説明

紫外線照射装置

【課題】駆動電力の異なるヘッド部を一のコントローラ部に接続可能とした紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】紫外線照射装置は、紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子150を備える一以上のヘッド部120と、半導体素子150に駆動電力を供給する電源部112とを備えるコントローラ部110と、ヘッド部120とコントローラ部110とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部130とを備える。コントローラ部は、駆動電力の異なるヘッド部でも接続可能とするよう、電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給する電源切替部111を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物部品の接着等に使用される紫外線硬化型の樹脂を硬化させる等の用途で紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療分野での生体内外部の紫外線照射による殺菌、治療、分光(発光)診断や、鉱物や古墳深部の観察等の分野、あるいは電子部品の組み立て作業における紫外線硬化型の樹脂を硬化させる目的等に、紫外線照射装置が利用されている。この内、紫外線硬化型の樹脂を硬化させる紫外線照射装置は、レジスト皮膜の形成や印刷の分野から光ピックアップ等の組立工程における小物部品の接着固定の分野まで広く使用されている紫外線硬化型の樹脂に対して紫外線を照射する目的で利用される。このタイプの紫外線照射装置は、電源回路等を内蔵した装置本体であるコントローラと、紫外線を照射するヘッドと、これらを接続するケーブルとを備えている。コントローラに紫外線源である高圧水銀ランプや水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ等を内蔵し、コントローラとヘッドを接続するケーブルに内蔵された石英ガラス等の光ファイバでヘッドまで紫外線を伝達して、ヘッドから樹脂が塗布された接着部に照射される。このような紫外線照射装置を用いた小物部品の接着固定方法の従来例が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平10−209492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような高圧水銀ランプ等を使用したランプ式の紫外線照射装置では、紫外線源に高圧水銀ランプや水銀キセノンランプを使用しているため、発熱量及び消費電力も大きく、冷却機構が必要で装置が大型化し高価になる上、常時点灯している構造のためエネルギー消費量が大きい、立ち上がり、立ち下がりに時間がかかる、ランプの寿命が短くなる等の欠点があった。加えて、紫外線出力の調整は機械的なシャッタで行われる構造のため、微細な調整が困難である。さらに、ランプが劣化してくるとガラスにクラックが生じることがあり、ガラス管内部に封入した高圧ガスによってガラス管が破裂する危険がある。このため、一定時間経過したランプは必ず交換する必要があり、ランニングコストが高くなることに加えて毎日など定期的に交換の確認作業を行う必要があり、手間がかかっていた。
【0004】
これに対し出願人は、このような問題点を解決するものとして、紫外線源として紫外線発光ダイオード(UVLED)を使用し、かつLEDを本体のコントローラでなくヘッド側に設けた紫外線照射装置を開発した(特願2003−158958号、特願2003−425552号等)。これらの紫外線照射装置は、半導体素子であるUVLEDを使用しているため、出力の微調整が可能で高速に動作でき、長寿命で信頼性が高く、かつ低消費電力で使用できるといった優れた特長が得られる。
【0005】
UVLED等の半導体素子を使用する紫外線照射装置のヘッド部においては、図1に示すように一のヘッド部に一のUVLED151を設けて、スポット状の紫外線を照射するスポットタイプ120Aと、図2に示すように複数のUVLED151を使用して面状に紫外線を照射する面発光タイプ120Bがある。面発光タイプ120Bは複数の紫外線源から照射される紫外線のパターンが均一になるように配置し、紫外線の照射面積を大きくできるという利点がある。しかしながら、現状では異なる種類のヘッド部を同一のコントローラ部に接続して使用できないという問題がある。
【0006】
複数のUVLED151を直列に接続した面発光タイプのヘッド部120Bでは、使用するUVLEDの数に応じて電圧降下が大きくなる。したがって同一のコントローラ部で面発光タイプ120Bとスポットタイプ120Aのいずれのヘッド部でも駆動可能とするには、消費電力の大きい面発光タイプ120Bの必要な駆動電流に合わせて、各ヘッド部に供給する電源電圧を設定する必要がある。例えば、図2のように4個のUVLED151を直列接続するヘッド部120Bでは、一個のUVLEDの順方向電圧を4.0Vとすると、UVLED151による電圧降下が4.0V×4個=16.0Vとなる。したがって図3に示すようにコントローラ部910のLED駆動回路では、電源部の電圧を高い方の電圧に対応させて、例えば20Vに設定する。しかしながら、この設定でスポットタイプのヘッド部120Aを接続すると、LED駆動回路における発熱が非常に大きくなるという問題がある。スポットタイプのヘッド部120AではUVLED151が一個であるため、電圧降下は4.0Vに止まり、その結果図3に示すようにLED駆動回路の駆動素子に16Vの電圧が印加されることとなる。その結果、駆動素子を構成するトランジスタTrに高電圧が印加されることにより発熱量は相当大きくなる。特にコントローラ部910は複数台のヘッド部を接続できるように、LED駆動回路を複数備えているため、発熱量はチャンネル数だけさらに増加され、放熱のための対策が必要となる。ファンやヒートシンク等の放熱部材を使用するとコントローラ部が大型化し、装置の小型化の妨げとなる上、コストもかかり、また熱による劣化のため信頼性も低下する。
【0007】
一方、図4に示すようにUVLED151を並列に接続したヘッド部120Cとする方法も考えられる。この方法ではLED駆動回路は面発光タイプ、スポットタイプとも同一の電圧で対応できる。しかしながら、面発光タイプのUVLED151をすべて点灯させるためには、各UVLED毎に駆動信号が必要となるため、そのための配線数が増え駆動回路が複雑化し、またケーブル部が太くなって取り回しが悪くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の主な目的は、異なる種類のヘッド部を一のコントローラ部に接続可能とし、使い勝手を改善した紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の紫外線照射装置は、紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であり、紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子を備える一以上のヘッド部と、半導体素子に駆動電力を供給する電源部とを備えるコントローラ部と、ヘッド部とコントローラ部とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部とを備える。コントローラ部は、駆動電力の異なるヘッド部でも接続可能とするよう、電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給する電源切替部を備える。電源切替部は、自動もしくは手動によりヘッド部に応じた電源に切り替えることができ、これによって一台のコントローラ部に種類の異なるヘッド部を接続することが可能となり、使い勝手が向上する。特に異なるタイプのヘッド部を混在させて個々に動作可能とすれば、使用するヘッド部毎に専用のコントローラ部を用意する必要がなく、省スペース、低コストで簡潔な紫外線照射システムが構築できる。また駆動電力を使用するヘッド部に応じて切り替えることにより、不要な発熱を抑えることができるので、放熱のファンやヒートシンクを排除もしくは縮小して装置の小型化や低コスト化にも貢献し、さらに装置の信頼性も向上する。
【0010】
また本発明の他の紫外線照射装置は、さらにコントローラ部に接続されたヘッド部の種別を自動的に判別し、判別結果に基づいてヘッド部毎に適切な駆動電力を供給するよう電源切替部による駆動電力の切り替えを行うためのヘッド判別部を備える。この構成により、コントローラ部に接続したヘッド部の種別をヘッド判別部で自動的に判別して適切な駆動電力に切り替えられるため、ユーザはヘッド部の違いを意識することなく所望のヘッド部を一台のコントローラ部に接続して使用することができ、使い易い紫外線照射装置が実現できる。
【0011】
さらに本発明の他の紫外線照射装置は、ケーブル部がヘッド部に固定されており、ケーブル部とコントローラ部とを接続するケーブル側インターフェースをヘッド部の種別に応じて変更し、このインターフェースに応じてヘッド判別部がヘッド部の種別を判定するよう構成している。この構成により、ケーブル側インターフェースに基づいてヘッド判別部はヘッド部を判別でき、ヘッド部に応じた適切な駆動電力を供給するよう電源切替部を制御できる。またケーブル部とヘッド部とを一体的に構成することで、ケーブル部のインターフェースでヘッド部を区別できるようになる。ケーブル側インターフェースは、例えばケーブル部のコネクタ部分の形状をヘッド部の種別に応じて変更する。コネクタの形状自体はいずれのケーブル部もコントローラ部のヘッド接続部のソケット等に物理的に接続可能な構成とし、ヘッド部に応じて専用のピン等の端子を設けて、この端子によりヘッド部を区別する方法が利用できる。ピンは電気信号によりヘッド部を判別する他、物理的に検出する機構を採用しても良い。例えばコネクタを接続するとピンがスイッチを押し込むようにしたり、ピンの有無やピンの長さなどによってスイッチのON/OFFや段階を切り替える構成とすることができる。
【0012】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、電源部が、接続されるヘッド部の種別に応じて異なる駆動電力を供給できるよう複数の電源出力を備えており、ヘッド判別部の判別結果に基づいて電源切替部が適切な電源出力に切り替えるよう構成している。この構成は安価かつ簡素な構成で実現でき、複数の電源出力の中からヘッド部に応じた出力に切り替えるのみで半導体発光素子を適切に駆動できる。あるいは、一の電源部の駆動電力を可変として、ヘッド部に応じて出力を調整することもできる。
【0013】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、ヘッド部が、ヘッド部の種別に関するヘッド種別情報を記録可能なメモリ部を備えており、ヘッド判別部は、接続されたヘッド部のメモリ部に記録されたヘッド種別情報に基づき該ヘッド部の種別を判別し、該種別に応じた駆動電力を供給するよう電源切替部を制御する。この構成により、ヘッド部の種別をコントローラ部側で確実に判定することができる。
【0014】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、ヘッド種別情報が、ヘッド部で使用される半導体素子の仕様に関する情報を含んでおり、電源部が、コントローラ部に接続されるヘッド部の種別の内、最大の駆動電力を要求するヘッド部に応じて電源出力を設定し、かつコントローラ部が、これに接続されたヘッド部のメモリ部からヘッド種別情報を読み込むと共に、電源切替部が、ヘッド種別情報に含まれる半導体素子の仕様に応じて該当するヘッド部に供給する駆動電力の上限値を設定する。この構成によって、コントローラ部に接続されたヘッド部に応じて適切な電力供給量に制限され、上限値以上の電力供給を行わないことで適切な状態にて半導体素子を駆動できる。
【0015】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、コントローラ部が、ヘッド部の半導体素子を駆動するための駆動回路を備えている。そしてヘッド判別部は、駆動回路の一部に通電される電流もしくは印加される電圧を測定した結果に基づいて、電源切替部による駆動電力の切り替え制御を行う。例えば駆動素子による電圧降下を測定した結果に基づいて、ヘッド判別部が電源切替部による駆動電力の切り替え制御を行う。この構成により、ヘッド部毎にメモリ部などの素子を用意せずともヘッド部を自動で区別でき、簡素な構成で適切なヘッド部の駆動が実現できる。
【0016】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、メモリ部が半導体素子の特性を記憶する機能を兼用している。この構成により、半導体素子の照射時間の積算などに使用するメモリ素子を利用してヘッド部のヘッド種別情報を保持できるので、新たな部材を用意することなく既存の構成を利用して安価に実現できる。
【0017】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、駆動電力の異なるヘッド部が、使用する半導体素子の個数又は/及び接続形態が異なるものである。このように半導体素子の使用個数や直列/並列などの接続形態によって異なる駆動電力を持つヘッド部を、一のコントローラで使用可能とできる。このような種類の異なるヘッド部としては、一以上の半導体素子を一箇所に配置してスポット状の紫外線照射を得るスポットタイプのヘッド部、複数の半導体素子を所定のパターンで配置して面状の紫外線照射を得る面発光タイプのヘッド部がある。面発光タイプは一般に面状光源のように紫外線が拡散して放出され、照射面積がスポットタイプよりも広くなるので、用途に応じてこれらのヘッド部を交換してコントローラ部に接続し、便利に使用できる。
【0018】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、コントローラ部が、ケーブル部を接続するための一以上のヘッド接続部を備えており、各ヘッド接続部に駆動電力の異なるヘッド部であっても接続可能に構成している。駆動電力の異なるヘッド部を混在して一のコントローラ部に接続可能とすることで、ヘッド部に応じた専用のコントローラ部を用意することなく、一のコントローラ部を使用して様々な条件に応じたヘッド部を混在させ、異なる紫外線照射が容易に実現できる。
【0019】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、コントローラ部が、複数のヘッド接続部に各々接続されたヘッド部に対して紫外線照射条件を個別に設定可能に構成される。この構成により、ヘッド部毎に独立した紫外線照射を行うことが可能となり、極めて柔軟性の高い紫外線照射システムを構築できる。
【0020】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、半導体素子が紫外線発光ダイオードである。紫外線発光ダイオードはその出力光の波長が比較的急峻なピーク値を持ち、熱線などの成分を殆ど含まないため、対象物を加熱することなく紫外線を効果的に照射できる。また紫外線発光ダイオードは小型、低消費電力であり、しかも反応が高速であるためパルス制御によるON/OFF等を電気的に行うことができ、従来の紫外線源に高圧水銀ランプ等を使用した紫外線照射装置に比べてシャッタの開閉といった機械的動作がないため劣化や寿命の問題を解消し、信頼性高く安定して使用できる利点が得られ、正確な制御が可能となる。
【0021】
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であり、紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子と、半導体素子を駆動する駆動電力に関するヘッド種別情報を記録可能なメモリ部と、半導体素子の紫外線照射部分に近接して配置され半導体素子からの紫外光を偏光又は集光して外部に照射するためのレンズ部とを備える一以上のヘッド部と、ヘッド部とコントローラ部とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部であって、ヘッド部に一端に固定され、他端にコントローラ部と接続するためのケーブル側インターフェースを設けたケーブル部と、ケーブル側インターフェースを接続するための一以上のヘッド接続部と、ヘッド接続部に接続されたケーブル部を介して半導体素子に駆動電力を供給するための電源部と、電源部で半導体素子を駆動するための駆動回路と、各々の半導体素子毎に個別の紫外線照射条件を設定可能な制御部と、駆動電力の異なる複数種類のヘッド部のいずれでも接続可能とするよう電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給するための電源切替部とを有するコントローラ部とを備える。この構成により、電源切替部は自動もしくは手動によりヘッド部に応じた電源に切り替えることができ、これによって一台のコントローラ部に種類の異なるヘッド部を接続することが可能となり、使い勝手が向上する。特に異なるタイプのヘッド部を混在させて個々に動作可能とすれば、使用するヘッド部毎に専用のコントローラ部を用意する必要がなく、省スペース、低コストで簡潔な紫外線照射システムが構築できる。また駆動電力を使用するヘッド部に応じて切り替えることにより、不要な発熱を抑えることができるので、放熱のファンやヒートシンクを排除もしくは縮小して装置の小型化や低コスト化にも貢献し、さらに装置の信頼性も向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の紫外線照射装置によれば、異なる種類のヘッド部を一のコントローラ部に接続可能とすることで、極めて使い勝手の良い紫外線照射システムを構築することができる。特に、ヘッド部の特性に応じて専用のコントローラ部を個別に用意する必要がないので、既存のコントローラ部を最大限活用してスポットタイプ、面発光タイプなどの異なるヘッド部を組み合わせて使用でき、アプリケーションや用途に応じた最適な紫外線照射が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための紫外線照射装置を例示するものであって、本発明は紫外線照射装置を以下のものに特定しない。また本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0024】
[実施の形態1]
図5に、本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のブロック図を示す。この図に示す紫外線照射装置100は、コントローラ部110とヘッド部120とがケーブル部130で接続される。ヘッド部120には、紫外線硬化型樹脂を硬化させるための紫外線を発する紫外線源として半導体素子150であるUVLED151、紫外線を集光、偏光するためのレンズ部1260、ヘッド部120の種別に関するヘッド種別情報を保持するメモリ部1227及びヘッド部120を他のヘッド部と区別するための識別情報を表示する識別部121が内蔵されている。コントローラ部110は、ヘッド部120の紫外線源を駆動するための電源部112及び制御部114、記憶部116、並びに設定内容等を表示させる表示部142、紫外線照射条件等を設定する設定部140(後述)を備え、ケーブル部130を介して紫外線源の駆動信号(電気信号)をヘッド部120に送信する。
【0025】
(ヘッド部120)
ヘッド部120は、一の半導体素子でスポット状の紫外線を照射するスポットタイプ120Aと、複数の半導体素子で紫外線を広い面積でほぼ均一に照射する面発光タイプ120Bとがあり、いずれのタイプも一のコントローラ部110に接続可能としている。スポットタイプのヘッド部120Aは、紫外線照射面積が限定されるので、対象物や紫外線硬化型樹脂の特定のポイントにスポット的に紫外線を照射させる用途に適している。またスポットタイプにおいても、半導体素子を複数使用し、紫外線照射を集中して紫外線照射量を高めることもできる。
【0026】
(面発光タイプのヘッド部120B)
一方、面発光タイプ120Bにおいては、複数の半導体素子を所定のパターンで配置することにより、ほぼ均一な紫外線を広範囲に照射する。半導体素子は、ライン状、環状など任意のパターンで配置できる。図6にヘッド部端面に配置される半導体素子の配置パターンの一例を示す。例えば図6(a)の例では、円柱状のヘッド部520Aの端面のほぼ全面に半導体素子の一形態であるUVLED551Aを近接して配置している。ここではUVLEDを逆三角形状に計12個配置している。また図6(b)の例では略正方形状のヘッド部520Bの端面に、離間させてUVLEDを配置している。ここでは2行×2列=4個のUVLED551Bを配置している。もちろん、UVLED551は3列以上に並べてもよい。さらに図6(c)の例では、一方向に延長した略長方形状のヘッド部520Cの端面にライン状にUVLEDを配置している。ここでは2行×3列=6個のUVLED551Cを配置している。この構造では、長手方向に並んだ複数のUVLED551Cによって、細長い領域に塗布された紫外線硬化型樹脂に一度に紫外線を照射して硬化させることができる。さらにまた図6(d)の例では、円形のヘッド部520Dの端面に環状にUVLED551Dを、この例では6個配置している。UVLEDの使用個数や配置パターンは、紫外線照射に要求される出力や面積に応じて適宜選択される。なお上記いずれの例も、UVLED同士はほぼ等間隔に配置されているが、これらの例に限られず不均一なパターンに配置することもできる。例えばレンズや散乱板に応じて均一な紫外線出力が得られるように、UVLEDの粗密を調整する。あるいは、意図的に不均一な紫外線出力が必要な場合に、該当するパターンにUVLEDを配置する。このように、UVLEDを複数配置することで、紫外線の照射面積を広くすることができ、多くの紫外線硬化型樹脂に同時に紫外線を照射するといった一度に処理できる量を大きくして作業能率を向上させることができる。また紫外線の照射量を多くして反応を促進するといった効果も得られる。
【0027】
(駆動回路118)
次に、このようなヘッド部を駆動する駆動回路の一例を図7に基づいて説明する。駆動回路118は半導体素子を駆動するための回路であり、半導体素子がUVLEDの場合はUVLEDを電流駆動するドライブ回路として定電流回路等で構成される。なおこの図では説明を簡素化するため一のヘッド部120のみを図示しているが、コントローラ部110は接続可能なヘッド部の数に応じてこのような駆動回路118を複数備えている。また駆動回路の一部又は全部をヘッド部側に設けることもできる。この駆動回路118の動作を説明すると、駆動回路118からケーブル部130を介してヘッド部120に供給された駆動電流は直接、あるいはヘッド制御部(図示せず)を介してUVLED151に供給される。以下の例では、図1に示す1個のUVLED151を使用したスポットタイプのヘッド部120Aと、図2に示す4個のUVLED151を使用した面発光タイプのヘッド部120Bのいずれをも接続可能なコントローラ部110で、これらの駆動電力の異なるヘッド部120を各々駆動する例について説明する。まず図7に示すコントローラ部110は、スポットタイプのヘッド部120Aを接続した例を示している。この図に示すコントローラ部110は、接続されるヘッド部120に応じた複数の電源出力を備える電源部112と、電源出力を切り替える電源切替部111と、電源出力でUVLED151を駆動する駆動素子118Aと、電源切替部111および駆動素子118Aを制御するヘッド判別部114Aと、ヘッド判別部114Aの制御信号を駆動素子118Aに送出するD/A変換部119とを備える。またスポットタイプのヘッド部120Aは、紫外線源である半導体素子として1個のUVLED151と、メモリ部1227とを備える。このUVLED151は、順方向電圧Vfを4.0Vとする。
【0028】
(電源部112)
電源部112は、スポットタイプのヘッド部120Aに応じた駆動電圧として6V、面発光タイプのヘッド部120Bに応じた駆動電圧として20Vの電源出力を備えている。電源出力は、接続されるヘッド部120に応じて電圧値や電流値が設定される。また、3種以上のヘッド部に対応するよう、3以上の電源出力を用意することもできる。電源部112はDC/DCコンバータなどが使用でき、一の電源部で複数の電源出力を供給可能としたり、電源出力を可変としたり、あるいは複数の電源部を用意して電源切替部で切り替えるよう構成してもよい。
【0029】
(電源切替部111)
電源切替部111はリレーやスイッチなどが使用でき、ヘッド判別部114Aによりスイッチの切り替えが制御される。また、ヘッド判別部を設けることなくユーザが手動で切り替えることもできる。例えばヘッド部を異なるタイプに変更した際、ユーザが変更後のヘッド部に応じた電源出力となるよう、該当するヘッド接続部の電源切替部を操作する。あるいは、ヘッド部に接続されたケーブル側インターフェースにヘッド部の種別を判別する機構を設け、これを電源切替部として機能させることもできる(後述)。ヘッド判別部114Aは、ヘッド部120の半導体素子を駆動する制御部114と共通化でき、例えばマイクロプロセッサ(MPU)やCPU、LSI、FPGAやASIC等のゲートアレイで実現できる。制御部114が駆動素子118Aを制御する制御信号は、D/A変換部119でデジタル信号からアナログ信号に変換されて、駆動素子118Aを駆動する。駆動素子118Aは電源切替部111を介して電源出力と接続されている。駆動素子118Aは、UVLEDを駆動する場合はトランジスタやFETが好適に使用できる。
【0030】
(メモリ部1227)
一方、スポットタイプのヘッド部120Aでは、ケーブル部130を介して駆動素子118AとUVLED151が接続される。またメモリ部1227は、ヘッド部120の種別に関するヘッド種別情報を保持する。ヘッド種別情報とは、スポットタイプや面発光タイプといったヘッド部120の種別、あるいはヘッド部120の駆動に必要な駆動電力等である。ここでは、ヘッド部120Aの駆動電圧が4.0Vであることを保持している。メモリ部1227及びUVLED151は、それぞれ個別の電気信号線により同一のケーブル部130を介してコントローラ部110と接続される。メモリ部1227は制御部114とケーブル部130を介して接続され、制御部114がメモリ部1227にアクセスして記録内容を読み取り可能としている。メモリ部1227は不揮発性メモリであるEPROMが好適に利用できる。またこのメモリ部1227は、ヘッド部120の稼働時間を記憶したり、UVLED151の初期特性を記録することもできる。このようなメモリ部1227は、既存のヘッド部に備えられているため、本実施の形態では既存のメモリ部を使用してヘッド部の種別をコントローラ部110に通知できるので、新たな部材を付加することなくヘッド部の判別機能を低コストで容易に実現できる。
【0031】
図7の駆動回路118は、以下のようにして動作する。まずヘッド部120をケーブル部130を介してコントローラ部110と接続すると、メモリ部1227のヘッド種別情報が制御部114で読み出される。これによってヘッド部120の種別がコントローラ部110側で判別できる。ここでは制御部114が、スポットタイプのヘッド部120Aを駆動するための電源出力である6Vに切り替えるよう、電源切替部111を制御する。さらに、紫外線照射開始のトリガ信号などを受けて、制御部114は紫外線照射の照射パターンや出力などの設定に基づき、駆動信号をD/A変換部119を介して駆動素子118Aに供給する。D/A変換部119から所定の駆動電流がトランジスタのベース側に供給されると、トランジスタはONとなってUVLED151に通電し、紫外線が出力される。このとき、電源出力は6Vであり、またUVLED151による電圧降下は4.0Vであるから、トランジスタにかかる電圧値は2.0Vとなり、またトランジスタを流れる電流値は500mAであるから消費電力Pdは2×0.5=1Wに抑制される。このように、駆動素子118Aであるトランジスタの発熱が抑えられるので、放熱対策を簡素化でき、ファンやヒートシンクを小型化あるいは省略して、装置の小型化に寄与し得る。また発熱による素子の劣化が抑制される結果、素子の長寿命化、信頼性の向上も図られる。特に、図3で説明したように駆動電圧の大きい面発光タイプに合わせて電源部の電源出力を設定すると、駆動電圧の小さいスポットタイプを接続したときに駆動素子に過剰な電圧が印加されてしまうが、電源出力を適切な値に切り替えることでこのような問題を回避できる。図3の例ではトランジスタに16Vの電圧が印加される結果、Pd=8Wとなり発熱量が増大するが、これに対して図7では1Wに抑制されており、消費電力は1/8に抑制され、低消費電力、熱損失の低減で効率の良い動作が図られる。特にヘッド部を一のコントローラ部に複数台する場合は、さらに消費電力および熱損失の抑制効果が大きくなる。
【0032】
一方、このコントローラ部110に面発光タイプのヘッド部120Bを接続する場合を、図8に基づき説明する。面発光タイプのヘッド部120Bは、図2に示すように4個のUVLED151を直列に接続している。これによって、図4の並列接続のように駆動信号が各UVLED毎に必要になる事態を回避し、駆動回路の構成を簡素化できる。図2の例では、特性の同じUVLEDを使用し、各UVLED151の順方向電圧を4.0Vとする。このため、ヘッド部120B全体では4.0V×4=16Vの電圧降下が生じる。これに応じてコントローラ部110側の電源部112は、20Vの電源出力を用意している。面発光タイプのヘッド部120Bをコントローラ部110に接続すると、制御部114はメモリ部1227からヘッド部120の種別を判定し、これに応じて電源切替部111を20Vに切り替える。これによって、面発光タイプのヘッド部120Bの駆動に必要な駆動電圧が確保され、電力不足に陥ることなく正しく駆動できる。またこの例ではトランジスタに4Vの電圧が印加される結果、消費電力は2Wに抑制される。このように、同一のコントローラ部110にスポットタイプ、面発光タイプのいずれのヘッド部120A、120Bも接続可能とし、熱損失を抑制して効率よく駆動できる。これによって異なるヘッド部を一のコントローラ部で混在させて使用でき、用途や目的に応じた柔軟な紫外線照射システムが構築できる。
【0033】
[実施の形態2]
さらに、本発明の実施の形態2として、駆動回路の一部に通電される電流もしくは印加される電圧を測定して駆動電力を切り替える方法も利用できる。一例として、駆動素子の電圧降下を検出して駆動電圧を切り替える方法を、図9の駆動回路に基づき説明する。図9の駆動回路218は、図7とほぼ同様の構成を備えており、同じ構成部材については説明を適宜省略する。図9に示すコントローラ部210は、駆動素子218Aの電圧降下を測定する電圧検出部213を備えている。電圧検出部213はヘッド判別部214Aである制御部214に接続されており、駆動素子218Aであるトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧を検出して電圧値に相当する信号を制御部214に送出する。制御部214はこの値に基づいて正しい電源出力が選択されているかどうかを判定する。例えば制御部214がD/A変換部219を介してトランジスタのベース側に所定の駆動電流を供給し半導体素子を駆動する時に、電圧検出部213で検出された値が2Vまたは4Vであれば、正しい電源出力が選択されていると判定し、16Vあるいは6Vであれば誤った電源出力が選択されていると判断して電源切替部211を速やかに切り替える。この例ではスポットタイプのヘッド部220Aを接続しており、電源出力が6V、1個のUVLED251のVfが4Vであるので、トランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧は2Vとなり、正しい電源出力が選択されていると判定される。もし、この図において面発光タイプのヘッド部が接続されると、ヘッド部の駆動電圧が不足するためUVLEDにはVfが生じず、トランジスタの電圧はほぼ6Vのままとなるので、電圧検出部213の検出値に基づいて制御部214は電源切替部211を20Vに切り替える。この結果、トランジスタの電圧は4Vに降下するので、正常な電源出力に切り替えられたことが制御部214で判定できる。さらに図示しないが、この状態でヘッド部をスポットタイプ220Aに交換すると、トランジスタの電圧は16Vとなるので、電圧検出部213の検出結果に基づき制御部214は再び電源切替部211を6V側に切り替える。
【0034】
このように、ヘッド部に使用される半導体素子の個数に応じて駆動素子の電圧値は変化するため、この値に基づいてヘッド部の種別を判別することができる。これによって、駆動素子に過大な電圧が印加されて熱損失が生じる事態を回避し、正しい駆動電圧にて半導体素子を駆動することができる。またヘッド部の種別を判別する工程を省略して、電圧値と電源切替部211の動作を関連付けることによっても同様の効果を得ることができる。なお電圧検出部213は常時トランジスタの端子間電圧を検出する必要はなく、半導体素子の駆動時に制御部214からの要求に応じて電圧検出を行い結果を制御部214に送出する構成としてもよい。また、図9では電圧に基づいて駆動電力の切り替えを行う方法について説明したが、電流駆動、電圧駆動など使用する半導体素子の駆動方法に応じて、電流を検出して駆動電圧を切り替える方法も同様に適用可能である。以上の構成では、ヘッド部にメモリ部を設ける必要がなくヘッド部を簡素化でき、またメモリ部と制御部とを接続する信号線をケーブル部に含ませる必要がないためケーブル部を細くできるといった利点がある。
【0035】
さらに、トランジスタなどの駆動素子に限られず、半導体素子に印加される電圧あるいは通電される電流を検出してヘッド部の種別を判別し、あるいは判別を行うことなく検出された値に基づいて直接電源切替部を制御するよう構成してもよい。この場合、電圧値や電流値を検出する検出手段はヘッド部側に設けて制御部に送出する方式の他、コントローラ部の駆動回路に検出手段を設けてコントローラ部内で制御部に送出する方式とすることもできる。後者の方式では、配線が少なく構成を簡素化できる利点がある。
【0036】
なお、上記のいずれの例もヘッド部を一台のみコントローラ部に接続した場合について説明したが、2以上のヘッド部をコントローラ部に接続する場合も同様であることはいうまでもない。コントローラ部は、各ヘッド部毎に駆動素子118Aや電源切替部111を備えており、個別に制御できる。特に、一のコントローラ部に異なる種類のヘッド部を混在させて使用できるので、紫外線照射システムを極めて柔軟に設計、構築できる。
【0037】
また上記の各種電気信号は、半導体素子の駆動電流を送出するケーブル部に含まれる電気信号線でやりとりされるが、ケーブル部を複数用意して個別のケーブルにより送出することもできる。あるいは有線接続に限られず、電気信号を無線でやりとりする方式も本発明に含まれる。この場合は、半導体素子の駆動電流をケーブル部で送出する一方、電気信号は無線でやりとりされる。
【0038】
[実施の形態3]
なおメモリ部は、ヘッド部に内蔵する他、ヘッド部の本体から分離してケーブル部の一部に固定する形態とすることもできる。本発明の実施の形態3として、このようにヘッド部本体と個別にメモリ部を設けた例を図10〜図15に示す。なお図において、上述の実施例と同一の部材については説明を適宜省略する。これらの図に示す紫外線照射装置300は、コントローラ部310とヘッド部320とを備える。ヘッド部320は、ヘッド本体部322とヘッド制御部323とケーブル部330とを備えており、ケーブル部330でヘッド本体部322とヘッド制御部323とが接続される。またヘッド制御部323は、ヘッド部320をコントローラ部310に接続するためのケーブル側接続部325を備えている。ケーブル側接続部325を、コントローラ部310に設けられたヘッド接続部360に接続することで、ヘッド部320とコントローラ部310とが接続される。ヘッド部320のヘッド本体部322には、半導体素子350およびレンズ部3260が内蔵されている。またヘッド部320は半導体素子350に関する情報を保持するメモリ部3227を有するヘッド制御部323を備えている。コントローラ部310は、ヘッド部320の半導体素子350を駆動するための電源部312及び制御部314、記憶部316を備え、ケーブル部330を介して半導体素子350の駆動信号(電気信号)をヘッド本体部322に送信する。図10においてはヘッド部320を1台のみを図示しているが、一台のコントローラ部に複数のヘッド接続部を設けて複数台のヘッド部を接続可能とし、それぞれ独立して紫外線照射条件を設定できる。なお、利用可能なすべての接続部にヘッド部を接続しなくともよいことはいうまでもない。
【0039】
(メモリ部3227)
半導体素子350は使用するにつれて出力が低下する傾向がある。また半導体素子350毎に特性のばらつきなども存在する。したがって各ヘッド部320で同一の紫外線出力が得られるよう、ヘッド部320が備える半導体素子350の出力に関する情報を保持しておく必要がある。特に複数のヘッド部320を使用する場合、各ヘッド部320の仕様が共通であればヘッド部320の交換が可能であり、一のヘッド部が異なるコントローラ部の異なるヘッド接続部に接続されることがある。このような場合でも各ヘッド部を正しく制御できるように、各ヘッド部の半導体素子の特性に関する情報をヘッド部側に持たせておく必要がある。このため、各ヘッド部320は半導体素子350に関する情報を保持するメモリ部3227を備えている。メモリ部3227は好ましくは半導体メモリで構成され、例えばEPROMなどの不揮発性メモリが利用される。メモリ部3227は、半導体素子350の使用時間、例えば駆動時間の積算値や、紫外線出力と駆動時間の積分値等の情報を保持する。さらに、上述のようにこのメモリ部に、ヘッド部の種別に関するヘッド種別情報を記録することにより、コントローラ部でヘッド部の種別を検出して、これに応じた電源出力に設定される。このように、メモリ部はヘッド部に固定されていればよく、ヘッド部本体またはケーブル部のいずれに設けることも可能である。
【0040】
(ヘッド部320)
さらに図10に示すヘッド部320は、ヘッド本体部322に半導体素子350およびレンズ部3260を備えると共に、メモリ部3227等の電子部品をヘッド本体部から分離して、ヘッド制御部323としてケーブル部330に別途固定している。図10の例では、ケーブル部330の一方の先端にヘッド本体部322を固定し、他端にヘッド制御部323を固定している。これによって、ヘッド本体部322を構成する部品点数を減らしてヘッド本体部322を小型化、軽量化しコンパクトに構成できる。ヘッド本体部322は紫外線を照射する部位であり、ユーザが手で把持するなどして使用する部材であるため、小型、軽量であることが望ましい。図10の構成によって、ヘッド本体部322から電子部品をヘッド制御部323に移動させ、かつヘッド制御部323をケーブル部330の他端に固定することによってヘッド本体部322の使用時に邪魔にならないという優れた利便性が得られ、ヘッド部の小型化、軽量化が実現できる。
【0041】
(ヘッド制御部323)
ヘッド制御部323は上述の通り、半導体素子350の使用時間などの情報を保持するメモリ部3227を含む。また、半導体素子350に設定された紫外線照射条件などの情報をコントローラ部側でなく、あるいはこれに加えてヘッド部側でメモリ部などにより保持することもできる。またヘッド部は、コントローラ部310から供給される半導体素子350の駆動電流を中継して半導体素子350に供給する機能も備える。さらにヘッド制御部323に、半導体素子350を操作するヘッド側操作部等を設けてもよい。ヘッド側操作部としては、例えば紫外線照射ON/OFFスイッチや出力調整スイッチ等が挙げられる。さらに、紫外線が照射中であることを示すパイロットランプや、コントローラ部から各ヘッド部に付与されたチャンネル番号などの識別情報を表示する表示部等を設けてもよい。このような付加的な機能を実現するためには、ヘッド制御部323にICやMPUなどの制御回路を備える。またヘッド制御部323は、ヘッド部320をコントローラ部310に接続するためのケーブル側接続部325を接続している。
【0042】
図11にヘッド部320の外観の一例を示す。この図に示すヘッド制御部323は函型に成形しており、ヘッド部320を区別するための識別情報を表示可能な識別部321を設けている。函型のヘッド制御部323は、後端面にケーブル側接続部325(図11に図示せず)を形成している。ケーブル側接続部325は、コントローラ部310のヘッド接続部360と電気的に接続可能なインターフェースを備える。ケーブル側接続部325とヘッド接続部360との接続は、様々な接続形式が適宜利用でき、例えば図12に示すように函型のヘッド制御部323が挿入できるスロットをコントローラ部310に形成し、ヘッド制御部323の後端から一部を挿入して、ケーブル側接続部325をスロット底面のヘッド接続部360と接合する。この接続形式は電気的な接続と物理的な接続保持状態を共通としているが、これらを個別に行わせることもできる。例えば電気的な接続はコネクタなどで行い、物理的にヘッド制御部をコントローラ部に係止するためのフックや係止溝などを別途設けてもよい。
【0043】
またヘッド制御部は函型に限られず、円筒型や角柱型等任意の形状とすることができる。ヘッド制御部は内部にメモリ部3227などの電子部品を保持できればよく、外形は問わない。好ましくは、ケーブル部からの突出部分が少なくなるようコンパクトな形状に形成する。あるいは、ケーブル部と一体となるようケーブル部の外径と略等しい大きさとしてもよい。またヘッド制御部は、ヘッド本体部から分離できればよく、ケーブル部の端部に固定する他、中間部分に固定してもよい。一例として図13に、円筒状に形成したヘッド制御部323Bをケーブルの中間部分に固定したヘッド部320Bを、コントローラ部310Bに接続した状態を示す。この図に示す例では、ヘッド制御部323Bはケーブル部330Bの中間でコントローラ部310Bに近い側に設けている。ヘッド本体部に近いにヘッド制御部を配置すると、ヘッド本体部を小型化したメリットが薄れ、ヘッド部の扱いの妨げとなるおそれがあるので、好ましくはコントローラ部に近い側、すなわちケーブル部の端部に近い位置にヘッド制御部を固定する。ただ、ヘッド部の取り回しの障害とならない程度にヘッド制御部が小型化、軽量化できるのであれば、ヘッド本体部と近い位置に配置してもよい。またヘッド部をコントローラ部と接続するケーブル側接続部はヘッド制御部の本体に設けず、ケーブル部の端部にコネクタとして設けている。
【0044】
(ヘッド部120の詳細)
ヘッド部の詳細を、図14の分解斜視図および図15の断面図に基づいて説明する。これらの図に示すヘッド部320は、ヘッド本体部322としてレンズホルダ326と、その内部に固定される半導体素子350と、半導体素子350の後端に固定される冷却ブロック324とで構成され、半導体素子350を固定した冷却ブロック324をレンズホルダ326に挿入して固定し、ユーザが把持して、あるいはスタンドなどに固定して使用する。レンズホルダ326は後端を開口した中空の円筒状とし、内部にレンズ部3260を固定している。さらに冷却ブロック324の後端に基端部材3223が固定される。基端部材3223にはケーブル部330が接続されるケーブル用コネクタ3225が取り付けられており、冷却ブロック324の後端に設けられた冷却ブロックコネクタ3246と連結可能とし、これによってコネクタ3225、3246を介してケーブル部330と半導体素子350とが電気的に接続される。冷却ブロック324は半導体素子350を冷却するヒートシンクとして作用すると共に、ケーブル用コネクタ3255を介して駆動電流を半導体素子350に供給する。冷却ブロック324とレンズホルダ326とを固定し、基端面の冷却ブロックコネクタ3246にケーブル用コネクタ3225を接続した状態で、基端部材3223が固定ネジ3230を用いて固定される。
【0045】
次に、紫外線照射装置の動作について図5に戻って説明する。紫外線照射装置は、紫外線照射条件を設定する設定モードと、実際に紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードにおいて設定部140(後述)で設定された紫外線照射条件は、記憶部116に保存される。設定部140は、複数の紫外線照射条件を設定して記憶部116に保存する。照射モード時に制御部114が記憶部116から必要な紫外線照射条件設定を呼び出し、この設定に従って制御部114は電源部112からヘッド部120に駆動電流を供給し、ヘッド部120の半導体素子150を制御する。紫外線照射条件は、各ヘッド部毎に独立して設定可能である。
【0046】
コントローラ部110は、ヘッド部120を接続するためのヘッド部接続部160を複数設けている。複数のヘッド部接続部160に各々スポットタイプまたは面発光タイプのヘッド部120A、120Bを接続し、一台のコントローラ部で複数のヘッド部を制御することができる。各ヘッド部接続部160は、それぞれ固有のチャンネル番号を割り当てられており、チャンネル番号によって他のヘッド部接続部と区別される。図5の例では、チャンネル1〜4の4チャンネルのヘッド部接続160が設けられており、各ヘッド部接続部160にはヘッド部120が接続される。
【0047】
各ヘッド部120は、コントローラ部110から駆動電流を受けて紫外線源を動作させ、紫外線Uを外部に照射する。さらにヘッド部120は、図5に示すように各ヘッド部120をチャンネル毎に区別する識別情報を表示可能な識別部121を設けている。識別情報は、チャンネル番号に関する情報を表示することで、ユーザがヘッド部毎に割り当てられたチャンネル番号を理解し、これによって複数のヘッド部を相互に区別する。識別情報の表示は、直接的にチャンネル番号を表示する他、複数の点灯の組み合わせや点灯パターン等が利用できる。したがって、ここでいう表示には、数字や文字情報の表示のみならず、点灯による情報表示も含む。また点灯には、連続的な灯火表示の他、点滅や強弱を付けた点灯表示も含む。ヘッド部120の識別を行うときは、紫外線照射装置に対して識別動作の実行をコントローラ部110の設定部140から指示する。識別動作が指示されると、コントローラ部110の制御部114は識別信号を生成し、ヘッド部120側に送出する。ヘッド部120は、識別信号を受けると識別部121に識別情報を表示する。ユーザはヘッド部120の識別部121に表示される識別情報を見てチャンネル番号を把握し、これに基づいてヘッド部120を区別できる。識別部121は、識別情報を示すための表示を行う部材であり、点灯部を備える。点灯部は発光素子で構成され、例えば電球や半導体発光素子が使用できる。好適にはLEDが使用される。
【0048】
(紫外線源)
紫外線源である半導体素子150には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)等の半導体発光素子が利用できる。これらの半導体素子は高圧水銀ランプ等に比して小型で高効率であり発熱量も少なく、長寿命で機械的振動にも強いといった優れた特長を備えており、理想的に使用できる。本実施の形態においては、半導体素子として直接紫外光を照射する紫外線発光ダイオード(UVLED)151を使用する。UVLED151は、例えば活性層(発光層)に一般式がInAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される窒化物系化合物半導体を使用したものが利用できる。また発光層にはダブルへテロ構造や単一量子井戸構造(SQW)、多重量子井戸構造(MQW)等を適宜採用できる。なお、紫外線を直接照射するUVLEDに限られず、例えば波長変換素子等を使ってLEDの照射光を紫外光に変換する構成も適宜採用できることは言うまでもない。UVLEDは必要時のみ点灯し、言い換えると常時点灯させないことで、電力消費を抑え、UVLEDの寿命を長くできる。半導体素子から出力される紫外線の波長としては、300〜400nm近傍、例えば波長380nm付近、あるいは365nm付近の近紫外線が利用でき、使用される紫外線硬化型樹脂に応じて波長が決定される。
【0049】
(紫外線硬化型樹脂)
紫外線硬化型樹脂としては、紫外線を照射されると硬化するあらゆる樹脂が採用でき、例えば脂環式エポキシ樹脂及びグリシジル基含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂や紫外線活性化カチオン重合触媒、カチオン重合抑制剤を含む樹脂等が利用できる。このような紫外線硬化型樹脂組成物を対象物の表面に塗布した後、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を形成する。
【0050】
(ケーブル部130)
ケーブル部130は電源線と信号線を束ねたワイヤーハーネスが使用される。このケーブル部130は、光ファイバ等の光路を含まないシンプルな電気信号線であるため、折曲角の制限や光減衰等に起因する全長の制約を受けず、従来の紫外線照射装置で使用されていたフレキシブルケーブルに比して細くて軽くでき、柔軟性が高く取り扱いが極めて容易となる。また全長の制約もなく、長くすることもできる。このため複数台のヘッド部120に異なる紫外線照射条件を設定して使用する際、ケーブルを延長して一台の紫外線照射装置に接続できるので、システムの設計や配置にも柔軟に対応できる。
【0051】
ケーブル部130は、コントローラ部110のヘッド接続部と接続するためのケーブル側インターフェース131を備えている。ケーブル側インターフェース131は例えばコネクタやソケット、ピンなどが利用できる。このケーブル側インターフェース131に、ヘッド部の種別を判別する機構を設け、電源切替部として機能させることもできる。例えば、ケーブル部のコネクタ部分の形状をヘッド部毎に変更し、いずれのヘッド部もヘッド接続部に物理的に接続可能な構成とする一方で、ヘッド部に応じて専用のピンや切り欠き等の判別機構を設けて、これに基づいてヘッド部を区別する。判別機構には端子などの電気信号によりヘッド部を判別する他、物理的に検出する機構を採用しても良い。例えばコネクタを接続するとピンがスイッチを押し込むようにしてヘッド部に応じてスイッチを切り替えるようにしたり、ピンの有無やピンの長さなどによってスイッチの押し込み深さを変更し、この段階に応じてヘッド部を判定する構成等が採用できる。さらに、本実施の形態ではケーブル部130はヘッド部120と一体的に構成されている。具体的にはケーブル部130の一端でケーブル側インターフェース131を設けていない側をヘッド部と固定している。ただ、ヘッド部をケーブル部と着脱式にすることも可能である。
【0052】
(スポットタイプのヘッド部120A)
次にスポットタイプのヘッド部120Aの外観を、実施の形態4として図16〜図19に示す。図16(a)はヘッド部120の正面図であり、図16(b)は内部構造を示す部分断面図である。また図17〜図19は、ヘッド部120の分解図であり、図17は上方から見た分解斜視図を、図18は図17と逆の下方から見た分解斜視図を、図19は図18の連結コネクタ1231、1244を各々連結した状態を示す斜視図を、それぞれ示す。これらの図に示すヘッド部120は、基端側にケーブル部130が接続されたヘッド本体部122と、その先端側に着脱自在に結合した冷却ブロック124と、その先端側に着脱自在に結合した交換可能なレンズホルダ126とを備えている。ヘッド本体部122はユーザが把持できる程度の大きさとし、図17に示すように、上下に分かれるケース部材1221及び1222と、基端部材1223とが組み合わされた中空箱形のケースを備え、その内部に基板1224が収容されている。基端部材1223にはケーブル部130が接続されるケーブル用コネクタ1225が取り付けられ、ケーブル用コネクタ1225を介してケーブル部130と基板1224が電気的に接続される。
【0053】
基板1224は、ケーブル部130から受けた駆動電流をUVLED151に供給して駆動制御するための電子部品を備える。基板1224上には、紫外線照射のON/OFF状態を表示するインジケータとして、インジケータLED1226が実装されている。図17の例では、インジケータLED1226を2つ配置して光量を増している。ただ、インジケータとして要求される光量や高輝度のLEDを使用することにより、1のLEDでも良いことは言うまでもない。また、3以上のLEDとすることもできる。
【0054】
基板1224上には、コントローラ部110の制御部114で生成された駆動信号を受けて、UVLED151に駆動電流を供給するための各種電子部品や、メモリ部1227、調整回路1228等が実装されている。メモリ部1227は、ヘッド部120の稼働時間を記憶し、またUVLED151の初期特性を記録するため等に使用され、不揮発性メモリであるEPROMが好適に利用できる。
【0055】
(UVLED151の調整作業)
UVLED151等の半導体素子は、駆動電流に対する出力のリニアリティが良いが、使用時間と共に出力が低下する傾向にある。駆動電流の調整は、図16(b)等に示すような半固定抵抗(電流調整用トリマ)等の調整回路1228によって、各ヘッド部120毎に行う。なお図16(b)の例では、調整回路1228を構成する半固定抵抗はヘッド部120内の基板に実装して外部から調整できないよう構成しており、これによって意図しない半固定抵抗の操作によって駆動電流が変更される事態を回避している。ただ、外部から駆動電流の調整作業を行えるような構成を採用することも可能である。例えば、特殊な形状の工具で抵抗値を調整できるようにする、あるいは小さな孔をヘッド部120のケースに開口して、この孔から抵抗値を調整可能とする、あるいはまたコントローラ部110やヘッド部120に設けられた個別設定スイッチの長押し等、特定の操作により調整回路1228の調整機能を呼び出せるようにする等の方法が採用できる。
【0056】
このような駆動電流の調整を定期的に行うため、各ヘッド部120の使用時間が一定時間に達する毎に、ユーザに報告し、駆動電流の調整作業を促す。各ヘッド部120に設けられたメモリ部1227は、UVLED151の駆動時間の積算値、すなわち駆動積算時間を更新記憶する。コントローラ部110の制御部114は、D/A変換部119及び駆動回路118等を介してヘッド部120のUVLED151の駆動を制御すると共に、その駆動時間の積算値をヘッド部120のメモリ部1227に書き込む。この書き込み(更新記憶)は、所定時間ごと(例えば1分ごと)に行われる。そして、制御部114は、メモリ部1227から読み出した駆動積算時間が所定の要調整時間に達すれば、UVLED151の調整作業を行うよう報知出力を行う。報知出力として、例えばLEDの点滅表示やブザー鳴動等が使用される。あるいは、コントローラ部110にメッセージ表示可能な表示器が備えられている場合は、それを用いてUVLED151の調整作業を促すメッセージの表示を行ってもよい。ユーザは報知出力によって調整作業が必要な時期に達したことを把握し、上述の通り調整回路1228を使って電流補正を行う。例えば、基準となる駆動電流に対する出力の低下分を考慮し、駆動電流が多くなるように調整する。さらに、駆動積算時間がUVLED151の寿命に達すると、UVLED151の交換を促す報知出力を行うようにしても良い。
【0057】
またメモリ部1227は、UVLED151の初期特性に関するデータを記憶して、駆動電流の調整にも利用できる。一般にUVLED151の初期輝度には個体差(ばらつき)があるため、通常はUVLED151のヘッド部120側の駆動回路に初期輝度調整回路1228が必要となる。初期輝度調整回路には、半固定抵抗等が利用され、例えば図16(b)に示す調整回路1228を併用できる。そして、ヘッド部120毎に紫外線照射パワーが所定値となるように、各々のヘッド部120で初期輝度調整回路により初期調整を行う必要がある。
【0058】
実施の形態4の紫外線照射装置では、各ヘッド部120に実装されたUVLED151の予め測定された初期輝度に関する初期特性データをメモリ部1227に記憶させておくことにより、上記のような初期輝度調整回路やこれを用いた初期調整作業が不要になる。つまり、制御部114がメモリ部1227から初期特性データを読み出し、初期特性データに応じた適切な基本駆動電流(正確にはそれに対応するデジタル値)を決定する。
【0059】
制御部114から出力される駆動電流に対応するデジタル値は、D/A変換部119でアナログ電圧に変換され、駆動回路118に与えられる。駆動回路118は、与えられたアナログ電圧に対応する駆動電流でヘッド部120のUVLED151を駆動する。なお、この駆動電流は、設定部によって増減調節することができるので、これによって紫外線照射出力を調整できる。
【0060】
以上のように、ヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、ヘッド部120に備えられたUVLED151の特性に応じた正確な調整が実現できる。例えば、ヘッド部120を接続するコントローラ部110のヘッド接続部の一形態であるヘッド接続部160のチャンネルを一意的に固定する場合は、コントローラ部110側にメモリ部を設けても上記のような調整は可能である。コントローラ部110側のメモリ部がチャンネル毎に駆動積算時間や初期特性データを記憶できるからである。ただ、ヘッド部120の接続先のチャンネルが変更される場合は、上記の方法では対応できず、必ずヘッド部120毎に接続先の紫外線照射装置及びそのチャンネル番号を何らかの手段でユーザ側が記憶しておく必要があり、手間がかかって使い勝手が悪くなる。従って、上記のようにヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、いずれの紫外線照射装置のいずれのチャンネル番号にヘッド部120が接続されても、ヘッド部120の特性に応じた正確な駆動電流調整が実現され、使い勝手も向上する。
【0061】
(冷却ブロック124)
なお、紫外線を発するUVLED151は通常の可視光を発するLEDに比べて自己発熱が大きい傾向にあるので、安定して長期間使用できるよう放熱機構をヘッド部120に設けることが好ましい。図16〜図19に示す例では、UVLED151を冷却ブロック124に接続している。冷却ブロック124はUVLED151の動作時の発熱を冷却するヒートシンクとして機能し、アルミニウム等熱伝導の良い金属で構成される。冷却ブロック124の先端面にUVLED151が密着固定されている。図20は、冷却ブロック124の先端面にUVLED151を密着固定する様子を示す図である。この図に示すように、3本の固定ネジ1241によってUVLED151が冷却ブロック124の先端面に密着するように固定される。
【0062】
(レンズホルダ126)
レンズホルダ126には、UVLED151から発した紫外線を集光するための1又は複数の光学系レンズ1261が収容されている。図21は、レンズホルダ126とその内部構造例を示す分解図である。この例では、レンズを2枚構成として第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261Bがスペーサ1262とレンズ固定キャップ1263によって、レンズホルダ126の内部に固定されている。レンズは1枚で構成することもできるが、屈折率の関係から1枚のレンズではレンズサイズが大きくなる傾向がある。そこで実施の形態4では、光学系レンズ1261を2枚使用して第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261BでUVLED151からの紫外線を外部に照射する構造とすることで、レンズ自体のサイズを小型化でき、ひいてはレンズホルダ126やヘッド部120の小型化に貢献する。
【0063】
図22は、冷却ブロック124とレンズホルダ126との固定方法の例を示す図である。この例では、3本の固定ネジ1242によって冷却ブロック124とレンズホルダ126とが互いに固定される。また、レンズの合成焦点距離が異なる複数種類のレンズホルダ126を用意して交換可能とすることにより、同一のヘッド部120を使用しながら、ヘッド部120の先端と紫外線照射対象(紫外線硬化型樹脂による接着固定部)との距離が変化する場合に対応することができる。
【0064】
図17に戻って、冷却ブロック124とヘッド本体部122との固定方法について説明する。上記のようにして冷却ブロック124とレンズホルダ126とを固定した後に、ヘッド本体部122を構成する上ケース部材1221及び下ケース部材1222が互いに合わせられ、先端部分が冷却ブロック124の基端側突出部1243を挟むようにしてそれぞれ固定ネジ1229で冷却ブロック124に固定される。また、上ケース部材1221及び下ケース部材1222の基端面には、基端部材1223が固定ネジ1230を用いて固定される。
【0065】
図18および図19に示すように、ケーブル用コネクタ1225やUVLED151を含む冷却ブロック124は、それぞれ連結コネクタ1231、1244を介して基板と電気的に接続される。これによってUVLED151はケーブル部130を介してコントローラ部110から電力供給を受け、駆動制御される。このように電気的接続が必要な各ブロックを連結コネクタを介して連結する構造とすることで、各部の分解が容易で交換や修理等のメンテナンス作業を容易に行えるという利点がある。特に図に示すヘッド部120はヘッド本体部122、冷却ブロック124及びレンズホルダ126が順番に結合した構造としており、ユニット毎の分割が容易で、メンテナンス性に優れたヘッド部120が得られる。
【0066】
また下ケース部材1222には、図18および図19に示すように、ヘッド部120をホルダ等に固定するためのネジ孔である貫通孔1232を開口している。ネジを螺合する等してヘッド部120を固定する際、ネジの先端が基板1224や基板上の実装部品を破損しないように、下ケース部材1221には図17に示すように保護プレート1245が固定されており、貫通孔1232と基板1224との間を遮断している。
【0067】
(サイドビュータイプ)
上記図16〜19の例は、ヘッド部の本体を構成するヘッド本体部1322、1422の長手方向と紫外線出力の光軸が略一致するように、ヘッド本体部を長手方向の端面にレンズ部を配置したストレートタイプを示している。一方、図23〜図28に示す実施の形態5に係る紫外線照射装置では、ヘッド本体部1522の長手方向と紫外線出力の光軸が略直交するように、ヘッド本体部1522の長手方向と平行な側面にレンズ部を配置したサイドビュータイプとしている。ヘッド部の端面でなく側面から紫外線を出力するタイプは、隙間などに挿入して紫外線を横方向に出射する等、照射スペースが狭い使用態様に好適に利用できる。以下、サイドビュータイプの構造を図23〜図28に基づき説明する。図23はサイドビュータイプのヘッド部1720においてレンズ部分が見える方向からの斜視図であり、図24は図23の反対面から見た斜視図である。これらの図に示すヘッド部1720は図16等と同様に角柱状であり、紫外線照射部分であるレンズ部1760の装着位置をヘッド本体部1722の長手方向端面でなく側面の端部に設けている。この例では、角柱状のヘッド本体部1722を延長するように、同型に形成されたサイドビューレンズ装着部1727をヘッド本体部1722の先端に別部材で設けている。また図25〜図28に、レンズ部1760の詳細を示す。図25はサイドビューレンズ装着部1727の分解斜視図であり、図26は図25のサイドビューレンズ装着部1727を、レンズ部を除いて縦方向に切断した状態を示す分解斜視図であり、図27は図26からUVLED1751およびヘッド基板部1754を除き、レンズホルダ1726を付加した分解斜視図であり、図28は図27のレンズホルダ1726を示す断面図である。
【0068】
これらの図に示すように、サイドビューレンズ装着部1727は、右ケース部材1727Aと左ケース部材1727Bに分割されており、その内部にヘッド基板部1754を収納して3箇所でネジ止めして固定される。ヘッド基板部1754は断面略コ字状に形成し、コ字状の底面にUVLED1751を載置して固定する。またこれらのヘッド基板部1754や左ケース部材1727Bは、熱伝導可能な状態で接触されており、UVLED1751の放熱板として機能する。またヘッド基板部1754の後端には、図25に示すようにヘッド本体部1722とネジ止めにより固定するための突出部1754Aが設けられる。突出部1754Aを左右から挟着するようにヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bが重ね合わされて、突出部1754Aのネジ穴でネジ止めすることによりサイドビューレンズ装着部1727はヘッド本体部1722と固定される。なお、図23〜図25に示すように、ヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bの接合面と、サイドビューレンズ装着部1727の右ケース部材1727Aおよび左ケース部材1727Bの接合面とは90°回転させることで機械的強度を増している。ヘッド基板部1754は、サイドビューレンズ装着部1727の右ケース部材1727Aおよび左ケース部材1727Bを固定するためのネジ穴を上下にそれぞれ3箇所設けると共に、ヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bで固定するためのネジ穴を突出部1754Aの左右に2箇所、それぞれ形成している。
【0069】
レンズホルダ1726は、右ケース部材1727Aの内面に設けられた円筒状のレンズホルダ挿入部1727Cに挿入されて固定される。レンズホルダ挿入部1727Cは、ここにレンズホルダ1726を挿入した状態でUVLED1751の光軸とレンズホルダ1726にセットされたレンズ部の光軸とが一致するように位置決めされる。レンズホルダ1726には、図28の断面図に示すように、中空円筒状の内ホルダ1726Aを同じく中空円筒状で内径が内ホルダ1726Aの外径よりも若干大きい外ホルダ1726Bに下方から挿入し、その間に光学系レンズ1761を保持する。内ホルダ1726A及び外ホルダ1726Bには、光学系レンズ1761を保持するための段差部が形成される。図25の分解図に示す例では、光学系レンズ1761は2枚のレンズで構成される。レンズホルダ1726は、サイドビューレンズ装着部1727のレンズホルダ挿入部1727Cに脱着可能としており、用途に応じて容易にレンズ部を交換できる。
【0070】
(細径化)
さらに、本発明の実施の形態6として、ヘッド部の紫外線出力部分の外径を小型化した例を図29〜図33に示す。これらの図に示すヘッド本体部2322は、レンズホルダ2326部分をヘッド本体部2322から突出させると共に、その外径を小さく形成しており、紫外線出力部分を小さな穴に挿入して使用するといった小サイズのヘッド部が要求される態様において好適に使用できる。図29の斜視図に示す例では、角柱型のヘッド本体部2322の先端を、一回り小さい角柱状に突出させた突出部2322Cとし、その端面にさらに小径のレンズホルダ2326を挿入する構成としている。図30はヘッド本体部2322の上ケース部材2322Aを除去した状態を示す分解図であり、図31はさらに各部材を分解した分解斜視図である。これらの図に示すように、ヘッド本体部2322の下ケース部材2322Bを構成する装部材と、UVLED2351と、ヘッド基板部2354と、レンズホルダ2326と、UVLEDホルダ2355とを備える。レンズホルダ2326は、内部に光学系レンズなどを保持する。このレンズホルダ2326はヘッド部120に脱着可能に装着されており、目的に応じたレンズを備えるレンズホルダに容易に交換できる。UVLED2351は、図32および図33の例では底面が略正方形のパッケージタイプを使用し、パッケージに内蔵されたUVLEDチップから所定の波長の紫外線が照射される。ここでは中心ピーク波長が365nmのUVLEDチップを使用した。UVLED2351の裏面すなわちヘッド基板部2354と接触する面には電極2356が形成される。電極2356にはスタッド2357がはんだ付けされ、これをリードとして配線される。またUVLED2351の側面部には放熱用のランド2358が形成される。ヘッド基板部2354は図32に示すように一方の面をUVLED2351の裏面に電気接触する状態で一体的に固定され、他方の面を図30、図31に示すようにUVLED2351と熱伝導する状態に接触される。UVLEDホルダ2355はUVLED2351の放熱を行うヒートシンクとして機能する。装部材である下ケース部材2322Bは、内部にUVLEDホルダ2355などを挿入して保持できる大きさ及び形状に設計され、UVLED2351、ヘッド基板部2354、UVLEDホルダ2355が下ケース部材2322Bにセットされた状態で位置決めされる。これにより、UVLED2351の紫外線出力の光軸がレンズホルダ2326のレンズ部の光軸と一致し、またUVLED2351を固定したヘッド基板部2354はUVLEDホルダ2355と熱伝導する状態で接触し、UVLED2351の発熱がUVLEDホルダ2355を通じて放熱される。またこの例では紫外線の光軸とヘッド本体部の長手方向が略一致したストレートタイプについて説明したが、上記の細径化構造はヘッド本体部の側面から紫外線を出力するサイドビュータイプにも適用できることはいうまでもない。
【0071】
[実施の形態7]
また本発明は、駆動電流等の仕様の異なるUVLEDを使用したヘッド部を混在させる場合に、ヘッド部のメモリ部に記録されたUVLEDの仕様に関するヘッド種別情報を読み込んで、これに応じて電源部からUVLEDに供給される電力を制限して適切な駆動を図ることもできる。以下、本発明の実施の形態7として、駆動電流等の仕様の異なるUVLEDを使用したヘッド部を混在させる例につき、図53の回路図に基づいて説明する。
【0072】
紫外線源として求められるUVLEDは、波長・光量等が異なる複数種類のものが存在する。例えば、図16に示すヘッド部120に波長が380nmのUVLED151を1個使用し、図54及び図55に示すヘッド部620に波長が365nmのUVLED651を1個使用すれば、これらのヘッド部を駆動するための駆動電流が異なる。このようにUVLEDの種類等によって電流・電圧等の駆動条件が異なるため、ヘッド部毎に使用するUVLEDが異なる場合は、最適な駆動条件も異なる。ここで一例として、図16のヘッド部120に使用されるUVLED151の順方向電流の定格値が500mAで、図54で使用されるUVLED651では700mAであるとし、この2種類のヘッド部を同一のコントローラ部で駆動する場合を考える。コントローラ部の電源部が最大駆動電流500mAで設計されていると、図16のヘッド部120については問題無く使用できるものの、図54のヘッド部620については本来利用可能な最大出力の70%程度の出力しか利用できないこととなる。一方、コントローラ部の電源部が最大駆動電流700mAで設計されていた場合、図54のヘッド部620を使用する場合は問題無く利用できるものの、図16のヘッド部120を接続すると定格を超える電流が供給されることとなる。このため、ユーザに対して図16のヘッド部120を使用する場合は出力制限(この場合は最大70%まで)を要求する必要がある。この場合において、ユーザが使用方法を誤って図16のヘッド部120の定格を超えて使用してしまうと、UVLEDに過度な電流が流れて発熱量が大きくなり、素子の寿命を縮めたり出力の早期低下を招くなど信頼性の低下を招くおそれがある。また定格電流以外にもヘッド部の放熱性能など他の仕様の違いに伴う駆動条件の違いによっても同様に問題となるおそれがある。このような問題に対処するには、ヘッド部毎に専用のコントローラ部を用意することが考えられるが、コストや管理等の面で面倒になる。
【0073】
そこで図53に示す紫外線照射装置では、コントローラ部610側で接続されたヘッド部の種別、特に使用されるUVLEDの仕様に関する情報を取得し、これに応じて自動的に電源部612で供給される駆動電力に上限を設定し、適切な駆動を図っている。図53は、図7等とほぼ同様の構成を採用しており、同一部材については説明を省略する。ヘッド部620に設けられたメモリ部6227には、ヘッド種別情報として、ヘッド部620に備えられたUVLED651などの半導体素子の仕様、特に駆動電流などの定格についての情報を記録する。ヘッド種別情報は、使用されるUVLEDの個数や直列、並列などの接続状態に応じて、通電可能な最大電流や最大電圧、連続使用時間等の情報が含まれる。このメモリ部6227は、図7等と同様にUVLEDの累積照射時間等を記録するメモリ部と共用できる。メモリ部6227に記録されたUVLEDの定格情報等のヘッド種別情報は、ケーブル部630を介してコントローラ部610側のヘッド判別部614Aで読み取られる。またUVLEDに駆動電力を供給するための電源部612は、コントローラ部610に接続される複数種類のヘッド部の内で駆動条件が最大のものに合わせて設計される。電源部612には、定電圧源や定電流源などが使用できる。電源部612は、コントローラ部610に接続可能なヘッド部毎に個別に設ける他、共通の電源部とすることもできる。さらに電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給可能にするための部材である電源切替部611は、図53の例では電源部612の駆動電力を制限する電力制限部材として機能する。電源切替部611は、サーミスタやスイッチングレギュレータ、電流制限スイッチ等が利用できる。また電源切替部はヘッド判別部と一体に構成してもよい。この構成の紫外線照射装置は、ヘッド部620がコントローラ部610に接続された際に、ヘッド部620のメモリ部6227に記録されたヘッド種類識別データを読み出し、電源切替部611が各ヘッド部620に応じた駆動電流の上限値に電流の制限を設定する。例えば上記の例では、電源部612は最大電流駆動の高い図54のヘッド部620に合わせて最大電流700mAに設計され、電源切替部611は図54のヘッド部620については100%出力を可能とし、図16のヘッド部120については最大電流500mAまでの使用に制限する。この方法によって、一のコントローラ部に複数種類のヘッド部を接続し、各々の最適な駆動条件で使用することができる。
【0074】
駆動電力の上限値を設定する作業は、コントローラ部側が自動的に接続されたヘッド部に応じて設定するため、ユーザはヘッド部の種別にかかわらず最適な駆動条件にてUVLEDを使用できる。なお、接続されたヘッド部の種別に応じて、ユーザが電源部の供給電力を手動で設定することも可能である。この場合は、使用可能な最大出力をデューティファクタの%などで数値にて設定する方法や、ヘッド部に応じて電源切替部の出力電力を切り替えるスイッチを設けるなどの方法が利用できる。
【0075】
また、駆動電力の上限値をヘッド部毎に調整するために、ヘッド部とコントローラ部とを接続する変換コネクタに電源切替部として電気抵抗などの電力調整部材を組み込んでおく構成も採用できる。例えば、コントローラ部の電源部は、上述の通り接続可能なヘッド部の最大駆動電力に応じて設計し、該当するヘッド部は変換コネクタ等を使用することなくヘッド部のケーブル側インターフェース131をそのままコントローラ部のヘッド接続部160に接続可能とする。一方、最大駆動電力の低いUVLEDを使用するヘッド部については、ケーブル側インターフェースの形状を変更し、専用の変換コネクタを使用しない限りヘッド接続部160に挿入できない構成とする。そして変換コネクタ内に、電気抵抗などを組み込んでおき、ヘッド部側に供給される駆動電力が使用されるUVLEDの定格に応じた値となるように調整する。この方法であれば、ヘッド識別情報を読み込む等の作業を経ることなく、機械的な接続によって適切な駆動電力に切り替えることが可能となる。
【0076】
(コントローラ部110)
次に本発明の実施の形態8として、紫外線照射装置に使用するコントローラ部を図34の正面図に基づいて説明する。この例では、4台のヘッド部120を接続可能な4チャンネルのコントローラ部110を示している。ヘッド部120を接続可能な台数はチャネル数で決定されるが、チャンネル数は3以下とすることも、あるいは5以上とすることもできることはいうまでもない。この図に示すコントローラ部110は、前面パネルにUVLED151の紫外線照射条件を個別に設定するための設定部140として、表示部142及び操作パネル144を設けている。図34において表示部142は前面パネルの上部に配置し、その下に操作パネル144を配置している。
【0077】
(操作パネル144)
設定部140を構成する操作パネル144は、上下左右の選択スイッチである<、>、∧、∨スイッチ144A、144B、144C、144Dと、エスケープスイッチ144E、エンタースイッチ144Fが各々配置されている。ユーザは、これらのスイッチを操作して所定の手順に従い、UVLED151の紫外線照射条件を設定する。なお、この例に限られず、操作パネル144には十字キーやテンキー、ジョグダイヤル等の各種の入力デバイスが利用できる。また、操作パネルを表示部と一体化したタッチパネルとしても良い。操作パネル144に設けた各種スイッチは、各ヘッド部120の操作に共通して利用でき、各ヘッド部120を接続したチャンネルを切り替えて設定できる。
【0078】
なお、設定部140のスイッチ類は、コントローラ部110上に固定する必要はなく、コントローラ部110と個別の部材として設けても良い。例えばコンソールやリモートコントローラ、フットスイッチ等、コントローラ部と別体とした設定部にスイッチ類を設け、これらをコントローラ部と有線あるいは無線で接続して操作する形態も本発明の範囲内である。また後述するように、紫外線照射装置に接続された外部接続機器から設定や操作を行えるよう構成してもよい。
【0079】
また、本明細書において設定部には、紫外線照射条件の設定時以外に使用する態様も包含し、例えば紫外線照射装置の動作時に使用する照射スイッチも、設定部に含む。なお、例えば照射スイッチとしてフットスイッチをコントローラ部110と接続する場合は、外乱によるチャタリングを防止するためにON/OFF入力の遅延を設定することもできる。紫外線のオンタイミング(遅延設定)及びオフタイミング(遅延設定)は、設定部を用いて個別に、あるいは一括して設定することができる。
【0080】
(表示部142)
また設定部140を構成する表示部142には、LEDや液晶表示器を使用した7セグメント表示器を備える。操作パネル144で設定された紫外線の出力や照射時間等の紫外線照射条件を、表示部142で表示、確認しながらユーザは設定作業を行う。表示部142は、一の画面で各ヘッド部120の設定条件を切り替えて表示する。また、後述するように各ヘッド部120毎に個別に複数の表示部を設けることもできる。なお紫外線出力は、相対的な強度値、例えばUVLED151の駆動デューティファクタで設定、表示しているが、絶対的な出力値(mW等)で表示してもよい。なお、表示部142は液晶や有機ELで構成してアイコン表示等のグラフィカルな表示を可能とできる。またカラー表示可能としても良い。
【0081】
また、表示部142の下部には、各チャンネル毎にチャンネル表示ランプ145を設けている。これによって、現在選択されて表示部142に表示されているチャンネルが区別できる。図の例では1〜4チャンネルの4つのチャンネル表示ランプ145が設けられる。さらに、これらのチャンネル表示ランプ145に隣接して、紫外線照射ランプ146が配置される。紫外線照射ランプ146は、いずれかのヘッド部120から紫外線が照射(エミッション)状態であることを示すパイロットランプとして機能し、例えばLED等で構成される。すなわち、紫外線照射ランプ146のLEDが点灯しているときは、紫外線が照射中であることがユーザに通知される。
【0082】
操作パネル144の下部には、電源スイッチ147と一括照射スイッチ148を備える。電源スイッチ147は紫外線照射装置の電源をON/OFFするスイッチである。例えば電源スイッチ147にキースイッチを採用することで、不意にスイッチがONになる事態を回避できる。
【0083】
(一括照射スイッチ148)
一括照射スイッチ148は、これを押下することで、設定部140で予めヘッド部120毎に設定された各々の紫外線照射条件に従い、すべてのヘッド部120から紫外線を独立して照射できる。
【0084】
(ヘッド接続部160)
さらに、前面パネルの下部には、各ヘッド部120毎にヘッド接続部160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180をそれぞれ設けている。図34において左側に縦並びに配置されるヘッド接続部160は、ヘッド部120のケーブルを接続するためのコネクタであってヘッド接続部を構成する。上述の通り、図34のコントローラ部110は4台のヘッド部120を接続可能なように4チャンネルのヘッド接続部160を設けている。もちろん、すべてのチャンネルを使用する必要はなく、使用条件に応じてこの内の任意のチャンネルのみを使用可能であることはいうまでもない。
【0085】
(個別照射ランプ170)
また、各ヘッド接続部160の右側に隣接して、個別照射ランプ170が配置される。個別照射ランプ170は、各チャンネルに接続されたヘッド部120のUVLED151から紫外線が照射されていることを示すためのランプである。これによってユーザは、どのヘッド部120から現在紫外線が照射されているかを確認できる。個別照射ランプ170にもLED等が利用できる。なお、一括照射スイッチ148を押下すると、すべての個別照射ランプ170が点灯することとなる。
【0086】
(個別照射スイッチ180)
さらに、個別照射ランプ170の右側に個別照射スイッチ180を配置している。個別照射スイッチ180は、各チャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別にON/OFFするスイッチである。個別照射スイッチ180をチャンネル毎に設けることで、各々のチャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別に操作でき、特に専用スイッチを設けることにより少ない操作回数(例えばボタンを押すのみ)で各ヘッド部120の出力をON/OFFできるので、より便利に紫外線照射装置を使用できる。ただ、個別照射スイッチを設けることなく、操作パネル144で各チャンネルのON/OFFを操作するように構成することも可能である。
【0087】
以上、設定部140のレイアウト配置を図34に基づき説明したが、これらの配置は任意に変更できることはいうまでもない。例えば、図34の例では複数のチャンネルを縦に配置し、横方向にチャンネル毎のヘッド接続部160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180を配置しているが、他の実施の形態として、横方向にチャンネルを配置し、縦方向にチャンネル毎のヘッド接続部、個別照射ランプ、個別照射スイッチ等を配置することもできる。また、上記実施の形態では照射ランプと照射スイッチを個別に設けたが、オン状態で点灯するバックライト付のスイッチを使用すれば、これらを一部材に統合することもできる。
【0088】
コントローラ部110は、図5に示すように電源部112及び制御部114を備える。ACインレットから供給される商用電源が、ラインフィルタ、ヒューズ及び電源スイッチ147を経て電源部112に供給され、電源部112で生成された直流安定化電圧が制御部114に供給される。制御部114は、上述のようにヘッド判別部114Aとしても機能する。また制御部114はメモリを備え、予め記憶している設定プログラムとユーザの設定操作にしたがって各ヘッド部120からの近紫外線の強さ、照射タイミング等を制御する。制御部114には、端子台基板及び通信用コネクタが接続されており、これらのインターフェイスを用いてコンピュータやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の外部制御機器をコントローラ部110に接続することができる。外部接続機器は、後述するように紫外線照射条件の設定や紫外線照射装置のON/OFF操作に使用できる。すなわち、紫外線照射装置のコントローラ部110に設けられた設定部140で設定や操作を行う他、外部接続機器からのトリガ入力によって紫外線照射装置のON/OFFを操作することもできる。
【0089】
例えば、一台のコントローラ部110に4個のヘッド接続部160が制御部114に接続され、これらのヘッド接続部160を介して各ヘッド部120がコントローラ部110の制御部114に接続される。そして、制御部114は各ヘッド部120のUVLED151の駆動制御のための電気信号を各ヘッド部120に与え、各ヘッド部120からの近紫外線の強さや照射タイミングを制御する。さらに、制御部114にはフロントパネル基板が接続されている。フロントパネル基板には、コントローラ部110の前面パネルに設けられた表示部142及び設定部140を構成する表示器や各種スイッチ類が実装されている。ユーザは表示部142及び設定部140を用いて4個のヘッド部120の近紫外線の強さ、照射タイミング等を個別に設定することができる。
【0090】
(モード切替)
上述の通り、本発明の各実施の形態に係る紫外線照射装置は、コントロール部によって紫外線照射条件を設定する設定モードと、紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードと照射モードの切替は、専用の切替スイッチを設けたり、特定のスイッチの組み合わせや長押し等が利用できる。本実施の形態においては、図34に示す操作パネル144の内、エスケープスイッチ144Eの長押し(例えば3秒以上)によって、設定モードと照射モードを相互に切り替える。
【0091】
(照射モード)
以下、照射モードの詳細について説明する。まず、本実施の形態においては、紫外線照射装置の照射モード時において、すべてのヘッド部120から紫外線を照射する一括照射モードと、一のヘッド部120から紫外線を照射する個別照射モードとを備えている。そして上述の通り、一括照射スイッチ148を操作すると一括照射モードが実行され、個別照射スイッチ180を操作すると個別照射モードが実行される。
【0092】
さらに、各照射モードはそれぞれ自動モードと手動モードに区別できる。自動モードとは、予め設定された紫外線照射条件に従って、照射出力や照射時間を変更可能なモードである。すなわち、自動モードにおいては照射開始指令を受けると、事前に各ヘッド部120毎に登録された照射パターンで照射を開始し、終了後は自動的に紫外線照射を停止する。一方、手動モードとは、指定されたタイミングで紫外線照射のON/OFFを切り替えるモードである。すなわち、照射開始指令を受けると、照射停止指令を受けるまで一定の出力にて照射し続ける。照射スイッチをONすると出力が開始され、OFFすると終了する。なお、後述するように手動モードにおいても紫外線出力値は変更可能である。
【0093】
照射モード時における紫外線の照射開始、及び停止の指令は、上述の通りコントローラ部110に設けた照射スイッチや端子台164からのトリガ入力によって実現される。なお、本実施の形態においては、照射スイッチを一度押下すると照射モードが実行され、再度押下すると中断もしくは停止される。中断の場合は、一時停止状態を維持し、再度スイッチを押下することで照射モードが再開される。
【0094】
(手動照射モード)
紫外線照射装置は、設定部140で設定される複数の紫外線照射条件を記憶部116に保存できる。さらに、各紫外線照射条件設定毎に動作モードを保存できる。手動モードにおいては、紫外線出力値は各ヘッド部120毎に保存できる。従って、個別手動照射モードでは複数のヘッド部120を異なる紫外線出力で各々照射できる。また一括手動照射モードでは、各ヘッド部120で同時に異なる紫外線出力を開始し、同時に照射終了させることができる。また、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるので、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射することができる。従来の紫外線照射装置では、同一の装置に接続されたヘッドはすべて同じ出力及びタイミングで出力されていたため、装置にヘッドを接続している限り、他のヘッドの出力と共に必ず出力が生じ、照射を停止することができなかった。これに対して、本実施の形態では各ヘッド部120が独立しているため、紫外線照射の許可/不許可を容易に設定できるという利点がある。
【0095】
(自動照射モード)
また、自動モードにおいても、照射パターンを各ヘッド毎に保存できる。従って、一括自動照射モードでは複数のヘッド部120にて異なる照射パターンで同時に照射を開始して、異なるタイミングで照射を終了させることができる。上述の通り、このような動作も従来の紫外線照射装置では実現できなかった。特にヘッド毎に異なる照射パターン、異なるタイミングで停止することができなかったが、本実施の形態により、独立して各ヘッド部120毎に出力やタイミングを変化させた出力が可能となり、極めて自由度の高い紫外線照射が実現される。上述の通り、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるため、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射させることができる。さらに、照射開始指令をヘッド部毎に入力できるようにすれば、ヘッド部毎に異なるタイミングで紫外線照射を開始させることもできる。例えば、個別照射スイッチをヘッド部の数だけ設けたり、あるいはヘッド部の台数分の端子台トリガ入力を用意すればよい。
【0096】
以上説明した動作モードをまとめると、一括自動照射モードにおいては、各ヘッド部120毎に予め設定された紫外線出力、照射時間等の紫外線照射条件で、すべてのヘッド部120で紫外線照射を実行する。一括照射スイッチを押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、様々な異なる出力、時間で独立して紫外線照射が実行される。なお紫外線照射の終了は、各々の設定に応じてヘッド部120毎に異なり、設定が終了するとヘッド部120毎に自動的に終了する。
【0097】
また一括手動照射モードにおいては、実行するとすべてのヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。一括照射スイッチを押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、再度一括照射スイッチを押下すると各ヘッド部120の紫外線照射が停止される。この場合においても各ヘッド毎に紫外線出力値を変更することはできる。
【0098】
さらに、個別手動照射モードは、各々のヘッド部120で実行されると、該ヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。この場合においても各ヘッド毎の紫外線出力値を変更することはできる。
【0099】
(個別自動照射モード)
個別自動照射モードは、ヘッド部120毎に紫外線照射条件を設定するモードである。個別自動照射モードに相当する機能は、特に設けなくとも、一括自動照射モードを利用して実質的に実現できる。すなわち、特定のUVLEDについてのみ照射を行い、他のUVLEDの照射を行わないことで、該特定のUVLEDの照射時間や出力等の紫外線照射条件を設定することにより、一括自動照射モード実行時に該UVLEDのみが自動的に設定されたパターンで紫外線照射を実行できる。ただ、この場合は特定のUVLEDのみしか紫外線照射を実行できず、他のUVLEDに個別自動照射モードに相当する動作を実行させるには、複数の一括自動照射モードを並列して実行可能とする必要がある。一方、複数のUVLEDを動作させるように一括自動照射モードを設定することは可能である。ただ、UVLED毎の動作タイミングが変化する場合には対応が困難となる。一方、ユーザによっては各ヘッド部毎に自動照射を設定、実行する方が便利である場合も考えられるので、個別自動照射モードを別途設けることもできる。
【0100】
(紫外線照射条件の設定方法)
次に、紫外線照射条件の設定方法について、図35に基づき説明する。ここでは、各ヘッド部120から照射される紫外線が、図36(b)に示すように時間と共にステップ状に変化するパターンを得るために、図36(a)に示すように複数の矩形波の組み合わせとして、個々の矩形波の条件を設定する例を考える。なお、図36に示す各矩形波、すなわち一定の照射出力及び照射時間の組み合わせからなる紫外線照射条件のセットを、ここではステップと呼ぶことにする。
【0101】
(矩形波状照射パターン)
図35は、ヘッド部120が一のUVLED151を備える場合の設定方法の概要を示している。図35において、まず工程S1001でヘッド部120の番号を選択する。上述のように本実施の形態ではヘッド部120はチャンネル1〜4まで4台接続されており、どのチャンネルについて設定を行うかをここで選択する。次に工程S1002でステップの番号を選択する。ステップは、1から順に設定され、本実施の形態では一の紫外線照射条件設定において20個までステップを設定可能としている。次に選択されたステップにつき、工程S1003で紫外線の照射時間を設定する。ここでは、秒数で指定する。さらに工程S1004で紫外線の照射出力を指定する。ここではデューティ比で設定する。そして工程S1005で設定を一時保存すると共に、ステップ番号の選択ステップに戻り、必要なすべてのステップについて設定が完了するまでループする。このようにして図36のような紫外線照射パターンが設定されると、紫外線照射条件設定が保存される。なお、上記の各工程は、順序を適宜入れ替えることもできる。例えば、先に照射出力を設定した後、照射時間を設定してもよい。
【0102】
上記工程を、より詳細に示したフローチャートを図37に示す。まず工程S1201で紫外線照射条件設定の番号(設定番号)を選択する。本実施の形態では、no0〜no19まで20個の紫外線照射条件設定を記録できる。次に工程S1202で照射モードを選択する。照射モードは、U0〜2の3通りであり、一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードの別を指定する。なお、本実施の形態では個別自動照射モードに相当するモードを採用していない。次に工程S1203で紫外線照射条件を設定するヘッド部120を接続したチャンネル番号を選択する。ここではチャンネル番号CH1〜4の4個から選択する。
【0103】
次に工程S1204では、選択されたチャンネル番号に接続されたヘッド部120に対して、紫外線出力を許可するかどうかを設定する。ヘッド部120毎に紫外線照射の許可/不許可を設定可能とすることで、従来のように接続されたヘッド部120すべてから紫外線が出力されることなく使用することが可能となる。出力を許可する場合は、工程S1205に進み、許可しない場合は工程S1204−1ですべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程S1203に戻り他のヘッド部120の設定を継続し、すべてのヘッド部120の設定が終了した場合は工程S1211にジャンプする。なお、後述するように複数のUVLEDを備える場合は、各UVLED毎に紫外線照射の許可/不許可を設定することもできる。
【0104】
次に工程S1205で、工程S1202で選択された照射モードが自動モードか否かを判定する。自動モードの場合は、次工程S1206でステップ番号を選択する。ステップ番号は、S0〜S19まで、最大20個設定できる。自動モードでない場合はステップ番号の選択が不要であるから工程S1207にジャンプする。工程S1207では照射時間を設定する。ここでは秒数を入力する。次に工程S1208で照射出力を設定する。ここではデューティ比で入力する。次に工程S1209で必要なステップ番号の設定をすべて完了したか否かを判定し、未だの場合は工程S1206に戻り、次のステップ番号の設定を繰り返す。終了した場合は工程S1210に進み、すべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程S1203に戻り他のヘッド部120の設定を繰り返す。終了した場合は工程S1211に進み、上記の設定を記憶部116に保存して終了する。
【0105】
(階層メニュー)
次に、コントローラ部110に設けた表示部142における表示の切り替えについて説明する。本実施の形態においては、階層メニュー方式を採用している。図38に、階層メニューの一例を示す。この図に示すように、紫外線照射装置は照射モードと設定モード、および上述したテスト照射モードに切替可能であり、各々のモードにおいて、さらに各種のメニュー項目が選択できる。また選択されたメニュー項目についても様々な設定項目が存在し得、図38において下方向に示すように各階層に下って各項目を設定する。
【0106】
(照射モードにおける表示)
次に、図39に基づいて照射モードにおける表示部142の表示例を説明する。照射モードにおいては、図39に示すように運転中設定番号表示、現タイマ値表示、現照射パワー値表示、累積照射時間表示等の項目が切り替えて表示される。項目の切替は、左右の<、>スイッチ144A、144Bで行われる。また、最上位階層を表示中にエスケープスイッチ144Eを長押しすると、上述の通り照射モード、設定モード間のモードが変更される。一方、最上位以外の階層からエスケープスイッチ144Eを長押しすると、そのモードの最上位階層へ遷移する。
【0107】
(運転中設定番号表示)
運転中設定番号表示は現在選択中の設定番号を表示している。この例ではJ0が選択されている。設定番号はno0〜J19まで最大20個の設定を保存することが可能であり、この内から任意の設定番号を選択する。また図39に示すように、表示部142の下方に設けられたチャンネル表示ランプ145が、現在表示中の設定番号において照射が設定されているヘッド部120を表示する。これによって、選択中の設定番号において紫外線が照射されるヘッド部120がいずれであるかをユーザが容易に把握できる。この例においては、チャンネル1〜4すべてのヘッド部120でUVLED151が動作することを示している。
【0108】
なお設定番号の変更は、本実施の形態では後述するように設定モードで行う。ただ、照射モードにおいて設定番号を変更できるようにしても良い。例えば図39の画面からエンタースイッチ144Fを押下して設定番号の選択メニューに移行する方法や、図39の画面から∧、∨スイッチ144C、144Dを押下して設定番号を変更する方法等が適宜採用できる。
【0109】
(現タイマ値表示)
現タイマ値表示は、紫外線の照射時間を表示する。図の例では、チャンネル1に接続されたヘッド部120から12秒間照射するよう設定されていることを示している。該設定番号の紫外線照射条件設定の実行時には、設定された照射時間からカウントダウン式に残りの照射時間が秒数で表示され、ユーザは残り時間を容易に知ることができる。また、照射時間が設定されていないチャンネルを表示する場合は、停止時は−−−で表示し、実行時はカウントアップ式に経過時間を秒数で表示する。これによって、照射時間が現在どの程度経過したかをユーザが確認できる。以上のように、照射時間の設定の有無によって時間の表示方式をカウントダウン式とカウントアップ式に自動切り替えすることにより、ユーザは照射時間の設定の有無、および経過時間、残り時間を知ることができ、紫外線硬化型樹脂の接着状態に際して状況把握等に便利に使用できる。また時間の表示単位は、秒数の他、粉数、時間数あるいは進捗状況の割合での表示等を適宜採用できる。
【0110】
図39の例では、チャンネル1の照射時間が表示されているが、この状態で∧、∨スイッチ144C、144Dを押下すると、その他のチャンネルの情報に切り替えて表示できる。このように、本実施の形態では、<、>スイッチ144A、144Bはメニューの切替に、∧、∨スイッチ144C、144Dは、項目値の選択、変更にそれぞれ使用される。図39の例では、∧スイッチ144Cを押下するとチャンネル2→3→4→1の順に切り替えられる。同時に、チャンネル表示ランプ145の点灯が該当チャンネルに切り替わって、現在表示中の項目(ここでは照射時間)がいずれのチャンネルに接続されたヘッド部120の情報であるかが判別できる。なお照射が設定されていないチャンネルの情報を表示させると、表示部142に「−−−」と表示される。なお、これらのスイッチ操作を行わず、設定されたチャンネルの情報を自動的に切り替えて順次表示するように構成してもよい。
【0111】
(現照射パワー値表示)
現照射パワー値表示は、紫外線照射の出力値を表示する。この例ではチャンネル1のUVLEDの駆動デューティ比により相対的な強度を表示しているが、最大出力を100とするパーセント表示や出力ワット数等、その他の単位による表示も適宜採用できる。ここでも上記と同様、∧、∨スイッチ144C、144Dを押下することで、他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。
【0112】
(累積照射時間表示)
累積照射時間表示は、紫外線の照射時間の累積値、すなわちUVLEDのトータルの使用時間を表示する。これによってUVLEDがどのくらい使用されているか、寿命の把握や駆動電流の調整作業の目安を得ることができる。ここでも∧、∨スイッチ144C、144Dで他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。なお図39において、単位を区別するために「h」と「H」の表示を使い分けており、「h」は×10時間、「H」は×100時間をそれぞれ示している。このように、記号の大文字、小文字の使い分けによって単位の大小等の意味合いを持たせ、少ない表示画面で多くの情報量を表示できるようにしている。
【0113】
以上、照射モードにおける表示部142の表示例を説明した。もちろん、これ以外の表示項目を追加したり、任意の項目のみを表示するよう構成できることはいうまでもない。
【0114】
なお図38の例では、照射モードにおいてはメニュー項目は基本的に表示部142の切替として機能するため、更なる階層構造は設けていない。もちろん、表示項目等を階層構造で切り替えるよう構成してもよいことはいうまでもない。
【0115】
(設定モード)
次に、図40および図41を参照しながら、設定モードにおける紫外線照射条件を設定する方法の詳細を説明する。図40に示すように、設定モードでは運転中設定番号メニューと、設定編集メニューと、通信条件メニューと、その他条件メニューの4つの項目が、<、>スイッチ144A、144Bにより切り替えられる。メニューの選択は、エンタースイッチ144Fを押下することで実行され、選択された項目の設定モードに移行できる。なお、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、上位の階層に戻ることができる。
【0116】
もちろん、複数の項目をまとめたり、他の項目を追加したりしてもよい。例えば通信条件メニューとその他条件メニューを一つにまとめたり、あるいは編集設定メニューを2つに分けても良い。
【0117】
(運転中設定番号メニュー)
運転中設定番号メニューは、照射モードにおいて使用する紫外線照射条件設定の設定番号を選択する。ここでは、既に設定され保存された紫外線照射条件設定の中から、所望の設定番号を∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択する。選択後、エンタースイッチ144Fを押下すると表示部142に「End」と表示され、選択された設定番号が保存されると共に、運転中設定番号メニューに戻る。
【0118】
なお本実施の形態では、運転中設定番号メニューと後述する設定編集メニューとを個別に設けているが、これらを統合してもよい。この場合は、前回の設定作業の際に選択された番号を保持し、照射モードにおいてこの番号の設定が選択されているものとして扱う。
【0119】
(設定編集メニュー)
設定編集メニューは、紫外線照射条件を設定するメニューである。設定編集メニューの詳細を図41に示す。設定編集メニューに含まれる大項目としては、編集設定番号選択、照射モード選択の設定画面がある。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。
【0120】
(編集設定番号選択)
まず、編集設定番号選択では、設定番号を選択する。本実施の形態では、上述の通りno0〜19まで最大20個の設定を保存できる。もちろん、これ以上あるいは以下の数を設定可能とすることもできる。
【0121】
(照射モード選択)
次に、選択された設定番号について、照射モードを選択する。照射モードは、上述の通りU0〜2の3通り、すなわち一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードのいずれかを選択する。照射モードを選択してエンタースイッチ144Fを押下すると、表示部142に「End」と表示されて上記の設定を一時保存すると共に、編集チャンネル選択に移行する。
【0122】
編集チャンネル選択では、設定の対象となるヘッド部120が接続されたチャンネル番号をCH1〜4の中から選択する。次に、出力許可選択に進み、上記で選択されたチャンネル番号のヘッド部120につき、紫外線出力を許可するか否かを選択する。許可の場合は「on」、不許可の場合は「off」と表示部142に表示される。この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射モード選択画面にて選択した照射モードに応じて、ステップ番号選択画面、もしくはステップ番号選択不可表示に進む。
【0123】
(一括自動照射モードの詳細設定)
照射モード選択画面において一括自動照射モードを選択した場合は、ステップ番号選択画面に進み、ステップ番号を選択する。上述の通りステップ番号はS0〜19まで最大20個設定可能であり、必要な数だけ順番に設定していく。ステップ番号を選択すると、照射時間設定画面となり、紫外線照射時間を入力する。次に照射出力を同様に入力する。これらの入力値は、∧、∨スイッチ144C、144Dで増減させる。入力の便宜のため、前回の設定値をコピーしてデフォルト値として入力したり、長押しで高速増減を可能にすることもできる。以上の設定が終了すると、エンタースイッチ144Fを押下して設定を一時保存すると共に、ステップ番号選択画面に戻る。このとき、設定されたステップ番号に1を増加させた値がデフォルト値として入力される。すべてのステップ番号の設定が終了すると、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、編集設定番号選択画面に戻る。
【0124】
(一括手動照射モード、個別手動照射モードの詳細設定)
一方、照射モード選択画面において一括手動照射モードまたは個別手動照射モードを選択した場合は、一定値での出力となり、出力を可変とするステップを選択できないので、出力許可選択画面からステップ番号選択不可表示に進む。このとき表示部142には「s.−−−」と表示され、ステップ番号が選択できないことを表示する。手動照射モードでは照射時間も設定しないので、この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射出力設定画面となる。上記と同様にデューティ比で出力を設定後、エンタースイッチ144Fを押下すると設定が保存され、編集チャンネル番号選択画面に戻る。以上のようにして、編集設定メニューで紫外線照射条件が設定される。
【0125】
(通信条件メニュー)
通信条件メニューでは、紫外線照射装置と外部接続機器とをRS−232Cインターフェースで接続する際の通信条件を設定する。図40の例では、通信条件メニューからボーレート選択、ストップビット・パリティ選択、デリミタ・チェックサム選択がそれぞれ設定できる。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。まずボーレート選択では、予め設定された1200bps、2400bps、4800bps、9600bps、19200bps、38400bpsの選択肢から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。表示部142においては、「b.384」等、×100にて表示することで表示桁数を節約している。なお、ハードウェア的に対応しておれば、上記以外のボーレート値を設定することもできる。ストップビット・パリティ選択では、ストップビットが1または2、パリティがなし、偶数、奇数をそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせを予め選択肢として提示し、ストップビット1・パリティなし(表示部142における表示「y.1n」)、ストップビット1・パリティ偶数(「y.1E」)、ストップビット1・パリティ奇数(「y.1o」)、ストップビット2・パリティなし(「y.2n」)、ストップビット2・パリティ偶数(「y.2E」)、ストップビット2・パリティ奇数(「y.2o」)の中から∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。同様にデリミタ・チェックサム選択では、デリミタとしてCRもしくはETX、チェックサムのあり・なしをそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせとしてデリミタCR・チェックサムなし(表示部142における表示「d.C0」)、デリミタCR・チェックサムあり(「d.C1」)、デリミタETX・チェックサムなし(「d.E0」)、デリミタETX・チェックサムあり(「d.E1」)の中から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。
【0126】
(その他条件メニュー)
その他条件メニューにおいては、入力接点選択、点灯アラーム時間編集が設定できる。入力接点選択は、フットスイッチを接続する場合等、チャタリング防止のための遅延時間を設定する。点灯アラーム時間編集は、UVLEDの劣化による警告を行う時間を設定する。上記の階層メニューの構成は一例であって、他の構成も適宜採用できる。例えばメニューの選択には水平方向、選択された項目の設定には垂直方向のスイッチを使用したが、水平方向と垂直方向を入れ替えてもよいことはいうまでもない。
【0127】
[実施の形態9]
また実施の形態8のように設定部を共通とする構成の他、各ヘッド部毎に個別設定スイッチと個別表示部を設けることもできる。図42に、本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のコントローラ部810の正面図を示す。この図に示す個別設定スイッチ890は、各ヘッド部から照射される紫外線出力の設定や照射時間の増減に使用され、アップダウンスイッチ等が利用できる。この態様では、個別設定スイッチ890で各チャンネルの紫外線照射条件を設定できる他、上記の操作パネル844を用いて紫外線照射条件を設定することもできる。また、共通の操作パネルを省略して、個別設定スイッチ890のみで設定するよう構成することもできる。個別表示部892は7セグメント表示器等が利用でき、設定された出力や照射時間を表示する。また、個別設定スイッチ890のみ、あるいは個別表示部892のみを各チャンネル毎に設けても良い。
【0128】
[実施の形態10]
また、各ヘッド部の紫外線出力を調整する個別設定スイッチや個別照射スイッチは、コントローラ部でなくヘッド部に設けることもできる。図43〜図44に、本発明の実施の形態10に係る紫外線照射装置のヘッド部920を示す。これらの図に示すように、ヘッド部920にUVLED951からの紫外線照射のON/OFFを行うための個別照射スイッチ980、紫外線の出力レベルを調節するための個別設定スイッチ990を設ける。個別設定スイッチ990は、2個のプッシュスイッチからなるアップダウンスイッチが利用できる。図43(b)や図44に示すように、これらのスイッチ類は基板上に実装される。その他の部材は、上述した図17等と同様の構成が利用できる。この構成は、ユーザが手でヘッド部920を把持して使用する場合に、手元で出力を調整でき、このような態様において好適に利用できる。また図示しないが、7セグメント表示器等の個別表示部をヘッド部にそれぞれ設けることもできる。あるいは、個別設定スイッチまたは個別照射スイッチのみをヘッド部に設け、コントローラ部側に残りの部材を設けても良い。
【0129】
[実施の形態11]
以上の各実施の形態では、ヘッド本体部の長手方向に沿って、ケーブル部と紫外線の照射方向が略直線状となる態様(ストレートタイプ)とした。これに対して図45に示す本発明の実施の形態11に係る紫外線照射装置のヘッド部420は、UVLED451からの紫外線の照射方向がヘッド部420の長手方向と略直交するように構成したアングル状のタイプとしている。図45はヘッド部420の平面図および断面図を、図46はこのヘッド部420の支持方法の一例を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、ヘッド本体部422とレンズホルダ426とが冷却ブロック424を介してアングル状に結合し、アングル形状のヘッド部420が構成されている。
【0130】
図46に示すように、実施の形態11のアングルタイプのヘッド部420では、ヘッド本体部422を把持するホルダ4202を設け、これによってヘッド部420を固定することができる。この場合、ヘッド部420の上方空間に余裕ができる。つまり、ヘッド部420を設備に固定する際に、設備の関係でヘッド部420の上方に十分なスペースを確保することが困難な場合に適している。また、紫外線照射の対象物(箇所)を上方からヘッド部420越しに観察する際の視認性に優れている。
【0131】
一方、上述した実施の形態におけるストレートタイプのヘッド部120の支持方法の一例を図47に示す。図47(a)の例では、ヘッド本体部122の背面に螺合によって略直角に固定したポール部材1201をホルダ1202で把持することによってヘッド部120を固定する。図47(b)の例では、ヘッド本体部122の背面に形成した2箇所のネジ孔を用いて、壁面等の固定対象Hに固定ネジ1203によって直接ネジ止めする。いずれの場合も、ヘッド部120の上方にケーブル部130のための空間が必要になる。図45、図46に示した実施の形態11のアングルタイプのヘッド部120の場合は、ケーブル部130が側方へ延びるので、ヘッド部420の上方空間に余裕が無くても問題が生じない。
【0132】
[実施の形態12]
以上の各実施の形態では、図17等に示すように各ヘッド部がUVLED151を1個備えているスポットタイプのヘッド部120Aについて説明した。これに加えて、複数の半導体素子を使用した面発光タイプのヘッド部120Bも使用できる。複数の半導体素子を使用することによって、紫外線の照射量や照射面積を必要に応じて調整することが可能となる。本発明の実施の形態12に係る紫外線照射装置として、面発光タイプのヘッド部120Bの一例を図48の斜視図に示す。この図に示すヘッド部は、ヘッド本体部の先端に断面が略正方形型のレンズホルダを設けてその四隅近傍に各々UVLED151を配置している。レンズホルダは4個のUVLED151を並べて配置する必要があるため、ヘッド本体部よりも一回り径が大きくなる。また上述したように、面発光タイプのヘッド部120Bはその他図6に示すような種々のUVLED151の配置パターンも適宜採用できる。例えばレンズホルダの端面を角柱状でなく円筒状としてもよい。面発光タイプのヘッド部120Bを使用することによって紫外線の照射面積をスポットタイプよりも大きくすることができ、一度に紫外線を照射して処理できる量を大きくできる利点がある。なお、図48の例ではレンズホルダに各UVLED151毎にレンズ部を計4つ設けているが、一枚の大レンズをレンズホルダの前面に設けて、すべてのUVLEDの紫外光をこの大レンズを介して照射する構成としてもよい。
【0133】
もちろん、UVLEDの個数や配列パターンや、これ以外にも適宜採用できる。複数のUVLEDを同時にONして使用することで、紫外線量を増やして出力を増大できる。また、複数のUVLEDの内、特定のUVLEDのみをONさせ、他のUVLEDをOFFとし、動作するUVLEDを交互に切り替えて使用することによって、特定のUVLEDの連続使用を避けて各素子の長寿命化を図ることができ、UVLEDの交換時期を延長できる。また各UVLED、あるいはすべてのUVLEDが寿命に達したことを判定してメッセージや表示、音声等で警告を行い、ユーザに交換を促すようにすることもできる。なお寿命による劣化以外に、電気的な接触不良や断線によってもUVLED等の半導体素子の出力が不安定となったり、動作しないこともある。このため、電流の通電状態をモニタし、通電しない場合に警告を発する断線検知機能を付加しても良い。あるいは、半導体素子等の駆動素子の入力側端子と出力側端子の電気的状態に基づいて駆動回路系の動作不良を検出することもできる。これによって、電気接触に起因する問題を容易に検出でき、紫外線照射装置の設置時やメンテナンス作業を容易にできる。
【0134】
さらに、特性が同一のUVLEDを複数設ける場合のみならず、異なる特性を備えるUVLEDを同一のヘッド部に設けても良い。例えば、波長の異なるUVLEDを切り替えて使用することで、同一のヘッド部から照射可能な紫外線の波長を変更できる。特性の異なるUVLEDを使用する場合は、各UVLEDに応じた駆動電流等を予めヘッド部側で設定しておく。さらにまた、ヘッド部間で異なる特性のUVLEDを各ヘッド部に設けることも可能であることはいうまでもない。
【0135】
複数の半導体素子をヘッド部520に設ける場合は、ONする素子を他と区別する必要があるので、各半導体素子に個別のID番号等の素子識別情報を割り当る。そして紫外線照射条件を設定する際に、いずれの素子をONするかの素子識別情報も設定する。複数の半導体素子を点灯する場合は、該半導体素子に同一の設定を容易に行えるよう、設定のコピーを可能としてもよい。コピーの対象は同一ヘッド部内に限られず、異なるヘッド部間、あるいは異なる紫外線照射装置間とすることもできる。例えば、遷移画面に設定のコピー画面を表示させ、コピー元のヘッド番号とコピー先のヘッド番号を指定する。また、一のヘッド部で設定した条件をすべてのヘッド部にコピーすることも可能である。例えばコピー先としてヘッド部に割り当てられた番号に代わってallを示す「A」等と指定する。あるいはまた、一のヘッド部に設定された条件を保存しておき、これを呼び出して使用することもできる。このようにして、一のヘッド部で設定した紫外線照射条件を他のヘッド部に容易にコピーして、設定作業の手間を簡略化できる。また、一の設定内ですべての素子をONするような場合は、素子識別情報として「すべて」を指定できるようにする。例えば、設定画面において「A」を入力する。これによって、各素子毎に同じ紫外線照射条件を設定する手間を省くことができる。なお、複数の半導体素子で電流値を変えて紫外線を照射させることも可能であることはいうまでもない。
【0136】
次に、ヘッド部520が複数のUVLED551を備える場合の、紫外線照射条件の設定方法について、図49に基づき説明する。図49において、工程S2401のヘッド部520番号選択ステップ、および工程S2402のステップ番号選択ステップは、上述した図35の工程S1001、工程S1002と同様である。次に工程S2402−1で動作対象となるUVLED551の番号を選択する。ヘッド部520に備えられた複数のUVLED551には、上述の通り固有のID番号が予め付与されており、この内駆動させたいUVLED551の番号を選択する。以下の工程は、図35の工程S1003、1004、1005と同様である。
【0137】
[実施の形態13]
また、紫外線照射条件の設定は、上記のように照射時間と照射出力の組をステップ状に指定する方法の他、予め設定された照射パターンを選択することもできる。例えば、関数状の照射パターンを選択する方法や、さらに選択した関数の定数を入力することもできる。これらの設定は、関数番号や定数を数値で指定、選択する方法の他、グラフ図形をグラフィカルに表示して選択する方法等が採用できる。さらに前者の数値による選択方法においても、設定された関数をグラフ図形で確認可能としてもよい。このようなグラフ表示を可能にするには、図形表示が可能な表示部142を用意する。
【0138】
(関数状照射パターン)
図50は、紫外線の照射時間と照射出力を関数で表示する3つのパターンを示した例を示すグラフである。この図に示すようなパターンでも、本発明の実施の形態は紫外線を照射可能である。図50の例では、関数の例としてF1〜F3の3種類の示している。
【0139】
F1:P=at+c
F2:P=a*(1−EXP(−b*t))+c
F3:P=a*(EXP(b*t)−1)+c
(a,b,cは条件に応じて設定する定数)
【0140】
また、これら以外にもn次式の関数を利用することもできる。上記の関数のいずれかを選択した後、定数a,b,cを設定すると照射パターンが決定される。定数は、紫外線照射装置の使用条件に応じて設定される。図50に例示する関数F1〜F3では、紫外線の照射出力を照射時間10秒で70%まで上げる場合に設定される定数として、以下の値を設定している。
【0141】
F1:P=7t(a=7、c=0)
F2:P=70*(1−EXP(−0.5*t))(a=70、b=0.5、c=0)
F3:P=10*(EXP(0.21*t)−1)(a=10、b=0.21、c=0)
【0142】
図50のような照射パターンでの紫外線照射条件を設定する手順を、図51に基づき説明する。まず工程S2601でヘッド番号を選択し、工程S2602でステップ番号を選択する工程は、図35と同様である。次に工程S2602−1で、関数番号を選択する。ここでは関数Fの選択肢として、上述したF0〜F3が選択可能である。なおF=0は、上記と同様に照射時間と照射出力を入力するステップ状関数である。工程S2602−1でF=0を選択した場合は、工程S2603で照射時間、工程S2604で照射出力をそれぞれ入力し、工程S2605で設定を保存する。また工程S2602−1でF=1を選択した場合は、工程S2603−1で定数a、工程S2604−1で定数bをそれぞれ入力し、工程S2605で設定を保存する。さらに工程S2602−1でF=2または3を選択した場合は、工程S2603−2で定数a、工程S2604−2で定数b、cをそれぞれ入力し、工程S2605で設定を保存する。
【0143】
上記以外にも、照射パターンを設定する方法として、例えば照射パターンの波形を選択後、照射時間を入力して自動的に関数の定数を演算し、設定する方法や、紫外線の総照射量や熱量で設定する方法等が適宜利用できる。
【0144】
従来の紫外線照射装置では、紫外線源として使用する高圧水銀ランプ等に機械的なシャッタを介することにより出力を変更していたため、紫外線出力の最小分解能が粗くなり離散的な変化となって微調整ができず、波形パターンに沿った出力の変更が極めて困難であった。これに対して、駆動電流に対するリニアリティの高い半導体素子を利用する本実施の形態によれば、入力電流を調整してほぼ連続的な出力の変化が実現される。駆動電流に応じて出力をリニアリティ良く変化できるので、上記のようなパターンにも対応できる。なお、紫外線出力と連続波形との近似性は、A/D変換部の分解能に依存することはいうまでもない。
【0145】
[実施の形態14]
上記の各実施の形態では、紫外線照射条件の設定をコントローラ部の設定部で行っている。ただ、紫外線照射条件の設定は、紫外線照射装置に外部接続された機器にて行うことも可能である。例えば本発明の実施の形態14として、図52に示すように紫外線照射装置700のコントローラ部710を、コンピュータやPLC等の外部接続機器7101と接続し、外部接続機器7101側で設定した紫外線照射条件をコントローラ部110に転送することでも設定を行える。紫外線照射装置700は外部接続機器7101と接続するためのインターフェースを備える。インターフェースはコントローラ部710の制御部714と接続され、制御部714で外部接続機器7101との電気信号のやりとりやデータ通信を行う。
【0146】
従来の紫外線照射装置では、紫外線源として使用する高圧水銀ランプ等に機械的なシャッタを介することにより出力を変更していたため、紫外線出力の最小分解能が粗くなり離散的な変化となって微調整ができず、波形パターンに沿った出力の変更が極めて困難であった。これに対して、駆動電流に対するリニアリティの高い半導体素子を利用する本実施の形態によれば、入力電流を調整してほぼ連続的な出力の変化が実現される。駆動電流に応じて出力をリニアリティ良く変化できるので、様々な照射パターンに対応できる。さらに半導体素子のON/OFFによる制御は反応速度が高く高速な動作が可能であり、しかも機械的な動作を伴わないため信頼性高く安定して使用できる。また、高圧水銀ランプ等を使用する従来の紫外線照射装置でのパルスによるプラズマを発生等の方式と比べて、大電流や複雑な駆動回路を要さず、簡易な回路で安価にかつ容易に実現でき、メンテナンスも容易といった優れた特長が実現される。さらに従来のように高周波を発生させる高周波点灯回路では、高電圧に対する絶縁対策が必要であったり回路構成が複雑で装置が大型化する等の問題があったが、本発明によれば安価にかつ小型化も可能であり、ヘッド部をユーザが手持ち可能なハンディタイプとして好適に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の紫外線照射装置は、ピックアップ等の電子部品の組み立て作業において、紫外線硬化型樹脂による接着に好適に利用できる。また、半導体ステッパーや光洗浄装置、光乾燥装置等の用途にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】スポットタイプのヘッド部の構成を示す回路図である。
【図2】複数のUVLEDを直列に接続した面発光タイプのヘッド部の構成を示す回路図である。
【図3】面発光タイプに適合させたコントローラ部にスポットタイプのヘッド部を接続した状態を示す回路図である。
【図4】複数のUVLEDを並列に接続した面発光タイプのヘッド部の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。
【図6】面発光タイプのヘッド部の一例を示す底面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のコントローラ部に、スポットタイプのヘッド部を接続した状態を示す回路図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のコントローラ部に、面発光タイプのヘッド部を接続した状態を示す回路図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る紫外線照射装置のコントローラ部に、スポットタイプのヘッド部を接続した状態を示す回路図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る紫外線照射装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るヘッド部の外観の一例を示す斜視図である。
【図12】図11のヘッド部をコントローラ部と接続した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る他のヘッド部をコントローラ部と接続した状態を示す斜視図である。
【図14】図11のヘッド部のヘッド本体部を示す分解斜視図である。
【図15】図14のヘッド本体部の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置のヘッド部の詳細を示す正面図及び断面図である。
【図17】本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置のヘッド部を上方から見た分解斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置のヘッド部を下方から見た分解斜視図である。
【図19】図18のコネクタを各々連結した状態を示す斜視図である。
【図20】冷却ブロックの先端面にUVLEDを密着固定する様子を示す図である。
【図21】レンズホルダとその内部構造例を示す分解図である。
【図22】冷却ブロックとレンズホルダとの固定方法の例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態5に係る紫外線照射装置のヘッド部を、紫外線照射部分が見える方向から見た示す斜視図である。
【図24】図23のヘッド部を反対側から見た斜視図である。
【図25】図23のヘッド部のサイドビューレンズ装着部を示す分解斜視図である。
【図26】図25のサイドビューレンズ装着部を、レンズ部を除いて縦方向に切断した状態を示す分解斜視図である。
【図27】図26からUVLEDおよびヘッド基板部を除き、レンズホルダを付加した状態を示す分解斜視図である。
【図28】図27のレンズホルダを示す断面図である。
【図29】本発明の実施の形態6に係る紫外線照射装置のヘッド本体部を示す斜視図である。
【図30】図29のヘッド本体部の上ケース部材を除去した状態を示す分解図である。
【図31】図29のヘッド本体部を分解した状態を示す分解斜視図である。
【図32】図31のUVLEDとヘッド基板部を示す分解斜視図である。
【図33】図31のUVLEDとヘッド基板部を接合した状態を示す斜視図である。
【図34】本発明の実施の形態8に係る紫外線照射装置のコントローラ部の前面パネルに設けられた表示部及び設定部の配置例を示す正面図である。
【図35】本発明の実施の形態8に係る紫外線照射装置で紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。
【図36】紫外線の照射パターンがステップ状に変化する様子を示すグラフ図である。
【図37】図35の紫外線照射条件の設定方法を詳細に示すフローチャートである。
【図38】紫外線照射装置に使用される階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図39】照射モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図40】設定モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。
【図41】設定モードにおける設定編集メニューの詳細を示す状態遷移図である。
【図42】本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のコントローラ部の正面図である。
【図43】本発明の実施の形態10に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す正面図及び断面図である。
【図44】図43のヘッド部を示す分解斜視図である。
【図45】本発明の実施の形態11に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す平面図および側面断面図である。
【図46】図45のヘッド部を示す斜視図である。
【図47】ストレートタイプのヘッド部の支持方法の例を示す斜視図である。
【図48】面発光タイプのヘッド部を示す斜視図である。
【図49】本発明の実施の形態12に係る紫外線照射装置における紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。
【図50】本発明の実施の形態13に係る紫外線照射条件の設定方法において、関数状とした紫外線の照射パターンを示すグラフである。
【図51】本発明の実施の形態13に係る紫外線照射条件を設定する手順を示すフローチャートである。
【図52】本発明の実施の形態14に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。
【図53】本発明の実施の形態7に係る紫外線照射装置のコントローラ部及びヘッド部を示す回路図である。
【図54】図53のコントローラ部に接続可能な他のヘッド部を示す斜視図である。
【図55】図54に示すヘッド部を示す分解断面図である。
【符号の説明】
【0149】
100、300、700…紫外線照射装置
110、210、310、310B、710、810、910…コントローラ部
111、211、611…電源切替部;112、312、612…電源部
213…電圧検出部;114、214、314、714…制御部
114A、214A、614A…ヘッド判別部;116、316…記憶部
118、218…駆動回路;118A、218A…駆動素子
119、219…D/A変換部
120、220A、320、320B、420、520A〜D、620、920、1720…ヘッド部
120A…スポットタイプのヘッド部;120B…面発光タイプのヘッド部
120C…面発光タイプのヘッド部(並列接続);1201…ポール部材
1202、4202…ホルダ、1203…固定ネジ;121、321…識別部
122、1722、2322、322、422…ヘッド本体部
1221、1722A、2322A…上ケース部材
1222、1722B、2322B…下ケース部材
2322C…突出部;1223、3223…基端部材;1224…基板
1225、3225…ケーブル用コネクタ;1226…インジケータLED
1227、3227、6227…メモリ部;1228…調整回路
1229…固定ネジ、1230、3230…固定ネジ;323、323B…ヘッド制御部
1231…連結コネクタ;1232…貫通孔;124、324、424…冷却ブロック
1241…固定ネジ、1242…固定ネジ;1243…基端側突出部
1244…連結コネクタ;1245…保護プレート;3246…冷却ブロックコネクタ
325…ケーブル側接続部
126、1726、2326、326、426…レンズホルダ
1726A…内ホルダ;1726B…外ホルダ;1727…サイドビューレンズ装着部
1727A…右ケース部材;1727B…左ケース部材
1727C…レンズホルダ挿入部;2355…UVLEDホルダ;2356…電極
2357…スタッド;2358…ランド
1260、1760、3260…レンズ部;1261、1761…光学系レンズ
1261A…第1のレンズ、1261B…第2のレンズ
1262…スペーサ;1263…レンズ固定キャップ
130、330、330B、630…ケーブル部;131…ケーブル側インターフェース
140…設定部;142…表示部;144、844…操作パネル
144A、144B、144C、144D…<、>、∧、∨スイッチ
144E…エスケープスイッチ;144F…エンタースイッチ
145…チャンネル表示ランプ;146…紫外線照射ランプ
147…電源スイッチ;148…一括照射スイッチ;150、350…半導体素子
151、351、451、551、551A〜D、651、951、1751、2351…UVLED;1754、2354…ヘッド基板部;1754A…突出部
160、360…ヘッド接続部;170…個別照射ランプ
180、380、980…個別照射スイッチ
390、890、990…個別設定スイッチ;7101…外部接続機器
U…紫外線;H…固定対象;Tr…トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子を備える一以上のヘッド部と、
前記半導体素子に駆動電力を供給する電源部とを備えるコントローラ部と、
前記ヘッド部とコントローラ部とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部と、
を備えており、前記コントローラ部は、駆動電力の異なるヘッド部でも接続可能とするよう、前記電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給する電源切替部を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置であって、さらに、
前記コントローラ部に接続されたヘッド部の種別を自動的に判別し、判別結果に基づいてヘッド部毎に適切な駆動電力を供給するよう前記電源切替部による駆動電力の切り替えを行うためのヘッド判別部を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の紫外線照射装置であって、
前記ケーブル部はヘッド部に固定されており、ケーブル部とコントローラ部とを接続するケーブル側インターフェースをヘッド部の種別に応じて変更し、このインターフェースに応じて前記ヘッド判別部がヘッド部の種別を判定するよう構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記電源部が、接続されるヘッド部の種別に応じて異なる駆動電力を供給できるよう複数の電源出力を備えており、前記ヘッド判別部の判別結果に基づいて電源切替部が適切な電源出力に切り替えるよう構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド部が、ヘッド部の種別に関するヘッド種別情報を記録可能なメモリ部を備えており、前記ヘッド判別部は、接続されたヘッド部のメモリ部に記録されたヘッド種別情報に基づき該ヘッド部の種別を判別し、該種別に応じた駆動電力を供給するよう電源切替部を制御してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項5に記載の紫外線照射装置であって、
前記ヘッド種別情報が、ヘッド部で使用される半導体素子の仕様に関する情報を含んでおり、
前記電源部が、前記コントローラ部に接続されるヘッド部の種別の内、最大の駆動電力を要求するヘッド部に応じて電源出力を設定し、
かつ前記コントローラ部が、これに接続されたヘッド部のメモリ部からヘッド種別情報を読み込むと共に、
前記電源切替部が、ヘッド種別情報に含まれる半導体素子の仕様に応じて該当するヘッド部に供給する駆動電力の上限値を設定することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記コントローラ部は、前記半導体素子を駆動するための駆動回路を備えており、前記ヘッド判別部は、前記駆動回路の一部に通電される電流もしくは印加される電圧を測定した結果に基づいて前記電源切替部による駆動電力の切り替え制御を行うことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記メモリ部が、前記半導体素子の特性を記憶する機能を兼用していることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記駆動電力の異なるヘッド部は、使用する半導体素子の個数又は/及び接続形態が異なることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記コントローラ部が、前記ケーブル部を接続するための一以上のヘッド接続部を備えており、各ヘッド接続部に駆動電力の異なるヘッド部であっても接続可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、
前記コントローラ部が、複数のヘッド接続部に各々接続されたヘッド部に対して紫外線照射条件を個別に設定可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記半導体素子が紫外線発光ダイオードであることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項13】
紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子と、前記半導体素子を駆動する駆動電力に関するヘッド種別情報を記録可能なメモリ部と、前記半導体素子の紫外線照射部分に近接して配置され半導体素子からの紫外光を偏光又は集光して外部に照射するためのレンズ部とを備える一以上のヘッド部と、
前記ヘッド部とコントローラ部とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部であって、前記ヘッド部に一端に固定され、他端にコントローラ部と接続するためのケーブル側インターフェースを設けたケーブル部と、
前記ケーブル側インターフェースを接続するための一以上のヘッド接続部と、前記ヘッド接続部に接続されたケーブル部を介して前記半導体素子に駆動電力を供給するための電源部と、前記電源部で前記半導体素子を駆動するための駆動回路と、各々の半導体素子毎に個別の紫外線照射条件を設定可能な制御部と、駆動電力の異なる複数種類のヘッド部のいずれでも接続可能とするよう前記電源部が異なる種類のヘッド部にそれぞれ対応した駆動電力を供給するための電源切替部と、
を有するコントローラ部と、
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図40】
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【図41】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2006−51790(P2006−51790A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310237(P2004−310237)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】