説明

組織アンカー、及び組織アンカーの迅速な配備のための医療デバイス

体内壁の穿孔を閉じるための医療デバイス又は関連する方法。該医療デバイスは概括的には一組の組織アンカーと細長いテンション部材を含んでいる。各アンカーは対向する端部を有して長手方向軸線を画定しているクロスバーを含んでいる。ストランドが、対向する端部の間の位置においてクロスバーに結合され且つ長手方向軸線から離れる方向に突き出ている。該ストランドは、クロスバーに結合された遠位端と第1のコネクタを有する近位端を含んでいる。細長いテンション部材は第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている。アンカーのストランドは穿孔を閉じるために共に引っ張って固定できる。テンション部材はストランドが共に固定された後に取り除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には医療デバイスに関し、より具体的には組織中の穿孔を閉じるための組織アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
体内壁の穿孔は自然発生的に生じる、或いは意図的に又は意図的ではなく形成され得る。恒久的にこれらの穿孔を閉じて、組織が適切に治癒できるようにするために、縫合糸、接着剤、クリップ、ステープルなどを用いる多数の医療デバイス及び方法が開発されてきた。これらのデバイスの多くは、通常1本以上の縫合糸を用い、該縫合糸のストランドは、穿孔を閉じるために引き寄せられ所定の位置に固定されて、その後カットされ、患者の体内から除去される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
穿孔を閉じるために、縫合糸ストランドを手で互いに結びつけることは、非常に複雑で時間がかかる。例えば、穿孔及び縫合が、内視鏡又は腹腔鏡処置など、身体内でのアクセスが困難な場合は特に、医療専門家によって高い水準の技術と調整が要求される。手で縫合糸を結束して切断することに伴う数多くの問題が十分に立証されている。結束して切断する手による縫合のこれら及び他の問題に対処するために、様々な自動縫合結束システムが開発されている。残念ながら、このような自動システムは、多くの場合、複雑で費用がかかり、使用が困難であり、また特定の状況での使用に限られている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、体内壁の穿孔を閉じるために、組織アンカーだけでなく、関連するデバイス及び方法を提供する。組織アンカーは使用が簡単で信頼性があり、穿孔の閉合を促進し、また、さまざまな穿孔の閉合状況に適応できる。本発明の教示に従って構築された、穿孔を閉じるためのテンション部材と係合する構造を有する組織アンカーの一実施形態は、概括的にはクロスバーとストランドを備えている。該クロスバーは、第1及び第2の対向する端部を有して長手方向軸線を画定している。該ストランドは、対向する端部の間の位置で該クロスバーに連結されている。ストランドはクロスバーに結合された遠位端から、第1のコネクタを有する近位端まで延在する約5mmから約50mmの範囲の長さを有している。ストランドとその第1のコネクタは長手方向軸線から離れる方向に突き出ている。
【0005】
本発明の別の実施形態は穿孔を閉じるための医療デバイスを含んでいる。医療デバイスは、概括的に一組の組織アンカーと細長いテンション部材を備えている。各組織アンカーは、クロスバーとストランドを含んでいる。該クロスバーは、第1及び第2の対向する端部を有して長手方向軸線を画定している。該ストランドは、対向する端部の間の位置において該クロスバーに連結され且つ長手方向軸線から離れる方向突き出ている。該ストランドの遠位端が該クロスバーに結合されており、該ストランドの近位端は第1のコネクタを有している。細長いテンション部材は第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている。ストランドは、穿孔を閉じるために共に引っ張って固定できる。
【0006】
医療デバイスの本実施形態のより詳細な態様によれば、該ストランドは約20mmから約30mmの範囲の長さを有している。
【0007】
患者の体内壁の穿孔を閉じるための方法も本発明の教示に従って提供されている。上記のデバイスなどの医療デバイスが提供されている。各組織アンカーは穿孔の周囲に隣接する体内壁を貫通し、その結果、各組織アンカーのクロスバーが体内壁の遠位側にあり、且つ各組織アンカーの第1のコネクタは細長いテンション部材を選択的に係合及び解除するために体内壁の近位側にある。細長いテンション部材は各ストランドの第1のコネクタと係合し、互いに近接するストランドを配置するために操作される。ストランドは、体内壁の近位側に共に固定される。細長いテンション部材は、第1のコネクタから解放され、患者の中から取り除かれる。
【0008】
引っ張った状態の一組のアンカーを固定する方法も本発明の教示に従って提供されている。各アンカーは、クロスバーとクロスバーに結合されているストランドを有している。ストランドは、クロスバーに結合されている遠位端を有している。ストランドの近位端は第1のコネクタを含んでいる。細長いテンション部材は、管状部材のルーメン内の各ストランドの第1のコネクタに連結している。細長いテンション部材を配置するために細長いテンション部材に対して管状部材を移動させ、且つ管状部材の遠位端を越えて遠位方向に一組のアンカーを移動させる。細長いテンション部材はストランドを共に引っ張るために操作され、次に、ストランドは引っ張った状態で共に固定される。次に、細長いテンション部材は、固定されたストランドの第1のコネクタから解放される。
【0009】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成している添付の図面は、本発明の幾つかの態様を図示しており、記述と共に本発明の原理を説明するのに役立っている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】本発明の教示に従って構成された組織アンカーの一実施形態の正面図である。
【図1b】本発明の教示に従って構成された組織アンカーのさらに別の実施形態の正面図である。
【図2a】本発明の教示に従って構成された医療デバイスの一実施形態の正面図である。
【図2b】本発明の教示に従って構成された医療デバイスの別の実施形態の正面図である。
【図2c】本発明の教示に従って構成された医療デバイスのさらに別の実施形態の正面図である。
【図3】本発明の教示に従って、穿孔を閉じるステップを示す組織アンカーの断面図である。
【図4】本発明の教示に従って構成された医療送達デバイスの、部分的に断面の平面図である。
【図5】本発明の教示に従って医療デバイスを使用する方法のステップを示す図である。
【図6】本発明の教示に従って医療デバイスを使用する方法のステップを示す図である。
【図7】本発明の教示に従って医療デバイスを使用する方法のステップを示す図である。
【図8】本発明の教示に従って医療デバイスを使用する方法のステップを示す図である。
【図9】本発明の教示に従って医療デバイスを使用する方法のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで図を参照すると、図1aは本発明の教示に従って構成された組織アンカー20を示している。アンカー20は、体内壁12の穿孔10(図5−7)を閉じるために利用される。また、アンカー20は、例えば逆流性食道炎(GERD)治療、又は吻合が形成される肥満症治療で組織を併置するために、或いは他の治療で使用するために用いることができる。アンカー20は、概括的に対向する端部26及び28を有し且つ長手方向軸線22を画定するクロスバー24を含む。柔軟性のあるストランド30は、クロスバー24の対向する端部26と28の間の位置でクロスバー24に結合されている。ストランド30は、クロスバー24に結合される遠位端32を含み、クロスバー24の長手方向軸線22から離れて、以下でさらに詳細に説明されるコネクタ36で終端する近位端34まで延在する。
【0012】
クロスバー24は、好ましくは細長であるが、棒、管、ディスク形状或いは他の細長い又は平面状の部材を含む、体内壁12の穿孔10を閉じるのに適した任意の形態を取ることができる。クロスバー24は、管状カニューレで形成されるのが好ましいが、固体円柱、金属棒、プラスチック成形品、又は他の棒状の材料であってもよい。ストランド30は、柔軟性のある縫合材料で形成されるのが好ましいが、単一フィラメント及びマルチフィラメント線、並びに巻回及び編組電線、プラスチック製ストリング、ロープ及び同種のものを含む金属線などの他の構成を有することもできる。
【0013】
ストランド30は、機械的ファスナー、接着剤或いは様々な溶接又ははんだ付け技法を含む、あらゆる現在公知の或いはこれ以降開発される取付け手段を使用して、クロスバー24に固定され得ることが、当業者によって認識されるであろう。一つの好ましい構成では、クロスバー24は対向する端部26と28の間を貫通して形成された開口部を有するカニューレで形成されており、ストランド30の遠位端32はカニューレの開口部内に収容され、所定の位置に固定される。また、ストランド30は、一つの要素として、クロスバー24と単一且つ一体的に形成されてもよい。したがって、組織アンカー20全体を、単一のプラスチック又は金属材料、及び最も好ましくは吸収性材料で形成することができる。例えば、クロスバー24とストランド30を含むアンカー20は、ナイロン又は吸収性材料などの長持ちする材料で射出成形されてもよい。また、アンカー20の材料は、プラスチックの中に粒子を埋め込んだり、固有の又は形成された放射線不透過性又はエコー源性の特性を有する適切な材料を選択したりすることにより、例えば、放射線不透過性又はエコー源性を作ることができる。
【0014】
本明細書において、用語「吸収性」は、組織及び/又は体液と接触した際に、組織及び/又は体液に吸収される物質の機能を指す。多数の吸収性材料が、当技術分野において既知であり、任意の適切な吸収性材料を使用することができる。吸収性材料の適切なタイプの例としては、吸収性ホモポリマー、コポリマー、又は吸収性ポリマーのブレンドがある。適切な吸収性材料の具体例としては、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸(PGA)、又はポリグリコリドなどのポリ−αヒドロキシ酸;トリ−メチレンカーボネート(tri−methlyene carbonate);ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシ酪酸塩又はポリヒドロキシ吉草酸塩などのポリ−βヒドロキシ酸;或いはポリホスファゼンなどの他のポリマー、ポリ有機−ホスファゼン、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリ−オルソエステル、ポリエチレンオキシド、ポリエステル−エーテル(例えば、ポリ−ジオキサノン)又はポリアミノ酸(例えば、ポリ−L−グルタミン酸又はポリ−L−リジン)が挙げられる。セルロース、キチン、及びデキストランなどの変性多糖類、並びに、フィブリン及びカゼインなどの変性プロタインを含む、多数の適切な天然由来の吸収性ポリマーもある。
【0015】
ストランド30の長さは、好ましくは約5mmから約50mm、最も好ましくは約20mmから約30mmの範囲である。ストランド30の直径は、好ましくはクロスバー24の直径の約50%未満、最も好ましくは約35%未満である。ストランド30の直径は、好ましくは約0.20mmから約0.35mmの範囲の、最も好ましくは約0.254mmである。クロスバー24の直径は、好ましくは約0.5mmから約1.0mmの範囲の、最も好ましくは約0.8mmである。クロスバー24の長さは、典型的に約3.0mmから約100mmの範囲である。クロスバー24及び/又はストランド30は、既知のプラスチックや親水性のコーティングなどの低摩擦材料で被覆してもよい。
【0016】
図1aに示すように、コネクタ36は、ストランド30の近位端34で小穴又は閉ループの形態をとることが最も好ましい。閉ループのコネクタ36は、好ましくは約0.5mmから約1.5mmの範囲の直径を有する。コネクタ36は、図1bに示すように別の形状を持つことができる。図1bは、本発明の教示による組織アンカー220の実施形態を示し、図1aと同様の図であり、同類の構成要素が200を足した同様の参照番号で示されている。この実施形態では、コネクタ236はJ字型フックの形態をとっている。
【0017】
コネクタ36は、アンカー20の配備を補助するためにテンション部材38を受け入れるように構成されている(図2a−c)。コネクタ36は、柔軟な縫合材料、金属ワイヤー、プラスチック、ロープ又は任意の適切な吸収性材料から形成することができる。図1に示すように、閉ループのコネクタ36はストランド30と一体的に形成されていることが好ましい。閉ループのコネクタ36は、柔軟性があり、テンション部材38によって引っ張られたときに、延びたり、或いはその形状の向きを調整したりすることが可能である。また、コネクタ36は、ストランド30とは異なる材料から形成されてもよく、ストランド30より厚くてもよく、機械的ファスナー、結束、結合、溶接、又は接着を含む任意の適切な手段を用いてストランド30に固定してもよい。例えば、図1bのJ字型フックコネクタ236がテンション部材によって引っ張られたときにその形状を維持するために、コネクタ236は、硬質プラスチックや金属材料などのストランド230より強く剛性のある材料から作ることが好ましい。加えて、コネクタ36は、アンカー20が他の周囲の組織に対して非外傷性となるように、滑らかな、丸みを帯びた形状を有していることが好ましい。
【0018】
図2a−cを参照すると、コネクタ36を選択的に係合及び解除するように構成された様々な実施形態のテンション部材38、138、及び238と共に、一組の組織アンカー20aと20bが描かれている。図2aに示すように、テンション部材38は、縫合糸52を、細長い保持部材40と共に含んでいる。図2aの縫合糸52と細長い保持部材40は、図1aの実施形態に示すような閉ループ形態のコネクタ36を有するアンカー20aと20bと共に使用している状態で示されている。
【0019】
縫合糸52は、好ましくは身体の外部に配置され保持された第1及び第2の端部54及び56を含む。第1及び第2の端部54及び56は、例えば、トーイ・ボースト(touhy borst)コネクタ又はクランプによって、組織アンカー送達デバイス(図4)の近位端のハンドル(図示せず)内に固定することができる。縫合糸52の一部が閉ループコネクタ36の各々を通して引っ張られ、且つ細長い保持部材40によって維持されるように、縫合糸52は閉ループコネクタ36を通って事前装着されていることが好ましい。このように、縫合糸52は、環状部分58及び60に折り返しを形成するために、それぞれの閉ループコネクタ36を二度通っていることが好ましい。環状部分58及び60のこれらの折り返しは、遠位への前進及び組織アンカー20a及び20bの別々の位置決めの際に、縫合糸52に適切な弛みを与えるのに十分な長さのものである。
【0020】
図2aに示すように、縫合糸52は、第1の端部54から延在して、第1の環状部分58を形成するために折り返され、第1の環状部分58から延在して、第2の環状部分60を形成するために折り返され、さらに、第2の環状部分60から第2の端部56まで延在する。第1の環状部分58は一対のアンカーのうちの第1のアンカー20aの閉ループコネクタ36内に摺動可能に受け入れられ、第2の環状部分60は一対のアンカーのうちの第2のアンカー20bの閉ループコネクタ36内に摺動可能に受け入れられる。細長い保持部材40は近位端42と遠位端44を有し、該遠位端は、縫合糸52の第1及び第2の環状部分58及び60を選択的に係合及び解除するように構成されているコネクタ46で終端している。縫合糸52は、単一フィラメント又はマルチフィラメント構造のものであってもよく、好ましくは約0.20mmから約0.25mmの範囲の直径を有している。
【0021】
コネクタ46は、任意の適切な形状又は環状部分58及び60との選択的な係合及び解除に適した形態をとり得ることが、当業者によって認識されるであろう。好ましくは、細長い部材40の遠位端44におけるコネクタ46は、図示するように、フック状の形状、例えばJ字型フックである。
【0022】
図2bの別の実施形態に示すように、テンション部材138は、組織アンカー送達デバイスを貫通する第1及び第2の端部154及び156を有している縫合糸152を含み、医師が操作するために、送達デバイスの近位端に隣接した身体の外部に位置し、保持される。この実施形態では、縫合糸152は、第1の端部154から一対のアンカー20a及び20bの第1及び第2の閉ループコネクタ36をそれぞれ通って延在している。縫合糸152を含むテンション部材138は、図2bに示す閉ループコネクタ36以外のコネクタを有するアンカーと組み合わせて使用してもよい。例えば、縫合糸152は、選択的に図1bに示すJ字型フックコネクタ236などのフック状のコネクタを係合することができ、縫合糸152はフック状のコネクタ236を通されることになる。縫合糸152は、単一フィラメント又はマルチフィラメント構造のものであってもよい。
【0023】
図2cの別の実施形態に示すように、テンション部材238は、近位端242と遠位端244を有する細長い保持部材240を含み、該保持部材は、一対のアンカー20a及び20bの第1及び第2の閉ループコネクタ36をそれぞれ選択的に係合して直接的に解除するように構成されたコネクタ246で終端している。好ましくは、細長い部材240の遠位端244におけるコネクタ246はJ字型フックである。コネクタ246を有する細長い保持部材240は、図2cに示す閉ループコネクタ36以外のコネクタを有するアンカーと組み合わせて使用してもよい。例えば、保持部材240のコネクタ246は、図1bのJ字型フックコネクタ236などのフック状のコネクタを選択的に係合することができる。コネクタ246は任意の適当な形状又は様々なコネクタ36との選択的な係合及び解除に適した形態を取り得ることが、当業者によって認識されるであろう。例えば、コネクタ246はカール状又は閉ループも可能であり、さらにコネクタ36はフック形状も可能である(図1b参照)。これらと他のバリエーションは当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0024】
図3と4を参照すると、組織アンカー20は、少なくとも2個のアンカー20a及び20bを含む一組のアンカーとして配備されることが好ましい。以下詳細に説明するように、テンション部材38は、体内壁12の組織を貫いてアンカー20aと20bを送達する際、アンカー20aと20bの位置決めを補助し、その後除去される。図3に最も分かり易く示す様に、アンカー20aと20bのクロスバー24は体内壁12の遠位側に配置される一方、クロスバー24に接続されコネクタ36を含むストランド30の大部分は体内壁の近位側に配置される。アンカー20aと20bが体内壁12の組織を貫通して配置された後、アンカー20aと20bのストランド30は、穿孔10を閉じるためにテンション部材38によって引き寄せられ、縫合糸ロック62によって、所定の位置に固定される。その後、テンション部材38は除去される。このように、(穿孔を閉じるために所定の位置に固定され、その後手動で切断して除去しなければならない)アンカーを体内壁に固定するために、別個の縫合糸又は複数の個々の縫合糸を採用するのではなく、アンカー20aと20bはストランド30と縫合糸ロック62によって共に直接固定される。このように、コネクタ36を有するストランド30を含むアンカー20aと20bの構成により、アンカーを共に固定するために使用される縫合糸を手動で切断することに伴う多くの問題が軽減される。
【0025】
図4を参照すると、本発明の教示に従って、アンカー20aと20bとロック62を用いる医療送達デバイス100は、組織アンカー20aと20bを摺動可能に収容できる大きさである針のルーメン88を有する針86を含む。好ましくは、吸収性スペーサー部材50が針86の遠位端89に隣接した針のルーメン88内のアンカー20aと20bの間に配置されている。針86は、アンカー20aと20bのストランド30を収容できる大きさである針のスロット87を有している。医療送達デバイス100は、一組の3つ以上のアンカーと2つ以上のスペーサー部材を含んでもよい。針のスロット87が、針のルーメン88内に位置するクロスバー24のそれぞれに結合されたストランド30を受け入れることができるように、針のスロット87の長手方向の長さは、アンカーの数と、クロスバーの長さと、アンカーの間に配置されたスペーサー部材の数とスペーサー部材の長さに依存する。プッシャー98は、最も近位のアンカー、即ち図4のアンカー20bに係合してアンカー20aと20b並びにその間に配置されたスペーサー部材50を送達デバイス100から配備するために、針のルーメン88内に摺動可能に収容されている。
【0026】
医療デバイス100は、針86を摺動可能に収容できる大きさであるルーメン92を有する内側シース90と、内側シース90を摺動可能に収容できる大きさであるルーメン96を有する外側シース94をさらに含んでいる。アンカー20aと20bのストランド30は、アンカー20aと20bのクロスバー24の長手方向軸線22から離れて、針のスロット87を通って外側シースのルーメン96内で近位方向に延在する。本発明の教示に従って、アンカー20aと20bのストランド30のコネクタ36を選択的に係合及び解除するために、テンション部材38が外側シースのルーメン96内に摺動可能に収容される。縫合糸52と細長い保持部材40を含む図2aのテンション部材38は、図4−9の医療送達デバイス100の一部分として示されるとともに、図2bと2cのテンション部材138又は238はそれぞれ、医療送達デバイス100の一部分として用いることができる。同様に、J字型コネクタ236を有する図1bのアンカー220は本発明の教示に従って医療送達デバイス100を用いて送達することができる。
【0027】
内側及び外側シース90、94は、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、膨張ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリエチレンエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ナイロンなどのポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン(高、中又は低密度)などのプラスチック、或いは補強ワイヤー、コイル又はフィラメントの有無に関係なく多層又は単層構造を含むサントプレン(登録商標)などのエラストマーから形成されることが好ましい。縫合糸52と保持部材40を含めて、針86、内側及び外側シース94、90、プッシャー98、並びにテンション部材38は、柔軟で、内視鏡又は腹腔鏡処置中などの患者体内での進行を可能にする、細長い構造であることが好ましい。このようにして、当技術分野において知られているように、適切な操作又は制御機構がこれらのコンポーネントの相対的な並進移動のために、医療専門家によって針86、シース90と94、並びにプッシャー98の近位端に接続される。
【0028】
好ましくは、アンカー20aと20bを体内壁12に貫通して送達した後のアンカー20aと20bのストランド30を固定する市販の針縫合糸ロック62を、医療デバイス100はさらに含む。本発明の教示に従って、アンカー20aと20bを体内壁12に貫通して送達する間に、市販の針縫合糸ロック62により、一組のアンカー20aと20bのストランド30が縫合糸ロック62内に事前装着できるようにする。縫合糸ロック62は概括的にはロックピン又はプラグ64と保持スリーブ66を含み、該プラグとスリーブは、体内壁12の穿孔10を閉じるために、体内壁12の組織に対してアンカー20aと20bのストランド30を固定するように協働する。保持スリーブ66及びプラグ64は、円形の断面、又は三角、四角などを含む任意の他の断面形状を持つことができる。
【0029】
図4−9に最も分かり易く示す様に、保持スリーブ66は、概括的には内部通路70を画定する内部表面69を有する管状本体68を含む。さらに本明細書で詳細に議論されるように、周辺リム72は、管状本体68の遠位端に形成されており、保持スリーブ66の配置に使用される肩74を画定している。概括的には、保持スリーブ66は、内部通路70内にアンカー20aと20bのストランド30を収容する。ストランド30は、その後プラグ64を使用して所定の位置に固定され、該プラグは通路70内に固定且つアンカー20aと20bのストランド30を挟む又は圧縮するように作られている。また、プラグ64の一部分がストランド30を固定するために保持スリーブ66と協働する場合、プラグ64は多くの形状(例えば、規則的又は不規則な形状)及び構造(例えば、鋳造、成形、機械加工、(ワイヤーを使用するなどの)巻上げ、等)を有してもよいことが認識されるであろう。好ましくは、プラグ64と保持スリーブ66は、ステンレス鋼又は他の適切な金属又は当技術分野で公知のプラスチック材料から形成される。
【0030】
図4−9に最も分かり易く示す様に、プラグ64は概括的には内部表面77を有する本体76を含み、該内部表面は針86を摺動可能に収容できる大きさである内部通路78を画定している。本体76は、グリップ80とストッパ82を含み、各々が本体76から半径方向に拡張している。図示の実施形態では、グリップ80は、プラグ64の遠位端に形成されているが、該プラグは、本体76の長さに沿う近位方向に移動することができる。グリップ80は、アンカー20aと20bのストランド30を係合するために使用される環状のエッジ79を画定している。ストッパ82はグリップ80から長手方向に離間し、保持スリーブ66内でのプラグ64の位置を調整するために使用される。ストッパ82は概ね近位方向に向いている面83を含み、該面はプラグ64を配置するために使用される肩84を画定している。保持スリーブ66の内部通路70を通ってグリップ80が完全に通過してしまうことを防ぐために、ストッパ82はグリップ80と関連して配置されている。組織アンカー20のストランド30の長さは約5mmと50mmの間であることが好ましいが、プラグ64と保持スリーブ66間のストランド30の十分な係合を提供するために、ストランド30の長さはストランド30のコネクタ36が縫合糸ロック62を抜け出るようなものであるべきである。
【0031】
図4−7に示すように、内側シース90はプラグ64の肩84に当接して配置できる大きさであり、外側シース94は保持スリーブ66の肩74に当接して配置できる大きさである。外側シース94に対する内側シース90の並進移動により、プラグ64が市販の針86を摺動させて保持スリーブ66の通路78内に収容されるようにすることにより、プラグ64の本体76と、ストランド30を固定するための保持スリーブ66の内部表面69の間でアンカー20aと20bのストランド30を係合する。
【0032】
針アセンブリと市販の針縫合糸ロック62の更なる詳細は、「組織アンカーの迅速な配備及び固定のための医療デバイス、システム、及び方法(Medical Devices, Systems, and Methods for Rapid Deployment and Fixation of Tissue Anchors)」と題される、デュシャルメ(Ducharme)への米国仮特許出願第61/166,361号に見いだされることができ、該出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれている。
【0033】
医療デバイス100は、内視鏡の付属チャンネルを通して又は内視鏡と一緒に、或いは内視鏡と組み合わせて使用される他のデバイス、例えば、内視鏡吸引装置や流体注入装置と併用して使用される大きさとされてもよい。
【0034】
本発明の教示によれば、図5−7に示すように、穿孔10を閉じる方法は、各組織アンカー20aと20bを穿孔10の周囲に隣接する体内壁12の組織に貫通するステップを含む。好ましくは、アンカーは穿孔10の周囲に順に配置される。図示のように、アンカー20aと20bは、穿孔10の両側に配置される。前述のように、2個のアンカー20aと20bより多くの複数のアンカーを順に穿孔10の周囲に配置することができる。
【0035】
図5に示すように、医療送達デバイス100は、本発明の教示に従って、体内壁12の組織に隣接する位置に送達される。アンカー20aと20bは針86の遠位端89において針のルーメン88内に配置されており、吸収性スペーサー部材50がアンカー20aと20bの間に配置されている。スペーサー部材50とアンカー20a及び20bの間のスペースが明確化のために示されているが、スペーサー部材50とアンカー20a及びと20bは、概ね針ルーメン88内で端部と端部とが当接することになる。アンカー20aと20bのストランド30は、針のスロット87内に受け入れられ、アンカーのクロスバー24の長手方向軸線22から離れて突き出る。好ましくは、針86は内側シースルーメン92内に摺動可能に収容されており、テンション部材38は外側シースルーメン内に摺動可能に収容される前に、針ルーメン88から延在するアンカーストランド30のコネクタ36と事前に係合されている。このようにして、内側シース90内の針86とテンション部材38は、医療送達デバイス100の位置決めの前に、事前に係合され、外側シース94に一緒に装填され、外側シース96の遠位端95に向かって進められるのが好ましい。したがって、図4−7に示すように、テンション部材38は、外側シースルーメン96内に配置されて、アンカー20aと20bのストランド30のコネクタ36と選択的な係合状態になっている。
【0036】
図5−7に示す方法は、一例として図2aのテンション部材38を含む医療送達デバイス100を示す。この例では、細長い保持部材40は、一旦外側シース96の遠位端95の近傍に位置すると、アンカーストランド30のコネクタ36の保持を、縫合糸52の第1及び第2の環状部分58及び60によって維持している。医師が細長い保持部材40の保持及び操作をしている間、縫合糸52の第1及び第2の端部54及び56が、好ましくは、デバイス100の近位側ハンドル(図示せず)内に保持される。折り返された環状部分58及び60は、組織アンカー20a及び20bを別々に位置決めする際、縫合糸52に十分な弛みを与えるのに十分な長さのものであることが好ましい。
【0037】
図5−6に示すように、針86を内側及び外側シース90、94に対して並進移動させることで、針86は体内壁12の組織を貫通して配備される。最も遠位の組織アンカー、即ち図4−5のアンカー20aは、その後、アンカー20aが針のルーメン88を抜け出るようにアンカー20aを針86に対して並進移動させることで針86から配備される。図4−5に示すように、アンカー20aと20b、並びにそれらの間に配置されたスペーサー部材50は、プッシャー98が内側シースのルーメン92内に摺動可能に収容され、且つ最も近位のアンカー、即ち図4−7のアンカー20bに係合して推し進めるのに使用され得るように、針ルーメン88の長手方向軸線に沿って針ルーメン88内に整列して示されている。最も近位のアンカーは、スペーサー部材50と最も遠位のアンカー20aを介して順に力を伝達することになり、その結果、針のルーメン88の最も遠位のアンカー20aを前進させる。アンカー20aが針のルーメン88を抜け出ると、アンカー20aのストランド30は、針のスロット87から解放される。
【0038】
従って、多数の組織アンカーとスペーサー部材を医療デバイス100内で使用することができ、針のスロット87の長手方向の長さは任意の数のアンカーストランド30を収容できる大きさであり得ることが認識されるであろう。この方法では、医療デバイス100は再装填されるために引き戻される必要はない。従って、本方法は、近位方向に針86を並進移動させることで体内壁から針86を引き戻すステップと、次に組織12を貫通して針86を並進移動させる段階を繰り返すステップと、該組織を貫通して組織アンカーを配備するステップとを含む。
【0039】
図7を参照すると、針86は、近位方向に針86を並進移動させることで体内壁12を通して引き戻され、穿孔10の周りの異なる位置に再配置され、内側及び外側シース90、94に対して針86を並進移動させることで、体内壁の組織を貫通して再配備される。次に、プッシャー98をスペーサー部材50と近位側アンカー20bを配備するためにさらに遠位方向に前進させ、アンカー20bのストランド30は針のスロット87内から解放される。その後、スペーサー部材50は、患者の体内に吸収される。
【0040】
アンカー20aと20bは、体内壁12の遠位側に配置された後、針86が体内壁12の近位側に貫通して引き戻されて、内側シースルーメン92内から取り出される。アンカー20aと20bのストランド30を引っ張ってストランド30を一緒に持って来て穿孔10を閉じるために、細長い保持部材40が用いられる。図8と図9に示すように、好ましくは、細長い保持部材40が、引き戻され、縫合糸52の第1及び第2の環状部分58及び60に牽引力を加え、次にコネクタ36に牽引力を加え、その結果、アンカー20aと20bの間の距離を縮めて穿孔10の周囲の体内壁12を圧縮するようにアンカー20aと20bのストランド30を引っ張る。
【0041】
図9に最も分かり易く示す様に、アンカー20aと20bのストランド30は、縫合糸ロックを使用するなどして、体内壁12の圧縮を維持するために固定されている。以上詳細に説明し図4−9に示した本発明の教示に従って、好ましくは、ストランド30は市販の針縫合糸ロックの使用によって固定される。また、同時係属の米国特許出願第12/125,525号及び第12/191,001号に開示された縫合糸ロックなどの他の縫合糸ロックがストランド30を固定するために用いることができ、該出願の開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。アンカー20aと20bのストランド30を固定するための現在知られている或いは将来開発される締付け、結束、クランプ、リベット及び同種のものなどの任意の方法を使用できることが認識されるであろう。アンカー20aと20bが効果的に体内壁12の穿孔10を閉じて且つストランド30が固定された後、テンション部材38を含む送達デバイス100は患者の体内から取り出される。図8−9の例では、保持部材40は、第1及び第2の環状部分58及び60からフックが外されており、送達デバイスの近位側ハンドルのトーイ・ボースト(touhy borst)コネクタ又はクランプを開く又は解放する、及び縫合糸の一方の端部を引っ張りながら縫合糸の反対側の端部を解放することで縫合糸52は取り外される。この方法では、縫合糸52は、患者から除去されるように、閉ループコネクタ36を通って摺動する。
【0042】
また、前述の方法は概括的には体内管腔を通して組織に組織アンカーを配置するステップを含む一方、当業者によって認識されるであろうデバイス及び方法は、人間又は動物の身体、及び体内管腔に関連してもしなくてもよい任意の材料の層(例えば織物、布、ポリマー、エラストマー、プラスチック及びゴム)に使用してもよいことが理解され、これらのことは当業者によって認識されるであろう。例えば、本明細書に開示された装置及び方法は、人間又は動物の体への用途を見つけてもよいし見つけなくてもよい材料の1つ以上の層を貫通してデバイスを配置する、及び身体の組織ではない材料の層の穴又は穿孔を閉じるために、実験室及び工業環境での用途を見つけることができる。幾つかの例には、裁縫又は縫合並びに同類の製造、合成組織との協働、高分子シートの結合、動物実験、及び解剖作業が挙げられる。
【0043】
以上、本発明の様々な実施形態について、例示と説明を目的に述べてきた。それにより、本発明を余すところなく説明する意図も開示されている厳密な実施形態に限定する意図もない。上記教示に鑑み、数多くの修正又は変型が可能である。考察されている実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を最適に例示し、それにより、当業者が本発明を様々な実施形態で、考えられる特定の用途に適応させた様々な修正を施して利用することができるように、選定され、記載された。全てのその様な修正及び変型は、付随の特許請求の範囲の請求項によって、それら請求項が公平、法的、且つ公正に権利を有するとされる一定の許容幅に従って解釈された上に定まる本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 穿孔
12 体内壁
20、20a、20b 組織アンカー
22 長手方向軸線
24 クロスバー
26、28 対向する端部
30 ストランド
32、95 遠位端
34 近位端
36、46、236、246 コネクタ
38、138、238 テンション部材
40、240 細長い保持部材
50 吸収性スペーサー部材
52、152 縫合糸
54、154 第1の端部
56、156 第2の端部
58 第1の環状部分
60 第2の環状部分
62 縫合糸ロック
64 プラグ
66 保持スリーブ
68 管状本体
69、77 内部表面
70、78 内部通路
72 周辺リム
74、84 肩
76 本体
82 ストッパ
83 近位方向に向いている面
86 針
87 針のスロット
88 針のルーメン
89 針の遠位端
90 内側シース
92、96 ルーメン
94 外側シース
98 プッシャー
100 医療送達デバイス
220 組織アンカー
242 近位端
244 遠位端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の体内壁の穿孔を閉じるための医療デバイスであって、
一組の組織アンカーであって、各組織アンカーはクロスバー及びストランドを有し、前記クロスバーは対向する端部を有し且つ長手方向軸線を画定しており、前記ストランドは、前記対向する端部の間の位置において前記クロスバーに連結され且つ長手方向軸線から離れる方向に突き出て、前記クロスバーに連結された遠位端及び第1のコネクタを有する近位端を備えている、一組の組織アンカーと、
前記第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている細長いテンション部材であって、前記穿孔を閉じるために前記ストランドは共に引っ張られて固定されるようになされている、細長いテンション部材と、
を備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記ストランドが前記クロスバーに固定して取り付けられている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記ストランドと前記クロスバーが、一つの要素として一体的且つ単一的に形成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記ストランドが約20mmから約30mmの範囲の長さを有する、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記ストランドを共に固定するための縫合糸ロックをさらに備える、請求項1記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1のコネクタが閉ループである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記細長いテンション部材が第2のコネクタを有する遠位端を有し、前記第1及び第2のコネクタが互いに選択的に係合及び解除するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記細長いテンション部材が、医療専門家が引っ張ることができるように前記身体の外部に位置した第1及び第2の端部と、前記第1及び第2の端部の間に位置する中間部と、を有する細長い縫合糸を備えており、前記縫合糸の前記中間部は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方を医療専門家が離すことによって前記第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記細長いテンション部材は反対側の位置にある第1及び第2の端部を有する細長い縫合糸を含んでおり、前記縫合糸は前記第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されており、前記第1のコネクタは閉ループであり、前記一組の組織アンカーは第1及び第2の閉ループをそれぞれ有する第1の組織アンカー及び第2の組織アンカーを含んでおり、前記縫合糸は、前記第1の端部から第1の環状部分を形成するために折り返される第1の部分まで延在し、前記第1の環状部分から第2の環状部分を形成するために折り返される第2の部分まで延在し、前記第2の環状部分から前記第2の端部、即ち前記第1及び第2の環状部分をそれぞれ選択的に受け入れることができる大きさである前記第1及び第2の閉ループまで延在しており、前記デバイスは前記第1及び第2の環状部分を選択的に係合するための細長い保持部材をさらに含んでいる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
体内壁の穿孔を閉じるためのテンション部材と係合する構造を有する組織アンカーであって、
対向する端部を有し、且つ長手方向軸線を画定しているクロスバーと、
前記対向する端部の間の位置で前記クロスバーに結合されたストランドであって、前記ストランドは前記クロスバーに結合された遠位端から、第1のコネクタを有する近位端まで延在する約5mmから約50mmの範囲の長さを有し、前記ストランド及び前記第1のコネクタは前記長手方向軸線から離れて突き出ているストランドと
を備えている組織アンカー。
【請求項11】
前記第1のコネクタがJ字型フックと閉ループのうちの1つの形をしている、請求項10に記載の組織アンカー。
【請求項12】
前記テンション部材は第2のコネクタを有する遠位端を含んでおり、前記第1及び第2のコネクタが選択的に互いに係合及び解除するように構成されている、請求項10に記載の組織アンカー。
【請求項13】
前記テンション部材が反対側の位置にある第1及び第2の端部を有する細長い縫合糸を含んでおり、前記縫合糸が前記第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている、請求項10に記載の組織アンカー。
【請求項14】
一組のアンカーであって、各アンカーがクロスバーと前記クロスバーに結合されたストランドとを有し、前記ストランドは、前記クロスバーに結合された遠位端を有し、前記ストランドの近位端において第1のコネクタを有している一組のアンカーを、引っ張った状態で固定する方法であって、
細長いテンション部材を管状部材のルーメン内で各ストランドの前記第1のコネクタに結合するステップと、
前記細長いテンション部材と前記一組のアンカーを遠位方向に前記管状部材の遠位端を越えて配置するために前記細長いテンション部材に対して前記管状部材を移動させるステップと、
前記ストランドを共に引っ張るために前記細長いテンション部材を操作するステップと、
前記ストランドを引っ張りつつ共に固定するステップと、
固定された前記ストランドの前記第1のコネクタから前記細長いテンション部材を解放するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記ストランドは約5mmから約50mmの範囲の長さを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記細長いテンション部材が、前記第1のコネクタを選択的に係合及び解除するように構成されている第2のコネクタを有する遠位端を備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のコネクタが閉ループとJ字型フックのうちの一方である、請求項14に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−522598(P2012−522598A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503734(P2012−503734)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/029738
【国際公開番号】WO2010/115072
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】