル30を設けることができる。サイドパネル30は、適切な形状で構成できる。弾性化されたサイドパネル30を有するおむつの例は、以下の特許に開示される。すなわち、1989年8月15日にWoodなどに付与された「シャーリングを付けた耳パネルを有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,857,067号、1983年5月3日にSciaraffaなどに付与された米国特許第4,381,781号、1990年7月3日にVan Gompelなどに付与された米国特許第4,938,753号、1992年9月9日にBuellに付与された、ここで先に引用された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号、1997年9月23日にLaVonなどに付与された「動的適合を維持する吸収性物品」という名称の米国特許第5,669,897号、及びRoblesなどの名前で1993年11月19日に出願された「多方向延伸性のサイドパネルを有する吸収性物品」という名称の米国特許出願第08/155,048号があり、これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0027】
おむつ20は好ましくは、液体及び他の身体排泄物の収容方法を改良したレッグカフス32を更に含有する。レッグカフスは、脚部バンド、サイドフラップ、バリヤカフス又は弾性カフスとも呼ぶことができる。米国特許第3,860,003号には、サイドフラップを有する収縮自在の脚開口部と弾性化されたレッグカフス(ガスケットカフス)を形成する1つ以上の弾性部材を備える使い捨ておむつが開示される。1989年2月28日及び1990年3月20日それぞれにAzizなどに付与された米国特許第4,808,178号及び第4,909,803号には、脚部区域の収容方法を改良する「直立」する弾性化されたフラップ(ガスケットカフス)を有する使い捨ておむつが記載される。それぞれ1987年9月22日にLawsonに付与され、及び1989年1月3日にDragooに付与された米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号には、ガスケットカフスとガスケットカフスを含む二重カフスを有する使い捨ておむつが記載される。幾つかの実施例において、上述のようにローションでレッグカフスの全て又は一部分を処理するのが望ましいことがある。
【0028】
本発明の実施例は、排泄物を受容し収容するポケット、排泄物用の空隙を形成するスペーサ、物品内での排泄物の移動を制限するバリヤ、及びおむつ内に堆積される排泄物を受容し収容する隔室、または空隙など、又はそれらの組合せも備えることができる。吸収性物品に使用されるポケットとスペーサの例は、以下の特許に記載される。すなわち、1996年5月7日にRoeなどに付与された「排除スペーサを有するおむつ」という名称の米国特許第5,514,121号、1992年12月15日にDreierなどに付与された「コアスペーサを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,171,236号、1995年3月14日にDreierに付与された「ポケットカフスを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,397,318号、1996年7月30日にDreierに付与された「頂点を備えたポケットカフスを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,540,671号、及び1993年12月3日に公告された「吸収性衛生物品に使用されるスペーサ及びそのようなスペーサを有する使い捨て吸収性物品」という名称のPCT出願番号WO−93/25172、及び1994年4月26日にFreelandに付与された「使い捨て吸収性物品に使用される屈曲自在のスペーサ」という名称の米国特許第5,306,266号である。隔室又は空隙の例は、以下の特許に開示される。すなわち、1990年11月6日にKhanに付与された「便を区分する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,968,312号、1991年2月5日にFreelandに付与された「排泄物隔離用の弾性ライナーを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,990,147号、
1991年11月5日にHoltなどに付与された「使い捨ておむつ」という名称の米国特許第5,62,840号、及び1993年12月14日にFreelandなどに付与された「使い捨て吸収性物品に使用される3セクションのトップシート及びそのような3セクションのトップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,269,755号である。適切な横方向バリヤの例は、以下の特許に記載される。すなわち、1996年9月10日にDreier等の名前で付与された「複数の有効高さの横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称の米国特許
第5,554,142号、1994年7月7日にFreelandなどの名前で公告された「直立する横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称のPCT出願番号WO−94/14395、及び1997年8月5日にRoeなどに付与された「斜めに直立する横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,653,703号である。上述の引例の全ては、ここで参照として組込まれる。
【0029】
上述の空隙、ポケット及びバリヤに加えて、又はそれらの代わりに、本発明の実施例は好ましくは、流動性便のような粘性流体身体排泄物を効果的にかつ有効に受入れ、貯蔵及び/又は不動化できる排泄物管理要素120を備えることができる。排泄物管理要素120は、股区域又はウエスト区域一方を含む物品内の任意の区域に位置決めでき、またコア28やレッグカフスのような構造部材に接続できるか、又はその中に備えることができる。好ましい実施例において排泄物管理要素120は、着用した時に着用者の肛門に近い、物品中の区域内に位置決めできる。これにより、排出された排泄物が排泄物管理要素120上に、又はその近くに確実に堆積される。
【0030】
ここで使用される用語「粘性流体身体排泄物」すなわち「VFBW」とは、身体から排出される排泄物を一般に指し、その排泄物は、調整された応力レオメトリー計上の平行なプレートを使用して調整された応力レオメトリー計測定法試験において、1/秒のせん断速度(約35度Cにおける)において約10cPよりも大きく、かつ約2×105cP未満の粘性、特に1/秒のせん断速度で約103cPと105cPとの間の粘性を有する。(参考までに、水は、20度Cにおいて1.0cPであり、またJif Creamyピーナッツバター(オハイオ州シンシナティにあるThe Procter& Gamble Companyから入手できる)は、同一のせん断速度で25度Cにおいて約4×105cPである)。ここで使用される、粘性を測定する方法は、以下の試験方法の項で詳細に説明される。
【0031】
ここで使用される用語「受入れる」又は「受入」とは、構造部材上に堆積される物質による構造部材の浸透を指す。具体的には、受入という用語は、試験方法の項に述べられる圧力下での受入試験に規定される条件を受けた時の流体による構造部材の浸透を指す。浸透は、物質が上に堆積された構造部材の表面を通る物質の通過により定義される。不均一な構造部材の浸透は、物質が上に堆積された構造部材の表面を形成する平面を通る物質の通過と定義される。圧力下での受入、又は「受入」は、なされた単位仕事当たりで単位面積当たり構造部材の表面を浸透する物質の量として測定される。「仕事」とは、ある長さを通しての力の適用を指すエネルギー用語である。かくしてパワーを一層容易に受入れる構造部材すなわち要素は、構造部材により受入れられる粘性流体身体排泄物の単位質量当たり消費されるエネルギーを少なくて済む。VFBWによる構造部材の浸透を記述する別の性能パラメータは、「感応性」である。ここで使用される用語「感応性」とは、試験方法の項に述べられる圧力下での感応性試験に規定される条件を受けた時にパワーの単位当たり単位面積当たり流体による構造部材の浸透を指す。圧力下での感応性又は「感応性」は、パワーの単位当たり単位面積当たり構造部材の表面を浸透する物質の量として測定される。「パワー」とは、時間の関数としてなされた仕事の量を指す用語である(すなわち仕事がなされる速度)。
【0032】
好ましい実施例において本発明の吸収性物品は、エネルギー入力mJ(ミリジュール)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.5gよりも大きい圧力下での受入を有する排泄物管理要素120を備えるべきである。より好ましくは、排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.6g/in2/mJよりも大きい圧力下での受入を有する。更により好ましくは、排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.8g/in2/mJよりも大きい、また最も好ましくは約1.0g/in2/mJよりも大きい圧力下での受入を有する。一般に、少なくとも0.6g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間、及び約0.8g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間の圧力下での許容値が、受入れできることが判明している。
代わりに、排泄物管理要素120は、パワーのミリワット(mW)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約1.5グラム、より好ましくは約3.0g/in2/mWより大きい、更により好ましくは約5.0g/in2/mWより大きい、最も好ましくは約10.0g/in2/mWより大きい圧力下での感応性を有するべきである。一般に、圧力下での感応性は、約1.5と50.0g/in2/mWとの間にあり、また約5.0と約50.0g/in2/mWとの間にあってもよい。(これらの好ましい圧力下での受入と感応性のパラメータは、使用を意図する時に、好ましくは評価される単一物品に関する。すなわち使用を意図する物品が2つ以上の構造部材又は層を含むならば、物品の構造部材又は層の全ては、その性能の測定時に通常使用する時と同じように構成すべきである。圧力下での受入れ性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0033】
圧力下での受入性能が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に浸透させるために、更なる仕事が成されなければならない。(すなわちシステムへのより多くのエネルギー入力)。これは、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に押し入れるのに利用できるエネルギーが、限定され、かつ着用者から着用者へまた着用サイクルから着用サイクルへ変わるので、重要である。圧力下での感応性が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に浸透させるために、より多くのパワーが必要である(すなわち一定量のエネルギー入力が、より長期間にわたり必要である)。これは、実際の使用条件における多くのエネルギー源が、短期間のものであるので(例えば着用者の動き)、重要である。更に粘性流体身体排泄物の特性は、様々な着用者の間でかなり変わる。したがって、単位仕事又は単位パワー当たりの高い粘性流体身体排泄物浸透を有する構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の絶対量は、低い許容値を有する構造部材を浸透する量よりも大きいであろう。高い許容値又は感応性値も、受入れた粘性流体身体排泄物排出の一部分だけを貯蔵及び不動化できるので、吸収性物品の全体性能にとって重要である。
【0034】
一旦、粘性流体身体排泄物が排泄物管理要素120を浸透すると、着用の残りのサイクル中に着用者から離れて、及び交換処置中に介護者から離して排泄物を貯蔵又は保持するのが望ましい。ここで使用される用語「貯蔵」とは、おむつに堆積した物質が着用者の皮膚へ直接に接触又は接近しないように、おむつに堆積した物質を物品の身体に面する表面からの物理的な分離を指す。圧力下での貯蔵又は「貯蔵」は、以下の試験方法の項で説明されるように、単位面積当たり構造部材上に保持される物質量として測定される。圧力下での貯蔵容量が低過ぎるならば、構造部材の単位面積当たりの皮膚のアクセスから離れて貯蔵できる粘性流体身体排泄物の絶対量は減少するであろう。貯蔵された粘性流体身体排泄物が、漏れと物品内の移染によって構造部材の身体に面する表面に対して存在する可能性は殆どなく、漏れの確率と粘性流体身体排泄物により汚染される皮膚の領域を減少するためには妥当な貯蔵容量が不可欠である。
【0035】
本発明の好ましい実施例において吸収性物品は、粘性流体身体排泄物の排泄物管理要素120の平方インチ当たり約0.70グラム(g/in2)よりも大きい圧力下での貯蔵値を有する排泄物管理要素120を備えるべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.80g/in2よりも大きい圧力下での貯蔵値を有すべきである。更により好ましくは排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約1.0g/in2よりも大きい、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約1.2g/in2よりも大きい圧力下での貯蔵値を有すべきである。一般に、圧力下での貯蔵値は、少なくとも約0.8g/in2と約10.0g/in2との間、及び約1.0g/in2と約10.0g/in2との間が受入できることが判明している。(これらの好ましい圧力下での貯蔵パラメータは、使用を意図するときに、好ましくは評価される単一物品に関する。したがって、物品の構造部材又は層の全ては、その性能が測定されるときに通常の使用中であるように構成すべきである。圧力下での貯蔵性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0036】
圧力下での貯蔵値のパラメータは、一定の適用圧力の下で単位面積当たり構造部材内に吸収できる粘性流体身体排泄物の量の絶対的尺度である点で、圧力下での受入又は感応性のパラメータと異なる。一方、受入又は感応性は、物質を構造部材へ強制的に浸透させるために、それぞれ消費されるエネルギー又は入力されるパワーにより常態にされる吸収物質の量の尺度である。それらの数値のそれぞれは、それ自体による値のものであるが、一定の構造部材の全体性能の一層正確な状況を示すパラメータの組合せである。例えば構造部材の貯蔵容量は、その容量を「満たす」に必要なエネルギーが、一定の使用状態で利用できるエネルギーよりも大きいならば、十分に利用できない。反対に、構造部材の許容値は高いが(すなわち浸透に必要なエネルギーが低い)、貯蔵容量は非常に低いので、構造部材の全体効率を減少する。したがって、妥当な粘性流体身体排泄物容量を有し、かつ利用できる容量を満たすために最小のエネルギー入力(仕事)又はパワーを必要とする構造部材を提供することが重要である。図11は、以下の例で説明される幾つかの構造部材の圧力下での許容値と貯蔵値との間の関係を示すグラフ図である。
【0037】
吸収性物品により受入れられるか、又はそれを浸透する粘性流体身体排泄物は、好ましくは、着用者から離れておむつ内に保持される。身体排泄物、特に粘性流体身体排泄物を保持する1つの好ましい方法は、排泄物を着用者から離れた箇所に不動化することである。ここに使用される用語「不動化」とは、貯蔵された粘性流体身体排泄物を、加えられた圧力及び/又は重力の影響の下で、保持する材料又は構造部材の能力を指す。圧縮変転下での不動化、すなわち「不動化」は、排泄物の粘性を増加することにより(例えば脱水により)、機械的捕捉(すなわち、粘性流体身体排泄物の材料又は構造部材の内部区域との接触の表面積の増加により駆動される表面エネルギー現象)により、又は技術上既知の他の手段により、達成できる。以下の試験方法の項において更に説明されるように「圧縮変転下での不動化」は、後述のように、構造部材が反転圧力サイクルを受けた後に構造部材内に残る粘性流体身体排泄物又は類似物のパーセントに換算して測定される。「圧縮変転下での保持」、すなわち「保持」は、十分な応力使用条件下で、どれだけ多くの粘性流体身体排泄物が「貯蔵」されたままであるかの絶対的尺度である。
【0038】
好ましくは排泄物管理要素120は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約7.5gよりも大きい圧縮変転下での保持値を有すべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、下記圧縮変転試験を施した後の粘性流体身体排泄物の約8.0gよりも大きい、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約8.5gよりも大きい圧力下での保持値を有すべきである。一般に、圧力下での保持値は、少なくとも約7.5gと約100.0gとの間、及び約8.0gと約100.0gとの間が受入できることが判明している。同一の条件下で排泄物管理要素120は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも70%の圧縮変転下での不動化値を有すべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約80%、また最も好ましくは少なくとも約85%の圧縮変転下での不動化値を有すべきである。一般に、圧縮変転下での不動化値は、少なくとも約70%と約100%との間,及び約80%と100%との間が受入できることが判明している。(これらの好ましい圧縮変転下での不動化及び保持パラメータは、使用を意図するときに、好ましくは評価される単一物品に関する。したがって、物品の構造部材又は層の全ては、その性能が測定されるときに通常の使用中であるように構成すべきである。圧縮変転下での不動化と保持性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0039】
適切な不動化と保持の性能無くしては、改良された受入と貯蔵の性能の効果が減少することがある。というのは、粘性流体身体排泄物が構造部材の身体に面する表面へ戻り、漏れ又は着用者の皮膚への汚染の可能性が増加することがあるからである。更に、構造部材が先ず排泄物を受入れ、ついで貯蔵するならば、不動化は最も効果的である。着用者の皮膚から離れて貯蔵される前に不動化される粘性流体身体排泄物は、皮膚と接触するトップシート上に残ることがある。皮膚と接触する不動化粘性流体身体排泄物は、交換/清浄化の処置中に介護者に必要とされる労力を増加し、かつ残留する微小な汚れを増加する恐れがある。「微小な汚れ」とは、皮膚上に残るが、人間の裸眼により目視できるのが容易でない排泄物残留物を指す。したがって、図9と10のグラフに示されるように、粘性流体身体排泄物を有効に管理するために、一定の構造部材の有用性を判断するとき、その構造部材についての少なくとも3つのパラメータ(受入、貯蔵及び不動化、又は受入、貯蔵及び保持)の検討が役立つことがある。
【0040】
粘性流体身体排泄物を受入、貯蔵及び不動化する構造部材が好ましいが、本発明の一定の実施例において排泄物管理要素120は、受入れ要素、貯蔵要素又は不動化要素だけを含むか、又は3番目の要素を除く、それら2つの要素の組合せを備えることができる。また一定の実施例において1つの要素が、2つ以上の機能を実施できる(例えば貯蔵要素は、貯蔵と不動化の機能を実施できる)。例えば本発明の吸収性物品は、別個の不動化要素自体無しで粘性流体身体排泄物を管理するために、受入要素と貯蔵要素を備えることができる。したがって、適切な個別の受入、貯蔵及び不動化の要素を識別できること、及び単一の吸収性物品から離れたそれらの要素の有効性を判断することが望ましい。以下の検討は、互いに独立して、又は組合せて使用できる全てではないが幾つかの適切な受入、貯蔵及び不動化の要素、及びそれらの相対的な有効性を判断する好ましい方法を明確にするものである。
【0041】
受入要素
本発明の好ましい実施例において排泄物管理要素120は、受入手段すなわち受入要素150を備える。受入要素150は、おむつ20内に堆積される身体排泄物を受入れるのを意図し、特に粘性流体身体排泄物を受入れるのを意図する、おむつ20の部分である。受入要素150は好ましくは、粘性流体身体排泄物の約0.70g/in2/mJよりも大きい、又は同等の類似値の圧力下での許容値を有すべきである。より好ましくは、受入要素150は、粘性流体身体排泄物の約0.8g/in2/mJよりも大きい、また最も好ましくは約1.0g/in2/mJよりも大きい圧力下での許容値を有すべきである。一般に、少なくとも0.6g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間、及び約0.8g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間の圧力下での許容値が、受入れできることが判明している。代わりに、排泄物管理要素120は、パワーのミリワット(mW)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約1.5グラム、より好ましくは約3.0g/in2/mWより大きい、更により好ましくは約5.0g/in2/mWより大きい、最も好ましくは約10.0g/in2/mWより大きい圧力下での感応性を有するべきである。一般に、圧力下での感応性は、約1.5と50.0g/in2/mWとの間にあり、また約5.0と約50.0g/in2/mWとの間にある。受入又は感応性の性能が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を受入要素150に浸透させるために、それぞれ、より多くの仕事が成されなければならない、又はより多くのパワーを加えなければならない(すなわちシステムへのより多くのエネルギー入力)。上述のように、高い許容値又は感応性値は、受入れされない排泄物が着用者の皮膚と接触したままであるので、吸収性物品の全体性能にとって重要である。受入れられる粘性流体身体排泄物の一部分だけを、本発明により意図されるように、着用者の皮膚から離れて貯蔵及び不動化できる。
【0042】
受入要素150は、上述のように、身体排泄物を受入れできる任意の材料又は構造でよい。受入要素150は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に受入要素150は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。更に受入要素150の1つ又は全ては、必要に応じて別個に処分するために吸収性物品から取外しできる。
【0043】
受入要素150は好ましくは、コア28の身体表面47に隣接しておむつ20の股区域37内に少なくとも部分的に配設される。しかしながら一部の別の実施例において、受入要素150は、レッグカフス、ウエストバンド、又は便性排泄物収容ポケットなどの少なくとも一部分を備えることができるし、又はそのような機能部材と機能的に関連できる。好ましくは、使用中に着用者の肛門近くにあるおむつ20の区域に位置する受入要素150の少なくとも一部分は、トップシート24のような構造部材の重ね層により閉塞されない。かくして、着用者の肛門近く位置するようになっている物品の区域内のトップシート24の一部を切り欠き、及びその区域の身体側ライナーとして受入要素150を設けることが望ましい。代わりに、1つ又は全てのトップシート24を、受入れ要素150として機能するように製造又は処理してもよい。図1に示されるように一実施例において、受入要素150は、トップシート24の少なくとも一部分を備える。他の実施例において受入要素150は、吸収性コア28又は貯蔵要素(以下に述べる)のようなおむつの他の要素の少なくとも一部分を備えることができる。
【0044】
幾つかの実施例において、おむつ20に、おむつの種々の部分における異なる受入又は感応性の性能を付与するのが望ましいことがある。これは、おむつ20の種々の区域に異なる受入要素を設けることにより、又は種々の受入れ特性の区域を有するように製造又は処理されている単一の受入要素150を設けることにより達成できる。更に受入要素150は、排泄された粘性流体身体排泄物を一層良く管理できるように、物品の身体に面する表面の平面の上方へ突出させることができる。幾つかの実施例において、粘性流体身体排泄物に近接して(例えば肛門周辺区域)、着用者の皮膚と接触する受入要素150を有することも望ましいことがある。
【0045】
受入要素150として使用される適切な材料及び構造部材は、開口化不織ウエブ、開口化フイルム、開口形成フイルム、スクリム織物、織ウエブ、スクリム織物、網状織物、マクロポーラス薄発泡材などを含むことができる。
【0046】
受入要素150は、網状織物を含むことができる。網状織物は織物でもよい。
網状織物はナイロンでもよい。好ましい構造部材は織ナイロン網状織物である。
網状織物は、約25gsmから少なくとも約30gsmまでの坪量を有することができる。適切な網状織物は、約50%から約70%までの有効開口面積を有することができ、また約4.0mm2から約6.0mm2までの主開口サイズも有することができる。(有効開口面積と主開口サイズは、ここに参照として組込まれる米国特許第5,342,338号に記載されるように測定される。)1つの特に好ましい材料は、約27.3g/m2の坪量、約60%の有効開口面積、及び約5.0mm2の主開口サイズを有する織ナイロン網状織物である。1つのそのような材料は、バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.のToy Tub Bagとして入手できる。更に受入要素150又はその一部分は、その要素の性能又は他の特性を付加、強化又は変更するために、ローション又は他の既知の物質を塗布できる。例えば受入要素150は、親水性、疎水性にできるか、又はそのいずれかに処理できる。
【0047】
表1は、幾つかの材料の圧力下での受入と感応性の性能を示す。表1に示される個別の受入要素についての圧力下での受入と感応性のデータは、以下で試験される単一のサンプルについての圧力下での受入と感応性のデータと同一の方法で得られる。ただし、表1について試験されたサンプルは、受入要素150だけを含む。更に受入要素150は、受入要素150が取られた吸収性物品の、真下の構造部材ではなく、標準貯蔵要素147と連携して試験される。(標準貯蔵要素147は、図4に示されるように153個の規則的に離間する4.3mm径の孔168のパターンを有する4インチ平方で1.6ミリメートル厚さのアルミニウムプレートを備える。これらの孔は、平方インチ当たり約26個の孔があるように配列される。)
【0048】
【表1】
【0049】
適切な受入と感応性の性能を得る際の1つのパラメータは、受入要素150の合計有効開口面積に関連することが判明している。適切な合計有効開口面積の測定値を達成するために、受入要素150は開口を備えることができる。受入要素150が開口を備えるならば、それらの開口は好ましくは、少なくとも0.2平方ミリメートル、より好ましくは少なくとも0.5平方ミリメートル、より一層好ましくは少なくとも1.0平方ミリメートル、及び最も好ましくは少なくとも2.0平方ミリメートルの有効開口サイズを有する。一般に好ましい有効開口サイズは、約0.2平方ミリメートルと約50平方ミリメートルとの間にあり、またより好ましくは、約1.0平方ミリメートルと約25平方ミリメートルとの間にある。
【0050】
有効開口サイズとパーセント開口面積は、ここに参照として組込まれる、1994年8月30日にRoeに付与された「低粘性便状物質用の使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,342,338号の第10欄第44行乃至第12欄第43行に記載される手順により求めることができる。
【0051】
貯蔵要素
本発明の排泄物管理要素120は好ましくは、受入要素150により、又は、もしあれば、他の上にある層により受入れられる粘性流体身体排泄物を貯蔵できる貯蔵手段、すなわち貯蔵要素152を備える。好ましい実施例において貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約0.70g/in2の圧力下での貯蔵値を有すべきである。より好ましくは貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約0.80g/in2よりも大きいものを貯蔵できるべきである。更により好ましくは貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約1.0g/in2よりも大きいもの、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約1.2g/in2よりも大きいものを貯蔵できるべきである。一般に、圧力下での貯蔵値は、少なくとも約0.8g/in2と約10.0g/in2との間、及び約1.0g/in2と約10.0g/in2との間が受入できることが判明している。
【0052】
貯蔵要素152は、おむつ20内の任意の箇所に位置決めすることができる。
しかしながら、貯蔵要素152は、受入要素150により受入れられた粘性流体身体排泄物が貯蔵要素152に入ることができるように、受入要素150及び/又は、もしあれば、トップシート24と機能的に関連することが好ましい。(おむつ20が、トップシート24又は受入要素150を有しない実施例が意図される。そのような場合、身体排泄物は、上ににある構造部材を通過することなく、貯蔵要素152へ直接入ることがある。)いずれの場合も、おむつ20を着用したときに着用者の肛門近くにあるおむつ20の区域に貯蔵要素152を位置決めすることが好ましい。したがって、貯蔵要素152の少なくとも一部分を吸収性物品の股区域37に配設することが好ましい。しかしながら幾つかの他の実施例において貯蔵要素152は、ウエスト区域、レッグカフス、ウエストバンド、又は便状排泄物収容ポケットなどの少なくとも一部分を備えることができるか、もしくはそのような機能部材と機能的に関連できる。更に貯蔵要素152は、排泄された粘性流体身体排泄物を一層良く管理できるように、物品の身体に面する表面の平面の上方へ突出させることができる。幾つかの実施例において、粘性流体身体排泄物に近接して(例えば肛門周辺区域)、着用者の皮膚と接触する貯蔵要素152を有することも望ましいことがある。
【0053】
貯蔵要素152の圧力下での貯蔵性能を、おむつ20全体にわたり均一又は変えることができる。そのような変法は、おむつ20に複数の貯蔵要素152を採用することにより、又は単一の貯蔵要素152に種々の圧力下での貯蔵容量の区域を設けることにより達成できる。更に1つ又は全ての貯蔵要素152を、必要に応じて、別個に処分するために吸収性物品から取外すことができる。
【0054】
貯蔵要素152は、上述のように身体排泄物を貯蔵できる任意の材料又は構造部材でよい。かくして、貯蔵要素152は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に貯蔵要素152は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。図5に示される一実施例において、貯蔵要素152は、コア28から分離される構造部材を備える。しかしながら、貯蔵要素152がコア28の少なくとも一部分を備える実施例が意図される。
【0055】
貯蔵要素152として使用される適切な材料として、大形連続気泡型発泡材、マクロポーラス耐圧縮性不織嵩高、連続と独立気泡型発泡材の大形粒状物成形物(マクロ及び/又はマイクロポーラス)、嵩高不織材、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡材又は粒状物、多数の垂直に配向されるループ状の繊維のストランドを有する構造部材、締結ループ状の材料、打ち抜き孔又は窪みを有する上述の吸収性コア構造部材、及びこれらの材料の組合せなどを含めることができる。(ここで使用される用語「マイクロポーラス」とは、毛細管作用により流体の移送ができる材料を指す。用語「マクロポーラス」とは、一般に径が約0.5mmよりも大きい細孔を有する、特に径が約1.0mmよりも大きい細孔を有する、細孔が大き過ぎて流体の毛細管移送をできない材料を指す。)
貯蔵要素152又はその一部分は、その要素の性能又は他の特性を付加、強化又は変更するために、ローション又は他の既知の物質を塗布できる。
【0056】
貯蔵要素152の一実施例は、複数の隣接する弓状部分を有する三次元ウエブ126に成形された締結ループ状の材料118を含む。
【0057】
三次元ウエブ126の弓状部分は好ましくは、嵩高開口構造部材を形成するピークと谷を有する一般に平行な隆起部として形成される。三次元ウエブの相対的配向に応じて、「ピーク」が「谷」に一致し、また反対になることが理解される。用語「隆起部」及び「ピーク」と「谷」とは、純粋に説明用のものであり、それらの弓状部分が隣接する弓状部分に関連するときに、それらの弓状部分を指す。ピークと谷は、最大振幅の区域であり、また一般に弓状部分の水平接線におけるものである。
【0058】
接着自在箇所128は、貯蔵要素152の要素を三次元ウエブ126へ装着できるように、その要素と接触できるピークと谷に対応する。要素が実際に装着される、それらの箇所は、固定部127と呼ばれる。
【0059】
裏材が使用されるとき、ピークは裏材から離され、また谷は裏材近くに置かれる。三次元ウエブ126も下端外側面と上端外側面を有する。裏材が使用されるとき、下端外側面は裏材に隣接し、また上端外側面は裏材から離される。
【0060】
貯蔵要素152のこの実施例の任意選択的な要素は、裏材121である。図15に示される実施例における裏材121は、固定部127において三次元ウエブ126へ接着され、かつ三次元ウエブと吸収性コア28との間に機能的に配設される。
【0061】
固定部127は、三次元ウエブ126を裏材121、吸収性コア28又は他のおむつ要素へ装着するのに使用される接着自在箇所128である。
【0062】
締結ループ状の材料118は、約1.5ミリメートルの未圧縮厚さを有することができる。1つの適切な締結ループ状の材料118は、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL又はXPGとして入手できる。他の適切な締結ループ状の材料118は、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL−7124として入手できる。他の実施例は、平方メートル当たり約110グラムの坪量と約7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有する6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料を備え、その材料は、ジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる。
【0063】
ループ状の材料118は、約1mm乃至約8mmよりも大きい全体ウエブ厚さを有することができる。ループ状の材料118は、三次元ウエブ126に成形できる多数の繊維を更に含むことができる。ここで使用される「ウエブ」は、接着又は未接着の繊維を含むことができる。弓状部分は、三次元ウエブに成形されたとき、図15に示されるように規則的な平行の間隔を有することができる。弓状部分の状態の他の実施例は、図20と21に示されるが、他の変形も意図される。
【0064】
貯蔵要素29内のウエブ126として使用される適切なループ状の材料118は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、及びそれらの組合せなどを含むことができるが、それらに限定されない。これらのループ状の材料118は、スパンボンド布、メルトブラウン布、カード布など含むが、それらに限定されない不織材料を成形する技術上既知の多くの方法で製造できる。
【0065】
三次元ウエブ126は、疎水性又は親水性であるように、又は減摩性を有するように処理される材料を備えることができる。好ましい実施例において三次元ウエブ126は、疎水性に処理される。
【0066】
三次元ウエブ126における繊維は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、また弓状部分130における交差点において共に接着してもよいし、しなくてもよい。三次元ウエブ126における繊維は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、三次元ウエブ126における繊維の大部分(すなわち80又は90パーセント以上)が、接着自在箇所128に対して約90度の角度の方向に延びる。代わりに三次元ウエブ126における個別繊維の大部分は、離間した一般に平行な接着自在箇所128に対して一般に平行な方向に延びることができる。
【0067】
図15は、参照数字29により一般に示される、本発明に従う貯蔵要素152の1つの好ましい実施例を図示する。
【0068】
一般に、その図に示される貯蔵要素29は、前部と後部の主要表面123と124をそれぞれ有する熱可塑性フイルム裏材層122(例えば、ポリプロピレンの)を好ましくは含む裏材121を有するループ状の材料118のシート又はウエブである。ループ状の材料118は、三次元ウエブ126内に多数の長手方向に配向される繊維を有する。
【0069】
三次元ウエブ126は好ましくは、裏材121の親水性よりも少ない親水性を有する。好ましい実施例において三次元ウエブそれ自体は、親水性勾配を有し、そこにおいて弓状部分130が、接着自在箇所128の親水性よりも少ない親水性を有する。この構成においても、三次元ウエブ126の接着自在箇所128は、材料121の親水性よりも少ない親水性を有することが好ましい。
【0070】
三次元ウエブ126は、前部表面123に沿う一方向に連続にできる接着自在箇所128に沿って一般に平行である離間した間隔で、裏材121内に埋込まれることにより、接着される接着部分127を有することができる。
【0071】
また三次元ウエブ126は、機械的締結、縫合、接着、面ファスナー、押出しストランド、押出し、加熱接着、樹脂接着、接着剤貼合せ、超音波結合、及びそれらの組合せ、又は技術上既知の他の手段により、裏材121へ接着できる。
【0072】
接着自在箇所128は、一方向に連続、間歇、ランダム、ひだつき、又は種々の組合せであるように配列できる。
【0073】
三次元ウエブ126の弓状部分130は、約0.5ミリメートルよりも大きい一般に均一の平均高さ(谷からピークへの)を有することができ、また約2.5ミリメートルよりも大きくできる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートルから約6ミリメートルまでにできる。平均高さは、谷の上端外側面からピークの下端外側面まで弓状部分の一般に水平接線に対して一般に直交して測定される。
【0074】
形成された三次元ウエブ126の高さは、接着自在箇所128間の間隔の少なくとも3分の1にでき、また2分の1から1.5倍にできる。三次元ウエブ126における個別の繊維は好ましくは、約50デニール未満であり、好ましくは約1乃至10デニールの範囲であり、また更に好ましくは約9デニールである。
【0075】
裏材121を有しない三次元ウエブ126は、第1の表面123に沿って測定したときに、平方メートル当たり約5乃至約300グラムの範囲の、好ましくは平方メートル当たり約15乃至約100グラムの範囲の、また更に好ましくは平方メートル当たり約30グラムの坪量を有することができる。これにより、便状物質を弓状部分130中に容易に浸透させるに足る、弓状部分130に沿う三次元ウエブ126における繊維間の開口面積(すなわち約10乃至90パーセントの開口面積)が提供される。
【0076】
適切な裏材121の構造物は、個別の繊維、スクリム織物、編繊維、織材料、不織材料、連続ポリマーフイルム、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルムなどの通気性材料を含むが、それに限定されないし、またその通気性材料は、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ、及び他の開口繊維などを含むがそれに限定されない。不織ウエブが使用されるならば、適切な材料は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、及びそれらの繊維の組合せなどを含むことができるが、それらに限定されない。
【0077】
裏材121に使用されるフイルムは、ポリプロピレン、ポリエステル又はポリアミドなどのポリマー材料の単一層でよいし、もしくはポリエステルのような比較的高強度の中心層、エチレンビニルアセテート又はポリエチレンのような裏材121の層へ容易に接着される材料から成る、前部主要表面123を形成する層、及びポリエチレンのような支持体へ裏材を接着させるようになっている後部主要表面124を形成する層、又は常温非粘着性熱可塑性材料の接着層、などの複数の層を有することができる。
【0078】
裏材121は好ましくは、ポリプロピレンの比較的薄いフイルム層である。また裏材は好ましくは、約0.00125乃至0.025センチメートルの範囲の厚さを有する。裏材121は、疎水性、親水性及び減摩性などであるように処理できる。また裏材は、150gsmまでの坪量を有することができる。
【0079】
好ましくは貯蔵要素29は、便状物質を容易に浸透させるために、貯蔵要素29の開口性を保存するようにトップシート24へ最小に固定される。より好ましくは貯蔵要素29は、トップシート24へ全く固定されないので、貯蔵要素29の開口性を保存するのに更に役立ち、またトップシート24を貯蔵要素29から分離させて使い捨て吸収性物品内に追加の空隙空間を生成させる。しかしながら、貯蔵要素29を、自由に移動するのを防止するためにおむつ20内に固定すべきであることが分る。この目的のために、貯蔵要素29を、真下の吸収性コア28へ直接固定することが好ましい。図1と6Aは、吸収性物品に機能的に配設される吸収性コア28の一実施例の2つの図を明示する。図16に示される貯蔵要素29の一実施例は、吸収性コア28へ固定される裏材121の後部主要表面124を有することができる。代わりに貯蔵要素29は、接着自在箇所128において吸収性コア28へ機能的に直接配設される、裏材無しのループ状の材料118を備えることができる。
【0080】
貯蔵要素29は、技術上既知の装着手段により吸収性コア28へ接合できる。
例えば、その装着手段は、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化した層、もしくは接着剤の個別の線、渦巻き又はスポットの配列を含むことができる。
【0081】
貯蔵要素29は、接着剤、面ファスナー、摩擦、又は技術上既知の他の締結手段により排泄物管理要素120へ装着できる。図1と6Aは、貯蔵要素29無しに吸収性物品に機能的に配設される排泄物管理要素120の一実施例の2つの図を明示する。貯蔵要素29は、排泄物管理要素120に取り代わって使用されるか、又は排泄物管理要素120の単一部分として組込まれることができる。
【0082】
裏材121又は三次元ウエブ126と吸収性コア28との間の貯蔵要素29の接着パターンは、六角ライン、直交ライン、縦方向ライン、菱形交差ライン、ランダムライン、パターン無しの開口構成ライン、及び技術上既知の他のラインでよい。
【0083】
1つの好ましい装着手段は、1986年3月4日にMinetolaなどに付与された「使い捨て排泄物収容衣類」という名称の米国特許第4,573,986号に開示される接着剤のフィラメントの開口パターン網目を含む。他の適切な装着手段は、渦巻きパターンに巻かれる接着剤フィラメントの幾つかの線を備え、以下の特許に示される機器と方法により図示される。すなわち、1975年10月7日にSprague,Jrに付与された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZieckerなどに付与された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にWereniczに付与された米国特許第4,842,666号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。妥当であることが判明している接着剤は、ミネソタ州セントポールにあるH.B.Fuller Companyにより製造され、またHL−1258として市販されている。代わりに装着手段は、加熱接着、圧力接着、超音波結合、動的機械的接着、摩擦、縫合、接着剤、面ファスナー、もしくは技術上既知であるように他の適切な接着手段又はこれらの接着手段の組合せを含むことができる。特に好ましい接着手段は、三次元ウエブ126の親水性よりも大きい親水性、より好ましくは裏材121の親水性よりも大きい親水性を有する接着剤である。
【0084】
貯蔵要素29は、おむつ20の第2のウエスト区域38内に位置決めできる。
貯蔵要素29を少なくとも第2のウエスト区域38内に位置決めすることにより、貯蔵要素29は、おむつ20上に堆積される便状物質の管理において最も有効である箇所の着用者の肛門と整合できる。しかしながら貯蔵要素29は、股区域37中に延びることができる。また貯蔵要素29は、おむつ20の第1のウエスト区域36中に延びることができる。幾つかの実施例において、貯蔵要素29を、おむつ20の全体長手方向寸法に沿って延ばさせるのが望ましいことがある。
貯蔵要素29を少なくとも第2のウエスト区域38内に位置決めすることに加えて、第2のウエスト区域38内に位置決めされたトップシート24の部分が、低粘性の便状物質を取扱うに足る開口面積を有することも望ましい。図5は、上述の実施例において位置決めされた貯蔵要素152の一実施例を示す。
【0085】
低粘性の便状物質を取扱う際に最も有効であるように、貯蔵要素29は、嵩高にされた開口構造部材を有することができる。この構造部材の1つの重要な特徴は、裏材121の平面からの三次元ウエブ126の弓状部分130の高さ、及び弓状部分130により分離される接着自在箇所128間の間隔である。上述のように、三次元ウエブ126の弓状部分130は、約0.5ミリメートルよりも大きい、より好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい一般に均一の平均高さを有することができる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートルから約6ミリメートルまでにできる。より大きい高さ、例えば5.0センチメートルの高さは、低粘性便状物質の取扱に優れるであろうが、そのような高さにより、着用者に不快感を生じる、おむつ内に好ましくない容積部分を生成することがある。
【0086】
固定部127は、三次元ウエブ126を裏材121、吸収性コア28又は他のおむつ要素へ装着するのに使用される接着自在箇所128の部分である。固定部127は、好ましくは約0.2ミリメートルから約20ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものであり、より好ましくは固定部127は、約0.4ミリメートルから約10ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものであり、また最も好ましくは固定部127は、約0.8ミリメートルから約5ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものである。
【0087】
未アンカー接着自在箇所128は好ましくは、約0.2ミリメートルから約20ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものである。
【0088】
より好ましくは固定部127は、約0.4ミリメートルから約10ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものであり、また最も好ましくは固定部127は、約0.8ミリメートルから約5ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものである。
【0089】
図16は、一般に参照数字140により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第2の実施例を図示し、その貯蔵要素140は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし三次元ウエブ126の裏材145は、裏材121と第2の裏材147を備える。
第2の裏材147は、後部主要表面と前部主要表面を有する。第2の裏材147の前部主要表面は、三次元ウエブ126の反対側にある裏材121の後部主要表面124へ接着される。
【0090】
三次元ウエブ126の裏材145の第2の裏材147は、ポリマーフイルムでもよい。第2の裏材147として使用される他の適切な構造部材は、スクリム織物、編繊維、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルムなどの通気性材料を含むが、それに限定されないし、またその通気性材料は、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ、及び他の開口繊維などを含むがそれに限定されない。
【0091】
第2の裏材147は好ましくは、約0.00125乃至0.025センチメートルの範囲の厚さを有する比較的薄いフイルム層である。
【0092】
第2の裏材147は、疎水性、及び減摩性などであるように処理される材料を備えることができる。より好ましくは第2の裏材147は、疎水性であるように処理できるであろう。また裏材は、少なくとも150gsmの坪量を有することができる。
【0093】
図17は、一般に参照数字550により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第3の実施例を図示し、そこにおいて貯蔵要素550は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし締結ループ状の材料118の裏材155は、複数の繊維157を有する。裏材155の繊維157は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、共に接着してもよいし、しなくてもよいし、また繊維157は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、裏材155の繊維の大部分(すなわち80又は90パーセント以上)が、接着自在箇所128に対して約90度の角度の方向に延び、又は裏材155における個別の繊維157の全ては、離間した一般に平行な接着自在箇所128に対して一般に平行な方向に延びることができる。好ましくは個別の繊維157は、共に接着されないし、また約0.01mmから約10.0mmまでの間隔だけ互いに離間される。繊維157は好ましくは、約0乃至50の範囲内のデニールを有する。
【0094】
図18は、一般に参照数字160により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第4の実施例を図示し、その貯蔵要素160は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし貯蔵要素160は、第2の三次元ウエブ162を備え、そこにおいて第2の三次元ウエブ162は、三次元ウエブ126の反対側にある裏材層122の後部主要表面124上に接着される。ループ状材料118の第2の三次元ウエブ162は、一般に非変形固定部177を有する三次元ウエブ126における多数の長手方向に配向される繊維を含む。
【0095】
一実施例において固定部177は、後部主要表面124に沿う一方向に連続である離間した細長い一般に平行な接着自在箇所178であり、三次元ウエブ162の弓状部分180が、連続した列で接着自在箇所178間で裏材層122の後部主要表面124から突出し、また三次元ウエブ162を横断して横方向に延びる。
【0096】
三次元ウエブ162の弓状部分180は、約0.5ミリメートルよりも大きい、好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい一般に均一な平均高さを有することができる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートル乃至約6ミリメートルにできる。成形される三次元ウエブ162の高さは好ましくは、接着自在箇所178間の間隔の少なくとも3分の1にでき、また2分の1から1.5倍にできる。三次元ウエブ162における個別の繊維は、約50デニール未満であり、好ましくは約1乃至15デニールの範囲であり、より好ましくは約9デニールである。
【0097】
締結ループ状の材料176は、弓状部分無しで平坦である。裏材121を有しない締結ループ状の材料176は、平方メートル当たり5乃至300グラムの範囲の、好ましくは平方メートル当たり15乃至100グラムの範囲の、及びより好ましくは平方メートル当たり約30グラムの坪量を有する。
【0098】
図18に示される実施例において接着自在箇所128と178は、互いに整合され、すなわち接着自在箇所128は、接着自在箇所178の直ぐ上方へ位置決めされるので、弓状部分130と180の位相が揃えられる。接着自在箇所128と178は、互いに整合されないで弓状部分130と180の位相が揃えられないように、裏材121に沿って位置決めされることもできる。
【0099】
図19は、一般に参照数字190により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第5の実施例を図示し、その貯蔵要素190は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし三次元ウエブ126の裏材195は、三次元ウエブ126へ直接接着される第2の三次元ウエブ196である。
【0100】
裏材195は、第1と第2の三次元ウエブ126と196の弓状部分の一般にピークにおいて接着自在箇所198を有する三次元ウエブ126において多数の長手方向に配向される繊維を含む(標準名称は、これをピークピーク接触と呼ぶ)。一実施例において固定部197は、離間した細長い一般に平行な接着自在箇所198において三次元ウエブ126へ加熱接着されることにより接着でき、三次元ウエブ196の弓状部分200が、連続した列で固定部197から突出し、また第2の三次元ウエブ196を横断して横方向に延びる。
【0101】
図19の実施例において、三次元ウエブ126と196の弓状部分の列は、横方向に互いに平行に延びる。代わりに、三次元ウエブ126と196の弓状部分の列は非平行でもよい。例えば三次元ウエブ126の弓状部分の列は、横方向に延びることができ、一方、第2の三次元ウエブ196の弓状部分の列は、横方向に対する直度に延びる。
【0102】
図20は、本発明の貯蔵要素202の他の実施例の平面図である。貯蔵要素202は、弓状部分203の配置のために考えられる多くの構成の1つを具体的に示す。
【0103】
図21は、本発明の貯蔵要素204の他の実施例の平面図である。貯蔵要素204は、弓状部分205の列の配置のために考えられる多くの構成の1つを具体的に示す。
【0104】
図20と21に示される構成に加えて、弓状部分の列の配置のために考えられる多くの構成も使用できる。
【0105】
図22は、貯蔵要素29を成形する方法と装置を概略図示する。図22に図示される方法は、長手方向に配向されたポリマー繊維を三次元ウエブ126に成形する段階と、三次元ウエブ126の離間した一般に平行な固定部127から同一方向に突出る弓状部分130を有するように三次元ウエブ126が有するように三次元ウエブ126を成形する段階と、及び裏材121の前部表面123から突出る三次元ウエブ126の離間した一般に平行な固定部127を接着する段階とを一般に含む。この方法は、それぞれが、軸を有し、かつ周りに複数の円周方向に離間した一般に軸方向に延びる隆起部228を備え、かつその周辺を形成する第1と第2の加熱された波形部材すなわちローラ226と227を設けることにより実施され、隆起部228は、外面を有し、かつ隆起部228間に空間を形成し、その空間は、噛合した隆起部228間で三次元ウエブ126と噛合した状態で他のひだつき部材226又は227の部分を受容するように、かつ歯車の仕方で隆起部228とひだつき部分の空間との間に転動係合を生じるようになっている。ひだつき部材226と227は、歯車の仕方で一般に噛合うひだつき部材226と227の隆起部228の部分と軸方向に平行な状態で取付けられ、ひだつき部材226又は227の少なくとも1つが回転され、及び三次元ウエブ126は、ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給されて、第1のひだつき部材226の周辺に三次元ウエブ126を一般に合致させ、第1のひだつき部材226の隆起部228間の空間に三次元ウエブ126の弓状部分130を成形し、かつ第1のひだつき部材226上の隆起部228の外面に沿って三次元ウエブ126の一般に平行な固定部127を成形する。成形された三次元ウエブ126は、隆起部228の噛合い部分を通過した後に第1のひだつき部材226の周辺に沿って保持される。熱可塑性裏材層121は、溶融状態の熱可塑性裏材層121(例えばポリプロピレン)を第1のひだつき部材226の周辺上の三次元ウエブ126の固定部127と冷却ロール250との間のニップに金型240から押出すことにより、成形され、かつ第1のひだつき部材226上の隆起部228の外面上の三次元ウエブ126の固定部127へ接着され、その後に、貯蔵要素29が、第1のひだつき部材226から分離され、部分的に冷却ロール250の周りに移送され、ついで冷却ロールとピンチローラ260との間のニップを通して移送されて、熱可塑性裏材層121の冷却と固化を完了する。
【0106】
ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給される三次元ウエブ126は、ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給される三次元ウエブ126内の繊維が、三次元ウエブ126の幅方向に均一に分布され、かつ全てがひだつき部材226と227の軸に一般に直交して延びるように、又は三次元ウエブ126内の繊維が、不織ウエブ又はシートにおけるようにランダムな配向で配設できるように、分布される糸の形態にできる。繊維間の摩擦を除いて内部接着が無いランダムに配向される繊維のそのような不織ウエブ126は、図示される梳綿機270を使用して緩い繊維から成形でき、また梳綿機270からひだつき部材226と227との間のニップ中に供給されるに足る単一性を有し(必要に応じて、コンベヤー((図示されない)を、使用されるランダムに配向される繊維の不織ウエブ126の支承と案内に役立つように設けることができる)、好ましくは第1のひだつき部材226が粗い仕上面(例えばサンドブラストにより形成される)を有し、第2のひだつき部材227が平滑に研磨された仕上面を有し、及び第1のひだつき部材226が第2のひだつき部材227の温度より僅か上の温度まで加熱されるので、不織三次元ウエブ126は、第1のひだつき部材226の表面に沿って優先的に留まり、またひだつき部材226と227との間のニップを通過した後に、第1のひだつき部材と冷却ローラ250との間のニップまで移送される。
【0107】
そのような三次元ウエブ126をひだつき部材226と227中に供給させるようになっているひだつき部材226と227は、それらの軸に関して0乃至90度の範囲で一般に配向される隆起部228を有することができるが、好ましくは、それらの軸に関して0度に(すなわち軸に平行に)配向される隆起部228を有することができ、それによりひだつき部材226と227の製造が単純化される。
【0108】
中実の裏材121を金型240から押出す代わりに、複数の繊維を金型から押出して、図17に図示される裏材層155のような裏材層を成形できる。
【0109】
熱可塑性材料を金型240のような金型から押出す代わりに、非溶融裏材を使用できる。ついでローラ250は、その裏材を三次元ウエブ126へ加熱接着するために加熱される。
【0110】
図23は、貯蔵要素140を成形する本発明に従う方法と装置の他の実施例を概略図示する。その方法は、図22に図示されるものと一般に同一であり、それと同一の装置の大部分を使用する(その装置の同様な部分は同一の参照数字を使用する)。ただし、冷却ローラ250の表面に沿って第1のひだつきローラ226と冷却ローラ250との間のニップ中に裏材147を供給するピンチローラ340を備える手段が付加され、その手段により金型240から押出された裏材121は、第1のひだつき部材226の周辺に沿って成形された三次元ウエブ126と冷却ロール250の表面に沿う裏材121との間に付着するので、溶融裏材層121が、三次元ウエブ126の固定部127を覆い、それを裏材147のシートへ接着し、その後に貯蔵要素140は、第1のひだつき部材226から分離され、ついで裏材145を冷却ロール250に対向した状態で冷却ロール250の周りに部分的に移送されて、裏材121の冷却と固化を完了する。溶融裏材121は、一定の用途に対して最も良く機能するように、ニップ中に、又はニップ前に第1のひだつき部材226上のウエブの固定部127上に、もしくはニップの直前に冷却ローラの周辺に沿う裏材147の第2のシート上に押出しできる。
冷却ロール250は、水冷式にでき、またそのような冷却ロール250が溶融裏材121からポリマー裏材147の第2のシートを通して、冷却ロール250中に与える高い熱伝達率の理由で、貯蔵要素140の成形に特に有用であるクロムメッキが周辺になされる。代わりに冷却ロール250には、その表面を形成する外部ゴム層を設けることができ、それは、裏材のシートが、冷却ロール250中へのそのような熱伝達を制約する傾向がある物質(例えば紙)のものであるならば、貯蔵要素140の成形にとり好ましく、その結果、ゴム層は、三次元ウエブ126の固定部127と裏材147の第2のシートとの裏材121の密接な接触を提供するように、第1のひだつきローラ226とのニップに隣接して変形する別の利点を有する。
【0111】
裏材121は、剥離ライナーが冷却ローラ250と接触するように配設される剥離ライナーに沿う感圧接着剤の層にもできるので、感圧接着剤の層は、剥離ライナーを感圧接着剤の層の上にした状態で感圧接着剤の層の後部表面だけに沿って配設され、かつ感圧接着剤を貯蔵要素140を支持体へ接着するのに使用できるように取外し可能である。
【0112】
好ましくは、ひだつき部材226と227用の駆動手段と冷却ローラ250用の駆動手段は、冷却ローラ250が、第1のひだつき部材226の表面速度と同一又は異なる表面速度で回転できるように個別に制御できる。冷却ローラ250と第1のひだつき部材226が、同一の表面速度で回転されるとき、三次元ウエブ126は、図15乃至18に図示されるように、第1のひだつき部材226の周辺に沿って有するものとほぼ同一の形状を裏材121に沿って有することになる。冷却ローラ250と第1のひだつき部材226が、冷却ローラが第1のひだつき部材226の表面速度よりも遅い表面速度で回転されるとき、三次元ウエブ126の固定部127は、冷却ローラ250と第1のひだつき部材226との間のニップにおいて裏材層121内で動かされるので、冷却ローラ250と第1のひだつき部材226同一の表面速度で回転されるときよりも、裏材121に沿うループ状の部分130の密度が大きくなる。ループ状の部分130の量又はループ数を増加するこの手法は、同一の装置を使用して裏材長さのセンチメートル当たりループ状の部分130の種々の数を有する貯蔵要素を製造するために、及び、そのような隆起部228を共に近づくように機械加工する際の物理的限界の理由でひだつき部材226と227上に機械加工される隆起部228間に成形されるものより、裏材長さのセンチメートル当たりループ状の部分130が多い貯蔵要素を製造するために有用である。
【0113】
貯蔵要素152の別の実施例は、非限定例が図5,6及び8に示される多数の個別の粒状物172を含む多粒状物構造部材170を備える。多粒状物構造部材170は好ましくは、約1.0mmと約25.4mmとの間、またより好ましくは約2mmと約16mmとの間の公称サイズを有する。しかしながら0.5mm以下のような小さい粒状物、及び約25.4mmよりも大きい粒状物が意図される。約1.0mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準No.18のメッシュふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。約25.4mm未満の公称サイズを有する粒状物は、米国標準25.4mmふるいスクリーンを一般に通過するものである。16mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準No.16mmふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。この公称粒状物サイズは、試験又は使用のために、粒状物を貯蔵要素152中に組込む前に測定される。8mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準8mmふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。
【0114】
多粒状物構造部材170は、任意の数の粒状物172を含むことができる。更に粒状物172は、未接合で構造部材170内を自由に移動できるか、又は既知の手段により互いに接合できる。代わりに構造部材170は、メルトブラウン熱溶融型にかわ、ウエブ、網状織物、スクリム織物、糸、又は他の接着剤、もしくは非接着性エンタングルサポートのような外部サポートを備えることができる。
粒状物172の一部を、トップシート又はコアのようなおむつ構造部材の他の部分へ接合することもできる。粒状物172は、プリーツ、「まくら」及びポケットのようなパターン付けした三次元区域内に収納することもできる。
【0115】
先の実施例の貯蔵要素29は、多粒状物構造部材170の外部サポートの一部分を形成することもできる。先の実施例の貯蔵要素29の成形された繊維26のシートと裏材121により仕切られる空間は、粒状物172を収納する三次元構造部材を形成することもできる。
【0116】
個別の粒状物172は、吸収性コア28又は貯蔵要素152に関して上述した材料を含む、吸収性物品の使用に適切な材料から製造できる。粒状物172に使用される材料は、吸収性、非吸収性、マイクロポーラス、マクロポーラス、弾性、非弾性などのものでよいし、又は他の望ましい特性を有するものでもよい。粒状物172内の使用に適切なマクロポーラス吸収材料の例として、嵩高不織物、連続気泡発泡体、繊維束、及びスポンジなどがある。他の吸収材料として、セルロースバット、毛管路繊維、超吸収性ポリマーのような浸透貯蔵材料などがある。非吸収性粒状物172は、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、独立気泡発泡体、カラム充填材料、合成材料、ゲル、封入ガス、及び液体などを含むことができる。更に粒状物172の一部又は全ては、脱臭剤、ローション、皮膚保護配合剤、抗微生物剤、pH緩衝剤、酵素抑制剤などを含むことができる。
【0117】
貯蔵要素152は、粒状物172の単一の種類(サイズ、形状、材料など)から構成できるし、又は種々の粒状物172の混合物を含むことができる。その混合物は、均質であり、種々の特性を有する粒状物172が貯蔵要素152の一定の部位に配設されるときのように不均質であり、層に分離され、又は他の望ましい形状であることができる。幾つかの実施例において、混合物の2つ以上の種類を採用できる(例えば、マクロポーラスで非吸収性粒状物172は、1つの層において均質に混合され、一方、他の層が吸収性粒状物だけを含む)。粒状物の異なる層は、互いに直接隣接できるか、又は網状織物、スクリム織物、不織ウエブ又は織ウエブ、フイルム、発泡剤、接着剤などの1つ以上の材料により分離できる。
【0118】
マクロ粒状物構造部材170は好ましくは、粒状物172間の空間により形成される連続した隙間空隙空間174を備える。粒状物172のサイズ及び/又は形状を変えることにより、隙間空隙空間174を調節できる。それらの粒状物は、球形、偏球楕円体、方形、及び多角形中実体などを含む任意の既知の形状のものでよい。表2は、特定の選択対象の形状と公称サイズを有する粒状物の空隙率を示す。他の適切な形状と空隙率は、1984年版マグローヒル社、ペリーの化学工学ハンドブック第6版の頁18乃至20に記載される。
【0119】
【表2】
【0120】
貯蔵要素152は、その構成には関係なく、貯蔵要素152へ圧縮力が加えられたときに容量のかなりのレベルを維持するように、圧縮に抗するべきである。
好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの少なくとも約35%を維持できる。より好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約70%の厚さを維持すべきである。一般に好ましい実施例において貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの約35%と99%との間に維持できる。より好ましくは、貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けた時に、その初期厚さの約50%と95%との間に維持すべきである。貯蔵要素152は、その力を除いたときに、それ自体でそのほぼ初期厚さに復元できるべきである。好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を除いた後に、その初期厚さの少なくとも約80%、より好ましくはその初期厚さの少なくとも約90%を回復すべきである。
【0121】
貯蔵要素152は、その貯蔵機能に加えて、吸収性接着20内の粘性流体身体排泄物をバックシート26の平面に一般に平行な方向に移送できる。この移送は、毛管力又は他の力により粘性流体身体排泄物又はその成分(例えば自由水)の移動が生じるように能動的である。他の実施例において移送が受動的であるので、粘性流体身体排泄物又はその成分は、重力、着用者の圧力又は着用者の動きなどの外部から加えられる力の影響を受けて構造部材を通して移動する。受動的移送の場合、貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物が最小のエネルギー入力で構造部材を通して容易に移動できるように、比較的大きい、相互に接続される流路などを有する必要がある。
【0122】
表3は、幾つかの個別の貯蔵要素構造部材に関する圧力下での貯蔵性能データを記載する。個別の貯蔵要素152の圧力下での貯蔵性能は、単一構造部材に関して以下に述べる圧力下での貯蔵試験と同一の方法で測定できる。ただし個別の貯蔵要素152は、他の構造部材とは別個に、かつ標準受入要素150に基づいて試験される。標準受入要素150は、イリノイ州シカゴにあるMcMaster Carr Supply Comapnyから#9226T45として入手できる、ステンレス金網形式304(標準等級)16x16メッシュである。
【0123】
【表3】
【0124】
不動化要素
受入れ要素150又は貯蔵要素152に加えて、又はその代わりに、本発明の排泄物管理要素120は好ましくは、不動化手段すなわち不動化要素154を備える。不動化要素154は、吸収性物品により受入れ貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化及び保持できるべきである。好ましくは不動化要素154は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約70%に対応する不動化値を有すべきである。より好ましくは不動化要素154は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約80%、及び最も好ましくは少なくとも約85%に対応する不動化値を有すべきである。一般に、少なくとも約70%と約100%との間、及び約80%と約100%との間の圧縮変転下での不動化値が、受入れできることが判明している。更に、不動化要素154は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約7.5gよりも多く保持できるべきである。より好ましくは不動化要素154は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約8.0gよりも多く、及び最も好ましくは約8.5gよりも多く保持できるべきである。一般に、少なくとも約7.5gと約100.0gとの間、及び約8.0gと約100.0gとの間の圧縮変転下での保持値が、受入れできることが判明している。
【0125】
不動化要素154は、残りの構造部材から不動化要素154に浸透した粘性流体身体排泄物の性向を減少できる任意の材料又は構造部材でよい。かくして、不動化要素154は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に不動化要素154は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。例えば不動化要素154は、貯蔵要素152の下に配設される未接合材料層でもいし、又は上述のように粘性流体身体排泄物を不動化及び保持できる貯蔵要素152の全て又はその一部分を備えてもよい。いずれの場合も、不動化要素154を貯蔵要素152と受入要素150と機能的に関連させることが好ましい。これは、物品により受入れ及び/又は貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化要素154中に確実に流入させるか、又はそれと接触させるために必要である。したがって、物品の股区域37の少なくとも一部分において、不動化要素154を貯蔵要素152と受入要素150との下に位置決めすることが望ましい。しかしながら上述のように、貯蔵要素152が移送能力を有するならば、不動化要素154は、受入れ及び/又は貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化要素154へ移送できるように、おむつ20内の任意の箇所に位置決めできる。更に受入要素150と貯蔵要素152の場合と同様に、おむつ20は、均一又は不均一の圧縮変転下での不動化性能特性を有することができる。かくして1つ以上の不動化要素154は、種々の不動化及び/又は保持性能の区域を有する物品内に組込むことができる。更に不動化要素154の一部分又は全てを、必要に応じて別個に処分するために、吸収性物品から取外しできる。
【0126】
不動化要素154に使用される適切な材料として、マイクロポーラス発泡体、超吸収性ポリマー粒状物又は繊維、セルロース繊維、毛管路繊維、エンタングル合成繊維バットなどがある。幾つかの好ましい材料として、米国特許第5,260,345号、第5,387,207号及び第5,625,222号に記載されるもののような発泡吸収材料がある。他の好ましい材料として、1992年9月15日にYoungなどに付与された「失禁管理用高効率吸収性物品」という名称の米国特許第5,147,345号に記載されるもののような吸収ゲル化材料がある。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0127】
幾つかの個別の不動化要素についてのデータが、表4に示される。個別の不動化要素154の圧縮変転下での不動化性能についての試験は、使用を意図して構成された構造部材に関して以下に説明される圧縮変転下での不動化試験方法と同一である。ただし、それは、個別の貯蔵要素152及び/又は不動化要素154だけについて実施され、またトップシート又は受入要素のような真上にある要素を含まない。更にサンプルは、上述の標準受入要素150で試験される。(類似物Bは、試験類似物として使用される)
【0128】
【表4】
【好ましい実施態様】
【0129】
上述のように本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、失禁用下着又はパッド、吸収挿入部材、おむつホルダー又はライナー、女性衛生衣類、拭き布、使い捨てモップ、包帯などのような多くの種類の吸収性物品に適用できる。かくして本発明の好ましい実施例の以下の例は、本発明の範囲を限定するように解釈されないものとする。
【0130】
本発明の1つの好ましい実施例は、図5と6に図示される吸収性物品20である。吸収性物品20は、第1のウエスト区域36、第2のウエスト区域38、及び第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38との間に位置する股区域37を有する。おむつ20は、トップシート24、バックシート26、及びトップシート24とバックシート26との間に位置する吸収性コア28を備える。トップシート24は、コア28の身体に面する表面47に隣接して第1のウエスト区域36の少なくとも一部分に配設される。またおむつ20には、受入要素150も備えられ、その要素は、トップシート24と接合し、また股区域37の少なくとも一部分及び第2のウエスト区域38の少なくとも一部分を通してトップシート24から離れて長手方向に延びる。受入要素150は、織網状織物を備えることができる。具体的には、それは、バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.のToy Tub Bagとして入手できるような織網状織物を備えることができる。
【0131】
おむつ20は、受入要素150とバックシート26との間に位置する貯蔵要素152を更に備える。貯蔵要素152は、股区域37の少なくとも一部分及び第2のウエスト区域38の少なくとも一部分に位置する。この実施例において貯蔵要素152は、粒状物172を含む多粒状物構造部材170を備える。具体的には多粒状物構造部材170は、米国特許第5,260,345号に記載されるように平方メートル当たり約45グラムの坪量を有する発泡吸収材料の帯片の約0.35グラムと混合される、以下の例4からのスクラバー粒状物の約2グラムを含む。その帯片は、長さが約19ミリメートル、幅が6.4ミリメートル、及び厚さが2ミリメートルの寸法を有する。スクラバー粒状物は、平方メートル当たり126グラムの坪量を有する約0.8mm厚さの「湿潤まで薄い(thin until wet)」吸収性発泡材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,387,207号に記載される)の物品の長手方向軸に沿って配設される2.5インチx6.4インチ(16平方インチ)の部位にわたり分布される。スクラバー粒状物は、吸収性発泡帯片と比較的均質に混合され、また「湿潤まで薄い」吸収性発泡材料の層により外接される部位内で自由に動く。それらの粒状物と帯片は好ましくは、織網状織物のトップシート又は他の層へ接着されない。受入要素150は、「湿潤まで薄い」吸収性発泡材料の層の周辺外側の真下の層へ接着される。
【0132】
他の実施例において、図8に示されるように本発明の吸収性物品は、着用者へ別個に適用されるか、又は着用者の下着又は外部カバーなどの中に載置されるのを意図する挿入部材21すなわち生理用ナプキンにできる。かくして挿入部材21は、パンツの形態をとるのを一般に意図されないが、着用者の周りの所定位置に挿入部材21を保持するパンツ又は他の構造部材と連係して使用されることになる。吸収性挿入部材21は、中央区域137により分離される一対の対向する端部区域135を有し、また吸収性コア28、受入要素150、貯蔵要素152及び/又は不動化要素154を備えることができる吸収性集成物27を有する。
挿入部材21は、使用中に挿入部材21をパンツ又は外部カバー29内の所定位置に保持する1つ以上の装着要素41を備えることもできる。装着要素41は、吸収性物品を下着へ装着するために、接着剤、接合剤、フック、スナップ、バックル、ボタン、タイ、磁気手段、電子手段及び/又は他の既知の手段を含むことができる。
【0133】
貯蔵要素152の別の実施例は、吸収性物品20の全体排泄物管理構造部材120の代替貯蔵要素152/29を備えるであろう。更に別の組合せは、個別粒状物172用の多粒状物構造部材172として貯蔵要素29の使用を含むであろう。
【0134】
試験方法
粘性
粘性は、調節された応力レオメトリー計により測定できる。適切なレオメトリー計は、デラウエア州ニューキャッスルにあるT.A.Instruments,Inc.から、モデル番号SC2100として入手できる。レオメトリー計は、ステンレス平行プレート取付け具を利用する。レオメトリー計は、サンプルが上に置かれる剛性水平の第1のプレート、及び第2のプレートの軸が第1のプレートに対して直交するように第1のプレート上に取付けられる第2のプレートを有する。第2のプレートは、径が2又は4センチメートルである。2センチメートル(2cm)平行プレートは、硬いペースト状又はかなり粘液状のサンプルに使用され、一方、4センチメートル(4cm)平行プレートは、非常に流動性すなわち「水状」の便状サンプルに使用される。第1と第2のプレートは、測定過程中2000ミクロンまで離間される。第2のプレートは、軸方向回転のために駆動軸へ接続される。駆動モータ及び歪みセンサも、駆動軸上に取付けられる。
【0135】
試験される類似物の適切なサンプル(典型的には2乃至3グラム)が、第1のプレートの中心に、かつ第2のプレートの軸の真下のほぼ中心に置かれる。試験前に未消化食物の大きい片(例えば種)があれば、取除かれる。第1のプレートは、所定の位置まで上げられる。第2のプレートの径を越えて押しのけられるサンプルの過剰量は、へらを使用して取除かれる。測定過程中水分損失による縁効果を防止するために、ついで水がサンプルの縁部の周りに霧吹きされる。硬いペースト状サンプルの場合、50乃至50,000ダイン/cm2のせん断力が、プログラムされてレオメトリー計によりサンプルへ加えられる。流動性で水状のサンプルの場合、5乃至5,000ダイン/cm2のせん断力が代わりに使用された。データは、指数法則関数に適合され、そこにおいて見掛粘度はkj(n−1)、kはコンシステンシー(cPxsec(n−1)の単位)、jはせん断速度(1/secの単位)、及びnはせん断インデックス(無次元)である。したがってjが1/secであるとき、粘性はkである。(プレートは、試験を通して35度Cに維持される。)
圧力下での受入と感応性
圧力下での受入は、図2に図示される機器139を使用する以下の試験により測定される。中空のプレキシグラス円筒形体140が、約9.5mm厚さのステンレスプレート142上に取付けられる。そのプレートは、約10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の正方形である。その円筒形体140とプレートの組合せは、7.6センチメートル(約3.0インチ)の高さ、5.08センチメートル(約2.00インチ)の内径、及び6.3センチメートル(約2.48インチ)の外径を有する。円筒形体140の底部は、プレート142の下に約3.5ミリメートルの間隔だけ延びる。突起部143は、試験流体166が指定試験部位の外へ漏れるのを防止する。それぞれが5.08cm(約2.0インチ)の径を有する2つの625グラムの重り156が設けられる。
【0136】
円筒形の24.6グラムのプレキシグラス重り144が設けられる。その重り144は、5.08センチメートル(約2.0インチ)の径を有するので、円筒形体140内に精密交差で適合するが、円筒形体140内の孔141を通して自由に摺動できる。この配置により、約119パスカル(Pa)(平方インチ当たり約0.017ポンド)の圧力、及び約20.27平方cm(約3.142平方インチ)の試験部位が提供される。必要に応じて、重り144は、円筒形体140に容易に挿入でき、かつそれから取外すことができるようにハンドル145を有することができる。そのような場合、ハンドル145と円筒形重り144の組合せ質量は、24.6グラムに等しくすべきである。
【0137】
圧力下での受入特性について試験される構造部材のサンプル146が提供される。サンプル146は、既存のおむつから切断されるか、又はおむつに成形されていない材料から作製できる。サンプル146は、トップ層161を含めて、物品での使用を意図する全体構造部材、又は評価される物品の全体構造部材を含む。(個別の受入要素の圧力下での受入性能を測定するために、受入要素の項で上述したように、圧力下での受入試験は、真下の構造部材又は層の代わりに標準貯蔵要素147を使用して実施される。)サンプル146は、10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の寸法がある正方形に切断する。
【0138】
4インチx4インチの寸法がある大きい坪量の吸取紙149の5層が設けられる。サンプル146のトップ層161が取外され、またサンプル146の残りの要素又は層(複数の要素又は層があれば)、及び吸取紙材料149の5層は、最も近い0.01グラムまで計重される。かくしてサンプル146がおむつから取られているならば、トップシート、二次的トップシート、獲得層、吸収性コアなどのおむつの層を、計重前に分離する。(ある場合には、単一層が2つ以上の永久的に接着された要素を含むことがある。)そのように実施する際、サンプル146を破らないように、又はサンプル146の部分を偶然に全体を変形させないように注意しなければならない。サンプル146の層は、サンプル146の隣接する層からの分離を助けるために凍結できる。その凍結は、マサチューセッツ州ウオルサムにあるPhilips ECG,Inc.製のPH10015回路冷媒を使用して達成できる。
【0139】
サンプル146は、サンプル146の側面を、上に面した着用者に面し、かつ吸取紙材料149から離すようにして、吸取紙材料149の5枚の重ねられた層上に最初に構成されたように再集成する。吸取紙材料149は好ましくは、ペンシルバニア州Mt.Holly SpringsにあるAhlstrom Filtration Inc.から、メートル当たり約90グラムの坪量を有する#632−025として入手できるろ過等級紙である。
【0140】
サンプル146と吸取紙材料149の集成体は、Stevens−Farnell QTS−25 Model 7113−5kg テキスチャー・アナライザー160(英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できる)の測定表面164上の中心に合わせ、かつプローブ162の下に置かれる。適切なプローブ162は、英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できる100cm平坦端部円筒形アルミニウム伸張ロッド「QSTM3100」である。円筒形体140は、サンプル146上に中心が合わされる。2つの625グラム重り156は、プレート142の対向する隅部(斜めに)に載置されて、そのプレートを安定化する。約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔141を通して約10立方センチメートルの粘性流体身体排泄物類似物166をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。
【0141】
粘性流体身体排泄物類似物の類似物Aは、オハイオ州BrecksvilleにあるB.F.Goodrich Corporationから入手できるCarbopol 941、又は同等なアクリルポリマーの10グラムを900ミリリットルの蒸留水内で混合することにより作られる便状物質である。Carbopol 941及び蒸留水は、個別に計重及び測定される。2インチ径のパドルを有する3枚羽根型プロペラ(オハイオ州シンシナチにあるVWR Scientific Products Corp.から、カタログ#BR4553−64、3/8“攪拌シャフトBR4553−52へ装着されるものが入手できる)が、蒸留水を攪拌するのに使用される。プロペラ速度は、混合中は450rpmで一定にする。攪拌機には、飛まつを生じることなく渦巻きを形成させる。Carbopolは、渦巻き中に引かれ、かつ白いかたまり、すなわち「魚の目」を形成することなく混合されるように、水中に徐々に篩い分けされる。混合物は、全てのCarbopolが添加されるまで攪拌され、ついでその後、2分間攪拌される。混合物を含むボウルの側面は、かきとり、また均質な混合物が得られるように必要に応じて回転すれば、混合物は気泡で僅かに濁るようになる。ニュージャージー州PhillipsburgにあるJ.T.BakerCo.から入手できる1.0N容量NaOH溶液の100グラムを、ついで徐々に計算しながら混合物中に入れ、その混合物を均質になるまで攪拌する。混合物は濃くなり、透明になるはずである。その混合物をアルカリ溶液添加後に2分間攪拌する。その中和された混合物を少なくとも12時間平衡させ、その後96時間以内に圧力下での受入試験に使用する。Carbopol混合物を、使用前に、均質になるように、約1分間低速度(約50rpm)で攪拌する。
【0142】
類似物Aは、適正に調整されるならば、55と65グラムの間の「硬さ」値を有するはずである。硬さは、Stevens−Farnell QTS−25 テキスチャー・アナライザー、Model 7113−5kgを使用し、かつ486プロセッサ又はそれよりも高位のプロセッサを有するIntelベースのマシン上で付属ソフトウエアを使用して測定される。1/2インチ、ステンレス球形プローブ及び類似物受容器が設けられる。適切なプローブは、英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できるTA18である。類似物受容器は、7ミリメートル低密度直線ポリエチレンシンチレーションバイアル(0.55インチ±0.005インチの内径を有する)を15ミリメートル長さに切断することにより製作できる。適切なバイアルは、ニュージャージー州VinelandにあるKimble Glass Companyから#58503−7バイアルとして入手できる。類似物受容器は、試験される類似物で上端縁部から2ミリメートル以内に充填される。バイアルは、1/2インチ、ステンレス球形プローブの下に中心決めされる。プローブは、バイアル内の類似物の表面から約1ミリメートルの深さまで下げられる。プローブ162は、毎分100ミリメートルで7ミリメートル下方へ動かされ、ついで停止される。
硬さは、プローブの7ミリメートル行程上でプローブにより生じた最大記録抵抗力である。(部屋と類似物の温度は、測定中、約65乃至75の華氏温度にする。)
【0143】
粘性流体身体排泄物類似物166、類似物Aの適量が、一旦、円筒形体140中に計量して入れられると、24.6グラム重り144が、類似物の表面に載るまで、円筒形体140の孔140中に徐々にゆっくりと挿入される。テキスチャー・アナライザー160は、約144.6グラムの抵抗力に達するまで毎分10ミリメートルの速度で円筒形重り144をプローブ162が押すように、作動される。テキスチャー・アナライザー160は、一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、下向行程を停止するように設定される。レコーダーは、5グラムの抵抗力で起動するように設定される。(144.6グラムの最大抵抗力は、平方インチ当たり700パスカルすなわち0.1ポンドの印加圧力に対応する)。一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、プローブ162は、その開始位置まで引き込まれる。
【0144】
重り144が円筒形体140から取外され、ついで円筒形体140が、円筒形体140内に残る類似物Aをサンプル上に滴下しないように注意して、サンプル146の表面から取外される。ついでサンプル146のトップ層161は、可能ならば、真下の層の表面に平行にトップ層161を引っ張ることにより、サンプル146の、真下の層から取外される。トップ層161を真下の層に平行に引っ張ることによる取外すことが難しい一定の構造部材の場合、トップ層161をサンプル146の真下の層から剥離するか、又は持ち上げてもよい。サンプル146が単一の層だけを含むならば、以下に述べる標準受入要素150は、サンプル146のトップ層161として利用される。サンプル146の真下の層と吸取紙材料149がついで計重される。サンプル146により受入れられる類似物Aの量は、単位面積ベースで実施された単位仕事(ミリジュール)当たり、サンプル146のトップ層を通して浸透する試験類似物により生じるサンプル146の真下の層と吸取紙材料149を組合せた重量の増加に等しい。単位仕事を計算するのに使用される圧力を受ける面積対距離のカーブは、144.6グラムの最大力が記録されるまで移動する合計距離を通して、下向き行程上のプローブに抗する力を積分して計算される。単位仕事は、下記の等式を使用して計算される。
単位仕事(mJ)=圧力を受ける面積対距離のカーブ(g/mm)(9.81m/s2)/(1000mm/m)
【0145】
圧力下での感応性は、上述の圧力下での受入と同一の方法で測定される。ただしプローブ162の下向き行程上での144.6グラムの抵抗力の到達に必要な時間が測定及び記録される。圧力下での感応性は、下記の等式を使用して計算される。
圧力下での感応性(g/in2/mW)=圧力下での受入(g/in2/mJ)x144.6グラム抵抗力到達に必要な時間(sec)
【0146】
圧力下での貯蔵
圧力下での貯蔵は、図2に図示される、上述の同一の機器139を使用して測定される。圧力下での受入試験に記載される中空円筒形体140、重り144、及び625g重り156が設けられる。圧力下での貯蔵特性について試験される構造部材のサンプル146も提供される。同様にサンプル146は、既存のおむつ20から切断されるか、又はおむつに成形されていない材料から作製できる。
サンプル146は、物品での使用を意図する全体構造部材、又は評価される物品の全体構造部材を含む。(個別の貯蔵要素の圧力下での貯蔵性能を測定するために、貯蔵要素の項で上述したように、圧力下での貯蔵試験は、真下の構造部材又は層の代わりに標準受入要素150を使用して実施される。)サンプル146は、10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の寸法がある正方形に切断する。
【0147】
4インチx4インチの寸法がある大きい坪量の吸取紙149(上述の圧力下での受入試験記載されるものと同一)の5層が設けられる。サンプル146のトップ層161が取外され、またサンプル146の残りの要素又は層(複数の要素又は層があれば)、及び吸取紙材料149の5層は、最も近い0.01グラムまで計重される。かくしてサンプル146がおむつから取られているならば、トップシート24のようなおむつのトップ層161を、計重前に分離する。そのように実施する際、サンプル146を破らないように、又はサンプル146の部分を偶然に全体を変形させないように注意しなければならない。サンプル146の層は、サンプル146の隣接する層からの分離を助けるために上述のように凍結できる。
【0148】
サンプル146は、サンプル146の側面を、上に面した着用者に面し、かつ吸取紙材料149から離すようにして、吸取紙材料149の5枚の重ねられた層上に最初に構成されたように再集成する。サンプル146と吸取紙材料149の集成体は、テキスチャー・アナライザー160(上述の)の測定表面164上の中心に合わせ、かつプローブ162の下に置かれる。円筒形体140は、サンプル146上に中心が合わされる。2つの625グラム重り156は、プレート142の斜めに対向する隅部に載置されて、そのプレートを安定化する。約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔を通して約10立方センチメートルの類似物A(上述ののような)をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。24.6グラム重り144が、円筒形体140の孔141に挿入され、またテキスチャー・アナライザー160は、144.6グラムの抵抗力に達するまで毎分10ミリメートルの速度で円筒形重り144をプローブ162が押すように、作動される。(144.6グラムの最大抵抗力は、平方インチ当たり700パスカル又は0.1ポンドの印加圧力に対応する)。一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、プローブ162は、その開始位置まで引き込まれる。
【0149】
重り144が円筒形体140から取外され、ついで円筒形体140と重り156が、円筒形体140内に残る類似物Aをサンプル上に滴下しないように注意して、サンプル146の表面から取外される。ついでサンプル146は、可能ならば、測定表面164に平行にサンプル146を引っ張ることにより、テキスチャー・アナライザーの測定表面164から取外される。トップ層161を真下の層に平行に引っ張ることによる取外すことが難しい一定の構造部材の場合、トップ層161をサンプル146の真下の層から剥離するか、又は持ち上げてもよい。
サンプル146と吸取紙材料149がついで計重される。貯蔵される試験類似物A166の量は、単位面積ベースで、サンプル146中に浸透する試験類似物Aにより生じるサンプル146の真下の層と吸取紙材料149を組合せた重量の増加に等しい。
【0150】
圧縮変転下での不動化と保持
圧縮変転下での不動化と圧縮変転下での保持を測定するために、円筒形体140がプレート142上に取付けられる。円筒形体140は、7.5センチメートル(約2.95インチ)の高さ、5.08センチメートル(約2.00インチ)の内径、及び6.3センチメートル(約2.48インチ)の外径を有する。中空円筒形体140とプレート142は、上述の圧力下での受入と圧力下での貯蔵の試験に使用されたものと同一である。ただし、プレートは、その底部に「突起部」143を有しないし、また円筒形体140とプレート142はステンレス製である。ステンレス製の円筒形体140とプレート142は、約1170グラムの組合せ重量を有する。
【0151】
試験される構造部材のサンプル146が提供され、またトップ層161は、サンプル146に含まれれば、取外される。サンプル146の残りの真下の層、及び吸取紙149の5層が集成されて、計重される。ついでトップ層161が、その集成体の上端に置かれる。サンプル146は、構造部材に製造されなかった材料から製造することもできる。試験されるサンプル146と吸取紙149の組合せられた集成体は、ベンチトップ165上に置かれる。(個別の不動化と保持の要素の圧縮変転下での不動化と圧縮変転下での保持の性能を測定するために、不動化要素の項で上述したように、圧縮変転下での不動化試験が、トップ層161の代わりに標準受入要素150を使用して実施される。全ての真下の層が、この評価に含まれる。)約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔を通して約10立方センチメートルの試験類似物をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。この測定に使用される試験類似物(類似物B)は、以下のように調整された水性ポリアクリルアミド溶液である。ウイスコンシン州ミルウオーキーにあるAldrich Chemical Companyから入手できるポリアクリルアミドの22.5グラムが、オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるDawn皿洗溶液の20グラムを1000mlの蒸留水で希釈されたものと混合される。混合は、類似物Aの混合に使用された同一のプロペラを使用してなされる。ただし、プロペラ速度は、混合中は650rpmに一定にする。混合は、180°Fで水浴中において30分間なされる。加熱された水浴が取外され、混合物は、更に30分間攪拌される。混合物は、少なくとも12時間平衡化されて、その後96時間以内に圧縮変転下での不動化試験に使用される。類似物Bを、約7.5と約10.5グラムとの間の硬さ値(類似物Aについて上述したように測定される)を有するようにする。類似物Bは、母乳で育てられる小児からの実際の流動状便の水吸引力を模擬するようになっている。類似物Bは、類似物Aよりも一般に受入れが容易であり(すなわち、より流動性があり)、保持を一層難しくする。
【0152】
試験類似物(類似物B)は、重力の下で3分間サンプル146に浸透される。
ついで円筒形体140がサンプル146の表面から取外され、全体サンプル146が計重される。ついでサンプル146のトップ層161が、真下の層の表面からトップ層161を垂直に持ち上げ、過剰な類似物Bを下部層に流し戻すことにより、取外される。サンプル146の残りと吸取紙149の集成体が、ついで計重される。これは、この試験の負荷段階中に構造部材により吸収される類似物Bの正味量の尺度を提供する。ついでサンプル146は、トップ表面層161を含めて再集成される。4インチ平方の吸取紙149の3層が、提供され、計重される。標準貯蔵要素147が、提供され、吸取紙材料149の3層の上端に置かれる。再集成されたサンプル146は、標準貯蔵要素147と吸取紙149の3層の集成体上に反転される。(標準貯蔵要素147は、図4に示されるように、153個の規則的に離間する4.3mm径の孔168のパターンを有する4インチ平方で1.6ミリメートル厚さのアルミニウムプレートを備える。これらの孔は、平方インチ当たり約26個の孔があるように配列される。)
ついで、16ポンドで16平方インチの重り158(7000パスカル圧力、又は1.0psiに対応する)が、標準貯蔵要素147の反対に面するサンプル146の表面上に静かに置かれる。3分後に重り158が取外され、サンプル146は、試験類似物Bにより分離された側面が上を向くように再配向される。トップ層161が取外され、またサンプル146の残りの層と吸取紙149の5層が、測定及び記録される。サンプルの圧縮変転下での保持が、反転サイクル後の構造部材の真下の層に存在する試験類似物Bの実際の正味量として計算される。
【0153】
圧縮変転下での不動化は、反転サイクル後の構造部材の真下の層に残る負荷段階中に、構造部材を浸透した(すなわち、表面層を通して、サンプルの真下の層を通過した)試験類似物Bのパーセントとして計算される。圧縮変転下での不動化を求める等式は、以下の通りである。
圧縮変転下での不動化=圧縮変転下での保持(g)/負荷段階中に吸収された類似物Bの正味量(g)x100%
【実施例】
【0154】
比較対象例1乃至5は、技術上既知の組合せ構造部材の比較対象例である。例1乃至7は、本発明の具体的実施例である。構造部材のそれぞれは、粘性流体身体排泄物を受入、貯蔵、不動化及び保持する容量を求めるために上述のように試験された。試験結果が、図9乃至13に示されるグラフにプロットされる。
【0155】
(比較例1)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアの最後部4インチを含む区域から取られる。不織トップシートは、上述のように試験前に計重のために真下の層から分離される。それらの層の全ては、実際の試験に含まれる。
【0156】
(比較例2)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアを含む股区域から取られる。8ミリメートル径の孔が、千鳥列で、中心が13ミリメートル離間するように構造部材を通して打ち抜かれる(図7参照)。トップシートは、孔を打ち抜く前は、構造部材から取外されない。インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、試験のためにトップシートとしてこの構造部材上に置かれる。
【0157】
(比較例3)
サウスカロライナ州ノースチャールストンにあるChicopee,Inc.からGH437として入手できるヒドロエンタングル開口化不織ウエブが、インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX5790として入手できる大形気泡真空成形フイルム上に置かれる。
【0158】
(比較例4)
インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、ジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる、平方メートル当たり約110グラムの坪量と7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有する6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料上に置かれる。
【0159】
(比較例5)
インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL−7124として入手できる、約1.5ミリメートルの未圧縮厚さを有する機械的締結ループ状のランディング要素上に置かれる。
【0160】
(実施例1)
バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる織網状織物が、6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料上に置かれる。その不織材料は、平方メートル当たり約110グラムの坪量と7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有し、かつジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる。その織網状織物は、60%の有効開口面積と5.0mm2の有効面積を有する主開口(米国特許第5,342,338号から組込まれた方法により測定される)とを有する。
【0161】
(実施例2)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアを含む股区域から取られる。8ミリメートル径の孔が、千鳥列で、中心が13ミリメートル離間するするように構造部材を通して打ち抜かれる(図7参照)。トップシートは、孔を打ち抜く前は、構造部材から取外されない。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に述べた織網状織物が、試験のためにトップシートとして構造部材上に置かれる。
【0162】
(実施例3)
イリノイ州ArcolaにあるLibman CompanyからLight Duty Scrubbers#00065として入手できるスクラッビングパッドの接着不織嵩高側面(以下「スクラバー」層と呼ぶ)が、スポンジ層から分離される。スクラバー層の厚さは、約7ミリメートルである。このスクラバー層は、約8mmx7mmx5mmの粒状物に切断され、また1.65グラムのスクラバー粒状物で16平方インチの部位を覆うように、ほぼ単一層で吸取紙材料149上に緩く分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、スクラバー粒状物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0163】
(実施例4)
例3に記載されるスクラバー粒状物の2グラムが、平方メートル当たり約45グラムの坪量を有する発泡吸収材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,260,345号に記載される)の帯片の0.35グラムと混合される。その帯片は、長さが約19ミリメートル、幅が6.4ミリメートル、及び厚さが2ミリメートルの寸法を有する。平方メートル当たり約126グラムの坪量を有する、約0.8mm厚さの「湿潤まで薄い」発泡吸収材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,387,207号に記載される)の16平方インチの部位上に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0164】
(実施例5)
例3に記載されるスクラバー粒状物の1.65グラムが、例4に記載される発泡吸収材料の帯片の0.25グラムと混合される。スクラバー粒状物と帯片が、吸取紙材料149の16平方インチ上に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0165】
(実施例6)
例3に記載されるスクラバー粒状物の1.65グラムが、吸取紙材料149の16平方インチ上にある例4に記載される発泡吸収材料の帯片の0.25グラム上に置かれる。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0166】
(実施例7)
オハイオ州シンシナチにあるVWR Scientific Products Corp.からカタログ#26396−621として入手できる6ミリメートル径ソーダライム#3000ガラスボールの36.35グラム(約127カウント)が、それぞれの帯片が約4.5ミリメートルの長さと幅の寸法を有する、例4に記載される発泡吸収材料の複数の帯片の0.23グラムと混合される。ニューヨーク州10016ニューヨーク5番街295にあるHomemakerから入手できるStay Put Rug Padの4インチx4インチのセクションが、試験用のガラスボールを安定化するために、25.4ミリメートル幅の3M Scotch Masking Tapeから作られた3インチx3インチの6.3ミリメートル高さの縁取り物をそのパッド上に置くことにより改質される。ついでこの改質されたセクションが吸取紙材料149上に置かれる。ガラスボールと発泡吸収材料立方体混合物が、ガラスビーズの単一層が形成されるようにマスキングテープ縁取り物により仕切られる9平方インチの部位内に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0167】
以下の表は、上の例で説明された構造部材の圧力下での受入、圧力下での貯蔵、及び圧縮反転下の不動化と保持の性能を示す。表5からのデータの種々の組合せが、図9乃至13に図示されるグラフにプロットされる。
【0168】
【表5】
【0169】
粘性流体身体排泄物を管理するのを意図する構造部材に対する圧力下での受入(受入)、圧力下での貯蔵(貯蔵)、圧縮変転下での不動化(不動化)、及び圧縮変転下での保持(保持)の組合せた性能の重要性は、図9乃至13に具体的に示されるグラフにおいて容易に分る。図9乃至10において現行技術の代表的な構造部材(比較対象例C1乃至C5)は、本発明の代表的な構造部材(例1乃至7)と比較すると、図9に示される受入、貯蔵及び不動化の三次元空間において異なる区域を明らかに占める。図9は、現行技術の構造部材と、粘性流体身体排泄物(例えば、100%母乳で育てられる小児から通常排泄されるような)を処理する際に、本発明の構造部材(例1乃至7)との受入、貯蔵及び不動化の効率の相違を示す。この同一の利点は、図10に示される受入、貯蔵及び保持の三次元図においても明らかである。例(C1乃至C5及び1乃至7)についての粘性流体身体排泄物の受入及び貯蔵の性能の関係が、図11におけるグラフにプロットされる。図12は、例の不動化と保持の性能を具体的に示し、また図13は、粘性流体身体排泄物の貯蔵と不動化の関係を示す。図14は、粘性流体身体排泄物の圧力下での貯蔵と圧力下での感応性の関係を示す。
【0170】
本発明の特定の実施例を図示し説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の他の変形及び変更をすることができるのは、当業者とって明らかである。したがって、記載されたの請求項において、本発明の範囲内にある全てのそのような変形と変更を包含しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】真下の構造部材を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の吸収性物品の実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図2】構造物の圧力下での許容値と圧力下での貯蔵値の特性を測定するのに使用できる機器の模式正面図である。
【図3】構造物の保留特性、及び圧縮変転下での不動化特性を測定するのに使用できる機器の模式側面図である。
【図4】図3に示される機器の一片の平面図である。
【図5】真下の構成部分を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の一実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図6】図5のおむつの線6−6についての断面図である。
【図6A】本発明の別の実施例の断面図である。
【図7】真下の構造部材を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の一実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図8】本発明の別の実施例の平面図である。
【図9】代表的な構造物の圧力下での許容値と、圧力下での貯蔵値と、及び圧縮変転下での不動化値との間の関係を示す三次元グラフ図である。
【図10】代表的な構造物の圧力下での許容値と、圧力下での貯蔵値と、及び保留値との間の関係を示す三次元グラフ図である。
【図11】代表的な構造物の圧力下での許容値と圧力下での貯蔵値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図12】代表的な構造物の保留値と圧縮変転下での不動化値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図13】代表的な構造物の圧縮変転下での不動化値と圧力下での貯蔵値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図14】代表的な構造物の圧力下での貯蔵値と圧力下での感応性値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図15】本発明の貯蔵要素の透視説明図である。
【図16】貯蔵要素の第2の実施例の透視説明図である。
【図17】貯蔵要素の第3の実施例の透視説明図である。
【図18】貯蔵要素の第4の実施例の透視説明図である。
【図19】貯蔵要素の第5の実施例の透視説明図である。
【図20】本発明の貯蔵要素の他の実施例の平面説明図である。
【図21】本発明の貯蔵要素の他の実施例の平面説明図である。
【図22】本発明の貯蔵要素を製造する方法と装置の模式説明図である。
【図23】本発明の貯蔵要素を製造する方法と装置の他の実施例の模式説明図である。
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品を含む、身体排泄物を吸収及び/又は収容する物品に関する。特に、本発明は、改良された便状物質管理特性を有する使い捨て吸収性物品に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
おむつ、及び成人失禁用ブリーフのような吸収性物品の主な機能は、身体排泄物が、着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品を汚し、濡らし、又はその他の形で汚染することを防止することにある。近年になって、1975年1月14日にKenneth Barclay Buellへ付与された米国特許第3,860,003号に開示されるもののような使い捨ておむつが、一般に数多く使用されており、その便宜性と確実性のために、耐久性のある布製の吸収性物品に取って代わってきた。しかしながらそのような使い捨て吸収性物品の有効性にもかかわらず、身体排泄物は、依然漏れたり、又はおむつ内に貯蔵するので、着用者の皮膚を汚したり、及び/又は刺激することが多い。
【0003】
漏れ及び/又は不適当な収容の好ましくない影響は、おむつ内に堆積される便状物質に関して特に明らかである。おむつ内に堆積される便が経時的に着用者の皮膚を傷める恐れがあり、またおむつからの便の漏れにより、殆ど例外なく不快で厄介な清浄化処置が必要となる。かくして、バリヤー、ポケット、スペーサ、横方向バリヤー、及び開口トップシートなどの機能をおむつへ付与し、及び/又は便状物質をおむつ内に一層効果的に収容しようとする幾つかの試みがなされてきた。しかしながらそのような試みは、そのコストと複雑性により、又は便の悪影響の減少には限界があることにより、一般に成果をあげていない。
【0004】
本発明を身体排泄物の改良された管理を提供するように適応できるが、以下に説明される実施例は、粘性流体身体排泄物の管理に特に適切である。そのような粘性流体身体排泄物には、軟便又は流動性便などが含まれ、そのような便は、尿より一般に粘性が高いが、通常の固形成人便よりも低い。粘性流体身体排泄物は、尿のような非常に低粘性流体を取り入れ移送する通常の毛管作用により、そのような粘性流体身体排泄物を移動するには不十分であるので、従来の吸収性構造物に吸収及び/又は収容するのが難しい。かくして粘性流体身体排泄物は、物品のトップシート上に溜まることが多く、そこにおいて移動が一般に制限されないので、着用者の皮膚へ近づき接触する。更に排泄物の流体特性により、トップシートを通して排泄物が流れ、時には物品から漏れる。したがって粘性流体身体排泄物の特殊な特性は、受入れ、貯蔵及び圧縮変転下での不動化の構造物により、対応する必要がある。
【0005】
したがって、改良された便管理特性を有する吸収性構造物を提供することが望ましい。更に着用者又は介護者への悪影響を最小にする機能を有する経済的な使い捨て吸収性物品を提供することが好都合であろう。また便状物質、特に軟便又は流動性便のような比較的低粘性便状物質のような粘性流体身体排泄物を受入れるように特に設計された吸収性物品を提供することが好都合であろう。更に予定使用期間を通して着用者の皮膚及び/又は衣類から安全かつ清浄に離して、中に堆積された便を貯蔵するに足る有効容量と保持能力を有する吸収性物品を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
粘性流体身体排泄物を一層良く管理するために、本発明は、第1のウエスト区域、第1のウエスト区域に対向する第2のウエスト区域、及び第1のウエスト区域と第2のウエスト区域との間に配設される股区域を有する吸収性物品を提供する。吸収性物品は好ましくは、液体透過性トップシート、トップシートの少なくとも一部分へ接合される液体不透過性バックシート、トップシートの少なくとも一部分とバックシートとの間に配設される吸収性コア、及び股区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素を含む。排泄物管理要素は、エネルギー入力のミリジュール当たり、かつ排泄物管理要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.50グラムよりも大きい、圧力下での許容値を有する。この改良された受入性能により、粘性流体身体排泄物をその物品により急速かつ効果的に吸収することができる。吸収性物品は好ましくは、排泄物を着用者の皮膚から離して貯蔵する箇所を提供するように、排泄物管理要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約0.70グラムの圧力下での貯蔵値を有する。したがって本発明の吸収性物品は、着用者の皮膚を傷める可能性を減少し、及び/又は排便及び特に流動性便に通常関与する介護者の不便を減少できる。
【0007】
本明細書は、本発明とみなされる、特に指摘されかつ明確に請求される内容を請求項に含めるが、その説明は、同様な表示記号がほぼ同一の要素を指すのに図面中で使用される添付図面を参照してなされる以下の説明から一層良く理解されると信じられる。
【0008】
本明細書で使用される用語「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収し収容する物品を指し、具体的には、着用者の身体へ押付けられ、又はそれに近接し、身体から排出される種々の排泄物を吸収し収容する物品を指す。用語「使い捨て」とは、吸収性物品として一般に洗濯もしくは他の方法で回復又は再使用されないのを意図する吸収性物品を説明するのにここでは使用される(すなわち、その物品は、一回の使用後に廃棄され、また好ましくは環境に適応した仕方でリサイクルされるか、堆肥化されるか、又は他の方法で処分されるのを意図する)。(ここで使用される用語「配設される」とは、おむつの1つ又はそれ以上の要素が、おむつの他の要素と共に単一の構造物として、又はおむつの他の要素へ接合される別個の要素として、特定の場所又は位置に形成(接合又は位置決め)されることを意味するのに使用される。ここで使用される用語「接合される」とは、1つの要素が、他の要素へ装着することにより、他の要素へ直接固定される接続形態、及び1つの要素が、中間部材へ装着することにより間接的に固定され、その中間部材がついで他の要素へ装着される接続形態を包含する。)「単一の」吸収性物品とは、共に接合される別個の部分から形成されて、別個のホルダー又はライナーのような別個の操作部分を必要としないように連係された実体を形成する吸収性物品を指す。本発明の吸収性物品の好ましい実施例は、図1に示される単一の使い捨て吸収性物品のおむつ20である。ここで使用される用語「おむつ」とは、一般に幼児及び失禁者により胴体下部の周りに着用される吸収性物品を指す。
また本発明は、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収用挿入部材、おむつホルダーとライナー、女性用衛生衣類、拭き取り用品、モップ及び包帯などのような他の吸収性物品にも適用できる。
【0009】
図1は、平坦にした状態における本発明のおむつ20の平面図であり、おむつ20の構成をより明確に示すために構造物の一部を切り欠いている。着用者に面するおむつ20の部分は、観察者へ向けて配向される。図1に示されるようにおむつ20は好ましくは、液体透過性トップシート24と、液体不透過性バックシート26と、トップシート24の少なくとも一部とバックシート26との間に好ましくは位置決めされる吸収性コア28と、サイドパネル30と、弾性脚カフス32と、弾性ウエスト機能部分34と、及び一般に40で示される締結システムとを含む。おむつ20は、図1において、第1のウエスト区域36、第1のウエスト区域36に対向する第2のウエスト区域38、及び第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38との間に配設される股区域37を有するのが示される。おむつ20の周囲は、おむつ20の外縁部により形成され、そこにおいて長手方向縁部50が、おむつ20の長手方向中心線100へ一般に平行に設けられ、また端部縁部52が、おむつ20の横方向中心線110へ一般に平行な長手方向縁部50の間に設けられる。
【0010】
おむつ20の基台22は、おむつ20の本体を含む。基台22は、吸収性コア28の少なくとも一部と、及び好ましくは、トップシート24とバックシート26を備える外部被覆層とを含む。吸収性物品が別個のホルダーとライナーを含むならば、基台22は、一般にホルダーとライナーを含む。(例えば、ホルダーは物品の外部被覆を形成するように1枚以上の材料層を含むことができ、またライナーはトップシート、バックシート及び吸収性コアを備える吸収性集成物を含むことができる。そのような場合、ホルダー及び/又はライナーは、使用期間を通してライナーを所定位置に保持するのに使用される締付け部材を含むことができる。)単一の吸収性物品の場合、基台22は、おむつの主要構造部材を含み、他の機能部分がおむつ構造物を形成するために付加される。トップシート24、バックシート26及び吸収性コア26は、種々の既知の接続形態で集成できるが、おむつの好ましい接続形態は、一般に下記の特許に記載される。すなわち、1975年1月14日にKenneth B.Buellへ付与された「使い捨ておむつの収縮性側部分」という名称の米国特許第3,860,003号、1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号、1992年9月9日にBuellへ付与された米国特許第5,151,092号、1996年9月10日にRoeなどへ付与された「多ゾーン構造的弾性状フイルムエブ延伸自在ウエスト機能部分を有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,554,145号、1996年10月29日にBuellなどへ付与された「使い捨てプルオンパンツ」という名称の米国特許第5,569,234号、1996年12月3日にNeaseなどへ付与された「吸収性物品用サイドパネルを製造するゼロスクラップ方法」という名称の米国特許第5,580,411号、及びRoblesなどの名前で1997年8月20日に出願された「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品」という名称の米国特許出願番号08/915,471であり、以上の特許のそれぞれはここに参照として組込まれる。
【0011】
バックシート26は、吸収性コア28の衣類に面する表面45に隣接して位置決めされる一般におむつ20の部分であり、それに吸収及び収容される排泄物が、ベッドシーツや下着などのおむつ20と接触する物品を汚すのを防止する。好ましい実施例においてバックシート26は、液体(例えば尿)に対して不透過であり、また約0.012mm(0.5ミル)乃至約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フイルムのような薄いプラスチックフイルムを含む。
適切なバックシートフイルムには、インディアナ州Terre HauteにあるTredegar Industries Inc.により製造され、かつX15306、X10962及びX10964の商品名で販売されるものがある。
他の適切なバックシート材料は、排泄物がバックシート26を通過するのを依然防止しながら、蒸気がおむつ20から逃げることができる通気性材料でもよい。
代表的な通気性材料として、織ウエブ、不織ウエブ、フイルム被覆不織ウエブのような複合材料、及びESPOIR NOの名称で日本の三井東圧株式会社により、またEXXAIREの名称でテキサス州Bay CityにあるEXXON Chemical Co.により製造されるような多孔性フイルムなどがある。ポリマーブレンドを含む適切な通気性複合材料は、HYTRELブレンドP18−3097の名称でオハイオ州シンシナチにあるClopay Corporationから入手できる。そのような通気性複合材料は、E.I.DuPontの名前で1995年6月22日に公告されたPCT出願番号WO 95/16746、及びCurroの名前で1996年11月6日に出願された同時係属米国特許出願番号08/744,487に詳細に記載される。不織ウエブ及び開口形成フイルムを含む他の通気性バックシートは、1996年11月5日にDobrinなどに付与された米国特許第5,571,096号に記載される。これらの参考特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0012】
バックシート26、又はその一部分は、1つ以上の方向に弾性的に延伸自在にできる。一実施例においてバックシート26は、構造的に弾性状のフイルム(「SELF」)ウエブを含むことができる。構造的に弾性状のフイルムエブは、追加の弾性材料を使用することなく、伸び方向に弾性状挙動を示す延伸自在の材料である。SELFウエブは、少なくとも2つの連続し別個のかつ異なる区域を有する緊張自在の網目を含む。好ましくは区域の1つは、所定の軸へ平行な方向に加えられる軸方向の伸びに応答して抵抗力を生じてから、他の区域のかなりの部分が、その加えられた伸びに対してかなりの抵抗力を発生するように構成される。区域の少なくとも1つは、材料が非引っ張り状態にある間に、所定の軸に対してほぼ平行に測定した時に、他の区域のものよりも大きい表面通路長さを有する。この長い表面通路長さを示す区域は、他の区域の平面を越えて延びる1つ以上の変形部を含む。SELFウエブは、所定の軸に平行な方向に加えられる伸びを受ける時、少なくとも1つの所定の軸に沿う伸びに対して制御された抵抗力の少なくとも2つのかなり異なる段階を示す。SELFウエブは、ウエブの伸びが、長い表面通路長さを有する区域のかなりの部分を、加えられた伸びの平面に入りきるよう延びるまで、加えられた伸びに対して第1の抵抗力を生じ、その結果、SELFウエブは、さらなる伸びに対して第2の抵抗力を生じる。伸びに対する合計抵抗力は、第1の区域により提供された伸びに対する第1の抵抗力よりも大きい。本発明にとり適切なSELFウエブは、1996年5月21日にChappellなどに付与された「弾性状挙動を示すウエブ材料」という名称の米国特許第5,518,801号に一層詳細に記載され、ここに参照として組込まれる。他の実施例においてバックシート26は、弾性フイルム、フォーム、ストランド、もしくはこれら又は他の適切な材料と不織フイルム又は合成フイルムとの組合せ含むことができる。
【0013】
バックシート26は、技術上既知の装着手段により、トップシート24、吸収性コア28又はおむつ20の他の要素へ接合できる。例えば、装着手段としては、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン層、もしくは接着剤の個々の線、渦巻き又は点の列を含むことができる。1つの好ましい装着手段は、接着剤のフィラメントの開放パターン網目を含み、それは、1986年3月4日にMinetolaなどに付与された「使い捨て排泄物収容衣類」という名称の米国特許第4,573,986号に開示される。他の適切な装着手段としては、渦巻き状に渦を巻いた接着剤フィラメントの数本の線を含み、以下の特許に示される機器と方法により図示される。すなわち、1975年10月7日にSprague,Jr.に付与された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZieckerなどに付与された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にWereniczに付与された米国特許第4,842,666号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。妥当であると判明した接着剤は、ミネソタ州セントポールにあるH.B.Fuller Companyにより製造され、かつHL−1620及びHL−1358−XZPとして市販される。代わりに、装着手段は、加熱接着、圧力接着、超音波結合、動的機械的接着、もしくは技術上周知であるように他の適切な接着手段又はこれらの接着手段の組合せを含むことができる。
【0014】
トップシート24は好ましくは、吸収性コア28の本体表面47に隣接して位置決めされ、また技術上既知の装着手段により吸収性コア28へ、及び/又はバックシート26へ接合できる。適切な装着手段は、バックシート26をおむつ20の他の要素へ接合する手段に関して前述した通りである。本発明の1つの好ましい実施例においてトップシート24及びバックシート26は、幾つかの箇所において互いに直接接合され、またおむつ20の他の要素へそれらを直接接合することにより、他の箇所において共に間接的に接合される。
【0015】
トップシート24は好ましくは、着用者の皮膚に対して形状が合致し、柔らかな感触を与え、非刺激性のものである。更にトップシート24の少なくとも一部分は、液体透過性であり、その厚さを通して液体を容易に浸透できるものである。適切なトップシート24は、多孔性発泡体、網状発泡体、開口化プラスチックフイルム、もしくは天然繊維(例えば木材繊維又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)又は天然繊維と合成繊維の組合せの織ウエブ又は不織ウエブなどの広範囲の材料で製造できる。吸収性集成物が繊維を含むならば、その繊維は、スパンボンド布、カード布、ウエットレイド布、メルトブラウン布、ヒドロエンタングル布又は技術上既知の他の方法で処理した布でよい。ステープル長ポリプロピレン繊維のウエブを含む1つの適切なトップシート24は、P−8の名称でマサチューセッツ州WalpoleにあるVeratec,Inc.、a Division of International Paper Companyにより製造される。
【0016】
適切に形成されたフイルムトップシートは、以下の特許に記載される。すなわち、1975年12月30日にThompsonに付与された「先細の毛細管を有する吸収性構造物」という名称の米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneなどに付与された「耐汚染性トップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にRadelなどに付与された「繊維状特性を示す弾性プラスチックウエブ」という名称の米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にAhrなどに付与された「非光沢可視表面と布状触覚を示す巨視的に発泡された三次元プラスチックウエブ」という名称の米国特許第4,463,045号、及び1991年4月9日にBairdに付与された「多層ポリマーフイルム」という名称の米国特許第5,006,394号である。他の適切なトップシート30は、1986年9月2日及び1986年12月16日にそれぞれCurroなどに付与された米国特許第4,609,518号及び第4,629,643号に従って製造され、その両方の特許はここに参照として組込まれる。そのように形成されたフイルムは、「DRI−WEAVE」としてオハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから、及び「CLIFF−T」としてインディアナ州Terre HauteにあるTredegar Corporationから入手できる。
【0017】
好ましくはトップシート24は、着用者の皮膚を吸収性コア28に収容される液体から隔離するために、疎水性材料から製造されるか、又は疎水性であるように処理される。トップシート24が疎水性材料から製造されるならば、好ましくはトップシート24の少なくとも上面は、液体がトップシートを通して一層急速に移行するように親水性であるように処理される。これにより、身体排泄物がトップシート24を通して引き出され吸収性コア28により吸収されないで、むしろトップシートから外へ流出する可能性が減少する。トップシート24は、界面活性剤で処理することにより、又は界面活性剤をトップシート中に組込むことにより親水性にされることができる。界面活性剤でトップシート24を処理する適切な方法には、トップシート24の材料を界面活性剤で噴霧する方法、及びその材料を界面活性剤中に浸漬する方法がある。そのような処理と親水性の詳細な検討は、以下の特許に記載される。すなわち、1991年1月29日にReisingなどに付与された「多層吸収層を有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にReisingに付与された「急速に吸収する吸収性コアを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,988,345号である。トップシートに界面活性剤を組込む幾つかの適切な方法の詳細な検討は、Azizなどの名前で1997年7月1日に公告された米国法定発明登録番号H1670に見出すことができる。これらの参考特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。代わりに、トップシート24は、疎水性である開口化ウエブ又はフイルムを含むことができる。これは、生産工程から親水性処理段階を無くし、及び/又は後述するように、SCOTCHGUARDのようなポリテトラフルオロエチレン化合物又は疎水性ローション配合物のような疎水性処理剤をトップシート24へ適用して、達成できる。そのような実施例において、開口は、かなりの抵抗無しに水性の流体状尿を通過させるに足るように大きいことが好ましい。
【0018】
トップシート24の一部分に、技術上既知のローションを塗布できる。適切なローションの例としては、以下の特許に記載されるものがある。すなわち、1997年3月4日にRoeに付与された「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル不動化剤を含有するローション処理されたトップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,607,760号、1997年3月11日にRoeに付与された「液体ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と不動化剤から成るローショントップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,609,587号、1997年6月3日にRoe他に付与された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローション処理されたトップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,635,191号、及び1997年7月1日にRoe他に付与された「ローション処理されたトップシートを有するおむつ」という名称の米国特許第5,643,588号である。ローションは、上述の疎水性化処理として、単独又は他の薬剤と組合せて機能できる。トップシートは、抗菌剤を含有するか、又はそれで処理でき、その幾つかの例が、Theresa Johsonの名前で1995年9月14日に公告された「臭い抑制のためにトップシート内に抗菌剤を含有する吸収性物品」という名称のPCT公開番号WO95/24173に開示される。更にトップシート24、バックシート26、もしくはトップシート又はバックシートの一部分を、一層布状外観を形成するために浮き出し加工及び/又は艶消仕上加工をすることができる。
【0019】
吸収性コア28は、着用者の皮膚に対して一般に圧縮性があり、形状合致で非刺激性であり、また尿及び一定の身体排泄物のような液体を吸収かつ保持できる吸収性材料を含むことができる。吸収性コア28は、広範囲のサイズと形状(例えば方形形状、中央が細い形状、T形形状、非対称形状など)に製造でき、またエアフェルトと一般に呼ばれる微粉砕された木材パルプのような、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通常使用される広範囲の液体吸収材を含むことができる。他の適切な吸収材の例としては、縮みセルロース詰め物(creped cellulose wadding)、コーフォームを含むメルトブラウンポリマー、化学的に剛化あるいは改質又は架橋されたセルロース繊維、組織ラップと組織積層を含む組織、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、もしくは他の既知の吸収性材料又は材料の組合せとがある。
【0020】
吸収性コア28の形状と構造も変えることができる(例えば、吸収性コア又は他の吸収性構造部材は、異なる厚さのゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又は低平均密度と低平均坪量の獲得帯(acquisition zones)を有することができるか、もしくは1つ以上の層又は構造部材を有することができる)。しかしながら吸収性コア28の合計吸収容量は、設計負荷とおむつ20の意図される用途に対応すべきである。
【0021】
吸収性集成物として使用される代表的な吸収性構造物が以下の特許に記載される。すなわち、1986年9月9日にWeismanなどに付与された「高密度吸収性構造物」という名称の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanなどに付与された「二重層コアを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,673,402号、1989年5月30日にAlemanyなどに付与された「低密度と低坪量の獲得帯(acquisition zones)を有する高密度吸収性部材」という名称の米国特許第4,834,735号、1989年12月19日にAngstadtに付与された「除塵層を有する吸収性コア」という名称の米国特許第4,888,231号、1992年8月11日にHerronらなどに付与された「単一化されたポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収構造」という名称の米国特許第5,137,537号、1992年9月15日にYoungらなどに付与された「失禁管理用の高効率吸収性物品」という名称の米国特許第5,147,345号、1994年8月30日にRoeに付与された「低粘性便状物質用の使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,342,338号、1993年11月9日にDesMaraisなどに付与された「水性身体排泄物用の吸収性発泡材料とそのような材料を含む吸収性物品」という名称の米国特許第5,260,345号、1995年2月7日にDyerなどに付与された「水性身体排泄物用の湿潤まで薄い吸収性発泡材料及びその材料を製造するプロセス」という名称の米国特許第5,387,207号、及び1997年7月22日にDesMaraisなどに付与された「非常に高い水対油比を有する高不連続相エマルジョンから製造された水性流体用の吸収性発泡材料」という名称の米国特許第5,625,222号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0022】
おむつ20は、改良された適合と収容に役立つ少なくとも1つの弾性ウエスト機能部材34も有することができる。弾性ウエスト機能部材34は、着用者のウエストに動的に適合するために、一般に弾性的に伸縮するようになっている。弾性ウエスト機能部材34は好ましくは、吸収性コア28の少なくとも1つのウエスト縁部62から少なくとも長手方向外側に延び、またおむつ20の端部縁部52の少なくとも一部分を一般に形成する。使い捨ておむつは、1つが第1のウエスト区域36に位置決めされ、1つが第2のウエスト区域38に位置決めされる2つの弾性ウエスト機能部材を有するように構成されることが多い。更に、弾性ウエスト機能部材34又はその要素は、おむつ20へ装着される1つ以上の別個の要素を含むことができるが、弾性ウエスト機能部材34は、バックシート26、トップシート24、又は両方のバックシート26とトップシート24のようなおむつ20の他の要素の伸張部として構成できる。
【0023】
弾性ウエスト機能部材34は、以下の特許に記載されるものを含む幾つかの異なる形状で構成できる。すなわち、1985年5月7日にKievitなどに付与された米国特許第4,515,595号、1987年12月1日にLashに付与された米国特許第4,710,189号、1992年9月9日にBuellに付与された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号である。他の適切なウエスト形状は、1991年6月25日にRobertsonに付与された米国特許第5,026,364号、及び1989年3月28日にForemanに付与された米国特許第4,816,025号に記載されるものようなウエストキャップを含むことができる。上述の引例の全ては、ここに参照として組込まれる。
【0024】
おむつ20は、締結システム40も含有できる。締結システム40は好ましくは、着用者上におむつ20を保持するために、おむつ20の周辺に横方向張力を形成するように、重なる形状に第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38を維持する。締結システム40は好ましくは、構造部材を締付けるテープタブ及び/又はフックとループを含むことができる。ただし他の既知の締結手段も一般に受入れできる。幾つかの代表的な締結システムが、以下の特許に開示される。すなわち、1974年11月19日にBuellに付与された「使い捨ておむつ用のテープ締結システム」という名称の米国特許第3,848,594号、1987年5月5日にHirotsuなどに付与された「吸収性物品」という名称の米国特許第B1−4,662,875号、1989年7月11日にScrippsに付与された「改良された締結装置を有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,846,815号、1990年1月16日にNestegardに付与された「改良されたフック締結装置部分を有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,894,060号、1990年8月7日にBattrellに付与された「粘着締結装置とそれを製造する方法」という名称の米国特許第4,946,527号、及び1992年9月9日にBuellに付与され、ここで先に引用された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号である。締結システムは、1990年10月16日にRobertsonなどに付与された米国特許第4,963,140号に開示される使い捨て形状の物品を保持する手段も設けることができる。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。別の実施例において、衣類の両側を接合又は溶接してパンツを形成できる。これにより、物品を、トレーニングパンツのようなプルオン式(引っ張ってはく)おむつとして使用できる。
【0025】
おむつ20は、サイドパネル30も含むことができる。サイドパネル30は、おむつ20が排泄物を受けた時に、着用者へ先ずおむつ20を従順に適合させ、ついで着用期間を通して適合を維持することにより、一層快適で輪郭適合を形成するように弾性又は延伸自在にできる。というのは、弾性化したサイドパネル30により、おむつ20の両側が広がり、かつ伸縮できるからである。使用中に、おむつ着用者が一方のサイドパネル30を他方のサイドパネル30よりも更に引っ張る場合でも、着用中、おむつ20が「自己調整」するので、サイドパネル30により、おむつ20の一層有効な使用ができる。
【0026】
本発明のおむつ20は好ましくは、第2のウエスト区域38に配設されるサイドパネル30を有するが、おむつ20には、第1のウエスト区域36又は両方の第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38に配設されるサイドパネル30を設けることができる。サイドパネル30は、適切な形状で構成できる。弾性化されたサイドパネル30を有するおむつの例は、以下の特許に開示される。すなわち、1989年8月15日にWoodなどに付与された「シャーリングを付けた耳パネルを有する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,857,067号、1983年5月3日にSciaraffaなどに付与された米国特許第4,381,781号、1990年7月3日にVan Gompelなどに付与された米国特許第4,938,753号、1992年9月9日にBuellに付与された、ここで先に引用された米国特許第5,151,092号、及び1993年6月22日にBuellに付与された米国特許第5,221,274号、1997年9月23日にLaVonなどに付与された「動的適合を維持する吸収性物品」という名称の米国特許第5,669,897号、及びRoblesなどの名前で1993年11月19日に出願された「多方向延伸性のサイドパネルを有する吸収性物品」という名称の米国特許出願第08/155,048号があり、これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0027】
おむつ20は好ましくは、液体及び他の身体排泄物の収容方法を改良したレッグカフス32を更に含有する。レッグカフスは、脚部バンド、サイドフラップ、バリヤカフス又は弾性カフスとも呼ぶことができる。米国特許第3,860,003号には、サイドフラップを有する収縮自在の脚開口部と弾性化されたレッグカフス(ガスケットカフス)を形成する1つ以上の弾性部材を備える使い捨ておむつが開示される。1989年2月28日及び1990年3月20日それぞれにAzizなどに付与された米国特許第4,808,178号及び第4,909,803号には、脚部区域の収容方法を改良する「直立」する弾性化されたフラップ(ガスケットカフス)を有する使い捨ておむつが記載される。それぞれ1987年9月22日にLawsonに付与され、及び1989年1月3日にDragooに付与された米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号には、ガスケットカフスとガスケットカフスを含む二重カフスを有する使い捨ておむつが記載される。幾つかの実施例において、上述のようにローションでレッグカフスの全て又は一部分を処理するのが望ましいことがある。
【0028】
本発明の実施例は、排泄物を受容し収容するポケット、排泄物用の空隙を形成するスペーサ、物品内での排泄物の移動を制限するバリヤ、及びおむつ内に堆積される排泄物を受容し収容する隔室、または空隙など、又はそれらの組合せも備えることができる。吸収性物品に使用されるポケットとスペーサの例は、以下の特許に記載される。すなわち、1996年5月7日にRoeなどに付与された「排除スペーサを有するおむつ」という名称の米国特許第5,514,121号、1992年12月15日にDreierなどに付与された「コアスペーサを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,171,236号、1995年3月14日にDreierに付与された「ポケットカフスを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,397,318号、1996年7月30日にDreierに付与された「頂点を備えたポケットカフスを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,540,671号、及び1993年12月3日に公告された「吸収性衛生物品に使用されるスペーサ及びそのようなスペーサを有する使い捨て吸収性物品」という名称のPCT出願番号WO−93/25172、及び1994年4月26日にFreelandに付与された「使い捨て吸収性物品に使用される屈曲自在のスペーサ」という名称の米国特許第5,306,266号である。隔室又は空隙の例は、以下の特許に開示される。すなわち、1990年11月6日にKhanに付与された「便を区分する使い捨ておむつ」という名称の米国特許第4,968,312号、1991年2月5日にFreelandに付与された「排泄物隔離用の弾性ライナーを有する吸収性物品」という名称の米国特許第4,990,147号、
1991年11月5日にHoltなどに付与された「使い捨ておむつ」という名称の米国特許第5,62,840号、及び1993年12月14日にFreelandなどに付与された「使い捨て吸収性物品に使用される3セクションのトップシート及びそのような3セクションのトップシートを有する使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,269,755号である。適切な横方向バリヤの例は、以下の特許に記載される。すなわち、1996年9月10日にDreier等の名前で付与された「複数の有効高さの横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称の米国特許
第5,554,142号、1994年7月7日にFreelandなどの名前で公告された「直立する横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称のPCT出願番号WO−94/14395、及び1997年8月5日にRoeなどに付与された「斜めに直立する横方向仕切りを有する吸収性物品」という名称の米国特許第5,653,703号である。上述の引例の全ては、ここで参照として組込まれる。
【0029】
上述の空隙、ポケット及びバリヤに加えて、又はそれらの代わりに、本発明の実施例は好ましくは、流動性便のような粘性流体身体排泄物を効果的にかつ有効に受入れ、貯蔵及び/又は不動化できる排泄物管理要素120を備えることができる。排泄物管理要素120は、股区域又はウエスト区域一方を含む物品内の任意の区域に位置決めでき、またコア28やレッグカフスのような構造部材に接続できるか、又はその中に備えることができる。好ましい実施例において排泄物管理要素120は、着用した時に着用者の肛門に近い、物品中の区域内に位置決めできる。これにより、排出された排泄物が排泄物管理要素120上に、又はその近くに確実に堆積される。
【0030】
ここで使用される用語「粘性流体身体排泄物」すなわち「VFBW」とは、身体から排出される排泄物を一般に指し、その排泄物は、調整された応力レオメトリー計上の平行なプレートを使用して調整された応力レオメトリー計測定法試験において、1/秒のせん断速度(約35度Cにおける)において約10cPよりも大きく、かつ約2×105cP未満の粘性、特に1/秒のせん断速度で約103cPと105cPとの間の粘性を有する。(参考までに、水は、20度Cにおいて1.0cPであり、またJif Creamyピーナッツバター(オハイオ州シンシナティにあるThe Procter& Gamble Companyから入手できる)は、同一のせん断速度で25度Cにおいて約4×105cPである)。ここで使用される、粘性を測定する方法は、以下の試験方法の項で詳細に説明される。
【0031】
ここで使用される用語「受入れる」又は「受入」とは、構造部材上に堆積される物質による構造部材の浸透を指す。具体的には、受入という用語は、試験方法の項に述べられる圧力下での受入試験に規定される条件を受けた時の流体による構造部材の浸透を指す。浸透は、物質が上に堆積された構造部材の表面を通る物質の通過により定義される。不均一な構造部材の浸透は、物質が上に堆積された構造部材の表面を形成する平面を通る物質の通過と定義される。圧力下での受入、又は「受入」は、なされた単位仕事当たりで単位面積当たり構造部材の表面を浸透する物質の量として測定される。「仕事」とは、ある長さを通しての力の適用を指すエネルギー用語である。かくしてパワーを一層容易に受入れる構造部材すなわち要素は、構造部材により受入れられる粘性流体身体排泄物の単位質量当たり消費されるエネルギーを少なくて済む。VFBWによる構造部材の浸透を記述する別の性能パラメータは、「感応性」である。ここで使用される用語「感応性」とは、試験方法の項に述べられる圧力下での感応性試験に規定される条件を受けた時にパワーの単位当たり単位面積当たり流体による構造部材の浸透を指す。圧力下での感応性又は「感応性」は、パワーの単位当たり単位面積当たり構造部材の表面を浸透する物質の量として測定される。「パワー」とは、時間の関数としてなされた仕事の量を指す用語である(すなわち仕事がなされる速度)。
【0032】
好ましい実施例において本発明の吸収性物品は、エネルギー入力mJ(ミリジュール)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.5gよりも大きい圧力下での受入を有する排泄物管理要素120を備えるべきである。より好ましくは、排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.6g/in2/mJよりも大きい圧力下での受入を有する。更により好ましくは、排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.8g/in2/mJよりも大きい、また最も好ましくは約1.0g/in2/mJよりも大きい圧力下での受入を有する。一般に、少なくとも0.6g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間、及び約0.8g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間の圧力下での許容値が、受入れできることが判明している。
代わりに、排泄物管理要素120は、パワーのミリワット(mW)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約1.5グラム、より好ましくは約3.0g/in2/mWより大きい、更により好ましくは約5.0g/in2/mWより大きい、最も好ましくは約10.0g/in2/mWより大きい圧力下での感応性を有するべきである。一般に、圧力下での感応性は、約1.5と50.0g/in2/mWとの間にあり、また約5.0と約50.0g/in2/mWとの間にあってもよい。(これらの好ましい圧力下での受入と感応性のパラメータは、使用を意図する時に、好ましくは評価される単一物品に関する。すなわち使用を意図する物品が2つ以上の構造部材又は層を含むならば、物品の構造部材又は層の全ては、その性能の測定時に通常使用する時と同じように構成すべきである。圧力下での受入れ性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0033】
圧力下での受入性能が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に浸透させるために、更なる仕事が成されなければならない。(すなわちシステムへのより多くのエネルギー入力)。これは、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に押し入れるのに利用できるエネルギーが、限定され、かつ着用者から着用者へまた着用サイクルから着用サイクルへ変わるので、重要である。圧力下での感応性が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を排泄物管理要素120に浸透させるために、より多くのパワーが必要である(すなわち一定量のエネルギー入力が、より長期間にわたり必要である)。これは、実際の使用条件における多くのエネルギー源が、短期間のものであるので(例えば着用者の動き)、重要である。更に粘性流体身体排泄物の特性は、様々な着用者の間でかなり変わる。したがって、単位仕事又は単位パワー当たりの高い粘性流体身体排泄物浸透を有する構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の絶対量は、低い許容値を有する構造部材を浸透する量よりも大きいであろう。高い許容値又は感応性値も、受入れた粘性流体身体排泄物排出の一部分だけを貯蔵及び不動化できるので、吸収性物品の全体性能にとって重要である。
【0034】
一旦、粘性流体身体排泄物が排泄物管理要素120を浸透すると、着用の残りのサイクル中に着用者から離れて、及び交換処置中に介護者から離して排泄物を貯蔵又は保持するのが望ましい。ここで使用される用語「貯蔵」とは、おむつに堆積した物質が着用者の皮膚へ直接に接触又は接近しないように、おむつに堆積した物質を物品の身体に面する表面からの物理的な分離を指す。圧力下での貯蔵又は「貯蔵」は、以下の試験方法の項で説明されるように、単位面積当たり構造部材上に保持される物質量として測定される。圧力下での貯蔵容量が低過ぎるならば、構造部材の単位面積当たりの皮膚のアクセスから離れて貯蔵できる粘性流体身体排泄物の絶対量は減少するであろう。貯蔵された粘性流体身体排泄物が、漏れと物品内の移染によって構造部材の身体に面する表面に対して存在する可能性は殆どなく、漏れの確率と粘性流体身体排泄物により汚染される皮膚の領域を減少するためには妥当な貯蔵容量が不可欠である。
【0035】
本発明の好ましい実施例において吸収性物品は、粘性流体身体排泄物の排泄物管理要素120の平方インチ当たり約0.70グラム(g/in2)よりも大きい圧力下での貯蔵値を有する排泄物管理要素120を備えるべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約0.80g/in2よりも大きい圧力下での貯蔵値を有すべきである。更により好ましくは排泄物管理要素120は、粘性流体身体排泄物の約1.0g/in2よりも大きい、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約1.2g/in2よりも大きい圧力下での貯蔵値を有すべきである。一般に、圧力下での貯蔵値は、少なくとも約0.8g/in2と約10.0g/in2との間、及び約1.0g/in2と約10.0g/in2との間が受入できることが判明している。(これらの好ましい圧力下での貯蔵パラメータは、使用を意図するときに、好ましくは評価される単一物品に関する。したがって、物品の構造部材又は層の全ては、その性能が測定されるときに通常の使用中であるように構成すべきである。圧力下での貯蔵性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0036】
圧力下での貯蔵値のパラメータは、一定の適用圧力の下で単位面積当たり構造部材内に吸収できる粘性流体身体排泄物の量の絶対的尺度である点で、圧力下での受入又は感応性のパラメータと異なる。一方、受入又は感応性は、物質を構造部材へ強制的に浸透させるために、それぞれ消費されるエネルギー又は入力されるパワーにより常態にされる吸収物質の量の尺度である。それらの数値のそれぞれは、それ自体による値のものであるが、一定の構造部材の全体性能の一層正確な状況を示すパラメータの組合せである。例えば構造部材の貯蔵容量は、その容量を「満たす」に必要なエネルギーが、一定の使用状態で利用できるエネルギーよりも大きいならば、十分に利用できない。反対に、構造部材の許容値は高いが(すなわち浸透に必要なエネルギーが低い)、貯蔵容量は非常に低いので、構造部材の全体効率を減少する。したがって、妥当な粘性流体身体排泄物容量を有し、かつ利用できる容量を満たすために最小のエネルギー入力(仕事)又はパワーを必要とする構造部材を提供することが重要である。図11は、以下の例で説明される幾つかの構造部材の圧力下での許容値と貯蔵値との間の関係を示すグラフ図である。
【0037】
吸収性物品により受入れられるか、又はそれを浸透する粘性流体身体排泄物は、好ましくは、着用者から離れておむつ内に保持される。身体排泄物、特に粘性流体身体排泄物を保持する1つの好ましい方法は、排泄物を着用者から離れた箇所に不動化することである。ここに使用される用語「不動化」とは、貯蔵された粘性流体身体排泄物を、加えられた圧力及び/又は重力の影響の下で、保持する材料又は構造部材の能力を指す。圧縮変転下での不動化、すなわち「不動化」は、排泄物の粘性を増加することにより(例えば脱水により)、機械的捕捉(すなわち、粘性流体身体排泄物の材料又は構造部材の内部区域との接触の表面積の増加により駆動される表面エネルギー現象)により、又は技術上既知の他の手段により、達成できる。以下の試験方法の項において更に説明されるように「圧縮変転下での不動化」は、後述のように、構造部材が反転圧力サイクルを受けた後に構造部材内に残る粘性流体身体排泄物又は類似物のパーセントに換算して測定される。「圧縮変転下での保持」、すなわち「保持」は、十分な応力使用条件下で、どれだけ多くの粘性流体身体排泄物が「貯蔵」されたままであるかの絶対的尺度である。
【0038】
好ましくは排泄物管理要素120は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約7.5gよりも大きい圧縮変転下での保持値を有すべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、下記圧縮変転試験を施した後の粘性流体身体排泄物の約8.0gよりも大きい、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約8.5gよりも大きい圧力下での保持値を有すべきである。一般に、圧力下での保持値は、少なくとも約7.5gと約100.0gとの間、及び約8.0gと約100.0gとの間が受入できることが判明している。同一の条件下で排泄物管理要素120は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも70%の圧縮変転下での不動化値を有すべきである。より好ましくは排泄物管理要素120は、要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約80%、また最も好ましくは少なくとも約85%の圧縮変転下での不動化値を有すべきである。一般に、圧縮変転下での不動化値は、少なくとも約70%と約100%との間,及び約80%と100%との間が受入できることが判明している。(これらの好ましい圧縮変転下での不動化及び保持パラメータは、使用を意図するときに、好ましくは評価される単一物品に関する。したがって、物品の構造部材又は層の全ては、その性能が測定されるときに通常の使用中であるように構成すべきである。圧縮変転下での不動化と保持性能の測定方法の詳細な説明は、以下の試験方法の項に記載される。)
【0039】
適切な不動化と保持の性能無くしては、改良された受入と貯蔵の性能の効果が減少することがある。というのは、粘性流体身体排泄物が構造部材の身体に面する表面へ戻り、漏れ又は着用者の皮膚への汚染の可能性が増加することがあるからである。更に、構造部材が先ず排泄物を受入れ、ついで貯蔵するならば、不動化は最も効果的である。着用者の皮膚から離れて貯蔵される前に不動化される粘性流体身体排泄物は、皮膚と接触するトップシート上に残ることがある。皮膚と接触する不動化粘性流体身体排泄物は、交換/清浄化の処置中に介護者に必要とされる労力を増加し、かつ残留する微小な汚れを増加する恐れがある。「微小な汚れ」とは、皮膚上に残るが、人間の裸眼により目視できるのが容易でない排泄物残留物を指す。したがって、図9と10のグラフに示されるように、粘性流体身体排泄物を有効に管理するために、一定の構造部材の有用性を判断するとき、その構造部材についての少なくとも3つのパラメータ(受入、貯蔵及び不動化、又は受入、貯蔵及び保持)の検討が役立つことがある。
【0040】
粘性流体身体排泄物を受入、貯蔵及び不動化する構造部材が好ましいが、本発明の一定の実施例において排泄物管理要素120は、受入れ要素、貯蔵要素又は不動化要素だけを含むか、又は3番目の要素を除く、それら2つの要素の組合せを備えることができる。また一定の実施例において1つの要素が、2つ以上の機能を実施できる(例えば貯蔵要素は、貯蔵と不動化の機能を実施できる)。例えば本発明の吸収性物品は、別個の不動化要素自体無しで粘性流体身体排泄物を管理するために、受入要素と貯蔵要素を備えることができる。したがって、適切な個別の受入、貯蔵及び不動化の要素を識別できること、及び単一の吸収性物品から離れたそれらの要素の有効性を判断することが望ましい。以下の検討は、互いに独立して、又は組合せて使用できる全てではないが幾つかの適切な受入、貯蔵及び不動化の要素、及びそれらの相対的な有効性を判断する好ましい方法を明確にするものである。
【0041】
受入要素
本発明の好ましい実施例において排泄物管理要素120は、受入手段すなわち受入要素150を備える。受入要素150は、おむつ20内に堆積される身体排泄物を受入れるのを意図し、特に粘性流体身体排泄物を受入れるのを意図する、おむつ20の部分である。受入要素150は好ましくは、粘性流体身体排泄物の約0.70g/in2/mJよりも大きい、又は同等の類似値の圧力下での許容値を有すべきである。より好ましくは、受入要素150は、粘性流体身体排泄物の約0.8g/in2/mJよりも大きい、また最も好ましくは約1.0g/in2/mJよりも大きい圧力下での許容値を有すべきである。一般に、少なくとも0.6g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間、及び約0.8g/in2/mJと約10.0g/in2/mJとの間の圧力下での許容値が、受入れできることが判明している。代わりに、排泄物管理要素120は、パワーのミリワット(mW)当たり排泄物管理要素120の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の少なくとも約1.5グラム、より好ましくは約3.0g/in2/mWより大きい、更により好ましくは約5.0g/in2/mWより大きい、最も好ましくは約10.0g/in2/mWより大きい圧力下での感応性を有するべきである。一般に、圧力下での感応性は、約1.5と50.0g/in2/mWとの間にあり、また約5.0と約50.0g/in2/mWとの間にある。受入又は感応性の性能が低過ぎるならば、粘性流体身体排泄物を受入要素150に浸透させるために、それぞれ、より多くの仕事が成されなければならない、又はより多くのパワーを加えなければならない(すなわちシステムへのより多くのエネルギー入力)。上述のように、高い許容値又は感応性値は、受入れされない排泄物が着用者の皮膚と接触したままであるので、吸収性物品の全体性能にとって重要である。受入れられる粘性流体身体排泄物の一部分だけを、本発明により意図されるように、着用者の皮膚から離れて貯蔵及び不動化できる。
【0042】
受入要素150は、上述のように、身体排泄物を受入れできる任意の材料又は構造でよい。受入要素150は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に受入要素150は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。更に受入要素150の1つ又は全ては、必要に応じて別個に処分するために吸収性物品から取外しできる。
【0043】
受入要素150は好ましくは、コア28の身体表面47に隣接しておむつ20の股区域37内に少なくとも部分的に配設される。しかしながら一部の別の実施例において、受入要素150は、レッグカフス、ウエストバンド、又は便性排泄物収容ポケットなどの少なくとも一部分を備えることができるし、又はそのような機能部材と機能的に関連できる。好ましくは、使用中に着用者の肛門近くにあるおむつ20の区域に位置する受入要素150の少なくとも一部分は、トップシート24のような構造部材の重ね層により閉塞されない。かくして、着用者の肛門近く位置するようになっている物品の区域内のトップシート24の一部を切り欠き、及びその区域の身体側ライナーとして受入要素150を設けることが望ましい。代わりに、1つ又は全てのトップシート24を、受入れ要素150として機能するように製造又は処理してもよい。図1に示されるように一実施例において、受入要素150は、トップシート24の少なくとも一部分を備える。他の実施例において受入要素150は、吸収性コア28又は貯蔵要素(以下に述べる)のようなおむつの他の要素の少なくとも一部分を備えることができる。
【0044】
幾つかの実施例において、おむつ20に、おむつの種々の部分における異なる受入又は感応性の性能を付与するのが望ましいことがある。これは、おむつ20の種々の区域に異なる受入要素を設けることにより、又は種々の受入れ特性の区域を有するように製造又は処理されている単一の受入要素150を設けることにより達成できる。更に受入要素150は、排泄された粘性流体身体排泄物を一層良く管理できるように、物品の身体に面する表面の平面の上方へ突出させることができる。幾つかの実施例において、粘性流体身体排泄物に近接して(例えば肛門周辺区域)、着用者の皮膚と接触する受入要素150を有することも望ましいことがある。
【0045】
受入要素150として使用される適切な材料及び構造部材は、開口化不織ウエブ、開口化フイルム、開口形成フイルム、スクリム織物、織ウエブ、スクリム織物、網状織物、マクロポーラス薄発泡材などを含むことができる。
【0046】
受入要素150は、網状織物を含むことができる。網状織物は織物でもよい。
網状織物はナイロンでもよい。好ましい構造部材は織ナイロン網状織物である。
網状織物は、約25gsmから少なくとも約30gsmまでの坪量を有することができる。適切な網状織物は、約50%から約70%までの有効開口面積を有することができ、また約4.0mm2から約6.0mm2までの主開口サイズも有することができる。(有効開口面積と主開口サイズは、ここに参照として組込まれる米国特許第5,342,338号に記載されるように測定される。)1つの特に好ましい材料は、約27.3g/m2の坪量、約60%の有効開口面積、及び約5.0mm2の主開口サイズを有する織ナイロン網状織物である。1つのそのような材料は、バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.のToy Tub Bagとして入手できる。更に受入要素150又はその一部分は、その要素の性能又は他の特性を付加、強化又は変更するために、ローション又は他の既知の物質を塗布できる。例えば受入要素150は、親水性、疎水性にできるか、又はそのいずれかに処理できる。
【0047】
表1は、幾つかの材料の圧力下での受入と感応性の性能を示す。表1に示される個別の受入要素についての圧力下での受入と感応性のデータは、以下で試験される単一のサンプルについての圧力下での受入と感応性のデータと同一の方法で得られる。ただし、表1について試験されたサンプルは、受入要素150だけを含む。更に受入要素150は、受入要素150が取られた吸収性物品の、真下の構造部材ではなく、標準貯蔵要素147と連携して試験される。(標準貯蔵要素147は、図4に示されるように153個の規則的に離間する4.3mm径の孔168のパターンを有する4インチ平方で1.6ミリメートル厚さのアルミニウムプレートを備える。これらの孔は、平方インチ当たり約26個の孔があるように配列される。)
【0048】
【表1】
【0049】
適切な受入と感応性の性能を得る際の1つのパラメータは、受入要素150の合計有効開口面積に関連することが判明している。適切な合計有効開口面積の測定値を達成するために、受入要素150は開口を備えることができる。受入要素150が開口を備えるならば、それらの開口は好ましくは、少なくとも0.2平方ミリメートル、より好ましくは少なくとも0.5平方ミリメートル、より一層好ましくは少なくとも1.0平方ミリメートル、及び最も好ましくは少なくとも2.0平方ミリメートルの有効開口サイズを有する。一般に好ましい有効開口サイズは、約0.2平方ミリメートルと約50平方ミリメートルとの間にあり、またより好ましくは、約1.0平方ミリメートルと約25平方ミリメートルとの間にある。
【0050】
有効開口サイズとパーセント開口面積は、ここに参照として組込まれる、1994年8月30日にRoeに付与された「低粘性便状物質用の使い捨て吸収性物品」という名称の米国特許第5,342,338号の第10欄第44行乃至第12欄第43行に記載される手順により求めることができる。
【0051】
貯蔵要素
本発明の排泄物管理要素120は好ましくは、受入要素150により、又は、もしあれば、他の上にある層により受入れられる粘性流体身体排泄物を貯蔵できる貯蔵手段、すなわち貯蔵要素152を備える。好ましい実施例において貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約0.70g/in2の圧力下での貯蔵値を有すべきである。より好ましくは貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約0.80g/in2よりも大きいものを貯蔵できるべきである。更により好ましくは貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物の約1.0g/in2よりも大きいもの、また最も好ましくは粘性流体身体排泄物の約1.2g/in2よりも大きいものを貯蔵できるべきである。一般に、圧力下での貯蔵値は、少なくとも約0.8g/in2と約10.0g/in2との間、及び約1.0g/in2と約10.0g/in2との間が受入できることが判明している。
【0052】
貯蔵要素152は、おむつ20内の任意の箇所に位置決めすることができる。
しかしながら、貯蔵要素152は、受入要素150により受入れられた粘性流体身体排泄物が貯蔵要素152に入ることができるように、受入要素150及び/又は、もしあれば、トップシート24と機能的に関連することが好ましい。(おむつ20が、トップシート24又は受入要素150を有しない実施例が意図される。そのような場合、身体排泄物は、上ににある構造部材を通過することなく、貯蔵要素152へ直接入ることがある。)いずれの場合も、おむつ20を着用したときに着用者の肛門近くにあるおむつ20の区域に貯蔵要素152を位置決めすることが好ましい。したがって、貯蔵要素152の少なくとも一部分を吸収性物品の股区域37に配設することが好ましい。しかしながら幾つかの他の実施例において貯蔵要素152は、ウエスト区域、レッグカフス、ウエストバンド、又は便状排泄物収容ポケットなどの少なくとも一部分を備えることができるか、もしくはそのような機能部材と機能的に関連できる。更に貯蔵要素152は、排泄された粘性流体身体排泄物を一層良く管理できるように、物品の身体に面する表面の平面の上方へ突出させることができる。幾つかの実施例において、粘性流体身体排泄物に近接して(例えば肛門周辺区域)、着用者の皮膚と接触する貯蔵要素152を有することも望ましいことがある。
【0053】
貯蔵要素152の圧力下での貯蔵性能を、おむつ20全体にわたり均一又は変えることができる。そのような変法は、おむつ20に複数の貯蔵要素152を採用することにより、又は単一の貯蔵要素152に種々の圧力下での貯蔵容量の区域を設けることにより達成できる。更に1つ又は全ての貯蔵要素152を、必要に応じて、別個に処分するために吸収性物品から取外すことができる。
【0054】
貯蔵要素152は、上述のように身体排泄物を貯蔵できる任意の材料又は構造部材でよい。かくして、貯蔵要素152は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に貯蔵要素152は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。図5に示される一実施例において、貯蔵要素152は、コア28から分離される構造部材を備える。しかしながら、貯蔵要素152がコア28の少なくとも一部分を備える実施例が意図される。
【0055】
貯蔵要素152として使用される適切な材料として、大形連続気泡型発泡材、マクロポーラス耐圧縮性不織嵩高、連続と独立気泡型発泡材の大形粒状物成形物(マクロ及び/又はマイクロポーラス)、嵩高不織材、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡材又は粒状物、多数の垂直に配向されるループ状の繊維のストランドを有する構造部材、締結ループ状の材料、打ち抜き孔又は窪みを有する上述の吸収性コア構造部材、及びこれらの材料の組合せなどを含めることができる。(ここで使用される用語「マイクロポーラス」とは、毛細管作用により流体の移送ができる材料を指す。用語「マクロポーラス」とは、一般に径が約0.5mmよりも大きい細孔を有する、特に径が約1.0mmよりも大きい細孔を有する、細孔が大き過ぎて流体の毛細管移送をできない材料を指す。)
貯蔵要素152又はその一部分は、その要素の性能又は他の特性を付加、強化又は変更するために、ローション又は他の既知の物質を塗布できる。
【0056】
貯蔵要素152の一実施例は、複数の隣接する弓状部分を有する三次元ウエブ126に成形された締結ループ状の材料118を含む。
【0057】
三次元ウエブ126の弓状部分は好ましくは、嵩高開口構造部材を形成するピークと谷を有する一般に平行な隆起部として形成される。三次元ウエブの相対的配向に応じて、「ピーク」が「谷」に一致し、また反対になることが理解される。用語「隆起部」及び「ピーク」と「谷」とは、純粋に説明用のものであり、それらの弓状部分が隣接する弓状部分に関連するときに、それらの弓状部分を指す。ピークと谷は、最大振幅の区域であり、また一般に弓状部分の水平接線におけるものである。
【0058】
接着自在箇所128は、貯蔵要素152の要素を三次元ウエブ126へ装着できるように、その要素と接触できるピークと谷に対応する。要素が実際に装着される、それらの箇所は、固定部127と呼ばれる。
【0059】
裏材が使用されるとき、ピークは裏材から離され、また谷は裏材近くに置かれる。三次元ウエブ126も下端外側面と上端外側面を有する。裏材が使用されるとき、下端外側面は裏材に隣接し、また上端外側面は裏材から離される。
【0060】
貯蔵要素152のこの実施例の任意選択的な要素は、裏材121である。図15に示される実施例における裏材121は、固定部127において三次元ウエブ126へ接着され、かつ三次元ウエブと吸収性コア28との間に機能的に配設される。
【0061】
固定部127は、三次元ウエブ126を裏材121、吸収性コア28又は他のおむつ要素へ装着するのに使用される接着自在箇所128である。
【0062】
締結ループ状の材料118は、約1.5ミリメートルの未圧縮厚さを有することができる。1つの適切な締結ループ状の材料118は、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL又はXPGとして入手できる。他の適切な締結ループ状の材料118は、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL−7124として入手できる。他の実施例は、平方メートル当たり約110グラムの坪量と約7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有する6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料を備え、その材料は、ジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる。
【0063】
ループ状の材料118は、約1mm乃至約8mmよりも大きい全体ウエブ厚さを有することができる。ループ状の材料118は、三次元ウエブ126に成形できる多数の繊維を更に含むことができる。ここで使用される「ウエブ」は、接着又は未接着の繊維を含むことができる。弓状部分は、三次元ウエブに成形されたとき、図15に示されるように規則的な平行の間隔を有することができる。弓状部分の状態の他の実施例は、図20と21に示されるが、他の変形も意図される。
【0064】
貯蔵要素29内のウエブ126として使用される適切なループ状の材料118は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、及びそれらの組合せなどを含むことができるが、それらに限定されない。これらのループ状の材料118は、スパンボンド布、メルトブラウン布、カード布など含むが、それらに限定されない不織材料を成形する技術上既知の多くの方法で製造できる。
【0065】
三次元ウエブ126は、疎水性又は親水性であるように、又は減摩性を有するように処理される材料を備えることができる。好ましい実施例において三次元ウエブ126は、疎水性に処理される。
【0066】
三次元ウエブ126における繊維は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、また弓状部分130における交差点において共に接着してもよいし、しなくてもよい。三次元ウエブ126における繊維は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、三次元ウエブ126における繊維の大部分(すなわち80又は90パーセント以上)が、接着自在箇所128に対して約90度の角度の方向に延びる。代わりに三次元ウエブ126における個別繊維の大部分は、離間した一般に平行な接着自在箇所128に対して一般に平行な方向に延びることができる。
【0067】
図15は、参照数字29により一般に示される、本発明に従う貯蔵要素152の1つの好ましい実施例を図示する。
【0068】
一般に、その図に示される貯蔵要素29は、前部と後部の主要表面123と124をそれぞれ有する熱可塑性フイルム裏材層122(例えば、ポリプロピレンの)を好ましくは含む裏材121を有するループ状の材料118のシート又はウエブである。ループ状の材料118は、三次元ウエブ126内に多数の長手方向に配向される繊維を有する。
【0069】
三次元ウエブ126は好ましくは、裏材121の親水性よりも少ない親水性を有する。好ましい実施例において三次元ウエブそれ自体は、親水性勾配を有し、そこにおいて弓状部分130が、接着自在箇所128の親水性よりも少ない親水性を有する。この構成においても、三次元ウエブ126の接着自在箇所128は、材料121の親水性よりも少ない親水性を有することが好ましい。
【0070】
三次元ウエブ126は、前部表面123に沿う一方向に連続にできる接着自在箇所128に沿って一般に平行である離間した間隔で、裏材121内に埋込まれることにより、接着される接着部分127を有することができる。
【0071】
また三次元ウエブ126は、機械的締結、縫合、接着、面ファスナー、押出しストランド、押出し、加熱接着、樹脂接着、接着剤貼合せ、超音波結合、及びそれらの組合せ、又は技術上既知の他の手段により、裏材121へ接着できる。
【0072】
接着自在箇所128は、一方向に連続、間歇、ランダム、ひだつき、又は種々の組合せであるように配列できる。
【0073】
三次元ウエブ126の弓状部分130は、約0.5ミリメートルよりも大きい一般に均一の平均高さ(谷からピークへの)を有することができ、また約2.5ミリメートルよりも大きくできる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートルから約6ミリメートルまでにできる。平均高さは、谷の上端外側面からピークの下端外側面まで弓状部分の一般に水平接線に対して一般に直交して測定される。
【0074】
形成された三次元ウエブ126の高さは、接着自在箇所128間の間隔の少なくとも3分の1にでき、また2分の1から1.5倍にできる。三次元ウエブ126における個別の繊維は好ましくは、約50デニール未満であり、好ましくは約1乃至10デニールの範囲であり、また更に好ましくは約9デニールである。
【0075】
裏材121を有しない三次元ウエブ126は、第1の表面123に沿って測定したときに、平方メートル当たり約5乃至約300グラムの範囲の、好ましくは平方メートル当たり約15乃至約100グラムの範囲の、また更に好ましくは平方メートル当たり約30グラムの坪量を有することができる。これにより、便状物質を弓状部分130中に容易に浸透させるに足る、弓状部分130に沿う三次元ウエブ126における繊維間の開口面積(すなわち約10乃至90パーセントの開口面積)が提供される。
【0076】
適切な裏材121の構造物は、個別の繊維、スクリム織物、編繊維、織材料、不織材料、連続ポリマーフイルム、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルムなどの通気性材料を含むが、それに限定されないし、またその通気性材料は、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ、及び他の開口繊維などを含むがそれに限定されない。不織ウエブが使用されるならば、適切な材料は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、及びそれらの繊維の組合せなどを含むことができるが、それらに限定されない。
【0077】
裏材121に使用されるフイルムは、ポリプロピレン、ポリエステル又はポリアミドなどのポリマー材料の単一層でよいし、もしくはポリエステルのような比較的高強度の中心層、エチレンビニルアセテート又はポリエチレンのような裏材121の層へ容易に接着される材料から成る、前部主要表面123を形成する層、及びポリエチレンのような支持体へ裏材を接着させるようになっている後部主要表面124を形成する層、又は常温非粘着性熱可塑性材料の接着層、などの複数の層を有することができる。
【0078】
裏材121は好ましくは、ポリプロピレンの比較的薄いフイルム層である。また裏材は好ましくは、約0.00125乃至0.025センチメートルの範囲の厚さを有する。裏材121は、疎水性、親水性及び減摩性などであるように処理できる。また裏材は、150gsmまでの坪量を有することができる。
【0079】
好ましくは貯蔵要素29は、便状物質を容易に浸透させるために、貯蔵要素29の開口性を保存するようにトップシート24へ最小に固定される。より好ましくは貯蔵要素29は、トップシート24へ全く固定されないので、貯蔵要素29の開口性を保存するのに更に役立ち、またトップシート24を貯蔵要素29から分離させて使い捨て吸収性物品内に追加の空隙空間を生成させる。しかしながら、貯蔵要素29を、自由に移動するのを防止するためにおむつ20内に固定すべきであることが分る。この目的のために、貯蔵要素29を、真下の吸収性コア28へ直接固定することが好ましい。図1と6Aは、吸収性物品に機能的に配設される吸収性コア28の一実施例の2つの図を明示する。図16に示される貯蔵要素29の一実施例は、吸収性コア28へ固定される裏材121の後部主要表面124を有することができる。代わりに貯蔵要素29は、接着自在箇所128において吸収性コア28へ機能的に直接配設される、裏材無しのループ状の材料118を備えることができる。
【0080】
貯蔵要素29は、技術上既知の装着手段により吸収性コア28へ接合できる。
例えば、その装着手段は、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化した層、もしくは接着剤の個別の線、渦巻き又はスポットの配列を含むことができる。
【0081】
貯蔵要素29は、接着剤、面ファスナー、摩擦、又は技術上既知の他の締結手段により排泄物管理要素120へ装着できる。図1と6Aは、貯蔵要素29無しに吸収性物品に機能的に配設される排泄物管理要素120の一実施例の2つの図を明示する。貯蔵要素29は、排泄物管理要素120に取り代わって使用されるか、又は排泄物管理要素120の単一部分として組込まれることができる。
【0082】
裏材121又は三次元ウエブ126と吸収性コア28との間の貯蔵要素29の接着パターンは、六角ライン、直交ライン、縦方向ライン、菱形交差ライン、ランダムライン、パターン無しの開口構成ライン、及び技術上既知の他のラインでよい。
【0083】
1つの好ましい装着手段は、1986年3月4日にMinetolaなどに付与された「使い捨て排泄物収容衣類」という名称の米国特許第4,573,986号に開示される接着剤のフィラメントの開口パターン網目を含む。他の適切な装着手段は、渦巻きパターンに巻かれる接着剤フィラメントの幾つかの線を備え、以下の特許に示される機器と方法により図示される。すなわち、1975年10月7日にSprague,Jrに付与された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZieckerなどに付与された米国特許第4,785,996号、及び1989年6月27日にWereniczに付与された米国特許第4,842,666号である。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。妥当であることが判明している接着剤は、ミネソタ州セントポールにあるH.B.Fuller Companyにより製造され、またHL−1258として市販されている。代わりに装着手段は、加熱接着、圧力接着、超音波結合、動的機械的接着、摩擦、縫合、接着剤、面ファスナー、もしくは技術上既知であるように他の適切な接着手段又はこれらの接着手段の組合せを含むことができる。特に好ましい接着手段は、三次元ウエブ126の親水性よりも大きい親水性、より好ましくは裏材121の親水性よりも大きい親水性を有する接着剤である。
【0084】
貯蔵要素29は、おむつ20の第2のウエスト区域38内に位置決めできる。
貯蔵要素29を少なくとも第2のウエスト区域38内に位置決めすることにより、貯蔵要素29は、おむつ20上に堆積される便状物質の管理において最も有効である箇所の着用者の肛門と整合できる。しかしながら貯蔵要素29は、股区域37中に延びることができる。また貯蔵要素29は、おむつ20の第1のウエスト区域36中に延びることができる。幾つかの実施例において、貯蔵要素29を、おむつ20の全体長手方向寸法に沿って延ばさせるのが望ましいことがある。
貯蔵要素29を少なくとも第2のウエスト区域38内に位置決めすることに加えて、第2のウエスト区域38内に位置決めされたトップシート24の部分が、低粘性の便状物質を取扱うに足る開口面積を有することも望ましい。図5は、上述の実施例において位置決めされた貯蔵要素152の一実施例を示す。
【0085】
低粘性の便状物質を取扱う際に最も有効であるように、貯蔵要素29は、嵩高にされた開口構造部材を有することができる。この構造部材の1つの重要な特徴は、裏材121の平面からの三次元ウエブ126の弓状部分130の高さ、及び弓状部分130により分離される接着自在箇所128間の間隔である。上述のように、三次元ウエブ126の弓状部分130は、約0.5ミリメートルよりも大きい、より好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい一般に均一の平均高さを有することができる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートルから約6ミリメートルまでにできる。より大きい高さ、例えば5.0センチメートルの高さは、低粘性便状物質の取扱に優れるであろうが、そのような高さにより、着用者に不快感を生じる、おむつ内に好ましくない容積部分を生成することがある。
【0086】
固定部127は、三次元ウエブ126を裏材121、吸収性コア28又は他のおむつ要素へ装着するのに使用される接着自在箇所128の部分である。固定部127は、好ましくは約0.2ミリメートルから約20ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものであり、より好ましくは固定部127は、約0.4ミリメートルから約10ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものであり、また最も好ましくは固定部127は、約0.8ミリメートルから約5ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接するような寸法のものである。
【0087】
未アンカー接着自在箇所128は好ましくは、約0.2ミリメートルから約20ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものである。
【0088】
より好ましくは固定部127は、約0.4ミリメートルから約10ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものであり、また最も好ましくは固定部127は、約0.8ミリメートルから約5ミリメートルまでの径を有する平面状円がその上に内接できるような寸法のものである。
【0089】
図16は、一般に参照数字140により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第2の実施例を図示し、その貯蔵要素140は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし三次元ウエブ126の裏材145は、裏材121と第2の裏材147を備える。
第2の裏材147は、後部主要表面と前部主要表面を有する。第2の裏材147の前部主要表面は、三次元ウエブ126の反対側にある裏材121の後部主要表面124へ接着される。
【0090】
三次元ウエブ126の裏材145の第2の裏材147は、ポリマーフイルムでもよい。第2の裏材147として使用される他の適切な構造部材は、スクリム織物、編繊維、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルムなどの通気性材料を含むが、それに限定されないし、またその通気性材料は、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ、及び他の開口繊維などを含むがそれに限定されない。
【0091】
第2の裏材147は好ましくは、約0.00125乃至0.025センチメートルの範囲の厚さを有する比較的薄いフイルム層である。
【0092】
第2の裏材147は、疎水性、及び減摩性などであるように処理される材料を備えることができる。より好ましくは第2の裏材147は、疎水性であるように処理できるであろう。また裏材は、少なくとも150gsmの坪量を有することができる。
【0093】
図17は、一般に参照数字550により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第3の実施例を図示し、そこにおいて貯蔵要素550は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし締結ループ状の材料118の裏材155は、複数の繊維157を有する。裏材155の繊維157は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、共に接着してもよいし、しなくてもよいし、また繊維157は、平行な接着自在箇所128に関して種々の方向に配設でき、裏材155の繊維の大部分(すなわち80又は90パーセント以上)が、接着自在箇所128に対して約90度の角度の方向に延び、又は裏材155における個別の繊維157の全ては、離間した一般に平行な接着自在箇所128に対して一般に平行な方向に延びることができる。好ましくは個別の繊維157は、共に接着されないし、また約0.01mmから約10.0mmまでの間隔だけ互いに離間される。繊維157は好ましくは、約0乃至50の範囲内のデニールを有する。
【0094】
図18は、一般に参照数字160により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第4の実施例を図示し、その貯蔵要素160は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし貯蔵要素160は、第2の三次元ウエブ162を備え、そこにおいて第2の三次元ウエブ162は、三次元ウエブ126の反対側にある裏材層122の後部主要表面124上に接着される。ループ状材料118の第2の三次元ウエブ162は、一般に非変形固定部177を有する三次元ウエブ126における多数の長手方向に配向される繊維を含む。
【0095】
一実施例において固定部177は、後部主要表面124に沿う一方向に連続である離間した細長い一般に平行な接着自在箇所178であり、三次元ウエブ162の弓状部分180が、連続した列で接着自在箇所178間で裏材層122の後部主要表面124から突出し、また三次元ウエブ162を横断して横方向に延びる。
【0096】
三次元ウエブ162の弓状部分180は、約0.5ミリメートルよりも大きい、好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい一般に均一な平均高さを有することができる。好ましい実施例の平均高さは、約2.5ミリメートル乃至約6ミリメートルにできる。成形される三次元ウエブ162の高さは好ましくは、接着自在箇所178間の間隔の少なくとも3分の1にでき、また2分の1から1.5倍にできる。三次元ウエブ162における個別の繊維は、約50デニール未満であり、好ましくは約1乃至15デニールの範囲であり、より好ましくは約9デニールである。
【0097】
締結ループ状の材料176は、弓状部分無しで平坦である。裏材121を有しない締結ループ状の材料176は、平方メートル当たり5乃至300グラムの範囲の、好ましくは平方メートル当たり15乃至100グラムの範囲の、及びより好ましくは平方メートル当たり約30グラムの坪量を有する。
【0098】
図18に示される実施例において接着自在箇所128と178は、互いに整合され、すなわち接着自在箇所128は、接着自在箇所178の直ぐ上方へ位置決めされるので、弓状部分130と180の位相が揃えられる。接着自在箇所128と178は、互いに整合されないで弓状部分130と180の位相が揃えられないように、裏材121に沿って位置決めされることもできる。
【0099】
図19は、一般に参照数字190により示される、本発明に従う貯蔵要素152の第5の実施例を図示し、その貯蔵要素190は、貯蔵要素29と同一の構成を有する(同一の参照数字は、その対応する部分に関して使用される)。ただし三次元ウエブ126の裏材195は、三次元ウエブ126へ直接接着される第2の三次元ウエブ196である。
【0100】
裏材195は、第1と第2の三次元ウエブ126と196の弓状部分の一般にピークにおいて接着自在箇所198を有する三次元ウエブ126において多数の長手方向に配向される繊維を含む(標準名称は、これをピークピーク接触と呼ぶ)。一実施例において固定部197は、離間した細長い一般に平行な接着自在箇所198において三次元ウエブ126へ加熱接着されることにより接着でき、三次元ウエブ196の弓状部分200が、連続した列で固定部197から突出し、また第2の三次元ウエブ196を横断して横方向に延びる。
【0101】
図19の実施例において、三次元ウエブ126と196の弓状部分の列は、横方向に互いに平行に延びる。代わりに、三次元ウエブ126と196の弓状部分の列は非平行でもよい。例えば三次元ウエブ126の弓状部分の列は、横方向に延びることができ、一方、第2の三次元ウエブ196の弓状部分の列は、横方向に対する直度に延びる。
【0102】
図20は、本発明の貯蔵要素202の他の実施例の平面図である。貯蔵要素202は、弓状部分203の配置のために考えられる多くの構成の1つを具体的に示す。
【0103】
図21は、本発明の貯蔵要素204の他の実施例の平面図である。貯蔵要素204は、弓状部分205の列の配置のために考えられる多くの構成の1つを具体的に示す。
【0104】
図20と21に示される構成に加えて、弓状部分の列の配置のために考えられる多くの構成も使用できる。
【0105】
図22は、貯蔵要素29を成形する方法と装置を概略図示する。図22に図示される方法は、長手方向に配向されたポリマー繊維を三次元ウエブ126に成形する段階と、三次元ウエブ126の離間した一般に平行な固定部127から同一方向に突出る弓状部分130を有するように三次元ウエブ126が有するように三次元ウエブ126を成形する段階と、及び裏材121の前部表面123から突出る三次元ウエブ126の離間した一般に平行な固定部127を接着する段階とを一般に含む。この方法は、それぞれが、軸を有し、かつ周りに複数の円周方向に離間した一般に軸方向に延びる隆起部228を備え、かつその周辺を形成する第1と第2の加熱された波形部材すなわちローラ226と227を設けることにより実施され、隆起部228は、外面を有し、かつ隆起部228間に空間を形成し、その空間は、噛合した隆起部228間で三次元ウエブ126と噛合した状態で他のひだつき部材226又は227の部分を受容するように、かつ歯車の仕方で隆起部228とひだつき部分の空間との間に転動係合を生じるようになっている。ひだつき部材226と227は、歯車の仕方で一般に噛合うひだつき部材226と227の隆起部228の部分と軸方向に平行な状態で取付けられ、ひだつき部材226又は227の少なくとも1つが回転され、及び三次元ウエブ126は、ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給されて、第1のひだつき部材226の周辺に三次元ウエブ126を一般に合致させ、第1のひだつき部材226の隆起部228間の空間に三次元ウエブ126の弓状部分130を成形し、かつ第1のひだつき部材226上の隆起部228の外面に沿って三次元ウエブ126の一般に平行な固定部127を成形する。成形された三次元ウエブ126は、隆起部228の噛合い部分を通過した後に第1のひだつき部材226の周辺に沿って保持される。熱可塑性裏材層121は、溶融状態の熱可塑性裏材層121(例えばポリプロピレン)を第1のひだつき部材226の周辺上の三次元ウエブ126の固定部127と冷却ロール250との間のニップに金型240から押出すことにより、成形され、かつ第1のひだつき部材226上の隆起部228の外面上の三次元ウエブ126の固定部127へ接着され、その後に、貯蔵要素29が、第1のひだつき部材226から分離され、部分的に冷却ロール250の周りに移送され、ついで冷却ロールとピンチローラ260との間のニップを通して移送されて、熱可塑性裏材層121の冷却と固化を完了する。
【0106】
ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給される三次元ウエブ126は、ひだつき部材226と227の隆起部228の噛合った部分間に供給される三次元ウエブ126内の繊維が、三次元ウエブ126の幅方向に均一に分布され、かつ全てがひだつき部材226と227の軸に一般に直交して延びるように、又は三次元ウエブ126内の繊維が、不織ウエブ又はシートにおけるようにランダムな配向で配設できるように、分布される糸の形態にできる。繊維間の摩擦を除いて内部接着が無いランダムに配向される繊維のそのような不織ウエブ126は、図示される梳綿機270を使用して緩い繊維から成形でき、また梳綿機270からひだつき部材226と227との間のニップ中に供給されるに足る単一性を有し(必要に応じて、コンベヤー((図示されない)を、使用されるランダムに配向される繊維の不織ウエブ126の支承と案内に役立つように設けることができる)、好ましくは第1のひだつき部材226が粗い仕上面(例えばサンドブラストにより形成される)を有し、第2のひだつき部材227が平滑に研磨された仕上面を有し、及び第1のひだつき部材226が第2のひだつき部材227の温度より僅か上の温度まで加熱されるので、不織三次元ウエブ126は、第1のひだつき部材226の表面に沿って優先的に留まり、またひだつき部材226と227との間のニップを通過した後に、第1のひだつき部材と冷却ローラ250との間のニップまで移送される。
【0107】
そのような三次元ウエブ126をひだつき部材226と227中に供給させるようになっているひだつき部材226と227は、それらの軸に関して0乃至90度の範囲で一般に配向される隆起部228を有することができるが、好ましくは、それらの軸に関して0度に(すなわち軸に平行に)配向される隆起部228を有することができ、それによりひだつき部材226と227の製造が単純化される。
【0108】
中実の裏材121を金型240から押出す代わりに、複数の繊維を金型から押出して、図17に図示される裏材層155のような裏材層を成形できる。
【0109】
熱可塑性材料を金型240のような金型から押出す代わりに、非溶融裏材を使用できる。ついでローラ250は、その裏材を三次元ウエブ126へ加熱接着するために加熱される。
【0110】
図23は、貯蔵要素140を成形する本発明に従う方法と装置の他の実施例を概略図示する。その方法は、図22に図示されるものと一般に同一であり、それと同一の装置の大部分を使用する(その装置の同様な部分は同一の参照数字を使用する)。ただし、冷却ローラ250の表面に沿って第1のひだつきローラ226と冷却ローラ250との間のニップ中に裏材147を供給するピンチローラ340を備える手段が付加され、その手段により金型240から押出された裏材121は、第1のひだつき部材226の周辺に沿って成形された三次元ウエブ126と冷却ロール250の表面に沿う裏材121との間に付着するので、溶融裏材層121が、三次元ウエブ126の固定部127を覆い、それを裏材147のシートへ接着し、その後に貯蔵要素140は、第1のひだつき部材226から分離され、ついで裏材145を冷却ロール250に対向した状態で冷却ロール250の周りに部分的に移送されて、裏材121の冷却と固化を完了する。溶融裏材121は、一定の用途に対して最も良く機能するように、ニップ中に、又はニップ前に第1のひだつき部材226上のウエブの固定部127上に、もしくはニップの直前に冷却ローラの周辺に沿う裏材147の第2のシート上に押出しできる。
冷却ロール250は、水冷式にでき、またそのような冷却ロール250が溶融裏材121からポリマー裏材147の第2のシートを通して、冷却ロール250中に与える高い熱伝達率の理由で、貯蔵要素140の成形に特に有用であるクロムメッキが周辺になされる。代わりに冷却ロール250には、その表面を形成する外部ゴム層を設けることができ、それは、裏材のシートが、冷却ロール250中へのそのような熱伝達を制約する傾向がある物質(例えば紙)のものであるならば、貯蔵要素140の成形にとり好ましく、その結果、ゴム層は、三次元ウエブ126の固定部127と裏材147の第2のシートとの裏材121の密接な接触を提供するように、第1のひだつきローラ226とのニップに隣接して変形する別の利点を有する。
【0111】
裏材121は、剥離ライナーが冷却ローラ250と接触するように配設される剥離ライナーに沿う感圧接着剤の層にもできるので、感圧接着剤の層は、剥離ライナーを感圧接着剤の層の上にした状態で感圧接着剤の層の後部表面だけに沿って配設され、かつ感圧接着剤を貯蔵要素140を支持体へ接着するのに使用できるように取外し可能である。
【0112】
好ましくは、ひだつき部材226と227用の駆動手段と冷却ローラ250用の駆動手段は、冷却ローラ250が、第1のひだつき部材226の表面速度と同一又は異なる表面速度で回転できるように個別に制御できる。冷却ローラ250と第1のひだつき部材226が、同一の表面速度で回転されるとき、三次元ウエブ126は、図15乃至18に図示されるように、第1のひだつき部材226の周辺に沿って有するものとほぼ同一の形状を裏材121に沿って有することになる。冷却ローラ250と第1のひだつき部材226が、冷却ローラが第1のひだつき部材226の表面速度よりも遅い表面速度で回転されるとき、三次元ウエブ126の固定部127は、冷却ローラ250と第1のひだつき部材226との間のニップにおいて裏材層121内で動かされるので、冷却ローラ250と第1のひだつき部材226同一の表面速度で回転されるときよりも、裏材121に沿うループ状の部分130の密度が大きくなる。ループ状の部分130の量又はループ数を増加するこの手法は、同一の装置を使用して裏材長さのセンチメートル当たりループ状の部分130の種々の数を有する貯蔵要素を製造するために、及び、そのような隆起部228を共に近づくように機械加工する際の物理的限界の理由でひだつき部材226と227上に機械加工される隆起部228間に成形されるものより、裏材長さのセンチメートル当たりループ状の部分130が多い貯蔵要素を製造するために有用である。
【0113】
貯蔵要素152の別の実施例は、非限定例が図5,6及び8に示される多数の個別の粒状物172を含む多粒状物構造部材170を備える。多粒状物構造部材170は好ましくは、約1.0mmと約25.4mmとの間、またより好ましくは約2mmと約16mmとの間の公称サイズを有する。しかしながら0.5mm以下のような小さい粒状物、及び約25.4mmよりも大きい粒状物が意図される。約1.0mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準No.18のメッシュふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。約25.4mm未満の公称サイズを有する粒状物は、米国標準25.4mmふるいスクリーンを一般に通過するものである。16mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準No.16mmふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。この公称粒状物サイズは、試験又は使用のために、粒状物を貯蔵要素152中に組込む前に測定される。8mm以上の公称サイズを有する粒状物は、米国標準8mmふるいスクリーンの表面上に一般に保持されるものである。
【0114】
多粒状物構造部材170は、任意の数の粒状物172を含むことができる。更に粒状物172は、未接合で構造部材170内を自由に移動できるか、又は既知の手段により互いに接合できる。代わりに構造部材170は、メルトブラウン熱溶融型にかわ、ウエブ、網状織物、スクリム織物、糸、又は他の接着剤、もしくは非接着性エンタングルサポートのような外部サポートを備えることができる。
粒状物172の一部を、トップシート又はコアのようなおむつ構造部材の他の部分へ接合することもできる。粒状物172は、プリーツ、「まくら」及びポケットのようなパターン付けした三次元区域内に収納することもできる。
【0115】
先の実施例の貯蔵要素29は、多粒状物構造部材170の外部サポートの一部分を形成することもできる。先の実施例の貯蔵要素29の成形された繊維26のシートと裏材121により仕切られる空間は、粒状物172を収納する三次元構造部材を形成することもできる。
【0116】
個別の粒状物172は、吸収性コア28又は貯蔵要素152に関して上述した材料を含む、吸収性物品の使用に適切な材料から製造できる。粒状物172に使用される材料は、吸収性、非吸収性、マイクロポーラス、マクロポーラス、弾性、非弾性などのものでよいし、又は他の望ましい特性を有するものでもよい。粒状物172内の使用に適切なマクロポーラス吸収材料の例として、嵩高不織物、連続気泡発泡体、繊維束、及びスポンジなどがある。他の吸収材料として、セルロースバット、毛管路繊維、超吸収性ポリマーのような浸透貯蔵材料などがある。非吸収性粒状物172は、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、独立気泡発泡体、カラム充填材料、合成材料、ゲル、封入ガス、及び液体などを含むことができる。更に粒状物172の一部又は全ては、脱臭剤、ローション、皮膚保護配合剤、抗微生物剤、pH緩衝剤、酵素抑制剤などを含むことができる。
【0117】
貯蔵要素152は、粒状物172の単一の種類(サイズ、形状、材料など)から構成できるし、又は種々の粒状物172の混合物を含むことができる。その混合物は、均質であり、種々の特性を有する粒状物172が貯蔵要素152の一定の部位に配設されるときのように不均質であり、層に分離され、又は他の望ましい形状であることができる。幾つかの実施例において、混合物の2つ以上の種類を採用できる(例えば、マクロポーラスで非吸収性粒状物172は、1つの層において均質に混合され、一方、他の層が吸収性粒状物だけを含む)。粒状物の異なる層は、互いに直接隣接できるか、又は網状織物、スクリム織物、不織ウエブ又は織ウエブ、フイルム、発泡剤、接着剤などの1つ以上の材料により分離できる。
【0118】
マクロ粒状物構造部材170は好ましくは、粒状物172間の空間により形成される連続した隙間空隙空間174を備える。粒状物172のサイズ及び/又は形状を変えることにより、隙間空隙空間174を調節できる。それらの粒状物は、球形、偏球楕円体、方形、及び多角形中実体などを含む任意の既知の形状のものでよい。表2は、特定の選択対象の形状と公称サイズを有する粒状物の空隙率を示す。他の適切な形状と空隙率は、1984年版マグローヒル社、ペリーの化学工学ハンドブック第6版の頁18乃至20に記載される。
【0119】
【表2】
【0120】
貯蔵要素152は、その構成には関係なく、貯蔵要素152へ圧縮力が加えられたときに容量のかなりのレベルを維持するように、圧縮に抗するべきである。
好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの少なくとも約35%を維持できる。より好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約70%の厚さを維持すべきである。一般に好ましい実施例において貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けたときに、その初期厚さの約35%と99%との間に維持できる。より好ましくは、貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を受けた時に、その初期厚さの約50%と95%との間に維持すべきである。貯蔵要素152は、その力を除いたときに、それ自体でそのほぼ初期厚さに復元できるべきである。好ましくは貯蔵要素152は、1psiの圧縮力を除いた後に、その初期厚さの少なくとも約80%、より好ましくはその初期厚さの少なくとも約90%を回復すべきである。
【0121】
貯蔵要素152は、その貯蔵機能に加えて、吸収性接着20内の粘性流体身体排泄物をバックシート26の平面に一般に平行な方向に移送できる。この移送は、毛管力又は他の力により粘性流体身体排泄物又はその成分(例えば自由水)の移動が生じるように能動的である。他の実施例において移送が受動的であるので、粘性流体身体排泄物又はその成分は、重力、着用者の圧力又は着用者の動きなどの外部から加えられる力の影響を受けて構造部材を通して移動する。受動的移送の場合、貯蔵要素152は、粘性流体身体排泄物が最小のエネルギー入力で構造部材を通して容易に移動できるように、比較的大きい、相互に接続される流路などを有する必要がある。
【0122】
表3は、幾つかの個別の貯蔵要素構造部材に関する圧力下での貯蔵性能データを記載する。個別の貯蔵要素152の圧力下での貯蔵性能は、単一構造部材に関して以下に述べる圧力下での貯蔵試験と同一の方法で測定できる。ただし個別の貯蔵要素152は、他の構造部材とは別個に、かつ標準受入要素150に基づいて試験される。標準受入要素150は、イリノイ州シカゴにあるMcMaster Carr Supply Comapnyから#9226T45として入手できる、ステンレス金網形式304(標準等級)16x16メッシュである。
【0123】
【表3】
【0124】
不動化要素
受入れ要素150又は貯蔵要素152に加えて、又はその代わりに、本発明の排泄物管理要素120は好ましくは、不動化手段すなわち不動化要素154を備える。不動化要素154は、吸収性物品により受入れ貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化及び保持できるべきである。好ましくは不動化要素154は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約70%に対応する不動化値を有すべきである。より好ましくは不動化要素154は、排泄物管理要素120により受入れられる粘性流体身体排泄物の少なくとも約80%、及び最も好ましくは少なくとも約85%に対応する不動化値を有すべきである。一般に、少なくとも約70%と約100%との間、及び約80%と約100%との間の圧縮変転下での不動化値が、受入れできることが判明している。更に、不動化要素154は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約7.5gよりも多く保持できるべきである。より好ましくは不動化要素154は、構造部材を浸透する粘性流体身体排泄物の約8.0gよりも多く、及び最も好ましくは約8.5gよりも多く保持できるべきである。一般に、少なくとも約7.5gと約100.0gとの間、及び約8.0gと約100.0gとの間の圧縮変転下での保持値が、受入れできることが判明している。
【0125】
不動化要素154は、残りの構造部材から不動化要素154に浸透した粘性流体身体排泄物の性向を減少できる任意の材料又は構造部材でよい。かくして、不動化要素154は、単一の材料、又は互いに機能的に関連する幾つかの材料を備えることができる。更に不動化要素154は、おむつ20の他の要素と単一にでもよいし、又はおむつ20の1つ以上の要素と直接又は間接に接合される1つ以上の個別の要素でもよい。例えば不動化要素154は、貯蔵要素152の下に配設される未接合材料層でもいし、又は上述のように粘性流体身体排泄物を不動化及び保持できる貯蔵要素152の全て又はその一部分を備えてもよい。いずれの場合も、不動化要素154を貯蔵要素152と受入要素150と機能的に関連させることが好ましい。これは、物品により受入れ及び/又は貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化要素154中に確実に流入させるか、又はそれと接触させるために必要である。したがって、物品の股区域37の少なくとも一部分において、不動化要素154を貯蔵要素152と受入要素150との下に位置決めすることが望ましい。しかしながら上述のように、貯蔵要素152が移送能力を有するならば、不動化要素154は、受入れ及び/又は貯蔵される粘性流体身体排泄物を不動化要素154へ移送できるように、おむつ20内の任意の箇所に位置決めできる。更に受入要素150と貯蔵要素152の場合と同様に、おむつ20は、均一又は不均一の圧縮変転下での不動化性能特性を有することができる。かくして1つ以上の不動化要素154は、種々の不動化及び/又は保持性能の区域を有する物品内に組込むことができる。更に不動化要素154の一部分又は全てを、必要に応じて別個に処分するために、吸収性物品から取外しできる。
【0126】
不動化要素154に使用される適切な材料として、マイクロポーラス発泡体、超吸収性ポリマー粒状物又は繊維、セルロース繊維、毛管路繊維、エンタングル合成繊維バットなどがある。幾つかの好ましい材料として、米国特許第5,260,345号、第5,387,207号及び第5,625,222号に記載されるもののような発泡吸収材料がある。他の好ましい材料として、1992年9月15日にYoungなどに付与された「失禁管理用高効率吸収性物品」という名称の米国特許第5,147,345号に記載されるもののような吸収ゲル化材料がある。これらの特許のそれぞれは、ここに参照として組込まれる。
【0127】
幾つかの個別の不動化要素についてのデータが、表4に示される。個別の不動化要素154の圧縮変転下での不動化性能についての試験は、使用を意図して構成された構造部材に関して以下に説明される圧縮変転下での不動化試験方法と同一である。ただし、それは、個別の貯蔵要素152及び/又は不動化要素154だけについて実施され、またトップシート又は受入要素のような真上にある要素を含まない。更にサンプルは、上述の標準受入要素150で試験される。(類似物Bは、試験類似物として使用される)
【0128】
【表4】
【好ましい実施態様】
【0129】
上述のように本発明は、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、失禁用下着又はパッド、吸収挿入部材、おむつホルダー又はライナー、女性衛生衣類、拭き布、使い捨てモップ、包帯などのような多くの種類の吸収性物品に適用できる。かくして本発明の好ましい実施例の以下の例は、本発明の範囲を限定するように解釈されないものとする。
【0130】
本発明の1つの好ましい実施例は、図5と6に図示される吸収性物品20である。吸収性物品20は、第1のウエスト区域36、第2のウエスト区域38、及び第1のウエスト区域36と第2のウエスト区域38との間に位置する股区域37を有する。おむつ20は、トップシート24、バックシート26、及びトップシート24とバックシート26との間に位置する吸収性コア28を備える。トップシート24は、コア28の身体に面する表面47に隣接して第1のウエスト区域36の少なくとも一部分に配設される。またおむつ20には、受入要素150も備えられ、その要素は、トップシート24と接合し、また股区域37の少なくとも一部分及び第2のウエスト区域38の少なくとも一部分を通してトップシート24から離れて長手方向に延びる。受入要素150は、織網状織物を備えることができる。具体的には、それは、バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.のToy Tub Bagとして入手できるような織網状織物を備えることができる。
【0131】
おむつ20は、受入要素150とバックシート26との間に位置する貯蔵要素152を更に備える。貯蔵要素152は、股区域37の少なくとも一部分及び第2のウエスト区域38の少なくとも一部分に位置する。この実施例において貯蔵要素152は、粒状物172を含む多粒状物構造部材170を備える。具体的には多粒状物構造部材170は、米国特許第5,260,345号に記載されるように平方メートル当たり約45グラムの坪量を有する発泡吸収材料の帯片の約0.35グラムと混合される、以下の例4からのスクラバー粒状物の約2グラムを含む。その帯片は、長さが約19ミリメートル、幅が6.4ミリメートル、及び厚さが2ミリメートルの寸法を有する。スクラバー粒状物は、平方メートル当たり126グラムの坪量を有する約0.8mm厚さの「湿潤まで薄い(thin until wet)」吸収性発泡材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,387,207号に記載される)の物品の長手方向軸に沿って配設される2.5インチx6.4インチ(16平方インチ)の部位にわたり分布される。スクラバー粒状物は、吸収性発泡帯片と比較的均質に混合され、また「湿潤まで薄い」吸収性発泡材料の層により外接される部位内で自由に動く。それらの粒状物と帯片は好ましくは、織網状織物のトップシート又は他の層へ接着されない。受入要素150は、「湿潤まで薄い」吸収性発泡材料の層の周辺外側の真下の層へ接着される。
【0132】
他の実施例において、図8に示されるように本発明の吸収性物品は、着用者へ別個に適用されるか、又は着用者の下着又は外部カバーなどの中に載置されるのを意図する挿入部材21すなわち生理用ナプキンにできる。かくして挿入部材21は、パンツの形態をとるのを一般に意図されないが、着用者の周りの所定位置に挿入部材21を保持するパンツ又は他の構造部材と連係して使用されることになる。吸収性挿入部材21は、中央区域137により分離される一対の対向する端部区域135を有し、また吸収性コア28、受入要素150、貯蔵要素152及び/又は不動化要素154を備えることができる吸収性集成物27を有する。
挿入部材21は、使用中に挿入部材21をパンツ又は外部カバー29内の所定位置に保持する1つ以上の装着要素41を備えることもできる。装着要素41は、吸収性物品を下着へ装着するために、接着剤、接合剤、フック、スナップ、バックル、ボタン、タイ、磁気手段、電子手段及び/又は他の既知の手段を含むことができる。
【0133】
貯蔵要素152の別の実施例は、吸収性物品20の全体排泄物管理構造部材120の代替貯蔵要素152/29を備えるであろう。更に別の組合せは、個別粒状物172用の多粒状物構造部材172として貯蔵要素29の使用を含むであろう。
【0134】
試験方法
粘性
粘性は、調節された応力レオメトリー計により測定できる。適切なレオメトリー計は、デラウエア州ニューキャッスルにあるT.A.Instruments,Inc.から、モデル番号SC2100として入手できる。レオメトリー計は、ステンレス平行プレート取付け具を利用する。レオメトリー計は、サンプルが上に置かれる剛性水平の第1のプレート、及び第2のプレートの軸が第1のプレートに対して直交するように第1のプレート上に取付けられる第2のプレートを有する。第2のプレートは、径が2又は4センチメートルである。2センチメートル(2cm)平行プレートは、硬いペースト状又はかなり粘液状のサンプルに使用され、一方、4センチメートル(4cm)平行プレートは、非常に流動性すなわち「水状」の便状サンプルに使用される。第1と第2のプレートは、測定過程中2000ミクロンまで離間される。第2のプレートは、軸方向回転のために駆動軸へ接続される。駆動モータ及び歪みセンサも、駆動軸上に取付けられる。
【0135】
試験される類似物の適切なサンプル(典型的には2乃至3グラム)が、第1のプレートの中心に、かつ第2のプレートの軸の真下のほぼ中心に置かれる。試験前に未消化食物の大きい片(例えば種)があれば、取除かれる。第1のプレートは、所定の位置まで上げられる。第2のプレートの径を越えて押しのけられるサンプルの過剰量は、へらを使用して取除かれる。測定過程中水分損失による縁効果を防止するために、ついで水がサンプルの縁部の周りに霧吹きされる。硬いペースト状サンプルの場合、50乃至50,000ダイン/cm2のせん断力が、プログラムされてレオメトリー計によりサンプルへ加えられる。流動性で水状のサンプルの場合、5乃至5,000ダイン/cm2のせん断力が代わりに使用された。データは、指数法則関数に適合され、そこにおいて見掛粘度はkj(n−1)、kはコンシステンシー(cPxsec(n−1)の単位)、jはせん断速度(1/secの単位)、及びnはせん断インデックス(無次元)である。したがってjが1/secであるとき、粘性はkである。(プレートは、試験を通して35度Cに維持される。)
圧力下での受入と感応性
圧力下での受入は、図2に図示される機器139を使用する以下の試験により測定される。中空のプレキシグラス円筒形体140が、約9.5mm厚さのステンレスプレート142上に取付けられる。そのプレートは、約10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の正方形である。その円筒形体140とプレートの組合せは、7.6センチメートル(約3.0インチ)の高さ、5.08センチメートル(約2.00インチ)の内径、及び6.3センチメートル(約2.48インチ)の外径を有する。円筒形体140の底部は、プレート142の下に約3.5ミリメートルの間隔だけ延びる。突起部143は、試験流体166が指定試験部位の外へ漏れるのを防止する。それぞれが5.08cm(約2.0インチ)の径を有する2つの625グラムの重り156が設けられる。
【0136】
円筒形の24.6グラムのプレキシグラス重り144が設けられる。その重り144は、5.08センチメートル(約2.0インチ)の径を有するので、円筒形体140内に精密交差で適合するが、円筒形体140内の孔141を通して自由に摺動できる。この配置により、約119パスカル(Pa)(平方インチ当たり約0.017ポンド)の圧力、及び約20.27平方cm(約3.142平方インチ)の試験部位が提供される。必要に応じて、重り144は、円筒形体140に容易に挿入でき、かつそれから取外すことができるようにハンドル145を有することができる。そのような場合、ハンドル145と円筒形重り144の組合せ質量は、24.6グラムに等しくすべきである。
【0137】
圧力下での受入特性について試験される構造部材のサンプル146が提供される。サンプル146は、既存のおむつから切断されるか、又はおむつに成形されていない材料から作製できる。サンプル146は、トップ層161を含めて、物品での使用を意図する全体構造部材、又は評価される物品の全体構造部材を含む。(個別の受入要素の圧力下での受入性能を測定するために、受入要素の項で上述したように、圧力下での受入試験は、真下の構造部材又は層の代わりに標準貯蔵要素147を使用して実施される。)サンプル146は、10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の寸法がある正方形に切断する。
【0138】
4インチx4インチの寸法がある大きい坪量の吸取紙149の5層が設けられる。サンプル146のトップ層161が取外され、またサンプル146の残りの要素又は層(複数の要素又は層があれば)、及び吸取紙材料149の5層は、最も近い0.01グラムまで計重される。かくしてサンプル146がおむつから取られているならば、トップシート、二次的トップシート、獲得層、吸収性コアなどのおむつの層を、計重前に分離する。(ある場合には、単一層が2つ以上の永久的に接着された要素を含むことがある。)そのように実施する際、サンプル146を破らないように、又はサンプル146の部分を偶然に全体を変形させないように注意しなければならない。サンプル146の層は、サンプル146の隣接する層からの分離を助けるために凍結できる。その凍結は、マサチューセッツ州ウオルサムにあるPhilips ECG,Inc.製のPH10015回路冷媒を使用して達成できる。
【0139】
サンプル146は、サンプル146の側面を、上に面した着用者に面し、かつ吸取紙材料149から離すようにして、吸取紙材料149の5枚の重ねられた層上に最初に構成されたように再集成する。吸取紙材料149は好ましくは、ペンシルバニア州Mt.Holly SpringsにあるAhlstrom Filtration Inc.から、メートル当たり約90グラムの坪量を有する#632−025として入手できるろ過等級紙である。
【0140】
サンプル146と吸取紙材料149の集成体は、Stevens−Farnell QTS−25 Model 7113−5kg テキスチャー・アナライザー160(英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できる)の測定表面164上の中心に合わせ、かつプローブ162の下に置かれる。適切なプローブ162は、英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できる100cm平坦端部円筒形アルミニウム伸張ロッド「QSTM3100」である。円筒形体140は、サンプル146上に中心が合わされる。2つの625グラム重り156は、プレート142の対向する隅部(斜めに)に載置されて、そのプレートを安定化する。約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔141を通して約10立方センチメートルの粘性流体身体排泄物類似物166をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。
【0141】
粘性流体身体排泄物類似物の類似物Aは、オハイオ州BrecksvilleにあるB.F.Goodrich Corporationから入手できるCarbopol 941、又は同等なアクリルポリマーの10グラムを900ミリリットルの蒸留水内で混合することにより作られる便状物質である。Carbopol 941及び蒸留水は、個別に計重及び測定される。2インチ径のパドルを有する3枚羽根型プロペラ(オハイオ州シンシナチにあるVWR Scientific Products Corp.から、カタログ#BR4553−64、3/8“攪拌シャフトBR4553−52へ装着されるものが入手できる)が、蒸留水を攪拌するのに使用される。プロペラ速度は、混合中は450rpmで一定にする。攪拌機には、飛まつを生じることなく渦巻きを形成させる。Carbopolは、渦巻き中に引かれ、かつ白いかたまり、すなわち「魚の目」を形成することなく混合されるように、水中に徐々に篩い分けされる。混合物は、全てのCarbopolが添加されるまで攪拌され、ついでその後、2分間攪拌される。混合物を含むボウルの側面は、かきとり、また均質な混合物が得られるように必要に応じて回転すれば、混合物は気泡で僅かに濁るようになる。ニュージャージー州PhillipsburgにあるJ.T.BakerCo.から入手できる1.0N容量NaOH溶液の100グラムを、ついで徐々に計算しながら混合物中に入れ、その混合物を均質になるまで攪拌する。混合物は濃くなり、透明になるはずである。その混合物をアルカリ溶液添加後に2分間攪拌する。その中和された混合物を少なくとも12時間平衡させ、その後96時間以内に圧力下での受入試験に使用する。Carbopol混合物を、使用前に、均質になるように、約1分間低速度(約50rpm)で攪拌する。
【0142】
類似物Aは、適正に調整されるならば、55と65グラムの間の「硬さ」値を有するはずである。硬さは、Stevens−Farnell QTS−25 テキスチャー・アナライザー、Model 7113−5kgを使用し、かつ486プロセッサ又はそれよりも高位のプロセッサを有するIntelベースのマシン上で付属ソフトウエアを使用して測定される。1/2インチ、ステンレス球形プローブ及び類似物受容器が設けられる。適切なプローブは、英国HatfieldにあるLeonard Farnell Co.から入手できるTA18である。類似物受容器は、7ミリメートル低密度直線ポリエチレンシンチレーションバイアル(0.55インチ±0.005インチの内径を有する)を15ミリメートル長さに切断することにより製作できる。適切なバイアルは、ニュージャージー州VinelandにあるKimble Glass Companyから#58503−7バイアルとして入手できる。類似物受容器は、試験される類似物で上端縁部から2ミリメートル以内に充填される。バイアルは、1/2インチ、ステンレス球形プローブの下に中心決めされる。プローブは、バイアル内の類似物の表面から約1ミリメートルの深さまで下げられる。プローブ162は、毎分100ミリメートルで7ミリメートル下方へ動かされ、ついで停止される。
硬さは、プローブの7ミリメートル行程上でプローブにより生じた最大記録抵抗力である。(部屋と類似物の温度は、測定中、約65乃至75の華氏温度にする。)
【0143】
粘性流体身体排泄物類似物166、類似物Aの適量が、一旦、円筒形体140中に計量して入れられると、24.6グラム重り144が、類似物の表面に載るまで、円筒形体140の孔140中に徐々にゆっくりと挿入される。テキスチャー・アナライザー160は、約144.6グラムの抵抗力に達するまで毎分10ミリメートルの速度で円筒形重り144をプローブ162が押すように、作動される。テキスチャー・アナライザー160は、一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、下向行程を停止するように設定される。レコーダーは、5グラムの抵抗力で起動するように設定される。(144.6グラムの最大抵抗力は、平方インチ当たり700パスカルすなわち0.1ポンドの印加圧力に対応する)。一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、プローブ162は、その開始位置まで引き込まれる。
【0144】
重り144が円筒形体140から取外され、ついで円筒形体140が、円筒形体140内に残る類似物Aをサンプル上に滴下しないように注意して、サンプル146の表面から取外される。ついでサンプル146のトップ層161は、可能ならば、真下の層の表面に平行にトップ層161を引っ張ることにより、サンプル146の、真下の層から取外される。トップ層161を真下の層に平行に引っ張ることによる取外すことが難しい一定の構造部材の場合、トップ層161をサンプル146の真下の層から剥離するか、又は持ち上げてもよい。サンプル146が単一の層だけを含むならば、以下に述べる標準受入要素150は、サンプル146のトップ層161として利用される。サンプル146の真下の層と吸取紙材料149がついで計重される。サンプル146により受入れられる類似物Aの量は、単位面積ベースで実施された単位仕事(ミリジュール)当たり、サンプル146のトップ層を通して浸透する試験類似物により生じるサンプル146の真下の層と吸取紙材料149を組合せた重量の増加に等しい。単位仕事を計算するのに使用される圧力を受ける面積対距離のカーブは、144.6グラムの最大力が記録されるまで移動する合計距離を通して、下向き行程上のプローブに抗する力を積分して計算される。単位仕事は、下記の等式を使用して計算される。
単位仕事(mJ)=圧力を受ける面積対距離のカーブ(g/mm)(9.81m/s2)/(1000mm/m)
【0145】
圧力下での感応性は、上述の圧力下での受入と同一の方法で測定される。ただしプローブ162の下向き行程上での144.6グラムの抵抗力の到達に必要な時間が測定及び記録される。圧力下での感応性は、下記の等式を使用して計算される。
圧力下での感応性(g/in2/mW)=圧力下での受入(g/in2/mJ)x144.6グラム抵抗力到達に必要な時間(sec)
【0146】
圧力下での貯蔵
圧力下での貯蔵は、図2に図示される、上述の同一の機器139を使用して測定される。圧力下での受入試験に記載される中空円筒形体140、重り144、及び625g重り156が設けられる。圧力下での貯蔵特性について試験される構造部材のサンプル146も提供される。同様にサンプル146は、既存のおむつ20から切断されるか、又はおむつに成形されていない材料から作製できる。
サンプル146は、物品での使用を意図する全体構造部材、又は評価される物品の全体構造部材を含む。(個別の貯蔵要素の圧力下での貯蔵性能を測定するために、貯蔵要素の項で上述したように、圧力下での貯蔵試験は、真下の構造部材又は層の代わりに標準受入要素150を使用して実施される。)サンプル146は、10.16cmx10.16cm(約4インチx4インチ)の寸法がある正方形に切断する。
【0147】
4インチx4インチの寸法がある大きい坪量の吸取紙149(上述の圧力下での受入試験記載されるものと同一)の5層が設けられる。サンプル146のトップ層161が取外され、またサンプル146の残りの要素又は層(複数の要素又は層があれば)、及び吸取紙材料149の5層は、最も近い0.01グラムまで計重される。かくしてサンプル146がおむつから取られているならば、トップシート24のようなおむつのトップ層161を、計重前に分離する。そのように実施する際、サンプル146を破らないように、又はサンプル146の部分を偶然に全体を変形させないように注意しなければならない。サンプル146の層は、サンプル146の隣接する層からの分離を助けるために上述のように凍結できる。
【0148】
サンプル146は、サンプル146の側面を、上に面した着用者に面し、かつ吸取紙材料149から離すようにして、吸取紙材料149の5枚の重ねられた層上に最初に構成されたように再集成する。サンプル146と吸取紙材料149の集成体は、テキスチャー・アナライザー160(上述の)の測定表面164上の中心に合わせ、かつプローブ162の下に置かれる。円筒形体140は、サンプル146上に中心が合わされる。2つの625グラム重り156は、プレート142の斜めに対向する隅部に載置されて、そのプレートを安定化する。約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔を通して約10立方センチメートルの類似物A(上述ののような)をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。24.6グラム重り144が、円筒形体140の孔141に挿入され、またテキスチャー・アナライザー160は、144.6グラムの抵抗力に達するまで毎分10ミリメートルの速度で円筒形重り144をプローブ162が押すように、作動される。(144.6グラムの最大抵抗力は、平方インチ当たり700パスカル又は0.1ポンドの印加圧力に対応する)。一旦、144.6グラムの抵抗力に達すると、プローブ162は、その開始位置まで引き込まれる。
【0149】
重り144が円筒形体140から取外され、ついで円筒形体140と重り156が、円筒形体140内に残る類似物Aをサンプル上に滴下しないように注意して、サンプル146の表面から取外される。ついでサンプル146は、可能ならば、測定表面164に平行にサンプル146を引っ張ることにより、テキスチャー・アナライザーの測定表面164から取外される。トップ層161を真下の層に平行に引っ張ることによる取外すことが難しい一定の構造部材の場合、トップ層161をサンプル146の真下の層から剥離するか、又は持ち上げてもよい。
サンプル146と吸取紙材料149がついで計重される。貯蔵される試験類似物A166の量は、単位面積ベースで、サンプル146中に浸透する試験類似物Aにより生じるサンプル146の真下の層と吸取紙材料149を組合せた重量の増加に等しい。
【0150】
圧縮変転下での不動化と保持
圧縮変転下での不動化と圧縮変転下での保持を測定するために、円筒形体140がプレート142上に取付けられる。円筒形体140は、7.5センチメートル(約2.95インチ)の高さ、5.08センチメートル(約2.00インチ)の内径、及び6.3センチメートル(約2.48インチ)の外径を有する。中空円筒形体140とプレート142は、上述の圧力下での受入と圧力下での貯蔵の試験に使用されたものと同一である。ただし、プレートは、その底部に「突起部」143を有しないし、また円筒形体140とプレート142はステンレス製である。ステンレス製の円筒形体140とプレート142は、約1170グラムの組合せ重量を有する。
【0151】
試験される構造部材のサンプル146が提供され、またトップ層161は、サンプル146に含まれれば、取外される。サンプル146の残りの真下の層、及び吸取紙149の5層が集成されて、計重される。ついでトップ層161が、その集成体の上端に置かれる。サンプル146は、構造部材に製造されなかった材料から製造することもできる。試験されるサンプル146と吸取紙149の組合せられた集成体は、ベンチトップ165上に置かれる。(個別の不動化と保持の要素の圧縮変転下での不動化と圧縮変転下での保持の性能を測定するために、不動化要素の項で上述したように、圧縮変転下での不動化試験が、トップ層161の代わりに標準受入要素150を使用して実施される。全ての真下の層が、この評価に含まれる。)約4乃至6ミリメートルの開口部を有する注射器が、円筒形体140の孔を通して約10立方センチメートルの試験類似物をサンプル146の上部へ小出しするのに使用される。この測定に使用される試験類似物(類似物B)は、以下のように調整された水性ポリアクリルアミド溶液である。ウイスコンシン州ミルウオーキーにあるAldrich Chemical Companyから入手できるポリアクリルアミドの22.5グラムが、オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるDawn皿洗溶液の20グラムを1000mlの蒸留水で希釈されたものと混合される。混合は、類似物Aの混合に使用された同一のプロペラを使用してなされる。ただし、プロペラ速度は、混合中は650rpmに一定にする。混合は、180°Fで水浴中において30分間なされる。加熱された水浴が取外され、混合物は、更に30分間攪拌される。混合物は、少なくとも12時間平衡化されて、その後96時間以内に圧縮変転下での不動化試験に使用される。類似物Bを、約7.5と約10.5グラムとの間の硬さ値(類似物Aについて上述したように測定される)を有するようにする。類似物Bは、母乳で育てられる小児からの実際の流動状便の水吸引力を模擬するようになっている。類似物Bは、類似物Aよりも一般に受入れが容易であり(すなわち、より流動性があり)、保持を一層難しくする。
【0152】
試験類似物(類似物B)は、重力の下で3分間サンプル146に浸透される。
ついで円筒形体140がサンプル146の表面から取外され、全体サンプル146が計重される。ついでサンプル146のトップ層161が、真下の層の表面からトップ層161を垂直に持ち上げ、過剰な類似物Bを下部層に流し戻すことにより、取外される。サンプル146の残りと吸取紙149の集成体が、ついで計重される。これは、この試験の負荷段階中に構造部材により吸収される類似物Bの正味量の尺度を提供する。ついでサンプル146は、トップ表面層161を含めて再集成される。4インチ平方の吸取紙149の3層が、提供され、計重される。標準貯蔵要素147が、提供され、吸取紙材料149の3層の上端に置かれる。再集成されたサンプル146は、標準貯蔵要素147と吸取紙149の3層の集成体上に反転される。(標準貯蔵要素147は、図4に示されるように、153個の規則的に離間する4.3mm径の孔168のパターンを有する4インチ平方で1.6ミリメートル厚さのアルミニウムプレートを備える。これらの孔は、平方インチ当たり約26個の孔があるように配列される。)
ついで、16ポンドで16平方インチの重り158(7000パスカル圧力、又は1.0psiに対応する)が、標準貯蔵要素147の反対に面するサンプル146の表面上に静かに置かれる。3分後に重り158が取外され、サンプル146は、試験類似物Bにより分離された側面が上を向くように再配向される。トップ層161が取外され、またサンプル146の残りの層と吸取紙149の5層が、測定及び記録される。サンプルの圧縮変転下での保持が、反転サイクル後の構造部材の真下の層に存在する試験類似物Bの実際の正味量として計算される。
【0153】
圧縮変転下での不動化は、反転サイクル後の構造部材の真下の層に残る負荷段階中に、構造部材を浸透した(すなわち、表面層を通して、サンプルの真下の層を通過した)試験類似物Bのパーセントとして計算される。圧縮変転下での不動化を求める等式は、以下の通りである。
圧縮変転下での不動化=圧縮変転下での保持(g)/負荷段階中に吸収された類似物Bの正味量(g)x100%
【実施例】
【0154】
比較対象例1乃至5は、技術上既知の組合せ構造部材の比較対象例である。例1乃至7は、本発明の具体的実施例である。構造部材のそれぞれは、粘性流体身体排泄物を受入、貯蔵、不動化及び保持する容量を求めるために上述のように試験された。試験結果が、図9乃至13に示されるグラフにプロットされる。
【0155】
(比較例1)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアの最後部4インチを含む区域から取られる。不織トップシートは、上述のように試験前に計重のために真下の層から分離される。それらの層の全ては、実際の試験に含まれる。
【0156】
(比較例2)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアを含む股区域から取られる。8ミリメートル径の孔が、千鳥列で、中心が13ミリメートル離間するように構造部材を通して打ち抜かれる(図7参照)。トップシートは、孔を打ち抜く前は、構造部材から取外されない。インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、試験のためにトップシートとしてこの構造部材上に置かれる。
【0157】
(比較例3)
サウスカロライナ州ノースチャールストンにあるChicopee,Inc.からGH437として入手できるヒドロエンタングル開口化不織ウエブが、インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX5790として入手できる大形気泡真空成形フイルム上に置かれる。
【0158】
(比較例4)
インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、ジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる、平方メートル当たり約110グラムの坪量と7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有する6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料上に置かれる。
【0159】
(比較例5)
インディアナ州Terre HauteにあるTredegar CorporationからX−3265として入手できる開口化真空成形フイルムが、ミネソタ州ミネアポリスにある3M CorporationからXPL−7124として入手できる、約1.5ミリメートルの未圧縮厚さを有する機械的締結ループ状のランディング要素上に置かれる。
【0160】
(実施例1)
バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる織網状織物が、6デニールの織縮されかつ樹脂接着された嵩高不織材料上に置かれる。その不織材料は、平方メートル当たり約110グラムの坪量と7.9ミリメートルの未圧縮厚さを有し、かつジョージア州WrensにあるGlit Comapnyから入手できる。その織網状織物は、60%の有効開口面積と5.0mm2の有効面積を有する主開口(米国特許第5,342,338号から組込まれた方法により測定される)とを有する。
【0161】
(実施例2)
オハイオ州シンシナティにあるProcter& Gamble Companyから入手できるサイズ1のPampers Premiumおむつから切断された4インチx4インチのサンプル。そのサンプルは、物品の全ての層を含み、また吸収性コアを含む股区域から取られる。8ミリメートル径の孔が、千鳥列で、中心が13ミリメートル離間するするように構造部材を通して打ち抜かれる(図7参照)。トップシートは、孔を打ち抜く前は、構造部材から取外されない。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に述べた織網状織物が、試験のためにトップシートとして構造部材上に置かれる。
【0162】
(実施例3)
イリノイ州ArcolaにあるLibman CompanyからLight Duty Scrubbers#00065として入手できるスクラッビングパッドの接着不織嵩高側面(以下「スクラバー」層と呼ぶ)が、スポンジ層から分離される。スクラバー層の厚さは、約7ミリメートルである。このスクラバー層は、約8mmx7mmx5mmの粒状物に切断され、また1.65グラムのスクラバー粒状物で16平方インチの部位を覆うように、ほぼ単一層で吸取紙材料149上に緩く分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、スクラバー粒状物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0163】
(実施例4)
例3に記載されるスクラバー粒状物の2グラムが、平方メートル当たり約45グラムの坪量を有する発泡吸収材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,260,345号に記載される)の帯片の0.35グラムと混合される。その帯片は、長さが約19ミリメートル、幅が6.4ミリメートル、及び厚さが2ミリメートルの寸法を有する。平方メートル当たり約126グラムの坪量を有する、約0.8mm厚さの「湿潤まで薄い」発泡吸収材料(ここに参照として組込まれる米国特許第5,387,207号に記載される)の16平方インチの部位上に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0164】
(実施例5)
例3に記載されるスクラバー粒状物の1.65グラムが、例4に記載される発泡吸収材料の帯片の0.25グラムと混合される。スクラバー粒状物と帯片が、吸取紙材料149の16平方インチ上に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0165】
(実施例6)
例3に記載されるスクラバー粒状物の1.65グラムが、吸取紙材料149の16平方インチ上にある例4に記載される発泡吸収材料の帯片の0.25グラム上に置かれる。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0166】
(実施例7)
オハイオ州シンシナチにあるVWR Scientific Products Corp.からカタログ#26396−621として入手できる6ミリメートル径ソーダライム#3000ガラスボールの36.35グラム(約127カウント)が、それぞれの帯片が約4.5ミリメートルの長さと幅の寸法を有する、例4に記載される発泡吸収材料の複数の帯片の0.23グラムと混合される。ニューヨーク州10016ニューヨーク5番街295にあるHomemakerから入手できるStay Put Rug Padの4インチx4インチのセクションが、試験用のガラスボールを安定化するために、25.4ミリメートル幅の3M Scotch Masking Tapeから作られた3インチx3インチの6.3ミリメートル高さの縁取り物をそのパッド上に置くことにより改質される。ついでこの改質されたセクションが吸取紙材料149上に置かれる。ガラスボールと発泡吸収材料立方体混合物が、ガラスビーズの単一層が形成されるようにマスキングテープ縁取り物により仕切られる9平方インチの部位内に分布される。バージニア州ノーフォークにあるDollar Tree Dist.からToy Tub Bagとして入手できる、例1に記載される織網状織物が、その混合物上に置かれて、試験される構造部材を形成する。
【0167】
以下の表は、上の例で説明された構造部材の圧力下での受入、圧力下での貯蔵、及び圧縮反転下の不動化と保持の性能を示す。表5からのデータの種々の組合せが、図9乃至13に図示されるグラフにプロットされる。
【0168】
【表5】
【0169】
粘性流体身体排泄物を管理するのを意図する構造部材に対する圧力下での受入(受入)、圧力下での貯蔵(貯蔵)、圧縮変転下での不動化(不動化)、及び圧縮変転下での保持(保持)の組合せた性能の重要性は、図9乃至13に具体的に示されるグラフにおいて容易に分る。図9乃至10において現行技術の代表的な構造部材(比較対象例C1乃至C5)は、本発明の代表的な構造部材(例1乃至7)と比較すると、図9に示される受入、貯蔵及び不動化の三次元空間において異なる区域を明らかに占める。図9は、現行技術の構造部材と、粘性流体身体排泄物(例えば、100%母乳で育てられる小児から通常排泄されるような)を処理する際に、本発明の構造部材(例1乃至7)との受入、貯蔵及び不動化の効率の相違を示す。この同一の利点は、図10に示される受入、貯蔵及び保持の三次元図においても明らかである。例(C1乃至C5及び1乃至7)についての粘性流体身体排泄物の受入及び貯蔵の性能の関係が、図11におけるグラフにプロットされる。図12は、例の不動化と保持の性能を具体的に示し、また図13は、粘性流体身体排泄物の貯蔵と不動化の関係を示す。図14は、粘性流体身体排泄物の圧力下での貯蔵と圧力下での感応性の関係を示す。
【0170】
本発明の特定の実施例を図示し説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の他の変形及び変更をすることができるのは、当業者とって明らかである。したがって、記載されたの請求項において、本発明の範囲内にある全てのそのような変形と変更を包含しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】真下の構造部材を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の吸収性物品の実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図2】構造物の圧力下での許容値と圧力下での貯蔵値の特性を測定するのに使用できる機器の模式正面図である。
【図3】構造物の保留特性、及び圧縮変転下での不動化特性を測定するのに使用できる機器の模式側面図である。
【図4】図3に示される機器の一片の平面図である。
【図5】真下の構成部分を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の一実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図6】図5のおむつの線6−6についての断面図である。
【図6A】本発明の別の実施例の断面図である。
【図7】真下の構造部材を見せるために切り欠いた部分を有する本発明の一実施例の平面図であり、おむつの身体に面する表面が、観察者に面する。
【図8】本発明の別の実施例の平面図である。
【図9】代表的な構造物の圧力下での許容値と、圧力下での貯蔵値と、及び圧縮変転下での不動化値との間の関係を示す三次元グラフ図である。
【図10】代表的な構造物の圧力下での許容値と、圧力下での貯蔵値と、及び保留値との間の関係を示す三次元グラフ図である。
【図11】代表的な構造物の圧力下での許容値と圧力下での貯蔵値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図12】代表的な構造物の保留値と圧縮変転下での不動化値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図13】代表的な構造物の圧縮変転下での不動化値と圧力下での貯蔵値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図14】代表的な構造物の圧力下での貯蔵値と圧力下での感応性値との間の関係を示す二次元図形表示である。
【図15】本発明の貯蔵要素の透視説明図である。
【図16】貯蔵要素の第2の実施例の透視説明図である。
【図17】貯蔵要素の第3の実施例の透視説明図である。
【図18】貯蔵要素の第4の実施例の透視説明図である。
【図19】貯蔵要素の第5の実施例の透視説明図である。
【図20】本発明の貯蔵要素の他の実施例の平面説明図である。
【図21】本発明の貯蔵要素の他の実施例の平面説明図である。
【図22】本発明の貯蔵要素を製造する方法と装置の模式説明図である。
【図23】本発明の貯蔵要素を製造する方法と装置の他の実施例の模式説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央区域により分離される2つの対向する端部区域を有する吸収性物品であって、
エネルギー入力のミリジュール当たり受入れ要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.50グラムより大きい圧力下での許容値を有する受入要素により特徴づけられる、中央区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素と、及び
接合自在位置と断続的な弓状部分を有する三次元ウエブを含む、貯蔵要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.70グラムより大きい圧力下での貯蔵値を有する貯蔵要素と、を含む吸収性物品。
【請求項2】
第1のウエスト区域、第1のウエスト区域に対向する第2のウエスト区域、及び第1ウエスト区域と第2のウエスト区域との間に配設される股区域を更に備える請求項1の吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
トップシートの少なくとも一部分へ接合される液体不透過性バックシートと、及び
トップシートの少なくとも一部分とバックシートとの間に配設される吸収性コアと、を含む吸収性物品。
【請求項3】
三次元ウエブは、嵩高不織材料又はループ状の材料を含み、その嵩高不織材料又はループ状の材料は、親水性、疎水性、減摩性又はそれらの組合せたものである、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項4】
前記受入れ物品は、約25gsmから少なくとも約30gsmまでの坪量、約50%から約70%までの有効開口面積、及び約4.0mm2から約6.0mm2までの主開口サイズも有する網状織物を含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項5】
前記三次元ウエブは、一般に均一の平均高さを有し、前記平均高さは、約0.5ミリメートルよりも大きく、より好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項6】
前記三次元ウエブは、約5gsm乃至約300gsmの坪量を有する材料を含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項7】
前記貯蔵要素は、前部主要表面及び後部主要表面を有する裏材を更に含み、前記裏材の前記前部主要表面は、前記接着自在箇所の接着部分において前記三次元ウエブへ接合される、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項8】
前記裏材材料は、不織ウエブを含み、繊維を有し、前記繊維は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維又はそれらの組合せから選択され、また好ましくは前記裏材材料構造部材は、個別の繊維、編繊維、不編繊維、スクリム織物、網状繊維、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルム、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ又はそれらの組合せ、もしくはそれ以上を含む、請求項7の吸収性物品。
【請求項9】
前記繊維は50未満のデニールを有する請求項7の吸収性物品。
【請求項10】
貯蔵要素は、不動化要素、好ましくはスクラバー粒状物、吸収材料又はそれらの組合せを含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項1】
中央区域により分離される2つの対向する端部区域を有する吸収性物品であって、
エネルギー入力のミリジュール当たり受入れ要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.50グラムより大きい圧力下での許容値を有する受入要素により特徴づけられる、中央区域の少なくとも一部分に配設される排泄物管理要素と、及び
接合自在位置と断続的な弓状部分を有する三次元ウエブを含む、貯蔵要素の平方インチ当たり粘性流体身体排泄物の約0.70グラムより大きい圧力下での貯蔵値を有する貯蔵要素と、を含む吸収性物品。
【請求項2】
第1のウエスト区域、第1のウエスト区域に対向する第2のウエスト区域、及び第1ウエスト区域と第2のウエスト区域との間に配設される股区域を更に備える請求項1の吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
トップシートの少なくとも一部分へ接合される液体不透過性バックシートと、及び
トップシートの少なくとも一部分とバックシートとの間に配設される吸収性コアと、を含む吸収性物品。
【請求項3】
三次元ウエブは、嵩高不織材料又はループ状の材料を含み、その嵩高不織材料又はループ状の材料は、親水性、疎水性、減摩性又はそれらの組合せたものである、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項4】
前記受入れ物品は、約25gsmから少なくとも約30gsmまでの坪量、約50%から約70%までの有効開口面積、及び約4.0mm2から約6.0mm2までの主開口サイズも有する網状織物を含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項5】
前記三次元ウエブは、一般に均一の平均高さを有し、前記平均高さは、約0.5ミリメートルよりも大きく、より好ましくは約2.5ミリメートルよりも大きい、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項6】
前記三次元ウエブは、約5gsm乃至約300gsmの坪量を有する材料を含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項7】
前記貯蔵要素は、前部主要表面及び後部主要表面を有する裏材を更に含み、前記裏材の前記前部主要表面は、前記接着自在箇所の接着部分において前記三次元ウエブへ接合される、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【請求項8】
前記裏材材料は、不織ウエブを含み、繊維を有し、前記繊維は、コンジュゲート繊維、スプリット繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維又はそれらの組合せから選択され、また好ましくは前記裏材材料構造部材は、個別の繊維、編繊維、不編繊維、スクリム織物、網状繊維、熱可塑性フイルム、ポーラスフイルム、開口化フイルム、開口形成フイルム、未開口化形成フイルム、不織ウエブ、通気性フイルム、マイクロポーラスフイルム、開口化不織ウエブ又はそれらの組合せ、もしくはそれ以上を含む、請求項7の吸収性物品。
【請求項9】
前記繊維は50未満のデニールを有する請求項7の吸収性物品。
【請求項10】
貯蔵要素は、不動化要素、好ましくはスクラバー粒状物、吸収材料又はそれらの組合せを含む、上述の請求項のいずれかの吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−188136(P2010−188136A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−50836(P2010−50836)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2001−511867(P2001−511867)の分割
【原出願日】平成12年7月10日(2000.7.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50836(P2010−50836)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2001−511867(P2001−511867)の分割
【原出願日】平成12年7月10日(2000.7.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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