説明

経皮内視鏡的胃瘻造設術のための外科用器具

【課題】経皮内視鏡的胃瘻造設術等に際して使用するための、配置が容易で、体腔と外部との間に瘻孔を形成することができ、不要となったとき容易に取り外せる外科用固定器具を提供する。
【解決手段】互いに同心的に入れ子に配置され、遠位端同士が互いに固定された第1及び第2のカニューレを含む外科用固定器具を提供する。この外科用固定器具はその胃内腔内に配置される部分の上に配設される保持機構と、保持機構を選択的に係合・離脱させるためのアクチュエータと、人工瘻孔が形成され治癒するまで、保持機構と協働してカニューレ同士を互いに固定しておく、取り外し可能なロック機構とを含む。ロック機構と保持機構とが働して第1及び第2のカニューレを互いに固定しておくことによって、第1及び第2のカニューレを切断し、アクチュエータを処分することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用固定器具に関し、特に種々の胃カテーテルを経皮的に配置し、胃腸管内に瘻孔を形成するための器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、胃や小腸のような内臓への経皮的なアクセスが必要となるさまざまな医療条件が存在する。患者が嚥下能力を失って、長期的な栄養摂取の補助が必要な状況では、胃や空腸への直接の栄養補給を行うことがある。この種の栄養補給は、栄養管を患者の胃に挿入し、栄養管の一端が胃のなかに固着されるが他の一端は栄養物源との接続のために患者の体外に位置するようにすることによって達成され得る。
【0003】
栄養管は、種々の方法で患者の胃の中に挿入され得る。栄養管は、内視鏡的に配置されても、外科的に切開口を通して配置されても、腹腔鏡的に配置されても、内視鏡、蛍光透視鏡、または超音波でガイドしながら経皮的に配置されてもよい。
【0004】
例えば、胃瘻造設術、空腸造瘻術、または胃空腸吻合術等の方法を用いて、種々の栄養管を配置することができる。これらの管は、種々の保持用固定器具を用いて体腔(胃や腸)内に保持され得る。これらの固定機構としては、例えば膨張可能なバルーン、閉塞可能なドーム、固定ドーム式バンパーや縫合糸ウイング等がある。
【0005】
膨張可能なバルーン用いて経皮的に管を配置する場合、配置の際に胃腹壁固定術を行うのが好ましい。この手法により、外科医は内臓壁を腹部に固着することができる。この固着は、誤って管が外れたり、腹腔が汚れにさらされて、場合によっては腹膜炎になることを防止するために重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術のデバイスの固定機構は、一般的には、胃腸壁内に埋まり得る小さい金属のT字型固定器具からなるものであるが、これは感染症の原因となり得る。T字型固定器具(Tバー)は非可動式で体腔内に残され、患者の便通とともに自然に排泄され得る。多くの場合、このTバーは体腔を通過せず、体腔内に残ってしまう。さらにTバーは尖った縁部を有し、これが患者に不快感を与えることがある。
【0007】
従って必要とされているのは、体腔内に配置が容易で、体腔と外部環境との間に瘻孔を形成することができ、かつ不要となったとき使用者が容易に取り外せるような固定器具である。この処置自体に利用することができ、その後固定器具となるようなデバイスは、現在行われている処置に有意義な改善をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当業者が直面してきた上述のような問題点に対して、本発明は、外科用固定器具を提供する。或る態様では、この器具は、遠位端、近位端、及び保持機構を有する外側カニューレを有し得る。保持機構は遠位端の近傍の、カニューレ壁を通して設けられた複数の長さ方向スリットを有する外側カニューレ上の領域に配設される。同様に遠位端及び近位端を有する内側カニューレが設けられる。内側カニューレは、外側カニューレ内に摺動させる形で配置され、各カニューレの遠位端において外側カニューレに固定される。これが器具の先端部を形成する。カニューレ同士を互いに摺動させることによって、器具の先端部が軸線方向に動き、保持機構が離脱状態から係合状態に動く。
【0009】
摺動可能なロック機構は、外側カニューレ上に配置され得る。この機構は、外側カニューレに沿って位置決めし、カニューレ同士の摺動による相対移動を防止するように外側カニューレと内側カニューレをそれぞれロックすることができる。ロック機構は、クランプベースとキャップを含み得る複数部品構造のデバイスであり得る。前記キャップを前記クランプベースと係合させることにより、ロック機構は摩擦力によって、ロック機構を外側カニューレに、外側カニューレを内側カニューレにグリップして固定する。カニューレに摩擦的に係合する役目を果たす変形可能なインサートをクランプベースとキャップとの間に配置してもよい。少なくとも第1位置と第2位置とを有するアクチュエータを設けることもできる。アクチュエータの第1位置では、保持機構が離脱され、第2位置では保持機構が係合される。アクチュエータは、留め部と別体のハブとを有する位置決め部材を備える複数部品構造であり得、留め部はハブに係合する。両部品は協働して保持機構を展開状態にさせる。
【0010】
別の態様では、外科用器具が経皮内視鏡的胃瘻造設術を行うために適合され得る。そのような器具は、互いに同心的に入れ子に配置された第1及び第2のカニューレを有し得る。これらのカニューレは遠位端で互いに固定され得る。この遠位端は、患者の腹壁と胃内腔とを穿孔するために適合される。この器具は、器具の胃内腔内に配置される部分の上に配設された保持機構と、その保持機構を選択的に係合・離脱させるためのアクチュエータを有する。ロック機構も設けられ得る。このロック機構は、保持機構と協働して、胃内腔を腹壁の近くに配置・固定する。これが行われた後は、ロック機構はカニューレを互いに固定して、カニューレを切断してアクチュエータを処分することができるようにする。外科医の判断に応じて、胃内腔への人工瘻孔の形成・治癒の後に、ロック機構を外してもよい。
【0011】
何れの態様においても、この器具は、経皮的に組織に刺入するための処分可能な針も含み得る。
【0012】
本発明の他の目的、利点、及び用途は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明と添付の図面から明らかとなろう。図面中で同一の符号は類似のまたは同一の構成要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
当業者が直面してきた前述の問題点に対して、本発明は、図面に示す経腸栄養管等を初めに配置するのを容易にするため使用される胃用固定器具10を提供する。一実施形態による器具10は、図1や図2の分解図に示すように、外側カニューレ12を有し、外側カニューレ12は、遠位端14、ハブ18を末端とする近位端16、及び複数の長さ方向スリット22を有する領域20を有する。領域20は遠位端14に近接した位置にあり、図1Aにその拡大図が示されている。本明細書において、通常、「遠位」とは患者側の方向を、「近位」とはユーザ即ち臨床医側の方向をさす。
【0014】
図1及び図2を再度参照すると、器具10は、遠位端26と、末端にアクチュエータ30が設けられた近位端28とを有する第2の内側カニューレ24をも備える。内側カニューレ24は、外側カニューレ12の内部に摺動させて配置され、この2つのカニューレはそれらの遠位端14及び26が互いに固着されて、先端部32を形成している。アクチュエータ30はハブ18に係合し、両者は協働して、後述する望ましい方式でカニューレを動かす。
【0015】
ロック機構34は、外側カニューレ12上に配置され、その長さ方向に沿って移動可能である。ロック機構34は、臨床医が位置決めすることができ、内側カニューレ24が外側カニューレ12にロックされるように外側カニューレ12上に固定即ちロックされる。これにより、外側カニューレ12と内側カニューレ24とが相対移動しないようになる。このロック機構34は、図面に示すような複数部品構造のデバイスでも単部品構造のデバイスでもよい。例えば、一実施形態のロック機構34は、互いに係合し協働して所望の位置にロックするクランプベース36とキャップ38とを含む2部品構造であり得る。第3の部品である膨張可能なインサート40を設けてもよく、各部品については後に詳細に説明する。
【0016】
他の場合には、選択に応じて器具10に係合する針42も設けることができる。針42は、内側カニューレ24を通してルーメン(図示せず)に摺動して係合し、一旦挿入されると、外側カニューレ12と内側カニューレ24の両方から所望の長さだけ突出するように設計される。針42には、動物組織を貫通するように設計された先端部が設けられており、外科用針の設計分野の当業者に理解されるように、これは使用時に組織を傷つけない非外傷性の先端部である。本発明をより明確に説明するために、デバイスの用途について説明する。図1を再度詳細に検討すると、針先端部44が器具先端部32を超えて突出していることが分かる。これによって器具10を体腔内に挿入できる。ある用途では、例えば、図3に示すように、器具内に係合された針を用いて、患者の皮膚を穿孔し、器具が腹壁46を通して患者の胃内腔46に挿入して、瘻孔50を形成できるようにする。組織が穿孔され、器具が胃内腔48内の所望の位置に配置されると、(図1及び図2に示す)針42は完全に引き抜かれて、適切な方法で処分される。
【0017】
このとき、臨床医はアクチュエータ30を操作して、第1位置から図3に示す第2位置に動かす。実際、図3は、臨床医がアクチュエータ30を操作した後の任意の時点に存在する状態の器具30を示しており、図示するように、この位置では保持機構52が展開状態にある。次に器具10は臨床医の側に引っ張られる。この操作は、保持機構を胃内腔48の壁54に押し当てるように動かす役目を果たす。臨床医がさらに引っ張り続けると、図4に示すように胃内腔48が腹壁46に押し付けられ、このとき両者を互いに縫合して瘻孔50を完成させることができる。臨床医が意図するように胃内腔48と腹壁46とが縫合された後には、ロック機構34を摺動させて、腹壁46の外側表面56において患者の皮膚と接触させることができる。図示した実施形態の場合には、次にキャップ38をクランクベース36に係合させ、保持機構52は展開状態に維持されるように外側カニューレ12を内側カニューレ24に固定する。
【0018】
これが行われた後、器具10は図4に示すようにロック機構34の近傍の点で切断され、両カニューレ12及び24が切断され得る。これによって、胃固定器具10を胃腹壁固定器具に変形し、瘻孔50が形成されるまで胃腹壁固定器具としての役目を果たし得る。瘻孔50が治癒し、適切に形成された後は、器具10の残りの部分は、ロック機構34を外すことによって除去し得る。これによって、カニューレ12及び24の残りの部分が再度互いに相対移動可能となる。しかし、この2つのカニューレは先端部分32で固定されているおり、これによって内側カニューレ24が誤って胃内腔45内に落ちるのが防止される。さらに、カニューレ同士が互いに相対的に摺動可能であることから、臨床医が器具を患者から引き出すにつれて保持機構52が自然と折り畳まれて、器具を胃内腔48から引き抜くことが可能となる。
【0019】
ここで図5を参照すると、器具10の近位端がより詳細に示されており、この実施形態では、アクチュエータ30は、内側カニューレ24に取り付けられた近位部分即ちグリップ60と、それに固着された遠位部分即ち位置決め部材58を有する。これらの部材58及び60は互いに固着された別体の部材として説明してきたが、別の実施形態では、これらの部材を一体的な分離不可能な要素として設けることもできる。図5では明示のために両者はそれらの軸線方向に僅かに分離した形で図示されており、これらは別体のもので、後で結合されると説明されているが、この方式は製造プロセスに対してはより適合しやすい方式である。何れにしても、この実施形態の位置決め部材58は、ハブ18上の適当な係合要素に係合する1以上の留め部を有する。図5に示す実施例では、そのような二つの留め部が存在し、それぞれが内側に戻り止め64を備えるフィンガ部62として構成されており、この戻り止め64のそれぞれは、溝66として形成された2つの係合要素の一方に係合する。戻り止め64が溝66(より具体的には溝66b)に係合された第2の位置では、保持機構52が展開された状態となる。保持機構52は患者の体内にあることから、臨床医はこの溝への係合が保持機構の状態を知るための重要な判断材料となる。戻り止め64を溝66に係合させてロックすることによって、臨床医は確実に保持機構52を適切な展開状態とすることができる。さらに、アクチュエータ30は、臨床医が状態を変えるまで保持機構52が展開状態にある係合状態を維持しなければならない。前に述べたように、第1の位置では、戻り止め64が溝66に係合した状態である必要はない。しかし、図示された形態の場合は、第1の位置は、戻り止め64が溝66aに係合した場合に生ずる固定されたセット位置とし得る。加えて、アクチュエータを第1の位置に容易に動かせるようにするために傾斜部分68及び他の適切な手段を設けることができる。特定の第1の位置を有することは、保持機構52が完全に誤って展開状態となることを規制するような位置に器具を固定する点で有益であるのは明らかであろう。
【0020】
他の留め部及び係合手段も同様の機能を果たし、従って本発明の一部を構成するものとなることは理解されよう。例えば、爪(pawl)、回し金(dog)、ラチェット機構、ばね付勢手段、タブ、及び他の種々の手段が意図する目的に適合する。一例をあげると、図6に示すように、溝またはトラック70を位置決め部材58またはハブ18の何れかに形成し、トラック70が、その内部を戻り止め64または他の適当なタブまたは突出部が動く経路となるような構成とし得る。何れにしても、選択された機構の種類がいかなるものであっても、その目的は、ある第1の位置から特定のセットされ固定された第2の位置へとアクチュエータ30を動かすことである。
【0021】
図面に示す実施形態では、アクチュエータ30を患者から離れる方向に引っ張ると、内側カニューレ24は外側カニューレ12から摺動して引き出される。両カニューレは器具先端部32即ち各カニューレの遠位端14及び26において結合されているので、実際に生ずる結果は保持機構52が展開されることのみに限定される。保持機構52自体は、基本的に、長さ方向スリット22を有する領域20において外側カニューレ12を制御して折り潰すことによって形成され、通常マレコット型(malecot-type)構造と呼ばれる。
【0022】
図1Aを再度参照すると、領域20は、外側カニューレ12の外周に径方向に配置された複数のスリット22を有する。スリット22は第1端点72から第2端点74までカニューレ12の長さ部分に沿って軸線方向に延在する。各スリット22は概ね同じ長さを有し、その始点と終点をカニューレ12の長さ方向の概ね同じ位置に有するが、その周方向に沿って径方向に間隔をおいて設けられ得る。ここで図7を参照すると、図1Aのスリット22がウイング部76を形成していることが分かる。ウイング部76は、スリット22の間に存在し、図7に示すように、カニューレ12の外周方向に沿って器具10の中心軸78の周囲に等間隔で存在するカニューレ12の個々の折り曲げ可能セグメントを含む。図1Aに最も分かりやすく示されているように、円形または他の形状の穴80が端点72及び74に設けられて応力除去手段としての役目を果たすが、これは本発明の実施において必要不可欠ではない。
【0023】
さらに図7を参照すると分かるように、臨床医が上述のごとくアクチュエータ30を操作すると、各長さ方向スリット22について第1端点72が第2端点74の方に引っ張られる。従って、スリット22及びウイング部76はこの動きを許容するように構成される。スリット22によりウイング部76が曲がるか或いは変形することが可能となる。そのような変形は、各ウイング部76の全長さにわたる変形として生じるか、或いは1以上の弱い部分、薄い部分、またはネック部82に集中して生じ得る。図7に示すように、各ウイング部76は、ウイング76の長さ方向の概ね中央部に設けられたもののようなネック部82において外向きに蝶番式に動いて領域20が効果的に折れ曲がり、効果的に保持機構52を展開するように形成される。この構造は当業者には容易に理解されるものであり、何れにしても、カニューレ12が胃内腔48から引き出されるのを防止する役目を果たす。
【0024】
ネック部82の位置をカニューレ12の近位端側にオフセットさせると、ウイング部76が短い脚部84と長い脚部86を有するものとなる効果を与えることが理解されよう。これによって保持機構52の各ウイング76は、胃内腔48に押し当てられる短い脚部84を有するものとなる。図7に見られるように、この構成は保持機構52を概ね直角円錐形状をなすようにする。角度αを90度とする必要はないが、そのような形状は、各脚部84及び86が同形で、駆動されたとき互いにフラットに合わされる形状よりも比較的堅剛となることが、静力学の専門家には理解されよう。
【0025】
いずれにしても、保持機構52が上述のように係合されて、カニューレ12及び27が所定の相対位置にロックされた後、ロック機構34を係合させる。図8に示すように、ロック機構34は2つの主要要素、即ちクランプベース36及びキャップ38を含み得る。ロック機構34の目的は、前述のように、患者の体に瘻孔が形成されている間に保持機構52が展開状態を維持するようにカニューレを互いに固定することにある。従って、この目的を達成するために所定位置に固定され得るデバイスであればいかなるデバイスでも、図8に示す構造を含むように構成できる。
【0026】
図8の切欠き図を参照すると、1つの実施形態が示されている。この実施形態では、カニューレ12がクランプベース36の中心穴88を通して配置されている。キャップ38も中心穴90を有し、その中にカニューレ12が配置されている。キャップ38は、内側のグランド92と、グランドにブリッジ96によって結合された外側フランジ94とを有する。フランジ94にはねじが切られ、パッキングチャンバ100の外部表面を形成するカラーまたは環状部98上に形成された対応するねじに係合するよに構成されている。パッキングチャンバ100は、変形可能なインサート40を含むように設計されている。クランプキャップ38上のねじがクランプベース上のねじと係合すると、グランド92はインサート40を変形させる。クランプベース36とクランプキャップ38をインサート40より十分に硬く形成することによって、この変形がカニューレ12と24を挟みかつ潰して、両者を摩擦で固定する役目を果たすことになる。
【0027】
図9の切欠き図を参照すると、異なる実施形態が示されている。この実施形態では、変形可能なインサートが存在しない。グランド92自体が変形可能とされ、パッキングチャンバ100の先細形状のためにカニューレにより大きい面積で接触するように強制される。さらに、この実施形態で角度αはウイング部76の各脚部84及び86の長さが同じ長さの場合と同様に90度より大きい角度となることが図面から理解されよう。
【0028】
いずれの場合でも、この器具は臨床医の満足できる場所に配置された後、カニューレ12及び24を切断し、器具自体を胃腹壁固定器具に変形させることができる。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲の記載において、用語「含む」とは非排他的な意味で用いられるものであり、追加の要素、構成容姿、及び過程を排除するものではない。
【0030】
上記明細書で引用した特許文献があれば、それは引用により本明細書の一部とし、引用した文献の内容の本明細書の記載と矛盾する点は本明細書の内容にあわせて変更するものとする。さらに、本発明について特定の実施形態にもとづいて詳細に説明したきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改変を加えて実施することができよう。従って、特許請求の範囲の請求項の記載に包含される改変はすべてその請求項の発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による外科用固定器具の一実施形態の斜視図。
【図1A】図1の固定器具の遠位端の拡大図。
【図2】図1の外科用固定器具に含まれる種々の部品の斜視図。
【図3】図1の実施例の固定器具が体腔に導入されているところを示す斜視図。
【図4】器具の一部を切断した後に体腔内の所定位置に配置された器具の斜視図。
【図5】図1の実施例の器具の近位端の一部切欠き図。
【図6】図1の変形実施例の斜視図。
【図7】展開された状態にある保持機構を示す、図1の器具の遠位端の斜視図。
【図8】図1の実施例のロック機構の一実施形態の一部切欠き図。
【図9】図1の実施例のロック機構の別の実施形態の一部切欠き図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用固定器具であって、
遠位端と近位端とを有する外側カニューレであって、前記遠位端の近傍の、複数の長さ方向スリットを有する領域に形成された保持機構を有する、該外側カニューレと、
遠位端と近位端とを有する内側カニューレであって、前記内側カニューレは前記外側カニューレの内部に摺動させて配設され、その遠位端において前記外側カニューレの遠位端に固着されて器具先端部を形成し、前記外側カニューレと前記内側カニューレを摺動させて相対移動させると、前記器具先端部が軸線方向に動き、前記保持機構は離脱状態から係合状態に動く、該内側カニューレと、
前記外側カニューレ上に配設された摺動可能ロック機構であって、前記外側カニューレに沿って位置決めし、前記外側カニューレと前記内側カニューレを相互に相対移動しないように互いに固定する、該摺動可能ロック機構と、
少なくとも第1位置と第2位置とを有するアクチュエータであって、前記第1位置では前記保持機構が離脱状態となり、前記第2位置では前記保持機構が係合状態となる、該アクチュエータとを含むことを特徴とする外科用固定器具。
【請求項2】
経皮的に組織に穿刺するための針を含むことを特徴とする請求項1に記載の固定器具。
【請求項3】
前記保持機構は、マレコット型デバイスを含むことを特徴とする請求項1に記載の固定器具。
【請求項4】
前記ロック機構は、クランプベースとキャップとを含み、前記キャップを前記クランプベースに係合させることによって、前記ロック機構が摩擦力によって、前記ロック機構を前記外側カニューレに、前記外側カニューレを前記内側カニューレにグリップして固定することを特徴とする請求項1に記載の固定器具。
【請求項5】
前記アクチュエータは位置決め部材を含み、前記位置決め部材はハブに係合する留め部を有し、前記留め部が前記ハブに係合することによって前記保持機構を展開させることを特徴とする請求項1に記載の固定器具。
【請求項6】
胃腹壁固定器具を含むことを特徴とする請求項1に記載の固定器具。
【請求項7】
経皮内視鏡的胃瘻造設術を行うための外科用器具であって、
同心的に入れ子に配置された第1及び第2のカニューレであって、前記第1及び第2のカニューレはそれらの遠位端で互いに固定され、患者の腹壁と胃内腔を穿孔するために適合されている、該第1のカニューレ及び第2のカニューレと、
前記外科用固定器具の前記胃内腔内に配置される部分の上に配設された保持機構を選択的に係合・離脱させるためのアクチュエータと、
ロック機構であって、前記胃内腔への人工瘻孔が形成され治癒して前記ロック機構が外されるまで、前記ロック機構は、前記保持機構と協働して、前記胃内腔を前記腹壁の近くに配置・固定し、かつ前記第1及び第2のカニューレを互いに固定して、前記第1及び第2のカニューレを切断し、前記アクチュエータを処分することができるようにする、該ロック機構とを含むことを特徴とする外科用器具。
【請求項8】
前記腹壁に刺入するための処分可能な針を含むことを特徴とする請求項7に記載の外科用器具。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−532172(P2009−532172A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504183(P2009−504183)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/001057
【国際公開番号】WO2007/114880
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】