説明

糖鎖合成酵素

【課題】 ある種のオリゴ糖や糖タンパク質糖鎖上の末端ガラクトース等に対してα2,6の結合様式でシアル酸を転移できる植物由来の糖鎖合成酵素を提供する。
【解決手段】 イネ由来の特定のアミノ酸配列を有する糖鎖合成酵素。又は該糖鎖合成酵素のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来の新規な糖鎖合成酵素、および該酵素を用いた糖鎖の合成方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する糖鎖合成酵素、および該酵素を用いた糖鎖の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シアル酸は、たとえば細胞-細胞間伝達、細胞基質相互作用、細胞接着などの重要な生理作用を司る物質である。動物では発生、分化の過程に特異的な、あるいは臓器特異的なシアル酸含有糖鎖の存在が知られている。通常、シアル酸は糖タンパク質および糖脂質の糖鎖部分の末端位置に存在しており、これらの部位へのシアル酸の導入は、酵素的にCMP-Siaからの転移によってなされる。このシアル酸の酵素的導入(シアル酸転移)を担う酵素は、シアル酸転移酵素(sialyltransferase)と呼ばれる糖転移酵素である。哺乳類では現在までに20種類のシアル酸転移酵素の存在が知られているが、これらはシアル酸の転移様式から4つのファミリーに大別される(Tsuji, S. (1996) J. Biochem. 120, 1-13) 。すなわち、α2,3の結合様式でガラクトースにシアル酸を転移するβ-ガラクトシドα2,3-シアル酸転移酵素(ST3Gal-ファミリー)、α2,6の結合様式でガラクトースにシアル酸を転移するβ-ガラクトシドα2,6-シアル酸転移酵素(ST6Gal-ファミリー)、α2,6の結合様式でN-アセチルガラクトサミンにシアル酸を転移するGalNAcα2,6-シアル酸転移酵素(ST6GalNAc-ファミリー)、およびα2,8の結合様式でシアル酸にシアル酸を転移するα2,8-シアル酸転移酵素(ST8Sia-ファミリー)である。また微生物由来のシアル酸転移酵素は、動物由来のシアル酸転移酵素と必ずしも一次構造上の類似点をもたないが、概ね同様のファミリーに分類できる。一方、植物からは、シアル酸転移酵素様のタンパク質の配列情報は知られていたが、実際にシアル酸転移能を有する酵素は単離されてこなかった。
【0003】
ところでシアル酸含有糖鎖の中には、活性や機能を発現したり、他分子と相互作用する場合において、重要な役割を果たすものがあることが知られている。現在のところ、植物からはシアル酸転移酵素のみならずシアル酸自体が検出されていないが、植物由来の糖タンパク質の糖鎖にシアル酸を付加することによって、新たな活性や機能が発現する可能性も考えられる。しかし、植物細胞内において動物や微生物由来のシアル酸転移酵素遺伝子を発現させる場合、コドンの使用頻度の違いなどによって、当該酵素が必ずしも効率よく生産されるとは限らないし、翻訳されてもこれらの酵素が植物細胞内では正常に機能しない可能性もある。また植物由来の糖タンパク質が、動物や微生物由来のシアル酸転移酵素のよい基質にはならない可能性もある。即ち、上記のような糖鎖修飾を行う場合、シアル酸を転移する酵素も植物由来のものであることが望ましいときがあると考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開平08-154673号公報
【特許文献2】特開平10-234364号公報
【特許文献3】特開平10-234373号公報
【非特許文献1】Hamamoto, T. and Tsuji, S. (2001) ST6Gal-I in Handbook of Glycosyltransferases and Related Genes (Taniguchi, N. et al. Eds.) pp295-300
【非特許文献2】Takashima, S., Tsuji, S., and Tsujimoto, M. J. Biol. Chem. 277, 45719-45728 (2002)
【非特許文献3】Takashima, S., Tsuji, S., and Tsujimoto, M. J. Biochem. 134, 287-296 (2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、微生物から高等動物に至る様々な生物からシアル酸転移酵素が単離されてきたが、植物からは単離されていなかった。本発明は、この植物由来のシアル酸転移酵素がないという問題点を解決し、ある種のオリゴ糖や糖タンパク質糖鎖上の末端ガラクトース等に対してα2,6の結合様式でシアル酸を転移できる植物由来の糖鎖合成酵素を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ヒトおよびマウスの各種シアル酸転移酵素のアミノ酸配列の情報およびイネゲノム塩基配列情報を利用して作成したプライマーを用いてイネゲノムDNAを鋳型としたPCRを行い、イネ由来のシアル酸転移酵素をコードするDNAをクローニングすることに成功し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る糖鎖合成酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0008】
本発明の別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質を含む、糖鎖合成酵素試薬が提供される。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0009】
本発明のさらに別の側面によれば、糖鎖合成酵素として使用するための、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質が提供される。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る、シアル酸転移酵素活性ドメインを含む糖鎖合成酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列;
(3)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、上記したシアル酸転移酵素活性ドメインを含む糖鎖合成酵素とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する蛋白質が提供される。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質を糖鎖合成酵素として使用する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る糖鎖合成酵素を用いて糖鎖を合成する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【発明の効果】
【0014】
本発明により、ある種のオリゴ糖や糖タンパク質糖鎖の末端ガラクトース等にα2,6の結合様式でシアル酸を選択的に導入することが可能になった。本発明は、各種糖鎖にシアル酸を付加することによって生理作用を改変したり、糖鎖分解酵素の分解活性を阻害する試薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施態様及び実施方法について詳細に説明する。
(1)本発明の酵素及び蛋白質
本発明の糖鎖合成酵素は、下記の何れかのアミノ酸配列から成り、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有することを特徴とする。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0016】
本発明の糖鎖合成酵素としては、イネ由来の天然型酵素やその変異体、または以下の実施例で作製したような遺伝子組み換え技術により製造された細胞外分泌型蛋白質などを挙げることができるが、これらはいずれも本発明の範囲に包含されるものである。
【0017】
さらに、本発明の糖鎖合成酵素の活性ドメイン、あるいはそのアミノ酸配列の一部を改変又は修飾して得られる、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する酵素は全て本発明の範囲に包含されることを理解すべきである。このような活性ドメインの好ましい例としては、配列表の配列番号2に記載したアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393により特定される糖鎖合成酵素の活性ドメイン、並びに配列表の配列番号6に記載したアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384により特定される糖鎖合成酵素の活性ドメインなどを挙げることができる。
【0018】
即ち、本発明によれば、下記の何れかのアミノ酸配列から成る、シアル酸転移酵素活性ドメインを含む糖鎖合成酵素が提供される。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列;
(3)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【0019】
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0020】
本発明の酵素の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術により作製した組み換え蛋白質でもよい。
【0021】
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号2及び6に記載したアミノ酸配列、及び配列番号1及び5に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、それらを用いて適当なcDNAライブラリーまたはゲノムDNAを鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の酵素をコードするDNAを取得することができる。
【0022】
例えば、 配列番号2又は配列番号6に記載したアミノ酸配列を有する糖鎖合成酵素をコードするDNAの単離する方法は以下の実施例に詳細に説明されている。もっとも、本発明の糖鎖合成酵素をコードするDNAの単離方法はこれらの方法に限定されることはなく、当業者は下記の実施例に記載された方法を参照しつつ、この方法を適宜修飾ないし変更することにより、容易に目的のDNAを単離することができる。
【0023】
また、本発明の酵素をコードするDNAの一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の酵素をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の酵素を産生することができる。発現系での発現については本明細書中後記する。
【0024】
さらに、本発明の糖鎖合成酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する酵素も本発明に含まれる。
【0025】
本発明の糖鎖合成酵素は、発現後に細胞内に留まり、細胞外に分泌されない場合がある。また、細胞内濃度が一定以上になると、酵素の発現量が低下するという可能性がある。上記の糖鎖合成のシアル酸転移活性を有効に利用するために、本酵素の活性を維持し、かつ発現時に細胞から分泌される可溶性形態の蛋白を製造することができる。このような蛋白としては、本発明の糖鎖合成酵素の活性に関与する活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する蛋白質を挙げることができる。例えば、プロテインAとの融合蛋白は本発明の分泌型蛋白の好ましい態様である。
【0026】
これまでにクローニングされたシアル酸転移酵素は、他のグリコシルトランスフェラーゼと同様のドメイン構造を有している。すなわち、NH2 末端の短い細胞質中尾部、疎水性のシグナルアンカードメイン、蛋白分解感受性を有するステム(stem)領域、及び COOH-末端の大きな活性ドメインを有する(Paulson, J.C. and Colley, K.J., J. Biol. Chem., 264, 17615-17618, 1989)。本発明の 糖鎖合成酵素の経膜ドメインの位置を調べるためには、カイト及びドゥーリトル(Kyte, J. and Doolittle, R.F., J. Mol.Biol., 157, 105-132, 1982)の方法に従って作成した疎水性分布図を利用することができる。また、活性ドメイン部分の推定には、各種のフラグメントを導入した組換えプラスミドを作成して利用することができる。このような方法の一例は、例えばPCT/JP94/02182号の明細書に詳細に記載されているが、経膜ドメインの位置の確認や活性ドメイン部分の推定方法は、この方法に限定されることはない。
【0027】
糖鎖合成酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白の製造のためには、例えばシグナルペプチドとして免疫グロブリンシグナルペプチド配列を用い、糖鎖合成酵素の活性ドメインに対応する配列を該シグナルペプチドにインフレーム融合させればよい。このような方法としては、例えば、ジョブリンの方法(Jobling, S.A. and Gehrke, L., Nature(Lond.), 325, 622-625, 1987) を利用することができる。また、本明細書の実施例に詳細に説明されているように、プロテインAとの融合蛋白を製造してもよい。もっとも、シグナルペプチドの種類やシグナルペプチドと活性ドメインの結合方法、または可溶化の方法は上記方法に限定されることはなく、当業者は、糖鎖合成酵素の活性ドメインであるポリペプチド部分を適宜選択することができるし、それらを利用可能な任意のシグナルペプチドと適宜の方法により結合することにより細胞外分泌型の蛋白を製造することができる。
【0028】
(2)本発明の酵素をコードするDNA及びそれを用いた酵素の発現
本発明の酵素の具体例としては、下記の何れかの塩基配列によりコードされるタンパク質が挙げられる。
(1)配列表の配列番号1に記載の塩基配列中の137番目から1315番目の塩基で特定される塩基配列;
(2)配列表の配列番号5に記載の塩基配列中の63番目から1214番目の塩基で特定される塩基配列;
【0029】
本発明で用いる遺伝子の取得方法は上記(1)に記載した通りである。また、所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することによって、変異を有するDNAを構築することができる。このような公知の技術は、例えば、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)に記載されている。
【0030】
本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
【0031】
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillus stearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha-amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのPR若しくはPLプロモータ、大腸菌の lac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
【0032】
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2-4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
【0033】
また、本発明で用いる遺伝子には必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネータまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネータ若しくはADH3ターミネータのような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例えばアデノウイルス VA RNA をコードするもの)のような要素を有していてもよい。
【0034】
組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
【0035】
組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明の酵素をコードする遺伝子、プロモーター、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
【0036】
本発明の酵素をコードするDNA又は該DNAを含む組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
DNAまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、当該DNAを発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
【0037】
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
【0038】
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
【0039】
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
【0040】
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に記載)。
【0041】
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
【0042】
上記の形質転換体は、導入されたDNA構築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の酵素を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
【0043】
例えば、本発明の酵素が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
【0044】
(3)本発明の酵素の使用方法
上記(1)で説明した本発明の酵素は、糖鎖合成酵素として使用することができる。即ち、本発明の酵素は、糖鎖合成酵素として、糖鎖を合成するために使用することができる。具体的には、基質として、各種の糖鎖(糖脂質、糖タンパク質、又はオリゴ糖など)を使用し、またシアル酸供与体と本発明の酵素とを上記の基質に作用させることにより、シアル酸を基質に転移させることができ、糖鎖の合成を行うことができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
本発明の実施例に用いた試薬、試料類は以下の通りである。Fetuin, asialofetuin, bovine submaxillary mucin (BSM), α1-acid glycoprotein, ovomucoid, lactosyl ceramide (LacCer), GA1, GM3, GM1a, Galβ1,3GalNAc, Galβ1,3GlcNAc, Galβ1,4GlcNAc, Triton CF-54はSigma社から購入した。Paragloboside, ラクトースは和光純薬から購入した。CMP-[14C]-NeuAc (12.0 GBq/mmol)はAmersham Pharmacia Biotech社から購入した。シアリダーゼ (NANase I, II) はGlyko Inc社から購入した。BSM, α1-acid glycoprotein, ovomucoidの脱シアル化(アシアロ)糖タンパク質は、これらを0.02N HCl中 80度、1時間で処理することにより調製した。
【0046】
実施例1:STLP1, STLP2, 及びSTLP3のクローニング
ヒトおよびマウスの各種シアル酸転移酵素のアミノ酸配列を用いて、これらと相同性を示すタンパク質をコードしている遺伝子をNational Center for Biotechnology Informationの配列データベースで検索したところ、動物のほかにイネやシロイヌナズナなどの植物にも上記シアル酸転移酵素と相同性を示すタンパク質をコードしている遺伝子が存在することが確認された。イネについては3種類の遺伝子が存在していたため、それらの塩基配列情報をもとにポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR)用のプライマーを作製し(図1の塩基番号131-160、CB265+: 5'-GCGATGAAGCGGCCGCTGCGGCGCCCGTTC-3'(配列番号7), 1311-1340相当の相補鎖(ただしSalIサイトを導入するため、一部の塩基を別の塩基に置換している)、CB267-: 5'-GTCGACCACCTTGCGCGCACGCGCTCTAAT-3' (配列番号8)の組、図2の塩基番号35-64、CB361+: GGGATGAAGCGCCGCCACCTCCCGCCCGTC-3' (配列番号9)、1215-1244相当の相補鎖(ただしXhoIサイトを導入するため、一部の塩基を別の塩基に置換している)、CB363-: 5'-CACCTCGAGGTCACCGTCACCAGTGCAACC-3' (配列番号10)の組、図3の塩基番号60-89、CB364+: 5'-GAGATGAAGAGGAGGCATTGGAGCCACCCG-3' (配列番号11)、1197-1226相当の相補鎖(ただしSalIサイトを導入するため、一部の塩基を別の塩基に置換している)、CB366-: CGTCGACTGTCAGCGGTAGAACGACACGGG-3' (配列番号12)の組)、イネゲノムDNAを鋳型としてPCRを行って、各々の遺伝子の翻訳領域全長を増幅した。これらのDNA断片をクローニングベクターpBluescript II SK(+)に挿入し、DNAシークエンスによりその塩基配列の確認を行った。これらの遺伝子は高等生物などのシアル酸転移酵素間で保存されているシアリルモチーフと類似した配列をもつシアル酸転移酵素様タンパク質(Sialyltransferase-like protein)をコードしていることから、それぞれSTLP1, STLP2, STLP3と便宜的に命名した(図1-4)。STLP1, STLP2, STLP3はそれぞれ393, 396, 384アミノ酸からなり、N末端側に膜貫通ドメインをもつII型膜タンパク質をコードしていた。またSTLP1はSTLP2, STLP3とそれぞれアミノ酸配列レベルで43.9%, 61.3%の、またSTLP2とSTLP3は48.2%の相同性を示した。STLP1の塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号1及び2に示し、 STLP2の塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号3及び4に示し、STLP3の塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号5及び6に示す。
【0047】
実施例2:STLP1, STLP2, 及びSTLP3の分泌型タンパク質の製造
つぎに各タンパク質の酵素学的諸性質を調べるため、分泌型タンパク質の製造を行った。STLP1についてはEcoRIサイトを含む合成DNA、CB266+: 5'-TCCGAATTCCGCAGGTCGGTGGGCCCGGCT-3' (配列番号13)(図1の塩基番号206-235に相当、ただしEcoRIサイト導入のため塩基置換がある)とCB267-を用いて、STLP2についてはEcoRIサイトを含む合成DNA、CB362+: 5'-GAATTCCGCCGCCGCCTCCTCGTGCTGCAG-3'(配列番号14)(図2の塩基番号98-127に相当、ただしEcoRIサイト導入のため塩基置換がある)とCB363-を用いて、STLP3についてはEcoRIサイトを含む合成DNA、 CB365+: 5'-GAATTCCGCTGCTCCCAGCTGCGCCATTCC-3' (配列番号15)(図3の塩基番号135-164に相当、ただしEcoRIサイト導入のため塩基置換がある)とCB366-を用いてPCRを行い、膜貫通ドメインを欠いたタンパク質をコードするそれぞれのDNA断片を調製し、これらを哺乳動物発現ベクターpcDSAに挿入した。ここで各発現ベクターをpcDSA-STLP1, pcDSA-STLP2, pcDSA-STLP3と命名した。これらの発現ベクターは、マウス免疫グロブリンIgMのシグナルペプチドとStaphylococcus aureus protein A, および各STLPタンパク質の膜貫通ドメインを欠いた領域からなる分泌型融合タンパク質をコードする。つぎに発現ベクターとリポフェクトアミン(Invitrogen)を用いてCOS-7細胞でその一過性発現を行った(Kojima, N. et al. (1995) FEBS Lett. 360, 1-4)。ここで各発現ベクターを導入した細胞から細胞外に分泌されたタンパク質をそれぞれPA-STLP1, PA-STLP2, PA-STLP3と命名した。これらのタンパク質はIgG-Sepharose (Amersham Pharmacia Biotech社)に吸着させて培地より回収した。
【0048】
実施例3:STLP1, STLP2, 及びSTLP3の酵素学的性質の分析
STLP1, STLP2, 及びSTLP3のシアル酸転移酵素活性はLeeらの方法に準じて以下のように行った(Lee, Y.-C. et al. (1999) J. Biol. Chem. 274, 11958-11967)。50 mM MESバッファー(pH 6.0), 1 mM MgCl2, 1 mM CaCl2, 0.5% Triton CF-54, 100 μM CMP-[14C]-NeuAc, 基質糖鎖(糖脂質の場合は0.5 mg/ml, 糖タンパク質、オリゴ糖は1 mg/mlになるように添加), およびPA-STLP懸濁液を含む反応液(10μl)を37度で3-20時間インキュベートし、その後、糖脂質についてはC-18カラム(Sep-Pak Vac 100 mg; Waters社)を用いて精製したものを試料として、オリゴ糖、糖タンパク質については反応産物をそのまま試料として解析を行った。オリゴ糖、糖脂質はシリカゲル60HPTLCプレート(Merck社)にスポットし、1-プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5の展開溶媒(オリゴ糖用)またはクロロホルム:メタノール:0.02% CaCl2=55:45:10の展開溶媒(糖脂質用)で展開した。糖タンパク質の場合はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって解析を行った。これらの放射活性をBAS2000ラジオイメージアナライザー(フジフィルム)で可視化し、定量した。
【0049】
結果を図5に示す。図5のAは、各種糖タンパク質を基質とした場合のPA-STLP1のシアル酸転移酵素活性を示す。Fetuinは代表的な糖鎖として、NeuAcα2,3Galβ1,3GalNAc-O-Ser/Thr, NeuAcα2,3Galβ1,3(NeuAcα2,6)GalNAc-O-Ser/Thr, NeuAcα2,6(3)Galβ1,4GlcNAc-Rといった糖鎖をもつ。またα1-Acid glycoproteinは代表的な糖鎖として、NeuAcα2,6(3)Galβ1,4GlcNAc-Rといった糖鎖をもつ。ここでNeuAcはN-アセチルノイラミン酸(シアル酸の一種)、Galはガラクトース、GalNAcはN-アセチルガラクトサミン、GlcNAcはN-アセチルグルコサミン、Serはセリン、Thrはスレオニン、Rは糖鎖残基(N-結合型糖鎖)の省略部分を示す。糖鎖末端のシアル酸部分を除去したものがAsialo-タンパク質である。図5のBは、オリゴ糖を基質とした場合のPA-STLP1のシアル酸転移酵素活性を示す。図5のCは、STLP1の結合特異性を示す。PA-STLP1を用いてGalβ1,4GlcNAcにシアル酸を転移させた(レーン左)後、α2,3結合を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase I)で処理した場合(レーン中央)と、α2,3およびα2,6結合を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)で処理した場合(レーン右)の反応産物を薄層クロマトグラフィーで展開した結果を示す。図5のDは、STLP3の結合特異性を示す。PA-STLP3を用いてAsialofetuinにシアル酸を転移させた(レーン左)後、α2,3結合を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase I)で処理した場合(レーン中央)と、α2,3およびα2,6結合を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)で処理した場合(レーン右)の反応産物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)した結果を示す。
【0050】
シアル酸供与体としてCMP-[14C]-NeuAcを、シアル酸が転移される側の糖鎖基質として様々なオリゴ糖、糖タンパク質、糖脂質を用い、各PA-STLPのシアル酸転移酵素活性の有無を調べたところ、STLP1はオリゴ糖Galβ1,4GlcNAc、糖タンパク質のAsialo-fetuin、α1-acid glycoprotein、asialo-α1-acid glycoproteinなどに対してシアル酸転移酵素活性を示すことが判明した(図5のA及びB)。STLP1を用いてGalβ1,4GlcNAcにシアル酸を転移した場合、その反応産物中に導入されたシアル酸はα2,3-結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase I)では切断されなかったが、α2,3-, α2,6-結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)では切断された(図5のC)。このことはSTLP1がα2,6-結合様式でシアル酸を転移する活性をもつことを示している。一方、調べた限りにおいては、STLP2はいずれの基質に対してもシアル酸転移活性を示さなかった。またSTLP3は、調べた基質の中ではAsialo-fetuinに対してのみシアル酸転移酵素活性を示した。STLP3を用いてAsialo-fetuinにシアル酸を転移した場合、その反応産物中に導入されたシアル酸はα2,3-結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase I)では切断されなかったが、α2,3-, α2,6-結合で結合しているシアル酸を特異的に切断するシアリダーゼ(NANase II)では切断された(図5のD)。このことはSTLP3がSTLP1と同様にα2,6-結合様式でシアル酸を転移する活性をもつことを示している。
【0051】
現在のところ、植物からはシアル酸は検出されていないので、STLPが植物体内でシアル酸転移酵素として機能しているかどうかは不明である。むしろ、植物体内ではある種のシアル酸類似物質などの転移に関与しているのかもしれない。しかし、STLP1、STLP3は特定の基質に対しては実際にシアル酸を転移できることから、これらのタンパク質をシアル酸転移酵素として利用できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、イネSTLP1の塩基配列とアミノ酸配列を示す。
【図2】図2は、イネSTLP2の塩基配列とアミノ酸配列を示す。
【図3】図3は、イネSTLP3の塩基配列とアミノ酸配列を示す。
【図4】図4は、イネSTLP1, 2, 3のアミノ酸配列の比較を示す。太線、シアリルモチーフL様配列; 細線、シアリルモチーフS様配列; *、シアリルモチーフVS様配列。
【図5】図5は、STLP1, 3のシアル酸転移酵素活性を示す。
【配列表フリーテキスト】
【0053】
SEQUENCE LISTING
<110> RIKEN
<120> Sugar chain synthetase
<130> A51190A
<160> 15
<170> PatentIn version 3.3
<210> 1
<211> 1617
<212> DNA
<213> Rice
<220>
<221> CDS
<222> (137)..(1315)
<400> 1
actcggagct cagctcgcac ggcacggaac ggaacacaac cctccctgtg tctctctccc 60
tgatgcgccg ccccccatgc ggcggccccg acccacttag cccgcggcgg cggatgctgc 120
ggcggcggcg gcggcg atg aag cgg ccg ctg cgg cgc ccg ttc gcg gtg ctc 172
Met Lys Arg Pro Leu Arg Arg Pro Phe Ala Val Leu
1 5 10
ctc ttc gtc gtg ctg tgc gcc gcg gcc tcg ttc ccc tcc gtg ttg cgc 220
Leu Phe Val Val Leu Cys Ala Ala Ala Ser Phe Pro Ser Val Leu Arg
15 20 25
agg tcg gtg ggc ccg gct ccc gtg ctc gcg acc ctg ccg ccg ctt gat 268
Arg Ser Val Gly Pro Ala Pro Val Leu Ala Thr Leu Pro Pro Leu Asp
30 35 40
ccc gcg cgc ctc aac gcc acg ctc ctc cgc ctt gcc gcg gcc gat cca 316
Pro Ala Arg Leu Asn Ala Thr Leu Leu Arg Leu Ala Ala Ala Asp Pro
45 50 55 60
tcg gag gcg ccg ctg cgc cgc gac gtg gac gac ctc ctc gag ggc cgc 364
Ser Glu Ala Pro Leu Arg Arg Asp Val Asp Asp Leu Leu Glu Gly Arg
65 70 75
ctc ccg gcg tcg tcc gcg cgc gcc cgc gcg tgg cgc ctc cgg ggc gac 412
Leu Pro Ala Ser Ser Ala Arg Ala Arg Ala Trp Arg Leu Arg Gly Asp
80 85 90
agg ctc cac ctt cac ctc cgc cac cac cag ttc ccc gtc tac cgg cgc 460
Arg Leu His Leu His Leu Arg His His Gln Phe Pro Val Tyr Arg Arg
95 100 105
ggc cac cac ccg gat cac gac cac gac ccc ctc ctc cac ccg ctc ccg 508
Gly His His Pro Asp His Asp His Asp Pro Leu Leu His Pro Leu Pro
110 115 120
cgc cag gag ctc cac ctc gac cca tcc ctc cgc cgc gcg ctc cgc tcc 556
Arg Gln Glu Leu His Leu Asp Pro Ser Leu Arg Arg Ala Leu Arg Ser
125 130 135 140
tgg cac cgc ctc cgc cgg cac gac ccc ggc gtc ctc cgc aat ctc cct 604
Trp His Arg Leu Arg Arg His Asp Pro Gly Val Leu Arg Asn Leu Pro
145 150 155
tcc ctc ctc tcc ctc ccc ggc cgc atc ccc tcc tgc gcc gtc gtg ggc 652
Ser Leu Leu Ser Leu Pro Gly Arg Ile Pro Ser Cys Ala Val Val Gly
160 165 170
aac agc ggc atc ctc ctc ggc gcc agc cac ggc gcc ctc atc gac tcc 700
Asn Ser Gly Ile Leu Leu Gly Ala Ser His Gly Ala Leu Ile Asp Ser
175 180 185
cac gcc gcc gtc ttc cgc ctc aac aac gcc cgc atc tcc ggc ttc gcc 748
His Ala Ala Val Phe Arg Leu Asn Asn Ala Arg Ile Ser Gly Phe Ala
190 195 200
gcc aac gtc ggc gcc aag acc aac ctc tcc ttc atc aac agc aac gtc 796
Ala Asn Val Gly Ala Lys Thr Asn Leu Ser Phe Ile Asn Ser Asn Val
205 210 215 220
ctc cat ctc tgc gcc cgc cgt ccc aac tgc ttc tgc cac ccc tac ggc 844
Leu His Leu Cys Ala Arg Arg Pro Asn Cys Phe Cys His Pro Tyr Gly
225 230 235
gac ggc gtc ccc atc ctg ctc tac atc tgc cag gcc gcg cac ttc ctc 892
Asp Gly Val Pro Ile Leu Leu Tyr Ile Cys Gln Ala Ala His Phe Leu
240 245 250
gac gtc gcc tcc tgc aac gcc tct tcc cgc tcc ctc cac gcc gca tcc 940
Asp Val Ala Ser Cys Asn Ala Ser Ser Arg Ser Leu His Ala Ala Ser
255 260 265
atc tcc gtc acc gat cca cgc ctc gac gtc ctc tgc gcg cgc atc gtc 988
Ile Ser Val Thr Asp Pro Arg Leu Asp Val Leu Cys Ala Arg Ile Val
270 275 280
aag tac tac tcg ctc cgc cgc ttc gtc gcc gag acg ggg cgc gcg gcc 1036
Lys Tyr Tyr Ser Leu Arg Arg Phe Val Ala Glu Thr Gly Arg Ala Ala
285 290 295 300
gag gag tgg agc agc acg cgc gac gcg gcc atg ttc cac tac tcg tcg 1084
Glu Glu Trp Ser Ser Thr Arg Asp Ala Ala Met Phe His Tyr Ser Ser
305 310 315
ggg atg cag gcc atc atg gtc gcc gtg gga gtg tgc gac agg gtg agc 1132
Gly Met Gln Ala Ile Met Val Ala Val Gly Val Cys Asp Arg Val Ser
320 325 330
gtg ttc ggg ttc ggg aag gcg gcc gac gcg aag cac cat tac cac agc 1180
Val Phe Gly Phe Gly Lys Ala Ala Asp Ala Lys His His Tyr His Ser
335 340 345
aac cag aag gcg gag ctg gac ctc cac gac tac aag gcg gag tac gcc 1228
Asn Gln Lys Ala Glu Leu Asp Leu His Asp Tyr Lys Ala Glu Tyr Ala
350 355 360
ttc tac cgc gac ctc gcc gac cgg ccg gag gta gtc ccc ttc ctc aac 1276
Phe Tyr Arg Asp Leu Ala Asp Arg Pro Glu Val Val Pro Phe Leu Asn
365 370 375 380
gac gcc ggt atc gcc gtc ccg ccc gtc gtg ttc tac cat tagagcgcgt 1325
Asp Ala Gly Ile Ala Val Pro Pro Val Val Phe Tyr His
385 390
gcgcgcaagg tgctcgacgt tatgccactt ttttccggtg gaggattgtg ttgtattagt 1385
ggctcagtgt aaaatgttgc ttcgtaaggt gggttatttt ttgtgattag attgatagac 1445
gaattgaaat agtagcgaaa ttttgatatg atggtgggat tggaggtgtg tactaagcat 1505
taggatccct ccattagcat acgaggacga tttcttccgc ttttggcact gtaactgtaa 1565
tttagactga tctttcttcg taatttcatg aagaatcaat tgtacatctt ct 1617
<210> 2
<211> 393
<212> PRT
<213> Rice
<400> 2
Met Lys Arg Pro Leu Arg Arg Pro Phe Ala Val Leu Leu Phe Val Val
1 5 10 15
Leu Cys Ala Ala Ala Ser Phe Pro Ser Val Leu Arg Arg Ser Val Gly
20 25 30
Pro Ala Pro Val Leu Ala Thr Leu Pro Pro Leu Asp Pro Ala Arg Leu
35 40 45
Asn Ala Thr Leu Leu Arg Leu Ala Ala Ala Asp Pro Ser Glu Ala Pro
50 55 60
Leu Arg Arg Asp Val Asp Asp Leu Leu Glu Gly Arg Leu Pro Ala Ser
65 70 75 80
Ser Ala Arg Ala Arg Ala Trp Arg Leu Arg Gly Asp Arg Leu His Leu
85 90 95
His Leu Arg His His Gln Phe Pro Val Tyr Arg Arg Gly His His Pro
100 105 110
Asp His Asp His Asp Pro Leu Leu His Pro Leu Pro Arg Gln Glu Leu
115 120 125
His Leu Asp Pro Ser Leu Arg Arg Ala Leu Arg Ser Trp His Arg Leu
130 135 140
Arg Arg His Asp Pro Gly Val Leu Arg Asn Leu Pro Ser Leu Leu Ser
145 150 155 160
Leu Pro Gly Arg Ile Pro Ser Cys Ala Val Val Gly Asn Ser Gly Ile
165 170 175
Leu Leu Gly Ala Ser His Gly Ala Leu Ile Asp Ser His Ala Ala Val
180 185 190
Phe Arg Leu Asn Asn Ala Arg Ile Ser Gly Phe Ala Ala Asn Val Gly
195 200 205
Ala Lys Thr Asn Leu Ser Phe Ile Asn Ser Asn Val Leu His Leu Cys
210 215 220
Ala Arg Arg Pro Asn Cys Phe Cys His Pro Tyr Gly Asp Gly Val Pro
225 230 235 240
Ile Leu Leu Tyr Ile Cys Gln Ala Ala His Phe Leu Asp Val Ala Ser
245 250 255
Cys Asn Ala Ser Ser Arg Ser Leu His Ala Ala Ser Ile Ser Val Thr
260 265 270
Asp Pro Arg Leu Asp Val Leu Cys Ala Arg Ile Val Lys Tyr Tyr Ser
275 280 285
Leu Arg Arg Phe Val Ala Glu Thr Gly Arg Ala Ala Glu Glu Trp Ser
290 295 300
Ser Thr Arg Asp Ala Ala Met Phe His Tyr Ser Ser Gly Met Gln Ala
305 310 315 320
Ile Met Val Ala Val Gly Val Cys Asp Arg Val Ser Val Phe Gly Phe
325 330 335
Gly Lys Ala Ala Asp Ala Lys His His Tyr His Ser Asn Gln Lys Ala
340 345 350
Glu Leu Asp Leu His Asp Tyr Lys Ala Glu Tyr Ala Phe Tyr Arg Asp
355 360 365
Leu Ala Asp Arg Pro Glu Val Val Pro Phe Leu Asn Asp Ala Gly Ile
370 375 380
Ala Val Pro Pro Val Val Phe Tyr His
385 390
<210> 3
<211> 1475
<212> DNA
<213> Rice
<220>
<221> CDS
<222> (38)..(1225)
<400> 3
accatcaccg acgacggcga cctcaccgcc gccgggg atg aag cgc cgc cac ctc 55
Met Lys Arg Arg His Leu
1 5
ccg ccc gtc ctc gtc ctc ctc ctc ctc tca atc ctc tcc ctc tcc ttc 103
Pro Pro Val Leu Val Leu Leu Leu Leu Ser Ile Leu Ser Leu Ser Phe
10 15 20
cgc cgc cgc ctc ctc gtg ctg cag ggc ccc ccg tcg tcg tcg tcg tcg 151
Arg Arg Arg Leu Leu Val Leu Gln Gly Pro Pro Ser Ser Ser Ser Ser
25 30 35
tcc cgc cac ccc gtc ggt gac ccc ctc ctc cgc cgc ctc gcg gcc gac 199
Ser Arg His Pro Val Gly Asp Pro Leu Leu Arg Arg Leu Ala Ala Asp
40 45 50
gat ggc gcc gga tcc agc cag atc ctc gcc gag gcc gcc gcg ctg ttc 247
Asp Gly Ala Gly Ser Ser Gln Ile Leu Ala Glu Ala Ala Ala Leu Phe
55 60 65 70
gcc aac gcg tcg atc tcg acg ttc ccc agc ctc ggc aac cac cac cgg 295
Ala Asn Ala Ser Ile Ser Thr Phe Pro Ser Leu Gly Asn His His Arg
75 80 85
ctg ctc tac ctc cgc atg ccg tac gcc ttc tcc ccg cgc gcc ccg ccg 343
Leu Leu Tyr Leu Arg Met Pro Tyr Ala Phe Ser Pro Arg Ala Pro Pro
90 95 100
cgg ccc aag acc gtc gcc cgc ctc cgc gtc ccg gtc gac gcg ctc ccc 391
Arg Pro Lys Thr Val Ala Arg Leu Arg Val Pro Val Asp Ala Leu Pro
105 110 115
ccc gac ggg aag ctc ctc gcc tcg ttc agg gca tcg ctc ggg tcg ttc 439
Pro Asp Gly Lys Leu Leu Ala Ser Phe Arg Ala Ser Leu Gly Ser Phe
120 125 130
ctc gcc ggc cgc cgc cgc cgc ggc cgc ggg ggg aat gtg gcc ggc gtg 487
Leu Ala Gly Arg Arg Arg Arg Gly Arg Gly Gly Asn Val Ala Gly Val
135 140 145 150
atg cgc gac ctc gcg ggg gtc ctc ggc cgc cgg tac cgg acc tgc gcc 535
Met Arg Asp Leu Ala Gly Val Leu Gly Arg Arg Tyr Arg Thr Cys Ala
155 160 165
gtg gtc ggg aac agc ggc gtg ctc ctc ggc tcc ggc cgt ggc ccg cag 583
Val Val Gly Asn Ser Gly Val Leu Leu Gly Ser Gly Arg Gly Pro Gln
170 175 180
atc gac gcg cac gac ctc gtc atc cgc ctc aac aac gcg cgc gtc gcc 631
Ile Asp Ala His Asp Leu Val Ile Arg Leu Asn Asn Ala Arg Val Ala
185 190 195
ggg ttc gcc gcg gac gtc ggc gtc aag acc tcc ctc tcc ttc gtc aac 679
Gly Phe Ala Ala Asp Val Gly Val Lys Thr Ser Leu Ser Phe Val Asn
200 205 210
tcc aac atc ctc cac atc tgc gcc gcc cgc aac gcc atc acc cgc gcc 727
Ser Asn Ile Leu His Ile Cys Ala Ala Arg Asn Ala Ile Thr Arg Ala
215 220 225 230
gcc tgc ggc tgc cac ccg tac ggc ggc gag gtg ccc atg gcg atg tac 775
Ala Cys Gly Cys His Pro Tyr Gly Gly Glu Val Pro Met Ala Met Tyr
235 240 245
gtc tgc cag ccc gcc cac ctc ctc gac gcg ctc atc tgc aac gcc acc 823
Val Cys Gln Pro Ala His Leu Leu Asp Ala Leu Ile Cys Asn Ala Thr
250 255 260
gcc acg ccg tcc tcc ccg ttc ccg ctc ctc gtc acc gac gcg cgc ctc 871
Ala Thr Pro Ser Ser Pro Phe Pro Leu Leu Val Thr Asp Ala Arg Leu
265 270 275
gac gcg ctg tgc gcg cgc atc gcc aag tac tac tcg ctg agg cgg ttc 919
Asp Ala Leu Cys Ala Arg Ile Ala Lys Tyr Tyr Ser Leu Arg Arg Phe
280 285 290
gtc tcc gcc acc ggc gag ccg gcg gcg aac tgg acg cgg agg cac gac 967
Val Ser Ala Thr Gly Glu Pro Ala Ala Asn Trp Thr Arg Arg His Asp
295 300 305 310
gag agg tac ttc cac tac tcg tcg ggg atg cag gcg gtg gtg atg gcg 1015
Glu Arg Tyr Phe His Tyr Ser Ser Gly Met Gln Ala Val Val Met Ala
315 320 325
ctc ggc gtc tgc gac gag gtg agc ctc ttc ggc ttc ggc aag tcg ccc 1063
Leu Gly Val Cys Asp Glu Val Ser Leu Phe Gly Phe Gly Lys Ser Pro
330 335 340
ggc gcc aag cac cat tac cac acc aac cag aag aag gag ctg gac ctg 1111
Gly Ala Lys His His Tyr His Thr Asn Gln Lys Lys Glu Leu Asp Leu
345 350 355
cac gac tac gag gcg gag tac gac ttc tac ggc gac ctc cag gcg cgg 1159
His Asp Tyr Glu Ala Glu Tyr Asp Phe Tyr Gly Asp Leu Gln Ala Arg
360 365 370
ccg gcg gcg gtg ccc ttc ctc gac gac gcc cac ggc ttc acc gtg ccg 1207
Pro Ala Ala Val Pro Phe Leu Asp Asp Ala His Gly Phe Thr Val Pro
375 380 385 390
ccg gtg agg ttg cac tgg tgacggtgac cccgacgtgg gtgtatgtgt 1255
Pro Val Arg Leu His Trp
395
agctgctgct gaattttgtt gtaaaattga aactgatttc atattcgata cgtagaatcc 1315
cattgtaatt tgtaaatcag ggggaatggg aggagatacg gacacaagat gtgtgtcaga 1375
tttgggagct ttgtaaggag aaatgtagct caattttgtt gtgaatttat tcgaaccatt 1435
gcagtgaact tgttgatcat ggaagcgctt attgattgtg 1475
<210> 4
<211> 396
<212> PRT
<213> Rice
<400> 4
Met Lys Arg Arg His Leu Pro Pro Val Leu Val Leu Leu Leu Leu Ser
1 5 10 15
Ile Leu Ser Leu Ser Phe Arg Arg Arg Leu Leu Val Leu Gln Gly Pro
20 25 30
Pro Ser Ser Ser Ser Ser Ser Arg His Pro Val Gly Asp Pro Leu Leu
35 40 45
Arg Arg Leu Ala Ala Asp Asp Gly Ala Gly Ser Ser Gln Ile Leu Ala
50 55 60
Glu Ala Ala Ala Leu Phe Ala Asn Ala Ser Ile Ser Thr Phe Pro Ser
65 70 75 80
Leu Gly Asn His His Arg Leu Leu Tyr Leu Arg Met Pro Tyr Ala Phe
85 90 95
Ser Pro Arg Ala Pro Pro Arg Pro Lys Thr Val Ala Arg Leu Arg Val
100 105 110
Pro Val Asp Ala Leu Pro Pro Asp Gly Lys Leu Leu Ala Ser Phe Arg
115 120 125
Ala Ser Leu Gly Ser Phe Leu Ala Gly Arg Arg Arg Arg Gly Arg Gly
130 135 140
Gly Asn Val Ala Gly Val Met Arg Asp Leu Ala Gly Val Leu Gly Arg
145 150 155 160
Arg Tyr Arg Thr Cys Ala Val Val Gly Asn Ser Gly Val Leu Leu Gly
165 170 175
Ser Gly Arg Gly Pro Gln Ile Asp Ala His Asp Leu Val Ile Arg Leu
180 185 190
Asn Asn Ala Arg Val Ala Gly Phe Ala Ala Asp Val Gly Val Lys Thr
195 200 205
Ser Leu Ser Phe Val Asn Ser Asn Ile Leu His Ile Cys Ala Ala Arg
210 215 220
Asn Ala Ile Thr Arg Ala Ala Cys Gly Cys His Pro Tyr Gly Gly Glu
225 230 235 240
Val Pro Met Ala Met Tyr Val Cys Gln Pro Ala His Leu Leu Asp Ala
245 250 255
Leu Ile Cys Asn Ala Thr Ala Thr Pro Ser Ser Pro Phe Pro Leu Leu
260 265 270
Val Thr Asp Ala Arg Leu Asp Ala Leu Cys Ala Arg Ile Ala Lys Tyr
275 280 285
Tyr Ser Leu Arg Arg Phe Val Ser Ala Thr Gly Glu Pro Ala Ala Asn
290 295 300
Trp Thr Arg Arg His Asp Glu Arg Tyr Phe His Tyr Ser Ser Gly Met
305 310 315 320
Gln Ala Val Val Met Ala Leu Gly Val Cys Asp Glu Val Ser Leu Phe
325 330 335
Gly Phe Gly Lys Ser Pro Gly Ala Lys His His Tyr His Thr Asn Gln
340 345 350
Lys Lys Glu Leu Asp Leu His Asp Tyr Glu Ala Glu Tyr Asp Phe Tyr
355 360 365
Gly Asp Leu Gln Ala Arg Pro Ala Ala Val Pro Phe Leu Asp Asp Ala
370 375 380
His Gly Phe Thr Val Pro Pro Val Arg Leu His Trp
385 390 395
<210> 5
<211> 1346
<212> DNA
<213> Rice
<220>
<221> CDS
<222> (63)..(1214)
<400> 5
gtgctctctc tcctctgata ctgcagaggc gagctgtgct gggcgggagc ttacttggcg 60
ag atg aag agg agg cat tgg agc cac ccg tcg tgc ggc ctc ctc ctg 107
Met Lys Arg Arg His Trp Ser His Pro Ser Cys Gly Leu Leu Leu
1 5 10 15
ctc gtc gcc gtc ttc tgc ctt ctc ctc gtc ttc cgc tgc tcc cag ctg 155
Leu Val Ala Val Phe Cys Leu Leu Leu Val Phe Arg Cys Ser Gln Leu
20 25 30
cgc cat tcc ggc gat ggc gcc gcg gcc gcc gcg ccg gat ggt ggt gcg 203
Arg His Ser Gly Asp Gly Ala Ala Ala Ala Ala Pro Asp Gly Gly Ala
35 40 45
gga cgg aac gat ggt gat gac gtt gac gag agg ctt gtg gag ctc gcg 251
Gly Arg Asn Asp Gly Asp Asp Val Asp Glu Arg Leu Val Glu Leu Ala
50 55 60
gcc gtg gac ccg gcg gcg atg gcg gtg ctg cag gcg gca aag agg ctg 299
Ala Val Asp Pro Ala Ala Met Ala Val Leu Gln Ala Ala Lys Arg Leu
65 70 75
ctc gaa ggg aac ctg gcg agg gcg ccg gag agg cac cgc gac gtc gcg 347
Leu Glu Gly Asn Leu Ala Arg Ala Pro Glu Arg His Arg Asp Val Ala
80 85 90 95
ctc cgg ggg ctg agg gag tgg gtc ggc aag cag gag cgg ttc gac ccc 395
Leu Arg Gly Leu Arg Glu Trp Val Gly Lys Gln Glu Arg Phe Asp Pro
100 105 110
ggc gtg atg tcc gag ctc gtg gaa ctc atc aag cgc ccc atc gat cgg 443
Gly Val Met Ser Glu Leu Val Glu Leu Ile Lys Arg Pro Ile Asp Arg
115 120 125
tac aac ggc gac ggt ggt ggc ggc ggc gag ggg gag ggc cgg agg tac 491
Tyr Asn Gly Asp Gly Gly Gly Gly Gly Glu Gly Glu Gly Arg Arg Tyr
130 135 140
gcg tct tgc gcg gtg gtc ggg aac agc ggg atc ctg ctg gcg gcg gag 539
Ala Ser Cys Ala Val Val Gly Asn Ser Gly Ile Leu Leu Ala Ala Glu
145 150 155
cac ggc gag ctc atc gac ggg cac gag ctc gtg gtc cgc ctc aac aac 587
His Gly Glu Leu Ile Asp Gly His Glu Leu Val Val Arg Leu Asn Asn
160 165 170 175
gcg ccg gcg ggg gac ggt cgg tac gcg cgc cac gtc ggc gcg agg acc 635
Ala Pro Ala Gly Asp Gly Arg Tyr Ala Arg His Val Gly Ala Arg Thr
180 185 190
ggc ctc gcg ttc ctc aac agc aac gtg ctg agc cag tgc gcc gtc ccg 683
Gly Leu Ala Phe Leu Asn Ser Asn Val Leu Ser Gln Cys Ala Val Pro
195 200 205
cgc cgc ggc gcc tgc ttc tgc cgc gcc tac ggc gag ggc gtg ccc atc 731
Arg Arg Gly Ala Cys Phe Cys Arg Ala Tyr Gly Glu Gly Val Pro Ile
210 215 220
ctg acg tac atg tgc aac gcc gcg cac ttc gtc gag cac gcc gtg tgc 779
Leu Thr Tyr Met Cys Asn Ala Ala His Phe Val Glu His Ala Val Cys
225 230 235
aac aac gcc tcc tcc tcc tcg tcg ggc gcc gcc gac gcc acc gcg gcg 827
Asn Asn Ala Ser Ser Ser Ser Ser Gly Ala Ala Asp Ala Thr Ala Ala
240 245 250 255
gcg ccg gtg atc gtg acg gac ccg agg ctg gac gcg ctg tgc gcg cgg 875
Ala Pro Val Ile Val Thr Asp Pro Arg Leu Asp Ala Leu Cys Ala Arg
260 265 270
atc gtc aag tac tac tcg ctg cgg cgg ttc gcg cgg gag acg ggg cgg 923
Ile Val Lys Tyr Tyr Ser Leu Arg Arg Phe Ala Arg Glu Thr Gly Arg
275 280 285
ccg gcg gag gag tgg gcg cgg cgg cac gag gaa ggc atg ttc cac tac 971
Pro Ala Glu Glu Trp Ala Arg Arg His Glu Glu Gly Met Phe His Tyr
290 295 300
tcg tcg ggg atg cag gcg gtg gtg gcc gcg gcg ggc gtg tgc gac cgc 1019
Ser Ser Gly Met Gln Ala Val Val Ala Ala Ala Gly Val Cys Asp Arg
305 310 315
gtg tcg gtg ttc ggg ttc ggc aag gac gcg tcg gcg cgg cac cac tac 1067
Val Ser Val Phe Gly Phe Gly Lys Asp Ala Ser Ala Arg His His Tyr
320 325 330 335
cac acg ctg caa cgg cgc gag ctg gac ctt cac gac tac gag gcg gag 1115
His Thr Leu Gln Arg Arg Glu Leu Asp Leu His Asp Tyr Glu Ala Glu
340 345 350
tac gag ttc tac cgt gac ctc gag tcg cgg ccc gag gcg ata ccc ttc 1163
Tyr Glu Phe Tyr Arg Asp Leu Glu Ser Arg Pro Glu Ala Ile Pro Phe
355 360 365
ctg cgc caa cgc aac tcc ggc ttc cgc ctg ccg ccc gtg tcg ttc tac 1211
Leu Arg Gln Arg Asn Ser Gly Phe Arg Leu Pro Pro Val Ser Phe Tyr
370 375 380
cgc tgacacgcca cgcacgcaac cccgcaaacg catagcatgc ataaaattct 1264
Arg
tttttgtaat tagatacgtg ttttagtcat tgcaacaaag cgaagcaaac gtaaacaaca 1324
atccgtgaac atttgggtcg tg 1346
<210> 6
<211> 384
<212> PRT
<213> Rice
<400> 6
Met Lys Arg Arg His Trp Ser His Pro Ser Cys Gly Leu Leu Leu Leu
1 5 10 15
Val Ala Val Phe Cys Leu Leu Leu Val Phe Arg Cys Ser Gln Leu Arg
20 25 30
His Ser Gly Asp Gly Ala Ala Ala Ala Ala Pro Asp Gly Gly Ala Gly
35 40 45
Arg Asn Asp Gly Asp Asp Val Asp Glu Arg Leu Val Glu Leu Ala Ala
50 55 60
Val Asp Pro Ala Ala Met Ala Val Leu Gln Ala Ala Lys Arg Leu Leu
65 70 75 80
Glu Gly Asn Leu Ala Arg Ala Pro Glu Arg His Arg Asp Val Ala Leu
85 90 95
Arg Gly Leu Arg Glu Trp Val Gly Lys Gln Glu Arg Phe Asp Pro Gly
100 105 110
Val Met Ser Glu Leu Val Glu Leu Ile Lys Arg Pro Ile Asp Arg Tyr
115 120 125
Asn Gly Asp Gly Gly Gly Gly Gly Glu Gly Glu Gly Arg Arg Tyr Ala
130 135 140
Ser Cys Ala Val Val Gly Asn Ser Gly Ile Leu Leu Ala Ala Glu His
145 150 155 160
Gly Glu Leu Ile Asp Gly His Glu Leu Val Val Arg Leu Asn Asn Ala
165 170 175
Pro Ala Gly Asp Gly Arg Tyr Ala Arg His Val Gly Ala Arg Thr Gly
180 185 190
Leu Ala Phe Leu Asn Ser Asn Val Leu Ser Gln Cys Ala Val Pro Arg
195 200 205
Arg Gly Ala Cys Phe Cys Arg Ala Tyr Gly Glu Gly Val Pro Ile Leu
210 215 220
Thr Tyr Met Cys Asn Ala Ala His Phe Val Glu His Ala Val Cys Asn
225 230 235 240
Asn Ala Ser Ser Ser Ser Ser Gly Ala Ala Asp Ala Thr Ala Ala Ala
245 250 255
Pro Val Ile Val Thr Asp Pro Arg Leu Asp Ala Leu Cys Ala Arg Ile
260 265 270
Val Lys Tyr Tyr Ser Leu Arg Arg Phe Ala Arg Glu Thr Gly Arg Pro
275 280 285
Ala Glu Glu Trp Ala Arg Arg His Glu Glu Gly Met Phe His Tyr Ser
290 295 300
Ser Gly Met Gln Ala Val Val Ala Ala Ala Gly Val Cys Asp Arg Val
305 310 315 320
Ser Val Phe Gly Phe Gly Lys Asp Ala Ser Ala Arg His His Tyr His
325 330 335
Thr Leu Gln Arg Arg Glu Leu Asp Leu His Asp Tyr Glu Ala Glu Tyr
340 345 350
Glu Phe Tyr Arg Asp Leu Glu Ser Arg Pro Glu Ala Ile Pro Phe Leu
355 360 365
Arg Gln Arg Asn Ser Gly Phe Arg Leu Pro Pro Val Ser Phe Tyr Arg
370 375 380
<210> 7
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 7
gcgatgaagc ggccgctgcg gcgcccgttc 30
<210> 8
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 8
gtcgaccacc ttgcgcgcac gcgctctaat 30
<210> 9
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 9
gggatgaagc gccgccacct cccgcccgtc 30
<210> 10
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 10
cacctcgagg tcaccgtcac cagtgcaacc 30
<210> 11
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 11
gagatgaaga ggaggcattg gagccacccg 30
<210> 12
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 12
cgtcgactgt cagcggtaga acgacacggg 30
<210> 13
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 13
tccgaattcc gcaggtcggt gggcccggct 30
<210> 14
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 14
gaattccgcc gccgcctcct cgtgctgcag 30
<210> 15
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence: Synthetic DNA
<400> 15
gaattccgct gctcccagct gcgccattcc 30




【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の何れかのアミノ酸配列から成る糖鎖合成酵素。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【請求項2】
下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質を含む、糖鎖合成酵素試薬。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【請求項3】
糖鎖合成酵素として使用するための、下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【請求項4】
下記の何れかのアミノ酸配列から成る、シアル酸転移酵素活性ドメインを含む糖鎖合成酵素。
(1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列;
(2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号28〜393から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列;
(3)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列;又は
(4)配列表の配列番号6に記載のアミノ酸配列のアミノ酸番号26〜384から成るアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【請求項5】
請求項4に記載のシアル酸転移酵素活性ドメインを含む糖鎖合成酵素とシグナルペプチドとを含む細胞外分泌型の蛋白であって、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有する蛋白質。
【請求項6】
下記の何れかのアミノ酸配列から成るタンパク質を糖鎖合成酵素として使用する方法。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:
【請求項7】
下記の何れかのアミノ酸配列から成る糖鎖合成酵素を用いて糖鎖を合成する方法。
(1)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列;又は
(2)配列表の配列番号2又は6に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、糖鎖の末端ガラクトース部分にα2,6の結合様式でシアル酸を転移する触媒活性を有するアミノ酸配列:




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−238810(P2006−238810A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59944(P2005−59944)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】