説明

組み合わせC型肝炎ウイルス抗原及び抗体検出法

【課題】単一アッセイにて、C型肝炎ウイルス(HCV)コアタンパク質及びHCVコアタンパク質に対する抗体(抗コア抗体)を検出することによる、C型肝炎の検出を可能にするインビトロ法を提供する。また、本方法及び、組み合わせ法における使用のための適切な捕捉ペプチド及びモノクローナル抗体を選択するためのプロセスを遂行するための診断キットも提供する。
【解決手段】短いペプチド(これらはそれぞれ、ネイティブコアタンパク質の免疫優勢領域に対応するアミノ酸配列を有するが、本方法で使用される抗体が結合するエピトープを完全には包含しない。)を使用することにより、本方法において交差反応性が排除される。対象におけるHCVの存在を検出するために、及び/又は輸血目的のためのドナー血液又は血液製剤の適切性を調べるために、本方法を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
とりわけ、本発明は、ウイルス検出の分野、及び、特に、C型肝炎ウイルス感染の検出の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は現在、輸血が関与する非A、非B(NANB)肝炎の主要な原因として認識されている。HCVは、フラビウイルス及びペスチウイルスと同様の1本鎖のプラス鎖RNAウイルスであり(Miller R.H.及びPurcell R.H.Proc.Natl.Acad.Sci.87:2057(1991);Weiner A.J.ら、Virology 180:842(1990))、世界中に広がっている。HCVの急性期は一般に軽症であり、黄疸を呈するのは患者のわずか25%であるが、感染者の多く(>50%)は、重篤で生命を脅かす可能性のある、肝硬変及び肝細胞癌などの続発症がある慢性肝炎発症に到る(Jove J.ら、Liver、8:42(1990);Hopf U.ら、Hepatology、10:69(1990))。
【0003】
HCV感染は、現在、PCRによるウイルスRNAの直接検出により、又は抗HCV抗体(一般にHCV構造コアタンパク質又は非構造NS3タンパク質に対するもの)の検出により、診断される。一般に、これには、個体がHCVに感染した後、ウイルスに対する抗体を個体が発現できるまで最長で約70日を要し得、従って、この70日の間、抗体試験単独では、HCV感染が起こっているか否かを判定することはできない。一方、ウイルスRNAは、感染後約10日で検出され得、即ち、核酸試験(NAT)に対する「潜伏期間」は、抗体試験よりもはるかに短い。しかし、NATは、どちらかと言うと抗体試験よりも費用効果が悪く、混入などの操作エラーが起こりやすい。さらに、RNAレベルは、ウイルスの最初のピークが消散したとき、特に、プールした試料を試験する場合、この核酸試験に対する検出限界未満に低下し得る。
【0004】
米国特許第6,596,476号;同第6,592,871号;同第6,183,949号;同第6,235,284号;同第6,780,967号;同第5,981,286号;同第5,910,404号;同第6,613,530号;同第6,709,828号;同第6,667,387号;同第6,007,982号;同第6,165,730号;同第6,649,735号及び同第6,576,417号は、コアタンパク質に基づく抗原及びHCVを検出するためのその使用を記載する。
【0005】
最近になって、抗体が検出可能になるよりも著しく早く、試料中のHCVコアタンパク質抗原を検出することができることを示すHCV抗原アッセイが開発された。研究から、最初のウイルス血症血液採取から最初のHCV抗原陽性血液採取までの平均時間が、2.0日間と推定されること、及び、最初のHCV抗体陽性血液採取までの平均時間が50.8日間と推定されることが分かった(Courouce A.M.ら、Transfusion、40、1198−1202(2000))。
【0006】
従って、HCV抗原及び抗HCV抗体を検出する組み合わせアッセイは、上述の70日間の潜伏期間内にHCV感染を検出する手段を提供し、これはまた、セロコンバージョン後のHCVへの曝露も同定する。HCVのさらに早期の診断は、感染個体から他の個体へのウイルスの伝染を予防すること及び血液供給の混入リスクを最小限にすることに役立ち得る。しかし、適切な組み合わせアッセイを開発するためには、単一のアッセイにおいて抗原性タンパク質及び同じ抗原性タンパク質に対する抗体をアッセイすることに対する干渉又は交差反応の問題を処理しなければならない。干渉又は交差反応の結果、例えば、固相に結合したHCV抗原性タンパク質が試料中の抗HCV抗体を捕捉するために使用される場合。HCV抗原性タンパク質が、標識抗体又は試料中のHCV抗原性タンパク質を検出するために使用される抗体により認識されるものと同じエピトープを有するので、標識抗体又は抗体はまた、固相上のHCV抗原性タンパク質とも結合し得、従って、試験試料の非存在下でも偽陽性反応が起こる。
【0007】
干渉の問題を解決するために様々なストラテジーを使用する、HCV感染を検出するための様々な組み合わせアッセイが記載されてきた。国際特許出願PCT/US02/19958(WO03/002749)及び米国特許第6,727,092号及び同第6,855,809号は、それぞれ、試料からのコアタンパク質及び試料からのコアタンパク質に対する抗体を捕捉するためのコアペプチド又は組み換えコアタンパク質を検出するためにモノクローナル抗体を使用する、HCVを検出するための組み合わせアッセイを記載する。モノクローナル抗体により認識されるエピトープが排除されるか又は修飾されるように、組み換えコアタンパク質が改変されている。ある例において、記載されている組み合わせアッセイは、試料からのコアタンパク質に対する抗体を捕捉するために、コアタンパク質のアミノ酸11から28に対応する17アミノ酸残基長の1つのペプチドを使用する。しかし好ましい形式は、このアッセイで使用されるモノクローナル抗体により認識されるエピトープを欠失するように改変されているコアタンパク質配列のアミノ酸1から100又は8から100に対応する組み換えコアタンパク質を使用する。
【0008】
国際特許出願PCT/FR03/01429(WO03/095968)及び米国特許出願10/431,587(US2004/0072267)は、抗体を捕捉するために使用される標的抗原のある種のエピトープが構造的に修飾されるか破壊されている、HCVを検出するための、別の組み合わせアッセイを記載する。次に、抗体が対応する非修飾エピトープを正確に認識し、このようにして修飾抗原(これらの同じエピトープをもはや提示しない。)に結合できないように、このアッセイにおいて使用される抗体を具体的に選択する。このアプローチに基づく組み合わせアッセイキット(MonoLisa(R)HCV antigen−antibody Ultra、Bio−Rad Laboratories)が開発され、これが、抗体のみに基づくアッセイを上回る改善があることが分かったが、それでもNATより感度が低い(Ansaldi、F.ら、J.Viral Hepatitis、13:5−10(2006);Laperche、S.ら、Transfusion、45:1965−1972(2005);Laperche、S.ら、J.Clin.Microbiol、43:3877−3883(2005))。
【0009】
同様に、US2003/0108563及びUS2003/0152965は、抗原として使用されるHCVコアタンパク質が、HCVコアタンパク質残基10−43以外のアミノ酸残基が変更されている又はこれを欠失している配列を含み、修飾HCVコアタンパク質を認識しない抗HCVコア抗体が使用される、別の組み合わせアッセイを記載する。
【0010】
この基礎的情報は、出願者が本発明に対して関連する可能性があると考える情報を開示する目的のために提供される。上述の情報の何れも本発明に対する先行技術を構成するものではないし、そのように解釈されるべきものではない。
【0011】
本明細書中で参照される全ての特許及び刊行物は、参照によりその全体において本明細書中に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,596,476号明細書
【特許文献2】米国特許第6,592,871号明細書
【特許文献3】米国特許第6,183,949号明細書
【特許文献4】米国特許第6,235,284号明細書
【特許文献5】米国特許第6,780,967号明細書
【特許文献6】米国特許第5,981,286号明細書
【特許文献7】米国特許第5,910,404号明細書
【特許文献8】米国特許第6,613,530号明細書
【特許文献9】米国特許第6,709,828号明細書
【特許文献10】米国特許第6,667,387号明細書
【特許文献11】米国特許第6,007,982号明細書
【特許文献12】米国特許第6,165,730号明細書
【特許文献13】米国特許第6,649,735号明細書
【特許文献14】米国特許第6,576,417号明細書
【特許文献15】国際公開第03/002749号
【特許文献16】米国特許第6,727,092号明細書
【特許文献17】米国特許第6,855,809号明細書
【特許文献18】国際公開第03/095968号
【特許文献19】米国特許出願公開第2004/0072267号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2003/0108563号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2003/0152965号明細書
【特許文献22】欧州特許第45665号明細書
【特許文献23】米国特許第5,705,330号明細書
【特許文献24】米国特許第5,089,424号明細書
【特許文献25】米国特許第5,006,309号明細書
【特許文献26】米国特許第5,063,081号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第20030170881号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第20040018577号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第20050054078号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第20060160164号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Miller R.H.及びPurcell R.H.Proc.Natl.Acad.Sci.、1991、87、p.2057
【非特許文献2】Weiner A.J.ら、Virology、1990、180、842
【非特許文献3】Jove J.ら、Liver、1990、8、42
【非特許文献4】Hopf U.ら、Hepatology、1990、10、69
【非特許文献5】Courouce A.M.ら、Transfusion、2000、40、p.1198−1202
【非特許文献6】Ansaldi、F.ら、J.Viral Hepatitis、2006、13、p.5−10
【非特許文献7】Laperche、S.ら、Transfusion、2005、45、p.1965−1972
【非特許文献8】Laperche、S.ら、J.Clin.Microbiol、2005、43、p.3877−3883
【非特許文献9】Smith、T.F.及びM.S.Waterman、J.Mol.Biol.、1981、147、p.195−7
【非特許文献10】Smith及びWaterman、Advances in Applied Mathematics、1981、p.482−489
【非特許文献11】Altschul、S.F.、W.Gishら、J.Mol.Biol.、1990、215、p.403−10
【非特許文献12】Spatola、Vega Data、1983、第1巻、第3号
【非特許文献13】スパトラ(Spatola)、「Chemistry and Biochemistry of aminio acis peptide and proteins」、ファインシュタイン(Weinstein)編、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、New York、1983年、p.267
【非特許文献14】Morley、J.S.、Trends Pharm.Sci、1980、p.463−468
【非特許文献15】Hudsonら、Int.J.Pept.Prot.Res.1979、14、p.177−185
【非特許文献16】Spatolaら、Life Sci.、1986、38、1243−1249
【非特許文献17】Hann、J.Chem.Soc.Perkin Trans.、1982、p.1307−314
【非特許文献18】Almquistら、J.Med.Chem.23:1392−1398(1980)
【非特許文献19】Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett.23、p.2533(1982)
【非特許文献20】Holladayら、Tetrahedron Lett.24、p.4401−4404(1983)
【非特許文献21】Hruby、Life Sci、1982、31、p.189−199
【非特許文献22】Merrifield、J.Am.Chem.Soc.、1963、85、p.2149
【非特許文献23】Merrifield、Science、1986、232、p.341
【非特許文献24】Stuyverら、PNAS USA、1994、91、p.10134−10138
【非特許文献25】Bukh、Semin.Liver Dis.、1995、15、p.41−63
【非特許文献26】ハーロー(Harlow)ら、「Antibody:A Laboratory Manual」、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、1998年、第2版
【非特許文献27】ハンメルリング(Hammerling)ら、「Monoclonal antibody and T−Cell Hybridomas」、1981年、エルセビア(Elsevier)、ニューヨーク、p.563−681
【非特許文献28】Hustonら、Methods in Enzymology、1991、203、p.46−88)
【非特許文献29】Shuら、PNAS 1993、90、p.7995−7999
【非特許文献30】Skerraら、Science、1988、240、p.1038−1040
【非特許文献31】Brinkmanら、J.Immunol.Methods、1995、182、p.41−50
【非特許文献32】Amesら、J.Immunol.Methods、1995、184、p.177−186
【非特許文献33】Kettleboroughら、Eur.J.Immunol.、1994、24、p.952−958
【非特許文献34】Persicら、Gene、1997、187、p.9−18
【非特許文献35】Burtonら、Advances in Immunology、1994、57、p.191−280
【非特許文献36】フランク・クイン(Frank Quinn)、「The Immunoassay Handbook」、2001年、第二版、デビッド・ワイルド(David Wild)編集、p.363−367
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、組み合わせC型肝炎ウイルス抗原及び抗体検出法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある態様によると、試料中のC型肝炎コアタンパク質及びC型肝炎コアタンパク質に対する抗体の検出のための方法が提供され、この方法は、好ましくは、次の段階を含む:a)捕捉ペプチドとC型肝炎コアタンパク質に対する抗体との間で捕捉ペプチド:抗体複合体の形成を可能にする条件下で、約4から約30アミノ酸残基長の間(場合によっては約12から約30アミノ酸残基長の間)の1以上の捕捉ペプチドと、前記試料と、を接触させる段階(ここで、各捕捉ペプチドは、C型肝炎コアタンパク質のエピトープを含むアミノ酸配列を好ましくは有する。);b)第一の抗体とC型肝炎コアタンパク質との間での抗体:抗原複合体の形成を可能にする条件下で、第一の抗体と試料を接触させる段階(ここで、第一の抗体は、各1以上の捕捉ペプチドにより含まれるエピトープとは異なる第一のエピトープでC型肝炎コアタンパク質と特異的に結合する。);c)C型肝炎コアタンパク質に対する抗体の指標として、段階(a)で形成される何らかの捕捉ペプチド:抗体複合体を検出する段階;d)C型肝炎コアタンパク質の指標として、段階(b)で形成される何らかの抗体:抗原複合体を検出する段階。
【0016】
ある実施形態において、場合によっては各捕捉ペプチドは、C型肝炎コアタンパク質のエピトープと、配列番号1の残基16から30、配列番号1の残基33から44及び配列番号1の残基49から65からなる群から選択されるアミノ酸配列と、を含み、捕捉ペプチド中に存在する何れのその他のアミノ酸残基も、配列番号1の配列と比較して変更されている。
【0017】
本発明の別の態様によると、試料中のC型肝炎コアタンパク質及びC型肝炎コアタンパク質に対する抗体の検出のためのキットが提供され、このキットは、好ましくは、次のもの:約4からび約30アミノ酸長の間(場合によっては約12から約30アミノ酸残基長の間)の1以上のペプチド(好ましくはこの各ペプチドは、C型肝炎コアタンパク質のエピトープを含むアミノ酸配列を有する。)と、1以上の抗体(好ましくは、この1以上の抗体の第一のものはC型肝炎コアタンパク質の第一のエピトープに特異的に結合でき、第一のエピトープは、1以上の捕捉ペプチドにより含まれるエピトープとは異なる。)と、を含む。ある実施形態において、場合によっては、各捕捉ペプチドは、C型肝炎コアタンパク質のエピトープと、配列番号1の残基16から30、配列番号1の残基33から44及び配列番号1の残基49から65からなる群から選択されるアミノ酸配列と、を含み、捕捉ペプチドに存在する何れのその他のアミノ酸残基も配列番号1の配列と比較して変更されている。
【0018】
本発明の別の態様によると、微生物の抗原性タンパク質及びこの抗原性タンパク質に対する抗体を同時に検出することができる試薬を選択するためのプロセスが提供され、この試薬は、好ましくは1以上の免疫優勢ペプチド及び1以上の特異的抗体からなり、この方法は、好ましくは、次の段階:i)ペプチドのライブラリを提供する段階(各前記ペプチドは、抗原性タンパク質のアミノ酸配列の一部に対応するアミノ酸配列を有し、候補ペプチドのアミノ酸配列は重複する。);ii)微生物感染対象からの血清試料とペプチドのライブラリを接触させる段階;iii)陰性対照血清試料と前記プチドのライブラリを接触させる段階;iv)候補ペプチドを提供するために、段階(ii)の血清試料の複数において抗体に結合し、段階(iii)の陰性対照試料において抗体に結合しない候補ペプチドを選択する段階;v)候補ペプチドの1以上の配列を含む免疫優勢ペプチドを調製する段階;vi)1以上の候補抗体と免疫優勢ペプチドを接触させる段階、vii)特異的抗体を提供するために、前記免疫優勢ペプチドに結合しない1以上の抗体を選択する段階、を含む。
【0019】
本発明の別の態様によると、試料中の微生物の抗原性タンパク質及び抗原性タンパク質に対する抗体の検出のためのキットが提供され、このキットは、好ましくは:抗原性タンパク質に特異的に結合できる1以上の特異的抗体と、抗原性タンパク質のアミノ酸配列由来の1以上の免疫優勢ペプチドと、を、特異的抗体と、本発明の試薬を選択するためのプロセスに従い選択される免疫優勢ペプチドと、を含む。
【0020】
添付の図面を参照する次の詳細な記述において本発明のこれら及びその他の特性が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明のある実施形態に従い免疫優勢ペプチドを作製するために使用されるHCVコアタンパク質[配列番号1]のアミノ酸配列を示す。
【図2】図2は、GenBank(受託番号NP_751919)[配列番号2]から利用可能なHCVコアタンパク質p21cのアミノ酸配列を示す。
【図3】図3は、HCVコアタンパク質[配列番号7から53]配列由来の重複ペプチドのライブラリに対する配列を示し、免疫原性ペプチド配列番号3、4、5及び54(青い影付き)ならびに適切な抗体に対するエピトープ(囲み付き配列:GIVG[配列番号6]及びGPRLGVRA[配列番号98])の位置を示す。任意数は図面を明らかにするために適用し;配列番号31−53において識別される配列の付番は、規定どおり残基56を超えて伸長する。
【図4】図4は、本発明のある実施形態に従うプロセス制御監視の手順の図式的概観を示す。
【図5】図5は、本発明のある実施形態に従う組み合わせアッセイの図式を示す。
【図6】図6A及び6Bは、本発明のある実施形態による組み合わせアッセイの感度の間の比較の結果(図6B)及び別の市販の抗体/抗原アッセイの感度(図6A)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、とりわけ、単一アッセイにおいてC型肝炎ウイルス(HCV)コアタンパク質及びHCVコアタンパク質に対する抗体(抗コア抗体)を検出することによる、C型肝炎の検出を可能にするインビトロの方法を提供する。本方法は、好ましくは、抗コア抗体を検出するために選択された免疫優勢ペプチドと組み合わせて、コアタンパク質の検出のための、コアタンパク質に特異的に結合することが可能な抗体を使用する。この方法は、交差反応の問題を最小限にするためにある種のエピトープが欠失しているか又は構造的に修飾されている、コアタンパク質の特殊化された断片の構築に依存する既に記載の方法とは異なる。本発明の方法において、短いペプチド(これらはそれぞれ、ネイティブHCVコアタンパク質の免疫優勢領域に対応するアミノ酸配列を有するが、本方法において使用される抗体により結合されるエピトープを完全には包含しない。)を使用することによって、交差反応性を好ましくは制限するか又は排除する。それらが比較的短いことにより、本発明の方法で使用されるペプチドは、好ましくは、長いペプチドよりも簡単に、及び高い信頼性で(即ちエラー率が低い。)合成することができる。
【0023】
さらに、本発明のある実施形態において、別個のペプチドの複数個(それぞれが、異なるエピトープを含む。)を使用すると、本方法に含まれる各ペプチドの相対量の調整が行われることによって、エピトープ比率を調整できるようになる。エピトープ比率の調整により、特異性に影響を及ぼさずに、本方法の感度を最適化することができる。本方法の別の実施形態において、上述の方法におけるコアタンパク質の一部に対応する短いペプチド配列を使用すると、好ましくは、コアタンパク質全体又はコアタンパク質のより長い断片を使用する方法と比較して、特異性が向上する。
【0024】
本方法はまた、さらなる抗体及び/又は抗原性タンパク質又は、1以上のHCVタンパク質又はコアタンパク質以外のHCVタンパク質に対する抗体及びコアタンパク質に対する抗体の検出のための方法において使用されるべきペプチドも提供する。ある実施形態において、本発明の方法は、好ましくは、免疫優勢コアタンパク質ペプチド及びコアタンパク質に対する抗体に加えて、対応する抗体の検出のために、HCV非構造タンパク質又はその断片を使用する。
【0025】
本発明は、上述の方法を行うための試薬(即ち、免疫優勢コアタンパク質ペプチド及びコアタンパク質に対する抗体)を含むHCVの検出のためのキットをさらに提供し、場合によっては、1以上の非コアHCVタンパク質の検出のためのさらなる抗体及び/又は抗原性タンパク質又はペプチドを提供する。
【0026】
例えば、対象においてHCVの存在を検出するために、及び/又は輸血目的のためのドナー血液又は血液製剤の適合性を調べるために、本発明の方法及びキットを使用することができる。
【0027】
上述の方法及びキットでの使用に適切な試薬は、好ましくは、HCVコアタンパク質のキーエピトープを含有する免疫優勢ペプチドを同定し、本方法及び/又はキットでの使用のためにこれらの免疫優勢ペプチドの1以上を選択し、免疫優勢ペプチドに存在するエピトープ以外のエピトープに結合する1以上の抗コア抗体を選択することにより、本明細書中に記載のように選択される。コアタンパク質及びこれに対する抗体以外のHCV抗原性タンパク質の検出の組み合わせ法、より一般的には、その他の微生物からの抗原性タンパク質及びこれらのタンパク質に対する抗体を検出する組み合わせ法に適切な試薬の選択に、この選択プロセスが幅広く適用できることを理解されたい。このようにして、本方法は、一般的抗原性タンパク質及びこの抗原性タンパク質に対する抗体の同時検出のための試薬をスクリーニングするための一般的プロセスを提供するが、このプロセスは、免疫優勢ペプチド(それぞれが、その微生物に感染している対象の多くに存在する抗体により認識されるキーエピトープを含有する。)を最初に同定する段階;同定された免疫優勢ペプチドの1以上を選択する段階;選択ペプチド中に含有されるもの以外のエピトープを認識する抗体を同定する段階を含む。
【0028】
定義
別段の定義がない限り、本明細書中で使用される技術及び科学用語は全て、本発明が属する分野で当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0029】
本明細書中で使用する場合、アミノ酸配列に関連して、「に対応する」は、参照アミノ酸配列とアミノ酸配列が実質的に同一であることを指す。「実質的に同一」とは、例えば下記の方法を使用して最適に並べた場合に、アミノ酸配列が参照アミノ酸配列と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を共有することを意味する。2つのアミノ酸配列間の%同一性は、例えば、Smith Waterman Alignment(Smith、T.F.及びM.S.Waterman、J.Mol.Biol.147:195−7(1981));「BestFit」(Smith及びWaterman、Advances in Applied Mathematics、482−489(1981));BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool;(Altschul、S.F.、W.Gishら、J.Mol.Biol.215:403−10(1990))及びその変法及びアップデート;ALIGN、ALIGN−2、CLUSTAL又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公開されているコンピュータソフトウェアを用いて、当技術分野の技術内の様々な方法において調べられる。さらに、当業者は、比較される配列の長さにわたる最大アラインメントを達成するために必要とされるアルゴリズムを含め、アラインメントを調べるために、適切なパラメータを決定することができる。一般に、ペプチドに対して、比較配列の長さは、少なくとも10個のアミノ酸であり、しかし、実際の長さが比較されている配列の長さ全体に依存し、少なくとも12、15、17、18、19又は20アミノ酸であり得る又はそれがペプチド配列の全長であり得ることを、当業者は理解する。
【0030】
本明細書中で使用する場合、「潜伏期間」という用語は、C型肝炎ウイルスによる個体の感染から、アッセイによって感染が検出できるようになるまでの時間を指す。
【0031】
「特異的に結合する」という用語は、個々の抗体が抗原に特異的に反応する能力を指す。結合特異性は、抗体が特異的抗原に差別的に結合するが、非関連抗原には結合せず、従って、2つの異なる抗原を区別する能力を基準に決定することができる、又は、あるいは、抗原における特異的エピトープに示差的に結合するが同じ抗原においてその他のエピトープに結合せず、従って、2つの異なるエピトープを区別するという能力を基準に判定される。
【0032】
「C型肝炎ウイルス」又は「HCV」という用語は、C型肝炎に関与するウイルスの、全ての株及び全てのタイプ、サブタイプ及び遺伝子型を含む。
【0033】
本明細書中で使用する場合、「約」という用語は、指示される値からおよそ±10%変動することを指す。このような変動は、通常、本明細書中で提供される何らかのある種の値(具体的に言及されるにしろされないにしろ)に含まれると理解されたい。
【0034】
天然のアミノ酸は、本明細書を通して、ペプチドの技術分野で一般に受容され、生化学命名法においてIUPAC−IUBコミッションにより推奨される、下記で示す従来の3文字又は1文字略記により区別される。
【0035】
【表1】

【0036】
本明細書中で示されるペプチド配列は、N末端アミノ酸が左にありC末端アミノ酸が右にある、一般に受容されている慣習に従い記述する。
【0037】
1.HCVの検出のための組み合わせ法
本発明のある態様は、試料中のHCVコアタンパク質及びコアタンパク質に対する抗体の両方を検出することによる、HCVの検出のための組み合わせ法を提供する。本方法は、好ましくは、試薬として、交差反応性を最小化又は排除するために選択された、捕捉抗体及び捕捉ペプチドを使用する。これらの試薬を選択する方法は、下記で述べるが、コアタンパク質の免疫優勢ペプチドの同定及び選択、及び選択された免疫優勢ペプチド上に存在するもの以外のエピトープを認識するモノクローナル抗体の同定及び選択に基づく。本発明は、このような試薬を選択する方法をさらに含む。
【0038】
本発明の組み合わせ法によると、1以上の捕捉ペプチド(それぞれコアタンパク質の異なるエピトープを含む。)及び捕捉ペプチドに存在するもの以外のエピトープにおいてHCVコアタンパク質に特異的に結合できる捕捉抗体と試験しようとする試料とを接触させる。次に、形成される何らかの捕捉ペプチド:抗体複合体及び抗体:コアタンパク質複合体を検出する。
【0039】
当技術分野で公知のように適切に標識した試薬を用いて、捕捉ペプチド:抗体複合体及び抗体:コアタンパク質複合体を検出することができる。例えば、標識コアペプチド(「検出ペプチド」)を用いて、捕捉ペプチド:抗体複合体を検出することができるが、このペプチドは、捕捉ペプチドの配列と同じ配列又は実質的に同一である配列を含み得る。あるいは、例えば標識された二次抗体(抗ヒト抗体など)を用いて、捕捉ペプチド:抗体複合体を検出することができる。「直接」形式での捕捉ペプチド:抗体複合体の検出(即ち適切な検出ペプチドを用いて)により、二次抗体を用いる「間接的」形式よりも特異性が向上し得る。従って、ある実施形態において、本発明の方法は、捕捉ペプチド:抗体複合体の検出のために直接形式を使用する。例えば、捕捉抗体と同じである又は異なり得る標識された二次抗コア抗体を用いて、抗体:コアタンパク質複合体を検出することができる。しかし、二次抗コア抗体は、捕捉ペプチド及び使用する場合は検出ペプチドにより含有されるもの以外のエピトープを認識すべきである。
【0040】
このようにして、ある実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、捕捉ペプチド:抗体複合体を形成させるために、試料中の抗コア抗体に捕捉ペプチドが結合することができる条件下で、1以上の捕捉ペプチドと試験試料を接触させることを含む。この試料は、好ましくは、抗体:コアタンパク質複合体を形成させるために、試料中のコアタンパク質に捕捉抗体が結合することができる条件下で、HCVコアタンパク質に特異的に結合できる捕捉抗体に同時に接触させられる。捕捉抗体により認識されるコアタンパク質のエピトープを捕捉ペプチドは含有しないので、コアタンパク質の捕捉とコアタンパク質に対する抗体の捕捉との間の交差反応性は最小限である又は排除される。本方法は、好ましくは、形成される何らかの抗体:コアタンパク質複合体及び捕捉ペプチド:抗体複合体を検出することをさらに含む。別の実施形態において、捕捉ペプチド及び捕捉抗体は、固体表面上に固定化される。
【0041】
さらに別の実施形態において、本方法は、好ましくは、複数の捕捉ペプチド、例えば、2以上の捕捉ペプチド又は3以上の捕捉ペプチドを使用する。
【0042】
本方法は、さらに、場合によっては、HCVの第二の抗原性タンパク質又はHCVの第二の抗原性タンパク質に対する抗体を同時に検出する段階を含む。このようにして、ある実施形態において、HCVの第二の抗原性タンパク質に対する抗体又は第二の抗原性タンパク質に特異的に結合できる捕捉抗体に特異的に結合できる捕捉抗原を方法中に含み得る。別の実施形態において、本方法は、第二の抗原性タンパク質:抗体複合体の抗体又は抗原性タンパク質成分に結合できる標識された検出抗原又は検出抗体を使用して、何らかの第二の抗原性タンパク質:抗体複合体を検出する段階をさらに含む。
【0043】
本発明の方法は、場合によっては、例えば下記のものなど、当技術分野で公知の様々な形式であり得る。ある実施形態において、本方法は、免疫アッセイとして行われる。例えば、捕捉ペプチド、捕捉抗体(及び、使用する場合は捕捉抗原)を、直接又は適切な担体上での提示を介しての何れかで、固相上に固定化することができ、一方、検出ペプチド、検出抗体(及び、使用する場合は検出抗原)が液相で与えられる。
【0044】
本発明の別の実施形態において、本方法は、好ましくは、本方法が適正に行われていることを確実にするためのプロセス制御監視を含む。プロセス制御監視は、好ましくは、プロセスの完全性を確保するための試料添加制御及び色分け試薬の使用を含む。プロセス制御監視のその他の変法は、当業者にとって明白である。
【0045】
1.1.コアタンパク質免疫優勢ペプチド
本発明の組み合わせ法で使用される捕捉ペプチドは、HCVコアタンパク質に対する抗体に特異的に結合するように設計される。このペプチドは、免疫優勢コアタンパク質ペプチド、即ちHCVコアタンパク質のネイティブアミノ酸配列の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含み、HCV感染個体の免疫系によって最もよく認識されるエピトープの1つを含有する。従って、免疫優勢ペプチドは、好ましくは、HCV感染の様々な段階の個体由来の試料中で見出されるコアタンパク質に対する抗体により認識される少なくとも1つのエピトープを含むアミノ酸配列を有する。
【0046】
本発明によると、免疫優勢ペプチドは、好ましくは、約4から約30アミノ酸残基長の間である。ある実施形態において、本ペプチドは、約6から約30アミノ酸残基長の間であり、場合によっては約12から約30アミノ酸残基長の間である。さらなる実施形態において、好ましくは、ペプチドは、約6から約25アミノ酸残基長の間である。さらに別の実施形態において、好ましくは、本ペプチドは、約8から約25アミノ酸残基長の間である。その他の実施形態において、本ペプチドは、好ましくは、約10から約25アミノ酸残基、約10から約22アミノ酸残基、約12から約22アミノ酸残基、約12から約20アミノ酸残基長の間である。
【0047】
上述のように、免疫優勢ペプチドは、好ましくは、HCVコアタンパク質のネイティブアミノ酸配列の一部に対応するアミノ酸配列を含む。HCVコアタンパク質配列の例を図1で与える[配列番号1]。HCVコアタンパク質p21cのアミノ酸配列もまたGenBank(受託番号NP_751919)から得ることができ、本明細書中で図2のように与えられる[配列番号2]。HCVの様々な遺伝子型の間でよく保存されており、HCV感染対象の大多数からの抗体により認識されるコアタンパク質のそれらの領域を確立することによって、コアタンパク質配列から免疫優勢ペプチド配列を同定することができる。ある実施形態において、好ましくは、ペプチドにより含まれるエピトープが、感染の主要な段階からの抗体に結合するように、免疫優勢ペプチドの組み合わせを選択する。例えば本明細書中に記載のプロセスに従うことにより、適切な免疫優勢ペプチドを容易に選択することができる(例えば、下記セクション6参照)。ある実施形態において、好ましくは、各ペプチドが感染の様々な段階での抗体により認識されるエピトープを含むよう、組み合わせ法における使用のための複数の免疫優勢ペプチドを選択するが、これにより、HCVに対する免疫反応を広範にカバーできるようになる。
【0048】
ある実施形態において、各免疫優勢ペプチドは、好ましくは、配列番号1で示される配列の、少なくとも4又は少なくとも5の連続アミノ酸を含む。別の実施形態において、このペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列番号1のアミノ酸1−80(即ちN末端領域)で示される配列の、少なくとも4又は少なくとも5の連続アミノ酸を含む。その他の実施形態において、各免疫優勢ペプチドは、好ましくは、配列番号1で示される配列の、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも10又は少なくとも12の、連続アミノ酸を含む。
【0049】
具体的な実施形態において、本ペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列:NRRPQDVKFPGGGQI[配列番号3]、GVYLLPRRGPRL[配列番号4]、TRKTSERSQPRGRRQPIPKA[配列番号5]又はNRRPQDVKFPGGGQIC[配列番号54]の何れか1つの、少なくとも4又は少なくとも5の連続アミノ酸を含む。別の実施形態において、本ペプチドのそれぞれは、次のものから選択される配列を含む:NRRP[配列番号60]、RRPQ[配列番号61]、RPQD[配列番号62]、PQDV[配列番号63]、QDVK[配列番号64]、DVKF[配列番号65]、VKFP[配列番号66]、KFPG[配列番号67]、FPGG[配列番号68]、PGGG[配列番号69]、GGGQ[配列番号70]、GGQI[配列番号71]、GVYL[配列番号72]、VYLL[配列番号73]、YLLP[配列番号74]、LLPR[配列番号75]、LPRR[配列番号76]、PRRG[配列番号77]、RRGP[配列番号78]、RGPR[配列番号79]、GPRL[配列番号80]、TRKT[配列番号81]、RKTS[配列番号82]、KTSE[配列番号83]、TSER[配列番号84]、SERS[配列番号85]、ERSQ[配列番号86]、RSQP[配列番号87]、SQPR[配列番号88]、QPRG[配列番号89]、PRGR[配列番号90]、RGRR[配列番号91]、GRRQ[配列番号92]、RRQP[配列番号93]、RQPI[配列番号94]、QPIP[配列番号95]、PIPK[配列番号96]及びIPKA[配列番号97]。
【0050】
別の実施形態において、本ペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号54で示される配列の何れか1つの、少なくとも6個の連続アミノ酸を含む。別の実施形態において、本ペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号54で示される配列の何れか1つの、少なくとも8個の連続アミノ酸を含む。その他の実施形態において、本ペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号54で示される配列の何れか1つの、少なくとも10個の連続アミノ酸、少なくとも12個の連続アミノ酸又は少なくとも14個の連続アミノ酸を含む。別の実施形態において、捕捉ペプチドのそれぞれは、好ましくは、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号54で示される配列の何れか1つを含む。
【0051】
ある実施形態において、本発明は、配列番号3、4、5、54、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89又は90の何れか1つの変異配列を含む(この変異配列は、HCV感染の様々な段階の個体由来の試料中で見出されるコアタンパク質に対する抗体に結合する能力を保持する。)、免疫優勢ペプチドを提供する。「変異配列」という用語は、本明細書中で使用する場合、参照ペプチド配列と比較して1以上のアミノ酸残基が、欠失、付加又は置換されているペプチド配列を指す。好ましくは、変異配列が1以上のアミノ酸置換を含有する場合、これらは、「保存的」置換である。保存的置換は、1つのアミノ酸残基の、同様の側鎖特性を有する別の残基による置換を含む。当技術分野で公知のように、20種類の天然アミノ酸を側鎖の物理化学的特性に従いグループ化することができる。適切なグループ化には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、フェニルアラニン及びトリプトファン(疎水性側鎖);グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及びグルタミン(極性、非電荷側鎖);アスパラギン酸及びグルタミン酸(酸性側鎖)及びリシン、アルギニン及びヒスチジン(塩基性側鎖)が含まれる。アミノ酸の別のグループ化は、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン(芳香族側鎖)である。保存的置換は、アミノ酸の、同じグループからの別のアミノ酸での置換を含む。本発明によると、変異ペプチドは、参照配列と少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、変異ペプチドは、参照配列と少なくとも約75%同一であるアミノ酸配列を含む。その他の実施形態において、変異ペプチドは、参照配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%又は少なくとも約93%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0052】
免疫優勢ペプチドは、天然アミノ酸又は場合によっては1以上の非天然アミノ酸を含み得る。この非天然アミノ酸は、HCV感染の様々な段階の個体由来の試料中で見出されるコアタンパク質に対する抗体への免疫優勢ペプチドの結合能をそれらが妨害しないように選択される。非天然アミノ酸の例には、以下に限定されないが、D−アミノ酸(即ち天然の形態とは逆のキラリティーのアミノ酸)、N−α−メチルアミノ酸、C−α−メチルアミノ酸、β−メチルアミノ酸、β−アラニン(β−Ala)、ノルバリン(Nva)、ノルロイシン(Nle)、4−アミノ酪酸(γ−Abu)、2−アミノイソ酪酸(Aib)、6−アミノヘキサン酸(ε−Ahx)、オルニチン(orn)、ヒドロキシプロリン(Hyp)、サルコシン、シトルリン、システイン酸、シクロヘキシルアラニン、α−アミノイソ酪酸、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、3−アミノプロピオン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸(2,3−diaP)、D−又はL−フェニルグリシン、D−又はL−2−ナフチルアラニン(2−Nal)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、D−又はL−2−チエニルアラニン(Thi)、D−又はL−3−チエニルアラニン、D−又はL−1−、2−、3−又は4−フェニルアラニン、D−又はL−(2−ピリジニル)−アラニン、D−又はL−(3−ピリジニル)−アラニン、D−又はL−(2−ピラジニル)−アラニン、D−又はL−(4−イソプロピル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルグリシン、D−(トリフルオロメチル)−フェニルアラニン、D−p−フルオロフェニルアラニン、D−又はL−p−ビフェニルアラニンD−又はL−p−メトキシビフェニルアラニン、メチオニンスルホキシド(MSO)及びホモアルギニン(Har)が含まれる。その他の例には、D−又はL−2−インドール(アルキル)アラニン及びD−又はL−アルキルアラニン(この場合、アルキルは、置換又は非置換メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ−ブチル又はイソ−ペンチルである。)及びホスホノ又は硫酸化(例えば、−SOH)非−カルボン酸アミノ酸が含まれる。
【0053】
免疫優勢ペプチドは、天然ペプチド結合(即ち−CONH−)又は修飾ペプチド結合の何れかを含み得る。修飾ペプチド結合は、HCV感染の様々な段階の個体由来の試料中で見出されるコアタンパク質に対する抗体への免疫優勢ペプチドの結合能をそれらが妨害しないように選択される。適切な修飾ペプチド結合の例は、当技術分野で周知であり、以下に限定されないが、−CHNH−、−CHS−、−CHCH−、−CH=CH−(シス又はトランス)、COCH−、−CH(OH)CH−、−CHSO−、−CS−NH−及び−NH−CO−(即ち逆ペプチド結合)が含まれる(例えば、Spatola、Vega Data Vol.1、Issue 3、(1983);Spatola、Chemistry and Biochemistry of aminio acis peptide and proteins、Weinstein編、Marcel Dekker、New York、p.267(1983);Morley、J.S.、Trends Pharm.Sci pp.463−468(1980);Hudsonら、Int.J.Pept.Prot.Res.14:177−185(1979);Spatolaら、Life Sci.38:1243−1249(1986);Hann、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I307−314(1982);Almquistら、J.Med.Chem.23:1392−1398(1980);Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett.23:2533(1982);Szelkeら、EP 45665(1982);Holladayら、Tetrahedron Lett.24:4401−4404(1983);及びHruby、Life Sci 31:189−199(1982)参照)。ある実施形態において、免疫優勢ペプチドは1以上の修飾ペプチド結合を含む。免疫優勢ペプチドが複数の修飾ペプチド結合を含む場合、修飾ペプチド結合は同じであり得又は異なり得る。
【0054】
例えば化学合成などの当技術分野で公知の方法によって、免疫優勢ペプチドを調製することができる。このような方法には、以下に限定されないが、固相単独(exclusive solid phase)合成、部分的固相合成、フラグメント縮合又は古典的溶液合成が含まれる(Merrifield、J.Am.Chem.Soc.85:2149(1963);Merrifield、Science 232:341(1986))。例えば、Milliporeの「9050 Plus Pep Synthesizer」、Perseptiveの「Pioneer」合成装置、ABI(Applied Biosystems Inc.)の「433A」合成装置又はRaininの「Symphony」合成装置など、自動ペプチド合成も使用し得る。本ペプチドは、均一相合成によっても調製することができる。本ペプチドは、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー及びサイズ選別カラムクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー)、遠心、示差的溶解度(differential solubility)などの標準技術を用いて、又は当業者にとって周知のその他の技術によって、精製することができる。
【0055】
HCV感染の様々な段階の個体からの試料中で見出されるコアタンパク質に対する抗体に結合する免疫優勢ペプチドの能力は、市販のセロコンバージョンパネル及び、本明細書中に記載のもの(これに限定されない。)を含む標準的方法を用いて、熟練者により容易に判定され得る。
【0056】
本組み合わせ法において使用される免疫優勢ペプチドは、好ましくは、適切な固相上に固定化され得ると考えられる。固相への共有又は非共有(例えば、イオン性、疎水性など)結合を用いて本ペプチドを固定化することができ、さらに、場合によっては本ペプチドは、固定化を促進するために修飾され得る。適切な修飾は当技術分野で公知であり、これには、固体支持体への本ペプチドの架橋又は連結を促進するための本ペプチドのC末端又はN末端の何れかへの官能基又は化学部分の付加が含まれる。代表的な修飾には、S−アセチルメルカプト無水コハク酸(SAMSA)又はS−アセチルチオアセテート(SATA)などの官能基の付加又は本ペプチドのN又はC末端への1以上のシステイン残基の付加が含まれる。その他の架橋剤が当技術分野で公知であり、多くが市販されている(例えば、Pierce Chemical Co.及びSigma−Aldrichからのカタログを参照)。例としては、以下に限定されないが、ジアミン(1,6−ジアミノヘキサンなど);ジアルデヒド(グルタルアルデヒドなど);ビス−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(エチレングリコール−ビス(コハク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、グルタル酸ジスクシンイミジル、スベリン酸ジスクシンイミジル及びエチレングリコール−ビス(コハク酸スクシンイミジル)など);ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートなど);ビスオキシラン(1,4ブタンジイル ジグリシジル エーテルなど);ジカルボン酸(スクシニルジサリチレートなど);3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどが挙げられる。
【0057】
その他の修飾には、Ni2+誘導化面への結合を可能にするためのヒスチジン残基又はジスルフィド架橋形成又はSulfolinkTMアガロースへの結合を可能にするためのシステイン残基などのN又はC末端での1以上のアミノ酸の付加が含まれる。ある実施形態において、本ペプチドの1以上が、好ましくは、システイン残基の付加により修飾される。別の実施形態において、本ペプチドの1以上が、好ましくは、SAMSAなどの官能基の付加により修飾される。さらなる実施形態において、本ペプチドは、好ましくは、N末端修飾を含む。別の実施形態において、本ペプチドは、好ましくはC末端修飾を含む。
【0058】
本発明はまた、本ペプチドが、好ましくは、固体支持体からのペプチド配列を最適に引き離すためにN末端又はC末端において1以上の化学スペーサーを含むように修飾され得ることも提供する。使用することができるスペーサーには、以下に限定されないが、6−アミノヘキサン酸;1,3−ジアミノプロパン;1,3−ジアミノエタン;及び1から5アミノ酸の短いアミノ酸配列(ポリグリシン配列など)が含まれる。ある実施形態において、好ましくは本ペプチドの1以上は、1以上の6−アミノヘキサン酸スペーサーを含む。
【0059】
代替的実施形態において、場合によっては、固相上にそれらを固定化するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン又はサイログロブリンなどの担体タンパク質に本ペプチドを結合させることができる。
【0060】
本発明はまた、好ましくは、本発明の組み合わせ法において検出ペプチドとして免疫優勢ペプチドを使用することができることも提供し、この場合、検出可能標識を組み込むためにこれらを修飾することができる。本発明のある実施形態において、1以上の検出ペプチドのそれぞれは、好ましくは、捕捉ペプチドの1つのアミノ酸配列に本質的に対応するアミノ酸配列を有する。本発明によると、検出ペプチドが捕捉ペプチドとそのアミノ酸配列において同一又は実質的に同一である場合、及びまた、実質的に同等なものでの検出ペプチドにおけるアミノ酸残基の置換(例えば保存的アミノ酸置換)など、一部の配列変異が許容される場合、及び/又は結果として実質的に同等な機能性を得るために(例えば、抗体結合能)、検出ペプチドは、捕捉ペプチドの1つのアミノ酸配列に「本質的に対応」する。このような関係に従い、ある実施形態において、捕捉及び検出ペプチドは、固相及び結合に対して事実上同じアミノ酸配列であるが、それぞれの特定の役割のための提示を最適化するためにスペーサーが異なるアミノ酸配列との対で使用される。
【0061】
本発明による検出可能標識は、好ましくは、直接又は間接的に検出することができ、検出ペプチドへの検出可能標識の結合が、好ましくは検出ペプチドに対する試験試料中の抗コア抗体の特異的結合を妨害しない、分子又は部分である。ペプチドを標識する方法は、当技術分野で周知であり、これには、例えば、検出可能標識への検出ペプチドの連結のための二官能性クロス−リンカー(SAMSAなど(S−アセチルメルカプト無水コハク酸))の使用が含まれる。当技術分野で公知のものなど、又は上述のものと同様のものなどのその他の架橋剤を使用することができる。
【0062】
本発明のペプチドとの使用のための検出可能標識には、好ましくは、放射性同位体、フルオロフォア、化学発光団、酵素、コロイド粒子、蛍光微粒子など、直接的に検出され得るものが含まれる。検出可能標識は、それ自身検出可能であるか、又は検出可能産物を生成させるために1以上のさらなる化合物と反応させられ得るかの何れかである。このようにして、本発明の直接的検出可能標識は、標識の検出を可能にするための、基質、トリガー試薬、光など、さらなる成分を必要とし得ることを、当業者は理解するであろう。検出可能標識の例には、以下に限定されないが、色原体、放射性同位体(例えば、125I、131I、32P、H、35S及び14Cなど)、蛍光化合物(フルオレセイン、ローダミン、ルテニウムトリスビピリジル及びランタニドキレート誘導体など)、化学発光化合物(例えば、アクリジニウム及びルミノールなど)、目で見える又は蛍光粒子、核酸、錯化剤又は酵素などの触媒(例えば、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、ルシフェラーゼなど)が含まれる。酵素の使用の場合、例えば、クロモ−、フルオロ−又はルモジェニック(lumogenic)基質の添加の結果、好ましくは、検出可能シグナルが生成する。時間分解蛍光、内部反射蛍光及びラマン分光法などのその他の検出系も場合によっては有用である。
【0063】
本発明はまた、望ましくは、間接的に検出される標識の使用も提供する。間接的に検出可能な標識は、一般に、「親和性ペア」、即ち2つの異なる分子(このペアの第一のメンバーは本発明の検出ペプチドに連結され、このペアの第二のメンバーは第一のメンバーに特異的に結合する。)の使用を含む。ペアの2つのメンバー間の結合は、通常は、化学又は物理的な性質のものである。このような結合ペアの例には、以下に限定されないが:抗原及び抗体;アビジン/ストレプトアビジン及びビオチン;ハプテン及びハプテンに特異的な抗体;相補的ヌクレオチド配列;酵素補因子/基質及び酵素などが含まれる。
【0064】
ある実施形態において、好ましくは、検出可能標識は、検出ペプチドのN末端に結合される。別の実施形態において、好ましくは、検出可能標識は、検出ペプチドのC末端に結合される。ある実施形態において、場合によっては、検出可能標識は、立体障害の可能性(例えば、以下に限定されないが6−アミノヘキサン酸を含む化学的スペーサーが、検出ペプチド配列と検出可能標識との間で使用される場合など)を低下させるためにスペーサーによって連結される。
【0065】
1.2抗コア抗体
本発明のHCV検出法において使用される抗体は、好ましくは、本方法での使用のために選択される1以上の免疫優勢ペプチドにより含有されるエピトープ以外のHCVコアタンパク質のエピトープに特異的に結合する抗体である。この文脈において、「含有される」は、エピトープの全長配列がペプチドに存在することを意味する。当業者にとって当然のことながら、ある実施形態において、本ペプチドは、抗体が結合するエピトープの配列の一部を含み得、この抗体に結合するのに機能的であるエピトープは含まず、従って、全長エピトープに選択的に結合する抗体は、免疫優勢ペプチドと組み合わせて使用するのに依然として適切である。例えば、これらの抗体が認識するエピトープによる公知の及び/又は市販の抗コア抗体から、及び/又は、本明細書中に記載のプロセスに従うことによって、適切な抗体を選択することができる(例えば下記セクション6参照)。
【0066】
本抗体は、好ましくは、非ヒト抗体、ヒト抗体又はヒト化抗体である。ある実施形態において、本抗体は好ましくはヒト抗体である。
【0067】
ある実施形態において、本抗体は、望ましくは、HCVの全て又は殆どの遺伝子型で存在する場合、コアタンパク質に結合できる。別の実施形態において、本抗体は、好ましくは、HCVの6種類の主要な遺伝子型(1、2、3、4、5及び6)及びそれらのサブタイプからの抗原性タンパク質を捕捉することができる(Stuyverら、PNAS USA、91:10134−10138(1994);及びBukh、Semin.Liver Dis.、15:41−63(1995)に記載のように。)。
【0068】
本明細書中で使用する場合、「抗体」という用語は、コアタンパク質に特異的に結合できる、モノクローナル抗体及び一特異的ポリクローナル抗体及びの両インタクト分子ならびに抗体断片(例えば、Fab、Fab’及びF(ab’)2、Fd、1本鎖Fvs(scFv)、1本鎖抗体、ジスルフィド連結Fvs(sdFv)及びVL又はVHドメインの何れかを含む断片など)を含む。
【0069】
当技術分野で周知の様々な手順によって、コアタンパク質抗原に対するポリクローナル抗体を調製することができる。例えば、コア抗原に特異的なポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導するために、インタクトなコアタンパク質又はその抗原性ポリペプチド断片(例えばアルブミンなどの担体タンパク質にこれらを結合させ得る。)をウサギ、マウス又はラットなどの適切な宿主動物に投与することができる。
【0070】
当技術分野で公知の様々なアジュバントは、宿主の種に依存して、免疫原性反応を向上させるために使用することができ、これには、以下に限定されないが、フロインド(完全及び不完全)、水酸化アルミニウムなどのゲル状鉱物、界面活性物質、例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール及び有用である可能性があるヒトアジュバント(BCG(バチルス・カルメット−ゲラン(bacille Calmette−Guerin))及びコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)など)が含まれる。
【0071】
ハイブリドーマ、組み換え及びファージディスプレイ技術又はこれらの組合せの使用を含む当技術分野で公知の様々な技術を用いて、モノクローナル抗体を調製することができる。例えば、Harlowら(Antibody:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1988);Hammerlingら(Monoclonal antibody and T−Cell Hybridomas、563−681、Elsevier、N.Y.、1981)で教示されるものなど、例えばハイブリドーマ技術を用いて、モノクローナル抗体を産生させることができる。しかし、本明細書中で使用する場合、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術を通じて産生される抗体に限らず、一般に、真核、原核又はファージクローンを含む単一クローン由来の抗体を指し、それが産生される方法によって限定されない。
【0072】
当然のことながら、Fab及びF(ab’)2及びその他の抗体断片を場合によっては本発明のHCV検出法において使用し得る。このような断片は、一般に、パパイン(Fab断片を作製するため)又はペプシン(F(ab’)2断片を作製するため)などの酵素を用いた、タンパク質分解により作製される。あるいは、組み換えDNA技術を適用することを通じて又は合成化学を通じて、コアタンパク質−結合断片を作製することができる。例えば、ハイブリドーマを用いてクローニングされた核酸の発現によって、モノクローナル抗体を産生させることができる。Hustonら、Methods in Enzymology 203:46−88(1991);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);及びSkerraら、Science 240:1038−1040(1988)に記載のものなどの技術により、1本鎖Fvsを作製することができる。
【0073】
ファージディスプレイ及び酵母ディスプレイ技術により、モノクローナル抗体及び抗体断片を作製しスクリーニングすることもできる。本発明の抗体を作製するために使用することができるファージディスプレイ法の例には、Brinkmanら、J.Immunol.Methods 182:41−50(1995);Amesら、J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleboroughら、Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persicら、Gene 187 9−18(1997);及びBurtonら、Advances in Immunology 57:191−280(1994)に記載のものが含まれる。本発明の抗体を作製しスクリーニングするために使用することができる酵母ディスプレイ法の例には、国際出願PCT/US2006/043608(WO2007/056507)(同じ物に関するその教示に対して参照により組み込まれる。)で開示されるものが含まれる。
【0074】
本発明のある実施形態において、組み合わせ法での使用のための抗体は、好ましくは、配列番号3、4、5又は54により完全に含まれるもの以外のコアタンパク質のエピトープに特異的に結合するものである。別の実施形態において、本抗体は、アミノ酸配列QIVG[配列番号6]又はGPRLGVRA[配列番号98]を含むエピトープに結合できる。
【0075】
本発明はまた、本抗体が、好ましくは固相に共有又は非共有結合され得ることも提供する。従って、本抗体は、固定化を促進するために修飾され得る。適切な修飾は当技術分野で公知であり、免疫優勢ペプチドに関して上述されている。
【0076】
本発明のある実施形態において、本発明の組み合わせ法において抗体:コアタンパク質複合体を検出するために、抗コア抗体を好ましくは検出抗体として使用する。この実施形態によると、検出可能標識を組み込むためにこの抗コア抗体を修飾することができる。適切な検出可能標識は当技術分野で公知であり、免疫優勢ペプチドに関して上記で述べられている。捕捉及び検出抗コア抗体の両方を本方法で使用する場合、好ましくはこれらの抗体は、これらがコアタンパク質の2つの異なるエピトープを認識するように選択され、これらの何れも、使用されている免疫優勢ペプチドの配列において含まれない。
【0077】
1.3試験試料
本発明の方法に従い試験され得る試料には、血漿、尿、全血、乾燥全血、血清、脳脊髄液、唾液、涙、鼻腔洗浄液又は組織及び細胞の水性抽出物が含まれる。適切な血漿試料には、クエン酸血漿又はEDTA血漿試料が含まれる。好ましくは、このような試料を単離し、インビトロで試験を行う。試験試料は、あらゆる起源由来であり得るが、好ましくはヒトである。
【0078】
試料を直接試験するか又は試験前に処理し得る。処理には、試料の溶血を防ぐ反応への成分の添加、試験前に確実に血清を凝血させるための手順又は試料からフィブリンを除去するための手順が含まれる。その他の処理には、ウイルス粒子の破壊及び/又は抗原の曝露を促進するための変性剤による処理が含まれる。様々な適切な変性剤が当技術分野で公知であり、これには、例えば、Nonidet P−40(NP40)(IGEPAL CA630とも呼ばれる、tert−オクチルフェノキシポリ(オキシエチレン)エタノール)、Triton X−100、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤及びグアニジン、尿素又は酸性溶液などの変性剤が含まれる。これらの試薬の組み合わせも想定される。ある実施形態において、試料の前処理は必要ない。別の実施形態において、1以上の変性剤で試料を前処理する。さらなる実施形態において、グアニジン、尿素及びTriton X−100からなる群から選択される1以上の変性剤で試料を前処理する。
【0079】
1.4その他の抗体/抗原
本発明による方法が、好ましくは、コアタンパク質以外の1以上のHCV抗原性タンパク質(例えば、非構造タンパク質、NS3、NS4及びNS5、ならびにE1及び/又はE2エンベロープ構造タンパク質)又はこれらのタンパク質の1以上に対する抗体の検出をさらに含み得ることが考えられる。当技術分野で公知のように、抗原性タンパク質へ特異的に結合する捕捉抗体の使用により、この抗原性タンパク質を検出することができる。同様に、当技術分野で公知のように、捕捉抗体の使用により、抗体を検出することができる。
【0080】
本発明の適切な捕捉抗原は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質又はその断片に対応するアミノ酸配列を有し、試料中のHCV抗原性タンパク質に対する抗体に特異的に結合できる。ある実施形態において、本方法は、好ましくは、試験試料中で第二の抗原性タンパク質に対する抗体を検出するために捕捉抗原を使用する。
【0081】
上述のものを含む、当技術分野で公知の標準的方法を用いて、適切な捕捉抗体を調製することができる。この捕捉抗原を標準的技術により、例えば、組み換え法により又はウイルス培養物からの精製により、調製することもできる。本発明は、タンパク質全体、タンパク質の断片又はそのタンパク質のキーエピトープに相当する1以上の免疫優勢ペプチドを含む捕捉抗原を想定する。捕捉抗体又は抗原は、場合によっては、固相上に固定化され得る。
【0082】
下記で述べるように、標準的技術により、個々の捕捉分子を試験試料と接触させる際に形成される捕捉抗体:抗原性タンパク質又は捕捉抗原:抗体複合体を検出することができる。
【0083】
ある実施形態において、好ましくは、捕捉抗原を使用し、検出抗原の使用を通じて、捕捉抗原:抗体複合体の検出を遂行する。捕捉抗原のように、検出抗原は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質に対応するアミノ酸配列又はその断片を有し、試料からのHCV抗原性タンパク質に対する抗体に特異的に結合できる。検出抗原は、場合によっては、試料からの抗体の存在を調べるために、検出ペプチドに関して上記で述べたように、検出可能標識に結合させることができる。ある実施形態において、検出抗原は、好ましくは、実施例2に記載の結合法によって標識される。
【0084】
ある実施形態において、本発明による方法は、試料中で抗NS3抗体を検出するためにNS3抗原を使用する。別の実施形態において、本方法は、組み換えNS3タンパク質を使用する。さらなる実施形態において、本方法は、捕捉抗原のように、及び、何らかの捕捉された抗NS3抗体の検出のために、NS3タンパク質又はその断片を使用する。具体的な実施形態において、検出NS3タンパク質は、実施例2に記載の結合法によって標識される。
【0085】
1.5抗体:抗原複合体の検出
本発明のHCV検出法中に形成される様々な抗体:抗原複合体(即ち、捕捉ペプチド:抗体複合体、捕捉抗体:コアタンパク質複合体及び、適用できる場合、捕捉抗体:第二の抗原性タンパク質又は捕捉抗原:抗体複合体)は、好ましくは標準的技術により検出する。
【0086】
例えば、捕捉された抗体に特異的に結合できる標識した二次抗体(抗ヒト抗体など)を用いて、又は捕捉ペプチドの配列と実質的に同一の配列を有する標識した検出ペプチド用いることにより、何らかの捕捉ペプチド:抗体複合体の検出を行うことができる。ある実施形態において、本発明の組み合わせ法において、何らかの捕捉ペプチド:抗体複合体の検出を、好ましくは、1以上の検出ペプチド(これらはそれぞれ、捕捉ペプチドの1つに本質的に対応するアミノ酸配列を有する。)の使用を通じて行う。具体的な実施形態において、捕捉ペプチド/検出ペプチドの1以上のペアを好ましくは使用するが、この場合、検出ペプチドは、その同種捕捉ペプチドの配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する。言うまでもなく、本発明は、配列が完全に同じように対応する捕捉ペプチド/検出ペプチドだけでなく、一部配列変異が許容されるもの(例えば、実質的に同等のアミノ酸残基及び/又は結果として実質的に同等の機能となるものによる変異)も提供する。
【0087】
例えば、捕捉抗体により認識されるもの以外のエピトープにおいてコアタンパク質に特異的に結合できる標識した検出抗体を用いて、何らかの抗体:コアタンパク質複合体の検出を行うことができる。検出抗体により認識されるエピトープはまた、好ましくは、1以上の捕捉ペプチドに不在であり、従って、本方法において交差反応性が起こる可能性は最小限に抑えられる。
【0088】
適用される場合、捕捉抗体:第二の抗原性タンパク質又は捕捉抗原:抗体複合体の検出は、好ましくは、標識した検出抗体又は抗原性タンパク質の標識物又はその断片の個々の使用を通じて行うことができる。検出抗体を使用する場合、これらは、捕捉抗体により認識されるエピトープ以外の第二の抗原性タンパク質のエピトープを認識しなければならない。
【0089】
使用される標識に依存して、形成された個々の複合体の存在を明らかにするために、様々な標準的検出技術(例えば、ELISAアッセイ、ラジオイムノアッセイ又はその他の検出技術)を使用することができる。形成される様々なタイプの複合体を検出するために、同じタイプ又はいくつかのタイプの標識を使用することができる。
【0090】
必要に応じて、試験試料中の抗原の存在及び/又は抗体の存在の検出は、定量により、例えば、当業者にとって公知の標準的技術に従い、標識により放射されるシグナル(色、発光、放射能など)を測定することにより、完遂することができる。あるいは、試料からのHCVコアタンパク質又はコアタンパク質に対する抗体の存在の検出を定性的に測定することができる。
【0091】
2.組み合わせ法の性能特性
診断感度、診断特異性及び再現性などの本組み合わせ法の性能特性は、好ましくは、下記のものなどの標準的技術を用いて評価することができる。
【0092】
本発明の組み合わせ法は、好ましくは、抗体単独アッセイを上回って感度が向上し、同時に高い特異性を維持しており、従って、最適に、抗体単独試験よりも潜伏期間が狭められる。HCV抗原性タンパク質及び抗原性タンパク質に対する抗体(陽性対照)及びこのようなタンパク質及び抗体を欠く適切な試料(陰性対照)を含有する試料を用い標準的技術を用いて、本発明の組み合わせ法の診断感度及び特異性を評価することができる。急性C型肝炎感染又は慢性C型肝炎感染の患者から、このような検体又は試料を得ることができる。本方法はまた、市販のセロコンバージョンパネル、例えば、Boston Biomedica Inc.(BBI、West Bridgewater、MA)、Bioclinical Partners(Franklin、MA)又はNorth America Biologicals、Inc.(Boca Raton、FL)から入手可能なものなど、に対して試験することもできる。例えば、BBIから入手可能な適切なセロコンバージョンパネルには、以下に限定されないが、BBI(又はPHV)901、904、905、906、907、908、910、911、912、913、914、915、916、917及び919が含まれる。Bioclinical Partnersから入手可能な適切なセロコンバージョンパネルの例には、以下に限定されないが、BCP6211、BCP6213、BCP6222、BCP6225、BCP6227、BCP9041、BCP9054及びBCP9055が含まれる。North America Biologicalsから入手可能な適切なセロコンバージョンパネルの例には、以下に限定されないが、SC0010、SC0030、SC0040、SC0050、SC0060、SC0400、SC0402、SC0405及びSC0406が含まれる。適切な対照陰性試料には、非感染対象からの及び/又はC型肝炎感染に無関係の状態の患者(妊娠、自己免疫疾患又はその他の急性ウイルス感染など)から及び通常の血液ドナーからの試料が含まれる。
【0093】
このようにして、既にC型肝炎感染に罹患している患者からの試料を試験するためにこの方法を用いることにより、診断感度を測定する。診断感度は、その方法の、HCV抗原性タンパク質又はHCV抗原性タンパク質に対する抗体を含有する試料を正しく同定する能力の尺度であり、この方法により陽性として認識される真陽性の試料の数を、参照法により陽性として同定される試料の数で除した値として計算され、%として表される。参照法は、場合によっては、HCV抗原性タンパク質に対する抗体のみを測定するアッセイ又はHCV RNAを測定するための核酸試験(NAT)を含む。NATは、HCV試験において「究極の判断基準」と考えられているので、ある実施形態において、好ましくは、参照法としてのNATに対して感度を測定する。別の実施形態において、参照法としてNATを用いて、1以上のセロコンバージョンパネルに対して感度を測定する。
【0094】
ある実施形態において、好ましくは、本発明による組み合わせ法は、参照法としてNATを使用して、既に起こっているC型肝炎感染に対して約90%から約100%の間の診断感度を有する。さらに別の実施形態において、好ましくは、本発明による組み合わせ法は、参照法としてNATを使用して、既に起こっているC型肝炎感染に対して約95%から約100%の間の診断感度を有する。さらなる実施形態において、好ましくは、本発明による組み合わせ法は、参照法としてNATを使用して、既に起こっているC型肝炎感染に対して約97%から約99%の間の診断感度を有する。
【0095】
診断感度はまた、好ましくは、その方法の、初期HCV感染を検出する能力を測定することによっても評価される(即ち潜伏期間を狭めるため)。ある実施形態において、好ましくは、本発明による組み換え法の、HCV感染の初期段階を検出する能力は、市販のセロコンバージョンパネルを用いて測定され、HCV RNAを測定する現在の「究極の判断基準」(NAT)と比較される。検出効率を評価するために、好ましくは、本方法を用いて陽性の結果を生じる試料数を調べ、NATにより調べた場合のHCV感染の最初の検出時と比較する。抗体単独アッセイなどのその他の方法を上回る本組み合わせ法の何らかの改善もまた、望ましくは、HCV感染の最初の検出時に対する本組み合わせ法で得られた結果をその他の方法により得られた結果と比較することにより、評価することができる。本発明のある実施形態によると、好ましくは、本組み合わせ法は、抗体単独アッセイよりも早い感染段階でHCV感染を検出することができる。
【0096】
ある実施形態において、本発明による組み合わせ法は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質に対する抗体のみを検出する方法よりも約5日から約40日早くHCV感染を検出する。別の実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質に対する抗体のみを検出する方法よりも平均で約10日から約30日早く、HCV感染を検出する。さらなる実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質に対する抗体のみを検出する方法よりも平均で約12日から約30日早く、HCV感染を検出する。別の実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、HCV抗原性タンパク質に対する抗体のみを検出する方法よりも平均で約15日から約30日早く、HCV感染を検出する。代替的な実施形態において、NAT法と比較した場合の検出の平均遅延は、好ましくは、約5日から約1日の間である。別の実施形態において、NAT法と比較した場合の検出の平均遅延は、好ましくは、約4日から約1日の間である。平均遅延及び方法間の平均差は、1以上のセロコンバージョンパネルからの複数の異なる試料を用いることにより評価することができる。例えば、最適には10以上の試料又は望ましくは20以上の試料である。
【0097】
本方法が検出できる最低ウイルス量に基づいて診断感度を評価することもできる。例えば、Roche Diagnosticsから市販されているもの(例えばAMPLICOR(R)HCV Monitor Test及びCOBAS AMPLICOR(R)HCV Monitor Test)などの定量的NAT法を用いて、試験試料のウイルス量を評価することができる。本発明のある実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、約5x10コピー/mL以上のウイルス量を検出することができる。別の実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、約4x10コピー/mL以上のウイルス量を検出することができる。さらなる実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、約3x10コピー/mL以上のウイルス量を検出することができる。別の実施形態において、本組み合わせ法は、好ましくは、約2x10コピー/mL以上のウイルス量を検出することができる。
【0098】
例えば、陽性の結果を生じる試料の数を調べるために様々な非感染血液ドナーからの試料を試験することにより、本方法の診断特異性を評価することができる。診断特異性は、HCV抗原性タンパク質又はHCV抗原性タンパク質に対する抗体を含有しない検体を正しく同定する、本方法の能力である。HCVを試験する方法に対する特異性の必要条件の例は、Common Technical Specification for in vitro medical devices(2002/364/EC)で見出すことができるが、これは、最低5000名のヨーロッパ人ドナー又は同等者を用いた99.5%の特異性のスクリーニングアッセイに対する最低要件を定める。その方法により陰性として認識される真性陰性検体数を、参照法により陰性であるとして同定される検体数で除した値として、診断特異性を計算し、%で表すことができる。場合によっては、HCV感染とは無関係の状態の患者由来の交差反応の可能性がある試料に対してその方法を試験することによって、診断特異性を評価することもできる。このような状態には、例えば、妊娠、自己免疫疾患又はその他の急性ウイルス感染が含まれる。本発明のある実施形態において、好ましくは、本発明による組み合わせ法の診断特異性は、約95%から約100%の間である。別の実施形態において、好ましくは、本組み合わせ法の診断特異性は、約96%から約99%の間である。さらなる実施形態において、好ましくは、本組み合わせ法の診断特異性は、約97%から約99%の間である。
【0099】
本方法の再現性は、当技術分野で公知のように調べることができる。例えば、別個の試験での複数試料の反復物を用いて、得られた結果間の変動を調べることによって、本方法を試験することができる。場合によっては、試薬の様々な調製物を用いて、本方法を試験することもできる。当技術分野で公知のように、及び、例えば、変動係数(CV)により示されるように、標準的統計法を使用して、アッセイ内変動(同じ試料の反復物内の変動)及びアッセイ間変動(別個の場合での試験における変動)の何れか又は両方を測定することができる。ある実施形態において、好ましくは、本方法のアッセイ内変動の%CVは、約10%未満、さらにより好ましくは約0.01%から約10%である。別の実施形態において、好ましくは、本方法のアッセイ間変動の%CVは、約15%未満、さらにより好ましくは約0.01%から約15%である。
【0100】
3.アッセイ形式
望ましくは、不均一相(固相など)又は均一相で;1段階又は2段階で;サンドイッチ型アッセイとして;競合的又は非競合的形式で、などを含む(がこれらに限定されない)、免疫アッセイに適切な当技術分野で公知の様々なアッセイ形式で、本発明による方法を行うことができる。
【0101】
代表的な免疫アッセイ形式には、以下に限定されないが、マイクロタイタープレートアッセイ、ミクロスフェア免疫アッセイ、デュアルアッセイストリップブロット、迅速試験、ウエスタンブロット、ならびに例えば、Architectsアッセイ(Frank Quinn、The Immunoassay Handbook、第二版、David Wild編集、363−367頁、2001)での常磁性粒子の使用が含まれる。このような形式は当業者にとって公知である。
【0102】
形式のその他の例には、試験試料中に存在する抗原を検出するために使用することができる2つの抗体(捕捉及び検出抗体)間でサンドイッチされるタイプの免疫アッセイ形式が含まれ、この場合、この抗体は、捕捉ペプチド又は捕捉抗原の何れか及び、抗体に連結する標識結合物(「間接的形式」と一般に呼ばれる形式に従う。)、例えば標識したタンパク質A又は標識した抗免疫グロブリン又は抗アイソタイプ抗体を用いて明らかにされる。この抗体はまた、好ましくは、抗体に結合する、捕捉ペプチド及び標識した検出ペプチド(「抗原−抗体−抗原サンドイッチ」又は「二重抗原サンドイッチ」と呼ばれる形式に従う。)を用いて検出することもできる。免疫アッセイのその他の形式もまた想定され、当業者にとって周知である。
【0103】
ある実施形態において、好ましくは、サンドイッチに基づく形式を用いて本方法を行う。別の実施形態において、好ましくは、それぞれ抗体サンドイッチ及び二重抗原サンドイッチを用いて、試験試料中のコアタンパク質及び抗コア抗体を検出する。
【0104】
上述の免疫アッセイ形式の多くの場合、最適に、免疫優勢ペプチド及び/又は抗コア抗体を固体支持体に連結させる。適切な固体支持体の例には、多孔質及び非多孔質材、ラテックス粒子、磁気粒子、微小粒子(米国特許第5,705,330号を参照)、ビーズ、膜、マイクロタイターウェル及びプラスチックチューブが含まれる。固相材料の選択は、所望のアッセイ方式の性能特性に基づき行うことができ、微粒子であり得る(ペレット、ビーズなど)又は連続面(膜、メッシュ、プレート、スライド、ディスク、キャピラリー、中空糸、針、ピン、チップ、ソリッドファイバー(solid fiber)、ゲルなど)の形態であり得る。ある実施形態において、好ましくは、マイクロプレート又はマイクロタイターウェルを固相として使用する。適切なマイクロプレート又はマイクロタイターウェルの例には、Nunc社、Denmarkから市販されているものなど、ポリスチレン製のものが含まれる。別の実施形態において、好ましくは、固形粒子又はビーズ;又は常磁性粒子(Dynal又はMerck−Eurolab(France)(EstaporTM)により提供されるものなど)を固相として使用し得る。さらに別の実施形態において、好ましくは、ポリスチレン又はポリプロピレン製などの試験管を固相として使用し得る。
【0105】
共有結合に対する連結剤は当技術分野で公知であり、固相の一部であり得る又は、アミノ基、カルボキシル基、スルフィドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物部分を介した捕捉ペプチド及び/又は抗体の連結を可能にする反応基で固相を誘導化し得る。このような様々な架橋剤が当技術分野で公知であり、多くが市販されている(例えば、S.S.Wong、前記及びPierce Chemical Co.及びSigma−Aldrichからのカタログ参照)。例としては、以下に限定されないが、ジアミン(1,6−ジアミノヘキサンなど);ジアルデヒド(グルタルアルデヒドなど);ビス−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(エチレングリコール−ビス(コハク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、グルタル酸ジスクシンイミジル、スベリン酸ジスクシンイミジル及びエチレングリコール−ビス(コハク酸スクシンイミジル)など);ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートなど);ビスオキシラン(1,4ブタンジイル ジグリシジルエーテルなど);ジカルボン酸(スクシニルジサリチレートなど);3−マレイミドプロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどが挙げられる。固体支持体上に捕捉ペプチド及び/又は抗体を固定化するために、当技術分野で公知の様々なカップリング化学を場合によっては使用することができ、これには、例えば、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフィドリル活性化、ヒドラジド活性化及びカルボジイミドカップリング化学に対するカルボキシル及びアミノ誘導体の使用が含まれる。
【0106】
あるいは、上述のように、好ましくは、適切に修飾される固体支持体への分子の連結を可能にする基で、捕捉ペプチド及び/又は抗体を修飾する。例えば、好ましくは、捕捉ペプチド及び/又は抗体は、Ni2+イオンを含有するように修飾されている固体支持体にペプチド/タンパク質が固定化されることを可能にするHisタグを含む。同様に、好ましくは、捕捉ペプチド及び/又は抗体はビオチンで修飾され、支持体は、アビジン/ストレプトアビジンを含有するように修飾される。その他の例は、当技術分野で公知である。
【0107】
当業者にとって当然のことながら、試料のハイスループットスクリーニングに対して本発明による方法を容易に適合させることができる。ハイスループット法は、複数の試料を同時に処理し、大量の試料をスクリーニングするのに要する時間を大きく短縮するという有利な点がある。従って本方法は、試料中のHCV抗原性タンパク質及びHCV抗原性タンパク質に対する抗体を同時に同定するためにハイスループット法の使用を想定する。
【0108】
ハイスループットスクリーニングの場合、好ましくは反応成分は通常はマルチ容器担体又はプラットフォーム(マルチウェルマイクロタイタープレートなど)に収容されるが、これにより、複数の反応系それぞれが様々な試験試料を含有し、それらを同時に監視できるようになる。本発明はまた、スクリーニングプロセスの効率を向上させるための高度自動化ハイスループットスクリーニングも包含する。試料及び試薬ピペッティング、液体分注、時間調節温置、マイクロアレイへの試料の形式合わせ、マイクロプレートのサーモサイクリング及び適切な検出器におけるマイクロプレート読み取りなどの多くの手順に対する自動化能力のように、多くのハイスループットスクリーニング又はアッセイ系が現在市販されており、その結果、スループット時間が非常に速くなった。
【0109】
4.診断キット
本発明は、本発明による組み合わせ法での使用に適切な試薬を含むHCVの検出のために診断キットをさらに提供する。このような試薬には、好ましくは、HCVコアタンパク質に特異的に結合できる1以上の捕捉抗体及び本発明によるコアタンパク質に結合できる1以上の捕捉ペプチドが含まれる。この試薬には、また、場合によっては、HCVコアタンパク質を検出するための1以上の検出ペプチド及びHCVコアタンパク質に特異的に結合できる1以上の検出抗体も含まれる。
【0110】
このキットは、さらに、好ましくは、第二の抗原性タンパク質に対する抗体の捕捉のための、第二の抗原性タンパク質(コア以外)もしくはその断片、又は第二の抗原性タンパク質の捕捉のための第二の抗原性タンパク質に対する抗体及びそれぞれ、標識抗原性タンパク質又は標識抗体などの、捕捉した抗体又は抗原を検出するための手段を含む。ある実施形態において、好ましくは、このキットは、NS3に対する抗体を検出するための、NS3タンパク質もしくはその断片、及び捕捉抗体を検出するための、標識NS3タンパク質又はNS3タンパク質の標識断片を含む。
【0111】
このキット中で提供される検出試薬は、好ましくは、フルオロフォア、放射能部位、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などの検出可能標識を組み込むか、又は、このキットは、場合によっては、試薬を標識するために必要な成分を含む。この試薬は、別個の容器中で提供するか又は適切なアッセイ形式に前もって分注されるか又は固定化され得る。例えば、マイクロタイタープレート又はウェルなどの適切な固体支持体上で捕捉試薬を固定化して提供することができ、この検出試薬を適切な別個の容器中で提供できる。
【0112】
このキットは、場合によっては、緩衝液、塩、酵素、酵素補因子、基質、検出試薬、洗浄試薬など、診断アッセイを行うのに必要な試薬を含む。試験試料の単離及び/又は処理のための緩衝液及び溶液など、その他の成分もまた、このキット中に含まれ得る。このキットは、さらに1以上の対照を含み得る。このキットの成分の1以上は凍結乾燥され得、その場合、このキットは、凍結乾燥成分の再構成に適切な試薬をさらに含み得る。
【0113】
このキットの様々な成分は、望ましくは適切な容器中で提供される。上記で示されるように、好ましくは容器の1以上がマイクロタイタープレートであり得る。適切であれば、このキットはまた、場合によっては、反応容器、混合容器及び試薬又は試験試料の調製を促進するその他の成分も含有する。このキットはまた、シリンジ、ピペット、ピンセット、一定量用のスプーン、一定量用の容器など、試験試料を得るか又は試薬を測定/分注することを補助するための1以上の器具も含み得る。
【0114】
ある実施形態において、好ましくは、このキットは、例えば、試料添加コントロール及び/又は色分け試薬など、プロセス制御監視のための試薬を含む。本発明のある実施形態によるプロセス制御監視の例を図4で示す。図4で示されるように、具体的な色についてプレートを調べることにより、ウェルへのアッセイの様々な成分の添加を確認し得る。例えば、試薬が色分けされている場合、特定の段階におけるある試薬の別の試薬への添加の結果、好ましくは、混合物の色が変化し、このようにしてその段階が行われたという指標が与えられる。あるいは、この方法のその段階が行われたか否かを調べるために、ウェル中の溶液の光学密度を監視し得る。本組み合わせ法の段階の1又は複数のプロセス制御監視に対して、試薬を提供し得る。
【0115】
このキットはまた、場合によっては、使用説明書を含み、これは、紙の形態で又はコンピュータ可読形態(ディスク、CD、DVDなど)で提供され得る。このキットはまた、本組み合わせ法により得られる結果の解釈を支援するソフトウェアを含むコンピュータ可読媒体も含み得る。このキット成分のその他の変形物は当業者にとって公知である。
【0116】
5.組み合わせ法及び診断キットの使用
本発明による組み合わせ法及び診断キットは、好ましくは、様々な診断目的のために使用される。このような診断目的には、以下に限定されないが、HCVの初感染の検出、患者の治療薬への反応の監視、HCVの再感染の検出、ウイルス量の測定及び感染の有無及び状態の判定(急性と慢性)が含まれる。
【0117】
本組み合わせ法及び診断キットはまた、好ましくは、例えば遺伝子型アッセイ又はHCV突然変異もしくは複数血清型の検出など、非診断目的のためにも使用される。本発明はまた、血液試料又は血液製剤(ドナー血液など)のプール内でのHCVの検出のための、本組み合わせ法及び診断キットの使用も包含する。これに関連して、本発明の方法によるハイスループットスクリーニングは、疫学的研究のための大集団スクリーニング又はHCVが混入した試料に対する血液バンクもしくは器官のスクリーニングなど、大規模スクリーニングを促進するために有用であり得る。
【0118】
勿論、言うまでもなく、例えば、米国特許第5,089,424号及び同第5,006,309号に記載のような、及び例えば、Abbott Laboratories(Abbott Park、IL)から市販されているような(限定されないが、AbbottのARCHITECT(R)、AxSYM、IMX、PRISM及びQuantum IIプラットフォームならびにその他のプラットフォームを含む。)、自動化及び半自動化系(微小粒子を含む固相があるものを含む。)での使用に対して、本明細書中の代表的形式の何れか及び本発明による何れかのアッセイ又はキットを適合させるか又は最適化することができる。
【0119】
さらに、場合によっては、AbbottのPoint of Care(i−STATTM電気化学的免疫アッセイ系を含むポイントオブケアアッセイ系に対して、本発明のアッセイ及びキットを適合させるか又は最適化することができる。免疫センサー及び使い捨て試験装置においてこれらを製造し、操作する方法は、例えば米国特許第5,063,081号及び公開米国特許出願第20030170881号、同第20040018577号、同第20050054078号及び同第20060160164号(同じものに関してそれらが教示することに対して参照により組み込まれる。)に記載されている。
【0120】
6.組み合わせアッセイのための試薬を選択するためのプロセス
本発明はまた、本明細書中に記載のHCV検出のための組み合わせ法などの組み合わせ法での使用に適切な試薬を選択するためのプロセスも提供する。この選択プロセスによって、好ましくは、微生物(例えば、細菌、寄生虫、真菌又はウイルス)の抗原性タンパク質を捕捉及び検出するために使用される試薬と、抗原性タンパク質に対する抗体を捕捉及び検出するための試薬間で、これらの試薬を一緒に使用する場合、交差反応性が(あるとしても)あまりないように試薬を選択できるようになる。抗原性タンパク質を捕捉又は検出するために適切な試薬には抗体が含まれ、同じ抗原性タンパク質に対する抗体を捕捉又は検出するために適切な試薬には免疫優勢ペプチドが含まれる。
【0121】
ある実施形態において、HCVコアタンパク質を検出するための試薬の選択にこのプロセスを適用する。しかし、この選択プロセスは、コアタンパク質以外のHCV抗原性タンパク質及びそれに対する抗体を検出する組み合わせ法に、より一般的には、その他の微生物由来の抗原性タンパク質及びこれらのタンパク質に対する抗体を検出する組み合わせ法に適切な試薬の選択に幅広く適用することができることを理解されたい。ある実施形態において、ウイルスタンパク質を検出するための試薬の選択にこの方法を適用する。その他の実施形態において、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)由来の抗原性タンパク質、例えばp24、を検出するための試薬の選択にこの方法を適用する。
【0122】
この選択プロセスは、好ましくは、関心のある微生物の抗原性タンパク質を選択し;抗原性タンパク質に対して免疫優勢ペプチドを同定し(各免疫優勢ペプチドは、一連の感染段階の微生物感染対象の大多数に存在する抗体により認識されるキーエピトープを含有する。);同定された免疫優勢ペプチドの1以上を選択し、選択されたペプチドに含有されるもの以外のエピトープを認識する抗体を同定する、段階を含む。
【0123】
1以上の免疫優勢ペプチドは、好ましくは、微生物の様々な遺伝子型間でよく保存されており、様々なセロコンバージョン試料及び抗原性タンパク質に対して反応性がある後期段階の試料を含む、微生物感染個体の大多数に存在する抗体により認識される抗原性タンパク質のキーエピトープを含有する抗原性タンパク質の免疫優勢領域を確立することにより、同定される。このようにして、免疫優勢ペプチドは、好ましくは、抗原性タンパク質の断片のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する。
【0124】
本発明による1以上の免疫優勢ペプチドを選択するために、好ましくは、抗原性タンパク質のアミノ酸配列を最初に得る。抗原性タンパク質のアミノ酸配列が当技術分野で公知である場合、このアミノ酸配列は、GenBankTMなどの様々な公開データベース又は刊行物又は雑誌論文から得ることができる。あるいは、抗原性タンパク質のアミノ酸配列が未知である場合、例えば、抗原性タンパク質が新規タンパク質である場合、抗原性タンパク質のアミノ酸配列は、当技術分野で公知のように得ることができる。例えば、エドマン分解又は質量分析などのタンパク質又はペプチド配列決定技術を使用し得るか又はそのタンパク質をコードするDNAをクローニングし配列決定することができる。抗原性タンパク質のDNA配列が既知の場合、DNA配列から抗原性タンパク質のアミノ酸配列を推定し得る。
【0125】
抗原性タンパク質のアミノ酸配列を得たら、好ましくは、ペプチドのライブラリを作製する。ライブラリ中の各ペプチドは、抗原性タンパク質のアミノ酸配列の断片に対応するアミノ酸配列を有する。ライブラリの総サイズが扱いやすいものであるよう十分長くなるように、及び1つのペプチドに複数のエピトープが存在することが最小限になるよう十分短くなるように、ペプチドの長さを選択する。一般に、約5から約20アミノ酸長の間のペプチドが適切である。ある実施形態において、好ましくは、ペプチドは、約7から約20アミノ酸長の間である。別の実施形態において、好ましくは、ペプチドは、約8から約20アミノ酸長である。さらなる実施形態において、好ましくは、ペプチドは、約10から約20アミノ酸長、場合によっては、約12から約20アミノ酸長である。その他の実施形態において、好ましくは、ペプチドは、約8から約18アミノ酸の間、約8から約16アミノ酸の間、約10から約18アミノ酸の間、約10から約16アミノ酸の間及び約10から約14アミノ酸長の間である。
【0126】
このペプチドはまた、そのアミノ酸配列が好ましくは少なくとも2アミノ酸重複するように設計される。約3から約14アミノ酸の間の重複も想定される。このペプチドに対する選択される重複は、ライブラリに必要とされる分解能ならびにライブラリにより含まれるペプチドの長さに依存する。一般に、重複はそのペプチドの長さの3分の2以下である。所望のライブラリ特性を得るためのこのような重複の選択は、当業者の通常の技術及び知識の範囲内である。同じく、ペプチドのライブラリを作製する方法も当技術分野で公知である。
【0127】
実施例1に従い、及び実施例1で示されるように、ペプチドのライブラリから候補免疫優勢ペプチドを同定することができる。ペプチドのライブラリからの各ペプチドは、好ましくは、微生物に感染した対象からの複数の試料に対して試験され、試料(感染の様々な段階からの試料を含む。)の大多数において抗体に結合するものを同定することにより、可能性のあるペプチドを選択する。
【0128】
このペプチドはまた、好ましくは、非感染試料(微生物による感染に対して結果が偽陽性となることが知られている試料を含む。)に対してもスクリーニングされる。これらの偽陽性試料は、ペプチド配列における交差反応領域を同定する陰性対照試料である。陰性対照試料に反応するペプチド(即ち交差反応領域を含む。)を好ましくは回避する。微生物に感染した対象からの複数の試料において抗体に結合するが、偽陽性シグナルを生じさせる交差反応領域を含有しないペプチドを望ましくは候補免疫優勢ペプチドとして選択する。
【0129】
次に、上述のように同定される候補免疫優勢ペプチドの配列に基づき、免疫優勢ペプチドを調製する。この免疫優勢ペプチドは、好ましくは、少なくとも1つの候補ペプチドの配列を含み、また、場合によっては、候補ペプチドのすぐ隣にある2つのペプチドの一方又は両方の配列の一部又は全てを含む(ただし、これらの隣接ペプチドは交差反応領域を含まない。)。
【0130】
次に、その、効率的に抗原性タンパク質を捕捉し、選択される免疫優勢ペプチドにより完全に含有されるもの以外のエピトープに結合する能力に基づき、1以上の抗体を選択する。上述のように、ある実施形態において、免疫優勢ペプチドが、選択される抗体により結合されるエピトープの配列の一部を含むことが想定されるが、これは、部分的エピトープは、抗体に結合する機能がないからである。ある実施形態において、好ましくは、その微生物の全て又は殆どの遺伝子型で生じる抗原性タンパク質の形態に結合する抗体を選択する(微生物の複数遺伝子型がある場合)。
【0131】
適切な抗体を市販の抗体から選択することができる、又は、あるいは、抗原性タンパク質に特異的に結合できる抗体のライブラリを作製することができる。このようなライブラリを作製する方法は当技術分野で公知である。次に、必要に応じて、既知の方法を用いて、この抗体により認識されるエピトープのマッピングを行うことができる。例えば、免疫優勢ペプチドが選択されたペプチドのライブラリに対して、この抗体をスクリーニングすることができる。一部の市販の抗体の場合、その抗体が結合するエピトープは既知であり、従って、マッピング段階を行う必要はない。適切な抗体が選択されたら、好ましくは、これらがペプチドに含まれるエピトープと交差反応しないことを確認するために、選択された免疫優勢ペプチドに対して、これらの抗体をスクリーニングする。
【0132】
免疫優勢ペプチドが同定され、モノクローナル抗体により認識されるエピトープが決定されたら、組み合わせアッセイでの使用に対して、免疫優勢ペプチド及び免疫優勢ペプチドに結合しないモノクローナル抗体の組み合わせを好ましくは選択する。選択された免疫優勢ペプチドを捕捉及び検出ペプチドとして使用することができ、選択されたモノクローナル抗体を好ましくは捕捉及び検出抗体として使用する。
【0133】
ここで、具体的な実施例を参照しながら本発明を説明する。次の実施例は本発明の実例となる実施形態を述べるものであり、本発明を何ら限定するものではないことを理解されたい。
【0134】
実施例
【実施例1】
【0135】
免疫優勢コアペプチド及び抗コア抗体の選択
コアタンパク質の重複断片に相当する一連のペプチド(配列番号7−53)を調製した。各ペプチドは12アミノ酸長であり、先行する(N末端)ペプチド8アミノ酸及び続く(C末端)ペプチド8アミノ酸が重複した(図3参照)。BSAにこれらのペプチドを結合させ、マイクロタイタープレートをこれらで被覆し、そのタンパク質のキーとなる抗原性領域のマッピングを行うために、抗ヒト形式で真性ヒト陽性血清に対してスクリーニングを行った。使用する、選択されたモノクローナル抗体の結合部位を同定するために、抗マウス形式で同じプレートを使用した。
【0136】
このスクリーニングプロセスの結果に基づき、次の免疫優勢ペプチドを調製した。
【0137】
コア捕捉ペプチド1:NRRPQDVKFPGGGQIC[配列番号54]。
【0138】
コア捕捉ペプチド1は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基16から30に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのC末端へのシステイン残基の付加により修飾される。
【0139】
コア捕捉ペプチド2:SAMSA−GVYLLPRRGPRL[配列番号55]。
【0140】
コア捕捉ペプチド2は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基33から44に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのN末端へのSAMSA官能基の付加により修飾される。
【0141】
コア捕捉ペプチド3:SAMSA−Ahx−Ahx−Ahx−TRKTSERSQPRGRRQPIPKA[配列番号56]。
【0142】
コア捕捉ペプチド3は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基49から68に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのN末端へのSAMSA官能基及び3個のアミノヘキサン酸(Ahx)スペーサーの付加により修飾される。
【0143】
コア検出ペプチド1:SAMSA−Ahx−NRRPQDVKFPGGGQI[配列番号57]。
【0144】
コア検出ペプチド1は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基16から30に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのN末端へのSAMSA官能基及びAhxスペーサーの付加により修飾される。
【0145】
コア検出ペプチド2:SAMSA−Ahx−Ahx−Ahx−GVYLLPRRGPRL[配列番号58]。
【0146】
コア検出ペプチド2は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基33から44に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのN末端へのSAMSA官能基及び3個のAhxスペーサーの付加により修飾される。
【0147】
コア検出ペプチド3:SAMSA−Ahx−TRKTSERSQPRGRRQPIPKA[配列番号59]。
【0148】
コア検出ペプチド3は、図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基49から68に対応するアミノ酸配列を有し、ペプチドのN末端へのSAMSA官能基及びAhxスペーサーの付加により修飾される。
【0149】
3種類の検出ペプチドは全て、SAMSA部分を介してホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させた。
【0150】
上記捕捉及び検出ペプチドにより完全に含まれるもの以外のエピトープに結合する、上記捕捉及び検出ペプチドと組み合わせて使用しようとするモノクローナル抗体を選択した。
【0151】
モノクローナル#1(KTM163):図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基29から32により定められるエピトープQIVG[配列番号6]に結合する。
【0152】
モノクローナル#2(KTM145):図1で示されるコアタンパク質配列[配列番号1]の残基41から48により定められるエピトープGPRLGVRA[配列番号98]に結合する。
【0153】
モノクローナル抗体#1(KTM163)をホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させ、検出抗体として使用し、モノクローナル抗体#2(KTM145)を捕捉抗体として使用した。
【0154】
協和発酵工業(日本)からモノクローナル抗体KTM163及びKTM145を得た。(KTM145及びKTM163の結合特性を有するその他のモノクローナル抗体も本発明の目的のために使用し得る。)。
【実施例2】
【0155】
組み換えNS3抗原の調製及び標識
組み換えC型肝炎ウイルス(HCV)非構造タンパク質NS3及びホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)の結合物を次のように調製した。この方法は、米国特許出願第60/841,801号の特許出願「Antigenic Protein Conjugates and Process for Prepareing Same」(2006年9月1日提出)の対象である(同じ物に関するその教示に対して参照により組み込まれる。)。
【0156】
標準的タンパク質発現法に従い、組み換えNS3(rNS3)を調製し、NS3のネイティブ配列をこのネイティブ配列に対するN末端位置のベクター由来のリーダー配列とともに含有させた。
【0157】
HRP−マレイミド溶液を次のように調製した。スルホ−SMCCの2倍モル過剰濃度をDMSO(Pierce)中で溶解させ、25mM HEPES/1mM EDTA、pH7.8中で溶解させた100mg/mL HRPを添加した。この溶液を穏やかに旋回撹拌し、室温で45分間静置した。PD10カラム(Pharmacia)上にこの溶液(2.5mL)を添加し、25mM HEPES/1mM EDTA、pH6.8(3.2mL)で溶出することによって、ゲルろ過によりHRP−マレイミドを精製した。
【0158】
TCEPの10倍過剰量を含有するTCEP(Perbio又はCalbiochem)の水溶液中で、6.8のpHで2時間、室温にてrNS3を還元し、還元rNS3を得た。上述のようにして調製したホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)−マレイミドの10モル当量を、還元rNS3及びTCEPの溶液に添加し、得られた混合物を旋回撹拌し、2−8℃で16−24時間静置し、rNS3−HRPを得た。次に、室温で3時間、ヨード酢酸の過剰量との反応させることにより、未反応スルフィドリル基を全て封鎖した。各カラムに生成物2.5mLを添加し、3mL中で溶出することにより、PD10カラム(SephadexTMG−25メディウム;GE Healthcare Bio−Sciences AB、Uppsala、Sweden)上でのゲルろ過によって、得られた封鎖済みrNS3−HRPを精製し、最終rNS3−HRP生成物を得た。最終rNS3−HRP生成物を調製するためのこの4段階の手順を行うのに必要な時間は全部で1 1/2日であった。一方、従来法により調製されるrNS3−HRPは9段階(中間体生成物の精製を含む。)を要し、全部で3日間かかった。
【0159】
上記「インシトゥ」法により調製されたrNS3結合物及び9段階の従来法により調製されたrNS3結合物が抗HCV抗体を検出する能力を比較することにより、従来のrNS3−HRPよりもインシトゥrNS3−HRP結合物を高いタイター(即ち低濃度)で使用することができ、シグナルがより高く、陰性でより低くなることが分かった。さらに、DTT又はTCEP非存在下でrNS3−HRP結合物を使用することができ、一方、従来法に従い調製されたrNS3−HRP結合物の場合、6mM DTTを結合物希釈液に添加しなければならなかった。従来のrNS3−HRPをDTT又はTCEPなしで使用した場合、陽性シグナルが大幅に低下した。これらの結果から、インシトゥ法は、タンパク質構造をオープンコンファメーション(open confirmation)に保持し、予想され得るように、嵩張るHRP部分がキーエピトープを覆い隠さずに、安定してそれらが露呈されることが示唆される。
【実施例3】
【0160】
C型肝炎ウイルス検出のための免疫アッセイキット
この実施例は、本発明の組み合わせ法での使用に適切な試薬を含有する代表的な免疫アッセイキット及び使用のためのその調製について述べる。この免疫アッセイキットは、実施例1に記載の免疫優勢ペプチド及びモノクローナル抗体及び実施例2に記載の組み換えNS3抗原を含む。このキットを用いて行われるアッセイの形式を図5で図示する。図5で示される「ポリコアペプチド結合物」は、固体表面上でのペプチドの結合及び提示を向上させるためにウシ血清アルブミン(BSA)に結合された3つのコアペプチドを含む。全試薬に対する適切な保管条件は、別段の断りがない限り、2から8℃である。
【0161】
1.被覆ウェル
本キットは、ホイルバッグ中に保管された被覆ウェル(例えば、マイクロタイタープレート)を含む。1枚のプレート又は5枚のプレート(各プレート96ウェル)が、精製組み換えHCV NS3抗原、ペプチド(配列番号)及び抗HCVコアモノクローナル抗体で被覆される。プレートをバッグから取り出す前に、このウェルを18から30℃にする。エンドシール付近のホイルバッグを切らないように注意する。そのプレートの全てを使用していない場合は、未使用ウェルを乾燥剤とともにホイルバッグに入れ、慎重にテープで封止し、2−8℃に戻した(3ヶ月以内)。
【0162】
2.試料希釈剤
本キットは、表2で示される化学組成を有する試料希釈剤18mLを含有する瓶1本又は瓶2本を含む。
【0163】
【表2】

【0164】
液体のpHは6.2であり、液体密度は1.08g/mLであった。液体の色は、緑/青色であった。
【0165】
3.陰性対照
本キットは、表3で示される化学組成を有する陰性対照溶液の2.8mLを含有する瓶1本を含む。
【0166】
【表3】

【0167】
溶液のpHは7.6であり、溶液密度は1.08g/mLであった。溶液の色は青色であった。
【0168】
4.抗体陽性対照
本キットは、表4で示される化学組成を有する抗体陽性対照1.8mLを含有するを含む。
【0169】
【表4】

【0170】
溶液のpHは7.6であり、溶液密度は1.08g/mLである。溶液の色は黄色であった。
【0171】
5.抗原陽性対照
本キットは、表5で示される化学組成を有する抗原陽性対照1.8mLを含有する瓶1本を含む。
【0172】
【表5】

【0173】
溶液のpHは10.8から11.2であった。溶液密度は1.00g/mLであり、溶液の色は赤色であった。
【0174】
6.結合物(conjugate)
本キットの結合物は、抗コアモノクローナル抗体とともに抗原性組み換えNS3及びコアタンパク質ペプチドを含有する凍結乾燥ホースラディッシュペルオキシダーゼ−標識結合物1.25mLを含有する瓶1本又は瓶3本で提供される。再構成された各瓶は最大で2枚のプレートに対して十分である。
【0175】
7.結合物希釈剤
本キットの結合物希釈剤は、表6で示される化学組成を有する希釈剤25mL(結合物の瓶1本を再構成するのに十分である。)をそれぞれ含有する瓶1本又は瓶3本として提供される。
【0176】
【表6】

【0177】
溶液のpHは6.8であり、溶液の密度は1.06g/mLであった。溶液の色は黄色であった。
【0178】
結合物の再構成
ストッパーに付着している物質を除去するために結合物の瓶の固体表面を軽く叩くこと(タッピング)により結合物の再構成を行う。結合物希釈剤の瓶の全内容物を結合物の瓶に注ぎ、結合物の瓶に蓋をして穏やかに反転させることにより混合する。時折旋回撹拌しながら少なくとも15分間、この結合物を再水和する。再構成された結合物の色は赤色である。
【0179】
再構成後、2−8℃で24時間まで結合物を保管するか又は分注して5ヶ月間まで凍結(−15℃以下)し得る。再構成された結合物を3回まで凍結融解し得る。
【0180】
8.基質希釈剤
基質希釈剤は、無色溶液35mLを含有する瓶1本として提供される。基質希釈剤は、0.048%過酸化水素水、4.233%クエン酸トリナトリウム及び95.719%蒸留水を含有する。%は全て、重量/重量%として計算される。希釈剤のpHは7.5から8.5であり、希釈剤の密度は1.03g/mLである。
【0181】
9.基質濃縮液
基質濃縮液は、表7で示される化学組成を有する基質濃縮液35mLを含有する瓶1本として提供される。
【0182】
【表7】

【0183】
溶液のpHは2.0±0.3であり、溶液の密度は1.02g/mLである。溶液の色は橙色である。
【0184】
基質溶液
基質溶液を調製するために、汚れていないプラスチック容器中で、下記表8で示されるように、無色基質希釈剤の体積を橙色の基質濃縮液の等体積に添加する。
【0185】
【表8】

【0186】
あるいは、基質希釈剤の瓶の内容物全てを基質濃縮液の瓶に注ぐことにより、基質溶液を調製し得る。基質希釈剤の添加において、基質濃縮液の色が橙色から黄色に変化する。
【0187】
調製済み基質溶液は冷蔵(2から8℃)又は15から25℃で2日間まで安定であるが、結晶が形成されたら廃棄しなければならない。
【0188】
10.洗浄液
本キットは、20倍の作用強度(working strength)のTween/食塩水洗浄液125mLを含有する瓶1本又は瓶2本を含む。この20倍作用強度(working strength)溶液は、1.714%Bronidox(R)(10%溶液)、1.541%プロパン−1,2−ジオール、0.173%5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、14.266%塩化ナトリウム、0.857%Tween20及び83.136%水を含有する。%は全て、重量/重量%である。この溶液のpHは7であり、希釈剤の密度は1.11g/mLである。必要な体積を得るために、蒸留水又は脱イオン水の何れかでこの洗浄液を20分の1に希釈するか、又は、洗浄液の瓶1本の全内容物を2500mLの最終体積に希釈する。希釈されると、この洗浄液は0.01%Bronidox(R)保存料を含有する。
【0189】
密封容器において18℃から30℃で作用強度(working strength)洗浄液を保管する(この状態で、1ヶ月間活性を保持する。)。
【実施例4】
【0190】
試料調製及び保管
次の実施例は、実施例3に記載の免疫アッセイキットを用いて試験しようとする試料の調製及び保管について述べる。本方法において、血清、EDTA血漿又はクエン酸血漿試料を使用し得る。血清試料は、完全に凝血し、目に見える特定の物質を遠心により試料から除去するべきである。セロコンバージョンパネルからの試料をアッセイするために本キットを使用する場合、何らかのさらなる処理なしで供給者により提供されるような試料を使用し得る。
【0191】
2から8℃でこの試料を保管する。72時間以内のアッセイに必要とされない試料を血餅又は細胞ペレットから取り出し、凍結保存する(−15℃未満)。凍結融解サイクルを複数回繰り返すことは避ける。抗原のみの試料をわずか5回凍結融解することで最大で25%シグナルを低下させ得るので、特に重要である。融解後、試験前に試料を完全に混合するようにする。
【実施例5】
【0192】
半自動化マイクロプレート処理装置に対する方法
次は、半自動化マイクロプレート処理装置を用いて使用することができる代表的方法について述べる。本方法は、実施例3に記載の免疫アッセイキットを用いて行うことができる。全ての試薬及び試料は、使用前に18から30℃にする。使用直後、全ての試薬を推奨される保管温度に戻す。試薬とともに使用しようとするガラス器具を2M塩酸でよく洗浄し、次いで蒸留水又は高品質脱イオン水ですすぐ。
【0193】
本方法により、下記で述べるように、プロセス制御監視が可能になる。このアッセイの様々な成分のウェルへの添加は、次の色についてプレートを調べることにより目で見て確認することができる。試料希釈剤の色は緑色である。試料又は対照を添加すると、希釈剤は青色に変色する。この変色は、試料により様々であるが、いくらかの変化が必ず目で見られるはずである。再構成された結合物の色は赤色である。基質溶液は、最初、黄色であり、何らかの反応性のあるウェルは青/緑色になる。停止溶液添加時、反応物の青色/緑色は橙色に変色し、一方、未反応ウェルはピンクに変色する。次のようにマイクロプレートリーダーを使用して、試料又は試薬の添加を確認することができる:試料希釈剤+試料を570又は620nmで読み(参照を690nm)、結合物は490nmで読み(参照を690nm)、基質溶液は450nmで読む(参照なし)。
【0194】
本方法は次の段階を含む:
1.洗浄液を調製し、結合物を再構成する。
2.試料希釈剤50μLを各ウェルに添加する。
3.試料50μL又は対照50μLをウェルに添加する。白色背景の使用により、試料
4.ウェルに蓋をして、37℃±1℃で60分間温置する(第一の温置時間)。
5.温置時間の終了時、下記の洗浄手順のようにプレートを洗浄する。洗浄終了後、プレートを裏返し、残存した洗浄液を吸収紙上に軽く叩き出す。
6.各ウェルに結合物120μLをすぐに添加する。
7.ウェルに蓋をして、15−28℃で60分間温置する(第二の温置時間)。
8.基質溶液を調製する。
9.段階5を繰り返す。
10.プレート洗浄直後に、各ウェルに基質溶液80μLを添加する。
11.ウェルに蓋をして、37℃±1℃で30分間温置する(第三の温置時間)。直射日光を避ける。
12.停止溶液50μLを添加する。適切な停止溶液は、0.5Mから2M硫酸を含む。
13.適用可能な場合は参照波長として620nmから690nmを用いて、15分以内に450nmで吸収を読む。装置が空の状態でブランクをとる(台部にプレートなし)。
【0195】
洗浄手順
推奨される洗浄装置に対する当技術分野で公知のプロトコール及び洗浄装置及び分析装置を検証するための手順を使用することができるか又は次の代表的プロトコールを使用することができる:
自動ストリップ洗浄装置に対するプロトコール
作用強度(working strength)洗浄液を用いて5回の洗浄サイクルを行う。可能な場合、次のことを確認する:
(i)500μL/ウェルの充填体積の貫流洗浄を使用し、及び/又はウェルを完全に満たす。
(ii)溢れ出さないように、僅かに正のメニスカスとなりウェルを完全に満たすように分注液の高さを設定する。
(iii)1回の吸引/洗浄/浸漬サイクルを完遂するのにかかる時間はおよそ30秒である。
(iv)ウェルに液体を残さない(可能であれば最終サイクルで二重吸引段階を使用することにより。)。
(v)洗浄完了後、プレートを裏返し、残った洗浄液を吸収紙上に軽く叩き出す。
(vi)アッセイ手順中、ウェルを乾燥させない。
【実施例6】
【0196】
完全自動化マイクロプレート処理装置のための方法
実施例3に記載の免疫アッセイキット及び実施例5に記載の一般的方法を用いて、完全自動化マイクロプレート処理装置のための温置時間を次のように調整すべきである:
第一及び第二の温置に対して、60から70分の間(65±5分)の温置時間をプログラムし得る。第三の温置に対して、30及び35分の間(32.5±2.5分)の温置時間をプログラムし得る。
【0197】
段階4開始前に、試料希釈剤を含有するウェルを最長60分まで、18から30℃に置き得る。
【実施例7】
【0198】
結果の解析
実施例3に記載のキット及び実施例5又は6の方法を用いた免疫アッセイの結果を次のように解析することができる。アッセイ結果を計算し、解釈する際、各プレートは別個に考えなければならない。結果の計算及び解釈のために、認可されたソフトウェアを使用し得る。
【0199】
陰性対照
陰性対照の平均吸収を計算する。
【0200】
陰性対照ウェルの1つの吸収が0.25よりも大きい場合、その値は廃棄し、残りの陰性対照の値を基にカットオフを計算する。
【0201】
両方の陰性対照の値が0.25よりも大きい場合、その測定は無効である。
【0202】
カットオフ値
陰性対照の平均吸収に0.2を加えることにより、カットオフ値を計算する。例えば:
陰性対照吸収:ウェル1=0.182
ウェル2=0.172
平均陰性対照=(0.182+0.172)/2=0.177
カットオフ値=0.177+0.2=0.377
品質管理
対照に対する次の基準に合致する場合、アッセイの結果は有効である:
陰性対照:平均吸収が0.25未満である。
陽性対照:吸収が陰性対照の平均吸収よりも0.8を上回り高い。
これらの基準に合致しないアッセイは繰り返すべきである。
【0203】
結果の解釈
カットオフ値より低い吸収となった試料は、そのアッセイで無反応であるとみなす。
【0204】
吸収がカットオフ値以上となった試料は、そのアッセイにおいて初めに反応性があったとみなす。手順について別段の断りがない限り、このような試料は、元の試料を用いて二重に再試験すべきである。二重の再試験の少なくとも1つにおいて反応性がある試料は、HCVに対して反応性がある。このような試料は、さらに調べ、このアッセイからの結果は、何らかのその他の臨床的及び/又は補足的な試験情報とともに考慮する。再試験において両ウェルで無反応である試料は、このアッセイにおいて無反応とみなすべきである。
【実施例8】
【0205】
診断感度の決定
実施例3に記載の免疫アッセイキットを用いて(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)、C型肝炎感染に罹患している患者からの全部で509検体を試験した。
【0206】
試験した試料は全て、反応性があることが分かった。この検体集団における本方法の診断感度は100%(509/509)(二項分布により99.28%の下側95%信頼限界であると推定。)であることが分かった。
【0207】
全部で265検体を含む、30種類の市販のセロコンバージョンパネル(Boston Biomedica、Bioclinical Partners及びNorth America Biologicals)での性能を評価することにより、抗体単独アッセイと比較したHCV感染の初期段階での検出効率についても、本方法の性能を試験した。結果を表9で示す。これらの試験において、本方法は、196検体を陽性として検出し、一方、抗HCV抗体に対する確立されたアッセイによって94検体が陽性として検出された。最初の検出までの時間については、これは、本方法において、抗体単独アッセイよりも平均20.57日早く検出することと同等である(0日から72日早い)。
【0208】
この研究において、30種類のセロコンバージョンパネルのうち10種類が、核酸検出及び血清学的アッセイの両方により陰性となった初期検体を含んでいた。これらの10種類のパネルにおいて性能を比較した場合、本方法は、HCV抗体アッセイよりも平均33.2日早く、核酸試験(NAT)よりも平均でわずか1.0日遅いだけで感染を検出した。
【0209】
【表9】

【実施例9】
【0210】
診断特異性の判定#1
血液ドナー集団における特異性>99.5%のCommon Technical Specification(2002/364/EC)の必要条件に合致させるために、実施例3に記載の免疫アッセイ及び実施例5及び6で全般的に述べる方法を設計したが、この方法は、主要な血液ドナーセンターでの実地試験においてこの必要条件を超えていた。実施例3に記載の免疫アッセイキットを用いて(実施例6で全般的に述べる完全自動化法を用いて)、所定のドナー検体からの全部で8292検体を2ヶ所の血液ドナーセンターでスクリーニングした。
【0211】
この試験において、検体の99.82%(8277/8292)が無反応であった(二項分布により、99.70%の下方95%信頼限界)。陰性であると予想される全部で15/8292の検体が、この方法を用いて繰り返し反応性があった(0.18%)。この試験の2つのその他の検体が本発明による方法を用いて陽性であると同定され、PCRで陽性であったが、HCV抗体は陰性であった。
【0212】
HCV感染とは無関係な状態の患者からの全部で376検体の、交差反応性の可能性がある検体も試験した。これらには、妊娠女性、自己免疫疾患及びその他の急性ウイルス感染罹患患者からの検体が含まれていた。これらの検体の1つが、本発明による方法を用いて反応性があることが分かり、これにより、この特定の集団において、99.73%の診断特異性(98.53%の下方95%信頼限界)となった。本組み合わせアッセイ及びPCRを用いて陽性と同定されたがHCV抗体アッセイで陰性となった1検体は真陽性として排除された。
【実施例10】
【0213】
再現性の判定
4回の別個の機会において5種類のパネルメンバーを10回反復して試験することにより、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例6で全般的に述べる完全自動化法を用いて)の再現性を評価した。この試験からの結果を表10及び11でまとめる。
【0214】
【表10】

【0215】
【表11】

【実施例11】
【0216】
BBIセロコンバージョンパネルPHV907に対する感度の評価
市販のセロコンバージョンパネル(BBI PHV907、Boston Biomedica Inc)を用いて、PCRによりHCVを検出する方法(Roche AMPLICOR(R))又は抗HCV抗体を検出することによりHCVを検出する方法(Murex HCV v3.0抗体及びMurex HCV v4.0抗体)と比較して、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)の感度を評価した。PCR及び抗HCV抗体データを供給業者のパネルデータシートから得た。比較の結果を表12で示す(抗体(Ab)及び組み合わせアッセイに対して1.0より大きい値は陽性であるとみなす。)。
【0217】
【表12】

【0218】
この結果から、本組み合わせアッセイは、抗HCV抗体のみを検出するMurex V3及びMurex V4アッセイよりも13日早くHCV感染を検出することができることが示された。この結果から、また、市販のセロコンバージョンパネルの全てがPCR陰性の初回血液を有する訳ではないことも示される。
【実施例12】
【0219】
Bioclinical Partnersセロコンバージョンパネル6222に対する感度の評価
PCRにより又は抗HCV抗体を検出することにより(Murex 抗HCV v3.0(VK47/48)及びMurex 抗HCV v4.0(07F51))HCVを検出する方法と比較して、別の市販のセロコンバージョンパネル(Bioclinical Partners、セロコンバージョンパネル6222)に対する実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)の感度を評価した。この比較の結果を表13で示す(抗体(Ab)及び組み合わせアッセイに対して1.0よりも大きい及びPCRアッセイに対して0よりも大きいこの表の値を陽性であるとみなす。)。
【0220】
【表13】

【0221】
この結果から、本組み合わせアッセイが、抗HCV抗体を検出するために使用されるアッセイよりも23日早くHCV感染を検出することができることが示された。
【実施例13】
【0222】
Bioclinical Partnersセロコンバージョンパネル6211に対する検出時間の評価
PCRによりHCVを、抗HCV抗体(オルト3)又はHCV抗原(オルトHCV抗原)を検出する方法を用いた検出時間と比較して、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)を用いた検出時間を評価した。別の市販のセロコンバージョンパネル(Bioclinical Partners、セロコンバージョンパネル6211)に対して、検出時間を測定した。この比較の結果を表14で示す(抗体(Ab)、抗原及び組み合わせアッセイに対して1.0よりも大きい値及びPCRアッセイに対して0よりも大きい値を陽性であるとみなす。)。
【0223】
【表14】

【0224】
この結果から、本組み合わせアッセイが、試料中の抗HCV抗体を検出するために使用されるアッセイよりも46日早くHCV感染を検出できることが示された。この結果から、また、検出時間の改善が本方法を試験するために使用されたパネルにより変動することも示される。
【実施例14】
【0225】
BBIセロコンバージョンパネルPHV917に対する感度の評価
PCRによりHCV(Roche AMPLICOR(R))又は抗HCV抗体(オルト)を検出する方法の感度と比較して、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)の感度を評価した。市販のBBIセロコンバージョンパネルPHV917に対して、感度を測定した。この比較の結果を表15で示す。O.D.は光学密度を指し、S/COは、試料/カットオフ値を指す。表14において、抗体(Ab)及び組み合わせアッセイ(S/CO)に対して1.0よりも大きい値は陽性であるとみなす。
【0226】
【表15】

【0227】
PHV917は、初期抗原ピークを示すセロコンバージョンパネルの一例であり、この結果から、本組み合わせアッセイが、抗体単独アッセイよりも72日早く陽性の結果を与えたことが示される。NAT(Roche PCRアッセイ)は、本組み合わせアッセイと同じ血液を陽性であるとして検出したが、後の血液では検出レベルを下回った(これは、おそらく、患者が血流から循環ウイルスを排除するためである。)。このようにして、これらの結果から、また、HCV RNA及び抗原ピークが一過性であり得ることも示された。
【実施例15】
【0228】
全体的な感度
実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5で全般的に述べる半自動化法を用いて)の診断感度の代表例として、34種類の市販のセロコンバージョンパネルに対してこのキットを評価し、これらの結果をMurex 抗HCV バージョン4.0(07F51)、オルト抗HCV3(SAVe)抗体アッセイ及び核酸試験(NAT)データ(Roche AMPLICOR(R))に対する公開データと比較した。
【0229】
34種類のセロコンバージョンパネルからの陽性の血液数を評価した。NATの場合に陽性である血液の数は231であった。本組み合わせアッセイの場合、陽性である血液の数は213であり、抗体単独アッセイの場合、陽性である血液の数は103であった。従って、試験した34種類のセロコンバージョンパネルのうち、本組み合わせアッセイは、NAT陽性試料の84.86%を検出した(213/251)。さらに、34種類のパネルのうち24種類において(73.5%一致)、本組み合わせアッセイは、核酸試験(NAT)を用いる方法と同じ血液又は時間点で感染を検出した。一方、抗HCV抗体単独検出を使用する方法は、NATを用いた方法と同じく陽性血液を検出することができたのは、34パネルのうち3パネルであった(8.8%一致)。
【0230】
さらに、いくつかの市販のアッセイ(「オルト3」、「Pasteur Plus」、「ABBOTT PRISM(R)」及び「AXSYM(R)3.0」)及び本組み合わせアッセイを用いた最初の検出までの平均時間を、クラス抗体アッセイにおける理論上最善のものと比較した。第0日は、単一のセロコンバージョンパネルに対して測定した場合の何らかの市販抗体単独アッセイからの利用可能な最善データから生成される。試験した32/34セロコンバージョンパネルにおいて、本組み合わせアッセイは、最も感度が高い酵素免疫アッセイ(EIA)である。本組み合わせアッセイによって、クラス抗体アッセイ中で理論的に最善のものよりも平均で12.7日早くなり、オルト抗HCV 3(SAVe)よりも平均で14.35日早くなる。本明細書中に記載のものを含むさらなる実験からの結果とともに、これらの結果から、本組み合わせアッセイが、少なくとも2週間、抗体単独アッセイに対して感染潜伏期間を狭めることが分かる。
【実施例16】
【0231】
診断特異性の判定#2
全部で3217検体のUKドナー検体に対して、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5及び6で全般的に述べる方法を用いて)、本「組み合わせアッセイ」、の診断特異性を試験した。この結果を表16で示す。
【0232】
【表16】

【0233】
様々な臨床状態の202検体における診断特異性が99.5%であることが分かった。本組み合わせアッセイ及びMurex HCV v4.0Abの両方で全試料が一致して陽性であった。
【実施例17】
【0234】
HCV感染の早期検出
本組み合わせアッセイ及びMurex HCV v4.0Abアッセイを用いたスクリーニング30/32セロコンバージョンパネルからの結果(表16参照)を比較することにより、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5及び6で全般的に述べる方法を用いて)、本「組み合わせアッセイ」、に対する最初の検出時間の平均改善度を評価した。単離された初期血液が抗原陽性である一方、これらのパネルは最初の検出後本組み合わせアッセイにおいて変わらずに陽性のままではなく、それ故に、改善した日数を真に反映したものではないので、2/32パネル(6228及びSC−T0402)を排除した。
【0235】
HCV抗体アッセイと比較した、本組み合わせアッセイに対する最初の検出時間の観察平均改善日数は、20.57日であった(表17参照)。
【0236】
【表17】


【実施例18】
【0237】
別の市販HCV Ag/Abアッセイ感度に対する比較
実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5及び6で全般的に述べる方法を用いて)、本「組み合わせアッセイ」、の性能を市販のBioRad MonoLisa(R)HCV Ag−Ab Ultra kitの性能と比較した。製造者の説明書に従いBioRadキットを使用した。
【0238】
比較のために、次の28のセロコンバージョンパネルを使用した:PHV907、PHV901、PHV915、PHV908、PHV905、PHV911、PHV909、PHV912、PHV910、PHV914、PHV913、NABI A、PHV916、SC−402、SC−400、SC−406、BCP6212、BCP6224、BCP6211、BCP6226、BCP6213、BCP6214、BCP6215、BCP6222、BCP6224、BCP6225、BCP6227及びBCP6228。試験した25/28パネルにおいて、本組み合わせアッセイは、HCV抗体単独アッセイよりも早く感染を検出し、17/28パネルにおいて、本組み合わせアッセイは、競合物Ag/Abアッセイよりも早く感染を検出した。競合物Ag/Abは、2/28のアッセイでは先んじており、8パネルでは同等であった。この試験において、本組み合わせアッセイにより、HCV抗体アッセイと比較して、検出までの平均時間が14.4日短縮され、競合物HCV Ag/Abアッセイよりも4.6日早くなった。
【0239】
28パネルのうち9パネルにおいては、これらのパネルでの初期試料がPCR陰性なので、潜伏期間全体に相当する。これらのパネルにおける性能を表18でまとめる。
【0240】
【表18】

【実施例19】
【0241】
別の市販HCV Ag/Abアッセイとの比較−検出の限界
Lapercheら(Transfusion、45:1965−1972(2005))に記載の方法に従い、コピー/mL核酸の点での検出限界の理論的限界について、市販のセロコンバージョンパネルからのPCR陽性/抗体陰性試料の集団におけるウイルス量に対してS/CO比を比較することにより、実施例3に記載の免疫アッセイキット(実施例5及び6で全般的に述べる方法を用いて)を評価した。元の論文からの43/44試料がこの試験に対して利用可能であった(表19参照)。この方法によって、市販のBioRad MonoLisa(R)HCV Ag−Ab Ultra kitもまた、評価した。製造者の説明書に従い、BioRadのキットを使用した。
【0242】
この結果を表19及び図6A及びBで示し、表20でまとめる。
【0243】
Ln S/COに対してlog10ウイルス量をプロットし、Ln S/CO=0で切片をとる(即ちS/CO=1である点)ことによって、ウイルス量の終点を予想した。この結果から、本発明による組み合わせアッセイは、競合物Ag/AbアッセイよりもHCVを早く高感度に検出することが分かる。
【0244】
【表19】


【0245】
【表20】

【0246】
ある一定の具体的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、本明細書に添付の特許請求の範囲で概説されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その様々な変更が当業者にとって明らかであろう。
【0247】
この明細書において参照される、公開特許出願を含む、全ての特許、刊行物及びデータベースエントリーの開示は、かかる個々の特許、刊行物及びデータベースエントリーのそれぞれが、具体的かつ個々に、参照により組み込まれることが示されるように、その全体において具体的に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物の抗原性タンパク質及び前記抗原性タンパク質に対する抗体を同時に検出し、1以上の免疫優勢ペプチド及び1以上の特異的抗体からなる試薬を選択するための方法であって、
i)ペプチドのライブラリを提供する段階、ここで、各前記ペプチドは前記抗原性タンパク質のアミノ酸配列の一部に対応するアミノ酸配列を有し、前記候補ペプチドの前記アミノ酸配列は重複する
ii)前記微生物に感染した対象からの血清試料とペプチドの前記ライブラリを接触させる段階;
iii)陰性対照血清試料とペプチドの前記ライブラリを接触させる段階;
iv)段階(ii)の前記血清試料の複数において抗体に結合し、段階(iii)の前記陰性対照血清試料において抗体に結合しない候補ペプチドを選択して、候補ペプチドを提供する段階;
v)前記候補ペプチドの1以上の配列を含む免疫優勢ペプチドを調製する段階;
vi)1以上の候補抗体と前記免疫優勢ペプチドを接触させる段階;及び
vii)前記特異的抗体を提供するために、前記免疫優勢ペプチドに結合しない1以上の抗体を選択する段階
を含む方法
【請求項2】
前記抗原性タンパク質がC型肝炎ウイルスコアタンパク質である、請求項1に記載のプロセス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−185165(P2012−185165A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−80209(P2012−80209)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【分割の表示】特願2009−526882(P2009−526882)の分割
【原出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】