説明

紙パック容器の開封器具

【課題】 きわめて簡単に操作でき、非常に小さな力で誰にでも容易に、且つ綺麗に紙パック容器の開封を行うことのできる紙パック容器の開封器具を提供する。
【解決手段】 帯板状の把手2と、把手2の下方に連結される一対の板状体5、5を左右対称に対向して配設してなる開封クリップ3と、を有する紙パック容器Pの開封器具1であって、封緘部32を嵌め入れることができる第1スペース7を形成する胴部15、15と、屋根状部31、31を嵌め入れることができる第2スペース8、8を形成する傾斜部16、16とを備え、傾斜部16、16の前端縁には切り込み41、41を形成するための挿入部18、18が設けられ、把手2の前方への傾動に伴って、挟着部11’の下端前部45’が封緘部32の中央頂部50近傍を押し下げるとともに、挿入部18、18が開閉部34、34の外側折合せ部36、36を押し下げて、切り込み41、41を押し広げるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙パック容器の開封器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳、ジュース、お茶等の飲料や醤油、酒等の内溶液を封入した紙パック容器が知られているが(図6を参照)、この紙パック容器Pの開封にあたっては、開閉部34、34を開き、左右両側から手で強く押すことにより、開封口40、40を開口させ、折込部39を前方に引き出して注ぎ口を形成していた。
しかしながら、接着部35、35によって封止された開閉部34、34の外側折合せ部36、36と内側折合せ部37、37とを剥離させるためには、相当の力を要し、特に老人、女性、子供あるいは手に障害をもった人等に大きな負担を強いるものであった。
【0003】
また、上記によっては、折込部39を前方に引き出せないような場合には、接着部35、35を爪でこじあけ指先を入れて、外側折合せ部36、36と内側折合せ部37、37とを剥離させていたが、この剥離作業が実に困難をきわめるものであり、接着部35、35が綺麗に剥がれずに破損し、うまく開封口40、40を開口させることができないという問題があった。
【0004】
これに対して、このような紙パック容器Pの開封作業を支援する器具としては、これまでに下記特許文献1乃至3に記載されるタイプのものが提案されている。
【0005】
【特許文献1】実開平4−65714
【特許文献2】実開昭56−144743
【特許文献3】特開2004−115122
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に記載されるものは、断面視略楔状に形成された「オプナー」を用いて、単に開閉部34、34を左右に切り開くようにしたにすぎず、上記問題を解決するには至っていない。
一方、上記特許文献2乃至3に記載されるものは、何れも爪状片を折込頂部39’近辺の接着部35に任意に挿入して前方に引っ張ることで、外側折合せ部36、36と内側折合せ部37、37とを剥離させるようにしているため、爪状片の挿入部位や挿入深度の設定、あるいは力の入れ加減が難しく、特に折込頂部39’近辺は構造的にも弱いことから、依然として接着部35を破損させてしまいがちであり、簡単に操作を行うことができないものであった。また、爪状片を折込頂部39’近辺に過度に挿入してしまうことで、食品衛生上も問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、きわめて簡単に操作でき、非常に小さな力で、誰にでも容易に、且つ綺麗に紙パック容器の開封を行うことのできる紙パック容器の開封器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の紙パック容器の開封器具は、帯板状の把手と、該把手の下方に連結される一対の板状体を左右対称に対向して配設してなる開封クリップと、を有する紙パック容器の開封器具であって、該開封クリップの該板状体は、該把手の下方に延設される挟着部を挟持し、紙パック容器の封緘部の略後半部を嵌め入れることができる第1スペースを形成する胴部と、該胴部の下方に連成される末広がり形状をなすとともに、後方の屈曲部を介して前方に折り返された形状の折返し部が設けられ、該折返し部との間に、紙パック容器の屋根状部の略後半部を嵌め入れることができる第2スペースを形成する傾斜部と、を備え、該傾斜部の前端縁には、紙パック容器の前半部側に形成される開閉部を、外側折合せ部が後方の屋根状部に当接するように折り曲げた状態にて、該開閉部の接着部に後方から差し込んで切り込みを形成するための挿入部が設けられ、該把手の前方への傾動に伴って、該挟着部の下端前部が、該封緘部の中央頂部近傍を押し下げるとともに、該挿入部が、該開閉部の該外側折合せ部を押し下げて、該切り込みを押し広げるようになされたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項2に記載の紙パック容器の開封器具は、請求項1に記載の構成において、該挟着部の下端には、係止部が突設されており、該把手の前方への傾動に伴って、該係止部が、該封緘部の後端縁を押圧して、該封緘部の中央頂部近傍を下方に移動させるモーメント力を作用させるようになされたことを要旨とする。
【0010】
また、請求項3に記載の紙パック容器の開封器具は、請求項1又は2に記載の構成において、該胴部の前端縁には、湾曲状に欠損された切欠部が形成され、該切欠部に連続して該挿入部が設けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、帯板状の把手と、該把手の下方に連結される一対の板状体を左右対称に対向して配設してなる開封クリップと、を有する紙パック容器の開封器具であって、該開封クリップの該板状体は、該把手の下方に延設される挟着部を挟持し、紙パック容器の封緘部の略後半部を嵌め入れることができる第1スペースを形成する胴部と、該胴部の下方に連成される末広がり形状をなすとともに、後方の屈曲部を介して前方に折り返された形状の折返し部が設けられ、該折返し部との間に、紙パック容器の屋根状部の略後半部を嵌め入れることができる第2スペースを形成する傾斜部と、を備え、該傾斜部の前端縁には、紙パック容器の前半部側に形成される開閉部を、外側折合せ部が後方の屋根状部に当接するように折り曲げた状態にて、該開閉部の接着部に後方から差し込んで切り込みを形成するための挿入部が設けられ、該把手の前方への傾動に伴って、該挟着部の下端前部が、該封緘部の中央頂部近傍を押し下げるとともに、該挿入部が、該開閉部の該外側折合せ部を押し下げて、該切り込みを押し広げるようになされた紙パック容器の開封器具であるため、きわめて簡単に操作でき、非常に小さな力で、誰にでも容易に、且つ綺麗に紙パック容器の開封を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図5は、本実施形態に係る開封器具1を各面から見た図であり、図1は側面図、図2は正面図、図3は背面図、図4は平面図、図5は底面図である。
図6〜図7は、紙パック容器Pの開封状況を示す斜視図である。
図8〜図11は、開封器具1を装着した紙パック容器Pの開封状況を示す図であり、図8は側面図、図9は背面図、図10〜図11は側面一部切り欠き図である。
図12は、紙パック容器Pの開封状況を示す斜視図である。
【0013】
まず、本実施形態に係る開封器具1の構成について、図1〜図5に基づき説明する。
図1〜図5に示すように、開封器具1は、前後に平たく上下に長く形成された帯板状の把手2と、把手2の下方に連結される開封クリップ3とから構成されている。
把手2は、木製の外板10、10の間にアクリル樹脂製の中板11を圧着した三層構造よりなり、片手で握り易いように、全体としてやや肉厚に形成されるとともに、図1に示す如く中央部がくびれた形状となっている。
【0014】
図1〜図5に示すように、開封クリップ3は、一対の板状体5、5を左右対称に対向して配設されており、所定の第1スペース7および第2スペース8、8を形成可能に構成されたものである。なお、本実施形態では、開封クリップ3をステンレス製としているが、この他にアルミ製や合成樹脂製等とすることもできる。但し、ステンレス製とすることにより、開封クリップ3を薄肉(1mm程度)に形成できるため操作性が向上し、また耐食性にも優れたものとなる。
【0015】
図1〜図5に示すように、板状体5、5はそれぞれ、側面視略矩形状をなす胴部15、15と、胴部15、15の下方に連成される傾斜部16、16とから構成されており、傾斜部16、16は末広がりの形状、つまり下方にいくに従って外方に突出する形状となされている。把手2の下方には、中板11が延出して挟着部11’が形成されており、この挟着部11’が胴部15、15によって略平行に左右両側から挟持され、スペーサーの役割を果たすことにより、胴部15、15の間に、第1スペース7が設けられるようになっている。
【0016】
図1〜図2に示すように、胴部15、15の前端縁における適宜の位置には、湾曲状に欠損された切欠部18、18が形成されているとともに、傾斜部16、16の前端縁において、切欠部18、18に連続する尖鋭状の挿入部20、20が設けられている。
また、図1〜図5に示すように、傾斜部16、16は一部後方に延長されて延出部21、21が形成され、さらに屈曲部22、22を介して、傾斜部16、16の傾斜裏面に略平行して、且つ前方に折り返された形状の折返し部23、23が形成されており、傾斜部16、16と折返し部23、23との間に、第2スペース8、8がそれぞれ設けられるようになっている。
【0017】
なお、本実施形態では、把手2および開封クリップ3の胴部15、15を、図1に示すように、それぞれ両皿形状のリベットRを用いて互いに連結しているが、螺子や接着剤等その他の固着手段を使用又は併用してよいことは勿論である。
また、把手2は、上記のような外板10、10とアクリル樹脂製の中板11とによる三層構造以外の構成とすることもできるが、このような構造であれば、加工が容易で見栄えも良好になるとともに、挟着部11’の防水性を向上させることができる。
【0018】
上記の如く構成される開封器具1の使用態様等について、図6〜図12に基づき説明する。
本発明が対象とする紙パック容器Pは、従来公知の構成のものである。すなわち、図6に示すように、紙パック容器Pは、直方体状をなし任意の高さを有する本体部30と、本体部30の上部において山形に形成される屋根状部31、31とから構成され、屋根状部31、31の上端が上方に所定長だけ延長して合掌されることで封緘部32が形成されてなるものである。そして、屋根状部31、31の前半部側には折目34’、34’を介して三角形状をなす開閉部34、34が形成されており、折込頂部39’および中央頂部50が前方に露呈するように開閉部34、34を左右両側に開き、接着部35、35によって封止された外側折合せ部36、36と内側折合せ部37、37とを剥離させて開封口40、40を開口させるとともに、折込部39を正面側に引き出すことによって、注ぎ口を形成するようになされたものである。
【0019】
開封器具1の使用に際しては、まず準備段階として、図6に示すように、紙パック容器Pの開閉部34、34を左右両側に開くが、このとき本発明では特に、図7に示すように、開閉部34、34の外側面、つまり外側折合せ部36、36が後方の屋根状部31、31の勾配面に当接するように、開閉部34、34を十分に押し開きさらに後方に折り曲げた状態としておく。
【0020】
次に、紙パック容器Pのこのような状態を片方の手を用いて保持しながら、紙パック容器Pの後方(図7に示す矢印Aの方向)から、もう一方の手を用いて開封器具1を装着する。
開封器具1の紙パック容器Pへの装着は、図8〜図9に示すように、第1スペース7に封緘部32の略後半部を嵌め入れるとともに、第2スペース8、8に屋根状部31、31の略後半部における所定の高さ部分を嵌め入れることによって行う。さらに、図8〜図9に示すように、開封器具1を前進させるに伴い、挿入部20、20の尖端を、所定の状態に折り曲げられた開閉部34、34の接着部35、35内に開封口40、40から差し込み、開封口40、40を切開して切り込み41、41を形成するようにする。
【0021】
本実施形態に係る開封器具1では、図10に示すように、挟着部11’の下端に水平をなした端面45が形成されるとともに、後部において係止部46が下方に突設されており、係止部46が封緘部32の後端縁51に当接することで、開封器具1のそれ以上前方への移動が制止され、紙パック容器Pへの装着を完了できるようになっている。そして、装着を完了したときには、図10に示すように、挿入部20、20の尖端が開閉部34、34の接着部35、35のちょうど中程の位置に到達するように構成されているものである。
【0022】
開封器具1の紙パック容器Pへの装着が完了した後は、上記によって形成された接着部35、35の切り込み41、41を押し広げるための動作を行う。この動作としては、一方の手で紙パック容器Pを支えながら、他方の手で把手2を前方に傾動させるだけでよい。
すると、図11に示すように、紙パック容器Pの屋根状部31、31の後端縁が、開封クリップ3の折返し部23、23によって上方に持ち上げられる作用とも相俟って、紙パック容器Pの封緘部32の中央頂部50近傍が、開封クリップ3の挟着部11’の下端前部45’によって押し下げられるとともに、開閉部34、34の外側折合せ部36、36が、開封クリップ3の挿入部20、20によって押し下げられ、切り込み41、41が押し広げられることで、開口55が形成されることとなる。
【0023】
このとき特に、外側折合せ部36、36の中央頂部50周辺を、内側折合せ部37、37の折込頂部39’周辺から剥離させる力が作用するため、図11〜図12に示すように、開口55を、折込頂部39’周辺を含み、且つ接着部35を内外に連通したものとして形成できる。
【0024】
さらに、本実施形態に係る開封器具1には係止部46が備えられており、図11に示すように、把手2の傾動に従って、係止部46が紙パック容器Pの封緘部32の後端縁51を押圧し、後端縁51を前方に傾動させるとともに封緘部32の中央頂部50を下方に移動させるモーメント力を作用させるため、より一層小さい力で切り込み41、41を押し広げて、開口55を形成することができる。
しかも、挟着部11’の下端には端面45が形成されており、紙パック容器Pの封緘部32の略後半部における上端縁32’に略全面的に当接可能であるため、上記の係止部46とともに、封緘部32の略後半部を確実にホールドすることができる。
【0025】
また、開封クリップ3の胴部15、15の前部には、所定形状の切欠部18、18が形成されているため、開閉部34、34の外側折合せ部36、36との衝突が阻止され、把手2の傾動に伴う胴部15、15の前方へのスムーズな傾動が妨げられないようになっている。
【0026】
なお、図8に示すように、挿入部20を接着部35へ差し込んだ際に、挿入部20の斜辺20’が、開封口40の形成する直線となるべく小さい角度(好ましくは15〜45度程度)をなすように構成することが好ましい。そのような構成であれば、挿入部20が接着部35内で面的に当接することとなって、開封口40に沿う切り込み41の幅を大きくとることができ、接着部35を剥離やせ易いものとできる。
【0027】
上記によって切り込み41、41を押し広げ、所定の開口55を形成した後は、開封器具1をもとの垂直な状態に戻した上で、紙パック容器Pから取り外す。すると、図12に示すように、紙パック容器Pの折込み頂部39’からその左右にかけて開口55が形成された状態を得ることができる。
【0028】
そして、さらに図12に示すように、開閉部34、34を前方に引っ張るが、開口55が、上記した通り、折込頂部39’周辺を含み、且つ接着部35を内外に連通して形成されているため、開閉部34、34に左右両側から僅かな力を手で加えてやるだけで、きわめて簡単に、外側折合せ部36、36から内側折合せ部37、37を剥離させ、折込部39および折込頂部39’を前方に突出させて注ぎ口56を形成することができる。
【0029】
以上、本実施形態に係る開封器具1によれば、開閉部34、34が所定の状態となされた紙パック容器Pに開封クリップ3を装着し、把手2を前方に傾動させるだけで、開閉部34、34の接着部35、35に所定の開口55を形成することができるため、きわめて操作が簡単である。しかも、把手2に加えられる力が非常に小さいものであっても、梃子の原理および上記した開封クリップ3の構造によって、紙パック容器Pに有効な力を作用させることができ、老人、女性、子供あるいは手に障害をもった人等でも容易に開封作業を行える。
【0030】
また、折込頂部39’近辺に爪状片を任意に挿入する従来のものと違って、誰が操作しても略一定の開口55を形成できるとともに、折込頂部39’近辺の接着部35を破損させるおそれもなく、外側折合せ部36、36と内側折合せ部37、37とを非常に綺麗に剥離させることができる。そして、挿入部20、20が、折込頂部39’から離れた位置で、且つ適度に差し込まれるため、食品衛生上も問題がない。
【0031】
なお、第1スペース7および第2スペース8、8の構成について、紙パック容器Pの封緘部32および屋根状部31、31をそれぞれ密嵌する構成とすることもできるが、より好ましくは、本発明により期待される作用効果を失わない範囲内で、これらを遊びのある状態(例えば1〜2mmのクリアランス)で嵌め入れるように構成する。そのような構成であれば、開封器具1の紙パック容器Pへの着脱が容易に行えるものとなる。また、把手2の一部に永久磁石を埋設した構成としてもよい。この場合、冷蔵庫の扉等所望の場所に開封器具1を磁着保持させておくことが可能となり、必要なときに見つけ出し易く、利便性が向上する。
【0032】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、きわめて簡単に操作でき、非常に小さな力で、誰にでも容易に、且つ綺麗に紙パック容器の開封を行うことのできる紙パック容器の開封器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】開封器具を示す側面図である。
【図2】開封器具を示す正面図である。
【図3】開封器具を示す背面図である。
【図4】開封器具を示す平面図である。
【図5】開封器具を示す底面図である。
【図6】開封状況を示す紙パック容器の斜視図である。
【図7】開封状況を示す紙パック容器の斜視図である。
【図8】開封状況を示す側面図である。
【図9】開封状況を示す背面図である。
【図10】開封状況を示す側面一部切り欠き図である。
【図11】開封状況を示す側面一部切り欠き図である。
【図12】開封状況を示す紙パック容器の斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 開封器具
2 把手
3 開封クリップ
5 板状体
7 第1スペース
8 第2スペース
11’ 挟着部
15 胴部
16 傾斜部
18 切欠部
20 挿入部
22 屈曲部
23 折返し部
31 屋根状部
32 封緘部
34 開閉部
35 接着部
36 外側折合せ部
37 内側折合せ部
39 折込部
39’、39’’ 折込頂部
41 切り込み
45’ 下端前部
46 係止部
50 中央頂部
51 後端縁
55 開口
P 紙パック容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯板状の把手と、該把手の下方に連結される一対の板状体を左右対称に対向して配設してなる開封クリップと、を有する紙パック容器の開封器具であって、
該開封クリップの該板状体は、
該把手の下方に延設される挟着部を挟持し、紙パック容器の封緘部の略後半部を嵌め入れることができる第1スペースを形成する胴部と、
該胴部の下方に連成される末広がり形状をなすとともに、後方の屈曲部を介して前方に折り返された形状の折返し部が設けられ、該折返し部との間に、紙パック容器の屋根状部の略後半部を嵌め入れることができる第2スペースを形成する傾斜部と、を備え、
該傾斜部の前端縁には、紙パック容器の前半部側に形成される開閉部を、外側折合せ部が後方の屋根状部に当接するように折り曲げた状態にて、該開閉部の接着部に後方から差し込んで切り込みを形成するための挿入部が設けられ、
該把手の前方への傾動に伴って、該挟着部の下端前部が、該封緘部の中央頂部近傍を押し下げるとともに、該挿入部が、該開閉部の該外側折合せ部を押し下げて、該切り込みを押し広げるようになされた紙パック容器の開封器具。
【請求項2】
該挟着部の下端には、係止部が突設されており、
該把手の前方への傾動に伴って、該係止部が、該封緘部の後端縁を押圧して、該封緘部の中央頂部近傍を下方に移動させるモーメント力を作用させるようになされた請求項1に記載の紙パック容器の開封器具。
【請求項3】
該胴部の前端縁には、湾曲状に欠損された切欠部が形成され、該切欠部に連続して該挿入部が設けられている請求項1又は2に記載の紙パック容器の開封器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−96506(P2009−96506A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269090(P2007−269090)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【特許番号】特許第4195494号(P4195494)
【特許公報発行日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(305018971)
【Fターム(参考)】