説明

組立式立体ラベル

【課題】 1枚のラベル基材によって立体的に組み立てることができる組立式立体ラベルを、物品に取り付けた状態で平面状に折り畳んでケース等に収納させることができると共に、物品の陳列時などに、平面状に折り畳まれた状態から組立式立体ラベルが自動的に立体的な状態になって、簡単に立体的な表示が行えるようにする。
【解決手段】 1枚のラベル基材10に、物品20Aに取り付ける取付部11と、折り目線14a〜14cにより折り曲げられて物品に取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になった立体表示部12と、立体表示部の裏面側に延出されて係止されると共に折り目線14gにより折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった支持部15とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品に取り付けて立体的な表示を行う組立式立体ラベルに係り、特に、1枚のラベル基材によって立体的に組み立てることができ、物品に取り付けた状態でこの組立式立体ラベルを平面状に折り畳んでケース等に収納させることができると共に、物品の陳列時などに、平面状に折り畳まれた状態から組立式立体ラベルが自動的に立体的な状態になり、簡単に立体的な表示が行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品に、物品の名称、特徴、使用方法、製造者、製造日等の各種情報を表示するラベルを吊下げたり、貼付させたりすることが行われている。
【0003】
しかし、従来のラベルにおいては、一般にこれらの情報をラベル表面に平面的に表示させるようにしているだけであるため、顧客の注意を十分に喚起して、情報を効果的に伝達させる機能が弱いという問題があった。
【0004】
このため、近年においては、特許文献1に示されるように、裏面に粘着剤を塗布した基部シートの表面に、一部で不連続な切り込みによって立体表示部を区画形成した表示シートを、立体表示部を離反可能にする一方、立体表示部が形成されている部分を残して、立体表示部の外側部分を剥離困難に接着させ、上記の立体表示部を基部シートから離反させて起立状態を維持させるようにした立体ラベルが提案されている。
【0005】
しかし、このような立体ラベルの場合、基部シートと表示シートとの2枚のシートが必要になると共に、表示シートの立体表示部の部分を残して、立体表示部の外側部分を基部シートに接着させることが必要になり、その製造が面倒であると共に、コストも高くつくという問題があり、またこのような立体ラベルを平面的な状態で物品に取り付けた後、これを上記のように立体的に組み立てる作業も非常に面倒になるという問題があった。
【0006】
また、ビンやボトルなどの容器の首部に装着させるラベルにおいて、顧客の注意を十分に喚起させるため、特許文献2に示されるように、ラベル基材に略H字状や略コ字状になった切込みを設け、この切込み部分に容器の首部を挿入させて、切込み部分におけるラベル基材を立ち上げて起立面を形成するようにしたネックハンガーラベルが提案されている。
【0007】
しかし、この特許文献2に示されるネックハンガーラベルにおいては、立ち上げられる起立面が小さくて、表示できる情報量が少ないという問題があった。
【0008】
そして、近年においては、特許文献3に示される首架けラベルのように、上記の略H字状になった切込みが設けられた第1ラベル基材の両側に第2ラベル基材を接着させて、容器の首部に装着させるラベルの4面を起立させるようにし、表示できる情報量を多くすることが提案されている。
【0009】
しかし、この特許文献3に示される首架けラベルのように、略H字状になった切込みが設けられた第1ラベル基材の両側に第2ラベル基材を接着させる作業は非常に面倒であり、その製造に時間を要すると共に、コストも高くつくという問題があった。
【0010】
さらに、上記の特許文献2,3に示される何れのラベルにおいても、常に立体的な状態で容器の首部に装着されるだけであり、このようなラベルを容器の首部に装着させた状態では、ケースに収納させたりすることが困難になる等の問題もあった。
【特許文献1】特開2004−117638号公報
【特許文献2】特開2002−140002号公報
【特許文献3】特開2005−62702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、物品に取り付けて立体的な表示を行う組立式立体ラベルにおける上記のような問題を解決することを課題とするものであり、1枚のラベル基材によって立体的に組み立てることができ、物品に取り付けた状態でこの組立式立体ラベルを平面状に折り畳んでケース等に収納させることができると共に、物品の陳列時などに、平面状に折り畳まれた状態から組立式立体ラベルが自動的に立体的な状態になり、簡単に立体的な表示が行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明における組立式立体ラベルにおいては、上記のような課題を解決するため、1枚のラベル基材に、物品に取り付ける取付部と、折り目線により折り曲げられて物品に取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になった立体表示部と、立体表示部の裏面側に延出されて係止されると共に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった支持部とを設けた。
【0013】
ここで、この発明の組立式立体ラベルにおいて、上記の取付部によって組立式立体ラベルを物品に取り付けるにあたっては、この取付部に、例えば、物品に係止させる係止穴や係止用切込み等の係止部を設けるようにしたり、物品に貼付させる粘着部を設けるようにしたりすることができる。
【0014】
ここで、この発明の組立式立体ラベルにおいては、上記の立体表示部と支持部とをラベル基材の中央部に設け、ラベル基材の側部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部を設けるようにし、或いは、上記の立体表示部と支持部とをラベル基材の両側部に設け、ラベル基材の中央部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部を設けるようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明における組立式立体ラベルにおいては、1枚のラベル基材に、物品に取り付ける取付部と、折り目線により折り曲げられて物品に取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になった立体表示部と、立体表示部の裏面側に延出されて係止されると共に折り目線により平面状に折り畳み可能になった支持部とを設けたため、基部シートと表示シートとの2枚のラベル基材を用いる必要がなくなると共に、表示シートの立体表示部の部分を残して、立体表示部の外側部分を基部シートに接着させるという面倒な作業を行う必要もなくなり、その製造が著しく容易になると共に、コストも大幅に低減される。
【0016】
また、この発明における組立式立体ラベルにおいては、上記のように折り目線により折り曲げられて物品に取り付けた状態で前面側に突出される立体表示部と、立体表示部の裏面側に延出されて係止される支持部とが、それぞれ折り目線により平面状に折り畳み可能になっているため、この組立式立体ラベルを上記の取付部によって物品に取り付けた状態で、上記の立体表示部と支持部とを平面状に折り畳んで、この組立式立体ラベルを平面状にすることができ、この組立式立体ラベルを物品に取り付けた状態で、ケース等に収納させたりすることが簡単に行えるようになる。
【0017】
また、このように組立式立体ラベルを取り付けた物品を陳列する場合などにおいては、上記のように平面状に折り畳まれた立体表示部が、組立式立体ラベルの自重及びこの立体表示部の裏面側に延出されて係止された支持部により、自動的に立体的な状態になって維持されるようになり、簡単に立体的な表示が行えるようになる。
【0018】
また、上記の立体表示部と支持部とをラベル基材の中央部に設け、ラベル基材の側部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部を設けるようにし、或いは、上記の立体表示部と支持部とをラベル基材の両側部に設け、ラベル基材の中央部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部を設けるようにした場合には、これらの補助支持部も、上記の立体表示部及び支持部と同様に平面状に折り畳まれて、この組立式立体ラベルを平面状にすることができ、この組立式立体ラベルを物品に取り付けた状態で、ケース等に収納させることが簡単に行えると共に、この組立式立体ラベルを取り付けた物品を陳列する場合などにおいては、この補助支持部によって、組立式立体ラベルがより安定して立体的な状態で維持されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態に係る組立式立体ラベルを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る組立式立体ラベルは、下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
(実施形態1)
実施形態1における組立式立体ラベルA1においては、図1に示すように、ラベル基材10の上部に、この組立式立体ラベルA1をボトル形状になった物品20Aのキャップ部21に係止させるための係止穴11aと、この係止穴11aを拡開させるための拡開用切込み11bとを有する取付部11を設けている。
【0021】
そして、この取付部11を折り曲げる取付部折り目線11cを介して連続したラベル基材10の部分に一対の立体表示部形成用切込み12aを設け、このラベル基材10の幅方向中央部に立体表示部12を形成すると共に、この立体表示部12の両側に補助支持部13を形成している。
【0022】
そして、上記の立体表示部12が物品20Aに取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になるように、上記の一対の立体表示部形成用切込み12aの上端間を結ぶ谷折り用の第1折り目線14aと、一対の立体表示部形成用切込み12aの下端間を結ぶ谷折り用の第2折り目線14bと、立体表示部形成用切込み12aの途中位置において一対の立体表示部形成用切込み12aを結ぶ山折り用の第3折り目線14cとを形成すると共に、上記の第1折り目線14aの中央部に支持部係止用切込み12bを設けている。
【0023】
また、立体表示部12の両側における補助支持部13には、平面状に折り畳み可能になるように、それぞれ谷折り用の第4折り目線14dを設けている。
【0024】
また、上記の立体表示部12と補助支持部13とが形成された部分に対して折返し状に折り曲げるための山折り用の第5折り目線14eを介して連続したラベル基材10の部分において、上記の立体表示部12に対応するラベル基材10の幅方向中央部に、山折り用の第5及び第6折り目線14e,14fで折り曲げて立体表示部12の裏面側に延出させる支持部15を設けている。
【0025】
そして、この支持部15の先端に上記の第1折り目線14aの中央部に設けられた支持部係止用切込み12bに差し込んで係止させる係止突部15aを設けると共に、この支持部15が平面状に折り畳み可能になるように、支持部15の途中位置に山折り用の第7折り目線14gを設けている。
【0026】
そして、図2に示すように、上記の立体表示部12及び立体表示部12の両側における補助支持部13を、上記の第1〜第4の各折り目線14a〜14dに沿って折り曲げると共に、上記の第5折り目線14eで折返し状に折り曲げ、さらに上記の第6折り目線14fで折り曲げ、上記の支持部15を立体表示部12の裏面側に延出させ、この支持部15の先端に設けられた係止突部15aを上記の支持部係止用切込み12bを差し込んで、この支持部15を立体表示部12の裏面側において筋かい状に係止させると、上記の立体表示部12が、上記の筋かい状の支持部15及びL字状になった補助支持部13に支持されて、階段状に前面側に突出された状態で維持されるようになる。
【0027】
そして、この実施形態1における組立式立体ラベルA1においては、図3及び図4に示すように、上記の取付部折り目線11cにより取付部11を折り曲げ、この取付部11に設けられた係止穴11aを拡開用切込み11bにより拡開させて、この係止穴11aにボトル形状になった物品20Aのキャップ部21を挿入させて、この組立式立体ラベルA1を物品20Aに取り付けるようにする。
【0028】
このようにすると、上記のように立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、この組立式立体ラベルA1によって安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0029】
また、上記の立体表示部12及び立体表示部12の両側における補助支持部13を、上記の第1〜第4の各折り目線14a〜14dに沿って上方に折り返すように折り畳むと共に、支持部15の先端に設けられた上記の係止突部15aを支持部係止用切込み12bに差し込んだ状態で、この支持部15を上記の第7折り目線14gに沿って上方に折り返すように折り畳むと、図5に示すように、この組立式立体ラベルA1が平面状に折り畳まれた状態になり、この組立式立体ラベルA1を物品20Aに取り付けた状態で、この物品20Aをケース(図示せず)等に収容させることが簡単に行えるようになる。
【0030】
また、このように組立式立体ラベルA1が取り付けられた状態でケース(図示せず)等に収容させた物品20Aを取り出すと、上記の組立式立体ラベルA1が自重等によって平面状に折り畳む前の状態に復帰し、上記のように立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0031】
(実施形態2)
実施形態2における組立式立体ラベルA2においては、図6に示すように、図1に示した実施形態1の組立式立体ラベルA1における取付部折り目線11cよりも上部側の取付部11を無くし、別の取付部11として、上記の立体表示部12及び立体表示部12の両側における補助支持部13よりも上部側におけるラベル基材10の裏面に粘着剤を塗布させた粘着部11dを設け、それ以外は、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に構成している。
【0032】
ここで、この実施形態2における組立式立体ラベルA2においても、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様にして、この組立式立体ラベルA2を立体的に組み立てることができる。
【0033】
そして、このように立体的に組み立てた実施形態2における組立式立体ラベルA2を物品20Aに取り付けるにあたっては、図6に示すように、上記の取付部11における粘着部11dをボトル形状になった物品20Aの胴部22に貼付させて、この組立式立体ラベルA2を物品20Aに取り付けるようにする。
【0034】
このように組立式立体ラベルA2を物品20Aに取り付けると、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様に、立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、この組立式立体ラベルA2によって安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0035】
また、この実施形態2における組立式立体ラベルA2においても、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様にして、この組立式立体ラベルA2を物品20Aに取り付けた状態で平面状に折り畳むことができ、この組立式立体ラベルA2を物品20Aに取り付けた状態で、この物品20Aをケース(図示せず)等に収容させることが簡単に行えるようになる。
【0036】
また、このように組立式立体ラベルA2が取り付けられた状態でケース(図示せず)等に収容させた物品20Aを取り出すと、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に、上記の組立式立体ラベルA2が自重等によって平面状に折り畳む前の状態に復帰し、上記のように立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0037】
なお、この組立式立体ラベルA2の場合、上記のように取付部11における粘着部11dを物品20Aに貼付させて取り付けるようにしているため、この組立式立体ラベルA2を取り付ける物品は特に上記のようなボトル形状になった物品20Aに限られず、粘着部11dを貼付できる部分があればどのような物品にも利用することができる。
【0038】
(実施形態3)
実施形態3における組立式立体ラベルA3においては、図8に示すように、図1に示した実施形態1の組立式立体ラベルA1における取付部11を変更し、取付部11を折り曲げるための取付部折り目線11cを無くす一方、この取付部11にハ字状に一対の係止用切込み11eを設けると共に、この一対の係止用切込み11eの上端及び上端から下方の位置において、この一対の係止用切込み11e間に第1及び第2の係止部突出用折り目線11f,11gを設け、それ以外は、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1とほぼ同様に構成している。
【0039】
ここで、この実施形態3における組立式立体ラベルA3においても、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様にして、この組立式立体ラベルA3を立体的に組み立てることができる。
【0040】
そして、このように立体的に組み立てた実施形態3の組立式立体ラベルA3においては、上記の第1及び第2の係止部突出用折り目線11f,11gにより上記の一対の係止用切込み11eの間の部分を折り曲げて前方に突出させて、各係止用切込み11eの部分を開口させ、図9に示すように、チューブ状になった物品20Bのキャップ部21を下にして、このキャップ部21とは反対側の扁平になった両側部を、それぞれ上記のように開口された各係止用切込み11eの部分に挿入させるようにして係止させ、この組立式立体ラベルA3を上記の物品20Bに取り付けるようにする。
【0041】
このようにして組立式立体ラベルA3を物品20Bに取り付けると、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様に、立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、この組立式立体ラベルA3によって安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0042】
また、この実施形態3における組立式立体ラベルA3においても、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1の場合と同様にして、この組立式立体ラベルA3を物品20Bに取り付けた状態で平面状に折り畳むことができ、この組立式立体ラベルA3を物品20Bに取り付けた状態で、この物品20Bをケース(図示せず)等に収容させることが簡単に行えるようになる。
【0043】
また、このように組立式立体ラベルA3が取り付けられた状態でケース(図示せず)等に収容させた物品20Bを取り出すと、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に、上記の組立式立体ラベルA3が自重等によって平面状に折り畳む前の状態に復帰し、上記のように立体表示部12が支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0044】
(実施形態4)
実施形態4における組立式立体ラベルA4においては、図10に示すように、図1に示した実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に、ラベル基材10の上部に、この組立式立体ラベルA4をボトル形状になった物品20Aのキャップ部21に係止させるための係止穴11aと、この係止穴11aを拡開させるための拡開用切込み11bとを有する取付部11を設けている。
【0045】
そして、この取付部11を折り曲げる取付部折り目線11cを介して連続したラベル基材10の部分に一対の立体表示部形成用切込み12aを設け、このラベル基材10の幅方向両側に立体表示部12を形成すると共に、この両側の立体表示部12間におけるラベル基材10の中央部に補助支持部13を形成している。
【0046】
そして、上記の幅方向両側における立体表示部12が物品20Aに取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になるように、各立体表示部12において、上記の各立体表示部形成用切込み12aの上端からラベル基材10の幅方向端部に伸びた谷折り用の第1折り目線14aと、各立体表示部形成用切込み12aの下端からラベル基材10の幅方向端部に伸びた谷折り用の第2折り目線14bと、各立体表示部形成用切込み12aの途中位置からラベル基材10の幅方向端部に伸びた山折り用の第3折り目線14cとを形成すると共に、上記の各第1折り目線14aの中央部にそれぞれ支持部係止用切込み12bを設けている。
【0047】
また、両側の立体表示部12の間における補助支持部13には、平面状に折り畳み可能になるように、谷折り用の第4折り目線14dを設けている。
【0048】
また、上記の立体表示部12と補助支持部13とが形成された部分に対して折返し状に折り曲げるための山折り用の第5折り目線14eを介して連続したラベル基材10の部分において、上記の各立体表示部12に対応するラベル基材10の幅方向両側部に、それぞれ山折り用の第5及び第6折り目線14e,14fで折り曲げて立体表示部12の裏面側に延出させる各支持部15を設けている。
【0049】
そして、この両側の各支持部15の先端にそれぞれ上記の各第1折り目線14aの中央部に設けられた支持部係止用切込み12bに差し込んで係止させる係止突部15aを設けると共に、この支持部15が平面状に折り畳み可能になるように、各支持部15の途中位置に山折り用の第7折り目線14gを設けている。
【0050】
すなわち、この実施形態4における組立式立体ラベルA4は、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1において、立体表示部12及び支持部15がラベル基材10の幅方向両側に設けられる一方、補助支持部13が両側の立体表示部12間におけるラベル基材10の中央部に設けられている点が相違しているだけであり、それ以外は、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に構成されている。
【0051】
そして、この実施形態4における組立式立体ラベルA4においては、上記の両側の立体表示部12及び立体表示部12間における補助支持部13を、上記の第1〜第4の各折り目線14a〜14dに沿って折り曲げると共に、上記の第5折り目線14eで折返し状に折り曲げ、さらに上記の第6折り目線14fで折り曲げ、各支持部15をそれぞれ各立体表示部12の裏面側に延出させ、各支持部15の先端に設けられた各係止突部15aを上記の各支持部係止用切込み12bに差し込んで、各支持部15を各立体表示部12の裏面側において筋かい状に係止させるようにし、上記の両側における各立体表示部12が、筋かい状の各支持部15及びL字状になった補助支持部13に支持されて、階段状に前面側に突出された状態で維持されるようになる。
【0052】
そして、この実施形態4における組立式立体ラベルA4においても、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に、上記の取付部折り目線11cにより取付部11を折り曲げ、この取付部11に設けられた係止穴11aを拡開用切込み11bにより拡開させて、この係止穴11aにボトル形状になった物品20Aのキャップ部21を挿入させて、図11に示すように、この組立式立体ラベルA4を物品20Aに取り付けるようにする。
【0053】
このようにすると、上記のように両側の立体表示部12がそれぞれ支持部15及び補助支持部13に支持されて階段状に前面側に突出された状態で維持され、この組立式立体ラベルA4によって安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0054】
また、上記の両側の立体表示部12及び立体表示部12間における補助支持部13を、上記の第1〜第4の各折り目線14a〜14dに沿って上方に折り返すように折り畳むと共に、各支持部15の先端に設けられた上記の係止突部15aを各支持部係止用切込み12bに差し込んだ状態で、各支持部15を上記の第7折り目線14gに沿って上方に折り返すように折り畳むと、この組立式立体ラベルA4が、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1と同様に平面状に折り畳まれた状態になり、この組立式立体ラベルA4を物品20Aに取り付けた状態で、この物品20Aをケース(図示せず)等に収容させることが簡単に行えるようになる。
【0055】
また、このように組立式立体ラベルA4が取り付けられた状態でケース(図示せず)等に収容させた物品20Aを取り出すと、上記の組立式立体ラベルA4が自重等によって平面状に折り畳む前の状態に復帰し、上記のように両側の立体表示部12がそれぞれ各支持部15及び補助支持部13に支持されて、階段状に前面側に突出された状態で維持され、安定した立体的な表示が行えるようになる。
【0056】
なお、上記の実施形態1〜4の各組立式立体ラベルA1〜A4においては、立体表示部12の途中位置に設ける山折り用の第3折り目線14cの位置などを変更させることにより、立体表示部12が前面側に突出する長さなどを自由に変更させることができる。
【0057】
また、上記の実施形態1〜4の各組立式立体ラベルA1〜A4においては、左右対称に形成したが、左右非対称に形成することもできる。例えば、上記の実施形態1の組立式立体ラベルA1において、左側の切込み12aを直線状に、右側の切込み12aを曲線状に形成することができる。
【0058】
また、この発明の組立式立体ラベルにおいて、物品に取り付ける取付部の構成は上記のようなものに限定されず、組立式立体ラベルを取り付ける物品の状態に応じて適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の実施形態1に係る組立式立体ラベルの概略平面図である。
【図2】上記の実施形態1に係る組立式立体ラベルを立体的に組み立てた状態を示した概略斜視図である。
【図3】立体的に組み立てた実施形態1に係る組立式立体ラベルを、ボトル状になった物品のキャップ部に取り付けた状態を示した概略斜視図である。
【図4】立体的に組み立てた実施形態1に係る組立式立体ラベルを、ボトル状になった物品のキャップ部に取り付けた状態を示した概略側面図である。
【図5】物品のキャップ部に取り付けた実施形態1に係る組立式立体ラベルを平面状に折り畳んだ状態を示した概略側面図である。
【図6】この発明の実施形態2に係る組立式立体ラベルの裏面側の概略平面図である。
【図7】上記の実施形態2に係る組立式立体ラベルを立体的に組み立てて、ボトル状になった物品の胴部に取り付けた状態を示した概略側面図である。
【図8】この発明の実施形態3に係る組立式立体ラベルの概略平面図である。
【図9】上記の実施形態3に係る組立式立体ラベルを立体的に組み立てて、チューブ状になった物品のキャップ部とは反対側の扁平になった両側部に取り付けた状態を示した概略側面図である。
【図10】この発明の実施形態4に係る組立式立体ラベルの概略平面図である。
【図11】上記の実施形態4に係る組立式立体ラベルを立体的に組み立てて、ボトル状になった物品のキャップ部に取り付けた状態を示した概略側面図である。
【符号の説明】
【0060】
A1〜A4 組立式立体ラベル
10 ラベル基材
11 取付部
11a 係止穴
11b 拡開用切込み
11c 取付部折り目線
11d 粘着部
11e 係止用切込み
11f,11g 第1,第2の係止部突出用折り目線
12 立体表示部
12a 立体表示部形成用切込み
12b 支持部係止用切込み
13 補助支持部
14a〜14g 第1〜第7折り目線
15 支持部
15a 係止突部
20A,20B 物品
21 キャップ部
22 胴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のラベル基材に、物品に取り付ける取付部と、折り目線により折り曲げられて物品に取り付けた状態で前面側に突出されると共に平面状に折り畳み可能になった立体表示部と、立体表示部の裏面側に延出されて係止されると共に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった支持部とが設けられてなることを特徴とする組立式立体ラベル。
【請求項2】
請求項1に記載の組立式立体ラベルにおいて、上記の取付部に物品に係止させる係止部が設けられていることを特徴とする組立式立体ラベル。
【請求項3】
請求項1に記載の組立式立体ラベルにおいて、上記の取付部に物品に貼付させる粘着部が設けられていることを特徴とする組立式立体ラベル。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の組立式立体ラベルにおいて、上記の立体表示部と支持部とがラベル基材の中央部に設けられると共に、ラベル基材の側部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部が設けられていることを特徴とする組立式立体ラベル。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載の組立式立体ラベルにおいて、上記の立体表示部と支持部とがラベル基材の両側部に設けられると共に、ラベル基材の中央部に折り目線により折り曲げられて平面状に折り畳み可能になった補助支持部が設けられていることを特徴とする組立式立体ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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