説明

粘着シート

【課題】接近して僅かな隙間しかない物体の片方にだけ目的どおり粘着シートを貼り付ける。
【解決手段】シート基材に粘着材層を設け、粘着材層にシート基材より大きい面積の剥離シートを貼り付けた粘着シートを製作し、剥離シート側に折り曲げて二重折にする。この粘着シートを目的の物体の隙間に挿入し、移動させ粘着材層の一部を目的の物体に粘着し剥離シートのみを、先端方向に引くことにより粘着材層と剥離シートは分離して粘着シートを貼り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
貼り付けが容易な、粘着シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から粘着シートは充分な空間にある物体には容易に貼り付けることは出来たが、貼り付ける目的の物体が、他の物体に接近していて隙間が僅かである場合、粘着剤が目的以外の物に粘着し、目的の物体に容易に貼り付けることは出来なかった。
【0003】
例えば、配管設備において壁際に接近した配管に保温材を施工し、シートで仕上げ等をする場合に、粘着剤を用いたシートでの仕上げは、ほとんど不可能であった。
【0004】
また従来からの粘着シートでは粘着剤から剥離シートを最初に剥がす場合、指先だけで剥離をするのが容易ではなく、剥離シートと剥離シートを一部重ねて剥離シートが粘着剤に接しない部分を設けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開 2006−312701
【特許文献2】特開 平7−248094
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、二つの物体が接近したり接触していても、僅かな隙間があれば片方の物体にだけ、目的どおり粘着シートを貼り付ける手段を持つことである。
【0007】
また、粘着材から剥離シートを容易に剥すことができる手段をもつことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はシート基材の片面に粘着剤層を設ける。そのシート基材の少なくとも一方向以上の方向に剥離シートをはみ出して粘着剤層に貼り合わせる粘着シートを製作する。
【0009】
前記、粘着シートの、シート基材から剥離シートがはみ出した部分近くから、粘着材層に貼り合わせた剥離シート側に、はみ出した剥離シートを折り曲げて一部を概略二重にする。
【0010】
また、シート基材から剥離シートがはみ出した部分近くで、シート基材に粘着材層の一部無い部分を設けた粘着シートを用いる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粘着シートは、物体と物体の僅かな隙間に差し込んでもその時点では粘着剤層が露出していないので、いずれの物体にも粘着せず容易に目的の物体の近くに、粘着シートを配置できる。粘着シートの折り曲げた部分近くを、指先等で強く持ち、剥離シートのみを先端方向に引くことによって、剥離剤で加工された剥離シートは、摩擦抵抗が小さくシート基材は摩擦抵抗が大きいため、シート基材とそれに設けられた粘着剤層は指先等に残り剥離シートのみ分離される。この時、露出した粘着剤層の一部だけを目的物に貼り付ける、なおも剥離シートのみを引けば完全に剥離シートは剥がされる。最初に粘着剤層の一部だけを目的の物体に貼り付けるので粘着シートの位置決めが正確にできる。
粘着シートの折り曲げる部分近くで、粘着剤層よりシート基材を粘着剤層の厚み寸法以上に長くすることによって、粘着材層が一部設けられていないシート基材が指先等の摩擦抵抗となって、粘着剤層と剥離シートの分離はさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、シート基材に粘着材層を設け、剥離シートをシート基材からはみ出して粘着材層に貼り付け、シート基材より剥離シートがはみ出した近くから、剥離シートを剥離シート側に折り曲げ概略二重にした粘着シートの斜視図。
【図2】図2は、粘着シートの、シート基材より剥離シートがはみ出した近くのシート基材を粘着材層の厚み寸法より以上に大きくした粘着シート斜視図。
【図3】図3は、剥離シートがシート基材からはみ出した近くで、剥離シート側に折り曲げずに、概略平面とした粘着シートの斜視図。
【図4】図4は、図3の裏面図。
【図5】図5は、指先にシート基材と粘着材層が残り剥離シートが分離して剥がれていく斜視図。
【図6】図6は、狭い隙間に粘着シートを差込み目的の所に粘着シートの先端部を貼り付けた図
【図7】図7は、粘着シートの、シート基材より剥離シートがはみ出した近くのシート基材を粘着材層の厚み寸法より以上に大きくした粘着シートを任意のところで折り曲げた斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
シート基材の片面に粘着材層を設け、シート基材よりも大きな剥離シートを用いて粘着材層に貼り付け粘着シートを製作する。その粘着シートを剥離シート側に折り曲げる。
【実施例1】
【0014】
目的とする適当な大きさのシート基材の片面に粘着材層を設ける。そのシート基材より少なくとも一方向以上に、はみ出して剥離シートを粘着材層に貼り付けて粘着シートを製作する。剥離シートのはみ出す寸法は、使用目的によって決める。
【実施例2】
【0015】
粘着シートの、シート基材より剥離シートがはみ出した近くから粘着シートを剥離シート側に折り曲げる。
【実施例3】
【0016】
粘着シートの、シート基材より剥離シートがはみ出した近くのシート基材を、粘着材層の厚み寸法より以上粘着材層より大きくする。
【産業上の利用可能性】
【0017】
充分な空間の無い位置にある物体に粘着シートを貼り付けられるため、例えば、壁際の配管等の仕上げシート巻き等に利用可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 シート基材
1a
シート基材であり粘着材層が設けられていない部分
2 粘着材層
3 剥離シート
4 配管
5 保温材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート基材の片面に粘着材層を設ける。粘着材層を設けたシート基材の片面より大きい面積の剥離シートを、少なくとも一方向以上にはみ出して粘着材層に貼り付けた粘着シートを、剥離シートがシート基材からはみ出した近くを粘着材層に貼り付けた剥離シート側に折り曲げ一部が概略二重になった粘着シート。
【請求項2】
剥離シートがシート基材からはみ出した近くで剥離シート側に折り曲げずに、概略平面とし任意のところで折り曲げて使用する請求項1の粘着シート。
【請求項3】
剥離シートがシート基材からはみ出した近くのシート基材を、粘着材層より粘着材層の厚み寸法分以上大きくし、大きくした部分に粘着材層が設けられていないシート基材を用いる請求項1の粘着シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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