説明

紙幣処理装置、紙幣取扱装置、及び蓋部材の開放検知方法

【課題】装置本体との間で挿入口、及び導入搬送路を形成する蓋部材の開放の有無を専用の開閉検知センサを用いることなく低コストで検知することができる紙幣処理装置、蓋部材の開放検知方法、及び紙幣取扱装置を提供する。
【解決手段】蓋部材5が開放されることによって挿入センサ25がオンしてから次に紙幣識別用センサ30がオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段21が検知したモータ20のパルス数NBと、挿入された紙幣により挿入センサがオンしてから次に紙幣識別用センサがオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段が検知したモータのパルス数NAとを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に蓋部材が開放されたものと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば紙幣を入金する機能を備えた各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備される紙幣処理装置の改良に関し、特に装置本体によって開閉自在に軸支された蓋部材の開放の有無を検知する機能を低コストで実現することができる紙幣処理装置、紙幣取扱装置、及び蓋部材の開放検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種自動販売機、入出金装置、両替機、パチンコ遊技場で使用される台間機等の紙幣取扱装置は、入金された紙幣の真贋、金種を判定したり、紙幣収納庫に収納する等の処理を行う紙幣処理装置を備えている。
図5は従来の紙幣処理装置の紙幣導入搬送路に装備される各種センサの配置例を示す略図である。この紙幣処理装置は紙幣挿入口100から挿入された紙幣を導入搬送路101に沿って装置内部に搬送する搬送ベルト等の図示しない搬送部材を備え、紙幣挿入口100には紙幣挿入の有無を検知する挿入センサ105を備えると共に、導入搬送路101に沿って紙幣の真贋、金種を判定する識別センサ106、蓋部材の開閉の有無を検知する開閉検知センサ107と、を有する。また、紙幣処理装置は、上面に搬送部材を備えた装置本体110と、装置本体上面の一端部に設けた開閉軸115aによって上下方向に開閉自在に軸支された蓋部材115と、を備えている。挿入センサ105、及び識別センサ106は何れも透過型センサであり、発光素子105a、106aと、受光素子105b、106bは夫々装置本体110側、及び蓋部材115側に配置されている。更に、識別センサ106の下流側には蓋部材115の開閉の有無を検知する開閉検知センサ107が配置されており、開閉検知センサ107は蓋部材111側に配置されたフォトインタラプタ107aと、装置本体110側に配置された遮光片107bとから構成されている。図示しない制御手段は、挿入口100から紙幣を挿入することにより挿入センサ105がオンした場合には搬送部材を駆動するモータを駆動して導入搬送路に沿って紙幣を装置内に搬送する。また、制御手段は、開閉検知センサ107からの検知信号に基づいて蓋部材115の開閉状態を判定し、開放を検知した時には搬送部材を駆動するモータの駆動を停止する等の安全措置を講ずる。
【0003】
従来の紙幣処理装置において、開閉検知センサ107を設置することはコストアップをもたらすが、蓋部材が開放した状態で搬送部材が駆動される事態を防ぐために開閉検知センサ107は必要である。
即ち、仮に開閉検知センサ107を設けない場合、蓋部材115が開放する過程では最初に挿入センサ105がオン状態となり、次いで識別センサ106がオンとなる。この時の各センサ105、106のオン状態への変化は、蓋部材の閉止時に挿入口100から挿入された紙幣が挿入センサ105、識別センサ106を順次オンさせる場合の各センサのオン状態への変化と変わるところがなく、制御手段は各センサ105、106からの検知信号のみによって蓋部材115が開放されたのか或いは紙幣が挿入されたのかを区別をすることができない。紙幣の受け入れに伴う各センサ105、106のオン状態への移行の場合には搬送部材を駆動させ続ける必要がある一方で、蓋部材が開放された場合にはモータの駆動を停止させる必要があるため、開閉検知センサ107は必須となる。
しかし、上記のように開閉検知センサ107はコストアップをもたらすため、低コストで蓋部材の開放を検知する装置構成の開発が従来から求められていた。
特開2007−94807公報には、蓋部の開閉検知専用のセンサを設けることなく、紙幣検知部を用いて蓋部の開閉検知をも行うことができるようにした紙幣識別装置が開示されている。この紙幣識別装置は、透過型センサから成る紙幣検知部の発光レベルをレベルの強弱に基づいてパターン化して開閉検知を行うものである。
しかし、紙幣検知部の発光レベルをパターン化するためのソフト構成を実現するためにコストアップがもたらされることが明かである。
【特許文献1】特開2007−94807公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、装置本体との間で挿入口、及び導入搬送路を形成する蓋部材の開放の有無を専用の開閉検知センサを用いることなく低コストで検知することができる紙幣処理装置、蓋部材の開放検知方法、及び紙幣取扱装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る紙幣処理装置は、搬送部材を備えた装置本体と、前記搬送部材を開閉するように軸支された蓋部材と、閉止状態にある前記蓋部材と前記装置本体との間に形成された紙幣挿入口、及び該紙幣挿入口から挿入された紙幣を装置内部へ搬送する導入搬送路と、該導入搬送路に設けた前記搬送部材を駆動するモータと、該モータの駆動状態をパルス数として検知するモータ駆動状態検知手段と、前記紙幣挿入口近傍において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣挿入検知用の挿入センサと、該挿入センサの下流側位置において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣識別用センサと、前記挿入センサがオンした時に前記モータの駆動を開始するように制御すると共に、前記各センサからの検知信号に基づいて前記蓋部材の開閉を判定する制御手段と、を備えた紙幣処理装置であって、前記制御手段は、前記蓋部材が開放されることによって前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数と、挿入された紙幣により前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に前記蓋部材が開放されたものと判定することを特徴とする。
蓋部材の開放を検知する専用の検知手段を設けることなく、またコストアップをもたらすことが明かな紙幣検知部の発光レベルのパターン化を行うことなく、挿入センサと紙幣識別用センサからの各検知信号のみに基づいて蓋部材の開放を確実に検知することが可能となる。
【0006】
請求項2の発明に係る紙幣取扱装置は、請求項1に記載の紙幣処理装置を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明に係る紙幣処理装置における蓋部材の開放検知方法は、搬送部材を備えた装置本体と、前記搬送部材を開閉するように軸支された蓋部材と、閉止状態にある前記蓋部材と前記装置本体との間に形成された紙幣挿入口、及び該紙幣挿入口から挿入された紙幣を装置内部へ搬送する導入搬送路と、該導入搬送路に設けた前記搬送部材を駆動するモータと、該モータの駆動状態をパルス数として検知するモータ駆動状態検知手段と、前記紙幣挿入口近傍において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣挿入検知用の挿入センサと、該挿入センサの下流側位置において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣識別用センサと、前記挿入センサがオンした時に前記モータの駆動を開始するように制御すると共に、前記各センサからの検知信号に基づいて前記蓋部材の開閉を判定する制御手段と、を備えた紙幣処理装置における蓋部材の開放検知方法であって、前記制御手段は、前記蓋部材が開放されることによって前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数と、挿入された紙幣により前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に前記蓋部材が開放されたものと判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る紙幣処理装置は、蓋部材が開放されることによって挿入センサがオンしてから次に紙幣識別用センサがオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段が検知したモータのパルス数と、挿入された紙幣により挿入センサがオンしてから次に紙幣識別用センサがオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段が検知したモータのパルス数とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に蓋部材が開放されたものと判定するようにしたため、装置本体との間で挿入口、及び導入搬送路を形成する蓋部材の開放の有無を専用の開閉検知センサを用いることなく低コストで検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の紙幣処理装置(蓋部材の開放検知方法)を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置の外観斜視図であり、図2は(a)は紙幣処理装置の内部構成を示す略図であり、(b)はモータ及びモータ駆動状態検知手段の構成説明図であり、図3(a)は紙幣挿入時の各センサの作動タイミングとモータ駆動状態検知手段から出力されるモータパルスを示すタイミングチャートであり、(b)は蓋部材開放動作過程における各センサの作動タイミングとモータ駆動状態検知手段から出力されるモータパルスを示すタイミングチャートであり、図4は蓋部材の閉止状態と開放状態における各制御手順を示すフローチャートである。
【0009】
この紙幣処理装置1は例えばパチンコ遊技機の台間機に装備され、利用者によって挿入口から挿入された各種の紙幣を内部の紙幣収納庫内に積層状態で収納するための構成を備えている。
紙幣処理装置1は、上面に搬送ベルト等の搬送部材3を備えた装置本体2と、搬送部材3を含む装置上面を開閉するように装置上面の一端に設けた回動軸6によって上下方向へ開閉自在に軸支された蓋部材5と、閉止状態にある蓋部材5と装置本体2との間に形成された紙幣挿入口10、及び紙幣挿入口10から挿入された紙幣Sを装置内部へ搬送する導入搬送路15と、導入搬送路15によって搬送されてきた紙幣を受け入れる紙幣収納庫16と、導入搬送路15に設けた搬送部材3を駆動するモータ20と、モータ20の駆動状態(回転数)をパルス数として検知するモータ駆動状態検知手段21と、紙幣挿入口2の近傍において蓋部材側と装置本体側に分けて対向配置された発光素子25a及び受光素子25bから成る紙幣挿入検知用の挿入センサ25と、挿入センサ25の下流側位置において蓋部材5側と装置本体2側に分けて対向配置された発光素子30a及び受光素子30bから成る紙幣識別用センサ30と、挿入センサ25がオンした時にモータ20の駆動を開始するように制御すると共に、各センサ25、30からの検知信号に基づいて蓋部材5の開閉(開放の有無)を判定する制御手段40と、から概略構成されている。
【0010】
紙幣挿入口2から長手方向一端縁を先頭にして紙幣Sが挿入され、挿入センサ25が紙幣の挿入を検知して制御手段40に挿入検知信号を出力すると、制御手段40はモータ20を駆動して搬送部材3を駆動開始し、紙幣は導入搬送路15に沿って搬送される。この紙幣は紙幣識別用センサ30によって金種、真贋の判定を受け、真正紙幣である場合には紙幣収納庫16に収納される。
なお、蓋部材5が閉止されている間は各センサ25、30を構成する発光素子25a、30aから出射された検知光と受光素子25b、30bの受光部とが近接しており、互いの光軸も一致しているため、各受光素子は正常に検知光を検知しているが、蓋部材5が所定角度以上開放されると紙幣挿入口2に近い側の挿入センサ25を構成する発光素子25aと受光素子25bとの間の距離が広がると共に光軸の位置ずれが発生して紙幣検知と同様に受光素子25bの受光レベルが低下してオンとなる。一方、蓋部材5の開放角度が更に拡大されると下流側に位置する紙幣識別用センサ30を構成する発光素子30aと受光素子30bとの位置関係にずれが発生してオン状態になる。
モータ駆動状態検知手段21は、モータ20の出力軸20aに軸心を固定されたパルス板22aと、パルス板22aの周方向に沿って所定のピッチにて形成されたスリットを検知するフォトインタラプタ22bとを備えたパルスエンコーダであり、モータの回転量(回転数)をパルス数として制御手段40に出力する。
【0011】
制御手段40は、蓋部材5が図2(a)の破線で示すように開放されることによって挿入センサ25がオンしてから次に紙幣識別用センサ30がオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段21が検知したモータ20のパルス数(図3(a))と、挿入された紙幣により挿入センサ25がオンしてから次に紙幣識別用センサ30がオンするまでの間にモータ駆動状態検知手段21が検知したモータ20のパルス数(図3(b))とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に蓋部材5が開放されたものと判定する。
本発明者の実験によれば、蓋部材開放時のパルス数NBは、蓋部材閉止時の紙幣通過によるパルス数NAの1/2以下であった。
これを更に図4のフローチャートに基づいて説明すると、蓋部材5の開動作過程では、まずステップ1に示すように挿入センサ25がオン状態(挿入センサ25が紙幣挿入を検知した時と同じ状態)になる。挿入センサ25がオン状態になると、制御手段40はモータ20の駆動(正転)を開始し、これによりモータ駆動状態検知手段21からパルス信号が出力開始される(ステップ2)。
【0012】
次に、紙幣識別用センサ30を構成する発光素子30aと受光素子30b間の距離が広がると共に互いの光軸がズレることにより紙幣識別用センサ30からオン信号が出力される(ステップ3)。
制御手段40は、紙幣挿入時に挿入センサ25がオンしてから紙幣識別用センサ30がオンするまでに要する時間(パルス数NA)と、蓋部材開放時に挿入センサ25がオンしてから紙幣識別用センサ30がオンするまでに要する時間(パルス数NB)とを比較し(ステップ4)、前者のパルス数NA>後者のパルス数NBであり、且つ後者のパルス数NBが既定値N以下である場合に、蓋部材5が開放されたものと判定する。
このように蓋部材5の開放動作過程において挿入センサ25がオン状態になってから紙幣識別用センサ30がオン状態になるまでの期間は微小時間であるため(図3(b)参照)、この間に発生するモータパルス数は蓋部材の閉止時における通常の紙幣挿入動作において紙幣を検出してモータの駆動を開始してから搬送された紙幣の先端が紙幣識別用センサ30に到達して紙幣識別用センサをオンさせるまでに発生するモータパルス数(図3(a))と比べ明らかに少ないパルス数となる。このため、蓋部材5が開放された場合と、蓋部材5が閉止状態にあって紙幣が挿入された場合とを明確に区別することができる。
【0013】
制御手段40は、蓋部材5が開放されたと判定した場合にはモータの停止等の蓋開検知処理を実施する(ステップ6)。一方、蓋部材が閉止されている、即ち通常の紙幣挿入であると判定した場合には紙幣識別用センサ30による識別サンプルを開始させる(ステップ5)。
本発明によれば、蓋部材の開放を検知する専用の検知手段を設けることなく、またコストアップをもたらすことが明かな紙幣検知部の発光レベルのパターン化を行うことなく、挿入センサと紙幣識別用センサからの各検知信号のみに基づいて蓋部材の開放を確実に検知することが可能となる。
なお、本発明の紙幣処理装置1は、各種自動販売機、入出金装置、両替機、パチンコ遊技場で使用される台間機等の紙幣取扱装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置の外観斜視図である。
【図2】(a)は紙幣処理装置の内部構成を示す略図であり、(b)はモータ及びモータ駆動状態検知手段の構成説明図である。
【図3】(a)は紙幣挿入時の各センサの作動タイミングとモータ駆動状態検知手段から出力されるモータパルスを示すタイミングチャートであり、(b)は蓋部材開放動作過程における各センサの作動タイミングとモータ駆動状態検知手段から出力されるモータパルスを示すタイミングチャートである。
【図4】蓋部材の閉止状態と開放状態における各制御手順を示すフローチャートである。
【図5】(a)及び(b)は従来の紙幣処理装置における欠点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0015】
1…紙幣処理装置、2…装置本体、2…紙幣挿入口、3…搬送部材、5…蓋部材、6…回動軸、10…紙幣挿入口、15…導入搬送路、16…紙幣収納庫、20…モータ、20a…出力軸、21…モータ駆動状態検知手段、22a…パルス板、22b…フォトインタラプタ、25…挿入センサ、25a…発光素子、25b…受光素子、30…紙幣識別用センサ、30a…発光素子、30b…受光素子、40…制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送部材を備えた装置本体と、前記搬送部材を開閉するように軸支された蓋部材と、閉止状態にある前記蓋部材と前記装置本体との間に形成された紙幣挿入口、及び該紙幣挿入口から挿入された紙幣を装置内部へ搬送する導入搬送路と、該導入搬送路に設けた前記搬送部材を駆動するモータと、該モータの駆動状態をパルス数として検知するモータ駆動状態検知手段と、前記紙幣挿入口近傍において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣挿入検知用の挿入センサと、該挿入センサの下流側位置において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣識別用センサと、前記挿入センサがオンした時に前記モータの駆動を開始するように制御すると共に、前記各センサからの検知信号に基づいて前記蓋部材の開閉を判定する制御手段と、を備えた紙幣処理装置であって、
前記制御手段は、前記蓋部材が開放されることによって前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数と、挿入された紙幣により前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に前記蓋部材が開放されたものと判定することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙幣処理装置を備えたことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項3】
搬送部材を備えた装置本体と、前記搬送部材を開閉するように軸支された蓋部材と、閉止状態にある前記蓋部材と前記装置本体との間に形成された紙幣挿入口、及び該紙幣挿入口から挿入された紙幣を装置内部へ搬送する導入搬送路と、該導入搬送路に設けた前記搬送部材を駆動するモータと、該モータの駆動状態をパルス数として検知するモータ駆動状態検知手段と、前記紙幣挿入口近傍において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣挿入検知用の挿入センサと、該挿入センサの下流側位置において前記蓋部材側と前記装置本体側に分けて対向配置された発光素子及び受光素子から成る紙幣識別用センサと、前記挿入センサがオンした時に前記モータの駆動を開始するように制御すると共に、前記各センサからの検知信号に基づいて前記蓋部材の開閉を判定する制御手段と、を備えた紙幣処理装置における蓋部材の開放検知方法であって、
前記制御手段は、前記蓋部材が開放されることによって前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数と、挿入された紙幣により前記挿入センサがオンしてから次に前記紙幣識別用センサがオンするまでの間に前記モータ駆動状態検知手段が検知した前記モータのパルス数とを比較して、前者のパルス数が既定値N以下である場合に前記蓋部材が開放されたものと判定することを特徴とする紙幣処理装置における蓋部材の開放検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−251740(P2009−251740A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96248(P2008−96248)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(305027456)ネッツエスアイ東洋株式会社 (200)
【Fターム(参考)】