説明

細胞コロニーのレーザーを介在したセクション化及び移行

細胞コロニーをセクション化する方法と装置が本明細書に開示されている。細胞コロニーを精製する方法も開示されている。細胞コロニーをセクション化する方法は、既知の厚さの培養皿に細胞コロニーを提供するステップと、自動焦点技術を用いて培養皿の底部を位置決めするステップと、レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップとを具える。この方法を実行するための装置も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年1月12日付にて出願の米国暫定出願第61/144,101号「細胞コロニーのレーザーを介在したセクション化及び移行」の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞技術、特に幹細胞に関心が高まっている。幹細胞については、その関心は、生物学的過程に新しい解釈をもたらし、さまざまな疾患に対する新しく改良された治療をもたらす幹細胞の可能性に起因する。
【0003】
幹細胞は、体内で多くの異なる細胞型に成長する可能性がある。体の修復システムの一種として、ヒト又は動物が生きている限り、幹細胞は理論的には他の細胞を補充するために制限なく分裂できる。幹細胞が分裂するとき、各々の新しい細胞は依然として幹細胞のままであるか、筋肉細胞、血液細胞、又は脳細胞などの更に特殊化した機能を有する別の細胞型になる可能性がある。従って、幹細胞やその他の細胞技術の開発に高い関心があり、改良された培養技術への要求が高まっている。
【0004】
多くの幹細胞を含むある種の細胞培養物は成長してコロニーになる。成長を高めるために、これらの細胞の培養は、しばしば細胞をセクション化(すなわち、ばらばらに、分割、細分化する)してコロニーを均一又は半均一の細胞サブコロニーにする必要がある。セクション化する公知の方法は、大抵、ストレートエッジを用いてコロニーを手動で薄く切る又は化学物質を加えることを伴う。これらの方法は、コロニー中の相当数の細胞にダメージを与え、高速スループットアプリケーションンとしては十分な速さではない。細胞コロニーと全培養物をセクション化する技術のスピードと効果を改善する方法と装置をここで議論する。
【発明の概要】
【0005】
ここに記載したシステム、方法、及び装置は各々いくつかの態様を有し、その一つだけでは望ましい特性を生じない。特許請求の範囲で明示する本発明の範囲を限定することなく、ここで更に顕著な特徴を簡潔に説明する。この説明を考察して、又特に「発明の詳細な説明」欄を読んだ後に本技術の特徴がいかに有利であるかが理解されるであろう。
【0006】
一態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;画像の中で表現型を識別できる(例えば、画像を用いて表現型を示す細胞を識別することができる)そのコロニーに望ましい表現型に基づいてセクション化する特定のコロニーを選択するステップと;画像の中の特定のコロニーの縁の少なくとも一部分を識別するステップと;残りの細胞コロニーから特定のコロニーを分離すべく特定のコロニーの識別された縁に電磁放射を適用するステップと;電磁放射を用いて特定のコロニーを1又はそれ以上のサブコロニー断片にセクション化するステップと;を具える。この開示した文脈において、用語「コロニー」は、密接に関連する細胞のグループを意味することを目的としており、「サブコロニー」は、セクション化された大きいコロニー由来の細胞に密接に関連する小さいグループを意味する。従って大きなコロニーは、細胞に密接に関連した細胞の複合的サブコロニー又は断片にセクション化又は分割される。
【0007】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;画像の中で識別できる(例えば、画像を用いて表現型を示す細胞を識別することができる)望ましい表現型を示す特定のコロニーを選択するステップと;電磁切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上のサブコロニー断片にセクション化するステップと;を具える。
【0008】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば表面上に細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;電磁放射切断線パターンを用いて画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップと;及び細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化すべくセグメント化された電磁放射切断線パターンに従って細胞コロニーに電磁放射を適用するステップと;を具える。
【0009】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば培養物表面に生細胞を提供するステップと;底部の厚さを認識せずに自動焦点技術を用いて実際の培養物表面の最適な焦点位置を位置決めするステップと;切断に最適な焦点位置に培養物表面を配置するステップと;及びレーザー切断線パターンを用いて全培養物の一部又は全部を1又はそれ以上の断片にセクション化するステップ;を具える。
【0010】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;画像の中で表現型が識別できる(例えば、画像を用いて表現型を示す細胞を識別することができる)コロニーにとって望ましい表現型に基づいてセクション化すべく特定のコロニーを選択するステップと;画像の中の特定のコロニーの縁の少なくとも一部を識別するステップと;残りの細胞コロニーから特定のコロニーを分離すべく識別された特定のコロニーの縁に電磁放射を適用するステップと;それから特定コロニーを隔離することで識別されないすべての細胞を除去すべく残りの培養物に電磁放射を適用するステップと;を具える。
【0011】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば、底部の厚さが既知である培養皿に細胞コロニーを提供するステップと;自動焦点技術を用いてレーザー切断に最適な焦点位置に培養皿を配置して培養皿の底部表面の下面を識別し、既知の底部の厚さに基づいて適切なz−オフセットを適用するステップと;及び最適な焦点面に合焦したレーザー切断線パターン用いて細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0012】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法が、例えば、培養物表面にコロニーを提供するステップと;底部の厚さを認識せずに自動焦点技術を用いて培養物表面の最適な焦点位置を配置するステップと;切断に最適な焦点位置で培養物表面を位置決めするステップと;及びレーザー切断線パターンを用いて全培養物の一部又は全部を1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0013】
いくつかの実施例では、この方法は、例えば透過光を用いて細胞コロニーを画像化するステップを具える。いくつかの実施例では、透過光は例えば明視野(BF)でもよい。いくつかの実施例では、透過光は例えば位相コントラストでもよい。いくつかの実施例では、透過光は例えば暗視野でもよい。いくつかの実施例では、透過光は例えば微分干渉コントラストでもよい。いくつかの実施例では、細胞コロニーを画像化するステップが例えば蛍光発光を用いて画像化するステップなどを具えることができる。いくつかの実施例では、コロニーのセクション化は、例えばレーザー切断線パターンを規定するステップを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップが例えば光熱メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムが、例えばレーザー波長を吸収し温度の上昇をもたらすように作られた染料を添加するステップを具える。いくつかの実施例では、光熱メカニズムは、細胞を定位置で光凝固するよう構成されることがある。いくつかの実施例では、細胞をレーザーの焦点で死滅させることができる。いくつかの実施例ではレーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上にセクション化するステップが、例えばフォトメカニカルメカニズムを具える。いくつかの実施例では、フォトメカニカルメカニズムが、レーザーの焦点で細胞の物理的破壊を伴うことがある。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いた細胞コロニーを1又はそれ以上にセクション化するステップが、例えば光化学メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光化学メカニズムが、UVレーザーを用いてレーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発する場合がある。いくつかの実施例では、フォトメカニカル、光熱、及び/又は光化学メカニズムは、試薬を添加してレーザーを介在させた培養物の1又はそれ以上の断片へセクション化を促進するステップを具えてもよい。レーザーは、連続波レーザー、又は一連の高エネルギーパルスを供給するパルス状のレーザーでもよい。
【0014】
いくつかの実施例では、例えば1、6、12、24、48、96、又は384ウェルプレートなどマルチ−ウェル装置に細胞コロニーを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、この方法は更に、例えばセクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップを具える。いくつかの実施例では、セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、例えば第1の培養容器の液体内の懸濁液に1又はそれ以上の断片を除去するステップを具える。いくつかの実施例では、セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、例えば第1の培養容器の流体内の懸濁液に1又はそれ以上の断片を除去する前に酵素などの化学物質を添加するステップを具えてもよい。いくつかの実施例では、この方法は更に、例えば1又はそれ以上の断片を第2の培養容器に移すステップを具える。例えば、いくつかの態様では、第2の培養容器は、1、6、12、24、48、96、又は384ウェルプレートなどのマルチ−ウェル装置でもよい。いくつかの実施例では、セクション化された一つ又はそれ以上の断片を取り除くのは、例えば液体ピペット操作技術でよい。いくつかの実施例では、液体ピペット操作技術は電動式でもよい。いくつかの実施例では、この方法は更に例えば残りのフィーダー細胞層を洗い流すステップを具える。
【0016】
いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えば生体の胚性幹細胞(ES)又は人工多能性幹細胞(iPS)を含む。いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えばES細胞を含んでいてもよい。いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えばiPS細胞を含んでいてもよい。いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えば腫瘍スフェロイド、胚様体、神経球、胚性生殖細胞、胚性癌腫細胞、乳癌幹細胞、癌幹細胞、又はコロニー内の細胞の一群を形成する任意の細胞型のような非ES/iPS細胞を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、電磁切断パターンは、例えばグリッドパターンを含むことができる。いくつかの実施例では、この電磁切断線パターンは、細胞コロニーの境界に限定されることがある。いくつかの実施例では、この方法は更に、例えばコロニーをセクション化する前に画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップを具える。
【0018】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば、培養物表面に生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;表現型が画像に示されているそのコロニーに望ましい表現型に基づいてセクション化するためのコロニーを選択するステップと;画像の中のコロニーの縁の少なくとも一部を識別するステップと;残りの培養物からコロニーを分離すべく識別されたコロニーの縁に電磁放射を適用するステップと;及び電磁放射を用いて1つ又はそれ以上の断片にコロニーをセクション化するステップと;を具える。
【0019】
いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えばレーザー切断線パターンを規定するステップを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば1パルスにつき約1から約50μJの範囲のレーザーエネルギーを用いて放射される一連のレーザーパルスを使用するステップを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば半径が約1から20μmの範囲のレーザースポットを用いて放射された一連のレーザーパルスを使用するステップを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば1乃至5回のレーザーパルスを使用して放射された一連の532nmのレーザーパルスを使用するステップを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップが、例えば1乃至5回のレーザーを繰り返し用いて放射した一連の約532nmのレーザーパルスを使用するステップを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えばパルス間隔が約5乃至約50μmのレーザー切断線パターンを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば約5乃至約100μmのグリッド間隔のレーザーグリッドのパターンを具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば約20乃至2000μmに位置するスクエアパターンのレーザー切断線を具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えばセクションに関して無酵素で取り除くために約20から約300μm離れて位置するスクエアパターンのレーザー切断線を具える。いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えば、幹細胞から成熟分化細胞型への分化に使用する約250から約2000μm離れて配置されたスクエアパターンのレーザー切断線を具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線を用いたコロニーの1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えば光熱のメカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光熱のメカニズムは、例えばレーザーエネルギーの吸収が増加するよう作られた染料を添加するステップを具える。いくつかの実施例では、この光熱のメカニズムは、細胞が定位置で光凝固するよう構成されている。いくつかの実施例では、細胞がレーザーの焦点位置で死滅する。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップが、例えばフォトメカニカルを具える。いくつかの実施例で、このフォトメカニカルメカニズムは、レーザーの焦点位置で細胞の物理的破壊を伴う。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えば光化学メカニズムを具える。いくつかの実施例では、光化学メカニズムがUVレーザーを用いており、レーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発する。
【0020】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば、表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;画像の中で識別できる表現型の、望ましい表現型を示す特定のコロニーを選択するステップと;及び電磁切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0021】
いくつかの実施例では、コロニーをセクション化するステップは、例えばレーザー切断線パターンを規定するステップを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1つ又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えば、光熱メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムは、例えば、レーザーエネルギーの吸収を増加させるように作られた染料を添加するステップを具える。いくつかの実施例では、光熱メカニズムは、定位置で細胞を光凝固するよう構成されている。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いたコロニーの1又はそれ以上の断片へのセクション化は、例えば、フォトメカニカルメカニズムを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップが、例えば、光化学メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光化学メカニズムが、レーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発するのにUVレーザーを用いている。
【0022】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば、表面上に細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;電磁放射切断線用パターンを用いて画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップと;及びセグメント化された電磁放射切断線パターンに従って細胞コロニーに電磁法放射を適用して細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0023】
いくつかの実施例では、細胞コロニーをセクション化するステップが、例えばレーザー切断線パターンを規定するステップを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップが、例えば光熱メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムは、例えばレーザーエネルギーの吸収を増加させるよう作られた染料を添加するステップを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムは、定位置で細胞を光凝固するよう構成されている。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いたコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えばフォトメカニカルメカニズムを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いたコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えば光化学メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光化学メカニズムは、UVレーザーを用いてレーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発するようにしている。
【0024】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば、既知の厚さの培養皿に細胞コロニーを提供するステップと;自動焦点技術を用いてレーザー切断に最適な位置に培養皿を配置するステップと;及びレーザー切断線パターンを用いて1又はそれ以上の断片に細胞コロニーをセクション化するステップと;を具える。
【0025】
いくつかの実施例では、細胞コロニーをセクション化するステップが、例えばレーザー切断線パターンを規定するステップを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップが、例えば光熱メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムは、例えばレーザーエネルギーの吸収を増加させるよう作られた染料を添加するステップを具える。いくつかの実施例では、この光熱メカニズムは、定位置で細胞を光凝固するよう構成されている。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えばフォトメカニカルメカニズムを具える。いくつかの実施例では、レーザー切断線パターンを用いてコロニーを1又はそれ以上の断片へセクション化するステップは、例えば光化学メカニズムを具える。いくつかの実施例では、この光化学メカニズムは、UVレーザーを用いてレーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発する。
【0026】
いくつかの実施例では、この方法は更に、例えばセクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップを具える。いくつかの実施例では、セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、例えば第1の培養容器の液体内の懸濁液に1又はそれ以上の断片を除去するステップを具える。いくつかの実施例では、セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、例えば第1の培養容器の流体内の懸濁液に1又はそれ以上の断片を除去する前に酵素などの化学物質の添加するステップを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、この方法は更に、例えば1又はそれ以上の断片を第2の培養容器に移動させるステップを具える。いくつかの実施例では、セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップ、例えば液体ピペット操作技術を具える。いくつかの実施例では、この方法は更に、例えば残りのフィーダー細胞層を洗い流すステップを具える。いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えば生体の胚性幹細胞又は人工多能性幹細胞を具える。いくつかの実施例では、細胞コロニーは、例えば非ES/iPS細胞、腫瘍スフェロイド、胚様体、神経球、胚様体、胚性生殖細胞、胚性癌腫細胞、乳癌幹細胞、癌幹細胞などの胚様体、又は局所領域内の細胞のような一群を形成する任意の細胞型を具えてもよい。いくつかの実施例では、電磁切断パターンは例えばグリッドパターンを具えていてもよい。いくつかの実施例では、電磁切断線パターンは細胞コロニーの境界に限定されることがある。いくつかの実施例では、この方法は更に、例えばコロニーをセクション化する前に画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップを具える。
【0028】
別の態様では、細胞コロニーを精製する方法が、例えば培養表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;選択的に残りの培養物から細胞コロニーを分離するために、コロニーの縁に電磁放射を適用するステップと;細胞コロニーから分離された残りの培養物の少なくとも一部に電磁放射を適用してこの分離された細胞コロニーを精製するステップと;を具える。いくつかの任意の態様では、この残りの培養物から最初に細胞コロニーを分離せずに、細胞コロニーから培養物の少なくともいくつか又は残り全部を分離することができる。いくつかの態様では、分離された残りの培養物の約50%−99.9%、又はその間の任意の%又は範囲に電磁放射を適用することができる。いくつかの態様では、細胞コロニーから分離された残りの培養物のすべてに電磁放射を適用することができる。いくつかの実施例では、電磁放射を例えばあるパターンで適用することができる。いくつかの実施例では、そのパターンは例えばグリッドパターンである。
【0029】
別の態様では、細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば培養表面上に生細胞コロニーを提供するステップと;電磁切断線パターンを選択するステップと;及び電磁切断線を細胞培養物表面に適用して電磁放射を用いて生細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。いくつかの態様では、細胞コロニーは例えば幹細胞などの細胞の単子層の一部にすることができる。
【0030】
上記は発明の概要であるので、必然的に詳細を簡素化、総括、及び省略したものを含み、従って当業者は発明の概要が説明に過ぎず、いかなる限定も意図するものではないことを理解するであろう。本明細書に記載した方法、組成物及び/又は装置及び/又は他の主題のその他の態様、特徴、有利な点はここに記載し教示において明確になるであろう。発明の概要は下記の発明の詳細な説明に更に記載している概念の選択を簡単に紹介したものである。この概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の主題の範囲を決定する助けとして使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
上述の記載及び本発明のその他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲、添付の図面からより完全に明確となる。図面はこの開示に従っていくつかの実施例を示しているすぎず、従って発明の範囲を限定するものではない。本開示を添付の図面を用いて更に具体的かつ詳細に説明する。
【0032】
【図1】図1は、周囲の支持細胞又は細胞外マトリクスと区別できる明確な組織対比を示す生体iPS細胞コロニーを示す。
【図2】図2は、細胞コロニーをセクション化する前の画像分析により識別されたiPS細胞コロニーの縁の画像を示す。
【図3】図3は、一連のレーザーパルスをコロニーの縁周辺にあって残りの培養物からコロニーを分離したiPS細胞コロニーを示す。
【図4】図4は、レーザー切断線のグリッドパターンを用いて比較的均一なサブコロニー断片にセクション化された分離iPS細胞コロニーを示す。
【図5】図5は、サブコロニー断片を取り除いた後でも無傷の支持細胞領域を示す。
【図6】図6は、本発明で開示した方法を用いて得られたiPS細胞サブコロニーを示しており、これは通常に手動で又は酵素的に継代されたES/iPS細胞コロニーよりも均一である。
【図7】図7は、コロニーの縁を考慮せずに、選択されたコロニーの上に配置されたレーザー切断線を示す。
【図8】図8は、コロニーの縁を考慮せずにセクション化された培養物から流体圧力分散後に残ったわずかなサブコロニー断片を示す。
【図9】図9は、細胞コロニーを明確に識別することなく又いずれのコロニーの縁も考慮せずに、レーザー切断線を用いてセクション化したiPS細胞培養物の全体を示す。
【図10】図10は、図9に示すiPS細胞をセクション化するのに用いたウェル全体に配置したレーザー切断線パターンを示す。レーザー切断線1010は、200μmのセクションを切断するように配置されている。iPS及びES細胞のサブコロニーの標準的なセクションのサイズは、20−400μmに及ぶ。点1020は、オートフォーカスとレーザーフォーカスが行われるウェル内の位置を示している。
【図11】図11は、iPS細胞培養物に配置したレーザー切断線パターンを示す。図の(a)部分は、レーザースポットレーザー切断線1110に沿った一レーザーパルスを示しており、これは範囲のレーザーエネルギーが1パルスにつき1−50μJであり、レーザースポットの半径が1−20μmであり、1−5回のレーザーパルス及び/又は反復レーザーパルスを用いて発射したものである。図の(b)部分は、レーザー切断線1110に沿ったレーザーパルス間の距離であり、通常16μmであるが、5−50μmに及ぶ場合もある。図の(c)部分は、2本のレーザー切断線1110間の距離であり、20−2000μmに及ぶ場合もある。レーザー切断線1110間の距離を変化させることにより、さまざまなサイズと形に培養物をセクション化することができる。酵素を使用せずにサブコロニーを除去する最適なセクションのサイズは、20−300μmである。幹細胞の成熟特殊化細胞への分化で使用する最適なセクションのサイズは、250−2000μmである。図の(d)部分は、培養体中のセクショニング線の実際の幅であり、細胞断片のエッジをなくすレーザー作用により図示されたレーザー切断線よりも幅広である。
【図12】図12は、標準的な酵素法(コラゲナーゼ及びトリプシン)と比較して、最近の技術によるコロニーの均一なセクション化に由来するサブコロニー断片のより均一なサイズを示す。
【図13】図13は、切断された正方形断片のサイズと培養1日後及び3日後の転移したサブコロニーのサイズとの関係を示す。
【図14−1】図14A−Bは、コラゲナーゼ処理によりセクション化された胚葉体と比較して、最近の技術によりセクション化したコロニーから形成されたより均一的なサイズの胚葉体であることを示す。
【図14−2】14Cは、コラゲナーゼ処理によりセクション化された胚葉体と比較して、最近の技術によりセクション化したコロニーから形成されたより均一的なサイズ胚葉体であることを示す。
【図15】図15A、15B、及び15Cは、特別に細胞コロニーを識別することなく、又いかなるコロニーの縁も考慮せずに適用したレーザー切断線1510を用いて、特定のサイズの正方形断片(好ましくは250、1000、及び1600μm四方)にセクションしたコンフルエントiPS細胞培養物全体を示す。
【図16】図16A、16B、及び16Cは、それぞれ図15A、15B、及び15Cに示す3つのサイズにセクション化した全培養物から形成された、特定サイズの胚葉体を示す。
【図17】図17Aは、図17BにおいてiPS細胞培養物のセクション化に用いたウェル全体にわたって配置されたレーザー切断線パターンを示す。レーザー切断線1710は、1000μmの断片を切断よう配置されている。iPS細胞とES細胞からEBsを生成するのに用いられる標準的なセクションのサイズは、250−2000μmに及ぶ。レーザー切断線1710に沿うパルス間隔は、標準的には16μmであるが、5−50μmに及ぶ場合がある。点1720は、オートフォーカスとレーザーフォーカスが行われるウェル内の位置を示す。領域1730は、通常25μmのグリッド間隔で除去された断片サイズが所望のサイズ(1000μm)より小さい培養物の領域を規定しているが、5−100μmのレーザーグリッドの範囲で行われる場合もある。この画像は、より小さいセクションを取り除いた後の1000μm四方にセクション化された培養物を示す。
【図18】図18は、可変のコラゲネーゼのセクションと比較して、本方法により培養物をセクション化するのに用いた2次元正方形セクションサイズを変化させて連結的に形成した様々な3次元の胚葉体を示す。
【図19】図19は、図15A、15B、及び15Cに示す全培養物をセクション化した24日後の結果として生じた内胚葉細胞へのiPS細胞の分化能(内胚葉特異的遺伝子である、Sox17、FoxA2、Pdxl、Afp、アルブミンのRT−PCR発現を測定した)を示す。
【図20】図20は、図15A、15B、及び15Cに示す全培養物をセクション化した22日後の結果として生じた心筋細胞へのiPS細胞の分化能(心筋細胞特異的遺伝子である、Nkx2.5、Actn1、Myh6、TnnI3、NPPAのRT−PCR発現を測定した)を示す。
【図21】図21は、図15A、15B、及び15Cに示す全培養物をセクション化した32日後の結果として生じたニューロンへのiPS細胞の分化能(ニューロン特異的遺伝子である、Pax6、Tubulin3、Map2のRT−PCR発現を測定した)を示す。
【図22】図22は、核マーカー(緑色蛍光タンパク質で標識したH2B)の可変発現を伴うヒトES細胞培養物の明視野像(左)と蛍光画像(右)示す。画像分析を行って、緑色蛍光タンパク質が最も高く発現をしたES細胞コロニーを識別し、このコロニーの縁をセグメント化した。この画像は、細胞コロニーを精製する前に画像分析により識別したコロニーの縁を有するES細胞コロニーを示す。
【図23】図23は、一連のレーザーパルスがが、始めにコロニーの縁周辺に送達され(コロニーを残りの培養物から分離する)、レーザーパルスのグリッドパターンにより、残りの培養物に送られる(ESコロニーのみが残る)図22の精製されたES細胞コロニーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の実施の形態、図面、及び特許請求の範囲に記載の例示的な実施例は限定を意味するものではない。本明細書での教示は、例えば特許請求の範囲により規定及びカバーされるものを含み、多くのさまざまの方法に適用される。本明細書の態様は多様な形で具体化でき、ここに記載されている特定の構造、機能、又はその両方は単なる代表にすぎない。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本明細書に開示された態様が他の態様とは独立して実施でき、2又はそれ以上のこれらの態様をさまざまな方法で組み合わせられることを理解するであろう。例えば、本明細書に開示した妥当な数の態様又は態様の組み合わせを用いて当業者はシステム、組成物、又は装置を実施し、又は方法を実行することができる。更に、本明細書に記載の1又はそれ以上の態様に加えて、あるいはそれ以上のその他の構造、機能、又は構造と機能を用いて、システム、構成、又は装置などを実施する、又はこのような方法などを実行することができる。ここに記載した主題の精神又は範囲から逸脱することなく、その他の実施例を利用し、その他の変更をすることができる。一般に本明細書に記載され図面に図示されるような本開示の態様は、さまざまな形態で変更、置換、組み合わせ、及び設計することができ、この開示の一部を成していることは明確に意図されこれらはすべて容易に理解される。その他の開示内容及び特許請求の範囲に含まれるように、ここに開示した実施態様は下記の実施例に限定するものではない。
【0034】
幹細胞生物学、特に胚性幹(ES)と人工多能性幹(iPS)細胞生物学、発見生物学、創薬、及び細胞療法における応用についての発見と財政支援が近年劇的に増加していることが、ES/iPS細胞などの幹細胞を現在可能であるより大きな規模で扱うことにかなりのプレッシャーを与えている。これらの細胞は、細胞のフィーダー層及び/又は複合細胞外マトリックス被覆表面の凝集体として成長する。この凝集体(又は細胞コロニー)があるサイズ又は密度になると、幹細胞は分化を始め、従って例えばES/iPS細胞など幹細胞としては有用ではなくなる。
【0035】
ES/iPS細胞として増殖し続けさせるために細胞コロニー中のES/iPS細胞などの幹細胞を分化させずに増殖させるため、細胞コロニー(まだ分化点に成長していないもの)をより小さいサブコロニーにセクション化する様々な方法が開発されてきた。これらの方法のいくつかは、ピペットを用いてピペット中の液体を上下動させ、細胞コロニーを強制的に粉砕する。この方法のいくつかは、実際に手で操作することできるかなり大きなウェルを備える培養皿(例えば1、6、12のウェルプレート)内で針又は類似の道具で各コロニーの周りに境界線を引く手動の物理的方法を用いるものがある。分配用の針を用いて境界線をひいたコロニーを小さいサブコロニー断片にして、幹細胞の個体群を増殖させる新しい培養容器へ入れる。他のあまり頻度は高くはない方法では酵素処理(例えば、トリプシン、コラゲナーゼなど)を用いて、増殖用の新しい培養容器へ次の伝達(「継代」)用に細胞を分離する。細胞コロニーを粉砕又はセクション化する上記の方法は、通常(1)かなりの時間、(2)手動労力、(3)限定された増殖性、及び(4)丈夫で、所定の、スループットが高いES/iPS細胞培養物の管理方法の開発を困難にする結果物であるコロニーの幅広い分布に悩ませられている。また、これらの手動コロニー操作への適合性が欠如しているため、高スループット生物学に通常使用される、96Wや384Wのような高密度のマルチ−ウェルプレートを使用することは現在では困難である。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書に記載された技術は、さらなる生存能力と増殖を伴い、より均一のサイズのコロニーを作る継代ES/iPS細胞を増殖させる改良され、自動化され、高スループットで、拡張可能な方法を提供する。更に、この記載によると表面マーカー、形態、及び分子的に発現したセンサ又はレポーターなどの表現型マーカーの発現に基づいて個々のコロニーを選択することができる。この方法は、高スループット生物学のアプリケーションに通常使用されている、さまざまなマルチ−ウェルプレートを使用することができる。
【0037】
細胞サブコロニーを常により均一なサイズにする能力によって、多様性を維持する化合物又は薬剤をスクリーニングする、より健全なES/iPS細胞培養物を生成することが可能であり、続いて生じる分化の効率を改善し、分化の状態の維持する。より数が多い小さいコロニーをマルチ−ウェルプレートに配置してより大きなカバレージの培養物表面を提供することができる。成長すると、追加のカバレイージを得ることができる。このカバレージはスクリーニングを適用を適用できる重要な態様である。ときどき残りのコロニーが分化してES/iPS細胞として使用できなくなる前に、ES/iPS細胞が細胞コロニーの1又はそれ以上の縁上で分化を始める。従って、本発明の実施例は、分化した細胞から使用可能なES/iPSを分離する方法も開示した。
【0038】
いつかの態様では、本明細書に記載した技術は更に、特に望ましい成熟細胞型への分化の可能性と効率がより高い特定のサイズの均一な胚葉体を導く胚葉体を直接生成するコンフルエントES/iPS細胞培養物をセクション化する驚くべきかつ予想外の改良され、自動化され、高スループットであり、拡張可能な方法を提供する。特定のサイズの均一な胚葉体を絶えず生成する能力によって、特殊な機能を有する分化した細胞をより健全に生成することができる。より多くの好ましいサイズの均一な胚葉体を撹拌し懸濁液バイオリアクターに配置して、成熟細胞型の大規模生産を提供できる。このような生産能力は、臨床応用の細胞の生成の重要な側面である。
【0039】
本開示を通して、ES/iPS細胞は継続的な成長、精製、又は分化を行うために分離を必要とするコロニーを形成する細胞の例として用いられている。本開示を考慮して当業者は、本明細書に記載された方法を、例えばコロニーを形成する細胞の型及び/又はセクション化若しく二次培養からの利益を享受する細胞型に適用できることは当業者にとっては自明である。
【0040】
いくつかの実施例では、本開示の方法(及び本開示の方法を行うデバイス)は、例えばレーザーからの電磁放射を用いて生細胞コロニーをセクション化するステップを具える。例えば、細胞コロニーをセクション化する1の方法は、既知の厚さの培養物表面に細胞コロニーを提供するステップと;自動焦点技術を用いて培養皿の底部の位置を位置決めするステップと;培養皿の底部からレーザーセクション化の最適な位置への焦点位置のオフセッットを規定するステップと;及びレーザー切断線パターンを用いて全培養物の一部又は全部を1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0041】
いくつかの実施例では、細胞コロニーをセクション化する別の方法が、例えば、表面に細胞コロニーを提供するステップと;培養物中の細胞コロニーを画像化するステップと;セクション化用の特定の表現型の1又はそれ以上のコロニーを選択するステップと;及びレーザー切断線パターンを用いて、選択された1(又は複数の)細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。別の細胞コロニーをセクション化する方法は、例えば表面に細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;特定の表現型の1又はそれ以上を切断様に選択するステップと;選択された1(又は複数)の縁を規定するステップと;細胞コロニー周辺に一連のレーザーパルスを提供して、残りの培養物から細胞コロニーを分離するステップと;レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1つ又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0042】
実施例のいくつかの非限定的な例を下記に記載する。いくつかの態様では、複雑性を提供する点及びレベルが変わる拡張性と選択性を可能とする点で各々が異なることがある。
【0043】
第1の非限定的な実施例は、生細胞コロニーを提供するステップと;細胞コロニーを画像化するステップと;セクション化を行う特定の表現型を有するコロニーを選択するステップと;コロニーの縁の少なくとも一部を識別するステップと;識別した細胞コロニーの縁に一連のレーザーパルスを提供して残りの培養物から細胞コロニーを分離するステップと;レーザー切断線パターンを用いて細胞コロニーを1つ又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具える。
【0044】
いくつかの実施例では、例えばES/iPS細胞などの生細胞の培養物は、透過光(例えば、明視野(BF)、位相コントラスト、暗視野、微分干渉コントラスト)及び/又は蛍光発光のいずれにおいても、画像化することができる。図1に示すように、生体iPS細胞コロニーは、フィーダー細胞又は細胞外マトリクスからの明確な組織対比又は蛍光強度を示すことがある。
【0045】
図2に示すように、画像を分離前にセグメント化して、表現型が選択された1又はそれ以上の細胞コロニーを識別することができる。「セグメント化」とは、画像内で物体を分離する画像分析過程を具えると当業者に理解されている用語である。
【0046】
図3に示すように、セグメント化工程からの座標を用いてコロニーのエッジを認識して、最適サイズ及びパワーの一連のレーザーパルスとコロニーの周りに位置させることができ、例えばLEAP(商標)セルプロセシングワークステーション(Cyntellect Inc.,SanDiego,California)をなどを含む任意の適切な器具を用いて残りの培養物からコロニーを分離する。
【0047】
図4に示すように、分離されたコロニーは、次いでレーザー切断線のグリッドを用いて多数の比較的均一な断片にセクション化されることがある。断片のサイズは、レーザー切断線間の距離を変更することにより制御することができる。断片の形は、水平対垂直レーザー切断線間の距離を個別に変更することによって制御することができる。断片の形は任意でよく、レーザー切断線パターンを規定することで制御することができる。
【0048】
次いで、酵素などのさらなる化学物質を添加して、あるいは添加することなく例えば適切な液体ピペット操作技術を含む適切な技術によりセクション化されたコロニーの断片をウェルから取り除いて断片の放出を容易にすることができる。いくつかの実施例では、追加の化学物質を必要としない。細胞サブコロニーをゆるめるレーザーの作用によって切断を行った後は、コロニーの断片の培養物底部の付着が弱まり、ピペット操作器具(手動又は電動)から流体圧力の使用が可能となって培養容器の液体内の懸濁液へ断片を除去する(図11)。サブコロニー断片を除去するのにレーザーを射出する必要はない。懸濁させる際に液体除去を介して次の培養体物の断片を受け取る準備ができている新しい培養容器へ断片を移す。サブコロニーの断片を取り除いた後は、培養物は多くの場合大部分がまだ無傷の非コロニー領域を有するが、以前にコロニーで占められていた領域は比較的きれいであるが、図5は、サブコロニー断片を除去し、コロニー領域が一掃された後のまだ無傷の非コロニー領域を示している。図6に示すように、断片と培養物から二次培養で成長して、この方法により生じたコロニーは、通常手動で又は酵素的に継代させたES/iPS細胞コロニーよりも均一である。フィーダー細胞は、通常増殖することができないので、フィーダー細胞の移動は、新しい培養物から洗浄されうる残屑にすぎない。
【0049】
コロニーをセクション化するレーザー介在メカニズムは、例えば光熱、フォトメカニカル、又は光化学などのを含むいずれか適したものでよい。好ましい実施例は、レーザー焦点において選択的な光熱的細胞致死を使用している。このアプローチは、通常レーザー波長を吸収する染料を添加して、細胞を所定の位置で細胞を効率的に光凝固させる。フォトメカニカルによる方法は、培養物への添加物を必要とせず、通常レーザーの焦点における細胞の物理的破壊を含む。いくつかの態様では、このアプローチは、かなり大きなレーザー出力を利用することができるので、培養物中に付随的な被害をもたらすことがある。フォトメカニカルによる方法は、UVレーザーを使用しており、レーザーの焦点面で選択的アポトーシスを誘発する。この方法は、細胞が死滅する前に、例えば2−3日といったより多くの時間を要し、効果的な分離を行うことができる。
【0050】
第2の実施例は、特にコロニーの縁に沿って切断することなく、選択されたコロニーの上にレーザー切断線が配置されることを除き、第1の実施例と同様である。図7は、コロニーの縁に関係なく、選択されたコロニーの上に配置されたレーザー切断線を示す。同様の効果につながるレーザー切断線の限界は識別されたコロニーの境界内に限定されており、レーザー切断(縁切断ではない)の量が減少するので、より高いスループットがある。図8に示すように、この方法は、流体圧力が分散した後、コロニー断片をいくつか残す可能性がある。この低い効率は、特定の高スループットの適用においては許容されうる。例えば、残ったES/iPS細胞などの細胞の量は、切断断片のサイズに関係するであろう。
【0051】
第3の実施例は、図9と図10に示すように、コロニーの画像をセグメント化することなく、培養物表面全体にレーザー切断線を配置することで更に簡素化している。したがって、いくつかの態様では、セクション化する前に表現型を、又は表現型を表示する細胞を識別する必要なくこの方法を実行することができる。このアプローチはまた、新しい培養物へ移すことができる任意のフィーダー層の断片を作り出すが、フィーダー細胞は増殖することができず、死滅して新しい培養物から洗い流されるので、複雑なものであってはならない。このアプローチは、特にスループットが高く、培養物上に焦点を合わせレーザー切断線を発射し、サブコロニー断片の流体懸濁液と、それらを新しい培養容器に移動する能力を必要とするのみである。接着した後、死滅細胞及びフィーダー細胞の断片は洗い流される。この第3の実施例は:(1)コロニーの特定の画像分析をする必要性を取り除いて、計算必要量を大幅に減少させる;(2)必要なステップがより少なく;及び(3)操作を行う装置をより簡単なものにする。
【0052】
第4の非限定的な実施例は、レーザー切断線単層細胞へ成長したコロニーの全表面に配置することを除き第3の実施例と同様である。幹細胞は、通常コンフルエンスまで成長しないが、このアプローチに単層の幹細胞を使用すると、細胞の相同的な断片を作り出す効果が最大限になるのに対し、非コンフルエンス培養物の使用は効率を下げ、より多くの細胞の異種断片ができる。このアプローチでは、細胞の均一な断片を作り出して図15と16に示すように、特定の機能を伴う分化し細胞を迅速な増殖させる及び/又は生産する目的で培養容器に移される。大きなサブコロニー断片は、断片の放出を促進するために酵素を添加することが必要である。
【0053】
第5の実施例は、培養物の画像化を必要としないことで、工程をより簡素化している。コロニーをセクション化する最適なレーザー出力、スポット、サイズ、及びZ軸の位置がわかれば、自動焦点技術を用いて培養皿の厚さについての知識と培養皿の底部の位置を見つける能力に基き、所定の最適位置で幹細胞培養物を自動的に設置することができる。この位置は同じ仕様の全ての皿で同じでなければならない。このアプローチは、カメラと画像工程と画像処理及び分析を必要としない点で、装置を大幅に簡素化することができる。パルス周波数がより高いレーザーと広視野光学部品を組み合わた効果的なリアルタイム自動フォーカスメカニズムは、均一なサイズの幹細胞コロニーの生産のスループットを最大にする。
【0054】
全ての実施例は、現在入手可能な技術よりも、より迅速なスループットとより均一な幹細胞コロニーを提供することができる。いくつか実施例は、コロニー又は細胞の形態、コロニー又は細胞のサイズ、コロニー又は細胞の形状、コロニー又は細胞の小型化、及び幹細胞結合型マーカーでラベルされたコロニー又は細胞の蛍光強度を含むコロニーの表現型に基づいた特定のコロニーの選択を提供する。特定のコロニーの選択(図2)は、目視検査や自動画像分析によって行うことができる。
【0055】
いくつかの態様では、レーザー切断線は、添加物を必要としないフォトメカニカルのアプローチ;適切なレーザー波長(例えば355nm)を用いてアポトーシスが誘発される光化学;又は培養物にレーザー光を吸収する染料を添加して細胞を光凝固するレーザースポットの位置で大幅に温度を上昇させる光熱法;を用いて作ることができる。フォトメカニカルのアプローチは、より望ましい細胞を排除する可能性のある、より広いレーザー切断線につながることがある。光熱法の利点は、より小さい切断面積ですませ、より多くの細胞を維持し、生産量を増加するレーザー出力の減少である。ES及びiPS細胞を染料の存在下で培養した場合、アルラレッドのような吸収性の染料を用いても悪影響は認められなかった。
【0056】
選択的にサブコロニー断片を除去し、撹拌するにに用いられる流体の圧力は、レーザーを使用したキャビテーション気泡又は温度勾配をつくることによって生じたせん断力に置き換えることができ、これによってピペット操作メカニズムの複雑さが少なくなり、手順を少なくして、次の培養容器にサンプルを簡単にすることができる。
【0057】
ここに開示する方法は、多くの予期しない驚くべき利点を含めて多くの利点を提供する。これらの利点のいくつかは、例えば培養の規模の拡大、新しく、ユニークな実験、データ速度、相互運用、又は低コストを含む。いくつかの実施例では、利点は、ES/iPS細胞のような幹細胞のセクション化の自動化を含む。いくつかの実施例では、利点には、例えばES/iPS細胞培養物を含む幹細胞のスケーラビリティの向上が含まれている。いくつかの実施例では、利点は、例えばES/iPS細胞コロニーを含むより均一な幹細胞コロニーの高スループット生産を含む。いくつかの実施例では、利点は、例えばES/iPS細胞などの幹細胞を維持するコストがより低いことを含む。いくつかの実施例では、利点は、人の手とトレーニングの必要を減少させることを含む。いくつかの実施例では、利点は、幹細胞を用いて現実的な高スループット生物学を可能にすることを含む。いくつかの実施例では、利点は、より効率的で制御された均一な分化を提供することを含む。上記のように、成長を継続する又は精製のための分離を必要とするコロニーを形成する細胞の一例としてES/iPS細胞が用いられる。ここに開示された方法は、いずれのタイプの細胞型に適用してもよく、ここに記載されている利点は、その他の幹細胞及び非幹細胞コロニーにも適用されることは、当業者によって理解されよう。コロニーは、非ES/iPS細胞、腫瘍スフェロイド、神経球、胚葉体、胚性生殖細胞、胚性癌腫細胞、乳癌幹細胞、及び癌幹細胞のようなコロニー内の一群の細胞を形成する。
【実施例1】
【0058】
[より均一なコロニーのサイズのiPS細胞培養物の生成]
この実験は、LEAPワークステーションを用いてヒトiPS細胞コロニーのレーザー介在セクション化について述べるものである。ヒトiPS細胞は、標準的な方法(すなわちコラゲナーゼIV(インビトロジェン)を用いた96ウェルプレート(コーニング社)での酵素的なセクション化)によりセクション化される。培養物は完全な幹細胞の培地の中で(Thomson J.Aら、「ヒトの胚盤胞由来の胚性幹細胞株」(1998)化学;282:1145−1147ページ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)37℃の細胞培養インキュベータで5日間インキュベートした。5日目に、培養物を一旦、PBS(インビトロジェン)で洗浄し、4mg/mlのアルラレッド(シグマ)を含む新鮮な幹細胞培地を組織培養ウェルに添加して、レーザー介在光熱処理を行った。培養物はLEAPで明視野撮像を用いて培養物を画像化し(図1)、LEAP幹細胞マネジャーソフトウェアを用いた形態及びセグメント化によりヒトiPS細胞コロニーを、同定した(図2)。次いで特定のサイズのコロニーをレーザー介在セクション化用に選択した。セクション化されるコロニーの個体群を選択すると、一連の532nmレーザーパルスを用いて約1kHz、LEAPにおいて1パルスあたり3.25μJのエネルギーと半径6μmのレーザースポットで各コロニーの縁を標的にした。1つのレーザーパルスを2回繰り返して使用して各コロニーの縁の周辺の一列になった一連のスポットを処理した(図3)。次に、1パルスあたり3.25μJのエネルギーで16μmパルス間隔の半径6μmのレーザースポットで、一連の532nmレーザー切断線を用いて各コロニーを160μ四方にセクション化した。更に、1つレーザーパルスを2回繰り返して用いてコロニーを断片にセクション化した(図4、6、9、11)。1パルスあたり1−50μJの範囲のレーザーエネルギー、半径の1−20μmのレーザースポットサイズ、5−50μmのパルス間隔を、1スポットにつき1−5回繰り返して用いて培養物を処理した。コロニーを20−400μmの範囲のサイズにセクション化して適切なサブコロニーのサイズを決定した(図13)。手動ピペット操作によりサブコロニーの断片を取り除いて、分離もセクション化もしていない細胞を残した(図5)。この方法を用いて増殖された細胞を5日間以上にわたり観察したところ、iPS細胞の形態的特徴を維持していた。この方法を用いて生成したコロニーは、標準的な酵素的iPS細胞培養方法よりも均一であった(図6)。レーザー又は酵素的方法(コラゲナーゼ、トリプシン)を用いてセクション化した培養物は、継代の1日後にヘキストで染色され、1コロニーあたりの細胞数を手動で数えたところ(図12LEAP)、酵素的方法と比較してレーザーでセクション化した培養物の均一性が向上したことが立証された。5日後にレーザー又はコラゲナーゼを用いてセクション化した培養物を胚葉体形成により試験管内で分化分析した。懸濁培養中で8日以上にわたって胚葉体を観察し、各胚葉体の直径を測定した。レーザーでセクション化したiPS細胞培養物から生成した胚葉体は、コラゲナーゼでセクション化された培養物よりもサイズが均一であった(図14)。
【0059】
この実施例は、現在用いられている方法で得た、より均一なサイズのiPS細胞コロニーの個体数を迅速に自動的に生成することを説明するものである。
【実施例2】
【0060】
[均一な特のサイズのiPS細胞断片を用いて特殊な機能を有する分化細胞の生成]
この実験では、LEAPワークステーションを用いて胚葉体(EBs)を生成する目的で、ヒトiPS細胞を特定サイズの断片にレーザーを介在させてセクション化すること説明する。標準的な方法(すなわち96−ウェルプレート(コーニング社)にコラゲナーゼIV(インビトロジェン)を用いる酵素的処理)でヒトiPS細胞を、高密度にセクション化した。完全な幹細胞の培地で37℃の細胞培養インキュベータ中で、ヒトiPS細胞コロニーのコンフルエント単層が観察されるまで、培養物をインキュベートした(5日間)。5日目に、培養物を一旦PBS(インビトロジェン)で洗浄し、4mg/mlのアルラレッド(シグマ)を含む新鮮な幹細胞の培地を組織培養ウェルに加えて、レーザー介在光熱処理を行った。個別のコロニーに画像をセグメント化せずに表面全体にわたりレーザー切断線を配置することにより、培養物を特定サイズのヒトipSサブコロニー断片にセクション化した。1パルスあたり4.5μJのエネルギー、半径5μmのレーザースポット、及び16μmのパルス間隔の最適なレーザー焦点面に送達した一連の532nmのレーザー切断線を用いて培養物を250−2000μmの正方形にセクション化した。必須ではないが、この実験に最適なレーザー焦点面は、以下に記載の新規な方法により測定した(図15、17)。
【0061】
最適なレーザー焦点面を識別するこの新規で非限定的なアプローチは以下のステップを具える:(1)例えば最大コントラスト画像でz−位置を決定する標準画像分析により、明視野の焦点位置を任意に自動的に決定するステップ;(2)明視野の焦点位置(又は任意の位置)上100μmにレーザー焦点を移動させるステップと;(3)5回レーザーショットを発射し、画像を取得、画像分析を使用し、細胞移動の量を決定(すなわち、レーザーが発射された領域の細胞が取り除かれているかどうかを決定する)するステップ;(4)最も大きな移動を示すZ位置(これはレーザーがあたった細胞上最も大きな効果を有する最適なレーザー焦点位置である)が識別されるまで10μm z−ステップきざみで連続発射と分析(ステップ3と同様)するステップ。レーザー焦点は、10μmきざみで合計200μm(明視野の焦点上下100μm又は任意の位置)を検査した。
【0062】
コラゲナーゼIV 1mg/mlを含む新鮮な培地を、セクション化されたウェルに添加して、1時間後にヒトiPSサブコロニー断片を手動ピペット操作により取り除いた。ヒトiPSサブコロニー断片を、完全な幹細胞分化培地内の低い取り付けプレート(コーニング社)に移した。懸濁培養物に移した4日後、ヒトiPSサブコロニー断片は、大小さまざまな明確に定義された均一なEBsを形成した(図16)。レーザー及び標準的な方法(コラゲナーゼ)を用いて生成されたEB培養物の画像を得て、各EBの直径を測定してレーザーセクショニングにより生成されたEBsの均一性を実証した。LEAPを用いてEBsを形成するのに使用したヒトiPSサブコロニー断片のサイズを変えることによって結果としてのEBsのサイズを制御した(図18)。レーザーセクション化を用いて生成されたEBsは、標準的なEB生成方法(コラゲナーゼ、図18)で得られるものより均一であった。250−2000μm四方のヒトiPSサブコロニー断片を用いて生成されたEB培養物は、すべての三胚葉の成熟細胞型へ分化を誘発され、特定サイズのEBsの改善された分化能を実証した。24日後、定量実時間PCR(QRT−PCR)分析は、600μmのhiPSC断片を用いて生成されたEBsが、内胚葉(肝細胞のような)へより効率的に分化したことを示した(図19)。22日後中胚葉の分化のQRT−PCR分析は、800μm断片を用いて生成したEBsが、心筋細胞へより効率的に分化したことを示した(図20)。32日後外胚葉の分化のQRT−PCR分析は、1000μm断片を用いて生成したEBsが、ニューロンへより効率的に分化したことを示した(図21)。このように、iPS/ES細胞から分化した特定の種類の細胞子孫の収率と純度は、EB形成に使用する細胞セクショニングのサイズを制御することにより増加させることができる。
【0063】
この実施例は、特定サイズの均一のEB個体数を用いて特殊な機能を有する分化した細胞の増加した生産効率を説明するものである。形成されたEBsのサイズを制御する方法は、高い再現性を有すると共に自動化されており、ES/iPS細胞からのある細胞型を生成するのに非常に有用にしている。更に、特定サイズのセクション化の範囲とその結果生じるEBsは、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉の分化能の増大に寄与することが確認された。
【実施例3】
【0064】
[新しいES株を生成するためのES細胞コロニーの分離]
この実験では、LEAPワークステーションを用いて遺伝子組み換えES細胞株を生成する目的のヒトES細胞コロニーのレーザー介在による精製を説明する。一ヶ月前に核マーカー(緑色蛍光タンパク質で標識されたH2B)を含むレトロウィルスにより形質導入されたヒトES細胞を、標準的な方法(すなわち96ウェルプレート(コーニング社)でコラゲナーゼIV(インビトロジェン)を用いる酵素的処理)によって高密度でセクション化した。完全な幹細胞培地内で、37℃細胞培養インキュベータ中で4日間、培養物をインキュベートした。4日目に一旦培養物をPBS(インビトロジェン)で洗浄し、4mg/mlのアルラレッド(シグマ)を含む新鮮な幹細胞培地を組織培養ウェルに加えて、レーザー介在光熱処理を行った。培養物を、LEAPで明視野及び蛍光撮像を用いて画像化し(図22)、明視野画像を用いた形態と蛍光画像による蛍光強度によりヒトES細胞コロニーを識別した。高レベルの緑色蛍光タンパク質を発現する細胞のみを含む新しい細胞株を作製するために、LEAP幹細胞マネージャーソフトウェアを用いて各ウェル内の最大蛍光強度を有するヒトES細胞コロニーをセグメント化した(図22)。一旦分離されるべきコロニーが選択されると、1パルスあたり4.5μJのエネルギーとLEAPを用いた新しいアプローチによって決定した最適レーザー焦点面で送達した半径6μmのレーザースポットで約1kHzの一連の532nmレーザー切断線を用いてコロニーの縁を標的とした。1レーザーパルスを1回繰り返して各コロニーの縁周辺に16μmの間隔でレーザー切断線に沿って一連のスポットをあてた。次に、選択されたコロニーのみを精製するために、1パルスあたり4.5μJのエネルギーと25μmのグリッド間隔の半径6μmのレーザースポット、一連の532nmのレーザーパルスを、用いて培養物内の残りの細胞を除去した。1レーザーパルスを2回繰り返し用いて、培養物内の選択されなかった細胞を全て除去した(図17、23)。1パルスあたり1−50μJのレーザーエネルギーを半径1−20μmのレーザースポットサイズ、5−50μmのパルス間隔、5−100μmのグリッド間隔のレーザーを1スポットあたり1−5回繰り返して、培養物を培養物を処理した。選択されたコロニーを分離することでコロニー内の細胞のみが成長して、その結果新しい細胞株ができる。培養物を洗浄して、不活性化されたマウスの胎児線維芽細胞を含む新鮮な幹細胞培地を、組織培養ウェルに添加した。新鮮なマトリクス(マウスの胎児線維芽細胞)を添加すると、増殖に十分なサイズになるまでコロニーが大きくなり、この時点で新しい細胞株が取り出された。この方法により生成された新しいヒトES細胞株を数ヶ月間観察したところ、ES細胞の形態的な特徴はそのままで、高いレベルの緑色蛍光タンパク質の発現が続いていた。このコロニー精製方法により生成されたヒトES細胞株は、標準的な幹細胞株生成方法(すなわち抗生物質選択の存在下での幹細胞培養の酵素的な継代、図22参照)より均一的に緑色蛍光タンパク質を発現した。かなり大きいウェルを有する培養皿内で針を用いて手動で物理的に各コロニーの周りに線を引くことを含む標準的なコロニーの分離方法ではなく、高スループットのコロニーを分離するこの自動化された方法を用いることで、より効率的に新しい幹細胞株を作製することができた。
【0065】
この実施例は、新しい幹細胞株の製作の効率を上げるヒトES細胞コロニーの分離及び精製を説明するものである。幹細胞コロニーを分離するのに用いた方法は、高度に再現可能であり自動化されており、遺伝子組み換え幹細胞株の生成及び新たな派生ES及びiPS細胞株の作製に非常に有用である。
【0066】
以下の文献は、本明細書に記載された技術と関連しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、そのすべての方法、組成物、装置等はすべて本明細書に記載された方法、システム、及び道具を任意の組み合わせで利用することができる。
【0067】
Thomson J.Aら「ヒト胚盤胞由来の胚性幹細胞株」(1998)化学;282:1145−1147頁、Reubinoff B.Eら「ヒト胚盤胞由来の胚性幹細胞株:Somatic differentiation in vitro.(2000)ネイチャーバイオテクノロジー;18:399−404頁」、Draper J.Sら「Recurrent gains of chromosomes 17q and 12 in cultured human embryonic stem cell」(2004)ネイチャーバイオテクノロジー.;22:53−54頁、Buzzard J.Jら「Karyotype of human ES cells during extended culture」(2004)ネイチャーバイオテクノロジー.;22:381−382、Mitalipova M.ら「ヒト胚性幹細胞の遺伝的整合性の保持」(2005)ネイチャーバイオテクノロジー.;23:19−20頁、Oh S.K.ら「ヒト胚性幹細胞の増殖方法」(2005)幹細胞;23:605−609頁、Joannides A.ら「Automated Mechanical Passage:新規で効果的なヒト胚性幹細胞の増殖方法」(2006)幹細胞24:230−235頁、Thomson,H.,「創薬用胚性幹細胞のバイオプロセシング」総説(2007)バイオテクノロジーの動向.;25:224−230頁、Terstegge S.ら「胚性幹細胞培養の自動メンテナンス」(2007)バイオテクノロジー.バイオエンジニアリング.;96:195−201頁、Takahashi K.ら「明確な因子による成人の線維芽細胞由来の人工多能性幹細胞」(2007)Cell;131:861−872、Koller,MR.,「High−Throughput Laser−Mediated In Situ Cell Purification With High Purity and Yield」(2004)Cytometry;61A:153−161、Valamehr B.ら「胚性幹細胞由来の胚葉体の分化促進のための疎水性表面」(2008)PANS;105:14459−14464、Bauwens C.ら「Control of human embryonic stem cell colony and aggregate size heterogeneity influences differentiation trajectories」(2008)幹細胞;26:2300−2310、Ungrin M.ら「Reproducible,ultra high−throughput formation of multicellular organization from single cell suspension−derived human embryonic stem cell aggregate」(2008)PLOS One;3:1565−1−12、Burridge P.ら「Improved human embryonic stem cell embryoid body homogeneity and cardiomyocyte differentiation from a novel V−96 plate aggregation system highlights interline variability」(2007)幹細胞;25:929−938頁。本技術と関連する他の文献は、米国特許第7,129,070号、第6,534,308号、及び第6,514,722号を含む。上記に列挙した文献の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0068】
本明細書での実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しては、文脈及び/又は適用に適するように当業者が複数から単数形及び/又は単数から複数へ変換できる。さまざまな単数形/複数形の順列は、本明細書では明確にするためにはっきりと示している。
【0069】
一般に、本明細書で及び特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の主部)使用される用語は、一般に「開放型」用語を意図するもの(例えば、用語「含んでいる」は「限定したものだけ含んでいるのではない」と解釈すべきで、用語「有する」は、「少なくとも有する」と、用語「含む」は「限定したものだけを含むのではない」と解釈すべきである)であと当業者に理解されよう。更に導入された特許請求の範囲に特定の数字の記述しているときは、このような意図が特許請求の範囲に明確に記述されているということ、その記述がないときは、このような意図がないことであると当業者に理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲の記述を導入するために、導入フレーズ「少なくとも1つの」と「1又はそれ以上の」の使用することがある。しかし、例え同じ特許請求の範囲で導入フレーズ「1又はそれ以上」又は「少なくとも1つの」、及び「1」などの不定冠詞を含んでいても(例えば、「1」は一般に「少なくとの1つの」又は「1又はそれ以上の」を意味するものと解釈するべきである)、このフレーズの使用は、特許請求の範囲の記述の導入部が不定冠詞「1」により特定の特許請求の範囲を含む特定の特許請求の範囲の限定を暗示していると解釈してはならない。定冠詞についても同じことがいえる。更に、導入された特許請求の範囲の記述で、特定の数字についてはっきりと記述されている場合には、当業者は、少なくとも記述された数字を意味するだと解釈すべきである(例えば最低限の記述、他になんの修飾もさず「2と記述」されているときは、一般に少なくとも2又はそれ以上の記述も含むと解釈する)。更に「少なくともA、B、及びCのうちの1つなど」に類似する表現方法が使用される場合には、、一般に当業者はこの構文を(例えば「少なくともA、B、及びCのうちの1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、及び/又はA、B、及びCなど限定されたシステムを含むものではないと)解釈されよう。「少なくともA、B、又はCのうちの1つなど」に類似する表現方法が使用される場合は、一般に当業者はこの構文を(例えば「少なくともA、B、又はCのうちの1つを有するシステム」はAのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、及び/又はA、B、及びCなど限定されたシステムを含むものではないと)解釈されよう。更に、実質的に任意の離接語及び/又は2又はそれ以上の代替的な用語を表すフレーズは、明細書、特許請求の範囲、又は図面でも、用語のうちの1つ、用語のどちらか、又は両方の用語を含んでいる可能性があると理解すべきである。例えば「A又はB」のフレーズは、「A」又は「B」又は「A及びB」を含む可能性があると理解すべきである。
【0070】
さまざまな態様と実施例が本明細書に記載されているが、他の態様及び実施例が当業者には明らかであろう。本明細書に開示したさまざまな態様及び実施例は、説明目的のためであり、以下の特許請求の範囲によって示す真の範囲および精神を制限することを意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養物中の細胞コロニーのセクション化方法であって:
培養物中に生細胞コロニーを提供するステップと;
前記培養物を画像化するステップと;
前記コロニーの所望の表現型であって、その表現型が前記画像に示されている表現型に基づいてセクション化するコロニーを選択するステップと;
前記画像中の前記コロニーの縁の少なくとも一部を識別するステップと;
前記識別されたコロニーの縁に電磁放射を適用して残りの前記培養物から前記コロニーを分離するステップと;
電磁放射を用いて前記コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
電磁放射を適用するステップが、レーザー切断線パターンを規定するステップを具えることを特徴とする請求項1に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項3】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、1パルスあたり約1乃至約50μJの範囲のレーザーエネルギーを用いて放射される一連のレーザーパルスの使用を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項4】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、半径約1乃至約20μmの範囲のレーザースポットを用いて放射される一連のレーザーパルスの使用を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項5】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、1乃至5のレーザパルスを用いて放射される一連の約532nmのレーザーパルスの使用を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項6】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、1乃至5回レーザを繰り返し用いて放射される一連の約532nmのレーザーパルスの使用を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項7】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、約5乃至約50μmのパルス間隔のレーザー切断線パターンを具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項8】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、約5乃至ら約100μmの間のグリッド間隔を有するレーザーグリッドパターンを具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項9】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、約20乃至約2000μmに配置されたスクエアパターンのレーザー切断線を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項10】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、無酵素でセクションを取り除くために約20から約300μm離して配置されたスクエアパターンのレーザー切断線を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項11】
前記レーザー切断線パターンを規定するステップが、幹細胞を成熟した特定の細胞型に分化させるために約250から約2000μm離して配置されたスクエアパターンのレーザー切断線を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項12】
前記電磁放射の吸収を増大するように構成した染料を添加するステップを更に具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項13】
細胞コロニーをセクション化する方法であって:
表面に生細胞コロニーを提供するステップと;
前記表面を画像化するステップと;
前記画像中で識別できる所望の表現型を示す特定のコロニーを選択するステップと;
電磁切断線パターンを用いて前記コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記電磁切断線パターンの使用するステップが、レーザー切断線パターンを規定するステップを具えることを特徴とする請求項13に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項15】
レーザーエネルギーの吸収を増大するように構成した染料を添加するステップを更に具えることを特徴とする請求項14に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項16】
前記パターンがグリッドパーンを具えることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項17】
前記電磁切断線パターンが、細胞コロニーの境界内に制限されていることを特徴とする請求項13に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項18】
前記コロニーをセクション化する前に前記画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップを更に具えることを特徴とする請求項1又は13に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項19】
細胞コロニーをセクション化する方法であって:
表面に細胞コロニーを提供するステップと;
前記細胞コロニーを画像化するステップと;
前記画像化された細胞コロニーをセグメント化するステップと;
電磁放射切断線パターンを規定するステップと;及び
前記規定された電磁放射切断線パターンに従って前記細胞コロニーに電磁放射を適用して前記細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
電磁放射切断線が、レーザー切断線を具えることを特徴とする請求項19に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項21】
レーザーエネルギーの吸収を増大させるように構成した染料を添加するステップをさらに具えることを特徴とする請求項19に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項22】
細胞コロニーをセクション化する方法であって:
既知の厚さを具える培養物表面に細胞コロニーを提供するステップと;
レーザー切断に最適な焦点位置に前記培養物表面を配置するステップと;
電磁放射切断線パターンを規定するするステップであって、当該パターンが前記培養物表面を具えるステップと;
前記パターンに従って前記培養物表面に電磁放射を適用することによって前記レーザー切断線パターンを用いて前記細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップと;を具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
前記レーザーエネルギーの吸収を増大させるように構成した染料を添加するステップを更に具えることを特徴とする請求項22に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項24】
前記セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップを更に具えることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項25】
前記セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、前記1又はそれ以上の断片を第1の培養容器の液体内の懸濁液へ除去するステップを具えることを特徴とする請求項24に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項26】
前記セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、前記1又はそれ以上の断片を第1培養容器の液体内の懸濁液へ移動させる前に、酵素などの化学物質を添加するステップを具えることを特徴とする請求項24に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項27】
前記1又はそれ以上の断片を第2の培養容器へ移するステップを更に具えることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項28】
前記セクション化された1又はそれ以上の断片を取り除くステップが、液体ピペット操作技術を具えることを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項29】
残留しているフィーダー細胞層を洗い流すステップをさらに具えることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項30】
前記細胞コロニーが、生体胚性幹細胞又は人工多能性幹細胞を具えることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項31】
前記細胞コロニーが、非ES/iPS細胞、腫瘍スフェロイド、又は胚様体、神経球、胚葉体、胚性生殖細胞、胚性癌腫細胞、乳癌幹細胞、癌幹細胞、及び局所領域内で一群の細胞様を形成する任意の細胞型を具えることを特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載の細胞コロニーをセクション化する方法。
【請求項32】
細胞のコロニーを精製する方法であって:
培養物表面に生体細胞コロニーを提供するステップと;
細胞コロニーを識別するステップと;
前記細胞コロニーの縁に電磁放射を適用して前記培養物の残りから前記細胞コロニーを分離するステップと;及び
電磁放射のパターンを適用して、前記残りの培養物を死滅させ前記分離した細胞コロニーを精製するステップと;を具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
細胞コロニーを精製する方法であって:
培養物表面に生体細胞コロニーを提供するステップと;
細胞コロニーを識別するステップと;
前記培養物の非コロニー領域に電磁放射のパターンを適用して、前記細胞コロニーではなく前記残りの培養物を死滅させるステップと;を具えることを特徴とする方法。
【請求項34】
細胞コロニーをセクション化する方法であって:
培養物表面に生体細胞コロニーを提供するステップと;
切断線のパターンを規定するステップと;
前記培養物表面に前記切断線パターンで電磁エネルギーを適用して、前記生体細胞コロニーを1又はそれ以上の断片にセクション化するステップを具えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【公表番号】特表2012−514981(P2012−514981A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545535(P2011−545535)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/020816
【国際公開番号】WO2010/081171
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511303467)イントレクソン コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】