説明

糸継装置

【課題】糸継を確実に行う。
【解決手段】スプライサユニット9において、糸収容空間61は、横断面形状が略正三角形となっている。また、糸収容空間61の上記正三角形の頂点となる位置に、エア噴射流路62の噴射口62aが形成されており、各噴射口62aから噴射されたエアは、糸収容空間61の上記正三角形の辺となる壁面61bに向かって流れ、壁面61bにその面方向と直交する方向に衝突する。これにより、糸収容空間61内には乱流が発生し、この乱流によって、カッタに切断されるとともに、吸引口61aから糸収容空間61内に導入された複数の連結糸Yの糸継が行われる。また、エアが衝突する糸収容空間61の壁面61bは、全て平面となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸が収容された糸収容空間内に流体を噴射することによって糸継を行う糸継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糸が収容された糸収容空間内に流体を噴射することによって糸継を行う糸継装置として、特許文献1に記載のスプライサノズル(糸継装置)は、クリールに支持された互いに異なる色の糸が巻き取られた複数のパッケージから、予め設定されたパターンにしたがって順次糸を引き出して、巻取パッケージに巻き取る巻取装置に設けられており、糸の切り替えを行う際に、切り替え前の糸と切り替え後の糸との糸継を行っている。
【0003】
このスプライサノズルは、一方向に延びた糸収容通路に圧縮エアを噴射するためのノズル孔として、上記一方向と直交する方向に延びた第一ノズル孔と、当該方向に対して傾斜した第二ノズル孔とを備えている。そして、第一、第二ノズル孔からエアが噴射されると、糸収容通路内に配置された互いに切断された糸が、第二ノズル孔から噴射された圧縮エアにより上記一方向と平行な糸の牽引方向に牽引されつつ、第一ノズル孔から噴射された圧縮エアにより解撚される。これにより、糸収容通路内の糸の解撚された糸端同士が強く絡まり、糸継された糸の糸継強度が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−52485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1では、2つのノズル孔から糸収容通路に圧縮エアが噴射されるようになっているが、上述したように、第二ノズル孔から噴射される圧縮エアは、糸収容通路内の糸を牽引するためのものであり、多少は糸の解撚にも寄与するものの、実質的には、第一ノズル孔から噴射される圧縮エアのみによって糸が解撚されている。しかしながら、糸継を行う糸の糸種によっては、1つのノズル孔から噴射された圧縮エアだけでは糸を十分に解撚することができず、十分な糸継強度が得られない虞がある。
【0006】
さらに、特許文献1では、2本の糸のみの糸継を行っているが、これとは異なり、例えば、後述するように、糸収容空間内に多数の糸が配置されており、これら多数の糸をまとめてつなぎ合わせる(糸継する)場合などには、1つのノズル孔から噴射される圧縮エアだけでは、これら多数の糸を十分に交絡することができず、十分な糸継強度が得られない可能性がさらに高いものとなる。
【0007】
本発明の目的は、糸収容空間内の多数本糸に対して確実に糸継処理を行うことが可能な糸継装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る糸継装置は、複数の糸が収容される糸収容空間と、前記糸収容空間に連通した、前記糸収容空間内に流体を噴射するための複数の噴射口とを備えており、前記糸収容空間は、不連続な複数の壁面によって囲まれており、前記複数の噴射口が、前記複数の壁面の各々と対向する位置に形成されていることを特徴とする。
【0009】
これによると、複数の噴射口から糸収容空間内に連続的に噴射された流体は、それぞれ、噴射口と対向する糸収容空間の壁面に向かって流れ、その後各壁面に衝突することによってその流れの方向を変える。これにより、糸収容空間内には乱流が発生し、この乱流により、糸収容空間内の糸は、その1本1本が個々にランダムに運動する。その結果、糸収容空間内の糸においては、噴射された流体が当たった部分に開繊状部が形成され、開繊状部の両側の部分に、各糸が交錯した交絡部が形成される。そして、この交絡部によって糸収容空間内の糸が糸継される。
【0010】
第2の発明に係る糸継装置は、第1の発明に係る糸継装置であって、前記糸収容空間は、横断面形状が多角形となっており、前記噴射口が、前記糸収容空間の前記多角形の各頂点となる位置に形成されていることを特徴とする。
【0011】
これによると、糸収容空間は、横断面形状が多角形となっているため、上記多角形の各頂点となる位置に形成された噴射口から糸収容空間内に噴射された流体は、それぞれ、上記正多角形の各頂点と対向する辺となる壁面に向かって流れ、各壁面に衝突する。したがって、流体が糸収容空間に衝突したときに乱流が発生しやすくなる。
【0012】
なお、第2の発明において「多角形となっている」というのは、厳密に多角形になっていることには限定されず、例えば、多角形の辺となる壁面が曲面となっているなど、多角形の一部分が変形しているようなものも含まれる。
【0013】
第3の発明に係る糸継装置は、第2の発明に係る糸継装置であって、前記糸収容空間の、前記多角形の辺となる壁面が平面になっていることを特徴とする。
【0014】
これによると、各噴射口から噴射された流体が衝突する糸収容空間の壁面が平面となっているため、噴射された流体が各壁面に衝突したときにさらに乱流が発生しやすくなる。
【0015】
第4の発明に係る糸継装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る糸継装置であって、前記糸収容空間は、その端が開口しており、前記糸収容空間に接続されており、前記糸収容空間内の空気を吸引する吸引流路をさらに備えていることを特徴とする。
【0016】
これによると、吸引流路から糸収容空間内の空気を吸引することによって、糸を糸収容空間の開口から吸引して糸収容空間の内部に導入させることができる。
【0017】
第5の発明に係る糸継装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る糸継装置であって、前記糸収容空間は、少なくとも前記噴射口から流体が噴射されている状態では、その端以外の部分が、前記噴射口を除いて完全に閉じていることを特徴とする。
【0018】
これによると、噴射口から糸収容空間に噴射された流体が、糸収容空間から外部に漏れ出しにくくなるため、糸収容空間内にさらに乱流が発生しやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の噴射口から糸収容空間内に連続的に噴射された流体は、それぞれ、噴射口と対向する糸収容空間の壁面に衝突することによってその流れの方向が変わるため、糸収容空間内には乱流が発生する。そして、この乱流により、糸収容空間内の糸の1本1本が個々にランダムに運動し、その結果、糸収容空間内の糸においては、噴射された流体が当たった部分に開繊状部が形成され、その両側の部分に、各糸が交錯した交絡部が形成される。そして、この交絡部によって糸収容空間内の糸が糸継される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る整経機の構成を示す平面図である。
【図2】第1実施形態に係る整経機の構成を示す側面図である。
【図3】給糸パッケージに巻き取られている連結糸を示す図である。
【図4】スリット形成装置を図1の矢印IVの方向から見た図である。
【図5】(a)がスプライサユニットの平面図、(b)が(a)のB−B線断面図である。
【図6】最初のバンドを巻き取る前に連結糸の結び目を整列させる手順を示す図である。
【図7】バンドの巻き取りが完了した後、次のバンドを巻き取る前に連結糸の結び目を整列させるとともに糸継を行う手順を示す図である。
【図8】糸収容空間内におけるエアの流れを示す図である。
【図9】糸収容空間に噴射されたエアによって糸継された連結糸を示す図である。
【図10】部分整経ビームに巻き取られた連結糸を製織ビームに巻き取る手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
図1は本実施の形態に係る整経機の構成を示す平面図である。図2は本実施の形態に係る整経機の構成を示す側面図である。なお、図2では後述する台車34の図示を省略している。
【0023】
本実施の形態に係る整経機1は、いわゆる部分整経機であり、図1、図2の左端部に配置されているクリール2に支持された複数の給糸パッケージPから、後述する複数の連結糸Yを引き出し、引き出した複数の連結糸Yを、図1、2の右端部に配置された略円筒形状の部分整経ビーム3に巻き取ることによって、1つのバンドBを形成するとともに、このようなバンドBの形成を繰り返し行うことによって、部分整経ビーム3の軸方向に並ぶように複数のバンドBを形成する。なお、連結糸Yの巻取時には、部分整経ビーム3は、図示しないモータなどの駆動によって回転する。
【0024】
図3は、給糸パッケージPに巻き取られている連結糸Yを示す図である。給糸パッケージPに巻き取られている連結糸Yは、図3に示すように、複数の糸が結びあわされることで一本になったものであり、複数の巻取糸Y1及び高強度糸Y2を含んでいる。また、連結糸Yを構成する糸の結び目kにはこぶaができている。
【0025】
複数の巻取糸Y1は、それぞれ、1回の巻取で部分整経ビーム3に巻き取られる糸であって、1つのバンドBを形成する経糸に相当する長さを有している。ここで、各巻取糸Y1は、織物の柄にあわせて、1つのバンドBに相当する長さの1本の糸のみによって構成されている、あるいは、色や糸種の異なる複数種類の糸が結びあわされてつながれることで、1つのバンドBに相当する長さの一本の糸となっている。
【0026】
高強度糸Y2は、巻取糸Y1よりも強度の高いマルチフィラメント糸であって、各連結糸Yのうち、巻取糸Y1の間の部分、及び、パッケージPから引き出される側の端に配置されている。また、高強度糸Y2は、2つの糸Y21、Y22が結びあわされて一本となったものであり、糸Y21と糸Y22とは互いに色が異なっている(例えば、糸Y21が赤色であるのに対して、糸Y22が青色となっている)。
【0027】
また、整経機1においては、図1、図2に示すように、クリール2と部分整経ビーム3との間の糸経路の途中に、幅出し筬4、スリット形成装置5、幅出し筬6、搬送機構7、カッタ8、スプライサユニット9、サクションノズル10、搬送ローラ11などが配置されている。
【0028】
幅出し筬4は櫛歯状の部材であり、複数のパッケージPから引き出されてきた連結糸Yを等間隔に配列する。
【0029】
スリット形成装置5は、幅出し筬4の図中右側に配置されている。図4は、スリット形成装置5を図1の矢印IVの方向から見た図である。図4に示すように、スリット形成装置5は、フレーム21、固定ローラ22、昇降ローラ23、流体シリンダ24等を備えている。固定ローラ22はフレーム21に固定された、回転しないローラである。昇降ローラ23は、固定ローラ22の上方に固定ローラ22と対向するように配置された回転しないローラである。昇降ローラ23は、その両端部に昇降ローラ23本体よりも径の大きいカラー25が取り付けられていることで、その両端部においてその間の部分よりも径が大きくなっている。
【0030】
また、昇降ローラ23は、その両端部が流体シリンダ24の下端部に支持されている。流体シリンダ24は、エアシリンダや油圧シリンダなどであって、その上端部がフレーム21の上端部に固定されている。そして、流体シリンダ24は、その下端部において支持する昇降ローラ23を昇降させる。
【0031】
これにより、昇降ローラ23は、図4(a)に示すように、固定ローラ22から離隔した位置(離隔位置)と、図4(b)に示すように、カラー25が固定ローラ22と接触する位置(スリット形成位置)との間で昇降する。
【0032】
そして、図4(a)に示すように、昇降ローラ23が固定ローラ22から離隔した状態では、固定ローラ22と昇降ローラ23との間の隙間W1は、連結糸Yの結び目kのこぶaの大きさWaよりも広くなっている。
【0033】
一方、図4(b)に示すように、カラー25が固定ローラ22と接触した状態では、固定ローラ22と昇降ローラ23との間に、昇降ローラ23本体とカラー25の径の差に相当する幅W2のスリット26が形成される。このスリットの幅W2は、図4(b)、(c)に示すように、連結糸Yの太さWyよりも広く、結び目kのこぶaの大きさWaよりも狭くなっている。図4(c)は図4(b)の部分拡大図である。
【0034】
また、スリット形成装置5の図1における左右両側には、光センサ31、32が配置されている。光センサ31、32は、高強度糸Y2のうち糸Y21を検出するためのものである。より詳細に説明すると、光センサ31、32は、図示しない発光素子と受光素子とを有しており、発光素子から糸Y21とほぼ同じ色(例えば、赤色)の光を出射する。そして、光センサ31、32が当該光とほぼ同じ色の糸Y21と対向しているときには、出射された光が糸Y21に当たって反射し、受光素子が当該光を受光する。一方、光センサ31、32が、当該光と異なる色の糸Y22と対向しているときには、出射された光は糸Y22に当たっても反射せず、受光素子は光を受光しない。そして、光センサ31、32は、受光素子が光を受光するか否かによって糸Y21を検出する。
【0035】
また、光センサ31、32は、複数の連結糸Yが配置されている範囲の全域にわたって、連結糸Yの配列方向(図1の上下方向)に移動可能となっており、発光素子から光を出射させつつ、光センサ31、32をその移動範囲の端から端まで移動させたときに、受光素子が光を受光する回数が、光センサ31、32と対向している糸Y21の数となる。
【0036】
幅出し筬6は、スリット形成装置5の図中右側に配置されている。幅出し筬6は、幅出し筬4よりも細かい櫛歯状の部材であって、複数の連結糸Yを、幅出し筬4により配列された間隔よりも小さい、部分整経ビーム3に巻き取るときの糸間隔に配列する。
【0037】
搬送機構7は、後述するように、糸Y21と糸Y22との結び目k2を整列させる際に、連結糸Yを搬送するための機構であって、2つの弾性ローラ16a、16bを有している。
【0038】
弾性ローラ16aは、幅出し筬6の図中右側、つまり、糸経路におけるスリット形成装置5の下流側に配置されている。また、弾性ローラ16aは、表面を含む部分がポリウレタンなどの弾性材料によって形成されている。ここで、弾性ローラ16aは、図示しないモータなどの駆動によって回転する駆動ローラである。
【0039】
弾性ローラ16bは、表面を含む部分が弾性ローラ16aと同様の弾性材料によって形成されたローラであり、弾性ローラ16aの上方に配置されている。また、弾性ローラ16bは、弾性ローラ16aに接触しており、弾性ローラ16aが回転したときに、弾性ローラ16aとの摩擦力によって従動回転する。
【0040】
カッタ8は、弾性ローラ16a、16bの図中右側に配置されており、後述するように、連結糸Yの切断を行う。
【0041】
スプライサユニット9(糸継装置)は、カッタ8の図中右側に、連結糸Yの糸経路の下方にくるように配置されている。図5は、スプライサユニット9の構成を示す図であり、(a)が平面図、(b)が(a)のB−B線断面図である。
【0042】
図5に示すように、スプライサユニット9は、スプライサ51とサクションノズル52とが連結部材53によって連結されることによって一体となったものである。スプライサ51には、糸収容空間61、エア噴射流路62、接続流路63、エア供給流路64などが設けられている。
【0043】
糸収容空間61は、スプライサ51を貫通するように上下方向に延びており、その上端の開口が、後述するように連結糸Yを糸収容空間61に吸引するための吸引口61aとなっている。ここで、スプライサユニット9は、吸引口61aが連結糸Yの糸経路のほぼ真下にくるように配置されている。また、糸収容空間61は、横断面形状が略正三角形となっており(複数の壁面によって囲まれており)、上記正三角形の辺となる壁面61bは全て平面となっている。
【0044】
エア噴射流路62は、糸収容空間61内にエア(流体)を噴射するための流路であって、その噴射口62aが、糸収容空間61の上下方向に関する略中央部の、上記正三角形の3つの頂点となる位置(上記正三角形の辺となる壁面61bの各々と対向する位置)に形成されている。
【0045】
接続流路63は、糸収容空間61及び3つのエア噴射流路62を取り囲むように配置されており、3つのエア噴射流路62の噴射口62aと反対側の端同士を互いに連通させている。エア供給流路64は、エア噴射流路62にエアを供給するための流路であって、その一端が接続流路63に接続されているとともに、他端がスプライサユニット9の側面において開口した接続口64aとなっている。そして、接続口64aには、チューブ47によりバルブ41を介してエア供給源42が接続されている。
【0046】
これにより、バルブ41を開くと、エア供給源42からエア供給流路64にエアが供給され、供給されたエアは、接続流路63で分岐して3つのエア噴射流路62の噴射口62aからほぼ同時に糸収容空間61に噴射される。
【0047】
サクションノズル52には、吸引流路71、エア供給流路72、接続流路73などが設けられている。吸引流路71は、サクションノズル52を貫通するように上下方向に延びている。エア供給流路72は吸引流路71にエアを供給するための流路であって、その一端がサクションノズル52の側面において開口した接続口72aとなっている。接続口72aにはチューブ48によりバルブ43を介してエア供給源44が接続されており、バルブ43を開くと、接続口72aからエア供給流路72にエアが供給される。
いる。
【0048】
接続流路73は、吸引流路71を取り囲むように形成されており、その途中部分がエア供給流路72の他端に接続されている。また接続流路73は、エア供給流路72との接続部分から上方に延びているとともに、その上端部が下方に折れ曲がった上で吸引流路71の上端部に接続されている。
【0049】
これにより、上述したようにエア供給流路72に供給されたエアは、接続流路73を介して吸引流路71の上端部に流れ込む。このとき、エア供給流路72から供給されたエアは、接続流路73に沿って流れることにより、図5(b)において矢印で示したように、エア供給流路72との接続部から上向きに流れるとともに、吸引流路71との接続部の近傍においてその流れ向きを下向きに変えて吸引流路71に流れ込む。その結果、吸引流路71には下向きのエアの流れが発生する。
【0050】
連結部材53は、スプライサ51とサクションノズル52との間に配置されている。連結部材53には、連結部材53を貫通するように連結流路81が設けられており、糸収容空間61及び吸引流路71に接続されている。
【0051】
これにより、上述したように吸引流路71に下向きのエアの流れが生じると、吸引流路71に連通する糸収容空間61及び連結流路81にも下向きのエアの流れが生じ、このエアの流れによって、後述するように、カッタ8により切断された連結糸Yが、吸引口61aから糸収容空間61内に吸引される。
【0052】
サクションノズル10は、カッタ8の図中右側に、連結糸Yの糸経路の上方にくるように配置されている。サクションノズル10は、サクションノズル52と同様の構造を有するものであり、その上下がサクションノズル52とは逆となるように配置されていることにより、その下端部に吸引口10aが設けられているとともに、その側面に接続口10bが設けられている。
【0053】
接続口10bには、チューブ49によりバルブ45を介してエア供給源46が接続されており、バルブ45を開くと、後述するように、カッタ8により切断された連結糸Yの糸端が、吸引口10aからサクションノズル10内に吸引され、これにより、連結糸Yの糸端がサクションノズル10に捕捉される。
【0054】
また、サクションノズル10は、軸33aを中心として揺動自在に支持されているとともに、図示しないモータなどによって揺動されるアーム33の先端に取り付けられている。そして、アーム33が揺動することで、図2において実線で示すように、吸引口10aがスプライサユニット9の吸引口61aと対向する位置と、図2において一点鎖線で示すように、吸引口10aが弾性ローラ16a、16bのすぐ右側にくる位置との間で移動可能となっている。なお、上述のカッタ8は、図1の上下方向に移動可能となっており、サクションノズル10が移動する際には、サクションノズル10と接触しない位置に退避させることができるようになっている。
【0055】
また、上述の弾性ローラ16a、16b、カッタ8、スプライサユニット9、サクションノズル10は、台車34上に配置されており、これらは、台車34とともに移動可能となっている。これにより、弾性ローラ16a、16b、カッタ8、スプライサユニット9、サクションノズル10は、複数の整経機1において共用可能となっている。
【0056】
搬送ローラ11は、スプライサユニット9の図中右側に配置されている。搬送ローラ11は、図示しないモータなどの駆動によって回転する駆動ローラであり、連結糸Yを図中右側に向けて搬送する。
【0057】
次に、整経機1において、部分整経ビーム3に連結糸Yを巻き取る手順について説明する。図6は、整経機1において最初のバンドBを形成する前における、結び目k2の整列の手順を示す工程図である。
【0058】
整経機1において、結び目k2を整列した上で部分整経ビーム3に連結糸Yを巻き取るためには、まず、図6(a)に示すように、流体シリンダ24によって昇降ローラ23を図4(a)に示す上記離隔位置まで上昇させた状態で、クリール2に支持された複数のパッケージPから引き出された連結糸Yを、幅出し筬4に掛け、固定ローラ22と昇降ローラ23との間を挿通させ、さらに、幅出し筬6に掛けた上で、弾性ローラ16a、16bの間に挟む。
【0059】
次に、図6(b)に示すように、流体シリンダ24によって昇降ローラ23を図4(b)に示す上記スリット形成位置まで降下させることによって、複数の連結糸Yをスリット26に挿通された状態とし、この状態で弾性ローラ16aを回転させる。このとき、スリット26の幅W2は、連結糸Yの太さWyよりも大きく、連結糸Yの結び目kのこぶaの大きさWaよりも小さいため、複数の連結糸Yは、結び目k2のこぶa2がスリット26にくるまでは、図中右方に搬送される。
【0060】
そして、結び目k2のこぶa2がスリットにくると、こぶa2がスリット26に引っかかりそれ以上は搬送されない。このとき、上述したように、連結糸Yを搬送する弾性ローラ16a、16bの表面を含む部分がポリウレタンなどの弾性材料により構成されているため、連結糸Yを挟む弾性ローラ16a、16bは連結糸Yに押されて弾性変形する。このため、弾性ローラ16a、16bによる連結糸Yのニップ力は、剛体である金属製の一対のローラによって連結糸Yをニップした場合ほど大きなものとはならない。したがって、こぶaがスリット26に引っかかった後、さらに弾性ローラ16a、16bを回転させても、弾性ローラ16a、16bが連結糸Yを引っ張る力は弱く、連結糸Yが弾性ローラ16a、16bの表面上をすべることとなり、連結糸Yが切れてしまうことがない。
【0061】
さらに、このとき、弾性ローラ16a、16bが、こぶaがスリット26に引っかかった連結糸Yを引っ張る力は弱いが、巻取糸Y1が弾性ローラ16a、16bにより引っ張られるとすると、巻取糸Y1が強度の低い糸である場合には、連結糸Yが切れてしまう虞がある。しかしながら、本実施の形態では、パッケージPの連結糸Yが引き出される側の端には強度の高いフィラメント糸である高強度糸Y2が配置されており、高強度糸Y2が弾性ローラ16a、16bに引っ張られることとなるため、連結糸Yが切れてしまうのを防止することができる。
【0062】
また、このような連結糸Yの搬送を続けていくと、スリット26に引っかかるこぶa2の数が徐々に増加していくことになるが、スリット26に引っかかるこぶa2の数が多くなると、こぶa2が昇降ローラ23を押し上げようとする力の大きさが大きくなる。しかしながら、本実施の形態では、昇降ローラ23を昇降させる流体シリンダ24により昇降ローラ23が下方に押し付けられているため、こぶa2が昇降ローラ23を押し上げようとする力によって実際に昇降ローラ23が上方に移動してしまうことがない。したがって、スリット26に引っかかったこぶa2が、こぶa2に押し上げられることによって幅が広くなったスリット26を抜けて下流側まで搬送されてしまうことがない。
【0063】
そして、全ての連結糸Yが、結び目k2のこぶa2がスリット26に引っかかる位置まで搬送されることによって、結び目k2の整列が完了したときに弾性ローラ16aの回転を停止させる。
【0064】
具体的には、結び目k2のこぶa2がスリット26に引っかかるまでは、スリット26の両側には高強度糸Y2のうち糸Y21がくるため、光センサ31、32の両方により、糸Y21が検出される。これに対して、結び目k2のこぶa2がスリット26に引っかかった状態では、スリット26の右側に糸Y21がくるとともに左側に糸Y22がくるため、光センサ31によって糸Y21が検出されるが、光センサ32によっては糸Y21が検出されない。
【0065】
そこで、光センサ31によって引き出された連結糸Yと同じ本数の糸Y21が検出され、且つ、光センサ32によって糸Y22が一本も検出されなくなった状態となったときに、全ての連結糸Yについて、結び目k2のこぶa2がスリット26に引っかかったこと、すなわち、結び目k2の整列が完了したとして、弾性ローラ16aの回転を停止させる。
【0066】
そして、上述のようにして結び目k2を整列させた後、流体シリンダ24により昇降ローラ23を再度図4(a)に示す上記離隔位置まで上昇させた上で、複数の連結糸Yを搬送ローラ11及び部分整経ビーム3に巻き掛け、この状態で、搬送ローラ11及び部分整経ビーム3を回転させることにより、部分整経ビーム3に複数の巻取糸Y1を巻き取ってバンドBを形成する。このとき、上述したように結び目k2を整列した上で、巻取糸Y1を部分整経ビーム3に巻き取っているため、バンドBを構成する巻取糸Y1は、その巻き始めの位置が整列された状態で部分整経ビーム3に巻き取られる。
【0067】
なお、この状態では、固定ローラ22と昇降ローラ23との間の隙間W1が、結び目kのこぶaの大きさWaよりも大きくなっているため、糸Y21と糸Y22との結び目k3のこぶa3、巻取糸Y1と次の糸Y21との結び目k1のこぶa1、及び、巻取糸Y1が複数の糸が結び合わされている場合の糸の結び目のこぶ(図示省略)は、引っかかることなく、固定ローラ22と昇降ローラ23との間を通過する。
【0068】
また、このとき、部分整経ビーム3の一端部には、部分整経ビーム3の端に近い部分ほどその径が大きくなったテーパ部3aが設けられており、部分整経ビーム3に巻き取られた複数の連結糸Yは、このテーパ部3aの表面に沿った方向に重なっていく。
【0069】
次に、バンドBの形成が完了した後、次のバンドBを形成するまでの動作について説明する。図7はこの手順を示す工程図である。
【0070】
ここで、高強度糸Y2は、バンドBの形成が完了した状態では、部分整経ビーム3に巻き取られた巻取糸Y1と糸Y21との結び目k1が、スリット形成装置5よりも図7の右側にくるとともに、糸Y21と糸Y22との結び目k2が、スリット形成装置5よりも図7の左側にきている。
【0071】
整経機1においては、バンドBの形成が完了した後、まず、図7(a)に示すように、カッタ8により連結糸Yを切断する。続いて、図7(b)に示すように、カッタ8を退避させた上で、アーム33を揺動させることにより、サクションノズル10を吸引口10aが弾性ローラ16a、16bの右側にくるまで移動させ、この状態で、バルブ43、45を開く。これによって、上流側の連結糸Yの糸端が吸引口10aから吸引されてサクションノズル10に捕捉されるとともに、下流側の連結糸Yの糸端が吸引口61aから吸引されてスプライサユニット9に捕捉され、下流側の連結糸Yが糸収容空間61内に配置される。また、これとほぼ同時に、流体シリンダ24により昇降ローラ23を図4(b)に示す上記スリット形成位置まで降下させる。
【0072】
次に、弾性ローラ16aを回転させる。これにより、上述したのと同様、複数の連結糸Yが、結び目k2のこぶa2がスリット26に引っかかるまで搬送されて、結び目k2が整列される。
【0073】
その後、図7(c)に示すように、流体シリンダ24により昇降ローラ23を図4(a)に示す上記離隔位置まで上昇させてから、アーム33を揺動させて、上流側の連結糸Yの糸端を捕捉しているサクションノズル10を、吸引口10aがスプライサユニット9の吸引口61aと対向する位置に戻した上で、バルブ45を閉じ、サクションノズル10による連結糸Yの糸端の捕捉を解除する。
【0074】
すると、図7(d)に示すように、サクションノズル10に捕捉されていた上流側の連結糸Yの糸端は、吸引口61aから吸引されることによってスプライサユニット9に捕捉され、これにより、上流側及び下流側の連結糸Yがとともに糸収容空間61内に配置される。
【0075】
次に、この状態でバルブ41を開くと、切断された連結糸Yが配置された糸収容空間61内には、上述したように、3つの噴射口62aからエアが噴射される。
【0076】
図8は、噴射口62aから糸収容空間61に連続的にエアが噴射されたときの、糸収容空間61におけるエアの流れを示す図であり、図中の矢印がエアの流れを示している。図9は、噴射口62aから糸収容空間61に噴射されたエアによって糸継された連結糸Yを示す図である。
【0077】
上述したように、糸収容空間61は、その横断面形状が略正三角形となっているため、3つの噴射口62aから糸収容空間61に連続的にエアが噴射されると、図8に示すように、上記正三角形の各頂点となる位置に形成された噴射口62aから噴射されたエアは、それぞれ、各頂点と対向する辺となる(噴射口62aと対向する)壁面61bに向かって当該壁面61bとほぼ直交する方向に流れ、その後、壁面61bに衝突して、その流れの方向を変える。これにより、糸収容空間61には、上記3つの噴射口62aから噴射されたエアによる乱流が発生する。
【0078】
このとき、噴射口62aから噴射されたエアは、上述したように、壁面61bとほぼ直交する方向に流れて壁面61bに衝突するため、エアが壁面61bに衝突したときに乱流が発生しやすい。
【0079】
また、このとき、噴射口62aから噴射されたエアが衝突する糸収容空間61の壁面61bが平面となっているため、エアが壁面61bに衝突したときに、さらに乱流が発生しやすい。
【0080】
そして、糸収容空間61内の連結糸Yは、上記乱流により、その1本1本が個々にランダムに運動する。その結果、図9に示すように、連結糸Yのうち、噴射口62aから噴射されたエアが当たった部分には開繊状部bが形成され、その上下両側の部分には各連結糸Yが交錯した交絡部cが形成される。そして、この交絡部cによって、上流側と下流側の連結糸Yがまとめて糸継される。
【0081】
そして、上流側と下流側の糸端を糸継した後、バルブ43を閉じるとともに、搬送ローラ11、及び、位置をずらした部分整経ビーム3を回転させると、スプライサユニット9による連結糸Yの捕捉が解除されて、連結糸Yの糸継された交絡部bがスプライサユニット9から抜け出すとともに、部分整経ビーム3の前回形成したバンドBに隣接する位置に複数の巻取糸Y1が巻き取られる。これにより、次のバンドBが形成される。
【0082】
以下、同様の動作を繰り返して、部分整経ビーム3に複数のバンドBを順次形成していく。ここで、部分整経ビーム3に連結糸Yを巻き取ってバンドを形成していく場合、部分整経ビーム3に巻き取られる連結糸Yの長さはかなり長いものとなる。そのため、上述したように、最初のバンドBを形成する前に、複数の連結糸Yの巻き始めの位置を揃えたとしても、巻き始めの位置から離れた部分ほど、複数の連結糸Yの間での位置ずれ量が大きくなる。したがって、バンドBの形成が終わる毎に上述したような結び目k2の整列を行うことなく複数のバンドBを形成してしまうと、後から形成されたバンドBほど、複数の連結糸Yの間に大きな位置ずれが生じてしまう。
【0083】
しかしながら、本実施の形態では、バンドBの形成後、次のバンドBの形成前に、結び目k2の整列を行っているため、各バンドBにおいて巻き始めの位置が揃えられ、複数の連結糸Yの間に大きな位置ずれが生じてしまうのを防止することができる。
【0084】
図10は、複数のバンドBが形成された部分整経ビーム3を示す図である。ただし、図面をわかりやすくするため、図10では、連結糸Y及びバンドBの数を実際よりも少なくしているとともに、連結糸Yの間隔も広くしている。また、前述したように、各バンドBを形成する際、部分整経ビーム3に巻き取られた連結糸Yは、テーパ部3aの表面に沿った方向に重なっていくが、図10では、各バンドBにおいて連結糸Yが部分整経ビーム3の径方向に重なっていくとして図示している。
【0085】
複数のバンドBのが形成が完了した部分整経ビーム3においては、図10(a)に示すように、連結糸Yのうち、各バンドBの間に位置する部分(図10(a)において太線で示した部分B1)を切断するとともに、図10(b)に示すように、切断した部分の糸端を引き出すことによって、各バンドBを構成する複数の連結糸Yを引き出す。そして、図10(c)に示すように、引き出した連結糸Yを製織ビーム90に巻きつける。このとき、連結糸Yの引き出された部分B1に、上記開繊状部bや交絡部c(図9参照)がくることとなるため、連結糸Yを引き出した後、引き出した連結糸Yの先端部分を切断することにより開繊状部b及び交絡部cを除去してから、連結糸Yを製織ビーム90に巻き掛ける。
【0086】
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0087】
本実施の形態では、糸収容空間61の上記正三角形の辺となる壁面61bが平面となっていたが、これには限られず、例えば、これらの壁面が曲面となっているなど、正三角形の一部が変形した形状となっていてもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、糸収容空間61は、その横断面形状が略正三角形となっていたが、これには限られず、糸収容空間は、その横断面形状が、例えば正五角形など、辺の長さが奇数の正三角形以外の正多角形となっており、エア噴射流路の噴射口が、上記正多角形の頂点となる位置に形成されていてもよい。
【0089】
さらには、糸収容空間は、横断面形状が上述のような正多角形であることには限られず、糸収容空間は、例えば、横断面形状が、辺の長さや内角の大きさが互いに異なる多角形となっているなど、不連続な複数の壁面によって囲まれているとともに、複数の噴射口が、これら複数の壁面の各々と対向する位置に形成されていてもよい。
【0090】
なお、不連続な複数の壁面によって囲まれているというのは、より詳細には、互いに接続されているとともに、互いの接続部分において屈曲した複数の壁面によって囲まれていることを示している。すなわち、例えば、糸収容空間の横断面形状が円形や楕円形状となっているものなど、糸収容空間が、滑らかにつながった壁面によって囲まれたものではないことを示している。
【0091】
これらの場合でも、噴射口から噴射されるエアが、糸収容空間の壁面に衝突することによって糸収容空間に大きな乱流が発生し、このような大きな乱流によって、上述したのと同様、連結糸Yに開繊状部bや交絡部cが形成され、糸継を行うことができる。
【0092】
また、本実施の形態では、糸収容空間61内にエアを噴射したが、これには限られず、糸収容空間61にエア以外の流体を噴射してもよい。
【0093】
また、本実施の形態では、弾性ローラ16a、16b、カッタ8、スプライサユニット9及びサクションノズル10が台車34上に配置されており、台車34を移動させることによって、これらを複数の整経機1で共用することができるようになっていたが、これらは、整経機1に固定されたものであってもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、スプライサ51とサクションノズル52とが連結部材53によって連結されることで一体となったスプライサユニット9が設けられていたが、これには限られず、スプライサ51とサクションノズル52とが別々に設けられていてもよい。なお、この場合には、スプライサ51が、本発明に係る糸継装置に相当する。さらには、サクションノズル52は設けられておらず、糸継を行う際に、作業者が手動で、吸引口61aから糸収容空間61に連結糸Yを導入させるなどしてもよい。
【0095】
また、この場合には、糸収容空間61への連結糸Yの導入は、吸引口61aから行うことには限られない。例えば、スプライサ51に糸収容空間61の側壁面に開口した糸挿入用の溝が設けられおり、側方からこの溝を通して連結糸Yを糸収容空間61内に導入してもよい。
【0096】
ただし、このように、糸収容空間61に糸挿入用の溝などが開口している場合には、糸収容空間61内に噴射されたエアの一部が当該溝などから外部に漏れ出してしまうこととなるため、本実施の形態と比べると発生する乱流が弱くなってしまう。
【0097】
あるいは、側方から糸収容空間61に連結糸Yを挿入することができるように、スプライサ51において糸収容空間61の側方が開閉可能となっていてもよい。この場合には、本実施の形態の場合と比べて、スプライサ51の構造が複雑なものになってしまうものの、糸収容空間61の側方を開いて連結糸Yを挿入した後、糸収容空間61の側方を閉じてから糸収容空間61にエアを噴射すれば、上述のような糸収容空間61の側方からのエアの漏れはなく、糸収容空間61内の乱流が弱くなってしまうことがない。
【0098】
また、本実施の形態では、連結糸Y結び目k2を整列させる際に、搬送機構7によって連結糸Yを搬送したが、これには限られず、例えば、作業者が複数の連結糸Yを1本ずつスリット26に結び目k2のこぶa2が引っかかるまで引っ張るなどして、結び目k2を整列させてもよい。なお、この場合には、光センサ31、32は設けられていなくてもよく、高強度糸Y2が、1種類の糸によってのみ形成されていてもよい。さらには、高強度糸Y2自体がなく、連結糸Yが複数の巻取糸Y1が互いに結び合わされて1本となったものであってもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、部分整経ビーム3に複数のバンドBを形成する部分整経機に本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、例えば、製織ビームを形成する本数と同じ本数の連結糸Yを、一度に荒巻ビームに巻き取る、いわゆる通常整経を行う整経機に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0100】
9 スプライサユニット
61 糸収容空間
61a 吸引口
61b 壁面
62a 噴射口
71 吸引流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸が収容される糸収容空間と、
前記糸収容空間に連通した、前記糸収容空間内に流体を噴射するための複数の噴射口とを備えており、
前記糸収容空間は、不連続な複数の壁面によって囲まれており、
前記複数の噴射口が、前記複数の壁面の各々と対向する位置に形成されていることを特徴とする糸継装置。
【請求項2】
前記糸収容空間は、横断面形状が多角形となっており、
前記噴射口が、前記糸収容空間の前記多角形の各頂点となる位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の糸継装置。
【請求項3】
前記糸収容空間の、前記多角形の辺となる壁面が平面になっていることを特徴とする請求項2に記載の糸継装置。
【請求項4】
前記糸収容空間は、その端が開口しており、
前記糸収容空間に接続されており、前記糸収容空間内の空気を吸引する吸引流路をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の糸継装置。
【請求項5】
前記糸収容空間は、少なくとも前記噴射口から流体が噴射されている状態では、その端以外の部分が、前記噴射口を除いて完全に閉じていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の糸継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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