説明

細胞培養用微粒子の製造方法及び該方法により得られた細胞培養用微粒子並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法

【課題】懸濁培養法において細胞培養過程で安定であり、かつトリプシン処理により容易に破壊され、トリプシン処理後に得られた細胞培養用微粒子並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法を提供する。
【解決手段】室温で液体である有機溶媒に界面活性剤を添加して界面活性剤溶液11を調製する工程と、界面活性剤溶液にコラーゲン又は変性コラーゲン含有水溶液12を所定の割合で添加混合することにより乳化させ、混合液中に平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を形成する工程と、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴を含む混合液に紫外線を照射して、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴の表層を硬化させることにより内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入した平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン微粒子14を作製する工程とを含む細胞培養用微粒子の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を培養する際の細胞培養担体として好適な細胞培養用微粒子の製造方法及び該方法により得られた細胞培養用微粒子並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細胞は適当な硬い足場がなければ増殖しないことが知られている。そのため細胞の足場材料が適度な硬さを有する必要がある。また、細胞増殖速度を大きくするためには、その足場材料の表面積を大きく設ける必要がある。そのための方法として懸濁培養法が知られている。懸濁培養法は、足場材料、即ち細胞培養担体として適度な硬さと大きな比表面積を有する微粒子を用い、この微粒子に培養対象となる細胞を吸着又は固定化させ、この微粒子表面で細胞を培養するものである。細胞の培養を終えた後は、培養細胞に対してトリプシン含有溶液等の剥離剤を添加して細胞を微粒子から剥離する処理を施す。細胞培養用途として市販されている微粒子としては、Cytodex1(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】Microcarrier cell culture principle & method、アマシャムバイオサイエンス株式会社、1996年10月10日、p26〜27
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記非特許文献1に示される市販の微粒子を細胞培養担体として用いた場合、培養を終えた細胞を微粒子から剥離するためのトリプシン処理を施すと、細胞は微粒子から剥離しても微粒子は破壊されずにそのまま残留してしまうため、細胞と微粒子とを遠心分離等の手段によって分離する必要があった。この分離操作によって培養した細胞の回収率が低くなる問題点があった。
本発明の目的は、懸濁培養法において細胞培養過程で安定であり、かつトリプシン処理により容易に破壊され、トリプシン処理後に培養細胞と微粒子との分離操作を必要としない細胞培養用微粒子の製造方法及び該方法により得られた細胞培養用微粒子並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、室温で液体である有機溶媒に界面活性剤を添加して界面活性剤溶液11を調製する工程と、界面活性剤溶液11にコラーゲン又は変性コラーゲン水溶液12を所定の割合で添加混合することにより乳化させ、混合液中に平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を形成する工程と、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液に紫外線を照射して、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13の表層を硬化させることにより内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入した平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン微粒子14を作製する工程とを含むことを特徴とする細胞培養用微粒子の製造方法である。
請求項1に係る発明では、上記工程を経ることで、微粒子表層のコラーゲン又は変性コラーゲン成分が紫外線照射により変質硬化され、その内部にコラーゲン又は変性コラーゲンが封入された直径100〜800μmの細胞培養用微粒子が得られる。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液への紫外線照射前に、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液を有機溶媒により洗浄する工程を更に含む製造方法である。
請求項2に係る発明では、この工程を施すことでコラーゲン又は変性コラーゲン液滴13の凝集を抑制することができる。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、室温で液体である有機溶媒がイソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、流動パラフィン、オレイン酸又はリノール酸であって、界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステルである製造方法である。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液への紫外線照射が波長240〜365nmの紫外線を1000μW/cm2以上の強度、1〜10cmの照射距離で1分〜10時間照射することにより行われる製造方法である。
請求項4に係る発明では、上記条件で紫外線照射することで、細胞培養に最適な条件の微粒子が得られる。
【0007】
請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明であって、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液を洗浄する有機溶媒がヘキサンである製造方法である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれか1項に記載の方法により製造され、直径100〜800μmの微粒子であり、微粒子表層のコラーゲン又は変性コラーゲン成分が紫外線照射により変質硬化され、その内部にコラーゲン又は変性コラーゲンが封入されたことを特徴とする細胞培養用微粒子である。
請求項6に係る発明では、細胞培養に最適な大きさであり、細胞の適度な吸着性を有し、変質硬化した表層は細胞培養後に施すトリプシン処理により容易に破壊されるため、トリプシン処理後に培養細胞の分離操作を必要としない。また、内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入しているため、細胞培養の際にこの微粒子が浮遊状態を保てる程度の比重を有する。
【0008】
請求項7に係る発明は、請求項6記載の細胞培養用微粒子を細胞の細胞培養担体として用い、細胞を培養液中で培養することを特徴とする細胞培養方法である。
請求項7に係る発明では、この方法により懸濁培養法において細胞を安定して培養することができる。また、担体として用いる本発明の細胞培養用微粒子は細胞培養後に施すトリプシン処理により容易に破壊されるため、トリプシン処理後に培養細胞と微粒子との分離操作を必要としない。従って、培養した細胞の回収率が大幅に向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の細胞培養用微粒子の製造方法及び該方法により得られた細胞培養用微粒子並びにこの微粒子を用いた細胞培養方法は、懸濁培養法において細胞培養過程で安定であり、かつトリプシン処理により容易に破壊されるため、トリプシン処理後に培養細胞と微粒子との分離操作を必要としない。従って、細胞と微粒子とを分離する操作を施す必要がなくなるため、培養した細胞の回収率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
先ず、室温で液体である有機溶媒に界面活性剤を添加して界面活性剤溶液を調製する。室温で液体である有機溶媒としては、飽和又は不飽和炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸が適当である。本発明で室温で液体である有機溶媒とは、15〜40℃の範囲内において液体状態を示す溶媒を指す。また、界面活性剤は親水性親油性バランス(HLB)が親油性側のものが適当である。このうち、有機溶媒がイソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、流動パラフィン、オレイン酸又はリノール酸であって、界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステルの組み合わせが好適である。グリセリン脂肪酸エステルのなかでもテトラグリセリン縮合リシノール酸エステルが特に好ましい。
【0011】
次いで、図1(a)に示すように、界面活性剤溶液11にコラーゲン又は変性コラーゲン水溶液12を所定の割合で添加する。使用するコラーゲン又は変性コラーゲン水溶液はブタ由来ゼラチンやウシ由来ゼラチン、魚由来ゼラチン等を5〜20重量%の水溶液としたものが好適である。界面活性剤溶液へのコラーゲン又は変性コラーゲン水溶液の添加割合は、界面活性剤溶液100重量%に対して、コラーゲン又は変性コラーゲン水溶液0.3〜3重量%の範囲が好ましい。続いて図1(b)に示すように、所定の割合で混合することにより乳化させ、混合液中に平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を形成する。この図1(a)及び図1(b)に示すように、乳化しやすい試験管等により添加混合することが好ましい。
【0012】
また、形成したコラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液への紫外線照射前に、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴を含む混合液を有機溶媒により洗浄する工程を施しても良い。この工程を施すことで形成したコラーゲン又は変性コラーゲン液滴の凝集を抑制することができる。コラーゲン又は変性コラーゲン液滴を含む混合液を洗浄する有機溶媒としてはヘキサンが好適である。
【0013】
次に、図3に示すように、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴を含む混合液に紫外線を照射して、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴の表層を硬化させることにより内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入した平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン微粒子を作製する。この図1(c)に示すように、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴13を含む混合液をシャーレのような平皿に移し、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴に対して均一に、また均等な照射距離dで紫外線照射することが好ましい。細胞培養に最適な条件の微粒子を得るためには、コラーゲン又は変性コラーゲン液滴を含む混合液への紫外線照射の条件として、波長240〜365nmの紫外線を使用し、紫外線の強度を1000μW/cm2以上とし、照射距離dを1〜10cmとし、1分〜10時間照射することが好適である。紫外線照射条件は、波長254nmの紫外線を使用し、紫外線の強度を3000〜5000μW/cm2とし、照射距離dを3〜7cmとし、1〜5時間照射することが特に好ましい。紫外線の強度が1000μW/cm2未満では微粒子表層の硬化が培養環境に耐え得る程度にまで達しないため安定性が保てない。なお、紫外線の強度が10000μW/cm2を越えると微粒子表層の架橋度を制御することが難しく、トリプシンで分解しない場合があるので、10000μW/cm2以下の強度で紫外線照射することが好ましい。また、照射距離dが1cm未満では液滴によって架橋度にむらが生じてしまい、10cmを越えると微粒子表層が十分に硬化しない場合がある。紫外線照射時間が1時間未満では微粒子表層の硬化が培養環境に耐え得る程度にまで達しないため安定性が保てない。具体的には、コラーゲン又は変性コラーゲン微粒子が37℃の水中で1週間保持することができない。また、紫外線照射時間が5時間を越えると、一旦表層が硬化して形成された微粒子が溶解してしまい、微粒子の原形を保つことができない。但し、紫外線照射距離を短くすれば照射時間は短くてすむので注意が必要である。
【0014】
上記工程を経ることにより、微粒子表層のコラーゲン又は変性コラーゲン成分が紫外線照射により変質硬化され、その内部にコラーゲン又は変性コラーゲンが封入された直径100〜800μmの細胞培養用微粒子が得られる。本発明の細胞培養用微粒子は、細胞培養に最適な大きさであり、細胞の適度な吸着性を有し、変質硬化した表層は細胞培養後に施すトリプシン処理により容易に破壊されるため、トリプシン処理後に培養細胞と微粒子との分離操作を必要としない。また、内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入しているため、細胞培養の際にこの微粒子が浮遊状態を保てる程度の比重を有する。製造する際に使用するコラーゲン又は変性コラーゲンの種類によって変化するが、本発明の微粒子の比重は培養液と同程度、即ち、0.9〜1.1g/mlが好ましい。培養をシーソー型の攪拌装置で行う場合にはこの制限はより緩和される。
【0015】
本発明の細胞培養方法は、本発明の細胞培養用微粒子を細胞の細胞培養担体として用い、細胞を培養液中で培養することを特徴とする。この方法により懸濁培養法において細胞を安定して培養することができる。また、本発明の微粒子は細胞培養後に施すトリプシン処理により容易に破壊されるため、トリプシン処理後に培養細胞と微粒子との分離操作を必要としない。従って、培養した細胞の回収率が大幅に向上する。
【実施例】
【0016】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
室温で液体である有機溶媒として鎖状飽和炭化水素であるイソオクタンを、界面活性剤としてテトラグリセリン脂肪酸エステル(坂本薬品工業株式会社製;商品名SYグリスターCR−310)をそれぞれ用意した。次いで、イソオクタン100重量%に対しグリセリン脂肪酸エステルを5重量%の割合で加えて界面活性剤溶液を調製した。また変性コラーゲン水溶液としてブタ由来の10重量%ゼラチン水溶液(新田ゼラチン株式会社製;商品名タイプAPH−250)を用意した。次に、界面活性剤溶液にこのブタ由来の10重量%ゼラチン水溶液0.5mlを添加し、この添加液を40℃に加温しながら攪拌混合して乳化させ、混合液中に変性コラーゲン液滴を形成した。形成した変性コラーゲン液滴を含む混合液を15℃に保ちながらしばらく攪拌し、混合液にヘキサンを添加して変性コラーゲン液滴を洗浄した。続いてヘキサンを含む混合液に対して、紫外線ランプ(コスモバイオ社製;CSL−100C)を用い、波長254nm、出力100W、強度3400μW/cm2、照射距離5.5cmの条件で3時間紫外線照射して変性コラーゲン微粒子を作製した。この変性コラーゲン微粒子は光学顕微鏡により確認したところ、内部に変性コラーゲンが内包した平均粒径300μmのマイクロカプセルとなっていることが判った。また、得られた変性コラーゲン微粒子は37℃の水中で1週間の安定性を持つことが確認された。
【0017】
<実施例2>
紫外線照射時間を5時間とした以外は実施例1と同様にして細胞培養用微粒子を製造した。得られた変性コラーゲン微粒子は37℃の水中で1週間の安定性を持つことが確認された。
【0018】
<比較例1>
市販されている細胞培養媒体(Cytodex1;アマシャムバイオサイエンス社製)を細胞培養用微粒子として用意した。
【0019】
<比較試験1>
実施例1及び2で得られた微粒子並びに比較例1で用意した微粒子を用いて、以下の細胞培養試験を行った。
培養させる細胞として正常のヒト繊維芽細胞(WI−38)と、癌化した細胞(WI−38−VA−13)をそれぞれ用意した。また培養液として10v/v%のウシ胎児血清を含むMinimum Essential Medium Eagleを用意し、シャーレには接着系細胞培養用シャーレと浮遊系細胞培養用シャーレの双方を用いた。接着系細胞培養用シャーレは細胞が付着しやすいようにシャーレの内面に表面コーティング処理されているものであり、浮遊系細胞培養用シャーレには、そのような細胞接着処理が施されていない。
【0020】
先ず、シャーレ内に培養液を満たし、細胞と微粒子とを培養液内に入れて、37℃で2〜3日間保持して細胞を培養した。シーソー型の攪拌機を用い、培養開始後最初の6時間は30分おきに2分攪拌し、その後は連続攪拌を行った。図2に実施例1の微粒子に細胞を接着させた様子を示す。この図2より明らかなように、実施例1の微粒子表面に細胞が接着しており、実施例1の微粒子は適度な吸着性を有していることが判る。また、実施例2の微粒子についても同様の傾向が得られた。WI−38並びにWI−38−VA−13の双方の細胞において培養過程で各微粒子は安定であり、実施例1及び2の微粒子を用いた場合では、細胞接着処理を施していない浮遊系細胞培養用シャーレにおいてWI−38の細胞が高い増殖傾向を示すことが判った。この結果から、本発明の微粒子は浮遊系細胞培養用シャーレを使用して懸濁培養をするのが適していると考えられる。
【0021】
続いて、細胞培養後にトリプシン水溶液により細胞と微粒子との剥離処理を施した。実施例1の微粒子を用いたシャーレのトリプシン処理を施した後の様子を図3に示す。図3より明らかなように、トリプシン処理後のシャーレ内には微粒子が存在しておらず、トリプシン水溶液により実施例1の微粒子は破壊されたものと考えられる。一方、比較例1のCytodex1はトリプシン処理後でも存在しており、この比較例1の微粒子を用いた場合、トリプシン処理後に細胞と微粒子とを分離する手段が必要となる。
【0022】
実施例1の微粒子を用いて培養した細胞について、トリプシン処理後に再び培養したところ、図4に示すように、接着系細胞培養用シャーレによって再び培養が可能であった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の細胞培養用微粒子の製造方法を示す図。
【図2】実施例1の微粒子に細胞を接着させた様子を示す図。
【図3】実施例1の培養後にトリプシン処理を施した後のシャーレ内の様子を示す図。
【図4】実施例1の再度培養したシャーレ内の様子を示す図。
【符号の説明】
【0024】
11 界面活性剤溶液
12 コラーゲン又は変性コラーゲン含有水溶液
13 コラーゲン又は変性コラーゲン液滴
14 コラーゲン又は変性コラーゲン微粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温で液体である有機溶媒に界面活性剤を添加して界面活性剤溶液(11)を調製する工程と、
前記界面活性剤溶液(11)にコラーゲン又は変性コラーゲン含有水溶液(12)を所定の割合で添加混合することにより乳化させ、前記混合液中に平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を形成する工程と、
前記コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を含む混合液に紫外線を照射して、前記コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)の表層を硬化させることにより内部にコラーゲン又は変性コラーゲンを封入した平均粒径100〜800μmのコラーゲン又は変性コラーゲン微粒子(14)を作製する工程と
を含むことを特徴とする細胞培養用微粒子の製造方法。
【請求項2】
コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を含む混合液への紫外線照射前に、前記コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を含む混合液を有機溶媒により洗浄する工程を更に含む請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
室温で液体である有機溶媒がイソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、流動パラフィン、オレイン酸又はリノール酸であって、界面活性剤がグリセリン脂肪酸エステルである請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を含む混合液への紫外線照射が波長240〜365nmの紫外線を1000μW/cm2以上の強度、1〜10cmの照射距離で1分〜10時間照射することにより行われる請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
コラーゲン又は変性コラーゲン液滴(13)を含む混合液を洗浄する有機溶媒がヘキサンである請求項2記載の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載の方法により製造され、直径100〜800μmの微粒子(14)であり、前記微粒子(14)表層のコラーゲン又は変性コラーゲン成分が紫外線照射により変質硬化され、その内部にコラーゲン又は変性コラーゲンが封入されたことを特徴とする細胞培養用微粒子。
【請求項7】
請求項6記載の細胞培養用微粒子を細胞の細胞培養担体として用い、前記細胞を培養液中で培養することを特徴とする細胞培養方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−340679(P2006−340679A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170494(P2005−170494)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【出願人】(501410115)学校法人高崎健康福祉大学 (13)
【Fターム(参考)】