説明

経口送達システムにおける食味増強剤組成物

本発明は、有効成分(甘味料など)の増強された認識をもたらす飲料、食品、菓子およびチューインガムなどの食用経口送達製品に関する。より具体的には、いくつかの実施形態は、少なくとも1種の有効成分および少なくとも1種の甘味改変剤を含む増強剤組成物を提供する。この甘味改変剤は、スクロース相当値を高めてもよく、摂食の際に甘香の認識を高めてもよく、後味の認識を減少させてもよく、または甘味認識、甘味ピークまたは甘味減衰の期間を延長してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料に含有される有効成分の認識を増進する経口用組成物を含む。特に、当該組成物は、甘味料または香味料、および甘味改変剤などの有効成分を含んでいてよい。この甘味改変剤は、摂食の際に甘味の認識を増進してもよい。本組成物は、飲料、食品、菓子またはチューインガム製品などの種々の食用経口送達製品中に配合してよい。
【背景技術】
【0002】
ヒトが感じる食味には、主として、酸味、塩味、甘味、苦味、およびうま味(おいしいと感じる味、またはグルタミン酸の味)の5種類がある。物質の食味は、口腔内の舌と口蓋の主に表面上の味蕾にある味覚受容細胞によって感知される。各々の主要な味質は、特別なメカニズムによって感知される。酸味および塩味は、イオン、それぞれ水素イオンとナトリウムイオンが味蕾細胞にあるイオンチャンネルを通過することによって検知されると考えられる。これが、酸味または塩味として脳で感知される神経インパルスを誘発する。これに対して、甘味、苦味、およびうま味は、受容体への物理的結合によって認識されると考えられる。通常、甘味、苦味、およびうま味を感知する味覚細胞は、それらの表面にG−タンパク質結合受容体(GPCR)を有する。これらの受容体は、味物質に結合すると活性化し、これにより、甘味、苦味、またはうま味として脳で感知される神経インパルスを誘発する一連のシグナル伝達の事象が惹起される。
【0003】
ここ数年、味覚認識の研究では多くの進歩が成し遂げられてきた。味覚認識に関与すると考えられる、新規な味覚受容タンパク質、具体的には、G−タンパク質結合受容体の2種類のファミリー(T2RおよびT1R)が哺乳類で同定されている。かかる受容体は、特許文献1および特許文献2で詳細に述べられている。これらの公開では、特定のT1R受容体の共発現の結果、うま味または甘味の刺激のそれぞれに応答するうま味または甘味の味覚受容体が生じることを開示している。
【0004】
味覚認識の理解に関する近年の進歩により、これらの味覚受容体を刺激する新規な化合物の同定に関心が向けられている。特に、甘味またはうま味の認識など、主な味覚認識を増進することができる化合物の同定方法にも研究努力が注がれている。香味を増進させる物質の開発には、特に関心が持たれており、かかる物質は、一般的に食味増進剤または香味増進剤、もしくは食味増強剤または香味増強剤と呼ばれている。これらの物質は、味、香り、および感覚因子に寄与するだけでなく、他の香味を増強および抑制する。他の物質の認識を増進または向上することから、食味増進剤または香味増進剤の活性は、相乗的であると言及されることが多い。
【0005】
特に興味深い食味増強剤の範疇の1つに、甘味を増進させる化合物がある。スクロースなどの天然の炭水化物甘味料は、最も広く用いられている甘味料であるが、高価格および高カロリー含量という不利益を伴っている。これらの問題を解消する人工甘味料が考案されているが、それらは十分に「スクロース様の」味を有していないために消費者に拒絶される場合がある。人工甘味料は、スクロースとは異なる甘味プロファイルを有しており、甘味の認識開始の遅れ、および/または不快な後味などの悪影響を生じることが多い。
【0006】
甘味料と組み合わせると、甘味料の味を変化させる化合物が知られている。かかる化合物は通常、甘味改変剤または甘味増強剤と呼ばれている。それらは、甘味料の甘味の認識を増進もしくは阻害するように作用するか、または何らかの方法で甘味プロファイルに影響を及ぼす場合がある。例えば、特許文献3では、いろいろな種類の芳香族化合物を開示されており、それらは甘味改変剤として請求の範囲に記載されている。
【0007】
特許文献4および特許文献5では、甘味増強剤として3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)が記載されており、これは、スクロース、アスパルテーム、およびサッカリンともにpH2.0〜5.5で用いると、甘味を増進することが例示されている。
【0008】
2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)も、甘味増強剤として記載されているが、その効果に関して文献上では定かではない。特許文献6では、「実質的に味のない甘味阻害剤」として、それが挙げられているのに対して、特許文献3では、0.2%の2,4−DHBを5%のスクロースに添加すると甘味を増大させたと述べられている。特許文献7では、アスパルテームとともに2,4−DHBを用いると甘味を相乗的に増大させ、より「スクロース様の」味と口当たりをもたらすことが記載されている。別の人工甘味料である、アリテーム、Ace−K(アセスルファムカリウム)、サッカリンまたはアスパルテームとAce−Kとの混合物であっても2,4−DHBと組み合わせた場合に同じ効果が認められないという点で、この組み合わせは独特のものと考えられる。特許文献8では、2,4−DHBが、スクラロースの甘味が認識される期間の長さを大幅に削減することによって、人工甘味料のスクラロースの甘味送達プロファイルを改善することを主張している。特許文献7に鑑みればこれを予測することはできるけれども、同じ効果はアスパルテームでは認められない。本文に記載されているのではないが、特許文献8の図1および2ならびに表1および2は、2,4−DHBがスクラロースおよびアスパルテームの両方の甘味強度に対してわずかな阻害効果を有することを示唆していると思われる。
【0009】
特許文献9では、少なくとも1種の食味を改良する疎水性酸添加物の添加による、甘味料ネオテームの味と物理化学的特性の改良が記載されている。この味覚を改良する疎水性酸添加物は、それがネオテームによって付与される少なくとも1種の味覚特性に積極的に影響を与える必要があるといった点においてのみ、限定される。これらの特性は、特に開始と後に続く期間という甘味プロファイルに関連するようにみえるが、実施例にはどのようにそれらの特性が影響を受けるかは記載されていない。3−HBおよび2,4−DHBは、非常に多くのかかる添加物に混じって列挙されている。
【0010】
さらに、食味増強剤として機能する物質の同定方法に関して、近年数多くの開発がなされている。味覚受容体の活性を変化させることによって功を奏する食味増強剤になりうる標的化合物を同定する様々な試験が開発されている。例えば、上記の特許文献1および特許文献2は、標的化合物の存在下で特定のT1R受容体活性を測定する試験、およびハイスループットスクリーニングを開示している。
【0011】
Adlerらの特許文献10では、新しく同定した哺乳類の味覚細胞特異的G−タンパク質結合受容体を用いる、食味増強剤の同定方法を開示している。さらに詳細には、特許文献10では、甘味認識を調節するために使用可能な標的化合物のスクリーニング方法を教示している。
【0012】
食味増強剤として使用可能な化合物をスクリーニングするための様々な他の方法が、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、および特許文献26に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第02/064631号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/001876号パンフレット
【特許文献3】カナダ特許第1208966号明細書
【特許文献4】欧州特許第0132444号明細書
【特許文献5】米国特許第4627987号明細書
【特許文献6】米国特許第5232735号明細書
【特許文献7】国際公開第99/15032号パンフレット
【特許文献8】米国特許第6461658号明細書
【特許文献9】国際公開第00/69282号パンフレット
【特許文献10】米国特許第6955887号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0287517A1号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0084932A1号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0069944A1号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0032158A1号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2004/0229239A1号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2004/0209286A1号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2004/0191805A1号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2004/0185469A1号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2004/0175793A1号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2004/0175792A1号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2004/0171042A1号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2004/0132075A1号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2004/0072254A1号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2003/0232407A1号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2003/0170608A1号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2003/0054448A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
新しい食味増強剤の同定方法の開発が進んでいる状況ではあるが、甘味改変剤を含む経口組成物、特に飲料および菓子がまだ必要とされている。経口送達製品中の天然または人工の甘味料の量を低減させ、それにより製造コストと、その経口送達製品のカロリー含量とを削減するが、香味に対する悪影響は回避する、甘味改変剤組成物を開発することが望ましい。特に、甘味料のスクロース相当値を高めることができる新しい甘味改変剤に対するニーズがある。さらには、スクロース相当値を高めることができ、加えてその甘味料の甘香(甘い香り、sweet flavor)の認識、その甘味料の後味、その甘味料の甘味発現期間、その甘味料の甘味ピーク期間および/またはその甘味料の甘味減衰期間を改変することができる甘味料組成物に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
いくつかの実施形態では、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を増大するスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、甘香の認識を改変する甘香改変剤を含む第2の組成物と、を含む甘味料組成物が提供される。
【0016】
他の実施形態では、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味発現期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味発現期間を改変する甘味発現期間改変剤を含む第2の組成物とを含む、甘味料組成物が提供される。
【0017】
いくつかの実施形態では、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味ピーク期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味ピーク期間を改変する甘味ピーク期間改変剤を含む第2の組成物とを含む、甘味料組成物が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味減衰期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味減衰期間を改変する甘味減衰期間改変剤を含む第2の組成物とを含む、甘味料組成物が提供される。
【0019】
他の実施形態は、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値、および後味を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記後味を改変する後味改変剤を含む第2の組成物とを含む、甘味料組成物である。
【0020】
いくつかの実施形態は、甘味料組成物であって、あるスクロース相当値を有する、スクロース、高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ、スクロマルト(sucromalt)、イソマルチュロース、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1種の甘味料と、モノヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、メトキシサリチル酸、およびこれらの組合せから選択される、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の組成物とを含む、甘味料組成物である。
【0021】
いくつかの実施形態は、飲料組成物であって、あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物であって、前記甘味料組成物は甘香を有する、第1の非甘味料組成物と、前記甘味料組成物の甘香を改変する甘香改変剤を含む第2の組成物と、少なくとも1種の着香剤とを含む、飲料組成物である。
【0022】
いくつかの実施形態は、飲料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味発現期間を含めた時間的な甘味プロファイルによって特徴付けられる少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味発現期間を改変する甘味発現期間改変剤を含む第2の組成物と、少なくとも1種の着香剤とを含む、飲料組成物である。
【0023】
いくつかの実施形態は、飲料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味ピーク期間を含めた時間的な甘味プロファイルによって特徴付けられる少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味ピーク期間を改変する第2の組成物と、少なくとも1種の着香剤とを含む、飲料組成物である。
【0024】
いくつかの実施形態は、飲料組成物であって、あるスクロース相当値、および甘味減衰期間を含めた時間的な甘味プロファイルによって特徴付けられる少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味減衰期間を改変する甘味減衰期間改変剤を含む第2の組成物と、少なくとも1種の着香剤とを含む飲料組成物である。
【0025】
他の実施形態は、飲料組成物であって、あるスクロース相当値、および後味を含めた時間的な甘味プロファイルによって特徴付けられる少なくとも1種の甘味料と、前記少なくとも1種の甘味料のスクロース相当値を高めることができるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、前記少なくとも1種の甘味料の前記後味を改変することができる後味改変剤を含む第2の組成物とを含む、飲料組成物である。
【0026】
いくつかの実施形態は、飲料組成物であって、第1の量の3−ヒドロキシ安息香酸と、第2の量の3,4−ジヒドロキシ安息香酸と、第3の量の、マルトール、タウマチン、およびこれらの組合せから選択される食味改変化合物と、第4の量の、スクロース、高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ、スクロマルト、イソマルチュロース、乳糖、ガラクトース、キシロース、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、ハチミツ、玄米水飴、アガベシロップ(agave syrup)、糖蜜、赤砂糖、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1種の甘味料と、を含む飲料組成物である。
【0027】
いくつかの実施形態は、甘味料組成物を製造する方法であって、あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料を準備する工程と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の組成物を準備する工程とを含み、前記高められたスクロース相当値は、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値よりも大きい、方法である。
【0028】
いくつかの実施形態は、飲料を製造する方法であって、あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料を準備する工程と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の組成物を準備する工程であって、前記高められたスクロース相当値は、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値よりも大きい工程と、少なくとも1種の香味料を準備する工程とを含む、方法である。
【0029】
いくつかの実施形態は、食料品中の少なくとも1種の甘味料の量を低減させる方法であって、あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料を含む第1の組成物の第1の量を決定する工程と、前記第1の量を少なくとも30%(重量/重量)だけ低減させる工程と、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第2の組成物の第2の量を決定する工程であって、前記第2の量は前記スクロース相当値を提供する工程とを提供する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本願明細書に提示される実施形態は、甘味料のスクロース相当値を高めるという利点をもたらす甘味改変剤を含む経口送達システム(飲料、菓子製品、チューインガム製品,および食品など)を提供する。加えて、これらの甘味料組成物は、甘味の認識の質および/または時間的プロファイルを改変するという利点をもたらし得る。より具体的には、これらの組成物は、その甘味料の甘香、甘味の開始、甘味ピーク期間、甘味減衰期間、および/または後味を改変することができる成分を含んでいてよい。
【0031】
本願明細書で使用する場合、移行句「comprising(含む)」(「comprises(含む)」なども同様)は、「including(有している)」、「containing(含有している)」または「characterized by(特徴とする)」と同義で、包括的すなわちオープンエンド型であり、請求項の前提部または本体部いずれでの使用に関わらず、付加的な、記載していない要素または方法の工程を排除しない。
【0032】
本願明細書で用いる場合、用語「食料品」は、飲料、菓子製品、チューインガム製品、または食品を含めたあらゆる食用経口組成物を意味する。
【0033】
本願明細書で用いる用語「飲料」は、例えば、フレーバー水、清涼飲料、果汁飲料、コーヒー系飲料、紅茶系飲料、ジュース系飲料、乳飲料、ゼリー飲料、炭酸もしくは無炭酸飲料、アルコールもしくはノンアルコール飲料を含む、飲用可能なあらゆる液体または半流動体を意味する。
【0034】
本願明細書で用いる用語「飲料濃縮物」または「飲料ベース」は、適量の水または他の好適な液体もしくは半流動体、および/または甘味料と混合すると、飲料シロップまたはその他飲料を形成する中間飲料製品を意味する。飲料濃縮物は通常、着香剤および任意の添加剤を含む。
【0035】
本願明細書で用いる用語「飲料シロップ」は、飲料濃縮物、甘味料、および所定量の水または他の好適な液体もしくは半流動体から調製される中間飲料製品を意味する。飲料シロップは、飲料を形成すべく希釈できる濃縮形態をとる。飲料シロップは通常、着香剤、甘味料、および食品用酸、着色料などのような任意の添加剤を含有する。
【0036】
本願明細書で使用する場合、用語「風船ガム」および「チューインガム」はほとんど同義で用いられ、双方とも、いかなるガム組成物も含むことを意味する。
【0037】
本願明細書で用いる場合、用語「菓子ベース」は、当該菓子組成物の大部分を形成し、かつ当該菓子組成物にその構造上の完全性をもたらし、かつ他の成分が加えられる任意の成分または成分の群を含む。
【0038】
本願明細書で用いる場合、用語「食品」は、上記で定義される飲料、菓子またはチューインガムではない任意の食料品を意味し、例えば、ヨーグルト、リンゴソースなどのソース、クッキー、パン、ケーキ、卓上甘味料、マスタード、調味料およびケチャップなどの香辛料、プディング、プディングミックス(pudding mix)、ココアミックス、フルーツジュースミックス、飲料ミックス、レモネードミックスなどの乾燥混合物または粉末混合物が挙げられる。
【0039】
用語「香味主要成分」は本願明細書で使用する場合、香味付オイルなどの着香剤を含有する香味成分であり、通常、香味エッセンスを調製するのに用いられる。
【0040】
用語「香味エッセンス」(「香味ブレンド」、「香味エキス」)は、本願明細書で使用する場合、一般的に香味主要成分から調製される香味成分である。
【0041】
本願明細書に記載の実施形態は、有効成分の経口送達用の組成物を提供する。例えば、香味料などの、数多くの異なる有効成分を用いてよい。組成物はまた、食味増強剤も含有してよい。食味増強剤は、有効成分とともに用いた場合に相乗的に作用することで、摂食の際の有効成分の認識を増進する。さらに、いくつかの実施形態では、食味増強剤を封入することで、制御放出プロファイル、すなわち、摂食時の放出速度の遅延または増大をもたらすことができる。従って、食味増強剤は、当該組成物が配合される製品、例えばチューインガムなどの摂食中、長期間にわたって放出できる。
【0042】
(増強剤組成物)
本願明細書に記載の実施形態は、甘味料などの少なくとも1種の有効成分、および甘味改変剤などの少なくとも1種の食味増強剤組成物を含有しうる組成物を提供する。増強剤組成物は、制御放出特性を有する場合がある。食味増強剤は、有効成分と相乗的に作用して、有効成分の認識を増進する場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、有効成分は甘味料であってよい。少なくとも1種の食味改変剤と組合せた甘味料の送達は、その組成物の摂食時の甘味の認識を増進する場合がある。特に、食味改変剤は、甘味料と相乗的に機能して、甘味の認識を増進する場合がある。従って、増強剤の配合により、その組成物が与える甘味のレベルを損なうことなく、甘味料の量を低減することが可能になる。砂糖など、多くの従来の甘味料に含まれるカロリーを考えると、これらの結果は非常に望まれる場合がある。さらに、組成物で用いる甘味料の量の低減に伴い、大幅に費用削減ができる。
【0043】
本願明細書に記載のいくつかの実施形態にとって、「食味増強剤」は、組成物の摂食の間に有効成分の認識を増進しうる物質をいう。本願明細書に記載のいくつかの実施形態にとって、用語「増進する」は、強化する、補充する、改変する、変調させるまたは増強することを意味する。いくつかの食味増強剤は、さらに具体的にそれらが増進する有効成分のタイプに言及することにより呼ばれてもよい。例えば、甘味料増強剤(または甘味改変剤)は、摂食中に甘味料の認識を増進し、香味料増強剤は、摂食中に香味料の認識を増進する。しかし、これらのさらに具体的な例は、食味増強剤の下位集合にすぎず、本願明細書で使用する場合、一般的な用語「食味増強剤」に包含される。
【0044】
食味増強剤は、有効成分と併用すると、言い換えると、個々の物質単独の食味効果の総計よりもその全体の効果が強くなるように有効成分の食味効果を増進することによって、相乗的な効果を有する場合がある。さらに、いくつかの食味増強剤は、それ自体の特徴的な食味および/または芳香を認識させることはない。
【0045】
いくつかの実施形態において、例えば、食味増強剤は、組成物の酸味、甘味、苦味、塩味または旨味を増進する場合がある。食味増強剤は、以下でさらに詳細に述べるように、他の有効成分の様々な効果を増進するように機能する場合もある。
【0046】
食味増強剤として機能する様々な物質のいずれも、本願明細書に記載の組成物に用いてよい。例えば、好適な食味増強剤としては、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリデイン(alapyridaine)、シナリン、ミラクリン、グルピリデイン(glupyridaine)、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸モノナトリウム、グルタミン酸モノカリウムなどのグルタミン酸塩、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩化ナトリウムなどの塩、グリチルリジン酸モノアンモニウム、バニラエキス(エチルアルコール中)、水溶性糖酸、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、水溶性加水分解植物性タンパク質、水溶性加水分解動物タンパク質、水溶性酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、イノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸などの水溶性ヌクレオチド、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、2−ヒドロキシ安息香酸(2−HB)、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)、および4−ヒドロキシ安息香酸(4−HB)などのモノヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(2,6−DHB)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)、および3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−DHB)などのジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸(2,3,4−THB)、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸(2,4,6−THB)、および3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5−THB)などのトリヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、3−ヒドロキシケイ皮酸、3−アミノ安息香酸、および4−アミノ安息香酸などのアミノ安息香酸、ヒドロキシデオキシベンゾイン、メトキシサリチル酸、ならびにそれらの組合せなどの水溶性食味増強剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
他の好適な食味増強剤は、実質的に、あるいは全く水に不溶性であり、シトラスアウランチウム、バニラオレオレジン、水不溶性の糖酸、水不溶性加水分解植物性タンパク質、水不溶性加水分解動物タンパク質、水不溶性酵母エキス、不溶性ヌクレオチド、サトウキビ葉エッセンス、およびそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
【0048】
いくつかの他の好適な食味増強剤としては、マルトール、エチルマルトール、バニリン、微水溶性糖酸、微水溶性加水分解植物性タンパク質、微水溶性加水分解動物タンパク質、微水溶性酵母エキス、微水溶性ヌクレオチド、およびそれらの組合せなど、水にわずかに溶解しうる物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
さらに好適な食味増強剤としては、甘草グリチルリジン酸、G−タンパク質結合性受容体(T2RおよびT1R)に応答する化合物、G−タンパク質結合性受容体(T2RおよびT1R)、ならびにコクみを付与する、クロダらの米国特許第5679397号(参照によってその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示された食味増強剤組成物が挙げられるが、これらに限定されない。「コクみ」とは、「広がり」および「こく」を付与する物質をいう。コクみを与える組成物は、水溶性、微水溶性または水不溶性であってよい。
【0050】
上記のように、食味増強剤の一種である甘味改変剤は、甘味の認識を増進する。甘味の認識には多種の変更要素が関与し、そのうちの2つとして食味および香味が挙げられる。食味および香味は、甘味を解釈するための異なる機構で認識される。より具体的には、食味は、口腔中の味覚受容体に対する作用を通して認識される。これらの受容体は、摂食の際に組成物の基本的な甘味、酸味、苦味および/または塩味を判定する。この香味の変更要素は嗅覚的な機構を通して認識される。香味は、摂食の際のその組成物の香りのふくらみ(fullness)およびまろやかさ(roundness)によって特徴付けられる。
【0051】
本願明細書に記載されるいつくかの実施形態は、甘味料と、当該組成物の甘香および/または食味に影響を及ぼすための1以上の甘味改変剤とを含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物ではより少ない甘味料を使用することが望ましい場合がある。しかしながら、組成物中の甘味料の量を減少させると、その組成物の認識される甘味、すなわち食味および香味に悪影響を与えるかも知れない。従って、甘味料プロファイルの均衡を保ち、認識される甘味の質および/または継続期間を改変するために、さらなる成分がその組成物に加えられてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、甘味の質の変更要素は、認識される甘味の質を改変するために使用することができる。甘味の質の変更要素は、その甘味料の強度、甘味料のふくらみを変えるため、または甘味料の認識される苦味を減少させるために、甘味料とともに使用するために選択されてよい。より具体的には、有用な甘味の質の変更要素としては、「甘味相当値改変剤」、「甘香改変剤」および「後味改変剤」が挙げられる。
【0053】
甘味の認識は、しばしばスクロース相当値によって呼ばれる。スクロース相当値は、スクロースのベースラインと比べて甘味を測定するために使用される標準である。シュガーレスおよび高甘味度甘味料、を含めたすべての甘味料は、標準の甘味料であるスクロースに対して測定される。従って、甘味料プロファイルおよび認識される甘味のレベルは、理想的には、スクロースのレベルに匹敵するべきである。溶液の認識される甘味を測定する1つの方法は、そのスクロース相当値(以降「SEV」)を算出することによる。スクロース相当値は、所定量のスクロースから認識される甘味と同等のレベルをもたらすために必要とされる甘味料の量として定義することができる。このSEVは、その溶液を既知濃度のスクロース原液と比較することによって測定される。スクロース標品と同等の甘味強度を有する甘味料の濃度はまた、スクロースに「等しい甘味である(isosweet)」と記載されることがある。例えば、アスパルテームは、スクロースよりも200倍甘いと認識されている。従って、0.05グラムのアスパルテームを含む溶液100ミリリットルは、10グラムのスクロースを含む溶液100ミリリットルと等しい甘さであると予想される。
【0054】
いくつかの実施形態では、スクロース相当値改変剤の使用によって、全体の甘味の認識を失うことなくより少ない甘味料を使用することが可能になる。本願明細書で用いる場合、用語「スクロース相当値改変剤」は、甘味料組成物の甘味強度の認識を高める任意の成分を含む。「スクロース相当値改変剤」は、認識される甘味の食味成分である。従って、「スクロース相当値改変剤」は、特定量のスクロースと比較して、認識される甘味のレベルを高めるために使用してよい。
【0055】
本願明細書で用いる場合、用語「甘香改変剤」は、甘味料組成物の甘香(ふくらみまたはまろやかさなど)を高める任意の成分を含む。「甘香改変剤」は、嗅覚受容体に作用し、従ってそれは香味成分である。
【0056】
後味は、口の中に長く残る苦味または望ましくない香味の認識を意味する。本願明細書で用いる場合、用語「後味改変剤」は、甘味料組成物に加えられたときに苦味または望ましくない香味の認識を減少させる任意の組成物を含んでよい。従って、「後味改変剤」は、食味成分である。
【0057】
いくつかの実施形態では、時間的プロファイルの変更要素が、認識される甘味の継続期間を改変するために使用されてもよい。時間的プロファイル変更要素には、食味および香味成分の両方が関与する。時間的プロファイル変更要素は、認識される甘味の発現期間、認識される甘味のピーク期間および/または認識される甘味の減衰期間を変え得る。かかる期間を変えることによって、甘味プロファイルは、そのプロファイルにおける任意のピークを滑らかにしてより緩やかな甘味の認識を経時的に作り出すように改変することができる。
【0058】
本願明細書で用いる場合、用語「甘味発現期間改変剤」は、甘味の認識の発現時間を延長するかまたはその開始を遅らせる任意の成分を含む。「甘味発現期間改変剤」はまた、甘味の認識の発現時間を短くするかもしくはその終結を早める任意の成分、または甘味の発現時間を維持するかもしくは不変のままにする任意の成分を含む。「甘味発現期間改変剤」は、甘味の食味成分かつ香味成分である。
【0059】
本願明細書で用いる場合、用語「甘味ピーク期間改変剤」は、甘味の認識のピークの長さまたは継続期間を延長する任意の成分を含む。「甘味ピーク期間改変剤」はまた、甘味の認識のピーク時間を短くするかもしくはその終結を早める任意の成分、または甘味のピーク時間を維持するかもしくは不変のままにする任意の成分を含む。「甘味ピーク期間改変剤」は、甘味の食味成分および香味成分を有する。
【0060】
本願明細書で用いる場合、用語「甘味減衰期間改変剤」は、甘味の認識の低下までの期間を延長する任意の成分を含む。「甘味減衰期間改変剤」はまた、甘味の認識の減衰時間を短くするかもしくはその終結を早める任意の成分、または甘味の減衰時間を維持するかもしくは不変のままにする任意の成分を含む。「甘味減衰期間改変剤」は、甘味の食味成分および香味成分を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、甘味料組成物は、甘味料およびスクロース相当値改変剤をふくんでいてよい。いくつかの実施形態では、所望の甘味の認識を経時的に達成するために、任意の1以上の甘味の質の変更要素または時間的プロファイル変更要素が当該甘味料およびスクロース相当値改変剤と組み合わせられてよい。
【0062】
例示となる甘味改変剤としては、グリチルリジン酸モノアンモニウム、甘草グリチルリジン酸、シトラスアウランチウム、アラピリデイン、アラピリデイン(alapyridaine)(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、甜菜エキス、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラエキス、バニラオレオレジン、バニリン、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、G−タンパク質結合性受容体に応答する化合物(T2RおよびT1R)、2−ヒドロキシ安息香酸(2−HB)、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)、4−ヒドロキシ安息香酸(4−HB)、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(2,6−DHB)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−DHB)、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸(2,3,4−THB)、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸(2,4,6−THB)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5−THB)、4−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、3−ヒドロキシケイ皮酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
スクロース相当値を高め、甘香を高めおよび/または後味を減少させることによって甘味料組成物の甘味の質を変えるために使用してよい成分の、限定を意図しない一覧が下記の表1に示される。いくつかの実施形態では、甘味料およびスクロース相当値改変剤を一緒にその甘味料組成物に含めることが望ましい場合がある。その組成物の認識される甘味をさらに改変するために、甘香改変剤および/または後味改変剤が加えられてもよい。甘味プロファイルをさらに調整するために、任意に、表2に示すように、任意の1以上の時間的プロファイル改変剤もまた、加えられてもよい。
【0064】
【表1−1】

【0065】
【表1−2】

【0066】
【表1−3】

【0067】
【表1−4】

【0068】
甘味発現期間、甘味ピーク期間または甘味減衰期間を延長することによって時間的プロファイルを変えるために使用してよい成分の、限定を意図しない一覧が表2に示されている。甘味発現期間、甘味ピーク期間、または甘味減衰期間を延長する時間的プロファイル改変剤に加えて、これらの時間的な期間の各々を短くするかまたは維持する改変剤もまた、すべての組み合わせがそうであるとおり、企図される。例えば、甘味発現期間を延長する時間的プロファイル改変剤は、甘味減衰期間を短くする時間的プロファイル改変剤と組み合わせられてよいし、または甘味発現期間を短くする時間的プロファイル改変剤ならば、甘味ピーク期間を維持する時間的プロファイル改変剤と組み合わせることができるであろう、などである。
【0069】
【表2】

【0070】
塩味を増強するためのさらなる食味増強剤には、参照によって本願明細書に援用したものとする、米国特許第6974597号に開示されたもののような酸性ペプチドが含まれる。酸性ペプチドには、リジン、アルギニンおよびヒスチジンなどの塩基性アミノ酸よりも数多くの、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸を有するペプチドが含まれる。酸性ペプチドは、ペプチド合成、またはエンドペプチダーゼを用いてタンパク質を加水分解に付し、必要に応じ脱アミド化することによって得られる。酸性ペプチド、またはタンパク質を加水分解および脱アミド化に付すことによって得られるペプチドの作製における使用に好適なタンパク質として、植物タンパク質(例えば小麦グルテン、トウモロコシタンパク質(例えば、ゼインおよびグルテンミール)、大豆タンパク質単離物)、動物タンパク質(例えば、ミミルクカゼインおよびミルク乳清タンパク質などの乳タンパク質、食肉タンパク質および魚肉タンパク質などの筋肉タンパク質、卵白タンパク質およびコラーゲン)、ならびに微生物タンパク質(例えば、微生物細胞タンパク質および微生物により産生されるポリペプチド)が挙げられる。
【0071】
温感または冷感の効果は、参照によってその全体を本願明細書に援用したものとする米国特許出願公開第2003/0072842A1号に記載のように、疎水性甘味料の使用によっても延長されるかもしれない。例えば、かかる疎水性甘味料は、以下に示すような式I−XIのものを含む:
【化1】

式中、X、YおよびZは、CH、OおよびSからなる群から選択される;
【化2】

式中、XおよびYは、SおよびOからなる群から選択される;
【化3】

式中、Xは、SまたはOであり;Yは、OまたはCHであり;Zは、CH、SOまたはSであり;Rは、OCH、OHまたはHであり;Rは、SHまたはOHであり、Rは、HまたはOHである;
【化4】

式中、Xは、CまたはSであり;Rは、OHまたはHであり、Rは、OCHまたはOHである;
【化5】

式中、R、RおよびRは、OHまたはHであり、RはHまたはCOOHである;
【化6】

式中、Xは、OまたはCHであり、Rは、COOHまたはHである;
【化7】

式中、Rは、CHCH、OH、N(CH3)またはClである;
【化8】

【0072】
参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする、米国特許第6159509号に記載のとおりに、ペリラルチンを添加してもよい。
【0073】
上記列挙した食味増強剤のいずれも、単独、または組合せて使用してよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、例えば、互いに相乗的に作用する2種以上の食味増強剤を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態では、互いに相乗的に作用する2種以上の甘味改変剤を含有する甘味改変剤組成物を提供してもよい。この甘味増強剤組成物は、スクロースと同程度の甘味強度をもたらすのに必要なスクロースの量を低減することによって、それが配合される製品の甘味を増進することができる。甘味改変剤の組合せの甘味増進効果は、個々に用いた場合のいずれの化合物の効果よりも大きい場合がある。
【0075】
当該甘味改変剤組成物は、さらなる甘味改変剤を含んでいてよい。例えば、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)またはその可食性塩を用いてもよい。
【0076】
3,4−DHBの可食性塩としては、酸(すなわちカルボン酸)塩および/またはヒドロキシレート塩、特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩などが挙げられる。
【0077】
この塩は、所望のpHを提供するために食料品において同様に通常用いられる典型的な緩衝剤(リン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カルシウム(例えばリン酸一カルシウムおよびリン酸三カルシウム)などとの反応によって予め形成されていてもよいし、当該食料品中で形成されてもよい。
【0078】
これらの塩の食味特性および味質は、いくつかの系では、3,4−ジヒドロキシ安息香酸それ自体よりも、良好に発揮されることがある。遊離酸は、いくつかの系では、いくらか酸っぱく、わずかに渋みのある特徴を有することがある。
【0079】
ナトリウムおよびカリウム塩はさほど酸っぱくないかも知れず、当該遊離酸と比べて、全体的にすっきりした食味で香味がより良好であることがある。3,4−DHBの塩は、3,4−ジヒドロキシ安息香酸の濃い水溶液を適切な塩基(例えば、3,4−DHB.Naを調製するためには水酸化ナトリウム)で中和し、生成した塩を(例えば、冷却によって)結晶化させ、溶媒の除去および適切な洗浄の後にその結晶を集めて乾燥することによって、3,4−ジヒドロキシ安息香酸から容易に調製することができる。
【0080】
いくつかの実施形態において、甘味改変組成物は、予備混合粉体または予備混合液体として提供してよく、これを別の組成物に添加してよいが、また他の実施形態では、甘味改変組成物の個々の成分を個々の物質として別の組成物に添加してよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、組成物からの食味増強剤の放出速度や、組成物自体の放出プロファイル全体を制御することが望ましい場合がある。組成物を配合させる最終製品のタイプ、およびその摂食時間に依存して、異なる放出速度であることが望ましい場合がある。例えば、チューインガム製品は、約15〜約120分の間のいずれの範囲でも、異なる咀嚼プロファイルを有してよい。選択するチューインガムによって、異なる放出速度が望ましい。ヌガー、キャラメル、フラッペおよびタフィーを含む硬質キャンディなどの他の菓子の形態も、異なる放出速度を有することができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、放出速度は、水に対する食味増強剤の溶解度に依存する場合がある。具体的な溶解性を選択することで、組成物全体だけでなく、食味増強剤の放出プロファイルを制御してよい。さらに具体的には、食味増強剤は、様々な水に対する溶解性を有する。これらの成分のいくつかは水溶性であり、すなわち、実質的に、または完全に水に溶解できるが、その他のものは水に対する溶解性が低いか、溶解しない。いくつかの実施形態において、例えば、1種以上の水溶性の低い食味増強剤を、低い水溶性を呈することが知られている有効成分と組み合わせて選択することが望ましい場合がある。極めて高い不溶性を示す食味増強剤は、その特性ゆえに、有効成分もゆっくりとそれらから放出するように組成物の摂食の間中、維持できる。あるいは、比較的高い水溶性を示す増強剤を比較的高い水溶性を示す有効成分との対にしてよい。これらの例の両方で、食味増強剤および有効成分を、それらの放出プロファイルが類似するかまたは重複するように、溶解性に基づいて選択してよい。
【0083】
他の実施形態では、例えば、増強剤が組成物から逐次的に放出されうるように、水に対する溶解性の異なるいくつかの食味増強剤を選択することが望ましい場合がある。別の例では、同様に、水に対する溶解性の異なる複数の有効成分と共に、複数の逐次的に放出する食味増強剤を含有してよい。異なる溶解性を有する食味増強剤の多くの他の組合せも、組成物に対する異なる放出プロファイルをもたらすために用いてよい。これらに鑑み、食味増強剤の溶解性や、それらと有効成分との組合せを用いて、組成物全体の放出プロファイルを制御および適合調整してよい。
【0084】
従って、本願明細書に記載のいくつかの実施形態にとって、用語「制御放出」は、放出の継続期間または態様をある程度管理または変更して、所望の放出プロファイルを提供することを意味する。さらに具体的には、例えば、制御放出は、少なくとも以下の放出プロファイル:放出開始の遅延;間欠的放出;緩徐な放出;初期高放出;持続的放出;逐次放出;およびそれらの組合せを含む。
【0085】
異なる溶解性および/または放出プロファイルを有する食味増強剤および有効成分を、多くの異なる実施形態で組み合わせて、多くの異なる全体的な放出プロファイルを有する組成物を提供してよい。例えば、以下の放出プロファイルのいずれかを有する1種以上の食味増強剤を、以下の放出プロファイルのいずれかを有する1種以上の有効成分と、如何なるようにも組み合わせてよい:放出開始の遅延(「DOR」);間欠的放出(「PR」);緩徐な放出(「GR」);初期高放出(「HIR」);および持続的放出(「SUR」)。さらに、食味増強剤および/または有効成分に、他の制御放出プロファイルと同様に、これらを付与する他の技術を用いてよい。例えば、本願明細書においてさらに詳細に後述する封入技術を用いてよい。さらに、封入されていない食味増強剤および有効成分(「遊離」成分と称される場合がある)を、封入された形態などの他の形態の成分と組み合わせて、増強剤組成物の放出プロファイルを適合調整してよい。仮説的な組合せのサンプリングを以下の表1に示すが、表中、P−Pは異なる食味増強剤を表し、A−Aは異なる有効成分を表す。P−PおよびA−Aは、それらの遊離型、および/または封入型として用いてよい。
【0086】
【表3】

【0087】
制御放出特性はまた、例えば、前記の封入技術によるなど、他の方法にて、本願明細書に記載の組成物に付与してよい。封入することで、上記の様々な放出プロファイルのいずれかを付与してよい。いくつかの実施形態では、食味増強剤、および/または有効成分を封入して、組成物からの増強剤および/または有効成分の放出速度を制御してよい。例えば、いくつかの実施形態では、3−HBおよび/または2,4−DHBを、それらを封入する型で使用してよい。
【0088】
例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の封入された食味増強剤、および少なくとも1種の封入されていない有効成分、すなわち、その遊離型のものを含有してよい。他の実施形態では、少なくとも1種の封入されていない食味増強剤、および少なくとも1種の封入された有効成分を含有してよい。さらに、いくつかの実施形態では、食味増強剤、および有効成分の双方を封入してよい。かかる実施形態では、食味増強剤、および有効成分を一緒に封入してもよいし、別々に封入してもよい。食味増強剤および有効成分が別々に封入された実施形態では、これらの成分を封入するのに使用する材料は、同じでもよいし、異なっていてもよい。さらに、これらの実施形態のいずれかでは、2種以上の材料を使用して、食味増強剤または有効成分を封入してよい。
【0089】
上記の実施形態のいずれにおいても、食味増強剤または有効成分の封入型を、その遊離型、すなわち、非封入型と同じ成分の所定量と組合せて用いてよい。遊離成分と、封入された成分との双方を使用することによって、長期間にわたり有効成分の認識の増進をもたらすことができ、および/または消費者による有効成分の認識を改善できる。例えば、いくつかの実施形態では、封入された食味増強剤をその非封入型である同じ食味増強剤の所定量と組み合わせて含有してよい。あるいは、封入されていない食味増強剤は、封入された増強剤と異なる食味増強剤であってよい。これにより、いくつかの実施形態では、一方は封入型であって、他方はその遊離型である、異なる2種の食味増強剤の混合物を含有してよい。有効成分に関しても、これらの変更態様を採用してよい。
【0090】
封入は、成分の分散、スプレードライ、スプレーコーティング、流動床乾燥、吸収、吸着、コアセルベーション、複合体生成、または任意の他の標準技術によりおこなうことができる。一般に、食味増強剤および/または有効成分は、封入材料によって封入してよい。本願明細書に記載のいくつかの実施形態にとって、用語「封入材料」は、完全に、または部分的に別の物質を被覆または外装できる材料を意味する。封入はまた、別の物質へのある物質の吸着、2つの物質間での凝集物または集塊の形成が含まれることを意味する。
【0091】
食品において封入材料として従来から使用されているいずれの材料を用いてよい。例えば、いくつかの実施形態では、例えば、疎水性封入材料などの、食味増強剤の放出を遅延させる封入材料を使用することが望ましい場合がある。これに対し、他の実施形態では、例えば親水性材料などの封入材料を使用することにより、放出の速度を上昇させることが望ましい場合がある。さらに、2種以上の封入材料を使用してよい。例えば、食味増強剤または有効成分を、2種以上の封入材料の混合物によって封入して、放出の速度を適合調整してよい。
【0092】
食味増強剤は、有効成分と協働して作用し、それらの活性が増進されると考えられる。従って、いくつかの実施形態では、増強剤の放出を制御して、それが実質的に、組成物中に含有される有効成分の放出と同時に発生するようにするのが望ましい場合がある。上記のとおり、いくつかの食味増強剤は放出速度が速いが、他の食味増強剤は放出速度が遅い。一方、いくつかの有効成分は放出速度が速いが、その他のものは放出速度が遅い。いくつかの実施形態では、食味増強剤を封入するのに使用される材料を、組成物中で一緒に使用するために選択される、増強剤および有効成分の双方の放出プロファイルに基づく増強剤の放出速度を加減するために選択してよい。
【0093】
さらに具体的には、いくつかの実施形態において、組成物中に含有される有効成分は、同じ組成物中で使用するために選択される食味増強剤よりも遅い放出プロファイルを有してよい。従って、組成物からの食味増強剤の放出を、実質的に有効成分と同時に放出するように遅延させるのが望ましい場合もある。対応する放出プロファイルは、摂食の間中、有効成分の認識を増進するという点における食味増強剤の有効性を高める場合がある。
【0094】
遅延型放出の実施形態での使用に好適な封入材料としては、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態において、上記のとおり、食味増強剤は水溶性であってよい。例えば、以下の食味増強剤は水溶性である:ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリデイン、シナリン、ミラクリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸モノナトリウム、グルタミン酸モノカリウムなどのグルタミン酸塩、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩化ナトリウムなどの塩、グリチルリジン酸モノアンモニウム、バニラエキス(エチルアルコール中)、水溶性糖酸、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、水溶性加水分解植物性タンパク質、水溶性加水分解動物タンパク質、水溶性酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、イノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸などの水溶性ヌクレオチド、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、2−ヒドロキシ安息香酸(2−HB)、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)、4−ヒドロキシ安息香酸(4−HB)などのモノヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(2,6−DHB)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−DHB)などのジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸(2,3,4−THB)、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸(2,4,6−THB)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5−THB)などのトリヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、3−ヒドロキシケイ皮酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸などのアミノ安息香酸、ヒドロキシデオキシベンゾイン、メトキシサリチル酸(MS)、メトキシ安息香酸(B)、p−アニス酸およびそれらの組合せ。それらの水に対する溶解性に起因して、かかる食味増強剤は、それらが配合された組成物から迅速に放出する傾向を示す場合がある。このように、いくつかの実施形態では、上記の増強剤の放出を遅延させる封入材料によって、水溶性食味増強剤を封入してもよい。
【0096】
他の実施形態では、組成物からの食味増強剤の放出を高めることが望まれる場合がある。例えば、組成物に配合される食味増強剤は、それと組み合わせて使用するために選択される有効成分よりも放出速度が遅い場合がある。この放出速度の差が、食味増強剤の有効性を低減させる場合がある。従って、かかる食味増強剤を増強剤の放出の速度を高める封入材料で封入してよい。これによって、増強剤および有効成分の放出を、摂食の間、実質的に一致させることができる。
【0097】
放出を増大する実施形態での使用に好適な封入材料としては、シクロデキストリン、糖アルコール、デンプン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ゼラチン、グアーガム、フルクトース、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
いくつかの実施形態において、上記のとおり、食味増強剤は、実質的に、または完全に水に不溶性であってよい。例えば、以下の食味増強剤は、実質的にまたは完全に水に対して不溶性である:シトラスアウランチウム、バニラオレオレジン、水不溶性の糖酸、水不溶性加水分解植物性タンパク質、水不溶性加水分解動物タンパク質、水不溶性酵母エキス、不溶性ヌクレオチド、サトウキビ葉エッセンス、およびそれらの組合せ。かかる食味増強剤は、水に対する溶解性が低いため、組成物からゆっくりと放出する傾向を示す場合がある。このように、いくつかの実施形態では、実質的にまたは完全に水に対して不溶性の食味増強剤を、上記の増強剤の放出を高める封入材料によって封入してよい。
【0099】
上記に従って、封入された食味増強剤は、食味増強剤および封入材料を含有してよい。食味増強剤の所望の放出プロファイルに基づいて封入材料を選択してよい。いくつかの実施形態において、食味増強剤の含有量は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、さらに具体的には組成物の約0.1重量%〜約2重量%であってよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、封入材料の含有量は、組成物の約1重量%〜約95重量%、さらに具体的には組成物の約5重量%〜約30重量%であってよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、封入された物質、すなわち封入された食味増強剤または有効成分は、約6500psi(約44.8MPa)以上のような高引張強度を有してよい。さらに具体的には、引張強度は、約6,500psi〜約200,000psi(約44.8MPa〜約1379MPa)であってよい。かかる引張強度は、長期間にわたって食味増強剤および/または有効成分の放出を一貫して制御するのに好適でありうる。封入された物質の引張強度は、米国特許公開第2005/0112236A1号にさらに詳細に記載されており、その内容を参照によって本願明細書に援用したものとする。
【0102】
いくつかの実施形態において、増強剤組成物に配合される有効成分の量は、組成物の約1重量%〜約95重量%、さらに具体的には組成物の約5重量%〜約30重量%であってよい。
【0103】
有効成分は、1種以上の食味増強剤の存在によって何らかの様式でその認識が増進される、任意の成分であってよい。好適な有効成分としては、香味、甘味、酸味、旨味、コクみ、美味、塩味、冷感、温感または刺激感をもたらす化合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な有効成分としては、口腔ケア剤、栄養補助有効成分および医薬有効成分が挙げられる。有効成分の組み合わせを用いてもよい。
【0104】
使用可能な香味をもたらす化合物(香味料または香味剤)としては、天然香味料および人工香味料など、当業者に公知のものが挙げられる。これらの香味料を合成香味油、および着香芳香剤および/または着香芳香油、植物、葉、花、フルーツなど由来のオレオレジンおよびエキスなど、ならびにこれらの組合せから選択してよい。限定しない代表的な香味油分として、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、和種はっか油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、およびケイヒ油が挙げられる。また有用な香味料は、バニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを含む柑橘類油分、およびリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、スイカ、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどを含むフルーツエッセンスなどの人工、天然および合成フルーツ香味料である。可能性がある他の香味料として、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティまたはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、および和種はっかフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティーダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、チョウジフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(日本ワサビ)フレーバーなどの香辛フレーバー;ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランディフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびに、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの植物フレーバーが挙げられる。これらの着香剤は、液体または固体形状で用いてよく、個々にまたは混合物として用いてもよい。よく用いられる香味料として、ペパーミント、メントール、スペアミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および様々なフルーツフレーバーが挙げられ、個々にまたは混合物として用いられる。特にミントフレーバーなどの香味料はまた、冷感剤と組合せて用いると呼気清涼化特性をもたらす場合がある。
【0105】
他の有用な香味料として用いてよいものとして、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(amisol)などのアルデヒドおよびエステルが挙げられる。一般に、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Processing、刊行物1274、63〜258頁に記載のもののような、香味料または食品添加物のいずれも用いてよい。この刊行物は、参照によって本願明細書に援用したものとする。
【0106】
アルデヒド香味料のさらなる例として、限定しないがアセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわちα−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の香味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわちトランス−2(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわちメロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)、サクランボ、グレープ、ブルーベリー、ブラックベリー、ストロベリーショートケーキ、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0107】
いくつかの実施形態では、香味剤は、液体形状および/または乾燥形状のいずれかにて用いてもよい。後者の形状で用いる場合、油の噴霧乾燥などの好適な乾燥手段を用いてよい。あるいは、香味剤はセルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガムなどの水溶性材料に吸着させてもよいし、または封入してもよい。かかる乾燥された形態を調製するための実際の技法は、周知である。
【0108】
いくつかの実施形態において、香味剤は、香味の初期噴出および/または香味の認識の持続をもたらすように、当該技術分野で周知の多くの別異の物理的形状で用いてよい。かかる物理的形状としては、スプレードライ、粉体、ビーズ形状などの遊離形状、封入形状、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
甘味をもたらす化合物(甘味料または甘味料)としては、砂糖類などの増量甘味料(bulk sweetener)、シュガーレス増量甘味料など、またはそれらの混合物を挙げることができる。
【0110】
好適な糖甘味料としては、一般にスクロース(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に水素化したデンプン、コーンシロップ固形物、イソマルチュロースなどの単糖、二糖および多糖、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
好適なシュガーレス増量甘味料としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化イソマルチュロース、(イソマルト)、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、ステビア、およびそれらの混合物などの糖アルコール(またはポリオール)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
好適な水素化デンプン加水分解物として、米国特許第4279931号に開示されたもの、および種々の水素化グルコースシロップおよび/またはソルビトール、マルチトール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、もしくはそれらの混合物を含有する粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された接触水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、単糖、二糖、および多糖の混合物である。これらの異なる糖類の比によって、異なる性質の異なる水素化デンプン加水分解物が得られる。フランスのRoquette Freres製造の市販品LYCASIN(登録商標)、およびデラウェア州、ニューキャッスル(New Castle)のSPI Polyols,Inc.製造の市販品HYSTAR(登録商標)などの、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0113】
いくつかの実施形態では、高甘味度甘味料を用いてもよい。特定の甘味料に限定されることはなく、代表的な分類および例として以下のものが挙げられる。
【0114】
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビア、ステビオシド、rebaudioside A、グリチルリジン、ジヒドロフラベノールなどの水溶性甘味料、およびソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール類、ならびにL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドで、米国特許第4619834号に開示のものなど(この開示は、参照によって本願明細書に援用したものとする)、ならびにこれらの混合物;
【0115】
(b)可溶性サッカリン塩、すなわちナトリウムまたはカルシウムのサッカリン塩、シクラメート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)など、サッカリンの遊離酸型、およびこれらの混合物などの水溶性人工甘味料;
【0116】
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)および米国特許第3492131号に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、およびこれらの混合物などのL−アスパラギン酸由来甘味料などのジペプチド系甘味料;
【0117】
(d)普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースまたはSplenda(商標)の品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などといったクロロデオキシ糖誘導体などの天然由来の水溶性甘味料由来の水溶性甘味料;クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例として、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フラクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4、1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;および4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、およびこれらの混合物;
【0118】
(e)ミラクリン、ミラクルベリー(Synseplum dulcificum)のエキスおよびエキスの誘導体、マビンリン(mahiniin)、クルクリン、モネリン、ブラゼイン(brazzein)、ペンタジン(pentadin)、Penladiplandra brazzeanaのエキスおよびエキスの誘導体、タウマチン、タウマッコスダニエリ(thaumaoccous danielli)(タウマチンIおよびII)およびタリンなどのタンパク質系甘味料;
【0119】
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)およびその誘導体;ならびに、
【0120】
(g)甘味料羅漢果(Lo han guo)(「Lo han kuo」と呼ばれることもある)。
【0121】
強化甘味料は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、初期の甘さの噴出および/または甘さの感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、かかる物理的形態には、スプレードライ、粉末、ビーズ型などの遊離型、封入型、およびこれらの混合形態が含まれる。
【0122】
酸味をもたらす化合物は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびこれらの組合せなどの酸味料を含んでよい。
【0123】
旨味または美味の香味をもたらす化合物は、グルタミン酸モノナトリウム(MSG)、グルタミン酸、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、遊離アミノ酸、IMP(5’−イノシン一リン酸二ナトリウム)およびGMP(5’−グアノシン一リン酸二ナトリウム)、T1R1およびT1R3受容体を刺激する化合物、キノコ香味料、発酵魚香味料、ならびにビーフ、チキン、ポーク、ダチョウ、シカおよびバッファローなどの筋香味料を含んでよい。
【0124】
コクみを与える物質は、上記したKurodaらの米国特許第5679397号に開示の、(1)ゼラチンおよびトロポミオシンおよび/またはトロポミオシンペプチド;(2)ゼラチンおよびパラミオシン;ならびに(3)トロポニンおよびトロポミオシンおよび/またはトロポミオシンペプチドから選択される混合物を含んでよい。
【0125】
塩味をもたらす化合物は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、l−リジンなどの従来の塩、およびそれらの組合せを含んでよい。
【0126】
冷感の感覚をもたらす化合物としては生理的冷感剤を挙げることができる。様々な周知の冷感剤を用いてよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤として、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキシアミド、グルタル酸モノメンチル、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換尿素およびスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロデカノン、2〜6の炭素数のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド、和種はっか油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、l−メンチル酢酸N−エチルアミド、l−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキシアミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA 3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA);3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasagoから、FEMA 3784);および乳酸メンチル;(Haarman & Reimerから、FEMA 3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然または合成誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキシアミド;およびメントールメチルエーテル、およびメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。これらの冷感剤や他の好適な冷感剤は、以下の米国特許にさらに記載されており、それらすべての全体を、参照によって本願明細書に援用したものとする:米国特許第4230688号;同第4032661号;同第4459425号;同第;4136163号;同第5266592号;同第6627233号。
【0127】
温感をもたらす化合物(温感剤)は、個々の使用者に温感信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択されてよい。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認識する感覚を与え、香味料、甘味料、およびその他の感覚受容性成分の認識を増強することが多い。
【0128】
有用な温感剤としては、口腔内の受容体に結合しうる少なくとも1種のアリルビニル成分を有するものが挙げられる。適切な温感化合物の例としては、バニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000、高砂香料工業株式会社、東京、日本により供給される)や、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、クロロホルム、オイゲノール、シナモン油、シンナムアルデヒド、これらのリン酸エステル誘導体、およびそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0129】
刺激(tingling)感覚を与える化合物も知られており、「刺激剤」と称されている。刺激剤は、使用者に刺激を与える、刺痛を与えるまたは麻痺する認識をもたらすのに用いてよい。刺激剤としては、限定しないが:有効成分がスピラントールであるジャンブーオレオレジンまたはパラクレス(Spilanthes sp.);サンショオール−I、サンショオール−IIおよびサンショーアミドとして知られる成分を含有するサンショウエキス(Zanthoxylum peperitum);カビシンおよびピペリンの有効成分を含有する黒コショウエキス(piper nigrum);エキナセアエキス;キタサンショウ(Northern Prickly Ash)エキス;および赤コショウオレオレジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジャンブーまたはサンショオールなどの材料から抽出したアルキルアミドを挙げることができる。さらに、いくつかの実施形態では、感覚は発泡に起因して生み出すことができる。かかる発泡性は、アルカリ性物質を酸性物質と合わせることによって生み出され、このアルカリ性物質および酸性物質のいずれか、または両方とも、封入されていてもよい。いくつかの実施形態では、アルカリ性物質として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸性物質として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの組合せを挙げることができる。「刺激」型感覚剤の例は、米国特許第6780443号に見出すことができ、その内容全体を、あらゆる目的で参照によって本願明細書に援用したものとする。刺激剤は、Nakatsuらの米国特許第6780443号、McLaughlinらの米国特許第5407665号、Johnsonらの米国特許第6159509号、およびNakatsuらの米国特許第5545424号に記載されており、これらの各々はその全体を、参照によって本願明細書に援用したものとする。
【0130】
使用可能な口腔ケア剤としては、界面活性剤、呼気清涼剤、抗微生物剤、抗菌剤、歯石予防剤、歯石防止剤、口臭制御剤、フッ素化合物、四級アンモニウム化合物、再石灰化剤、およびそれらの組合せなどの当業者に知られた有効成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
好適な界面活性剤としては、C〜C24からなる群より選択される脂肪酸の塩、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エレオステリン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リシノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、硫酸ブチルオレエート、中鎖および長鎖脂肪酸エステル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、カリウムグロメート(potassium glomate)、モノグリセリドおよびジグリセリドの有機酸エステル、クエン酸ステアリルモノグリセリジル、スクシステアリン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロールトリステアレート、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、アセチル化モノグリセリド、スクシニル化モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、エトキシル化モノおよびジグリセリド、ソルビタンモノステアレート、カルシウムステアリル−2−ラクチレート、ナトリウムステアリルラクチレート、グリセロールおよびプロピレングリコールの乳酸化脂肪酸エステル、C〜C24脂肪酸のグリセロール−ラクトエステル、C〜C24脂肪酸のポリグリセロールエステル、アルギン酸プロピレングリコール、スクロースC〜C24脂肪酸エステル、モノおよびジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルおよびクエン酸エステル、トリアセチン、サルコシネート界面活性剤、イセチオネート界面活性剤、タウレート(tautate)界面活性剤、プルロニック、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、プロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応生成物とエチレンオキシドの縮合物由来の生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
好適な抗菌剤としては、クロロヘキシジン、アレキシジン、四級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン)、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
好適なフッ素化合物としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0134】
好適な歯石予防剤としては、ピロホスフェート、トリホスフェート、ポリホスフェート、ポリホスホネート、ピロリン酸二アルカリ金属塩、ポリリン酸四アルカリ塩、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
好適な抗微生物剤としては、塩化セチルピリジニウム、亜鉛化合物、銅化合物、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
好適な再石灰化剤としては、カゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウム、カゼインホスホプロテイン−リン酸カルシウム複合体、カゼインホスホペプチド−安定化リン酸カルシウム、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
当業者に知られた他の口腔ケア有効成分は、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0138】
医薬有効成分としては、薬物または薬品、呼気清涼剤、ビタミンおよび他の栄養補助食品、ミネラル、カフェイン、ニコチン、フルーツジュースなど、およびそれらの混合物が挙げられる。有用な薬物の例としては、ACE阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、高コレステロール血症治療薬(anti−cholesterolemic)、鎮痛剤、麻酔薬、抗痙攣薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め、解毒剤、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、抗炎症剤、抗高脂血症薬(anti−lipid agent)、抗躁薬、制嘔吐剤、抗卒中薬、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス剤、座瘡抑制薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳薬、抗尿酸血薬、抗ウイルス薬、同化製剤(anabolic preparation)、全身性抗感染薬および非全身性抗感染薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激薬、生物反応改変剤、血液改変剤、骨代謝調節因子、心血管作動薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去剤、栄養補助食品、ドーパミン受容体作動薬、子宮内膜症管理薬(endometriosis management agent)、酵素、勃起不全療法(例えば、現在Viagra(登録商標)として市販されているクエン酸シルデナフィル)、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法、ホルモン、高カルシウム血症管理薬(hypercalcemia management agent)および低カルシウム血症管理薬(hypocalcemia management agent)、免疫刺激剤、免疫抑制剤、片頭痛用製剤、乗り物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、肥満症管理薬(obesity management agent)、骨粗しょう症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器官用薬、鎮静剤、禁煙補助薬(ブロモクリプチンまたはニコチンなど)、交感神経抑制剤、抗振戦製剤(tremor preparation)、尿路用薬、血管拡張薬、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制薬、去痰剤、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠動脈拡張薬、脳血管拡張薬(cerebral dilator)、末梢血管拡張薬、向精神薬、刺激薬、血圧降下薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固剤、抗血栓剤、催眠薬、制吐剤(anti−emetic)、制嘔吐剤(anti−nauseant)、抗痙攣薬、神経筋薬、血糖上昇薬および血糖降下薬、甲状腺用製剤および抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、テリン弛緩剤(terine relaxant)、肥満防止薬、赤血球増殖剤、気管支喘息治療薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、DNA改変因子および遺伝子改変因子、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0139】
いくつかの実施形態において、食味増強剤または有効成分は単独で封入されるのでなく、少なくとも1種の有効成分と少なくとも1種との食味増強剤の混合物が封入される。上記と同様に、成分の混合物の放出速度を遅延させたり高めたりするために、封入材料を選択してよい。上記の封入材料のいずれを用いてよい。
【0140】
例えば、いくつかの実施形態において、有効成分は、少なくとも1種の高甘味度甘味料であってよい。高甘味度甘味料は、少なくとも1種の食味増強剤と混合してもよく、食味増強剤は、高甘味度甘味料の甘味を高めるように選択される。かかる成分の混合物をその後封入してよい。好適な高甘味度甘味料の例としては、ネオテーム、アスパルテーム、アセスルファム−K、スクラロース、サッカリン、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
有効成分と増強剤とを封入された混合物を含有する実施形態において、有効成分の含有量は、組成物に対して約1重量%〜約95重量%、さらに具体的には約5重量%〜約30重量%であってよい。食味増強剤の含有量は、組成物に対して約0.01重量%〜約12重量%、さらに具体的には約0.1重量%〜約5重量%であってよい。封入材料の含有量は、組成物に対して約1重量%〜約95重量%、さらに具体的には約10重量%〜約60重量%であってよい。
【0142】
上記のとおり、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の封入された食味増強剤と、少なくとも1種の遊離型の食味増強剤との混合物を含んでよい。封入される食味増強剤と封入されない食味増強剤は、同じでも異なっていてもよい。封入される食味増強剤は、上記の材料のいずれかによって封入されてよい。封入された食味増強剤と封入されていない食味増強剤との混合物は、1種以上の有効成分と組み合わせて増強剤組成物を提供してよい。
【0143】
いくつかの他の実施形態では、哺乳動物の味覚受容細胞の活性を変調させる組成物を提供する。かかる組成物は、上記のように少なくとも1種の有効成分と少なくとも1種の食味増強剤を含有してよい。これらの成分は、やはり上記したとおり、封入しても封入しなくてもよい。食味増強剤は、組成物の摂食に際して味覚受容細胞の活性を変調できる。さらに具体的には、食味は、味蕾に存在する感覚細胞を通じて認識される。異なるシグナル伝達機構が、塩味、酸味、甘味、苦味および旨味といった主要な食味を感じる。最終的に、これらの主要な味覚の1つとして感じられる神経インパルスが、脳で誘発される。
【0144】
食味増強剤は、この味覚シグナル伝達経路のあるポイントで味覚受容細胞の活性を変調させることによって機能する。例えば、場合によっては、食味増強剤は、例えば甘味受容体などの味覚受容体に結合することにより甘味の認識を増進する。他の実施形態において、例えば、食味増強剤は、例えば苦味受容体などの味覚受容体をブロックし、これが苦味の認識を抑制することにより甘味の認識を増進できる。従って、食味増強剤は、哺乳動物の味覚受容細胞の活性を変調させることにより特定の味の認識を増進する。この活性は、食味増強剤と併せて摂食すると、その組成物に含まれる有効成分の認識を増進できる。
【0145】
(食用の経口送達される製品)
いくつかの実施形態において、増強剤組成物は、少なくとも1種の有効成分、および少なくとも1種の食味増強剤を含有する、経口送達される製品にも配合してよい。
【0146】
経口送達される製品は、食料品、医薬品またはパーソナルケア製品であってよい。好ましい食料品としては、特にチョコレート、ハードボイリングおよびその他の砂糖ベースキャンディなどの菓子、ゼリー、グミ、軟質キャンディ、食用フィルム、舐剤、圧縮錠剤、シリアルバー、チューインガムなどが挙げられる。錠剤、カプセル剤、液剤、チンキ剤、リンクタス剤またはシロップ剤の形態で医薬品を送達してよい。菓子および固体の医薬品の送達形態は、随意に被覆されてよい。パーソナルケア製品としては、練り歯磨き、口内噴霧剤、および洗口剤が挙げられる。
【0147】
いくつかの実施形態において、経口送達される製品は、冷凍であっても、または冷蔵/生鮮製品であってもよい。かかる冷凍または冷蔵した食品としては、冷凍デザート、冷凍菓子、ヨーグルト、プディング、冷凍焼成品、泡立てたトッピングおよび、ケチャップ、卓上甘味料、マスタード、マヨネーズ、サルサ、チャットネ、ホムス、マリナード、薬味などの香辛料を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0148】
さらなる他の実施形態において、経口送達される加糖製品としては、ジャム、ゼリー、ピーナッツバター、シロップ、トッピング、フルーツソースまたは植物ソース(リンゴソースまたはスパゲッティソースなど)、焼成品(クッキー、ケーキおよびパンなど)、ならびに炒った加糖ナッツ、ケトルコーン、バーベキューポテトスナックなどの、甘味および塩味のスナック、ならびに乾燥混合物または粉末混合物(プディングミックス、ココアミックス、フルーツジュースミックス、飲料ミックス、レモネードミックスなど)などを挙げることができる。
【0149】
他の実施形態では、当該経口送達製品は飲料であってよい。かかる飲料としては、清涼飲料または炭酸飲料、ジュース系飲料、乳飲料、煎出成分から作られる飲料(茶およびコーヒーなど)、飲料ミックス、飲料濃縮物、粉末飲料、飲料シロップ、凍結飲料、ゲル飲料、アルコール飲料を挙げることができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、当該経口送達製品は、菓子ベースまたはガムベースと、本願明細書に記載される増強剤組成物のいずれかとを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、一部または全ての有効成分および/または食味増強剤を、遊離型(例えば、非封入型)で用いてよい。あるいは、この製品は、一部または全ての有効成分および/または食味増強剤を、封入型で含有してよい。さらなる選択肢として、この製品は、一部の有効成分および/または食味増強剤を遊離型で、ならびに一部の有効成分および/または食味増強剤を封入型で含有してよい。いくつかの実施形態において、この製品は、2種以上の増強剤組成物を含有してよい。
【0151】
必要な濃度は、甘味を加えるべき経口送達される製品の性質、必要な甘味のレベル、製品中の甘味料の性質、および必要な増進の程度に依存する。
【0152】
(菓子組成物)
当該経口送達される製品が菓子組成物である場合、この製品は限定しないが、硬質キャンディ、軟質キャンディ、中心充填物キャンディ、綿菓子、圧縮錠剤、食用フィルム、舐剤などの形態から選択される食料品であってよい。
【0153】
菓子組成物は、菓子ベース、ならびに少なくとも1種の有効成分(甘味料など)、および少なくとも1種の食味増強剤(甘味改変剤など)を含有できる上記の増強剤組成物のいずれかを含有してよい。菓子組成物はまた、さらに詳細に後述する様々な任意の添加物を含有してよい。摂食すると、有効成分および食味増強剤を含有する組成物は、含有する有効成分を菓子から放出させて、その認識の増進をもたらす。
【0154】
例えば、いくつかの実施形態において、有効成分は、糖甘味料、シュガーレス増量甘味料、高甘味度甘味料またはそれらの組合せのいずれかなどの、少なくとも1種の甘味料であってよい。一般に、有効成分の含有量は、菓子組成物の約0.0001重量%〜約75重量%であってよい。高甘味度甘味料以外の有効成分を含有する、いくつかの実施形態において、有効成分の含有量は、菓子組成物の約25重量%〜約75重量%であってよい。食味増強剤の含有量は、菓子組成物の約0.01重量%〜約10重量%であってよい。
【0155】
いくつかの実施形態は、一般的に菓子とも呼ばれる、舐剤またはキャンディの形態の食料品に関する。かかる菓子組成物は、砂糖およびシュガーレス増量甘味料などの増量甘味料、またはそれらの混合物を含有する菓子ベースを含んでよい。増量甘味料の含有量は、通常、組成物の約0.05重量%〜約99重量%である。
【0156】
有効な量の、着色剤、抗酸化物質、保存料、甘味料などの様々な慣用の添加剤も、菓子に配合してよい。所望の色を生じさせるのに有効な量の着色剤を使用してよい。着色剤としては、色素を挙げることができる。ガム組成物の質量に対して約6重量%以下の色素を配合してよい。例えば、ガム組成物の約2重量%以下、好ましくは約1重量%未満の量の二酸化チタンを配合してよい。
【0157】
着色剤は、天然食品着色料、ならびに食品、薬物および化粧品用途に好適な染料も含んでよい。これらの着色剤は、F.D.&C.染料およびレーキ類として公知である。上記の使用に容認できる材料は、好ましくは水溶性である。例示できる限定的でない例として、5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である、F.D.&C.Blue No.2として公知のインジゴイド染料が例示される。同様に、F.D.&C.Green No.1として公知の染料は、トリフェニルメタン染料を含み、これは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−デルタ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。F.D.&C.着色剤、およびそれらの対応する化学構造の全ての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜884頁に示され、この本文を、参照により本願明細書に援用したものとする。
【0158】
例えば硬質キャンディの実施形態など、食料品の滑らかさを向上させるために、いくつかの実施形態では、滑沢剤を添加してもよい。滑らかさもまた、摂食の時に水和の認識を強くさせる特性である。好適な滑沢剤としては、脂肪、油、アロエベラ、ペクチン、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
同様に、いくつかの実施形態において、食料品は滑らかな縁部を有してよい。かかる実施形態において、食料品は四角形、円形または菱形など、如何なる形状であってよいが、その縁部は平滑な食料品を提供するために丸められる。食料品に滑らかさを与える別の方法としては、製造工程中に型の中に食料品組成物を堆積させる(deposit)方法がある。従って、いくつかの実施形態において、さらに詳細に後述するように、食料品は堆積される。
【0160】
いくつかの実施形態において、菓子組成物はさらに、羅漢果、ステビア、モナチンおよびそれらの組合せから選択される甘味料を含んでよい。
【0161】
当業者に知られた他の従来からある添加物も、菓子組成物で使用してよい。
【0162】
いくつかの実施形態において、菓子組成物をバッチ法によって製造してよい。直火調理器、押出調理器、および/または真空調理器などの従来からある装置を使用してかかる菓子を調製してよい。いくつかの実施形態では、増量甘味料(砂糖またはシュガーレス)および溶剤(例えば、水)を混合容器で混合することでスラリーを形成する。このスラリーを約70℃〜120℃に加熱して、甘味料の結晶または粒子をすべて溶かすことで水溶液をつくる。溶解すれば、加熱して、かつ真空に付してこのバッチを調理し、残存水分が約4%未満になるまで水を煮沸除去する。バッチは、結晶から非晶質、またはガラス状の相に変化する。次いで増強剤組成物を、着色剤、香味料などの他の任意の添加物と共に、機械的混合操作によってそのバッチに混ぜ合わせてよい。次いで約50℃〜10℃にバッチを冷却して、半固体またはプラスチック様の粘稠度とする。
【0163】
硬質の菓子の製造の間、有効成分、増強剤、および他の添加物を均一に混合するために必要とされる最適の混合は、これらの材料の均一な分散を得るのに必要な時間によって決定される。通常、4〜10分間の混合時間が許容できることが判明している。キャンディの塊が適正に混練されると、それは作業できる大きさに切断されるかまたは正しい重量および寸法を有する所望の形状に成形されてもよい。所望の最終製品の形状およびサイズに応じて種々の成形技法が利用できる。所望の形状が成形されると、冷気が加えられこの食料品が均一に固められ、その後それらは包まれそして包装される。
【0164】
あるいは、薄膜式蒸発装置および当該増強剤組成物を含めた成分の組み込みのための注入口を利用する種々の連続調理プロセスが当該技術分野で公知であり、同様に使用できる。
【0165】
いくつかの実施形態に係る有用な装置は、菓子製造の技術分野で周知の調理および混合装置を備え、具体的な装置を選択することは、当業者には明らかであろう。
【0166】
加えて、いくつかの実施形態では、複数の領域を備える種々の菓子の構成を採用してよい。これらの構成としては、液体中心充填物、粉末中心充填物、硬質コーティングされたもの、軟質コーティングされたもの、積層化、層状化および外装されたもの(enrobed)を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、当該増強剤組成物は、その製品の1つの領域に、または複数の領域に含められてよい。
【0167】
(軟質菓子組成物)
いくつかの実施形態では、当該経口送達製品は、種々の軟質菓子形式の形態であってもよい。軟質菓子形式としては、ヌガー、キャラメル、タフィー、グミおよびゼリーを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0168】
軟質菓子組成物は、菓子ベースと、少なくとも1種の有効成分(甘味料など)および少なくとも1種の食味増強剤(甘味改変剤など)を含んでいてよい上記の増強剤組成物のいずれかとを含んでいてよい。この軟質菓子組成物はまた、菓子組成物を説明する節でこれまでに示された添加物のいずれかなどの様々な任意の添加物をも含んでいてよい。摂食の際に、上記有効成分および食味増強剤を含む組成物は、軟質菓子から放出し、中に含まれる有効成分の高められた認識をもたらす。
【0169】
例えば、いくつかの実施形態では、当該有効成分は、砂糖甘味料、シュガーレス増量甘味料、強化甘味料またはこれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1種の甘味料であってよい。一般に、この有効成分は、軟質菓子組成物の約0.0001重量%〜約75重量%の量で存在する。強化甘味料以外の有効成分を含むいくつかの実施形態では、この有効成分は、当該軟質菓子組成物の約25重量%〜約75重量%の量で存在してよい。当該食味増強剤は、当該軟質菓子組成物の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在してよい。
【0170】
いくつかの軟質菓子組成物としては、ヌガー組成物が挙げられ、これには2つの主要構成要素、ハードボイルドキャンディ(high−boiled candy)およびフラッペを含めてよい。例として、卵の卵白またはその代替物は水と合わされ、泡立てられてふんわりした泡沫が形成される。砂糖およびグルコースが水に加えられ、通常は約130℃〜140℃の温度で煮沸され、生成した煮沸した生成物は混合機に注ぎ込まれ、クリーム状になるまでホイップされる(beaten)。ホイップした卵白および着香剤はクリーム状製品と合わされ、この合わせた物はその後徹底的に混合される。
【0171】
いくつかの実施形態では、キャラメル組成物は、砂糖(または砂糖代替物)、コーンシロップ(またはポリオールシロップ)、部分的に硬化された脂肪、乳固形分、水、バター、香味料、乳化剤、および塩を含んでいてよい。キャラメルを調製するために、砂糖/砂糖代替物、コーンシロップ/ポリオールシロップ、および水は一緒に混合してよく、熱によって溶解させてよい。次いで、乳固形分をその塊に混合して均一な混合物を形成してよい。次に、穏やかに加熱しながら少量成分を混合してよい。次いでこの加熱を、沸騰するまで高めてよい。ひとたび十分な水が除去され、色/香味が生み出されると、この塊をいくらか冷却し、温度に敏感な成分(いくつかの増強剤を含む)を加え、その後に完成した製品を排出および成形/形作り/包んでよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、タフィー組成物は、砂糖(または砂糖代替物)、コーンシロップ(またはポリオールシロップ)、部分的に硬化された脂肪、水、香味料、乳化剤、および塩を含んでいてよい。タフィーを調製するためのためのプロセスは、キャラメルを調製するためのためのプロセスと同様であってよく、任意に、その所望の食感を出すために最終のタフィーの塊を引っ張ってもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、グミ組成物は、砂糖(または砂糖代替物)、コーンシロップ(またはポリオールシロップ)、ゼラチン(または適切な親水コロイド)、香味料、着色料、および任意に酸を含んでいてよい。このグミは、ゼラチンまたは適切な親水コロイドを水和し、砂糖/コーンシロップ(砂糖代替物/ポリオールシロップ)を加熱し、熱を用いてこの2つの成分を合わせることによって調製することができる。ひとたび合わせた混合物がその最終温度または適切な砂糖固形分レベルに到達すると、香味料、着色料などの成分をこの混合物に配合して、次いで型に注ぎ込み、その後に冷却、包み込みおよび仕上げをしてよい。付着を減少させるために、ワックスまたは脂肪の塗布などの種々の表面処理を施してよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、ゼリー組成物としてはデンプン系ゼリーまたはペクチン系ゼリーを挙げることができる。グミの場合のように、ゼリー製品は、親水コロイドを水和し、この水和した混合物を調理されたシロップ成分と合わせることによって製造してよい。次いでこの混合物を最終水分含量まで調理してよく、少量成分を配合してよい。グミの場合のように、ゼリーキャンディをデンプンの型などの型に注ぎ込んでもよい。グミの場合のように、脂肪またはワックスなどの表面処理を施してもよい。加えて、ゼリーキャンディは、乾式の表面処理(振りかけた砂糖、酸、ノンパレル(non−pareils)の塗布など)を有していてもよい。
【0175】
加えて、いくつかの実施形態では、複数の領域を備えた種々の軟質菓子の構成を採用してもよい。これらの構成としては、液体中心充填物、粉末中心充填物、硬質コーティングされたもの、軟質コーティングされたもの、積層化、層状化および外装されたもの(enrobed)を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、当該増強剤組成物は、その製品の1つの領域に、または複数の領域に含められてよい。
【0176】
(チューインガム組成物)
いくつかの実施形態は、上記の増強剤組成物の送達のためのチューインガム組成物を提供する。かかるチューインガム組成物は、ガムベースと、少なくとも1種の有効成分(甘味料など)および少なくとも1種の食味増強剤(甘味改変剤など)を含んでいてよい上記の増強剤組成物のいずれかとを含んでいてよい。このチューインガム組成物はまた、より詳細に後述される様々な任意の添加物をも含んでいてよい。摂食の際に、上記有効成分および食味増強剤を含む組成物は、チューインガムから放出し、中に含まれる有効成分の高められた認識をもたらす。
【0177】
これまでに詳細に記載されたように、いくつかの実施形態では、当該増強剤組成物は、一般に、少なくとも1種の有効成分および少なくとも1種の食味増強剤と含む。いくつかの実施形態では、当該食味増強剤および/または有効成分は、上記のとおり、封入されてよく、または有効成分および食味増強剤の混合物が封入されてよい。これらの成分は、上記のもののいずれかから選択されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、有効成分は、砂糖甘味料、シュガーレス増量甘味料、強化甘味料またはこれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1種の甘味料であってよい。一般に、有効成分は、チューインガム組成物の約0.0001重量%〜約75重量%の量で存在してよく、強化甘味料以外の有効成分を含むいくつかの実施形態では、有効成分はチューインガム組成物の約25重量%〜約75重量%の量で存在してよい。食味増強剤は、チューインガム組成物の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在してよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、当該チューインガム組成物は複数の食味増強剤を含んでいてよい。これらの食味増強剤は、封入されていてもよいし、または封入されていなくてもよく、同じであってもよいし、または異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、この複数の食味増強剤は異なっていてよい。いくつかのチューインガム組成物は、例えば、封入されていない1以上の異なる食味増強剤と組み合わせて、封入されている1以上の食味増強剤を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、2つの異なる封入された食味増強剤が1つのチューインガム組成物で使用されてもよい。あるいは、いくつかの他の実施形態では、当該チューインガム組成物は、封入された形態および遊離形態にある同じ食味増強剤の組み合わせを含んでもよい。
【0179】
このチューインガム組成物はガムベースをも含んでいてよい。このガムベースは、チューインガムの技術分野で公知の任意の成分を含んでいてよい。かかる成分は、水溶性、水に不溶、またはこれらの組み合わせであってよい。例えば、このガムベースは、エラストマー、増量剤、ワックス、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤およびこれらの混合物を含んでいてよい。
【0180】
ガムベースに用いられるエラストマー(ゴム類)は、所望のガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、および最終的なチューインガム製品を作るため組成物に使用される他の成分などの様々な要因に応じて大幅に変更されよう。エラストマーは、当該技術分野で公知のいずれの水不溶性ポリマーでもよく、チューインガムおよび風船ガムに利用されるようなガムポリマーが含まれる。ガムベースに好適なポリマーとして、天然および合成エラストマーの双方が例示できる。例えば、ガムベース組成物で好適なポリマーとして、限定しないが、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ、ロシジンハ、ジェルトング、ペリーロ、ニガーグッタ、ツヌ、バラタ、ガッタパーチャ、レチカプシ(lechi capsi)、ソルヴァ(sorva)、グッタカイ(gutta kay)などの(植物由来の)天然物など、およびそれらの組合せなどが挙げられる。合成エラストマーの例として、限定しないが、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルなど、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0181】
ガムベースに用いるエラストマーの量は、使用するガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、および最終的なチューインガム製品を作るために組成物中で使用する他の成分などの様々な要因に応じて変動してよい。一般に、エラストマーは、約10重量%〜約60重量%、望ましくは約35重量%〜約40重量%の量でガムベースに存在することになるであろう。
【0182】
いくつかの実施形態では、ガムベースはワックスを含んでよい。これは、ポリマーエラストマー混合物を軟化させ、かつガムベースの弾力性を向上させる。存在する場合、用いるワックスは、約60℃未満、好ましくは約45℃から約55℃の間の融点を有するであろう。低融点ワックスは、パラフィンワックスであってよい。ワックスは、ガムベースの約6重量%〜約10重量%、好ましくは約7重量%〜約9.5重量%の量でガムベースに存在してよい。
【0183】
低融点ワックスに加えて、ガムベースの約5重量%を上限とする量で、高融点を有するワックスをガムベース中で使用してもよい。かかる高融点ワックスとして、ビーズワックス、植物性ワックス、カンデリラロウ、カルナウバロウ、殆どの石油ワックスなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0184】
上記の構成成分に加えて、ガムベースは、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、およびそれらの混合物から選択される成分など、種々の他の構成成分を含んでもよい。
【0185】
ガムベースは、エラストマー成分の軟化を補助するエラストマー溶剤を含有してもよい。かかるエラストマー溶剤として、当該技術分野で公知のエラストマー溶剤、例えば、α−ピネンまたはβ−ピネンのポリマーなどのテルピネン樹脂、ロジンのメチル、グリセロールおよびペンタエリスリトールエステルならびに水素化、二量化および重合ロジンなどの変性されたロジンおよびガム、ならびにそれらの混合物が挙げられる。本発明での使用に好適なエラストマー溶剤の例として、部分的に水素化したウッドおよびガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドおよびガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的に二量体化したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、重合したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッドおよびガムロジンならびに部分的に水素化したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、ならびにウッドおよびロジンの部分的に水素化したメチルエステルなど、ならびにそれらの混合物を挙げてもよい。エラストマー溶剤は、ガムベースの約2重量%〜約15重量%、好ましくは約7重量%〜約11重量%の量でガムベースに用いてよい。
【0186】
ガムベースはまた、単一安定系に非混和性の構成成分を分散させる補助をする乳化剤を含んでもよい。本発明で有用な乳化剤として、グリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレートなど、およびそれらの混合物が挙げられる。乳化剤は、ガムベースの約2重量%〜約15重量%、さらに具体的には、約7重量%〜約11重量%の量で用いてよい。
【0187】
ガムベースはまた、様々な望ましい食感と粘稠特性をもたらすように可塑剤または軟化剤を含んでもよい。これらの成分が低分子量であることから、可塑剤および軟化剤はガムベースの基本構造に侵入でき、これを可塑性、かつ低粘度にすることができる。有用な可塑剤および軟化剤として、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリンなど、およびそれらの混合物が挙げられる。ワックス、例えば、天然および合成ワックス、硬化植物油、ポリウレタンワックスなどの石油ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコール、それらの混合物なども、ガムベースに組み込んでよい。可塑剤および軟化剤は一般に、ガムベースの約20重量%までの量、さらに具体的にはガムベースの約9重量%〜約17重量%の量でガムベースに用いられる。
【0188】
可塑剤としては、硬化植物油も挙げられ、これには大豆油および綿実油が含まれ、単独または組合せて用いてよい。これらの可塑剤により、ガムベースに良好な食感および柔らかい噛感特性がもたらされる。これらの可塑剤および軟化剤は一般に、ガムベースの約5重量%〜約14重量%の量、さらに具体的には約5重量%〜約13.5重量%の量で用いられる。
【0189】
市販の米国薬局方(USP)等級などの無水グリセリンもまた、軟化剤として用いてよい。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップ状の液体であり、甘蔗糖の約60%の甘味を有する。グリセリンは吸湿性であるため、無水グリセリンはチューインガム組成物の調製の間中、無水条件下に保たれてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、当該ガムベースは、充填剤および食感向上剤として働き得る、無機質アジュバントなどの有効な量の増量剤も含んでよい。有用な無機質アジュバントとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムなど、およびそれらの混合物が挙げられる。これらの充填剤またはアジュバントは、ガムベース組成物において様々な量で使用してよい。好ましくは、充填剤の量は、使用される場合、ガムベースの約15重量%〜約40重量%までの量で存在してよく、望ましくは約20重量%〜約30重量%の量で存在してよい。
【0191】
香味剤および着色剤、抗酸化物質、保存料などの様々な慣用の成分を有効な量で、任意にガムベースに配合してもよい。例えば、二酸化チタン、ならびにF.D.&C.染料として公知の食品、薬物および化粧品用途に好適な他の染料を利用してもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、およびそれらの混合物などの抗酸化物質も配合してよい。チューインガム技術分野の当業者に公知の他の従来のチューインガム添加物も、ガムベースに用いてよい。
【0192】
チューインガム組成物は、譲受人による同時係属中の米国特許出願第10/901,511号(2004年7月29日出願、発明の名称「歯ホワイトニング組成物およびそれらの送達システム(Tooth Whitening Compositions and Delivery Systems Therefor)」)(この出願は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に記載の甘味料、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填剤、増量剤(担体、エクステンダー、増量甘味料)、無機質アジュバント、着香剤、着色剤(coloring agent)、抗酸化物質、酸味料、増粘剤、薬品、口腔ケア有効成分(再石灰化剤、抗微生物剤および歯ホワイトニング剤など)など、およびそれらの混合物からなる群から選択される従来の添加物を所量含んでよい。これらの添加物のいくつかは、1より多くの目的を果たしてもよい。例えば、シュガーレスガム組成物では、マルチトールまたは他の糖アルコールなどの甘味料は、増量剤としても機能するかもしれない。
【0193】
増量甘味料としては、砂糖、シュガーレス増量甘味料など、またはこれらの混合物が挙げられる。増量甘味料は、チューインガム組成物の約5〜約99重量%の量で存在していてよい。適切な砂糖甘味料およびシュガーレス増量甘味料、ならびに強化甘味料は、増強剤組成物の説明においてこれまでに提示されている。
【0194】
一般的に、有効な量の強化甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらしてよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。甘味料の量は、使用する甘味料または甘味料の組合せに応じ、チューインガム組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量で存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な量の範囲は、当業者によって選択され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、当該チューインガム組成物は、羅漢果、ステビア、モナチンおよびこれらの組合せから選択される甘味料を含んでいてよい。
【0196】
当該増強剤組成物において使用するのに適しているとこれまでに論じられた香味剤(flavor agent)のいずれも、また当該チューインガム組成物で使用されてよい。チューインガム組成物では、香味剤は一般に、当該組成物の重量の約0.02重量%〜約5重量%の量で、より具体的には約0.1重量%〜約4重量%、さらにより具体的には約0.8重量%〜約3重量%の量で存在してよい。
【0197】
着色剤は、所望の色を生じさせるのに有効な量で使用してよい。着色剤として色素が挙げられ、これは組成物の約6重量%を上限とする量で配合してよい。例えば、二酸化チタンは、組成物の約2重量%を上限とする量、好ましくは約1重量%未満の量で配合するとよい。着色剤は、天然食品着色料、ならびに食品、薬物および化粧品用途に好適な染料も含んでよい。適切な着色剤は、菓子組成物の説明においてこれまでに示されている。
【0198】
ガムベースでの使用に好適であるとしてこれまでに記載した可塑剤、軟化剤、無機質アジュバント、ワックスおよび抗酸化物質もまた、チューインガム組成物で使用してよい。使用してよい他の従来の添加物の例として、レシチンおよびグリセリルモノステアレートなどの乳化剤、単独でまたは他の軟化剤と組合せて用いられる、メチルセルロース、アルギネート、カラゲナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガント、ローカストビーンガム、およびカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、およびそれらの混合物などの酸味料、ならびに、無機質アジュバントの分類でこれまでに論じたものなどの充填剤が挙げられる。
【0199】
チューインガムの技術分野の当業者に知られた他の従来のガム添加物もまた、当該チューインガム組成物で使用してよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、当該チューインガム組成物に含まれる増強剤組成物は、第1の溶解度を有する少なくとも1種の有効成分と、第2の溶解度を有する少なくとも1種の食味増強剤とを含んでよい。この第1の溶解度および第2の溶解度は、実質的に同等であってもよく、または異なっていてもよく、そのチューインガム組成物に制御放出プロファイルを提供するように選択されてよい。特に、選択された溶解度は、以下の放出プロファイルのうちの1つを提供してよい:同時放出、逐次放出または一部が重なり合った放出。
【0201】
いくつかの実施形態は、チューインガム製品を調製する方法に及ぶ。当該製品は、当業者に公知の標準的な技術および装置を用いて調製してよい。本願明細書に記載される実施形態に係る有用な装置には、チューインガム製造技術で周知の混合および加温装置が含まれ、従って特定の装置の選択は当業者に明らかなはずである。一般的なチューインガム調製プロセスについて、Hopkinsらに対する米国特許第4,273,197号、Cherukuriらに対する同第4,352,822号およびCherukuriらに対する同第4,497,832号を参照。これらの特許の各々は、参照によってその全体を本願明細書に援用したものとする。
【0202】
より具体的には、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1種の封入材料および少なくとも1種の食味増強剤を混合して、それらの成分の分散物を形成してよい。特に、この封入材料は、高温で高せん断ミキサーで溶融されてよい。当該増強剤は、この溶融された封入材料に加えられ、高せん断下で混合され、その成分が完全に分散されてよい。これらの成分は、約50〜150℃という高温で混合されてよい。得られた成分の混合物は、冷却されてよい。複数の封入された食味増強剤粒子は、引き続いてこの混合物から成形されてよい。この粒子は、所望の適切なサイズ、一般には約50μm〜約800μmの平均粒径範囲に成形されてよい。これは、その粒子を切り刻むこと(chopping)、砕くこと(pulverizing)、挽くこと(milling)またはすりつぶすこと(grinding)などの任意の適切な手段によって成し遂げることができる。
【0203】
あるいは、この封入された粒子は、噴霧乾燥法によって調製されてもよい。より具体的には、封入材料は、水に溶解されてよい。いくつかの実施形態では、この溶液は撹拌された容器で調製されてよい。次いで当該食味増強剤はこの溶液に分散されてよい。この溶液、または懸濁液は、封入された粒子を形成するために、空気噴霧ノズル(air atomized nozzle)を備えた噴霧乾燥器を高温で使用して噴霧乾燥されてもよい。
【0204】
他の実施形態では、封入された粒子は、当該技術分野で公知の任意の適切なスプレーコーティング法によって調製されてもよい。1つの適切なプロセスはWursterプロセスである。このプロセスは、個々の粒子状物質を封入するための方法を提供する。まず、封入しようとする粒子が、一般に噴霧ノズルの前で環状の流れを提供する流動化用空気流(fluidizing air stream)に懸濁される。この噴霧ノズルは、封入材料および適切な溶媒を含んでいてよいコーティング溶液の霧状になった流れを噴霧する。霧状になったコーティング溶液がノズルから遠くへ運ばれるにつれて、この霧状になったコーティング溶液は粒子と衝突し、そのコーティング溶液でコーティングされた粒子を与える。コーティングしようとする粒子を懸濁される働きもする流動化用空気流の温度は、コーティング溶液が当該粒子と接触したわずか後にその溶媒を蒸発させるように選択されてよい。これは、コーティングをその粒子上で固化させる働きをし、所望の封入された粒子が得られる。
【0205】
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の有効成分は、上記プロセスの第1の工程において上記封入材料および食味増強剤と合わされ、すべての成分の分散物が形成されてもよい。これにより、有効成分は食味増強剤とともに封入することができ、上記成分の封入された混合物が形成され得る。
【0206】
ひとたび封入された粒子が得られると、それらはチューインガム組成物に加えられてよい。かかる封入された粒子はまた、上記の菓子製品のいずれかを調製するために、菓子組成物にくわえられてもよい。このチューインガム組成物は、上記の標準的な技術および装置を用いて調製してよい。封入された粒子は、チューインガム組成物の中に含まれる少なくとも1種の有効成分(上記の有効成分のいずれでもよい)の認識を増進するために、チューインガム組成物に加えられてよい。ひとたびこの封入された粒子がこのチューインガム組成物の中に混合されると、個々のチューインガムピースは、チューインガムの技術分野で公知の標準的な技術を使用して成形してよい。例えば、チューインガムピースは、スラブ、ペレット、板ガム、中心充填物ガム、堆積圧縮チューインガム(deposited,compressed chewing gum)または任意の他の適切な形式で調製されてよい。
【0207】
例えば、中心充填物チューインガムの実施形態は、液体であってもよいし、粉末であってもよいし、他の固体であってもよい中心充填物領域と、ガム領域とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態はまた、最初に噛まれたときにそのピースに通常サクサク感をもたらす外側ガムコーティングまたはシェル(shell)をも含んでいてよい。外側コーティングまたはシェルは、少なくとも部分的にガム領域を取り囲んでもよい。上記の増強剤組成物は、その中心充填物チューインガムの領域いずれか、すなわち、ガムの中心充填物領域、ガム領域および/または外側コーティングに組み込まれてよい。あるいは、当該食味増強剤は1つの領域に組み込まれてよく、他方、有効成分はその中心充填物ガムの異なる領域に組み込まれる。摂食の際に、当該食味増強剤および有効成分は、異なる領域から放出してよく、ガムが噛まれるにつれて合わさってよい。中心充填物チューインガムおよびそれを調製する方法は、ともに発明の名称「液体充填チューインガム組成物(Liquid−Filled Chewing Gum Composition)」の、譲受人の同時係属中の2004年8月24日出願の米国特許出願第10/925,822号、および譲受人の同時係属中の2005年8月24出願の米国特許出願第11/210,954号により十分に記載されている。これらの両方の内容を参照により本願明細書に援用したものとする。
【0208】
いくつかの他のチューインガムの実施形態は、例えば、圧縮粒ガムなどの圧縮ガムの形式であってもよい。かかる実施形態は、圧縮性ガムベース組成物と、錠剤化(tableting)粉末と、上記の増強剤組成物のいずれかとを含んでいてもよい微粒子状チューインガムベースを含んでいてよい。かかる実施形態では、当該増強剤組成物は、粉末形にあってよい。圧縮チューインガムは、発明の名称「圧縮性ガムシステム(Compressible Gum System)」の、譲受人の同時係属中の2005年11月8日出願の米国仮出願第60/734,680号により十分に記載されている。この特許の内容を、参照により本願明細書に援用したものとする。
【0209】
いくつかの実施形態では、当該チューインガムは、その上にコーティングを有していてよい。かかるコーティングされたチューインガムは、通常、ペレットガムと呼ばれる。外側コーティングは、硬質、またはクランチ質であってよい。当業者に公知の任意の適切なコーティング材料を用いてよい。典型的には、この外側コーティングは、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール、および他の結晶性ポリオールを含んでいてよく、スクロースもまた使用することができる。さらには、コーティング自体を通してチューインガム組成物が見えないように、コーティングは何層かの不透明層を含んでもよく、これらを審美的、食感的および保護目的でさらなる1以上の透明層で任意に被覆することもできる。外側コーティングはまた、少量の水およびアラビアガムを含有してもよい。コーティングはさらに、ワックスでコーティングできる。コーティングは、コーティング溶液の連続的な施用により、各コーティングの間で乾燥しながら従来法にて施用してよい。コーティングが乾燥するにつれ、それは通常不透明になり、普通は白色であるが、他の着色剤を添加してもよい。ポリオールコーティングはさらに、ワックスでコーティングされてもよい。このコーティングは、さらに着色された薄片またはスペックルを含むことができる。当該組成物がコーティングを含む場合、1以上の口腔ケア有効成分をコーティング全体にわたって分散させることができるということが可能である。1以上の口腔ケア有効成分が単一相組成物の中でその有効成分の別のものと非相溶性である場合に、これは特に好ましい。独特の製品特性を得るために、香味料もまた加えられてよい。
【0210】
所望の特性を実現するために、他の材料がこのコーティングに加えられてもよい。これらの材料としては、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系物質、ゼラチン、キサンタンガムおよびアラビアガムを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0211】
当該コーティング組成物は、上記の方法を含めて当該技術分野で公知の任意の方法によって施用されてよい。コーティング組成物は、全チューインガムピースの約2%〜約60%、より具体的には約25重量%〜約45重量%の量で存在してよい。
【0212】
同様に、いくつかの実施形態は、摂食の際に制御放出を有する食味増強剤組成物を調製する方法に及ぶ。これによれば、少なくとも1種の食味増強剤が最初に準備されてよい。当該食味増強剤は、封入材料と混合され、これらの成分が分散した組成物が形成されてよい。ひとたびこれらの成分が十分に分散されると、複数の封入された食味増強剤粒子が、上記のとおり、当該組成物から形成されてよい。封入の結果として、当該増強剤の放出速度は、改変されることになる。この封入材料として使用するための材料は、当該組成物の摂食の際に当該増強剤の遅延放出速度または高められた放出速度のいずれかをもたらすように選択されてよい。
【0213】
(飲料組成物)
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の有効成分(甘味料など)および少なくとも1種の食味増強剤(甘味改変剤など)を含有する飲料組成物の中に増強剤組成物を配合してもよい。本発明での使用に好適な飲料としては、例えば、清涼飲料または炭酸飲料、ジュース系飲料、乳飲料、茶およびコーヒーなどの煎出成分から作られる飲料、飲料ミックス、飲料濃縮物、粉末飲料、飲料シロップ、凍結飲料、ゲル飲料、アルコール飲料などが挙げられる。
【0214】
飲料は、本願明細書に記載の増強剤組成物のいずれを含有してよい。通常、増強剤組成物は、飲料組成物に対して約0.001重量%〜約0.100重量%、さらに具体的には約0.02重量%〜約0.08重量%、さらに一層具体的には約0.04重量%〜約0.06重量%の量で飲料組成物に存在する。
【0215】
当然、必要な濃度は、甘味を加えるべき飲料の性質、必要な甘味のレベル、製品中の甘味料の性質、および必要な増進の程度に依存することになる。
【0216】
いくつかの実施形態では、一部または全ての有効成分および/または食味増強剤を、遊離型(例えば、非封入型)で用いてよい。あるいは、飲料組成物は、一部または全ての有効成分および/または食味増強剤を、封入型で含有してよい。さらなる選択肢として、飲料組成物は、一部の有効成分および/または食味増強剤を遊離型で、ならびに一部の有効成分および/または食味増強剤を封入型で含有してよい。いくつかの実施形態において、飲料組成物は、2種以上の増強剤組成物を含有してよい。
【0217】
(ジュース系組成物)
ジュース系組成物は通常、果物または野菜から得た果汁成分を含有する。この果汁成分は、汁状、濃縮物、エキス、粉末などのいずれの形態で使用してよい。
【0218】
好適なジュースとしては、例えば、柑橘系ジュース、柑橘系以外のジュース、またはそれらの混合物であって、飲料での使用が知られているものが挙げられる。かかるジュースの例としては、リンゴジュース、ブドウジュース、セイヨウナシジュース、ネクタリンジュース、カラントジュース、ラズベリージュース、グースベリージュース、ブラックベリージュース、ブルーベリージュース、イチゴジュース、カスタードアップルジュース、ザクロジュース、グアバジュース、キーウィジュース、マンゴージュース、パパイアジュース、スイカジュース、カンタロープジュース、サクランボジュース、クランベリージュース、ピーチジュース、アプリコットジュース、プラムジュース、およびパイナップルジュースなどの柑橘系以外のジュース;オレンジジュース、レモンジュース、ライムジュース、グレープフルーツジュース、およびタンジェリンジュースなどの柑橘系ジュース;ならびにニンジンジュースおよびトマトジュースなどの野菜ジュース;または以上のジュースの少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。
【0219】
別途に示さない限り、使用されるジュースは、ある比率の、例えば果肉、種子、果皮、繊維などの果物または野菜由来の固形分と、果物または野菜の中で天然に存在するペクチンとを含有する果物液または野菜液を含有してよい。ジュース中の固形分量は、各々かかるジュースの総質量に対して、約1〜約75重量%、具体的には約5〜約60重量%、さらに具体的には約10〜約45重量%、さらに一層具体的には約15〜約30重量%であってよい。より高濃度の固形分は、ジュース濃縮物、ピューレなどに見出すことができる。
【0220】
ジュース系組成物中に存在するジュース成分の量は、通常、組成物の総質量に対して約0.1重量%〜約95重量%、具体的には、各々かかる組成物の総質量に対して約5重量%〜約75重量%、さらに具体的には約10重量%〜約50重量%であってよい。その量は、組成物が、例えば濃縮物であるか、または即座に飲める飲料であるかによって変えてよい。ジュース系組成物の残りの成分は、添加水もしくは他の好適な液体、甘味料、着香剤、または本願明細書に記載の他の添加剤であってよい。
【0221】
ジュース系組成物は、無炭酸または炭酸のものであってよい。
【0222】
一実施形態では、ジュース系組成物は、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、または水酸化カルシウムのような型の可溶化カルシウムで強化される。カルシウム強化ジュース系組成物に食品用酸が添加され、カルシウムの溶解性が向上される。ジュース系組成物での使用に好適な食品用酸の例は本願明細書でさらに明示しており、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、または以上の食品用酸の少なくとも1種を含む組合せである。
【0223】
いくつかの実施形態では、ジュース系組成物は、温破砕または冷破砕工程を用いて果物または野菜から形成できる。両工程では、果物または野菜は浸軟され慣用装置に通され、種子、果皮、および他の望ましくない固形分が分離除去される。次いで、組成物は慣用技術によって濃縮される。温破砕工程では、製品を分解し製品の粘度を低下させる可能性のある酵素を失活させるために、通常、果物または野菜は浸軟中またはその直後に加熱される。冷破砕工程では、通常、果物または野菜は温破砕工程よりも低温で処理される。従って、温破砕工程では、冷破砕工程によって製造されるものよりも高粘度の製品が得られる場合がある。
【0224】
一実施形態では、望ましくない微生物を破壊するためにジュース系組成物は低温殺菌される。ジュース系組成物の好適な低温殺菌条件は、提供されるガイドラインを用いることで過度な実験を行わなくても当業者によって選択可能である。ジュース系組成物を滅菌する低温殺菌工程の例は、組成物を約60〜約80℃で約6〜約15分間、無菌環境において加熱することによる、というものである。
【0225】
別の実施形態では、ジュース系組成物を飲料容器は充填され、次いで低温殺菌条件に付される。あるいは、組成物は容器内の組成物を滅菌するのに充分な温度で飲料容器に加熱充填される。
【0226】
別の実施形態において、ジュース系組成物は、低温殺菌の必要なく飲料容器に組成物を冷充填できるようにする保存料を含んでよい。具体的には、保存料を添加して、約3〜約4.5のpHに飲料のpHレベルを下げることができる。好適な保存料は、本願明細書で論じられる。
【0227】
(乳系組成物)
乳系組成物は一般に、様々な量の乳タンパク質(例えば、カゼイン、乳清タンパク質など)、脂肪、乳糖、および水を含有しうる乳成分を含む。乳成分の例としては、ヨーグルト、クリーム、全乳、低脂肪または減脂肪乳、脱脂乳、固形乳、練乳、または以上の乳成分の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。
【0228】
いくつかの実施形態では、非乳成分で乳系組成物中の乳成分の一部または全体を置き換えてよい。好適な非乳成分としては、豆乳、アーモンド乳、ココナッツミルク、ライスミルクなど、または以上の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。
【0229】
沈殿を防止するために、安定化剤を乳系組成物に添加してよい。安定化剤の例としては、ペクチン、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどの親水コロイドなどや、本願明細書でさらに記載する安定化剤が挙げられる。
【0230】
乳飲料組成物中の乳タンパク質の量は、乳飲料組成物の総質量に対して約0.1重量%〜約10重量%、具体的には約0.5重量%〜約5重量%、さらに具体的には約1.0重量%〜約4重量%であってよい。
【0231】
乳系組成物は、甘味料、着色剤、または本願明細書に開示した他の添加剤を含有してよい。乳系組成物は、無炭酸または炭酸のものであってよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、乳飲料は乳糖を含有しない。
【0233】
乳飲料組成物の調製方法は、通常、乳成分または非乳成分を乳化剤と共に混合して乳化することで、乳化された成分を形成する工程を含む。乳化された成分は、低温殺菌し、冷却して第二の成分と配合することができ、この第二の成分は、着香剤、甘味料、他の添加剤、または水もしくは飲料組成物を形成させるのに好適な他の液体を含有してよい。製品の品質を保証すうために、配合を無菌条件下で行うことができる。
【0234】
乳系組成物の低温殺菌に好適な条件は、提供されるガイドラインを用いることで、過度な実験を行わなくても当業者によって選択できる。乳化された成分または他の乳成分を滅菌する典型的な低温殺菌工程は、無菌環境下、約130〜約140℃の温度で約30秒〜約2分間の条件で行ってよい。あるいは、低温殺菌は、無菌環境下、約115〜約125℃で約20〜約30分間の条件で行ってよい。
【0235】
別の実施形態では、乳系組成物は飲料容器に充填され、次いで低温殺菌条件に付される。
【0236】
(アルコール組成物)
本願明細書に記載の組成物はさらに、アルコール組成物を含んでよい。好適なアルコール組成物の例としては、ビール、スピリッツ、リキュール、ワイン、または以上の少なくとも1種を含む組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、飲料組成物中のエタノール含有量によって求められるアルコールレベルは、飲料組成物の総体積に対して約0.5vol%〜約20vol%であってよい。
【0237】
(炭酸組成物)
炭酸飲料組成物は通常、飲料組成物の体積当たり約0.1〜約5.0体積の、一種または複数種の気体、典型的には二酸化炭素、酸素、窒素、亜酸化窒素およびこれらの混合物を含有する。いくつかの実施形態では、気体(二酸化炭素および亜酸化窒素など)の混合物を使用してよい。炭酸化は、飲料組成物に対して加圧下で一種または複数種の気体を強制的に導入することによって行うことができる。飲料組成物を冷却することで、より多量の二酸化炭素および/または他の気体を飲料組成物に溶かし込むことができる。組成物の香味、甘味、食味、および口当たりを増強するのに炭酸化を用いてよい。さらに、炭酸化は組成物のpHを低下させる。
【0238】
塩は、所望のpHを提供するために食料品において同様に通常用いられる典型的な緩衝剤(リン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カルシウム(例えばリン酸一カルシウムおよびリン酸三カルシウム)などとの反応によって予め形成されていてもよいし、当該食料品中で形成されてもよい。
【0239】
例えば、本発明に係る加糖飲料は、スクロースで加糖された製品と類似したシロップ状の、まろやかな甘味プロファイルをもたらすが、他方、APM単独で加糖された飲料はより後を引く甘味プロファイルを有する。APMおよびAce−KのブレンドはAPM単独よりも砂糖のような甘味/時間プロファイルを有することができるが、かかるブレンドは、まだ本発明のスクロースのような口当たりを欠く。
【0240】
(食品)
いくつかの実施形態では、当該増強剤組成物は、食品などの加糖の経口送達製品中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、これらの加糖の経口送達製品は、甘味料などの少なくとも1種の有効成分および甘味改変剤などの少なくとも1種の食味増強剤を含んでいてよい。本発明で使用するために適した加糖の経口送達製品としては、例えば、シリアル棒、冷凍デザート、冷凍菓子、ヨーグルト、プディング、冷凍焼成品、泡立てたトッピング、ならびにケチャップ、卓上甘味料、マスタードおよび調味料などの香辛料、ジャム、ゼリー、ピーナッツバター、シロップ、トッピング、リンゴソースなどのソース、クッキー、ケーキ、およびパンなどの焼成品、炒った加糖ナッツ、ケトルコーン、バーベキューポテトスナックなどの、甘味および塩味のスナック、ならびにプディングミックスなどの乾燥混合物または粉末混合物が挙げられる。
【0241】
本願明細書に記載される組成物は、卓上甘味料を含んでよい。この卓上甘味料は、溶性人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0242】
本願明細書に記載される組成物は、加糖のヨーグルトを含んでよい。この加糖のヨーグルトは、ヨーグルト、フルーツ、デンプン、香味料、食用酸、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0243】
本願明細書に記載される組成物は、リンゴソースなどの加糖のフルーツソースを含んでよい。この加糖のフルーツソースは、フルーツ、水、甘味料、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0244】
本願明細書に記載される組成物は、加糖のクッキーを含んでよい。この加糖のクッキーは、穀粉、バター、ショートニングまたはマーガリンなどの脂肪、卵、ベーキングパンダー、甘味料、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0245】
本願明細書に記載される組成物は、加糖のケーキを含んでよい。この加糖のケーキは、穀粉、水、卵、バター、ショートニングまたはマーガリンなどの脂肪、ミルク、ベーキングパンダー、塩、甘味料、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0246】
本願明細書に記載される組成物は、ケチャップなどの加糖の香辛料を含んでよい。この加糖の香辛料は、水、フルーツピューレまたは植物ピューレ、ヴィネガー、塩、デンプン、スパイス、甘味料、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0247】
本願明細書に記載される組成物は、プディングなどの加糖の乾燥混合物または粉末混合物を含んでよい。この加糖の混合物は、香味料、塩、デンプン、界面活性剤甘味料、人工甘味料および甘味改変剤を含んでいてよい。
【0248】
上記食品のいずれかを調製する方法には、当業者に公知の方法のいずれもが含まれる。
【0249】
いくつかの実施形態では、当該甘味改変剤は当該食品の香味料成分に加えられてもよい。
【0250】
本発明の特徴および利点は、以下の実施例によってより十分に示される。それらの実施例は、例証のために提示されるにすぎず、本発明を限定するものとは決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0251】
(実施例1)
卓上甘味料組成物を、下記の表2の配合に従って調製した。
【0252】
【表4】

【0253】
この卓上甘味料は、上記成分をガラスビーカーに秤量し、十分に混合することによって調製した。ひとたび混合すると、この卓上甘味料をコーヒーまたは茶に加えてよいし、または単に朝食用シリアルに振りかけてもよい。
【0254】
上記の比較のための実施例Aおよび本発明の実施例Bに示すように、対照は、マルトデキストリンおよびスクラロースのみを含む。この実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料として作用する。実施例Bはさらに、甘味改変剤として作用する2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む。マルトデキストリンおよびスクラロース、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した卓上甘味料を提供する。それゆえ、実施例Bの組成物はAよりも低レベルの上記2つの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Bに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0255】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0256】
(実施例2)
卓上甘味料組成物を、下記の表3の配合に従って調製した。
【0257】
【表5】

【0258】
この卓上甘味料は、上記成分をガラスビーカーに秤量し、十分に混合することによって調製した。ひとたび混合すると、この卓上甘味料をコーヒーまたは茶に加えてよいし、または単に朝食用シリアルに振りかけてもよい。
【0259】
上記の比較のための実施例CおよびDならびに本発明の実施例EおよびFに示すように、対照は、アスパルテームおよびマルトデキストリンまたは乳糖のみを含む。この実施例では、アスパルテームが有効成分、または甘味料として作用する。実施例EおよびFはさらに、甘味改変剤として作用する3−アミノ安息香酸を含む。アスパルテーム、さらには改変剤である3−アミノ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した卓上甘味料をもたらす。それゆえ、実施例EおよびFの組成物はCまたはDよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例EおよびFに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0260】
(実施例3)
卓上甘味料組成物を、下記の表4の配合に従って調製した。
【0261】
【表6】

【0262】
この卓上甘味料は、上記成分をガラスビーカーに秤量し、十分に混合することによって調製した。ひとたび混合すると、この卓上甘味料をコーヒーまたは茶に加えてよいし、または単に朝食用シリアルに振りかけてもよい。
【0263】
上記の比較のための実施例GおよびHならびに本発明の実施例IおよびJに示すように、対照は、スクラロースおよびマルトデキストリンまたは乳糖のみを含む。この実施例では、スクラロースが有効成分、または甘味料として作用する。実施例IおよびJはさらに、甘味改変剤として作用する3−アミノ安息香酸を含む。スクラロース、さらには改変剤である3−アミノ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した卓上甘味料をもたらす。それゆえ、実施例IおよびJの組成物はGまたはHよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例IおよびJに摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0264】
(実施例4)
加糖のヨーグルト組成物を、下記の表5の配合に従って調製した。
【0265】
【表7】

【0266】
このイチゴヨーグルトは、まずスラリーデンプンを水の一部に組み込むことによって調製した。次に、イチゴ、残りの水およびクエン酸を二重鍋の中に加えた。次いで、この組み合わせを65℃まで加熱した。次いでこのデンプンスラリーを上記フルーツ、水、クエン酸混合物に加えた。次いでこの組み合わせを90℃に1分間加熱した。次いで着色料、香味料、甘味料およびヒドロキシ安息香酸を加えた。次いでこの組み合わせを十分に混合し、冷蔵庫で冷却した。次いでこのフルーツ調製物を、85:15の比で上記ヨーグルトと混合した。
【0267】
上記の比較のための実施例Kおよび本発明の実施例Lに示すように、対照は、アスパルテームおよびアセスルファム−Kのみを含む。この実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料として作用する。実施例Lはさらに、甘味改変剤として作用する3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。アスパルテームおよびアセスルファム−K、さらには改変剤である3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したヨーグルトをもたらす。それゆえ、実施例Lの組成物は実施例Kよりも低レベルの2つの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Lに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0268】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0269】
(実施例5)
加糖のフルーツソース組成物を、下記の表6の配合に従って調製した。
【0270】
【表8】

【0271】
上記リンゴは皮をむきぶつ切りにした。次いでそのリンゴをソースパンに入れた。残りの成分をそのソースパンに入れた。リンゴ、スクロース、3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸および水の組み合わせを、連続的に撹拌しながら10分間中火の上に置いた。次いでこの組み合わせを冷蔵庫で冷却した。
【0272】
上記の比較のための実施例Mおよび本発明の実施例Nに示すように、対照はスクロースのみを含む。この実施例では、この成分が有効成分、または甘味料として作用する。実施例Nはさらに、甘味改変剤として作用する3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。スクロース、さらには改変剤である3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したリンゴソースをもたらす。それゆえ、実施例Nの組成物は実施例Mよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Nに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0273】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0274】
(実施例6)
加糖のクッキー組成物を、下記の表7の配合に従って調製した。
【0275】
【表9】

【0276】
上記マーガリンおよびポリデキストロースを、クリーム状になるまで電動ミキサーで1分間ブレンドした。卵を加え、その混合物を電動ミキサーで45秒間ホイップした(beat)。穀粉、ベーキングパンダー、アスパルテームおよびヒドロキシ安息香酸を、別のボウルで合わせた。この穀粉混合物を、1分間撹拌しながら上記マーガリン混合物にゆっくり加えた。ひとたびすべての上記成分を合わせると、混合物全体を最高速度で1分間泡立てた。油を塗ったベーキングトレイ上にこのクッキーを置き、180℃でおよそ15分間焼成した。
【0277】
上記の比較のための実施例Oおよび本発明の実施例Pに示すように、対照は、ポリデキストロースおよびアスパルテームのみを含む。この実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料として作用する。実施例Pはさらに、甘味改変剤として作用する2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。ポリデキストロースおよびアスパルテーム、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したクッキーをもたらす。それゆえ、実施例Pの組成物は実施例Oよりも低レベルの2つの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Pに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0278】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0279】
(実施例7)
加糖のケーキ組成物を、下記の表8の配合に従って調製した。
【0280】
【表10】

【0281】
オーブンを170℃に予め設定した。以下の成分をプラネタリーミキサーのボウルに加えた:ケーキ穀粉、キャスター糖、高比率用ショートニング(high ratio shortening)、ポリデキストロース、脱脂乳粉末、ベーキングパンダー、塩、ソルビン酸カリウム、2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸。次いで水を加えた。この組み合わせを、ケイ・ビーター(K−beater)を使用して速度1で30秒間混合した。次いでこのボウルをこすり落とした。次いでこの組み合わせを、速度3で30秒間混合した。次いでこのボウルをこすり落とした。卵をこの組み合わせに加え、その間、この組み合わせを、速度1でさらに30秒間混合した。次いでこのボウルをこすり落とした。次いで最終混合物を、比重が0.8に等しくなるまで、速度2で混合した。次いでこの混合物をケーキパンに入れ、170℃で30分間焼成した。
【0282】
上記の比較のための実施例Qおよび本発明の実施例Rに示すように、対照は、砂糖のみを含む。対照の実施例では、この成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。この試験実施例は、有効成分としての砂糖、およびスクロースの減量によって失われた質量を置き換えるための増量剤として機能するポリデキストロースの両方を含む。2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸は甘味改変剤としての作用をする。砂糖、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したケーキをもたらす。それゆえ、実施例Rの組成物は実施例Qよりも低レベルのスクロースを含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Rに摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0283】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0284】
(実施例8)
加糖の香辛料組成物を、下記の表9の配合に従って調製した。
【0285】
【表11】

【0286】
以下の成分を混合用ボウルの中に合わせた;スクロース、塩、加工デンプン、混合スパイス、3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸。水、トマトピューレおよびヴィネガーを二重鍋に入れた。この乾燥混合物を上記水、ピューレおよびヴィネガー混合物の中へと撹拌した。次いでこの混合物を85℃に3分間加熱し、一定速度で撹拌した。次いで加熱の間に失われた水をその混合物に加えた。次いでこの混合物を冷却した。
【0287】
上記の比較のための実施例Sおよび本発明の実施例Tに示すように、対照は、スクロースのみを含む。対照実施例では、この成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。実施例Tはさらに、甘味改変剤として作用する3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。スクロース、さらには改変剤3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したケチャップをもたらす。それゆえ、実施例Tの組成物は実施例Sよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Tに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0288】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0289】
(実施例9)
加糖の飲料組成物を、下記の表10の配合に従って調製した。
【0290】
【表12】

【0291】
以下の成分を一緒に混合し乾燥ブレンドを形成した:スクラロース、粉末ココアおよびカラゲナン。ミルクをプラスチックビーカーに入れた。この乾燥ブレンドを、高せん断ミキサーを使用して、5000〜6000rpmで1分間、上記ミルクの中へとせん断を加えた。この混合物を二重鍋に移した。次いでこの混合物を5分間90°に加熱し、この混合物をペースト状にした。加熱の間に失われた水を混合物の中に再び加えた。この混合物をきれいなビーカーに移し、放冷した。ひとたび冷却すると、この混合物に5000rpmで2分間せん断を加えた。次いでこの混合物をプラスチックの瓶に移した。
【0292】
上記の比較のための実施例Uおよび本発明の実施例Vに示すように、対照は、スクラロースのみを含む。対照実施例では、この成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。実施例Vはさらに、甘味改変剤として作用する2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。スクラロース、さらには改変剤2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇したチョコレートミルクをもたらす。それゆえ、実施例Vの組成物は実施例Uよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Vに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0293】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0294】
(実施例10)
加糖の香味付きのアルコール飲料組成物を、下記の表11の配合に従って調製した。
【0295】
【表13】

【0296】
これらの成分をメスフラスコに加えた。次いでこのフラスコを混合し、これらの成分を溶解させた。
【0297】
上記の比較のための実施例Wおよび本発明の実施例Xに示すように、対照は、スクロースのみを含む。対照実施例では、この成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。実施例Xはさらに、甘味改変剤として作用する3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。スクロース、さらには改変剤である3−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した香味付きのアルコール飲料をもたらす。それゆえ、実施例Xの組成物は実施例Wよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例Xに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0298】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0299】
(実施例11)
加糖の炭酸飲料組成物を、下記の表12の配合に従って調製した。
【0300】
【表14】

【0301】
飲料組成物を、上記の表12の配合に従って調製した。本発明の組成物は、上記の表1に列挙される甘味料増強剤のいずれかの組み合わせを含む。
【0302】
各組成物についての高フルクトースコーンシロップを、メスフラスコの中に直接秤量した。甘味料増強剤を加え、フラスコの中へと洗い出した。次いで、香味料、酸、緩衝液、着色料、および他の成分を加え、水で洗い流した。このフラスコを十分に振盪した。フラスコの充填線(fill line)のすぐ下まで水を加えた。安息香酸ナトリウム溶液を加えた。次いで体積を水で調整した。50mlのシロップおよび200mlの炭酸水を使用して、このシロップを250mlの瓶の中で炭酸化した。
【0303】
(実施例12)
加糖のジュース系飲料組成物を、下記の表13の配合に従って調製した。
【0304】
【表15】

【0305】
飲料組成物を上記の表13の配合に従って調製した。表13は、100mlの体積を基準として、配合物中での各成分の量(グラム単位)を与える。本発明の飲料組成物は、甘味料増強剤を含むが、他方、対照は甘味増強剤を含まない。
【0306】
本発明の組成物中の甘味料増強剤を含めた表13に列挙した全成分(香味料は除く)を秤量し、各組成物についてのメスフラスコに加えた。このフラスコに所定体積まで水を充填し、各組成物についてすべての成分が完全に溶解するまで、マグネチックスターラー上に置いた。次いで各組成物についてのフラスコの中身をプラスチックビーカーに移し、マイクロ波で90℃に加熱した。次いでこのバッチを60℃まで放冷し、撹拌しながら香味料を加えた。このバッチを1リットルの瓶に入れ、冷蔵庫中で冷却した。
【0307】
(実施例13)
加糖のアイスティー飲料組成物を下記の表14の配合に従って調製した。
【0308】
【表16】

【0309】
飲料組成物を、上記の表14の配合に従って調製した。
【0310】
本発明の組成物中の甘味増強剤を含めた全成分(安息香酸ナトリウムは除く)を秤量し、各組成物についての漏斗を使用してメスフラスコに加えた。各組成物についてのフラスコにほぼ充填線まで水を充填し、次いで安息香酸ナトリウムを加えた。このフラスコに充填線まで水を充填し、ひっくり返した。必要に応じて、各組成物についてすべての成分が完全に溶解するまで、このフラスコをマグネチックスターラー上に置いた。
【0311】
(実施例14)
加糖の粉末飲料組成物を、下記の表15の配合に従って調製した。
【0312】
【表17】

【0313】
上記成分を一緒にブレンドした。ひとたびブレンドすると、11グラムのこの混合物をビーカーの中に入れた。180mlの沸騰水をこれらの成分に加えた。この組み合わせを、これらの成分が溶解するまで撹拌した。
【0314】
上記の比較のための実施例CCおよび本発明の実施例DDに示すように、対照は、アスパルテームおよびアセスルファム−Kのみを含む。対照実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。実施例DDはさらに、甘味改変剤として作用する2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む。アスパルテームおよびアセスルファム−K、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した低カロリーココアをもたらす。それゆえ、実施例DDの組成物は実施例CCよりも低レベルの2つの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例DDに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識をもたらす。
【0315】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0316】
(実施例15)
加糖の粉末飲料組成物を、下記の表16の配合に従って調製した。
【0317】
【表18】

【0318】
上記成分を一緒にブレンドした。ひとたび混合すると、1.44グラムのこの混合物をビーカーに入れた。200mlの冷水を上記成分に加えた。この組み合わせを、これらの成分が溶解するまで撹拌した。
【0319】
上記の比較のための実施例EEおよび本発明の実施例FFに示すように、対照はマルトデキストリン、スクラロースおよびアセスルファム−Kのみを含む。対照実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料としての作用をする。この試験実施例では、アセスルファム−Kは除かれ、マルトデキストリンおよびスクラロースだけが有効成分である。さらに、実施例FFはさらに、甘味改変剤として作用する3−ヒドロキシ安息香酸および2,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。マルトデキストリンおよびスクラロース、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3−ヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した即席のレモン飲料をもたらす。それゆえ、実施例FFの組成物はアセスルファム−Kを含まず、かつ実施例EEより低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例FFに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0320】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0321】
(実施例16)
加糖の混合物組成物を、下記の表17の配合に従って調製した。
【0322】
【表19】

【0323】
上記成分を一緒にブレンドした。200mlの冷たいミルクを混合用ボウルに入れた。16.6グラムの上記乾燥混合物をこの冷たいミルクに加えた。この組み合わせを、電動ミキサーで2分間泡立てた。次いでこの混合物を冷蔵庫で冷却した。
【0324】
上記の比較のための実施例GGおよび本発明の実施例HHに示すように、対照は、マルトデキストリンおよびアスパルテームのみを含む。対照実施例では、これらの成分が有効成分、または甘味料として作用する。この試験実施例では、アスパルテームおよびマルトデキストリンの量は、減らした。さらに、実施例HHはさらに、甘味改変剤として作用する2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む。マルトデキストリンおよびアスパルテーム、さらには改変剤である2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を含む組み合わせは、スクロース相当値が上昇した即席のチョコレートプディングをもたらす。それゆえ、実施例HHの組成物は実施例GGよりも低レベルの甘味料を含むが、上記甘味改変剤を加えることで、実施例HHに、摂食の際の同等またはより大きい甘味の認識がもたらされる。
【0325】
味見の際に、本発明の組成物は、対照組成物と比べて増加した甘味強度を示した。
【0326】
(実施例17:中心充填物菓子組成物)
表18の実施例II〜JJに示す成分を合わせることによって、加糖の中心充填物菓子組成物を調製する。含まれる量は、全中心充填物組成物の重量%基準である。
【0327】
【表20】

【0328】
表19の実施例KK〜LLに示す成分を合わせることによって、加糖のガム状キャンディシェル組成物を調製する。含まれる量は、全ガム状キャンディシェル組成物の重量%基準である。
【0329】
【表21】

【0330】
表20の実施例MM〜NNに示す成分を合わせることによって、特定の形態の加糖のコーティング組成物を調製する。含まれる量は、全コーティング組成物の重量%基準である。
【0331】
【表22】

【0332】
実施例II〜JJの中心充填物組成物のいずれかを、KK〜LLのガム状キャンディシェル組成物のいずれかに組み込み、次いで実施例MM〜NNのコーティング組成物のいずれかをその外側に塗布する。上記中心充填物を、全組成物の約5重量%〜約25重量%の量で加える。ガム状キャンディシェルを全組成物の約70重量%〜約90重量%の量で加え、上記コーティングを全組成物の約5重量%〜約15重量%の量で加える。
【0333】
(実施例18)
加糖のチューインガム組成物を下記の表21の配合に従って調製した。
【0334】
表21の実施例OO〜PPに示す成分を合わせることによって、ガム組成物を調製する。含まれる量は、全ガム領域組成物の重量%基準である。
【0335】
【表23】

【0336】
まず約85℃に加熱しながらタルク(存在する場合)を上記ガムベースと合わせることによってチューインガムについての組成物を調製する。次いでこの組み合わせを、増量甘味料、レシチン、および甘味料シロップと6分間混合する。香味料および冷感剤のプレミックスを含む香味ブレンドを加え、1分間混合する。最後に、酸、強化甘味料、および任意に甘味改変剤を加え、5分間混合する。
【0337】
実施例MM〜NNのコーティング組成物のいずれかを上記のOO〜PPのチューインガム組成物のいずれかの外側に塗布する。上記チューインガム組成物を、全組成物の約85重量%〜約95重量%の量で加え、上記コーティングを、全組成物の約5重量%〜約15重量%の量で加える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味料組成物であって、
a)あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、
c)甘香の認識を改変する甘香改変剤を含む第2の組成物と
を含む甘味料組成物。
【請求項2】
前記甘香の認識が高められる、請求項1に記載の甘味料組成物。
【請求項3】
前記第2の組成物が、バニラ、バニリン、バニリン酸、酢酸バニリン、バニリン PG アセタール カフェ酸、マルトール、エチルマルトール、タウマチン、フラネオール、シクロテン、酢酸メンチル、グリチルリジン、ペリラルチン、ヌクレオチド、AMP、IMP、GMP、タガトース、エリスリトール、L−アスパラギン酸、ピペリン、ジンゲリン、1(p−メトキシフェニル) 1−ペンテン−3−オン、ヘリオトロピン、o−メトキシケイ皮アルデヒド、b−イオノール、4−p−アセトキシフェニル−2−ブタノン、2 アセチルピロール、ファーバルサムアブソリュート、バニリンアルコール、イソ酪酸ピペロニル、バニリジンアセトン、イソ酪酸バニリン、δ−およびγ−ラクトン(C4−C14)、2,4 ジメチル ベンズアルデヒド、メンタラクトン、2−プロピオニルピロール、4−オキソイソホロン、テアスピラン 3−エチル−2−ヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン、フルフラール、ベラトルアルデヒド、ジンゲロン、バニトロープ、アニスアルデヒド、アニシルアルコール、スルフロール、オークモス、ベンゾイン、ベンズアルデヒド、アンブレタリド、エチルバニリン、酢酸フェニル、酢酸シンナミル、ケイ皮酸ベンジル、アネトール、イソホロンフェニルエチルブチレート、プロピオンフェニルエチル、ケイ皮酸フェニルエチル 2,5 キシレノール異性体、糖蜜蒸留液、ハチミツ蒸留液、砂糖蒸留液、苦味抑制剤、精油、柑橘油、圧搾油、蒸留油、バラ油、リモネン、メントール、ブタン酸メチル、ブタン酸ペンチル、エキス、ピリジニウムベタイン、フラボン、2−フェニルクロム−2−エン−4−オン、5−ヒドロキシフラボン、クマリン、δ−ラクトン、ソルビン酸メチル、ジバニリン、フルーツエステル、フェニルアセトアルデヒド、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の甘味料組成物。
【請求項4】
前記甘味料組成物がさらに、後味によって特徴付けられ、さらに、前記後味を改変する後味改変剤を含む第3の組成物を含む、請求項2に記載の甘味料組成物。
【請求項5】
前記後味が減少される、請求項4に記載の甘味料組成物。
【請求項6】
前記甘味料組成物がさらに、甘味発現期間を含めた甘味の時間的プロファイルによって特徴付けられ、さらに、前記甘味発現期間を改変する甘味発現期間改変剤を含む第3の組成物を含む、請求項2に記載の甘味料組成物。
【請求項7】
前記第3の組成物が前記甘味発現期間を延長する、請求項6に記載の甘味料組成物。
【請求項8】
前記甘味料組成物がさらに、甘味ピーク期間を含めた甘味の時間的プロファイルによって特徴付けられ、さらに、前記甘味ピーク期間を改変する甘味ピーク期間改変剤を含む第4の組成物を含む、請求項7に記載の甘味料組成物。
【請求項9】
前記第4の組成物が前記甘味ピーク期間を延長する、請求項8に記載の甘味料組成物。
【請求項10】
前記甘味料組成物がさらに、甘味減衰期間を含めた甘味の時間的プロファイルによって特徴付けられ、さらに、前記甘味減衰期間を改変する甘味減衰期間改変剤を含む第5の組成物を含む、請求項9に記載の甘味料組成物。
【請求項11】
前記第5の組成物が前記甘味減衰期間を延長する、請求項10に記載の甘味料組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の甘味料組成物を含む、食料品。
【請求項13】
甘味料組成物であって、
a)あるスクロース相当値、および甘味発現期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、
c)前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味発現期間を改変する甘味発現期間改変剤を含む第2の組成物と
を含む、甘味料組成物。
【請求項14】
前記第2の組成物が前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味発現期間を延長する、請求項13に記載の甘味料組成物。
【請求項15】
請求項13に記載の甘味料組成物を含む、食料品。
【請求項16】
甘味料組成物であって、
a)あるスクロース相当値、および甘味ピーク期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、
c)前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味ピーク期間を改変する甘味ピーク期間改変剤を含む第2の組成物と
を含む、甘味料組成物。
【請求項17】
前記第2の組成物が前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味ピーク期間を延長する、請求項16に記載の甘味料組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の甘味料組成物を含む、食料品。
【請求項19】
甘味料組成物であって、
a)あるスクロース相当値、および甘味減衰期間を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、
c)前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味減衰期間を改変する甘味減衰期間改変剤を含む第2の組成物と
を含む、甘味料組成物。
【請求項20】
前記第2の組成物が前記少なくとも1種の甘味料の前記甘味減衰期間を延長する、請求項19に記載の甘味料組成物。
【請求項21】
前記第2の組成物が、L−リジン、グルコン酸マグネシウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20に記載の甘味料組成物。
【請求項22】
請求項19に記載の甘味料組成物を含む食料品。
【請求項23】
甘味料組成物であって、
a)あるスクロース相当値、および後味を含めた時間的な甘味プロファイルを有する少なくとも1種の甘味料と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第1の非甘味料組成物と、
c)前記少なくとも1種の甘味料の前記後味を改変する後味改変剤を含む第2の組成物と
を含む、甘味料組成物。
【請求項24】
前記第2の組成物が前記少なくとも1種の甘味料の前記後味を減少させる、請求項23に記載の甘味料組成物。
【請求項25】
前記第2の組成物が、イエルバ・サンタ、モノカルボン酸、ジカルボン酸、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸一ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、β−アラニン、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、trans−4−ヒドロキシ−D−プロリン、L−アルギニン、L−トリプトファン、バルサムペル、キニーネ、ナリンギン、ナリンゲニン、糖アルコール、ポリオール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、タガトース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、ベンジルアミド、ヒドロキシル化安息香酸アミド、ホモエリオジクチオール、ホモエリオジクチオールのナトリウム塩、セルビン、エリオジクチオール、エリオジクチオール−7−メチルエーテル、酒石英、ガラクトース、リン脂質、モネリン、タンニン酸、フェノール酸、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項24に記載の甘味料組成物。
【請求項26】
請求項23の甘味料組成物を含む、食料品。
【請求項27】
飲料組成物であって、
a)第1の量の3−ヒドロキシ安息香酸と、
b)第2の量の3,4−ジヒドロキシ安息香酸と、
c)第3の量の、マルトール、タウマチン、およびこれらの組合せからなる群から選択される食味改変化合物と、
d)第4の量の、スクロース、高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ、スクロマルト、イソマルチュロース、乳糖、ガラクトース、キシロース、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、ハチミツ、玄米水飴、アガベシロップ、糖蜜、赤砂糖、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の甘味料と
を含む、飲料組成物。
【請求項28】
甘味料組成物の製造方法であって、
a)あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料を準備する工程と、
b)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めることができるスクロース相当値改変剤を含む第1の組成物を準備する工程と
を含み、前記高められたスクロース相当値は、前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値よりも大きい、方法。
【請求項29】
食料品中の少なくとも1種の甘味料の量を低減させる方法であって、
a)あるスクロース相当値を有する少なくとも1種の甘味料を含む第1の組成物の第1の量を決定する工程と、
b)前記第1の量を少なくとも30%(重量/重量)だけ低減させる工程と、
c)前記少なくとも1種の甘味料の前記スクロース相当値を高めるスクロース相当値改変剤を含む第2の組成物の第2の量を決定する工程であって、前記第2の量は前記スクロース相当値を提供できる工程と
を提供する方法。

【公表番号】特表2010−527242(P2010−527242A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508560(P2010−508560)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/063614
【国際公開番号】WO2008/141333
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】