精神治療装置
本発明は使用者の眼球運動を所定の方式に誘導及び補助することによって、使用者の精神治療に效果を与えることができるようにする精神治療装置に関する。本発明に係る精神治療装置は、使用者の顔に着用可能であり、使用者の目に対応される部分が開口されたフレームと、上記フレームの前面に結合されるとともに、使用者の目に対して左右に移動する発光点を提供する前面パネルを備えて構成される本体と、上記前面パネルの動作を制御するコントロールボックスとを備えて構成され、上記本体とコントロールボックスは、ワイヤによって電気的に結合されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の眼球運動を所定方式に誘導することによって、使用者の精神治療に效果を与えることができるようにした精神治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、交通事故、強姦、暴行などを含めて、戦争、自然災害など多様な形態の事故が発生している。そして、このような事故は、人の精神健康に深刻な影響及び被害を与えることになり、このような事故を経験した当事者は苦しい記憶と、外傷後ストレス障害は勿論、ひどい場合には、恐怖症、恐慌発作、小児情緒的問題などの精神病的症状に苦しむことになる。
【0003】
従来の精神医学的治療方法としては、薬物を利用した治療方法が主に用いられて来た。しかし、このような治療方法は、その治療期間が非常に長くかかり、治療效果も非常に制限的に得られるため、多くの人がまだ上記精神病的症状に苦しんでいる。
【0004】
上記精神病的症状を治療する方法として、目を左右に往復運動させたり、両膝を交互に叩く方法、両耳に交互に音を聞かせる方法などを通じて、人間の両脳を刺激する方法が效果的なものと報告されている。
【0005】
特に、1987年アメリカの心理学者フランシーン シャピロ(Francine Shapiro)は、偶然に自発的な眼球運動が否定的で気持ち悪い思いを減少させて、恐怖症や恐慌障害などに非常に效果的であるということを発見した。このような眼球運動は、通常EMDR(Eye Movement Desensitization and Processing)と称している。このEMDRは、医者が指を左右に動いて、患者が両目で医者の指を見詰めるようにして、患者が一定の速度で眼球を左右に動くようにしながら、眼球運動とともに、例えば、左右側の手平に刺激を与える単純な方法によって実行される。EMDRは、漸進的に多くの精神科治療に適用されており、従来の薬物治療方法に比べて、效果が早く、治療期間も非常に短縮されて、治療者と患者に非常に満足的な結果を提供しているものと報告されている。
【0006】
また、上記両脳を刺激する方法は、深刻な精神的疾患だけでなく、従来の悪い記憶による単純な不安感や恐怖症を治癒するにも效果であるものと報告されている。
【0007】
しかし、上記精神的治療を受けるためには、患者が精神病院を訪問して、精神科医者と面談をしなければならないが、通常、重症の患者ではない単純な情緒的不安感がある人の場合には、精神科医者を訪問することに心理的、時間的制限があるため、簡単な脳刺激運動のみで治癒することができる精神的障害を甘受しながら生活する場合が多くある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて創出されたものであって、一般人が一人で簡単に両脳を刺激する方式によって、精神治療をするようにする精神治療装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達するための本発明の請求項1に係る精神治療装置は、使用者の顔に着用可能であり、使用者の目に対応する部分が開口されたフレームと、上記フレームの前面に結合されるとともに、使用者の目に対して左右に移動する発光点を提供する前面パネルを備えて構成される本体と、上記前面パネルの動作を制御するコントロールボックスとを備えて構成され、上記本体とコントロールボックスは、ワイヤによって電気的に結合されることを特徴とする。
【0010】
また、上記前面パネルは、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【0011】
また、上記前面パネルは、フレームの中央部を基準に、左右方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【0012】
また、上記本体は、使用者の顔の両側面に対応する部分に、振動手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0013】
また、上記本体は、音声信号を出力するためのイヤホンをさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0014】
また、上記前面パネルの内側には横方向に沿って複数のLEDが備えられ、上記複数のLEDは、使用者の左側の目に対応する位置に設置される第1列と、使用者の右側の目に対応する位置に設置される第2列に分けられ、上記第1列と第2列のLEDは、選択的に1つずつ点滅され、その点滅位置が左側または右側方向に順次に往復移動することを特徴とする。
【0015】
また、上記コントロールボックスは、使用者が上記第1及び第2列のLEDのうち同時に点灯されるLEDの位置を調節するための調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0016】
また、上記コントロールボックスは、上記イヤホンによって冥想音楽を出力することを特徴とする。
【0017】
また、上記コントロールボックスは、上記LEDを通じて出力される光量を調節するための光量調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
また、上記前面パネルがディスプレーであることを特徴とする。
【0019】
また、使用者の左右側の身体に刺激を与えるための振動発生手段をさらに備えて構成され、上記コントロールボックスは、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段を駆動することを特徴とする。
【0020】
また、上記前面パネルの前面に遮断板が備えられ、上記遮断板は、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上記のように構成された本発明によれば、使用者が本発明に係る本体を顔に着用して、前面パネルを通じて表示される光を目で眺めるだけで、正確で楽に脳刺激動作を行うことができる。
【0022】
また、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段が駆動されるので、使用者が医者がいなくても效果的に脳刺激方式による精神治療を受けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例による精神治療装置の外観形象を示した斜視図である。
【図2】図1で本体1を前面から見た場合の外観形象を示した外観斜視図である。
【図3】図1で本体1を後面から見た場合の外観形象を示した外観斜視図である。
【図4】図2に対応される分離斜視図である。
【図5】図3に対応される分離斜視図である。
【図6】本体の駆動回路の構成を概略的に示したブロック構成図である。
【図7】図1でコントロールボックス2の前面の外観形象を示した外観斜視図である。
【図8】図1でコントロールボックス2の後面の外観形象を示した外観斜視図である。
【図9】コントロールボックス2の内部回路構成を概略的に示したブロック構成図である。
【図10】振動パッド5の外観形象を示した斜視図である。
【図11】図1で前面パネル13に設置されるLEDの配置構成を示した図である。
【図12】本発明に係る精神治療装置の動作を説明するための図である。
【図13】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【図14】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【図15】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。ただし、以下に説明する実施例は本発明の1つの好ましい具現例を例示的に示したものであり、このような実施例の例示は本発明の権利範囲を制限するためのものではない。本発明はその技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々に変形して実施することができる。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る精神治療装置の外観形象を示した斜視図である。
【0026】
図1で精神治療装置は、基本的に顔に着用する本体1と、コントロールボックス2とを備える。また、ここに選択的に使用者が手首などに着用して使用することができる振動パッド5を備えて構成される。
【0027】
本体1及び振動パッド5は、コントロールボックス2とワイヤ3、6によって電気的に結合され、ワイヤ3、6はコントロールボックス2に着脱可能に締結される。
【0028】
図2及び図3は、本体1をそれぞれ前面及び後面から見た斜視図であり、図4及び図5は、図2及び図3に対応される分離斜視図である。
【0029】
本体1は、前面が開口されたフレーム11と、このフレーム11の両側に結合されるともに、本体1を使用者の両側のこめかみ部分や耳にかけるための足12を備える。このとき、足12は、フレーム11に対して折り曲げることができるように、ヒンジによって結合される。また、フレーム11の後側の中央部には、本体1を使用者の鼻にかけるための鼻掛け部111が締結される。上記足12と鼻掛け部111は、本体1を使用者の顔にかけるための掛け手段として提供されるものである。また、このような掛け手段としては、上記構造に限定されず、例えばフレーム11をバンドで使用者の頭部分に固定する方法なども採用することができる。
【0030】
また、上記フレーム11の前面中央部には、前面パネル13をフレーム11に結合させるための結合部材112が締結される。特に、結合部材112は、フレーム11とヒンジ結合され、前面パネル13は、結合部材112と ピボット112bによって結合される。これによって、前面パネル13は、ヒンジ軸112aを基準にフレーム11に対して上下方向に回転されるとともに、ピボット112bを基準に左右方向に回転可能になるように結合される。
【0031】
前面パネル13は、例えば透明材質の硝子または合成樹脂で構成され、内側中央部には、長手方向に沿ってLED基板131を実装するためのLED基板安着溝13aが設けられる。上記LED基板131上には、長手方向に沿って複数のLEDが設置される。また、前面パネル13としては、LCDなどのディスプレーが用いられる。また、前面パネル13の前面には、不透明材質で構成される遮断板14が備えられる。この遮断板14は、フレーム11にヒンジ結合されて、フレーム11に対して上下方向に回転されることができるようになっている。
【0032】
フレーム11の前面中央部には、基板を収納するための収納部15が設けられる。収納部15内の基板上には、本体1を駆動するための回路部が実装される。図面に具体的に示していないが、上記収納部15に実装される基板は、LED基板131にフレキシブルケーブルによって電気的に結合されるとともに、下記に説明する振動部122と電気的に結合される。また、図面に具体的に示していないが、上記結合部材112には、前面パネル13と収納部15を連結する貫通孔が形成されるとともに、前面パネル13と収納部15にもこれに対応する貫通孔が形成される。この貫通孔には、フレキシブルケーブルが設置される。
【0033】
一方、上記フレーム11の両側面には、イヤホン4を掛けするためのイヤホン掛け部121が設けられ、フレーム11の後部両側には、振動部122を締結するための振動部締結溝113がそれぞれ設けられる。そして、フレーム11の両側の下端部には、イヤホン4のジャック41を締結するためのイヤホンジャッキホルダー114が形成され、図面に具体的に示していないが、フレーム11の一側の下端部には、ワイヤ3を引き入れるためのワイヤポートが設けられる。このワイヤポートは、上記したように、フレーム11の内側に引き入れられて、駆動回路部に電気的に結合されるとともに、イヤホンジャッキホルダー114に電気的に結合される。
【0034】
図6は、本体1に備えられる駆動回路部の構成を示したブロック構成図である。本体駆動回路部は、コントロールボックス2に連結されるワイヤ3を結合するためのワイヤポート61と、イヤホン4に結合されるイヤホン連結ポート62、ワイヤポート61を通じて伝送されるコントロールボックス2から制御データを基にLED基板131とモーター駆動部64を駆動制御する制御部63、及び制御部63の制御によって振動部122の振動モーターを駆動するモーター駆動部64を備えて構成される。
【0035】
本体1の動作電源は、コントロールボックス2からワイヤ3を通じて供給される。また、コントロールボックス2は、本体1に対してLED駆動及び振動部122の駆動のための制御データと、イヤホン4によって出力される音声情報を提供する。
【0036】
上記制御データには、LEDの駆動パターン、LEDの点滅速度、最初に点滅されるLEDの位置情報、LEDの輝度情報などが含まれる。また、制御部63からモーター駆動部64に供給される制御信号は、ワイヤポート61を通じてコントロールボックス2に提供される。コントロールボックス2は本体1からのモーター駆動信号に同期して振動パッド5を駆動したり、ビーフ音やナレーション情報などの音声情報を本体1側に提供する。コントロールボックス2から提供される音声情報は、イヤホン連結ポート62を通じてイヤホン4に提供される。
【0037】
図7は、図1でコントロールボックス2の前面外観形象を示した斜視図であり、図8は、コントロールボックス2の後面外観形象を示した斜視図である。
【0038】
コントロールボックス2の前面には、本装置の動作状態を表示したり、動作モードを選択したりするためのディスプレーパネル21が備えられ、このディスプレーパネル21の下側には、メニュ−キ22、探索キー23、方向キー24及び選択キー25が備えられる。ここで、探索キー23は、使用者が治療シナリオなどを探索するための用途で使われる。
【0039】
コントロールボックス2の上側には、ワイヤ3を着脱可能に結合するためのワイヤジャック26と、振動パッド5を結合するための振動パッド連結ジャック27とが備えられる。コントロールボックス2の一側には、イヤホン4や下記に説明するスピーカー30によって出力される音量を調節するための音量調節キー28と、本体1の動作を一時停止させるためのホルダーキ29が備えられる。また、図面に具体的に示していないが、コントロールボックス2の他側には、録音キーと電源キーが備えられ、コントロールボックス2の下側には、外部電源を入力するための電源ジャックと本コントロールボックス2とを、例えば、個人用コンピューターなどに結合するための例えばUSBポートが備えられる。
【0040】
また、コントロールボックス2の後面には、音声を出力するためのスピーカー30と、コントロールボックス2を立てて支持するための支持台31が備えられる。
【0041】
使用者は、上記メニュ−キ22、方向キー24及び選択キー25を用いて、本精神治療装置の動作モード及び動作状態を設定することができる。使用者が選択可能な動作状態設定モードとしては、例えばLED焦点調節、LED駆動時のビーフ音出力、振動部122や振動パッド5の駆動、ナレーションの再生、ナレーション背景音楽の再生、音声録音、LEDディスプレーのスイング速度可変、LED輝度調節、振動部122や振動パッド5の振動強度調節、治療コンテンツダウンロードなどがある。使用者は、メニュ−キ22を用いて所望の動作状態設定モードを設定した後、方向キー24と選択キー25を用いて動作状態を設定する。
【0042】
図9は、上記コントロールボックス2の内部回路構成を概略的に示したブロック構成図である。
【0043】
コントロールボックス2は、上述したように、ディスプレーパネル21、USBポート91、ワイヤジャック26、振動パッド連結ジャック27及びスピーカー30を備えるとともに、外部キーの操作を検出するためのキーパッド92、ビージー及びナレーション情報を保存するためのメモリー93、ビージーデータを再生するためのサーブデコーダー94及び装置全体を制御するコントローラ95を備えて構成される。特に、ここでコントローラ95は、全体的な制御動作以外に、ナレーションの再生と各種入出力データのアナログ/デジタル及びデジタル/アナログ変換動作、ビージーとナレーション情報の合成動作などを行う。
【0044】
また、コントロールボックス2は、上記の構成以外に、装置動作のための充放電用バッテリーなどを含む電源部を備える。
【0045】
図10は、振動パッド5の外観形象を示した斜視図である。振動パッド5は、一対の円形パッド51と、円形パッド51にそれぞれ実装される振動板52とを備えて構成される。上記円形パッド51は、例えばシリコーン樹脂などのような伸縮性のある材質で構成され、振動板52は、ワイヤ6を通じてコントロールボックス2に電気的に結合される。この振動パッド5は、使用者が必要によって、これを両手首などに着用して使用する。
【0046】
上記振動パッド5は、特定の形象のものに限定されず、例えば、使用者が手でつかみやすい楕円形球の形象で構成してもよい。
【0047】
図11及び図12は、本体1の動作を説明するための説明図であり、これは本発明の本体1を顔に着用した場合、使用者の左右側の瞳A、Bに対して LED132が配置される形態を図示的に示したものである。
【0048】
本体1を顔に着用すると、左右側の瞳A、Bに対して、LED132が所定角度の範囲内で左右側に配置される。使用者がコントロールボックス2の動作モードを選択した後、これを作動させると、コントローラ95は、LED132の初期点灯位置情報、LEDの輝度情報、振動部122の振動強度情報、LEDの点灯パターン情報などの作動データを本体1の制御部63に提供する。
【0049】
本体1の制御部63は、コントローラ95から印加される作動データを基に、LED132とモーター駆動部64とを駆動制御する。即ち、制御部63は、例えば左側に位置するLED132aから右側に位置するLED132b側にLED132を順次にオンにし、再び、右側に位置するLED132bから左側に位置するLED132a側にLED132を順次にオンにする。この動作を繰り返して行う。そうすると、使用者の瞳A、Bは、オンになったLED132を見詰めることになり、これによって、瞳A、Bは、それぞれA1からA2及びB1からB2の区間を繰り返して往復運動することになる。また、制御部63は、上記LED駆動動作に同期してモーター駆動部64によって振動部122を駆動することによって、使用者の左右側の身体部位に対して、物理的な刺激を加えることになる。
【0050】
また、上記動作状態でコントローラ95は、スピーカー30またはイヤホン4を通じて、案内音声、例えば「忘れたい記憶を思い浮かんでください」のように、使用者の精神病的症状を治療するための音声信号を出力する。また、上述したように、コントローラ95は、ワイヤジャック26を通じて、本体1から印加されるモーター駆動信号に同期して、即ち本体1の制御部63が最両端に設置されたLED132a、LED132bを点灯させる場合には、イヤホン4によってビーフ音を出力するとともに、振動パッド5を駆動して使用者の身体左右側に物理的な刺激を加える。勿論、この場合ビーフ音の出力と振動部122または振動パッド5の駆動は、使用者がコントロールボックス2のメニュ−キ22及び選択キー25を用いて選択的に使うことができる。
【0051】
振動部122または振動パッド5の駆動は、上記LED132の駆動と同期的に行われる。即ち、制御部63とコントローラ95は、左側に位置するLED132aがオンになった場合には、使用者の身体の左側に対応される振動部122及び振動パッド5を駆動し、右側に位置するLED132bがオンになった場合には、使用者の身体の右側に対応される振動部122 及び振動パッド5を駆動する。
【0052】
また、コントロールボックス2は、使用者のイヤホン4を通じて、LED132の点滅動作に合わせて、例えばビーフ音(beep sound)などの点滅音を提供することも可能である。このような点滅音の提供は、左側のLED132aがオンになった場合には、左側のイヤホンのみを通じて点滅音を提供し、右側のLED132bがオンになった場合には、右側のイヤホンのみを通じて点滅音を提供することになる。
【0053】
また、上記点滅音を提供するとともに、別途の冥想音楽や案内音声などをイヤホン4を通じて提供することも好ましい。
【0054】
一方、上記装置で、使用者は、左側の目で左側の列に位置するLED132を見詰めることになり、右側の目で右側の列に位置するLED132を見詰めることになるので、使用者の両目に見えるLED132による光点が1つに一致しない場合が発生される。また、このように両目で見るLED132の焦点位置が一致しない場合、使用者の目には、2つのLEDが見えることになるが、このような状態で使用者が眼球運動をする場合、眩暈症状などを招くことができる。
【0055】
上記問題点を解決するために焦点調節機能が提供される。
【0056】
使用者が本体1を顔に着用した状態で、LED132による放出光が図13に示したように、2つの像に見える場合、使用者はコントロールボックス2を操作して焦点調節モードを選択する。焦点調節モードは、メニュ−キー22と選択キー25とを用いて選択する。焦点調節モードが設定されると、使用者は方向キー24を用いて焦点調節動作を行うことができる。即ち、焦点調節モードが選択されると、コントローラ95と制御部63は、図14で基板131上の左右側列の中央部に当たるLED132cのみを点灯状態に設定して、焦点調節モードに切り替える。
【0057】
焦点調節モードで使用者がコントロールボックス2の方向キー24を押すと、使用者が左側または右側の方向キー24を押すたびに、コントローラ95及び制御部63は、LED132cを基準に、点灯状態のLED132をA側またはB側に移動させる。基板131上に実装されたLED132の左右側の点灯状態がA方向に移動されると、点灯された左右LEDの間の距離が漸次に小くなるので、図13で使用者の目に見える2つの像の間の距離が漸次に小くなり、LED132の左右側の点灯状態がB方向に移動されると、点灯された左右LEDの間の距離が漸次に大きくなるので、図13で使用者の目に見える2つの像の間の距離は漸次に大きくなる。従って、使用者が本体1を顔に着用した状態で、方向キー24を操作する方法によって、目に見える像の個数を1つに調節及び設定することができる。
【0058】
上記焦点調節モードが終わると、コントローラ95は、該LEDの点灯位置情報を保存しておき、以後の本体動作時には、保存されたLEDの位置情報をLEDの初期点灯位置情報として本体1に提供する。
【0059】
一方、上記方法によって、LEDに対する視覚点が1つに設定された場合にも、使用者が本体1を顔に着用する時、本体1と両目との間の水平状態によって、図15に示したように、目に見えるLEDの発光点が2つに見えるようになる。この状態では、使用者は結合部材112に結合された前面パネル13をピボット112bを中心に左右に回転させることによって目に見える発光点を 1つに一致させることができる。
【0060】
また、上記方法によって、発光点を1つに設定した後には、結合部材112をフレーム11に対して上、下方向に回転させることによって、目に見える発光点の大きさを適切に調節することができる。
【0061】
勿論、上記焦点一致方法は、発光点をLED132を用いて具現する場合を基に説明したが、このような方式は、前面パネルとしてLCDなどのディスプレーを利用する場合にも同じ方式で適用することができる。ただ、ディスプレーを利用する場合には、使用者が方向キー24を押すたびに、制御部が発光表示されるディスプレー上の画素位置を左右方向に移動させる方法で具現することができる。また、ディスプレーを利用する場合には、前面パネル13を結合部材112に対して回転させる代りに、使用者が方向キーを利用して、ディスプレー上の画素位置を上下方向に移動させる方法を採用することができる。
【0062】
上記のように構成された本発明によると、使用者が本発明に係る本体を顔に着用して前面パネルを通じて表示される光を目で眺めるだけで、正確で、楽に眼球運動を行うことができる。
【0063】
また、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段が駆動されるようになるので、使用者は医者がいなくても、両側の脳刺激方式による精神治療を受けることができる。
【0064】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々に変形させて実施することができる。
【0065】
例えば、上記実施例においては、本体1を別途のコントロールボックス2に結合して使用することに対して説明したが、上記コントロールボックス2としては、特定のもの以外に一般的な個人用コンピューターや携帯電話を用いて具現してものよい。
【0066】
また、上記実施例で、フレーム11に対して前面パネル13を回動及び回転させるための構造も特定のものに限定されるものでなく、任意の構造を採用して用いてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の眼球運動を所定方式に誘導することによって、使用者の精神治療に效果を与えることができるようにした精神治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、交通事故、強姦、暴行などを含めて、戦争、自然災害など多様な形態の事故が発生している。そして、このような事故は、人の精神健康に深刻な影響及び被害を与えることになり、このような事故を経験した当事者は苦しい記憶と、外傷後ストレス障害は勿論、ひどい場合には、恐怖症、恐慌発作、小児情緒的問題などの精神病的症状に苦しむことになる。
【0003】
従来の精神医学的治療方法としては、薬物を利用した治療方法が主に用いられて来た。しかし、このような治療方法は、その治療期間が非常に長くかかり、治療效果も非常に制限的に得られるため、多くの人がまだ上記精神病的症状に苦しんでいる。
【0004】
上記精神病的症状を治療する方法として、目を左右に往復運動させたり、両膝を交互に叩く方法、両耳に交互に音を聞かせる方法などを通じて、人間の両脳を刺激する方法が效果的なものと報告されている。
【0005】
特に、1987年アメリカの心理学者フランシーン シャピロ(Francine Shapiro)は、偶然に自発的な眼球運動が否定的で気持ち悪い思いを減少させて、恐怖症や恐慌障害などに非常に效果的であるということを発見した。このような眼球運動は、通常EMDR(Eye Movement Desensitization and Processing)と称している。このEMDRは、医者が指を左右に動いて、患者が両目で医者の指を見詰めるようにして、患者が一定の速度で眼球を左右に動くようにしながら、眼球運動とともに、例えば、左右側の手平に刺激を与える単純な方法によって実行される。EMDRは、漸進的に多くの精神科治療に適用されており、従来の薬物治療方法に比べて、效果が早く、治療期間も非常に短縮されて、治療者と患者に非常に満足的な結果を提供しているものと報告されている。
【0006】
また、上記両脳を刺激する方法は、深刻な精神的疾患だけでなく、従来の悪い記憶による単純な不安感や恐怖症を治癒するにも效果であるものと報告されている。
【0007】
しかし、上記精神的治療を受けるためには、患者が精神病院を訪問して、精神科医者と面談をしなければならないが、通常、重症の患者ではない単純な情緒的不安感がある人の場合には、精神科医者を訪問することに心理的、時間的制限があるため、簡単な脳刺激運動のみで治癒することができる精神的障害を甘受しながら生活する場合が多くある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて創出されたものであって、一般人が一人で簡単に両脳を刺激する方式によって、精神治療をするようにする精神治療装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達するための本発明の請求項1に係る精神治療装置は、使用者の顔に着用可能であり、使用者の目に対応する部分が開口されたフレームと、上記フレームの前面に結合されるとともに、使用者の目に対して左右に移動する発光点を提供する前面パネルを備えて構成される本体と、上記前面パネルの動作を制御するコントロールボックスとを備えて構成され、上記本体とコントロールボックスは、ワイヤによって電気的に結合されることを特徴とする。
【0010】
また、上記前面パネルは、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【0011】
また、上記前面パネルは、フレームの中央部を基準に、左右方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【0012】
また、上記本体は、使用者の顔の両側面に対応する部分に、振動手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0013】
また、上記本体は、音声信号を出力するためのイヤホンをさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0014】
また、上記前面パネルの内側には横方向に沿って複数のLEDが備えられ、上記複数のLEDは、使用者の左側の目に対応する位置に設置される第1列と、使用者の右側の目に対応する位置に設置される第2列に分けられ、上記第1列と第2列のLEDは、選択的に1つずつ点滅され、その点滅位置が左側または右側方向に順次に往復移動することを特徴とする。
【0015】
また、上記コントロールボックスは、使用者が上記第1及び第2列のLEDのうち同時に点灯されるLEDの位置を調節するための調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0016】
また、上記コントロールボックスは、上記イヤホンによって冥想音楽を出力することを特徴とする。
【0017】
また、上記コントロールボックスは、上記LEDを通じて出力される光量を調節するための光量調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
また、上記前面パネルがディスプレーであることを特徴とする。
【0019】
また、使用者の左右側の身体に刺激を与えるための振動発生手段をさらに備えて構成され、上記コントロールボックスは、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段を駆動することを特徴とする。
【0020】
また、上記前面パネルの前面に遮断板が備えられ、上記遮断板は、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上記のように構成された本発明によれば、使用者が本発明に係る本体を顔に着用して、前面パネルを通じて表示される光を目で眺めるだけで、正確で楽に脳刺激動作を行うことができる。
【0022】
また、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段が駆動されるので、使用者が医者がいなくても效果的に脳刺激方式による精神治療を受けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例による精神治療装置の外観形象を示した斜視図である。
【図2】図1で本体1を前面から見た場合の外観形象を示した外観斜視図である。
【図3】図1で本体1を後面から見た場合の外観形象を示した外観斜視図である。
【図4】図2に対応される分離斜視図である。
【図5】図3に対応される分離斜視図である。
【図6】本体の駆動回路の構成を概略的に示したブロック構成図である。
【図7】図1でコントロールボックス2の前面の外観形象を示した外観斜視図である。
【図8】図1でコントロールボックス2の後面の外観形象を示した外観斜視図である。
【図9】コントロールボックス2の内部回路構成を概略的に示したブロック構成図である。
【図10】振動パッド5の外観形象を示した斜視図である。
【図11】図1で前面パネル13に設置されるLEDの配置構成を示した図である。
【図12】本発明に係る精神治療装置の動作を説明するための図である。
【図13】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【図14】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【図15】使用者の目に見える発光点の焦点調節動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。ただし、以下に説明する実施例は本発明の1つの好ましい具現例を例示的に示したものであり、このような実施例の例示は本発明の権利範囲を制限するためのものではない。本発明はその技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々に変形して実施することができる。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る精神治療装置の外観形象を示した斜視図である。
【0026】
図1で精神治療装置は、基本的に顔に着用する本体1と、コントロールボックス2とを備える。また、ここに選択的に使用者が手首などに着用して使用することができる振動パッド5を備えて構成される。
【0027】
本体1及び振動パッド5は、コントロールボックス2とワイヤ3、6によって電気的に結合され、ワイヤ3、6はコントロールボックス2に着脱可能に締結される。
【0028】
図2及び図3は、本体1をそれぞれ前面及び後面から見た斜視図であり、図4及び図5は、図2及び図3に対応される分離斜視図である。
【0029】
本体1は、前面が開口されたフレーム11と、このフレーム11の両側に結合されるともに、本体1を使用者の両側のこめかみ部分や耳にかけるための足12を備える。このとき、足12は、フレーム11に対して折り曲げることができるように、ヒンジによって結合される。また、フレーム11の後側の中央部には、本体1を使用者の鼻にかけるための鼻掛け部111が締結される。上記足12と鼻掛け部111は、本体1を使用者の顔にかけるための掛け手段として提供されるものである。また、このような掛け手段としては、上記構造に限定されず、例えばフレーム11をバンドで使用者の頭部分に固定する方法なども採用することができる。
【0030】
また、上記フレーム11の前面中央部には、前面パネル13をフレーム11に結合させるための結合部材112が締結される。特に、結合部材112は、フレーム11とヒンジ結合され、前面パネル13は、結合部材112と ピボット112bによって結合される。これによって、前面パネル13は、ヒンジ軸112aを基準にフレーム11に対して上下方向に回転されるとともに、ピボット112bを基準に左右方向に回転可能になるように結合される。
【0031】
前面パネル13は、例えば透明材質の硝子または合成樹脂で構成され、内側中央部には、長手方向に沿ってLED基板131を実装するためのLED基板安着溝13aが設けられる。上記LED基板131上には、長手方向に沿って複数のLEDが設置される。また、前面パネル13としては、LCDなどのディスプレーが用いられる。また、前面パネル13の前面には、不透明材質で構成される遮断板14が備えられる。この遮断板14は、フレーム11にヒンジ結合されて、フレーム11に対して上下方向に回転されることができるようになっている。
【0032】
フレーム11の前面中央部には、基板を収納するための収納部15が設けられる。収納部15内の基板上には、本体1を駆動するための回路部が実装される。図面に具体的に示していないが、上記収納部15に実装される基板は、LED基板131にフレキシブルケーブルによって電気的に結合されるとともに、下記に説明する振動部122と電気的に結合される。また、図面に具体的に示していないが、上記結合部材112には、前面パネル13と収納部15を連結する貫通孔が形成されるとともに、前面パネル13と収納部15にもこれに対応する貫通孔が形成される。この貫通孔には、フレキシブルケーブルが設置される。
【0033】
一方、上記フレーム11の両側面には、イヤホン4を掛けするためのイヤホン掛け部121が設けられ、フレーム11の後部両側には、振動部122を締結するための振動部締結溝113がそれぞれ設けられる。そして、フレーム11の両側の下端部には、イヤホン4のジャック41を締結するためのイヤホンジャッキホルダー114が形成され、図面に具体的に示していないが、フレーム11の一側の下端部には、ワイヤ3を引き入れるためのワイヤポートが設けられる。このワイヤポートは、上記したように、フレーム11の内側に引き入れられて、駆動回路部に電気的に結合されるとともに、イヤホンジャッキホルダー114に電気的に結合される。
【0034】
図6は、本体1に備えられる駆動回路部の構成を示したブロック構成図である。本体駆動回路部は、コントロールボックス2に連結されるワイヤ3を結合するためのワイヤポート61と、イヤホン4に結合されるイヤホン連結ポート62、ワイヤポート61を通じて伝送されるコントロールボックス2から制御データを基にLED基板131とモーター駆動部64を駆動制御する制御部63、及び制御部63の制御によって振動部122の振動モーターを駆動するモーター駆動部64を備えて構成される。
【0035】
本体1の動作電源は、コントロールボックス2からワイヤ3を通じて供給される。また、コントロールボックス2は、本体1に対してLED駆動及び振動部122の駆動のための制御データと、イヤホン4によって出力される音声情報を提供する。
【0036】
上記制御データには、LEDの駆動パターン、LEDの点滅速度、最初に点滅されるLEDの位置情報、LEDの輝度情報などが含まれる。また、制御部63からモーター駆動部64に供給される制御信号は、ワイヤポート61を通じてコントロールボックス2に提供される。コントロールボックス2は本体1からのモーター駆動信号に同期して振動パッド5を駆動したり、ビーフ音やナレーション情報などの音声情報を本体1側に提供する。コントロールボックス2から提供される音声情報は、イヤホン連結ポート62を通じてイヤホン4に提供される。
【0037】
図7は、図1でコントロールボックス2の前面外観形象を示した斜視図であり、図8は、コントロールボックス2の後面外観形象を示した斜視図である。
【0038】
コントロールボックス2の前面には、本装置の動作状態を表示したり、動作モードを選択したりするためのディスプレーパネル21が備えられ、このディスプレーパネル21の下側には、メニュ−キ22、探索キー23、方向キー24及び選択キー25が備えられる。ここで、探索キー23は、使用者が治療シナリオなどを探索するための用途で使われる。
【0039】
コントロールボックス2の上側には、ワイヤ3を着脱可能に結合するためのワイヤジャック26と、振動パッド5を結合するための振動パッド連結ジャック27とが備えられる。コントロールボックス2の一側には、イヤホン4や下記に説明するスピーカー30によって出力される音量を調節するための音量調節キー28と、本体1の動作を一時停止させるためのホルダーキ29が備えられる。また、図面に具体的に示していないが、コントロールボックス2の他側には、録音キーと電源キーが備えられ、コントロールボックス2の下側には、外部電源を入力するための電源ジャックと本コントロールボックス2とを、例えば、個人用コンピューターなどに結合するための例えばUSBポートが備えられる。
【0040】
また、コントロールボックス2の後面には、音声を出力するためのスピーカー30と、コントロールボックス2を立てて支持するための支持台31が備えられる。
【0041】
使用者は、上記メニュ−キ22、方向キー24及び選択キー25を用いて、本精神治療装置の動作モード及び動作状態を設定することができる。使用者が選択可能な動作状態設定モードとしては、例えばLED焦点調節、LED駆動時のビーフ音出力、振動部122や振動パッド5の駆動、ナレーションの再生、ナレーション背景音楽の再生、音声録音、LEDディスプレーのスイング速度可変、LED輝度調節、振動部122や振動パッド5の振動強度調節、治療コンテンツダウンロードなどがある。使用者は、メニュ−キ22を用いて所望の動作状態設定モードを設定した後、方向キー24と選択キー25を用いて動作状態を設定する。
【0042】
図9は、上記コントロールボックス2の内部回路構成を概略的に示したブロック構成図である。
【0043】
コントロールボックス2は、上述したように、ディスプレーパネル21、USBポート91、ワイヤジャック26、振動パッド連結ジャック27及びスピーカー30を備えるとともに、外部キーの操作を検出するためのキーパッド92、ビージー及びナレーション情報を保存するためのメモリー93、ビージーデータを再生するためのサーブデコーダー94及び装置全体を制御するコントローラ95を備えて構成される。特に、ここでコントローラ95は、全体的な制御動作以外に、ナレーションの再生と各種入出力データのアナログ/デジタル及びデジタル/アナログ変換動作、ビージーとナレーション情報の合成動作などを行う。
【0044】
また、コントロールボックス2は、上記の構成以外に、装置動作のための充放電用バッテリーなどを含む電源部を備える。
【0045】
図10は、振動パッド5の外観形象を示した斜視図である。振動パッド5は、一対の円形パッド51と、円形パッド51にそれぞれ実装される振動板52とを備えて構成される。上記円形パッド51は、例えばシリコーン樹脂などのような伸縮性のある材質で構成され、振動板52は、ワイヤ6を通じてコントロールボックス2に電気的に結合される。この振動パッド5は、使用者が必要によって、これを両手首などに着用して使用する。
【0046】
上記振動パッド5は、特定の形象のものに限定されず、例えば、使用者が手でつかみやすい楕円形球の形象で構成してもよい。
【0047】
図11及び図12は、本体1の動作を説明するための説明図であり、これは本発明の本体1を顔に着用した場合、使用者の左右側の瞳A、Bに対して LED132が配置される形態を図示的に示したものである。
【0048】
本体1を顔に着用すると、左右側の瞳A、Bに対して、LED132が所定角度の範囲内で左右側に配置される。使用者がコントロールボックス2の動作モードを選択した後、これを作動させると、コントローラ95は、LED132の初期点灯位置情報、LEDの輝度情報、振動部122の振動強度情報、LEDの点灯パターン情報などの作動データを本体1の制御部63に提供する。
【0049】
本体1の制御部63は、コントローラ95から印加される作動データを基に、LED132とモーター駆動部64とを駆動制御する。即ち、制御部63は、例えば左側に位置するLED132aから右側に位置するLED132b側にLED132を順次にオンにし、再び、右側に位置するLED132bから左側に位置するLED132a側にLED132を順次にオンにする。この動作を繰り返して行う。そうすると、使用者の瞳A、Bは、オンになったLED132を見詰めることになり、これによって、瞳A、Bは、それぞれA1からA2及びB1からB2の区間を繰り返して往復運動することになる。また、制御部63は、上記LED駆動動作に同期してモーター駆動部64によって振動部122を駆動することによって、使用者の左右側の身体部位に対して、物理的な刺激を加えることになる。
【0050】
また、上記動作状態でコントローラ95は、スピーカー30またはイヤホン4を通じて、案内音声、例えば「忘れたい記憶を思い浮かんでください」のように、使用者の精神病的症状を治療するための音声信号を出力する。また、上述したように、コントローラ95は、ワイヤジャック26を通じて、本体1から印加されるモーター駆動信号に同期して、即ち本体1の制御部63が最両端に設置されたLED132a、LED132bを点灯させる場合には、イヤホン4によってビーフ音を出力するとともに、振動パッド5を駆動して使用者の身体左右側に物理的な刺激を加える。勿論、この場合ビーフ音の出力と振動部122または振動パッド5の駆動は、使用者がコントロールボックス2のメニュ−キ22及び選択キー25を用いて選択的に使うことができる。
【0051】
振動部122または振動パッド5の駆動は、上記LED132の駆動と同期的に行われる。即ち、制御部63とコントローラ95は、左側に位置するLED132aがオンになった場合には、使用者の身体の左側に対応される振動部122及び振動パッド5を駆動し、右側に位置するLED132bがオンになった場合には、使用者の身体の右側に対応される振動部122 及び振動パッド5を駆動する。
【0052】
また、コントロールボックス2は、使用者のイヤホン4を通じて、LED132の点滅動作に合わせて、例えばビーフ音(beep sound)などの点滅音を提供することも可能である。このような点滅音の提供は、左側のLED132aがオンになった場合には、左側のイヤホンのみを通じて点滅音を提供し、右側のLED132bがオンになった場合には、右側のイヤホンのみを通じて点滅音を提供することになる。
【0053】
また、上記点滅音を提供するとともに、別途の冥想音楽や案内音声などをイヤホン4を通じて提供することも好ましい。
【0054】
一方、上記装置で、使用者は、左側の目で左側の列に位置するLED132を見詰めることになり、右側の目で右側の列に位置するLED132を見詰めることになるので、使用者の両目に見えるLED132による光点が1つに一致しない場合が発生される。また、このように両目で見るLED132の焦点位置が一致しない場合、使用者の目には、2つのLEDが見えることになるが、このような状態で使用者が眼球運動をする場合、眩暈症状などを招くことができる。
【0055】
上記問題点を解決するために焦点調節機能が提供される。
【0056】
使用者が本体1を顔に着用した状態で、LED132による放出光が図13に示したように、2つの像に見える場合、使用者はコントロールボックス2を操作して焦点調節モードを選択する。焦点調節モードは、メニュ−キー22と選択キー25とを用いて選択する。焦点調節モードが設定されると、使用者は方向キー24を用いて焦点調節動作を行うことができる。即ち、焦点調節モードが選択されると、コントローラ95と制御部63は、図14で基板131上の左右側列の中央部に当たるLED132cのみを点灯状態に設定して、焦点調節モードに切り替える。
【0057】
焦点調節モードで使用者がコントロールボックス2の方向キー24を押すと、使用者が左側または右側の方向キー24を押すたびに、コントローラ95及び制御部63は、LED132cを基準に、点灯状態のLED132をA側またはB側に移動させる。基板131上に実装されたLED132の左右側の点灯状態がA方向に移動されると、点灯された左右LEDの間の距離が漸次に小くなるので、図13で使用者の目に見える2つの像の間の距離が漸次に小くなり、LED132の左右側の点灯状態がB方向に移動されると、点灯された左右LEDの間の距離が漸次に大きくなるので、図13で使用者の目に見える2つの像の間の距離は漸次に大きくなる。従って、使用者が本体1を顔に着用した状態で、方向キー24を操作する方法によって、目に見える像の個数を1つに調節及び設定することができる。
【0058】
上記焦点調節モードが終わると、コントローラ95は、該LEDの点灯位置情報を保存しておき、以後の本体動作時には、保存されたLEDの位置情報をLEDの初期点灯位置情報として本体1に提供する。
【0059】
一方、上記方法によって、LEDに対する視覚点が1つに設定された場合にも、使用者が本体1を顔に着用する時、本体1と両目との間の水平状態によって、図15に示したように、目に見えるLEDの発光点が2つに見えるようになる。この状態では、使用者は結合部材112に結合された前面パネル13をピボット112bを中心に左右に回転させることによって目に見える発光点を 1つに一致させることができる。
【0060】
また、上記方法によって、発光点を1つに設定した後には、結合部材112をフレーム11に対して上、下方向に回転させることによって、目に見える発光点の大きさを適切に調節することができる。
【0061】
勿論、上記焦点一致方法は、発光点をLED132を用いて具現する場合を基に説明したが、このような方式は、前面パネルとしてLCDなどのディスプレーを利用する場合にも同じ方式で適用することができる。ただ、ディスプレーを利用する場合には、使用者が方向キー24を押すたびに、制御部が発光表示されるディスプレー上の画素位置を左右方向に移動させる方法で具現することができる。また、ディスプレーを利用する場合には、前面パネル13を結合部材112に対して回転させる代りに、使用者が方向キーを利用して、ディスプレー上の画素位置を上下方向に移動させる方法を採用することができる。
【0062】
上記のように構成された本発明によると、使用者が本発明に係る本体を顔に着用して前面パネルを通じて表示される光を目で眺めるだけで、正確で、楽に眼球運動を行うことができる。
【0063】
また、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段が駆動されるようになるので、使用者は医者がいなくても、両側の脳刺激方式による精神治療を受けることができる。
【0064】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々に変形させて実施することができる。
【0065】
例えば、上記実施例においては、本体1を別途のコントロールボックス2に結合して使用することに対して説明したが、上記コントロールボックス2としては、特定のもの以外に一般的な個人用コンピューターや携帯電話を用いて具現してものよい。
【0066】
また、上記実施例で、フレーム11に対して前面パネル13を回動及び回転させるための構造も特定のものに限定されるものでなく、任意の構造を採用して用いてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の目に対応する部分が開口されたフレームと、上記フレームを使用者の顔に着用するための掛け手段、上記フレームの前面に結合されるとともに、使用者の目に対して左右に移動する発光点を提供する前面パネルを備えて構成される本体と、
上記前面パネル動作を制御するコントロールボックスとを備えて構成され、
上記本体とコントロールボックスは、ワイヤによって電気的に結合されることを特徴とする精神治療装置。
【請求項2】
上記前面パネルは、フレームに対して、上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項3】
上記前面パネルは、フレームの中央部を基準に、左右方向に回転可能になるように結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項4】
上記本体は、使用者の顔の両側面に対応される部分に、振動手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項5】
上記本体は、音声信号を出力するためのイヤホンをさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項6】
上記前面パネルの内側には、横方向に沿って複数のLEDが備えられ、上記複数のLEDは、使用者の左側の目に対応する位置に設けられる第1列と使用者の右側の目に対応する位置に設けられる第2列に分けられ、上記第1列と第2列のLEDは選択的に1つずつ点滅され、その点滅位置が左側または右側方向に順次に往復移動されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項7】
上記コントロールボックスは、使用者が上記第1及び第2列のLEDのうち同時に点灯されるLEDの位置を調節するための調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項6記載の精神治療装置。
【請求項8】
上記コントロールボックスは、上記イヤホンによって冥想音楽を出力することを特徴とする請求項5記載の精神治療装置。
【請求項9】
上記コントロールボックスは、上記LEDを通じて出力される光量を調節するための光量調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項10】
上記前面パネルがディスプレーであることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項11】
使用者の左右側の身体に刺激を与えるための振動発生手段をさらに備えて構成され、上記コントロールボックスは、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段を駆動することを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項12】
上記前面パネルの前面に遮断板が備えられ、上記遮断板は、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項1】
使用者の目に対応する部分が開口されたフレームと、上記フレームを使用者の顔に着用するための掛け手段、上記フレームの前面に結合されるとともに、使用者の目に対して左右に移動する発光点を提供する前面パネルを備えて構成される本体と、
上記前面パネル動作を制御するコントロールボックスとを備えて構成され、
上記本体とコントロールボックスは、ワイヤによって電気的に結合されることを特徴とする精神治療装置。
【請求項2】
上記前面パネルは、フレームに対して、上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項3】
上記前面パネルは、フレームの中央部を基準に、左右方向に回転可能になるように結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項4】
上記本体は、使用者の顔の両側面に対応される部分に、振動手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項5】
上記本体は、音声信号を出力するためのイヤホンをさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項6】
上記前面パネルの内側には、横方向に沿って複数のLEDが備えられ、上記複数のLEDは、使用者の左側の目に対応する位置に設けられる第1列と使用者の右側の目に対応する位置に設けられる第2列に分けられ、上記第1列と第2列のLEDは選択的に1つずつ点滅され、その点滅位置が左側または右側方向に順次に往復移動されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項7】
上記コントロールボックスは、使用者が上記第1及び第2列のLEDのうち同時に点灯されるLEDの位置を調節するための調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項6記載の精神治療装置。
【請求項8】
上記コントロールボックスは、上記イヤホンによって冥想音楽を出力することを特徴とする請求項5記載の精神治療装置。
【請求項9】
上記コントロールボックスは、上記LEDを通じて出力される光量を調節するための光量調節手段をさらに備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項10】
上記前面パネルがディスプレーであることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項11】
使用者の左右側の身体に刺激を与えるための振動発生手段をさらに備えて構成され、上記コントロールボックスは、上記前面パネルの駆動と同期的に振動発生手段を駆動することを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【請求項12】
上記前面パネルの前面に遮断板が備えられ、上記遮断板は、フレームに対して上下方向に回転可能に結合されることを特徴とする請求項1記載の精神治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2011−520547(P2011−520547A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510412(P2011−510412)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000305
【国際公開番号】WO2009/142380
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(509248073)
【氏名又は名称原語表記】LEE, In Tae
【住所又は居所原語表記】36−26, Annyeong−dong, Hwaseong−si, Gyeonggi−do 445−380 Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000305
【国際公開番号】WO2009/142380
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(509248073)
【氏名又は名称原語表記】LEE, In Tae
【住所又は居所原語表記】36−26, Annyeong−dong, Hwaseong−si, Gyeonggi−do 445−380 Korea
【Fターム(参考)】
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