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細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法
説明

細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法

【課題】 複数の細胞を個別に捕捉及び回収(リリース)することが可能な細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法を提供する。
【解決手段】 個別に分離された細胞を含む溶液が導入される主流路1と、当該主流路1の側壁1aに複数形成される凹部2と、各凹部2に対応して形成される回収用流路3とを備える細胞捕捉装置である。各凹部2と回収用流路3は、細胞が通過することのできない微細通路4により接続されるとともに、各凹部2と回収用流路3の間には、外部空気圧により開閉が制御されるバルブ部(マイクロバルブ5)が設置されている。主流路1に細胞を含む溶液を導入し、微細通路4によって発生する負圧を利用して各凹部2に細胞を捕捉するとともに、外部空気圧によりマイクロバルブ5の開閉を制御することで、捕捉した細胞を回収用流路3へリリースする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の細胞を個別に捕捉、リリースすることが可能な新規な細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
再生医療、分子医療、ゲノム創薬を初めとしたライフサイエンス分野や生物学の領域において、細胞集団としてではなく、集団の中から単一の細胞、若しくは数個の細胞をそれぞれ単離し、空間的に分離した状態で観察や分析を行うことは、詳細な分析のために不可欠である。また、単一の細胞の観察や分析は、組織を構成する細胞毎の分化の差異の解明や発現解析を行う上でも重要な技術となる。
【0003】
このような状況から、組織等から単離された単一の細胞を捕捉するための装置が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4等を参照)。
【0004】
例えば、特許文献1には、層流を生じせしめる程度の微小な並走する主流路を少なくとも2つ配置した細胞捕捉部材、及びこれら主流路の流速を異なる流速とすることで細胞を捕捉する方法が開示されている。すなわち、特許文献1記載の発明では、少なくとも2つの並走する主流路を配置し、また、この主流路間に捕捉する細胞の断面積の最大値より小さい断面積の通過路を設ける。そして、流速の異なる液体を前記2つの主流路に流すことにより、通過路入口部位で負圧若しくは加圧を生じさせ、主流路を流れる細胞を通過路入口部位で捕捉し、あるいは放出するようにしている。
【0005】
また、特許文献2には、捕捉用プレートが内部に配置された細胞捕捉用容器と、前記捕捉用プレートに形成された複数の捕捉孔から細胞の吸引を行う吸引手段とを備えた細胞捕捉装置が開示されている。特許文献2記載の細胞捕捉装置では、シャーレ底板部2箇所に、一対の貫通孔と、これら貫通孔の下開口部とを連続する吸入流路(溝部)を形成している。そして、溝部を底板部の下方側から封着する透明板部材を設け、一方の貫通孔の上開口部位置には捕捉用プレートを配置し、もう一方の貫通孔の上開口部には吸引ポンプから通じる吸引チューブを接続している。
【0006】
さらに、特許文献3には、細胞の大きさよりも小さい開口を区画する通路と、通路に接続され、通路内に負圧を発生させる負圧発生手段と、通路に接続され、通路内の負圧を調整する負圧制御手段とを備えた細胞捕捉装置が開示されている。特許文献3記載の細胞捕捉装置では、通路内に負圧が発生すると、負圧に基づき細胞は開口部に捕捉される。また、負圧制御手段により、通路内の負圧を一定に維持することができ、細胞は安定した状態で開口部に捕捉され続ける。特許文献3記載の細胞捕捉装置では、負圧発生のための手段として、真空ポンプが用いられている。
【0007】
特許文献4に記載される細胞の捕捉機構では、単一の細胞のみを保持する大きさ及び形状のウエルを設けており、細胞は重力によってウエル内部に保持される。また、ウエルに保持された細胞を放出させる手法として、ウエルの下に設置されたチャンバーに泡核生成を引き起こし、チャンバー内側に容積膨張を作り出し、ウエルとチャンバの間のチャネルを通じて、液体の噴出により細胞をウエル外に排出するようにしている。
【特許文献1】特開2008−136475号公報
【特許文献2】特開2006−280231号公報
【特許文献3】特開2006−197880号公報
【特許文献4】特開2003−514236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、細胞捕捉装置に関して種々の提案がなされているが、必ずしも十分な性能が得られていないのが実情である。例えば、前述の特許文献3に記載される細胞捕捉装置では、多数の細胞群から単一の細胞をそれぞれ単離することは可能であるが、例えばマイクロインジェクションにより細胞への外的操作を加えることでその効果を調べる手法を採用した場合、外部環境に晒されることによる影響から精密性に欠けるという問題が生ずるおそれがある。また、特許文献2や特許文献3に記載される細胞捕捉装置では、形状や構造として、複数の分析操作を集積化するための機構には適さないという問題もある。さらに、特許文献4に記載される細胞の捕捉機構では、捕捉した細胞を個別に回収することができないという問題がある。
【0009】
ここで、例えば外部環境の影響を回避するためには、外的な操作を全て流路内部で行い、個々の細胞の操作、分析が可能な構造とする必要がある。このような観点から見た場合、例えば特許文献1には、複数流路の制御により細胞の捕捉を行い、その場に捕捉した状態で培養等を行うこと、圧力を高めて開口部を通過させて破砕、回収する方法が示されており、外部環境の影響を回避することが可能であると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示される細胞捕捉装置の流路形状においては、個別に捕捉した細胞をそのまま個別に回収することや、個々の細胞を空間的に分離した状態で分析を行うことが困難であるという問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、複数の細胞を個別に捕捉及び回収(リリース)することができ、捕捉した細胞については、外部環境に晒すことなく個々の細胞を空間的に分離した状態で分析等を行うことが可能で、複数の分析操作を集積化することも容易な細胞捕捉装置を提供することを目的とし、さらには細胞捕捉方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明に係る細胞捕捉装置は、個別に分離された細胞を含む溶液が導入される主流路と、当該主流路の側壁に複数形成される凹部と、前記各凹部に対応して形成される回収用流路とを備え、前記各凹部と回収用流路は、細胞が通過することのできない微細通路により接続されるとともに、各凹部と回収用流路の間には、外部空気圧により開閉が制御されるバルブ部が設置されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の細胞捕捉方法は、側壁に複数の凹部が形成された主流路に個別に分離された細胞を含む溶液を導入し、各凹部に接続された微細通路によって発生する負圧を利用して各凹部に細胞を捕捉するとともに、外部空気圧によりバルブ部の開閉を制御することで、捕捉した細胞を回収用流路へリリースすることを特徴とする。
【0013】
本発明の細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法において、個別に分離された細胞を含む溶液を主流路に導入すると、溶液に含まれる細胞は、微細流路の形成によって発生する負圧の作用により凹部に引き寄せられる。各凹部は、例えば細胞1個が納まる大きさに形成されており、1個の細胞が凹部内に捕捉されると、当該細胞が微細流路を塞ぐ形になり、それ以上細胞が捕捉されることはない。このようにして各凹部内に個々の細胞が空間的に分離された状態で捕捉される。また、各凹部に捕捉された細胞は、微細流路を介して回収用流路に流れ込むことはないが、バルブ部を開放することで回収用流路へとリリースされ、個別に回収される。
【0014】
以上のように、本発明の細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法においては、大量の細胞集団を用いる場合において、個々の細胞を並列的に複数捕捉することができ、バルブ部の開放による一斉同時リリースが可能である。また、回収後の流路(回収用流路)を捕捉された細胞毎に個別に設置しているので、確実に単一の細胞の回収が可能となる。
【0015】
さらに、リリース以降(回収用流路)に例えば遺伝子の発現解析機構や破砕等の処理機構を接続する等、一連の解析処理を集積化したチップとして作製することで、ハイスループットな分析装置の実現が期待できる。特に、単一細胞レベルの解析を行うことで、発現解析等、初めて得られる物質や知見もあり、本発明は、このような解析を個別の細胞において流路内で並列操作できる技術として有用である。さらにまた、本発明の細胞捕捉装置では、バルブ部(マイクロバルブ)も空圧制御のみの簡易な薄膜構造であり、一連の操作を行うチップを同一材料で実現でき、作製も容易であるという利点も有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の細胞を個別に捕捉することができ、また簡単な操作によって捕捉した細胞を回収(リリース)することができる。この時、バルブ部が一斉同時開放可能な構造であるため、大量の細胞を同時に各回収流路内で回収または処理操作を行うことが可能であり、複数の分析操作を集積化することも容易である。また、捕捉あるいは回収された細胞については、外部環境に晒すことなく空間的に分離した状態で分析等を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用した細胞捕捉装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の細胞捕捉装置は、個別に分離された細胞を含む溶液が導入される主流路1、細胞を捕捉する複数の凹部2、回収用流路3、前記凹部2と回収用流路3とを接続する微細流路4、前記微細流路4と並列に設置されるマイクロバルブ(バルブ部)5とから構成されており、前記主流路1、凹部2、回収用流路3、及び微細流路4は、基板表面に平面流路として形成されている。
【0019】
前記主流路1は、基板上に平面流路として形成されるもので、個々の細胞の大きさに比べて十分幅の広い流路として形成されている。個別に分離された細胞を含む溶液は、例えば図中上方から主流路1に導入され、下方に向かって流される。
【0020】
前記凹部2は、主流路1の一方の側壁1aに沿って配列される形で形成されており、本例では3箇所形成されている。凹部2の数は3箇所に限られるものではなく、側壁1aにより多くの凹部2を形成することも可能である。また、本実施形態の細胞捕捉装置では、凹部2は主流路1の一方の側壁1aにのみ形成されているが、主流路1の両方の側壁に形成されていてもよい。
【0021】
前記凹部2の大きさは、概ね単一の細胞1個が納まる大きさとされ、例えば凹部2の深さは単一の細胞1個の大きさとほぼ等しくすることが好ましい。凹部2の大きさが大きすぎたり深さが深すぎると、複数の細胞が凹部2内に滞留するおそれがある。凹部2の深さを単一の細胞1個の大きさとほぼ等しく設定しておけば、仮に同じ凹部2内に2個目の細胞が入り込もうとしても、その大部分が主流路1内の溶液の流れに晒されることになり、この流れにのって凹部2から離脱する。逆に、凹部2の深さが浅すぎると、捕捉するべき細胞も主流路1内の溶液の流れに晒され、捕捉状態が不安定になるおそれがあるので、ある程度の深さが必要である。
【0022】
前記回収用流路3は、各凹部2に対応して設けられており、本実施形態の場合、3箇所に設けられている。当然のことながら、凹部2の数が増えれば回収用流路3の数も増やす必要があり、各凹部2に捕捉された細胞を個別に回収(リリース)するための流路となる。したがって、この回収用流路3は、個々の細胞が通過し得る流路幅が必要である。
【0023】
前記微細流路4は、前記凹部2と回収用流路3間の隔壁に凹部2と回収用流路3を接続する形で形成されており、主流路1内の溶液を一部回収用流路3へと流し、回収用流路3側から負圧を発生させる役割を果たす。この微細流路4は常に開放されているため、個々の細胞が通過できない十分に細い流路である必要がある。微細流路4が広すぎると、凹部2内の細胞が微細流路4を通過して回収用流路3へと流れてしまい、凹部2内に捕捉することができなくなる。なお、例えば微細流路4の幅が個々の細胞の寸法よりも若干小さくても、細胞が変形して微細流路4を通過してしまう可能性があるので、このような可能性のない十分に細い流路とする必要がある。
【0024】
以上のような構成により各凹部2に単一の細胞を捕捉することが可能であるが、本実施形態の細胞捕捉装置では、捕捉した細胞を回収(リリース)するための機構を有している。具体的には、各凹部2に対応して、前記微細流路4と並列にマイクロバルブ5が設けられている。マイクロバルブ5は外部空気圧により開閉が制御され、マイクロバルブ5を開放することで、凹部2に捕捉された細胞がマイクロバルブ5を通過して回収用流路3へとリリースされる。
【0025】
前記マイクロバルブ5は、例えばダイヤフラム(膜)を外部空気圧により変形させることで開閉操作が行われるダイヤフラム方式のマイクロバルブであり、その構造例を図2に示す。マイクロバルブ5は、図2(a)に示すように、第1の基板(前記主流路1等が形成された基板)L1上に、ダイヤフラム11と、空間12を有する第2の基板L2を重ねて配置することにより構成され、極めて簡易な構成を有する。前記空間12には、当該空間12内の圧力(空気圧)を制御するための給排気路13が接続されている。なお、図2(a)においては、前記給排気路13が第2の基板L2の厚み方向に示されているが、実際には、図1に示すように基板面に沿って設けられている。
【0026】
前記マイクロバルブ5においては、空間12内の空気圧が高い時は、図2(a)に示すように、前記ダイヤフラム11が凹部2と回収用流路3を仕切る隔壁6に密着しており、凹部2と回収用流路3間は遮断された状態となる。この状態では、微細流路4を通じて凹部2と回収用流路3の溶液の流れは繋がっているが、捕捉された細胞は微細流路4を通して回収用流路3に移行することはできず、マクロバルブ5を通して回収用流路3に移行することもできない。
【0027】
一方、マイクロバルブ5において、給排気路13を通じて空間12内の空気圧を減圧すると、図2(b)に示すように、ダイヤフラム11が空間12内に引き込まれる形で変形し、隔壁6から離間する。これにより、凹部2と回収用流路3の間にこれらを繋ぐ流路が形成される形になる。この流路の寸法が細胞の寸法に比べて大きければ、凹部2内に捕捉された細胞は、回収用流路3に速やかにリリースされる。
【0028】
以上が本実施形態の細胞捕捉装置の構成であるが、次に、この細胞捕捉装置を用いた細胞捕捉方法について説明する。
【0029】
細胞の捕捉に際しては、例えば組織等から採取された細胞塊を単一細胞に分離する処理を施し、当該処理によって分離された細胞(単一の細胞)を含む細胞溶液を用意し、図3(a)に示すように、各マイクロバルブ5を閉じた状態(図中、マイクロバルブ5に×印が付与されている場合は、マイクロバルブ5が閉じている状態を示す。)で細胞捕捉装置の主流路1に流し込む。主流路1に流し込まれた細胞溶液には分離された細胞Cが含まれており、この細胞Cが溶液の流れにのって図中上方から下方へと移動する。
【0030】
この時、各凹部2には微細流路4が接続されており、この微細流路4を通して溶液が回収用流路3へと流れ込むことから、回収用流路3側から負圧が発生し、溶液中の細胞Cを凹部2内へと引き寄せる。例えば、最も上流側の凹部2Aにおいて細胞Cが凹部2A内へと引き寄せられる。引き寄せられた細胞Cは、微細流路4を介して加わる負圧によって吸着され、凹部2A内に捕捉された状態となる。捕捉された細胞Cは、微細流路4を通して回収用流路3へと移動することはなく、またマイクロバルブ5も閉じられているので、マイクロバルブ5を通して回収用流路3に移動することもない。
【0031】
上流の凹部2Aに1つの細胞Cが捕捉されると、当該凹部2Aに接続される微細流路4が細胞Cによって塞がれ、それ以上細胞Cを引き寄せる力は働かない。また、凹部2Aの大きさは、細胞1個が納まる大きさとされているので、2つ目の細胞Cが凹部2A内に入り込むことはできず、仮に入り込もうとしても、凹部2Aから突出してその大部分が溶液の流れに晒されることになるので、速やかに下流へと流される。
【0032】
下流へと流された細胞Cは、次の凹部(ここでは上から2番目の凹部2B)内に引き寄せられ、凹部2B内に捕捉される。さらに、上から3番目の凹部2Cに細胞Cが捕捉されるというように、次々に凹部2内に細胞Cが捕捉される。図3(b)は各凹部2(ここでは凹部2A〜2C)への細胞Cの捕捉状態を示すものであり、各凹部2にはそれぞれ1個の単一細胞Cが捕捉される。
【0033】
各凹部2A〜2Cに捕捉された細胞Cは、マイクロバルブ5を開放することで、一斉同時リリースが可能である。すなわち、前述のようにして各凹部2A〜2C内に細胞Cを捕捉した後、給排気路13を介して各マイクロバルブ5の空間12内を減圧し、ダイヤフラム11を変形されて開状態とする。これにより、各凹部2A〜2C内の細胞Cは、図3(c)に示すように、各回収用流路3へとリリースされる。回収用流路3は各細胞毎(凹部2毎)に設置されているので、確実に単一細胞の回収が可能になる。また、前記回収用流路3の下流側に遺伝子発現の解析機構や細胞を破砕する処理機構等を設置しておけば、一連の解析処理を集積化することができ、例えばこれをチップ化することで、ハイスループットな分析装置を実現することが可能である。
【0034】
以上のように、本発明の細胞捕捉装置及び細胞捕捉方法によれば、様々なメリットを享受することができる。具体的には、平面流路(主流路1)内に負圧を発生させることによる多量のサンプルからの効率的な捕捉、細胞捕捉部(凹部2)の並列化による同時処理、細胞捕捉部のバルブ化による細胞の捕捉及びリリースの実現、空圧制御のダイヤフラムバルブ(マイクロバルブ5)による操作の簡易化及び迅速化、平面流路構成による細胞観察の容易化、微小流路内で連続的に処理するための他機構との接続性、バルブ化による作製の容易化等である。
【0035】
特に、本発明の細胞捕捉装置では、微細流路4とマイクロバルブ5の組み合わせにより細胞の捕捉、リリースを行うようにしているので、マイクロバルブ5の構造や操作も極めて簡便なものとすることができる。マイクロバルブ5は開閉のみができれば良いからである。例えばマイクロバルブ5のみで細胞の捕捉、リリースを行うことも可能であるが、この場合には、捕捉のための部分開放と、リリースのためのフル開放とが必要になり、マイクロバルブ5の構造や操作が煩雑なものとなる。また、微細流路4のみでは個々の細胞を個別に回収することはできない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用した細胞捕捉装置の一例を模式的に示す概略平面図である。
【図2】マイクロバルブの構成例を示す図であり、(a)は閉状態の概略断面図、(b)は開状態の概略断面図である。
【図3】本発明の細胞捕捉装置による細胞の捕捉及びリリースの様子を模式的に示す図であり、(a)は細胞を捕捉する様子を示す概略平面図、(b)は細胞の捕捉状態を示す概略平面図、(c)は細胞のリリース状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 主流路、2 凹部、3 回収用流路、4 微細流路、5 マイクロバルブ、6 隔壁、11 ダイヤフラム、12 空間、13 給排気路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別に分離された細胞を含む溶液が導入される主流路と、当該主流路の側壁に複数形成される凹部と、前記各凹部に対応して形成される回収用流路とを備え、
前記各凹部と回収用流路は、細胞が通過することのできない微細通路により接続されるとともに、各凹部と回収用流路の間には、外部空気圧により開閉が制御されるバルブ部が設置されていることを特徴とする細胞捕捉装置。
【請求項2】
前記バルブ部は、ダイヤフラムを外部空気圧により変形させることで開閉操作が行われるダイヤフラム方式のマイクロバルブであることを特徴とする請求項1記載の細胞捕捉装置。
【請求項3】
前記凹部は、概ね細胞1個が納まる大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の細胞捕捉装置。
【請求項4】
側壁に複数の凹部が形成された主流路に個別に分離された細胞を含む溶液を導入し、各凹部に接続された微細通路によって発生する負圧を利用して各凹部に細胞を捕捉するとともに、外部空気圧によりバルブ部の開閉を制御することで、捕捉した細胞を回収用流路へリリースすることを特徴とする細胞捕捉方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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