組織を縫合するための医療器具及び方法
組織を縫合するための医療器具及び方法が開示されており、該医療器具及び方法は、内視鏡によって且つ/又は腹腔鏡によって使用され、穿孔を閉じるために該穿孔の周りへの縫合糸の簡単で信頼性が高く且つ制御可能な位置決めを提供する。医療装置(20)の一つの実施形態は、概ね、第一のアーム(34)と第二のアーム(36)とを備えているエンドキャップ(30)と、縫合糸(76)と、第一及び第二の制御部材(44,46)とを備えている。前記第一及び第二の制御部材は、針を前記第一のアームと第二のアームとの間を前後に通すために使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、組織の縫合、例えば、組織に形成された穿孔を内視鏡を介して縫合するための医療装置、器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内臓及び血管の壁の穴又は穿孔は、自然に発生するか又は意図的若しくは非意図的に形成される。これらの穴は体の隣接構造へのアクセスを得るために使用され、このような技術は一般的に経腔処置と称されている。例えば、骨盤腔鏡検査法は70年以上前に開発されたものであり、盲嚢に穴を形成することによって、経腔的に腹腔へアクセスするステップを含んでいる。この腹腔へのアクセスは、医療専門家が多数の解剖学的構造を視覚によって検査すると共に生検又は卵管結紮のような他の手術のような種々の処置を行うことを可能にする。他の体管腔を使用して種々の体腔へのアクセスを得るための多くの経腔処置も開発されて来た。口、鼻、耳、肛門、又は膣のような本来存在する穴は、このような体管腔及び体腔へのアクセスを提供することができる。胃腸管の体管腔は、内視鏡によって診査される場合が多く且つ腹腔及びその他の体腔へのアクセスを提供するために利用でき、全て低侵襲的方法によってなされる。
【0003】
伝統的な観血療法又は腹腔鏡外科手術と比較して、経管腔処置は、解剖学的切開(又は、その他の外側切開)及び切開に関連する合併症を排除することによって、侵襲性が比較的低く、術後の回復時間を短縮し、痛みを少なくし、美容上の外観を改良することもできる。これと同時に、経管腔処置に対する課題も残っており、該課題としては、穴及び体腔に対する適切な導管を提供すること、導管を介して操作でき且つ体腔内で作動可能である丈夫な医療器具を提供すること、導管の殺菌、体腔の通気を維持すること、穴を適切に閉塞すること、及び感染を防止することがある。例えば、胃又は腸のような胃腸管の体壁に穴が形成されるときに、胃の内容物、腸の内容物、又はその他の体液が、隣接している体腔内へ漏れ出ることが起り得る。胃腸管外部の細菌を含む流体の移動により、不所望で時には死につながる感染が生じるかも知れない。
【0004】
自然発生的、意図的、又は非意図的に形成された穴を永久的に閉じ且つ組織を適正に治癒させるために、多くの医療器具及び方法が開発されて来ており、これらは、縫合糸、接着剤、クリップ、組織アンカーなどを採用している。このような種類の器具の一つは、胃腸管内の穿孔のような穿孔を内視鏡を介して閉塞させることを目的としている。従って、穿孔の閉塞を補助するために内視鏡に取り付けられる種々の医療器具が提案されてきた。これらの医療器具のうちの幾つかは、縫合できるように又は定位置に係留するために組織を配向させる吸引器具を採用しており、一方、他の器具は、組織を配向するために組織把持器具又はその他の器具の使用を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、組織内の穿孔を縫合するための医療器具及び方法を提供しており、該医療器具及び方法は、内視鏡を介して且つ/又は腹腔鏡を介して使用することができ且つ穿孔を完全に塞ぐために該穿孔の周りへの縫合の簡単で信頼性高く且つ制御可能な配置を提供する。本発明の教示に従って作られた医療器具の一つの実施形態は、概ね、第一及び第二のアームを備えているエンドキャップと、針と、縫合糸と、第一及び第二の制御部材とを備えている。エンドキャップは内部空間を画成している管状の本体を備えている。前記第一のアームは、前記管状本体から第一の自由端まで突出しており、前記第二のアームは、前記管状本体から第二の自由端まで突出している。前記第一のアームは第一の通路を画成しており、該第一の通路は前記第一の自由端に第一のポートを備えており、前記第二のアームは第二の通路を画成しており、該第二の通路は第二の自由端に第二のポートを備えている。該第一のポートと第二のポートとは一定の距離だけ隔てられている。前記の針は、組織を穿刺できるように尖らせた第一及び第二の端部を備えており且つ前記第一のアームと第二のアームとの前記第一の通路及び第二の通路内に摺動可能な形態で収容される大きさとされている。該針は、前記の第一の端部と第二の端部との間の長さに亘って延びており、該針の長さは、前記第一のポートと第二のポートとの間の前記一定の距離よりも長い。前記縫合糸は、前記針の前記第一の端部と第二の端部との間で針に取り付けられている。前記第一の制御部材は、前記第一のアームの第一の通路内に摺動可能な形態で収納され且つ前記針の第一の端部に係合するように位置決めされており、前記第一の制御部材が遠位方向に動くことによって、前記針が前記第一の通路内を遠位方向に動かされるようになっている。同様に、前記第二の制御部材は、前記第二のアームの第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の第二の端部と係合するように位置決めされ、該第二の制御部材が遠位方向に動くことによって、前記針が前記第二の通路内を遠位方向に動かされるようになっている。
【0006】
該医療器具の更に詳細な特徴によると、前記第一の通路と第二の通路とは湾曲した経路をたどり、前記針は湾曲している。前記の針は、前記第一のアームと第二のアームとの間の針経路をたどり、該針経路は、湾曲しており且つ該針の曲率に対応している。前記第一の通路と第二の通路との湾曲した経路は半円形であり、前記針も半円形であるのが好ましい。該針は多角形の断面形状を有しており、同様に、第一及び第二の通路も多角形断面形状を有しているのが好ましいけれども、非多角形断面形状もまた採用できる。例えば、該針は三角形の断面形状を有している。
【0007】
更に詳細な特徴によると、前記第一のアームの第一の端部は、前記第一のアームを貫通して前記第一の通路内へと延びている第一のすり割りを備えているのが好ましく、該第一のすり割りは縫合糸を受け入れることができる大きさとされている。同様に、第二のアームの第二の端部は、該第二のアームを貫通して前記第二の通路へと延びている第二のすり割りを備えており、該第二のすり割りは前記の縫合糸を受け入れることができる大きさとされている。該第一のすり割りと第二のすり割りとは、各々、針の長さの1/2以上の長さに亘って延びているのが好ましい。前記の管状本体と細長い医療器具とが長手軸線を規定しているときに、前記第一及び第二のアームは長手軸線の両側に横断方向に隔てられているのが好ましい。第一及び第二の制御部材は、細長い形状であり、更に、該第一の制御部材の遠位端に配置されている第一の係合部材と、該第二の制御部材の遠位端に配置されている第二の係合部材とを備えている。該第一及び第二の係合部材は、各々、針の第一の端部と第二の端部とを受け入れることができる大きさとされている第一及び第二の針ポケットを画成している。該第一及び第二の係合部材は、各々、遠位方向で内方に向かうテーパーが付けられているのが好ましい外面を備えている。
【0008】
本発明の教示に従って作られた細長い医療器具と共に使用するための医療器具のもう一つ別の実施形態は、概ね、第一及び第二のアームを備えているエンドキャップと、針と、縫合糸と、第一及び第二の制御部材とを備えている。エンドキャップは、細長い医療器具の遠位端に取り付けられる大きさとされており、該エンドキャップは、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えている。前記第一のアームは第一の通路を画成しており、該第一の通路は前記第一の自由端に第一のポートを備えており、前記第二のアームは第二の通路を画成しており、該第二の通路は前記第二の自由端に第二のポートを備えている。該第一及び第二の通路は、湾曲した経路をたどっており且つ多角形断面形状を有している。前記の針は、組織を穿刺できるように尖らせてある第一及び第二の端部を有しており且つ前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で受け入れられる大きさとされている。該針もまた多角形断面形状を有している。前記縫合糸は、該針の第一の端部と第二の端部との間で針に取り付けられている。前記第一の制御部材は、前記第一のアームの第一の通路内に摺動可能な形態で収容され且つ前記針の第一の端部と係合するように位置決めされている。同様に、第二の制御部材は、前記第二のアームの第二の通路内に摺動可能な形態で収容され且つ前記針の第二の端部と係合するように位置決めされている。
【0009】
更に詳細な特徴によると、細長い医療器具は内視鏡であるのが好ましく、前記の第一及び第二の制御部材は、細長い形状であり且つ内視鏡に沿って延びている。前記の内部空間と両方のポートとは、内視鏡によって視認できるのが好ましい。第一及び第二の通路は管状の本体内を該管状本体の近位端まで長手方向に延びている。該器具は更に、各々、前記第一及び第二の制御部材を摺動可能に受け入れる第一及び第二のシースを備えている。該第一及び第二のシースは、各々、前記管状本体の近位端に結合されており且つ前記第一及び第二の通路と連通している。内視鏡のワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具が、組織を把握し且つ把持した組織をエンドキャップの管状本体の内部空間内で且つ前記第一のアームと第二のアームとの間へ引き込むことができる。
【0010】
更に別の実施形態においては、本発明の教示に従って、組織を縫合する方法が提供されている。この方法は、内部をワーキングチャネルが貫通している内視鏡と、該ワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具とを準備するステップを含んでいる。上記したような医療器具が内視鏡に結合されている。組織の第一の領域が把持され且つ第一のアームと第二のアームとの間に配置される。第一の制御部材が遠位方向に動かされて針が第一のアーム内の第一の通路から組織の第一の領域を貫通して第二のアームの第二の通路内へと通される。組織の第二の領域が把持され且つ前記第一のアームと第二のアームとの間に配置される。第二の制御部材が遠位方向に動かされ、針が、第二のアーム内の第二の通路から前記組織の前記組織の第二の領域を貫通して第一のアームの第一の通路内へ通される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成している添付図面は、本発明の幾つかの特徴を例示し且つ本明細書と共に本発明の原理を説明する機能を果たしている。
【0012】
【図1】図1は、本発明の教示に従って作られた医療器具の平面図である。
【0013】
【図2】図2は、図1に示されている医療器具の一部分を形成しているエンドキャップの斜視図である。
【0014】
【図3】図3は、図1に示されている医療器具の別の平面図である。
【0015】
【図4】図4は、図1に示されている医療器具の一部分を形成している針の平面図である。
【0016】
【図5】図5は、図4の線5−5について断面した拡大断面図である。
【0017】
【図6】図6は、図1に示されている医療器具の一部分を形成している制御部材の断面図である。
【0018】
【図7】図7は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0019】
【図8】図8は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0020】
【図9】図9は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0021】
【図10】図10は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0022】
【図11】図11は、図1〜10に示されている医療器具を使用して縫合されている穿孔を含んでいる組織の平面図である。
【0023】
【図12】図12は、図11に示されている組織内の穿孔の閉塞状態を示している断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において使用されている“近位”及び“遠位”という用語は、ユーザーに関する基準点を有するように意図されている。特に本明細書を通して、“遠位”及び“遠位方向”という用語は、概ね、ユーザーから離れる位置、方向、又は向きを指しており、“近位”及び“近位方向”という用語は、概ね、ユーザーに近づく位置、方向、又は向きを指している。
【0025】
図面を参照すると、図1には、本発明の教示に従って作られた組織を縫合するための医療器具20の平面図が示されている。医療器具20は、ここでは内視鏡22として示されている細長い医療用器具と共に使用するようになされている。内視鏡22は、遠位端24と、該内視鏡を貫通して延びているワーキングチャネル26とを備えている。医療器具20はエンドキャップ30を備えており、エンドキャップ30は、図1に示されているように、内視鏡22の遠位端22に取り付けられる構造とされている。
【0026】
図1〜3において最も良くわかるように、エンドキャップ30は管状本体32を備えており、管状本体32は内部空間48を画成している。管状本体32及びエンドキャップ30によって画成されている内部空間48は内視鏡22の遠位端24上に摩擦嵌合する大きさとされているが、エンドキャップ30を内視鏡22に取り外し可能な形態で結合させる他の結合手段が採用されても良く、かかる結合手段としては、スリーブ、リング,機械的取り付け部材、接着剤、又は当該技術においてよく知られているエンドキャップを内視鏡に取り付けるための他の結合手段がある。
【0027】
該エンドキャップはまた、管状本体32から第一の自由端まで突出している第一のアーム34をも備え、また、同様に第二のアーム36が管状本体32から第二の自由端まで突出している。針38が、組織を縫合するために、第一のアーム34の自由端と第二のアーム36の自由端との間を通過できるようになされており、このことは以下において更に詳細に説明する。第一及び第二のシース40,42が、各々、第一のアーム34と第二のアーム36との近位側でエンドキャップの管状本体32の近位端に結合されている。第一及び第二のシース40,42は、第一及び第二の制御部材44,46を摺動可能な形態で収容している。該第一及び第二の制御部材44,46は、シース40,42内を伸長して第一及び第二のアーム34,36内へと延びていて、針38が組織間を前後に貫通して組織を縫合し、例えば組織内の穿孔を塞ぐことができるようになされている。
【0028】
医療器具20は、エンドキャップが結合された内視鏡22のような細長い医療器具として記載されているが、当業者は、内視鏡(又は、これと類似の細長い医療器具)は医療器具と一体に形成することができることがわかるであろう。例えば、管状本体32、アーム34,36、シース40,42、及び該シース内に摺動可能な形態で収納されている制御部材44,46は、全て内視鏡内に一体的に形成することができる。同様に、内視鏡のワーキングチャネル又は多管腔カテーテルの幾つかの管腔は、制御部材を摺動可能に収容し且つこれらの制御部材をアーム34,36に連結するために使用することができる。これらの及びこれに類似の変形態様は当業者に明らかであろう。
【0029】
図2及び3において最も良くわかるように、エンドキャップ30は、第一及び第二のアーム34,36に形成されている第一の通路50及び第二の通路52と管状本体32とを備えている。第一及び第二の通路50,52の遠位部分(概ね、第一及び第二のアーム34,36に対応する部分)は湾曲しており且つ対応する曲率を有している。従って、湾曲した経路54が第一の通路50と第二の通路52との間に形成されており、該湾曲した経路に沿って針38が通る。詳細には、第一のアーム34は、遠位の自由端まで突出していて端面60及び第一の通路50の第一のポート64を画成している。同様に、第二のアーム36は、第二の自由端まで突出していて第二の端面62を画成しており、該第二の端面62は第二の通路52へつながっている第二のポート66を画成している。図2及び3において最も良くわかるように、第一の通路50と第二の通路52とは、それらの対応するポート64,66に隣接した位置で外方に向かってテーパーが付けられていて、針がそれらの間を通過し易くしている。第一の端面60及び第一のポート64と第二の端面62及び第二のポート66との間の距離は、直線距離Dとして測定するか又は弧状経路dとして測定することができ、該距離は、第一のアーム34と第二のアーム36との間に延びている針の経路54の一部に対応している。
【0030】
図4及び5において最も良くわかるように、針38は、第一の端部70と第二の端部72との間で湾曲している。第一の端部70と第二の端部72とは、組織を穿刺できるように尖らせてあるのが好ましい。第一の端部70と第二の端部72との間において、縫合糸76は、例えば縫合糸76を針38の穴の中を通し且つ結び目78を作ることによって針に取り付けられている。針38用の適切な材料としては、概ね、ステンレス鋼のような金属、ニチノ―ルのような合金、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトンのような樹脂、及び当業者に知られているその他の材料がある。縫合糸76は、穴を介して結合されるか、さもなければ、例えば結束、結び付け、接着、機械的結合部材(調整可能なループ、クランプ等)、プラスチック溶着のような接合技術、溶融、熱接着等のような種々の手段を使用して結合される。同様に、針38か縫合糸76は、例えば、クリンピングによって又はその他の技術を使用することによって機械的に変形されて縫合糸76と針38とが連結される。縫合糸76の一端は針38に取り付けられ、一方、他端は内視鏡に沿って又は該内視鏡内を近位方向に延びている。
【0031】
針38は、第一及び第二のアーム34,36内の第一及び第二の通路50,52及びこれらのアーム間の空間によって形成されている湾曲した針経路54に対応している湾曲した経路74に追従することが図4からわかる。該針は、全体の直線の長さLとして又は針38の湾曲によって規定される弧の長さによって測定されるのが好ましい。通路50,52、針の経路54、及び針38は種々の曲率を有していても良いけれども、これらは本質的に全て半円形であるのが好ましい。針の長さ(L又はl)は、第一及び第二のアーム34,36の第一の端面60及び第二の端面62に画成されている第一のポート及び第二のポート64,66間の距離(D又はd)よりも大きいのが好ましい。第一及び第二の通路50,52は針38を摺動可能形態で受け入れることができる大きさとされており、従って、針38が第一のアーム34と第二のアーム36との間に通されているとき、針38の長さによって、針の一端又は両端70,72が常に第一の通路50又は第二の通路52内に含まれることが確保される。このようにして、針38は医療器具20から落下したり又は第一のアーム34と第二のアーム36との間に延びている針の経路54から逸れたりすることがない。針38は、金属(例えば、ステンレス鋼、ニチノ―ルのような合金)のような剛性材料又はポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトンのような樹脂、及びその他の当業者に公知の材料によって作られるのが好ましい。長さLは距離Dより大きいのが好ましく、距離Dより少なくとも20%大きいのが更に好ましい。同様に、長さlは距離dより大きいのが好ましい。
【0032】
針38が医療器具20の第一のアーム34と第二のアーム36との間を通るのを更に容易にするためには、針38は、多角形断面形状例えば図5に示されている三角形状の断面を有しているのが好ましい。同様に、第一の通路50及び第二の通路52は、針38を摺動可能な形態で受け入れるために対応する多角形断面を有している。従って、針38は、概ね、通路50,52内で捻れるか又は回転することがなく、同様に針38に結合されている縫合糸76の向きが維持される。このようにして、第一及び第二のアーム34,36の遠位部分はすり割り56,58を備えており、これらのすり割りはアーム34,36内へと延びており且つ第一及び第二の通路50,52と連通している。従って、縫合糸76は、針38が第一及び第二のアーム34,36内に実質的に収容されているときに、すり割り56,58を通ってアーム34,36から出ている。すり割り56,58の長さは、針38の長さ(L又はl)の1/2にほぼ等しいか又はこれより長いのが好ましい。縫合糸の一部又は全てが第一及び第二の通路50,52内に収容されることもまたわかるであろう。
【0033】
図1,3,6を再び参照すると、医療器具20はまた、シース40,42内を貫通して延びている制御部材44,46を備えていることも好ましく、該制御部材は、針38をアーム34,36間を前後に通過させるために使用される。制御部材44,46は図6に図示されており、これらの制御部材は長手方向の力を伝達するのに十分な剛性及び強度を有している駆動ワイヤからなり、このことは、細長い駆動ワイヤを備えている器具についての内視鏡分野及び腹腔鏡分野において一般的に知られている。この駆動ワイヤは単一フィラメント又はマルチフィラメントとすることができ、マルチフィラメントの場合には、該マルチフィラメントは、巻かれるか、編み上げられるか、巻き付けられるか、さもなければ1本のワイヤを形成するように相互に結合される(米国特許第5,330,482号を参照のこと。該米国特許は、これに言及することにより、その開示内容全体が本明細書に参考として組み入れられている)。制御部材44,46の遠位端は、それらの遠位端に係合部材80を備えており、この係合部材は遠位端面にポケット82を画成しており、ポケット82は、針38の尖った端部70,72を受け入れることができる形状とされている。係合部材80の外面は、制御部材44,46内の針38が組織を貫通し易くするために(遠位方向)に角度が付けられてテーパー状になっているのが好ましい。
【0034】
係合部材80はまた、針38を通路50,52内に把持するための把持器具として形成されている。多くのこのような機械的な把持器具が当該技術において知られており、例えば、把持用鉗子、クランプ、スネア、及び把持ワイヤ、並びにこれらと類似の電気的、電子機械的、及び磁気的な把持器具も採用できる。一つの例として、係合部材80は磁石として作られても良く、針38の端部は、(強磁性の)金属又は磁石によって作られるか、さもなければ制御部材44,46によって確実に保持されるように磁化されても良い。受動的な又は起動性の把持器具の場合には、針38を通す度にオペレータ/医師が内視鏡22及び/又は医療器具20を組織Tに対して操作する間、針38は通路50,52のうちの一つの中に確実に保持される。
【0035】
図7において最も良くわかるように、制御部材44,46は、それらの対応するシース40,42の中を、並びに管状本体32及び第一及び第二のアーム34,36内に形成されている第一及び第二の通路50,52の中を伸長している。図7に示されているように、第二の制御部材46の係合部材80は、第二のアーム36内に実質的に収納されている針38の第二の端部72に当接している。本発明の教示による組織を縫合する方法の一つの実施形態によると、組織把持器具90が、内視鏡22のワーキングチャネル26内を通されて組織を把持するために使用されている。一つの例として、この縫合は、塞ぐ必要がある穿孔又は穴Oを組織Tが有しているときに行なわれる。把持器具90は、図7〜10において簡素化された形態で示されているけれども、該把持器具は、現在知られているか又は将来知られることになる如何なるものであっても良く、該把持器具としては、鉗子、コルク栓抜き、又はフォークのような穿刺具、把持具、クランプ、ピンチ、吸引具、アンカーなどがある。
【0036】
図7に示されているように、組織Tは、把持器具90によって把持され且つ内部空間48並びに医療器具20の第一及び第二のアーム34、36間へ引き込まれる。針38は第一の端部70がポート66から若干突き出ている状態で示されているけれども、第二のアーム36の第二の通路52内に完全に収納されていても良い。
【0037】
図8に示されているように、第二の制御部材46が遠位方向に進められて、針は第二の通路52から組織Tの第一の領域を通されて第一のポート64を介して第一のアーム34の第一の通路50内へ通される。注目すべき点は、針38が組織Tを通過すると、縫合糸76が組織Tに取り付けられる点である。図9に示されているように、ひとたび針38が組織Tに完全に通されると、把持された組織Tは解放され、第二の制御部材46は通路52内へと近位方向に引き込まれる。次いで、同じく図9に示されているように、組織Tの第二の領域が把持され且つ内部空間48並びに第一及び第二のアーム34,36間へと引き込まれる。次いで、第一の制御部材部材44が遠位方向に進められて、針が第一の通路54から組織Tの第二の領域内を通され、第二のポート66を介して第二のアーム36の第二の通路52内へ戻される。
【0038】
図10において最も良くわかるように、これら2回の通過によって、縫合糸78は穴Oの周りの組織Tの2つの領域を貫通して配置される。針38は、医療器具20を組織の異なる領域間で動かすとき又は器具全体を導入する間若しくは器具全体を患者から取り出す間、通路50,52のいずれかの内部に含まれている。本発明の医療器具20が使用されて、穴O及び組織Tの周囲を行ったり来たりして縫合糸を編み上げて縫合糸の自由端が巾着縫合形態で穴Oを塞ぐように縫合されることもわかるであろう。
【0039】
このようにして、縫合糸78は、図11に示されているように、上記したステップを繰り返すことによって組織Tを貫通して穴Oの周囲に編み上げられる。縫合糸36は、穴Oの周りの概ね環状の経路をたどるようにされるか又は穴Oの両側部から十字状に行ったり来たりする。いずれの場合にも、医療器具20が患者から抜き取られ、その結果、針38及び縫合糸76の一端が引き抜かれる。従って、縫合糸76の両端は、医療専門家の手元にあり且つ図12に示されているように塞がれた穴Oを引っ張るために使用できる。概ね、縫合糸76は組織T内を巾着縫合形態で通され、その結果、縫合糸76の端部を近位方向に引っ張ると穴Oが自然に塞がる。縫合糸76の端部が結び目を通すことを含む締結方法を使用して結び付けることができ、又は当該技術において知られているように縫合糸係止部材98を使用することができる。例示的な縫合係止部材は、2008年5月22日に出願された米国特許出願第12/125,525号及び2008年8月13日に出願された米国出願第12/191,001号に記載されている。これらの特許出願の開示内容は、これに言及することにより、その全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【0040】
上記に基づいて、本発明の医療装置、器具及び方法は、改良された穿孔の閉塞を容易化できることが当業者にわかるであろう。これらの医療装置及び器具は動作が簡単であり、これらの方法は、組織に通される度毎に医療器具20を取り出す必要なく、内部鏡を介して且つ/又は腹腔鏡を介して行うことができる。これらの器具及び方法は、穿孔の周囲での信頼性が高く且つ/制御可能な縫合糸の配置を提供して該穿孔の完全且つ信頼の高い閉塞を行なうことができる。
【0041】
上記した方法は、概ね、縫合器具を体内管腔を介して組織内に配置するステップを含んでいるけれども、該装置、器具、及び方法は、人体又は動物の体内及び管腔に関連するか又は関連しない層状の材料(例えば、繊維、布、ポリマー、エラストマ、プラスチック、及びラバー)に対して使用することができることが当業者はわかるであろう。例えば、該装置、器具、及び方法は、器具を、人間又は動物の体に対する用途を見出すことができるか又は見出すことができない1以上の材料の層を貫通して配置し且つ体組織ではない材料の層の穴又は穿孔を同様にして塞ぐために研究所及び工業設備内での使用方法を見出すことができる。幾つかの例としては、縫合又はかがり縫い及びこれに関連する製造、合成組織についての機能、ポリマーシート同士の結合又は修復、動物の研究、獣医学用途、並びに検死活動がある。
【0042】
上記した本発明の種々の実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提供したものである。本発明をここに開示されている実施形態を排他的なものとし且つ該実施形態そのものに限定することは意図されていない。上記の教示を参考にして多くの改造又は変形が可能である。一つの変形例においては、前記の遠位の把持装置は、エンドキャップ、及び器具の遠位端において作動せしめられる起動機構を介して円弧に沿って駆動される針に枢動可能形態で取り付けることができる。針を遠位の把持装置間を往復して通すことができるように、適当なガイド、支持部材、及び近位の把持装置を設計することができる。ここに記載した実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途の最良の例示を提供して、当業者が本発明を種々の実施形態で且つ想定される特別な使用方法に適するように種々の改造を施して使用できるようにしたものである。このような改造及び変形の全てが、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲に包含される。特許請求の範囲は、公正に、法律的に、及び法上公正に付与される広さに従って解釈される。
【符号の説明】
【0043】
20 医療器具、 22 内視鏡、
24 内視鏡の遠位端、 26 内視鏡のワーキングチャネル、
30 エンドキャップ、 32 管状本体、
34 第一のアーム、 36 第二のアーム、
38 針、 40 第一のシース、
42 第二のシース、 44 第一の制御部材、
46 第二の制御部材、 48 内部空間、
50 第一の通路、 52 第二の通路、
54 湾曲した経路、 56 すり割り、
58 すり割り、 60 端面、
62 第二の端面、 64 第一のポート、
66 第二のポート、 70 針の第一の端部、
72 針の第二の端部、 74 湾曲した経路、
76 縫合糸、 78 結び目、
80 係合部材、 82 ポケット、
90 組織把持器具、 98 縫合糸係止部材、
O 穴、 T 組織
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、組織の縫合、例えば、組織に形成された穿孔を内視鏡を介して縫合するための医療装置、器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内臓及び血管の壁の穴又は穿孔は、自然に発生するか又は意図的若しくは非意図的に形成される。これらの穴は体の隣接構造へのアクセスを得るために使用され、このような技術は一般的に経腔処置と称されている。例えば、骨盤腔鏡検査法は70年以上前に開発されたものであり、盲嚢に穴を形成することによって、経腔的に腹腔へアクセスするステップを含んでいる。この腹腔へのアクセスは、医療専門家が多数の解剖学的構造を視覚によって検査すると共に生検又は卵管結紮のような他の手術のような種々の処置を行うことを可能にする。他の体管腔を使用して種々の体腔へのアクセスを得るための多くの経腔処置も開発されて来た。口、鼻、耳、肛門、又は膣のような本来存在する穴は、このような体管腔及び体腔へのアクセスを提供することができる。胃腸管の体管腔は、内視鏡によって診査される場合が多く且つ腹腔及びその他の体腔へのアクセスを提供するために利用でき、全て低侵襲的方法によってなされる。
【0003】
伝統的な観血療法又は腹腔鏡外科手術と比較して、経管腔処置は、解剖学的切開(又は、その他の外側切開)及び切開に関連する合併症を排除することによって、侵襲性が比較的低く、術後の回復時間を短縮し、痛みを少なくし、美容上の外観を改良することもできる。これと同時に、経管腔処置に対する課題も残っており、該課題としては、穴及び体腔に対する適切な導管を提供すること、導管を介して操作でき且つ体腔内で作動可能である丈夫な医療器具を提供すること、導管の殺菌、体腔の通気を維持すること、穴を適切に閉塞すること、及び感染を防止することがある。例えば、胃又は腸のような胃腸管の体壁に穴が形成されるときに、胃の内容物、腸の内容物、又はその他の体液が、隣接している体腔内へ漏れ出ることが起り得る。胃腸管外部の細菌を含む流体の移動により、不所望で時には死につながる感染が生じるかも知れない。
【0004】
自然発生的、意図的、又は非意図的に形成された穴を永久的に閉じ且つ組織を適正に治癒させるために、多くの医療器具及び方法が開発されて来ており、これらは、縫合糸、接着剤、クリップ、組織アンカーなどを採用している。このような種類の器具の一つは、胃腸管内の穿孔のような穿孔を内視鏡を介して閉塞させることを目的としている。従って、穿孔の閉塞を補助するために内視鏡に取り付けられる種々の医療器具が提案されてきた。これらの医療器具のうちの幾つかは、縫合できるように又は定位置に係留するために組織を配向させる吸引器具を採用しており、一方、他の器具は、組織を配向するために組織把持器具又はその他の器具の使用を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、組織内の穿孔を縫合するための医療器具及び方法を提供しており、該医療器具及び方法は、内視鏡を介して且つ/又は腹腔鏡を介して使用することができ且つ穿孔を完全に塞ぐために該穿孔の周りへの縫合の簡単で信頼性高く且つ制御可能な配置を提供する。本発明の教示に従って作られた医療器具の一つの実施形態は、概ね、第一及び第二のアームを備えているエンドキャップと、針と、縫合糸と、第一及び第二の制御部材とを備えている。エンドキャップは内部空間を画成している管状の本体を備えている。前記第一のアームは、前記管状本体から第一の自由端まで突出しており、前記第二のアームは、前記管状本体から第二の自由端まで突出している。前記第一のアームは第一の通路を画成しており、該第一の通路は前記第一の自由端に第一のポートを備えており、前記第二のアームは第二の通路を画成しており、該第二の通路は第二の自由端に第二のポートを備えている。該第一のポートと第二のポートとは一定の距離だけ隔てられている。前記の針は、組織を穿刺できるように尖らせた第一及び第二の端部を備えており且つ前記第一のアームと第二のアームとの前記第一の通路及び第二の通路内に摺動可能な形態で収容される大きさとされている。該針は、前記の第一の端部と第二の端部との間の長さに亘って延びており、該針の長さは、前記第一のポートと第二のポートとの間の前記一定の距離よりも長い。前記縫合糸は、前記針の前記第一の端部と第二の端部との間で針に取り付けられている。前記第一の制御部材は、前記第一のアームの第一の通路内に摺動可能な形態で収納され且つ前記針の第一の端部に係合するように位置決めされており、前記第一の制御部材が遠位方向に動くことによって、前記針が前記第一の通路内を遠位方向に動かされるようになっている。同様に、前記第二の制御部材は、前記第二のアームの第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の第二の端部と係合するように位置決めされ、該第二の制御部材が遠位方向に動くことによって、前記針が前記第二の通路内を遠位方向に動かされるようになっている。
【0006】
該医療器具の更に詳細な特徴によると、前記第一の通路と第二の通路とは湾曲した経路をたどり、前記針は湾曲している。前記の針は、前記第一のアームと第二のアームとの間の針経路をたどり、該針経路は、湾曲しており且つ該針の曲率に対応している。前記第一の通路と第二の通路との湾曲した経路は半円形であり、前記針も半円形であるのが好ましい。該針は多角形の断面形状を有しており、同様に、第一及び第二の通路も多角形断面形状を有しているのが好ましいけれども、非多角形断面形状もまた採用できる。例えば、該針は三角形の断面形状を有している。
【0007】
更に詳細な特徴によると、前記第一のアームの第一の端部は、前記第一のアームを貫通して前記第一の通路内へと延びている第一のすり割りを備えているのが好ましく、該第一のすり割りは縫合糸を受け入れることができる大きさとされている。同様に、第二のアームの第二の端部は、該第二のアームを貫通して前記第二の通路へと延びている第二のすり割りを備えており、該第二のすり割りは前記の縫合糸を受け入れることができる大きさとされている。該第一のすり割りと第二のすり割りとは、各々、針の長さの1/2以上の長さに亘って延びているのが好ましい。前記の管状本体と細長い医療器具とが長手軸線を規定しているときに、前記第一及び第二のアームは長手軸線の両側に横断方向に隔てられているのが好ましい。第一及び第二の制御部材は、細長い形状であり、更に、該第一の制御部材の遠位端に配置されている第一の係合部材と、該第二の制御部材の遠位端に配置されている第二の係合部材とを備えている。該第一及び第二の係合部材は、各々、針の第一の端部と第二の端部とを受け入れることができる大きさとされている第一及び第二の針ポケットを画成している。該第一及び第二の係合部材は、各々、遠位方向で内方に向かうテーパーが付けられているのが好ましい外面を備えている。
【0008】
本発明の教示に従って作られた細長い医療器具と共に使用するための医療器具のもう一つ別の実施形態は、概ね、第一及び第二のアームを備えているエンドキャップと、針と、縫合糸と、第一及び第二の制御部材とを備えている。エンドキャップは、細長い医療器具の遠位端に取り付けられる大きさとされており、該エンドキャップは、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えている。前記第一のアームは第一の通路を画成しており、該第一の通路は前記第一の自由端に第一のポートを備えており、前記第二のアームは第二の通路を画成しており、該第二の通路は前記第二の自由端に第二のポートを備えている。該第一及び第二の通路は、湾曲した経路をたどっており且つ多角形断面形状を有している。前記の針は、組織を穿刺できるように尖らせてある第一及び第二の端部を有しており且つ前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で受け入れられる大きさとされている。該針もまた多角形断面形状を有している。前記縫合糸は、該針の第一の端部と第二の端部との間で針に取り付けられている。前記第一の制御部材は、前記第一のアームの第一の通路内に摺動可能な形態で収容され且つ前記針の第一の端部と係合するように位置決めされている。同様に、第二の制御部材は、前記第二のアームの第二の通路内に摺動可能な形態で収容され且つ前記針の第二の端部と係合するように位置決めされている。
【0009】
更に詳細な特徴によると、細長い医療器具は内視鏡であるのが好ましく、前記の第一及び第二の制御部材は、細長い形状であり且つ内視鏡に沿って延びている。前記の内部空間と両方のポートとは、内視鏡によって視認できるのが好ましい。第一及び第二の通路は管状の本体内を該管状本体の近位端まで長手方向に延びている。該器具は更に、各々、前記第一及び第二の制御部材を摺動可能に受け入れる第一及び第二のシースを備えている。該第一及び第二のシースは、各々、前記管状本体の近位端に結合されており且つ前記第一及び第二の通路と連通している。内視鏡のワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具が、組織を把握し且つ把持した組織をエンドキャップの管状本体の内部空間内で且つ前記第一のアームと第二のアームとの間へ引き込むことができる。
【0010】
更に別の実施形態においては、本発明の教示に従って、組織を縫合する方法が提供されている。この方法は、内部をワーキングチャネルが貫通している内視鏡と、該ワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具とを準備するステップを含んでいる。上記したような医療器具が内視鏡に結合されている。組織の第一の領域が把持され且つ第一のアームと第二のアームとの間に配置される。第一の制御部材が遠位方向に動かされて針が第一のアーム内の第一の通路から組織の第一の領域を貫通して第二のアームの第二の通路内へと通される。組織の第二の領域が把持され且つ前記第一のアームと第二のアームとの間に配置される。第二の制御部材が遠位方向に動かされ、針が、第二のアーム内の第二の通路から前記組織の前記組織の第二の領域を貫通して第一のアームの第一の通路内へ通される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成している添付図面は、本発明の幾つかの特徴を例示し且つ本明細書と共に本発明の原理を説明する機能を果たしている。
【0012】
【図1】図1は、本発明の教示に従って作られた医療器具の平面図である。
【0013】
【図2】図2は、図1に示されている医療器具の一部分を形成しているエンドキャップの斜視図である。
【0014】
【図3】図3は、図1に示されている医療器具の別の平面図である。
【0015】
【図4】図4は、図1に示されている医療器具の一部分を形成している針の平面図である。
【0016】
【図5】図5は、図4の線5−5について断面した拡大断面図である。
【0017】
【図6】図6は、図1に示されている医療器具の一部分を形成している制御部材の断面図である。
【0018】
【図7】図7は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0019】
【図8】図8は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0020】
【図9】図9は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0021】
【図10】図10は、図1に示されている医療器具の断面図であり、該器具の動作を示している。
【0022】
【図11】図11は、図1〜10に示されている医療器具を使用して縫合されている穿孔を含んでいる組織の平面図である。
【0023】
【図12】図12は、図11に示されている組織内の穿孔の閉塞状態を示している断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において使用されている“近位”及び“遠位”という用語は、ユーザーに関する基準点を有するように意図されている。特に本明細書を通して、“遠位”及び“遠位方向”という用語は、概ね、ユーザーから離れる位置、方向、又は向きを指しており、“近位”及び“近位方向”という用語は、概ね、ユーザーに近づく位置、方向、又は向きを指している。
【0025】
図面を参照すると、図1には、本発明の教示に従って作られた組織を縫合するための医療器具20の平面図が示されている。医療器具20は、ここでは内視鏡22として示されている細長い医療用器具と共に使用するようになされている。内視鏡22は、遠位端24と、該内視鏡を貫通して延びているワーキングチャネル26とを備えている。医療器具20はエンドキャップ30を備えており、エンドキャップ30は、図1に示されているように、内視鏡22の遠位端22に取り付けられる構造とされている。
【0026】
図1〜3において最も良くわかるように、エンドキャップ30は管状本体32を備えており、管状本体32は内部空間48を画成している。管状本体32及びエンドキャップ30によって画成されている内部空間48は内視鏡22の遠位端24上に摩擦嵌合する大きさとされているが、エンドキャップ30を内視鏡22に取り外し可能な形態で結合させる他の結合手段が採用されても良く、かかる結合手段としては、スリーブ、リング,機械的取り付け部材、接着剤、又は当該技術においてよく知られているエンドキャップを内視鏡に取り付けるための他の結合手段がある。
【0027】
該エンドキャップはまた、管状本体32から第一の自由端まで突出している第一のアーム34をも備え、また、同様に第二のアーム36が管状本体32から第二の自由端まで突出している。針38が、組織を縫合するために、第一のアーム34の自由端と第二のアーム36の自由端との間を通過できるようになされており、このことは以下において更に詳細に説明する。第一及び第二のシース40,42が、各々、第一のアーム34と第二のアーム36との近位側でエンドキャップの管状本体32の近位端に結合されている。第一及び第二のシース40,42は、第一及び第二の制御部材44,46を摺動可能な形態で収容している。該第一及び第二の制御部材44,46は、シース40,42内を伸長して第一及び第二のアーム34,36内へと延びていて、針38が組織間を前後に貫通して組織を縫合し、例えば組織内の穿孔を塞ぐことができるようになされている。
【0028】
医療器具20は、エンドキャップが結合された内視鏡22のような細長い医療器具として記載されているが、当業者は、内視鏡(又は、これと類似の細長い医療器具)は医療器具と一体に形成することができることがわかるであろう。例えば、管状本体32、アーム34,36、シース40,42、及び該シース内に摺動可能な形態で収納されている制御部材44,46は、全て内視鏡内に一体的に形成することができる。同様に、内視鏡のワーキングチャネル又は多管腔カテーテルの幾つかの管腔は、制御部材を摺動可能に収容し且つこれらの制御部材をアーム34,36に連結するために使用することができる。これらの及びこれに類似の変形態様は当業者に明らかであろう。
【0029】
図2及び3において最も良くわかるように、エンドキャップ30は、第一及び第二のアーム34,36に形成されている第一の通路50及び第二の通路52と管状本体32とを備えている。第一及び第二の通路50,52の遠位部分(概ね、第一及び第二のアーム34,36に対応する部分)は湾曲しており且つ対応する曲率を有している。従って、湾曲した経路54が第一の通路50と第二の通路52との間に形成されており、該湾曲した経路に沿って針38が通る。詳細には、第一のアーム34は、遠位の自由端まで突出していて端面60及び第一の通路50の第一のポート64を画成している。同様に、第二のアーム36は、第二の自由端まで突出していて第二の端面62を画成しており、該第二の端面62は第二の通路52へつながっている第二のポート66を画成している。図2及び3において最も良くわかるように、第一の通路50と第二の通路52とは、それらの対応するポート64,66に隣接した位置で外方に向かってテーパーが付けられていて、針がそれらの間を通過し易くしている。第一の端面60及び第一のポート64と第二の端面62及び第二のポート66との間の距離は、直線距離Dとして測定するか又は弧状経路dとして測定することができ、該距離は、第一のアーム34と第二のアーム36との間に延びている針の経路54の一部に対応している。
【0030】
図4及び5において最も良くわかるように、針38は、第一の端部70と第二の端部72との間で湾曲している。第一の端部70と第二の端部72とは、組織を穿刺できるように尖らせてあるのが好ましい。第一の端部70と第二の端部72との間において、縫合糸76は、例えば縫合糸76を針38の穴の中を通し且つ結び目78を作ることによって針に取り付けられている。針38用の適切な材料としては、概ね、ステンレス鋼のような金属、ニチノ―ルのような合金、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトンのような樹脂、及び当業者に知られているその他の材料がある。縫合糸76は、穴を介して結合されるか、さもなければ、例えば結束、結び付け、接着、機械的結合部材(調整可能なループ、クランプ等)、プラスチック溶着のような接合技術、溶融、熱接着等のような種々の手段を使用して結合される。同様に、針38か縫合糸76は、例えば、クリンピングによって又はその他の技術を使用することによって機械的に変形されて縫合糸76と針38とが連結される。縫合糸76の一端は針38に取り付けられ、一方、他端は内視鏡に沿って又は該内視鏡内を近位方向に延びている。
【0031】
針38は、第一及び第二のアーム34,36内の第一及び第二の通路50,52及びこれらのアーム間の空間によって形成されている湾曲した針経路54に対応している湾曲した経路74に追従することが図4からわかる。該針は、全体の直線の長さLとして又は針38の湾曲によって規定される弧の長さによって測定されるのが好ましい。通路50,52、針の経路54、及び針38は種々の曲率を有していても良いけれども、これらは本質的に全て半円形であるのが好ましい。針の長さ(L又はl)は、第一及び第二のアーム34,36の第一の端面60及び第二の端面62に画成されている第一のポート及び第二のポート64,66間の距離(D又はd)よりも大きいのが好ましい。第一及び第二の通路50,52は針38を摺動可能形態で受け入れることができる大きさとされており、従って、針38が第一のアーム34と第二のアーム36との間に通されているとき、針38の長さによって、針の一端又は両端70,72が常に第一の通路50又は第二の通路52内に含まれることが確保される。このようにして、針38は医療器具20から落下したり又は第一のアーム34と第二のアーム36との間に延びている針の経路54から逸れたりすることがない。針38は、金属(例えば、ステンレス鋼、ニチノ―ルのような合金)のような剛性材料又はポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトンのような樹脂、及びその他の当業者に公知の材料によって作られるのが好ましい。長さLは距離Dより大きいのが好ましく、距離Dより少なくとも20%大きいのが更に好ましい。同様に、長さlは距離dより大きいのが好ましい。
【0032】
針38が医療器具20の第一のアーム34と第二のアーム36との間を通るのを更に容易にするためには、針38は、多角形断面形状例えば図5に示されている三角形状の断面を有しているのが好ましい。同様に、第一の通路50及び第二の通路52は、針38を摺動可能な形態で受け入れるために対応する多角形断面を有している。従って、針38は、概ね、通路50,52内で捻れるか又は回転することがなく、同様に針38に結合されている縫合糸76の向きが維持される。このようにして、第一及び第二のアーム34,36の遠位部分はすり割り56,58を備えており、これらのすり割りはアーム34,36内へと延びており且つ第一及び第二の通路50,52と連通している。従って、縫合糸76は、針38が第一及び第二のアーム34,36内に実質的に収容されているときに、すり割り56,58を通ってアーム34,36から出ている。すり割り56,58の長さは、針38の長さ(L又はl)の1/2にほぼ等しいか又はこれより長いのが好ましい。縫合糸の一部又は全てが第一及び第二の通路50,52内に収容されることもまたわかるであろう。
【0033】
図1,3,6を再び参照すると、医療器具20はまた、シース40,42内を貫通して延びている制御部材44,46を備えていることも好ましく、該制御部材は、針38をアーム34,36間を前後に通過させるために使用される。制御部材44,46は図6に図示されており、これらの制御部材は長手方向の力を伝達するのに十分な剛性及び強度を有している駆動ワイヤからなり、このことは、細長い駆動ワイヤを備えている器具についての内視鏡分野及び腹腔鏡分野において一般的に知られている。この駆動ワイヤは単一フィラメント又はマルチフィラメントとすることができ、マルチフィラメントの場合には、該マルチフィラメントは、巻かれるか、編み上げられるか、巻き付けられるか、さもなければ1本のワイヤを形成するように相互に結合される(米国特許第5,330,482号を参照のこと。該米国特許は、これに言及することにより、その開示内容全体が本明細書に参考として組み入れられている)。制御部材44,46の遠位端は、それらの遠位端に係合部材80を備えており、この係合部材は遠位端面にポケット82を画成しており、ポケット82は、針38の尖った端部70,72を受け入れることができる形状とされている。係合部材80の外面は、制御部材44,46内の針38が組織を貫通し易くするために(遠位方向)に角度が付けられてテーパー状になっているのが好ましい。
【0034】
係合部材80はまた、針38を通路50,52内に把持するための把持器具として形成されている。多くのこのような機械的な把持器具が当該技術において知られており、例えば、把持用鉗子、クランプ、スネア、及び把持ワイヤ、並びにこれらと類似の電気的、電子機械的、及び磁気的な把持器具も採用できる。一つの例として、係合部材80は磁石として作られても良く、針38の端部は、(強磁性の)金属又は磁石によって作られるか、さもなければ制御部材44,46によって確実に保持されるように磁化されても良い。受動的な又は起動性の把持器具の場合には、針38を通す度にオペレータ/医師が内視鏡22及び/又は医療器具20を組織Tに対して操作する間、針38は通路50,52のうちの一つの中に確実に保持される。
【0035】
図7において最も良くわかるように、制御部材44,46は、それらの対応するシース40,42の中を、並びに管状本体32及び第一及び第二のアーム34,36内に形成されている第一及び第二の通路50,52の中を伸長している。図7に示されているように、第二の制御部材46の係合部材80は、第二のアーム36内に実質的に収納されている針38の第二の端部72に当接している。本発明の教示による組織を縫合する方法の一つの実施形態によると、組織把持器具90が、内視鏡22のワーキングチャネル26内を通されて組織を把持するために使用されている。一つの例として、この縫合は、塞ぐ必要がある穿孔又は穴Oを組織Tが有しているときに行なわれる。把持器具90は、図7〜10において簡素化された形態で示されているけれども、該把持器具は、現在知られているか又は将来知られることになる如何なるものであっても良く、該把持器具としては、鉗子、コルク栓抜き、又はフォークのような穿刺具、把持具、クランプ、ピンチ、吸引具、アンカーなどがある。
【0036】
図7に示されているように、組織Tは、把持器具90によって把持され且つ内部空間48並びに医療器具20の第一及び第二のアーム34、36間へ引き込まれる。針38は第一の端部70がポート66から若干突き出ている状態で示されているけれども、第二のアーム36の第二の通路52内に完全に収納されていても良い。
【0037】
図8に示されているように、第二の制御部材46が遠位方向に進められて、針は第二の通路52から組織Tの第一の領域を通されて第一のポート64を介して第一のアーム34の第一の通路50内へ通される。注目すべき点は、針38が組織Tを通過すると、縫合糸76が組織Tに取り付けられる点である。図9に示されているように、ひとたび針38が組織Tに完全に通されると、把持された組織Tは解放され、第二の制御部材46は通路52内へと近位方向に引き込まれる。次いで、同じく図9に示されているように、組織Tの第二の領域が把持され且つ内部空間48並びに第一及び第二のアーム34,36間へと引き込まれる。次いで、第一の制御部材部材44が遠位方向に進められて、針が第一の通路54から組織Tの第二の領域内を通され、第二のポート66を介して第二のアーム36の第二の通路52内へ戻される。
【0038】
図10において最も良くわかるように、これら2回の通過によって、縫合糸78は穴Oの周りの組織Tの2つの領域を貫通して配置される。針38は、医療器具20を組織の異なる領域間で動かすとき又は器具全体を導入する間若しくは器具全体を患者から取り出す間、通路50,52のいずれかの内部に含まれている。本発明の医療器具20が使用されて、穴O及び組織Tの周囲を行ったり来たりして縫合糸を編み上げて縫合糸の自由端が巾着縫合形態で穴Oを塞ぐように縫合されることもわかるであろう。
【0039】
このようにして、縫合糸78は、図11に示されているように、上記したステップを繰り返すことによって組織Tを貫通して穴Oの周囲に編み上げられる。縫合糸36は、穴Oの周りの概ね環状の経路をたどるようにされるか又は穴Oの両側部から十字状に行ったり来たりする。いずれの場合にも、医療器具20が患者から抜き取られ、その結果、針38及び縫合糸76の一端が引き抜かれる。従って、縫合糸76の両端は、医療専門家の手元にあり且つ図12に示されているように塞がれた穴Oを引っ張るために使用できる。概ね、縫合糸76は組織T内を巾着縫合形態で通され、その結果、縫合糸76の端部を近位方向に引っ張ると穴Oが自然に塞がる。縫合糸76の端部が結び目を通すことを含む締結方法を使用して結び付けることができ、又は当該技術において知られているように縫合糸係止部材98を使用することができる。例示的な縫合係止部材は、2008年5月22日に出願された米国特許出願第12/125,525号及び2008年8月13日に出願された米国出願第12/191,001号に記載されている。これらの特許出願の開示内容は、これに言及することにより、その全体が本明細書に参考として組み入れられている。
【0040】
上記に基づいて、本発明の医療装置、器具及び方法は、改良された穿孔の閉塞を容易化できることが当業者にわかるであろう。これらの医療装置及び器具は動作が簡単であり、これらの方法は、組織に通される度毎に医療器具20を取り出す必要なく、内部鏡を介して且つ/又は腹腔鏡を介して行うことができる。これらの器具及び方法は、穿孔の周囲での信頼性が高く且つ/制御可能な縫合糸の配置を提供して該穿孔の完全且つ信頼の高い閉塞を行なうことができる。
【0041】
上記した方法は、概ね、縫合器具を体内管腔を介して組織内に配置するステップを含んでいるけれども、該装置、器具、及び方法は、人体又は動物の体内及び管腔に関連するか又は関連しない層状の材料(例えば、繊維、布、ポリマー、エラストマ、プラスチック、及びラバー)に対して使用することができることが当業者はわかるであろう。例えば、該装置、器具、及び方法は、器具を、人間又は動物の体に対する用途を見出すことができるか又は見出すことができない1以上の材料の層を貫通して配置し且つ体組織ではない材料の層の穴又は穿孔を同様にして塞ぐために研究所及び工業設備内での使用方法を見出すことができる。幾つかの例としては、縫合又はかがり縫い及びこれに関連する製造、合成組織についての機能、ポリマーシート同士の結合又は修復、動物の研究、獣医学用途、並びに検死活動がある。
【0042】
上記した本発明の種々の実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提供したものである。本発明をここに開示されている実施形態を排他的なものとし且つ該実施形態そのものに限定することは意図されていない。上記の教示を参考にして多くの改造又は変形が可能である。一つの変形例においては、前記の遠位の把持装置は、エンドキャップ、及び器具の遠位端において作動せしめられる起動機構を介して円弧に沿って駆動される針に枢動可能形態で取り付けることができる。針を遠位の把持装置間を往復して通すことができるように、適当なガイド、支持部材、及び近位の把持装置を設計することができる。ここに記載した実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途の最良の例示を提供して、当業者が本発明を種々の実施形態で且つ想定される特別な使用方法に適するように種々の改造を施して使用できるようにしたものである。このような改造及び変形の全てが、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲に包含される。特許請求の範囲は、公正に、法律的に、及び法上公正に付与される広さに従って解釈される。
【符号の説明】
【0043】
20 医療器具、 22 内視鏡、
24 内視鏡の遠位端、 26 内視鏡のワーキングチャネル、
30 エンドキャップ、 32 管状本体、
34 第一のアーム、 36 第二のアーム、
38 針、 40 第一のシース、
42 第二のシース、 44 第一の制御部材、
46 第二の制御部材、 48 内部空間、
50 第一の通路、 52 第二の通路、
54 湾曲した経路、 56 すり割り、
58 すり割り、 60 端面、
62 第二の端面、 64 第一のポート、
66 第二のポート、 70 針の第一の端部、
72 針の第二の端部、 74 湾曲した経路、
76 縫合糸、 78 結び目、
80 係合部材、 82 ポケット、
90 組織把持器具、 98 縫合糸係止部材、
O 穴、 T 組織
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を縫合するための医療器具であり、
内部空間を画成している管状本体であって、第一のアームが該管状本体から第一の自由端まで突出しており、第二のアームが該管状本体から第二の自由端まで突出しており、前記第一のアームが前記第一の自由端に第一のポートを有している第一の通路を画成しており、前記第二のアームが前記第二の自由端に第二のポートを有している第二の通路を画成しており、前記第一のポートと第二のポートとが一定の距離だけ隔てられている、管状本体と、
組織を穿刺するような形状とされている第一及び第二の端部を有している針であって、前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能形態で受け入れられる大きさとされており、前記第一の端部と第二の端部との間の長さに亘って延びており、該針の長さは前記第一のポートと第二のポートとの間の前記一定の距離よりも長くなされている、針と、
前記針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、
前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で受け入れられ且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材であって、該第一の制御部材を遠位方向に動かすと、前記針が前記第一の通路内を遠位方向に移動するようになされている、第一の制御部材と、
前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で受け入れられ且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材であって、該第二の制御部材を遠位方向に動かすと、前記針が前記第二の通路内を遠位方向に移動するようになされている、前記第二の制御部材と、を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項2】
前記第一及び第二の通路が湾曲した経路に沿うようになされており、前記針が湾曲している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記針が、前記第一のアームと第二のアームとの間の針の経路に追従し、該針の経路が湾曲しており且つ前記針の曲率に対応している、ことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記第一及び第二の通路の前記湾曲した経路が半円形であり、前記針が半円形である、ことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項5】
前記針が多角形の断面形状を有しており、前記第一及び第二の通路が多角形の断面形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項6】
前記針が三角形の断面形状を有している、ことを特徴とする請求項5に記載の医療器具。
【請求項7】
前記第一のアームの前記第一の自由端が、該第一のアーム内を貫通して前記第一の通路まで延びている第一のすり割りを有しており、該第一のすり割りは前記縫合糸を受け入れる大きさとされており、前記第二のアームの前記第二の自由端が、該第二のアーム内を貫通して前記第二の通路まで延びている第二のすり割りを有しており、該第二のすり割りは前記縫合糸を受け入れる大きさとされている、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項8】
前記第一及び第二のすり割りの各々が、前記針の長さの1/2以上の長さに亘っている、ことを特徴とする請求項7に記載の医療器具。
【請求項9】
前記管状本体が長手軸線を規定しており、前記第一及び第二のアームが前記長手軸線の反対側で横断方向に隔てられている、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項10】
前記第一及び第二の制御部材が細長い形状であり、該第一の制御部材の遠位端に配置されている第一の係合部材と、前記第二の制御部材の遠位端に配置されている第二の係合部材とを更に備えており、該第一及び第二の係合部材は、各々、針の第一及び第二の端部を収容できる大きさとされている第一及び第二の針用ポケットを画成している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項11】
前記第一及び第二の係合部材が、各々、遠位方向で内方に向かうテーパーが付けられている外面を有している、ことを特徴とする請求項10に記載の医療器具。
【請求項12】
組織を縫合するための細長い医療器具と共に使用するための医療器具であり、
前記細長い医療器具の遠位端に取り付けられる大きさとされているエンドキャップであって、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えており、前記第一のアームは、前記第一の自由端に第一のポートを備えている第一の通路を画成しており、前記第二のアームは、前記第二の自由端に第二のポートを備えている第二の通路を画成しており、該第一の通路と第二の通路とが、湾曲した経路をたどり且つ多角形の断面形状を有している、前記エンドキャップと、
組織を穿刺できるように尖っている第一及び第二の端部を有している針であって、湾曲しており且つ前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で収納される大きさとされており、多角形断面形状を有している、前記針と、
該針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、
前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材と、
前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材と、を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項13】
前記第一のポートと第二のポートとが定められた距離だけ隔てられており、前記針が前記第一の端部と第二の端部との間の長さに沿って延びており、前記針の長さが前記第一のポートと第二のポートとの間の前記定められた距離よりも長い、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項14】
前記細長い医療器具が内視鏡であり、前記第一及び第二の制御部材が細長い形状であり且つ前記内視鏡に沿って延びている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項15】
前記内部空間と前記第一及び第二のポートとが前記内視鏡によって視認できるようになされている、ことを特徴とする請求項14に記載の医療器具。
【請求項16】
前記第一及び第二の通路が、前記管状本体内を該管状本体の近位端まで長手方向に延びている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項17】
各々、前記第一及び第二の制御部材を摺動可能な形態で収容している第一及び第二のシースを更に備えており、該第一及び第二のシースは、前記管状本体の近位端に結合されており且つ各々前記第一及び第二の通路と連通している、ことを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項18】
前記細長い医療器具が、該医療器具内を貫通して延びているワーキングチャネルを備えている内視鏡であり、前記ワーキングチャネル内を延びることができる大きさとされている組織把持器具を更に備えており、該組織把持器具は、組織を把持し且つ把持した組織を前記エンドキャップの前記管状本体の内部空間内で且つ前記第一のアームと第二のアームとの間へと引き込む構造とされている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項19】
医療装置を作動させる方法であり、
貫通しているワーキングチャネルと、該ワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具とを備えている内視鏡を準備するステップと、
前記内視鏡に医療器具を結合させるステップであって、前記医療器具は、前記内視鏡の遠位端に取り付けられる大きさとされているエンドキャップであって、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えており、前記第一のアームは前記第一の自由端に第一のポートを備えている第一の通路を画成しており、前記第二のアームは第二のポートと第二の自由端とを備えている第二の通路を画成している、前記エンドキャップと、組織を穿刺できるように尖っている第一及び第二の端部を有している針であって前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で収納されている前記針と、該針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材と、前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材と、を備えている、前記結合させるステップと、
材料層の第一の領域を把持し且つ該第一の領域を前記第一のアームと第二のアームとの間に配置させるステップと、
前記第一の制御部材を遠位方向に動かして、前記針が前記第一のアーム内の前記第一の通路から前記第一の領域内を通って前記第二のアームの前記第二の通路内へと通るようにするステップと、
材料層の第二の領域を把持し且つ該第二の領域を前記第一のアームと第二のアームとの間に配置させるステップと、
前記第二の制御部材を遠位方向に動かして、前記針が前記第二のアーム内の前記第二の通路から前記第二の領域内を通って前記第一のアームの前記第一の通路内へと通るようにするステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
組織を縫合するための医療器具であり、
内部空間を画成している管状本体であって、第一のアームが該管状本体から第一の自由端まで突出しており、第二のアームが該管状本体から第二の自由端まで突出しており、前記第一のアームが前記第一の自由端に第一のポートを有している第一の通路を画成しており、前記第二のアームが前記第二の自由端に第二のポートを有している第二の通路を画成しており、前記第一のポートと第二のポートとが一定の距離だけ隔てられている、管状本体と、
組織を穿刺するような形状とされている第一及び第二の端部を有している針であって、前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能形態で受け入れられる大きさとされており、前記第一の端部と第二の端部との間の長さに亘って延びており、該針の長さは前記第一のポートと第二のポートとの間の前記一定の距離よりも長くなされている、針と、
前記針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、
前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で受け入れられ且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材であって、該第一の制御部材を遠位方向に動かすと、前記針が前記第一の通路内を遠位方向に移動するようになされている、第一の制御部材と、
前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で受け入れられ且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材であって、該第二の制御部材を遠位方向に動かすと、前記針が前記第二の通路内を遠位方向に移動するようになされている、前記第二の制御部材と、を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項2】
前記第一及び第二の通路が湾曲した経路に沿うようになされており、前記針が湾曲している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
前記針が、前記第一のアームと第二のアームとの間の針の経路に追従し、該針の経路が湾曲しており且つ前記針の曲率に対応している、ことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
前記第一及び第二の通路の前記湾曲した経路が半円形であり、前記針が半円形である、ことを特徴とする請求項2に記載の医療器具。
【請求項5】
前記針が多角形の断面形状を有しており、前記第一及び第二の通路が多角形の断面形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項6】
前記針が三角形の断面形状を有している、ことを特徴とする請求項5に記載の医療器具。
【請求項7】
前記第一のアームの前記第一の自由端が、該第一のアーム内を貫通して前記第一の通路まで延びている第一のすり割りを有しており、該第一のすり割りは前記縫合糸を受け入れる大きさとされており、前記第二のアームの前記第二の自由端が、該第二のアーム内を貫通して前記第二の通路まで延びている第二のすり割りを有しており、該第二のすり割りは前記縫合糸を受け入れる大きさとされている、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項8】
前記第一及び第二のすり割りの各々が、前記針の長さの1/2以上の長さに亘っている、ことを特徴とする請求項7に記載の医療器具。
【請求項9】
前記管状本体が長手軸線を規定しており、前記第一及び第二のアームが前記長手軸線の反対側で横断方向に隔てられている、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項10】
前記第一及び第二の制御部材が細長い形状であり、該第一の制御部材の遠位端に配置されている第一の係合部材と、前記第二の制御部材の遠位端に配置されている第二の係合部材とを更に備えており、該第一及び第二の係合部材は、各々、針の第一及び第二の端部を収容できる大きさとされている第一及び第二の針用ポケットを画成している、ことを特徴とする請求項1に記載の医療器具。
【請求項11】
前記第一及び第二の係合部材が、各々、遠位方向で内方に向かうテーパーが付けられている外面を有している、ことを特徴とする請求項10に記載の医療器具。
【請求項12】
組織を縫合するための細長い医療器具と共に使用するための医療器具であり、
前記細長い医療器具の遠位端に取り付けられる大きさとされているエンドキャップであって、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えており、前記第一のアームは、前記第一の自由端に第一のポートを備えている第一の通路を画成しており、前記第二のアームは、前記第二の自由端に第二のポートを備えている第二の通路を画成しており、該第一の通路と第二の通路とが、湾曲した経路をたどり且つ多角形の断面形状を有している、前記エンドキャップと、
組織を穿刺できるように尖っている第一及び第二の端部を有している針であって、湾曲しており且つ前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で収納される大きさとされており、多角形断面形状を有している、前記針と、
該針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、
前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材と、
前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材と、を備えていることを特徴とする医療器具。
【請求項13】
前記第一のポートと第二のポートとが定められた距離だけ隔てられており、前記針が前記第一の端部と第二の端部との間の長さに沿って延びており、前記針の長さが前記第一のポートと第二のポートとの間の前記定められた距離よりも長い、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項14】
前記細長い医療器具が内視鏡であり、前記第一及び第二の制御部材が細長い形状であり且つ前記内視鏡に沿って延びている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項15】
前記内部空間と前記第一及び第二のポートとが前記内視鏡によって視認できるようになされている、ことを特徴とする請求項14に記載の医療器具。
【請求項16】
前記第一及び第二の通路が、前記管状本体内を該管状本体の近位端まで長手方向に延びている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項17】
各々、前記第一及び第二の制御部材を摺動可能な形態で収容している第一及び第二のシースを更に備えており、該第一及び第二のシースは、前記管状本体の近位端に結合されており且つ各々前記第一及び第二の通路と連通している、ことを特徴とする請求項16に記載の医療器具。
【請求項18】
前記細長い医療器具が、該医療器具内を貫通して延びているワーキングチャネルを備えている内視鏡であり、前記ワーキングチャネル内を延びることができる大きさとされている組織把持器具を更に備えており、該組織把持器具は、組織を把持し且つ把持した組織を前記エンドキャップの前記管状本体の内部空間内で且つ前記第一のアームと第二のアームとの間へと引き込む構造とされている、ことを特徴とする請求項12に記載の医療器具。
【請求項19】
医療装置を作動させる方法であり、
貫通しているワーキングチャネルと、該ワーキングチャネル内を延びる大きさとされている組織把持器具とを備えている内視鏡を準備するステップと、
前記内視鏡に医療器具を結合させるステップであって、前記医療器具は、前記内視鏡の遠位端に取り付けられる大きさとされているエンドキャップであって、内部空間を画成している管状本体と、該管状本体から第一の自由端まで突出している第一のアームと、前記管状本体から第二の自由端まで突出している第二のアームとを備えており、前記第一のアームは前記第一の自由端に第一のポートを備えている第一の通路を画成しており、前記第二のアームは第二のポートと第二の自由端とを備えている第二の通路を画成している、前記エンドキャップと、組織を穿刺できるように尖っている第一及び第二の端部を有している針であって前記第一及び第二のアームの前記第一及び第二の通路内に摺動可能な形態で収納されている前記針と、該針の前記第一の端部と第二の端部との間において前記針に取り付けられている縫合糸と、前記第一のアームの前記第一の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第一の端部と係合するように位置決めされている第一の制御部材と、前記第二のアームの前記第二の通路内に摺動可能な形態で収納されており且つ前記針の前記第二の端部と係合するように位置決めされている第二の制御部材と、を備えている、前記結合させるステップと、
材料層の第一の領域を把持し且つ該第一の領域を前記第一のアームと第二のアームとの間に配置させるステップと、
前記第一の制御部材を遠位方向に動かして、前記針が前記第一のアーム内の前記第一の通路から前記第一の領域内を通って前記第二のアームの前記第二の通路内へと通るようにするステップと、
材料層の第二の領域を把持し且つ該第二の領域を前記第一のアームと第二のアームとの間に配置させるステップと、
前記第二の制御部材を遠位方向に動かして、前記針が前記第二のアーム内の前記第二の通路から前記第二の領域内を通って前記第一のアームの前記第一の通路内へと通るようにするステップと、を含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−514866(P2013−514866A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546089(P2012−546089)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061089
【国際公開番号】WO2011/087725
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061089
【国際公開番号】WO2011/087725
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】
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