説明

組合計量装置

【課題】型崩れしやすい被計量物に対しても、型崩れさせることなく自動的に計量できる技術を提供する。
【解決手段】組合計量装置1は、計量単位の被計量物(計量物9)が載置される複数の計量皿4と、計量皿4に載置された被計量物9の重量を検出するロードセルと、計量皿4に被計量物9を載置するとともに、載置された被計量物9を計量皿4から取り去る移載部3と、ロードセルによる検出結果に応じて、移載部3を制御する制御部とを備え、移載部3は、進退移動可能な移動板と、移動板の上面と下面とに巻き回され、少なくとも1点で固定される移載ベルトと、移動板および移載ベルトを三次元方向に移動させる駆動部6とを備え、移動板を被計量物9に向けて進出させて当該被計量物9を移載ベルト上に保持するとともに、移動板を退出させて移載ベルト上に保持した被計量物9を移載ベルトから離間させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型崩れしやすい被計量物を自動的に計量する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
組合計量装置は、被計量物の重量を計量単位ごとに検出(計量)し、所定重量となる組み合わせを演算する。そして、当該組み合わせに選択された被計量物を集合させて搬出する。
【0003】
一方で、ハンバーグの種や、タラコ、梅干しのように、柔軟で型崩れしやすい物品を計量して、所定重量に組み合わせたいという要望がある。例えば、南高梅の梅干しを1つの袋に詰めて、内容量を250グラムにしたいという要望がある。このような被計量物は、型崩れすると商品価値が著しく低下するため、型崩れしないように慎重に取り扱うことが必要である。
【0004】
従来より、このような型崩れしやすい被計量物を扱うための組合計量装置が、例えば、特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−043463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載されている技術によって、被計量物の搬入および搬出を作業員が手作業で行ったとしても、被計量物の型崩れを完全には防止できないという問題があった。また、人に頼る作業は、作業員の負担も大きいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、型崩れしやすい被計量物に対しても、型崩れさせることなく自動的に計量できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、組合計量装置であって、被計量物が載置される複数の計量皿と、前記計量皿に載置された被計量物の重量を計量単位ごとに検出する重量検出部と、前記計量皿に被計量物を載置するとともに、載置された被計量物を前記計量皿から取り去る移載部と、前記重量検出部による検出結果に応じて、前記移載部を制御する制御部とを備え、前記移載部は、進退移動可能な移動板と、前記移動板の上面と下面とに巻き回され、少なくとも1点で固定される移載ベルトと、前記移動板および前記移載ベルトを三次元方向に移動させる駆動部とを備え、前記移動板を被計量物に向けて進出させて前記被計量物を前記移載ベルト上に保持するとともに、前記移動板を退出させて前記移載ベルト上に保持した被計量物を前記移載ベルトから離間させる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る組合計量装置であって、前記移載ベルトが複数計量単位の被計量物を同時に保持する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る組合計量装置であって、前記複数の計量皿の位置が高さ方向に異なっている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係る計量装置であって、2の前記移載部を備え、前記複数の計量皿を2列に配列し、前記2の移載部が2列に配列した前記複数の計量皿の両側にそれぞれ配置される。
【発明の効果】
【0012】
計量皿に被計量物を載置するとともに、載置された被計量物を計量皿から取り去る移載部を備え、当該移載部は、進退移動可能な移動板と、移動板の上面と下面とに巻き回され、少なくとも1点で固定される移載ベルトと、移動板および移載ベルトを三次元方向に移動させる駆動部とを備え、移動板を被計量物に向けて進出させて被計量物を移載ベルト上に保持するとともに、移動板を退出させて移載ベルト上に保持した被計量物を移載ベルトから離間させることにより、手や握持式のロボットアームで掴むと壊れるような型崩れしやすい被計量物でも、壊さずに自動的に計量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る組合計量装置を上面視した図である。
【図2】組合計量装置の正面図である。
【図3】組合計量装置の構成を示すブロック図である。
【図4】ハンドリング部の構造を示す断面図である。
【図5】ハンドリング部が被計量物を保持する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0015】
<1. 実施の形態>
図1は、本発明に係る組合計量装置1を上面視した外観図である。また、図2は、組合計量装置1を正面から見た外観図である。なお、図1および図2において、X軸方向およびY軸方向を水平方向の軸、Z軸方向を垂直方向の軸と定義するが、これは各図を説明するための便宜上の定義であって、これらの方向に限定するものではない。以下の図においても同様である。
【0016】
組合計量装置1は、上面において2列に配列した複数の計量皿4を備えた計量部2、および、ハンドリング部5を備えた移載部3を備えている。組合計量装置1は、被計量物9を搬入用仮置き台7から取得するとともに、組み合わせを決定して、搬出用仮置き台8に向けて搬出する。なお、詳細は後述するが、図1および図2に示すように、計量部2は表示部22を備えており、移載部3は駆動部6を備えている。
【0017】
以下の説明では、被計量物9とは、組合計量装置1において計量される物品であって、1の計量皿4に同時に載置され、まとまって重量の検出がされる物品の集まり(計量単位)を示す。図1では、1の被計量物9を1の円で図示しているが、1の被計量物9に含まれる物品は1個の物品に限定されるものではなく、複数の物品であったり複数種類の物品が含まれていてもよいし、不可算物品の集合体であってもよい。すなわち、1の被計量物9とは、1計量単位の被計量物である。
【0018】
被計量物9としては、例えば、生菓子、半生製品等の形状不安定な商品、海産物(ウニ、イクラ、たらこ等)やそれらを加工した粘着性商品、紀州梅等、商品が傷つくことで商品価値が下がる商品などである。
【0019】
搬入用仮置き台7には、被計量物9が所定の位置に並べて載置される。また、搬出用仮置き台8には、組み合わされた被計量物9を1つに集合させるトレー90が所定の位置に載置されている。なお、搬入用仮置き台7および搬出用仮置き台8は、いずれもベルトコンベアのように、載置されている物品(ここでは被計量物9)を搬送する機能を備えているものであってもよい。
【0020】
図3は、組合計量装置1の構成を示すブロック図である。組合計量装置1の計量部2は、制御部20、操作部21、表示部22、ロードセル23および計量皿4を備えている。なお、ロードセル23および計量皿4は、互いに対応しており、本実施の形態における計量部2は、これらの構成をいずれも12個備えている。
【0021】
制御部20は、図示しないCPUおよび記憶装置から構成され、一般的なコンピュータとしての機能を有している。制御部20は、主に、計量部2が備える各構成を制御する。また、制御部20は、移載部3の制御部30との間でデータ通信を行う。
【0022】
なお、図3では、制御部20と、移載部3のハンドリング部5および駆動部6とが接続されているように図示している。しかし、本実施の形態における組合計量装置1においては、制御部20が直接的にハンドリング部5および駆動部6を制御することはなく、制御部20は制御部30を介してこれらの構成を制御することとなる。ただし、制御部20が直接これらの構成を制御してもよい。
【0023】
操作部21は、組合計量装置1に対して各種データを入力するために、作業員によって操作される。操作部21としては、例えば、各種ボタン類やキー、スイッチ等が該当する。本実施の形態における組合計量装置1では、表示部22がタッチパネルとして構成されており、作業員が当該タッチパネルの表面に触れることにより、様々な指示が入力できるように設計されている。すなわち、表示部22が、操作部21の機能を、一部、担っている。
【0024】
表示部22は、液晶パネルであり、組合計量装置1の状態(エラー状態や組み合わせ結果、履歴等)や各種データ、入力画面等を表示して、作業員に提示する機能を有している。なお、表示部22としては、図3に示す液晶パネルの他に、各種のランプやLEDを備えていてもよい。ただし、本実施の形態における組合計量装置1は、組み合わせ計量作業を自動化しているため、組み合わせを作業員に指示するための表示部22は必要ない。
【0025】
ロードセル23は、自由端部に連結された計量皿4に載置される被計量物9の重量を検出して、制御部20に伝達する。すなわち、ロードセル23は、本発明における重量検出部に相当する。なお、ロードセル23が計量を行うタイミングは、各ロードセル23ごとに制御部20により決定され伝達される。
【0026】
計量皿4には、先述のように、上面に1の被計量物9が載置される。被計量物9が載置された計量皿4に連結されたロードセル23では、自由端部において、当該被計量物9の重量に応じて歪みが発生する。ロードセル23は、当該歪みを検出することにより、当該被計量物9の重量を検出する。
【0027】
図3に示すように、組合計量装置1の移載部3は、制御部30、ハンドリング部5および駆動部6を備えている。
【0028】
制御部30は、図示しないCPUおよび記憶装置から構成され、一般的なコンピュータとしての機能を有している。制御部30は、主に、移載部3が備える各構成を制御する。また、制御部30は、計量部2の制御部20との間でデータ通信を行う。
【0029】
ハンドリング部5は、移動板50および移載ベルト51を備えている。
【0030】
図4は、ハンドリング部5の構造を示す断面図である。なお、図4では、ハンドリング部5の構造を理解しやすいように、特徴部を誇張して図示している。
【0031】
ハンドリング部5は、移動板50、移載ベルト51、芯部材52、第1固定部材53、第2固定部材54、ナット部55およびボールネジ56を備えている。
【0032】
移動板50は、XY平面に対して略平行に配置される板状の部材であるが、(+X)側の端辺が芯部材52に巻き付けられるようにして固定されている。芯部材52は、Y軸方向に延びる棒状の部材であって、両端部がナット部55に固定されている。本実施の形態における移動板50の幅(図4におけるY軸方向の長さ)は、計量皿4の幅(図1におけるY軸方向の長さ)よりも短い。
【0033】
移載ベルト51は、図4に示すように、移動板50の上面の一部と下面とに巻き回されており、両端部が第1固定部材53と第2固定部材54とに挟まれた状態で固定される。一方で、移載ベルト51は、移動板50に対しては固定されていない。本実施の形態における移載ベルト51の幅(図4におけるY軸方向の長さ)は、移動板50の幅(図4におけるY軸方向の長さ)と同等であり、計量皿4の幅(図1におけるY軸方向の長さ)よりも短い。
【0034】
第2固定部材54には、円筒状の貫通孔が形成されており、ボールネジ56が貫通している。なお、ボールネジ56は、後述するように、X軸方向を中心軸として回転するが、第2固定部材54は、ボールネジ56の回転によっては移動しない。言い換えれば、第2固定部材54に対して、ボールネジ56は空回りするように、第2固定部材54の貫通孔が形成されている。
【0035】
ナット部55には、ボールネジ56が螺入される螺旋状の溝が形成された貫通孔が形成されており、当該貫通孔にボールネジ56が螺入される。ナット部55のY軸方向の両端部には、それぞれ橋脚状の部分が下方に突出するように形成されている。そして、これら突出した橋脚部分で両側から挟み込むようにして、芯部材52の両端部を固定している。これにより、移動板50、芯部材52およびナット部55は一体的な構造物を構成している。
【0036】
ボールネジ56は、表面にネジ山が形成されており、(+X)側の端部が第2固定部材54を貫通して、ナット部55に螺入されている。ボールネジ56の両端は、ボールネジ56がX軸と平行な軸を中心にして回転可能となるように支持されており、ボールネジ56は図示しないモータから伝達される駆動力により、当該軸を中心として回転する。このときのモータの回転方向および回転量は、制御部30からの制御信号によって制御可能とされている。
【0037】
このような構造により、上記モータが駆動され、ボールネジ56が回転すると、その回転方向と回転量とに応じてナット部55がX軸方向に進退運動する。そして、ナット部55と移動板50とが一体的な構造物を構成しているため、ナット部55の進退運動に応じて、移動板50もX軸方向に進退移動する。すなわち、ボールネジ56がナット部55から退出する方向に回転するとナット部55が(+X)方向に移動し移動板50も(+X)方向に移動する。一方、ボールネジ56がナット部55に螺入する方向に回転するとナット部55が(−X)方向に移動し移動板50も(−X)方向に移動する。
【0038】
移動板50が(−X)方向に移動すると、移動板50の先端(−X側の端部)が第1固定部材53に対して、(−X)方向に進出する。このとき、移載ベルト51の前方部(移動板50の(−X)側先端部近傍の部分)において、移載ベルト51が移動板50の下面側から移動板50の上面側に繰り出される。同時に、移載ベルト51の後方部(移動板50の(+X)側端部近傍の部分)において、移載ベルト51が移動板50の上面側から移動板50の下面側に繰り出される。
【0039】
一方、移動板50が(+X)方向に移動すると、移動板50の先端(−X側の端部)が第1固定部材53に対して、(+X)方向に退出する。このとき、移載ベルト51の前方部において、移載ベルト51が移動板50の上面側から移動板50の下面側に引き戻される。同時に、移載ベルト51の後方部において、移載ベルト51が移動板50の下面側から移動板50の上面側に引き戻される。
【0040】
ハンドリング部5は、(+X)方向に退出させた状態の移動板50を、(−X)方向に存在する被計量物9に向けて進出させて、進出した移動板50の上面に繰り出された移載ベルト51上に当該被計量物9を掬い上げるようにして保持する。
【0041】
また、ハンドリング部5は、移動板50を(+X)方向に退出させることにより、被計量物9を保持した状態の移載ベルト51を移動板50の下面側に引き戻し、当該移載ベルト51上に保持した被計量物9を移載ベルト51から離間させて当該被計量物9を所定の位置に降ろす。
【0042】
すなわち、ハンドリング部5は、移動板50を進出させて移載ベルト51に被計量物9を保持することにより、搬入用仮置き台7または計量皿4に載置されている被計量物9を取り上げることができる。このとき、被計量物9に当接する移載ベルト51が移動板50の上面に繰り出されるので、被計量物9と移載ベルト51との間の摩擦は最小限に抑制されるため、被計量物9の型崩れを抑制することができる。
【0043】
また、ハンドリング部5は、移動板50を任意の位置で退出させて移載ベルト51上に保持された被計量物9を移載ベルト51から離間させることにより、計量皿4または搬出用仮置き台8の所定の位置に被計量物9を降ろすことができる。このとき、被計量物9に当接していた移載ベルト51は、移動板50の下面側に引き戻されるため、被計量物9と移載ベルト51との間の摩擦は最小限に抑制され、被計量物9の型崩れを抑制することができる。
【0044】
図5は、ハンドリング部5が被計量物9を保持する様子を示す図である。
【0045】
本実施の形態における移載ベルト51は、図5に示すように、最大3つの被計量物9(3計量単位の被計量物)を同時に保持することができる。すなわち、移動板50を段階的に進出させることにより、複数の被計量物9を移載ベルト51上にX軸方向に並べて保持することができる。また、ハンドリング部5は、複数の被計量物9を保持した状態で、移動板50を段階的に退出させることにより、保持した複数の被計量物9を1つずつ順次に降ろすこともできる。
【0046】
これにより、例えば、移載部3が、被計量物9を1つずつ保持して搬送する場合に比べて、作業速度が向上する。なお、最大で保持できる被計量物9の数は3つに限定されるものではない。また、最大で3つの被計量物9を保持できるからといって、必ずしも3つ保持しなければならないわけではない。
【0047】
図3に戻って、駆動部6は、詳細は図示しないが、各種のモータやギア、シャフト、関節部、伸縮部、あるいは、その他の動力を伝達するリンク部材等から構成されている。駆動部6は、制御部30からの制御信号に応じて、ハンドリング部5を三次元方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)に移動させるとともに、ハンドリング部5の向きを変更する機能を有している。
【0048】
なお、図4において、移動板50が進退する方向はX軸方向であると説明したが、実際のハンドリング部5は、駆動部6によって向きが変更されるため、移動板50の進退方向は、X軸方向に限定されるものではない。
【0049】
以上が、組合計量装置1の構成および機能の説明である。次に、組合計量装置1によって被計量物9の計量を行って、組み合わせを決定し、決定された組み合わせに従って、トレー90に被計量物9を集合させる処理について説明する。
【0050】
まず、制御部20が制御部30に対して、搬入用仮置き台7から、計量部2の各計量皿4に被計量物9を搬入するように指示を与える。このとき、制御部20は、搬入用仮置き台7のいずれの位置から被計量物9を取得するか、その座標を制御部30に伝達するとともに、搬入先の各計量皿4の位置座標についても伝達する。
【0051】
制御部30は、駆動部6を制御して、ハンドリング部5を搬入用仮置き台7に向ける。そして、ハンドリング部5は、搬入用仮置き台7の所定の位置に載置されている被計量物9に向けて移動板50を進出させて、当該被計量物9を移載ベルト51上に保持する。1の被計量物9を保持すると、駆動部6がハンドリング部5を次の被計量物9に向かわせ、さらに当該被計量物9を保持する。このように、ハンドリング部5は、搬入用仮置き台7から1つずつ、順次に、3つの被計量物9を取得する。このとき、制御部30は、制御部20に対して、取得した被計量物9の位置識別子を伝達し、これにより、制御部20はどの位置の被計量物9が搬入用仮置き台7の上に存在しているかを認識し、次回に被計量物9を取得させる際の指定に用いる。
【0052】
次に、駆動部6は、制御部30からの制御信号に応じて、3つの被計量物9を移載ベルト51の上に保持した状態のハンドリング部5を、計量部2の計量皿4に向かわせる。そして、駆動部6は、ハンドリング部5の先端部を、1の計量皿4(被計量物9が載置されていない計量皿4)の上面に移動板50の先端部を近接させる。この状態で、ハンドリング部5は、移動板50を退出させることにより、1の被計量物9を計量皿4に降ろす。この操作を3回繰り返すことにより、ハンドリング部5は移載ベルト51上に保持していた3つの被計量物9を1つずつ計量皿4に載置する。
【0053】
同様の処理を4回繰り返せば、計量部2において、12個の計量皿4のすべてに、それぞれ1つの被計量物9が搬入された状態となる。
【0054】
制御部20は、計量皿4および被計量物9から移載ベルト51が離間したとき以後に、当該計量皿4に対応するロードセル23に対して、被計量物9の重量を検出するように指示を与える。そして、すべての被計量物9の重量が各ロードセル23によって検出され、制御部20に伝達されると、制御部20は、所定重量となる組み合わせを演算する。さらに、当該所定重量となる最適な組み合わせに選ばれた被計量物9が載置されている計量皿4から、被計量物9を取得するように制御部30に伝達するとともに、それらの被計量物9を搬入すべき(集合させるべき)トレー90の位置を指定する。
【0055】
次に、制御部30は、伝達された計量皿4にハンドリング部5を向かわせるように駆動部6を制御する。これに応じて、駆動部6が、当該計量皿4にハンドリング部5を向かわせ、ハンドリング部5が当該計量皿4に載置されている被計量物9に向けて移動板50を進出させる。これにより、当該被計量物9が再び移載ベルト51上に保持される。このとき、ハンドリング部5は、選択された計量皿4に載置された被計量物9のうちの3個までを順次に移載ベルト51に保持する。
【0056】
被計量物9を計量皿4から取得して保持すると、駆動部6が、制御部20によって指定されたトレー90にハンドリング部5を向かわせる。そして、ハンドリング部5が、移動板50を退出させることにより、保持している被計量物9を当該トレー90に降ろす。同じトレー90に集合させる被計量物9が未だ計量皿4上に残っている場合、移載部3は、当該残っている被計量物9をさらに計量皿4から取得して、当該トレー90に向けて搬送する。
【0057】
なお、同時に、複数組の適切な組み合わせが得られた場合などにおいて、同時に保持される3つの被計量物9に、異なるトレー90に搬送されるものが混在していてもよい。その場合は、同時に保持された被計量物9を同一のトレー90に搬入せずに、それぞれ異なるトレー90に搬入すればよい。
【0058】
搬出用仮置き台8に載置されているトレー90は、組み合わせる被計量物9がすべて搬入されると、ラッピングやラベリングのために、下流工程に向けて搬出される。そして、当該トレー90の位置には、新たに空状態のトレー90がセッティングされる。
【0059】
また、被計量物9が搬出された計量皿4に対しては、移載部3が、再び、搬入用仮置き台7から取得した被計量物9を搬入する。
【0060】
なお、1組の組み合わせが選択され、当該選択された被計量物9が搬送された後、さらに、新たな組み合わせを演算し、適切な組み合わせが存在しない状態になってから新たな被計量物9を補充するようにしてもよい。あるいは、1組の組み合わせが選択され、当該選択された被計量物9が搬送されるたびに、被計量物9を補って、新たな組み合わせを演算するようにしてもよい。
【0061】
以上のように、本実施の形態における組合計量装置1は、被計量物9が載置される複数の計量皿4と、計量皿4に載置された被計量物9の重量を計量単位ごとに検出するロードセル23と、計量皿4に被計量物9を載置するとともに、載置された被計量物9を計量皿4から取り去る移載部3と、ロードセル23による検出結果に応じて、移載部3を制御する制御部20および制御部30とを備え、移載部3は、進退移動可能な移動板50と、移動板50の上面と下面とに巻き回され、少なくとも1点で固定される移載ベルト51と、移動板50および移載ベルト51を三次元方向に移動させる駆動部6とを備え、移動板50を被計量物9に向けて進出させて当該被計量物9を移載ベルト51上に保持するとともに、移動板50を退出させて移載ベルト51上に保持した被計量物9を移載ベルト51から離間させる。これにより、手や握持式のロボットアームで掴むと壊れるような型崩れしやすい被計量物でも、壊さずに自動的に計量することができる。したがって、自動的に組み合わせ計量を行うことが可能な商品の適用範囲が拡大されるとともに、作業員の負担も軽減される。
【0062】
また、移載ベルト51が複数計量単位の被計量物(複数の被計量物9)を同時に保持することにより、作業速度が向上する。
【0063】
なお、上記実施の形態では、適切な組み合わせに選択された被計量物9のみが計量皿4から取り去られる(搬出される)ように説明したが、例えば、長期間、適切な組み合わせに選択されなかった被計量物9を、制御部20が「組み合わせ不適合」と判定して、被計量物9の入れ替えを指示するように構成してもよい。
【0064】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0065】
例えば、上記実施の形態では、移載部3を1つ備える組合計量装置1について説明したが、移載部3の数は1つに限定されるものではなく、2つの移載部3を備えていてもよい。この場合、2列に配列した複数の計量皿4の両側にそれぞれの移載部3を配置すれば、それぞれの移載部3が近傍の計量皿4の列にのみアクセスするように構成することができる。これにより、作業速度が向上するとともに、各移載部3が遠い方の列の計量皿4に対してアクセスする必要がなくなるので、計量皿4への干渉を抑制できる。
【0066】
また、上記実施の形態では、計量部2において2列に配列した計量皿4の各列の高さ位置が、すべて同じ高さ位置に配置されている例について説明した。しかし、計量皿4の高さ位置は、すべて同じ高さ位置でなければならないわけではない。例えば、図1に示す、(−X)側の列を構成する計量皿4の高さ位置が、(+X)側の列を構成する計量皿4の高さ位置よりも高くなるように設計されていてもよい。このように、計量皿4を配置することにより、例えば、ハンドリング部5が(−X)側の列を構成する計量皿4にアクセスする際に、(+X)側の列を構成する計量皿4(または当該計量皿4に載置された被計量物9)に干渉することを防止できる。
【0067】
また、複数の計量皿4は、上記実施の形態に示すように、上面視において、互いに重ならないように配置されなければならないわけではない。例えば、棚状に多段積みに配置してもよい。この場合は、組合計量装置1に必要となる設置面積を抑制できる。すなわち、移載部3が、他の計量皿4(または当該計量皿4に載置された被計量物9)に干渉しないように配置されているならば、計量皿4の位置関係は、どのように配置されていてもよい。
【0068】
また、ロードセル23は、必ず、1つの計量皿4に対応していなくてもよい。例えば、2つの計量皿4に対してロードセル23を対応付けた場合、1つ目の計量皿4に被計量物9が載置されたときに計量して当該被計量物9の重量を検出し、さらに、2つ目の計量皿4に被計量物9が載置されたときに計量して2つの被計量物9の合算重量を検出すれば、当該合算重量から先に検出した重量を減算することにより、後から載置された被計量物9の重量も検出できる。すなわち、ロードセル23は、計量皿4に載置された被計量物9の重量を被計量物9ごとに検出できればよいのであって、必ずしも計量皿4と一対一で設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 組合計量装置
2 計量部
20,30 制御部
21 操作部
22 表示部
23 ロードセル
3 移載部
4 計量皿
5 ハンドリング部
50 移動板
51 移載ベルト
6 駆動部
9 被計量物
90 トレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物が載置される複数の計量皿と、
前記計量皿に載置された前記被計量物の重量を計量単位ごとに検出する重量検出部と、
前記計量皿に被計量物を載置するとともに、載置された被計量物を前記計量皿から取り去る移載部と、
前記重量検出部による検出結果に応じて、前記移載部を制御する制御部と、
を備え、
前記移載部は、
進退移動可能な移動板と、
前記移動板の上面と下面とに巻き回され、少なくとも1点で固定される移載ベルトと、
前記移動板および前記移載ベルトを三次元方向に移動させる駆動部と、
を備え、
前記移動板を被計量物に向けて進出させて前記被計量物を前記移載ベルト上に保持するとともに、前記移動板を退出させて前記移載ベルト上に保持した被計量物を前記移載ベルトから離間させる組合計量装置。
【請求項2】
請求項1に記載の組合計量装置であって、
前記移載ベルトが、複数計量単位の被計量物を同時に保持する組合計量装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組合計量装置であって、
前記複数の計量皿の位置が高さ方向に異なっている組合計量装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の計量装置であって、
2の前記移載部を備え、
前記複数の計量皿を2列に配列し、
前記2の移載部が2列に配列した前記複数の計量皿の両側にそれぞれ配置される組合計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−88218(P2013−88218A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227686(P2011−227686)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【出願人】(397068056)古川機工株式会社 (10)