絆創膏
【課題】吸収パッドを持つ絆創膏を提供する。
【解決手段】絆創膏は、第一表面と、第一表面の反対側の第二表面と、を持つ裏当て層、裏当て層の第二表面に適用された接着層、及び、裏当て層と結合した吸収パッドを有し、吸収パッドは、裏当て層の第二表面に面する第一表面と反対側の第二表面とを含み、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を有し、房状領域の形状は、5〜8個の辺を有する多角形であり、房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有し、溝の網状組織は視認可能である。
【解決手段】絆創膏は、第一表面と、第一表面の反対側の第二表面と、を持つ裏当て層、裏当て層の第二表面に適用された接着層、及び、裏当て層と結合した吸収パッドを有し、吸収パッドは、裏当て層の第二表面に面する第一表面と反対側の第二表面とを含み、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を有し、房状領域の形状は、5〜8個の辺を有する多角形であり、房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有し、溝の網状組織は視認可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上に適用される絆創膏、特に吸収パッドの表面において陥没した相互連結溝の網状組織により包囲及び分離された房状領域を有する吸収パッドを持つ絆創膏に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の創傷には多くの種類がある。それらは、開放創又は閉鎖創である場合がある。開放創としては、切開又は切創、裂創、擦過傷、刺創及び貫通創が挙げられる。閉鎖創としては、打撲傷(あざ)、血腫、及び圧挫損傷が挙げられる。創傷の重症度に依存して、特定の創傷は、縫合及びこれに類するものを介して閉鎖すること、これに続いて、汚れから及び接触による更なる損傷から創傷を保護するために創傷ドレッシングを局所適用することを必要とし得る。同様に、医療手術手順による創傷は、典型的には、創傷を保護するために手術後に創傷ドレッシングの適用を必要とする。
【0003】
体には様々なタイプの創傷が存在するので、このような創傷に対して適用するためのドレッシングにも様々なタイプが存在する。特定のドレッシングでは、例えば、パッドといった吸収構造が、創傷からの滲出物を吸収するために使用される場合がある。他の創傷ドレッシングでは、このような吸収パッドを有さない場合もある。例えば、米国特許第3,053,252号は、非吸収性支持体表面又は端部が創傷部位に対して吸収性表面から突起して、吸収性領域と非吸収性支持体表面のエンボス加工されたパターンを形成する絆創膏を開示している。米国特許第4,781,710号は、溝により包囲された房状領域を有するパッドを利用する絆創膏を開示している。溝は、移送領域及び貯蔵領域の両方を必要とし、ここでは移送領域の密度は貯蔵領域の密度よりも大きい。米国特許第4,259,387号は、体液を吸収するように適合化された吸収性製品に関する。このような製品は、バットの全面に複数の間隔のある比較的狭い高密度のラインを有する、ゆるく圧縮されたセルロース繊維バットを利用する。これらのバットは、不均一な密度を有し、ここで、バットの平均密度よりも低い密度を有する、ラインに近接する修飾されたバット領域に起因して、ラインに近接するバットの領域はラインを覆う又は隠す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏に関し、ここで、この絆創膏は、第一表面と、第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、裏当て層の第二表面の少なくとも一部分に適用された接着層、及び裏当て層と結合した吸収パッドと、を含む。吸収パッドは、裏当て層に面し第一表面積を有する第一表面と、第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、を含む。吸収パッドは複数の房状領域を含み、ここで、房状領域の形状は4〜8個の辺を有する多角形である。房状領域は、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離されている。溝は、吸収パッドの第二表面からコア体の中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端する。吸収パッドは、吸収パッドの第一表面と第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、一方、溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有する。溝基部領域は、溝基部領域の第一表面と第一表面の反対側の溝基部領域の第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。相互連結溝の網状組織は、絆創膏の使用者に視認可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
ここで、図面に表される実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図1】本発明の絆創膏の実施形態の斜視図。
【図2a】直線2a−−−2aに沿って取った、図1に図示されている絆創膏の断面図。
【図2b】図1に示されている絆創膏と同様の絆創膏の断面図。ここで、吸収パッドの第二表面は被覆層を含む。
【図3a】絆創膏の第二表面に垂直に取った、図1に示されている吸収パッドの第一実施形態の平面図。
【図3b】図3aに図示されているパッド実施形態の直線3b−−−3bに沿って取った、側断面図。
【図4a】本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの第二実施形態の側断面図。
【図4b】図4aに示されている吸収パッドを利用する本発明による絆創膏の一実施形態の側断面図。
【図4c】図4aに示されている吸収パッドを利用する本発明による絆創膏の別の実施形態の側断面図。
【図4d】絆創膏の裏当て層の第一側面から見たときの図4cに示された絆創膏の斜視図。
【図5】本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの別の実施形態の図。
【図6】本発明の絆創膏の別の実施形態の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明による絆創膏は、皮膚から離れた方向を向く第一表面と、第一表面の反対側で皮膚に面する第二表面と、を有する裏当て層を含む。裏当て層は、例えば、矩形、正方形、長円形、円形、卵形、楕円形などの様々な形状を有し得る。絆創膏の形状は、裏当て層の形状により画定される。裏当て層は、薄く、高可撓性又は変形可能性であり、水不透過であり、並びに、透明又は不透明であり得る。一般に、裏当て層の厚さは、所望される変形性及び可撓性を達成するために0.05〜0.20ミリメートルの範囲内に入るべきである。
【0007】
ポリエチレンフィルムを裏当て層として使用してもよく、特に有効な結果は、ポリウレタン製伸縮性エラストマーフィルムで達成することができ、これは気体(水蒸気)透過性という更なる利点を有する。しかしながら、当該技術分野において既知の他の可撓性水不溶性高分子フィルムを使用してもよいことが理解される。更に、裏当て層は、独立気泡高分子発泡体、特に使用者の皮膚から離れた方向を向く側を覆う組込型表皮層を有するものから形成されてもよい。ポリウレタン又はポリエチレンから形成された発泡体層は好適であり、一方、同様の特性を有する他の高分子発泡体を使用してもよい。加えて、裏当て層は、他のポリオレフィン、ビニルポリエチレンアセテート、不織布、ゴム又は絆創膏業界で既知の他の材料から製造されてもよい。本発明の絆創膏において使用される裏当て層を製造するのに用いられるポリマーは、約190℃の温度にて約500〜500,000センチポアズ、又は約190℃の温度にて約1,000〜30,000センチポアズ、又は約190℃の温度にて約3,000〜15,000センチポアズの粘度を呈し得る。裏当て層は、液体に対して不透過性であり得るが、気体に対しては透過性であり得、これにより本発明の絆創膏が付着した創傷及び皮膚は呼吸することができる。一実施形態では、裏当て層は、きわめて小さなサイズの分子を有する気体の通過のみを許容するサイズの孔を有し得る。最後に、皮膚の更なる通気のために穿孔された裏当て層を思い付くことができる。穿孔は領域が円形であってもよく、例えば、約0.1〜約0.8ミリメートルといった一定範囲の直径を有してもよい。しかしながら、裏当て層は、必要な場合は、気体に対して全体として不透過性であってもよい。
【0008】
本発明の絆創膏は、裏当て層と結合した吸収パッドを含む。本明細書で使用するとき、「裏当て層と結合した」は、吸収パッドが裏当て層に直接的又は間接的のいずれかで固定され、その結果、通常使用中に裏当て層から分離するようにはならないことを意味する。結合は、裏当て層の第二表面と吸収パッドの第一表面との間に接着層を適用し、これにより吸収パッドを裏当て層に直接的に接着結合することにより、達成され得る。吸収パッドはまた、中間層と結合させ、中間層を今度は裏当て層と結合させ、したがって、中間層を介して吸収パッドを裏側層に間接的に結合させてもよい。結合はまた、超音波溶接などの他の既知の手段により達成してもよい。
【0009】
吸収パッドは、裏当て層の第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、第一表面の反対側であり皮膚に面する第二表面積を有する第二表面と、を含む。本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、使用の際に裏当て層上の接着層が使用者の皮膚と接触するが好ましくは創傷表面とは接触しないように裏当て層よりも小さな領域を覆うように寸法取りされる。特定の実施形態では、吸収パッドは、5〜7個の辺を有する。吸収パッドは、糸、織糸、網、レース、フェルト及び不織布からなる群から選択される材料を含む繊維性マトリックスであってもよい。本発明の絆創膏における吸収パッドとして選択される材料の坪量は、本発明のものと同様の用途において利用される絆創膏のための吸収パッドを製造すべく従来使用されているもののいずれかであってもよい。例えば、材料の坪量は、約101.7グラム/m2(3.0oz/yd2)〜約186.5グラム/m2(5.5oz/yd2)であってもよいが、本発明はそのように限定されるものではない。
【0010】
吸収パッドは、絆創膏における使用のためにこのようなパッドを形成することにおいて、当該技術分野で一般に使用される任意のタイプの材料から製造され得る。使用され得る材料としては、セルロース繊維ガーゼ、軽度に架橋した組織構造、及び、綿、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、又はビスコースレーヨンとポリオレフィンのブレンドなどの天然若しくは合成材料を含む他の繊維性パッド、又は吸収材であり、並びに、吸収パッドの表面において陥没した相互連結溝の網状組織を形成するためにエンボス加工できる他の材料が挙げられる。特定の実施形態では、吸収性パッドは、水に分解性ではない。
【0011】
吸収パッドは、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含む。房状領域は、実質的に高密度ではない、すなわち、溝基部領域の密度と比較して相対的に低密度であると理解される。用語「溝」は、房状領域を分離及び包囲する陥没した領域を指す。房状領域の第一及び第二表面はそれぞれ、吸収パッドの第一及び第二表面と一致する。吸収パッドは、吸収パッドの第一表面と第二表面との間の最大距離により画定される厚さを有する。典型的には、吸収パッドの厚さは、約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルの範囲であり得る。
【0012】
吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝は、直線であり、吸収パッドの第二表面からコア体の中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端する。溝基部領域は更に、第一表面の反対側の第二表面、並びに、溝基部領域の第一表面と第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。特定の実施形態では、相互連結溝の第二網状組織は、吸収パッドの第一表面の中に陥没する。相互連結溝の第二網状組織は、吸収パッドの第二表面において見られる相互連結溝の第一網状組織と合致している場合もある。吸収パッドの第一表面における溝は、第一表面から吸収パッドのコアの中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝基部領域の第二表面において終端し、溝基部領域は吸収パッドの第一表面における溝側壁の間に延びる。
【0013】
房状領域は、実質的に均一な第一密度を有する。「実質的に均一な第一密度」により、溝に近接する房状領域の密度が房状領域の全面積にわたる房状領域の平均密度と実質的に同一であり、その結果、溝は、溝に近接する房状領域により隠されないことが意味される。溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有する。「実質的に均一な第二密度」により、溝基部領域が溝基部領域にわたって実質的に同一であることが意味される。一部の実施形態では、溝基部領域の第二密度は房状領域の第一密度の約12倍以下の大きさであり、又は、房状領域の密度の1.1〜約10倍の大きさである。一部の実施形態では、房状領域の実質的に均一な第一密度は、約0.082グラム/立方センチメートル〜約0.17グラム/立方センチメートルである。一部の実施形態では、溝基部領域の実質的に均一な第二密度は、約0.11グラム/立方センチメートル〜約0.96グラム/立方センチメートルである。陥没した相互連結溝の網状組織は、吸収パッドの表面の表面積の約5〜約20パーセント、又は吸収パッドの表面の表面積の約10〜約15パーセントを含み得る。これは、溝がパッドの片面に存在するか又は両面上に存在するかのいずれかである。
【0014】
溝基部領域の厚さは、チャネルの深さ、並びに、そこに陥没した溝を有するのが吸収パッドの両面なのか又は片面だけなのかのいずれかに依存して、約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルで変動し得る。房状領域の実質的に均一な第一密度に加えて、溝は、相互連結溝の網状組織が使用者に視認可能であるような幅と深さを有する、「視認可能」により、皮膚又は創傷に絆創膏を適用する際、例えば、約15.2〜約61.0cm(約6〜約24インチ)又は約15.2〜約30.5cm(約6〜約12インチ)といった、使用者により通常遭遇する距離にて絆創膏が観察されたときに、相互連結溝の網状組織が房状領域から識別可能であることが意味される。
【0015】
吸収パッド内の相互連結溝は、数多くの機能を提供する。相互連続溝は機能して、例えば、創傷滲出物といった低粘性流体を創傷表面から吸い上げ作用により移送する。本明細書で使用するとき、低粘性流体は、50,000センチポアズ未満の粘度を有するものである。チャネル基部領域は、房状領域に対してのこれらのより高い密度に起因して、これらの繊維間により小さな毛管を有しており、より低い密度の房状領域と同じ量の流体を吸収することはできない。したがって、溝基部領域は、比較的早い吸い上げを提供する。房状領域は、溝基部領域の密度よりも低い密度を有し、それゆえに、これらの繊維間に溝基部領域よりも大きな毛管を有する。これは、房状領域に対して、溝基部領域よりも多くの液体を吸収する傾向を与える。使用の際、吸収パッド上に付着する低粘性液体は、ある程度房状領域により吸収される。本発明の絆創膏では、低粘性液体が付着する領域に近接する房状領域は、吸収パッド上の液体の「パドリング」を防止するのに十分なほど早く液体を吸収可能ではなく、これは結果的に使用者に対して不快な濡れた感覚を与え、皮膚刺激を生じる恐れがある。過剰な液体は相互連結溝に入り得、これは次に液体を吸収パッドのそれほど飽和していない他の房状領域に方向付け、その結果、これらは過剰な低粘性液体を受容及び吸収する。
【0016】
相互連結溝の別の機能は、高粘性流体に対する貯蔵部位として働くことである。本明細書で使用するとき、高粘性流体は、50,000センチポアズ超の粘度を有するものである。使用者が高粘性単軟膏、香油、皮膚軟化剤、軟膏、クリーム又は膏薬を創傷部位上に配置し、次に均一な密度を有する標準的なパッドを構造全体を前記高粘性流体と接触させて配置する場合、流体は、創傷部位から、創傷を覆わないパッドの部分に広がる恐れがある。しかしながら、使用者が高粘性単軟膏、香油、皮膚軟化剤、軟膏、クリーム又は膏薬を創傷部位上に配置し、次に本発明の絆創膏を前記高粘性流体と接触させて配置する場合、流体は、低密度房状領域から相互連結溝内の相対的に高い密度の溝基部領域に流れ得るこのように、高粘性流体は、創傷部位に保持され得る。
【0017】
相互連結溝の網状組織の更に別の機能は、使用者に視覚的手掛かりを提供することである。本明細書で使用するとき、用語「視覚的手掛かり」は、例えば、使用者への製品又は製品の部分の見え方といった視覚的情報を指し、これは、製品の1つの又は複数の機能を識別することに関連して使用される。本発明の絆創膏に関する視覚的手掛かりは、吸い上げ作用により創傷表面から低粘性流体を移送すること及び/又は高粘性流体に対する貯蔵部位として働くことにおける、溝の機能についてのものである。したがって、相互連結溝の網状組織は、上記に定義したように、視認可能である。一部の実施形態では、溝の幅は約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートル又は約0.3ミリメートル〜約0.45ミリメートルであり、深さは約0.02〜約2.0ミリメートル又は約0.04〜約1.1ミリメートルである。特定の実施形態では、吸収パッドの第二表面から観察した場合に、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の少なくとも第一網状組織が使用者に視認可能である。他の実施形態では、それぞれ、各表面から観察した場合に、吸収パッドの第一及び第二表面において陥没した相互連結溝の第一及び第二網状組織の両方が使用者に視認可能である。一実施形態では、吸収パッドの第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織が裏当て層を通して使用者に視認可能であり得、ここで、裏当て層は透明又は半透明である。別の実施形態では、裏当て層は、絆創膏の製造プロセスに起因して、相互連結溝の網状組織にぴったり一致し得る。この実施形態では、裏当て層それ自体は、本明細書に示すように、裏当て層の第一表面に陥没した相互連結溝の網状組織を含む。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、絆創膏は、裏当て層と吸収パッドとの間に配置された中間層を更に含む。裏当て層が透明又は半透明である中間層が、典型的には、使用され得る。このような絆創膏では、中間層は、使用者の皮膚と同様の色を有してもよく、使用者に対して吸収パッドの外観を隠し、このパッドは血液を含む創傷からの滲出物を含み得る。使用される場合、このような中間層は、同様な用途に対して当業者に既知の材料から製造され得る。中間層は、絆創膏を形成するのに当該技術分野において一般に使用されている任意のタイプの材料から製造することができる。一部の実施形態では、中間層は、例えば、Delstar Technologies,Inc.(Middletown,DE)から入手可能な商品名Delnetで販売されているものなどのプラスチック網目材料から製造することができる。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、吸収パッドの第二表面、すなわち、皮膚に面する表面は、これに固定された被覆層を含む。存在する場合、被覆層は吸収パッドの第二表面の一体構成要素と考えられ、相互連結溝の網状組織は、吸収パッドに被覆層を適用した後に、吸収パッドの中にエンボス加工される。同様に、被覆層もまた、皮膚に面する表面において陥没した相互連結溝の網状組織を含む。被覆層は、創傷に対して追加的保護を提供し、吸収パッドが繊維性である場合には、繊維が創傷を刺す又は溝を覆い隠すのを防止する。被覆層は、創傷から吸収パッドへの滲出物の通過を可能にするために、滲出物に対して透過性である。したがって、被覆層は、穿孔を含み得る。被覆層は、例えば、Delstar Technologies,Inc.(Middletown,DE)から入手可能な商品名Delnetで販売されているものなどのプラスチック網目材料から製造され得る。
【0020】
一般に、様々な感圧接着剤のいずれかを接着層として本発明に利用して、裏当て層に吸収パッドを結合し、皮膚に絆創膏を付着させることができる。特に、ヒトの皮膚に対して生体適合性を有する感圧接着剤が、典型的には利用される。更に、本発明で使用される接着剤は、概して水溶性、若しくは概して水不溶性、又は水性環境において分散性のいずれかであり得る。例えば、1つの好ましい市販の分散性感圧接着剤は、商品名HL−9415−Xで販売されており、H.B.Fuller Companyから入手可能である。別の好適な接着剤としては、約10〜75重量%のポリアルキルオキサゾリンポリマー、ヒドロキシ化合物又はカルボン酸化合物を含む10〜75重量%の官能性希釈剤、及び5〜50重量%の粘着付与剤が挙げられる。
【0021】
水分散性ポリマー構成成分としては、例えば、商品名IGEPAL.CO及びIGEPAL.CA(Rhone−Poulenc,Inc.から入手可能)で販売されているような、ポリ(エチレンオキシド)アルキルフェニルエーテル、商品名BRIJ(ICI Americas,Inc.から入手可能)で販売されているような、ポリ(エチレンオキシド)ラウリル、セチル、及びオレイルエーテル、ポリ(エチレンオキシド)ラウレート、ポリ(エチレンオキシド)オレエート、オレイン酸ソルビタン、商品名PLURONIC及びTETRONIC(BASF Corporationから入手可能)で販売されているような、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、並びに商品名GAFAC PE−510(International Specialty Productsから入手可能)で販売されているような、有機リン酸エステルなどの界面活性剤が挙げられる。他の構成成分の実施例としては、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、及び2−メトキシエチルアクリレートなどのポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)(SARTOMER Company,Inc.から入手可能)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、商品名GANTREZ(International Specialty Productsから入手可能)で販売されている、ポリ(ビニルメチルエーテル:無水マレイン酸)、商品名SANNIX(Sanyo Chemical Industriesから入手可能)で販売されているような、ポリ(プロピレングリコール)などのポリ(エーテルポリオール)、それらのコポリマー、及びそれらに類似するものが挙げられるが、これらに限定されない。これらのコポリマー及びアルキル(メタ)アクリレートエステル又はビニルエステルのコポリマーもまた、好適である。オクラ及びグアーから得られるようなガムもまた、使用され得る。
【0022】
更に別の好適な感圧接着剤としては、約10〜約80重量%のアルカリ可溶性ポリマー、約0〜約30重量%のポリ(ビニルメチルエーテル)、約30〜約70重量%の粘着付与樹脂、及び約5〜約30重量%の好適な可塑剤が挙げられる。好適な接着剤の更に他の実施例としては、ATO Findley,Inc.から入手可能な、HX 9236−01又はHX 9237−01ホットメルト接着剤が挙げられる。
【0023】
本発明で使用される接着層は、ヒドロコロイドを含んでもよい。使用されるヒドロコロイド要素は、数ある中でも、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、多糖、アルギン酸ナトリウム又はカルシウム、キトサン、海草抽出物(カラギーナン(cageenan))、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸、あるいはそれらの塩及び誘導体などの、本利用において良好な性能を呈する任意の物質であってもよい。
【0024】
数ある中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びペクチンなどのヒドロコロイドは、創傷からの体液と接触するとすぐに、ゲルを形成する物質である。絆創膏で使用される場合、これらのヒドロコロイドは、エラストマー及び/又は接着剤と混合される。好ましくは、絆創膏は、治癒の加速に好適な湿った環境を提供すべきだが、浸潤又は瘢痕形成は生じさせるべきではない。
【0025】
ペクチンは、例えば、シトラス系の果物(citric fruits)の皮又はリンゴ果肉といった野菜種から抽出される複合体構造多糖であり、高親水性構造を有する。結果として、ペクチンは、体液の水分子と容易に会合して、傷の場所に粘稠なゲルを形成する。そのアルギン酸との化学的類似性によって、吸収及びゲル形成の物理的特徴は、相互に類似する。
【0026】
次に、カルボキシメチルセルロースは、セルロースのアルカリ(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)、水酸化物との反応によって形成される、セルロース誘導体である。組み合わされたアルカリの性質は、カルボキシメチルセルロースのイオン特性を付与する。水酸化ナトリウムが使用される場合、カルボキシメチルセルロースナトリウムが形成される。ペクチンの場合と同様に、カルボキシメチルセルロースは、創傷から生じる液体由来の水に素早く溶解し、制御された粘度で、創傷上にゲルを形成する。
【0027】
ヒドロコロイドの使用の更なる利点として、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースの両方が、酸性特性(約4のpH)を有するゲルを形成し、殺菌剤としての機能を果たすことに留意されたい。
【0028】
使用される接着要素は、数ある中でも、例えば、アクリル系接着剤などのそのような使用に関して既知の、任意の従来の接着剤であってもよい。加えて、このような接着剤は、接着を強化させるための樹脂、凝集強化剤、吸収剤(好ましくは、ポリアクリレート超吸収体、ポリアクリレート塩超吸収体、又はそれらの混合物)、可塑剤、及び場合により顔料を含有してもよい。接着層は、ライン、スクリーン、スプレー、又は、当業者が不連続であると理解する任意の他のパターンで裏当て層の表面に配置された不連続なパターンで更に構成されてもよい。
【0029】
図1及び図2aは、本発明の絆創膏の第一実施形態を図示する。絆創膏10は、第一表面22とその反対側の第二表面24とを有する裏当て層20、並びに、第一表面22及び第二表面24により結合されているコア体を含む。接着層30は、裏当て層20の第二表面24の少なくとも一部分の上に配置される。図1及び図2aは、裏当て層20の第二表面24の全体の上に配置されている接着層30を示す。吸収パッド40は、吸収パッド40が例えば接着結合により裏当て層20に結合されるように、接着層30上に配置される。接着層30が裏当て層20の第二表面24の全体を覆って示されているが、適用される接着剤の量、裏当て層上の接着層の位置及び接着層に被覆される第二表面の部分の表面積が本明細書で説明しているように吸収パッドを裏当て層に結合させ、並びに絆創膏を皮膚に付着させるのに十分であれば、接着層は裏当て層の第二表面の一部分の上に配置されてもよいことが理解されよう。
【0030】
図2bは、吸収パッド40の第一表面がそれに固定された被覆層43を含むことを除き、図1及び図2aに示されているものと同様の実施形態である。被覆層43は、相互連結溝の網状組織が被覆層43の中で陥没し視認可能であるように、エンボス加工に先立って吸収パッド40に適用される。
【0031】
図3aは、吸収パッド40の第二表面24に対して垂直に見たときの図1に示されているような吸収パッド40の図を表す。パッド40は、パッド40の第二表面42において陥没した相互連結溝46の網状組織により包囲及び分離された房状領域44を含み、これにより本発明の絆創膏において使用される例えば六角形といった高密度化パターンの第一実施形態を提供する。
【0032】
図3bは、図3の直線3b−−−3bに沿って取った、吸収パッド40の側断面図である。吸収パッド40は、第一表面41、第二表面42、コア体45、複数の房状領域44、及び、パッド40の第二表面42において陥没した相互連結溝46の網状組織を有する。吸収パッド40の厚さ(tt)は、吸収パッド40の第一表面41と第二表面42との間の距離により画定される。
【0033】
房状領域44は、ttの厚さ及び実質的に均一な第一密度を有する。示されているように、房状領域44の第一表面及び第二表面は、パッド40の第一表面41及び第二表面42と一致する。同様に、パッド40と房状領域44の厚さは、同じである。相互連結溝46は、吸収パッド40の第二表面42からコア体45の中に延びる溝側壁47を有し、溝側壁47は溝側壁47の間に延びる溝基部領域48の第一表面48aで終端する。溝基部領域48は、基部領域48の第一表面48aと第二表面48bの間の距離により画定される厚さ(tc)、及び、房状領域44の実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有する。本明細書で使用するとき、用語「低い密度、中間の密度及び高い密度」は、互いに対する比較で使用される相対的な用語であり、本明細書で特に量化されない限り、いずれの具体的な密度又はいずれの程度の密度を指すことを意図するものではない。
【0034】
図4aは、本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの第二実施形態の側断面図である。この実施形態では、吸収パッド80は、第一表面81、被覆層が固定されている第二表面82、コア体85、房状領域84、及び、第二表面82において陥没した相互連結溝86を有する。吸収パッド80の厚さ(tt)は、吸収パッド80の第一表面81と第二表面82との間の距離により画定される。房状領域84は、ttの厚さ及び実質的に均一な第一密度を有する。第二パッド表面82において陥没した相互連結溝86は、吸収パッド80の第二パッド表面82からコア体85の中に延びる溝側壁87を有し、溝側壁87は溝側壁87の間に延びる溝基部領域88の第一表面88aで終端する。第一パッド表面81において陥没した相互連結溝83は、吸収パッド80の第一パッド表面81からコア体85の中に延びる溝側壁89を有し、溝側壁89は溝側壁89の間に延びる溝基部領域88の第二表面88bで終端する。溝基部領域88は、溝基部領域88の第一表面88aと第二表面88bの間の距離により画定される厚さ(tc)、及び、房状領域84の実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有する。
【0035】
図4b〜4dは、図4aに表した吸収パッド80を含む本発明の絆創膏の実施形態である。図4bに示されているように、吸収パッド80は、接着層92を介して裏当て層90に結合されている。相互連結溝83及び房状領域84はそれぞれ示されている。この実施形態では、相互連結溝83の網状組織は、例えば、裏当て層90が透明又は半透明である場合、裏当て層90の第二表面94を通して使用者に視認可能であってもよいが、このような可視性は必要ではない。図4cに示されているように、吸収パッド80は、接着層92を介して裏当て層90に結合されている。溝83及び房状領域84はそれぞれ示されている。この実施形態では、裏当て層90は、裏当て層90が裏当て層90の第二表面94において陥没した相互連結溝83の網状組織を含むように、陥没した溝83にぴったり一致する。同様に、裏当て層90において陥没した相互連結溝83の網状組織は、使用者に視認可能である。図4dは、裏当て層90の表面94に対して垂直に見たときの図4cに表した実施形態の図である。この実施形態では、房状領域84及び溝83により形成された高密度化パターンが、使用者に視認可能である。
【0036】
図5は、本発明の絆創膏において使用される吸収パッドのパッド高密度化パターンの追加の実施形態を表す。図5では、吸収パッド50は、陥没した相互連結溝56の網状組織により分離された房状領域54を有する。房状領域54は、吸収パッドの第二表面に対して垂直に見たときにダイヤモンド形状を有する。本発明の絆創膏の更に別の実施形態が、図6において側断面図で示される。絆創膏110は、第一表面122と、その反対側の第二表面124と、を有する裏当て層を含む。接着層130は、裏当て層120の第二表面124上に配置される。中間層150は、裏当て層120と中間層150の間に結合を達成するように、接着層130上に配置される。吸収パッド140は、中間層150に結合されている。
【0037】
図6は裏当て層120の第二表面124の全体の上に配置された接着層130を示しているが、接着層130は本明細書において上記で説明したように裏当て層120の第二表面124の一部分の上に配置されてもよいことが理解されよう。吸収パッド140は、中間層150の一部分の上に配置され、中間層150と吸収パッド140の間の結合を達成し、それにより中間層150を介して裏当て層120にパッド140を結合するように、中間層150と結合される。結合は、接着剤の形態であってもよく、あるいは、超音波溶接によるなどの任意の他の既知の結合手段であってもよい。図6は中間層150の全体の上に配置されている吸収パッド140を示しているが、吸収パッド140が中間層150の一部分の上に配置されてもよいことは理解されよう。
【0038】
吸収パッド140及び中間層150は、例えば、矩形、正方形、長円形、円形、卵形、楕円形などの様々な形状を有してもよく、並びに、使用の際に、接着層130が使用者の皮膚とは接触するが好ましくは創傷表面とは接触しないように、裏当て層120よりも小さな領域を覆うように寸法取りされ得る。
【0039】
吸収パッドは、糸、織糸、網、レース、フェルト及び不織布からなる群から選択される統制された網状組織を含む繊維性マトリックスであってもよい。吸収パッドの好ましい製造方法は、不織布形成の湿式集積プロセスとして当業者に既知である。
【0040】
エンボス加工は、ウェブに張力を提供するためのニップロールと、硬化鋼から構成された彫刻/切削されたロールと、超音波ホーンと、を含む超音波システムを通して超音波的に行われ得る。超音波ホーン及び彫刻/切削されたロールは、エンボス加工される材料がロール間にない場合にロールとホーンが間隙を全く有さないような位置にセットされる。ウェブは一定かつ維持された張力を有し、超音波システムでウェブをエンボス加工する。
【0041】
別の方法としては、エンボス加工は、ウェブに張力を提供するためのニップロールと、硬化鋼から構成された彫刻/切削されたロールと、アンビルロールと、を含む加熱されたロールシステムを通して、熱及び圧力を使用して行われてもよい。熱は、基材の温度を上昇させるために、この領域に適用される。アンビルロール及び彫刻/切削されたロールは、エンボス加工される材料がロール間にない場合にロールとアンビルが間隙を全く有さないような位置にセットされる。ウェブは一定かつ維持された張力を有し、彫刻/切削されたロール及びアンビルでウェブをエンボス加工する。
【0042】
本発明の絆創膏を製造するプロセスは、絆創膏を製造するための従来既知のプロセスのいずれであってもよい。裏当て層、吸収パッド及び接着層は、現在利用可能な任意の方法により、得ることができる。例えば、裏当て層を得るために、押出プロセスが使用されてもよい。同様に、接着層も、任意の既知の方法で製造することができる。本明細書に記載されるような裏当て層が得られ、本明細書に記載されるような接着層が支持層の第二表面に適用される。次に、吸収パッドが接着結合層に結合され、これにより吸収パッドを裏当て層に結合する。
【0043】
本発明の絆創膏は、理想的には、皮膚の表面に対する治療薬などの、1つ以上の活性成分を送達するのに適している。本発明の絆創膏に含有される場合、1つ以上の活性成分は、絆創膏の吸収パッドに主に若しくは専らに含有されてもよい。本発明の絆創膏を介して、皮膚に送達され得る活性成分の例示的な種類としては、抗生物質、鎮痛剤、解熱剤、抗菌剤、消毒剤、抗アレルギー剤、抗ニキビ剤、麻酔剤、抗炎症薬、止血剤、化粧品、ビタミン、血管拡張剤、皮膚軟化剤、pH調整剤、かゆみ止め薬、反対刺激剤、抗ヒスタミン剤、及びステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のドレッシングを介して、皮膚に送達され得る特定の活性成分としては、クロルヘキシジン、硫酸ネオマイシン、硫酸ポリミキシン−B、亜鉛バシトラシン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ブピバカイン、テトラカイン、シンカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルファジアジン銀、ヒドロコルチゾン、メタンジエノン、トリプシン、トラゾリン、ヘパリン、プラモキシン、アロエベラ、トレチノイン、レチノール、レチンアルデヒド、メントール、カプサイシン、αヒドロキシ酸、及びビタミンEなどのビタミンが挙げられる。
【0044】
本発明の様々な実施形態を上記に記載したが、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【実施例】
【0045】
実施例1:エンボス加工されたパッド及び絆創膏の製造
125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)のポリプロピレン(PP)及び125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)のポリエチレンテレフタレート(PET)パッドストックからそれぞれ吸収パッドを作製した。パッドに相互連結溝の六角形パターンをエンボス加工した。ゆっくりしたスピードと速いスピードでエンボス加工を行った。次に、一部の吸収パッドをポリエチレン裏当て層に接着して、絆創膏を形成した。全部で4つの異なるパッドと4つの異なる絆創膏を形成した。
【0046】
Mituoyo PH−A14 Profile ProjectorをQM−Data 200と共に使用して、房状領域の厚さ(tt)、溝基部領域の厚さ(tc)及び溝基部領域の幅(wc)を光学的に測定した。標本を六角形パターンに対して直角にレザーカットした。形成された4つの異なるパッド及び4つの異なる絆創膏の各々に5回の測定を行った。房状及び溝基部領域の厚さに基づいて、溝基部領域の深さ(hc)を計算した。
【0047】
表1は、房状領域の厚さ(tt)の最大値及び最小値、溝基部領域の厚さ(tc)の最大値及び最小値、溝基部領域の幅(wc)、並びに、溝基部領域の深さ(hc)を示す。
【表1】
【0048】
実施例2:エンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの流体吸収
実施例1におけるように、125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)ポリプロピレン(PP)不織布パッドストック及び125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布パッドストックから2.54cm×2.54cm(1インチ×1インチ)吸収パッドを作製した。一部の吸収パッドに、実施例1のものの中間のスピードにて、試験のために相互連結溝の六角形パターンをエンボス加工した。全部で4つの異なるパッドを試験した。
【0049】
50,000センチポアズ未満の粘度を有する人工血液の液滴50μL上に各パッドを配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各パッド上に配置した。次に、3分後に、画像解析を用いて血液広がり面積を測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定した。
【0050】
表2は、エンボス未加工パッドに対する、表面にエンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドについての広がり面積を示す。
【表2】
【0051】
この表は、本発明に従って吸収パッドをエンボス加工することが人工血液の広がり面積を有意に増加させることを示す。
【0052】
実施例3:エンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの軟膏の広がり
実施例2に従って作製された吸収パッドを下記のように軟膏の広がりについて試験した。
【0053】
色付き抗菌軟膏(0.1グラム)を各パッド上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各パッド上に配置した。次に、軟膏広がり面積を、画像解析を用いて測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定した。
【0054】
表3は、エンボス未加工パッドに対する、表面にエンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドについての広がり面積を示す。
【表3】
【0055】
この表は、本発明に従って吸収パッドをエンボス加工することが色付き軟膏の広がり面積を有意に減少させることを示す。
【0056】
実施例4:絆創膏上のエンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの流体吸収
実施例2に従って作製した吸収パッドを、感圧接着剤を適用したポリエチレン積層裏当て層上に配置した。この絆創膏を下記のように流体吸収について試験した。
【0057】
各絆創膏を人工血液の液滴30μL上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各絆創膏上に配置した。次に、3分後に、血液広がり面積を、画像解析を用いて測定し、絆創膏面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定し、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏と比較した。表4は、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏に対する本発明による絆創膏についての広がり面積を示す。
【表4】
【0058】
この表は、本発明に従って絆創膏上の吸収パッドをエンボス加工することが、比較用絆創膏と比較して、人工血液の広がり面積を有意に増加させることを示す。
【0059】
実施例5:絆創膏上のエンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの軟膏の広がり
実施例2に従って作製した吸収パッドを、感圧接着剤を適用したポリエチレン積層裏当て層上に配置した。この絆創膏を下記のように軟膏広がり面積について試験した。
【0060】
色付き抗菌軟膏(0.05g)を各絆創膏上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を各絆創膏上に配置した。次に、10秒後に、軟膏広がり面積を、画像解析を用いて測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定し、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏と比較した。表5は、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有さないパッドを利用する比較用絆創膏に対する本発明による絆創膏についての広がり面積を示す。
【表5】
【0061】
この表は、本発明に従って絆創膏上のパッドをエンボス加工することが、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏に対して、色付き軟膏の広がり面積を有意に減少させることを示す。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏であって、
第一表面と、前記第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、
前記裏当て層の前記第二表面の少なくとも一部分に適用されている接着層、及び
前記裏当て層と結合した吸収パッドを含み、前記吸収パッドは、
前記裏当て層の前記第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、
前記第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、
コア体と、を含み、
前記吸収パッドは、前記吸収パッドの前記第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含み、前記溝は、前記吸収パッドの前記第二表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁は該溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端し、
前記房状領域の形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、前記房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、前記溝基部領域は、前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有し、前記溝の網状組織は視認可能である、絆創膏。
(2) 前記溝基部領域の前記第二密度が、前記房状領域の前記第一密度の約12倍以下の大きさである、実施態様1に記載の絆創膏。
(3) 前記溝基部領域の前記実質的に均一な第二密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)である、実施態様1に記載の絆創膏。
(4) 前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度が約0.082g/cm3(約0.082g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)である、実施態様1に記載の絆創膏。
(5) 前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、実施態様1に記載の絆創膏。
(6) 前記吸収性パッドが水中で分解性ではない、実施態様1に記載の絆創膏。
(7) 前記相互連結溝の第一網状組織が、前記吸収パッドの前記第二表面の前記第二表面積の約5〜約20パーセントを含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(8) 前記吸収パッドが、天然及び合成材料からなる群から選択される繊維を含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(9) 前記裏当て層と前記吸収パッドの間に配置された中間層を更に含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(10) 前記房状領域の前記形状が六角形であり、前記溝基部領域の前記実質的に均一な密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)であり、前記房状領域の前記実質的に均一な密度が約0.086g/cm3(約0.086g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)であり、前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、実施態様1に記載の絆創膏。
【0063】
(11) 前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織を更に含み、前記房状領域が、前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した前記相互連結溝の第二網状組織により包囲及び分離され、前記相互連結溝の第二網状組織内の前記溝が、前記吸収パッドの前記第一表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁が、前記溝基部領域の前記第一表面の反対側であり、前記第二網状組織の前記溝側壁の間に延びる、前記溝基部領域の第二表面において終端する、実施態様1に記載の絆創膏。
(12) 前記吸収パッドの前記厚さが約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルである、実施態様1に記載の絆創膏。
(13) 前記溝基部領域の厚さが約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルである、実施態様1に記載の絆創膏。
(14) 前記相互連結溝の第二網状組織が視認可能である、実施態様11に記載の絆創膏。
(15) 前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(16) 前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、実施態様11に記載の絆創膏。
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上に適用される絆創膏、特に吸収パッドの表面において陥没した相互連結溝の網状組織により包囲及び分離された房状領域を有する吸収パッドを持つ絆創膏に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の創傷には多くの種類がある。それらは、開放創又は閉鎖創である場合がある。開放創としては、切開又は切創、裂創、擦過傷、刺創及び貫通創が挙げられる。閉鎖創としては、打撲傷(あざ)、血腫、及び圧挫損傷が挙げられる。創傷の重症度に依存して、特定の創傷は、縫合及びこれに類するものを介して閉鎖すること、これに続いて、汚れから及び接触による更なる損傷から創傷を保護するために創傷ドレッシングを局所適用することを必要とし得る。同様に、医療手術手順による創傷は、典型的には、創傷を保護するために手術後に創傷ドレッシングの適用を必要とする。
【0003】
体には様々なタイプの創傷が存在するので、このような創傷に対して適用するためのドレッシングにも様々なタイプが存在する。特定のドレッシングでは、例えば、パッドといった吸収構造が、創傷からの滲出物を吸収するために使用される場合がある。他の創傷ドレッシングでは、このような吸収パッドを有さない場合もある。例えば、米国特許第3,053,252号は、非吸収性支持体表面又は端部が創傷部位に対して吸収性表面から突起して、吸収性領域と非吸収性支持体表面のエンボス加工されたパターンを形成する絆創膏を開示している。米国特許第4,781,710号は、溝により包囲された房状領域を有するパッドを利用する絆創膏を開示している。溝は、移送領域及び貯蔵領域の両方を必要とし、ここでは移送領域の密度は貯蔵領域の密度よりも大きい。米国特許第4,259,387号は、体液を吸収するように適合化された吸収性製品に関する。このような製品は、バットの全面に複数の間隔のある比較的狭い高密度のラインを有する、ゆるく圧縮されたセルロース繊維バットを利用する。これらのバットは、不均一な密度を有し、ここで、バットの平均密度よりも低い密度を有する、ラインに近接する修飾されたバット領域に起因して、ラインに近接するバットの領域はラインを覆う又は隠す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏に関し、ここで、この絆創膏は、第一表面と、第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、裏当て層の第二表面の少なくとも一部分に適用された接着層、及び裏当て層と結合した吸収パッドと、を含む。吸収パッドは、裏当て層に面し第一表面積を有する第一表面と、第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、を含む。吸収パッドは複数の房状領域を含み、ここで、房状領域の形状は4〜8個の辺を有する多角形である。房状領域は、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離されている。溝は、吸収パッドの第二表面からコア体の中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端する。吸収パッドは、吸収パッドの第一表面と第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、一方、溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有する。溝基部領域は、溝基部領域の第一表面と第一表面の反対側の溝基部領域の第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。相互連結溝の網状組織は、絆創膏の使用者に視認可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
ここで、図面に表される実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図1】本発明の絆創膏の実施形態の斜視図。
【図2a】直線2a−−−2aに沿って取った、図1に図示されている絆創膏の断面図。
【図2b】図1に示されている絆創膏と同様の絆創膏の断面図。ここで、吸収パッドの第二表面は被覆層を含む。
【図3a】絆創膏の第二表面に垂直に取った、図1に示されている吸収パッドの第一実施形態の平面図。
【図3b】図3aに図示されているパッド実施形態の直線3b−−−3bに沿って取った、側断面図。
【図4a】本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの第二実施形態の側断面図。
【図4b】図4aに示されている吸収パッドを利用する本発明による絆創膏の一実施形態の側断面図。
【図4c】図4aに示されている吸収パッドを利用する本発明による絆創膏の別の実施形態の側断面図。
【図4d】絆創膏の裏当て層の第一側面から見たときの図4cに示された絆創膏の斜視図。
【図5】本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの別の実施形態の図。
【図6】本発明の絆創膏の別の実施形態の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明による絆創膏は、皮膚から離れた方向を向く第一表面と、第一表面の反対側で皮膚に面する第二表面と、を有する裏当て層を含む。裏当て層は、例えば、矩形、正方形、長円形、円形、卵形、楕円形などの様々な形状を有し得る。絆創膏の形状は、裏当て層の形状により画定される。裏当て層は、薄く、高可撓性又は変形可能性であり、水不透過であり、並びに、透明又は不透明であり得る。一般に、裏当て層の厚さは、所望される変形性及び可撓性を達成するために0.05〜0.20ミリメートルの範囲内に入るべきである。
【0007】
ポリエチレンフィルムを裏当て層として使用してもよく、特に有効な結果は、ポリウレタン製伸縮性エラストマーフィルムで達成することができ、これは気体(水蒸気)透過性という更なる利点を有する。しかしながら、当該技術分野において既知の他の可撓性水不溶性高分子フィルムを使用してもよいことが理解される。更に、裏当て層は、独立気泡高分子発泡体、特に使用者の皮膚から離れた方向を向く側を覆う組込型表皮層を有するものから形成されてもよい。ポリウレタン又はポリエチレンから形成された発泡体層は好適であり、一方、同様の特性を有する他の高分子発泡体を使用してもよい。加えて、裏当て層は、他のポリオレフィン、ビニルポリエチレンアセテート、不織布、ゴム又は絆創膏業界で既知の他の材料から製造されてもよい。本発明の絆創膏において使用される裏当て層を製造するのに用いられるポリマーは、約190℃の温度にて約500〜500,000センチポアズ、又は約190℃の温度にて約1,000〜30,000センチポアズ、又は約190℃の温度にて約3,000〜15,000センチポアズの粘度を呈し得る。裏当て層は、液体に対して不透過性であり得るが、気体に対しては透過性であり得、これにより本発明の絆創膏が付着した創傷及び皮膚は呼吸することができる。一実施形態では、裏当て層は、きわめて小さなサイズの分子を有する気体の通過のみを許容するサイズの孔を有し得る。最後に、皮膚の更なる通気のために穿孔された裏当て層を思い付くことができる。穿孔は領域が円形であってもよく、例えば、約0.1〜約0.8ミリメートルといった一定範囲の直径を有してもよい。しかしながら、裏当て層は、必要な場合は、気体に対して全体として不透過性であってもよい。
【0008】
本発明の絆創膏は、裏当て層と結合した吸収パッドを含む。本明細書で使用するとき、「裏当て層と結合した」は、吸収パッドが裏当て層に直接的又は間接的のいずれかで固定され、その結果、通常使用中に裏当て層から分離するようにはならないことを意味する。結合は、裏当て層の第二表面と吸収パッドの第一表面との間に接着層を適用し、これにより吸収パッドを裏当て層に直接的に接着結合することにより、達成され得る。吸収パッドはまた、中間層と結合させ、中間層を今度は裏当て層と結合させ、したがって、中間層を介して吸収パッドを裏側層に間接的に結合させてもよい。結合はまた、超音波溶接などの他の既知の手段により達成してもよい。
【0009】
吸収パッドは、裏当て層の第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、第一表面の反対側であり皮膚に面する第二表面積を有する第二表面と、を含む。本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、使用の際に裏当て層上の接着層が使用者の皮膚と接触するが好ましくは創傷表面とは接触しないように裏当て層よりも小さな領域を覆うように寸法取りされる。特定の実施形態では、吸収パッドは、5〜7個の辺を有する。吸収パッドは、糸、織糸、網、レース、フェルト及び不織布からなる群から選択される材料を含む繊維性マトリックスであってもよい。本発明の絆創膏における吸収パッドとして選択される材料の坪量は、本発明のものと同様の用途において利用される絆創膏のための吸収パッドを製造すべく従来使用されているもののいずれかであってもよい。例えば、材料の坪量は、約101.7グラム/m2(3.0oz/yd2)〜約186.5グラム/m2(5.5oz/yd2)であってもよいが、本発明はそのように限定されるものではない。
【0010】
吸収パッドは、絆創膏における使用のためにこのようなパッドを形成することにおいて、当該技術分野で一般に使用される任意のタイプの材料から製造され得る。使用され得る材料としては、セルロース繊維ガーゼ、軽度に架橋した組織構造、及び、綿、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、又はビスコースレーヨンとポリオレフィンのブレンドなどの天然若しくは合成材料を含む他の繊維性パッド、又は吸収材であり、並びに、吸収パッドの表面において陥没した相互連結溝の網状組織を形成するためにエンボス加工できる他の材料が挙げられる。特定の実施形態では、吸収性パッドは、水に分解性ではない。
【0011】
吸収パッドは、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含む。房状領域は、実質的に高密度ではない、すなわち、溝基部領域の密度と比較して相対的に低密度であると理解される。用語「溝」は、房状領域を分離及び包囲する陥没した領域を指す。房状領域の第一及び第二表面はそれぞれ、吸収パッドの第一及び第二表面と一致する。吸収パッドは、吸収パッドの第一表面と第二表面との間の最大距離により画定される厚さを有する。典型的には、吸収パッドの厚さは、約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルの範囲であり得る。
【0012】
吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝は、直線であり、吸収パッドの第二表面からコア体の中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端する。溝基部領域は更に、第一表面の反対側の第二表面、並びに、溝基部領域の第一表面と第二表面との間の距離により画定される厚さを有する。特定の実施形態では、相互連結溝の第二網状組織は、吸収パッドの第一表面の中に陥没する。相互連結溝の第二網状組織は、吸収パッドの第二表面において見られる相互連結溝の第一網状組織と合致している場合もある。吸収パッドの第一表面における溝は、第一表面から吸収パッドのコアの中に延びる溝側壁を含み、これにより画定され、溝側壁は溝基部領域の第二表面において終端し、溝基部領域は吸収パッドの第一表面における溝側壁の間に延びる。
【0013】
房状領域は、実質的に均一な第一密度を有する。「実質的に均一な第一密度」により、溝に近接する房状領域の密度が房状領域の全面積にわたる房状領域の平均密度と実質的に同一であり、その結果、溝は、溝に近接する房状領域により隠されないことが意味される。溝基部領域は、房状領域の実質的に均一な第一密度よりも大きい実質的に均一な第二密度を有する。「実質的に均一な第二密度」により、溝基部領域が溝基部領域にわたって実質的に同一であることが意味される。一部の実施形態では、溝基部領域の第二密度は房状領域の第一密度の約12倍以下の大きさであり、又は、房状領域の密度の1.1〜約10倍の大きさである。一部の実施形態では、房状領域の実質的に均一な第一密度は、約0.082グラム/立方センチメートル〜約0.17グラム/立方センチメートルである。一部の実施形態では、溝基部領域の実質的に均一な第二密度は、約0.11グラム/立方センチメートル〜約0.96グラム/立方センチメートルである。陥没した相互連結溝の網状組織は、吸収パッドの表面の表面積の約5〜約20パーセント、又は吸収パッドの表面の表面積の約10〜約15パーセントを含み得る。これは、溝がパッドの片面に存在するか又は両面上に存在するかのいずれかである。
【0014】
溝基部領域の厚さは、チャネルの深さ、並びに、そこに陥没した溝を有するのが吸収パッドの両面なのか又は片面だけなのかのいずれかに依存して、約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルで変動し得る。房状領域の実質的に均一な第一密度に加えて、溝は、相互連結溝の網状組織が使用者に視認可能であるような幅と深さを有する、「視認可能」により、皮膚又は創傷に絆創膏を適用する際、例えば、約15.2〜約61.0cm(約6〜約24インチ)又は約15.2〜約30.5cm(約6〜約12インチ)といった、使用者により通常遭遇する距離にて絆創膏が観察されたときに、相互連結溝の網状組織が房状領域から識別可能であることが意味される。
【0015】
吸収パッド内の相互連結溝は、数多くの機能を提供する。相互連続溝は機能して、例えば、創傷滲出物といった低粘性流体を創傷表面から吸い上げ作用により移送する。本明細書で使用するとき、低粘性流体は、50,000センチポアズ未満の粘度を有するものである。チャネル基部領域は、房状領域に対してのこれらのより高い密度に起因して、これらの繊維間により小さな毛管を有しており、より低い密度の房状領域と同じ量の流体を吸収することはできない。したがって、溝基部領域は、比較的早い吸い上げを提供する。房状領域は、溝基部領域の密度よりも低い密度を有し、それゆえに、これらの繊維間に溝基部領域よりも大きな毛管を有する。これは、房状領域に対して、溝基部領域よりも多くの液体を吸収する傾向を与える。使用の際、吸収パッド上に付着する低粘性液体は、ある程度房状領域により吸収される。本発明の絆創膏では、低粘性液体が付着する領域に近接する房状領域は、吸収パッド上の液体の「パドリング」を防止するのに十分なほど早く液体を吸収可能ではなく、これは結果的に使用者に対して不快な濡れた感覚を与え、皮膚刺激を生じる恐れがある。過剰な液体は相互連結溝に入り得、これは次に液体を吸収パッドのそれほど飽和していない他の房状領域に方向付け、その結果、これらは過剰な低粘性液体を受容及び吸収する。
【0016】
相互連結溝の別の機能は、高粘性流体に対する貯蔵部位として働くことである。本明細書で使用するとき、高粘性流体は、50,000センチポアズ超の粘度を有するものである。使用者が高粘性単軟膏、香油、皮膚軟化剤、軟膏、クリーム又は膏薬を創傷部位上に配置し、次に均一な密度を有する標準的なパッドを構造全体を前記高粘性流体と接触させて配置する場合、流体は、創傷部位から、創傷を覆わないパッドの部分に広がる恐れがある。しかしながら、使用者が高粘性単軟膏、香油、皮膚軟化剤、軟膏、クリーム又は膏薬を創傷部位上に配置し、次に本発明の絆創膏を前記高粘性流体と接触させて配置する場合、流体は、低密度房状領域から相互連結溝内の相対的に高い密度の溝基部領域に流れ得るこのように、高粘性流体は、創傷部位に保持され得る。
【0017】
相互連結溝の網状組織の更に別の機能は、使用者に視覚的手掛かりを提供することである。本明細書で使用するとき、用語「視覚的手掛かり」は、例えば、使用者への製品又は製品の部分の見え方といった視覚的情報を指し、これは、製品の1つの又は複数の機能を識別することに関連して使用される。本発明の絆創膏に関する視覚的手掛かりは、吸い上げ作用により創傷表面から低粘性流体を移送すること及び/又は高粘性流体に対する貯蔵部位として働くことにおける、溝の機能についてのものである。したがって、相互連結溝の網状組織は、上記に定義したように、視認可能である。一部の実施形態では、溝の幅は約0.2ミリメートル〜約0.6ミリメートル又は約0.3ミリメートル〜約0.45ミリメートルであり、深さは約0.02〜約2.0ミリメートル又は約0.04〜約1.1ミリメートルである。特定の実施形態では、吸収パッドの第二表面から観察した場合に、吸収パッドの第二表面において陥没した相互連結溝の少なくとも第一網状組織が使用者に視認可能である。他の実施形態では、それぞれ、各表面から観察した場合に、吸収パッドの第一及び第二表面において陥没した相互連結溝の第一及び第二網状組織の両方が使用者に視認可能である。一実施形態では、吸収パッドの第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織が裏当て層を通して使用者に視認可能であり得、ここで、裏当て層は透明又は半透明である。別の実施形態では、裏当て層は、絆創膏の製造プロセスに起因して、相互連結溝の網状組織にぴったり一致し得る。この実施形態では、裏当て層それ自体は、本明細書に示すように、裏当て層の第一表面に陥没した相互連結溝の網状組織を含む。
【0018】
本発明の特定の実施形態では、絆創膏は、裏当て層と吸収パッドとの間に配置された中間層を更に含む。裏当て層が透明又は半透明である中間層が、典型的には、使用され得る。このような絆創膏では、中間層は、使用者の皮膚と同様の色を有してもよく、使用者に対して吸収パッドの外観を隠し、このパッドは血液を含む創傷からの滲出物を含み得る。使用される場合、このような中間層は、同様な用途に対して当業者に既知の材料から製造され得る。中間層は、絆創膏を形成するのに当該技術分野において一般に使用されている任意のタイプの材料から製造することができる。一部の実施形態では、中間層は、例えば、Delstar Technologies,Inc.(Middletown,DE)から入手可能な商品名Delnetで販売されているものなどのプラスチック網目材料から製造することができる。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、吸収パッドの第二表面、すなわち、皮膚に面する表面は、これに固定された被覆層を含む。存在する場合、被覆層は吸収パッドの第二表面の一体構成要素と考えられ、相互連結溝の網状組織は、吸収パッドに被覆層を適用した後に、吸収パッドの中にエンボス加工される。同様に、被覆層もまた、皮膚に面する表面において陥没した相互連結溝の網状組織を含む。被覆層は、創傷に対して追加的保護を提供し、吸収パッドが繊維性である場合には、繊維が創傷を刺す又は溝を覆い隠すのを防止する。被覆層は、創傷から吸収パッドへの滲出物の通過を可能にするために、滲出物に対して透過性である。したがって、被覆層は、穿孔を含み得る。被覆層は、例えば、Delstar Technologies,Inc.(Middletown,DE)から入手可能な商品名Delnetで販売されているものなどのプラスチック網目材料から製造され得る。
【0020】
一般に、様々な感圧接着剤のいずれかを接着層として本発明に利用して、裏当て層に吸収パッドを結合し、皮膚に絆創膏を付着させることができる。特に、ヒトの皮膚に対して生体適合性を有する感圧接着剤が、典型的には利用される。更に、本発明で使用される接着剤は、概して水溶性、若しくは概して水不溶性、又は水性環境において分散性のいずれかであり得る。例えば、1つの好ましい市販の分散性感圧接着剤は、商品名HL−9415−Xで販売されており、H.B.Fuller Companyから入手可能である。別の好適な接着剤としては、約10〜75重量%のポリアルキルオキサゾリンポリマー、ヒドロキシ化合物又はカルボン酸化合物を含む10〜75重量%の官能性希釈剤、及び5〜50重量%の粘着付与剤が挙げられる。
【0021】
水分散性ポリマー構成成分としては、例えば、商品名IGEPAL.CO及びIGEPAL.CA(Rhone−Poulenc,Inc.から入手可能)で販売されているような、ポリ(エチレンオキシド)アルキルフェニルエーテル、商品名BRIJ(ICI Americas,Inc.から入手可能)で販売されているような、ポリ(エチレンオキシド)ラウリル、セチル、及びオレイルエーテル、ポリ(エチレンオキシド)ラウレート、ポリ(エチレンオキシド)オレエート、オレイン酸ソルビタン、商品名PLURONIC及びTETRONIC(BASF Corporationから入手可能)で販売されているような、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、並びに商品名GAFAC PE−510(International Specialty Productsから入手可能)で販売されているような、有機リン酸エステルなどの界面活性剤が挙げられる。他の構成成分の実施例としては、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、2−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、及び2−メトキシエチルアクリレートなどのポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)(SARTOMER Company,Inc.から入手可能)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、商品名GANTREZ(International Specialty Productsから入手可能)で販売されている、ポリ(ビニルメチルエーテル:無水マレイン酸)、商品名SANNIX(Sanyo Chemical Industriesから入手可能)で販売されているような、ポリ(プロピレングリコール)などのポリ(エーテルポリオール)、それらのコポリマー、及びそれらに類似するものが挙げられるが、これらに限定されない。これらのコポリマー及びアルキル(メタ)アクリレートエステル又はビニルエステルのコポリマーもまた、好適である。オクラ及びグアーから得られるようなガムもまた、使用され得る。
【0022】
更に別の好適な感圧接着剤としては、約10〜約80重量%のアルカリ可溶性ポリマー、約0〜約30重量%のポリ(ビニルメチルエーテル)、約30〜約70重量%の粘着付与樹脂、及び約5〜約30重量%の好適な可塑剤が挙げられる。好適な接着剤の更に他の実施例としては、ATO Findley,Inc.から入手可能な、HX 9236−01又はHX 9237−01ホットメルト接着剤が挙げられる。
【0023】
本発明で使用される接着層は、ヒドロコロイドを含んでもよい。使用されるヒドロコロイド要素は、数ある中でも、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、多糖、アルギン酸ナトリウム又はカルシウム、キトサン、海草抽出物(カラギーナン(cageenan))、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸、あるいはそれらの塩及び誘導体などの、本利用において良好な性能を呈する任意の物質であってもよい。
【0024】
数ある中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びペクチンなどのヒドロコロイドは、創傷からの体液と接触するとすぐに、ゲルを形成する物質である。絆創膏で使用される場合、これらのヒドロコロイドは、エラストマー及び/又は接着剤と混合される。好ましくは、絆創膏は、治癒の加速に好適な湿った環境を提供すべきだが、浸潤又は瘢痕形成は生じさせるべきではない。
【0025】
ペクチンは、例えば、シトラス系の果物(citric fruits)の皮又はリンゴ果肉といった野菜種から抽出される複合体構造多糖であり、高親水性構造を有する。結果として、ペクチンは、体液の水分子と容易に会合して、傷の場所に粘稠なゲルを形成する。そのアルギン酸との化学的類似性によって、吸収及びゲル形成の物理的特徴は、相互に類似する。
【0026】
次に、カルボキシメチルセルロースは、セルロースのアルカリ(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)、水酸化物との反応によって形成される、セルロース誘導体である。組み合わされたアルカリの性質は、カルボキシメチルセルロースのイオン特性を付与する。水酸化ナトリウムが使用される場合、カルボキシメチルセルロースナトリウムが形成される。ペクチンの場合と同様に、カルボキシメチルセルロースは、創傷から生じる液体由来の水に素早く溶解し、制御された粘度で、創傷上にゲルを形成する。
【0027】
ヒドロコロイドの使用の更なる利点として、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースの両方が、酸性特性(約4のpH)を有するゲルを形成し、殺菌剤としての機能を果たすことに留意されたい。
【0028】
使用される接着要素は、数ある中でも、例えば、アクリル系接着剤などのそのような使用に関して既知の、任意の従来の接着剤であってもよい。加えて、このような接着剤は、接着を強化させるための樹脂、凝集強化剤、吸収剤(好ましくは、ポリアクリレート超吸収体、ポリアクリレート塩超吸収体、又はそれらの混合物)、可塑剤、及び場合により顔料を含有してもよい。接着層は、ライン、スクリーン、スプレー、又は、当業者が不連続であると理解する任意の他のパターンで裏当て層の表面に配置された不連続なパターンで更に構成されてもよい。
【0029】
図1及び図2aは、本発明の絆創膏の第一実施形態を図示する。絆創膏10は、第一表面22とその反対側の第二表面24とを有する裏当て層20、並びに、第一表面22及び第二表面24により結合されているコア体を含む。接着層30は、裏当て層20の第二表面24の少なくとも一部分の上に配置される。図1及び図2aは、裏当て層20の第二表面24の全体の上に配置されている接着層30を示す。吸収パッド40は、吸収パッド40が例えば接着結合により裏当て層20に結合されるように、接着層30上に配置される。接着層30が裏当て層20の第二表面24の全体を覆って示されているが、適用される接着剤の量、裏当て層上の接着層の位置及び接着層に被覆される第二表面の部分の表面積が本明細書で説明しているように吸収パッドを裏当て層に結合させ、並びに絆創膏を皮膚に付着させるのに十分であれば、接着層は裏当て層の第二表面の一部分の上に配置されてもよいことが理解されよう。
【0030】
図2bは、吸収パッド40の第一表面がそれに固定された被覆層43を含むことを除き、図1及び図2aに示されているものと同様の実施形態である。被覆層43は、相互連結溝の網状組織が被覆層43の中で陥没し視認可能であるように、エンボス加工に先立って吸収パッド40に適用される。
【0031】
図3aは、吸収パッド40の第二表面24に対して垂直に見たときの図1に示されているような吸収パッド40の図を表す。パッド40は、パッド40の第二表面42において陥没した相互連結溝46の網状組織により包囲及び分離された房状領域44を含み、これにより本発明の絆創膏において使用される例えば六角形といった高密度化パターンの第一実施形態を提供する。
【0032】
図3bは、図3の直線3b−−−3bに沿って取った、吸収パッド40の側断面図である。吸収パッド40は、第一表面41、第二表面42、コア体45、複数の房状領域44、及び、パッド40の第二表面42において陥没した相互連結溝46の網状組織を有する。吸収パッド40の厚さ(tt)は、吸収パッド40の第一表面41と第二表面42との間の距離により画定される。
【0033】
房状領域44は、ttの厚さ及び実質的に均一な第一密度を有する。示されているように、房状領域44の第一表面及び第二表面は、パッド40の第一表面41及び第二表面42と一致する。同様に、パッド40と房状領域44の厚さは、同じである。相互連結溝46は、吸収パッド40の第二表面42からコア体45の中に延びる溝側壁47を有し、溝側壁47は溝側壁47の間に延びる溝基部領域48の第一表面48aで終端する。溝基部領域48は、基部領域48の第一表面48aと第二表面48bの間の距離により画定される厚さ(tc)、及び、房状領域44の実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有する。本明細書で使用するとき、用語「低い密度、中間の密度及び高い密度」は、互いに対する比較で使用される相対的な用語であり、本明細書で特に量化されない限り、いずれの具体的な密度又はいずれの程度の密度を指すことを意図するものではない。
【0034】
図4aは、本発明の絆創膏において使用される吸収パッドの第二実施形態の側断面図である。この実施形態では、吸収パッド80は、第一表面81、被覆層が固定されている第二表面82、コア体85、房状領域84、及び、第二表面82において陥没した相互連結溝86を有する。吸収パッド80の厚さ(tt)は、吸収パッド80の第一表面81と第二表面82との間の距離により画定される。房状領域84は、ttの厚さ及び実質的に均一な第一密度を有する。第二パッド表面82において陥没した相互連結溝86は、吸収パッド80の第二パッド表面82からコア体85の中に延びる溝側壁87を有し、溝側壁87は溝側壁87の間に延びる溝基部領域88の第一表面88aで終端する。第一パッド表面81において陥没した相互連結溝83は、吸収パッド80の第一パッド表面81からコア体85の中に延びる溝側壁89を有し、溝側壁89は溝側壁89の間に延びる溝基部領域88の第二表面88bで終端する。溝基部領域88は、溝基部領域88の第一表面88aと第二表面88bの間の距離により画定される厚さ(tc)、及び、房状領域84の実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有する。
【0035】
図4b〜4dは、図4aに表した吸収パッド80を含む本発明の絆創膏の実施形態である。図4bに示されているように、吸収パッド80は、接着層92を介して裏当て層90に結合されている。相互連結溝83及び房状領域84はそれぞれ示されている。この実施形態では、相互連結溝83の網状組織は、例えば、裏当て層90が透明又は半透明である場合、裏当て層90の第二表面94を通して使用者に視認可能であってもよいが、このような可視性は必要ではない。図4cに示されているように、吸収パッド80は、接着層92を介して裏当て層90に結合されている。溝83及び房状領域84はそれぞれ示されている。この実施形態では、裏当て層90は、裏当て層90が裏当て層90の第二表面94において陥没した相互連結溝83の網状組織を含むように、陥没した溝83にぴったり一致する。同様に、裏当て層90において陥没した相互連結溝83の網状組織は、使用者に視認可能である。図4dは、裏当て層90の表面94に対して垂直に見たときの図4cに表した実施形態の図である。この実施形態では、房状領域84及び溝83により形成された高密度化パターンが、使用者に視認可能である。
【0036】
図5は、本発明の絆創膏において使用される吸収パッドのパッド高密度化パターンの追加の実施形態を表す。図5では、吸収パッド50は、陥没した相互連結溝56の網状組織により分離された房状領域54を有する。房状領域54は、吸収パッドの第二表面に対して垂直に見たときにダイヤモンド形状を有する。本発明の絆創膏の更に別の実施形態が、図6において側断面図で示される。絆創膏110は、第一表面122と、その反対側の第二表面124と、を有する裏当て層を含む。接着層130は、裏当て層120の第二表面124上に配置される。中間層150は、裏当て層120と中間層150の間に結合を達成するように、接着層130上に配置される。吸収パッド140は、中間層150に結合されている。
【0037】
図6は裏当て層120の第二表面124の全体の上に配置された接着層130を示しているが、接着層130は本明細書において上記で説明したように裏当て層120の第二表面124の一部分の上に配置されてもよいことが理解されよう。吸収パッド140は、中間層150の一部分の上に配置され、中間層150と吸収パッド140の間の結合を達成し、それにより中間層150を介して裏当て層120にパッド140を結合するように、中間層150と結合される。結合は、接着剤の形態であってもよく、あるいは、超音波溶接によるなどの任意の他の既知の結合手段であってもよい。図6は中間層150の全体の上に配置されている吸収パッド140を示しているが、吸収パッド140が中間層150の一部分の上に配置されてもよいことは理解されよう。
【0038】
吸収パッド140及び中間層150は、例えば、矩形、正方形、長円形、円形、卵形、楕円形などの様々な形状を有してもよく、並びに、使用の際に、接着層130が使用者の皮膚とは接触するが好ましくは創傷表面とは接触しないように、裏当て層120よりも小さな領域を覆うように寸法取りされ得る。
【0039】
吸収パッドは、糸、織糸、網、レース、フェルト及び不織布からなる群から選択される統制された網状組織を含む繊維性マトリックスであってもよい。吸収パッドの好ましい製造方法は、不織布形成の湿式集積プロセスとして当業者に既知である。
【0040】
エンボス加工は、ウェブに張力を提供するためのニップロールと、硬化鋼から構成された彫刻/切削されたロールと、超音波ホーンと、を含む超音波システムを通して超音波的に行われ得る。超音波ホーン及び彫刻/切削されたロールは、エンボス加工される材料がロール間にない場合にロールとホーンが間隙を全く有さないような位置にセットされる。ウェブは一定かつ維持された張力を有し、超音波システムでウェブをエンボス加工する。
【0041】
別の方法としては、エンボス加工は、ウェブに張力を提供するためのニップロールと、硬化鋼から構成された彫刻/切削されたロールと、アンビルロールと、を含む加熱されたロールシステムを通して、熱及び圧力を使用して行われてもよい。熱は、基材の温度を上昇させるために、この領域に適用される。アンビルロール及び彫刻/切削されたロールは、エンボス加工される材料がロール間にない場合にロールとアンビルが間隙を全く有さないような位置にセットされる。ウェブは一定かつ維持された張力を有し、彫刻/切削されたロール及びアンビルでウェブをエンボス加工する。
【0042】
本発明の絆創膏を製造するプロセスは、絆創膏を製造するための従来既知のプロセスのいずれであってもよい。裏当て層、吸収パッド及び接着層は、現在利用可能な任意の方法により、得ることができる。例えば、裏当て層を得るために、押出プロセスが使用されてもよい。同様に、接着層も、任意の既知の方法で製造することができる。本明細書に記載されるような裏当て層が得られ、本明細書に記載されるような接着層が支持層の第二表面に適用される。次に、吸収パッドが接着結合層に結合され、これにより吸収パッドを裏当て層に結合する。
【0043】
本発明の絆創膏は、理想的には、皮膚の表面に対する治療薬などの、1つ以上の活性成分を送達するのに適している。本発明の絆創膏に含有される場合、1つ以上の活性成分は、絆創膏の吸収パッドに主に若しくは専らに含有されてもよい。本発明の絆創膏を介して、皮膚に送達され得る活性成分の例示的な種類としては、抗生物質、鎮痛剤、解熱剤、抗菌剤、消毒剤、抗アレルギー剤、抗ニキビ剤、麻酔剤、抗炎症薬、止血剤、化粧品、ビタミン、血管拡張剤、皮膚軟化剤、pH調整剤、かゆみ止め薬、反対刺激剤、抗ヒスタミン剤、及びステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。本発明のドレッシングを介して、皮膚に送達され得る特定の活性成分としては、クロルヘキシジン、硫酸ネオマイシン、硫酸ポリミキシン−B、亜鉛バシトラシン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ブピバカイン、テトラカイン、シンカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルファジアジン銀、ヒドロコルチゾン、メタンジエノン、トリプシン、トラゾリン、ヘパリン、プラモキシン、アロエベラ、トレチノイン、レチノール、レチンアルデヒド、メントール、カプサイシン、αヒドロキシ酸、及びビタミンEなどのビタミンが挙げられる。
【0044】
本発明の様々な実施形態を上記に記載したが、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【実施例】
【0045】
実施例1:エンボス加工されたパッド及び絆創膏の製造
125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)のポリプロピレン(PP)及び125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)のポリエチレンテレフタレート(PET)パッドストックからそれぞれ吸収パッドを作製した。パッドに相互連結溝の六角形パターンをエンボス加工した。ゆっくりしたスピードと速いスピードでエンボス加工を行った。次に、一部の吸収パッドをポリエチレン裏当て層に接着して、絆創膏を形成した。全部で4つの異なるパッドと4つの異なる絆創膏を形成した。
【0046】
Mituoyo PH−A14 Profile ProjectorをQM−Data 200と共に使用して、房状領域の厚さ(tt)、溝基部領域の厚さ(tc)及び溝基部領域の幅(wc)を光学的に測定した。標本を六角形パターンに対して直角にレザーカットした。形成された4つの異なるパッド及び4つの異なる絆創膏の各々に5回の測定を行った。房状及び溝基部領域の厚さに基づいて、溝基部領域の深さ(hc)を計算した。
【0047】
表1は、房状領域の厚さ(tt)の最大値及び最小値、溝基部領域の厚さ(tc)の最大値及び最小値、溝基部領域の幅(wc)、並びに、溝基部領域の深さ(hc)を示す。
【表1】
【0048】
実施例2:エンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの流体吸収
実施例1におけるように、125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)ポリプロピレン(PP)不織布パッドストック及び125.5グラム/m2(3.7oz/yd2)ポリエチレンテレフタレート(PET)不織布パッドストックから2.54cm×2.54cm(1インチ×1インチ)吸収パッドを作製した。一部の吸収パッドに、実施例1のものの中間のスピードにて、試験のために相互連結溝の六角形パターンをエンボス加工した。全部で4つの異なるパッドを試験した。
【0049】
50,000センチポアズ未満の粘度を有する人工血液の液滴50μL上に各パッドを配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各パッド上に配置した。次に、3分後に、画像解析を用いて血液広がり面積を測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定した。
【0050】
表2は、エンボス未加工パッドに対する、表面にエンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドについての広がり面積を示す。
【表2】
【0051】
この表は、本発明に従って吸収パッドをエンボス加工することが人工血液の広がり面積を有意に増加させることを示す。
【0052】
実施例3:エンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの軟膏の広がり
実施例2に従って作製された吸収パッドを下記のように軟膏の広がりについて試験した。
【0053】
色付き抗菌軟膏(0.1グラム)を各パッド上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各パッド上に配置した。次に、軟膏広がり面積を、画像解析を用いて測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定した。
【0054】
表3は、エンボス未加工パッドに対する、表面にエンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドについての広がり面積を示す。
【表3】
【0055】
この表は、本発明に従って吸収パッドをエンボス加工することが色付き軟膏の広がり面積を有意に減少させることを示す。
【0056】
実施例4:絆創膏上のエンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの流体吸収
実施例2に従って作製した吸収パッドを、感圧接着剤を適用したポリエチレン積層裏当て層上に配置した。この絆創膏を下記のように流体吸収について試験した。
【0057】
各絆創膏を人工血液の液滴30μL上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を10秒にわたって各絆創膏上に配置した。次に、3分後に、血液広がり面積を、画像解析を用いて測定し、絆創膏面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定し、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏と比較した。表4は、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏に対する本発明による絆創膏についての広がり面積を示す。
【表4】
【0058】
この表は、本発明に従って絆創膏上の吸収パッドをエンボス加工することが、比較用絆創膏と比較して、人工血液の広がり面積を有意に増加させることを示す。
【0059】
実施例5:絆創膏上のエンボス加工済みパッド及びエンボス未加工パッドの軟膏の広がり
実施例2に従って作製した吸収パッドを、感圧接着剤を適用したポリエチレン積層裏当て層上に配置した。この絆創膏を下記のように軟膏広がり面積について試験した。
【0060】
色付き抗菌軟膏(0.05g)を各絆創膏上に配置した。ガラススライド及び重り(200グラム)を各絆創膏上に配置した。次に、10秒後に、軟膏広がり面積を、画像解析を用いて測定し、パッド面積の百分率として記録した。各試料につき3つの標本を測定し、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏と比較した。表5は、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有さないパッドを利用する比較用絆創膏に対する本発明による絆創膏についての広がり面積を示す。
【表5】
【0061】
この表は、本発明に従って絆創膏上のパッドをエンボス加工することが、エンボス加工された相互連結溝の網状組織を有するパッドを含まない比較用絆創膏に対して、色付き軟膏の広がり面積を有意に減少させることを示す。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏であって、
第一表面と、前記第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、
前記裏当て層の前記第二表面の少なくとも一部分に適用されている接着層、及び
前記裏当て層と結合した吸収パッドを含み、前記吸収パッドは、
前記裏当て層の前記第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、
前記第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、
コア体と、を含み、
前記吸収パッドは、前記吸収パッドの前記第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含み、前記溝は、前記吸収パッドの前記第二表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁は該溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端し、
前記房状領域の形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、前記房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、前記溝基部領域は、前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有し、前記溝の網状組織は視認可能である、絆創膏。
(2) 前記溝基部領域の前記第二密度が、前記房状領域の前記第一密度の約12倍以下の大きさである、実施態様1に記載の絆創膏。
(3) 前記溝基部領域の前記実質的に均一な第二密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)である、実施態様1に記載の絆創膏。
(4) 前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度が約0.082g/cm3(約0.082g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)である、実施態様1に記載の絆創膏。
(5) 前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、実施態様1に記載の絆創膏。
(6) 前記吸収性パッドが水中で分解性ではない、実施態様1に記載の絆創膏。
(7) 前記相互連結溝の第一網状組織が、前記吸収パッドの前記第二表面の前記第二表面積の約5〜約20パーセントを含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(8) 前記吸収パッドが、天然及び合成材料からなる群から選択される繊維を含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(9) 前記裏当て層と前記吸収パッドの間に配置された中間層を更に含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(10) 前記房状領域の前記形状が六角形であり、前記溝基部領域の前記実質的に均一な密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)であり、前記房状領域の前記実質的に均一な密度が約0.086g/cm3(約0.086g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)であり、前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、実施態様1に記載の絆創膏。
【0063】
(11) 前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織を更に含み、前記房状領域が、前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した前記相互連結溝の第二網状組織により包囲及び分離され、前記相互連結溝の第二網状組織内の前記溝が、前記吸収パッドの前記第一表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁が、前記溝基部領域の前記第一表面の反対側であり、前記第二網状組織の前記溝側壁の間に延びる、前記溝基部領域の第二表面において終端する、実施態様1に記載の絆創膏。
(12) 前記吸収パッドの前記厚さが約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルである、実施態様1に記載の絆創膏。
(13) 前記溝基部領域の厚さが約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルである、実施態様1に記載の絆創膏。
(14) 前記相互連結溝の第二網状組織が視認可能である、実施態様11に記載の絆創膏。
(15) 前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、実施態様1に記載の絆創膏。
(16) 前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、実施態様11に記載の絆創膏。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏であって、
第一表面と、前記第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、
前記裏当て層の前記第二表面の少なくとも一部分に適用されている接着層、及び
前記裏当て層と結合した吸収パッドを含み、前記吸収パッドは、
前記裏当て層の前記第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、
前記第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、
コア体と、を含み、
前記吸収パッドは、前記吸収パッドの前記第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含み、前記溝は、前記吸収パッドの前記第二表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁は該溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端し、
前記房状領域の形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、前記房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、前記溝基部領域は、前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有し、前記溝の網状組織は視認可能である、絆創膏。
【請求項2】
前記溝基部領域の前記第二密度が、前記房状領域の前記第一密度の約12倍以下の大きさである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項3】
前記溝基部領域の前記実質的に均一な第二密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)である、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項4】
前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度が約0.082g/cm3(約0.082g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)である、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項5】
前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項6】
前記吸収性パッドが水中で分解性ではない、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項7】
前記相互連結溝の第一網状組織が、前記吸収パッドの前記第二表面の前記第二表面積の約5〜約20パーセントを含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項8】
前記吸収パッドが、天然及び合成材料からなる群から選択される繊維を含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項9】
前記裏当て層と前記吸収パッドの間に配置された中間層を更に含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項10】
前記房状領域の前記形状が六角形であり、前記溝基部領域の前記実質的に均一な密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)であり、前記房状領域の前記実質的に均一な密度が約0.086g/cm3(約0.086g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)であり、前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項11】
前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織を更に含み、前記房状領域が、前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した前記相互連結溝の第二網状組織により包囲及び分離され、前記相互連結溝の第二網状組織内の前記溝が、前記吸収パッドの前記第一表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁が、前記溝基部領域の前記第一表面の反対側であり、前記第二網状組織の前記溝側壁の間に延びる、前記溝基部領域の第二表面において終端する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項12】
前記吸収パッドの前記厚さが約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項13】
前記溝基部領域の厚さが約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項14】
前記相互連結溝の第二網状組織が視認可能である、請求項11に記載の絆創膏。
【請求項15】
前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項16】
前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、請求項11に記載の絆創膏。
【請求項1】
皮膚における擦過傷又は切り傷へ適用するための絆創膏であって、
第一表面と、前記第一表面の反対側の第二表面と、を有する裏当て層、
前記裏当て層の前記第二表面の少なくとも一部分に適用されている接着層、及び
前記裏当て層と結合した吸収パッドを含み、前記吸収パッドは、
前記裏当て層の前記第二表面に面し第一表面積を有する第一表面と、
前記第一表面の反対側であり第二表面積を有する第二表面と、
コア体と、を含み、
前記吸収パッドは、前記吸収パッドの前記第二表面において陥没した相互連結直線溝の第一網状組織により包囲及び分離された複数の房状領域を含み、前記溝は、前記吸収パッドの前記第二表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁は該溝側壁の間に延びる溝基部領域の第一表面において終端し、
前記房状領域の形状は、4〜8個の辺を有する多角形であり、前記房状領域は実質的に均一な第一密度を有し、前記溝基部領域は、前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度よりも大きな実質的に均一な第二密度を有し、前記溝の網状組織は視認可能である、絆創膏。
【請求項2】
前記溝基部領域の前記第二密度が、前記房状領域の前記第一密度の約12倍以下の大きさである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項3】
前記溝基部領域の前記実質的に均一な第二密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)である、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項4】
前記房状領域の前記実質的に均一な第一密度が約0.082g/cm3(約0.082g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)である、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項5】
前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項6】
前記吸収性パッドが水中で分解性ではない、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項7】
前記相互連結溝の第一網状組織が、前記吸収パッドの前記第二表面の前記第二表面積の約5〜約20パーセントを含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項8】
前記吸収パッドが、天然及び合成材料からなる群から選択される繊維を含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項9】
前記裏当て層と前記吸収パッドの間に配置された中間層を更に含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項10】
前記房状領域の前記形状が六角形であり、前記溝基部領域の前記実質的に均一な密度が約0.11g/cm3(約0.11g/cc)〜約0.96g/cm3(約0.96g/cc)であり、前記房状領域の前記実質的に均一な密度が約0.086g/cm3(約0.086g/cc)〜約0.17g/cm3(約0.17g/cc)であり、前記溝が約0.2〜約0.6ミリメートルの幅及び約0.02〜約2ミリメートルの深さを有する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項11】
前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した相互連結溝の第二網状組織を更に含み、前記房状領域が、前記吸収パッドの前記第一表面において陥没した前記相互連結溝の第二網状組織により包囲及び分離され、前記相互連結溝の第二網状組織内の前記溝が、前記吸収パッドの前記第一表面から前記コア体の中に延びる溝側壁を含み、前記溝側壁が、前記溝基部領域の前記第一表面の反対側であり、前記第二網状組織の前記溝側壁の間に延びる、前記溝基部領域の第二表面において終端する、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項12】
前記吸収パッドの前記厚さが約0.3ミリメートル〜約2.5ミリメートルである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項13】
前記溝基部領域の厚さが約0.1ミリメートル〜約1.5ミリメートルである、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項14】
前記相互連結溝の第二網状組織が視認可能である、請求項11に記載の絆創膏。
【請求項15】
前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、請求項1に記載の絆創膏。
【請求項16】
前記吸収パッドの前記第二表面が被覆層を含む、請求項11に記載の絆創膏。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−179358(P2012−179358A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−39733(P2012−39733)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39733(P2012−39733)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
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