紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置
【課題】本発明は、紙葉類の搬送効率の低下を防止する。
【解決手段】本発明は、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えることにより、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができ、かくして紙葉類の搬送効率の低下を防止することができる。
【解決手段】本発明は、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えることにより、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができ、かくして紙葉類の搬送効率の低下を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置に関し、例えば、現金の入金及び出金を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置は、紙幣の入金取引の際、顧客により接客部に投入された紙幣を、鑑別部に搬送して金種や状態等を鑑別した後、引き続き一時保留部に搬送することにより、当該一時保留部に保持して入金を一時的に保留する。
【0003】
そして自動取引装置は、一時保留部に紙幣を保持した状態で、顧客により入金の金額が確認されると、当該一時保留部から保持していた紙幣を再び鑑別部に搬送して鑑別した後、引き続き紙幣収納カセットに搬送して収納する。
【0004】
ただし、自動取引装置は、一時保留部に紙幣を保持した状態で、顧客により紙幣の返却が要求されると、当該一時保留部から保持していた紙幣を接客部に搬送して顧客に返却する。
【0005】
また自動取引装置は、紙幣の出金取引の際、顧客により引出金額が指定されると、紙幣収納カセットから引出金額分の紙幣を鑑別部に搬送して鑑別した後、接客部に搬送して顧客に引き渡す。
【0006】
さらに自動取引装置は、例えば、出金取引の際、接客部に顧客によって取り忘れられた取忘紙幣が存在すると、当該接客部から取忘紙幣を鑑別部に搬送して鑑別した後、紙幣収納カセットに搬送して収納し保管する。
【0007】
ただし、自動取引装置は、この際、紙幣収納カセットに収納した取忘紙幣の金種や金額等の情報を取忘紙幣情報として記憶しておく。
【0008】
そして自動取引装置は、顧客により取忘紙幣の返却が要求されると、紙幣収納カセットから紙幣を鑑別部に搬送して鑑別すると共に、取忘紙幣情報に従い、鑑別部で鑑別した紙幣が顧客に返却すべき取忘紙幣に該当するか否かを判別する。
【0009】
その結果、自動取引装置は、鑑別部で鑑別した紙幣のうち、顧客に返却すべき取忘紙幣に該当する紙幣については、当該鑑別部から接客部に搬送して顧客に返却する。
【0010】
これに対し自動取引装置は、鑑別部で鑑別した紙幣のうち、顧客に返却すべき取忘紙幣に該当しない紙幣については、当該鑑別部から一部保留部に搬送して保持しておき、顧客へ取忘紙幣を返却した後、一時保留部から紙幣収納カセットに搬送して収納する。
【0011】
このようにして自動取引装置は、顧客の所望する紙幣の入金取引や引出取引を行うと共に、顧客により接客部から取り忘れられた紙幣については返却するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−272024公報(第7頁、第12頁、第13頁、図4、図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、係る構成の自動取引装置は、例えば、鑑別部から接客部までの間に搬送路が配置されると共に、当該搬送路上の所定位置から一時保留部までの間にも搬送路が配置されている。
【0014】
因みに、以下の説明では、鑑別部及び接客部間の搬送路の所定位置から一時保留部までの間に配置された搬送路を、特に保留側搬送路とも呼ぶ。
【0015】
また、以下の説明では、鑑別部から接客部までの間に配置された搬送路において、当該鑑別部から所定位置までを、特に鑑別側搬送路とも呼び、当該所定位置から接客部までを、特に接客側搬送路とも呼ぶ。
【0016】
そして自動取引装置は、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路の接続箇所で、紙幣を搬送する搬送路を、当該鑑別側搬送路、接客側搬送路、保留側搬送路の何れかに切り換えている。
【0017】
これにより自動取引装置は、上述のように鑑別部から紙幣を、鑑別側搬送路及び保留側搬送路を順次介して一時保留部へ搬送し、一時保留部から紙幣を、保留側搬送路及び鑑別側搬送路を順次介して鑑別部に搬送する。
【0018】
また自動取引装置は、一部保留部から紙幣を、保留側搬送路及び接客側搬送路を順次介して接客部に搬送し、鑑別部から紙幣を、鑑別側搬送路及び接客側搬送路を順次介して接客部に搬送する。さらに自動取引装置は、一時保留部から紙幣を、保留側搬送路及び鑑別側搬送路を順次介して鑑別部に搬送する。
【0019】
ところが、自動取引装置では、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路を例えば、90度以下の角度で接続していると、紙幣が、これらの接続箇所を通る際、搬送方向の急激な変化により、先端を鑑別側搬送路、接客側搬送路又は保留側搬送路の壁等に引っ掛けて形を崩して停滞する、いわゆるジャムが発生し易くなる。
【0020】
そして自動取引装置では、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路の接続箇所の付近で紙幣のジャムが発生すると、その紙幣を取り除く間、他の紙幣の搬送を停止させる必要があり、搬送効率が低下するという問題があった。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、紙葉類の搬送効率の低下を防止し得る紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
かかる課題を解決するため本発明においては、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるようにした。
【0023】
従って本発明では、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるようにしたことにより、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができ、かくして紙葉類の搬送効率の低下を防止し得る紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による現金自動預払機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
【図2】第1の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図3】円弧状搬送路及び切換部の構成を示す略線図である。
【図4】第2円弧状搬送路の構成を示す略線図である。
【図5】切換ブレードの構成を示す略線図である。
【図6】切換ブレードによる搬送路の切り換えの説明に供する略線図である。
【図7】第2の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図8】第3の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図9】第4の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図10】他の実施の形態による搬送路の接続箇所に対する切換部の配置の説明に供する略線図である。
【図11】他の実施の形態による第1円弧状搬送路の構成を示す略線図である。
【図12】他の実施の形態による保留側搬送路の構成を示す略線図である。
【図13】他の実施の形態によるカセット側搬送路の構成示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)第3の実施の形態
(4)第4の実施の形態
(5)他の実施の形態
【0027】
(1)第1の実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。かかる現金自動預払機1は、略箱型の装置筐体2を有している。
【0028】
装置筐体2の前側上端部には、当該装置筐体2の前面2Aよりも後面2B側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。
【0029】
因みに、以下の説明では、装置筐体2の前面2Aを、装置前面2Aとも呼び、当該装置筐体2の後面2Bを、装置後面2Bとも呼ぶ。
【0030】
そして、以下の説明では、装置前面2Aから装置後面2Bへ向かう方向を、後方向とも呼び、当該装置後面2Bから装置前面2Aへ向かう方向を、前方向とも呼ぶ。
【0031】
また、以下の説明では、装置筐体2の上面2Cを、装置上面2Cとも呼び、装置筐体2の下面から装置上面2Cへ向かう方向を、上方向とも呼び、当該装置上面2Cから装置筐体2の下面へ向かう方向を、下方向とも呼ぶ。
【0032】
さらに、以下の説明では、装置筐体2をフロントパネル3と対峙して見た場合の左の側面2Dを、装置左側面2Dとも呼び、右の側面2Eを、装置右側面2Eとも呼ぶ。
【0033】
そして、以下の説明では、装置左側面2Dから装置右側面2Eへ向かう方向を、右方向とも呼び、装置右側面2Eから装置左側面2Dへ向かう方向を、左方向とも呼ぶ。
【0034】
この場合、フロントパネル3において上方向に向くほぼ水平な(すなわち、装置上面2Cとほぼ平行な)上向パネル3Aには、例えば、中央部にタッチスクリーン4が設けられている。
【0035】
またフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、左寄りに、硬貨の投入及び取出用の箱状の硬貨投入取出部5が設けられている。
【0036】
さらにフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、右寄りに、長方形の紙幣の投入及び取出用の箱状の紙幣投入取出部6が設けられている。
【0037】
因みに、タッチスクリーン4は、種々の操作画像を表示するための液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのような表示部の表示面上に、操作入力用の透明なタッチパネルが貼着されて形成されている。
【0038】
また硬貨投入取出部5及び紙幣投入取出部6の開口には、それぞれ取引内容に応じて当該開口を開放及び閉塞するためのシャッタが開閉自在に設けられている。
【0039】
一方、フロントパネル3において前方向に向くほぼ垂直な(すなわち、装置前面2Aとほぼ平行な)前向パネル3Bには、例えば、左寄りに、通帳を挿入し、また当該通帳や取引明細書を排出するための通帳挿入排出口7が設けられている。
【0040】
またフロントパネル3において前向パネル3Bには、例えば、右寄りに、キャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入及び排出するためのカード挿入排出口8も設けられている。
【0041】
因みに、装置筐体2の内部には、通帳挿入排出口7の奥側に、通帳に記録されている口座番号のような顧客情報等を読み取り、また取引内容等を通帳や取引明細書に印刷するための読取印刷処理部(図示せず)が設けられている。
【0042】
また装置筐体2の内部には、カード挿入排出口8の奥側に、種々のカードに記録されている顧客の口座番号や金融機関コード等の顧客情報等を読み取るためのカード処理部(図示せず)が設けられている。
【0043】
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に操作画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて操作画像を適宜切り換えて表示する。
【0044】
これにより現金自動預払機1は、顧客に操作画面を介して、現金の預け入れのような入金や払い出しのような出金等の所望の取り引きの手順を案内する。
【0045】
そして現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8に通帳やカードを挿入させ、また硬貨投入取出部5内や紙幣投入取出部6内に硬貨や紙幣を投入させる。
【0046】
また現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせ、また硬貨投入取出部5や紙幣投入取出部6を介して硬貨や紙幣を受け取らせる。
【0047】
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する現金の入金や出金等の取り引きを行うことができる。
【0048】
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2を用いて現金自動預払機1の内部構成を説明する。ただし、以下では、本発明が紙葉類の搬送に関するものであるため、紙葉類としての紙幣の取扱部分を中心に説明し、硬貨の取扱部分等については説明を省略する。
【0049】
現金自動預払機1内には、上述の紙幣投入取出部6において開口に設けられたシャッタ(図示せず)を除く部分が収納されている。
【0050】
この場合、紙幣投入取出部6内には、複数の紙幣を例えば、当該紙幣の一方の長辺を下側にして立てた横立状態で載上するための載上台6Aが設けられている。
【0051】
また紙幣投入取出部6内には、載上台6Aの下側前寄りに、当該載上台6A上の複数の紙幣を1枚ずつ分離して下方向へ繰り出すための分離繰出機構6Bが設けられている。
【0052】
さらに紙幣投入取出部6内には、載上台6Aの下側後寄りに、当該紙幣投入取出部6の下側から上方向に1枚ずつ搬送された紙幣を順次取り込んで載上台6A上に横立状態で載上するための取込集積機構6Cが設けられている。
【0053】
さらに紙幣投入取出部6内には、載上台6A上の紙幣の収納空間を所望の位置で前後に仕切るような仕切板6Dが、前方向及び後方向に移動可能に設けられている。
【0054】
そして現金自動預払機1内には、紙幣投入取出部6の下側に、紙幣の金種や状態等を鑑別する鑑別部10が配置されている。
【0055】
また現金自動預払機1内には、紙幣投入取出部6の後側に、例えば、紙幣の入金の際、当該紙幣を内部に取り込んで一旦保持して、入金を一時的に保留する一時保留部11が配置されている。
【0056】
因みに、一時保留部11内には、前側から後方向に1枚ずつ搬送された紙幣を当該一時保留部11内に取り込むと共に、一時保留部11内の紙幣を1枚ずつ分離して前方向に繰り出すための取込繰出機構11Aが設けられている。
【0057】
さらに現金自動預払機1の内部には、鑑別部10及び一時保留部11の下側に下部ユニット12が配置されている。下部ユニット12には、紙幣を金種毎に収納する複数の紙幣収納カセット(図示せず)が設けられている。
【0058】
また下部ユニット12には、鑑別部10側から搬送された紙幣を、金種に応じた紙幣収納カセットへ振り分けるように搬送すると共に、複数の紙幣収納カセットから繰り出された紙幣を鑑別部10側に搬送する搬送路13(以下、これを振分搬送路とも呼ぶ)13等も設けられている。
【0059】
そして現金自動預払機1内には、これら紙幣投入取出部6、鑑別部10、一時保留部11及び下部ユニット12間で紙幣を搬送するための複数の搬送路が配置されている。
【0060】
すなわち、紙幣投入取出部6の下側には、分離繰出機構6Bの紙幣繰出端に一端が接続された略L字状の搬送路(以下、これを繰出側搬送路とも呼ぶ)15が、一端部を上方向と平行にし、他端を後方向に向けて鑑別部10の前側の紙幣取込排出口(以下、これを鑑別前側取込排出口とも呼ぶ)と対向させるように配置されている。
【0061】
また紙幣投入取出部6の下側には、一端が繰出側搬送路15の他端と接続され、かつ他端が鑑別前側取込排出口と接続された直線状の搬送路(以下、これを前側搬送路とも呼ぶ)16が、後方向と平行に配置されている。
【0062】
さらに紙幣投入取出部6の下側には、後方向に向けた一端が繰出側搬送路15の他端及び前側搬送路16の一端と接続され、かつ他端が振分搬送路13の一端と接続された略L字状の搬送路(以下、これをユニット側搬送路とも呼ぶ)17が、他端部を上方向と平行にして配置されている。
【0063】
また繰出側搬送路15、前側搬送路16及びユニット側搬送路17の接続箇所の近傍には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部18が配置されている。
【0064】
切換部18は、繰出側搬送路15を介して搬送される紙幣を、前側搬送路16に導くように、当該紙幣の搬送方向を切り換える。
【0065】
また切換部18は、前側搬送路16を介して搬送される紙幣を、ユニット側搬送路17に導き、又は当該ユニット側搬送路17を介して搬送される紙幣を、前側搬送路16に導くように、当該紙幣の搬送方向を切り換える。
【0066】
このようにして切換部18は、前側搬送路16と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、繰出側搬送路15及びユニット側搬送路17の一方に切り換える。
【0067】
一方、紙幣投入取出部6と、鑑別部10と、一時保留部11との間には、当該紙幣投入取出部6と、鑑別部10と、一時保留部11とを互いに接続して紙幣を搬送するための複数の搬送路を有する紙幣搬送部19が設けられている。
【0068】
紙幣搬送部19は、鑑別部10に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路20と、一時保留部11に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路21と、紙幣投入取出部6に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路22とを有している。
【0069】
因みに、以下の説明では、鑑別部10に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路20を、鑑別側搬送路20とも呼び、一時保留部11に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路21を、保留側搬送路21とも呼ぶ。
【0070】
また、以下の説明では、紙幣投入取出部6に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路22を、投入取出側搬送路22とも呼ぶ。
【0071】
鑑別側搬送路20は、直線状に形成された搬送路(以下、これを後側搬送路とも呼ぶ)23と、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第1円弧状搬送路とも呼ぶ)24とから構成されている。
【0072】
後側搬送路23は、後方向と平行な姿勢で、一端が鑑別部10の紙幣取込排出口(以下、これを鑑別後側取込排出口とも呼ぶ)に接続されて配置されている。
【0073】
また第1円弧状搬送路24は、円弧の外側のほとんどを後方向に向けた姿勢で、一端が後側搬送路23の他端に接続され、他端を取込集積機構6Cの近傍に位置させるように配置されている。
【0074】
保留側搬送路21は、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第2円弧状搬送路とも呼ぶ)25と、一端部が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第3円弧状搬送路とも呼ぶ)26とから構成されている。
【0075】
第2円弧状搬送路25は、円弧の外側を前方向に向けた姿勢で、一端が第1円弧状搬送路24の所定の接続位置(以下、これを第1接続位置とも呼ぶ)に接続されて配置されている。
【0076】
また第3円弧状搬送路26は、円弧の外側を前方向に向けた姿勢で、一端が第2円弧状搬送路25の他端に接続されると共に、他端が取込繰出機構11Aの取込繰出端に接続されて当該第2円弧状搬送路25の円弧を一時保留部11側へ延長させたように配置されている。
【0077】
投入取出側搬送路22は、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第4円弧状搬送路とも呼ぶ)27と、一端部と中央部とが円弧状に形成された搬送路(以下、これを第5円弧状搬送路とも呼ぶ)18とから構成されている。
【0078】
第4円弧状搬送路27は、円弧の外側を後方向に向けた姿勢で、一端が第2円弧状搬送路25の他端及び第3円弧状搬送路26の一端に接続されると共に、他端が第1円弧状搬送路24の他端に接続されて配置されている。
【0079】
また第5円弧状搬送路28は、一端部の円弧の外側を後斜下側に向け、かつ中央部の円弧の外側を前斜下側に向けた姿勢で、一端が第1円弧状搬送路24の他端及び第4円弧状搬送路27の他端に接続されると共に、他端が取込集積機構6Cの紙幣取込端に接続されて配置されている。
【0080】
因みに、以下の説明では、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25、第3円弧状搬送路26、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を、特には区別する必要のない場合、これらを単に円弧状搬送路とも呼ぶ。
【0081】
ここで、図3に示すように、第1円弧状搬送路24は、後側搬送路23の他端E1から真上の所定位置を中心(以下、これを第1中心とも呼ぶ)P1とし、当該他端E1から中心P1までの距離を半径(以下、これを第1半径とも呼ぶ)R1とする円の円周を基準に形成されている。
【0082】
すなわち、第1円弧状搬送路24は、係る円周において、第1中心P1から真下に伸びる仮想線との交点を一端E2とし、当該第1中心P1から真上よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端E3として、一端E2及び他端E3間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0083】
そして第1円弧状搬送路24は、一端E2を円周の一点とすることで、その一点での接線上に後側搬送路23を位置させて、当該一端E2に後側搬送路23の他端E1が接続されている。
【0084】
よって第1円弧状搬送路24は、後側搬送路23との間で、紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく受け渡すことができるようにしている。
【0085】
実際に第1円弧状搬送路24には、紙幣を搬送するための搬送駆動部が設けられている。係る搬送駆動部は、ドライブ軸(図示せず)、例えば、円柱状の1つのドライブローラ24A、複数のテンション軸(図示せず)、複数のテンションローラ24B、搬送ガイド24C、モータ(図示せず)等を有している。
【0086】
この場合、ドライブ軸は、第1中心P1に左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持され、一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0087】
またドライブローラ24Aは、第1半径R1と等しい半径を有し、当該ドライブローラ24Aの長手方向に沿って周側面に所定の間隔で、1周に亘る溝部が形成されている。
【0088】
そしてドライブローラ24Aは、中心に孔部(図示せず)が穿設されており、当該中心の孔部を介してドライブ軸に取り付けられている。
【0089】
よって搬送駆動部は、モータを介してドライブ軸を回転駆動することにより、ドライブ軸(すなわち、第1中心P1)を中心にしてドライブローラ24Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0090】
また複数のテンション軸は、第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3までの範囲においてドライブローラ24Aの周側面の近傍に所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして複数のテンション軸は、それぞれ第1中心P1の方向に付勢されている。
【0091】
また複数のテンションローラ24Bは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0092】
さらに複数のテンションローラ24Bは、所定数毎に、中心の孔部を介して1本のテンション軸にドライブローラ24Aの周側面(すなわち、溝部以外)と対向するように所定間隔で取り付けられている。
【0093】
従って搬送駆動部は、複数のテンション軸に対する付勢により、複数のテンションローラ24Bの周側面を、それぞれドライブローラ24Aの周側面に押し付けることができる。
【0094】
よって搬送駆動部は、ドライブローラ24Aを一方向及び他方向に回転させたときには、これに連動させて複数のテンションローラ24Bを、テンション軸を中心にしてドライブローラ24Aとは逆の他方向及び一方向へ回転させることができる。
【0095】
さらに搬送ガイド24Cは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のテンションローラ24Bの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0096】
そして搬送ガイド24Cは、複数の孔部にそれぞれ対応するテンションローラ24Bを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路24の一端E2付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をドライブローラ24Aの周側面に近接させて配置されている。
【0097】
係る構成のもと第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、後述するように後側搬送路23を介して紙幣が搬送された場合、ドライブローラ24Aを一方向に回転させる。
【0098】
これにより第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、一端E2側からドライブローラ24Aと順次1組のテンションローラ24Bとの間に挟み込むように取り込む一方、他端E3側に押し出すようにして第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路28へ搬送する。
【0099】
また第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、後述するように第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、ドライブローラ24Aを他方向に回転させる。
【0100】
これにより第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、他端E3側からドライブローラ24Aと順次1組のテンションローラ24Bとの間に挟み込むように取り取り込む一方、一端E2側に押し出すようにして後側搬送路23へ搬送する。
【0101】
ところで、第1円弧状搬送路24では、円弧の第1半径R1が比較的大きく選定されている。このため第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0102】
よって、第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、ドライブローラ24Aの周側面からの紙幣の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0103】
また第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、仮に紙幣が浮き上がりかけても、ドライブローラ24Aの周側面に近接する搬送ガイド24Cの内面により紙幣を当該ドライブローラ24A側へ押し戻すようにしてドライブローラ24Aと複数のテンションローラ24Bとの間に案内することができる。
【0104】
さらに第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、ドライブローラ24Aの周側面に搬送ガイド24Cの内面を近接させていることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0105】
さらに第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、複数のテンション軸の配置間隔が、例えば、搬送対象の紙幣の短手方向の長さの1/2以下に適宜選定されると共に、その配置間隔と第1円弧状搬送路24の円弧の長さとに応じて当該テンション軸の本数も適宜選定されている。
【0106】
よって第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、ドライブローラ24Aと1組のテンションローラ24Bとの間から搬送中の紙幣の一方の長辺側端部を押し出した際、当該紙幣の長辺側端部をほとんど浮かせることなく、次の1組のテンションローラ24Bで挟み込むことができる。
【0107】
このようにして第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、テンションローラ24Bや、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0108】
一方、第2円弧状搬送路25は、第1中心P1から、真上よりも後側へ30度傾いた方向に2倍の第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第2中心とも呼ぶ)P2とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0109】
すなわち、第2円弧状搬送路25は、係る円周において、第2中心P2から真下よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を一端E4とし、当該第2中心P2から右方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を他端E5として、一端E4及び他端E5間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0110】
そして第2円弧状搬送路25は、第1円弧状搬送路24において第1中心P1及び第2中心P2間を結ぶ仮想線と交差する第1接続位置T1に一端E4が、互いの円弧の外側を対向させるように接続されている。
【0111】
すなわち、第2円弧状搬送路25は、第1円弧状搬送路24に対し、一端E4の接線を、当該第1円弧状搬送路24の第1接続位置T1の接線と一致させて、第1円弧状搬送路24の一端E2から第1接続位置T2までと自身とで緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0112】
よって第2円弧状搬送路25は、後述するように第1円弧状搬送路24の一端E2から第1接続位置T1まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E4で受け取って引き続き他端E5まで搬送することができる。
【0113】
また第2円弧状搬送路25は、後述するように他端E5から一端E4まで搬送した紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく第1円弧状搬送路24に第1接続位置T1で受け取らせて引き続き当該第1円弧状搬送路24に第1接続位置T1から一端E2へと搬送させることができる。
【0114】
実際に図4に示すように、第2円弧状搬送路25には、紙幣を搬送するための搬送駆動部が設けられている。係る搬送駆動部は、複数のドライブ軸(図示せず)、複数のモータ(図示せず)、複数のドライブローラ25A、複数のアイドル軸(図示せず)、複数のアイドルローラ25B、複数の搬送ベルト25C、搬送ガイド25D等を有している。
【0115】
この場合、複数のドライブ軸のうち2本は、例えば、第2円弧状搬送路25の円弧の一端E4を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0116】
また複数のドライブ軸のうち他の2本は、例えば、第2円弧状搬送路25の円弧の他端E5を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして、これら複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0117】
さらに複数のアイドル軸は、円弧の内側の一方のドライブ軸から他方のドライブ軸までの間に、当該円弧に沿って所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0118】
一方、複数のドライブローラ25Aは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0119】
そして複数のドライブローラ25Aは、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0120】
また複数のアイドルローラ25Bは、それぞれドライブローラ25Aと等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0121】
そして複数のアイドルローラ25Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ25Aの取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のアイドル軸に所定間隔で(すなわち、円弧に沿ってドライブローラ25Aと並ぶように)で取り付けられている。
【0122】
さらに複数の搬送ベルト25Cは、それぞれ円弧の内側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ25Aから、複数のアイドルローラ25Bを介して他方のドライブローラ25Aまでに掛けられて、表面の一部を円弧に添わせている。
【0123】
これにより搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ25Aを一方向及び他方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト25Cを、その表面の一部を円弧に添わせた状態で一方向及び他方向に回転させることができる。
【0124】
また複数の搬送ベルト25Cは、それぞれ円弧の外側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ25Aから他方のドライブローラ25Aにも掛けられて、表面の一部を円弧の内側の対向する搬送ベルトの表面の一部に押し付けている。
【0125】
そして搬送駆動部は、円弧の外側に配置されたドライブ軸についてはモータを介して、当該円弧の内側に配置されたドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0126】
よって搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ25Aを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト25Cを、円弧の内側で回転する搬送ベルト25Cに押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0127】
これに加えて搬送ガイド25Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、円弧の外側に位置する複数の搬送ベルト25Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0128】
そして搬送ガイド25Dは、複数の孔部にそれぞれ円弧の外側の対応する搬送ベルト25Dを挿入させて、例えば、第2円弧状搬送路25の一端E4付近から他端E5付近までに亘り、内面を円弧の内側の搬送ベルト25Dの表面に近接させて配置されている。
【0129】
係る構成のもと第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、後述するように第1円弧状搬送路24を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び外側の搬送ベルト25Cを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0130】
これにより第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、一端E4側から、対向する搬送ベルト25Cの間に挟み込むように取り込む一方、他端E5側に押し出すようにして第3円弧状搬送路26へ搬送する。
【0131】
また第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、後述するように第3円弧状搬送路26を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び外側の搬送ベルト25Cを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0132】
これにより第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、他端E5側から、対向する搬送ベルト25Cの間に挟み込むように取り込む一方、一端E4側に押し出すようにして第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0133】
ところで、第2円弧状搬送路25は、円弧の半径が比較的大きな第1半径R1に選定されている。このため第2円弧状搬送路25の搬送駆動部も、第1円弧状搬送路24と同様に紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0134】
よって、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、当該紙幣において搬送ベルト25Cによる挟持部分以外の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0135】
また第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、搬送ガイド25Dの内面を円弧の内側の搬送ベルト25Dの表面に近接させていることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0136】
このようにして第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0137】
ところで、第3円弧状搬送路26(図3)は、第2中心P2を中心とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0138】
すなわち、第3円弧状搬送路26は、係る円周において、第2中心P2から右方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を一端E6とし、当該第2中心P2の真上に伸びる仮想線との交点を第1円弧端位置T2として、一端側が一端E4及び第1円弧端位置T2間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0139】
また第3円弧状搬送路26は、第1円弧端位置T2から他端E7までの他端側が、係る円周の第1円弧端位置T2での接線に沿って(すなわち、水平に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成されている。
【0140】
因みに、以下の説明では、第3円弧状搬送路26において第1円弧端位置T2から他端E7までの他端側の部分を、他端側水平部分とも呼ぶ。
【0141】
そして第3円弧状搬送路26は、一端E6が第2円弧状搬送路25の他端E5に、互いの円弧の外側を同一の右方向へ向けるように接続されている。
【0142】
すなわち、第3円弧状搬送路26は、第2円弧状搬送路25に対し、一端E6の接線を、当該第2円弧状搬送路25の他端E5の接線と一致させて、第2円弧状搬送路25と、自身の一端E6から第1円弧端位置T2までとにより1つの円弧を形成するように接続されている。
【0143】
よって第3円弧状搬送路26は、後述するように第2円弧状搬送路25の一端E4から他端E5まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E6で受け取って引き続き他端E7まで搬送することができる。
【0144】
また第3円弧状搬送路26は、後述するように他端E7から一端E6まで搬送した紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく第2円弧状搬送路25に受け取らせて引き続き当該第2円弧状搬送路25に他端E5から一端E4へと搬送させることができる。
【0145】
実際に第3円弧状搬送路26には、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0146】
よって第3円弧状搬送路26の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0147】
また第4円弧状搬送路27(図3)は、第1中心P1から真上よりも前側へ30度傾いた方向に2倍の第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第3中心とも呼ぶ)P3とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0148】
すなわち、第4円弧状搬送路27は、係る円周において、第3中心P3から左方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を一端E8とし、当該第3中心P3から真下よりも後側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端E9として、一端E4及び他端E5間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0149】
そして第4円弧状搬送路27は、一端E8が第3円弧状搬送路26の一端E6(及び第2円弧状搬送路25の他端E5)に、互いの円弧の外側を対向させるように接続されている。
【0150】
すなわち、第4円弧状搬送路27は、第3円弧状搬送路26(及び第2円弧状搬送路25)に対し、一端E8の接線を、当該第3円弧状搬送路26の一端E6の接線(及び第2円弧状搬送路25の他端E5の接線)と一致させて、第3円弧状搬送路26の第1円弧端位置T2から一端E6までと自身とで緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0151】
よって第4円弧状搬送路27は、後述するように第3円弧状搬送路22の他端E7から一端E6まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E8で受け取って引き続き他端E9まで搬送することができる。
【0152】
実際に第4円弧状搬送路27にも、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0153】
よって第4円弧状搬送路27の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0154】
これに加えて第5円弧状搬送路28(図2及び図3)は、第3中心P3を中心とする第1半径R1の円の円周を基準に一端側が形成されている。
【0155】
すなわち、第5円弧状搬送路28は、係る円周において、第3中心P3から真下よりも後側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を一端E10とし、当該第3中心P3の真下に伸びる仮想線との交点を第2円弧端位置T3として、一端側が一端E10及び第2円弧端位置T3間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0156】
また第5円弧状搬送路28は、第2円弧端位置T3から、取込集積機構6Cの紙幣取込端と接続される他端までが、係る円周の第2円弧端位置T3での接線に沿って(すなわち、水平に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成された後、上方向に屈曲されたように形成されている。
【0157】
因みに、以下の説明では、第5円弧状搬送路28において第2円弧端位置T2から他端までの間で水平な直線状に形成された部分を、一端側水平部分とも呼ぶ。
【0158】
ただし、第5円弧状搬送路28は、第2円弧端位置T3から他端まで間の屈曲部分については、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周を基準として、当該円周の90度の範囲の円弧(すなわち、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周の1/4となる円弧)に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0159】
また第5円弧状搬送路28は、円弧状の屈曲部分から他端までが、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周の接線に沿って(すなわち、垂直に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成されている。
【0160】
そして第5円弧状搬送路28は、一端E10が第4円弧状搬送路27の他端E9に、互いの円弧の外側を同一の後斜下側に向けるように接続されている。
【0161】
すなわち、第5円弧状搬送路28は、第4円弧状搬送路27に対し、一端E10の接線を、当該第4円弧状搬送路27の他端E9の接線と一致させて、第4円弧状搬送路27と共に、これよりも長い1つの円弧を形成するように接続されている。
【0162】
また第5円弧状搬送路28は、一端E10が第1円弧状搬送路24の他端E3にも接続されている。ただし、第5円弧状搬送路28は、第1円弧状搬送路24に対し、一端E10の接線を当該第1円弧状搬送路24の他端E3の接線と一致させて互いの円弧の外側を対向させることで、第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3までと自身の一端E10から第2円弧端位置T3までとにより緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0163】
よって第5円弧状搬送路28は、後述するように第4円弧状搬送路27の一端E8から他端E9まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E10で受け取って引き続き他端まで搬送することができる。
【0164】
また第5円弧状搬送路28は、後述するように第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3まで搬送された紙幣についても、搬送方向を急激に変化させることなく一端E10で受け取って引き続き他端まで搬送することができる。
【0165】
実際に第5円弧状搬送路28には、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0166】
よって第5円弧状搬送路28の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0167】
ところで、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第4円弧状搬送路27は、上述のように円弧の半径が等しく選定され、互いに円弧の外側を対向させて相互に2つの接続位置で接続されている。
【0168】
よって図3からも明らかなように、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第4円弧状搬送路27それぞれの2つの接続位置間の円弧で囲まれた部分には、左方向と平行な略三角筒状の空間(以下、これを搬送路囲空間とも呼ぶ)が形成されている。
【0169】
そして、搬送路囲空間(図2及び図3)には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部29が配置されている。
【0170】
切換部29は、搬送路囲空間において第1中心P1から真上に伸びる仮想線上(すなわち、第1中心P1を通る上方向と平行な仮想線上の当該第1中心P1よりも上側)の所定位置に、左方向と平行に配置されたドライブシャフト(図示せず)を有している。
【0171】
また切換部29は、略楔状の複数の切換ブレード29Aも有しており、当該切換ブレード29Aの中央部には、孔部が穿設されている。
【0172】
そして複数の切換ブレード29Aは、先端の向く方向を揃えた状態で孔部を介してドライブシャフトに、上述のドライブローラ24Aや搬送ベルト25C等の配置位置とは重ならない所定の間隔で取り付けられている。
【0173】
さらに切換部29においてドライブシャフトの一端には、ステッピングモータ(図示せず)の駆動軸が連結されている。
【0174】
これにより切換部29は、ステッピングモータを介してドライブシャフトを回転駆動することにより、当該ドライブシャフトを中心にして複数の切換ブレード29Aを、上述のドライブローラ21Aや搬送ベルト等に干渉させずに一方向及び他方向に回動させることができる。
【0175】
ここで、図5に示すように、切換ブレード29Aは、先端から孔部29AXの中心を通る仮想線L1に関して、当該先端で鋭角に接する(すなわち、V字状に繋がる)一方の側面寄りと他方の側面寄りとが線対称に形成されている。
【0176】
実際に切換ブレード29Aは、一方及び他方の側面の長さが、それぞれ第1円弧状搬送路24の2つの接続位置間(すなわち、第2円弧状搬送路25や第4円弧状搬送路27の2つの接続位置間でもある)の長さよりも僅かに長く選定されている。
【0177】
また切換ブレード29Aは、一方の側面の中央部、及び他方の側面の中央部にそれぞれ、第1円弧状搬送路24の2つの接続位置間の円弧状(すなわち、円弧の形状、長さ及び接続点から頂点までの高さ)と等しい円弧状の切欠部29AY、29AZが形成されている。
【0178】
因みに、以下の説明では、切換ブレード29Aの一方及び他方の側面に形成された円弧状の切欠部29AY、29AZを、円弧状切欠部29AY、29AZとも呼ぶ。
【0179】
そして切換ブレード29Aは、搬送路囲空間で回転した場合、先端の向く方向に応じて、一方の円弧状切欠部29AYと他方の円弧状切欠部29AZとを切り換えて何れかの円弧状搬送路の2つの接続位置間に添わせるように、一方及び他方の側面間の角度が適宜選定されている。
【0180】
これにより図6(A)乃至(C)に示すように、切換部29は、切換ブレード29Aを適宜回転させて2つの円弧状切欠部29AY、29AZのうち一方を、一方の円弧状搬送路の2つの接続位置間に添わせたとき、当該一方又は他方の円弧状搬送路を介して搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく他方又は一方の円弧状搬送路に案内することができる。
【0181】
すなわち、切換部29は、切換ブレード29Aにより、紙幣を一方の円弧状搬送路から他方の円弧状搬送路へと案内するようにして、全体として緩やかな逆S字を描くように搬送させることができる。
【0182】
このようにして切換部29は、切換ブレード29Aを搬送路囲空間で回転させることで、第1円弧状搬送路24と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26と、第5円弧状搬送路28との一方に容易にかつ的確に切り換えることができる。
【0183】
また切換部29は、切換ブレード29Aを搬送路囲空間で回転させることで、第3円弧状搬送路26と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24と、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28との一方に容易にかつ的確に切り換えることもできる。
【0184】
ところで、現金自動預払機1内には、例えば、マイクロコンピュータ構成の制御部30が設けられている。そして制御部30は、現金自動預払機1全体を統括制御することにより、上述した紙幣投入取出部6や鑑別部10、一時保留部11、切換部18、29、下部ユニット12、複数の搬送路を紙幣の入金や出金に応じて動作させる。
【0185】
因みに、現金自動預払機1では、紙幣の入金時及び出金時の何れにおいても、上述の複数の搬送路を介して紙幣を、当該紙幣の一方の長辺を搬送方向に向けて(すなわち、紙幣の短手方向を搬送方向とほぼ平行にして)搬送する。
【0186】
これにより制御部30は、紙幣の入金時、紙幣投入取出部6内の載上台6Aに紙幣が載上される(すなわち、紙幣投入取出部6内に紙幣が投入される)と、仕切板6Dを前方向に移動させて当該載上台6A上で紙幣を前側の壁に付き当てるように寄せて揃える。
【0187】
この状態で制御部30は、分離繰出機構6Bにより載上台6A上の紙幣を1枚ずつ分離して紙幣投入取出部6の下側に順次繰り出す。
【0188】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により繰出側搬送路15の先で、前側搬送路16を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0189】
よって制御部30は、紙幣投入取出部6から1枚ずつ繰り出された紙幣を、繰出側搬送路15を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続き前側搬送路16を介して鑑別部10に搬送する。
【0190】
そして鑑別部10は、このようにして紙幣投入取出部6から搬送された紙幣を、鑑別前側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を鑑別した後、鑑別後側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0191】
これにより制御部30は、このようにして鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0192】
ここで、制御部30は、鑑別部10から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、第1円弧状搬送路24の途中から、切換部29により当該第1円弧状搬送路24に換えて第2円弧状搬送路25を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0193】
よって制御部30は、正常である紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送したところで、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送する。
【0194】
そして一時保留部11は、このようにして鑑別部10から搬送された紙幣を、取込繰出機構11Aを介して内部に1枚ずつ取り込んで保持する。これにより制御部30は、紙幣の入金を一時的に保留する。
【0195】
ただし、制御部30は、鑑別部10により鑑別された紙幣の中に異常であると鑑別された紙幣が存在すると、その異常であると鑑別された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第1円弧状搬送路24及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0196】
よって制御部30は、異常であると鑑別された紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送し、さらに第5円弧状搬送路28を介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0197】
因みに、鑑別部10により異常であると鑑別された紙幣については、現金自動預払機1では取り扱いを拒絶するものであり、以下、係る紙幣を、特にリジェクト紙幣とも呼ぶ。
【0198】
そして制御部30は、取込集積機構6Cによりリジェクト紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上する。
【0199】
因みに、制御部30は、この際、仕切板6Dを後方向に移動させるようにして紙幣の取込空間を適宜狭めることにより載上台6A上での紙幣の散乱を防止する。
【0200】
このようにして制御部30は、鑑別部10において、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣が全て鑑別されると、リジェクト紙幣が存在する場合には、当該リジェクト紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0201】
また制御部30は、このとき鑑別部10により正常であると鑑別された紙幣の金種から、入金を保留している紙幣の総額を計数する。そして制御部30は、タッチスクリーン4に表示する操作画像を介して顧客に、その計数した総額を提示する。
【0202】
その結果、制御部30は、顧客によりタッチスクリーン4の表面がタッチ操作され、入金の金額が確定されると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0203】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0204】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24の一部及び後側搬送路23を順次介して再び鑑別部10に搬送する。
【0205】
そして鑑別部10は、このようにして一時保留部11から搬送された紙幣を、鑑別後側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を再び鑑別した後、鑑別前側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0206】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により前側搬送路16の先で、ユニット側搬送路17を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0207】
よって制御部30は、鑑別部10から繰り出された紙幣を1枚ずつ、前側搬送路16を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続きユニット側搬送路17を介して下部ユニット12に搬送する。
【0208】
これにより制御部30は、顧客により入金される紙幣を、下部ユニット12において振分搬送路13を介して、鑑別された金種に応じた紙幣収納カセットに収納する。
【0209】
ところで、制御部30は、係る入金の際、顧客に入金を保留している紙幣の総額を提示した結果、タッチスクリーン4の表面がタッチ操作され入金の取り消しが指示されると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0210】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0211】
よって制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を順次介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0212】
これにより制御部30は、取込集積機構6Cにより紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上するようにして、当該紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0213】
一方、制御部30は、紙幣の出金時、顧客によりタッチスクリーン4の表面がタッチ操作され、当該顧客の口座から出金可能な金額が指定されると、切換部18によりユニット側搬送路17の先で、前側搬送路16を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0214】
この状態で制御部30は、下部ユニット12において紙幣収納カセットから、顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
【0215】
よって制御部30は、紙幣収納カセットから繰り出した紙幣を1枚ずつ、振分搬送路13及びユニット側搬送路17を順次介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続き及び前側搬送路16を介して鑑別部10に搬送する。
【0216】
鑑別部10は、このようにして下部ユニット12の紙幣収納カセットから搬送された紙幣を、鑑別前側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を鑑別した後、鑑別後側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0217】
これにより制御部30は、このようにして鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0218】
ここで、制御部30は、鑑別部10により正常であると鑑別されて繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第1円弧状搬送路24及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0219】
よって制御部30は、正常であると鑑別された紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送し、さらに第5円弧状搬送路28を介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0220】
そして制御部30は、取込集積機構6Cにより紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上するようにして、当該紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に引き渡す。
【0221】
ただし、制御部30は、鑑別部10により鑑別された紙幣の中にリジェクト紙幣が存在すると、そのリジェクト紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0222】
よって制御部30は、リジェクト紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送したところで、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送する。
【0223】
そして一時保留部11は、このようにして鑑別部10から搬送された紙幣を、取込繰出機構11Aを介して内部に1枚ずつ取り込んで保持する。
【0224】
制御部30は、このように出金において一時保留部11にリジェクト紙幣を保持すると、出金の終了後(すなわち、紙幣を顧客に引き渡した後)、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0225】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していたリジェクト紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0226】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出されたリジェクト紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24の一部及び後側搬送路23を順次介して再び鑑別部10に搬送する。
【0227】
そして鑑別部10は、このようにして一時保留部11から搬送されたリジェクト紙幣を、鑑別後側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該リジェクト紙幣の金種や状態等を再び鑑別した後、鑑別前側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0228】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により前側搬送路16の先で、ユニット側搬送路17を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0229】
よって制御部30は、鑑別部10から繰り出されたリジェクト紙幣を1枚ずつ、前側搬送路16を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続きユニット側搬送路17を介して下部ユニット12に搬送する。
【0230】
これにより制御部30は、リジェクト紙幣を、下部ユニット12において振分搬送路13を介して対応する紙幣収納カセットに収納する。
【0231】
このようにして制御部30は、紙幣の入金や出金に応じて各部間で当該紙幣を、搬送路を介して搬送することで、顧客が所望する紙幣の入金や出金の取り引きを行うことができる。
【0232】
(1−3)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、紙幣搬送部19において鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を互いに接続するための3つの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の一部の区間を円弧状に形成する。
【0233】
そして現金自動預払機1では、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6の間に、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22と互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置する。
【0234】
また現金自動預払機1は、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22との接続箇所に切換部29を配置する。
【0235】
そして現金自動預払機1は、鑑別部10から紙幣を一時保留部11や紙幣投入取出部6へ搬送する場合、鑑別側搬送路20を介して搬送した紙幣を、切換部29により他の保留側搬送路21や投入取出側搬送路22に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換える。
【0236】
また現金自動預払機1は、一時保留部11から紙幣を鑑別部10や紙幣収納取出部6へ搬送する場合、保留側搬送路21を介して搬送した紙幣を、切換部29により他の鑑別側搬送路20や投入取出側搬送路22に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換える。
【0237】
従って現金自動預払機1は、鑑別部10から紙幣を一時保留部11や紙幣投入取出部6へ搬送し、また一時保留部11から紙幣を鑑別部10や紙幣収納取出部6へ搬送する場合、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で、紙幣の搬送に用いる搬送路を何れに切り換えても、当該紙幣が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。
【0238】
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を互いに接続するための3つの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の一部の区間を円弧状に形成して、当該鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、それぞれの円弧状の区間の2つの位置を、それぞれ異なる鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22と互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置すると共に、これらの接続箇所に切換部29を配置して、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6の間で紙幣を搬送する場合に、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で切換部29により、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるようにした。
【0239】
これにより現金自動預払機1は、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で、何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22から他の何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22に切り換えて紙幣を搬送する場合でも、当該紙幣が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。よって現金自動預払機1は、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0240】
ここで、現金自動預払機1が扱う紙幣としては、新札や、新札と同程度の状態の紙幣のように状態の良いものもあるが、顧客等の取り扱いを経て折れ癖がついた紙幣や、曲がり癖のついた(カールしている)紙幣、破れている紙幣、張りのない(腰のない)紙幣等のように、状態の良くないものもある。
【0241】
ただし、現金自動預払機1が出金時に扱う紙幣については、行員等により紙幣収納カセットに装填された新札や、顧客により入金された紙幣の中でも、例えば、イジェクト紙幣として状態の良くない紙幣を取り除いたうえで紙幣収納カセットに収納していた紙幣のように状態の良い紙幣がほとんどである。
【0242】
これに対し現金自動預払機1が入金時に扱う紙幣については、顧客が投入する紙幣であるため、出金時に扱う紙幣に比べて、状態の良くない紙幣が多い傾向にある。
【0243】
そして紙幣の搬送に用いる複数の搬送路を当該紙幣の搬送方向を急激に変化させるように接続するような構成では、新札のような状態の良い紙幣を搬送する場合よりも、状態の良くない紙幣を搬送する場合にジャムが発生し易い傾向にある。
【0244】
このため、紙幣の搬送に用いる搬送路を当該紙幣の搬送方向を急激に変化させるように接続するような構成では、出金時よりも入金時にジャムが発生し易い傾向にある。
【0245】
しかしながら、第1の実施の形態による現金自動預払機1によれば、上述のように一部の区間が円弧状に形成された鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を接続して配置している。
【0246】
よって現金自動預払機1は、入金時に、何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22から他の何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22に切り換えて紙幣を搬送する場合でも、紙幣が、これらの接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させ、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0247】
また現金自動預払機1では、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22のそれぞれの円弧状の区間を等しい半径の円の円周を基に形成し、当該鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、円弧状の区間の2つの接続位置で、互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置している。
【0248】
従って現金自動預払機1は、搬送路囲空間を略正三角形状にすることができる。そして現金自動預払機1は、その搬送路囲空間の中央部に、一方及び他方の側面にそれぞれ円弧状切欠部29AY、29AZが形成された略楔状の切換ブレード29Aを有する切換部29を配置するようにした。
【0249】
よって現金自動預払機1では、切換ブレード29Aを先端から孔部29AXの中心を通る仮想線L1に関して、一方の側面側と他方の側面側とを線対称とする単純な形状に形成し、当該切換ブレード29Aを回転させることで、紙幣の搬送に用いる搬送路を、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の何れにも容易にかつ的確に切り換えることができる。
【0250】
(2)第2の実施の形態
(2−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図7を用いて、第2の実施の形態による現金自動預払機40の内部構成について説明する。
【0251】
係る現金自動預払機40は、紙幣搬送部41において鑑別側搬送路42と、投入取出側搬送路43の第5円弧状搬送路44との構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0252】
この場合、鑑別側搬送路42の第1円弧状搬送路45は、後側搬送路46の他端から真上へ、第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第4中心とも呼ぶ)P4とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0253】
すなわち、第1円弧状搬送路45は、係る円周において、第4中心P4から真下に伸びる仮想線との交点を一端とし、当該第4中心P4から真上よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端として、一端及び他端間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0254】
そして第1円弧状搬送路45には、紙幣を搬送するために、複数のドライブ軸(図示せず)、第1半径R1よりも小さい半径を有する複数のドライブローラ45A、複数のテンション軸(図示せず)、複数のテンションローラ45B、一対の搬送ガイド(図示せず)、複数のモータ(図示せず)等を有する搬送駆動部が設けられている。
【0255】
この場合、複数のドライブ軸は、第1円弧状搬送路45の一端から他端までの範囲において円弧の内側に所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。また複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0256】
さらに複数のドライブローラ45Aは、それぞれ中心に孔部(図示せず)が穿設されており、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0257】
よって搬送駆動部は、モータを介して複数のドライブ軸を回転駆動することにより、これら複数のドライブ軸を中心にして当該トライブ軸に取り付けられた複数のドライブローラ45Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0258】
また複数のテンション軸は、第1円弧状搬送路45の一端から他端までの範囲において円弧の内側のドライブ軸と、第4中心P4から伸びる法線上で対向するように当該円弧の外側に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして複数のテンション軸は、それぞれ第4中心P4の方向に付勢されている。
【0259】
また複数のテンションローラ45Bは、それぞれ例えば、複数のドライブローラ45Aの半径と等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0260】
さらに複数のテンションローラ45Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ45Aと取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のテンション軸に所定間隔で(すなわち、ドライブローラ45Aと対向するように)取り付けられている。
【0261】
従って搬送駆動部は、複数のテンション軸それぞれの付勢により、複数のテンションローラ45Bの周側面を、それぞれ対向するドライブローラ45Aの周側面に押し付けることができる。
【0262】
よって搬送駆動部は、複数のドライブローラ45Aを一方向及び他方向に回転させたときには、これに連動させて複数のテンションローラ45Bを、テンション軸を中心にしてドライブローラ45Aとは逆の他方向及び一方向へ回転させることができる。
【0263】
また一対の搬送ガイドのうち一方は、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のテンションローラ45Bの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0264】
そして一方の搬送ガイドは、複数の孔部にそれぞれ対応するテンションローラ45Bを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路45の一端付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をドライブローラ45Aの周側面に近接させて配置されている。
【0265】
さらに一対の搬送ガイドのうち他方は、例えば、第1半径R1よりも僅かに小さい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のドライブローラ45Aの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0266】
そして他方の搬送ガイドは、複数の孔部にそれぞれ対応するドライブローラ45Aを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路45の一端付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をテンションローラ45Bの周側面(すなわち、一方の搬送ガイドの内面)に近接させて配置されている。
【0267】
係る構成のもと第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、後側搬送路46を介して紙幣が搬送された場合、円弧に沿って順に配置された所定数毎のドライブローラ45Aをそれぞれ一方向に回転させる。
【0268】
これにより第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に順次挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして、第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路44へ搬送することができる。
【0269】
また第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、円弧に沿って順に配置された所定数毎のドライブローラ45Aをそれぞれ他方向に回転させる。
【0270】
これにより第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に順次挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして後側搬送路46へ搬送することができる。
【0271】
そして第1円弧状搬送路45は、上述した第1の実施の形態による第1円弧状搬送路24と同様に第1半径R1を基準として形成されている。このため第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0272】
よって、第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、複数のドライブローラ45Aの周側面からの紙幣の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0273】
また第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、仮に紙幣に浮き上がりかけても、複数のドライブローラ45Aの周側面に近接する搬送ガイドの内面により紙幣を当該ドライブローラ45A側へ押し戻すようにして複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に案内することができる。
【0274】
さらに第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、一対の搬送ガイドを近接させて配置していることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0275】
さらに第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、複数のドライブ軸及びテンション軸の配置間隔が、例えば、搬送対象の紙幣の短手方向の長さの1/2以下に適宜選定されると共に、その配置間隔と第1円弧状搬送路45の円弧の長さとに応じて当該テンション軸の個数も適宜選定されている。
【0276】
よって第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、ドライブローラ45Aとテンションローラ45Bとの間から搬送中の紙幣の一方の長辺側端部を押し出した際、当該紙幣の長辺側端部をほとんど浮かせることなく、次のドライブローラ45Aとテンションローラ45Bとで挟み込むことができる。
【0277】
このようにして第1円弧状搬送路45の搬送駆動部も、上述した第1の実施の形態による第1円弧状搬送路24と同様に、紙幣を、複数のテンションローラ45Bや、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0278】
そして現金自動預払機40では、第1円弧状搬送路45の係る構成により、当該第1円弧状搬送路45において一端及び他端よりも前側に出っ張る構成部品が存在しないため、第5円弧状搬送路44の一端から屈曲部分までの間の一端側水平部分を、第1の実施の形態による第5円弧状搬送路28(図2及び図3)の場合よりも短く形成している。
【0279】
また現金自動預払機1では、第1円弧状搬送路45の係る構成に応じて、後側搬送路46についても全体を、第1の実施の形態による後側搬送路23よりも短く形成している。
【0280】
これにより現金自動預払機1は、一時保留部11と共に、第1円弧状搬送路45、第2円弧状搬送路25、第3円弧状搬送路26、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路44を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができる。
【0281】
(2−2)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機40では、紙幣搬送部41において鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43を基本的には上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0282】
ただし、現金自動預払機40では、第1円弧状搬送路45を、一端から他端に亘り複数組のドライブローラ45Aと、これらに押し付ける複数組のテンションローラ45Bとを所定の間隔で順次配置して形成する。
【0283】
従って現金自動預払機40は、鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43と共に一時保留部11を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができる。
【0284】
以上の構成によれば、現金自動預払機40は、第1円弧状搬送路45を、一端から他端に亘り複数組のドライブローラ45Aと、これらに押し付ける複数組のテンションローラ45Bとを所定の間隔で順次配置して形成するようにした。
【0285】
これにより現金自動預払機40は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43と共に一時保留部11を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができ、かくして現金自動預払機40を小型化することができる。
【0286】
また現金自動預払機40は、係る構成により、第5円弧状搬送路44及び後側搬送路46を、第1の実施の形態の場合よりも構成部品を減らして短く形成することができ、かくして現金自動預払機40の構成を簡易化することもできる。
【0287】
さらに現金自動預払機40は、入金時や出金時に鑑別部10による鑑別結果を切換部29による搬送路の切り換えに反映させている。
【0288】
そして現金自動預払機40は、例えば、上述した第1の実施の形態の場合に後側搬送路23の長さが、紙幣の搬送速度、及び鑑別部10による紙幣の1枚当りの鑑別処理速度を考慮した最短の長さよりも長く選定されているのであれば、当該現金自動預払機40の構成により、後側搬送路46を、紙幣の搬送速度、及び鑑別部10による紙幣の1枚当りの鑑別処理速度を考慮した最短の長さで形成することもできる。
【0289】
(3)第3の実施の形態
(3−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図8を用いて第3の実施の形態による現金自動預払機50の内部構成について説明する。
【0290】
係る現金自動預払機50は、紙幣搬送部51において保留側搬送路52の第3円弧状搬送路53の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0291】
この場合、第3円弧状搬送路53は、一端部については、第1の実施の形態の場合と同様に第2中心P2を中心とする第1半径R1の円の円周を基準にして円弧状に形成されている。
【0292】
ただし、第3円弧状搬送路53は、一端部と、他端側水平部分との間の中央部53Aについては、第2中心P2よりも前斜上側の所定位置を中心とし第1半径R1よりも小さい所定の半径R2の円の円周を基準として、当該一端部及び他端側水平部分とはそれぞれ接線を一致させて繋がるように円弧状に形成されている。
【0293】
、
因みに、第3円弧状搬送路53には、上述した第1の実施の形態による第2円弧状搬送路25の搬送駆動部(図4)と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0294】
よって、係る第3円弧状搬送路53の搬送駆動部も、上述した第1の実施の形態による第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0295】
(3−2)第3の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機50では、紙幣搬送部51において鑑別側搬送路20及び投入取出側搬送路22を上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0296】
ただし、現金自動預払機50では、保留側搬送路52の第3円弧状搬送路53において中央部53Aを、一端部の円弧の第1半径R1よりも小さい半径R2の円の円周を基準にして円弧状に形成する。
【0297】
従って現金自動預払機50は、第3円弧状搬送路53を、上述した第1の実施の形態による第3円弧状搬送路26よりも小型化することができると共に、部品点数を減らして構成を簡易化することができる。
【0298】
以上の構成によれば、現金自動預払機50は、第3円弧状搬送路53において中央部53Aを、一端部の円弧の第1半径R1よりも小さい半径R2の円の円周を基準として円弧状に形成するようにした。
【0299】
これにより現金自動預払機50は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、第3円弧状搬送路53を、上述した第1の実施の形態による第3円弧状搬送路26よりも小型化することができると共に、部品点数を減らして構成を簡易化することができ、かくして現金自動預払機50を小型化及び簡易化することができる。
【0300】
(4)第4の実施の形態
(4−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図9を用いて第4の実施の形態による現金自動預払機60の内部構成について説明する。
【0301】
係る現金自動預払機60は、一時保留部11と下部ユニット12との間に、偽券(すなわち、偽札)を収納するための偽券収納カセット61が設けられると共に、紙幣搬送部62に当該偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続する搬送路63が設けられた構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0302】
因みに、以下の説明では、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続する搬送路63を、カセット側搬送路63とも呼ぶ。
【0303】
この場合、偽券収納カセット61は、装置筐体2の装置後面2Bに設けられた扉部を介して装置筐体2内から外部へ引き出し、また外部から装置筐体2内に収納可能なように設けられている。
【0304】
また偽券収納カセット61内には、偽券を1枚ずつ当該偽券収納カセット61内に取り込むための取込機構61Aが設けられている。
【0305】
さらにカセット側搬送路63は、略直線状に形成され、一端が取込機構61Aの取込端に接続されると共に、他端が第1円弧状搬送路24の所定の接続位置(以下、これを第2接続位置もと呼ぶ)に接続され、後斜下方向と平行に配置されている。
【0306】
さらにカセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部64が配置されている。
【0307】
これにより切換部64は、例えば、第2円弧状搬送路25から第1円弧状搬送路24に搬送された紙幣を選択的にカセット側搬送路63に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を、第1円弧状搬送路24からカセット側搬送路63へ切り換えることができる。
【0308】
ところで、カセット側搬送路63は、例えば、他端部が直線状に形成されている。そしてカセット側搬送路63は、第1円弧状搬送路24の第2接続位置に対し、当該第2接続位置の接線に直線状の他端部を一致させるようにして他端が接続されている。
【0309】
よって第1円弧状搬送路24は、例えば、第2円弧状搬送路25を介して搬送された紙幣を受け取った場合、その紙幣をドライブローラ21Aの周側面から極端に浮かせることなく、カセット側搬送路63へスムーズに受け渡すことができる。
【0310】
係る構成のもと、制御部30は、入金時、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣を鑑別部10で鑑別している間、切換部64により第1円弧状搬送路24において第2接続位置の先でも、当該第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0311】
そして鑑別部10は、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣の中で何れかの紙幣を偽券であると鑑別しても、当該偽券を他の紙幣と共に1枚ずつ鑑別後側取込排出口から繰り出す。
【0312】
よって制御部30は、鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を偽券であるか否かに関わらずに、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送した後、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送して保持させる。
【0313】
ただし、制御部30は、この際、鑑別部10により順次鑑別された紙幣について先頭からの順番や、鑑別結果を示す紙幣鑑別情報を内部のメモリに記憶している。
【0314】
そして制御部30は、顧客により入金の金額が確定されたときには、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0315】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0316】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する
【0317】
この際、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、第2円弧状搬送路25を介して搬送している紙幣が正常であることを認識すると、切換部64により第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0318】
よって制御部30は、正常であると鑑別された紙幣は、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送しても、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送した後、後側搬送路23を介して再び鑑別部10に搬送する。
【0319】
このようにして制御部30は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、正常であると鑑別された紙幣については、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納する。
【0320】
ただし、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、第2円弧状搬送路25を介して搬送している紙幣が偽券であることを認識すると、切換部64によりカセット側搬送路63を当該偽券の搬送に用いるように切り換える。
【0321】
よって制御部30は、偽券については、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送すると、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続きカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送する。
【0322】
そして偽券収納カセット61は、カセット側搬送路63を介して搬送された偽券を、取込機構61Aにより内部に収納する。
【0323】
また制御部30は、入金時、顧客により入金の取り消しが指示されると、一時保留部11から取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出させる。
【0324】
この際、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、一時保留部11から繰り出された紙幣が正常であることを認識すると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0325】
よって制御部30は、一時保留部11から繰り出された、正常であると鑑別された紙幣については、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を順次介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0326】
これにより制御部30は、正常であると鑑別された紙幣については、上述した第1の実施の形態と同様に紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0327】
ただし、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、一時保留部11から繰り出された紙幣が偽券であることを認識すると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25を当該偽券の搬送に用いるように切り換える。
【0328】
また制御部30は、このとき切換部64によりカセット側搬送路63を偽券の搬送に用いるようにも切り換える。
【0329】
よって制御部30は、偽券については、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25を介して第1円弧状搬送路24に搬送する。
【0330】
そして制御部30は、係る偽券を、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送すると、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続きカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送する。
【0331】
そして偽券収納カセット61は、カセット側搬送路63を介して搬送された偽券を、取込機構61Aにより内部に取り込んで収納する。
【0332】
このようにして制御部30は、偽券については、下部ユニット12内の紙幣収納カセットには収納せず、また顧客へ返却もせずに、偽券収納カセット61と共に行員等に回収させる。
【0333】
(4−2)第4の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機60では、紙幣搬送部62において鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0334】
これに加えて現金自動預払機60では、偽券収納カセット61を引出収納可能に設ける。また現金自動預払機60では、紙幣搬送部62において偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続するカセット側搬送路63を配置して、当該カセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所に切換部64を配置する。
【0335】
そして現金自動預払機60は、入金時に鑑別部10により入金対象の紙幣の中で偽券を鑑別すると、当該偽券を鑑別部10から後側搬送路23、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送して、正常であると鑑別された紙幣と共に保持する。
【0336】
ただし、現金自動預払機60は、入金時、顧客により入金の金額が確定され、また入金の取り消しが指示されたときには、一時保留部11から偽券を、第3円弧状搬送路26、第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24及びカセット側搬送路63を順次介して偽券収納カセット61に搬送して収納する。
【0337】
従って現金自動預払機60は、入金時の紙幣の中に偽券が存在する場合、当該偽券を、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納せず、また顧客に返却することもなく分別して保管することができる。
【0338】
以上の構成によれば、現金自動預払機60は、偽券収納カセット61を引出収納可能に設けると共に、当該偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とをカセット側搬送路63で接続し、さらにカセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所に切換部64を配置して、入金時に入金対象の紙幣の中で偽券を発見したときには、当該偽券を、切換部64による搬送路の切り換えによりカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送して収納するようにした。
【0339】
これにより現金自動預払機60は、入金時の紙幣の中に偽券が存在する場合、当該偽券を、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納せず、また顧客に返却することもなく分別して保管することができ、かくして偽券を偽券収納カセット61と共に行員等に速やかに回収させることができる。
【0340】
また現金自動預払機60は、入金時、顧客により紙幣投入取出部6に投入された全ての紙幣を鑑別部10で鑑別すると、制御部30が、当該紙幣毎の鑑別の順番及び鑑別結果を示す紙幣鑑別情報を内部のメモリに記憶するようにした。
【0341】
従って現金自動預払機60は、一時保留部11として先入先出タイプと先入後出タイプの何れのタイプのものが設けられていても、当該一時保留部11に正常であると鑑別した紙幣と共に偽券を保持した場合、紙幣鑑別情報に基づき、偽券を他の紙幣と容易にかつ的確に区別して偽券収納カセット61に収納することができる。
【0342】
(5)他の実施の形態
なお上述した第1乃至第4の実施の形態においては、鑑別側搬送路20、42、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所である搬送路囲空間に1つの切換部29を配置するようにした場合について述べた。
【0343】
しかしながら本発明は、これに限らず、図10に示すように、搬送路囲空間において鑑別側搬送路20、42及び保留側搬送路21、52の接続箇所、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所、投入取出側搬送路22、43及び鑑別側搬送路20、42の接続箇所にそれぞれ切換部70乃至72を配置するようにしても良い。
【0344】
本発明は、係る構成によっても、紙幣が、これら鑑別側搬送路20、42及び保留側搬送路21、52の接続箇所、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所、投入取出側搬送路22、43及び鑑別側搬送路20、42の接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止することができる。
【0345】
よって本発明は、係る構成によっても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に、紙幣が搬送路の接続箇所を通るときのジャムの発生を大幅に低減させて、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0346】
また上述した第1乃至第4の実施の形態においては、第1円弧状搬送路24、45を複数のドライブローラ24A、45A及び複数のテンションローラ24B、45B等からなる搬送駆動部を用いて構成するようにした場合について述べた。
【0347】
しかしながら本発明は、これに限らず、図11に示すように、第1円弧状搬送路75を第1半径R1と等しい半径を有する例えば、円柱状の1つの第1ドライブローラ75A、第1半径R1よりも小さい半径を有する複数の第2ドライブローラ75B、複数の搬送ベルト75C及び搬送ガイド75D等からなる搬送駆動部を用いて構成するようにしても良い。
【0348】
この場合、1本のドライブ軸は、第1中心P1に左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持され、一端が図示しないモータの駆動軸と連結されている。
【0349】
また第1ドライブローラ75Aは、中心に孔部(図示せず)が穿設されており、当該孔部を介して第1中心P1のドライブ軸に取り付けられている。
【0350】
さらに例えば、他の2本のドライブ軸は、第1円弧状搬送路75の一端の位置と、第1接続位置よりも僅かに一端側の所定位置とに、それぞれ第1ドライブローラ75Aの周側面に近接させて左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。因みに、他の2本のドライブ軸も、一端が図示しないモータの駆動軸と連結されている。
【0351】
そして複数の第2ドライブローラ75Bは、それぞれ中心に孔部(図示せず)が穿設されており、所定個数毎に孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で(すなわち、第1ドライブローラ75Aの周側面と対向するように)取り付けられている。
【0352】
また複数の搬送ベルト75Cは、第1円弧状搬送路75の一端の位置の第2ドライブローラ75Bから、第1接続位置よりも僅かに一端側の所定位置の第2ドライブローラ75Bに掛けられて、表面の一部を第1ドライブローラ75Aの周側面に添わせている。
【0353】
よって搬送駆動部は、モータを介して第1中心P1のドライブ軸を回転駆動することにより、当該ドライブ軸(すなわち、第1中心P1)を中心にして第1ドライブローラ75Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0354】
また搬送駆動部は、他の2本のドライブ軸についてはモータを介して、第1中心P1のドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0355】
よって搬送駆動部は、モータを介して、他の2本のドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数の第2ドライブローラ75Bを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト75Cを、第1ドライブローラ75Aの周側面に押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0356】
これに加えて搬送ガイド75Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数の搬送ベルト75Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0357】
そして搬送ガイド75Dは、複数の孔部にそれぞれ対応する搬送ベルト75Dを挿入させて、例えば、第2円弧状搬送路75の一端付近から第1接続位置付近までに亘り、内面を第1ドライブローラ75Aの周側面に近接させて配置されている。
【0358】
係る構成のもと第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、後側搬送路23を介して紙幣が搬送された場合、第1ドライブローラ75A及び複数の搬送ベルト75Cを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0359】
これにより第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から第1ドライブローラ75Aと複数の搬送ベルト75Cとの間に挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路28へ搬送する。
【0360】
また第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、第1ドライブローラ75A及び複数の搬送ベルト75Cを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0361】
これにより第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から第1ドライブローラ75Aと複数の搬送ベルト75Cとの間に挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして後側搬送路23へ搬送する。
【0362】
本発明は、係る構成の第1円弧状搬送路75を用いても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に紙幣を搬送することができる。
【0363】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、保留側搬送路21、52を、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26、53によって構成するようにした場合について述べた。
【0364】
しかしながら本発明は、これに限らず、図12に示すように、保留側搬送路76全体を1つの搬送路として構成するようにしても良い。
【0365】
すなわち、本発明は、係る構成の場合、保留側搬送路76に、上述した第1乃至第4の実施の形態による第2円弧状搬送路25と同様な搬送駆動部を設ける。
【0366】
この場合、保留側搬送路76の搬送駆動部では、複数のドライブ軸のうち2本は、例えば、保留側搬送路76の円弧の一端を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0367】
また複数のドライブ軸のうち他の2本は、例えば、保留側搬送路76の他端を通る上方向と平行な仮想線上で当該他端を介して対向する2つの位置に、左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして、これら複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0368】
さらに複数のアイドル軸は、円弧の内側のドライブ軸から他端の下側のドライブ軸までの間に、当該円弧及び他端側水平部分に沿って所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0369】
一方、複数のドライブローラ76Aは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0370】
そして複数のドライブローラ76Aは、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0371】
また複数のアイドルローラ76Bは、それぞれドライブローラ76Aと等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0372】
そして複数のアイドルローラ76Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ76Aの取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のアイドル軸に所定間隔で(すなわち、円弧及び他端側水平部分に沿ってドライブローラ76Aと並ぶように)取り付けられている。
【0373】
さらに複数の搬送ベルト76Cは、それぞれ円弧の内側及び他端側水平部分の下側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ76Aから、複数のアイドルローラ76Bを介して他方のドライブローラ76Aまでに掛けられて、表面の一部を円弧及び他端側水平部分に添わせている。
【0374】
これにより搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側及び他端側水平部分の下側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ76Aを一方向及び他方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト76Cを、その表面の一部を円弧及び他端側水平部分に添わせた状態で一方向及び他方向に回転させることができる。
【0375】
また複数の搬送ベルト76Cは、それぞれ円弧の外側及び他端側水平部分の上側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ76Aから他方のドライブローラ76Aにも掛けられて、表面の一部を円弧の内側の対向する搬送ベルト75Cの表面の一部に押し付けている。
【0376】
そして搬送駆動部は、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に配置されたドライブ軸についてはモータを介して、当該円弧の内側及び他端側水平部分の下側に配置されたドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0377】
よって搬送駆動部は、モータを介して、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ76Aを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト76Cを、円弧の内側及び他端側水平部分の下側で回転する搬送ベルト76Cに押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0378】
これに加えて搬送ガイド76Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に位置する複数の搬送ベルト76Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0379】
そして搬送ガイド76Dは、複数の孔部にそれぞれ円弧の外側及び他端側水平部分の上側の対応する搬送ベルト76Dを挿入させて、例えば、保留側搬送路76の中央部付近から他端付近までに亘り、内面を円弧の内側及び他端側水平部分の下側の搬送ベルト76Dの表面に近接させて配置されている。
【0380】
係る構成のもと保留側搬送路76の搬送駆動部は、第1円弧状搬送路24を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び他端側水平部分の下側の複数の搬送ベルト76Cと、円弧の外側及び他端側水平部分の上側の複数の搬送ベルト76Cとを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0381】
これにより保留側搬送路76の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から、対向する搬送ベルト76Cの間に挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして一時保留部11へ搬送する。
【0382】
また保留側搬送路76の搬送駆動部は、一時保留部11から紙幣が繰り出された場合、円弧の内側及び他端側水平部分の下側の搬送ベルト76Cと、円弧の外側及び他端側水平部分の上側の搬送ベルト76Cとを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0383】
これにより保留側搬送路76の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から、対向する搬送ベルト76Cの間に挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして第1円弧状搬送路24や第4円弧状搬送路27へ搬送する。
【0384】
本発明は、係る構成の保留側搬送路76を用いても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に紙幣を搬送することができる。
【0385】
また本発明は、鑑別側搬送路や投入取出側搬送路についても、同様に全体を1つの搬送路として構成するようにしても良い。
【0386】
さらに本発明は、保留側搬送路や投入取出側搬送路を、円弧状の部分と直線状の部分とでそれぞれ1つの搬送路として形成して組み合わせるようにしても良い。
【0387】
すなわち、本願発明は、鑑別側搬送路、保留側搬送路及び投入取出側搬送路について、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0388】
さらに上述した第4の実施の形態においては、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを、後斜下方向と平行に配置され略直線状のカセット側搬送路63によって接続するようにした場合について述べた。
【0389】
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図13に示すように、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを、一部の区間が円弧状に形成されたカセット側搬送路78によって接続するようにしても良い。
【0390】
この場合、本発明は、カセット側搬送路78において一端部を例えば、直線状に形成し、他端部を第1半径R1の円の円周を基準とした円弧状に形成する。
【0391】
そして本発明は、カセット側搬送路78の円弧の外側を前斜上側に向けて、一端を偽券収納カセット61の取込端に接続すると共に、他端を第1円弧状搬送路24の所定位置に互いの円弧の外側を対向させて接続する。
【0392】
また本発明は、カセット側搬送路78と第1円弧状搬送路24との接続箇所に、一方及び他方の側面にそれぞれカセット側搬送路78及び第1円弧状搬送路24の円弧状(すなわち、円弧の形状、長さ及び接続点から頂点までの高さ)に対応する円弧状切欠部が形成された略楔錠の切換ブレード79Aを有する切換部79を配置する。
【0393】
そして本発明は、切換部79により、紙幣の搬送に用いる搬送路を、第1円弧状搬送路24とカセット側搬送路78との一方に切り換えるようにする。
【0394】
本発明は、係る構成によれば、鑑別部10により偽券が鑑別されたとき、その偽券を、一時保留部11まで搬送して一旦保持させることなく、当該鑑別部10から後側搬送路23及び第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部79によりカセット側搬送路78に案内して、当該カセット収納搬送路78を介して偽券収納カセット61に搬送して収納することができる。
【0395】
すなわち、本発明は、係る構成によれば、偽券を鑑別したとき、当該偽券を正常な紙幣と一緒にすることなく分別して偽券収納カセット61に収納することができる。
【0396】
さらに上述した第4の実施の形態においては、複数の搬送路(鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を含む)を介して紙幣を、当該紙幣の一方の長辺を搬送方向に向けて搬送するようにした場合について述べた。
【0397】
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の搬送路(鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を含む)を介して紙幣を、当該紙幣の一方の短辺を搬送方向に向けて(すなわち、紙幣の長手方向を搬送方向とほぼ平行にして)搬送するようにしても良い。
【0398】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、本発明の紙葉類搬送装置を、図1乃至図13について上述した現金自動預払機1、40、50、60に設けられた紙幣搬送部19、41、51、62に適用するようにした場合について述べた。
【0399】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)や両替機、飲料やタバコ等の自動販売機、電車の切符や観劇のチケットを販売する券売機、精算機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機等のような、この他種々の装置に設けられる、紙幣や切符、チケット等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に広く適用することができる。
【0400】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、本発明の現金自動取引装置を、図1乃至図13について上述した現金自動預払機1、40、50、60に適用するようにした場合について述べた。
【0401】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機や両替機、飲料やタバコ等の自動販売機、電車の切符や観劇のチケットを販売する券売機、精算機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機等のように紙幣や切符、チケット等の紙葉類を取り扱う、この他種々の現金自動取引装置に広く適用することができる。
【0402】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路を介して搬送する紙葉類として、図1乃至図13について上述した紙幣を適用するようにした場合について述べた。
【0403】
しかしながら本発明は、これに限らず、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路を介して搬送する紙葉類としては、切符やチケット、通帳、取引明細書のような印刷紙等のように、この他種々の紙葉類を広く適用することができる。
【0404】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路として、図1乃至図13について上述した鑑別側搬送路20、42、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43を適用するようにした場合について述べた。
【0405】
しかしながら本発明は、これに限らず、少なくとも一部の区間が円弧状に形成されていれば、全体として1つに形成された搬送路や、2つ以上の搬送路を組み合わせて形成された搬送路、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を含む、又はこれら以外の複数の箇所を互いに接続するための3つ以上の搬送路、異なる半径の円の円周を基準にして円弧状に形成された複数の搬送路等のように、この他種々の構成の搬送路を広く適用することができる。
【0406】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部として、図1乃至図13について上述した1つの切換部29を適用するようにした場合について述べた。
【0407】
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の搬送路の接続箇所のそれぞれに配置される切換部や、2以上の接続箇所に共用可能に配置された切換部等のように、この他種々の構成の切換部を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0408】
本発明は、現金自動預払機や現金自動支払機に設けられた紙幣搬送部等の紙葉類搬送装置と、現金自動預払機や現金自動支払機等の現金自動取引装置とに利用することができる。
【符号の説明】
【0409】
1、40、50、60……現金自動預払機、6……紙幣投入取出部、10……鑑別部、11……一時保留部、19、41、51、62……紙幣搬送部、20、42……鑑別側搬送路、21、52、76……保留側搬送路、22、43……投入取出側搬送路、23、46……後側搬送路、24、45、75……第1円弧状搬送路、25……第2円弧状搬送路25、53……第3円弧状搬送路、27……第4円弧状搬送路、28、44……第5円弧状搬送路、29、70、71、72……切換部、29A……切換ブレード。
【技術分野】
【0001】
本発明は紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置に関し、例えば、現金の入金及び出金を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動取引装置は、紙幣の入金取引の際、顧客により接客部に投入された紙幣を、鑑別部に搬送して金種や状態等を鑑別した後、引き続き一時保留部に搬送することにより、当該一時保留部に保持して入金を一時的に保留する。
【0003】
そして自動取引装置は、一時保留部に紙幣を保持した状態で、顧客により入金の金額が確認されると、当該一時保留部から保持していた紙幣を再び鑑別部に搬送して鑑別した後、引き続き紙幣収納カセットに搬送して収納する。
【0004】
ただし、自動取引装置は、一時保留部に紙幣を保持した状態で、顧客により紙幣の返却が要求されると、当該一時保留部から保持していた紙幣を接客部に搬送して顧客に返却する。
【0005】
また自動取引装置は、紙幣の出金取引の際、顧客により引出金額が指定されると、紙幣収納カセットから引出金額分の紙幣を鑑別部に搬送して鑑別した後、接客部に搬送して顧客に引き渡す。
【0006】
さらに自動取引装置は、例えば、出金取引の際、接客部に顧客によって取り忘れられた取忘紙幣が存在すると、当該接客部から取忘紙幣を鑑別部に搬送して鑑別した後、紙幣収納カセットに搬送して収納し保管する。
【0007】
ただし、自動取引装置は、この際、紙幣収納カセットに収納した取忘紙幣の金種や金額等の情報を取忘紙幣情報として記憶しておく。
【0008】
そして自動取引装置は、顧客により取忘紙幣の返却が要求されると、紙幣収納カセットから紙幣を鑑別部に搬送して鑑別すると共に、取忘紙幣情報に従い、鑑別部で鑑別した紙幣が顧客に返却すべき取忘紙幣に該当するか否かを判別する。
【0009】
その結果、自動取引装置は、鑑別部で鑑別した紙幣のうち、顧客に返却すべき取忘紙幣に該当する紙幣については、当該鑑別部から接客部に搬送して顧客に返却する。
【0010】
これに対し自動取引装置は、鑑別部で鑑別した紙幣のうち、顧客に返却すべき取忘紙幣に該当しない紙幣については、当該鑑別部から一部保留部に搬送して保持しておき、顧客へ取忘紙幣を返却した後、一時保留部から紙幣収納カセットに搬送して収納する。
【0011】
このようにして自動取引装置は、顧客の所望する紙幣の入金取引や引出取引を行うと共に、顧客により接客部から取り忘れられた紙幣については返却するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−272024公報(第7頁、第12頁、第13頁、図4、図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、係る構成の自動取引装置は、例えば、鑑別部から接客部までの間に搬送路が配置されると共に、当該搬送路上の所定位置から一時保留部までの間にも搬送路が配置されている。
【0014】
因みに、以下の説明では、鑑別部及び接客部間の搬送路の所定位置から一時保留部までの間に配置された搬送路を、特に保留側搬送路とも呼ぶ。
【0015】
また、以下の説明では、鑑別部から接客部までの間に配置された搬送路において、当該鑑別部から所定位置までを、特に鑑別側搬送路とも呼び、当該所定位置から接客部までを、特に接客側搬送路とも呼ぶ。
【0016】
そして自動取引装置は、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路の接続箇所で、紙幣を搬送する搬送路を、当該鑑別側搬送路、接客側搬送路、保留側搬送路の何れかに切り換えている。
【0017】
これにより自動取引装置は、上述のように鑑別部から紙幣を、鑑別側搬送路及び保留側搬送路を順次介して一時保留部へ搬送し、一時保留部から紙幣を、保留側搬送路及び鑑別側搬送路を順次介して鑑別部に搬送する。
【0018】
また自動取引装置は、一部保留部から紙幣を、保留側搬送路及び接客側搬送路を順次介して接客部に搬送し、鑑別部から紙幣を、鑑別側搬送路及び接客側搬送路を順次介して接客部に搬送する。さらに自動取引装置は、一時保留部から紙幣を、保留側搬送路及び鑑別側搬送路を順次介して鑑別部に搬送する。
【0019】
ところが、自動取引装置では、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路を例えば、90度以下の角度で接続していると、紙幣が、これらの接続箇所を通る際、搬送方向の急激な変化により、先端を鑑別側搬送路、接客側搬送路又は保留側搬送路の壁等に引っ掛けて形を崩して停滞する、いわゆるジャムが発生し易くなる。
【0020】
そして自動取引装置では、鑑別側搬送路、接客側搬送路及び保留側搬送路の接続箇所の付近で紙幣のジャムが発生すると、その紙幣を取り除く間、他の紙幣の搬送を停止させる必要があり、搬送効率が低下するという問題があった。
【0021】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、紙葉類の搬送効率の低下を防止し得る紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
かかる課題を解決するため本発明においては、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるようにした。
【0023】
従って本発明では、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部とを設けるようにして、複数の搬送路を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる1つの搬送路の円弧状の区間の接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続して配置し、切換部により、複数の搬送路の接続箇所で、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるようにしたことにより、複数の搬送路の接続箇所で、何れの搬送路から他の何れの搬送路に切り換えて紙葉類を搬送する場合でも、当該紙葉類が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができ、かくして紙葉類の搬送効率の低下を防止し得る紙葉類搬送装置及び現金自動取引装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による現金自動預払機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
【図2】第1の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図3】円弧状搬送路及び切換部の構成を示す略線図である。
【図4】第2円弧状搬送路の構成を示す略線図である。
【図5】切換ブレードの構成を示す略線図である。
【図6】切換ブレードによる搬送路の切り換えの説明に供する略線図である。
【図7】第2の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図8】第3の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図9】第4の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線図である。
【図10】他の実施の形態による搬送路の接続箇所に対する切換部の配置の説明に供する略線図である。
【図11】他の実施の形態による第1円弧状搬送路の構成を示す略線図である。
【図12】他の実施の形態による保留側搬送路の構成を示す略線図である。
【図13】他の実施の形態によるカセット側搬送路の構成示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)第3の実施の形態
(4)第4の実施の形態
(5)他の実施の形態
【0027】
(1)第1の実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。かかる現金自動預払機1は、略箱型の装置筐体2を有している。
【0028】
装置筐体2の前側上端部には、当該装置筐体2の前面2Aよりも後面2B側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。
【0029】
因みに、以下の説明では、装置筐体2の前面2Aを、装置前面2Aとも呼び、当該装置筐体2の後面2Bを、装置後面2Bとも呼ぶ。
【0030】
そして、以下の説明では、装置前面2Aから装置後面2Bへ向かう方向を、後方向とも呼び、当該装置後面2Bから装置前面2Aへ向かう方向を、前方向とも呼ぶ。
【0031】
また、以下の説明では、装置筐体2の上面2Cを、装置上面2Cとも呼び、装置筐体2の下面から装置上面2Cへ向かう方向を、上方向とも呼び、当該装置上面2Cから装置筐体2の下面へ向かう方向を、下方向とも呼ぶ。
【0032】
さらに、以下の説明では、装置筐体2をフロントパネル3と対峙して見た場合の左の側面2Dを、装置左側面2Dとも呼び、右の側面2Eを、装置右側面2Eとも呼ぶ。
【0033】
そして、以下の説明では、装置左側面2Dから装置右側面2Eへ向かう方向を、右方向とも呼び、装置右側面2Eから装置左側面2Dへ向かう方向を、左方向とも呼ぶ。
【0034】
この場合、フロントパネル3において上方向に向くほぼ水平な(すなわち、装置上面2Cとほぼ平行な)上向パネル3Aには、例えば、中央部にタッチスクリーン4が設けられている。
【0035】
またフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、左寄りに、硬貨の投入及び取出用の箱状の硬貨投入取出部5が設けられている。
【0036】
さらにフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、右寄りに、長方形の紙幣の投入及び取出用の箱状の紙幣投入取出部6が設けられている。
【0037】
因みに、タッチスクリーン4は、種々の操作画像を表示するための液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのような表示部の表示面上に、操作入力用の透明なタッチパネルが貼着されて形成されている。
【0038】
また硬貨投入取出部5及び紙幣投入取出部6の開口には、それぞれ取引内容に応じて当該開口を開放及び閉塞するためのシャッタが開閉自在に設けられている。
【0039】
一方、フロントパネル3において前方向に向くほぼ垂直な(すなわち、装置前面2Aとほぼ平行な)前向パネル3Bには、例えば、左寄りに、通帳を挿入し、また当該通帳や取引明細書を排出するための通帳挿入排出口7が設けられている。
【0040】
またフロントパネル3において前向パネル3Bには、例えば、右寄りに、キャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入及び排出するためのカード挿入排出口8も設けられている。
【0041】
因みに、装置筐体2の内部には、通帳挿入排出口7の奥側に、通帳に記録されている口座番号のような顧客情報等を読み取り、また取引内容等を通帳や取引明細書に印刷するための読取印刷処理部(図示せず)が設けられている。
【0042】
また装置筐体2の内部には、カード挿入排出口8の奥側に、種々のカードに記録されている顧客の口座番号や金融機関コード等の顧客情報等を読み取るためのカード処理部(図示せず)が設けられている。
【0043】
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に操作画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて操作画像を適宜切り換えて表示する。
【0044】
これにより現金自動預払機1は、顧客に操作画面を介して、現金の預け入れのような入金や払い出しのような出金等の所望の取り引きの手順を案内する。
【0045】
そして現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8に通帳やカードを挿入させ、また硬貨投入取出部5内や紙幣投入取出部6内に硬貨や紙幣を投入させる。
【0046】
また現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせ、また硬貨投入取出部5や紙幣投入取出部6を介して硬貨や紙幣を受け取らせる。
【0047】
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する現金の入金や出金等の取り引きを行うことができる。
【0048】
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2を用いて現金自動預払機1の内部構成を説明する。ただし、以下では、本発明が紙葉類の搬送に関するものであるため、紙葉類としての紙幣の取扱部分を中心に説明し、硬貨の取扱部分等については説明を省略する。
【0049】
現金自動預払機1内には、上述の紙幣投入取出部6において開口に設けられたシャッタ(図示せず)を除く部分が収納されている。
【0050】
この場合、紙幣投入取出部6内には、複数の紙幣を例えば、当該紙幣の一方の長辺を下側にして立てた横立状態で載上するための載上台6Aが設けられている。
【0051】
また紙幣投入取出部6内には、載上台6Aの下側前寄りに、当該載上台6A上の複数の紙幣を1枚ずつ分離して下方向へ繰り出すための分離繰出機構6Bが設けられている。
【0052】
さらに紙幣投入取出部6内には、載上台6Aの下側後寄りに、当該紙幣投入取出部6の下側から上方向に1枚ずつ搬送された紙幣を順次取り込んで載上台6A上に横立状態で載上するための取込集積機構6Cが設けられている。
【0053】
さらに紙幣投入取出部6内には、載上台6A上の紙幣の収納空間を所望の位置で前後に仕切るような仕切板6Dが、前方向及び後方向に移動可能に設けられている。
【0054】
そして現金自動預払機1内には、紙幣投入取出部6の下側に、紙幣の金種や状態等を鑑別する鑑別部10が配置されている。
【0055】
また現金自動預払機1内には、紙幣投入取出部6の後側に、例えば、紙幣の入金の際、当該紙幣を内部に取り込んで一旦保持して、入金を一時的に保留する一時保留部11が配置されている。
【0056】
因みに、一時保留部11内には、前側から後方向に1枚ずつ搬送された紙幣を当該一時保留部11内に取り込むと共に、一時保留部11内の紙幣を1枚ずつ分離して前方向に繰り出すための取込繰出機構11Aが設けられている。
【0057】
さらに現金自動預払機1の内部には、鑑別部10及び一時保留部11の下側に下部ユニット12が配置されている。下部ユニット12には、紙幣を金種毎に収納する複数の紙幣収納カセット(図示せず)が設けられている。
【0058】
また下部ユニット12には、鑑別部10側から搬送された紙幣を、金種に応じた紙幣収納カセットへ振り分けるように搬送すると共に、複数の紙幣収納カセットから繰り出された紙幣を鑑別部10側に搬送する搬送路13(以下、これを振分搬送路とも呼ぶ)13等も設けられている。
【0059】
そして現金自動預払機1内には、これら紙幣投入取出部6、鑑別部10、一時保留部11及び下部ユニット12間で紙幣を搬送するための複数の搬送路が配置されている。
【0060】
すなわち、紙幣投入取出部6の下側には、分離繰出機構6Bの紙幣繰出端に一端が接続された略L字状の搬送路(以下、これを繰出側搬送路とも呼ぶ)15が、一端部を上方向と平行にし、他端を後方向に向けて鑑別部10の前側の紙幣取込排出口(以下、これを鑑別前側取込排出口とも呼ぶ)と対向させるように配置されている。
【0061】
また紙幣投入取出部6の下側には、一端が繰出側搬送路15の他端と接続され、かつ他端が鑑別前側取込排出口と接続された直線状の搬送路(以下、これを前側搬送路とも呼ぶ)16が、後方向と平行に配置されている。
【0062】
さらに紙幣投入取出部6の下側には、後方向に向けた一端が繰出側搬送路15の他端及び前側搬送路16の一端と接続され、かつ他端が振分搬送路13の一端と接続された略L字状の搬送路(以下、これをユニット側搬送路とも呼ぶ)17が、他端部を上方向と平行にして配置されている。
【0063】
また繰出側搬送路15、前側搬送路16及びユニット側搬送路17の接続箇所の近傍には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部18が配置されている。
【0064】
切換部18は、繰出側搬送路15を介して搬送される紙幣を、前側搬送路16に導くように、当該紙幣の搬送方向を切り換える。
【0065】
また切換部18は、前側搬送路16を介して搬送される紙幣を、ユニット側搬送路17に導き、又は当該ユニット側搬送路17を介して搬送される紙幣を、前側搬送路16に導くように、当該紙幣の搬送方向を切り換える。
【0066】
このようにして切換部18は、前側搬送路16と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、繰出側搬送路15及びユニット側搬送路17の一方に切り換える。
【0067】
一方、紙幣投入取出部6と、鑑別部10と、一時保留部11との間には、当該紙幣投入取出部6と、鑑別部10と、一時保留部11とを互いに接続して紙幣を搬送するための複数の搬送路を有する紙幣搬送部19が設けられている。
【0068】
紙幣搬送部19は、鑑別部10に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路20と、一時保留部11に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路21と、紙幣投入取出部6に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路22とを有している。
【0069】
因みに、以下の説明では、鑑別部10に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路20を、鑑別側搬送路20とも呼び、一時保留部11に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路21を、保留側搬送路21とも呼ぶ。
【0070】
また、以下の説明では、紙幣投入取出部6に接続され、一部の区間が円弧状に形成された搬送路22を、投入取出側搬送路22とも呼ぶ。
【0071】
鑑別側搬送路20は、直線状に形成された搬送路(以下、これを後側搬送路とも呼ぶ)23と、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第1円弧状搬送路とも呼ぶ)24とから構成されている。
【0072】
後側搬送路23は、後方向と平行な姿勢で、一端が鑑別部10の紙幣取込排出口(以下、これを鑑別後側取込排出口とも呼ぶ)に接続されて配置されている。
【0073】
また第1円弧状搬送路24は、円弧の外側のほとんどを後方向に向けた姿勢で、一端が後側搬送路23の他端に接続され、他端を取込集積機構6Cの近傍に位置させるように配置されている。
【0074】
保留側搬送路21は、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第2円弧状搬送路とも呼ぶ)25と、一端部が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第3円弧状搬送路とも呼ぶ)26とから構成されている。
【0075】
第2円弧状搬送路25は、円弧の外側を前方向に向けた姿勢で、一端が第1円弧状搬送路24の所定の接続位置(以下、これを第1接続位置とも呼ぶ)に接続されて配置されている。
【0076】
また第3円弧状搬送路26は、円弧の外側を前方向に向けた姿勢で、一端が第2円弧状搬送路25の他端に接続されると共に、他端が取込繰出機構11Aの取込繰出端に接続されて当該第2円弧状搬送路25の円弧を一時保留部11側へ延長させたように配置されている。
【0077】
投入取出側搬送路22は、全体が円弧状に形成された搬送路(以下、これを第4円弧状搬送路とも呼ぶ)27と、一端部と中央部とが円弧状に形成された搬送路(以下、これを第5円弧状搬送路とも呼ぶ)18とから構成されている。
【0078】
第4円弧状搬送路27は、円弧の外側を後方向に向けた姿勢で、一端が第2円弧状搬送路25の他端及び第3円弧状搬送路26の一端に接続されると共に、他端が第1円弧状搬送路24の他端に接続されて配置されている。
【0079】
また第5円弧状搬送路28は、一端部の円弧の外側を後斜下側に向け、かつ中央部の円弧の外側を前斜下側に向けた姿勢で、一端が第1円弧状搬送路24の他端及び第4円弧状搬送路27の他端に接続されると共に、他端が取込集積機構6Cの紙幣取込端に接続されて配置されている。
【0080】
因みに、以下の説明では、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25、第3円弧状搬送路26、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を、特には区別する必要のない場合、これらを単に円弧状搬送路とも呼ぶ。
【0081】
ここで、図3に示すように、第1円弧状搬送路24は、後側搬送路23の他端E1から真上の所定位置を中心(以下、これを第1中心とも呼ぶ)P1とし、当該他端E1から中心P1までの距離を半径(以下、これを第1半径とも呼ぶ)R1とする円の円周を基準に形成されている。
【0082】
すなわち、第1円弧状搬送路24は、係る円周において、第1中心P1から真下に伸びる仮想線との交点を一端E2とし、当該第1中心P1から真上よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端E3として、一端E2及び他端E3間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0083】
そして第1円弧状搬送路24は、一端E2を円周の一点とすることで、その一点での接線上に後側搬送路23を位置させて、当該一端E2に後側搬送路23の他端E1が接続されている。
【0084】
よって第1円弧状搬送路24は、後側搬送路23との間で、紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく受け渡すことができるようにしている。
【0085】
実際に第1円弧状搬送路24には、紙幣を搬送するための搬送駆動部が設けられている。係る搬送駆動部は、ドライブ軸(図示せず)、例えば、円柱状の1つのドライブローラ24A、複数のテンション軸(図示せず)、複数のテンションローラ24B、搬送ガイド24C、モータ(図示せず)等を有している。
【0086】
この場合、ドライブ軸は、第1中心P1に左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持され、一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0087】
またドライブローラ24Aは、第1半径R1と等しい半径を有し、当該ドライブローラ24Aの長手方向に沿って周側面に所定の間隔で、1周に亘る溝部が形成されている。
【0088】
そしてドライブローラ24Aは、中心に孔部(図示せず)が穿設されており、当該中心の孔部を介してドライブ軸に取り付けられている。
【0089】
よって搬送駆動部は、モータを介してドライブ軸を回転駆動することにより、ドライブ軸(すなわち、第1中心P1)を中心にしてドライブローラ24Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0090】
また複数のテンション軸は、第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3までの範囲においてドライブローラ24Aの周側面の近傍に所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして複数のテンション軸は、それぞれ第1中心P1の方向に付勢されている。
【0091】
また複数のテンションローラ24Bは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0092】
さらに複数のテンションローラ24Bは、所定数毎に、中心の孔部を介して1本のテンション軸にドライブローラ24Aの周側面(すなわち、溝部以外)と対向するように所定間隔で取り付けられている。
【0093】
従って搬送駆動部は、複数のテンション軸に対する付勢により、複数のテンションローラ24Bの周側面を、それぞれドライブローラ24Aの周側面に押し付けることができる。
【0094】
よって搬送駆動部は、ドライブローラ24Aを一方向及び他方向に回転させたときには、これに連動させて複数のテンションローラ24Bを、テンション軸を中心にしてドライブローラ24Aとは逆の他方向及び一方向へ回転させることができる。
【0095】
さらに搬送ガイド24Cは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のテンションローラ24Bの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0096】
そして搬送ガイド24Cは、複数の孔部にそれぞれ対応するテンションローラ24Bを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路24の一端E2付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をドライブローラ24Aの周側面に近接させて配置されている。
【0097】
係る構成のもと第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、後述するように後側搬送路23を介して紙幣が搬送された場合、ドライブローラ24Aを一方向に回転させる。
【0098】
これにより第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、一端E2側からドライブローラ24Aと順次1組のテンションローラ24Bとの間に挟み込むように取り込む一方、他端E3側に押し出すようにして第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路28へ搬送する。
【0099】
また第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、後述するように第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、ドライブローラ24Aを他方向に回転させる。
【0100】
これにより第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、他端E3側からドライブローラ24Aと順次1組のテンションローラ24Bとの間に挟み込むように取り取り込む一方、一端E2側に押し出すようにして後側搬送路23へ搬送する。
【0101】
ところで、第1円弧状搬送路24では、円弧の第1半径R1が比較的大きく選定されている。このため第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0102】
よって、第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、ドライブローラ24Aの周側面からの紙幣の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0103】
また第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、仮に紙幣が浮き上がりかけても、ドライブローラ24Aの周側面に近接する搬送ガイド24Cの内面により紙幣を当該ドライブローラ24A側へ押し戻すようにしてドライブローラ24Aと複数のテンションローラ24Bとの間に案内することができる。
【0104】
さらに第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、ドライブローラ24Aの周側面に搬送ガイド24Cの内面を近接させていることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0105】
さらに第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、複数のテンション軸の配置間隔が、例えば、搬送対象の紙幣の短手方向の長さの1/2以下に適宜選定されると共に、その配置間隔と第1円弧状搬送路24の円弧の長さとに応じて当該テンション軸の本数も適宜選定されている。
【0106】
よって第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、ドライブローラ24Aと1組のテンションローラ24Bとの間から搬送中の紙幣の一方の長辺側端部を押し出した際、当該紙幣の長辺側端部をほとんど浮かせることなく、次の1組のテンションローラ24Bで挟み込むことができる。
【0107】
このようにして第1円弧状搬送路24の搬送駆動部は、紙幣を、テンションローラ24Bや、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0108】
一方、第2円弧状搬送路25は、第1中心P1から、真上よりも後側へ30度傾いた方向に2倍の第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第2中心とも呼ぶ)P2とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0109】
すなわち、第2円弧状搬送路25は、係る円周において、第2中心P2から真下よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を一端E4とし、当該第2中心P2から右方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を他端E5として、一端E4及び他端E5間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0110】
そして第2円弧状搬送路25は、第1円弧状搬送路24において第1中心P1及び第2中心P2間を結ぶ仮想線と交差する第1接続位置T1に一端E4が、互いの円弧の外側を対向させるように接続されている。
【0111】
すなわち、第2円弧状搬送路25は、第1円弧状搬送路24に対し、一端E4の接線を、当該第1円弧状搬送路24の第1接続位置T1の接線と一致させて、第1円弧状搬送路24の一端E2から第1接続位置T2までと自身とで緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0112】
よって第2円弧状搬送路25は、後述するように第1円弧状搬送路24の一端E2から第1接続位置T1まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E4で受け取って引き続き他端E5まで搬送することができる。
【0113】
また第2円弧状搬送路25は、後述するように他端E5から一端E4まで搬送した紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく第1円弧状搬送路24に第1接続位置T1で受け取らせて引き続き当該第1円弧状搬送路24に第1接続位置T1から一端E2へと搬送させることができる。
【0114】
実際に図4に示すように、第2円弧状搬送路25には、紙幣を搬送するための搬送駆動部が設けられている。係る搬送駆動部は、複数のドライブ軸(図示せず)、複数のモータ(図示せず)、複数のドライブローラ25A、複数のアイドル軸(図示せず)、複数のアイドルローラ25B、複数の搬送ベルト25C、搬送ガイド25D等を有している。
【0115】
この場合、複数のドライブ軸のうち2本は、例えば、第2円弧状搬送路25の円弧の一端E4を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0116】
また複数のドライブ軸のうち他の2本は、例えば、第2円弧状搬送路25の円弧の他端E5を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして、これら複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0117】
さらに複数のアイドル軸は、円弧の内側の一方のドライブ軸から他方のドライブ軸までの間に、当該円弧に沿って所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0118】
一方、複数のドライブローラ25Aは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0119】
そして複数のドライブローラ25Aは、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0120】
また複数のアイドルローラ25Bは、それぞれドライブローラ25Aと等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0121】
そして複数のアイドルローラ25Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ25Aの取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のアイドル軸に所定間隔で(すなわち、円弧に沿ってドライブローラ25Aと並ぶように)で取り付けられている。
【0122】
さらに複数の搬送ベルト25Cは、それぞれ円弧の内側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ25Aから、複数のアイドルローラ25Bを介して他方のドライブローラ25Aまでに掛けられて、表面の一部を円弧に添わせている。
【0123】
これにより搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ25Aを一方向及び他方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト25Cを、その表面の一部を円弧に添わせた状態で一方向及び他方向に回転させることができる。
【0124】
また複数の搬送ベルト25Cは、それぞれ円弧の外側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ25Aから他方のドライブローラ25Aにも掛けられて、表面の一部を円弧の内側の対向する搬送ベルトの表面の一部に押し付けている。
【0125】
そして搬送駆動部は、円弧の外側に配置されたドライブ軸についてはモータを介して、当該円弧の内側に配置されたドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0126】
よって搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ25Aを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト25Cを、円弧の内側で回転する搬送ベルト25Cに押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0127】
これに加えて搬送ガイド25Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、円弧の外側に位置する複数の搬送ベルト25Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0128】
そして搬送ガイド25Dは、複数の孔部にそれぞれ円弧の外側の対応する搬送ベルト25Dを挿入させて、例えば、第2円弧状搬送路25の一端E4付近から他端E5付近までに亘り、内面を円弧の内側の搬送ベルト25Dの表面に近接させて配置されている。
【0129】
係る構成のもと第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、後述するように第1円弧状搬送路24を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び外側の搬送ベルト25Cを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0130】
これにより第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、一端E4側から、対向する搬送ベルト25Cの間に挟み込むように取り込む一方、他端E5側に押し出すようにして第3円弧状搬送路26へ搬送する。
【0131】
また第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、後述するように第3円弧状搬送路26を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び外側の搬送ベルト25Cを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0132】
これにより第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、他端E5側から、対向する搬送ベルト25Cの間に挟み込むように取り込む一方、一端E4側に押し出すようにして第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0133】
ところで、第2円弧状搬送路25は、円弧の半径が比較的大きな第1半径R1に選定されている。このため第2円弧状搬送路25の搬送駆動部も、第1円弧状搬送路24と同様に紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0134】
よって、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、当該紙幣において搬送ベルト25Cによる挟持部分以外の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0135】
また第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、搬送ガイド25Dの内面を円弧の内側の搬送ベルト25Dの表面に近接させていることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0136】
このようにして第2円弧状搬送路25の搬送駆動部は、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0137】
ところで、第3円弧状搬送路26(図3)は、第2中心P2を中心とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0138】
すなわち、第3円弧状搬送路26は、係る円周において、第2中心P2から右方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を一端E6とし、当該第2中心P2の真上に伸びる仮想線との交点を第1円弧端位置T2として、一端側が一端E4及び第1円弧端位置T2間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0139】
また第3円弧状搬送路26は、第1円弧端位置T2から他端E7までの他端側が、係る円周の第1円弧端位置T2での接線に沿って(すなわち、水平に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成されている。
【0140】
因みに、以下の説明では、第3円弧状搬送路26において第1円弧端位置T2から他端E7までの他端側の部分を、他端側水平部分とも呼ぶ。
【0141】
そして第3円弧状搬送路26は、一端E6が第2円弧状搬送路25の他端E5に、互いの円弧の外側を同一の右方向へ向けるように接続されている。
【0142】
すなわち、第3円弧状搬送路26は、第2円弧状搬送路25に対し、一端E6の接線を、当該第2円弧状搬送路25の他端E5の接線と一致させて、第2円弧状搬送路25と、自身の一端E6から第1円弧端位置T2までとにより1つの円弧を形成するように接続されている。
【0143】
よって第3円弧状搬送路26は、後述するように第2円弧状搬送路25の一端E4から他端E5まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E6で受け取って引き続き他端E7まで搬送することができる。
【0144】
また第3円弧状搬送路26は、後述するように他端E7から一端E6まで搬送した紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく第2円弧状搬送路25に受け取らせて引き続き当該第2円弧状搬送路25に他端E5から一端E4へと搬送させることができる。
【0145】
実際に第3円弧状搬送路26には、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0146】
よって第3円弧状搬送路26の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0147】
また第4円弧状搬送路27(図3)は、第1中心P1から真上よりも前側へ30度傾いた方向に2倍の第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第3中心とも呼ぶ)P3とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0148】
すなわち、第4円弧状搬送路27は、係る円周において、第3中心P3から左方向に水平(すなわち、真横)に伸びる仮想線との交点を一端E8とし、当該第3中心P3から真下よりも後側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端E9として、一端E4及び他端E5間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0149】
そして第4円弧状搬送路27は、一端E8が第3円弧状搬送路26の一端E6(及び第2円弧状搬送路25の他端E5)に、互いの円弧の外側を対向させるように接続されている。
【0150】
すなわち、第4円弧状搬送路27は、第3円弧状搬送路26(及び第2円弧状搬送路25)に対し、一端E8の接線を、当該第3円弧状搬送路26の一端E6の接線(及び第2円弧状搬送路25の他端E5の接線)と一致させて、第3円弧状搬送路26の第1円弧端位置T2から一端E6までと自身とで緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0151】
よって第4円弧状搬送路27は、後述するように第3円弧状搬送路22の他端E7から一端E6まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E8で受け取って引き続き他端E9まで搬送することができる。
【0152】
実際に第4円弧状搬送路27にも、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0153】
よって第4円弧状搬送路27の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0154】
これに加えて第5円弧状搬送路28(図2及び図3)は、第3中心P3を中心とする第1半径R1の円の円周を基準に一端側が形成されている。
【0155】
すなわち、第5円弧状搬送路28は、係る円周において、第3中心P3から真下よりも後側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を一端E10とし、当該第3中心P3の真下に伸びる仮想線との交点を第2円弧端位置T3として、一端側が一端E10及び第2円弧端位置T3間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0156】
また第5円弧状搬送路28は、第2円弧端位置T3から、取込集積機構6Cの紙幣取込端と接続される他端までが、係る円周の第2円弧端位置T3での接線に沿って(すなわち、水平に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成された後、上方向に屈曲されたように形成されている。
【0157】
因みに、以下の説明では、第5円弧状搬送路28において第2円弧端位置T2から他端までの間で水平な直線状に形成された部分を、一端側水平部分とも呼ぶ。
【0158】
ただし、第5円弧状搬送路28は、第2円弧端位置T3から他端まで間の屈曲部分については、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周を基準として、当該円周の90度の範囲の円弧(すなわち、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周の1/4となる円弧)に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0159】
また第5円弧状搬送路28は、円弧状の屈曲部分から他端までが、第1半径R1以下の長さを半径とする円の円周の接線に沿って(すなわち、垂直に)紙幣を搬送するように(すなわち、直線状に)形成されている。
【0160】
そして第5円弧状搬送路28は、一端E10が第4円弧状搬送路27の他端E9に、互いの円弧の外側を同一の後斜下側に向けるように接続されている。
【0161】
すなわち、第5円弧状搬送路28は、第4円弧状搬送路27に対し、一端E10の接線を、当該第4円弧状搬送路27の他端E9の接線と一致させて、第4円弧状搬送路27と共に、これよりも長い1つの円弧を形成するように接続されている。
【0162】
また第5円弧状搬送路28は、一端E10が第1円弧状搬送路24の他端E3にも接続されている。ただし、第5円弧状搬送路28は、第1円弧状搬送路24に対し、一端E10の接線を当該第1円弧状搬送路24の他端E3の接線と一致させて互いの円弧の外側を対向させることで、第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3までと自身の一端E10から第2円弧端位置T3までとにより緩やかな逆S字を描くように接続されている。
【0163】
よって第5円弧状搬送路28は、後述するように第4円弧状搬送路27の一端E8から他端E9まで搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく一端E10で受け取って引き続き他端まで搬送することができる。
【0164】
また第5円弧状搬送路28は、後述するように第1円弧状搬送路24の一端E2から他端E3まで搬送された紙幣についても、搬送方向を急激に変化させることなく一端E10で受け取って引き続き他端まで搬送することができる。
【0165】
実際に第5円弧状搬送路28には、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0166】
よって第5円弧状搬送路28の搬送駆動部も、第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0167】
ところで、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第4円弧状搬送路27は、上述のように円弧の半径が等しく選定され、互いに円弧の外側を対向させて相互に2つの接続位置で接続されている。
【0168】
よって図3からも明らかなように、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第4円弧状搬送路27それぞれの2つの接続位置間の円弧で囲まれた部分には、左方向と平行な略三角筒状の空間(以下、これを搬送路囲空間とも呼ぶ)が形成されている。
【0169】
そして、搬送路囲空間(図2及び図3)には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部29が配置されている。
【0170】
切換部29は、搬送路囲空間において第1中心P1から真上に伸びる仮想線上(すなわち、第1中心P1を通る上方向と平行な仮想線上の当該第1中心P1よりも上側)の所定位置に、左方向と平行に配置されたドライブシャフト(図示せず)を有している。
【0171】
また切換部29は、略楔状の複数の切換ブレード29Aも有しており、当該切換ブレード29Aの中央部には、孔部が穿設されている。
【0172】
そして複数の切換ブレード29Aは、先端の向く方向を揃えた状態で孔部を介してドライブシャフトに、上述のドライブローラ24Aや搬送ベルト25C等の配置位置とは重ならない所定の間隔で取り付けられている。
【0173】
さらに切換部29においてドライブシャフトの一端には、ステッピングモータ(図示せず)の駆動軸が連結されている。
【0174】
これにより切換部29は、ステッピングモータを介してドライブシャフトを回転駆動することにより、当該ドライブシャフトを中心にして複数の切換ブレード29Aを、上述のドライブローラ21Aや搬送ベルト等に干渉させずに一方向及び他方向に回動させることができる。
【0175】
ここで、図5に示すように、切換ブレード29Aは、先端から孔部29AXの中心を通る仮想線L1に関して、当該先端で鋭角に接する(すなわち、V字状に繋がる)一方の側面寄りと他方の側面寄りとが線対称に形成されている。
【0176】
実際に切換ブレード29Aは、一方及び他方の側面の長さが、それぞれ第1円弧状搬送路24の2つの接続位置間(すなわち、第2円弧状搬送路25や第4円弧状搬送路27の2つの接続位置間でもある)の長さよりも僅かに長く選定されている。
【0177】
また切換ブレード29Aは、一方の側面の中央部、及び他方の側面の中央部にそれぞれ、第1円弧状搬送路24の2つの接続位置間の円弧状(すなわち、円弧の形状、長さ及び接続点から頂点までの高さ)と等しい円弧状の切欠部29AY、29AZが形成されている。
【0178】
因みに、以下の説明では、切換ブレード29Aの一方及び他方の側面に形成された円弧状の切欠部29AY、29AZを、円弧状切欠部29AY、29AZとも呼ぶ。
【0179】
そして切換ブレード29Aは、搬送路囲空間で回転した場合、先端の向く方向に応じて、一方の円弧状切欠部29AYと他方の円弧状切欠部29AZとを切り換えて何れかの円弧状搬送路の2つの接続位置間に添わせるように、一方及び他方の側面間の角度が適宜選定されている。
【0180】
これにより図6(A)乃至(C)に示すように、切換部29は、切換ブレード29Aを適宜回転させて2つの円弧状切欠部29AY、29AZのうち一方を、一方の円弧状搬送路の2つの接続位置間に添わせたとき、当該一方又は他方の円弧状搬送路を介して搬送された紙幣を、搬送方向を急激に変化させることなく他方又は一方の円弧状搬送路に案内することができる。
【0181】
すなわち、切換部29は、切換ブレード29Aにより、紙幣を一方の円弧状搬送路から他方の円弧状搬送路へと案内するようにして、全体として緩やかな逆S字を描くように搬送させることができる。
【0182】
このようにして切換部29は、切換ブレード29Aを搬送路囲空間で回転させることで、第1円弧状搬送路24と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26と、第5円弧状搬送路28との一方に容易にかつ的確に切り換えることができる。
【0183】
また切換部29は、切換ブレード29Aを搬送路囲空間で回転させることで、第3円弧状搬送路26と共に紙幣の搬送に用いる搬送路を、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24と、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28との一方に容易にかつ的確に切り換えることもできる。
【0184】
ところで、現金自動預払機1内には、例えば、マイクロコンピュータ構成の制御部30が設けられている。そして制御部30は、現金自動預払機1全体を統括制御することにより、上述した紙幣投入取出部6や鑑別部10、一時保留部11、切換部18、29、下部ユニット12、複数の搬送路を紙幣の入金や出金に応じて動作させる。
【0185】
因みに、現金自動預払機1では、紙幣の入金時及び出金時の何れにおいても、上述の複数の搬送路を介して紙幣を、当該紙幣の一方の長辺を搬送方向に向けて(すなわち、紙幣の短手方向を搬送方向とほぼ平行にして)搬送する。
【0186】
これにより制御部30は、紙幣の入金時、紙幣投入取出部6内の載上台6Aに紙幣が載上される(すなわち、紙幣投入取出部6内に紙幣が投入される)と、仕切板6Dを前方向に移動させて当該載上台6A上で紙幣を前側の壁に付き当てるように寄せて揃える。
【0187】
この状態で制御部30は、分離繰出機構6Bにより載上台6A上の紙幣を1枚ずつ分離して紙幣投入取出部6の下側に順次繰り出す。
【0188】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により繰出側搬送路15の先で、前側搬送路16を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0189】
よって制御部30は、紙幣投入取出部6から1枚ずつ繰り出された紙幣を、繰出側搬送路15を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続き前側搬送路16を介して鑑別部10に搬送する。
【0190】
そして鑑別部10は、このようにして紙幣投入取出部6から搬送された紙幣を、鑑別前側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を鑑別した後、鑑別後側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0191】
これにより制御部30は、このようにして鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0192】
ここで、制御部30は、鑑別部10から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、第1円弧状搬送路24の途中から、切換部29により当該第1円弧状搬送路24に換えて第2円弧状搬送路25を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0193】
よって制御部30は、正常である紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送したところで、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送する。
【0194】
そして一時保留部11は、このようにして鑑別部10から搬送された紙幣を、取込繰出機構11Aを介して内部に1枚ずつ取り込んで保持する。これにより制御部30は、紙幣の入金を一時的に保留する。
【0195】
ただし、制御部30は、鑑別部10により鑑別された紙幣の中に異常であると鑑別された紙幣が存在すると、その異常であると鑑別された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第1円弧状搬送路24及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0196】
よって制御部30は、異常であると鑑別された紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送し、さらに第5円弧状搬送路28を介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0197】
因みに、鑑別部10により異常であると鑑別された紙幣については、現金自動預払機1では取り扱いを拒絶するものであり、以下、係る紙幣を、特にリジェクト紙幣とも呼ぶ。
【0198】
そして制御部30は、取込集積機構6Cによりリジェクト紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上する。
【0199】
因みに、制御部30は、この際、仕切板6Dを後方向に移動させるようにして紙幣の取込空間を適宜狭めることにより載上台6A上での紙幣の散乱を防止する。
【0200】
このようにして制御部30は、鑑別部10において、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣が全て鑑別されると、リジェクト紙幣が存在する場合には、当該リジェクト紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0201】
また制御部30は、このとき鑑別部10により正常であると鑑別された紙幣の金種から、入金を保留している紙幣の総額を計数する。そして制御部30は、タッチスクリーン4に表示する操作画像を介して顧客に、その計数した総額を提示する。
【0202】
その結果、制御部30は、顧客によりタッチスクリーン4の表面がタッチ操作され、入金の金額が確定されると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0203】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0204】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24の一部及び後側搬送路23を順次介して再び鑑別部10に搬送する。
【0205】
そして鑑別部10は、このようにして一時保留部11から搬送された紙幣を、鑑別後側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を再び鑑別した後、鑑別前側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0206】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により前側搬送路16の先で、ユニット側搬送路17を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0207】
よって制御部30は、鑑別部10から繰り出された紙幣を1枚ずつ、前側搬送路16を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続きユニット側搬送路17を介して下部ユニット12に搬送する。
【0208】
これにより制御部30は、顧客により入金される紙幣を、下部ユニット12において振分搬送路13を介して、鑑別された金種に応じた紙幣収納カセットに収納する。
【0209】
ところで、制御部30は、係る入金の際、顧客に入金を保留している紙幣の総額を提示した結果、タッチスクリーン4の表面がタッチ操作され入金の取り消しが指示されると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0210】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0211】
よって制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を順次介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0212】
これにより制御部30は、取込集積機構6Cにより紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上するようにして、当該紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0213】
一方、制御部30は、紙幣の出金時、顧客によりタッチスクリーン4の表面がタッチ操作され、当該顧客の口座から出金可能な金額が指定されると、切換部18によりユニット側搬送路17の先で、前側搬送路16を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0214】
この状態で制御部30は、下部ユニット12において紙幣収納カセットから、顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
【0215】
よって制御部30は、紙幣収納カセットから繰り出した紙幣を1枚ずつ、振分搬送路13及びユニット側搬送路17を順次介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続き及び前側搬送路16を介して鑑別部10に搬送する。
【0216】
鑑別部10は、このようにして下部ユニット12の紙幣収納カセットから搬送された紙幣を、鑑別前側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該紙幣の金種や状態等を鑑別した後、鑑別後側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0217】
これにより制御部30は、このようにして鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する。
【0218】
ここで、制御部30は、鑑別部10により正常であると鑑別されて繰り出された紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第1円弧状搬送路24及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0219】
よって制御部30は、正常であると鑑別された紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送し、さらに第5円弧状搬送路28を介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0220】
そして制御部30は、取込集積機構6Cにより紙幣を紙幣投入取出部6内に取り込んで載上台6D上に載上するようにして、当該紙幣を、紙幣投入取出部6を介して顧客に引き渡す。
【0221】
ただし、制御部30は、鑑別部10により鑑別された紙幣の中にリジェクト紙幣が存在すると、そのリジェクト紙幣を、後側搬送路23を介して搬送したときには、当該後側搬送路23の先で切換部29により第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0222】
よって制御部30は、リジェクト紙幣は、後側搬送路23から第1円弧状搬送路24の途中まで搬送したところで、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送する。
【0223】
そして一時保留部11は、このようにして鑑別部10から搬送された紙幣を、取込繰出機構11Aを介して内部に1枚ずつ取り込んで保持する。
【0224】
制御部30は、このように出金において一時保留部11にリジェクト紙幣を保持すると、出金の終了後(すなわち、紙幣を顧客に引き渡した後)、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25及び第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0225】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していたリジェクト紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0226】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出されたリジェクト紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24の一部及び後側搬送路23を順次介して再び鑑別部10に搬送する。
【0227】
そして鑑別部10は、このようにして一時保留部11から搬送されたリジェクト紙幣を、鑑別後側取込排出口を介して内部に1枚ずつ取り込みながら、当該リジェクト紙幣の金種や状態等を再び鑑別した後、鑑別前側取込排出口から1枚ずつ繰り出す。
【0228】
ところで、制御部30は、このとき切換部18により前側搬送路16の先で、ユニット側搬送路17を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0229】
よって制御部30は、鑑別部10から繰り出されたリジェクト紙幣を1枚ずつ、前側搬送路16を介して搬送した後、切換部18による搬送路の切り換えにより引き続きユニット側搬送路17を介して下部ユニット12に搬送する。
【0230】
これにより制御部30は、リジェクト紙幣を、下部ユニット12において振分搬送路13を介して対応する紙幣収納カセットに収納する。
【0231】
このようにして制御部30は、紙幣の入金や出金に応じて各部間で当該紙幣を、搬送路を介して搬送することで、顧客が所望する紙幣の入金や出金の取り引きを行うことができる。
【0232】
(1−3)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、紙幣搬送部19において鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を互いに接続するための3つの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の一部の区間を円弧状に形成する。
【0233】
そして現金自動預払機1では、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6の間に、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、それぞれの円弧状の区間の2つの接続位置を、それぞれ異なる鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22と互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置する。
【0234】
また現金自動預払機1は、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22との接続箇所に切換部29を配置する。
【0235】
そして現金自動預払機1は、鑑別部10から紙幣を一時保留部11や紙幣投入取出部6へ搬送する場合、鑑別側搬送路20を介して搬送した紙幣を、切換部29により他の保留側搬送路21や投入取出側搬送路22に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換える。
【0236】
また現金自動預払機1は、一時保留部11から紙幣を鑑別部10や紙幣収納取出部6へ搬送する場合、保留側搬送路21を介して搬送した紙幣を、切換部29により他の鑑別側搬送路20や投入取出側搬送路22に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換える。
【0237】
従って現金自動預払機1は、鑑別部10から紙幣を一時保留部11や紙幣投入取出部6へ搬送し、また一時保留部11から紙幣を鑑別部10や紙幣収納取出部6へ搬送する場合、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で、紙幣の搬送に用いる搬送路を何れに切り換えても、当該紙幣が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。
【0238】
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を互いに接続するための3つの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の一部の区間を円弧状に形成して、当該鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、それぞれの円弧状の区間の2つの位置を、それぞれ異なる鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22と互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置すると共に、これらの接続箇所に切換部29を配置して、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6の間で紙幣を搬送する場合に、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で切換部29により、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるようにした。
【0239】
これにより現金自動預払機1は、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の接続箇所で、何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22から他の何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22に切り換えて紙幣を搬送する場合でも、当該紙幣が接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させることができる。よって現金自動預払機1は、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0240】
ここで、現金自動預払機1が扱う紙幣としては、新札や、新札と同程度の状態の紙幣のように状態の良いものもあるが、顧客等の取り扱いを経て折れ癖がついた紙幣や、曲がり癖のついた(カールしている)紙幣、破れている紙幣、張りのない(腰のない)紙幣等のように、状態の良くないものもある。
【0241】
ただし、現金自動預払機1が出金時に扱う紙幣については、行員等により紙幣収納カセットに装填された新札や、顧客により入金された紙幣の中でも、例えば、イジェクト紙幣として状態の良くない紙幣を取り除いたうえで紙幣収納カセットに収納していた紙幣のように状態の良い紙幣がほとんどである。
【0242】
これに対し現金自動預払機1が入金時に扱う紙幣については、顧客が投入する紙幣であるため、出金時に扱う紙幣に比べて、状態の良くない紙幣が多い傾向にある。
【0243】
そして紙幣の搬送に用いる複数の搬送路を当該紙幣の搬送方向を急激に変化させるように接続するような構成では、新札のような状態の良い紙幣を搬送する場合よりも、状態の良くない紙幣を搬送する場合にジャムが発生し易い傾向にある。
【0244】
このため、紙幣の搬送に用いる搬送路を当該紙幣の搬送方向を急激に変化させるように接続するような構成では、出金時よりも入金時にジャムが発生し易い傾向にある。
【0245】
しかしながら、第1の実施の形態による現金自動預払機1によれば、上述のように一部の区間が円弧状に形成された鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を接続して配置している。
【0246】
よって現金自動預払機1は、入金時に、何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22から他の何れの鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22に切り換えて紙幣を搬送する場合でも、紙幣が、これらの接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止して、ジャムの発生を大幅に低減させ、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0247】
また現金自動預払機1では、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22のそれぞれの円弧状の区間を等しい半径の円の円周を基に形成し、当該鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を、円弧状の区間の2つの接続位置で、互いの円弧の外側を対向させるようにして接続して配置している。
【0248】
従って現金自動預払機1は、搬送路囲空間を略正三角形状にすることができる。そして現金自動預払機1は、その搬送路囲空間の中央部に、一方及び他方の側面にそれぞれ円弧状切欠部29AY、29AZが形成された略楔状の切換ブレード29Aを有する切換部29を配置するようにした。
【0249】
よって現金自動預払機1では、切換ブレード29Aを先端から孔部29AXの中心を通る仮想線L1に関して、一方の側面側と他方の側面側とを線対称とする単純な形状に形成し、当該切換ブレード29Aを回転させることで、紙幣の搬送に用いる搬送路を、鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22の何れにも容易にかつ的確に切り換えることができる。
【0250】
(2)第2の実施の形態
(2−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図7を用いて、第2の実施の形態による現金自動預払機40の内部構成について説明する。
【0251】
係る現金自動預払機40は、紙幣搬送部41において鑑別側搬送路42と、投入取出側搬送路43の第5円弧状搬送路44との構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0252】
この場合、鑑別側搬送路42の第1円弧状搬送路45は、後側搬送路46の他端から真上へ、第1半径R1分、離れた位置を中心(以下、これを第4中心とも呼ぶ)P4とする第1半径R1の円の円周を基準に形成されている。
【0253】
すなわち、第1円弧状搬送路45は、係る円周において、第4中心P4から真下に伸びる仮想線との交点を一端とし、当該第4中心P4から真上よりも前側へ30度傾いた方向に伸びる仮想線との交点を他端として、一端及び他端間の円弧に沿って紙幣を搬送するように(すなわち、円弧状に)形成されている。
【0254】
そして第1円弧状搬送路45には、紙幣を搬送するために、複数のドライブ軸(図示せず)、第1半径R1よりも小さい半径を有する複数のドライブローラ45A、複数のテンション軸(図示せず)、複数のテンションローラ45B、一対の搬送ガイド(図示せず)、複数のモータ(図示せず)等を有する搬送駆動部が設けられている。
【0255】
この場合、複数のドライブ軸は、第1円弧状搬送路45の一端から他端までの範囲において円弧の内側に所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。また複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0256】
さらに複数のドライブローラ45Aは、それぞれ中心に孔部(図示せず)が穿設されており、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0257】
よって搬送駆動部は、モータを介して複数のドライブ軸を回転駆動することにより、これら複数のドライブ軸を中心にして当該トライブ軸に取り付けられた複数のドライブローラ45Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0258】
また複数のテンション軸は、第1円弧状搬送路45の一端から他端までの範囲において円弧の内側のドライブ軸と、第4中心P4から伸びる法線上で対向するように当該円弧の外側に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして複数のテンション軸は、それぞれ第4中心P4の方向に付勢されている。
【0259】
また複数のテンションローラ45Bは、それぞれ例えば、複数のドライブローラ45Aの半径と等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0260】
さらに複数のテンションローラ45Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ45Aと取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のテンション軸に所定間隔で(すなわち、ドライブローラ45Aと対向するように)取り付けられている。
【0261】
従って搬送駆動部は、複数のテンション軸それぞれの付勢により、複数のテンションローラ45Bの周側面を、それぞれ対向するドライブローラ45Aの周側面に押し付けることができる。
【0262】
よって搬送駆動部は、複数のドライブローラ45Aを一方向及び他方向に回転させたときには、これに連動させて複数のテンションローラ45Bを、テンション軸を中心にしてドライブローラ45Aとは逆の他方向及び一方向へ回転させることができる。
【0263】
また一対の搬送ガイドのうち一方は、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のテンションローラ45Bの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0264】
そして一方の搬送ガイドは、複数の孔部にそれぞれ対応するテンションローラ45Bを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路45の一端付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をドライブローラ45Aの周側面に近接させて配置されている。
【0265】
さらに一対の搬送ガイドのうち他方は、例えば、第1半径R1よりも僅かに小さい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数のドライブローラ45Aの配置位置に対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0266】
そして他方の搬送ガイドは、複数の孔部にそれぞれ対応するドライブローラ45Aを挿入させるようにして、例えば、第1円弧状搬送路45の一端付近から第2円弧状搬送路25との接続位置付近までに亘り、内面をテンションローラ45Bの周側面(すなわち、一方の搬送ガイドの内面)に近接させて配置されている。
【0267】
係る構成のもと第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、後側搬送路46を介して紙幣が搬送された場合、円弧に沿って順に配置された所定数毎のドライブローラ45Aをそれぞれ一方向に回転させる。
【0268】
これにより第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に順次挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして、第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路44へ搬送することができる。
【0269】
また第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、円弧に沿って順に配置された所定数毎のドライブローラ45Aをそれぞれ他方向に回転させる。
【0270】
これにより第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に順次挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして後側搬送路46へ搬送することができる。
【0271】
そして第1円弧状搬送路45は、上述した第1の実施の形態による第1円弧状搬送路24と同様に第1半径R1を基準として形成されている。このため第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、紙幣を比較的緩やかな円弧に沿って搬送している。
【0272】
よって、第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、搬送中の紙幣に掛かる遠心力を極力小さくして、複数のドライブローラ45Aの周側面からの紙幣の浮き上がりを大幅に低減させている。
【0273】
また第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、仮に紙幣に浮き上がりかけても、複数のドライブローラ45Aの周側面に近接する搬送ガイドの内面により紙幣を当該ドライブローラ45A側へ押し戻すようにして複数のドライブローラ45Aと複数のテンションローラ45Bとの間に案内することができる。
【0274】
さらに第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、一対の搬送ガイドを近接させて配置していることで、搬送中の紙幣を、例えばドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛けないようにガイドして搬送している。
【0275】
さらに第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、複数のドライブ軸及びテンション軸の配置間隔が、例えば、搬送対象の紙幣の短手方向の長さの1/2以下に適宜選定されると共に、その配置間隔と第1円弧状搬送路45の円弧の長さとに応じて当該テンション軸の個数も適宜選定されている。
【0276】
よって第1円弧状搬送路45の搬送駆動部は、ドライブローラ45Aとテンションローラ45Bとの間から搬送中の紙幣の一方の長辺側端部を押し出した際、当該紙幣の長辺側端部をほとんど浮かせることなく、次のドライブローラ45Aとテンションローラ45Bとで挟み込むことができる。
【0277】
このようにして第1円弧状搬送路45の搬送駆動部も、上述した第1の実施の形態による第1円弧状搬送路24と同様に、紙幣を、複数のテンションローラ45Bや、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧に沿って搬送することができる。
【0278】
そして現金自動預払機40では、第1円弧状搬送路45の係る構成により、当該第1円弧状搬送路45において一端及び他端よりも前側に出っ張る構成部品が存在しないため、第5円弧状搬送路44の一端から屈曲部分までの間の一端側水平部分を、第1の実施の形態による第5円弧状搬送路28(図2及び図3)の場合よりも短く形成している。
【0279】
また現金自動預払機1では、第1円弧状搬送路45の係る構成に応じて、後側搬送路46についても全体を、第1の実施の形態による後側搬送路23よりも短く形成している。
【0280】
これにより現金自動預払機1は、一時保留部11と共に、第1円弧状搬送路45、第2円弧状搬送路25、第3円弧状搬送路26、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路44を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができる。
【0281】
(2−2)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機40では、紙幣搬送部41において鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43を基本的には上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0282】
ただし、現金自動預払機40では、第1円弧状搬送路45を、一端から他端に亘り複数組のドライブローラ45Aと、これらに押し付ける複数組のテンションローラ45Bとを所定の間隔で順次配置して形成する。
【0283】
従って現金自動預払機40は、鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43と共に一時保留部11を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができる。
【0284】
以上の構成によれば、現金自動預払機40は、第1円弧状搬送路45を、一端から他端に亘り複数組のドライブローラ45Aと、これらに押し付ける複数組のテンションローラ45Bとを所定の間隔で順次配置して形成するようにした。
【0285】
これにより現金自動預払機40は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、鑑別側搬送路42、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路43と共に一時保留部11を、第1の実施の形態の場合よりも紙幣投入取出部6に近づけて配置することができ、かくして現金自動預払機40を小型化することができる。
【0286】
また現金自動預払機40は、係る構成により、第5円弧状搬送路44及び後側搬送路46を、第1の実施の形態の場合よりも構成部品を減らして短く形成することができ、かくして現金自動預払機40の構成を簡易化することもできる。
【0287】
さらに現金自動預払機40は、入金時や出金時に鑑別部10による鑑別結果を切換部29による搬送路の切り換えに反映させている。
【0288】
そして現金自動預払機40は、例えば、上述した第1の実施の形態の場合に後側搬送路23の長さが、紙幣の搬送速度、及び鑑別部10による紙幣の1枚当りの鑑別処理速度を考慮した最短の長さよりも長く選定されているのであれば、当該現金自動預払機40の構成により、後側搬送路46を、紙幣の搬送速度、及び鑑別部10による紙幣の1枚当りの鑑別処理速度を考慮した最短の長さで形成することもできる。
【0289】
(3)第3の実施の形態
(3−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図8を用いて第3の実施の形態による現金自動預払機50の内部構成について説明する。
【0290】
係る現金自動預払機50は、紙幣搬送部51において保留側搬送路52の第3円弧状搬送路53の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0291】
この場合、第3円弧状搬送路53は、一端部については、第1の実施の形態の場合と同様に第2中心P2を中心とする第1半径R1の円の円周を基準にして円弧状に形成されている。
【0292】
ただし、第3円弧状搬送路53は、一端部と、他端側水平部分との間の中央部53Aについては、第2中心P2よりも前斜上側の所定位置を中心とし第1半径R1よりも小さい所定の半径R2の円の円周を基準として、当該一端部及び他端側水平部分とはそれぞれ接線を一致させて繋がるように円弧状に形成されている。
【0293】
、
因みに、第3円弧状搬送路53には、上述した第1の実施の形態による第2円弧状搬送路25の搬送駆動部(図4)と基本的には同様に構成された搬送駆動部が設けられている。
【0294】
よって、係る第3円弧状搬送路53の搬送駆動部も、上述した第1の実施の形態による第2円弧状搬送路25の搬送駆動部と同様に、紙幣を、ドライブ軸とモータとを連結するためのギヤ等に引っ掛かけることなく、円弧及び当該円弧の接線に沿って搬送することができる。
【0295】
(3−2)第3の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機50では、紙幣搬送部51において鑑別側搬送路20及び投入取出側搬送路22を上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0296】
ただし、現金自動預払機50では、保留側搬送路52の第3円弧状搬送路53において中央部53Aを、一端部の円弧の第1半径R1よりも小さい半径R2の円の円周を基準にして円弧状に形成する。
【0297】
従って現金自動預払機50は、第3円弧状搬送路53を、上述した第1の実施の形態による第3円弧状搬送路26よりも小型化することができると共に、部品点数を減らして構成を簡易化することができる。
【0298】
以上の構成によれば、現金自動預払機50は、第3円弧状搬送路53において中央部53Aを、一端部の円弧の第1半径R1よりも小さい半径R2の円の円周を基準として円弧状に形成するようにした。
【0299】
これにより現金自動預払機50は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、第3円弧状搬送路53を、上述した第1の実施の形態による第3円弧状搬送路26よりも小型化することができると共に、部品点数を減らして構成を簡易化することができ、かくして現金自動預払機50を小型化及び簡易化することができる。
【0300】
(4)第4の実施の形態
(4−1)現金自動預払機の内部構成
次いで、図2との対応部分に同一符号を付した図9を用いて第4の実施の形態による現金自動預払機60の内部構成について説明する。
【0301】
係る現金自動預払機60は、一時保留部11と下部ユニット12との間に、偽券(すなわち、偽札)を収納するための偽券収納カセット61が設けられると共に、紙幣搬送部62に当該偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続する搬送路63が設けられた構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
【0302】
因みに、以下の説明では、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続する搬送路63を、カセット側搬送路63とも呼ぶ。
【0303】
この場合、偽券収納カセット61は、装置筐体2の装置後面2Bに設けられた扉部を介して装置筐体2内から外部へ引き出し、また外部から装置筐体2内に収納可能なように設けられている。
【0304】
また偽券収納カセット61内には、偽券を1枚ずつ当該偽券収納カセット61内に取り込むための取込機構61Aが設けられている。
【0305】
さらにカセット側搬送路63は、略直線状に形成され、一端が取込機構61Aの取込端に接続されると共に、他端が第1円弧状搬送路24の所定の接続位置(以下、これを第2接続位置もと呼ぶ)に接続され、後斜下方向と平行に配置されている。
【0306】
さらにカセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所には、紙幣の搬送に用いる搬送路を切り換えるための切換部64が配置されている。
【0307】
これにより切換部64は、例えば、第2円弧状搬送路25から第1円弧状搬送路24に搬送された紙幣を選択的にカセット側搬送路63に案内するようにして、当該紙幣の搬送に用いる搬送路を、第1円弧状搬送路24からカセット側搬送路63へ切り換えることができる。
【0308】
ところで、カセット側搬送路63は、例えば、他端部が直線状に形成されている。そしてカセット側搬送路63は、第1円弧状搬送路24の第2接続位置に対し、当該第2接続位置の接線に直線状の他端部を一致させるようにして他端が接続されている。
【0309】
よって第1円弧状搬送路24は、例えば、第2円弧状搬送路25を介して搬送された紙幣を受け取った場合、その紙幣をドライブローラ21Aの周側面から極端に浮かせることなく、カセット側搬送路63へスムーズに受け渡すことができる。
【0310】
係る構成のもと、制御部30は、入金時、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣を鑑別部10で鑑別している間、切換部64により第1円弧状搬送路24において第2接続位置の先でも、当該第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0311】
そして鑑別部10は、紙幣投入取出部6内に投入された紙幣の中で何れかの紙幣を偽券であると鑑別しても、当該偽券を他の紙幣と共に1枚ずつ鑑別後側取込排出口から繰り出す。
【0312】
よって制御部30は、鑑別部10から1枚ずつ繰り出された紙幣を偽券であるか否かに関わらずに、後側搬送路23を介して第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送した後、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送して保持させる。
【0313】
ただし、制御部30は、この際、鑑別部10により順次鑑別された紙幣について先頭からの順番や、鑑別結果を示す紙幣鑑別情報を内部のメモリに記憶している。
【0314】
そして制御部30は、顧客により入金の金額が確定されたときには、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0315】
この状態で一時保留部11は、取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す。
【0316】
これにより制御部30は、一時保留部11から1枚ずつ繰り出された紙幣を、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25を介して第1円弧状搬送路24へ搬送する
【0317】
この際、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、第2円弧状搬送路25を介して搬送している紙幣が正常であることを認識すると、切換部64により第1円弧状搬送路24を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0318】
よって制御部30は、正常であると鑑別された紙幣は、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送しても、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続き第1円弧状搬送路24の残りの部分を介して搬送した後、後側搬送路23を介して再び鑑別部10に搬送する。
【0319】
このようにして制御部30は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、正常であると鑑別された紙幣については、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納する。
【0320】
ただし、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、第2円弧状搬送路25を介して搬送している紙幣が偽券であることを認識すると、切換部64によりカセット側搬送路63を当該偽券の搬送に用いるように切り換える。
【0321】
よって制御部30は、偽券については、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送すると、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続きカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送する。
【0322】
そして偽券収納カセット61は、カセット側搬送路63を介して搬送された偽券を、取込機構61Aにより内部に収納する。
【0323】
また制御部30は、入金時、顧客により入金の取り消しが指示されると、一時保留部11から取込繰出機構11Aにより、当該一時保留部11内に保持していた紙幣を1枚ずつ分離して繰り出させる。
【0324】
この際、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、一時保留部11から繰り出された紙幣が正常であることを認識すると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を紙幣の搬送に用いるように切り換える。
【0325】
よって制御部30は、一時保留部11から繰り出された、正常であると鑑別された紙幣については、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第4円弧状搬送路27及び第5円弧状搬送路28を順次介して紙幣投入取出部6に搬送する。
【0326】
これにより制御部30は、正常であると鑑別された紙幣については、上述した第1の実施の形態と同様に紙幣投入取出部6を介して顧客に返却する。
【0327】
ただし、制御部30は、紙幣鑑別情報に基づき、一時保留部11から繰り出された紙幣が偽券であることを認識すると、切換部29により第3円弧状搬送路26の先で、第2円弧状搬送路25を当該偽券の搬送に用いるように切り換える。
【0328】
また制御部30は、このとき切換部64によりカセット側搬送路63を偽券の搬送に用いるようにも切り換える。
【0329】
よって制御部30は、偽券については、第3円弧状搬送路26を介して搬送した後、切換部29による搬送路の切り換えにより引き続き第2円弧状搬送路25を介して第1円弧状搬送路24に搬送する。
【0330】
そして制御部30は、係る偽券を、第1円弧状搬送路24の第2接続位置まで搬送すると、切換部64による搬送路の切り換えにより引き続きカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送する。
【0331】
そして偽券収納カセット61は、カセット側搬送路63を介して搬送された偽券を、取込機構61Aにより内部に取り込んで収納する。
【0332】
このようにして制御部30は、偽券については、下部ユニット12内の紙幣収納カセットには収納せず、また顧客へ返却もせずに、偽券収納カセット61と共に行員等に回収させる。
【0333】
(4−2)第4の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機60では、紙幣搬送部62において鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を上述した第1の実施の形態の場合と同様に構成している。
【0334】
これに加えて現金自動預払機60では、偽券収納カセット61を引出収納可能に設ける。また現金自動預払機60では、紙幣搬送部62において偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを接続するカセット側搬送路63を配置して、当該カセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所に切換部64を配置する。
【0335】
そして現金自動預払機60は、入金時に鑑別部10により入金対象の紙幣の中で偽券を鑑別すると、当該偽券を鑑別部10から後側搬送路23、第1円弧状搬送路24、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26を順次介して一時保留部11に搬送して、正常であると鑑別された紙幣と共に保持する。
【0336】
ただし、現金自動預払機60は、入金時、顧客により入金の金額が確定され、また入金の取り消しが指示されたときには、一時保留部11から偽券を、第3円弧状搬送路26、第2円弧状搬送路25、第1円弧状搬送路24及びカセット側搬送路63を順次介して偽券収納カセット61に搬送して収納する。
【0337】
従って現金自動預払機60は、入金時の紙幣の中に偽券が存在する場合、当該偽券を、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納せず、また顧客に返却することもなく分別して保管することができる。
【0338】
以上の構成によれば、現金自動預払機60は、偽券収納カセット61を引出収納可能に設けると共に、当該偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とをカセット側搬送路63で接続し、さらにカセット側搬送路63と第1円弧状搬送路24との接続箇所に切換部64を配置して、入金時に入金対象の紙幣の中で偽券を発見したときには、当該偽券を、切換部64による搬送路の切り換えによりカセット側搬送路63を介して偽券収納カセット61に搬送して収納するようにした。
【0339】
これにより現金自動預払機60は、入金時の紙幣の中に偽券が存在する場合、当該偽券を、下部ユニット12内の紙幣収納カセットに収納せず、また顧客に返却することもなく分別して保管することができ、かくして偽券を偽券収納カセット61と共に行員等に速やかに回収させることができる。
【0340】
また現金自動預払機60は、入金時、顧客により紙幣投入取出部6に投入された全ての紙幣を鑑別部10で鑑別すると、制御部30が、当該紙幣毎の鑑別の順番及び鑑別結果を示す紙幣鑑別情報を内部のメモリに記憶するようにした。
【0341】
従って現金自動預払機60は、一時保留部11として先入先出タイプと先入後出タイプの何れのタイプのものが設けられていても、当該一時保留部11に正常であると鑑別した紙幣と共に偽券を保持した場合、紙幣鑑別情報に基づき、偽券を他の紙幣と容易にかつ的確に区別して偽券収納カセット61に収納することができる。
【0342】
(5)他の実施の形態
なお上述した第1乃至第4の実施の形態においては、鑑別側搬送路20、42、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所である搬送路囲空間に1つの切換部29を配置するようにした場合について述べた。
【0343】
しかしながら本発明は、これに限らず、図10に示すように、搬送路囲空間において鑑別側搬送路20、42及び保留側搬送路21、52の接続箇所、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所、投入取出側搬送路22、43及び鑑別側搬送路20、42の接続箇所にそれぞれ切換部70乃至72を配置するようにしても良い。
【0344】
本発明は、係る構成によっても、紙幣が、これら鑑別側搬送路20、42及び保留側搬送路21、52の接続箇所、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43の接続箇所、投入取出側搬送路22、43及び鑑別側搬送路20、42の接続箇所を通る際に搬送方向が急激に変化することを防止することができる。
【0345】
よって本発明は、係る構成によっても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に、紙幣が搬送路の接続箇所を通るときのジャムの発生を大幅に低減させて、紙幣の搬送効率の低下を防止することができる。
【0346】
また上述した第1乃至第4の実施の形態においては、第1円弧状搬送路24、45を複数のドライブローラ24A、45A及び複数のテンションローラ24B、45B等からなる搬送駆動部を用いて構成するようにした場合について述べた。
【0347】
しかしながら本発明は、これに限らず、図11に示すように、第1円弧状搬送路75を第1半径R1と等しい半径を有する例えば、円柱状の1つの第1ドライブローラ75A、第1半径R1よりも小さい半径を有する複数の第2ドライブローラ75B、複数の搬送ベルト75C及び搬送ガイド75D等からなる搬送駆動部を用いて構成するようにしても良い。
【0348】
この場合、1本のドライブ軸は、第1中心P1に左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持され、一端が図示しないモータの駆動軸と連結されている。
【0349】
また第1ドライブローラ75Aは、中心に孔部(図示せず)が穿設されており、当該孔部を介して第1中心P1のドライブ軸に取り付けられている。
【0350】
さらに例えば、他の2本のドライブ軸は、第1円弧状搬送路75の一端の位置と、第1接続位置よりも僅かに一端側の所定位置とに、それぞれ第1ドライブローラ75Aの周側面に近接させて左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。因みに、他の2本のドライブ軸も、一端が図示しないモータの駆動軸と連結されている。
【0351】
そして複数の第2ドライブローラ75Bは、それぞれ中心に孔部(図示せず)が穿設されており、所定個数毎に孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で(すなわち、第1ドライブローラ75Aの周側面と対向するように)取り付けられている。
【0352】
また複数の搬送ベルト75Cは、第1円弧状搬送路75の一端の位置の第2ドライブローラ75Bから、第1接続位置よりも僅かに一端側の所定位置の第2ドライブローラ75Bに掛けられて、表面の一部を第1ドライブローラ75Aの周側面に添わせている。
【0353】
よって搬送駆動部は、モータを介して第1中心P1のドライブ軸を回転駆動することにより、当該ドライブ軸(すなわち、第1中心P1)を中心にして第1ドライブローラ75Aを一方向及び他方向に回動させることができる。
【0354】
また搬送駆動部は、他の2本のドライブ軸についてはモータを介して、第1中心P1のドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0355】
よって搬送駆動部は、モータを介して、他の2本のドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数の第2ドライブローラ75Bを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト75Cを、第1ドライブローラ75Aの周側面に押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0356】
これに加えて搬送ガイド75Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、複数の搬送ベルト75Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0357】
そして搬送ガイド75Dは、複数の孔部にそれぞれ対応する搬送ベルト75Dを挿入させて、例えば、第2円弧状搬送路75の一端付近から第1接続位置付近までに亘り、内面を第1ドライブローラ75Aの周側面に近接させて配置されている。
【0358】
係る構成のもと第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、後側搬送路23を介して紙幣が搬送された場合、第1ドライブローラ75A及び複数の搬送ベルト75Cを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0359】
これにより第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から第1ドライブローラ75Aと複数の搬送ベルト75Cとの間に挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして第2円弧状搬送路25や第5円弧状搬送路28へ搬送する。
【0360】
また第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、第2円弧状搬送路25を介して紙幣が搬送された場合、第1ドライブローラ75A及び複数の搬送ベルト75Cを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0361】
これにより第1円弧状搬送路75の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から第1ドライブローラ75Aと複数の搬送ベルト75Cとの間に挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして後側搬送路23へ搬送する。
【0362】
本発明は、係る構成の第1円弧状搬送路75を用いても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に紙幣を搬送することができる。
【0363】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、保留側搬送路21、52を、第2円弧状搬送路25及び第3円弧状搬送路26、53によって構成するようにした場合について述べた。
【0364】
しかしながら本発明は、これに限らず、図12に示すように、保留側搬送路76全体を1つの搬送路として構成するようにしても良い。
【0365】
すなわち、本発明は、係る構成の場合、保留側搬送路76に、上述した第1乃至第4の実施の形態による第2円弧状搬送路25と同様な搬送駆動部を設ける。
【0366】
この場合、保留側搬送路76の搬送駆動部では、複数のドライブ軸のうち2本は、例えば、保留側搬送路76の円弧の一端を通る法線上で当該円弧を介して対向する2つの位置に、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0367】
また複数のドライブ軸のうち他の2本は、例えば、保留側搬送路76の他端を通る上方向と平行な仮想線上で当該他端を介して対向する2つの位置に、左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。そして、これら複数のドライブ軸は、それぞれ一端がモータの駆動軸と連結されている。
【0368】
さらに複数のアイドル軸は、円弧の内側のドライブ軸から他端の下側のドライブ軸までの間に、当該円弧及び他端側水平部分に沿って所定の間隔で、それぞれ左方向と平行な姿勢で一方向及び他方向に回動可能に支持されている。
【0369】
一方、複数のドライブローラ76Aは、それぞれ第1半径R1よりも小さい、同一の半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0370】
そして複数のドライブローラ76Aは、所定数毎に、孔部を介して1本のドライブ軸に所定間隔で取り付けられている。
【0371】
また複数のアイドルローラ76Bは、それぞれドライブローラ76Aと等しい半径を有し、中心に孔部(図示せず)が穿設されている。
【0372】
そして複数のアイドルローラ76Bは、1本のドライブ軸に対するドライブローラ76Aの取付個数と同数毎に、孔部を介して1本のアイドル軸に所定間隔で(すなわち、円弧及び他端側水平部分に沿ってドライブローラ76Aと並ぶように)取り付けられている。
【0373】
さらに複数の搬送ベルト76Cは、それぞれ円弧の内側及び他端側水平部分の下側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ76Aから、複数のアイドルローラ76Bを介して他方のドライブローラ76Aまでに掛けられて、表面の一部を円弧及び他端側水平部分に添わせている。
【0374】
これにより搬送駆動部は、モータを介して、円弧の内側及び他端側水平部分の下側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ76Aを一方向及び他方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト76Cを、その表面の一部を円弧及び他端側水平部分に添わせた状態で一方向及び他方向に回転させることができる。
【0375】
また複数の搬送ベルト76Cは、それぞれ円弧の外側及び他端側水平部分の上側に沿って一列に並ぶ一方のドライブローラ76Aから他方のドライブローラ76Aにも掛けられて、表面の一部を円弧の内側の対向する搬送ベルト75Cの表面の一部に押し付けている。
【0376】
そして搬送駆動部は、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に配置されたドライブ軸についてはモータを介して、当該円弧の内側及び他端側水平部分の下側に配置されたドライブ軸とは逆方向に回転させるように回転駆動する。
【0377】
よって搬送駆動部は、モータを介して、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に配置されたドライブ軸を回転駆動した場合、当該ドライブ軸を中心にして複数のドライブローラ76Aを他方向及び一方向に回動させると共に、これに連動させて搬送ベルト76Cを、円弧の内側及び他端側水平部分の下側で回転する搬送ベルト76Cに押し付けながら、これとは逆の他方向及び一方向に回転させることができる。
【0378】
これに加えて搬送ガイド76Dは、例えば、第1半径R1よりも僅かに大きい半径の円の円周に添うような略円弧状に形成され、円弧の外側及び他端側水平部分の上側に位置する複数の搬送ベルト76Cに対応させて外面から内面に貫通する孔部が穿設されている。
【0379】
そして搬送ガイド76Dは、複数の孔部にそれぞれ円弧の外側及び他端側水平部分の上側の対応する搬送ベルト76Dを挿入させて、例えば、保留側搬送路76の中央部付近から他端付近までに亘り、内面を円弧の内側及び他端側水平部分の下側の搬送ベルト76Dの表面に近接させて配置されている。
【0380】
係る構成のもと保留側搬送路76の搬送駆動部は、第1円弧状搬送路24を介して紙幣が搬送された場合、円弧の内側及び他端側水平部分の下側の複数の搬送ベルト76Cと、円弧の外側及び他端側水平部分の上側の複数の搬送ベルト76Cとを互いに逆向きの他方向及び一方向に回転させる。
【0381】
これにより保留側搬送路76の搬送駆動部は、紙幣を、一端側から、対向する搬送ベルト76Cの間に挟み込むように取り込む一方、他端側に押し出すようにして一時保留部11へ搬送する。
【0382】
また保留側搬送路76の搬送駆動部は、一時保留部11から紙幣が繰り出された場合、円弧の内側及び他端側水平部分の下側の搬送ベルト76Cと、円弧の外側及び他端側水平部分の上側の搬送ベルト76Cとを互いに逆向きの一方向及び他方向に回転させる。
【0383】
これにより保留側搬送路76の搬送駆動部は、紙幣を、他端側から、対向する搬送ベルト76Cの間に挟み込むように取り込む一方、一端側に押し出すようにして第1円弧状搬送路24や第4円弧状搬送路27へ搬送する。
【0384】
本発明は、係る構成の保留側搬送路76を用いても、上述した第1乃至第4の実施の形態の場合と同様に紙幣を搬送することができる。
【0385】
また本発明は、鑑別側搬送路や投入取出側搬送路についても、同様に全体を1つの搬送路として構成するようにしても良い。
【0386】
さらに本発明は、保留側搬送路や投入取出側搬送路を、円弧状の部分と直線状の部分とでそれぞれ1つの搬送路として形成して組み合わせるようにしても良い。
【0387】
すなわち、本願発明は、鑑別側搬送路、保留側搬送路及び投入取出側搬送路について、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0388】
さらに上述した第4の実施の形態においては、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを、後斜下方向と平行に配置され略直線状のカセット側搬送路63によって接続するようにした場合について述べた。
【0389】
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図13に示すように、偽券収納カセット61と第1円弧状搬送路24とを、一部の区間が円弧状に形成されたカセット側搬送路78によって接続するようにしても良い。
【0390】
この場合、本発明は、カセット側搬送路78において一端部を例えば、直線状に形成し、他端部を第1半径R1の円の円周を基準とした円弧状に形成する。
【0391】
そして本発明は、カセット側搬送路78の円弧の外側を前斜上側に向けて、一端を偽券収納カセット61の取込端に接続すると共に、他端を第1円弧状搬送路24の所定位置に互いの円弧の外側を対向させて接続する。
【0392】
また本発明は、カセット側搬送路78と第1円弧状搬送路24との接続箇所に、一方及び他方の側面にそれぞれカセット側搬送路78及び第1円弧状搬送路24の円弧状(すなわち、円弧の形状、長さ及び接続点から頂点までの高さ)に対応する円弧状切欠部が形成された略楔錠の切換ブレード79Aを有する切換部79を配置する。
【0393】
そして本発明は、切換部79により、紙幣の搬送に用いる搬送路を、第1円弧状搬送路24とカセット側搬送路78との一方に切り換えるようにする。
【0394】
本発明は、係る構成によれば、鑑別部10により偽券が鑑別されたとき、その偽券を、一時保留部11まで搬送して一旦保持させることなく、当該鑑別部10から後側搬送路23及び第1円弧状搬送路24の途中まで搬送した後、切換部79によりカセット側搬送路78に案内して、当該カセット収納搬送路78を介して偽券収納カセット61に搬送して収納することができる。
【0395】
すなわち、本発明は、係る構成によれば、偽券を鑑別したとき、当該偽券を正常な紙幣と一緒にすることなく分別して偽券収納カセット61に収納することができる。
【0396】
さらに上述した第4の実施の形態においては、複数の搬送路(鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を含む)を介して紙幣を、当該紙幣の一方の長辺を搬送方向に向けて搬送するようにした場合について述べた。
【0397】
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の搬送路(鑑別側搬送路20、保留側搬送路21及び投入取出側搬送路22を含む)を介して紙幣を、当該紙幣の一方の短辺を搬送方向に向けて(すなわち、紙幣の長手方向を搬送方向とほぼ平行にして)搬送するようにしても良い。
【0398】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、本発明の紙葉類搬送装置を、図1乃至図13について上述した現金自動預払機1、40、50、60に設けられた紙幣搬送部19、41、51、62に適用するようにした場合について述べた。
【0399】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)や両替機、飲料やタバコ等の自動販売機、電車の切符や観劇のチケットを販売する券売機、精算機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機等のような、この他種々の装置に設けられる、紙幣や切符、チケット等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送部に広く適用することができる。
【0400】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、本発明の現金自動取引装置を、図1乃至図13について上述した現金自動預払機1、40、50、60に適用するようにした場合について述べた。
【0401】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機や両替機、飲料やタバコ等の自動販売機、電車の切符や観劇のチケットを販売する券売機、精算機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機等のように紙幣や切符、チケット等の紙葉類を取り扱う、この他種々の現金自動取引装置に広く適用することができる。
【0402】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路を介して搬送する紙葉類として、図1乃至図13について上述した紙幣を適用するようにした場合について述べた。
【0403】
しかしながら本発明は、これに限らず、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路を介して搬送する紙葉類としては、切符やチケット、通帳、取引明細書のような印刷紙等のように、この他種々の紙葉類を広く適用することができる。
【0404】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路として、図1乃至図13について上述した鑑別側搬送路20、42、保留側搬送路21、52及び投入取出側搬送路22、43を適用するようにした場合について述べた。
【0405】
しかしながら本発明は、これに限らず、少なくとも一部の区間が円弧状に形成されていれば、全体として1つに形成された搬送路や、2つ以上の搬送路を組み合わせて形成された搬送路、鑑別部10、一時保留部11及び紙幣投入取出部6を含む、又はこれら以外の複数の箇所を互いに接続するための3つ以上の搬送路、異なる半径の円の円周を基準にして円弧状に形成された複数の搬送路等のように、この他種々の構成の搬送路を広く適用することができる。
【0406】
さらに上述した第1乃至第4の実施の形態においては、紙葉類を搬送する搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部として、図1乃至図13について上述した1つの切換部29を適用するようにした場合について述べた。
【0407】
しかしながら本発明は、これに限らず、複数の搬送路の接続箇所のそれぞれに配置される切換部や、2以上の接続箇所に共用可能に配置された切換部等のように、この他種々の構成の切換部を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0408】
本発明は、現金自動預払機や現金自動支払機に設けられた紙幣搬送部等の紙葉類搬送装置と、現金自動預払機や現金自動支払機等の現金自動取引装置とに利用することができる。
【符号の説明】
【0409】
1、40、50、60……現金自動預払機、6……紙幣投入取出部、10……鑑別部、11……一時保留部、19、41、51、62……紙幣搬送部、20、42……鑑別側搬送路、21、52、76……保留側搬送路、22、43……投入取出側搬送路、23、46……後側搬送路、24、45、75……第1円弧状搬送路、25……第2円弧状搬送路25、53……第3円弧状搬送路、27……第4円弧状搬送路、28、44……第5円弧状搬送路、29、70、71、72……切換部、29A……切換ブレード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、
上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部と
を具え、
複数の上記搬送路は、
それぞれの上記円弧状の区間の2つの接続位置が、それぞれ異なる1つの上記搬送路の上記円弧状の区間の上記接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続されて配置され、
上記切換部は、
複数の上記搬送路の接続箇所で、上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換える
紙葉類搬送装置。
【請求項2】
複数の上記搬送路は、
個数が3であり、それぞれ上記円弧状の区間の少なくとも上記2つの接続位置間が、半径の等しい円の円周を基に円弧状に形成された
請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
上記切換部は、
先端で鋭角に接する一方及び他方の側面に、上記2つの接続位置間の円弧状と等しい円弧状の切欠部が形成された切換ブレード
を具え、
上記切換ブレードは、
3つの上記搬送路それぞれの上記2つの接続位置間で囲まれた空間の中央部に回動可能に配置された
請求項2に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
3つの上記搬送部のうち少なくとも1つの当該搬送路は、
上記2つの接続位置間を円弧状に形成するために利用した上記円の上記半径よりも小さい半径を有し、上記円弧状の区間に沿って上記紙葉類を搬送するための複数のドライブローラ
を具える請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
3つの上記搬送部のうち少なくとも1つの当該搬送路は、
上記2つの接続位置間を円弧状に形成するために利用した上記円の上記半径と等しい半径を有し、上記円弧状の区間に沿って上記紙葉類を搬送するためのドライブローラ
を具える請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
少なくとも3箇所以上を互いに接続して紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、
上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部と
を具え、
複数の上記搬送路は、
それぞれの上記円弧状の区間の2つの接続位置が、それぞれ異なる1つの上記搬送路の上記円弧状の区間の上記接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続されて配置され、
上記切換部は、
複数の上記搬送路の接続箇所で、上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換える
現金自動取引装置。
【請求項1】
紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、
上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部と
を具え、
複数の上記搬送路は、
それぞれの上記円弧状の区間の2つの接続位置が、それぞれ異なる1つの上記搬送路の上記円弧状の区間の上記接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続されて配置され、
上記切換部は、
複数の上記搬送路の接続箇所で、上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換える
紙葉類搬送装置。
【請求項2】
複数の上記搬送路は、
個数が3であり、それぞれ上記円弧状の区間の少なくとも上記2つの接続位置間が、半径の等しい円の円周を基に円弧状に形成された
請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
上記切換部は、
先端で鋭角に接する一方及び他方の側面に、上記2つの接続位置間の円弧状と等しい円弧状の切欠部が形成された切換ブレード
を具え、
上記切換ブレードは、
3つの上記搬送路それぞれの上記2つの接続位置間で囲まれた空間の中央部に回動可能に配置された
請求項2に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
3つの上記搬送部のうち少なくとも1つの当該搬送路は、
上記2つの接続位置間を円弧状に形成するために利用した上記円の上記半径よりも小さい半径を有し、上記円弧状の区間に沿って上記紙葉類を搬送するための複数のドライブローラ
を具える請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
3つの上記搬送部のうち少なくとも1つの当該搬送路は、
上記2つの接続位置間を円弧状に形成するために利用した上記円の上記半径と等しい半径を有し、上記円弧状の区間に沿って上記紙葉類を搬送するためのドライブローラ
を具える請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
少なくとも3箇所以上を互いに接続して紙葉類を搬送するための、それぞれ少なくとも一部の区間が円弧状に形成された少なくとも3つ以上の搬送路と、
上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換えるための少なくとも1つ以上の切換部と
を具え、
複数の上記搬送路は、
それぞれの上記円弧状の区間の2つの接続位置が、それぞれ異なる1つの上記搬送路の上記円弧状の区間の上記接続位置と、円弧の外側を対向させるように接続されて配置され、
上記切換部は、
複数の上記搬送路の接続箇所で、上記紙葉類を搬送する上記搬送路を切り換える
現金自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−41451(P2013−41451A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178400(P2011−178400)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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