紙容器切断展開処理器
【課題】熟練を要していない作業者でも直方体状の紙容器の側部を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで直線的に切断処理でき、更に底壁側の3つの側面を直線的に切断処理でき、展開状とすることができる紙容器切断展開処理器を提供すること。
【解決手段】容器保持筒1の容器挿入空間9内に直方体状の紙容器30を注ぎ口端縁(開放端縁)30a1から挿入する際に、紙容器30を注ぎ口端縁30a1から底壁30b近傍の部分まで固定切断刃2で稜線に沿って切断すると共に、挿入した紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1をストッパ(8、11、11a)に当接させることにより、紙容器30の底壁30b側の端部を容器挿入空間9から突出させて、可動切断刃4を容器挿入空間9の開放端の縁部に沿って移動させることにより、紙容器30の底壁30b側の端部の3つの側面を可動切断刃4で切断する。
【解決手段】容器保持筒1の容器挿入空間9内に直方体状の紙容器30を注ぎ口端縁(開放端縁)30a1から挿入する際に、紙容器30を注ぎ口端縁30a1から底壁30b近傍の部分まで固定切断刃2で稜線に沿って切断すると共に、挿入した紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1をストッパ(8、11、11a)に当接させることにより、紙容器30の底壁30b側の端部を容器挿入空間9から突出させて、可動切断刃4を容器挿入空間9の開放端の縁部に沿って移動させることにより、紙容器30の底壁30b側の端部の3つの側面を可動切断刃4で切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば直方体状の牛乳パックやジュース用の紙パック等の紙容器を平面状に開くために切断する紙容器切断展開処理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の紙パック容器としては、例えば直方体形状の牛乳パック容器やジュース等の直方体形状の飲料容器等の紙容器がある。このような紙パック容器を資源として回収して再利用する場合、回収時にかさばることがないようにするため、紙パック容器を切断して平面状に展開処理する必要がある。
【0003】
この展開処理に際しては、紙パック容器の開口部を完全に開き、これを水洗いした後、その紙パック容器を包丁,はさみ等の刃物を用いて切り開く必要がある。しかし、切断に手間がかかると云う煩わしさがあると共に、包丁やカッター等は安全性を確保しながら使用する必要があるので、リサイクル運動が一般に普及し難いのが現状である。
【0004】
これを解決するために、紙パック容器の隣接する面の稜線に沿う方向に移動させることができるカッターを設けて、紙パック容器の隣接する面の一方を稜線に沿って切断できるようにした切断処理器が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−212694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この切断処理器は、作業者が手で掴んで使用するものであるため、必ずしも紙パック容器の隣接する面の一方を稜線に沿って直線的に切断処理ができないものであった。
【0006】
そこで、この発明は、熟練を要していない作業者でも直方体状の紙容器の側部を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理でき、更に底壁側の端部の3つの側面を直線的に切断処理でき、展開状とすることができる紙容器切断展開処理器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、この発明の紙容器切断展開処理器は、紙容器を開いた注ぎ口端部から底壁近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間が設けられた容器保持用の本体と、前記紙容器を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記紙容器を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間の開放端部に位置させて前記本体に取り付けられた固定切断刃と、前記本体に設けられて前記紙容器の底壁側の端部を前記容器挿入空間から突出させた状態で前記紙容器の開放端縁を当接させるストッパと、前記本体の前記容器挿入空間の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間に挿入された前記紙容器の底壁側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この構成によれば、熟練を要していない作業者でも直方体状の紙容器を、その側部を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理でき、更に前記底壁の一辺を残して切断処理でき、展開状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明にかかる紙容器切断展開処理器の斜視図である。
【図1A】(a)は図1のA1−A1線に沿う断面図、(b),(c)はストッパーピンの他の例を示す説明図である。
【図1B】図1AのA2−A2線に沿う断面図である。
【図1C】図1の紙容器切断展開処理器に用いられる固定切断刃位置の拡大斜視図である。
【図1D】図1の紙容器切断展開処理器に用いられる可動切断刃位置の拡大斜視図である。
【図2】図1の紙容器切断展開処理器の不使用時の格納状態斜視図である。
【図3】図2の蓋体を開いた使用状態の紙容器切断展開処理器の斜視図である。
【図4】図3の可動アームを紙容器切断開始位置まで回動させた状態を示す斜視図である。
【図5】図4の紙容器切断展開処理器の容器挿入空間に紙容器を挿入する際の説明図である。
【図6】(a)は図5の紙容器が容器挿入空間内に挿入された状態の説明図、(b)は紙容器を可動切断刃で切断する初期の説明図である。
【図7】図6の紙容器の底壁側の部分を可動アームの可動切断刃で切断する際の説明図である。
【図8】図6の紙容器の底壁側の部分が切断された状態の説明図である。
【図9】図8の紙容器を取り出した状態の説明図である。
【図10】図9紙容器の底壁側の未切断部の説明図である。
【図11】図10に示した紙容器の未切断部を切断後の紙容器の展開説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1はこの発明にかかる紙容器切断展開処理器の斜視図、図1A(a)は図1のA1−A1線に沿う断面図、図1Bは図1AのA2−A2線に沿う断面図、図1Cは図1の紙容器切断展開処理器に用いられる固定切断刃位置の拡大斜視図、図1Dは図1の紙容器切断展開処理器に用いられる可動切断刃位置の拡大斜視図である。
【0011】
図1に示した紙容器切断展開処理器は、角筒状の容器保持筒1と、容器保持筒(容器保持用の本体)1に取り付けられる固定切断刃2と、容器保持筒1に取り付けられる可動アーム3と、可動アーム3に取り付けられる可動切断刃4と、不使用時に可動切断刃4を可動アーム3と共にカバーして固定保持させるアーム固定装置5を有する。
<角筒状の容器保持筒1>
この角筒状の容器保持筒1は、図1,図1A(a)に示したように角筒状の外側容器保持筒6と、外側容器保持筒6内に配設された角筒状の内側容器保持筒7を有する。この外側容器保持筒6の上端面と内側容器保持筒7の上端面は同一面に形成されている。しかも、この外側容器保持筒6は、図1,図1Bに示したように4つの側壁a〜dを備え、内側容器保持筒7はそれぞれ側壁a〜dに対向する側壁ai〜diを有する。
【0012】
また、容器保持筒1は、図1A(a)に示したように容器保持筒6,7の下端部間に嵌着された角筒状のストッパ筒体8をストッパとして有する。このストッパ筒体8は、容器保持筒6,7間に容器挿入空間9を形成すると共に、容器挿入空間9に挿入される直方体状の紙容器30の下端(開放端)を当接させて、紙容器30の上端部を容器保持筒6,7の上端より僅かに突出させるようになっている。
【0013】
更に、外側容器保持筒6の上端部の内周縁部には下方に傾斜するガイド面6aが形成され、内側容器保持筒7の上端部の外周縁部には下方に傾斜するガイド面7aが形成されている。このガイド面6a,7aは、紙容器30の開放端を容器挿入空間9内にガイドさせるようになっている。尚、ガイド面6a,7aは、傾斜面に限定されるものではなく、通常の面取りとは異なる大きなR面(円弧状面)であっても良い。
【0014】
また、外側容器保持筒6の対向する側壁a,c及び内側容器保持筒7の対向する側壁ai,ciには、図1A(a)に示したように、上下方向の中間部に同一高さで同一直線上に直列に設けられたピン挿通孔6b,7bがそれぞれ形成されている。
【0015】
そして、紙容器30の長さが短い場合には、ピン挿通孔6b,7bにストッパーピン(ストッパ)11を挿通させることにより、このストッパーピン11により短い長さの紙容器30の下端を当接させて、紙容器30の上端部を容器保持筒6,7の上端より僅かに突出させることができるようになっている。
【0016】
また、内側容器保持筒7の外周面は図1Bに示したように紙容器30の内側に殆ど隙間のない状態で挿入嵌合されている。即ち、内側容器保持筒7の水平断面における外面寸法は、図1Bに示したように紙容器30が遊びのない状態で嵌合できる寸法となっている。これにより、容器切断時に紙容器30の姿勢が安定した状態で切断されるようになっている。
<固定切断刃2>
外側容器保持筒6の隣接する側壁a,bは互いに垂直に連設されてコーナ部Ocを形成しており、内側容器保持筒7の隣接する側壁ai,biは互いに垂直に連設されて内側容器コーナ部Icを形成している。この内側容器コーナ部Icの上端部には、図1Cに示すように、外側容器保持筒6の外側容器コーナ部Ocに向けて延びる取付溝12が形成されている。また、側壁biには取付溝12に向けて延びる貫通穴12aが形成され、この貫通穴12aの取付溝12とは反対側の端部内にナット12bが固定されている。
【0017】
しかも、このナット12bに、固定ネジ12cが螺着されている。そして、この取付溝12に固定切断刃2が配設され、固定ネジ12cにより側壁aiに押し付け固定されている。これにより、固定切断刃2は着脱可能に取付溝12内に固定されている。この固定切断刃2の先端部の傾斜する切断刃部2aは、外側容器コーナ部Ocまで延びていると共に、容器挿入空間9の上端部内に配設されている。
【0018】
また、固定ネジ12cを緩めることで切断刃部2aの容器挿入空間9への突出長さを調整できる。また、固定切断刃2が切れなくなったときには、固定ネジ12cを緩めることで固定切断刃2を取付溝12から取り外して交換できる。尚、12dは、固定ネジ12cの頭部(符号省略)とナット12bとの間に介装されたワッシャである。
【0019】
尚、固定ネジ12cにはナット12bとは別の締付ナット(図示せず)を螺着しておいて、固定ネジ12cで固定切断刃2を押し付け固定した後、締付ナット(図示せず)をナット12bに対して当接するように締め付けることにより、固定ネジ12cが緩まないようなダブルナットとすると良い。
<可動アーム3>
上述した外側容器保持筒6の側壁dの上端には、図1に示したように、アーム取付凸部13が一体に設けられている。このアーム取付凸部13上には、側壁dの上端面の中央部に対応させて可動アーム3の一端部が回動支持軸14を介して水平回転自在に取り付けられている。しかも、可動アーム3は、外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面と間隔をおいて、この上端面と平行な方向に回動支持軸14を中心に回転できるようになっている。尚、本実施例では、可動アーム3は、上下に配設した板状アーム部材3a,3bを間隔を置いて一体に固定したものであるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0020】
この可動アーム3の自由端部には、軸線を回動支持軸14の軸線と平行に設けた操作ツマミ取付軸15が上方に向けて取り付けられている。尚、図1では操作ツマミ取付軸15にネジ部材のみを用いた状態で示しているが、実際には図1Dに二点鎖線で示したように操作ツマミ取付軸15に操作ツマミ16を螺着して操作ハンドルとする。
<可動切断刃4>
また、板状アーム部材3b下面には、操作ツマミ取付軸15側に位置させて刃取付部材17が固定されている。この刃取付部材17は、可動アーム3を回動支持軸14を中心に回転させたときに、容器挿入空間内9の方形で環状の上端より外側で移動するようになっている。
【0021】
しかも、板状アーム部材3bの下方には、板状アーム部材3bと平行に且つ板状アーム部材3bと間隔をおいた薄板状の可動切断刃4が配設されている。この可動切断刃4は、基端部が刃取付部材17に図示を省略したネジ等の固定手段(固定具)で着脱可能に取り付けられている。この可動切断刃4は、一側に切断刃部4aが設けられていると共に、刃先が回動支持軸14側に向け延設されている。尚、この可動切断刃4は、薄刃のカッターが用いられている。また、この可動切断刃4には市販のカッター刃を用いることもできる。本実施例では、可動切断刃4を刃取付部材17に固定しているが、可動切断刃4の回動支持軸14側への突出量を調整可能に設けることもできる。この調整構造としては、市販のカッターの構造を適用できる。
【0022】
しかも、可動切断刃4は、先端部4bが鋭角に形成されていて、可動アーム3を回動支持軸14を中心に回転させたときに、切断刃部4aの刃先に近い部分が方形で環状の内側容器保持筒7の上端面より内側を回動移動するように設定されている。この回動移動に際して、可動切断刃4と外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面と微小な間隔が形成されるように設定されている。
【0023】
尚、可動切断刃4は、固定切断刃2のわずか上方を接触しないように回転移動するように設定されている。しかも、この回転移動に際して、可動切断刃4が紙容器30の底壁面の僅かに下側を通るように設定されている。その結果、縦の切断稜線と水平切断線とが僅かに離れ、図10のように切れずに残った部分ができる。
【0024】
また、板状アーム部材3a,3bにはカバー取付板18が配設されている。このカバー取付板18は、板状アーム部材3a,3bに図示しないネジ等の固定手段で固定されていると共に、可動切断刃4の切断刃部4aに対応する側が板状アーム部材3a,3b間から突出している。このカバー取付板18の突出部には、切断刃部4a側の上方を覆うカバー板(保護カバー)19が取り付けられている。
<アーム固定装置5>
このアーム固定装置5は、図1に示したように外側容器保持筒6の側壁a,cの上端部にヒンジ(蝶番)20a,21aを介してそれぞれ取り付けた蓋体20,21を有する。この蓋体20,21は、ヒンジ20a,21aを中心に観音開き状に開くことができる。そして、蓋体20,21を閉じたときに、蓋体20,21を固定するロック装置(固定手段)22が設けられている。
【0025】
このロック装置22は、図2に示したように蓋体20の先端部に取り付けた係止爪23と、蓋体21の先端部に支持軸24aを中心に回動可能に取り付けた操作部材24と、操作部材24に取り付けた線状バネ製のC字状の係止部材25を有する。
【0026】
また、蓋体21には、操作部材24を蓋体21側に倒したときに操作部材24のスリット24bから突出する支持板26が固定されている。この支持板26の先端部には貫通穴26aが形成されている。尚、ロック装置22は、蓋体20,21を不使用時に連結固定できれば良く、必ずしも本実施例に限定されるものではない。
[作用]
次に、このような構成の紙容器切断展開処理器の使用状態を説明する。
(1).不使用時
紙容器切断展開処理器の不使用時には、図3に示したように可動アーム3を側壁a,cと平行にした状態で、図2に示したように蓋体20,21を可動アーム3の上部を覆うように閉じる。この際、蓋体20,21は固定切断刃2および可動切断刃4を覆うことになる。
【0027】
この状態で図2に示したように、ロック装置22の線状の係止部材25の先端部を係止爪23に係止させて、操作部材24を蓋体21側に倒すことにより、蓋体20,21は係止部材25のバネ力により可動アーム3に押し付けられるように互いに固定される。この状態では、固定切断刃2および可動切断刃4が蓋体20,21で覆われているので、安全が確保できる。
【0028】
このようなロック時には、支持板26の先端部が操作部材24のスリット24bから突出するので、この支持板26の先端部に設けた貫通穴26aを利用して、紙容器切断展開処理器を壁等に吊り下げるように収納できる。
(2).使用時
(a).1000mlの紙容器
また、図5において、30は1000mlの牛乳パックやジュースパック等の直方体状の紙容器(紙パック容器)である。この紙容器30は、長手方向の一端部に注ぎ口端部30aを有し、他端部に底壁30bを有する。また、紙容器30は、4つの側壁30c1〜30c4を有する。30dは隣接する側壁30c1,30c2との間の角部となる稜線、30eは隣接する側壁30c3,30c4との間の角部となる稜線、30fは隣接する側壁30c1,30c4との間の角部となる稜線、30gは側壁30c4と底壁30bとの間の角部となる稜線である。
【0029】
このような紙容器30を紙容器切断展開処理器で切断処理して展開する前に、紙容器30内を水洗いして、この水洗いした紙容器30の注ぎ口端部30aを開いた状態にしておく。
【0030】
一方、紙容器切断展開処理器を使用する際には、ロック装置22による蓋体20,21のロックを解除して、図3のように蓋体20,21を開いた後、可動アーム3を図4に示したように外側容器保持筒6の側壁dの上面に沿う方向に回動させる。尚、開いた蓋体20,21は、側壁a、bに対して垂直(水平)に向いた状態となって、可動切断刃4の切断刃部4aの下方を覆う保護カバーの役割を果たす。
【0031】
そして、図5に二点鎖線で示したように紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを図5に示したように下方に向けて紙容器切断展開処理器の上方に配設し、紙容器30を注ぎ口端部30aから容器挿入空間9内に実線で示したように挿入する。この際、紙容器30の注ぎ口端部30aはガイド面6a,7aに案内されて容器挿入空間9内にスムースに挿入される。
【0032】
この後、図1A(a)に示したように、紙容器30を注ぎ口端部30aの注ぎ口端縁30a1がストッパ筒体8に当接するまで押し下げる。この注ぎ口側端部30aの注ぎ口端縁30a1がストッパ筒体8に当接した位置では、紙容器30の底壁30bが外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面から微小な間隔(数ミリ、例えば1〜3mm)をおいて浮いた状態で、紙容器30が図1A(a),図6(a)に示したように容器挿入空間9より僅かに上方に突出した状態となる。
【0033】
このような挿入に際して、紙容器30は稜線30dの部分が、図1,図6(a)の固定切断刃2の切断刃部2aにより注ぎ口端縁30a1から紙容器30の底壁30bの近傍の部分まで確実に切断されることになる。
【0034】
この後、可動アーム3を、先端部が図6の右側を向いている状態から図7の実線で示した位置を通過して図8の左側を向いた位置まで、矢印Bで示した方向に回動支持軸14を中心に回動させる。
【0035】
この回動に伴い可動アーム3に取り付けた可動切断刃4は、切断刃部4aの刃先先端が側壁30c4に稜線30eの近傍の部分に斜めから突き刺さって切り口ができた後、そこから切り開くように稜線30e,側壁30c3,30c2,30c1の底壁30bの僅か下側の部分(底壁30bから1〜5ミリ程度(数ミリ)下の部分)を底壁30bに沿って順に切断して、最後に稜線30fを切断する。このとき、容器保持筒6,7により紙容器30がしっかり保持されているため、紙容器30がゆがまずに切断できる。この切断が完了すると、紙容器30の底壁30bは図8に示したように稜線30gの部分から上方に開くことができる。
【0036】
次に、底壁30bを掴んで、紙容器30を図9に矢印B1で示したように容器挿入空間9から上方に引き抜く。この状態では、紙容器30の稜線30dは、図10に示したように底壁30b側の部分に切断されていない短い未切断部30hがあるので、この未切断部30hを引き裂くことにより、図11に示したように紙容器30を展開して、平面上に開くことができる。
(b).500mlの紙容器
また、500mlの牛乳パックやジュースパック等の直方体状の紙容器30では、長さが1000mlのものの半分になる。この場合には、ストッパーピン11をピン挿通孔6b、7bに挿入することで、容器挿入空間9内に紙容器30を挿入したときに、このストッパーピン11に紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1が当接して、紙容器30の底壁30b側の端部が容器挿入空間9から僅か(数ミリ)に突出した状態で係止される。
<変形例>
以上説明した実施例では、ストッパーピン11を外側容器保持筒6側壁a,cに設けたピン挿通孔6b,7bと内側容器保持筒7側壁ai,ciに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って取り付けるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
例えば、図1A(b)に示したように、短い板状のストッパ部材11aをストッパとして2つ用意し、この2つのストッパ部材11aを対向する側壁a,aiに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って挿入させると共に対向する側壁c,ciに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って挿入させるようにすることもできる。この場合、ストッパ部材11aにフランジ11a1(挿入規制部)を設けて、ストッパ部材11aが必要以上に挿入されないようにする。しかも、貫通孔6b,7bを横方向にスリット状延びる形状にする。
【0038】
この構成によれば、紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1をストッパ部材11aの平面で受けることができるので、紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1を安定支持できる。しかも、必要最小限の長さにできるので、材料の節約ができ、ストッパを安価に作ることができる。尚、11a2はストッパ部材11aに設けたツマミ部である。
【0039】
更に、ストッパーピン11に代えて容器挿入空間9の開放端に向けて無段階に位置調整可能なストッパを容器挿入空間9内に配設することもできる。このストッパとしては、容器挿入空間9の水平断面と同じ形状で方形状の環状体とすることもできる。そして、この環状体を送りネジ等で上下動可能に設けることもできる。また、上下に延びて容器挿入空間9に開口する細いスリットを設けて、環状体この調整スリットから突出するネジを設け、このネジに固定ナットを螺着することで、環状体を容器挿入空間9の上下方向の任意の位置に固定できる。尚、ストッパは環状体に限定されるものではない。即ち、ストッパとしては、調整スリットより僅かに大きな方形板であっても良い。この場合には、方形板に調整スリットに嵌合する回転防止用の角状の凸部を設ければ良い。そして、この凸部にネジを設け、このネジに固定ナットを螺着することで、環状体を容器挿入空間9の上下方向の任意の位置に固定できる。
【0040】
以上説明したように、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器は、紙容器30を開いた注ぎ口端部30aから底壁30b近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間9が設けられた容器保持用の本体(容器保持筒1)と、前記紙容器30を前記容器挿入空間9に挿入させる際に、前記紙容器30を注ぎ口端縁30a1から底壁30b近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間9の開放端部に位置させて前記本体(容器保持筒1)に取り付けられた固定切断刃2を備えている。また、紙容器切断展開処理器は、前記本体(容器保持筒1)に設けられて前記紙容器30の底壁30b側の端部を前記容器挿入空間9から突出させた状態で前記紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1を当接させるストッパ(ストッパ筒体8、ストッパーピン11、ストッパ部材11a)と、前記本体(容器保持筒1)の前記容器挿入空間9の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体(容器保持筒1)に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間9に挿入された前記紙容器30の底壁30b側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃4を備えている。
【0041】
この構成によれば、直方体状の紙容器30の側部を固定切断刃2により注ぎ口端縁30aから底壁30b近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理できる。しかも、紙容器の30の底壁30b側の端部を可動切断刃4により底壁30bの一辺を残して切断処理でき、展開状とすることができる。このような切断処理は、熟練を要していない作業者でも迅速且つ容易に正確に実行できる。この固定切断刃2により切断する位置は、紙容器30の稜線30dの部分であっても良いし、紙容器30の側壁の稜線30d近傍の部分であっても良いし、紙容器30の側壁aの稜線30dから離れた部分であっても良い。
【0042】
尚、本実施例では、容器挿入空間9を外側容器保持筒6および内側容器保持筒7との間に筒状に形成しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、内側容器保持筒7を省略して外側容器保持筒6のみとし、外側容器保持筒6内の角柱状空間を容器挿入空間とすると共に、外側容器保持筒6のコーナ部Ocに固定切断刃2を内側に向けて取り付けた構成とすることもできる。
【0043】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記ストッパ(ストッパーピン11、ストッパ部材11a)は前記紙容器30の底壁30bから注ぎ口端縁(開放端縁)30a1までの長さに応じた位置に着脱可能に設けることができるようになっている。この構成によれば、寸法の異なる紙容器でも一つの紙容器切断展開処理器で切断展開処理をすることができる。
【0044】
更に、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記固定切断刃2は前記容器挿入空間9の開放端側のコーナ部Ic内に先端部が傾斜するように配設されている。この構成によれば、直方体状の紙容器30の側部の稜線30dを固定切断刃2の傾斜する切断刃部2aで直線状に切断することができる。
【0045】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記本体(容器保持筒1)の前記容器挿入空間9の開放端側端部には、前記紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを前記容器挿入空間9に挿入させる際に、前記注ぎ口端部30aを前記容器挿入空間9内に案内するガイド面(6a,7a)が設けられている。この構成によれば、紙容器30を容器挿入空間9内に挿入する際に、紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを容器挿入空間9内にガイド面(6a,7a)で案内させることで、紙容器30を容器挿入空間9内に迅速且つ容易に挿入できる。
【0046】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記方形状の容器挿入空間9は角筒状の外側容器保持筒6と外側容器保持筒6内に配設された角筒状の内側容器保持筒7との間に角筒状に形成されている。この構成によれば、直方体状の紙容器30を容器挿入空間9内に、切断時も歪まずに安定した状態で保持できる。
【0047】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記可動切断刃4は前記本体(容器保持筒1)に回動可能に取り付けられた可動アーム3に着脱可能に保持されている。この構成によれば、可動切断刃4の交換が容易である。
【0048】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、観音開き状に開くことが可能で且つ閉じたときに前記可動アーム3を覆うことが可能な一対の蓋体20,21が前記本体(容器保持筒1)に取り付けられていると共に、閉じた一対の前記蓋体20,21を固定可能なロック装置22が設けられている。この構成によれば、不使用時に可動切断刃4を安全な状態で固定し、且つ前記固定切断刃2を安全な状態で覆うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・容器保持筒(本体)
2・・・固定切断刃
3・・・可動アーム
4・・・可動切断刃
6・・・外側容器保持筒
6a・・・ガイド面
7・・・内側容器保持筒
7a・・・ガイド面
8・・・ストッパ筒体(ストッパ)
9・・・容器挿入空間
11a・・・ストッパ部材(ストッパ)
20,21・・・蓋体
22・・・ロック装置
30・・・紙容器
30a・・・注ぎ口端部
30b・・・底壁
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば直方体状の牛乳パックやジュース用の紙パック等の紙容器を平面状に開くために切断する紙容器切断展開処理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の紙パック容器としては、例えば直方体形状の牛乳パック容器やジュース等の直方体形状の飲料容器等の紙容器がある。このような紙パック容器を資源として回収して再利用する場合、回収時にかさばることがないようにするため、紙パック容器を切断して平面状に展開処理する必要がある。
【0003】
この展開処理に際しては、紙パック容器の開口部を完全に開き、これを水洗いした後、その紙パック容器を包丁,はさみ等の刃物を用いて切り開く必要がある。しかし、切断に手間がかかると云う煩わしさがあると共に、包丁やカッター等は安全性を確保しながら使用する必要があるので、リサイクル運動が一般に普及し難いのが現状である。
【0004】
これを解決するために、紙パック容器の隣接する面の稜線に沿う方向に移動させることができるカッターを設けて、紙パック容器の隣接する面の一方を稜線に沿って切断できるようにした切断処理器が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−212694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この切断処理器は、作業者が手で掴んで使用するものであるため、必ずしも紙パック容器の隣接する面の一方を稜線に沿って直線的に切断処理ができないものであった。
【0006】
そこで、この発明は、熟練を要していない作業者でも直方体状の紙容器の側部を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理でき、更に底壁側の端部の3つの側面を直線的に切断処理でき、展開状とすることができる紙容器切断展開処理器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、この発明の紙容器切断展開処理器は、紙容器を開いた注ぎ口端部から底壁近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間が設けられた容器保持用の本体と、前記紙容器を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記紙容器を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間の開放端部に位置させて前記本体に取り付けられた固定切断刃と、前記本体に設けられて前記紙容器の底壁側の端部を前記容器挿入空間から突出させた状態で前記紙容器の開放端縁を当接させるストッパと、前記本体の前記容器挿入空間の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間に挿入された前記紙容器の底壁側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この構成によれば、熟練を要していない作業者でも直方体状の紙容器を、その側部を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理でき、更に前記底壁の一辺を残して切断処理でき、展開状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明にかかる紙容器切断展開処理器の斜視図である。
【図1A】(a)は図1のA1−A1線に沿う断面図、(b),(c)はストッパーピンの他の例を示す説明図である。
【図1B】図1AのA2−A2線に沿う断面図である。
【図1C】図1の紙容器切断展開処理器に用いられる固定切断刃位置の拡大斜視図である。
【図1D】図1の紙容器切断展開処理器に用いられる可動切断刃位置の拡大斜視図である。
【図2】図1の紙容器切断展開処理器の不使用時の格納状態斜視図である。
【図3】図2の蓋体を開いた使用状態の紙容器切断展開処理器の斜視図である。
【図4】図3の可動アームを紙容器切断開始位置まで回動させた状態を示す斜視図である。
【図5】図4の紙容器切断展開処理器の容器挿入空間に紙容器を挿入する際の説明図である。
【図6】(a)は図5の紙容器が容器挿入空間内に挿入された状態の説明図、(b)は紙容器を可動切断刃で切断する初期の説明図である。
【図7】図6の紙容器の底壁側の部分を可動アームの可動切断刃で切断する際の説明図である。
【図8】図6の紙容器の底壁側の部分が切断された状態の説明図である。
【図9】図8の紙容器を取り出した状態の説明図である。
【図10】図9紙容器の底壁側の未切断部の説明図である。
【図11】図10に示した紙容器の未切断部を切断後の紙容器の展開説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1はこの発明にかかる紙容器切断展開処理器の斜視図、図1A(a)は図1のA1−A1線に沿う断面図、図1Bは図1AのA2−A2線に沿う断面図、図1Cは図1の紙容器切断展開処理器に用いられる固定切断刃位置の拡大斜視図、図1Dは図1の紙容器切断展開処理器に用いられる可動切断刃位置の拡大斜視図である。
【0011】
図1に示した紙容器切断展開処理器は、角筒状の容器保持筒1と、容器保持筒(容器保持用の本体)1に取り付けられる固定切断刃2と、容器保持筒1に取り付けられる可動アーム3と、可動アーム3に取り付けられる可動切断刃4と、不使用時に可動切断刃4を可動アーム3と共にカバーして固定保持させるアーム固定装置5を有する。
<角筒状の容器保持筒1>
この角筒状の容器保持筒1は、図1,図1A(a)に示したように角筒状の外側容器保持筒6と、外側容器保持筒6内に配設された角筒状の内側容器保持筒7を有する。この外側容器保持筒6の上端面と内側容器保持筒7の上端面は同一面に形成されている。しかも、この外側容器保持筒6は、図1,図1Bに示したように4つの側壁a〜dを備え、内側容器保持筒7はそれぞれ側壁a〜dに対向する側壁ai〜diを有する。
【0012】
また、容器保持筒1は、図1A(a)に示したように容器保持筒6,7の下端部間に嵌着された角筒状のストッパ筒体8をストッパとして有する。このストッパ筒体8は、容器保持筒6,7間に容器挿入空間9を形成すると共に、容器挿入空間9に挿入される直方体状の紙容器30の下端(開放端)を当接させて、紙容器30の上端部を容器保持筒6,7の上端より僅かに突出させるようになっている。
【0013】
更に、外側容器保持筒6の上端部の内周縁部には下方に傾斜するガイド面6aが形成され、内側容器保持筒7の上端部の外周縁部には下方に傾斜するガイド面7aが形成されている。このガイド面6a,7aは、紙容器30の開放端を容器挿入空間9内にガイドさせるようになっている。尚、ガイド面6a,7aは、傾斜面に限定されるものではなく、通常の面取りとは異なる大きなR面(円弧状面)であっても良い。
【0014】
また、外側容器保持筒6の対向する側壁a,c及び内側容器保持筒7の対向する側壁ai,ciには、図1A(a)に示したように、上下方向の中間部に同一高さで同一直線上に直列に設けられたピン挿通孔6b,7bがそれぞれ形成されている。
【0015】
そして、紙容器30の長さが短い場合には、ピン挿通孔6b,7bにストッパーピン(ストッパ)11を挿通させることにより、このストッパーピン11により短い長さの紙容器30の下端を当接させて、紙容器30の上端部を容器保持筒6,7の上端より僅かに突出させることができるようになっている。
【0016】
また、内側容器保持筒7の外周面は図1Bに示したように紙容器30の内側に殆ど隙間のない状態で挿入嵌合されている。即ち、内側容器保持筒7の水平断面における外面寸法は、図1Bに示したように紙容器30が遊びのない状態で嵌合できる寸法となっている。これにより、容器切断時に紙容器30の姿勢が安定した状態で切断されるようになっている。
<固定切断刃2>
外側容器保持筒6の隣接する側壁a,bは互いに垂直に連設されてコーナ部Ocを形成しており、内側容器保持筒7の隣接する側壁ai,biは互いに垂直に連設されて内側容器コーナ部Icを形成している。この内側容器コーナ部Icの上端部には、図1Cに示すように、外側容器保持筒6の外側容器コーナ部Ocに向けて延びる取付溝12が形成されている。また、側壁biには取付溝12に向けて延びる貫通穴12aが形成され、この貫通穴12aの取付溝12とは反対側の端部内にナット12bが固定されている。
【0017】
しかも、このナット12bに、固定ネジ12cが螺着されている。そして、この取付溝12に固定切断刃2が配設され、固定ネジ12cにより側壁aiに押し付け固定されている。これにより、固定切断刃2は着脱可能に取付溝12内に固定されている。この固定切断刃2の先端部の傾斜する切断刃部2aは、外側容器コーナ部Ocまで延びていると共に、容器挿入空間9の上端部内に配設されている。
【0018】
また、固定ネジ12cを緩めることで切断刃部2aの容器挿入空間9への突出長さを調整できる。また、固定切断刃2が切れなくなったときには、固定ネジ12cを緩めることで固定切断刃2を取付溝12から取り外して交換できる。尚、12dは、固定ネジ12cの頭部(符号省略)とナット12bとの間に介装されたワッシャである。
【0019】
尚、固定ネジ12cにはナット12bとは別の締付ナット(図示せず)を螺着しておいて、固定ネジ12cで固定切断刃2を押し付け固定した後、締付ナット(図示せず)をナット12bに対して当接するように締め付けることにより、固定ネジ12cが緩まないようなダブルナットとすると良い。
<可動アーム3>
上述した外側容器保持筒6の側壁dの上端には、図1に示したように、アーム取付凸部13が一体に設けられている。このアーム取付凸部13上には、側壁dの上端面の中央部に対応させて可動アーム3の一端部が回動支持軸14を介して水平回転自在に取り付けられている。しかも、可動アーム3は、外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面と間隔をおいて、この上端面と平行な方向に回動支持軸14を中心に回転できるようになっている。尚、本実施例では、可動アーム3は、上下に配設した板状アーム部材3a,3bを間隔を置いて一体に固定したものであるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0020】
この可動アーム3の自由端部には、軸線を回動支持軸14の軸線と平行に設けた操作ツマミ取付軸15が上方に向けて取り付けられている。尚、図1では操作ツマミ取付軸15にネジ部材のみを用いた状態で示しているが、実際には図1Dに二点鎖線で示したように操作ツマミ取付軸15に操作ツマミ16を螺着して操作ハンドルとする。
<可動切断刃4>
また、板状アーム部材3b下面には、操作ツマミ取付軸15側に位置させて刃取付部材17が固定されている。この刃取付部材17は、可動アーム3を回動支持軸14を中心に回転させたときに、容器挿入空間内9の方形で環状の上端より外側で移動するようになっている。
【0021】
しかも、板状アーム部材3bの下方には、板状アーム部材3bと平行に且つ板状アーム部材3bと間隔をおいた薄板状の可動切断刃4が配設されている。この可動切断刃4は、基端部が刃取付部材17に図示を省略したネジ等の固定手段(固定具)で着脱可能に取り付けられている。この可動切断刃4は、一側に切断刃部4aが設けられていると共に、刃先が回動支持軸14側に向け延設されている。尚、この可動切断刃4は、薄刃のカッターが用いられている。また、この可動切断刃4には市販のカッター刃を用いることもできる。本実施例では、可動切断刃4を刃取付部材17に固定しているが、可動切断刃4の回動支持軸14側への突出量を調整可能に設けることもできる。この調整構造としては、市販のカッターの構造を適用できる。
【0022】
しかも、可動切断刃4は、先端部4bが鋭角に形成されていて、可動アーム3を回動支持軸14を中心に回転させたときに、切断刃部4aの刃先に近い部分が方形で環状の内側容器保持筒7の上端面より内側を回動移動するように設定されている。この回動移動に際して、可動切断刃4と外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面と微小な間隔が形成されるように設定されている。
【0023】
尚、可動切断刃4は、固定切断刃2のわずか上方を接触しないように回転移動するように設定されている。しかも、この回転移動に際して、可動切断刃4が紙容器30の底壁面の僅かに下側を通るように設定されている。その結果、縦の切断稜線と水平切断線とが僅かに離れ、図10のように切れずに残った部分ができる。
【0024】
また、板状アーム部材3a,3bにはカバー取付板18が配設されている。このカバー取付板18は、板状アーム部材3a,3bに図示しないネジ等の固定手段で固定されていると共に、可動切断刃4の切断刃部4aに対応する側が板状アーム部材3a,3b間から突出している。このカバー取付板18の突出部には、切断刃部4a側の上方を覆うカバー板(保護カバー)19が取り付けられている。
<アーム固定装置5>
このアーム固定装置5は、図1に示したように外側容器保持筒6の側壁a,cの上端部にヒンジ(蝶番)20a,21aを介してそれぞれ取り付けた蓋体20,21を有する。この蓋体20,21は、ヒンジ20a,21aを中心に観音開き状に開くことができる。そして、蓋体20,21を閉じたときに、蓋体20,21を固定するロック装置(固定手段)22が設けられている。
【0025】
このロック装置22は、図2に示したように蓋体20の先端部に取り付けた係止爪23と、蓋体21の先端部に支持軸24aを中心に回動可能に取り付けた操作部材24と、操作部材24に取り付けた線状バネ製のC字状の係止部材25を有する。
【0026】
また、蓋体21には、操作部材24を蓋体21側に倒したときに操作部材24のスリット24bから突出する支持板26が固定されている。この支持板26の先端部には貫通穴26aが形成されている。尚、ロック装置22は、蓋体20,21を不使用時に連結固定できれば良く、必ずしも本実施例に限定されるものではない。
[作用]
次に、このような構成の紙容器切断展開処理器の使用状態を説明する。
(1).不使用時
紙容器切断展開処理器の不使用時には、図3に示したように可動アーム3を側壁a,cと平行にした状態で、図2に示したように蓋体20,21を可動アーム3の上部を覆うように閉じる。この際、蓋体20,21は固定切断刃2および可動切断刃4を覆うことになる。
【0027】
この状態で図2に示したように、ロック装置22の線状の係止部材25の先端部を係止爪23に係止させて、操作部材24を蓋体21側に倒すことにより、蓋体20,21は係止部材25のバネ力により可動アーム3に押し付けられるように互いに固定される。この状態では、固定切断刃2および可動切断刃4が蓋体20,21で覆われているので、安全が確保できる。
【0028】
このようなロック時には、支持板26の先端部が操作部材24のスリット24bから突出するので、この支持板26の先端部に設けた貫通穴26aを利用して、紙容器切断展開処理器を壁等に吊り下げるように収納できる。
(2).使用時
(a).1000mlの紙容器
また、図5において、30は1000mlの牛乳パックやジュースパック等の直方体状の紙容器(紙パック容器)である。この紙容器30は、長手方向の一端部に注ぎ口端部30aを有し、他端部に底壁30bを有する。また、紙容器30は、4つの側壁30c1〜30c4を有する。30dは隣接する側壁30c1,30c2との間の角部となる稜線、30eは隣接する側壁30c3,30c4との間の角部となる稜線、30fは隣接する側壁30c1,30c4との間の角部となる稜線、30gは側壁30c4と底壁30bとの間の角部となる稜線である。
【0029】
このような紙容器30を紙容器切断展開処理器で切断処理して展開する前に、紙容器30内を水洗いして、この水洗いした紙容器30の注ぎ口端部30aを開いた状態にしておく。
【0030】
一方、紙容器切断展開処理器を使用する際には、ロック装置22による蓋体20,21のロックを解除して、図3のように蓋体20,21を開いた後、可動アーム3を図4に示したように外側容器保持筒6の側壁dの上面に沿う方向に回動させる。尚、開いた蓋体20,21は、側壁a、bに対して垂直(水平)に向いた状態となって、可動切断刃4の切断刃部4aの下方を覆う保護カバーの役割を果たす。
【0031】
そして、図5に二点鎖線で示したように紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを図5に示したように下方に向けて紙容器切断展開処理器の上方に配設し、紙容器30を注ぎ口端部30aから容器挿入空間9内に実線で示したように挿入する。この際、紙容器30の注ぎ口端部30aはガイド面6a,7aに案内されて容器挿入空間9内にスムースに挿入される。
【0032】
この後、図1A(a)に示したように、紙容器30を注ぎ口端部30aの注ぎ口端縁30a1がストッパ筒体8に当接するまで押し下げる。この注ぎ口側端部30aの注ぎ口端縁30a1がストッパ筒体8に当接した位置では、紙容器30の底壁30bが外側容器保持筒6および内側容器保持筒7の上端面から微小な間隔(数ミリ、例えば1〜3mm)をおいて浮いた状態で、紙容器30が図1A(a),図6(a)に示したように容器挿入空間9より僅かに上方に突出した状態となる。
【0033】
このような挿入に際して、紙容器30は稜線30dの部分が、図1,図6(a)の固定切断刃2の切断刃部2aにより注ぎ口端縁30a1から紙容器30の底壁30bの近傍の部分まで確実に切断されることになる。
【0034】
この後、可動アーム3を、先端部が図6の右側を向いている状態から図7の実線で示した位置を通過して図8の左側を向いた位置まで、矢印Bで示した方向に回動支持軸14を中心に回動させる。
【0035】
この回動に伴い可動アーム3に取り付けた可動切断刃4は、切断刃部4aの刃先先端が側壁30c4に稜線30eの近傍の部分に斜めから突き刺さって切り口ができた後、そこから切り開くように稜線30e,側壁30c3,30c2,30c1の底壁30bの僅か下側の部分(底壁30bから1〜5ミリ程度(数ミリ)下の部分)を底壁30bに沿って順に切断して、最後に稜線30fを切断する。このとき、容器保持筒6,7により紙容器30がしっかり保持されているため、紙容器30がゆがまずに切断できる。この切断が完了すると、紙容器30の底壁30bは図8に示したように稜線30gの部分から上方に開くことができる。
【0036】
次に、底壁30bを掴んで、紙容器30を図9に矢印B1で示したように容器挿入空間9から上方に引き抜く。この状態では、紙容器30の稜線30dは、図10に示したように底壁30b側の部分に切断されていない短い未切断部30hがあるので、この未切断部30hを引き裂くことにより、図11に示したように紙容器30を展開して、平面上に開くことができる。
(b).500mlの紙容器
また、500mlの牛乳パックやジュースパック等の直方体状の紙容器30では、長さが1000mlのものの半分になる。この場合には、ストッパーピン11をピン挿通孔6b、7bに挿入することで、容器挿入空間9内に紙容器30を挿入したときに、このストッパーピン11に紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1が当接して、紙容器30の底壁30b側の端部が容器挿入空間9から僅か(数ミリ)に突出した状態で係止される。
<変形例>
以上説明した実施例では、ストッパーピン11を外側容器保持筒6側壁a,cに設けたピン挿通孔6b,7bと内側容器保持筒7側壁ai,ciに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って取り付けるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
例えば、図1A(b)に示したように、短い板状のストッパ部材11aをストッパとして2つ用意し、この2つのストッパ部材11aを対向する側壁a,aiに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って挿入させると共に対向する側壁c,ciに設けたピン挿通孔6b,7bに跨って挿入させるようにすることもできる。この場合、ストッパ部材11aにフランジ11a1(挿入規制部)を設けて、ストッパ部材11aが必要以上に挿入されないようにする。しかも、貫通孔6b,7bを横方向にスリット状延びる形状にする。
【0038】
この構成によれば、紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1をストッパ部材11aの平面で受けることができるので、紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1を安定支持できる。しかも、必要最小限の長さにできるので、材料の節約ができ、ストッパを安価に作ることができる。尚、11a2はストッパ部材11aに設けたツマミ部である。
【0039】
更に、ストッパーピン11に代えて容器挿入空間9の開放端に向けて無段階に位置調整可能なストッパを容器挿入空間9内に配設することもできる。このストッパとしては、容器挿入空間9の水平断面と同じ形状で方形状の環状体とすることもできる。そして、この環状体を送りネジ等で上下動可能に設けることもできる。また、上下に延びて容器挿入空間9に開口する細いスリットを設けて、環状体この調整スリットから突出するネジを設け、このネジに固定ナットを螺着することで、環状体を容器挿入空間9の上下方向の任意の位置に固定できる。尚、ストッパは環状体に限定されるものではない。即ち、ストッパとしては、調整スリットより僅かに大きな方形板であっても良い。この場合には、方形板に調整スリットに嵌合する回転防止用の角状の凸部を設ければ良い。そして、この凸部にネジを設け、このネジに固定ナットを螺着することで、環状体を容器挿入空間9の上下方向の任意の位置に固定できる。
【0040】
以上説明したように、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器は、紙容器30を開いた注ぎ口端部30aから底壁30b近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間9が設けられた容器保持用の本体(容器保持筒1)と、前記紙容器30を前記容器挿入空間9に挿入させる際に、前記紙容器30を注ぎ口端縁30a1から底壁30b近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間9の開放端部に位置させて前記本体(容器保持筒1)に取り付けられた固定切断刃2を備えている。また、紙容器切断展開処理器は、前記本体(容器保持筒1)に設けられて前記紙容器30の底壁30b側の端部を前記容器挿入空間9から突出させた状態で前記紙容器30の注ぎ口端縁(開放端縁)30a1を当接させるストッパ(ストッパ筒体8、ストッパーピン11、ストッパ部材11a)と、前記本体(容器保持筒1)の前記容器挿入空間9の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体(容器保持筒1)に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間9に挿入された前記紙容器30の底壁30b側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃4を備えている。
【0041】
この構成によれば、直方体状の紙容器30の側部を固定切断刃2により注ぎ口端縁30aから底壁30b近傍の部分まで一稜線に沿って直線的に切断処理できる。しかも、紙容器の30の底壁30b側の端部を可動切断刃4により底壁30bの一辺を残して切断処理でき、展開状とすることができる。このような切断処理は、熟練を要していない作業者でも迅速且つ容易に正確に実行できる。この固定切断刃2により切断する位置は、紙容器30の稜線30dの部分であっても良いし、紙容器30の側壁の稜線30d近傍の部分であっても良いし、紙容器30の側壁aの稜線30dから離れた部分であっても良い。
【0042】
尚、本実施例では、容器挿入空間9を外側容器保持筒6および内側容器保持筒7との間に筒状に形成しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、内側容器保持筒7を省略して外側容器保持筒6のみとし、外側容器保持筒6内の角柱状空間を容器挿入空間とすると共に、外側容器保持筒6のコーナ部Ocに固定切断刃2を内側に向けて取り付けた構成とすることもできる。
【0043】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記ストッパ(ストッパーピン11、ストッパ部材11a)は前記紙容器30の底壁30bから注ぎ口端縁(開放端縁)30a1までの長さに応じた位置に着脱可能に設けることができるようになっている。この構成によれば、寸法の異なる紙容器でも一つの紙容器切断展開処理器で切断展開処理をすることができる。
【0044】
更に、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記固定切断刃2は前記容器挿入空間9の開放端側のコーナ部Ic内に先端部が傾斜するように配設されている。この構成によれば、直方体状の紙容器30の側部の稜線30dを固定切断刃2の傾斜する切断刃部2aで直線状に切断することができる。
【0045】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記本体(容器保持筒1)の前記容器挿入空間9の開放端側端部には、前記紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを前記容器挿入空間9に挿入させる際に、前記注ぎ口端部30aを前記容器挿入空間9内に案内するガイド面(6a,7a)が設けられている。この構成によれば、紙容器30を容器挿入空間9内に挿入する際に、紙容器30の開いた注ぎ口端部30aを容器挿入空間9内にガイド面(6a,7a)で案内させることで、紙容器30を容器挿入空間9内に迅速且つ容易に挿入できる。
【0046】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記方形状の容器挿入空間9は角筒状の外側容器保持筒6と外側容器保持筒6内に配設された角筒状の内側容器保持筒7との間に角筒状に形成されている。この構成によれば、直方体状の紙容器30を容器挿入空間9内に、切断時も歪まずに安定した状態で保持できる。
【0047】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、前記可動切断刃4は前記本体(容器保持筒1)に回動可能に取り付けられた可動アーム3に着脱可能に保持されている。この構成によれば、可動切断刃4の交換が容易である。
【0048】
また、この発明の実施の形態の紙容器切断展開処理器において、観音開き状に開くことが可能で且つ閉じたときに前記可動アーム3を覆うことが可能な一対の蓋体20,21が前記本体(容器保持筒1)に取り付けられていると共に、閉じた一対の前記蓋体20,21を固定可能なロック装置22が設けられている。この構成によれば、不使用時に可動切断刃4を安全な状態で固定し、且つ前記固定切断刃2を安全な状態で覆うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・容器保持筒(本体)
2・・・固定切断刃
3・・・可動アーム
4・・・可動切断刃
6・・・外側容器保持筒
6a・・・ガイド面
7・・・内側容器保持筒
7a・・・ガイド面
8・・・ストッパ筒体(ストッパ)
9・・・容器挿入空間
11a・・・ストッパ部材(ストッパ)
20,21・・・蓋体
22・・・ロック装置
30・・・紙容器
30a・・・注ぎ口端部
30b・・・底壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙容器を開いた注ぎ口端部から底壁近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間が設けられた容器保持用の本体と、
前記紙容器を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記紙容器を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間の開放端部に位置させて前記本体に取り付けられた固定切断刃と、
前記本体に設けられて前記紙容器の底壁側の端部を前記容器挿入空間から突出させた状態で前記紙容器の開放端縁を当接させるストッパと、
前記本体の前記容器挿入空間の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間に挿入された前記紙容器の底壁側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃を備えることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項2】
請求項1に記載の紙容器切断展開処理器において、前記ストッパは前記紙容器の底壁から開放端縁までの長さに応じた位置に着脱可能に設けられることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紙容器切断展開処理器において、前記固定切断刃は前記容器挿入空間の開放端側のコーナ部内に先端部が傾斜するように配設されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記本体の前記容器挿入空間の開放端側端部には、前記紙容器の開いた注ぎ口端部を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記注ぎ口端部を前記容器挿入空間内に案内するガイド面が設けられていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記方形状の容器挿入空間は角筒状の外側容器保持筒と外側容器保持筒内に配設された角筒状の内側容器保持筒との間に角筒状に形成されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記可動切断刃は前記本体に回動可能に取り付けられた可動アームに保持されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、観音開き状に開くことが可能で且つ閉じたときに前記可動アームを覆うことが可能な一対の蓋体が前記本体に取り付けられていると共に、閉じた一対の前記蓋体を固定可能なロック装置が設けられていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項1】
紙容器を開いた注ぎ口端部から底壁近傍の部分まで挿入可能な方形状の容器挿入空間が設けられた容器保持用の本体と、
前記紙容器を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記紙容器を注ぎ口端縁から底壁近傍の部分まで切断可能に前記容器挿入空間の開放端部に位置させて前記本体に取り付けられた固定切断刃と、
前記本体に設けられて前記紙容器の底壁側の端部を前記容器挿入空間から突出させた状態で前記紙容器の開放端縁を当接させるストッパと、
前記本体の前記容器挿入空間の開放端の縁部に沿って移動可能に前記本体に取り付けられて、移動に伴い前記容器挿入空間に挿入された前記紙容器の底壁側の端部の3つの側面を切断する可動切断刃を備えることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項2】
請求項1に記載の紙容器切断展開処理器において、前記ストッパは前記紙容器の底壁から開放端縁までの長さに応じた位置に着脱可能に設けられることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紙容器切断展開処理器において、前記固定切断刃は前記容器挿入空間の開放端側のコーナ部内に先端部が傾斜するように配設されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記本体の前記容器挿入空間の開放端側端部には、前記紙容器の開いた注ぎ口端部を前記容器挿入空間に挿入させる際に、前記注ぎ口端部を前記容器挿入空間内に案内するガイド面が設けられていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記方形状の容器挿入空間は角筒状の外側容器保持筒と外側容器保持筒内に配設された角筒状の内側容器保持筒との間に角筒状に形成されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、前記可動切断刃は前記本体に回動可能に取り付けられた可動アームに保持されていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の紙容器切断展開処理器において、観音開き状に開くことが可能で且つ閉じたときに前記可動アームを覆うことが可能な一対の蓋体が前記本体に取り付けられていると共に、閉じた一対の前記蓋体を固定可能なロック装置が設けられていることを特徴とする紙容器切断展開処理器。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−91248(P2012−91248A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238866(P2010−238866)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(510284163)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(510284163)
【Fターム(参考)】
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