組込式加熱調理器
【課題】デザイン性を向上させるための操作パネルカバーの装着が容易に行えること。
【解決手段】操作パネルカバー1に、垂直方向に伸びる複数の係止爪3と、相対する開閉式操作部2の側面に係止穴7を設け、操作パネルカバー1を開閉式操作部2に前方から押し当てることにより、係止爪3が開閉式操作部2に係合するため、容易に操作パネルカバー1を装着することができる。
【解決手段】操作パネルカバー1に、垂直方向に伸びる複数の係止爪3と、相対する開閉式操作部2の側面に係止穴7を設け、操作パネルカバー1を開閉式操作部2に前方から押し当てることにより、係止爪3が開閉式操作部2に係合するため、容易に操作パネルカバー1を装着することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台等に組込まれて使用される、開閉式操作部を有する組込式加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、調理器本体を流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に調理器本体の前部を臨ませるように設置した組込式調理器において、前面開口部は上面開口部よりも幅広いため、調理器本体左右側面と流し台の前面開口部との間に空間が生じる。
【0003】
そのため、調理器本体設置後に、調理器本体左右側方と流し台前面開口部との空間を、サイドカバーにて覆う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、サイドカバーと調理器本体との間に隙間や段差が生じやすく、一体感に欠け、外観が損なわれるという課題があるため、開閉式操作部を有するものにあっては、その操作部前面に、サイドカバーまでを覆う操作パネルカバーを設けることにより前記課題を解決したものがある。
【0005】
図12は、従来の操作パネルカバーの略構成図である。操作パネルカバー1には、開閉式操作部2に向かって垂直方向に伸びた係止爪3が設けられている。また、開閉式操作部2の前面部を構成する操作パネル4には、操作パネルカバー1を係止するための上方へ伸びた複数の係止爪5が設けられている。図13は、操作パネルカバー1と操作パネル4との係止部断面を示している。操作パネルカバー1を操作パネル4に沿って上方から下向きにスライドすることにより、操作パネル4の係止爪5が操作パネルカバー1の係止部6に嵌合し係止される。その動作の際、図12の操作パネルカバー1の係止爪3も、開閉式操作部2側面を擦りながら下降し、開閉式操作部2側面に設けられた係止穴7に嵌合し係止される。
【0006】
しかし、かかる先行技術は、記載すべき先行技術文献情報はない。
【特許文献1】特開2007−85608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、操作パネルに設けられた、操作パネルカバーに係止する上向きの複数の係止爪と、操作パネルカバーから垂直方向に伸びた、操作部側面に係止する係止爪の2方向の係止爪が設けられており、操作パネルカバーを操作パネルに装着する際、係止方向の異なる複数の係止部を同時に係止する必要があるため、装着が困難であり、また、取り外しも同様に困難であるという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、操作パネルカバーの着脱が容易かつ確実に行える組込式加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の組込式加熱調理器の操作パネルカバーは、操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合するようにしたものである。
【0010】
これによって、係合部すべてが同一方向による係止となるため、操作パネルカバーの着脱動作がスムーズかつ容易に行える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組込式加熱調理器は、操作パネルカバーの着脱を容易かつ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、前面に開閉式操作部を有する調理器本体を、流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に前記開閉式操作部を臨ませて設置し、調理器本体側面と流し台の前面開口部との間に生じた空間を覆うサイドカバーと、前記開閉式操作部の前面部を構成する操作パネルと、前記操作パネルの前面および前記サイドカバーの前面を覆う操作パネルカバーを有し、前記操作パネルカバーは、操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合するようにしたものであり、係合部すべてが同一方向による係止となるため、操作パネルカバーの着脱動作がスムーズかつ容易に行える。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明において、開閉式操作部内に複数の発光ダイオードを備え、操作パネル前面には、前記複数の発光ダイオードに対応した個々の位置に導光部を設け、操作パネルカバーには、複数の前記導光部に対応した位置に、前記発光ダイオードの点灯を前記操作パネル前面から認識可能とする複数の光透過部を設け、さらに前記複数の導光部周囲に、前記操作パネルカバー側へ突き出す、周囲への光漏れを防止するための遮光壁を設け、前記操作パネルカバーが前記操作パネルに係合する際、前記遮光壁が嵌まり込む凹部を前記操作パネルカバー裏面の前記光透過部周囲に設けた構成とすることにより、操作パネルカバー前面に、発光ダイオードの点灯による動作状態表示、例えば、通電中や調理中という表示を複数設ける場合、操作パネルカバーを操作パネルに係合することで、他方の状態表示への光漏れを防止するための遮光を容易に構成することができる。
【0014】
さらに、操作パネルの遮光壁の操作パネルカバー凹部への嵌まり込みは、操作パネルと操作パネルカバーの位置決めとしても利用できるため、操作パネルカバーと操作パネルのガタつきを抑制することができ、良好な係合状態を得ることができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の操作パネルカバーとの係合部を開閉式操作部左右側面に設けたものであり、係合部を目視で確認しながら操作パネルカバーの着脱を行うことができるため、着脱作業がさらに容易かつ確実なものとなる。
【0016】
第4の発明は、特に、第〜3のいずれか1つの発明の操作パネルカバーとの係合部を操作パネル前面に設けたものであり、操作パネルカバーと操作パネルの当接面が多少不均一であっても、当接面の隙間や浮きの発生を抑えることができ、操作パネルカバーと操作パネルの密着性を高めることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器を示すものである。
【0019】
図4に示すように、組込式加熱調理器は、調理器本体8を流し台9の上面開口部20から挿入し、流し台9の前面開口部21に開閉式操作部2の操作パネル4や加熱庫扉10を臨ませて設置される。この状態では、調理器本体8の加熱庫扉10側側面および開閉式操作部2側側面と流し台9の前面開口部21との間には、それぞれ空間11が生じている。
【0020】
図5に示すように、加熱庫扉10側の空間11および開閉式操作部2側の空間11を埋めるため、加熱庫扉10側サイドカバー12および開閉式操作部2側サイドカバー13をそれぞれ調理器本体8に装着する。
【0021】
さらに図6、図7に示すように、操作パネルカバー1を開閉式操作部2側サイドカバー13の一部を覆うようにして操作パネル4に装着するものである。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、開閉式操作部を開いた状態を示すものである。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示すものである。操作パネルカバー1からは複数の係止爪3が垂直方向に伸びており、また、開閉式操作部2の左右側面には、係止爪3と嵌合する係止穴7が設けられている。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバー係合部の略断面を示すものである。
【0025】
以上のように構成された組込式加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0026】
まず、開閉式操作部2を開いた状態で、操作パネル4前方から操作パネルカバー1の係止爪3と開閉式操作部2左右側面の係止穴7との位置を合わせる。そして操作パネルカバー1の複数の係止爪3を開閉式操作部2に押し当てると、係止爪3は弾性を有する樹脂で構成されているため、開閉式操作部2左右側面に沿って外側にたわみながら奥側へと移動し、操作パネルカバー1が操作パネル4に当接すると同時に開閉式操作部2の係止穴7に嵌り込む。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1を開閉式操作部2に前方から押し当てるといった簡単な動作で、かつ係合部を目視で確認しながら作業できるため、容易かつ確実に操作パネルカバー1を装着することができる。また、操作パネルカバー1を外す際も、同様に容易に行うことができる。
【0028】
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示す図である。図9(a)は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略横断面を示す図であって、図9(b)は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面を示す図である。
【0029】
開閉式操作部2内には複数の発光ダイオード22が設けられ、操作パネル4には発光ダイオード22に対応した位置に複数の導光部23が設けられている。導光部23周囲には凸状の遮光壁27が形成されている。また、遮光壁27の内側には、発光ダイオード22の光を拡散し、明るさを均一化するための光拡散シート25が接着剤で固定されている。
【0030】
さらに、操作パネル導光部23に対応した操作パネルカバー1の複数位置に、発光ダイオード22の光を透過し操作パネルカバー1前面を発光する光透過部24が設けられ、光透過部24以外の部分には、発光ダイオード22の光が透過しないように印刷や塗装が施されている。
【0031】
操作パネルカバー1裏面の複数の光透過部24の個々の周囲には凹部26が設けられ、操作パネルカバー1を操作パネル4に装着した際、操作パネル4の導光部23周囲に設けられた遮光壁27が、操作パネルカバー1裏面の凹部26に嵌まり込むようにしている。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1を操作パネル4に装着した際、遮光壁27により、発光ダイオード22の光が他の光透過部24に漏れることはない。
【0033】
また、操作パネルカバー1と操作パネル4の当接面に隙間が生じていても、遮光壁27が操作パネルカバー1裏面の凹部26に嵌まっていれば、発光ダイオード22の光を遮光することができる。
【0034】
さらに、操作パネル4の遮光壁27の操作パネルカバー1凹部26への嵌まり込みは、操作パネル4と操作パネルカバー1の位置決めとしても利用できるため、操作パネルカバーと操作パネル4のガタつきを抑制することができるので、良好な係合状態を得ることができる。
【0035】
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示す図である。
【0036】
操作パネルカバー1の係止爪3に加えて、操作パネル4の前面にも係止爪14が設けられており、係止爪14に相対する操作パネルカバー1側に係止穴15が開いている。さらに、操作パネルカバー1の前面には化粧板16が接着剤等で取り付けられており、操作パネルカバー1の係止穴15を隠蔽している。
【0037】
図11は、操作パネル前面の係合部の略断面を示すものである。操作パネルカバー1の係止穴15から突出した操作パネル4の係止爪14は、化粧板16裏面の凹部17に収まっている。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1の中央部が操作パネル4の係止爪14によって係合されるため、操作パネルカバー1と操作パネル4の当接面が多少不均一であっても、当接面の隙間や浮きの発生を抑えることができ、操作パネルカバー1と操作パネル4の密着性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる組込式加熱調理器は、設置時に生じる調理器本体側面と流し台前面開口部との空間を埋めるためのサイドカバーによって外観が損なわれるという課題に対し、これを解決するための操作パネルカバーの装着が容易に行えるため、開閉式操作部を有するあらゆる熱源の組込式加熱調理器等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバー係合部の略断面図
【図3】本発明の組込式加熱調理器の、開閉式操作部を開いた状態を示す操作部斜視図
【図4】流し台に組込式加熱調理器を組み込んだ状態を示す斜視図
【図5】流し台に組込式加熱調理器を組み込み、サイドカバーを装着した状態を示す斜視図
【図6】流し台に組込式加熱調理器を組み込み、サイドカバー、操作パネルカバーを装着した状態を示す斜視図
【図7】本発明の組込式加熱調理器の、開閉式操作部を閉じた状態を示す操作部斜視図
【図8】本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図9】(a)本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略横断面図(b)同組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面図
【図10】本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図11】本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面図
【図12】従来の操作パネルカバーの略構成図
【図13】従来の操作パネルカバーと操作パネルとの係止部断面図
【図14】流し台の斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 操作パネルカバー
2 開閉式操作部
3 係止爪
4 操作パネル
7、15 係止穴(係合部)
8 調理器本体
9 流し台
11 空間
13 サイドカバー
20 上面開口部
21 前面開口部
22 発光ダイオード
23 導光部
24 光透過部
25 拡散シート
26 凹部
27 遮光壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台等に組込まれて使用される、開閉式操作部を有する組込式加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、調理器本体を流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に調理器本体の前部を臨ませるように設置した組込式調理器において、前面開口部は上面開口部よりも幅広いため、調理器本体左右側面と流し台の前面開口部との間に空間が生じる。
【0003】
そのため、調理器本体設置後に、調理器本体左右側方と流し台前面開口部との空間を、サイドカバーにて覆う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、サイドカバーと調理器本体との間に隙間や段差が生じやすく、一体感に欠け、外観が損なわれるという課題があるため、開閉式操作部を有するものにあっては、その操作部前面に、サイドカバーまでを覆う操作パネルカバーを設けることにより前記課題を解決したものがある。
【0005】
図12は、従来の操作パネルカバーの略構成図である。操作パネルカバー1には、開閉式操作部2に向かって垂直方向に伸びた係止爪3が設けられている。また、開閉式操作部2の前面部を構成する操作パネル4には、操作パネルカバー1を係止するための上方へ伸びた複数の係止爪5が設けられている。図13は、操作パネルカバー1と操作パネル4との係止部断面を示している。操作パネルカバー1を操作パネル4に沿って上方から下向きにスライドすることにより、操作パネル4の係止爪5が操作パネルカバー1の係止部6に嵌合し係止される。その動作の際、図12の操作パネルカバー1の係止爪3も、開閉式操作部2側面を擦りながら下降し、開閉式操作部2側面に設けられた係止穴7に嵌合し係止される。
【0006】
しかし、かかる先行技術は、記載すべき先行技術文献情報はない。
【特許文献1】特開2007−85608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、操作パネルに設けられた、操作パネルカバーに係止する上向きの複数の係止爪と、操作パネルカバーから垂直方向に伸びた、操作部側面に係止する係止爪の2方向の係止爪が設けられており、操作パネルカバーを操作パネルに装着する際、係止方向の異なる複数の係止部を同時に係止する必要があるため、装着が困難であり、また、取り外しも同様に困難であるという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、操作パネルカバーの着脱が容易かつ確実に行える組込式加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の組込式加熱調理器の操作パネルカバーは、操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合するようにしたものである。
【0010】
これによって、係合部すべてが同一方向による係止となるため、操作パネルカバーの着脱動作がスムーズかつ容易に行える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組込式加熱調理器は、操作パネルカバーの着脱を容易かつ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、前面に開閉式操作部を有する調理器本体を、流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に前記開閉式操作部を臨ませて設置し、調理器本体側面と流し台の前面開口部との間に生じた空間を覆うサイドカバーと、前記開閉式操作部の前面部を構成する操作パネルと、前記操作パネルの前面および前記サイドカバーの前面を覆う操作パネルカバーを有し、前記操作パネルカバーは、操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合するようにしたものであり、係合部すべてが同一方向による係止となるため、操作パネルカバーの着脱動作がスムーズかつ容易に行える。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明において、開閉式操作部内に複数の発光ダイオードを備え、操作パネル前面には、前記複数の発光ダイオードに対応した個々の位置に導光部を設け、操作パネルカバーには、複数の前記導光部に対応した位置に、前記発光ダイオードの点灯を前記操作パネル前面から認識可能とする複数の光透過部を設け、さらに前記複数の導光部周囲に、前記操作パネルカバー側へ突き出す、周囲への光漏れを防止するための遮光壁を設け、前記操作パネルカバーが前記操作パネルに係合する際、前記遮光壁が嵌まり込む凹部を前記操作パネルカバー裏面の前記光透過部周囲に設けた構成とすることにより、操作パネルカバー前面に、発光ダイオードの点灯による動作状態表示、例えば、通電中や調理中という表示を複数設ける場合、操作パネルカバーを操作パネルに係合することで、他方の状態表示への光漏れを防止するための遮光を容易に構成することができる。
【0014】
さらに、操作パネルの遮光壁の操作パネルカバー凹部への嵌まり込みは、操作パネルと操作パネルカバーの位置決めとしても利用できるため、操作パネルカバーと操作パネルのガタつきを抑制することができ、良好な係合状態を得ることができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の操作パネルカバーとの係合部を開閉式操作部左右側面に設けたものであり、係合部を目視で確認しながら操作パネルカバーの着脱を行うことができるため、着脱作業がさらに容易かつ確実なものとなる。
【0016】
第4の発明は、特に、第〜3のいずれか1つの発明の操作パネルカバーとの係合部を操作パネル前面に設けたものであり、操作パネルカバーと操作パネルの当接面が多少不均一であっても、当接面の隙間や浮きの発生を抑えることができ、操作パネルカバーと操作パネルの密着性を高めることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器を示すものである。
【0019】
図4に示すように、組込式加熱調理器は、調理器本体8を流し台9の上面開口部20から挿入し、流し台9の前面開口部21に開閉式操作部2の操作パネル4や加熱庫扉10を臨ませて設置される。この状態では、調理器本体8の加熱庫扉10側側面および開閉式操作部2側側面と流し台9の前面開口部21との間には、それぞれ空間11が生じている。
【0020】
図5に示すように、加熱庫扉10側の空間11および開閉式操作部2側の空間11を埋めるため、加熱庫扉10側サイドカバー12および開閉式操作部2側サイドカバー13をそれぞれ調理器本体8に装着する。
【0021】
さらに図6、図7に示すように、操作パネルカバー1を開閉式操作部2側サイドカバー13の一部を覆うようにして操作パネル4に装着するものである。
【0022】
図3は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、開閉式操作部を開いた状態を示すものである。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示すものである。操作パネルカバー1からは複数の係止爪3が垂直方向に伸びており、また、開閉式操作部2の左右側面には、係止爪3と嵌合する係止穴7が設けられている。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバー係合部の略断面を示すものである。
【0025】
以上のように構成された組込式加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0026】
まず、開閉式操作部2を開いた状態で、操作パネル4前方から操作パネルカバー1の係止爪3と開閉式操作部2左右側面の係止穴7との位置を合わせる。そして操作パネルカバー1の複数の係止爪3を開閉式操作部2に押し当てると、係止爪3は弾性を有する樹脂で構成されているため、開閉式操作部2左右側面に沿って外側にたわみながら奥側へと移動し、操作パネルカバー1が操作パネル4に当接すると同時に開閉式操作部2の係止穴7に嵌り込む。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1を開閉式操作部2に前方から押し当てるといった簡単な動作で、かつ係合部を目視で確認しながら作業できるため、容易かつ確実に操作パネルカバー1を装着することができる。また、操作パネルカバー1を外す際も、同様に容易に行うことができる。
【0028】
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示す図である。図9(a)は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略横断面を示す図であって、図9(b)は、本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面を示す図である。
【0029】
開閉式操作部2内には複数の発光ダイオード22が設けられ、操作パネル4には発光ダイオード22に対応した位置に複数の導光部23が設けられている。導光部23周囲には凸状の遮光壁27が形成されている。また、遮光壁27の内側には、発光ダイオード22の光を拡散し、明るさを均一化するための光拡散シート25が接着剤で固定されている。
【0030】
さらに、操作パネル導光部23に対応した操作パネルカバー1の複数位置に、発光ダイオード22の光を透過し操作パネルカバー1前面を発光する光透過部24が設けられ、光透過部24以外の部分には、発光ダイオード22の光が透過しないように印刷や塗装が施されている。
【0031】
操作パネルカバー1裏面の複数の光透過部24の個々の周囲には凹部26が設けられ、操作パネルカバー1を操作パネル4に装着した際、操作パネル4の導光部23周囲に設けられた遮光壁27が、操作パネルカバー1裏面の凹部26に嵌まり込むようにしている。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1を操作パネル4に装着した際、遮光壁27により、発光ダイオード22の光が他の光透過部24に漏れることはない。
【0033】
また、操作パネルカバー1と操作パネル4の当接面に隙間が生じていても、遮光壁27が操作パネルカバー1裏面の凹部26に嵌まっていれば、発光ダイオード22の光を遮光することができる。
【0034】
さらに、操作パネル4の遮光壁27の操作パネルカバー1凹部26への嵌まり込みは、操作パネル4と操作パネルカバー1の位置決めとしても利用できるため、操作パネルカバーと操作パネル4のガタつきを抑制することができるので、良好な係合状態を得ることができる。
【0035】
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成を示す図である。
【0036】
操作パネルカバー1の係止爪3に加えて、操作パネル4の前面にも係止爪14が設けられており、係止爪14に相対する操作パネルカバー1側に係止穴15が開いている。さらに、操作パネルカバー1の前面には化粧板16が接着剤等で取り付けられており、操作パネルカバー1の係止穴15を隠蔽している。
【0037】
図11は、操作パネル前面の係合部の略断面を示すものである。操作パネルカバー1の係止穴15から突出した操作パネル4の係止爪14は、化粧板16裏面の凹部17に収まっている。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、操作パネルカバー1の中央部が操作パネル4の係止爪14によって係合されるため、操作パネルカバー1と操作パネル4の当接面が多少不均一であっても、当接面の隙間や浮きの発生を抑えることができ、操作パネルカバー1と操作パネル4の密着性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる組込式加熱調理器は、設置時に生じる調理器本体側面と流し台前面開口部との空間を埋めるためのサイドカバーによって外観が損なわれるという課題に対し、これを解決するための操作パネルカバーの装着が容易に行えるため、開閉式操作部を有するあらゆる熱源の組込式加熱調理器等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバー係合部の略断面図
【図3】本発明の組込式加熱調理器の、開閉式操作部を開いた状態を示す操作部斜視図
【図4】流し台に組込式加熱調理器を組み込んだ状態を示す斜視図
【図5】流し台に組込式加熱調理器を組み込み、サイドカバーを装着した状態を示す斜視図
【図6】流し台に組込式加熱調理器を組み込み、サイドカバー、操作パネルカバーを装着した状態を示す斜視図
【図7】本発明の組込式加熱調理器の、開閉式操作部を閉じた状態を示す操作部斜視図
【図8】本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図9】(a)本発明の第2の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略横断面図(b)同組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面図
【図10】本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略構成図
【図11】本発明の第3の実施の形態における組込式加熱調理器の、操作パネルカバーの略縦断面図
【図12】従来の操作パネルカバーの略構成図
【図13】従来の操作パネルカバーと操作パネルとの係止部断面図
【図14】流し台の斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 操作パネルカバー
2 開閉式操作部
3 係止爪
4 操作パネル
7、15 係止穴(係合部)
8 調理器本体
9 流し台
11 空間
13 サイドカバー
20 上面開口部
21 前面開口部
22 発光ダイオード
23 導光部
24 光透過部
25 拡散シート
26 凹部
27 遮光壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開閉式操作部を有する調理器本体を、流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に前記開閉式操作部を臨ませて設置し、調理器本体側面と流し台の前面開口部との間に生じた空間を覆うサイドカバーと、前記開閉式操作部の前面部を構成する操作パネルと、前記操作パネルの前面および前記サイドカバーの前面を覆う操作パネルカバーとを有し、前記操作パネルカバーは、前記開閉式操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合することを特徴とする組込式加熱調理器。
【請求項2】
開閉式操作部内に複数の発光ダイオードを備え、操作パネル前面には、前記複数の発光ダイオードに対応した個々の位置に導光部を設け、操作パネルカバーには、複数の前記導光部に対応した位置に、前記発光ダイオードの点灯を前記操作パネル前面から認識可能とする複数の光透過部を設け、さらに前記複数の導光部周囲に、前記操作パネルカバー側へ突き出す、周囲への光漏れを防止するための遮光壁を設け、前記操作パネルカバーが前記操作パネルに係合する際、前記遮光壁が嵌まり込む凹部を前記操作パネルカバー裏面の前記光透過部周囲に設けた請求項1に記載の組込式加熱調理器。
【請求項3】
操作パネルカバーとの係合部を開閉式操作部左右側面に設けた請求項1または2に記載の組込式加熱調理器。
【請求項4】
操作パネルカバーとの係合部を操作パネル前面に設けた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組込式加熱調理器。
【請求項1】
前面に開閉式操作部を有する調理器本体を、流し台の上面開口部から挿入し、流し台の前面開口部に前記開閉式操作部を臨ませて設置し、調理器本体側面と流し台の前面開口部との間に生じた空間を覆うサイドカバーと、前記開閉式操作部の前面部を構成する操作パネルと、前記操作パネルの前面および前記サイドカバーの前面を覆う操作パネルカバーとを有し、前記操作パネルカバーは、前記開閉式操作部との係止手段である複数の垂直方向に伸びる係止爪を備えており、前記操作パネル前方から覆うように前記操作パネルに当接することにより、前記複数の係止爪すべてが前記開閉式操作部に係合することを特徴とする組込式加熱調理器。
【請求項2】
開閉式操作部内に複数の発光ダイオードを備え、操作パネル前面には、前記複数の発光ダイオードに対応した個々の位置に導光部を設け、操作パネルカバーには、複数の前記導光部に対応した位置に、前記発光ダイオードの点灯を前記操作パネル前面から認識可能とする複数の光透過部を設け、さらに前記複数の導光部周囲に、前記操作パネルカバー側へ突き出す、周囲への光漏れを防止するための遮光壁を設け、前記操作パネルカバーが前記操作パネルに係合する際、前記遮光壁が嵌まり込む凹部を前記操作パネルカバー裏面の前記光透過部周囲に設けた請求項1に記載の組込式加熱調理器。
【請求項3】
操作パネルカバーとの係合部を開閉式操作部左右側面に設けた請求項1または2に記載の組込式加熱調理器。
【請求項4】
操作パネルカバーとの係合部を操作パネル前面に設けた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組込式加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−304117(P2008−304117A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151411(P2007−151411)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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