説明

糊付け盤

【課題】 新聞切抜きなど各種サイズの貼付片の縁部に幅狭く真っ直ぐ糊付けできる、目的縁部以外に糊が付着しないため糊使用量も少ない、扱い易い糊付け盤を提案する。
【解決手段】 縁を丸めた厚み約3mm以上の直辺を有する台板と、当該直辺から約10mm以上離れて並行し、一端をバネ留めして押さえると当該台板面に接する制止バーとからなる。使い方は、貼付片の縁を台板の丸縁に合わせて置き制止バーを押さえて固定し、糊容器の塗布口を貼付片の縁に当て移動させて糊を付け、制止バーを離して貼付片を台板面で回して同じ要領で対縁にも糊を付ける。貼付片を摘み上げて、整理台紙に貼付する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼付片への糊付け作業に制止バー付き下敷として利用する盤に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞切り抜き等の貼付け作業には、糊の過剰使用、はみ出し、指などの汚れ、糊付け台紙とその使用スペースの確保などの不便がある。液糊のほかスティック糊やテープ糊などの改良品にも、貼付片の長い辺縁や角隅部へ適用し難い不便がある。改良の提案は、糊付け用の対向ガイド装置(特許文献1)、位置決めストッパ台に立設する糊付け具(特許文献2)、糊付けローラー(特許文献3)等、専ら糊付け具の改良についてである。ところで、糊付け具を適用する貼付片の扱い方は、大方は平らな台紙上に置いて掌と指で抑えるので、貼付片のずれや捲れ、蛇行してばらつく糊付けの重複動作、置く台紙スペースの確保等の不便がある。この改良提案に、案内バー付きの糊付けシート(特許文献4)があるが、当該シート周辺及び各種サイズ貼付片の表面など目的縁部以外への或る程度の糊付着は不可避であった。
【特許文献1】特開平08−142595号公報
【特許文献2】特開2000−211293号公報
【特許文献3】特開2003−191693号公報
【特許文献4】特開2005−81688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、新聞切抜きなど各種サイズの貼付片の縁部に幅狭く真っ直ぐ糊付けできる、目的縁部以外に糊が付着しないため糊使用量も少ない、扱い易い糊付け盤を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明における糊付け盤は、縁を丸めた厚み約3mm以上の直辺を有する台板と、当該直辺から約10mm以上離れて並行し、一端をバネ留めして押さえると当該台板面に接する制止バーとからなる。使い方は、貼付片の縁を台板の丸縁に合わせて置き制止バーを押さえて固定し、糊容器の塗布口を貼付片の縁に当て移動させて糊を付け、制止バーを離して貼付片を台板面上で回して同じ要領で対縁にも糊を付ける。貼付片を摘み上げて、整理台紙に貼付する。
【0005】
本発明の糊付け盤における、縁を丸めた厚み約3mm以上の直辺を有する台板は、この丸縁上にある貼付片の縁部に液糊容器の塗布口を当て移動させて、幅狭く真っ直ぐ糊付けすることを、従って台紙に付く余分な糊をなくすることを可能にする。厚みが約3mm以下では糊付け盤を置いた部位にまで糊が付着しかねず、厚過ぎると周囲との高低差が大きく作業の流れを妨げる。例えば5mm以上2cm以下が推奨される。厚み約3mm以上の直辺の丸縁は、多角化乃至円化して尖り過ぎず緩やか過ぎなければ、貼付片の縁部が糊容器の塗布口に押されて撓って糊付けされる。即ち、貼付片に対応した糊容器の塗布口の角度と押し付け方で調整でき、蛇行も塗り斑も避けることを可能にする。貼付片の上下端縁への糊の点付けも容易に実施できる。台板から突き出る貼付片の非直縁部に対しても多くの場合台板面上で回して目的縁部以外への付着なく糊付けすることができる。
【0006】
本発明の糊付け盤における台板は、指先狂い等による糊付着を考えると糊の剥がれ易い素材が望ましい。例えばポリオレフィン製プレートを用いるが、作業域だけをシリコン、フッ素樹脂、離型紙等による被覆もできる。形状は箱状でも勾配付き板状でも矩形に限らないが、直辺部のみが厚み約3mm以上でも良い。汎用サイズとして、A4紙サイズ(縦297mm横210mm)程度までの貼付片に対応できるB4紙サイズ(縦364mm横257mm)の矩形板が便利である。貼付片の縁を台板の丸縁に合わせて置き、僅かに貼付片を突き出すことで、その表側及び台板への糊の付着を防ぐとともに塗り幅を狭くして糊の使用量を減らすことを容易にする。台板は、貼付した整理台紙の後仕上げ用の伸し板にもなる。
【0007】
本発明の糊付け盤における、当該直辺から約10mm以上離れて並行し、一端をバネ留めして押さえると当該台板面に接する制止バーは、貼付片を台板面上に確実に押さえて貼付片のずれや捲れを防ぐので、糊付けの重複動作、はみ出し、指などの汚れ等を軽減し、点付けを含め糊付けをより円滑に実施可能にする。台板直辺の丸縁上の貼付片縁に液糊容器の塗布口を当て移動させるので、直辺から遠い制止バーへの糊付着は生じない。制止バーの台板への片端係止は、両端係止と異なり、広く開放された台板面で貼付片を扱うので、貼付片から制止バー裏面への糊付着を生じさせない。更に、大小の貼付片を抜き差しせずに回して対縁に、多少反り上がっていても糊付けしやすいように押さえることができる。また、小片は制止バーを用いず指で押さえることができる。非直縁部にも制止バーに妨げられずに台板面で回して糊付けできる。制止バー自体の幅は使用範囲では約5mm−10mmが適当で、それより広過ぎると貼付片のサイズと取扱い性が制限され、狭過ぎると貼付片の押さえが不確実になる。
【0008】
本発明における制止バーには通常、透明プラスチック製の平板棒を用いることができるが、厚み等サイズと形状に応じて、押さえると台板面に全長的に接する靭性材料から選択できる。制止バーを台板に固定乃至係止する種々の方法が考えられ、単純な接着固定から、可動クリップへの取付け式まで可能である。押さえると台板面に接する工夫は、台板直辺からの係止を含め、板バネやコイルバネ、ゴムヒンジなど選択できるが、例えば安全ピン型のループバネで台板上辺と制止バー上辺をつなぐと適度に振れるので制止に融通が利いて簡便である。この場合、上方及び左右への振れを一定範囲内に抑える制動枠を嵌めると一層扱い易い。自由端に面ファスナーや各種ボタンを付して制止バーを閉じて仮止め収納できる。形状デザイン自由な制止バーに目盛等の表示を入れることもできる。
【0009】
本発明の糊付け盤の形状とサイズ及び材質は、上記の特徴を満たして目的に応じて選択できる。例えば台板として、ポリプロピレン製のプレートを用いるが、台板面の作業域のみにフィルムコーティングする等の複合プレートを採用できる。制止バーとして、例えばポリプロピレンやアクリル樹脂等プラスチック製の或いはアルミニウムやステンレス鋼等の金属製の平板棒、三角棒や半円棒、扁平楕円棒等を用いることができる。サイズと形状に応じて、押さえると台板面に全長的に接する単一或いは複合材料製の靭性バーとして作製する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上述のとおり構成されているので、台板上に種々サイズの貼付片を置いて、その表側への糊の付着を防ぐとともに台板に付く余分な糊をなくすることを可能にする。無駄になる台紙を使う必要がない。貼付片を台板面上に縁合わせして制止バーで確実に押さえてずれや捲れを防ぎ、縁部に幅狭く真っ直ぐ糊付けして、糊付けの重複動作、はみ出し、指などの汚れ等を減らす。片端係止の制止バーは、台板面が広く開放されて、貼付片から制止バー裏面への糊付着はなく、大小の貼付片を台板面上で回して対縁に、多少反り上がっていても糊付けしやすいように押さえ同じ要領で糊付けできる。また、小片は制止バーを用いず指で押さえることができる。非直縁部にも制止バーに妨げられずに台板面上で回して糊付けできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
新聞切抜き等の貼付片への糊付けを簡便に実施できるという目的を、軽量、安価、堅牢で製作容易な構成により実現した。
【実施例1】
【0012】
図1において、台板(1)は、縦360mm横220mm厚み5mmのポリプロピレン製で、丸縁(3)が約3mm幅の直辺(2)より約20mm離れて上辺側部にバネ端挿入孔を有する。制止バー(4)は、アクリル樹脂製の幅10mm厚み2.5mm長さ360mmの透明平板棒で、上辺側部にバネ端挿入孔を有して、安全ピン型ループバネ鋼線ヒンジ(5)により台板と係止される。制止バー(4)上部には振れ止め用に透明プラスチック・シート製の制動枠(6)が被され台板に装着される。使用法は、台板(1)面上に貼付片(7)を縁合せして置き、制止バー(4)を押さえて貼付片(7)を固定し、糊容器(8)の塗布口を丸縁(3)上の貼付片(7)縁に当て移動させて糊を付ける。制止バー(4)押さえを離して、貼付片(7)を台板面で回して対縁にも同じ要領で糊を付ける。糊付き貼付片(7)を摘み上げて、整理台紙に貼付する。
【産業上の利用可能性】
【0013】
各種の情報片の整理、すなわち、新聞切り抜き、写真、パンフレット、メモ書き等の種々サイズの情報片の貼付け整理に有用である。線引き定規や当て切りガイドとしても利用できるほか、制止バー上の条孔を滑動するカッター等を兼備することで裁断機にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の糊付け盤の実施方法例を示した平面図(A)と下方見取図(B−1)及び側方見取図(B−2)を概略図として示す。 (実施例1)
【符号の説明】
【0015】
1 台板
2 直辺
3 丸縁
4 制止バー
5 ループバネ鋼線ヒンジ
6 制動枠
7 貼付片
8 糊容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁を丸めた厚み約3mm以上の直辺を有する台板と、当該直辺から約10mm以上離れて並行し、一端をバネ留めして押さえると当該台板面に接する制止バーとからなることを特徴とする、糊付け盤。

【図1】
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【公開番号】特開2008−18651(P2008−18651A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193580(P2006−193580)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(302006913)有限会社ハイライフ技研 (6)