細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラム
【課題】細胞画像の分類についての回答がバラついた順に細胞画像を一覧表示させることが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】中央装置2は、複数の端末装置3から送信された分類項目を、複数の細胞画像それぞれについて取得する。かかる取得の後、中央装置2は、複数の細胞画像を、分類項目の数に基づいてソートし、さらに、分類項目の数が互いに同一の複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいてソートする。かかるソート処理により、観察者によって分類が分かれた細胞画像が上位に位置づけられる。ソート後の細胞画像を表示することで、検討対象となる細胞画像のピックアップが容易になるため、分類方法の議論や啓蒙活動が円滑に行われ得る。
【解決手段】中央装置2は、複数の端末装置3から送信された分類項目を、複数の細胞画像それぞれについて取得する。かかる取得の後、中央装置2は、複数の細胞画像を、分類項目の数に基づいてソートし、さらに、分類項目の数が互いに同一の複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいてソートする。かかるソート処理により、観察者によって分類が分かれた細胞画像が上位に位置づけられる。ソート後の細胞画像を表示することで、検討対象となる細胞画像のピックアップが容易になるため、分類方法の議論や啓蒙活動が円滑に行われ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された複数の端末装置を備える細胞画像表示システム、細胞画像を表示する細胞画像表示装置、細胞画像表示方法およびコンピュータに細胞画像を表示する機能を付与する細胞画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液検査技師の学会や研究会では、血液検査技師によって分類が分かれる血液細胞について、分類方法の議論や啓蒙活動が行われている。血液検査技師からなるサーベイの参加者によって判断された分類項目を集計するシステムとして、以下の特許文献1に記載のシステムが知られている。
【0003】
特許文献1記載のシステムでは、血液標本を撮像して得られたバーチャルスライドを複数の端末装置で表示し、複数の端末装置のそれぞれにおいてサーベイの参加者から血液細胞の分類を受け付け、受け付けた分類結果を中央装置に集約し、中央装置にて集計を行う。集計を実行した中央装置では、複数の血液画像をサムネイル的に一覧表示するとともに、表示されている各血液細胞について、どの分類項目に何人のサーベイの参加者が分類したかを示す表を表示する。特許文献1には、血液画像を一覧表示する順序として、最も回答がバラついた血液画像順に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−157028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1には、血液画像を一覧表示する順序として、最も回答がバラついた血液画像順に表示することが記載されているものの、具体的な技術については何ら記載されていない。
【0006】
本発明は、上記要求に鑑みてなされたものであり、細胞画像の分類についての回答がバラついた順に細胞画像を一覧表示させることが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、中央装置と、該中央装置にネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える細胞画像表示システムに関する。本態様に係る細胞画像表示システムは、複数の細胞画像それぞれについて、前記複数の端末装置において観察者から受け付けた分類項目を蓄積するための蓄積手段を備える。ここで、前記中央装置は、前記複数の細胞画像が、前記蓄積手段により蓄積された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段を備える。
【0008】
本態様に係る細胞画像表示システムによれば、複数の細胞画像が、分類項目の数に応じて並べられ、さらに、分類項目数の数が同じであった細胞画像が、各分類項目に分類した観察者の数に応じて並べられる。こうして並べられた細胞画像が表示されると、分類において観察者の判断が分かれた細胞画像が、順序立てて表示される。よって、観察者の判断
が分かれた細胞画像を容易に識別することができ、かかる細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0009】
なお、前記ソート手段によって並べられた前記細胞画像の表示は、中央装置において行われても良く、あるいは、ネットワークに接続された他の装置において行われても良い。また、この表示が、前記観察者の端末装置において行われても良い。
【0010】
本発明の第2の態様に係る細胞画像表示装置は、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する取得手段と、前記複数の細胞画像が、前記取得手段により取得された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段と、前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段と、を備える。
【0011】
本態様に係る細胞画像表示装置によれば、上記第1の態様に係る細胞画像表示システムと同様、観察者の判断が分かれた細胞画像が順序立てて表示されるため、かかる細胞画像を容易に識別することができ、かかる細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0012】
また、本態様に係る細胞画像表示装置において、前記ソート手段は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート手段と、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート手段と、を備える構成とされ得る。
【0013】
ここで、前記第1ソート手段は、前記分類項目の数の多い順に前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。また、前記第2ソート手段は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りを示す値を算出し、該偏りを示す値に基づいて前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【0014】
なお、前記偏りを示す値は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の分散により求められる構成とされ得る。この場合、前記第2ソート手段は、前記偏りを示す値(分散)が小さい順に前記複数の細胞画像を並べる。こうすると、分散の小さい細胞画像、すなわち、分類判断が各分類項目に亘って平たく分かれ、分類判断がばらついた細胞画像を、ソート結果の上位に位置付けることができる。
【0015】
本態様に係る細胞画像表示装置において、前記細胞画像は、血液細胞画像とされ得る。
【0016】
また、本態様に係る細胞画像表示装置において、前記取得手段は、ネットワークを介して前記分類項目を取得する構成とされ得る。こうすると、複数の観察者から容易に分類項目が取得され得る。
【0017】
本発明の第3の態様に係る細胞画像表示方法は、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得するステップと、前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるステップと、並べられた前記複数の細胞画像を表示するステップと、を有する。
【0018】
本態様に係る細胞画像表示方法によれば、上記第2の態様に係る細胞画像表示装置と同様の効果が奏され得る。
【0019】
また、本態様に係る細胞画像表示方法において、前記細胞画像を並べるステップは、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソートステップと、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソートステップと、を備える構成とされ得る。
【0020】
また、本態様に係る細胞画像表示方法において、前記第2ソートステップは、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【0021】
本発明の第4の態様に係る細胞画像表示プログラムは、コンピュータに、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する機能と、前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べる機能と、並べられた前記複数の細胞画像を表示する機能と、を付与する。
【0022】
本態様に係る細胞画像表示プログラムによれば、上記第2の態様に係る細胞画像表示装置と同様の効果が奏され得る。
【0023】
また、本態様に係る細胞画像表示プログラムにおいて、前記並べる機能は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート機能と、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート機能と、を備える構成とされ得る。
【0024】
また、本態様に係る細胞画像表示プログラムにおいて、前記第2ソート機能は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、本発明によれば、細胞画像の分類についての回答がバラついた順に細胞画像を一覧表示させることが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラムを提供することができる。
【0026】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る細胞画像表示システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る中央装置の回路構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る端末装置の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るサーベイデータと分類項目の送受信の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図6】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図7】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図8】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図9】実施の形態に係るハードディスクに記憶される分類項目を概念的に示す図である。
【図10】実施の形態に係る細胞が分類項目数の多い順および同一分類項目数内でバラつきの大きい順に並べ替えられることを示す図である。
【図11】実施の形態に係る集計結果の生成処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る同一分類項目数内での並べ替えの処理を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る並べ替えにより得られた集計結果の送受信を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態の変更例に係る端末装置側および中央装置側で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態は、血液検査技師からなるサーベイの参加者に血液細胞画像を提示し、かかる血液細胞画像に基づいてサーベイの参加者が判断した細胞の細胞種を受け付け、受け付けた内容を集計し、集計結果をサーベイの参加者に提示する細胞画像表示システムに本発明を適用したものである。
【0029】
なお、サーベイの参加者に提示される血液細胞画像として、複数枚の画像に基づいて作成されたバーチャルスライドが用いられる。バーチャルスライドを作成する際には、まず、光学顕微鏡により撮像された複数枚の同一視野画像から、ピントの合っている画素を抽出し、これらを合成することにより、全体としてピントの合った1つの画像(フォーカス合成画像)を作成する。次に、撮像視野を替えながら、このような処理を繰り返すことで、設定された全範囲においてフォーカス合成画像を作成する。そして、作成されたフォーカス合成画像を並べて、つなぎ目が目立たないようにフォーカス画像同士が互いに重なっている部分を合成する。こうしてバーチャルスライドが完成する。バーチャルスライドについては、米国特許公開第2006/239534に開示されている。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、細胞画像表示システム1の構成を示す図である。細胞画像表示システム1は、図示の如く、中央装置2と、複数の端末装置3から構成されている。中央装置2と端末装置3とは、インターネットに代表されるネットワーク網4を介して、通信可能に接続されている。端末装置3は、サーベイの参加者により個別利用可能なコンピュータである。
【0032】
中央装置2は、細胞の分類についての設問データ(以下、「サーベイデータ」という)を、各端末装置3からの要求に応じて送信する。サーベイの参加者は、端末装置3において、バーチャルスライド上の細胞画像を参照して分類項目を入力する。各端末装置3で入力された分類項目は、中央装置2に送信される。中央装置2は、各端末装置3から送信された分類項目を集計し、集計結果を各端末装置3に送信する。
【0033】
図2は、中央装置2の回路構成を示す図である。
【0034】
中央装置2は、本体200と、入力部210と、表示部220から構成されている。本体200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、R/W装置205と、入出力インターフェース206と、画像出力インターフェース207と、通信インターフェース208を有する。
【0035】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM20
2およびハードディスク204に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0036】
ハードディスク204には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU201に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。すなわち、ハードディスク204には、端末装置3に送信するためのサーベイデータや、端末装置3の要求に応じてHTMLや画像等を提供するプログラム(Webサーバ)や、端末装置3から送信される分類項目を受信して保存するためのプログラムや、保存された分類項目に基づいて集計結果を生成するプログラム等が格納されている。
【0037】
R/W装置205は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができ、また、これらの記録媒体にコンピュータプログラムやデータを書き込むことができる。入出力インターフェース206には、マウスやキーボードからなる入力部210が接続されている。画像出力インターフェース207は、ディスプレイ等で構成された表示部220に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部220に出力する。表示部220は、入力された映像信号をもとに画像を表示する。通信インターフェース208は、ネットワーク網4に接続されている。これにより、中央装置2と各端末装置3とのデータの送受信が可能となっている。
【0038】
図3は、端末装置3の回路構成を示す図である。
【0039】
端末装置3は、中央装置2と同様の構成となっており、本体300と、入力部310と、表示部320から構成されている。本体300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、R/W装置305と、入出力インターフェース306と、画像出力インターフェース307と、通信インターフェース308を有する。
【0040】
端末装置3のハードディスク304には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。すなわち、ハードディスク304には、HTMLや画像等を受信して表示するプログラム(Webブラウザ)等が格納されている。
【0041】
なお、ハードディスク304以外の構成については、中央装置2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
図4は、サーベイデータと分類項目の送受信の手順を示すフローチャートである。同図(a)、(b)は、それぞれ、端末装置3と中央装置2で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
なお、同図(a)における処理は、端末装置3のCPU301により実行されているWebブラウザを介して行われる。同図(b)における処理は、中央装置2のCPU201により実行されているWebサーバを介して行われる。また、同図には、1つの端末装置3と中央装置2との間の処理が示されているが、全ての端末装置3と中央装置2との間で、同様の処理が並行して行われる。
【0044】
同図(a)を参照して、サーベイの参加者が、端末装置3の入力部310を操作して、
中央装置2がWeb上に提供するサーベイ用のホームページにアクセスし、サーベイ開始指示を入力すると、端末装置3のCPU301は、中央装置2にサーベイ開始要求を送信する(S11)。この場合、サーベイ開始要求に加えて、サーベイの参加者を識別するための識別情報(参加者ID)も送信される。続いて、CPU301は、中央装置2からサーベイデータまたは終了画面データを受信するまで処理を待機させる(S12)。
【0045】
同図(b)を参照して、中央装置2のCPU201は、端末装置2からサーベイ開始要求を受信すると(S21:YES)、この端末装置3にサーベイデータを送信する(S22)。この場合、サーベイデータには、設問を識別するための番号(細胞ID)が含まれている。続いて、CPU201は、この端末装置3から分類項目を受信するまで処理を待機させる(S23)。
【0046】
同図(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、中央装置2からサーベイデータまたは終了画面データを受信すると(S12:YES)、処理がS13に進められる。このとき、終了画面データが受信された場合(S13:YES)、処理が終了し、終了画面データが受信されていない場合(サーベイデータが受信された場合)(S13:NO)、
処理がS14に進められる。
【0047】
サーベイデータが受信された場合、CPU301は、受信したサーベイデータに基づいて、端末装置3の表示部320に細胞画像を表示し(S14)、この端末装置3を使用しているサーベイの参加者による分類項目の入力を受け付ける(S15)。サーベイの参加者が、入力した分類項目を送信するための指示を入力すると、CPU301は、通信インターフェース308を介して、入力された分類項目を中央装置2に送信する(S16)。この場合、分類項目に加えて、細胞IDと参加者IDも送信される。しかる後、処理がS12に戻され、CPU201は、サーベイデータまたは終了画面データを受信するまで処理を待機させる(S12)。
【0048】
図5は、端末装置3の表示部320に表示される情報表示画面400を示す例示図である。
【0049】
同図を参照して、情報表示画面400には、画像表示領域410が設定されており、画像表示領域410には、細胞画像が表示される。また、画像表示領域410において、設問の対象となる細胞が枠411により囲まれている。さらに、画像表示領域410には、現在表示中の細胞画像がバーチャルスライドのどのあたりの部分を拡大表示したものであるかが分かるよう、ナビゲータ412が表示される。
【0050】
図5に示す状態から、サーベイの参加者により枠411内が押下されると、図6に示す如く、枠411の周囲には、選択項目表示領域413と選択済項目表示領域414が表示される。選択項目表示領域413には、細胞についての選択可能な分類項目が表示され、選択済項目表示領域414には、この端末装置3のサーベイの参加者により選択された分類項目が表示される。図6の状態では、選択済項目表示領域414はブランクである。
【0051】
図6に示す状態から、この端末装置3のサーベイの参加者により、選択項目表示領域413中の分類項目が押下されると、図7に示す如く、選択済項目表示領域414には、選択された分類項目が表示され、枠411の上部には、進行指示領域415が表示される。進行指示領域415が押下されると、次の設問が表示される。
【0052】
図7に示す状態から、進行指示領域415が押下されると、画像表示領域410には、図8に示す如く、次の細胞画像が表示される。また、進行指示領域415が押下されたタイミングで、選択済表示領域414に表示されている選択された分類項目と、細胞IDと
、参加者IDが、中央装置2に送信される(図4(a)のS16)。
【0053】
なお、図7に示す状態から図8に示す状態へと遷移する際には、画像表示領域410に表示されている細胞画像が、バーチャルスライド上で滑らかに移動するように変化する。これにより、顕微鏡で直接細胞を観察している状況が画面上で表現されるため、サーベイの参加者は、実際に観察を行っているのと同様の臨場感を持って、細胞の分類項目について判断することができる。
【0054】
図4(b)に戻って、中央装置2のCPU201は、端末装置3から分類項目を受信すると(S23:YES)、分類項目をハードディスク204に記憶させる(S24)。この場合、分類項目に加えて、細胞IDと参加者IDも記憶される。続いて、CPU201は、次に表示する設問があるかを判定する(S25)。
【0055】
次に表示する設問があるとき(S25:YES)、CPU201は、次の設問のサーベイデータを端末装置3に送信する(S22)。他方、次に表示する設問がないとき(S25:NO)、すなわち、細胞の分類についての設問が全て終了したとき、CPU201は、終了画面データを端末装置3に送信し(S27)、中央装置2の処理が終了する。
【0056】
図4(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、S12の待機中に、次の設問のサーベイデータを受信すると(S12:YES、S13:NO)、送信されたサーベイデータに基づいて、S14〜S16の処理を行う。他方、CPU301は、中央装置2から終了画面データを受信すると(S12:YES、S13:YES)、端末装置3の処理が終了する。
【0057】
なお、上記の端末装置3は、戻ることなく細胞画像を表示し、選択された分類項目を中央装置2に送信したが、図5〜8の情報表示画面400に、進むボタンと戻るボタンを設けて、サーベイの参加者の指示により、既に回答した設問間で表示を進めたり戻したりできるようにしても良い。この場合、既に回答した設問が表示されると、その設問の細胞画像が画像表示領域410に表示され、既に回答した分類項目が選択済項目表示領域414に表示される。また、選択項目表示領域413に、枠411で囲まれた細胞についての選択可能な分類項目が表示され、参加者は、適宜、分類項目の訂正を行える。このときに、進行表示領域415が押下されて再度分類項目が中央装置2に送信されると、中央装置2のCPU201は、受け付けた分類項目を既に記憶した内容に上書きする。
【0058】
また、中央装置2には、上記のように端末装置3から中央装置2にサーベイ開始要求を送信してサーベイデータを受信することができる期間が設定されている。すなわち、この期間が終了すると、中央装置2と端末装置3との間でサーベイデータの送受信は行われなくなる。
【0059】
図9は、図4(b)のS24において、ハードディスク204に記憶される分類項目を概念的に示す表である。
【0060】
同図において、左端の列(縦方向)は、参加者ID(P01、P02、P03、…)を表し、上端の行(横方向)は、細胞の分類についての各設問に対応する細胞ID(C001、C002、C003、…)を表している。
【0061】
各エリアには、サーベイの参加者が回答した分類項目が表示されている。例えば、参加者IDがP01であるサーベイの参加者が、細胞IDがC001である設問について、分類項目“Mono”と回答したことが分かる。CPU201は、図9の表に基づいて、各細胞について参加者により選択がなされた分類項目を特定し、さらに、特定した各分類項
目に対応する参加者の人数をカウントする。
【0062】
図10(a)は、ハードディスク204に記憶されている分類項目に基づいて、各細胞について回答された分類項目と、各分類項目を選択した参加者の人数を示す表である。同図(a)の表は、細胞ID順に並べられている。なお、この表の元となる分類項目は、図9の分類項目と別のものであり、細胞IDがC001〜C006までの6個となっている。また、図10(a)には、細胞IDに対応する細胞画像が、合わせて表示されている。
【0063】
図10(a)に示すように、細胞ごとに回答された分類項目数には、バラつきが生じている。たとえば、細胞IDがC002である設問では、サーベイの参加者が回答した分類項目は全て“Lymph”であるが、細胞IDがC004である設問では、サーベイの参加者が回答した分類項目は4つに分かれている。回答された分類項目にバラつきを生じた細胞については、分類についての議論の余地があり、今後検査技師等の間で検討の啓蒙活動が行われるのが好ましい。
【0064】
そこで、本実施の形態では、図10(a)のように、回答された分類項目にバラつきがある場合、よりバラつきが大きい細胞順に並べ替えられるようにする。こうすると、多くの細胞の中からバラつきの大きい細胞を容易にピックアップすることができ、今後の啓蒙活動を円滑に行うことができる。
【0065】
図11(a)は、集計結果の生成処理を示すフローチャートである。なお、この集計結果の生成処理は、中央装置2に設定されたサーベイデータの送受信が可能な期間が終了した後に、自動で、または、操作者からの指示入力により行われる。
【0066】
中央装置2のCPU201は、STEP1として、ハードディスク204に記憶されている分類項目を、分類項目数の多い順に並べ替える(S101)。例えば、図10(a)において、細胞IDがC001〜C006の細胞の分類項目数は、それぞれ、2、1、3、4、2、4である。この分類項目数が多い順に細胞が並べ替えられて、図10(b)のようになる。この場合、同じ分類項目数の細胞については、元の並び順(細胞ID順)が維持される。
【0067】
続いて、CPU201は、STEP2として、“同一分類項目数内での並べ替え”の処理を行う(S102)。すなわち、分類項目数が同じである細胞について、各分類項目数の人数のバラつきの大きい順に並べ替えが行われる。例えば、図10(b)において、分類項目数が等しい細胞IDは、C004とC006、および、C001とC005である。この4つの細胞について、後述するバラつきを示すVarをそれぞれ算出し、このVarの値が小さい順に細胞が並べ替えられる。これにより、細胞IDがC004とC006の順序、および、細胞IDがC001とC005の順序が、それぞれ入れ替えられて、図10(c)のようになる。この場合、同じVarの値である細胞については、図10(b)の並び順が維持される。
【0068】
図12は、“同一分類項目数内での並べ替え”の処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、CPU201は、図10(b)に示す状態において、上から何番目に表示されている細胞かを示す変数iの値に1をセットする(S201)。続いて、i行目の細胞の分類項目数kind_numが、2以上存在するかが判定される(S202)。分類項目数kind_numが0または1であると(S202:NO)、処理が終了する。他方、分類項目数kind_numが2以上であると(S202:YES)、CPU201は、分類項目数kind_numと等しい細胞の個数(num)を取得する(S203)。例えば、図10(b)において、iの値が1であるとき、1行目にある細胞と同じ分類項目数(4個)である細胞は、1行目と2
行目に合計2つ存在するので、numの値は2となる。
【0070】
続いて、CPU201は、S203で取得したnumの値が1より大きいと判定すると(S204:YES)、図10(b)に示す状態から、さらにバラつきによって並べ替えが行われる必要があるため、処理をS205に進める。他方、CPU201は、S203で取得したnumの値が1以下であると判定すると(S204:NO)、iの値を1増やし(S206)、処理をS202に戻す。なお、S204においてNOと判定された行には、図10(b)のC003とC002におけるVarの項目に示すように、“−”が示されている。
【0071】
次に、CPU201は、S205〜S210において、同一分類項目数である細胞の並べ替えを行う。まず、CPU201は、i行目を基準として下方向に移動した行数を示す変数kの値に1をセットする(S205)。続いて、CPU201は、kの値がnum以下であると判定すると(S207:YES)、“分散算出”の処理を行い(S208)、kの値を1増やして(S209)、処理をS207に戻す。
【0072】
図11(b)は、“分散算出”の処理を示すフローチャートである。
【0073】
まず、CPU201は、参照中の細胞における分類項目の人数の平均Eを取得する(S301)。すなわち、(i+k−1)行目の細胞において、上からj番目の分類項目の人数をsub_num(i+k-1,j)と表すと、分類項目数はkind_numであるから、平均Eの値は次式から求められる。
【0074】
【数1】
【0075】
式(1)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、式(1)の右辺の分子は、1行目の細胞の1〜4番目までの分類項目の人数の合計を表している。よって、この場合の平均Eの値は、(15+2+2+1)/4により、5となる。
【0076】
次に、CPU201は、参照中の細胞における分類項目の人数の分散Varを取得する(S302)。すなわち、(i+k−1)行目の細胞において、分散Varの値は次式から求められる。
【0077】
【数2】
【0078】
式(2)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、(1)式で算出された平均E(=5)を用いて、この場合の分散Varの値は、(15−5)2+(2−5)2+(2−5)2+(1−5)2により、134となる。
【0079】
こうして、“分散算出”の処理が終了する。
【0080】
図12に戻って、S208の“分散算出”の処理が、kの値が1からnumに至るまでの間行われる。これにより、分類項目数が同一のi行目の細胞から(i+num−1)行目の各細胞について、分散Varが取得される。
【0081】
CPU201は、kの値がnumより大きいと判定すると(S207:NO)、同一分類項目数である細胞について、S208で得られた各細胞の分散Varの小さい順に並べ替えを行う(S210)。続いて、CPU201は、iの値にnumを加算する(S211)。これにより、図10(b)の表において、分類項目数kind_numが等しい細胞のグループの次の細胞の行に、iが設定される。こうして処理がS202に戻され、S202においてNOと判定されるまで処理が繰り返される。
【0082】
なお、図10(b)の状態では、既に分類項目数が多い順に並べ替えが行われているため、S202において分類項目数kind_numが1の行に到達すると、その行以降の行は全て分類項目数kind_numが1である。これらの行については、分類項目のバラつきによる並べ替えは不要(バラつき無し)であるため、上記のようにS202においてNOと判定されて処理が終了する。また、S206またはS211でiが設定された結果、S202において参照する細胞がない場合は、分類項目数kind_numは0である。この場合も、S202においてNOと判定されて処理が終了する。
【0083】
このように、図11(a)のSTEP1とSTEP2により、2段階の並べ替えが行われて得られた細胞の一覧(たとえば、図10(c))が、CPU201により集計結果としてハードディスク204に保存される。かかる集計結果は、適宜、操作者が中央装置2の入力部210を操作することにより、表示部220に表示される。この場合、たとえば、図10(c)に示すような画面が表示される。細胞の数が多く一画面に収まりきらない場合には、適宜スクロールバーが追加され、スクロールバーが操作されることで、図10(c)に示す集計結果が、細胞毎に、スクロールされる。
【0084】
図13は、並べ替えにより得られた集計結果の送受信を示すフローチャートである。同図(a)、(b)は、それぞれ、端末装置3での処理手順と中央装置2での処理手順を示すフローチャートである。
【0085】
なお、ここでも、同図(a)における処理は、端末装置3のCPU301により実行されているWebブラウザを介して行われ、同図(b)における処理は、中央装置2のCPU201により実行されているWebサーバを介して行われる。また、以下の処理は、全ての端末装置3と中央装置2との間で、並行して行われる。また、以下の集計結果の送受
信の処理は、中央装置2による上記の集計結果の生成が終了した後に行われる。
【0086】
同図(a)を参照して、サーベイの参加者が端末装置3の入力部310を操作して、中央装置2がWeb上に提供するサーベイ用のホームページにアクセスし、サーベイの集計結果の送信要求を入力すると、端末装置3のCPU301は、中央装置2に集計結果の要求を送信する(S31)。続いて、CPU301は、中央装置2から集計結果を受信するまで処理を待機させる(S32)。
【0087】
同図(b)を参照して、中央装置2のCPU201は、端末装置3から集計結果の要求を受信すると(S41:YES)、この端末装置3に集計結果を送信する(S42)。こうして、中央装置2の処理が終了する。
【0088】
同図(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、中央装置2から集計結果を受信すると(S32:YES)、表示部320に集計結果を表示する(S33)。これにより、たとえば、図10(c)のような画面が表示される。こうして、端末装置3の処理が終了する。
【0089】
以上、本実施の形態によれば、図10(a)に示すように分類項目数にバラつきのある細胞が、図10(b)に示すように分類項目数の多い順に並べ替えられる。すなわち、サーベイの参加者による分類判断が多く分かれた細胞が、並べ替えにより上位に位置付けられる。これにより、分類判断が多く分かれた細胞が、集計結果の中に埋もれることなく容易に取り上げられるため、分類判断が多く分かれた細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、図10(b)において分類項目数が同じであった細胞が、図10(c)に示すように各分類項目の人数のバラつきの大きい順に並べ替えられる。すなわち、特定の分類項目に大半の人数が偏った細胞よりも、各分類項目に人数がバラついた細胞の方が、上位に位置付けられる。これにより、分類についての議論がより必要とされる細胞が、容易に取り上げられ得る。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0092】
たとえば、上記実施の形態では、サーベイの参加者に血液細胞画像が提示されたが、これに限らず、血液細胞画像以外の他の細胞画像、例えば、病理画像であっても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、図11(a)のS101とS102に示すように、分類項目数の多い順に並べ替え(STEP1)が行われた後、分散Varに基づいて同一分類項目数内での並べ替え(STEP2)が行われたが、これに限らず、STEP2が行われた後、STEP1が行われるようにしても良い。
【0094】
また、上記実施の形態では、図12に示すように、分類項目数が同じである細胞についてのみ分散Varが算出されたが、これに限らず、全ての細胞について分散Varが算出されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(a)の集計結果に対し、分散Varによる1次ソートを行って並べ替えた後に、分類項目数による2次ソートを行って図10(c)の状態に並べ替えが行われる。
【0095】
また、上記実施の形態では、“分散算出”の処理において、図11(b)のS301とS302に示すように平均Eと分散Varが算出されたが、これに限らず、S301とS
302に替えて、次式に示すバラつきVar'が算出されるようにしても良い。
【0096】
【数3】
【0097】
式(3)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、バラつきVar’の値は、152+22+22+12により、234となる。この場合、得られたVar'に基づいて、図12のS210で、同一分類項目数である細胞につい
て、バラつきVar’の小さい順に並べ替えを行う。
【0098】
また、上記実施の形態では、分類項目数の多い順、かつ、分類項目数が同じ場合には、各分類項目の人数のバラつきの大きい順に並べ替えているが、分類項目数の少ない順、かつ、分類項目数が同じ場合には、各分類項目の人数のバラつきの小さい順に並べ替えてもよい。これにより、分類についての議論の余地のない細胞が、容易に取り上げられ得る。
【0099】
また、上記実施の形態では、端末装置3との間で行う情報の送受信と、端末装置3から受信した分類項目の記憶と、図11(a)に示すSTEP1と、STEP2は、全て中央装置2において行われたが、これに限らず、複数の装置においてこれらの処理が分散して行われるようにしても良い。
【0100】
また、上記実施の形態では、中央装置2に設定されたサーベイデータの送受信が可能な期間が終了した後に、集計結果の生成処理が行われたが、これに限らず、サーベイデータの送受信が可能な期間が終了する前に、分類項目が記憶される度に、集計結果の生成処理が行われるようにしても良い。この場合、集計結果の生成処理が一度でも行われれば、図13に示した集計結果の送受信が行われるようにしても良い。
【0101】
また、上記実施の形態では、中央装置2と端末装置3との間で送信される情報は、ネットワーク網4を介して送信されたが、これに限らず、情報が記録された記憶媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、CDまたはDVD等)が、中央装置2と端末装置との間で郵送により送られるようにしても良い。または、郵送に替えて、通信ネットワーク網4を介した電子メールにより情報が送信されるようにしても良い。
【0102】
図14(a)、(b)は、情報が記録された記憶媒体が郵送により送られる場合に、それぞれ、端末装置3側と中央装置2側で行われる手順を示すフローチャートである。なお、同図には、1つの端末装置3と中央装置2との間の処理が示されているが、全ての端末装置3と中央装置2との間で、同様の処理が並行して行われる。
【0103】
図14(b)を参照して、まず、中央装置2側の操作者により、中央装置2のハードディスク204に用意されたサーベイデータが、R/W装置205にセットされた記録媒体に書き込まれる。中央装置2側の操作者は、この記録媒体をサーベイの参加者全員に郵送する(S61)。なお、この場合のサーベイデータには、細胞の分類についての設問データを表示し、入力された分類項目をデータとして保存するプログラムが含まれている。具体的には、バーチャルスライドのデータと、バーチャルスライドを用いて図5〜図8に示すように設問を表示するためのプログラムと、図7に示す進行指示領域415が押下され
ると、選択された分類項目を図9の一つの行(横方向)に示すようなデータ(ファイル)として保存するためのプログラムが含まれている。
【0104】
図14(a)を参照して、サーベイの参加者は、中央装置2から郵送によりサーベイデータが書き込まれた記録媒体を受け取ると、この記録媒体を端末装置3のR/W装置305にセットする(S51:YES)。これにより、サーベイデータがハードディスク304に書き込まれる。続いて、サーベイの参加者は、端末装置3上でサーベイデータに含まれるプログラムを実行する。このプログラムが端末装置3上で実行されると、端末装置3のCPU301は、上記実施の形態で示した図5〜図8と同様の画面構成を表示部320に表示する(S52)。
【0105】
続いて、CPU301は、各設問の分類項目を上記実施の形態と同様に受け付けて(S53)、サーベイの参加者により選択された分類項目が、端末装置3のハードディスク304上にデータ(ファイル)として保存される。全ての設問についての分類項目がデータに保存されると、サーベイの参加者は、R/W装置305に記録媒体をセットし、ハードディスク304に保存された分類項目のデータ(ファイル)を記録媒体に書き込んで、この記録媒体を中央装置2側に郵送する(S54)。この場合、分類項目が保存されたデータに加えて、サーベイの参加者を識別するための識別情報(参加者ID)も郵送される。識別情報(参加者ID)は、分類項目のデータ(ファイル)に含まれても良い。
【0106】
図14(b)を参照して、中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者から郵送により分類項目のデータ(ファイル)が記録された記録媒体を受け取ると(S62:YES)、R/W装置205を介してこの記録媒体からデータ(ファイル)を読み出し、ハードディスク204内の所定の場所に記憶させる(S63)。中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取ると(S64)、処理をS65に進める。なお、中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者から郵送される分類項目のデータ(ファイル)の受付期間を設定しており、この期間が終了した場合も、処理をS65に進めるようにする。
【0107】
続いて、中央装置側の操作者は、入力部210を操作して、ハードディスク204に格納された、分類項目を取得するためのプログラムを起動させる。CPU201は、このプログラムを介して、ハードディスク204の所定の場所に記憶された分類項目のデータ(ファイル)から分類項目を抽出し、図9に示すような一覧を取得する(S65)。S66、S67では、S65で取得された一覧に基づいて、上記実施の形態で示した図11(a)のS101、S102と同様の処理が行われる。
【0108】
なお、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取る前に、それまでに受け取ったデータ(ファイル)から抽出した分類項目に基づいて、逐一S66、S67の処理が行われるようにしても良い。こうすると、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取る前に、図10(c)のような集計結果を取得することができる。
【0109】
また、図9のような一覧を構成せずに、ハードディスク204の所定の場所に記憶された分類項目のデータ(ファイル)を順次参照しつつ、図10(a)のように各細胞画像の分類項目数と人数を順次取得し、図11(a)のS101、102により、細胞画像の並べ替えを行っても良い。
【0110】
次に、中央装置2側の操作者は、図10(c)のような集計結果を記録媒体に書き込み、分類項目のデータ(ファイル)を受け取ったサーベイの参加者に対して、この記録媒体を郵送により送る(S68)。こうして、中央装置2の処理が終了する。
【0111】
図14(a)を参照して、サーベイの参加者は、中央装置2から郵送により集計結果が記憶された記録媒体を受け取ると(S55:YES)、R/W装置305を介して集計結果を読み込ませ、集計結果を端末装置3の表示部320に表示させる(S56)。これにより、たとえば、図10(c)に示すような画面が表示される。こうして、端末装置3の処理が終了する。
【0112】
なお、このように郵送により情報を送る手順は、上記実施の形態で示したような通信ネットワーク4を介して行われる送受信と併用されるようにしても良い。また、上記サーベイデータは、記録媒体を郵送することにより中央装置2側から端末装置1側に受け渡される以外に、中央装置2からネットワークを介してダウンロードされることで、端末装置1に受け渡されるようにしても良い。
【0113】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 … 細胞画像表示システム
2 … 中央装置(細胞画像表示装置)
3 … 端末装置
4 … ネットワーク網(ネットワーク)
204 … ハードディスク(蓄積手段、取得手段)
208 … 通信インターフェース(取得手段)
220 … 表示部(表示手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された複数の端末装置を備える細胞画像表示システム、細胞画像を表示する細胞画像表示装置、細胞画像表示方法およびコンピュータに細胞画像を表示する機能を付与する細胞画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液検査技師の学会や研究会では、血液検査技師によって分類が分かれる血液細胞について、分類方法の議論や啓蒙活動が行われている。血液検査技師からなるサーベイの参加者によって判断された分類項目を集計するシステムとして、以下の特許文献1に記載のシステムが知られている。
【0003】
特許文献1記載のシステムでは、血液標本を撮像して得られたバーチャルスライドを複数の端末装置で表示し、複数の端末装置のそれぞれにおいてサーベイの参加者から血液細胞の分類を受け付け、受け付けた分類結果を中央装置に集約し、中央装置にて集計を行う。集計を実行した中央装置では、複数の血液画像をサムネイル的に一覧表示するとともに、表示されている各血液細胞について、どの分類項目に何人のサーベイの参加者が分類したかを示す表を表示する。特許文献1には、血液画像を一覧表示する順序として、最も回答がバラついた血液画像順に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−157028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1には、血液画像を一覧表示する順序として、最も回答がバラついた血液画像順に表示することが記載されているものの、具体的な技術については何ら記載されていない。
【0006】
本発明は、上記要求に鑑みてなされたものであり、細胞画像の分類についての回答がバラついた順に細胞画像を一覧表示させることが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、中央装置と、該中央装置にネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える細胞画像表示システムに関する。本態様に係る細胞画像表示システムは、複数の細胞画像それぞれについて、前記複数の端末装置において観察者から受け付けた分類項目を蓄積するための蓄積手段を備える。ここで、前記中央装置は、前記複数の細胞画像が、前記蓄積手段により蓄積された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段を備える。
【0008】
本態様に係る細胞画像表示システムによれば、複数の細胞画像が、分類項目の数に応じて並べられ、さらに、分類項目数の数が同じであった細胞画像が、各分類項目に分類した観察者の数に応じて並べられる。こうして並べられた細胞画像が表示されると、分類において観察者の判断が分かれた細胞画像が、順序立てて表示される。よって、観察者の判断
が分かれた細胞画像を容易に識別することができ、かかる細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0009】
なお、前記ソート手段によって並べられた前記細胞画像の表示は、中央装置において行われても良く、あるいは、ネットワークに接続された他の装置において行われても良い。また、この表示が、前記観察者の端末装置において行われても良い。
【0010】
本発明の第2の態様に係る細胞画像表示装置は、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する取得手段と、前記複数の細胞画像が、前記取得手段により取得された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段と、前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段と、を備える。
【0011】
本態様に係る細胞画像表示装置によれば、上記第1の態様に係る細胞画像表示システムと同様、観察者の判断が分かれた細胞画像が順序立てて表示されるため、かかる細胞画像を容易に識別することができ、かかる細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0012】
また、本態様に係る細胞画像表示装置において、前記ソート手段は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート手段と、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート手段と、を備える構成とされ得る。
【0013】
ここで、前記第1ソート手段は、前記分類項目の数の多い順に前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。また、前記第2ソート手段は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りを示す値を算出し、該偏りを示す値に基づいて前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【0014】
なお、前記偏りを示す値は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の分散により求められる構成とされ得る。この場合、前記第2ソート手段は、前記偏りを示す値(分散)が小さい順に前記複数の細胞画像を並べる。こうすると、分散の小さい細胞画像、すなわち、分類判断が各分類項目に亘って平たく分かれ、分類判断がばらついた細胞画像を、ソート結果の上位に位置付けることができる。
【0015】
本態様に係る細胞画像表示装置において、前記細胞画像は、血液細胞画像とされ得る。
【0016】
また、本態様に係る細胞画像表示装置において、前記取得手段は、ネットワークを介して前記分類項目を取得する構成とされ得る。こうすると、複数の観察者から容易に分類項目が取得され得る。
【0017】
本発明の第3の態様に係る細胞画像表示方法は、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得するステップと、前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるステップと、並べられた前記複数の細胞画像を表示するステップと、を有する。
【0018】
本態様に係る細胞画像表示方法によれば、上記第2の態様に係る細胞画像表示装置と同様の効果が奏され得る。
【0019】
また、本態様に係る細胞画像表示方法において、前記細胞画像を並べるステップは、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソートステップと、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソートステップと、を備える構成とされ得る。
【0020】
また、本態様に係る細胞画像表示方法において、前記第2ソートステップは、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【0021】
本発明の第4の態様に係る細胞画像表示プログラムは、コンピュータに、複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する機能と、前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べる機能と、並べられた前記複数の細胞画像を表示する機能と、を付与する。
【0022】
本態様に係る細胞画像表示プログラムによれば、上記第2の態様に係る細胞画像表示装置と同様の効果が奏され得る。
【0023】
また、本態様に係る細胞画像表示プログラムにおいて、前記並べる機能は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート機能と、前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート機能と、を備える構成とされ得る。
【0024】
また、本態様に係る細胞画像表示プログラムにおいて、前記第2ソート機能は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる構成とされ得る。
【発明の効果】
【0025】
以上のとおり、本発明によれば、細胞画像の分類についての回答がバラついた順に細胞画像を一覧表示させることが可能な細胞画像表示システム、細胞画像表示装置、細胞画像表示方法および細胞画像表示プログラムを提供することができる。
【0026】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る細胞画像表示システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る中央装置の回路構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る端末装置の回路構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るサーベイデータと分類項目の送受信の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図6】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図7】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図8】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される情報表示画面を示す例示図である。
【図9】実施の形態に係るハードディスクに記憶される分類項目を概念的に示す図である。
【図10】実施の形態に係る細胞が分類項目数の多い順および同一分類項目数内でバラつきの大きい順に並べ替えられることを示す図である。
【図11】実施の形態に係る集計結果の生成処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る同一分類項目数内での並べ替えの処理を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る並べ替えにより得られた集計結果の送受信を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態の変更例に係る端末装置側および中央装置側で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施の形態は、血液検査技師からなるサーベイの参加者に血液細胞画像を提示し、かかる血液細胞画像に基づいてサーベイの参加者が判断した細胞の細胞種を受け付け、受け付けた内容を集計し、集計結果をサーベイの参加者に提示する細胞画像表示システムに本発明を適用したものである。
【0029】
なお、サーベイの参加者に提示される血液細胞画像として、複数枚の画像に基づいて作成されたバーチャルスライドが用いられる。バーチャルスライドを作成する際には、まず、光学顕微鏡により撮像された複数枚の同一視野画像から、ピントの合っている画素を抽出し、これらを合成することにより、全体としてピントの合った1つの画像(フォーカス合成画像)を作成する。次に、撮像視野を替えながら、このような処理を繰り返すことで、設定された全範囲においてフォーカス合成画像を作成する。そして、作成されたフォーカス合成画像を並べて、つなぎ目が目立たないようにフォーカス画像同士が互いに重なっている部分を合成する。こうしてバーチャルスライドが完成する。バーチャルスライドについては、米国特許公開第2006/239534に開示されている。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、細胞画像表示システム1の構成を示す図である。細胞画像表示システム1は、図示の如く、中央装置2と、複数の端末装置3から構成されている。中央装置2と端末装置3とは、インターネットに代表されるネットワーク網4を介して、通信可能に接続されている。端末装置3は、サーベイの参加者により個別利用可能なコンピュータである。
【0032】
中央装置2は、細胞の分類についての設問データ(以下、「サーベイデータ」という)を、各端末装置3からの要求に応じて送信する。サーベイの参加者は、端末装置3において、バーチャルスライド上の細胞画像を参照して分類項目を入力する。各端末装置3で入力された分類項目は、中央装置2に送信される。中央装置2は、各端末装置3から送信された分類項目を集計し、集計結果を各端末装置3に送信する。
【0033】
図2は、中央装置2の回路構成を示す図である。
【0034】
中央装置2は、本体200と、入力部210と、表示部220から構成されている。本体200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、R/W装置205と、入出力インターフェース206と、画像出力インターフェース207と、通信インターフェース208を有する。
【0035】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM20
2およびハードディスク204に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0036】
ハードディスク204には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU201に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。すなわち、ハードディスク204には、端末装置3に送信するためのサーベイデータや、端末装置3の要求に応じてHTMLや画像等を提供するプログラム(Webサーバ)や、端末装置3から送信される分類項目を受信して保存するためのプログラムや、保存された分類項目に基づいて集計結果を生成するプログラム等が格納されている。
【0037】
R/W装置205は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができ、また、これらの記録媒体にコンピュータプログラムやデータを書き込むことができる。入出力インターフェース206には、マウスやキーボードからなる入力部210が接続されている。画像出力インターフェース207は、ディスプレイ等で構成された表示部220に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部220に出力する。表示部220は、入力された映像信号をもとに画像を表示する。通信インターフェース208は、ネットワーク網4に接続されている。これにより、中央装置2と各端末装置3とのデータの送受信が可能となっている。
【0038】
図3は、端末装置3の回路構成を示す図である。
【0039】
端末装置3は、中央装置2と同様の構成となっており、本体300と、入力部310と、表示部320から構成されている。本体300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ハードディスク304と、R/W装置305と、入出力インターフェース306と、画像出力インターフェース307と、通信インターフェース308を有する。
【0040】
端末装置3のハードディスク304には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータが格納されている。すなわち、ハードディスク304には、HTMLや画像等を受信して表示するプログラム(Webブラウザ)等が格納されている。
【0041】
なお、ハードディスク304以外の構成については、中央装置2と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
図4は、サーベイデータと分類項目の送受信の手順を示すフローチャートである。同図(a)、(b)は、それぞれ、端末装置3と中央装置2で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
なお、同図(a)における処理は、端末装置3のCPU301により実行されているWebブラウザを介して行われる。同図(b)における処理は、中央装置2のCPU201により実行されているWebサーバを介して行われる。また、同図には、1つの端末装置3と中央装置2との間の処理が示されているが、全ての端末装置3と中央装置2との間で、同様の処理が並行して行われる。
【0044】
同図(a)を参照して、サーベイの参加者が、端末装置3の入力部310を操作して、
中央装置2がWeb上に提供するサーベイ用のホームページにアクセスし、サーベイ開始指示を入力すると、端末装置3のCPU301は、中央装置2にサーベイ開始要求を送信する(S11)。この場合、サーベイ開始要求に加えて、サーベイの参加者を識別するための識別情報(参加者ID)も送信される。続いて、CPU301は、中央装置2からサーベイデータまたは終了画面データを受信するまで処理を待機させる(S12)。
【0045】
同図(b)を参照して、中央装置2のCPU201は、端末装置2からサーベイ開始要求を受信すると(S21:YES)、この端末装置3にサーベイデータを送信する(S22)。この場合、サーベイデータには、設問を識別するための番号(細胞ID)が含まれている。続いて、CPU201は、この端末装置3から分類項目を受信するまで処理を待機させる(S23)。
【0046】
同図(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、中央装置2からサーベイデータまたは終了画面データを受信すると(S12:YES)、処理がS13に進められる。このとき、終了画面データが受信された場合(S13:YES)、処理が終了し、終了画面データが受信されていない場合(サーベイデータが受信された場合)(S13:NO)、
処理がS14に進められる。
【0047】
サーベイデータが受信された場合、CPU301は、受信したサーベイデータに基づいて、端末装置3の表示部320に細胞画像を表示し(S14)、この端末装置3を使用しているサーベイの参加者による分類項目の入力を受け付ける(S15)。サーベイの参加者が、入力した分類項目を送信するための指示を入力すると、CPU301は、通信インターフェース308を介して、入力された分類項目を中央装置2に送信する(S16)。この場合、分類項目に加えて、細胞IDと参加者IDも送信される。しかる後、処理がS12に戻され、CPU201は、サーベイデータまたは終了画面データを受信するまで処理を待機させる(S12)。
【0048】
図5は、端末装置3の表示部320に表示される情報表示画面400を示す例示図である。
【0049】
同図を参照して、情報表示画面400には、画像表示領域410が設定されており、画像表示領域410には、細胞画像が表示される。また、画像表示領域410において、設問の対象となる細胞が枠411により囲まれている。さらに、画像表示領域410には、現在表示中の細胞画像がバーチャルスライドのどのあたりの部分を拡大表示したものであるかが分かるよう、ナビゲータ412が表示される。
【0050】
図5に示す状態から、サーベイの参加者により枠411内が押下されると、図6に示す如く、枠411の周囲には、選択項目表示領域413と選択済項目表示領域414が表示される。選択項目表示領域413には、細胞についての選択可能な分類項目が表示され、選択済項目表示領域414には、この端末装置3のサーベイの参加者により選択された分類項目が表示される。図6の状態では、選択済項目表示領域414はブランクである。
【0051】
図6に示す状態から、この端末装置3のサーベイの参加者により、選択項目表示領域413中の分類項目が押下されると、図7に示す如く、選択済項目表示領域414には、選択された分類項目が表示され、枠411の上部には、進行指示領域415が表示される。進行指示領域415が押下されると、次の設問が表示される。
【0052】
図7に示す状態から、進行指示領域415が押下されると、画像表示領域410には、図8に示す如く、次の細胞画像が表示される。また、進行指示領域415が押下されたタイミングで、選択済表示領域414に表示されている選択された分類項目と、細胞IDと
、参加者IDが、中央装置2に送信される(図4(a)のS16)。
【0053】
なお、図7に示す状態から図8に示す状態へと遷移する際には、画像表示領域410に表示されている細胞画像が、バーチャルスライド上で滑らかに移動するように変化する。これにより、顕微鏡で直接細胞を観察している状況が画面上で表現されるため、サーベイの参加者は、実際に観察を行っているのと同様の臨場感を持って、細胞の分類項目について判断することができる。
【0054】
図4(b)に戻って、中央装置2のCPU201は、端末装置3から分類項目を受信すると(S23:YES)、分類項目をハードディスク204に記憶させる(S24)。この場合、分類項目に加えて、細胞IDと参加者IDも記憶される。続いて、CPU201は、次に表示する設問があるかを判定する(S25)。
【0055】
次に表示する設問があるとき(S25:YES)、CPU201は、次の設問のサーベイデータを端末装置3に送信する(S22)。他方、次に表示する設問がないとき(S25:NO)、すなわち、細胞の分類についての設問が全て終了したとき、CPU201は、終了画面データを端末装置3に送信し(S27)、中央装置2の処理が終了する。
【0056】
図4(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、S12の待機中に、次の設問のサーベイデータを受信すると(S12:YES、S13:NO)、送信されたサーベイデータに基づいて、S14〜S16の処理を行う。他方、CPU301は、中央装置2から終了画面データを受信すると(S12:YES、S13:YES)、端末装置3の処理が終了する。
【0057】
なお、上記の端末装置3は、戻ることなく細胞画像を表示し、選択された分類項目を中央装置2に送信したが、図5〜8の情報表示画面400に、進むボタンと戻るボタンを設けて、サーベイの参加者の指示により、既に回答した設問間で表示を進めたり戻したりできるようにしても良い。この場合、既に回答した設問が表示されると、その設問の細胞画像が画像表示領域410に表示され、既に回答した分類項目が選択済項目表示領域414に表示される。また、選択項目表示領域413に、枠411で囲まれた細胞についての選択可能な分類項目が表示され、参加者は、適宜、分類項目の訂正を行える。このときに、進行表示領域415が押下されて再度分類項目が中央装置2に送信されると、中央装置2のCPU201は、受け付けた分類項目を既に記憶した内容に上書きする。
【0058】
また、中央装置2には、上記のように端末装置3から中央装置2にサーベイ開始要求を送信してサーベイデータを受信することができる期間が設定されている。すなわち、この期間が終了すると、中央装置2と端末装置3との間でサーベイデータの送受信は行われなくなる。
【0059】
図9は、図4(b)のS24において、ハードディスク204に記憶される分類項目を概念的に示す表である。
【0060】
同図において、左端の列(縦方向)は、参加者ID(P01、P02、P03、…)を表し、上端の行(横方向)は、細胞の分類についての各設問に対応する細胞ID(C001、C002、C003、…)を表している。
【0061】
各エリアには、サーベイの参加者が回答した分類項目が表示されている。例えば、参加者IDがP01であるサーベイの参加者が、細胞IDがC001である設問について、分類項目“Mono”と回答したことが分かる。CPU201は、図9の表に基づいて、各細胞について参加者により選択がなされた分類項目を特定し、さらに、特定した各分類項
目に対応する参加者の人数をカウントする。
【0062】
図10(a)は、ハードディスク204に記憶されている分類項目に基づいて、各細胞について回答された分類項目と、各分類項目を選択した参加者の人数を示す表である。同図(a)の表は、細胞ID順に並べられている。なお、この表の元となる分類項目は、図9の分類項目と別のものであり、細胞IDがC001〜C006までの6個となっている。また、図10(a)には、細胞IDに対応する細胞画像が、合わせて表示されている。
【0063】
図10(a)に示すように、細胞ごとに回答された分類項目数には、バラつきが生じている。たとえば、細胞IDがC002である設問では、サーベイの参加者が回答した分類項目は全て“Lymph”であるが、細胞IDがC004である設問では、サーベイの参加者が回答した分類項目は4つに分かれている。回答された分類項目にバラつきを生じた細胞については、分類についての議論の余地があり、今後検査技師等の間で検討の啓蒙活動が行われるのが好ましい。
【0064】
そこで、本実施の形態では、図10(a)のように、回答された分類項目にバラつきがある場合、よりバラつきが大きい細胞順に並べ替えられるようにする。こうすると、多くの細胞の中からバラつきの大きい細胞を容易にピックアップすることができ、今後の啓蒙活動を円滑に行うことができる。
【0065】
図11(a)は、集計結果の生成処理を示すフローチャートである。なお、この集計結果の生成処理は、中央装置2に設定されたサーベイデータの送受信が可能な期間が終了した後に、自動で、または、操作者からの指示入力により行われる。
【0066】
中央装置2のCPU201は、STEP1として、ハードディスク204に記憶されている分類項目を、分類項目数の多い順に並べ替える(S101)。例えば、図10(a)において、細胞IDがC001〜C006の細胞の分類項目数は、それぞれ、2、1、3、4、2、4である。この分類項目数が多い順に細胞が並べ替えられて、図10(b)のようになる。この場合、同じ分類項目数の細胞については、元の並び順(細胞ID順)が維持される。
【0067】
続いて、CPU201は、STEP2として、“同一分類項目数内での並べ替え”の処理を行う(S102)。すなわち、分類項目数が同じである細胞について、各分類項目数の人数のバラつきの大きい順に並べ替えが行われる。例えば、図10(b)において、分類項目数が等しい細胞IDは、C004とC006、および、C001とC005である。この4つの細胞について、後述するバラつきを示すVarをそれぞれ算出し、このVarの値が小さい順に細胞が並べ替えられる。これにより、細胞IDがC004とC006の順序、および、細胞IDがC001とC005の順序が、それぞれ入れ替えられて、図10(c)のようになる。この場合、同じVarの値である細胞については、図10(b)の並び順が維持される。
【0068】
図12は、“同一分類項目数内での並べ替え”の処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、CPU201は、図10(b)に示す状態において、上から何番目に表示されている細胞かを示す変数iの値に1をセットする(S201)。続いて、i行目の細胞の分類項目数kind_numが、2以上存在するかが判定される(S202)。分類項目数kind_numが0または1であると(S202:NO)、処理が終了する。他方、分類項目数kind_numが2以上であると(S202:YES)、CPU201は、分類項目数kind_numと等しい細胞の個数(num)を取得する(S203)。例えば、図10(b)において、iの値が1であるとき、1行目にある細胞と同じ分類項目数(4個)である細胞は、1行目と2
行目に合計2つ存在するので、numの値は2となる。
【0070】
続いて、CPU201は、S203で取得したnumの値が1より大きいと判定すると(S204:YES)、図10(b)に示す状態から、さらにバラつきによって並べ替えが行われる必要があるため、処理をS205に進める。他方、CPU201は、S203で取得したnumの値が1以下であると判定すると(S204:NO)、iの値を1増やし(S206)、処理をS202に戻す。なお、S204においてNOと判定された行には、図10(b)のC003とC002におけるVarの項目に示すように、“−”が示されている。
【0071】
次に、CPU201は、S205〜S210において、同一分類項目数である細胞の並べ替えを行う。まず、CPU201は、i行目を基準として下方向に移動した行数を示す変数kの値に1をセットする(S205)。続いて、CPU201は、kの値がnum以下であると判定すると(S207:YES)、“分散算出”の処理を行い(S208)、kの値を1増やして(S209)、処理をS207に戻す。
【0072】
図11(b)は、“分散算出”の処理を示すフローチャートである。
【0073】
まず、CPU201は、参照中の細胞における分類項目の人数の平均Eを取得する(S301)。すなわち、(i+k−1)行目の細胞において、上からj番目の分類項目の人数をsub_num(i+k-1,j)と表すと、分類項目数はkind_numであるから、平均Eの値は次式から求められる。
【0074】
【数1】
【0075】
式(1)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、式(1)の右辺の分子は、1行目の細胞の1〜4番目までの分類項目の人数の合計を表している。よって、この場合の平均Eの値は、(15+2+2+1)/4により、5となる。
【0076】
次に、CPU201は、参照中の細胞における分類項目の人数の分散Varを取得する(S302)。すなわち、(i+k−1)行目の細胞において、分散Varの値は次式から求められる。
【0077】
【数2】
【0078】
式(2)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、(1)式で算出された平均E(=5)を用いて、この場合の分散Varの値は、(15−5)2+(2−5)2+(2−5)2+(1−5)2により、134となる。
【0079】
こうして、“分散算出”の処理が終了する。
【0080】
図12に戻って、S208の“分散算出”の処理が、kの値が1からnumに至るまでの間行われる。これにより、分類項目数が同一のi行目の細胞から(i+num−1)行目の各細胞について、分散Varが取得される。
【0081】
CPU201は、kの値がnumより大きいと判定すると(S207:NO)、同一分類項目数である細胞について、S208で得られた各細胞の分散Varの小さい順に並べ替えを行う(S210)。続いて、CPU201は、iの値にnumを加算する(S211)。これにより、図10(b)の表において、分類項目数kind_numが等しい細胞のグループの次の細胞の行に、iが設定される。こうして処理がS202に戻され、S202においてNOと判定されるまで処理が繰り返される。
【0082】
なお、図10(b)の状態では、既に分類項目数が多い順に並べ替えが行われているため、S202において分類項目数kind_numが1の行に到達すると、その行以降の行は全て分類項目数kind_numが1である。これらの行については、分類項目のバラつきによる並べ替えは不要(バラつき無し)であるため、上記のようにS202においてNOと判定されて処理が終了する。また、S206またはS211でiが設定された結果、S202において参照する細胞がない場合は、分類項目数kind_numは0である。この場合も、S202においてNOと判定されて処理が終了する。
【0083】
このように、図11(a)のSTEP1とSTEP2により、2段階の並べ替えが行われて得られた細胞の一覧(たとえば、図10(c))が、CPU201により集計結果としてハードディスク204に保存される。かかる集計結果は、適宜、操作者が中央装置2の入力部210を操作することにより、表示部220に表示される。この場合、たとえば、図10(c)に示すような画面が表示される。細胞の数が多く一画面に収まりきらない場合には、適宜スクロールバーが追加され、スクロールバーが操作されることで、図10(c)に示す集計結果が、細胞毎に、スクロールされる。
【0084】
図13は、並べ替えにより得られた集計結果の送受信を示すフローチャートである。同図(a)、(b)は、それぞれ、端末装置3での処理手順と中央装置2での処理手順を示すフローチャートである。
【0085】
なお、ここでも、同図(a)における処理は、端末装置3のCPU301により実行されているWebブラウザを介して行われ、同図(b)における処理は、中央装置2のCPU201により実行されているWebサーバを介して行われる。また、以下の処理は、全ての端末装置3と中央装置2との間で、並行して行われる。また、以下の集計結果の送受
信の処理は、中央装置2による上記の集計結果の生成が終了した後に行われる。
【0086】
同図(a)を参照して、サーベイの参加者が端末装置3の入力部310を操作して、中央装置2がWeb上に提供するサーベイ用のホームページにアクセスし、サーベイの集計結果の送信要求を入力すると、端末装置3のCPU301は、中央装置2に集計結果の要求を送信する(S31)。続いて、CPU301は、中央装置2から集計結果を受信するまで処理を待機させる(S32)。
【0087】
同図(b)を参照して、中央装置2のCPU201は、端末装置3から集計結果の要求を受信すると(S41:YES)、この端末装置3に集計結果を送信する(S42)。こうして、中央装置2の処理が終了する。
【0088】
同図(a)を参照して、端末装置3のCPU301は、中央装置2から集計結果を受信すると(S32:YES)、表示部320に集計結果を表示する(S33)。これにより、たとえば、図10(c)のような画面が表示される。こうして、端末装置3の処理が終了する。
【0089】
以上、本実施の形態によれば、図10(a)に示すように分類項目数にバラつきのある細胞が、図10(b)に示すように分類項目数の多い順に並べ替えられる。すなわち、サーベイの参加者による分類判断が多く分かれた細胞が、並べ替えにより上位に位置付けられる。これにより、分類判断が多く分かれた細胞が、集計結果の中に埋もれることなく容易に取り上げられるため、分類判断が多く分かれた細胞についての議論や検討の啓蒙活動が行われ易くなる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、図10(b)において分類項目数が同じであった細胞が、図10(c)に示すように各分類項目の人数のバラつきの大きい順に並べ替えられる。すなわち、特定の分類項目に大半の人数が偏った細胞よりも、各分類項目に人数がバラついた細胞の方が、上位に位置付けられる。これにより、分類についての議論がより必要とされる細胞が、容易に取り上げられ得る。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0092】
たとえば、上記実施の形態では、サーベイの参加者に血液細胞画像が提示されたが、これに限らず、血液細胞画像以外の他の細胞画像、例えば、病理画像であっても良い。
【0093】
また、上記実施の形態では、図11(a)のS101とS102に示すように、分類項目数の多い順に並べ替え(STEP1)が行われた後、分散Varに基づいて同一分類項目数内での並べ替え(STEP2)が行われたが、これに限らず、STEP2が行われた後、STEP1が行われるようにしても良い。
【0094】
また、上記実施の形態では、図12に示すように、分類項目数が同じである細胞についてのみ分散Varが算出されたが、これに限らず、全ての細胞について分散Varが算出されるようにしても良い。この場合、たとえば、図10(a)の集計結果に対し、分散Varによる1次ソートを行って並べ替えた後に、分類項目数による2次ソートを行って図10(c)の状態に並べ替えが行われる。
【0095】
また、上記実施の形態では、“分散算出”の処理において、図11(b)のS301とS302に示すように平均Eと分散Varが算出されたが、これに限らず、S301とS
302に替えて、次式に示すバラつきVar'が算出されるようにしても良い。
【0096】
【数3】
【0097】
式(3)によると、例えば図10(b)において、iの値が1、kの値が1であるとき、バラつきVar’の値は、152+22+22+12により、234となる。この場合、得られたVar'に基づいて、図12のS210で、同一分類項目数である細胞につい
て、バラつきVar’の小さい順に並べ替えを行う。
【0098】
また、上記実施の形態では、分類項目数の多い順、かつ、分類項目数が同じ場合には、各分類項目の人数のバラつきの大きい順に並べ替えているが、分類項目数の少ない順、かつ、分類項目数が同じ場合には、各分類項目の人数のバラつきの小さい順に並べ替えてもよい。これにより、分類についての議論の余地のない細胞が、容易に取り上げられ得る。
【0099】
また、上記実施の形態では、端末装置3との間で行う情報の送受信と、端末装置3から受信した分類項目の記憶と、図11(a)に示すSTEP1と、STEP2は、全て中央装置2において行われたが、これに限らず、複数の装置においてこれらの処理が分散して行われるようにしても良い。
【0100】
また、上記実施の形態では、中央装置2に設定されたサーベイデータの送受信が可能な期間が終了した後に、集計結果の生成処理が行われたが、これに限らず、サーベイデータの送受信が可能な期間が終了する前に、分類項目が記憶される度に、集計結果の生成処理が行われるようにしても良い。この場合、集計結果の生成処理が一度でも行われれば、図13に示した集計結果の送受信が行われるようにしても良い。
【0101】
また、上記実施の形態では、中央装置2と端末装置3との間で送信される情報は、ネットワーク網4を介して送信されたが、これに限らず、情報が記録された記憶媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、CDまたはDVD等)が、中央装置2と端末装置との間で郵送により送られるようにしても良い。または、郵送に替えて、通信ネットワーク網4を介した電子メールにより情報が送信されるようにしても良い。
【0102】
図14(a)、(b)は、情報が記録された記憶媒体が郵送により送られる場合に、それぞれ、端末装置3側と中央装置2側で行われる手順を示すフローチャートである。なお、同図には、1つの端末装置3と中央装置2との間の処理が示されているが、全ての端末装置3と中央装置2との間で、同様の処理が並行して行われる。
【0103】
図14(b)を参照して、まず、中央装置2側の操作者により、中央装置2のハードディスク204に用意されたサーベイデータが、R/W装置205にセットされた記録媒体に書き込まれる。中央装置2側の操作者は、この記録媒体をサーベイの参加者全員に郵送する(S61)。なお、この場合のサーベイデータには、細胞の分類についての設問データを表示し、入力された分類項目をデータとして保存するプログラムが含まれている。具体的には、バーチャルスライドのデータと、バーチャルスライドを用いて図5〜図8に示すように設問を表示するためのプログラムと、図7に示す進行指示領域415が押下され
ると、選択された分類項目を図9の一つの行(横方向)に示すようなデータ(ファイル)として保存するためのプログラムが含まれている。
【0104】
図14(a)を参照して、サーベイの参加者は、中央装置2から郵送によりサーベイデータが書き込まれた記録媒体を受け取ると、この記録媒体を端末装置3のR/W装置305にセットする(S51:YES)。これにより、サーベイデータがハードディスク304に書き込まれる。続いて、サーベイの参加者は、端末装置3上でサーベイデータに含まれるプログラムを実行する。このプログラムが端末装置3上で実行されると、端末装置3のCPU301は、上記実施の形態で示した図5〜図8と同様の画面構成を表示部320に表示する(S52)。
【0105】
続いて、CPU301は、各設問の分類項目を上記実施の形態と同様に受け付けて(S53)、サーベイの参加者により選択された分類項目が、端末装置3のハードディスク304上にデータ(ファイル)として保存される。全ての設問についての分類項目がデータに保存されると、サーベイの参加者は、R/W装置305に記録媒体をセットし、ハードディスク304に保存された分類項目のデータ(ファイル)を記録媒体に書き込んで、この記録媒体を中央装置2側に郵送する(S54)。この場合、分類項目が保存されたデータに加えて、サーベイの参加者を識別するための識別情報(参加者ID)も郵送される。識別情報(参加者ID)は、分類項目のデータ(ファイル)に含まれても良い。
【0106】
図14(b)を参照して、中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者から郵送により分類項目のデータ(ファイル)が記録された記録媒体を受け取ると(S62:YES)、R/W装置205を介してこの記録媒体からデータ(ファイル)を読み出し、ハードディスク204内の所定の場所に記憶させる(S63)。中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取ると(S64)、処理をS65に進める。なお、中央装置2側の操作者は、サーベイの参加者から郵送される分類項目のデータ(ファイル)の受付期間を設定しており、この期間が終了した場合も、処理をS65に進めるようにする。
【0107】
続いて、中央装置側の操作者は、入力部210を操作して、ハードディスク204に格納された、分類項目を取得するためのプログラムを起動させる。CPU201は、このプログラムを介して、ハードディスク204の所定の場所に記憶された分類項目のデータ(ファイル)から分類項目を抽出し、図9に示すような一覧を取得する(S65)。S66、S67では、S65で取得された一覧に基づいて、上記実施の形態で示した図11(a)のS101、S102と同様の処理が行われる。
【0108】
なお、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取る前に、それまでに受け取ったデータ(ファイル)から抽出した分類項目に基づいて、逐一S66、S67の処理が行われるようにしても良い。こうすると、サーベイの参加者全員から分類項目のデータ(ファイル)を受け取る前に、図10(c)のような集計結果を取得することができる。
【0109】
また、図9のような一覧を構成せずに、ハードディスク204の所定の場所に記憶された分類項目のデータ(ファイル)を順次参照しつつ、図10(a)のように各細胞画像の分類項目数と人数を順次取得し、図11(a)のS101、102により、細胞画像の並べ替えを行っても良い。
【0110】
次に、中央装置2側の操作者は、図10(c)のような集計結果を記録媒体に書き込み、分類項目のデータ(ファイル)を受け取ったサーベイの参加者に対して、この記録媒体を郵送により送る(S68)。こうして、中央装置2の処理が終了する。
【0111】
図14(a)を参照して、サーベイの参加者は、中央装置2から郵送により集計結果が記憶された記録媒体を受け取ると(S55:YES)、R/W装置305を介して集計結果を読み込ませ、集計結果を端末装置3の表示部320に表示させる(S56)。これにより、たとえば、図10(c)に示すような画面が表示される。こうして、端末装置3の処理が終了する。
【0112】
なお、このように郵送により情報を送る手順は、上記実施の形態で示したような通信ネットワーク4を介して行われる送受信と併用されるようにしても良い。また、上記サーベイデータは、記録媒体を郵送することにより中央装置2側から端末装置1側に受け渡される以外に、中央装置2からネットワークを介してダウンロードされることで、端末装置1に受け渡されるようにしても良い。
【0113】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 … 細胞画像表示システム
2 … 中央装置(細胞画像表示装置)
3 … 端末装置
4 … ネットワーク網(ネットワーク)
204 … ハードディスク(蓄積手段、取得手段)
208 … 通信インターフェース(取得手段)
220 … 表示部(表示手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央装置と、該中央装置にネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える細胞画像表示システムであって、
複数の細胞画像それぞれについて、前記複数の端末装置において観察者から受け付けた分類項目を蓄積するための蓄積手段を備え、
前記中央装置は、
前記複数の細胞画像が、前記蓄積手段により蓄積された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の細胞画像表示システムにおいて、
前記中央装置は、前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする細胞画像表示システム。
【請求項3】
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する取得手段と、
前記複数の細胞画像が、前記取得手段により取得された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段と、
前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の細胞画像表示装置において、
前記ソート手段は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート手段と、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート手段と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の細胞画像表示装置において、
前記第1ソート手段は、前記分類項目の数の多い順に前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の細胞画像表示装置において、
前記第2ソート手段は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りを示す値を算出し、該偏りを示す値に基づいて前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の細胞画像表示装置において、
前記偏りを示す値は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の分散により求められる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の細胞画像表示装置において、
前記第2ソート手段は、前記偏りを示す値が小さい順に前記複数の細胞画像を並べる、ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項9】
請求項3ないし8の何れか一項に記載の細胞画像表示装置において、
前記細胞画像は、血液細胞画像である、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項10】
請求項3ないし9の何れか一項に記載の細胞画像表示装置において、
前記取得手段は、ネットワークを介して前記分類項目を取得する、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項11】
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得するステップと、
前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるステップと、
並べられた前記複数の細胞画像を表示するステップと、を有する、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載の細胞画像表示方法において、
前記細胞画像を並べるステップは、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソートステップと、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソートステップと、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項13】
請求項12に記載の細胞画像表示方法において、
前記第2ソートステップは、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項14】
コンピュータに、
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する機能と、
前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べる機能と、
並べられた前記複数の細胞画像を表示する機能と、を付与する、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の細胞画像表示プログラムにおいて、
前記並べる機能は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート機能と、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート機能と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の細胞画像表示プログラムにおいて、
前記第2ソート機能は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【請求項1】
中央装置と、該中央装置にネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える細胞画像表示システムであって、
複数の細胞画像それぞれについて、前記複数の端末装置において観察者から受け付けた分類項目を蓄積するための蓄積手段を備え、
前記中央装置は、
前記複数の細胞画像が、前記蓄積手段により蓄積された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の細胞画像表示システムにおいて、
前記中央装置は、前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段をさらに備える、
ことを特徴とする細胞画像表示システム。
【請求項3】
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する取得手段と、
前記複数の細胞画像が、前記取得手段により取得された前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるソート手段と、
前記ソート手段によって並べられた前記複数の細胞画像を表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の細胞画像表示装置において、
前記ソート手段は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート手段と、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート手段と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の細胞画像表示装置において、
前記第1ソート手段は、前記分類項目の数の多い順に前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の細胞画像表示装置において、
前記第2ソート手段は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りを示す値を算出し、該偏りを示す値に基づいて前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の細胞画像表示装置において、
前記偏りを示す値は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の分散により求められる、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の細胞画像表示装置において、
前記第2ソート手段は、前記偏りを示す値が小さい順に前記複数の細胞画像を並べる、ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項9】
請求項3ないし8の何れか一項に記載の細胞画像表示装置において、
前記細胞画像は、血液細胞画像である、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項10】
請求項3ないし9の何れか一項に記載の細胞画像表示装置において、
前記取得手段は、ネットワークを介して前記分類項目を取得する、
ことを特徴とする細胞画像表示装置。
【請求項11】
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得するステップと、
前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べるステップと、
並べられた前記複数の細胞画像を表示するステップと、を有する、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項12】
請求項11に記載の細胞画像表示方法において、
前記細胞画像を並べるステップは、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソートステップと、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソートステップと、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項13】
請求項12に記載の細胞画像表示方法において、
前記第2ソートステップは、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示方法。
【請求項14】
コンピュータに、
複数の細胞画像それぞれについて複数の観察者から分類項目を取得する機能と、
前記複数の細胞画像が、取得した前記分類項目の数に応じて並び、且つ、前記分類項目の数が同じであれば各分類項目に分類した観察者の数に応じて並ぶように、前記複数の細胞画像を並べる機能と、
並べられた前記複数の細胞画像を表示する機能と、を付与する、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の細胞画像表示プログラムにおいて、
前記並べる機能は、前記複数の細胞画像を前記分類項目の数に基づいて並べる第1ソート機能と、
前記複数の細胞画像を、それぞれの分類項目に分類した観察者の数に基づいて並べる第2ソート機能と、を備える、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の細胞画像表示プログラムにおいて、
前記第2ソート機能は、それぞれの分類項目に分類した観察者の数の偏りに基づいて、前記複数の細胞画像を並べる、
ことを特徴とする細胞画像表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−205939(P2011−205939A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75735(P2010−75735)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】
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