説明

紙幣収納装置、紙幣取扱装置、及び盗難紙幣検出システム

【課題】 機器破壊による紙幣の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる紙幣収納装置、紙幣取扱装置、及び盗難紙幣検出システムを提供する。
【解決手段】 紙幣を収納する万円券金庫8、9、千円券金庫10と、特殊インクを貯蔵するインクパックとを備え、装置への衝撃が所定の値を超えるとインクパックに貯蔵した特殊インクを紙幣5に噴射する自動取引装置1において、貯蔵する特殊インクの中に特定の情報を記憶する無線ICタグを混入させておき、装置への衝撃が所定の値を超え特殊インクを紙幣5に噴射させたときに無線ICタグを特殊インクと共に紙幣5に付着させる。また、自動取引装置1は、紙幣5を取り込み、紙幣5に付着した無線ICタグから特定の情報を読み取るリーダ27と、リーダ27により読み取った特定の情報から盗難紙幣であると判定するリーダ制御部とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣収納装置、紙幣取扱装置、及び盗難紙幣検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動取引装置においては、機器が破壊されることで内部に積載状態で保管している紙幣が盗難されることを防止するために、現金を収納する金庫と、金庫に納められた現金にインクを噴射するインク噴射装置と、自動取引装置に加えられた衝撃を検出する衝撃センサと、自動取引装置に加えられた熱を感知する熱センサと、自動取引装置に備えられた扉の歪みを検出する歪み検出センサと、各センサからの検知信号により自動取引装置に加圧された刺激が所定の閾値を超えたことを検出した際に、インク噴射装置にインクを噴射させる制御を行う警報装置とを備えた装置があり、このような装置においては、警報装置が、各センサからの通報値が所定の閾値を超えたと判断すると、警報センタに接続して通報すると共に、インク噴射装置を制御して金庫内に置かれた現金にインクを噴射する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このようにインクを紙幣に付着させることで盗難された紙幣である事を見た目で判断して紙幣を使用できなくすることや、あるいは自動取引装置の鑑別部にインクを検知する機能を備え、インクが付着した紙幣が自動取引装置に入金されると、鑑別部でインクを検知し、接客口から顧客に返却して紙幣を使用できなくすることで、紙幣の盗難の防止、及び抑制を図っている。
【特許文献1】特開2000−322625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の自動取引装置においては、インク噴射装置のノズルや噴射口の位置、あるいは破壊された時の金庫の状態により、積載された紙幣に対して付着するインクの領域が一定ではなく、紙幣毎に異なってしまう場合があった。紙幣に対するインクの付着領域が小さいと、紙幣の絵柄や紙幣に付着した汚れとの区別が難しくなり、見た目での判断が困難となり、また自動取引装置に挿入された場合でも、鑑別部でのインクの検出が困難になるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明で設けた第1の解決手段は、紙幣を収納する金庫と、インクを貯蔵する貯蔵器とを備え、装置への衝撃が所定の値を超えると前記貯蔵器に貯蔵したインクを紙幣に噴射する紙幣収納装置において、貯蔵する前記インクの中に特定の情報を記憶する無線ICタグを混入させておき、装置への衝撃が所定の値を超えインクを紙幣に噴射させたときに前記無線ICタグをインクと共に紙幣に付着させるものである。
【0006】
上記課題を解決するために本発明で設けた第2の解決手段は、紙幣を取り込み、紙幣に付着した無線ICタグから前記特定の情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取った前記特定の情報から盗難紙幣であると判定する判定手段とを設けた紙幣取扱装置を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、紙幣収納装置は、装置への衝撃が所定の値を超えインクを紙幣に噴射させたときに無線ICタグをインクと共に紙幣に付着させ、また紙幣取扱装置は、読取手段が紙幣に付着した無線ICタグから特定の情報を読み取り、読取手段により読み取った特定の情報から判定手段が盗難紙幣であると判定することにより、紙幣に対する特殊インクの付着領域が小さい場合であっても、盗難紙幣であることを容易に装置が認識することができる。その結果、機器破壊による紙幣の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0009】
始めに自動取引装置の構成について説明する。図1は実施例1の自動取引装置の構成を示す説明図、図2は実施例1のインク噴射機の構成を示す説明図、図3は実施例1のインクパック内の特殊インクと無線ICタグの状態を示す説明図、図4は実施例1の特殊インクと無線ICタグが付着した状態の紙幣を示す説明図である。
【0010】
図1において、紙幣収納装置であり、紙幣取扱装置である自動取引装置1には、紙幣入出金部2と、主制御部3と、図示せぬ硬貨入出金部と、顧客操作部と、カード処理部と、通帳記帳部と、明細票処理部と、音声案内部と、電源部と、接近検知器と、記憶部と、インターフェース部とが設けられている。なお、主制御部3は、前記紙幣入出金部2と、硬貨入出金部と、顧客操作部と、カード処理部と、通帳記帳部と、明細票処理部と、音声案内部と、電源部と、接近検知器と、記憶部と、インターフェース部と接続されており、各部を制御している。
【0011】
紙幣入出金部2には、前面上部に接客部4が設けられている。この接客部4は顧客に対して紙幣5を排出する、あるいは顧客から投入される紙幣5を受け入れるユニットである。
【0012】
紙幣入出金部2の底部には、金種別に紙幣5を貯留する金種別金庫が複数設けられており、接客部4から金種別金庫まで、紙幣5が搬送される搬送路6が形成されている。搬送路6は紙幣5を搬送する図示せぬローラと搬送ベルトにより構成されており、接客部4と金種別金庫との間の搬送路6には、送り込まれた紙幣5の真偽、正損、表裏、2枚以上の重なり、及び斜行等を鑑別、検知する鑑別部7が設けられている。
【0013】
なお、本実施例では、金種別金庫として、万円券を貯留する万円券金庫8、9と、千円券を貯留する千円券金庫10がそれぞれ設けられている。そして万円券金庫8、9と、千円券金庫10の上部には、図示せぬ一時保留板と、分離繰り出し部19、20、21が金庫毎にそれぞれ設けられている。一時保留板は取り込み紙幣を収納前に一時保留し、分離繰出し部19、20、21は一時保留板上の紙幣5を1枚ずつ分離して金種別金庫へと送り込むと共に、金種別金庫に貯留されている紙幣5を1枚ずつ分離して搬送路6へと繰出す。
【0014】
紙幣入出金部3の後部には、金種別金庫へ補充する紙幣、あるいは金種別金庫から回収された紙幣を集積する紙幣補充/回収カセット22が設けられており、搬送路23により搬送路6に接続されている。
【0015】
全ての金種別金庫にはそれぞれ、図2に示すインク噴射機11が設けられている。このインク噴射機11は、噴射機12と、該噴射機12に接続されたノズル13とから構成されている。なお、ノズル13は紙幣の集積方向に沿って伸びた状態で配置されている。なお、図示されていないが、紙幣補充/回収カセット22内にも、同様のインク噴射機11が設けられている。
【0016】
噴射機12には、ある程度の粘性を備え、耐溶性が高く、外気に触れると固まるインク又は溶剤(以下特殊インク14とする)を内蔵し、前記ノズル13に接続されている貯蔵器であるインクパック15と、該インクパック15から特殊インク14をノズル13方向に押し出すピストン16と、該ピストン16を動作させる加圧部17とが内蔵されている。なお、特殊インク14には微小な無線ICタグ25が混入されている。また、加圧部17は化学反応による膨張や火薬の爆発等により圧力を発生し、主制御部3からの起動信号を受信すると圧力を発生させる。なお、本実施例では化学反応による膨張により圧力を発生させることとする。ノズル13には複数の噴射口18が形成されており、該噴射口18から集積されている紙幣5に対して特殊インク14が噴射される。
【0017】
図3に示すように、特殊インク14には予め複数の無線ICタグ25が混入されている。そして特殊インク14の噴射時に無線ICタグ25が紙幣5に対して吹き付けられると、重なり合った紙幣5の隙間から特殊インク14と共に無線ICタグ25が紙幣5の搬送面へと入り込み、図4に示すように、特殊インク14の紙幣5への付着と共に無線ICタグ25もまた紙幣5に付着する。そして特殊インク14は外気に触れることにより無線ICタグ25を含んだ状態で固まる。
【0018】
無線ICタグ25は、不揮発性メモリを有する通信ICと、書き込み・読み出し器と、送受波用のアンテナとから構成される。このICタグ25は、電池が不要であり、また、非接触で通信を行うことができる。そして不揮発性メモリに書き込まれている情報は、後述するリーダを用いて電気的結合作用により、外部から読み出すことができる。不揮発性メモリにはタグ識別情報エリアが形成されており、タグ識別情報エリアには、無線ICタグ25がインクパック15に内蔵される前に情報が書き込まれる。なお、今回書き込まれる情報は、盗難紙幣であることを示す情報である。
【0019】
図1に示すように、自動取引装置1にはまた、自動取引装置1が攻撃を受けると受けた衝撃に応じた値を主制御部3に送信する破壊検知手段である破壊検知センサ24が設けられている。そして図2に示すようにインク噴射機11には主制御部3が接続されている。そして主制御部3は破壊検知センサ24から衝撃に応じた値を受信すると、該受信した値が予め決められた値を超えているか否かを判断し、予め決めた値を超えていると判断した場合には、インク噴射器11の加圧部17に対して起動信号を送信する。
【0020】
次に上記無線ICタグ25を検出する無線ICタグ検出機構26の構成について説明する。図5は実施例1の無線ICタグ検出機構の構成を示すブロック図、図6は実施例1のリーダと紙幣との位置関係を示す斜視図である。
【0021】
図5において、無線ICタグ検出機構26は紙幣入出金部2に配設されている。無線ICタグ検出機構26は、送受波用のアンテナ、動力伝送部、及びデータ送受信部等を備えた読取手段であるリーダ27と、該リーダ27を制御する判定手段であるリーダ制御部28と、該リーダ制御部28に接続され、紙幣5の搬送を制御する搬送制御部29と、該搬送制御部29に接続され、紙幣5の搬送位置を監視する搬送監視センサ30(30a、30b・・・30n)とから構成されている。なお、リーダ27は図1に示すように搬送路6上に配設されている。また、リーダ27は鑑別部7に搭載されていても良い。
【0022】
図6に示すように、無線ICタグ25が付着した紙幣5がリーダ27に到達すると、リーダ27のアンテナからの電波を無線ICタグ25のアンテナが受信し、リーダ27から無線ICタグ25に対して電力が供給される。これにより無線ICタグ25は不揮発性メモリに書き込まれている情報をリーダ27に対して発信する。リーダ27は無線ICタグ25から発信された情報を受信して復号化し、リーダ制御部28に送信する。そしてリーダ制御部28はリーダ27から受信した情報を解析する。
【0023】
搬送監視センサ30は搬送路6に配設されており、紙幣5を検知すると搬送制御部29に対して紙幣5を検知したことを示す信号を送信する。搬送制御部29はこの搬送監視センサ30から送信されてくる信号に基づき紙幣5の搬送位置を特定し、リーダ制御部28に対して紙幣の搬送情報として送信する。
【0024】
リーダ制御部28は搬送制御部29から送信されてくる紙幣5の搬送情報に基づき、リーダ27が無線ICタグ25からタグ識別情報を受信した際に、該タグ識別情報を発信した紙幣5を特定し、搬送制御部29に対して該特定した紙幣5を通知する。搬送制御部29はリーダ制御部28から返却すべき紙幣5の情報を受信すると、該返却すべき紙幣5の位置を、搬送監視センサ30からの信号から判断し、返却紙幣5を接客部4へと搬送するように図示せぬブレードの切り替え制御を行う。
【0025】
次に上記構成における外部からの攻撃を受けたときの自動取引装置1の動作について説明する。なお、無線ICタグ25の不揮発性メモリのタグ識別情報エリアには予め、盗難紙幣であることを示す情報が書き込まれている。
【0026】
図1において、外部より自動取引装置1がバール等による攻撃を受けた場合、破壊検知センサ24が受けた衝撃に応じた値を主制御部3に送信する。主制御部3は破壊検知センサ24から衝撃に応じた値を受信すると、該受信した値が予め決められた値を超えているか否かを判断する。そして予め決めた値を超えていると判断した場合には、主制御部3は自動取引装置1が破壊されているとして図2に示すインク噴射器11の加圧部17に対して起動信号を送信する。
【0027】
加圧部17は主制御部3からの起動信号を受信することで化学反応による膨張により圧力を発生する。この圧力によりノズル13の噴射口18から集積されている紙幣5に対して特殊インク14が噴射される。そしてこの特殊インク14の噴射時に無線ICタグ25が紙幣5に対して吹き付けられ、重なり合った紙幣5の隙間から特殊インク14と共に無線ICタグ25が紙幣5の搬送面へと入り込み、図4に示すように、特殊インク14の紙幣5への付着と共に無線ICタグ25もまた紙幣5に付着する。そして特殊インク14は外気に触れることにより無線ICタグ25を含んだ状態で固まる。
【0028】
次に特殊インク14が付着した紙幣を含む複数枚の紙幣5が自動取引装置1に挿入されたときの自動取引装置1の動作について説明する。
【0029】
図1において、自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご入金」を選択すると、主制御部3は入金取引処理を実行する。従って、主制御部3は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理装置のカード挿入排出口に挿入する。カード処理部ではIDカードから口座番号を読み取り、主制御部3に送信する。主制御部3は図示せぬインタフェース部と通信回線を介してホストコンピュータに所定の問い合わせを行う。
【0030】
ホストコンピュータは問題の有無を確認する。そして問題が無く入金可能であれば、取引を了解することを示す信号を通信回線を介して自動取引装置1へと送信する。そして主制御部3は取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に対して紙幣受け入れの指示を行う。
【0031】
これを受けて、紙幣入出金部2は図示せぬモータを駆動して接客部4に設けられた図示せぬシャツターを開き、紙幣5が接客部4内に投入されるのを待つ。顧客により紙幣5が投入されたことが接客部4に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部2はシャッターを閉じる。そして搬送制御部29は図示せぬ繰出しローラと、搬送路6に複数設けられた搬送ローラ対を回転させて紙幣5を1枚ずつ搬送路6へと繰出し、搬送路6を搬送させる。
【0032】
無線ICタグ25が付着した紙幣5がリーダ27に到達すると、リーダ27のアンテナからの電波を無線ICタグ25のアンテナが受信し、リーダ27から無線ICタグ25に対して電力が供給される。これにより無線ICタグ25は不揮発性メモリのタグ識別情報エリアに書き込まれているタグ識別情報をリーダ27に対して発信する。リーダ27は無線ICタグ25から発信されたタグ識別情報を受信して復号化し、リーダ制御部28に送信する。
【0033】
リーダ制御部28はリーダ27から受信した、無線ICタグ25から読み取ったタグ識別情報から、今回検出した紙幣5は盗難された紙幣であると判断すると、搬送制御部29から送信されてくる紙幣5の搬送情報に基づき、タグ識別情報を発信した紙幣5を特定し、搬送制御部29に対して該特定した紙幣5を通知する。搬送制御部29はリーダ制御部28から返却すべき紙幣5の情報を受信すると、該返却すべき紙幣5の位置を、搬送監視センサ30からの信号から判断し、返却紙幣5を接客部4へと搬送するように図示せぬブレードの切り替え制御を行う。そして接客部4へと紙幣5を搬送する。
【0034】
一方、リーダ27が無線ICタグ25を検出しない紙幣5は鑑別部7で、真偽鑑別、正損、走行状態を鑑別する。そして鑑別部7で偽券、搬送異常券と判定した紙幣5があった場合、鑑別部7は搬送制御部29に今回鑑別した紙幣は偽券、あるいは搬送異常券であることを示すデータを送信する。
【0035】
搬送制御部29は、鑑別部7から今回鑑別した紙幣は偽券、あるいは搬送異常券であることを示すデータを受信すると、その紙幣5を接客部4に戻すための搬送制御を行い、接客部4へと紙幣5を搬送する。
【0036】
このようにして盗難された紙幣5、偽券、あるいは搬送異常券と判断された紙幣5が接客部4へと戻されると、紙幣入出金部2は主制御部3に対して顧客に返却する紙幣があることを示すデータを送信する。主制御部3はこのデータを受信すると顧客操作部に入金不可能な紙幣を返却することを表示させる。また紙幣入出金部2は図示せぬモータを駆動して接客部4に設けられた図示せぬシャツターを開き、紙幣5が受け取られるのを待つ。顧客により紙幣5が受け取られたことを接客部4に設けられた図示せぬ検知センサが検知すると、紙幣入出金部2はシャッターを閉じる。
【0037】
一方、リーダ27が無線ICタグ25を検出せず、また鑑別部7で真券と判断された紙幣5は金種別金庫へと搬送する。ここで千円券の正券は千円券金庫10の図示せぬ一時保留板上に集積し、同様に万円券の正券は万円券金庫8、あるいは万円券金庫9の図示せぬ一時保留板上に集積する。
【0038】
以上の動作によって、顧客により投入された紙幣5の入金計数処理が完了すると、紙幣入出金部2は主制御部3に入金計数終了のレスポンスと金種別に正券として計数した枚数を送信する。主制御部3はこのデータを受信すると、図示せぬ記憶部に記憶し、顧客操作部の表示部に入金金額を表示させる。
【0039】
顧客が顧客操作部に表示された入金金額を確認し、図示せぬ確認ボタンを押下すると、紙幣入出金部2は各金種別金庫の一時保留板上に集積していた入金紙幣5を金種別金庫内部へとそれぞれ収納する。
【0040】
更に主制御部3はIDカードの排出を行わせる。従って、カード処理部はIDカードのカード挿入排出口への移動を行い、取引内容を印字した明細票と共にIDカードの排出を行う。これにより、顧客はIDカードを自動取引装置1から受け取る。これで今回の取引は終了となる。
【0041】
なお、図示せぬ記憶部に記憶された入金金額は口座番号と共にインターフェース部と通信回線を介してホストコンピュータに送信される。
【0042】
以上本発明の実施例1においては、自動取引装置1への衝撃が所定の値を超えると、紙幣5に盗難紙幣であることを示す情報を記憶した無線ICタグ25を付着させ、また自動取引装置1に無線ICタグ検出機構26を設けることにより、紙幣5に対する特殊インク14の付着領域が小さい場合であっても、無線ICタグ25が紙幣5に付着していることでリーダ27が無線ICタグ25に記憶されている情報を読み取り、盗難紙幣であることを容易に装置が認識することができる。その結果、機器破壊による紙幣5の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる。
【実施例2】
【0043】
次に本発明の実施例2について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所には同一符号を付し、説明は省略する。図7は実施例2の特殊インクと無線ICタグが付着した状態の紙幣の一部を示す説明図、図8は実施例2のリーダと紙幣との位置関係を示す斜視図である。
【0044】
無線ICタグ25とリーダ27間の送受信は、それぞれの情報の読取面であるアンテナ面が平行となる位置関係、すなわちアンテナ面に対して垂直方向に送受波が通過する場合が最も安定する。一方、無線ICタグ25のアンテナ面とリーダ27のアンテナ面との位置関係が平行でない状態では、無線ICタグ25とリーダ27間の送受信性能は低下し、対向する互いのアンテナ面が平行状態から角度を持つに従って送受信性能は低下する。
【0045】
紙幣5に付着した無線ICタグ25のアンテナ面は、紙幣5の搬送面、すなわち搬送路面に対して常に水平になるように付着するとは限らず、図7に示すように、無線ICタグ25の全面が紙幣5の面に付着せず、無線ICタグ25の一部が紙幣5の面から離れ、傾いた状態で付着する場合がある。このような場合にはリーダ27のアンテナ面と無線ICタグのアンテナ面との位置関係が平行とはならないので送受信性能が低下し、リーダ27が無線ICタグ25を検出する性能が低下する可能性がある。
【0046】
本実施例においては、図8に示すように、複数のリーダ27(27a、27b、27c)が、それぞれのアンテナ面が紙幣5の搬送面(搬送路6)に対して互いに異なる角度で対向するように搬送路6上に配設されている。すなわち、リーダ27aは、該リーダ27aのアンテナ面と紙幣5の搬送面との位置関係が平行であるように搬送路6上に配設されており、リーダ27bとリーダ27cは、それぞれのアンテナ面と紙幣5の搬送面との位置関係が平行でないように、傾いた状態で搬送路6上に配設されている。なお、リーダ27bとリーダ27cの紙幣5の搬送面に対する傾き方向は反対となっている。従って、リーダ27a、27b、27cのアンテナ面はそれぞれ異なった角度で紙幣5の搬送面に対向することになり、これによりリーダ27a、27b、27cのアンテナ面の送受波方向は紙幣5の搬送面に対してそれぞれ異なった角度となる。なお、その他の自動取引装置1の構成は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0047】
次に特殊インク14が付着した紙幣5が自動取引装置1に挿入されたときの自動取引装置1の動作について説明する。なお、紙幣5がリーダ27に到達するまでの自動取引装置1の動作は実施例1と同様であるので説明は省略し、ここでは紙幣5がリーダ27に到達してからの動作について説明する。
【0048】
無線ICタグ25が付着した紙幣5がリーダ27a、27b、27cに到達すると、無線ICタグ25の傾きに応じてリーダ27a、27b、27cのいずれかのリーダ27のアンテナからの電波を無線ICタグ25のアンテナが受信し、リーダ27(ここではリーダ27bとする)から無線ICタグ25に対して電力が供給される。これにより無線ICタグ25は不揮発性メモリのタグ識別情報エリアに書き込まれているタグ識別情報をリーダ27bに対して発信する。リーダ27bは無線ICタグ25から発信されたタグ識別情報を受信して復号化し、リーダ制御部28に送信する。
【0049】
リーダ制御部28はリーダ27から受信した、無線ICタグ25から読み取ったタグ識別情報から、今回検出した紙幣5は盗難された紙幣であると判断すると、搬送制御部29から送信されてくる紙幣5の搬送情報に基づき、タグ識別情報を発信した紙幣5を特定し、搬送制御部29に対して該特定した紙幣5を通知する。搬送制御部29はリーダ制御部28から返却すべき紙幣5の情報を受信すると、該返却すべき紙幣5の位置を、搬送監視センサ30からの信号から判断し、返却紙幣5を接客部4へと搬送するように図示せぬブレードの切り替え制御を行う。そして接客部4へと紙幣5を搬送する。なお、これ以降の自動取引装置1の動作は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0050】
このように、傾いた状態で無線ICタグ25が付着している紙幣5が搬送路6上を搬送されても、傾いた状態で搬送路6上に配設されているリーダ27b、あるいは27cが無線ICタグ25を検出することができる。
【0051】
以上本発明の実施例2においては、複数のリーダ27(27a、27b、27c)が、それぞれのアンテナ面が紙幣5の搬送面(搬送路6)に対して互いに異なる角度で対向するように搬送路6上に配設されていることにより、紙幣5に付着した無線ICタグ25のアンテナ面の向きがリーダ27のアンテナ面と平行でなくても、アンテナ面の向きに適したいずれかのリーダ27で無線ICタグ25を検出することができるので、リーダ27が無線ICタグ25を検出する性能を向上させることができ、その結果、盗難紙幣の検出性能を更に向上させることができる。
【実施例3】
【0052】
次に本発明の実施例3について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所には同一符号を付し、説明は省略する。図9は実施例3のインクパックの内部の状態を示す説明図、図10は実施例3のインク噴射機の構成を示す説明図、図11は実施例3のインクパックの内部の状態を示す説明図である。
【0053】
特殊インク14に混入された無線ICタグ25は、特殊インク14との密度の違いにより、インクパック15が長時間に渡り同じ向きで設置されると、図9に示すように特殊インク14の中の無線ICタグ25が沈殿、凝集する場合があり、インクパック15の上方には無線ICタグ25がなく、下部に無線ICタグ25が集まる状態となる。このような状態で特殊インク14が噴射されると、無線ICタグ25が含まれていない特殊インク25が付着する紙幣5と、無線ICタグ25が含まれている特殊インク25が付着する紙幣5とが発生し、無線ICタグ25をほぼ均等に紙幣5に付着させることが不可能となってしまう。
【0054】
本実施例においては、図10に示すように、インクパック15に密着した状態で超音波を発信する加振手段である超音波発信器31が配設されている。この超音波発信器31には駆動ドライバ32が接続されており、駆動ドライバ32には更に該駆動ドライバ32の駆動を制御する駆動制御部33が接続されている。駆動制御部33は超音波発信器31に電力が供給されている間常に、若しくは定期的に駆動ドライバ32に対して駆動信号を送信し、駆動ドライバ32はこの駆動信号を受信すると超音波発信器31を駆動させる。超音波発信器31が駆動状態となると超音波を発信してインクパック15を加振する。この振動により沈殿した無線ICタグ25が図11に示すように特殊インク14中を流動し、特殊インク14中に拡散する。
【0055】
無線ICタグ25が特殊インク14中を流動し、拡散している状態で自動取引装置1が外部から攻撃を受け特殊インク14が噴射されると、特殊インク14と共に全ての紙幣5にほぼ均等に無線ICタグ25を付着させることができる。なお、その他の自動取引装置1の構成は実施例1と同様であるので説明は省略し、また特殊インク14が付着した紙幣5が自動取引装置1に挿入されたときの自動取引装置1の動作についても実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0056】
以上本発明の実施例3においては、インクパック15を加振する超音波発信機31を設けたことにより、特殊インク14が噴射されたときに、特殊インク14と共に全ての紙幣5にほぼ均等に無線ICタグ25を付着させることができる。その結果、盗難紙幣の検出性能を更に向上させることができる。
【0057】
なお、本実施例では加振手段として超音波発信器31を設けたが、機械的な加振機を用いて加振することも可能である。また、インクパック15に加振手段を密着させて加振する構成としたが、噴射機12の外側に密着させて加振する構成としても良い。
【0058】
上記実施例1、実施例2、実施例3において、自動取引装置1が盗難された紙幣5を検出すると、盗難された紙幣5が自動取引装置1内に挿入されたことを、盗難された紙幣5を入金しようとした口座の口座番号と共に記憶部に記憶するようにしても良い。また、盗難された紙幣5を検出すると直ちに、該盗難された紙幣5が挿入された自動取引装置1を管理する管理センタに知らせるようにしても良い。これにより、盗難された紙幣5に対して直ちに自動取引装置1の管理者が対応を取ることができる。
【実施例4】
【0059】
次に本発明の実施例4について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所には同一符号を付し、説明は省略する。図12は実施例4の無線ICタグの構成を示す説明図である。
【0060】
図12において、特殊インク14に混入される無線ICタグ25には実施例1と同様に不揮発性メモリ34が搭載されている。不揮発性メモリ34には、上記実施例1と同様に盗難紙幣であることを示す情報が書き込まれるタグ識別情報エリア34aが形成されていると共に、装置特定情報エリア34bが形成されており、タグ識別情報エリア34aと、装置特定情報エリア34bには、無線ICタグ25がインクパック15に内蔵される前に情報が書き込まれる。装置特定情報エリア34bに書き込まれる情報は、不揮発性メモリ34が搭載される無線ICタグ25を内蔵する自動取引装置1を特定する情報、例えば無線ICタグ25が内蔵された自動取引装置1の機種番号であり、自動取引装置1との整合が取れるように、自動取引装置1の機種番号と共に、製造元、販売元、若しくは使用者が書き込む情報の管理を行う。
【0061】
次に特殊インク14が付着した紙幣5が自動取引装置1に挿入されたときの自動取引装置1の動作について説明する。なお、紙幣5がリーダ27に到達するまでの自動取引装置1の動作は実施例1と同様であるので説明は省略し、ここでは紙幣5がリーダ27に到達してからの動作について説明する。
【0062】
無線ICタグ25が付着した紙幣5がリーダ27に到達すると、リーダ27のアンテナからの電波を無線ICタグ25のアンテナが受信し、リーダ27から無線ICタグ25に対して電力が供給される。これにより無線ICタグ25は不揮発性メモリ34のタグ識別情報エリア34aからタグ識別情報を、また装置特定情報エリア34bから自動取引装置1の機種番号をリーダ27に対して発信する。リーダ27は無線ICタグ25から発信されたタグ識別情報と、自動取引装置1の機種番号を受信して復号化し、リーダ制御部28に送信する。
【0063】
リーダ制御部28はリーダ27から受信した、無線ICタグ25から読み取ったタグ識別情報から、今回検出した紙幣5は盗難された紙幣であると判断すると、搬送制御部29から送信されてくる紙幣5の搬送情報に基づき、タグ識別情報を発信した紙幣5を特定し、搬送制御部29に対して該特定した紙幣5を通知する。搬送制御部29はリーダ制御部28から返却すべき紙幣5の情報を受信すると、該返却すべき紙幣5の位置を、搬送監視センサ30からの信号から判断し、返却紙幣5を接客部4へと搬送するように図示せぬブレードの切り替え制御を行う。そして接客部4へと紙幣5を搬送する。なお、これ以降の自動取引装置1の動作は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0064】
また、リーダ制御部28はリーダ27から受信した、自動取引装置1の機種番号を主制御部3に送信する。主制御部3は機種番号を受信すると自動取引装置1に搭載されているハードディスク等に、紙幣5が盗難された自動取引装置1として機種番号を記憶する。製造元、販売元、若しくは使用者はハードディスクから紙幣5が盗難された自動取引装置1の機種番号を読み出すことで、入金された紙幣5がどの自動取引装置1から盗まれた紙幣なのかを特定することができる。
【0065】
また、ハードディスク等に、紙幣5が盗難された自動取引装置1として機種番号を記憶する際に、盗難された紙幣5を入金しようとした口座の口座番号も合わせて記憶するようにしても良い。更に、ハードディスク等に記憶するだけではなく、盗難された紙幣5を検出すると直ちに、該盗難された紙幣5が挿入された自動取引装置1を管理する管理センタに知らせるようにしても良い。これにより、盗難された紙幣5に対して直ちに自動取引装置1の管理者が対応を取ることができる。
【0066】
以上本発明の実施例4においては、不揮発性メモリ34に、該不揮発性メモリ34が搭載される無線ICタグ25を内蔵する自動取引装置1を特定する情報を書き込むことにより、自動取引装置1が盗難された紙幣5を検出した場合に、破壊され、紙幣5が盗難された自動取引装置1を特定することができるので、紙幣5の盗難事件を特定することができ、事件解決の手掛かりとすることができる。その結果、機器破壊による紙幣5の盗難の防止、及び抑止効果を更に向上させることができる。
【0067】
なお、上記実施例1、実施例2、実施例3、実施例4においては、無線ICタグ検出機構26を自動取引装置1に設けているが、紙幣が挿入される機器、例えば入金専用機、紙幣整理器、計数機等に設けることができる。また、インク噴射機11においては、手持ち金庫、設置型金庫、あるいは銀行の夜間金庫、更にアタッシュケースに搭載することができる。
【実施例5】
【0068】
次に本発明の実施例5について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所には同一符号を付し、説明は省略する。図13は実施例5のキャッシュレジスタを示す斜視図、図14は実施例5のキャッシュトレイの構成を示す説明図、図15は実施例5のキャッシュレジスタの制御系を示すブロック図である。
【0069】
図13において、キャッシュレジスタ41には、装置外部に知らせる情報を表示する表示部42と、顧客が紙幣5を載置する載置部であるキャッシュトレイ43と、店員により操作され、キャッシュレジスタ41に知らせる情報が入力される情報入力部44と、現金を保管する現金保管部45が設けられている。なお、本実施例ではキャッシュレジスタとしたが、POSレジスタでも良い。
【0070】
図14に示すように、キャッシュトレイ43は内部に、送受波用のアンテナ47、動力伝送部、及びデータ送受信部等を備えたリーダ46を備えている。リーダ46はアンテナ47との通信制御が可能であると共に、キャッシュレジスタ41とI/F回線48で接続されており、キャッシュレジスタ41ともまた通信制御が可能となっている。
【0071】
図15に示すように、キャッシュレジスタ41にはリーダ46を制御するリーダ制御部49が設けられており、リーダ46がアンテナ47を介して無線ICタグ25から受信した情報はリーダ制御部49に送信され、該リーダ制御部49は受信した情報を解析する。またキャッシュレジスタ41には、キャッシュレジスタ41全体を制御する制御手段である主制御部50が設けられており、主制御部50にはリーダ制御部49と、表示部42が接続されている。なお、本実施例においても、無線ICタグ25の不揮発性メモリのタグ識別情報エリア書き込まれている情報は、盗難紙幣であることを示す情報である。
【0072】
次に特殊インク14が付着した紙幣5がキャッシュトレイ43に置かれたときのキャッシュレジスタ41の動作について説明する。
【0073】
無線ICタグ25が付着した紙幣5がキャッシュトレイ43に置かれると、リーダ46のアンテナからの電波を無線ICタグ25のアンテナが受信し、リーダ46から無線ICタグ25に対して電力が供給される。これにより無線ICタグ25は不揮発性メモリのタグ識別情報エリアに書き込まれているタグ識別情報(盗難紙幣であることを示す情報)をリーダ46に対して発信する。リーダ46は無線ICタグ25から発信されたタグ識別情報を受信して復号化し、リーダ制御部49に送信する。
【0074】
リーダ制御部49はリーダ46から受信した、無線ICタグ25から読み取ったタグ識別情報から、今回検出した紙幣5は盗難された紙幣であると判断すると、主制御部50に盗難された紙幣が含まれていることを示す信号を送信する。主制御部50はこの信号を受信すると表示部42に対して盗難された紙幣がキャッシュトレイ43上に存在することを示す情報を、文言、予め定められたコード、若しくは点滅表示等により表示させる信号を送信する。表示部42はこの信号を受けて、盗難された紙幣がキャッシュトレイ43上に置かれていることを示す情報を、文言、予め定められたコード、若しくは点滅表示等により表示させてキャッシュレジスタ41を担当している店員に知らせる。店員は表示部42の表示内容を確認して、紙幣5の受け取りの拒否や、警察への通報等を行う。
【0075】
以上本発明の実施例5においては、リーダ46をキャッシュトレイ43に設け、盗難紙幣を検出すると表示部42にキャッシュトレイ43上に盗難紙幣が存在することを表示させることにより、紙幣5に対する特殊インク14の付着領域が小さく、紙幣5の絵柄や紙幣5に付着した汚れとの区別が難しく、見た目での判断が困難であっても、盗難紙幣であることを容易に装置が認識し、表示部42に表示させることができる。その結果、店員が盗難紙幣を認識することができ、受け取りの拒否や、警察への通報等が可能となり、機器破壊による紙幣5の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる。
【0076】
なお、本実施例においては、盗難紙幣がキャッシュトレイ43に置かれたことを画面表示により表示させているが、LED等のランプの点灯や明滅により表示させて、店員に通知するようにしても良い。また、リーダ制御部49、主制御部50の機能、及びLED等のランプをキャッシュトレイ43に備えることで、キャッシュレジスタ41に接続することなく、キャッシュトレイ43単独で、無線ICタグ25が付着した紙幣5の検出、及び店員への通知が可能となる。
【0077】
更に、シート状に形成したリーダ46を支払いカウンタ上に配設し、キャッシュレジスタ41に接続しても良い。これにより、顧客が支払いカウンタ上に現金を置いた場合にも、盗難紙幣を検出することができ、店員への通知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施例1の自動取引装置の構成を示す説明図である。
【図2】実施例1のインク噴射機の構成を示す説明図である。
【図3】実施例1のインクパック内の特殊インクと無線ICタグの状態を示す説明図である。
【図4】実施例1の特殊インクと無線ICタグが付着した状態の紙幣を示す説明図である。
【図5】実施例1の無線ICタグ検出機構の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例1のリーダと紙幣との位置関係を示す斜視図である。
【図7】実施例2の特殊インクと無線ICタグが付着した状態の紙幣の一部を示す説明図である。
【図8】実施例2のリーダと紙幣との位置関係を示す斜視図である。
【図9】実施例3のインクパックの内部の状態を示す説明図である。
【図10】実施例3のインク噴射機の構成を示す説明図である。
【図11】実施例3のインクパックの内部の状態を示す説明図である。
【図12】実施例4の無線ICタグの構成を示す説明図である。
【図13】実施例5のキャッシュレジスタを示す斜視図である。
【図14】実施例5のキャッシュトレイの構成を示す説明図である。
【図15】実施例5のキャッシュレジスタの制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
1 自動取引装置
5 紙幣
8 万円券金庫
9 万円券金庫
10 千円券金庫
11 インク噴射機
14 特殊インク
25 無線ICタグ
27 リーダ
31 超音波発信器
34 不揮発性メモリ
41 キャッシュレジスタ
42 表示部
43 キャッシュトレイ
46 リーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を収納する金庫と、インクを貯蔵する貯蔵器とを備え、装置への衝撃が所定の値を超えると前記貯蔵器に貯蔵したインクを紙幣に噴射する紙幣収納装置において、
貯蔵する前記インクの中に特定の情報を記憶する無線ICタグを混入させておき、装置への衝撃が所定の値を超えインクを紙幣に噴射させたときに前記無線ICタグをインクと共に紙幣に付着させることを特徴とする紙幣収納装置。
【請求項2】
前記貯蔵器を加振させる加振手段を設けた請求項1記載の紙幣収納装置。
【請求項3】
紙幣を取り込み、紙幣に付着した無線ICタグから前記特定の情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取った前記特定の情報から盗難紙幣であると判定する判定手段とを設けたことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項4】
前記無線ICタグは更に、インクが噴射された紙幣を収納する紙幣収納装置を特定する情報を記憶する請求項3記載の紙幣取扱装置。
【請求項5】
前記読取手段は、紙幣が搬送される搬送路に複数設けられ、情報の読取面が前記搬送路に対して互いに異なる角度で配設される請求項3記載の紙幣取扱装置。
【請求項6】
前記読取手段は、顧客が紙幣を載置する載置部に設けられる請求項3記載の紙幣取扱装置。
【請求項7】
装置外部に知らせる情報を表示する表示部と、
前記判定手段が盗難紙幣を検出すると、前記表示部に、前記載置部上に盗難紙幣が存在することを表示させる制御手段とを設けた請求項6記載の紙幣取扱装置。
【請求項8】
紙幣を収納する金庫と、特定の情報を記憶する無線ICタグが混入された状態でインクを貯蔵する貯蔵器とを備え、装置への衝撃が所定の値を超えると前記貯蔵器に貯蔵したインクを紙幣に噴射させることにより前記無線ICタグをインクと共に紙幣に付着させる紙幣収納装置と、
紙幣を取り込み、紙幣に付着した無線ICタグから前記特定の情報を読取る読取手段と、該読取手段により読取った前記特定の情報から盗難紙幣であると判定する判定手段とを設けた紙幣取扱装置とから構成されることを特徴とする盗難紙幣検出システム。
【請求項9】
前記無線ICタグは更に、インクが噴射される紙幣を収納する紙幣収納装置を特定する情報を記憶する請求項8記載の盗難紙幣検出システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−252413(P2006−252413A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70952(P2005−70952)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】