説明

組み合わせパルプ部材

【課題】建造物のドライウォール工法壁、デッキ及び床のための組み合わせパルプ部材。
【解決手段】パルプ含有材料で構成され、内部に空洞を有するとともに、各パネルは複数のシートの層又は薄手のパネルから成り、それらは互いに結合し合い、それらのうちの複数は波形又は雷文形に折り曲げられ、この折り曲げ形状の内部に、多数の空洞を形成するとともに、複数のパネルが互いに結合し合うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物のドライウォール工法壁、デッキ及び床用の、内部に空洞を有するパルプ含有材料で構成される組み合わせパルプ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロースは植物の細胞壁の50%以上を構成する成分であり、そのため地球上で最もありふれた有機化合物の1つである。その化学式は(C6105Nである。技術的には、セルロースは破砕した木材からいわゆる「パルプ」として得られ、製紙産業や衣類産業における基本材料として、また他分野の多くの用途への原材料として供される。何世紀にもわたり、セルロースは紙やボール紙の重要な成分としてよく知られている。顕微鏡下では、個々の繊維が異なった方向を向き、互いに高度に不織布のような網目状をなしていることが明らかである。このことから、紙やボール紙は平面方向に比較的高い引っ張り力を負うことができることがわかる。一方、表面に対して垂直方向に比較的小さい力で折ることができる。厚さを増すごとに、紙は平面で高い圧縮力を受け止めることができ、これがボール紙として知られる。約1.5mm厚以上で坪量約600g/m2以上のものがボール紙として知られる。
【0003】
セルロースは水や大部分の有機溶剤に不溶である。大部分の紙やボール紙の溶解度はそれゆえ基本材料によっては定まらず、セルロース繊維の結合に用いられる接着剤によって定まる。
紙やボール紙の平面における引っ張り荷重支え強さは圧縮過重支え強さに比べ比較的高いので、一枚の紙又は一片のボール紙を筒状又は管状に曲げたときには、圧縮力は紙の曲面方向に向かうことになるので比較的高い圧縮力に耐えることができるようになる。
したがって、早くも1871年には、2枚の平らなボール紙の間に波形に折り曲げられたボール紙がその山部分及び谷部分の頂点で接着されていた。この材料は、段ボールとして、梱包産業では主要な基本材料であり、内燃エンジンのようなとりわけ重量の大きい物品の輸送用の梱包など、その支え強さが証明されている。一方でそれは、経済的でどこでも手に入る原材料であり、また、加工機械の多様性が広く確立していることもあり、先行技術において入手しやい最も経済的なボール紙材料の1つである。
【0004】
したがって、従来技術からのボール紙及び段ボールはまた、パネルや組み合わせ材料における複数の層の1つとして建造物の建設に用いられる要素でもある。これまで、建造物の建設において非常に低かった段ボールの利用割合を高めようとする試みが繰り返され、そして段ボールは複数の層の1つとして利用されるのみならず、段ボールから壁や屋根の重要な要素が形成されるようにもなった。
かくして、米国特許第4,346,541号(Schmidt)には繰り返し折り畳まれ、内部空洞がポリウレタンで満たされた段ボールで作られた壁やデッキ用のパネルが記載されている。表面上は、段ボールはプラスティックフィルムで覆われ、外壁や屋根用途における風雨防御が施されている。しかし、この構造の主な欠点は、段ボールが繰り返し折り畳まれているということである。折り畳まれる際には、折り線に沿った折れ曲がり点のところで、段ボールの波形層が一緒に圧縮されることにより、段ボールの断熱効果を減ずることになる。さらなる欠点は、折れ曲がり点のところで、多数の繊維がそれら自身断裂するか、又は隣接する繊維との結合から引き離されてしまい、材料としてさらに弱くなってしまうことである。特に、米国特許4,346,541号では、折り畳みや折れ曲がりによりかなり弱くなってしまったこれらの部位を補強するために、内部空洞が発泡ポリウレタンで満たされている。
【0005】
米国特許第6,557,308号(Snell)には、全体が段ボールで製造される小規模平屋家屋が記載されている。製造の際、床、壁及び屋根から成る家屋の外形部分が、一部品として組み立てられ、多層段ボールがこの形状に湾曲され互いに結合される。個々の層を結合することで、一枚岩的なデザインの床、壁及び屋根が作り出されるが、デッキは備わっていない。その決定的な欠点は、その大きな空洞のために、一部品として非常にかさばったものが形成されるため、不釣り合いに高い輸送経費が必要となる、ということである。輸送が可能な最大の高さ、幅及び長さが、この方法によって形成される家屋の大きさを限定してしまうのである。比較的大きな家屋は現場でそれに応じた金型から形成されなければならず、そのためそれに応じた巨大な金型とクレーンが必要となる。しかしながら、この方法の考慮すべき欠点は、この方法によると両側が開放した中空体が形成されることになり、効率的で耐久性のある結合をどうするのかが説明されていない。両側の切妻壁の形成方法もまた詳細には特定されていない。
【0006】
別の実施例として、形成された中空体に切れ目を入れて非常に小径の曲率の折り曲げ点で一体に折り畳む方法が記載されている。しかし、既に上述したとおり、このような折り畳みによって、段ボールは極めて弱くなる。その後、元の形に曲げ戻すことでその結合点がさらに弱くなり、あらかじめ破壊点を形成してしまうことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,346,541号
【特許文献2】米国特許第6,557,308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの背景技術に対し、本発明の目的は、主に段ボールから成り、多層階建造物の建設にも適し、既存の機械設備で製造可能で、通常の運搬手段で輸送可能で、通常の乾式建築方法を用いて短時間で設置可能で、その結果安価で、エネルギー経済的で、リサイクル可能な建造物を製造せしめる、建造物の建設のための構成部材を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
解決方法として、本発明は各々のパネルが複数のシートの層又は薄いパネルで構成されそれらの層又はパネルは互いに結合し合い、それらのうちの複数は波形又は雷文形の折り形を有し、この折り形の中に多数の空洞を形成するとともに、複数のパネルが互いに結合し合うことが可能である、組み合わせパルプ部材を提示する。
そして本発明の決定的な要素は、建造物構造の壁、床、デッキ、屋根、階段並びにその他の設備及び付属品用のパネル形状構造部材のほとんど大部分が、主として段ボールとして知られるような、互いに層をなし結合し合う複数のシートから成るパルプから成るということである。それによって、最大限1枚おきのシートが、具体的には、連続的な折れ曲がり片で形成された波型又は雷文形に折り曲げられている。具体的には、右向きに2回折り曲げられたら次に左向きに2回折り曲げられ、そして再び右向きに2回、と続き、その角度は好ましくは、主に90°の範囲内にあるが、各々は0°より大きく180°より小さい値をとり得る。
【0010】
本発明に係る組み合わせパルプ部材の、先行技術と比較した決定的な利点は、1の部材とその隣接する部材との連結である。梱包技術の観点からみれば、建造物建設における段ボール使用の従来技術と同様、建造物建設に用いられる段ボール部品は、特に角隅の連結部位において、段ボールの折曲部分によって連結され、それらを隣の段ボール部材に、通常は接着によって連結するが、他の付加的な結合部材による場合もある。
既に先行技術について言及していることであるが、その深刻な欠点は、折り曲げ又は屈曲の結果、段ボールの厚さが減じそれによりその支え強さが減じるということであり、さらに重要な欠点は、折り曲げシートにより形成された空洞の体積が減じる結果、断熱性が減じ、そしてもしその折り曲げが鋭角過ぎるときには、個々のシートは断裂することにもなり、近接した空洞が互いに連絡することで、これらの空洞間の空気交換が増し、それにより断熱性が大きく減じることになる。
【0011】
当業者には、ほとんどの応用技術でも用いられている層の折り曲げや屈曲は、自明な技術段階であり、それゆえ普及している。
それに対し、本発明に係る組み合わせパルプ部材の決定的な利点は、パネルの結合において、ある層、又はパネル全体は折り曲げたりねじ曲げたりする必要がないということである。したがって本発明の原理は、たとえば、小さなつまみを形成して、それを折り曲げて近接するパネルの対応する1にあるスロットに挿入して設置の補助的手段とするというような変形例を排除するものではない。しかし、大部分の他のパルプ部材を用いた構造部材とは対象的に、本発明はそのようなつまみに決して依存するものではない。
【0012】
本発明の非常に興味深い実施形態は、パネル結合部材が直接端縁に一体的に形成されていることであり、これによって層の折れ曲がりや屈曲が回避され、その結果屈曲に起因する支え強さや断熱性の劣化が回避されることになる。
非常に単純な例では、組み合わせパルプ部材を長方形のパネルとして設計し、これらを互いに固定された結合用細長板を利用して結合することが考えられよう。側縁に固定されたこれらの結合用細長板は、2つの隣接する部材間の継ぎ目と交差するように結合される平面的な部材であってもよいし、たとえばネジのように、組み合わせパルプ部材に設けられた孔を通じて延伸する延伸結合部材であってもよい。平面状の結合用細長板はこのようにして延伸結合部材を用いることで付加的に確実性が付与され得る。このタイプの付加的な結合は、それがないとした場合に相互に結合した2つのパネルを分離させるであろう引っ張り力にも抵抗することになる。
【0013】
2つの隣接したパネルを、その端面に設けた粘着層を用いて互いに結合することもまた考えられる。その際、特に外側面と平行に延びているシートであって折り曲げシートの端面が正確に互いに向き合っていないような場合、接着剤には適切な結合効果が必要であるのみならず、それに加えて自らを支持する層を形成し、それによって折り曲げシート内の空洞の端部領域を橋渡しし、粘着層と折り曲げシートとの間で張力に抵抗する連結部分を形成する必要がある点は特に注意すべきである。粘着層は、通常外側から内側へ通っており、特に良い熱伝導性をもつわけではなく、それゆえ不必要な熱を室内へ伝達しない点に留意すべきである。
【0014】
上記した結合の形状は、本発明に係るパルプ結合部材においては、パネルの結合のタイプは、シートの方向と一致するように選択されるであることを示している。それにより複数の型のシートの方向が考えられる。
本発明ではシートの方向はパネルの外表面と平行であることが望ましい。その利点としては、一方の辺縁において、パネル結合部分における全てのシートが、他方において対向するパネル結合部まで通り抜けていることによって、シートが外表面と垂直に走る場合よりも、パネルがずっと大きな圧縮力と引っ張り力に耐えるということである。もうひとつの利点としては、折り曲げシートの開放端面はパネル結合部の領域のみを向いており、そこでそれら端面はパネル結合部又は隣接したパネルに被覆されるということである。
【0015】
原理としては、本発明に係る組み合わせパルプ部材のシートを外表面に対し垂直方向とすることも考えられる。その利点としては、そのような部材は、建設現場であっても比較的容易にドーム状部材へと形成できることである。しかしながら、そうすると折り曲げシートの空洞が外表面で見えてしまい、さらに別の層で被覆しなければならない、という制約がある。さらに、組み合わせ部材の安定性が、外表面と平行に走るシートの場合より低くなる。
最大限の安定性、換言すれば、各点における同一の荷重負荷安定性という観点から、波形折り曲げシートの波の山や谷はほぼ同一の幅を有している。それらが互いに平行に走っていればなお有利である。同様のことが雷文形折り曲げシートの折れ曲がり線にも適用され、最初は完全に平面であるボール紙表面を何回も折り曲げなくとも、雷文形折り目が製造される間に既になお柔軟性を有するパルプ繊維及び結合材料へと形成されているので、硬化工程の後、たとえ折り曲げ点においても、繊維が破壊したりあるいはこれらを結合している接着剤から分離したりしない、という点で雷文形は都合良くできている。
【0016】
たとえば壁のように、荷重負荷機能を備えることも要求されるような壁部材の場合、折り曲げ層の波線の向きを最大荷重の方向、すなわち壁の場合は垂直方向、に合わせることが適切である。
折り曲げ層の波の山の方向が層から層へと互い違いとなっていれば最良の過重支え強さが得られるので、比較的大きいスパン幅のデッキパネルのような応用も、隣接する層の波線が互いに交差するようであれば可能である。長方形のスラブ板用には、その交差角度は90°が適切である。
組み合わせパルプ部材の望ましい形態は、実際にはおそらく長方形であろう。なぜなら、この形状は最も組み合わせの可能性が高く、また全ての建造物設備や構造材料の大部分は長方形に合うようになっているからである。
【0017】
既に説明したとおり、本発明に係る組み合わせパルプ部材の主な利点はその断面を通じて多数の非常に小さい空洞を包含しているということである。ある限界までであれば、空洞が小さくなるほど断面上のその数は増すことになり、パネルの断熱効果を向上させる。さらなる断熱効果の向上は、できるだけ多くの折り曲げシートに、その少なくとも一面にはたとえばアルミホイルのような熱反射コーティングが施されている場合に達成されよう。多数の小空洞が対流による熱交換を減少させることに加え、放射による熱伝導もまた遮断される。
パルプは水に不溶な性質であるので、建築材料用途に適用しやすい。個々の粘着性繊維を結合する接着剤の使用、そして目的に応じた添加剤の使用、及び/又は、繊維及び/又はシート及び/又は構造部材を目的に応じてコーティングすることによって、耐火性又は難燃性及び/又は耐湿性又は耐水性及び/又は防カビ性及び/又は防シロアリ性及び/又は生分解性及び/又は導電性をパルプに付与することができる。
【0018】
網目様層又は織物材料層を用いればさらに適切な強化となる。このような層を外表面又は外表面近くに設けると、外表面の耐久性を増すことになる。別の実施形態においては、この層のフィラメントをパネル結合部へ導入し、パネル結合部と結合することが可能である。このような構造はパネルの引っ張り強さをさらに増すことになる。
その網目がワイヤで編まれていれば、そしてこのワイヤがパネル結合部に導入され、そこで隣接する組み合わせパルプ部材のワイヤと結合されれば、全体の構造でかなりの引っ張り力を吸収することも可能となる。さらなる強化として、中間層を金属で構成することも考えられる。このような金属領域は、隣接するパネルの同様の金属領域と接続すれば、内部空間の電気遮蔽体として用いることができる。それとは別に、選択された少数の部材における金属層のみを互いに結合し、これにより、受信すべき周波数に同調した性質の受信アンテナを形成することも考えられる。
【0019】
その金属領域が非常に強固に設計されていて、またその金属領域の結合が非常に高い荷重に耐えるものであれば、たとえばネジ止めによって、結果として得られた構造はまた非常に大きな力にも耐え得ることになる。
あるいは、その挿入された中間層はまた、暖房又は冷房といった他の機能を発揮することも可能である。
壁に必要な構造次第では、非透湿フィルムを中間層として適用することもできる。
原理的には、本発明に係る組み合わせパルプ部材には任意の他の材料を中間層に導入することも容易に可能である。代表的な材料としては金属、石膏、繊維強化石膏、コンクリート、繊維強化コンクリート、多孔質コンクリート、プラスチック、粘土、木材若しくは木質系材料、又は漆喰付き木舞がある。その層の厚さ、この層が内壁に近いのか、中心にあるのかあるいは外壁に近いのか、といった位置関係、及び間に入る材料の選択については建造物の全体構想及びその物理的な設計に依存する。
【0020】
さらに興味深い変形例として、いくつかの空洞又は複数の折り曲げ層を砂で満たすことが挙げられる。この方法で、部材にさらに防音効果が、重量増と防音性とを適宜調整することで付与される。なぜなら、音圧に含まれるエネルギーのかなりの割合が、音波が砂粒を次々に動かすことで放散させられるからである。
他の変形例として、少なくとも1つの折り曲げ層のいくつかの空洞を断熱材で満たせば、これによって構造部材の耐熱性及びそれに伴う断熱性能が増すこととなる。
さらに有利な選択肢は、気密フィルム及び/又は防水フィルムで組み合わせパルプ部材全体を包むことである。この方法によって、構造部材そのものが湿気や反応性の高い気体から守られるばかりでなく、内部の空洞を少なくとも部分的に真空にすることもでき、これにより部材の断熱性が一層高まることになる。あるいは、このように包んでいるフィルムの内側で、いくつかの空洞を一種類のの気体で満たすことで、空気で満たす場合に比べ断熱性を増すことが可能である。
【0021】
そのフィルム被覆の内側で、空洞内に空気のみが存在するとしても、この空気は分離するフィルムによって導入される前に乾燥させられるので、気温の変動があっても室内の結露はほとんどあるいは全く起こらない。
さらに有用な選択肢として、電気、水道、ガス、通気その他の供給を可能とする設備ラインのための空き空間あるいは空洞を設けることである。部材はまた、扉、窓、ハッチ又はその他の設備のための開口部を備えることも考えられる。このような部材は製造の際に組み付け可能であり、現場で本発明に係る組み合わせパルプ部材と組み合わせればよい。これには扉、窓、ハッチ、跳ね蓋、スイッチボックス、暖房設備、冷房設備、照明備品、電気のスイッチ、衛生設備又は壁面キャビネットが含まれる。
【0022】
既に記載したように、適切なパネル結合部が一体に設けられていることは本発明に係る組み合わせパルプ部材の重要な特徴であり、この特徴について最も多様な実施形態が可能であり想定できる。非常に単純な形状としては辺縁の凹部である。このような凹部は、たとえば裁断や切削のような機械加工でパネルに導入可能である。しかし、異なるサイズのシートからパネルを組み上げることで凹部を形成することが、廃棄物が出ないことからより興味深い。
本発明に係るパネルの構造に適合するような辺縁結合部の特に興味深い実施形態は、辺縁領域からいくつかの層の折れ曲がり部分を除去することであり、その結果、辺縁領域の断面積が小さくなる。この結果、折れ曲がり層に続く層が折れ曲がっていない層の領域に向かって階段状に形成されることになる。
【0023】
このような階段は、各シートを二重に折り曲げることによっても当然形成可能である。しかし、そのようなシートは折り曲げ点で幾分か弱くなるので、このような肩状部をシートが柔軟性を有している製造の際に直接導入する方がむしろ有利である。これにより、ほぼ谷状の部分ができ、その角度の付いた領域は平面領域と同じくらい安定していることになる。
そのような辺縁の凹部は、窪みとしてのみならず、溝として設計することも可能である。複数のパネルを結合して広い表面を形成するためには、辺縁の凹部を他の同様のパネルの辺縁領域と相補的になるように形成する場合には、凹部としての溝は特に有利である。ここで、あるパネルの襞が、隣接するパネルの端縁を超えてその辺縁の凹部と相補的になるように突出しているような場合には、凹部としての溝は特に有利である。
【0024】
2つの隣接するパネルがそれぞれ凹部を有する場合、その凹部を第3の部材としての結合用細長板で埋めて表面高さを同一にすることも考えられる。この第3の部材は、1のパネルへ向かって半分突出するか、若しくは窪みの上に並べられる。結果として構造部材は、その結合部が舌状及び溝状となるような設計で製造される。このような結合の手段は、互いの対向する辺縁が互いに相補的になるように設計された同一のパネルを専ら使用する場合であっても可能であり、この方法で互いに部品を組み込むように一緒に差込むことができる。
パネルの形状としては、上述の通り、最も組み合わせの多様性に富むことから、長方形が最も理解しやすい。しかし、蜂の巣のように互いに適合する六角形パネルの使用も考えられる。正六角形のパネルであって、その端面の角度が外面に対して90°より小さくなるように形成されたものは、多面体状のキューポラやドームを構築するのに適している。正八角形に形成されたパネルの場合は、その隙間を埋めるための別の部材として、八角形と同じ長さの辺の正方形が必要である。
【0025】
原則として、パネルの輪郭として曲線も可能であるが、その場合、全ての部材が互いに継ぎ目なしに適合するように、輪郭線が互いに相補的となるように向き合うような位置に置かれなければならない。
本発明に係る組み合わせパルプ部材の組み立て及び輸送のためには、辺縁領域のパネル結合部機能が窪みや溝として形成されていないとしても、固定部材で付加的に補強されるものとするほうが好都合である。このような固定部材はシートに対し、接着、ネジ止め、リベット止め、かすがい止め、又は圧入により固定される。補強部材用の材料としては主に木材又は木質材料を使用するのが適切である。
【0026】
興味深い実施形態においては、補強部材はU字形の枠として設計される、そのU字の脚の部分は内方に面して、辺縁に沿って両側に配置されているパネルの凹部の両側に結合する。もしこれらの辺縁細片が互いに安定な枠を形成するように結合するとしたら、それらはまたパネルを通して引っ張り力を伝達することにもなる。それとは別に、あるいはそれに加えて、固定部材をシートの端面に接着することも、又は端面にネジ止め、かすがい止め、もしくはその他の、シートを横断する金属部材で固定することも可能である。
このような木製の辺縁補強部材を用いて、本発明に係る組み合わせパルプ部材は、従来乾式建築で用いられてきたパネル部材を用いるのと全く同様に設置することが可能である。そして、もしも、パネルの辺縁のおけるそのU字固定があまりに狭くて肩の部分が外面の反対側に残ってしまうときには、上述のように、この部分は、残ったパネルの窪みを超えて突出する結合用細長板の、もう半分で埋めることで表面高さを同一にすることができる。
【0027】
本発明に係る組み合わせパルプ部材はその表面及び/又はその内面に、風雨防御及び/又は装飾及び/又は補強として広範囲の材料及び物質を装着することができる。たとえば台形のトタン板、その他の金属板、屋根瓦、屋根部材、コンクリートスラブ、セラミックスラブ、壁タイル、プラスチックパネル、プラスチック部材、石膏ボード、木製パネル、床被覆材、太陽光発電部材、エンボス加工レリーフ、壁紙、装飾フィルム、ペンキ層及び/又は漆喰付き木舞が挙げられる。
組み合わせパルプ部材の内部の空洞は、空虚なままであってもよいし、他の断熱材及び/又は補強剤で満たされていてもよい。
【0028】
本発明に係る組み合わせパルプ部材に付加するものとして、木材又は木質系材料の部材について言及してきた。これらの部材は、特に軽量で同時に安定な代替物として、3つの木質層から形成することができる。その第1層は波形で、その波の山の部分で第2の平たい木質層に結合し、その反対側の波の谷の部分で第3の平たい木質層に結合することで、木質層の間に多数の空洞が形成される。かくしてこれらの木質部材は組み合わせパルプ部材の各層と類似ではあるがずっと肉厚の層から構成されることになる。木質部材はそれゆえより強く荷重に耐える。対照的に、中心の波形層を形成するのに特に労力を要する。
この工程のための道具として、波形表面を有するローラー又はパンチが適している。高温及び/又は水蒸気を含んだ状態で、それらの道具は木質パネルを波形に変形させる。そして波形パネルは冷却及び乾燥され、そして、たとえば接着剤を用いて平たい木質パネルに結合される。
【0029】
本発明に係る組み合わせパルプ部材は壁、外壁材、前壁、屋根、デッキ、床、階段、パーティション壁及びその他の平面部材に広く応用できる。
複数のパネルを壁に組み上げるためには、個々のパネルの辺縁全体を取り囲む長方形の窪みを設け、この窪みはこれと相補的に形成された結合用細長板で埋められるものとするのが組み合わせパルプ部材の特に興味深い実施形態である。これらの結合用細長板は辺縁を取り囲む窪みの2倍の幅とするのが望ましい。これにより結合用細長板は隣接する2つのパネルの2つの窪みに挿入されることが可能である。もし窪みの深さが結合用細長板の厚さと一致するとすれば、結合用細長板の外表面の辺縁はパネルの外表面と同一高さになる。結果としてが平坦な外表面の壁が形成され、その中ではパネルは、引っ張り力及び圧縮力に抵抗するように、互いに結合用細長板によって結合される。
【0030】
結合用細長板の材料としては主として木材又は木質材料の使用が好適である。パネル結合部の領域で強化部材が同じ材料で形成されるとしても、結合用細長板はその強化部材に対して効果的にネジ止め及び/又は接着剤での結合が可能である。釘、かすがい又は、両側に多数の三角形金属歯が刻み込まれ強化部材と結合用細長板との間に釘のようにして圧入可能な結合プレートの使用も考えられる。
たとえば壁には、木製、金属製又はコンクリート製の垂直支持部材及び/又は水平横木を適用して本発明に係るパネルの間に装着するのが有利である。屋根の場合は、ある程度のスパン幅までは組み合わせパルプ部材は付加的な支持構造なしでそれ自身で全ての加重に耐えることができる。
【0031】
狭いスパン幅のデッキ、たとえば回廊であれば、本発明に係る組み合わせパルプ部材で造ることが考えられる。荷重負荷強さの増加でデッキの断面をドームのように構成すること、すなわち、デッキの中央の断面をその外側よりも小さくすることが可能になる。この応用のために、デッキ部材は台形状の断面とすることが考えられ、そうすることで上面を平坦な表面にしつつ、下縁を多角形とすることができる。
もしデッキをスパン幅を超える距離にまたがるものとする場合は、本発明に係るパネル又は組み合わせパルプ部材全体をデッキ梁の間又は上に載せることができる。
十分な厚さがあれば組み合わせパルプ部材で階段全体を造ることも可能である。ここではまた、個々の段を断面が台形の部材で形成することが可能である。その代わりに、正方形のパネルをL字構造部材に結合してこれで段の表面と前縁を形成することも考えられる。これらの部材は両側で壁部材へ挿入可能である。その代わりに、それらを支持構造としての傾斜梁の上に載せたり、またその間に挿入したりすることもできる。広い幅の階段の場合は、本発明に係る組み合わせパルプ部材を、その階段の方向を横切るように延伸する付加的な支持構造によって支持することが適切である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】切断されたパネルを斜視図で示す。
【図2】図1の切断されたパネルの全体図を示す。
【図3】図1及び図2に示すパネルを用いたデッキ−壁結合部分を断面で示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のさらなる詳細及び特徴は以下で実施例を参照しつつより詳細に説明される。しかし、それらの実施例は本発明の限定を意図するものではなく、ただ単に説明するものである。
図1は、本発明に係る組み合わせパルプ部材の一部としてのパネル1を示す。この変形例では、パネル1は、互いに直交する波形シート2から成り、これら波形シート2は中間層としてのシート2によって互いに結合されている。
図1に示す実施形態は合計7枚の折り曲げシート2を有しており、これらはこの例では波形に折り曲げられている。それらは互いに直行しており、図1の切断面では計3枚の折り曲げシート2が見える。
【0034】
パネル1の2枚の外表面11付近にはそれぞれさらに1つの折り曲げ層が認められる。据え付け可能な状態のパネル1においてもまだこの外表面11の辺縁には空洞3が見える。それらはいずれ、図3に示すように、連結パネル6の側縁で覆われることになる。
図1に示す実施形態では、パネル1におけるパネル結合部4として、辺縁側を取り囲む長方形の窪みが示されている。この窪みは、波形シート2が外部から見える程度の深さである。この辺縁の窪みには補強部材5が外表面11と平行に挿入され、接着にて適切な位置に結合される。これらの2つの補強部材5の間には、第3の補強部材5が挿入され、少なくとも接着にて結合されるが、合わせ釘及び/又はネジでの固定が望ましい。
【0035】
補強部材の材料としては、建造物の乾式建築において何世紀もの耐久性が証明されておりそれゆえ非常に広い範囲の経験や道具が得られることから、木材又は木質系材料が望ましい。
図1では、本発明に係るパネル1の容積が、折り曲げシート2における波の山と谷との間で延伸する非常に多数の桿状の空洞3から成っていることが容易に視認できる。
図1は、パネルの断面においては、このような非常に単純に構成した例においてさえも、外部から内部に至るには、7つの相互に独立した空洞を通ってこなくてはいけないことを明瞭に示しており、これにより非常に良好な断熱効果が期待できる。
【0036】
図2においては、図1に示すパネル1を完全な構成部材として描いている。図2は、この例におけるパネル1が長方形であることを明らかにしている。外部を取り囲む窪みに配置された全ての補強部材5はさらに4個の補強部材5に連結され、端面に配置され、パネル1の4辺全てに沿ってこれを取り囲むU字形の枠を形成している。パネル1の両面には、平坦な外表面11としてのさらなる1層の波形シート2が比較的小さな長方形として突出している。
図2の実施形態では、辺縁側を取り囲む窪みは補強部材5で半分満たされている。図2から、この補強部材5がシート2にとりわけ緊密に連結される必要があることが明らかである。
【0037】
しかし、図2からはまた、ここで用いられている計12個の補強部材5が極めて荷重抵抗性に富む結合をしており、パネル結合部4の引っ張り荷重抵抗性が高いこととも明らかである。なぜなら、補強部材5の一側に作用する引っ張り力は、近接するU字形の2つの補強部材5を通じて、荷重を受けた側の反対側の補強部材5へさらに伝達され、そこで引っ張り力は、パネル1の内部に配置された組み合わせパルプ部材への圧縮力として専ら作用するからである。
図3は、どのようにして図1及び2に示したパネル1が壁やデッキに組み上げられ、互いに結合されるのか示している。図3には2つの水平パネル1が示されていて、そのうちの後方のものは一角が切り取られ、それによって無数の空洞3を収容する7層の折り曲げシート2が示されている。上層階の壁の中で互いに結合された2つのパネル1は共同して組み合わせパルプ部材を形成している。
【0038】
両方の階の壁として、3個のパネル1が既に設置されており、このうちの2つは前方で一部が切断された状態で示されており、その内部構造が視認できる。下層の垂直パネル1はその上端面で、デッキとして水平に配置されたパネル1を支持している。この水平パネル1は、その、下方を向いている、外表面11と平行に延びる補強部材5によって、垂直パネル1の辺縁側の補強部材5の上に位置している。上方では水平パネル1はさらに、上層階の壁用の組み合わせパルプ部材を形成する2つのパネル1を支持している。
図3は、この図を見るものからみて向こう側を向いた、下側の垂直パネル1のパネル結合部4の外向き部分が、水平に位置したパネル1の端面と同じ高さの面を形成し、そしてこの面が今度は上層階の2つのパネル1のパネル結合部4の範囲内の面と同じ高さとなっていることを示している。
【0039】
下側のパネル1の辺縁細板4が、上側のパネル1及びデッキとして用いられているパネル1の端面と互いに同じ高さの面となっていることで、建造物の外側に水平方向に長い窪みが形成され、これは、図3ではいまだ窪みから距離を置いて描かれている、とりわけ幅広の結合用細長板6で埋められている。
図3では、上層階の壁に2つの垂直な結合用細長板6が描かれており、このうちの左側の結合用細長板6は図示された2つのパネル1に結合され、右側の結合用細長板6の半分だけがパネル1のパネル結合部4の上に位置していて、その結合用細長板6のもう半分はいまだ次に結合されるパネル1を待っている。
【0040】
上層階の壁の基部領域には、複数のとても幅狭の結合用細長板6が見えており、これらは水平パネル1のパネル結合部4において、デッキとして用いられているパネル1によってもまだ被覆されていない領域を被覆し、平坦な壁を形成することとなっている。
図3中のデッキは壁と同じ原理に従って構成されている。合計3つの水平に配置された結合用細長板6がデッキ中に見えており、このうちの右側の2つは切り取られた状態で示してある。手前側に示す結合用細長板6では、(デッキ)パネル11の手前側の辺縁で長方形の溝の中でネジ止めされていることが明らかである。そこで、結合用細長板6は平行な補強部材5にネジ止めされ、前方へ延びている。
【0041】
手前側の水平結合用細長板6の下に、パネル1の垂直端面及びデッキ梁7の上側とともに大きな溝が形成されている。この溝の中に、次の隣接するパネル1が挿入されネジ止めされる。
この実施形態では、天井梁7が非常に強固な態様で示されている。これを垂直に配置された幅狭の木材で置き換えて、これで水平に配置されたパネル1の荷重を支持することも考えられる。
図3では、本発明に係るパネル1のT字結合という別の実施形態として、さらなる第3のパネル1が、高さは同じであるものの互いに間隔を置いている2つのパネル1の間に挿入されている様子が示されている。T字結合のこの形態はデッキの壁への組み込みに主に適している。しかし、接触する3枚の壁をこの方法で結合することも可能である。
【0042】
図3には、このような結合は、同一高さの2枚のパネルに第3のパネル1の端面を直接当接させることによっても形成可能であることを図示してはいない。
【符号の説明】
【0043】
1 複数の層2を有するパネル
11 パネル1の外表面
2 パネル1の層を構成するシート
3 パネル1の空洞
4 パネル1の一部であり、隣接するパネル1と結合する役割を持つパネル結合部
5 パネル結合部4の中の強化部材
6 2つの隣接するパネル1を結合する結合用細長板
7 デッキパネルとしての2つの隣接したパネル1を支持するデッキ梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞3を有するパルプ含有材料の厚手のパネル1から成る、建造物のドライウォール工法壁、デッキ及び床用の組み合わせパルプ部材であって、
各パネル1は、複数のシート2の層又は薄手のパネルから成り、それらは互いに結合し合い、それらのうちの複数は波形又は雷文形に折り曲げられ、この折り曲げ形状の内部に、多数の空洞3を形成するとともに、複数のパネル1が互いに結合し合うことが可能であることを特徴とする。
【請求項2】
前記請求項1記載の組み合わせパルプ部材であって、前記パネル1の端面には少なくとも部分的にパネル結合部4が形成され、同タイプのパネル1に連結可能であることを特徴とする。
【請求項3】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、折り曲げられていないシート2が平面又はやや湾曲した領域を構成し、その曲率はパネルの厚さの倍数であることを特徴とする。
【請求項4】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、シート2はパネル1の外表面11とほぼ平行であることを特徴とする。
【請求項5】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、シート2の少なくともいくつかは外表面11とほぼ平行であることを特徴とする。
【請求項6】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、波形折り曲げシート2の波の山及び波の谷がパネル1の中で互いに平行であることを特徴とする。
【請求項7】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、雷文形折り曲げシート2の折れ線がパネル1の中で互いに平行であることを特徴とする。
【請求項8】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、折り曲げシート2の大部分の波の山又は折れ線がパネル1の中で互いに平行であることを特徴とする。
【請求項9】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、パネル1内の折り曲げシート2の大部分の波の山又は折れ線が層から層へ互い違いの方向になっていることを特徴とする。
【請求項10】
前記請求項9記載の組み合わせパルプ部材であって、波の山又は折れ線がおよそ90°で互い違いの方向になっていることを特徴とする。
【請求項11】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つの折り曲げシート2の少なくとも1面に熱反射コーティングが施されていることを特徴とする。
【請求項12】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、シート2の材料が、
耐火性又は
難燃性及び/又は
耐湿性又は
耐水性及び/又は
防カビ性及び/又は
防シロアリ性及び/又は
生分解性及び/又は
導電性
であることを特徴とする。
【請求項13】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つのパネル1において、1層が網目様又は織物材料で構成されていることを特徴とする。
【請求項14】
前記請求項2又は13に記載の組み合わせパルプ部材であって、メッシュ又は織物のフィラメントがパネル結合部4と結合され、これらの結合が引っ張り力を負うことを特徴とする。
【請求項15】
前記請求項12又は13に記載の組み合わせパルプ部材であって、フィラメントが金属製であることを特徴とする。
【請求項16】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つのパネル1の少なくとも1層が非透湿フィルムから成ることを特徴とする。
【請求項17】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つのパネル1の少なくとも1層が、
金属及び/又は
石膏及び/又は
繊維強化石膏及び/又は
コンクリート及び/又は
繊維強化コンクリート及び/又は
多孔質コンクリート及び/又は
プラスチック及び/又は
粘土及び/又は
木材及び/又は
木質系材料及び/又は
漆喰付き木舞
から成ることを特徴とする。
【請求項18】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1のパネルにおいて、少なくとも1つの折り曲げ層の空洞3の大部分が砂で満たされていることを特徴とする。
【請求項19】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1のパネルにおいて、少なくとも1つの折り曲げ層の空洞3の大部分が断熱材で満たされていることを特徴とする。
【請求項20】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1のパネルが気密フィルム又は防水フィルムで包まれていることを特徴とする。
【請求項21】
前記請求項20記載の組み合わせパルプ部材であって、空洞3の少なくとも一部が真空になっていることを特徴とする。
【請求項22】
前記請求項20記載の組み合わせパルプ部材であって、空洞3の少なくとも一部が一種類の気体で満たされていることを特徴とする。
【請求項23】
前記請求項20記載の組み合わせパルプ部材であって、空洞3の少なくとも一部が乾燥空気で満たされていることを特徴とする。
【請求項24】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、設備ラインのための連続した空き導管又は空洞が含まれていることを特徴とする。
【請求項25】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、ドア、窓若しくはハッチ又は他の設備のための開口部が含まれていることを特徴とする。
【請求項26】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つの完全なドア又はハッチ又は跳ね蓋又はスイッチボックス又は暖房設備又は冷房設備又は照明備品又は電気のスイッチ又は衛生設備又は壁面キャビネットが含まれていることを特徴とする。
【請求項27】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つのパネルにおいて、辺縁凹部がパネル結合部4として導入されていることを特徴とする。
【請求項28】
前記請求項27記載の組み合わせパルプ部材であって、辺縁領域においていくつかの層の折れ曲がり部分を除去して辺縁領域の全てのシート2に連続的な辺縁凹部が形成されていることを特徴とする。
【請求項29】
前記請求項27記載の組み合わせパルプ部材であって、辺縁凹部は周囲を取り囲む溝として形成されていることを特徴とする。
【請求項30】
前記請求項27から29までのうちのいずれかに記載の組み合わせパルプ部材であって、辺縁凹部は、端面を超えて突出する層を有している別の類似の又は同一のパネル1の辺縁領域と相補的になるように形成されていることを特徴とする。
【請求項31】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1のパネル1には、その辺縁の半分に辺縁凹部が設けられ、その辺縁のもう半分には、その端面を超えて突出し辺縁凹部と相補的な襞又は舌片が設けられていることを特徴とする。
【請求項32】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも2つの隣接するパネル1の辺縁凹部は、1つのパネル1を各々その半分で埋めると同時に結合部材としても機能する延伸した結合用細長板6と相補的となるように形成されていることを特徴とする。
【請求項33】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも1つのパネル1で端面及び/又は辺縁凹部が細片状の補強部材5で補強されていることを特徴とする。
【請求項34】
前記請求項33記載の組み合わせパルプ部材であって、細板状の補強部材5が木材若しくは木質材料又は金属で形成されていることを特徴とする。
【請求項35】
前記請求項35記載の組み合わせパルプ部材であって、少なくとも一面に、
台形トタン板又は
その他のシート状属板又は
こけら板又は
屋根部材又は
コンクリートスラブ又は
セラミックタイル又は
壁タイル又は
プラスチックパネル又は
プラスチック部材又は
石膏ボード又は
木製パネル又は
床被覆材又は
太陽光発電部材又は
エンボス加工レリーフ又は
壁紙又は
装飾フィルム又は
ペンキ層又は
漆喰付き木舞
が設けられていることを特徴とする。
【請求項36】
前記請求項17、34又は35記載の組み合わせパルプ部材であって、木材部分は少なくとも3層から成り、その第1層は波形で、その波形の山の部分で第2の平たい木質層に結合し、その反対側の波の谷の部分で第3の平たい木質層に結合することで、各木質層の間に多数の空洞が形成されることを特徴とする。
【請求項37】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材であって、内部に少なくとも1つの非常に大きな空洞3を有することを特徴とする。
【請求項38】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材の使用方法であって、複数のパネル1が結合して
壁及び/又は
外壁材及び/又は
屋根及び/又は
デッキ及び/又は
床及び/又は
階段
を形成することを特徴とする。
【請求項39】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材を含有する壁であって、複数のパネル1が垂直に配列され、それらのパネル結合部4が辺縁を囲む窪みとして形成され、この窪みの中へ、各々2つの隣接するパネル結合部を被覆する結合用細長板6が挿入され、その中で固定されることを特徴とする。
【請求項40】
前記請求項39記載の壁であって、結合用細長板6は、それらが挿入されるパネル結合部4パネル1の外表面11と同じ高さに仕上げられることを特徴とする。
【請求項41】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材を含有する壁であって、多数のパネル1が、木製、金属製又はコンクリート製の垂直支持部材及び/又は水平板の間に装着されることを特徴とする。
【請求項42】
前記請求項41記載の壁であって、木製の板は少なくとも3層から成り、その第1層は波形で、その波形の山の部分で第2の平たい木質層に結合し、その反対側の波の谷の部分で第3の平たい木質層に結合することで、各木質層の間に多数の空洞が形成されることを特徴とする。
【請求項43】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材を含有する屋根であって、多数のパネル1が屋根垂木の間又はその上に装着されていることを特徴とする。
【請求項44】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材を含有するデッキであって、多数のパネル1がデッキ梁7の間又はその上に装着されていることを特徴とする。
【請求項45】
前記各請求項のうちの1に記載の組み合わせパルプ部材を含有する階段であって、組み合わせて階段として機能するL字形構造部材を形成する多数のパネル1が、階段の支持梁の間又はその上に装着されていることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−502221(P2011−502221A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532424(P2010−532424)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001777
【国際公開番号】WO2009/056117
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510123954)
【出願人】(510123965)
【Fターム(参考)】