説明

結合ウェブ材料を備える吸収性物品

胴体下部に着用される吸収性物品が提供される。吸収性物品は、トップシート、バックシート、吸収性コアを備えるシャーシと、シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフと、を備える。長手方向バリアカフのそれぞれが、材料ウェブを備える。材料ウェブは、第1の不織布構成要素層及び第2の不織布構成要素層を備える。長手方向バリアカフはそれぞれ、長手方向バリアカフのそれぞれがシャーシに取り付けられる長手方向の取り付け領域、長手方向遊離縁、及び長手方向の取り付け領域と遊離縁との間に配置される複数の機械的結合を備える。複数の機械的結合は、材料ウェブの第1の部分から材料ウェブの第2の部分への取り付け、及び材料ウェブから吸収性物品の一部分への取り付けのうちの1つを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、吸収性物品等の消費者製品及びそれを製造するための方法に関し、より具体的には、不織布ウェブを備える吸収性物品のための機械的結合及び機械的結合技術、並びにそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布繊維ウェブは、多種多様の適用において有用であり得る。種々の不織布繊維ウェブが、スパンボンド、メルトブローン、スパンボンド熱可塑性物質(例えば、ポリオレフィン)の外層及びメルトブローン熱可塑性物質の内層を備えるスパンボンド(「SMS」)ウェブを備え得る。そのようなSMS不織布繊維ウェブは、耐久性のあるスパンボンド層、及び多孔質であるが、例えば、体液等の流体の迅速な裏抜け又は繊維ウェブを通る細菌の浸透を抑制し得る内部のメルトブローン層を備え得る。そのような不織布繊維ウェブが特定の特性に対して機能するためには、メルトブローン層が、流体の裏抜けを抑制しながら同時に、繊維寸法及び不織布繊維ウェブの通気性を確実にする多孔率を有することが望ましくあり得る。
【0003】
例えば、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用衣類、及び女性用衛生用品等の吸収性物品も、ライナー、移送層、吸収性媒体、バリア層及びカフ、裏張り、並びに他の構成要素等の多くの目的のために不織布繊維ウェブを利用し得る。多くのそのような適用について、不織布繊維ウェブのバリア特性が、例えば、流体浸透に対するバリアとしての性能等の繊維ウェブの性能において重要な役割を果たす。吸収性物品は、着用者の皮膚に隣接して設置されるよう意図される液体透過性トップシート、使用中に吸収性物品の外面を形成する液体不透過性バックシート、種々のバリアカフ、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コア等の複数の要素を備え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品が生産されるとき、不織布材料等の材料ウェブが、相互に結合される。これらの材料の結合は、例えば、機械的結合プロセスを介して行われ得る。改善しないまでも、それらの機能性を維持しながらウェブの坪量を減少させることによって吸収性物品の製造費用を低減させることは、依然として課題である。例えば、結合されるウェブの複合坪量が30gsm未満であるとき、現在利用可能なスパンボンド又はSMS不織布ウェブの坪量の減少は、著しく高い率の結合欠陥をもたらし得ると考えられる。それらの欠陥は、吸収性物品の漏れ増加につながり得る。上質の結合を有する低坪量のウェブを備える吸収性物品に、ウェブがともに結合されるときの低い欠陥率を提供する必要性が未だ存在する。
【0005】
低表面張力流体に対して良好な触覚性及び良好なバリア特性を有する、柔らかく、空気透過性(すなわち、通気性)かつ液体バリア性の材料を達成かつ維持しながら、吸収性物品の製造において高生産率で使用され、かつ長期間著しい圧縮下でパッケージ化され得る低坪量の不織布ウェブの必要性も存在する。利用可能な不織布ウェブの構造的、機械的、及び流体ハンドリング特性が十分ではないと考えられる。したがって、改善された不織布ウェブ構造の必要性も存在する。
【0006】
不織布ウェブを液体へのバリアとしての機能を果たす要素の中に組み込む吸収性物品は、低表面張力の液体を含有することができるはずである。現在利用可能な不織布ウェブは、多くの場合、空気透過性を維持しながら、満足な低表面張力流体の裏抜け時間を達成するためにウェブに添加される、高価な疎水性コーティング又は溶融添加物を必要とする。それらの費用に加えて、そのようなコーティングされた/処理された不織布ウェブは、依然として、45mN/m以下の表面張力を有する低表面張力の浸出体液を含有するのに十分ではない場合もあると考えられる。結果として、優れたバリア特性を有する低価の不織布ウェブで作製される通気性要素を備える吸収性物品の必要性が存在する。そのような新規の不織布材料は、例えば、多層バリアカフ構成を単層カフ構成に置き換える等の吸収性物品設計の単純化を可能にし得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本開示は、一部分において、概して、胴体下部周囲に着用される吸収性物品に関し、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアを備えるシャーシと、シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフとを備える。それぞれの長手方向バリアカフは、材料ウェブから形成され、材料ウェブは、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層と、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率と、を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層と、を備える。材料ウェブは、10%未満の局所坪量変動を有する。長手方向バリアカフのそれぞれは、長手方向バリアカフがシャーシに取り付けられる長手方向の取り付け領域、長手方向遊離縁、及び長手方向の取り付け領域と遊離縁との間に配置される複数の機械的結合を備える。複数の機械的結合は、第1の部分材料ウェブから材料ウェブの第2の部分への取り付け、及び材料ウェブから吸収性物品の一部分への取り付けのうちの1つを行う。
【0008】
一実施形態において、本開示は、一部分において、概して、胴体下部周囲に着用される吸収性物品に関し、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアを備えるシャーシと、シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフと、を備える。それぞれの長手方向バリアカフは、第1の層及び第2の層からなり、第1の層及び第2の層は、30gsm未満の複合坪量を有する。第1及び第2の層はそれぞれ、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層と、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層とを備える、材料ウェブである。材料ウェブは、10%未満の局所坪量変動を有する。長手方向バリアカフのうちの少なくとも1つは、長手方向バリアカフがシャーシに取り付けられる長手方向の取り付け領域、長手方向遊離縁、及び第1及び第2の層に結合する複数の機械的結合を備え、複数の機械的結合は、0.9%未満の欠陥発生率を有する。
【0009】
一実施形態において、本開示は、一部分において、概して、胴体下部周囲に着用される吸収性物品に関し、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアを備えるシャーシと、シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフと、を備える。長手方向バリアカフのそれぞれは、材料ウェブから形成される。材料ウェブは、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層と、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層とを備える。材料ウェブは、10%未満の局所坪量変動を有する。長手方向バリアカフのうちの少なくとも1つは、バリアカフがシャーシに取り付けられる取り付け領域、長手方向遊離縁、及び取り付け領域と遊離縁との間に配置される複数の機械的結合を備える。複数の機械的結合は、第1の部分ウェブ材料を材料ウェブの第2の部分に取り付け、かつ材料ウェブを吸収性物品の一部分に取り付けて、積層体を形成し、材料ウェブの第1の部分及び材料ウェブの第2の部分の積層体は、25gsm未満の総坪量を有する。複数の機械的結合の大部分が、結合材料の引張強度の50%を超える剥離強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面と関連してなされる本開示の非限定的な実施形態の以下の説明を参照すれば、本開示の上記の及び他の特徴と利点、並びにそれらを達成する方法がより明らかとなり、また本開示自体がより理解されよう。
【図1】本開示の非限定的一実施形態による吸収性物品の平面図。
【図2】図1の吸収性物品の斜視図。
【図3A−1】線3−3に沿った図1の吸収性物品の断面図。
【図3A−2】線3−3に沿った図1の吸収性物品の断面図。
【図3B】線3−3に沿った図1の吸収性物品の断面図。
【図4】本開示の非限定的一実施形態による不織布材料ウェブを作製するために使用される成形機の概略図。
【図5】本開示の非限定的一実施形態による3層構成の不織布材料ウェブの断面図。
【図6】本開示の非限定的一実施形態によるそれぞれの不織布構成要素層の組成を示すために不織布構成要素層の種々の部分が切断された、図5の材料ウェブの斜視図。
【図7】材料ウェブの上面写真。
【図8】カレンダー結合を介して撮影された、図7の材料ウェブの断面写真。
【図9】本開示の非限定的一実施形態による材料ウェブの上面写真。
【図10】カレンダー結合を介して撮影された、本開示の非限定的一実施形態による図9の材料ウェブの断面写真。
【図11】本開示の非限定的一実施形態による4層構成の材料ウェブの断面図。
【図12】本開示の非限定的一実施形態によるそれぞれの不織布構成要素層の組成を示すために不織布構成要素層の種々の部分が切断された、図11の材料ウェブの斜視図。
【図13】本開示の非限定的一実施形態による材料ウェブの上面写真。
【図14】本開示の非限定的一実施形態による図13の材料ウェブの断面写真。
【図15】本開示の非限定的一実施形態による簡略化された動的機械的結合装置を示す。
【図16】本開示の非限定的一実施形態による模様付きシリンダを示す。
【図17】本開示の非限定的一実施形態による結合材料ウェブの断片部分の平面図。
【図18A】本開示の種々の非限定的実施形態による結合部位のパターンを示す。
【図18B】本開示の種々の非限定的実施形態による結合部位のパターンを示す。
【図18C】本開示の種々の非限定的実施形態による結合部位のパターンを示す。
【図18D】本開示の種々の非限定的実施形態による結合部位のパターンを示す。
【図19】図17の線19−19に沿った断面図であり、本開示の非限定的一実施形態による結合部位を例証的に示す。
【図20】図19の結合部位の断面斜視図。
【図21A】機械的結合品質、及び欠陥を決定するためのテンプレートを示す。
【図21B】穴、スキップ、及び断裂の欠陥についての欠陥領域テンプレートの使用を示す。
【図22】実施例1の表1A及び表1Bからのデータをグラフに示す。
【図23】実施例1の表1A及び表1Bからのデータをグラフに示す。
【図24】実施例1の表1A及び表1Bからのデータをグラフに示す。
【図25】実施例1の表1A及び表1Bからのデータをグラフに示す。
【図26】実施例2Aの表2Aの種々の試料の低表面張力流体裏抜け時間をグラフに示す。
【図27】試料の数平均直径を比較した、実施例2Bの表2Bの種々の試料の低表面張力流体裏抜け時間をグラフに示す。
【図28】表2Cに明記される特性を有する本開示のSMNSウェブの側面性をグラフに示す。
【図29】本開示のSMNSウェブの低表面張力流体裏抜け時間と比較した、種々のSMSウェブ低表面張力流体裏抜け時間をグラフに示す。
【図30】本開示のSMNSウェブの低表面張力流体裏抜け時間と比較した、種々のSMSウェブ低表面張力流体裏抜け時間をグラフに示す。
【図31】実施例3に関して、試料G、B、及びAの孔寸法分布をグラフに示す。
【図32】坪量COVの関数として、表32の種々の試料の結合欠陥をグラフに示す。
【図33A】種々の機械的結合の例を示す。
【図33B】種々の機械的結合の例を示す。
【図33C】種々の機械的結合の例を示す。
【図33D】種々の機械的結合の例を示す。
【図33E】種々の機械的結合の例を示す。
【図33F】種々の機械的結合の例を示す。
【図33G】種々の機械的結合の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の構造、機能、製造、並びに装置及び方法の使用の原理についての総合的な理解を提供するために、本開示の種々の非限定的実施形態がこれから記載される。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例を添付の図面に示す。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、かつ添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的な例の実施形態であり、本開示の種々の非限定的実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解する。1つの非限定的な実施形態に関して示される、又は述べられる特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせてもよい。そのような修正及び変形は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
定義:
本明細書において、次の用語は、次の意味を有する。
【0013】
「吸収性物品」という用語は、体から排出される種々の浸出液を吸収及び含有するために、着用者の体に対して又は近接して設置されるデバイスを指す。例となる吸収性物品は、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ式おむつ(すなわち、2000年9月19日に発行されたAshtonの米国特許第6,120,487号に示されるおむつ等の予め形成された腰開口部及び脚開口部を有するおむつ)、再締着可能なおむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、女性用衛生衣類、パンティライナー、並びに吸収性挿入物を含む。
【0014】
「空気透過率」という用語は、以下に記載される空気透過試験によって定義される。空気透過率は、m/m/分(m/分)で記載される。
【0015】
「坪量」という用語は、以下に記載される坪量試験によって定義される。坪量は、グラム/m(gsm)で記載される。
【0016】
「結合面積」という用語は、個々の結合部位の面積を指す。結合面積は、mmで記載される。
【0017】
「結合密度」という用語は、ある面積における結合の数である。結合密度は、1cm当たりの結合単位で記載される。相対結合面積は、結合面積(すべて同一の単位面積に変換された)を乗じ、かつ百分率で求めた結合密度である。
【0018】
「横断方向」という用語は、機械方向に対して略垂直の方向を指す。
【0019】
「欠陥発生率」という用語は、以下に記載される欠陥発生率試験によって定義される。
【0020】
「デニール」という用語は、9000m当たりの繊維の重量(グラム単位)に等しい繊維の繊度の単位を指す。
【0021】
繊維を指す場合の「直径」という用語は、繊維直径及び以下に記載されるデニール試験によって定義される。繊維の直径は、マイクロメートル単位で記載される。
【0022】
「伸長性材料」、「伸張性材料」、又は「伸縮性材料」という用語は、同義に使用され、付勢力の印加時に、EDANA法20.2〜89によって測定されるときに完全な破裂又は破損なく、その弛緩した元の長さの少なくとも150%伸長した長さに伸縮することができる(すなわち、その元の長さよりも50%を超えて伸縮することができる)材料を指す。そのような伸長性材料が、印加した力の解放時に、その伸長の少なくとも40%を回復する場合、伸長性材料は、「弾性」又は「エラストマー性」であると考えられる。例えば、最初に100mmの長さを有する弾性材料は、150mmまで延長することができ、力を除去すると、少なくとも130mmの長さに収縮する(すなわち、40%の回復を呈する)。材料が、印加した力の解放時に、その伸長の40%未満を回復する場合、伸長性材料は、「実質的に非弾性」又は「実質的に非エラストマー性」であると考えられる。例えば、最初に100mmの長さを有する材料は、少なくとも150mmまで延長することができ、力を除去すると、145mmの長さに収縮する(すなわち、10%の回復を呈する)。
【0023】
「弾性ストランド」又は「弾性部材」という用語は、物品の内又は外カフギャザー構成要素の一部であり得るリボン又はストランドを指す(すなわち、幅及び高さ又はその断面の直径のいずれかと比較して大きい長さ)。
【0024】
「繊維」という用語は、連続又は不連続に関わらず、紡糸プロセス、メルトブロープロセス、メルトフィブリル化若しくはフィルムフィブリル化プロセス、又は電界紡糸生産プロセス、あるいは任意の他の好適なプロセスを介して生産される、任意の種類の化学繊維、フィラメント、又はフィブリルを指す。
【0025】
「フィルム」という用語は、皮膚様の構造を有するポリマー材料を指し、個別に区別可能な繊維を備えない。したがって、「フィルム」は、不織布材料を含まない。本明細書の目的のために、皮膚様の材料は、穿孔性、有孔性、又は微多孔性であり得、依然として「フィルム」と見なされ得る。
【0026】
「ハトメリング」、又は「ハトメ」という用語は、機械的結合部位の周辺周囲に形成されるリング(必ずしも円形又は楕円形ではない)を指す。図19は、下部表面351bb及びハトメリング376を有する結合部位351bを示す。
【0027】
「疎水性」という用語は、Robert F.Gouldによって編集され、1964年に著作権で保護された米国化学会発行「Contact Angle,Wettability,and Adhesion」による、90度以上の接触角を有する材料又は組成物を指す。ある特定の実施形態において、疎水性表面は、120度を超える接触角、140度を超える接触角、又は更には150度を超える接触角を呈し得る。疎水性液体組成物は、概して、水と不混和性である。「疎水性溶融添加物」という用語は、添加物として熱溶融組成物に包含された(すなわち、熱可塑性溶融物に混ぜ込まれた)疎水性組成物を指し、その後、(例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、又は押し出しによって)繊維及び/又は基材に成形される。
【0028】
「疎水性表面コーティング」という用語は、表面を疎水性又はより疎水性にするために表面に塗布された組成物を指す。「疎水性表面コーティング組成物」とは、疎水性表面コーティングを提供するために表面に塗布される組成物のことを意味する。
【0029】
「局所坪量変動」という用語は、以下に記載される局所坪量変動試験によって定義される。局所坪量変動は、百分率で記載される。
【0030】
「低表面張力流体」という用語は、45mN/m未満の表面張力を有する流体を指す。
【0031】
「低表面張力流体裏抜け時間」という用語は、以下に記載される低表面張力流体裏抜け時間試験によって定義される。低表面張力流体裏抜け時間は、秒単位で記載される。
【0032】
「機械方向」(MD)という用語は、プロセス中に材料が流れる方向を指す。
【0033】
「質量平均直径」という用語は、以下に記載される繊維直径及びデニール試験によって測定される繊維直径から計算される、繊維の質量加重算術平均直径を指す。繊維の質量平均直径は、以下に記載される繊維直径計算によって計算される。繊維の質量平均直径は、マイクロメートル単位で記載される。
【0034】
不織布試料の「平均流動孔径」という用語は、「湿潤試料」の貫流孔が「乾燥試料」の貫流孔の50%である圧力に相当する孔径を指す。平均流動孔径は、以下に記載される孔寸法分布試験によって測定される。平均流動孔径は、流れの50%が平均流動孔径よりも大きい孔を通り、かつ残りの流れが平均流動孔径よりの小さい孔を通る。平均流動孔径は、マイクロメートル単位で記載される。
【0035】
「カレンダー結合」又は「熱結合」という用語は、結合内のポリマーがともに溶融して、連続フィルム様の材料を形成するように、圧力及び温度によって不織布繊維の間に形成される結合を指す。「カレンダー結合」という用語は、以下で機械的結合によって定義されるときのみ、接着剤を用いてされる形成されるか、あるいは圧力の使用を介して形成される結合を含まない。「熱結合」又は「カレンダー結合」という用語は、熱結合を作成するために使用されるプロセスを指す。
【0036】
「機械的結合」という用語は、意図的な熱適用なく、圧力、超音波取り付け、及び/又は他の機械的結合プロセスによって2つの材料の間に形成される結合を指す。「機械的結合」という用語は、接着剤を用いて形成される結合を含まない。
【0037】
「機械的結合」という用語は、機械的結合を作成するために使用されるプロセスを指す。
【0038】
本発明で使用する場合、用語「不織布」とは、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は不連続な(短い)フィラメント(繊維)から、例えば、スパンボンディング、メルトブロウン、カーディング及びその類のプロセスなどから作製される多孔質な繊維状材料を意味する。「不織布」は、フィルム、織布、又はメリヤス生地を含まない。
【0039】
「不織布構成要素層」という用語は、一枚のシート、1つプライ、又は1つの層の材料ウェブを指す。
【0040】
「数平均直径」、あるいは「平均直径」という用語は、繊維直径及び以下に記載されるデニール試験によって測定される繊維直径から計算される、繊維の算術平均直径を指す。繊維の数平均直径は、以下に記載される繊維直径計算によって計算される。繊維の数平均直径は、マイクロメートル単位で記載される。
【0041】
「多分散性」という用語は、数平均直径に対する質量平均直径の比率によって計算される分布の幅の程度を指す。
【0042】
「多孔率」という用語は、材料からなる繊維を有する不織布層の空隙容量の程度を指し、それらが相殺するように調整される単位を用いて、(1−[坪量]/[厚さ×材料密度])で計算される。
【0043】
「相対標準偏差」(RSD)という用語は、一連の測定の統計的標準偏差を一連の測定の統計的平均測定で割ることによって計算される精度の程度を指す。これは、多くの場合、変動係数又はCOVとも呼ばれる。
【0044】
「ウェブ」又は「材料ウェブ」という用語は、不織布又はフィルム等のシート様の構造を指す。
【0045】
不織布繊維ウェブ等の不織布材料ウェブは、機械的、熱的、又は化学的結合プロセスを用いてともに結合される個々の不織布構成要素層のシートを備え得る。不織布ウェブは、個々の繊維、溶融プラスチック、及び/又はプラスチックフィルムから直接作製される平らな多孔質シートとして形成されてもよい。いくつかの不織布構造は、例えば、裏張りシートによって強化又は補強されてもよい。不織布構造は、寿命制限のある使い捨ての繊維、又は非常に耐久性のある繊維であり得る人工的繊維であり得る。種々の実施形態において、不織布ウェブは、吸収性、液体撥水性、弾力性、伸縮性、柔軟性、強度等の特定の機能を提供する。これらの特性は、多くの場合、製品耐用年数と費用との間に良好なバランスを達成しながら、特定の適用に適した繊維を作成するために合わせられる。
【0046】
溶融材料及び典型的には熱可塑性物質の連続及び不連続繊維紡糸技術は、一般に、スパンメルト技術と呼ばれている。スパンメルト技術は、メルトブロープロセス及びスパンボンドプロセスの両方を含んでもよい。スパンボンドプロセスは、溶融ポリマーを供給する工程を含み、それはその後、圧力下で紡糸口金又はダイとして既知のプレートの多数のオリフィスを通って押し出される。結果として生じる連続繊維は、例えば、スロットドローシステム、アッテネーターガン、又はゴデットロール等のいくつかの方法のうちにいずれかによって冷却され、引き延ばされる。スパンレイ又はスパンボンドプロセスにおいて、連続繊維は、弛緩ウェブとして、小孔表面、例えば、金網コンベヤベルト等の移動する小孔表面上に収集される。2つ以上の紡糸口金が多層ウェブを形成するために一直線になって使用されるとき、その後の不織布構成要素層は、先に形成された不織布構成要素層の最上面上に収集される。
【0047】
メルトブロープロセスは、不織布材料の層を形成するためのスパンボンドプロセスに関連しており、溶融ポリマーは、圧力下で紡糸口金又はダイのオリフィスを通って押し出される。繊維がダイから出るときに、高速ガスが繊維に衝突し、繊維を減衰させる。この工程のエネルギーは、形成された繊維の直径が大いに減少し、かつ不定の長さの超極細繊維が生産されるように断裂される。これは、繊維の連続性が概して維持されるスパンボンドプロセスとは異なる。多くの場合、メルトブローン不織布構造は、いくつかのバリア特性を有する強力なウェブである、スパンボンドメルトブローン(「SM」)ウェブ又はスパンボンドメルトブローンスパンボンド(「SMS」)ウェブを形成するために、スパンボンド不織布構造に付加される。
【0048】
細繊維を生産するための他の方法は、メルトフィブリル化及び電界紡糸を含む。メルトフィブリル化は、1つ以上のポリマーが溶融及び押し出されて、多くの可能性のある構成になり(例えば、共押出し、均質若しくは複合フィルム又はフィラメント)、その後、フィブリル化又は繊維化してフィラメントにすると定義される繊維を作製する一般的な部類である。メルトブロー法は、(本明細書に記載の)1つのそのような特定の方法である。溶融フィルムフィブリル化は、サブマイクロメートル繊維を生産するために使用され得る別の方法である。溶融フィルムは、溶融物から生産され、その後、流体を用いて、溶融フィルムから繊維を形成する。この方法の例は、University of Akronに委譲された、Torobinらの米国特許第6,315,806号、同第5,183,670号、及び同第4,536,361号、及びRenekerらの米国特許第6,382,526号、同第6,520,425号、及び同第6,695,992号を含む。Torobinによる本プロセスは、この環状フィルムの内部に流れる高速風によってフィブリル化されるフィルムの管を形成するために、1つ又は数々の共環状ノズルを使用する。他の溶融フィルムフィブリル化方法及びシステムは、2008年4月24日に公開されたJohnsonらの米国特許公開第2008/0093778号、Krauseらの米国特許第7,628,941号、及び2009年12月3日に公開されたKrauseらの米国特許公開第2009/0295020号に記載されており、均一及び狭幅の繊維分布、例えば、非繊維化ポリマー溶融物(一般に「ショット」と呼ばれる)、フライ、及びダスト等の減少した繊維欠陥、又は最小限の繊維欠陥を提供する。これらの方法及びシステムは、吸収性衛生物品に均一の不織布ウェブを更に提供する。
【0049】
電界紡糸法は、一般に使用されているサブマイクロメートル繊維を生産する方法である。この方法において、典型的には、ポリマーは、溶媒中に溶解され、ネックダウン部分の小開口部が他方の端部で密封された状態で、一方の端部で密封されるチャンバ内に設置される。次に、高電位差は、ポリマー溶液とチャンバの開口端部に近接した収集器との間に印加される。このプロセスの生産速度は非常に遅く、繊維は、典型的には、少量生産される。サブマイクロメートル繊維を生産するための別の紡糸技術は、溶液又は溶媒を利用するフラッシュ紡糸である。
【0050】
電界紡糸で作製されるサブマイクロメートル直径繊維と、溶融フィブリル化で作製されるサブマイクロメートル直径繊維、すなわち、化学組成物との間に、はっきりと異なる差が存在する。電界紡糸サブマイクロメートル繊維は、溶融フィブリル化によって作製される繊維よりも低い分子量を有する略可溶性ポリマーから作製される。市販の電界紡糸法は、Jirsakらの米国特許第7,585,437号、Chuらの米国特許第6,713,011号、及びPetrasらの米国特許公開第2009/0148547号に記載されている。電界紡糸は、定期発行物POLYMER 45(2004)pp.7597〜7603に公開されるLyonsらの「Melt−electrospinning Part I:Processing Parameters and Geometric Properties」、及び定期発行物POLYMER 47(2006)pp.7497〜7505に公開されるZhouらの「The Thermal Effects on Electrospinning of Polylactic Acid Melts」を参照して記載されるように、ポリマー溶液よりはむしろ溶融ポリマーと組み合わせて研究されている。これらの研究の研究者は、電界紡糸繊維が、サブマイクロメートル(すなわち、1マイクロメートル未満)である溶液電界紡糸繊維と比較して、略1マイクロメートルを超える平均直径を有することを観察した。繊維直径を減少させるために、研究者は、最近になって、プロセス及びポリマーパラメーターを最適化し始めた。概して、研究者の目標は、数平均直径を減少させることであり、質量平均直径を減少させることではなく、かつ繊維直径分布を狭めることであった。溶融電界紡糸の向上は、定期発行物POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE 49(2009)pp.391〜396に公開されるKongらの「Effects of the Spin Line temperature Profile and Melt Index of Poly(propylene)on Melt−electrospinning」(1500の溶融物のポリプロピレンを用いて、20マイクロメートルの平均繊維直径)、定期発行物FIBERS AND POLYMERS 10(2009)pp.275〜279に公開されるKadomaeらの「Relation Between Tacticity and Fiber Diameter in Melt−electrospinning of Polypropylene」(12,000及び205,000の分子量を有するポリプロピレンを用いて、5〜20マイクロメートルの範囲の繊維直径)、並びに会報IEEE International Conference on Properties and Applications of Dielectric Materials,2009,pp.1223〜1226に公開されるYangらの「Exploration of Melt−electrospinning Based on the Novel Device」(5マイクロメートルの最細繊維直径)の研究活動によって、繊維直径が、限られた範囲であるが、依然として1マイクロメートル超(概して、12,000〜200,000ダルトンの範囲の分子量を有するポリプロピレンにおいて、2マイクロメートル〜40マイクロメートルの範囲)まで減少し得ることを示す。ごく最近になって、溶融電界紡糸は、定期発行物POLYMER 51(2010)pp.274〜290に公開されるZhmayevらの「Modeling of Melt Electrospinning for Semi−crystalline Polymers」によってモデル化された。それらのモデルでさえも、溶融電界紡糸ナイロン6(3のメルトフローインデックスを有する)の繊維直径が2マイクロメートルであり、実験で得られた繊維直径と同様であることを示す。ダルトンらの「Electrospinning of Polymer Melts:Phenomenological Observations」による先行研究は、Irgatec CR 76(Ciba Specialty Chemicals,Switzerland)等の1.5%の粘性低下添加物を添加することによって、溶融電界紡糸高分子量ポリプロピレン繊維の繊維直径(15cm/10分〜44cm/10分の範囲のMFIを有する)が、サブマイクロメートルまで著しく減少し得ることを示した。しかしながら、Rothらの米国特許第6,949,594号、及びInternational Nonwovens Technical Conference,2005,St.Louis,Missouri,USAの会議会報に記載のGandeらの「Peroxide−free Vis−breaking Additive for Improved Qualities in Meltblown Fabrics」に記載されるように、Irgatec CR 76等の粘性低下添加物は、例えば、ポリマーの分子量を著しく減少させる。したがって、溶融電界紡糸繊維は、略1マイクロメートルを超える繊維直径、又は商用銘柄の高分子量ポリマーを用いて広範の繊維直径分布につながる高標準偏差を有する。また、ポリマー溶融物の功を奏する電界紡糸において使用されるポリマーは、例えば、Zhouらによって使用される紡糸繊維において、PLAが186,000ダルトンから始まり、実際には40,000ダルトンまで低下し、かつ分子量を減少させることによって溶融物粘性を低下させるために、Daltonらによる粘性低下添加物Irgatec CR 76を使用する場合、低分子量のポリマーを使用する。これは、溶融電界紡糸繊維の40,000と比較して、例えば、Natureworks 6202D樹脂が140,000ダルトンの分子量MWで始まり、130,000〜135,000ダルトンの分子量にしか「低下」しない溶融フィブリル化プロセスで使用されるPLAと比較される。また、他の等級のPLA(例えば、95,000又は128,000のMwを有する)は、10,000未満又は更には1,000ダルトン未満(10%未満又は1%未満)、ニート樹脂から繊維形態に分子量が減少する。したがって、溶融電界紡糸プロセスを含む電界紡糸プロセスが、現時点で依然として低いスループットを有するだけでなく、本開示の細繊維(すなわち、第2の不織布構成要素層)とは構造的及び化学的にはっきりと異なる。しかしながら、本明細書に記載されるように、より高いスループット及び狭幅サブマイクロメートル直径分布で細繊維を作製するための電界紡糸法を開発することが望ましい。
【0051】
種々の実施形態において、不織布構造の繊維は、例えば、PET及びPBTを含むポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、及びアルキド樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及びポリブチレン(PB)を含むポリオレフィン、エチレン及びプロピレン由来のオレフィンコポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及びスチレンブロックコポリマー(種々の種類のKraton等の線状及び放射状ジ−及びトリ−ブロックコポリマー)を含むエラストマー性ポリマー、ポリスチレン、ポリアミド、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)及び例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)、並びに熱可塑性デンプンを含むデンプン系組成物から作製されてもよい。上述のポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンのコポリマー、混合物、並びにその合金として使用されてもよい。
【0052】
おむつ、ペーパータオル、女性用ケア製品、失禁用製品、及び同様の材料等の種々の大量生産される消費者製品は、それらの製造において、SMSウェブ等の不織布ウェブを採用する。SM及びSMSウェブの最大ユーザのうちの1業界は、使い捨ておむつ及び女性用ケア製品業界である。しかしながら、不織布ウェブが吸収性物品に組み込まれるとき、SMS構造の表面エネルギーと同様のレベルの表面張力を有する流体に対してバリアを達成することは、困難な場合もある。例えば、いくつかのSMSウェブが、例えば、PPの作製時、約30mN/mの表面エネルギーレベルを有し得る一方で、阻止されることが求められる流体(すなわち、幼児の尿又は粘性の低い糞便)は、40〜50mN/mの表面張力、又は場合によっては32〜35mN/mの表面張力を有し得る。バリアレッグカフ等の吸収性物品の種々の構成要素について、例えば、所望の流体バリアを達成するために、疎水性表面コーティングがウェブに塗布され得るか、あるいは疎水性溶融添加物が、不織布ウェブの生産において使用され得る。しかしながら、そのような技術は、吸収性製品に関連した生産費用を増大させ、かつ概して、生産の複雑性を増加させ得る。親水性界面活性剤又は材料が吸収性物品の他の部分(例えば、トップシート等)で使用される場合、それらは、湿潤及び/又は乾燥状態にある間、他の吸収性物品構成要素に向かって移動するか、あるいは洗い流し得る。乾燥状態にある間、例えば、親水性界面活性剤又は材料は、吸収性物品が製造及びパッケージ化された後、及び何週間もの間保管されている間に移動し、バリアカフに取り付けられ、それによって、漏れ速度の増加につながる可能性もあり得る。加えて、湿潤状態にある間、親水性界面活性剤又は材料は、例えば、おむつトップシートも洗い流し、その後、バリアカフに取り付けられ、それによって、再度漏れ速度の増加につながる可能性もあり得る。ウェブ中に疎水性材料を付加する1つの利点は、それらが親水性界面活性剤に抵抗及び反発することである。したがって、複雑性及び費用を付加することなく、その利点を組み合わせることが望ましいであろう。
【0053】
上述に加えて、例えばSMSウェブ等の不織布ウェブを通って延在するいくつかの望ましくない穴は、種々の構造の機械的結合プロセス中に作成され得る。現在の設備及びプロセスは、本プロセスによって作成される穴の数を増加することなく、圧力/剪断結合を用いて、25gsm未満の総坪量のSMS及びスパンボンド(S、SS、SSS)材料の組み合わせを結合させるのに十分ではない。穴は、SMS又はSSウェブの薄い領域を突き抜ける結合ナブから作成される。結合材料を通る穴の増加は、より高い製品欠陥率(すなわち、漏れ)をもたらす。その後、そのような不織布ウェブに組み込まれる吸収性物品がユーザによって着用されるとき、穴の存在は、望ましくない漏れをもたらし得る。
【0054】
上述を考慮して、低坪量、適正な空気透過率(すなわち、通気性)、適正な触覚性、及びある特定のパラメーターを超える低表面張力流体裏抜け時間を有する低価格の不織布ウェブが所望される。不織布材料が、特により低い坪量(例えば、25gsm未満、あるいは15gsm未満、あるいは13gsm未満、及びあるいは10gsm未満)で、追加の構造均一性(すなわち、局所坪量変動がより少ない)を有することも望ましい。25gsm以下の不織布ウェブの増加した構造均一性は、機械的結合プロセス中に作成される欠陥(例えば、穴)の量を減少させる。特にバリアカフ材料に関して、一実施形態において、特により「体に適合した」おむつ設計及びより薄い吸収性コアの近年及び将来の動向を考慮して、吸収性コアがより多くの時間をかけて流体を吸収するために、低表面張力浸出体液に対して改善されたバリアを有する柔らかく、低坪量のウェブを有することが所望される。
【0055】
以下により詳細に説明されるように、平均直径1マイクロメートル未満の細繊維(「N繊維」)を有する不織布構成要素層(「N繊維層」)は、不織布材料ウェブを形成するために、他の不織布構成要素層に添加されるか、あるいはさもなければそれとともに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、N繊維層は、例えば、SNS不織布ウェブ又はSMNS不織布ウェブを生産するために使用されてもよい。N繊維は、例えば、PET及びPBTを含むポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、アルキド樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及びポリブチレン(PB)を含むポリオレフィン、エチレン及びプロピレン由来のオレフィンコポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及びスチレンブロックコポリマー(種々の種類のKraton等の線状及び放射状ジ−及びトリ−ブロックコポリマー)を含むエラストマー性ポリマー、ポリスチレン、ポリアミド、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)及び例えば、PHB(ポリヒドロキシブチレート)、並びに熱可塑性デンプンを含むデンプン系組成物から選択される、例えば、ポリマーからなり得る。上述のポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンのコポリマー、混合物、並びにその合金として使用されてもよい。N繊維層は、例えば、熱点結合とも呼ばれるカレンダー結合プロセス等の任意の好適な結合技術によって他の不織布構成要素層に結合され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、不織布ウェブ中のN繊維層の使用は、疎水性コーティング又は疎水性溶融添加物で処理されており、かつ依然として低坪量(例えば、15gsm未満、あるいは13gsm未満)を維持する他の不織布ウェブと同じ高さの低表面張力バリアを提供し得る。N繊維層の使用は、少なくともいくつかの実施形態では、以前は二重ウェブ層構成を使用した適用において単一ウェブ層構成で使用され得る柔らかい通気性(すなわち、空気透過性)の不織布材料も提供し得る。更に、いくつかの実施形態では、N繊維層の使用は、ウェブに向かう親水性界面活性剤の望ましくない移動を少なくとも減少させ得、したがって、最終的には、関連した吸収性物品により良好な漏れ防止をもたらし得る。また、同様の坪量を有するSMSウェブと比較して、N繊維層を備える不織布ウェブの使用は、機械的結合プロセス中に作成される欠陥(すなわち、機械的結合部位を通る穴又はピンホール)の数を減少させ得る。
【0057】
任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、本明細書に記載のウェブの流体バリア特性に関して、繊維の気密度又は近接に加えて、N繊維層の使用によってウェブ中に作成される小さい寸法の孔は、低表面張力流体が孔を貫通するのに必要とされる静水圧を増加させ得、かつ毛管抵抗力を増加させる可能性があることが考えられる。細孔は、ウェブの細孔を通過する低表面張力流体に印加される毛管抵抗力を増加させて、低表面張力流体裏抜けを遅らせ得る。更に、孔構造の複数の態様は関連性があり、例えば、孔寸法分布の狭幅、平均流孔寸法、及び孔寸法分布のモード等の平均孔寸法を超えることが見出されている。
【0058】
以下でより詳細に議論されるように、N繊維層を組み込む材料ウェブは、種々の吸収性物品の構成で使用され得る。一実施形態において、本開示の吸収性物品は、液体透過性トップシート、トップシートに取り付けられるか、あるいは接合するバックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コアを備えてもよい。トップシート、バックシート、吸収性コア、及びこれらの構成要素の任意の個別の層を含む吸収性物品及びその構成要素は、概して、内面(又は着用者に面する表面)及び外面(又は衣類に面する表面)を有する。
【0059】
以下の説明は、例えば、使い捨ておむつ等の吸収性物品において使用され得る好適な吸収性コア、トップシート、及びバックシートについて議論する。この概要が、図1、図2、及び図3A並びに図3Bに示される、以下で更に説明される特定の吸収性物品の構成要素、及び本明細書に記載される他の吸収性物品に適用されることを理解されたい。
【0060】
図1は、本開示の非限定的一実施形態による吸収性物品10の平面図である。吸収性物品10は、その平らで非収縮の状態(すなわち、図のためにその弾性誘発収縮が除去され、かつ吸収性物品10の部分が吸収性物品10の構成をより明確に示すために切断された状態)で示されている。着用者から外方を向く吸収性物品10の一部分が、見る者に向かって配向されている。図2は、部分的に収縮した状態にある図1の吸収性物品10の斜視図である。図1に示されるように、吸収性物品10は、液体透過性の第1のトップシート20、トップシート20と接合される液体不透過性バックシート30、及びトップシート20とバックシート30との間に位置付けられる吸収性コア40を備えてもよい。吸収性コア40は、外面(又は衣類に面する表面)42、内面(又は着用者に面する表面)44、側縁部46、及び腰縁部48を有する。一実施形態において、吸収性物品10は、ガスケッティングバリアカフ50及び長手方向バリアカフ51を備えてもよい。いくつかの実施形態では、長手方向バリアカフ51は、長手方向中心軸59に対して略平行に延在してもよい。例えば、長手方向バリアカフ51は、2つの末端縁部57の間に実質的に延在してもよい。吸収性物品10は、複合的に60で表される弾性のウエスト機構(本明細書において、ウエストバンド又はベルトとも呼ばれる)及び概して、複合的に70で表される締着システムを備えてもよい。
【0061】
一実施形態において、吸収性物品10は、外面52、外面52に対向する内面54、第1の腰部領域56、第2の腰部領域58、及び長手方向縁部55及び末端縁部57によって定義される周囲53を有してもよい(当業者は、おむつ等の吸収性物品が通常、この適用において、専門用語の簡潔さのために、一対の腰部領域及び腰部領域の間の股領域を有するという観点で説明されることを理解する一方で、吸収性物品10は、股領域の一部として典型的に表される吸収性物品の一部分を備える腰部領域のみを有するとして説明される)。吸収性物品10の内面54は、使用中に着用者の体に隣接して位置付けられる吸収性物品10のその一部分を備える(すなわち、内面54は、概して、第1のトップシート20及びトップシート20に接合され得る他の構成要素の少なくとも一部分によって形成される)。外面52は、着用者の体から離れて位置付けられる吸収性物品10のその一部分を備える(すなわち、外面52は、概して、バックシート30及びバックシート30に接合され得る他の構成要素の少なくとも一部分によって形成される)。第1の腰部領域56及び第2の腰部領域58は、それぞれ、周囲53の末端縁部57から吸収性物品10の横方向中心線(断面線3−3)まで延在する。
【0062】
図2は、本開示の非限定的一実施形態による一対の長手方向バリアカフ51を備える吸収性物品10の斜視図を示す。図3は、図1の線3−3に沿った断面図を示す。
【0063】
一実施形態において、吸収性コア40は、吸収性物品10と適合性のある任意の寸法又は形状をとってもよい。一実施形態において、吸収性物品10は、第1の腰部領域56において側縁部46が狭幅となる部分を有するが、第2の腰部領域58において略矩形形状のままである、非対称の変形T字形吸収性コア40を有してもよい。吸収性コア構成は、概して、当技術分野において既知である。吸収性コア40として使用される種々の吸収性構造は、1986年9月9日に発行されたWeismanらの米国特許第4,610,678号、1987年6月16日に発行されたWeismanらの同第4,673,402号、1989年12月19日に発行されたAngstadtの同第4,888,231号、及び1989年5月30日に発行されたAlemanyらの同第4,834,735号に記載されている。一実施形態において、吸収性コア40は、1993年8月10日に発行されたAlemanyの米国特許第5,234,423号、及び1992年9月15日に発行されたYoungらの同第5,147,345号に記載されるような吸収性貯蔵コア上に位置付けられる化学的に堅固化された繊維の受入/分布コアを含有する二重コアシステムを備えてもよい。吸収性コア40は、コアカバー41(図3A及び図Bに示され、かつ以下で詳細に説明される)、及び吸収性コア40とバックシート30との間に配置される不織布ダスティング層も備えてもよい。
【0064】
一実施形態において、吸収性物品10のトップシート20は、流体(例えば、尿、経血、及び/又は粘性の低い糞便)のトップシート20を通る迅速な移動を促進する親水性材料を備えてもよい。トップシート20は、しなやかで柔らかく触感であり、着用者の皮膚に対して非刺激であり得る。更に、トップシートは、流体透過性であってもよく、流体(例えば、経血、尿、及び/又は粘性の低い糞便)がその厚さを容易に貫通することを可能にする。一実施形態において、トップシート20は、親水性材料で作製され得るか、あるいは少なくともトップシートの上面は、流体がトップシートを通ってより迅速に移動し、かつ吸収性コア40に進入するように、親水性であるように処理され得る。これは、浸出体液がトップシート20を通って引き込まれ、かつ吸収性コア40によって吸収されるというよりはむしろ、トップシート20から流れ出す可能性を減少させる。トップシート20は、例えば、それを界面活性剤で処理することによって親水性になり得る。界面活性剤でのトップシート20の処理に好適な方法は、トップシート20に界面活性剤を噴霧する工程と、トップシート20を界面活性剤に浸漬する工程と、を含む。そのような処理のより詳細な議論は、1991年1月29日に発行されたReisingの米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日に発行されたReisingの同第4,988,345号に包含されている。
【0065】
一実施形態において、バックシート30は、低表面張力流体(例えば、経血、尿、及び/若しくは粘性の低い糞便)に対して不透過性、又は少なくとも部分的に不透過性であり得る。他の可撓性流体不透過性材料も使用され得るが、バックシート30は、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよい。バックシート30は、吸収性コア40中に吸収及び含有された浸出液が、例えば、ベッドシート、衣類、パジャマ、及び下着等の吸収性物品10に接触する物品を濡らすことを防ぐか、あるいは少なくとも阻止し得る。バックシート30は、織布又は不織布ウェブ、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、及び/又はフィルムコーティングされた不織布材料若しくはフィルムコーティングされた不織布積層体等の複合材料を備えてもよい。一実施形態において、好適なバックシート30は、0.012mm(0.5ミル)〜0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムであり得る。代表的なポリエチレンフィルムとしては、クロペイ社(Clopay Corporation)(オハイオ州シンシナティ)よりP18−1401の表記で、またトレデガー・フィルム・プロダクツ社(Tredegar Film Products)(インディアナ州テレホート)よりXP−39385の表記で製造されるものがある。バックシート30は、より布様の外観をもたらすために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。更に、バックシート30は、引き続き浸出液がバックシート30を通過するのを防ぎながら、蒸気が吸収性コア40から逃げることを可能にし得る(すなわち、バックシート30は、通気性であり、かつ適正な空気透過率を有する)。バックシート30の寸法は、吸収性コア40の寸法及び選択される精密な吸収性物品設計によって決定され得る。一実施形態において、バックシート30は、以下でより詳細に説明されるように、SNS及び/又はSMNSウェブを備えてもよい。
【0066】
吸収性物品10の他の任意の要素は、締着システム70、伸縮性側面82、及びウエスト機構60を備えてもよい。締着システム70は、横方向張力が吸収性物品10の外周周囲で維持されて、着用者が吸収性物品10を保持するように、重複構成で第1の腰部領域56及び第2の腰部領域58の接合を可能にする。例示の締着システム70は、1989年7月11日に発行されたScrippsの米国特許第4,846,815号、1990年1月16日に発行されたNestegardの同第4,894,060号、1990年8月7日に発行されたBattrellの同第4,946,527号、1974年11月19日に発行されたBuellの同第3,848,594号、1987年5月5日に発行されたHirotsuらの同第4,662,875号、及び1992年9月29日に発行されたBuellらの同第5,151,092号に記載されている。ある特定の実施形態において、締着システム70は省略されてもよい。そのような実施形態において、予形成された腰開口部及び脚開口部を有するパンツ型おむつを形成するために、腰部領域56及び58は、吸収性物品の製造業者によって接合され得る(すなわち、エンドユーザがおむつの操作をして、腰開口部及び脚開口部を形成する必要はない)。パンツ型おむつは、一般に、「密閉型おむつ」、「事前締着型おむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれている。好適なパンツは、1993年9月21日に発行されたHasseらの米国特許第5,246,433号、1996年10月29日に発行されたBuellらの同第5,569,234号、2000年9月19日に発行されたAshtonの同第6,120,487号、2000年9月19日に発行されたJohnsonらの同第6,120,489号、1990年7月10日に発行されたVan Gompelらの同第4,940,464号、及び1992年3月3日に発行されたNomuraらの同第5,092,861号に記載されている。一般に、腰部区域56及び58は、恒久的な又は再固定可能な結合方法により接合されてよい。
【0067】
ある特定の実施形態において、吸収性物品10は、少なくとも1つのバリア部材を備えてもよい。一実施形態において、バリア部材は、吸収性物品10のバリア特性を改善するために、吸収性物品10に接合し、それに適用され、かつ/あるいはそれとともに形成される物理的構造である。一実施形態において、バリア部材は、コアカバー、外側カバー、長手方向バリアカフ、ガスケッティングカフ、伸縮性トップシート、及びそれらの組み合わせ等の構造を備えてもよい。バリア部材が、以下で更に詳細に説明されるように、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブを備えることが望ましくあり得る。
【0068】
一実施形態において、吸収性物品10は、流体及び他の浸出体液の改善した収容を提供し得る1つ以上の長手方向バリアカフ51を備えてもよい。長手方向バリアカフ51は、レッグカフ、バリアレッグカフ、長手方向レッグカフ、レッグバンド、サイドフラップ、弾性カフ、又は「立ち上がり」伸縮性フラップとも呼ばれ得る。弾性が、1つ以上の弾性部材63によって長手方向バリアカフ51に与えられてもよい。弾性部材63は、弾性を長手方向バリアカフ51に提供し得、長手方向バリアカフ51を「立ち上がり」位置に維持する助けとなり得る。1975年7月14日に発行されたBuellの米国特許第3,860,003号は、伸縮性レッグカフを提供するために、サイドフラップ及び1つ以上の弾性部材を有する収縮性脚開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。1989年2月28日に発行されたAzizらの米国特許第4,808,178号、及び1990年3月20日に発行されたAzizらの同第4,909,803号は、吸収性物品10の脚領域における収容を改善する「スタンドアップ」伸縮性フラップを備える吸収性物品を記載する。加えて、いくつかの実施形態では、1つ以上の長手方向バリアカフ51は、1つ以上のガスケッティングカフ50と一体になってもよい。例えば、長手方向バリアカフ51及びガスケッティングカフ50は、図3A及び図3Bに示される単一材料ウェブから形成されてもよい。長手方向バリアカフ51と同様に、ガスケッティングカフ50は、1つ以上の弾性部材62を備えてもよい。
【0069】
図3A及び図3Bは、線3−−3に沿った図1の吸収性物品10の断面図を示す。図3A及び図3Bは、種々のカフ構成を示すが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、カフ構成が修正され得る。ガスケッティングカフ50及び長手方向バリアカフ51が両方ともに図3A及び図3Bに示されるが、単一カフ設計は、同等に実行可能である。図3Aは、一非限定的実施形態によるガスケッティングカフ50及び長手方向バリアカフ51構成を示す。カフ50、51の両方ともに、例えば、SNSウェブ又はSMNSウェブ等の共通のウェブ65を共有してもよい。長手方向バリアカフ51は、長手方向バリアカフ51の横幅のかなりの部分にわたってウェブ65の単一層を備える単層構成で示されている。図3Bは、ガスケッティングカフ50及び長手方向バリアカフ51構成を示し、長手方向バリアカフ51が、別の非限定的実施形態による多層構成である。多層構成において、ウェブの少なくとも2つの層(例えば、SNSウェブ又はSMNSウェブ等)は、長手方向バリアカフ51の横幅のかなりの部分にわたって存在する。当業者は、ウェブ65の精密な構成が種々の実施形態において変更されてもよいことを理解する。
【0070】
種々の好適な材料が、上述のカフ内でウェブ65として使用されてもよい。好適な実施形態は、以下でより詳細に説明されるように、例えば、2つのスパンボンド層、及び2つのスパンボンド層の間に配置される少なくとも1つのN繊維層等の複数の層を備えるウェブ65を有してもよい。ウェブ65のいくつかの実施形態は、以下でより詳細に説明されるように、疎水性材料を備えてもよい。
【0071】
図3A及び図3Bに示されるように、コアカバー41は、吸収性コア40に構造的完全性を提供するために、吸収性物品10のある特定の実施形態に包含され得る。コアカバー41は、セルロース系材料及び吸収性ゲル材料等の吸収性コア40構成要素を含有し得、両方ともに物理的バリアなく、移行するか、移動するか、あるいは浮遊する傾向があり得る。コアカバー41は、図3A及び図3Bに示されるように、コア40を完全に包むか、あるいは吸収性コア40を部分的に被覆してもよい。コアカバー41は、概して、不織布ウェブを備えてもよい。ある特定の実施形態において、コアカバー41、又は吸収性物品10の他の構成要素は、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブを備えてもよい。
【0072】
ある特定の実施形態において、吸収性物品10は、外側カバー31を備えてもよい。外側カバー31は、吸収性物品10の外面のすべて、又は実質的にすべてを被覆してもよい。いくつかの実施形態では、外側カバー31は、バックシート30と隣接してもよい。外側カバー31は、バックシート30の一部分に接着され、積層構造体を形成してもよい。結合は、例えば、接着剤結合、機械的結合、及び熱結合等の任意の従来の方法によって実行され得る。外側カバー31は、吸収性物品10に追加の強度又は嵩を提供するために利用されてもよい。外側カバー31は、多くの場合、吸収性物品10の外面の美的品質を改善するために使用される。そのような特性が消費者にとって心地良くなるように、吸収性物品10の外面が、布様の外観及び触感を呈することも望ましい。種々の材料が、外側カバー31としての使用に適している。そのような材料は、織布ウェブ、発泡体、スクリム、フィルム、及び弛緩繊維を含む。しかしながら、特定の実施形態では、外側カバー31は更に高いバリア保護を提供するように構成することができる。ある特定の実施形態において、外側カバー31は、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブを備えてもよい。
【0073】
図4は、例えば、一実施形態によるSNSウェブ又はSMNSウェブ等の不織布ウェブ112を作製するために使用される成形機110の概略図を示す。MNSウェブを作製するために、成形機110は、第1の粗い繊維135を生産するための第1のビーム120、中程度の繊維127(例えば、メルトブローン繊維)を生産するための任意の第2のビーム121、細繊維131(例えば、N繊維)を生産するための第3のビーム122、及び第2の粗い繊維124を生産するための第4のビーム123を有するように示されている。成形機110は、形成ベルト114が矢印114で示される方向に駆動されるように、ローラー116、118上を動き回るエンドレス形成ベルト114を備えてもよい。種々の実施形態において、任意の第2のビーム121が利用される場合、それは、例えば、第1のビーム120と第3のビーム122との中間に位置付けられ得る(示されるように)か、あるいは例えば、第3のビーム122と第4のビーム124との中間に位置付けられ得る。
【0074】
一実施形態において、第1のビーム120は、ポリマーの連続繊維を形成する1つ以上の紡糸口金を有する従来のスパンボンド押出成形機等を用いて、第1の粗い繊維135を生産し得る。スパンボンド繊維の形成及びそのようなスパンボンドを形成する第1のビーム120の設計は、当業者の能力の範囲内である。スパンボンド機械は、例えば、ドイツのトロイスドルフにあるReicofil GmbHから入手され得る。好適な熱可塑性ポリマーは、例えば、PET及びPBTを含むポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、及びアルキド樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及びポリブチレン(PB)を含むポリオレフィン、エチレン及びプロピレン由来のオレフィンコポリマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及びスチレンブロックコポリマー(種々の種類のKraton等の線状及び放射状ジ−及びトリ−ブロックコポリマー)を含むエラストマー性ポリマー、ポリスチレン、ポリアミド、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)及び例えばPHB(ポリヒドロキシブチレート)、並びに熱可塑性デンプンを含むデンプン系組成物等のスパンボンド法に好適な任意のポリマーを含む。上述のポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンのコポリマー、混合物、並びにその合金として使用されてもよい。ポリマーは、典型的には100〜350℃の温度で加熱されて流体になり、紡糸口金内のオリフィスを通って押し出される。押し出されたポリマー繊維は、気流によって急速に冷却されて弱められ、所望のデニール繊維を形成する。第1のビーム120から生じる第1の粗い繊維135は、第1の不織布構成要素層136を作成するために、形成ベルト114上に分配されるか、あるいは置かれ得る。第1の不織布構成要素層136は、第1のビーム120の型の複数のビーム又は紡糸口金から生産されてもよいが、複数のビーム又は紡糸口金から生産される繊維が、同一の直径、形状、及び組成物である場合、依然として1つの不織布構成要素層を作成する。第1のビーム120は、プロセスの速度又は使用される特定のポリマーに応じて、1つ以上の紡糸口金を備えてもよい。第1のビーム120の紡糸口金は、第1の粗い繊維135に断面形状を与えるはっきりと異なる形状を有するオリフィスを有してもよい。一実施形態において、紡糸口金は、円形、楕円形、矩形、正方形、三角形、空洞、多葉性、不規則(すなわち、非対称)、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない断面形状を有する繊維を産出するために選択され得る。
【0075】
一実施形態において、第2のビーム121は、使用される場合、例えば、メルトブローン繊維等の中程度の直径の繊維127を生産し得る。メルトブローンプロセスは、複数のオリフィスを含有するダイ119を通る熱可塑性ポリマーの押出しをもたらす。いくつかの実施形態では、ダイ119は、ダイ幅1センチメートル当たり50.8〜254個のオリフィス又はそれ以上(1インチ当たり20〜100個又はそれ以上のオリフィス)を含有してもよい。熱可塑性ポリマーがダイ119から出るとき、高圧流体、通常熱気は、ポリマー流を弱め、かつ散布して、中程度の繊維127を形成し得る。第2のビーム121から生じる中程度の繊維127は、第4の不織布構成要素層128を作成するために、形成ベルト114によって運搬される第1の不織布構成要素層136上に分配されるか、あるいは置かれ得る。第4の不織布構成要素層128は、第2のビーム121様の型の複数の隣接ビームから生産され得る。
【0076】
一実施形態において、第3のビーム122は、細繊維131(すなわち、N繊維)を生産し得る。いくつかの実施形態では、N繊維は、Torobinらの米国特許第6,315,806号、同第5,183,670号、及び同第4,536,361号、並びにRenekerらの米国特許第6,382,526号、同第6,520,425号、及び同第6,695,992号に記載され、かつUniversity of Akronに委譲されたシステム及び溶融フィルムフィブリル化法を用いて生産され得る。他の溶融フィルムフィブリル化法及びシステムは、2008年4月24日に公開されたJohnsonらの米国特許公開第2008/0093778号、Krauseらの米国特許第7,628,941号、及び2009年12月3日に公開されたKrauseらの米国特許公開第2009/0295020号に記載されており、均一及び狭幅の繊維分布、非繊維化ポリマー溶融物(概して、「ショット」と呼ばれる)、フライ、及びダスト等の減少した繊維欠陥又は最小限の繊維欠陥を提供し、かつ本開示によって説明されるN繊維層等の均一のN繊維層132を吸収性物品に更に提供する。溶融フィルムフィブリル化法、具体的には、それぞれ、Johnsonら及びKrauseらによって説明される、収束発散ガス流路仕様及び流体カーテンの設計における改善は、本明細書に記載の本開示の実施形態に、数平均繊維直径分布、質量平均繊維直径分布、孔寸法分布、及び構造均一性(すなわち、局所坪量変動がより少ない)等の所望の構造的属性を有するN繊維を提供し得る。概して、一実施形態において、加圧ガス流がは、それぞれの上流収束壁面及び下流発散壁面を画定する第1の対向壁と第2の対向壁との間に制限されるガス流路内を流動する。ポリマー溶融物が、ガス流路内を流動するガス流によって衝突される加熱された壁面上に押出ポリマーフィルムを提供するように、ガス流路に導入されて、効率的にポリマーフィルムをサブマイクロメートル直径の繊維又は繊維にフィブリル化する。次に、細繊維131は、第2の不織布構成要素層132を作成するために、第1の不織布構成要素層136上に分配されるか、あるいは置かれ得る。いくつかの実施形態では、例えば、SMNSウェブの生産等の間に、細繊維131が、形成ベルト114上に運搬される第4の不織布構成要素層128上に分配されるか、あるいは置かれてもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、細繊維131が、第1の不織布構成要素層136上に置かれてもよく、その後、メルトブローン繊維等の中程度の繊維127が、細繊維131の層上に置かれてもよい。細繊維層132は、第3のビーム122の型の2つ以上のビームから生産されてもよい。
【0077】
一実施形態において、第4のビーム123(又は120のような複数のビーム)は、第1の粗い繊維135と同様の第2の粗い直径繊維124を生産することができる。第2の粗い繊維124は、例えば、SNSウェブの生産等の間に、ウェブ112の第2の不織布構成要素層132上に分配されるか、あるいは置かれてもよい。結果として生じるウェブ112は、熱結合ロール138、140を通って供給され得る。結合ロール138、140は、一般に、カレンダーと呼ばれる。結合ロール138、140のうちの1つ又は両方の表面には、隆起パターン又は例えば、スポット、グリッド、ピン、若しくはナブ等の部分が提供され得る。一実施形態において、結合ロール138、140は、ウェブ112の不織布構成要素層を形成するために使用されるポリマーの軟化温度に加熱され得る。ウェブ112が加熱された結合ロール138、140の間を通過すると、不織布構成要素層は、結合ロール138、140のパターンに従って結合ロール138、140によってエンボス加工され、図5に示されるカレンダー結合168等の分離した領域のパターンを作成し得る。分離した領域は、それぞれの層内の特定の繊維に対して、不織布構成要素層から不織布構成要素層に結合される。そのような分離した領域、又はカレンダー結合部位は、加熱されたロール又は他の好適な技術によって実行され得る。別の熱的繊維結合技術は、ウェブ112を通して熱気を吹き飛ばす工程を備える。空気を通す結合技術は、概して、低融点マトリックス繊維、生体成分繊維、及び粉末とともに使用されてもよい。不織布ウェブが本明細書において3〜4個の不織布構成要素層を備えるように説明される一方で、任意の好適な数の不織布構成要素層が使用され得、本開示の範囲内にある。
【0078】
図5は、一非限定的実施形態による、カレンダー結合部位168におけるSNSウェブの断面図を示す。任意の第2のビーム121(例えば、メルトブローン層)を用いることなく上述の成形機110によって生産された三層不織布ウェブ112が示される。不織布ウェブ112は、それ自体が、例えば、スパンボンド繊維等の粗い繊維からなり得る第1の不織布構成要素層125を備え得る。一実施形態において、第1の不織布構成要素層125は、4%〜10%の範囲の相対標準偏差で、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲、及びあるいは10マイクロメートル〜20マイクロメートルの範囲の平均直径、あるいは数平均直径を有する繊維を備えてもよい。つまり、第1の不織布構成要素層125は、8%〜15%の範囲の相対標準偏差で、0.4〜6.0の範囲の平均デニールを有する繊維を備えてもよい。同一の実施形態において、質量平均繊維直径は、4%〜10%の範囲の相対標準偏差で、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲、及びあるいは10マイクロメートル〜20マイクロメートルの範囲であり得る。一実施形態において、第1の不織布構成要素層125は、1gsm〜10gsmの範囲、及びあるいは2gsm〜7gsmの範囲、例えば、5.5gsmの坪量を有してもよい。ある特定の実施形態において、第1の不織布構成要素層125の繊維は、例えば、三角形断面等の非円形断面を有し得るか、あるいは例えば、シースコア型又は並列型等の2成分繊維であり得る。
【0079】
一実施形態において、不織布ウェブ112は、それ自体がN繊維等の細繊維からなり得る第2の不織布構成要素層132を備えてもよい。一実施形態において、第2の不織布構成要素層132は、例えば、1マイクロメートル未満、すなわち、サブマイクロメートルの直径を有する繊維の100%未満、あるいは80%未満、あるいは60%未満、あるいは50%未満、例えば、10%〜50%の範囲等の相対標準偏差で、及び例えば、90%超又は95〜100%等の80%を超える相対標準偏差で、1マイクロメートル未満、あるいは、0.1マイクロメートル〜1マイクロメートルの範囲、あるいは0.2マイクロメートル〜0.9マイクロメートルの範囲、あるいは0.3マイクロメートル〜0.8マイクロメートルの範囲、及びあるいは0.5マイクロメートル〜0.7マイクロメートルの範囲の数平均直径(あるいは「平均直径」)を有する細繊維を備えてもよい。第2の不織布構成要素層132の繊維の質量平均直径は、100%未満、あるいは80%未満、あるいは60%未満、あるいは例えば、10%〜50%の範囲等の50%未満の相対標準偏差で、2マイクロメートル未満、あるいは0.1マイクロメートル〜2マイクロメートルの範囲、あるいは0.1マイクロメートル〜1.5マイクロメートルの範囲、あるいは0.1マイクロメートル〜1マイクロメートルの範囲、あるいは0.2マイクロメートル〜0.9マイクロメートルの範囲、あるいは0.3マイクロメートル〜0.8マイクロメートルの範囲、及びあるいは0.5マイクロメートル〜0.7マイクロメートルの範囲であってもよい。つまり、第2の不織布構成要素層132は、0.006デニール未満の繊維の200%未満、あるいは150%未満、及びあるいは120%未満の範囲の相対標準偏差、及び80%超、あるいは90%超、及びあるいは95〜100%の相対標準偏差で、0.00006〜0.006の範囲、あるいは0.0002〜0.005の範囲、あるいは0.0016〜0.005の範囲、及びあるいは0.002〜0.004の範囲の平均デニールを有する細繊維を備えてもよい。
【0080】
1マイクロメートル未満の質量平均繊維分布を有する実施形態において、略すべての繊維は、1マイクロメートル未満の直径を有するはずである。非常に少数の繊維が1マイクロメートル超えたとしても、質量平均繊維直径を1マイクロメートルより大きくするであろう。より厚い繊維は、より大きい質量を有し、したがって、より大きい質量を有するより厚い繊維の存在は、以下に記載される繊維直径計算に説明されるように、数平均繊維直径を超えて質量平均繊維直径を増加させる。例えば、3マイクロメートルの直径を有する繊維(典型的なメルトブローン繊維)は、3マイクロメートルの繊維が、0.5マイクロメートルの直径繊維の断面積よりも36倍大きい断面積を有するため、同一の長さ及び典型的な0.5マイクロメートルの直径を有するサブマイクロメートルN繊維よりも36倍大きい質量を有する。あるいは、単一の3マイクロメートル繊維直径の繊維は、0.5マイクロメートル直径の36個の繊維の代わりとなり、かつ第2の構成要素層の質量平均繊維直径を増加させ得る。逆に、質量平均繊維直径を減少させるためには、1マイクロメートルを超える直径を有する繊維の数を減少させることが重要である。一実施形態において、第2の不織布構成要素層は、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率を有する繊維を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第2の不織布構成要素層は、例えば、1マイクロメートル未満の数平均直径、1マイクロメートル未満の質量平均直径、及び1.5マイクロメートル未満の数平均直径に対する質量平均直径の比率を有する繊維を備えてもよい。
【0081】
任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、より細い繊維は、不織布ウェブにより細い孔を作製することが考えられる。本明細書に記載されるように、より細い孔は、不織布ウェブのより優れた流体裏抜け性能を提供する。したがって、低表面張力流体裏抜け時間を改善するために、不織布ウェブができるだけ多くの細繊維を有することが望ましい。N層に比較的厚い繊維の数を減少させ、かつ1マイクロメートル未満の細繊維の数を増加させることによって、本開示の実施形態は、従来のウェブよりも細い孔寸法及び長い低表面張力流体裏抜け時間を達成する。一実施形態において、第2の構成要素層132の平均流動孔径は、20マイクロメートル未満、あるいは15マイクロメートル未満、あるいは10マイクロメートル未満、及びあるいは5マイクロメートル未満であり得る。平均流動孔径は、半分の流動がその圧力未満で発生する圧力(平均流動圧力と呼ばれる)に相当し、一方で、流動の残りの半分は、その圧力を超えて発生する。孔径及び圧力が反比例するため、より小さい平均流動孔径は、流動を遅くする比較的高い平均流動圧力又は流動抵抗を提案し、かつ流体裏抜け時間を増加させる。平均流動孔径が構造の流動属性であるため、孔径分布の統計的数平均でしかない平均孔径とははっきりと異なり、平均孔径は、任意の不変の流動属性に相関しなくてもよい。あるいは、平均孔径は、平均流動孔径が小さくなるとき、例えば、繊維直径が減少するとき、必ずしも小さくならなくてもよい。本開示の実施形態が、20マイクロメートル未満、あるいは15マイクロメートル未満、あるいは10マイクロメートル未満、及びあるいは5マイクロメートル未満の平均流動孔径の第2の構成要素層132を有することが重要であると考えられる。
【0082】
本開示の不織布ウェブの孔寸法分布は、複数の構成要素層に対応する1つ以上のピーク又はモード(孔寸法分布のモードが、最高周波数を用いて孔寸法値と定義される)を有し得る。一実施形態において、孔寸法分布の最低又は第1のモードに対応する孔寸法は、N繊維を含む第2の構成要素層132に対応する。そのような実施形態において、孔寸法分布の最低又は第1のモードは、15マイクロメートル未満、あるいは10マイクロメートル未満、及びあるいは5マイクロメートル以下であり得る。上述のように、より小さい孔径は、より高い流れ抵抗、及び結果的により優れた流体裏抜け時間を提案する。いくつかの実施形態では、最低モードに対応する(最小の繊維に対応する)直径は、最後の20%又はそれ以上の流量を阻止する(すなわち、最低モードよりも大きい孔径は、80%以下の流量を許容する)。したがって、最小の孔は、それらの数が多いほどよく、最高の流れ抵抗を提供し、かつ流体裏抜け時間を増加させることが考えられる。
【0083】
第2の構成要素層132の多孔率は、50%を超えるか、あるいは70%を超えるか、及びあるいは80%を超えてもよい。多孔率がそれを通って流れが起こる空隙容量に相当するため、より低い多孔率が流れに抵抗し、結果的に液体裏抜け時間を増加させる。第2の構成要素層132は、少なくとも50%が1マイクロメートル未満の数平均直径を有する繊維、あるいは少なくとも70%が1マイクロメートル未満の数平均直径を有する繊維、あるいは少なくとも80%が1マイクロメートル未満の数平均直径を有する繊維、及びあるいは少なくとも90%が1マイクロメートル未満の数平均直径を有する繊維を有してもよい。かなりの数の1マイクロメートル未満の直径繊維を有する不織布構造は、Torobinら及びRenekerらによって説明される方法を用いて、Iseleらの2006年1月1日に公開された米国特許公開第2006/0014460号、及び2005年3月31日に公開された同第2005/0070866号に記載されており、両方ともにThe Procter and Gamble Companyに委譲されている。しかしながら、本明細書に記載されるように、数平均直径が1マイクロメートル未満であり得るが、90%以上が1マイクロメートル未満の直径を有する繊維を第2の不織布構成要素層132内に有することは、1マイクロメートル未満の質量平均直径を有するのに十分ではない(が必要である)。一実施形態において、第2の不織布構成要素層132は、少なくとも99%が1マイクロメートル未満の数平均直径を有する繊維を有し得る。したがって、第2の不織布構成要素層132が1マイクロメートル未満の質量平均直径及び1マイクロメートル未満の数平均繊維直径を備える本開示のある実施形態において、ほぼすべての繊維は、1マイクロメートル未満の直径を有し得るか、あるいはそのような実施形態において、第2の不織布構成要素層132のすべての繊維は、サブマイクロメートルである。
【0084】
数平均直径に対する質量平均直径の比率と定義される、第2の不織布構成要素層132を備える繊維の繊維直径分布の多分散性は、2未満、あるいは1.8未満、あるいは1.5未満、あるいは1.25未満、あるいは1.1未満、及びあるいは1.0であり得る。繊維直径分布の多分散性は、繊維分布の幅を測定する。分布の多分散性の値が高いほど、分布の幅が広くなる。一実施形態において、多分散性が1に近づくとき、すなわち、質量平均及び数平均繊維直径が同一であるとき、第2の不織布構成要素層132は、極めて均一かつ狭幅の繊維分布を有し得る。質量平均直径と数平均直径との間の算術差は、数平均直径の1標準偏差未満であり得るか、あるいは差は、数平均直径の1標準偏差の4分の3未満であり得るか、あるいは差は、数平均直径の1標準偏差の2分の1未満であり得る。上述の繊維直径平均及び繊維直径分布の多分散性のため、本開示の第2の不織布構成要素層132内のN繊維は、1マイクロメートル未満の数平均直径も有し得るが、1マイクロメートルを超える直径を有する繊維の有限数の存在に起因して、典型的には、1マイクロメートルを超え、かつ2マイクロメートルを超えるか、あるいはそれ以上の質量平均直径を有する典型的な超微細メルトブローン繊維とは異なる。上述のように、繊維の著しく大きい割合、あるいは繊維の90%超が1マイクロメートル未満の直径を有する状態でも、超微細メルトブローン繊維は、1マイクロメートルに近いか、あるいは1マイクロメートル未満の質量平均直径を有しなくてもよい。超微細繊維の質量平均と数平均直径との間の差異は、超微細メルトブローン繊維の数平均直径の1標準偏差の2分の1を超える場合もあり、より典型的には、差異は、数平均直径の1標準偏差を超える場合もあり、あるいは、差異は、数平均直径の2標準偏差を超える場合もある。一実施形態において、第2の不織布構成要素層132は、0.1gsm〜10gsmの範囲、あるいは0.2gsm〜5gsmの範囲、あるいは0.5〜3gsmの範囲、及びあるいは1〜1.5gsmの坪量を有し得る。
【0085】
一実施形態において、不織布ウェブ112は、それ自体がスパンボンド繊維等の粗い繊維からなる第3の不織布構成要素層136を備え得、かつ第1の不織布構成要素層125と同様であり得る。
【0086】
メルトブローン層等の第4の不織布構成要素層128が使用される場合、これらの中程度の直径繊維は、20%〜100%超の範囲の相対標準偏差で、0.7マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲、あるいは1マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲、及びあるいは1マイクロメートル〜5マイクロメートルの範囲の平均直径、あるいは数平均直径を有する繊維を備え得る。メルトブローン層等の第4の不織布構成要素層128の質量平均直径は、20%〜100%超の範囲の相対標準偏差で、0.7マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲、あるいは1マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲、あるいは1マイクロメートル〜5マイクロメートルの範囲、及びあるいは2〜5マイクロメートルの範囲であり得る。加えて、中程度の繊維層における繊維直径の多分散性は、1〜10、あるいは2〜8、あるいは2〜6、あるいは1.5〜5の範囲である。つまり、第4の不織布構成要素層128は、50%〜600%の範囲、あるいは150%〜300%の範囲の相対標準偏差で、0.003〜0.4の範囲、あるいは0.006〜0.3の範囲の平均デニールを有する繊維を備え得る。一実施形態において、メルトブロー層は、0.1gsm〜10gsmの範囲、あるいは0.2gsm〜5gsmの範囲、あるいは0.5gsm〜3gsmの範囲、及びあるいは1〜1.5gsmの範囲の坪量を有し得る。
【0087】
また、中程度及び細かい直径繊維は、例えば、2成分又はポリマーブレンド型であってもよい。
【0088】
一実施形態において、図1〜3を参照して、吸収性物品10は、着用者の胴体下部周囲に着用されるように構成されてもよい。種々の実施形態において、吸収性物品10は、トップシート20、バックシート30、及びトップシート20とバックシート30との間に配置されるか、あるいはそれらの間に少なくとも部分的に配置される吸収性コア40を備えるシャーシ47を備えてもよい。一対の長手方向バリアカフ51は、例えば、トップシート20等のシャーシ47の一部分に取り付けられ、及び/又はそれとともに形成されてもよい。それぞれの長手方向バリアカフ51は、SNSウェブ又はSMNSウェブ等の材料ウェブから形成されてもよい。一実施形態において、材料ウェブは、SMN、SMNMS、SMMNMS、SSMMNS、SSNNSS、SSSNSSS、SSMMNNSS、SSMMNNMS等を含むが、それらに限定されない、複数のスパンボンド、メルトブローン、及びN繊維層の種々の組み合わせ及び順列に配置される複数の不織布構成要素層から形成されてもよい。本明細書に記載の材料ウェブは、以下で更に詳細に説明される関連する材料ウェブと比較して、例外的な予想外の特性を呈する。
【0089】
一実施形態において、図5及び図6を参照して、材料ウェブ112は、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層125と、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の多分散性比を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層132と、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第3の不織布構成要素層136とを備え得る。つまり、材料ウェブ112は、0.4〜6の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第1の不織布構成要素層125と、0.00006〜0.006の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第2の不織布構成要素層132と、0.4〜6の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第3の不織布構成要素層136とを備え得る。そのような実施形態において、第2の不織布構成要素層132は、第1の不織布構成要素層125と第3の不織布構成要素層136との中間に配置され得る。また、第1の不織布構成要素層125、第2の不織布構成要素層132、及び第3の不織布構成要素層136は、例えば、カレンダー結合プロセス等の任意の好適な結合プロセスを用いて、相互に断続的に結合され得る。一実施形態において、材料ウェブ112は、フィルムを備えない。種々の実施形態において、材料ウェブ112は、第1の不織布構成要素層125に相当し得るスパンボンド層、第2の不織布構成要素層132に相当し得るN繊維層、及び第3の不織布構成要素層136に相当し得る第2のスパンボンド層を備え得、ともに本明細書において「SNSウェブ」と呼ばれる。
【0090】
SMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)ウェブは、特定の時間増分後に低表面張力流体がそれを通って浸透することを許容する場合もある孔寸法を有してもよい。そのようなSMSウェブのいくつかの写真が、図7及び図8に示される。図7は、500倍の倍率の13gsmのSMSウェブ215上面図である。図8は、SMSウェブのカレンダー結合部位を通して500倍の倍率で撮られた図7のSMSウェブ215の断面図である。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮られる15gsmのSNSウェブ212の非限定的な例の写真は、図9及び図10に示される。図9は、200倍の倍率のSNSウェブ212の上面図である。図10は、SNSウェブ212のカレンダー結合部位を通して500倍の倍率で撮られた図9のSNSウェブ212の断面図である。一実施形態において、例えば、異なる組成物又は繊維断面のスパンボンド層、N繊維層、第2のスパンボンド層、及び第3のスパンボンド層を備える材料ウェブ等の材料ウェブ212の他の構成(すなわち、層化パターン)が想定され、かつ本開示の範囲内にある。
【0091】
一実施形態において、例えば、SNSウェブ212等の材料ウェブは、30gsm未満、あるいは15gsm未満、あるいは例えば、13gsm、あるいは10gsm未満、及びあるいは7gsm〜15gsmの範囲の総坪量を有し得る。そのような実施形態において、材料ウェブは、フィルムを備えなくてもよく、少なくとも1m/m/分、あるいは少なくとも10m/m/分、あるいは少なくとも20m/m/分、及びあるいは少なくとも40m/m/分であるが、100m/m/分未満の空気透過率を有する。一実施形態において、材料ウェブは、10%未満、あるいは8%未満、及びあるいは6%未満の局所坪量変動と、少なくとも19秒間、あるいは少なくとも23秒間、あるいは少なくとも30秒間、あるいは少なくとも35秒間、あるいは少なくとも40秒間、あるいは少なくとも45秒間、及びあるいは少なくとも50秒間の32mN/m低表面張力流体裏抜け時間とを有し得る。
【0092】
一実施形態において、図11及び図12を参照すると、材料ウェブ212’は、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層225’と、1マイクロメートル未満の数平均直径、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径、及び2未満の多分散性比を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層232’と、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第3の不織布構成要素層236’と、1マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第4の不織布構成要素層228’とを備え得る。つまり、材料ウェブ212’は、0.4〜6の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第1の不織布構成要素層225’と、0.00006〜0.006の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第2の不織布構成要素層232’と、0.4〜6の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第3の不織布構成要素層236’と、0.006〜0.4の範囲の平均デニールを有する繊維を含む第4の不織布構成要素層228’とを備え得る。そのような実施形態では、第2の不織布構成要素層232’及び第4の不織布構成要素層228’は、第1の不織布構成要素層225’と第3の不織布構成要素層236’との中間に配置され得る。また、第1の不織布構成要素層225’、第2の不織布構成要素層232’、第3の不織布構成要素層236’、及び第4の不織布構成要素層228’は、例えば、カレンダー結合プロセス等の任意の結合プロセスを用いて相互に断続的に結合され得る。一実施形態において、材料ウェブ212’は、フィルムを備えない。種々の実施形態において、材料ウェブ212’は、第1の不織布構成要素層225’に相当し得るスパンボンド層、第4の不織布構成要素層228’に相当し得るメルトブローン層、第2の不織布構成要素層232’に相当し得るN繊維層、及び第3の不織布構成要素層236’に相当し得る第2のスパンボンド層を備え得、ともに本明細書において「SMNSウェブ」と呼ばれる。走査型電子顕微鏡を用いて撮られるSMNSウェブ212”の非限定的な例の写真は、図13及び図14に示される。図13は、1000倍の倍率のSMNSウェブ212”の上面図である。図14は、500倍の倍率の図13のSMNSウェブ212”の断面図である。一実施形態において、例えば、異なる構造又は組成物のスパンボンド層、メルトブローン層、N繊維層、第2のスパンボンド層、及び第3のスパンボンド層を備える材料ウェブ等の材料ウェブの他の構成が想定され、かつ本開示の範囲内にある。
【0093】
一実施形態において、図1を参照して、シャーシ47は、2つの末端縁部57を画定し得、長手方向中心軸59は、シャーシ47内に画定され、かつ一方の末端縁部57の中点から他方の末端縁部57の中点まで延在し得る。種々の実施形態において、図1、図3A、図11、及び図12を参照して、第3の不織布構成要素層236’は、長手方向中心軸59の最近位に位置付けられ得、第1の不織布構成要素層225’は、長手方向中心軸59から最も遠位に位置付けられ得、第2の不織布構成要素層232’は、第3の不織布構成要素層236’と第4の不織布構成要素層228’との中間に配置され得る。図3Aは、この構成を示すウェブ212’の分解部分を含む。ある特定の他の実施形態において、第4の不織布構成要素層228’は、例えば、第3の不織布構成要素層236’と第2の不織布構成要素層232’との中間に配置され得る。第2の不織布構成要素層232’及び/又は第4の不織布構成要素層228’がウェブ内のどこに位置付けられるかをSEMを用いて決定することが可能である。概して、低表面張力流体裏抜け時間は、例えば、第2の不織布構成要素層232’が着用者の皮膚により近接して(すなわち、吸収性物品10長手方向中心軸59により近接して)位置付けられるとき、10%〜15%改善するように見える。これは、「側面性」と呼ばれる。一実施形態において、第2の不織布構成要素層232’を第4の不織布構成要素層228’よりも長手方向中心軸59に近接して位置付けることによって、第2の不織布構成要素層232’は、吸収性物品10が着用者の胴体下部周囲に位置付けられるとき、着用者の皮膚により近接して位置付けられる。任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、出願者は、第2の不織布構成要素層232’が、第4の不織布構成要素層228’よりも着用者の皮膚に近接して(かつ使用前、長手方向中心軸59に近接して)位置付けられ、かつ流体源が吸収性物品に侵襲するときに、SMNSウェブがより望ましい特性及び/又は特性(例えば、低表面張力流体裏抜け時間)を呈すると確信している。図3Aの矢印213は、種々の不織布構成要素層の位置付けに対する浸出体液又は流体の流れの方向を示す。
【0094】
一実施形態において、SMNSウェブ212’等の材料ウェブは、SNSウェブ212に関して上で説明される特性と同一又は同様の特性を有し得る。例えば、SMNSウェブ212’は、30gsm未満、あるいは15gsm未満、あるいは例えば、13gsm、あるいは10gsm未満、及びあるいは7gsm〜15gsmの範囲の総坪量を有してもよい。そのような実施形態において、材料ウェブは、フィルムを備えなくてもよく、少なくとも1m/m/分、あるいは少なくとも10m/m/分、あるいは少なくとも20m/m/分、及びあるいは少なくとも40m/m/分であるが、100m/m/分未満の空気透過率を有してもよい。一実施形態において、材料ウェブは、10%未満、あるいは8%未満、及びあるいは6%未満の局所坪量変動と、少なくとも19秒間、あるいは少なくとも23秒間、あるいは少なくとも30秒間、あるいは少なくとも35秒間、あるいは少なくとも40秒間、あるいは少なくとも45秒間、及びあるいは少なくとも50秒間の32mN/m低表面張力流体裏抜け時間とを有してもよい。
【0095】
一実施形態において、例えば、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブ等の本明細書に記載のウェブは、例えば、疎水性溶融添加物又は疎水性表面コーティング等の疎水性材料を備えなくとも、特定の特性を呈し得る。疎水性材料の添加が更なる製造費用及び複雑性につながるため、そのような特性は、関連したウェブを超える著しい費用削減の利点を本開示のウェブに提供する。ウェブ内にN繊維層を包含することは、任意の疎水性材料又はフィルムなしで、ウェブが望ましい低表面張力流体裏抜け時間及び空気透過率を維持することを可能にする。任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、出願者は、スパンボンド及びメルトブローン層に空隙を充填することによって、N繊維層がウェブの孔寸法を減少させると確信している。ウェブを関連したウェブの孔寸法と比較してより小さい孔寸法で作成することによって、本開示のウェブは、疎水性材料又はフィルムを備えなくとも、流体浸透に対してより高い毛管抵抗力を有し、それによって、より長い低表面張力流体裏抜け時間を有し得る。依然として、SNS又はSMNSウェブの構造から判断して、ウェブのバリア性能を高めるN繊維層の有効性は予想されなかった。
【0096】
上述のように、いくつかの吸収性物品は、例えば、トップシート及び/又はその中心部分上に親水性界面活性剤又は材料を備え、かつそのバリアカフ上に疎水性材料も備え得る。親水性界面活性剤又は材料は、疎水性材料がバリアカフを通る体液の流れを制限しながら、体液を吸収性物品の吸収性コアに向かって引き込むために使用されてもよい。場合によっては、親水性界面活性剤又は材料は、吸収性物品の使用前に、他の材料に向かって自然に移動し得る。親水性界面活性剤又は材料が材料ウェブから形成されるバリアカフと接触するとき、それらは、バリアカフを通る低表面張力体液の流れを妨害するウェブの能力を低減させる。しかしながら、出願者は、恐らく、本開示のウェブが、バリアカフとして使用されるか、あるいはバリアカフの一部分として使用されるとき、より大きい表面積を有し、かつ移動する親水性界面活性剤を希釈するという事実のため、例えば、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブ等の本明細書に提供されるウェブが、トップシート又は他の吸収性物品の中心部分からバリアカフへの親水性界面活性剤若しくは材料の移動後に、ウェブのバリア特性の低下を低減し得ることを見出した。すなわち、一実施形態において、疎水性材料がバリアカフ上に存在せず、親水性界面活性剤又は材料がバリアカフ上に完全に散布せず、したがって、そこを通る低表面張力体液の流れを制限するバリアカフの能力を低減し得ない。
【0097】
他の実施形態では、ウェブが疎水性溶融添加物及び/又は疎水性表面コーティングを備えることが望ましくあり得る。疎水性溶融添加物及び/又は疎水性表面コーティングは、空気透過率を著しく減少させることなく、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブの低表面張力流体裏抜け時間を増加させ得る。疎水性添加物製剤及びそれらを不織布ウェブに組み込むための方法は、Catalanの2005年2月18日出願の米国出願公開第2006/0189956号及び2005年2月10日出願の同第2005/0177123号、並びにJJ Teeらの2010年1月22日出願の米国出願第12/691,929号及び2010年1月22日出願の米国出願第12/691,934号に記載されており、すべてThe Procter and Gamble Companyに委譲されている。疎水性表面コーティング及び/又は疎水性溶融添加物として使用されるいくつかの好適であるが非限定的な疎水性材料は、アミノシリコーンも実質的に有さない1つ以上のシリコーンポリマーを備え得る。好適なシリコーンポリマーは、シリコーンMQ樹脂、ポリジメチルシロキサン、架橋シリコーン、シリコーン液体エラストマー、及びそれらの組み合わせの群から選択される。典型的には、そのようなシリコーンポリマーの分子量は、少なくとも4000MWであるべきである。しかしながら、そのようなシリコーンポリマーの分子量は、少なくとも10,000MW、少なくとも15,000MW、少なくとも20,000MW、又は少なくとも25,000MWであり得る。好適なポリジメチルシロキサン類は、ビニル末端ポリジメチルシロキサン類、メチル水素ジメチルシロキサン類、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン類、オルガノ変性ポリジメチルシロキサン類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0098】
あるいは、フッ素化ポリマーは、疎水性表面コーティング及び/又は疎水性溶融添加物としても使用され得る。好適なフッ素化ポリマーは、テトラフルオロエチレン及び/又はペルフルオロ化アルキル鎖を含有するテロマー及びポリマーの群から選択される。例えば、DupontからのZonyl(登録商標)の商標名で市販されているフッ素化界面活性剤が、本明細書で使用するのに好適である。
【0099】
一実施形態において、これらの疎水性材料は、ウェブ1g当たり少なくとも1μgのコーティングの量で、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブの表面上に配置され得る。表面上に存在するシリコーンポリマーの好適な量は、少なくとも100μg/gであり得る。ある特定の実施形態において、表面上に存在するシリコーンポリマーの量は、少なくとも200μg/gであり得る。他の実施形態では、表面上に存在するシリコーンポリマーの量は、例えば、少なくとも300μg/g、あるいは少なくとも400μg/g、又は、あるいは1000μg/g〜10,000μg/gの範囲であり得る。
【0100】
疎水性表面コーティングは、任意の従来の方法によって基材及び/又は繊維表面に送達され得る。任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、凝集した均一のフィルム様の網状組織が、繊維及び/又は繊維状構造の周囲に形成され、かつウェブの孔網状組織も部分的に充填するように、繊維状基材の表面(例えば、不織布表面)に局所的に塗布されるとき、本明細書に記載の疎水性表面コーティングは、1つ以上の繊維及び/又はウェブの繊維状構造を覆うか、あるいは少なくとも部分的に被覆する傾向があることが考えられる。ある特定の実施形態において、疎水性材料は、添加物として熱溶融組成に包含され(例えば、熱可塑性溶融物に混ぜ込まれ)、その後、これは、(例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、又は押出加工によって)繊維及び/又は基材に形成され得る(本明細書において「疎水性溶融添加物」と呼ばれる)。疎水性材料(化学的構成要素)のわずかな添加が、液体に対する繊維の接触角をある程度まで増加させ、すなわち、1000μg/gでは、水に対する接触角は、100度から110度に増加する。一実施形態において、例えば、これらの材料を備えるSNSウェブ又はSMNSウェブ等の疎水性表面コーティング及び/又は疎水性溶融添加物を備える材料ウェブは、30gsm未満、あるいは15gsm未満、例えば、13gsm、あるいは10gsm未満、及びあるいは7gsm〜15gsmの範囲の総坪量を有し得る。そのような実施形態において、材料ウェブは、フィルムを備えなくてもよく、少なくとも1m/m/分、あるいは少なくとも10m/m/分、あるいは少なくとも20m/m/分、及びあるいは少なくとも40m/m/分であるが、100m/m/分未満の空気透過率を有してもよい。一実施形態において、材料ウェブは、10%未満、あるいは8%未満、及びあるいは6%未満の局所坪量変動と、少なくとも30秒間、あるいは少なくとも35秒間、あるいは少なくとも40秒間、あるいは少なくとも47秒間、あるいは少なくとも50秒間、あるいは少なくとも55秒間、あるいは少なくとも60秒間、あるいは少なくとも65秒間、及びあるいは少なくとも70秒間の32mN/m低表面張力流体裏抜け時間とを有してもよい。
【0101】
一実施形態において、本開示のウェブ、例えば、SNS又はSMNSウェブ、及び例えば、SMSとの関連比較において、すべて、80%を超える(例えば、85%)多孔率(%空隙率)を有する。M及びN繊維層が80%〜85%の多孔率を有し、かつ第1の不織布構成要素層132が85%〜92%の多孔率を有するため、85%の多孔率が生じる。より低い多孔率は、フラットカレンダー加工及び通気性の減少によって、あるいはフィルム、例えば、微多孔性フィルムを参照することによって達成され得るが、上に列記される所望の空気透過性は、達成不可能となり得る。
【0102】
機械的結合
例えば、吸収性物品10等の吸収性物品が構成される間、例えば、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブ等のウェブは、吸収性物品10の別の構成要素に取り付けられる必要があり得る。いくつかの実施形態では、以下により詳細に説明されるように、第1の部分ウェブは、ウェブの第2の部分に機械的に結合され、それによって、例えば、縁を作成し得る。機械的に結合されることが求められる吸収性物品の構成要素は、機械的結合装置を通過し得る。
【0103】
図15は、本開示の非限定的一実施形態による簡略化された動的機械的結合装置320を示す。機械的結合装置320は、模様付きシリンダ322と、アンビルシリンダ324と、事前決定された範囲の圧力内の事前決定された圧力でシリンダ322及び324を相互に向かって調整可能に付勢するための作動システム326と、シリンダ322とシリンダ324との間に任意の事前決定された表面速度差を提供するために、それぞれ、シリンダ322及び324を独立して制御された速度で回転させるためのドライバー328及び329とを備えてもよい。一実施形態において、シリンダ322及び324は、例えば、約69MPa(10,000psi)で相互に向かって付勢されてもよい。ウェブ341、ウェブ342、及び積層体345は、図15にも示される。種々の実施形態において、ウェブ341は、例えば、13gsmのポリプロピレンSNSウェブ及び/又はSMNSウェブ等の不織布材料の種々のウェブであってもよく、ウェブ342は、例えば、12gsmの1.5デニールポリプロピレンスパンボンドトップシート、又は吸収性物品の他の構成要素であってもよい。加えて、装置320は、枠(図示されず)と、ロール331〜338を駆動するため、模様付きシリンダ322とアンビルシリンダ324との間に画定されるニップ343を通ってウェブ341及びウェブ342を制御可能に前進させるため、かつ結果として生じる積層体(積層体345)を、ロールワインダ又はウェブ変換装置、例えば、使い捨ておむつ変換器等の下流装置に前進させることを可能にするためのドライバー(図示されず)とを備えてもよい。本明細書で使用される「積層体」は、少なくとも1つの機械的結合を共有する吸収性物品の少なくとも2つの構成要素を指す。概して、ロール331〜338のすべてを含む駆動は、ウェブ又はウェブ341及びウェブ342、並びに積層体345を、ニップ343を通って誘導し、かつニップ343から離れて前進させるために提供され得る。緩んだウェブ状態又は過度に引っ張られた/伸縮したウェブ及び/若しくは積層体のいずれも望ましくない有害な結果を引き起こすように、これらのロール331〜338は、事前決定されたレベルの張力又は伸縮を維持する表面速度で駆動され得る。
【0104】
明瞭さのために、ウェブ341及びウェブ342の上流端部又は供給源も、積層体345の下流目的地又はユーザも示されない。いくつかの実施形態では、機械的結合装置320は、結合のために3つ以上の積層体を受容してもよく、機械的に結合される積層体は、例えば、熱可塑性フィルム、不織布材料、織布材料、及び他のロール形態のウェブを備えてもよく、制御された速度及び制御された張力下で、積層体及び/又は他のウェブ要素を備える製品を作製するために、上流巻き戻し及びスプライシングデバイスを提供して、機械的結合装置320及び/又は他の変換器を通ってそのような積層体の連続した長さを前進させることを可能にする。更に、簡潔さ及び明瞭さのために、機械的結合装置320は、シリンダ322及び324を備えるとして本明細書に記載される。しかしながら、シリンダ322及び324は、上述の部材を画定するニップの一実施形態にすぎない。したがって、それによって本開示を、シリンダを備える装置に限定するよう意図されていない。同様に、「パターン要素」という用語の使用は、本開示を、他のパターン、例えば、網目状パターン又は連続又は細長い線の結合を備えるパターンを除いて、分離離間したパターン要素のみを備える結合パターンに限定するよう意図されていない。
【0105】
一実施形態において、模様付きシリンダ322をアンビルシリンダ324に向かって付勢するための作動システム326は、例えば、圧力調整器355、及び空気圧アクチュエータ356を備えてもよい。圧力調整器355は、その入口を加圧空気の供給源「P」に接続させるように適合され得、空気圧アクチュエータを調整及び制御するためにその出口を空気圧アクチュエータ356に接続させることは、相互に向かうシリンダ322及び324の装填を意味する。1つの空気圧アクチュエータ356のみが図15に示されているが、追加のアクチュエータが、模様付きシリンダ322のそれぞれのエンドジャーナルに接続されてもよく、それぞれのエンドジャーナルは、実際に圧力付勢機構が有効となり得るように、枠部材及び補助的機械設備(図示されず)によって垂直に移動可能に支持されてもよい。
【0106】
一実施形態において、ドライバー328及び329は、それぞれ、シリンダ322及び324を独立して駆動するために提供される。したがって、シリンダ322及び324の表面速度間に事前に決定されているが、調整可能な関係が存在するように、それらはシリンダ322及び324を回転させ得る。種々の実施形態において、回転は、同期的又は非同期的であるか、同等の表面速度であるか、あるいは、事前決定された表面速度差を用いて、シリンダ322及び324のいずれかが他方よりも早く駆動される。使い捨ておむつ変換器に組み込まれる一実施形態において、模様付きシリンダ322は、その表面速度が変換器の線速度に本質的に整合されるように、歯車列を通る変換器線ドライブによって駆動され、アンビルシリンダ324は、独立して速度制御されたDC(直流)ドライブで作動する。この実装は、事前に決定された量又は百分率のアンビルシリンダ324の表面速度を、模様付きシリンダ322の表面速度に等しいか、それ未満か、又はそれを超えるように調整することを可能にし得る。
【0107】
ここで図16を参照すると、模様付きシリンダ322は、円柱面352、及び複数のピン、ナブ、又は総じて要素351のパターンと呼ばれる、表面352から外側に延在する他の突起物を有するように構成され得る。図16に示されるように、模様付きシリンダ322は、模様付きシリンダ322のそれぞれの端部の周囲に円周方向に延在し得るのこ歯型パターンの要素351を有し得る。そのような模様付きシリンダ322は、例えば、積層体341及び積層体342を積層するか、ラップシームするか、あるいはさもなければともに機械的に結合するように構成されてもよい。一実施形態において、模様付きシリンダ322は、鋼鉄からなってもよく、例えば、約29cm(11.4インチ)の直径を有してもよい。示される実施形態が、模様付きシリンダ322の周囲に円周方向に延在する2組のパターンの要素351を示す一方で、他の実施形態では、模様付きシリンダ322は、より多いか、あるいはより少ないパターンの要素351を有してもよく、模様付きシリンダ322の全体幅はそれに応じて変化し得る。アンビルシリンダ324(図15)は、滑面化された直円柱の鋼であり得る。一実施形態において、アンビルシリンダ324は、約11.4cm(4.5インチ)の直径を有し得、実施形態がそのような構成に限定されないが、例えば、速度制御された直流電動機によって独立して電動回転し得る。
【0108】
図17は、結合部位351bのパターン、すなわち、模様付きシリンダ322(図16)の一方の端部の周囲に円周方向に延在するパターン要素のパターンであるパターンによってともに機械的に結合された積層体341及び積層体342の重なり合う縁部部分を備える、図16の積層体345の断片部分の平面図である。積層体345上の結合部位351b(例えば、結合点、結合面積、陥凹、ナブ、ランドエリア、セル、又は要素)は、任意の好適な幾何学的形状(例えば、三角形、正方形、矩形、ダイヤモンド、他の多角形、円、楕円、卵形、長方形、及び/又は任意のそれらの組み合わせ)を有してもよい。結合パターンの形状及び寸法は、事前決定された強度と、概して、当技術分野において引張及び伸長物理的特性と呼ばれる、MD及びCD方向の弾性特性とを有する結合部位351bを産出するために選択され得る。結合部位’351bの配列は、例えば、六角形、矩形、正方形、又は任意の他の好適な多角形形状であってもよい。概して、結合部位351bで圧縮された繊維は、積層体345に強度及び補強を与え、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブを備えるそのようなバリアカフ不織布ウェブは、例えば、吸収性物品のスパンボンドトップシートに結合される。明瞭さのために、MD配向された積層体341及び積層体342の縁部は、図17においてそれぞれ、341e及び342eで表される。
【0109】
理解されるように、模様付きシリンダ322上の要素351のパターンは、種々の結合部位パターンを生み出すように構成され得る。図18A〜Dは、種々の非限定的実施形態による結合部位のパターンを示す。ある特定の実施形態において、結合部位351bの配列は、MDの「真っ直ぐな」線の応力集中を減少させるか、あるいは排除するために互い違いであってもよい。パターンの幅(「W」で示される)は変化し得る。例えば、ある特定の実施形態において、幅は、10mm未満、あるいは5mm未満、あるいは4mm未満、及びあるいは3mm未満であってもよい。いくつかのパターンは、例えば、異なる形状及び/又は断面積を有する結合部位351bを備えてもよい。他の結合部位寸法が他の実施形態で使用され得るが、一実施形態において、個々の結合部位351bは、長さ2mmかつ幅1mmであり得、一実施形態において、個々の結合部位351bは、長さ4mmかつ幅1mmであり得る。更に、個々の結合部位351bの面積は変化し得る。一実施形態において、結合面積は、4mm、あるいは、あるいは2mm、及びあるいは1.5mm以下であり得る。1平方センチメートル当たりの結合密度は、特定の適用に基づいて変化し得る。例えば、一実施形態において、1cm当たり15個の結合、あるいは1cm当たり10個の結合、及びあるいは1cm当たり10個未満の結合が存在し得る。結合密度に基づいて、相対結合面積(1ピン当たりの結合面積を乗じた結合密度)は、いくつかの実施形態では、50%以下であり得、あるいは他の実施形態では、30%以下であり得る。
【0110】
例えば、SNSウェブ及びSMNSウェブ等の不織布ウェブが機械的結合プロセス中に圧縮されるとき、任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、突起物351の真下の材料の迅速な圧縮が、それぞれの材料を急速に変形させ、かつ要素351のパターンの真下から少なくとも部分的に発現させることが考えられる。結果として、絡み合うか、あるいはさもなければ合わせた材料の構造は、不織布ウェブに機械的結合を引き起こすために、突起物の真下及び/又は周囲に形成される。種々の実施形態において、機械的結合は、接着剤、熱溶接プロセスのための熱源、又は超音波源を使用することなくもたらされ得る。
【0111】
図19は、ウェブ341及びウェブ342をともに機械的に結合して積層体345を形成する結合部位351bを例証的に示す、図17の線19−19に沿った断面図である。示される実施形態において、ウェブ341は、N繊維層432が、第1の不織布構成要素層425と第2の不織布構成要素層436との中間に位置付けられた、SNSウェブ材料であり得る。ウェブ342は、例えば、吸収性物品のトップシート、スパンボンド若しくは別のSNSウェブ、又はウェブ341の第2の部分等の任意の好適な材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ウェブ341及びウェブ342のうちの1つ又は両方は、2つのスパンボンド層に加えてメルトブローン層及びN繊維層の両方を備えるSMNSウェブを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ウェブ341、342のうちの少なくとも1つは、ポリプロピレン構成要素を備えてもよい。一実施形態において、SMNSウェブが機械的結合装置320(図15)を通過する場合、材料は、ナブ(又はピン)がメルトブローン層に力を及ぼす前にN繊維層に力を及ぼすように配向され得る。この構成は、N繊維の下層及び周囲の繊維構造への変位及びより均一な発現につながることができ、M層(又は概して、より粗い繊維層)がナブにより近接するときよりも高い結合強度をもたらす。
【0112】
図19に示されるように、結合部位351bは、下部表面351bbと、ハトメリングとして画定される結合側面351bの実質的に周辺周囲に形成されるリング376とを有し得る。ハトメリング376は、それぞれの結合部位351bを略包囲する隆起様の構造を形成するために、第1の不織布構成要素層425上に延在し得る。任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、機械的結合プロセス中に積層体341及び積層体342に印加される圧縮力は、結合中心378から結合の周囲に向かう材料流(例えば、繊維流)を引き起こし、それによって、ハトメリング376を形成することが考えられる。いくつかの実施形態では、結合中心378における結合部位351bの厚さは、50マイクロメートル未満、及びあるいは15マイクロメートル未満であり得る。前述の技術を用いた強固な結合の形成にもかかわらず、結合部位351bは、依然として全体の下部表面351bbにわたって材料バリア380を維持し得、かつ維持する。下部表面351bbにわたる材料バリア380が突破される場合、積層体345は、流体が結合部位351bに導入されるときに突破口を通って不必要に漏れ得る。
【0113】
結合部位351bと比較して、熱結合又はカレンダー結合において、接着力の大部分は、融合中心における材料の融合に由来しており、ハトメリングの形成が発生しなくてもよい。実際には、熱結合点の内部の単位面積当たりの材料の平均質量(すなわち、坪量)は、結合されていない周囲領域と略同一である。対照的に、例えば、ハトメリング376は、結合強度の大部分を機械的結合に提供することが想定され、結合中心378は、周囲領域と比較して著しく減少した坪量を有する。更に、不織布ウェブ中のN繊維層の使用は、均一性の著しい増加を提供する助けとなる。いくつかの実施形態では、局所坪量変動は、15%未満、あるいは10%未満、及びあるいは5%〜10%の範囲であり得る。
【0114】
任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、機械的結合プロセス中の性能に関して、出願者は、不織布ウェブ中のN繊維(直径1マイクロメートル未満)が、同一の坪量のSMS又はスパンボンド不織布ウェブと比較して、表面の面積ウェブを4〜5倍著しく増加させる(生産される繊維の直径に反比例して)と確信している。表面積の増加は、機械的結合プロセス中に要素パターン真下の繊維の数を増加させる役目を果たし得、エネルギーを要素パターンからより良好に分配し、かつそれをウェブにわたって分配する。加えて、N繊維の使用は、ウェブがより密に被覆することを可能にし得、比較的低い坪量変動(例えば、10%未満の局所坪量変動)を有するより均一なウェブを作成する。結果として、N繊維を組み込んだ材料は、結合部位内においてより少ない欠陥を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのN繊維層を備える機械的に結合したウェブは、0.9%未満、あるいは0.54%未満、及びあるいは0.25%未満の欠陥発生率を有し得、結合した不織布ウェブは、25gsm未満の坪量(2つのウェブ又はそれ以上のウェブの複合坪量)を有する。更に、本開示の実施形態に従って、例えば、SNSウェブ及びSMNSウェブ等のN繊維層を組み込んだウェブは、SMSウェブ等の他のウェブと比較して、略小さい結合面積を利用し得る。更に、N繊維層が使用されるとき、ウェブの所望の性能は、より低い坪量及び/又はより低いストックの高さで達成され得る。いくつかの実施形態では、結合した不織布材料は、低坪量(例えば、25gsm未満又は15gsm未満)を有し、かつ好適な欠陥発生率を有する機械的結合を達成し得る。
【0115】
図20は、図19に示される結合部位351bの断面斜視図である。示されるように、ハトメリング376は、結合部位351bの略周辺周囲に延在する。加えて、膜等の材料バリア380は、実質的に「密封」結合して結合の流体バリア特性を維持するために、結合部位351bにわたって延在する。
【0116】
前述の機械的結合技術を利用して、例えば、バリアカフは、吸収性物品に取り付けられるか、あるいはさもなければそれと統合され得る。図1、図2、図3A及び図3B、及び図5を参照して、吸収性物品10は、シャーシ47に取り付けられる一対の長手方向バリアカフ51を備え得る。シャーシ47は、例えば、トップシート20等の吸収性物品10の任意の構成要素若しくは部分、又は構成要素若しくは部分の集合であり得る。それぞれの長手方向バリアカフ51は、上述の特性を有するSNSウェブ又はSMNSウェブ等のウェブ65からなり得る。例えば、ウェブ65は、8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む第1の不織布構成要素層125と、1マイクロメートル未満の平均直径を有する繊維を含む第2の不織布構成要素層132とを備え得る。長手方向バリアカフ51の材料ウェブ65は、10%未満、あるいは8%未満、あるいは6%未満の局所坪量変動を有してもよい。実際には、出願者は、25gsm積層体の5m当たり10個未満の低欠陥率(結合発生率0.35%未満)には、SMSウェブが3%以下の更に低い局所坪量変動を有することが必要であると予測した。一実施形態において、積層体の5m当たり10個未満の結合欠陥の欠陥率(結合発生率0.35%未満)を達成するために、(それぞれ1gsmのN層及びM層を備える)13gsm以下のSNS又はSMNSウェブが、12gsm以下のスパンボンド層と合わせられるとき、6%以下の局所坪量変動を求めるのに十分である。1.5gsm〜3gsmのN層を有する13〜15gsmのSNS又はSMNSウェブ、あるいはそれぞれ12gsm〜13gsmのSNS又はSMNSウェブの2つの層の組み合わせには、10%の変動で十分であろう。長手方向バリアカフ51のそれぞれは、長手方向バリアカフ51がシャーシ47に取り付けられる長手方向の取り付け領域49を備え得る。いくつかの実施形態では、長手方向の取り付け領域49は、長手方向中心軸59に対して略平行に延在し得る(図1)。いくつかの実施形態では、取り付け領域49は、略直線状であり得るか、あるいは曲線状、又はその組み合わせであってもよい。更に、取り付け領域49は、吸収性物品に沿って実質的に連続しているか、あるいは不連続であってもよい。更に、それぞれの長手方向バリアカフ51は、長手方向遊離縁64と、取り付け領域49と遊離縁64との間に配置される複数の機械的結合68とを有してもよい。一実施形態において、複数の機械的結合68は、長手方向遊離縁64に近接して縁を形成する。例えば、複数の機械的結合68は、例えば、第1の部分ウェブ材料59をウェブ65の第2の部分61に取り付け得、縁折り畳み結合と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、機械的結合68は、ウェブ65を吸収性物品の一部分10に結合し得る。機械的結合68は、例えば、図19及び図20に示される結合部位351bと同様であり得る。機械的結合68は、例えば、トップシート20を長手方向バリアカフ51に結合し得る。更に、機械的結合68は、例えば、図18A〜18Dに示されるパターン等の任意の好適なパターン又は構成で配置され得る。
【0117】
別の実施形態では、図3Bを参照すると、吸収性物品10の長手方向バリアカフ51はそれぞれ、材料ウェブの第1の層65a及び材料ウェブの第2の層65bを備えてもよい。ウェブ材料の第1及び第2の層65a及び65bはそれぞれ、例えば、SNSウェブ又はSMNSウェブを備えてもよい。更に、示されるように、長手方向バリアカフ51は、ウェブ材料の2つの層65a及び65bを形成するために折り畳まれ得る。他の実施形態において、2つの別個の材料ウェブ65a及び65bは、長手方向バリアカフ51を形成するために、接合されるか、結合されるか、あるいはさもなければ取り付けられてもよい。長手方向バリアカフ51は、長手方向バリアカフがシャーシ47に取り付けられる長手方向の取り付け領域49と、長手方向遊離縁64とを備えてもよい。複数の機械的結合68は、材料ウェブの第1及び第2の層65a及び65bを取り付け得る。いくつかの実施形態では、複数の機械的結合68は、材料ウェブの第1及び第2の層65a及び65bのうちの少なくとも1つをシャーシ47に取り付ける。一実施形態において、複数の機械的結合68は、0.9%未満、あるいは0.5%未満、及びあるいは0.25%未満の欠陥発生率を有する。いくつかの実施形態では、複数の機械的結合68は、長手方向の取り付け領域49に沿って、又はそれに略近接して配置され得る。
【0118】
一実施形態において、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブは、ウェブの優れた特性(空気透過率、低表面張力流体裏抜け時間、坪量、及び局所坪量変動)のため、例えば、おむつのバックシート等の長手方向バリアカフ以外の吸収性物品の構成要素を備え得るか、あるいはその一部を備え得る。同様に、種々の消費者吸収性物品の任意の他の好適な部分又は他の好適な非吸収性物品若しくはその部分を備えるために、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブも使用され得る。SNSウェブ及び/又はSMNSウェブから形成されるか、あるいはそれから部分的に形成され得る非吸収性物品のいくつかの非限定的例は、消費者使い捨て水濾過成分、臭気除去のための香料放出を用いた空気清浄成分、並びに洗剤及び洗剤カプセル中の界面活性剤放出成分である。
【0119】
他の実施形態では、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブは、例えば、微多孔性若しくは微小有孔性フィルム(又はピンホールの危険性を伴うフィルム)等のフィルムで形成され、それに取り付けられ、及び/又はそれとともに使用されてもよく、例えば、おむつのバックシートとして使用されるとき等の所望の適用のためにウェブの低表面張力流体裏抜け時間を増加させる。更に他の実施形態では、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブは、疎水性溶融添加物及び/又は疎水性表面コーティングを備えるか、あるいはそれでコーティングされ得、かさねて、所望の適用のためにウェブの低表面張力流体裏抜け時間を増加させる。一実施形態において、SNSウェブ及び/又はSMNSウェブは、例えば、フィルムと、疎水性溶融添加物及び/又は疎水性表面コーティングとの両方を備え得る。フィルム、疎水性溶融添加物、及び/又は疎水性表面コーティングを有するそのようなウェブ実施形態は、例えば、おむつバックシート、生理用パッドトップシート若しくはバックシート等の任意の好適な吸収性又は非吸収性物品を備え得るか、あるいはそれらの構成要素として使用され得る。
【0120】
試験
空気透過性試験
空気透過率は、規定の圧力低下によって駆動される試験用見本を通る標準条件の空気の流速を測定することによって決定される。この試験は、不織布、孔あきフィルム等、比較的高い気体透過性を有する材料に特に適している。
【0121】
TexTest FX3300器具又は同等物を使用する(スイスのTextest AG(www.textest.ch)、又はAdvanced Testing Instruments ATI in Spartanburg SC,USAから入手可能である)。試験方法はASTM D737に従う。試験を、23±2℃及び50±5%の相対湿度の実験室環境で行う。この試験では、器具は、空気を見本に通過させる一定の差圧を見本にわたって作成する。見本を通る空気流速を、m/m/分単位で測定し、これは実際にはm/分の速度であり、3桁の有効数字で記録する。試験圧力低下を125パスカルに設定し、5cmの試験領域ヘッドを使用する。システムを操作可能にした後、1cmの挿入物を取り付ける(同様にTextest又はATIから入手可能)。関心の試料を調製し、見本を1cmのヘッド挿入部分に収まるように切り取る。操作手順に従って見本を測定した後、結果を、1cmの試験領域挿入部分と5cmのヘッドとの間の面積の差を計数して、3桁の有効数字で記録する。FX3300器具がこれを自動的に計上しない場合、それぞれの見本の結果を手動で再計算し、1cmの試験領域挿入部分と5cmのヘッドとの間の面積の差を計上することによって実際の空気透過率を反映する。この試料の10個の見本の空気透過率データの平均を計算及び報告する。
【0122】
液体の表面張力
液体の表面張力は、空気−液体界面で白金ウィルヘルミープレートに及ぼされる力を測定することによって決定される。Kruss張力計K11又は同等物を使用する(Kruss USA(www.kruss.de)から入手可能)。試験を、23±2℃及び50±5%の相対湿度の実験室環境で行う。試験液体を製造業者所定の容器内に設置し、表面張力を器具及びそのソフトウェアで記録する。
【0123】
繊維の表面張力
坪量試験
9.00cm、すなわち、幅1.0cm×長さ9.0cmの大きな断片のウェブを製品から切り取り、乾燥させ、接着剤又は粉塵のような他の材料を含まないようにしなければならない。試料を摂氏23℃(±2℃)及び約50%(±5%)の相対湿度で2時間調整して、均衡にする。切り取ったウェブ断片の重量を、0.0001gの精度を有するスケール上で測定する。結果として生じる質量を見本面積で割って、g/m(gsm)単位の結果を得る。20個の同一の製品からの特定の試料において少なくとも20個の見本で繰り返し、製品及び構成要素が十分に大きい場合、2つ以上の見本がそれぞれの製品から入手可能である。試料の例は、一袋のおむつ内の左側のおむつカフであり、10個の同一のおむつを使用して、それぞれのおむつの左側から2つの9.00cmの大きさのカフウェブの見本を切り取り、合計20個の「左側カフ不織布」見本とする。局所坪量変動試験が行われる場合、平均坪量を計算及び報告するために、それらの同一の試料及びデータを使用する。
【0124】
機械的結合欠陥発生率試験
機械的結合パターンの欠陥発生率を、5.0メートルの結合材料中の欠陥結合の百分率を決定することによって決定する。欠陥は、穴、又はスキップ、又は断裂である。穴は、有孔性であるか、あるいは結合部位材料において形成されるフィルム様の膜から失われた少なくとも0.39mmの面積と定義される。スキップは、少なくとも1.00mmの面積と定義され、意図された機械的結合部位は、フィルム様の膜を視覚的に示さない。第3の種類の欠陥である断裂は、膜の周囲が壊れた結果であり、少なくとも1.0mmの膜の周囲が裂けているか、あるいは壊れている。機械的結合ハトメ内の例の材料バリア380(又は「膜」)の図解のために、図20を参照されたい。図21は、機械的結合中の良好な機械的結合、不良であるが欠陥のない機械的結合、及び欠陥のある機械的結合の構成要素を示す。
【0125】
欠陥発生率試験
視覚的手順を用いて、2つ以上のウェブから生産されたウェブ、又は製品若しくは製品特性から切り取られるウェブから欠陥発生率を測定する。最初に、5mの不織布ウェブ又は同等の数の製品(例えば、長さ0.5mのパッドカフを有する10個の連続したおむつ)を採用し、不織布ウェブ上の結合部位のおむつの一方の側面(例えば、長手方向左側又は長手方向右側)を欠陥について検査する。結合を分裂及び損傷しないように注意し、機械的結合が2回以上機械的結合と過剰結合しなかった区分を選択する。
【0126】
結合を分裂及び損傷することなく単に切り取るだけで関心の結合を有する構成要素を除去することができない場合、接着剤を溶解するためにTHF浴を使用する等、離解のための別の方法が使用され得る。関心の結合を有する構成要素を慎重に切り取った後、追跡及び後の分析のために見本にラベルを貼る。
【0127】
それぞれの機械的結合パターンは、ある特定の反復長を有する。5mの積層体ウェブ中の目標とする合計の結合数は、5mの長さ(5000mm)に反復長当たりの結合の数(結合数/mm)を乗じることによって得られる。関心の結合パターンの機械的結合が全体のおむつの長さを延長するほど大きい場合、おむつの長さは、反復長と定義される。上述に従って、関心の試料から余分な(例として18番目の)区分を切り取り、区分が完全に延長されるように平面にその端部を貼り付け(ウェブを損傷することなく適度な力で全長になるまで手動で延長させ、しわを除去し、任意のエラストマー収縮を延長する)、黒色の薄い厚紙を貼り付けた試料の下に滑らせる。少なくとも100mmの区分にわたって結合パターンの反復長を見つけ出し、これは反復長に対して100mm未満の長さを意味し、複数の個々の反復長が選択される。図18Aの結合パターンの例として、示されるパターンの上部から下部までの長さを測定した結果200mmである場合、図18Aのパターンの反復長は、最上部上のC字形結合の上縁部から、上部からの第3のC字形結合の上縁部までであり、この例において、142mmとなるであろう。複数の形状の結合の場合でもすべての結合を計数し、この全体の反復長に加算する。18Aの例において、全体の反復長は、第1のC字形結合の上部から第3のC字形結合の上部までの142mmである。この142mmの反復長における結合の数は、16結合である。したがって、5000mmの長さの範囲内の結合の総数は、5000mmを16結合で乗じ、142mmで割って、563結合となる。
【0128】
それぞれの結合部位を、25倍の倍率の顕微鏡で試験する。レンズを、それぞれの欠陥決定テンプレート、すなわち、0.39mmの大きさの円(直径0.705+/−0.005mm)を有する穴のテンプレート、1.00mmの大きさの円(直径mm)を有するスキップのテンプレート、及び直径1.0mmの円を有する断裂のテンプレートとともに使用し、これらは接眼レンズを通して観察するときに、見本上で見ることができる。図21Bの図解を参照し、穴欠陥についてここで更に概説される。円が穴の範囲内に適合することができる場合、穴欠陥として穴を計数する(図21Bを参照のこと)。1つの結合部位を検査した後、検査される次の連続した結合は、おむつの縦方向である。
【0129】
穴は、H1、H2、H3、H4、...又はH5に分類され、それらの数は、穴を有する連続した機械的結合の数を示す。おむつの縦方向の同一の列にある連続した欠陥は、単一の欠陥として計数され、すなわち、5つの連続した穴は、1つのH5欠陥として計数される。それぞれの見本及びそれぞれの画像について、穴及びスキップの数が記録される以下のようなデータ表に、分析の結果を記録する。
【表1】

【0130】
穴について分析されていない結合形状が存在する場合、それらのためにこの工程を繰り返し、上述のようにこの結合形状の穴欠陥限度を用いて、その欠陥の数を決定する。
【0131】
スキップ不具合は、それぞれのテンプレートを用いてS1、S2、S3、S4、...又はS5として分類及び記録され、それらの数は、連続して飛ばした機械的結合の数を示す。おむつの縦方向の同一の列にある連続した欠陥は、単一の欠陥として計数され、すなわち、5つの連続したスキップは、1つのS5欠陥として計数される。断裂不具合は、それぞれのテンプレートを用いて、T1、T2、T3、T4、...又はT5として分類及び記録され、それらの数は、連続して飛ばした機械的結合の数を示す。おむつの縦方向の同一の列にある連続した欠陥は、単一の欠陥として計数され、すなわち、5つの連続した断裂は、1つのT5欠陥として計数される。すべての穴、スキップ、及び断裂の欠陥の総数を合計して、5.0mのウェブ当たりの欠陥数を得る。これを機械的結合の論理数で割り(機械的結合/cm×積層体の長さ(500cm)の数の機械的結合密度)、100%を乗じて、%単位の欠陥発生率を得る。論理数は、材料が正しく結合されているか否かにかかわらず、5mの積層体上にあるであろうすべての機械的結合を含む。
【0132】
この試験を用いた欠陥特定の図解について、図21A、図21B、及び図33A〜33Gを参照されたい。
【0133】
繊維直径及びデニール試験
ウェブの試料中の繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)及び画像分析ソフトウェアを用いることによって決定される。繊維が測定のために適切に拡大されるように、500〜10,000倍の倍率を選択する。電子ビームにおける繊維の電荷及び振動を避けるために、試料を金又はパラジウム化合物でスパッタする。手作業で繊維直径を決定する。マウス及びカーソルツールを用いて、無作為に選択された繊維の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点において繊維方向に対して垂直に)にわたって繊維の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像分析ツールは、マイクロメートル(μm)単位の実際の読取値を得るためにスケーリングを提供する。したがって、SEMを用いてウェブの試料にわたっていくつかの繊維を無作為に選択する。ウェブ(又は製品の内部のウェブ)由来の少なくとも2つの見本を切り取り、この様式で試験する。そのような測定を合計で少なくとも100回行い、すべてのデータを統計的分析のために記録する。繊維直径の平均(平均値)繊維直径、繊維直径の標準偏差、及び繊維直径の中央値を計算するために、記録したデータを使用する。別の有用な統計値は、ある特定の上限未満の繊維の集団の量の算出である。この統計値を決定するために、繊維直径のいくつの結果が上限未満であるかを計数するようにソフトウェアをプログラミングし、かつその計数値(データの総数で割り、100%を乗じた値)を、例えば、1マイクロメートル未満の直径の百分率又は%サブマイクロメートル等の上限未満の百分率として、百分率単位で報告する。
【0134】
結果をデニール単位で報告する場合、以下の計算を行う。
【0135】
デニール単位の繊維直径=断面積(m単位)×密度(kg/m単位)×9000m×1000g/kg。
【0136】
断面積は、π直径/4である。例えば、ポリプロピレンの密度は、910kg/mと考えられ得る。
【0137】
デニール単位の繊維直径を考慮して、メートル(又はマイクロメートル)単位の物理的円形繊維直径をこれらの関係から計算し、逆もまた同様である。本発明者らは、個々の円形繊維の測定された直径(マイクロメートル単位)をdと表す。
【0138】
繊維が非円形断面を有する場合、繊維直径の測定は、繊維の断面積を4倍して繊維の交差点の周囲(中空の繊維の場合は外周)で割った水力直径として計算され、かつその水力直径と等しくなるように設定される。
【0139】
繊維直径の計算
数平均直径、あるいは平均直径、
【数1】

質量平均直径は、以下のように計算される。
【数2】

(式中、
試料中の繊維は、円形/円筒形であると想定され、
は、試料中のith繊維の測定された直径であり、
∂xは、その直径が測定される繊維の無限小長手方向区分であり、試料中のすべての繊維において同一であり、
は、試料中のith繊維の質量であり、
nは、その直径が測定される試料中の繊維の数であり、
ρは、試料中の繊維の密度であり、試料中のすべての繊維において同一であり、
は、試料中のith繊維の体積である。
【数3】

【0140】
低表面張力流体裏抜け時間試験
低表面張力流体裏抜け時間試験を用いて、規定の速度で排出される低表面張力流体の所定量が、参照吸収性パッド上に設置されるウェブの試料(及び他の同等のバリア材料)に完全に浸透する時間を決定する。既定値として、これは、試験流体の表面張力の理由から、32mN/m低表面張力流体裏抜け試験とも呼ばれており、それぞれの試験を、単に相互の上に置かれた不織布試料の2つの層上で行う。
【0141】
この試験において、参照吸収性パッドは、5層のAhlstromグレード989濾紙(10cm×10cm)であり、試験流体は、32mN/m低表面張力流体である。
【0142】
範囲
この試験は、例えば、粘性の低いBM等の低表面張力流体に対するバリアを提供するように意図されるウェブの低表面張力流体裏抜け性能(秒単位)を特徴付けるように設計される。
【0143】
機器
Lister裏抜け試験装置:計装は、以下のみを例外として、EDANA ERT 153.0−02第6項に記載されるような計装である。裏抜けプレートは、60度で角度付けされた3個のスロットの星形オリフィスを有し、狭幅スロットは、長さ10.0mm及び幅1.2mmを有する。この装置は、Lenzing Instruments(Austria)及びW.Fritz Metzger Corp(USA)から入手可能である。ユニットは、100秒後にタイムアウトしないように設定される必要がある。
【0144】
参照吸収性パッド:10cm×10cmの面積のAhlstromグレード989濾紙を使用する。平均裏抜け時間は、32mN/m試験流体を用いて、ウェブ試料なしで、5層の濾紙において3.3+0.5秒である。濾紙を、Empirical Manufacturing Company,Inc.(EMC)7616 Reinhold Drive Cincinnati,OH 45237から購入することができる。
【0145】
試験流体:32mN/m表面張力流体を、蒸留水及び0.42+/−0.001g/リットルのTriton−X 100で調製する。すべての流体を周囲条件で保つ。
【0146】
電極すすぎ液体:0.9%の塩化ナトリウム(CAS 7647−14−5)水溶液(1Lの蒸留水当たり9gのNaCl)を使用する。
【0147】
試験手順
−表面張力が32mN/m+/−1mN/mであることを確認する。さもなければ、試験流体を再作製する。
【0148】
−0.9%のNaCl水性電極すすぎ液体を調製する。
【0149】
−以下のように5層を32mN/m試験流体で試験することによって、参照吸収性パッドの裏抜け目標(3.3+/−0.5秒)が満たされていることを確認する。
【0150】
−裏抜け試験装置のベースプレート上に5プライの基準吸収性パッドをきれいに積み重ねる。
【0151】
−裏抜けプレートを5プライの上に設置し、プレートの中心が紙の中心上にあることを確認する。分配漏斗の下でこのアセンブリを中央に置く。
【0152】
−裏抜け試験装置の上部のアセンブリが予め設定された停止点まで下げられていることを確認する。
【0153】
−電極がタイマーに接続されていることを確認する。
【0154】
−裏抜け試験装置を「オン」にし、タイマーをゼロにする。
【0155】
−5mLの固定容積ピペット及び先端部を用いて、5mLの32mN/m試験流体を漏斗に分配する。
【0156】
−(例えば、ユニットのボタンを押すことによって)漏斗のマグネチックバルブを開放して、5mLの試験流体を排出する。流体の最初の流れは、電気回路を完成させ、タイマーを起動する。流体が参照吸収性パッドに浸透し、かつ裏抜けプレートの電極のレベル未満に減少したときに、タイマーは停止する。
【0157】
−電子タイマーに示される時間を記録する。
【0158】
−試験アセンブリを除去し、使用した参照吸収性パッドを廃棄する。電極を0.9%のNaCl水溶液ですすいで、それらを次の試験のために「準備」する。電極の上の凹所及び裏抜けプレートの裏を乾燥させ、かつ分配器の出口オリフィス及び濾紙が置かれる下部プレート又はテーブル表面を拭き取る。
【0159】
−参照吸収性パッドの裏抜け目標が満たされていることを確認するために、この試験手順を最低3回繰り返す。目標が満たされていない場合、基準吸収性パッドのスペックがなくなっている可能性があり、使用しない。
【0160】
−参照吸収性パッド性能が検証された後に、不織布ウェブ試料を試験し得る。
【0161】
−必要数の不織布ウェブ見本を切り取る。ロールから試料採取されるウェブについて、試料を10cm×10cmに寸法決定された正方形見本に切る。製品から試料採取されるウェブについて、試料を15×15mmの正方形見本に切る。液体は、裏抜けプレートから不織布ウェブ見本上を流動する。不織布ウェブ見本の縁部のみに触れる。
【0162】
−裏抜け試験装置のベースプレート上に5層の参照吸収性パッドをきれいに積み重ねる。
【0163】
−不織布ウェブ見本を5層の濾紙の上に設置する。2層の不織布ウェブ見本をこの試験方法で使用する。不織布ウェブ試料に側面がつけられる(すなわち、どの側面が特定の方向に向くかに基づいて異なる層構成を有する)場合、(吸収性製品に対して)着用者に向かう側面は、本試験において上方を向く。
【0164】
−裏抜けプレートを不織布ウェブ見本上に設置し、裏抜けプレートの中心が不織布ウェブ見本の上にあることを確認する。分配漏斗の下でこのアセンブリを中央に置く。
【0165】
−裏抜け試験装置の上部のアセンブリが予め設定された停止点まで下げられていることを確認する。
【0166】
−電極がタイマーに接続されていることを確認する。裏抜け試験装置を「オン」にし、タイマーをゼロにする。
【0167】
−上述のように起動する。
【0168】
−必要数の不織布ウェブ見本に対してこの手順を繰り返す。それぞれの異なる不織布ウェブ試料の最低5個の見本が必要とされる。平均値は、秒単位の32mN/m低表面張力裏抜け時間である。
【0169】
35mN/m低表面張力流体裏抜け試験
この試験を、2つだけ例外として上述のように行う。第1に、試験を、不織布ウェブ試料の1つの層で行う。第2に、試験流体は、35mN/mの表面張力を有する。試験流体を、2割合の32mN/m流体と5割合の脱イオン水を混合することによって作成する。試験する前に、流体の実際の表面張力を調べる必要があり、35+/−1mN/mであることを確認する。この流体が35+/−1mN/mでない場合、廃棄し、別の流体を調製する。
【0170】
局所坪量変動試験
目的
局所坪量変動試験は、多数の不織布ウェブ全体を通して9cm面積の質量分布の変動性を測定することを目的とする。局所坪量変動パラメーターは、不織布ウェブにわたる望ましい均一性の欠如を説明する。例えば、バリア特性、強度、及び結合等の多くの他の性質の一貫性に役立つため、より小さい局所坪量変動が望ましい。
【0171】
原理
1cm×9cm面積の不織布ウェブ試料の質量を測定し、分析して、ウェブ生産のロット全体を通して局所坪量変動(すなわち、質量分布)を決定する。関心のロット、又はそのロットの一部分のすべての個々のデータを標準偏差及び平均値として分析し、その後、商を求めて局所坪量変動を得る。つまり、これは、小面積の坪量分布の相対標準偏差(RSD)又は変動係数(COV)をもたらす。
【0172】
−それぞれの複製物の質量が規定のスケール上で十分な桁数及び精度で測定され得るように、それぞれの複製物につき1cm×9cmの寸法を選択した。
【0173】
−質量をグラム単位で測定する。
【0174】
−坪量(Grammage)及び坪量(basisweight)は同義であり、g/m(gsmとも表記される)単位で測定される。
【0175】
−不織布ウェブの試料を機械方向に採取する(ウェブは、見本に切り分けることができるように、少なくとも1cm幅である必要がある)。
【0176】
機器
−0.0001gの感度を有するスケール(あるいは、0.00001gの感度又は目標坪量の0.1%以内の精度を有するスケール)(例えば、1cm×9cm面積中の13gsmは、0.0117gであり、この質量の0.1%は0.00001gである)。
【0177】
−容易な試料除去のために任意で軟質の発泡体を有する、1.0cm×9.0cm又は9cm面積の矩形切り口を有するダイ。ダイ面積は、約0.05mm以内の辺長である必要がある。
【0178】
−水圧プレス:不織布ウェブ試料をダイで打ち抜くために、水圧プレスを使用する。
【0179】
試験手順
サンプリング:
−定義された不織布ウェブ試料の局所坪量変動にアクセスするために、少なくとも40個のデータ点が必要とされる。これらのデータ点は、不織布ウェブ試料全体を通して均等にサンプリングされる。
【0180】
−試験用見本は、しわがなく、粉塵又は接着剤等の汚染物質が存在してはならない。
【0181】
条件付け:
−通常の実験室条件(50+/−5%の相対湿度及び摂氏23+/−2℃)で、きれいな乾燥した不織布ウェブ試料のみを使用する。
【0182】
手順:
−複製物を準備したダイ9cm及び水圧プレスで切断する。1つの層を切断する。切断後の容易な除去のために、裁板と試料との間に紙を入れてもよい。
【0183】
−スケールが正確にゼロ(0.0000g)を読み取ることを確認するか、あるいはスケールを0.0000gに風袋計量する。
【0184】
−切断した複製物を、スケール上で四捨五入して0.0001g単位で(あるいは、四捨五入して0.00001g単位で)測定する。
【0185】
−ロット、不織布ウェブ試料、複製物、及び結果を記録する。
【0186】
−すべての選択された複製物において上述の工程を続ける。
【0187】
吸収性物品(例えば、おむつ)について分析されるとき、同一の製品を使用し、好ましくは1つの袋、パッケージ、又は箱内の連続したおむつを試験する。右又は左のバリアレッグカフのいずれかを、試料として選択することができる。この説明のために、右のバリアレッグカフを選択したことを想定する。
【0188】
−バリアレッグカフを吸収性物品から注意深く切り取り、カフに順次的に番号付けする(例えば、吸収性物品の右のバリアレッグカフ1)。袋、パッケージ、又は箱内の残りの吸収性物品においても同様に続ける。
【0189】
−吸収性物品1から切り取ったバリアレッグカフを発端に、バリアレッグカフを一枚の厚紙又はプラスチックシートに固定し(貼り付け)、切り口(1cm×9cm)を有するダイをバリアカフ上に置き、見本を切断する。十分な試料の長さが残っている場合、バリアカフから出た更に2個又は3個の見本において、更に1回又は2回この手順を繰り返す。
【0190】
−切り取った部分を四捨五入して0.0001g単位で秤量し、結果を記録する。
【0191】
−他の吸収性物品の他の切り取った右側のバリアレッグカフで続けていき、1cm×9cmの寸法の断片に切断されたダイの質量を測定し、データを記録する。
【0192】
−吸収性物品の右側のバリアカフが40個のデータ点で特徴付けられるまで、この手順を必要な数の吸収性物品、必要に応じて、数袋の吸収性物品において繰り返す。吸収性物品のパッケージが、典型的には、20個を超える吸収性物品を保持するため、それぞれの試料パッケージの吸収性物品において、片側(この場合、右側)当たり40個以上の複製物を切断かつ測定することが可能である。
【0193】
すべての手順を製品の反対側(この場合、左側)で繰り返す。それぞれの側の局所坪量変動を計算しなくてはならない。
【0194】
計算
−不織布ウェブ試料の平均重量を計算する(40個の個々の複製物)。
【0195】
−不織布ウェブ試料の標準偏差を計算する。
【0196】
−局所坪量変動を計算する(標準偏差/平均重量)。
【0197】
報告
局所坪量変動性を四捨五入して小数点第一位単位0.1%で報告し、例えば、7.329%は7.3%になる。
【0198】
流体の表面張力測定
測定を、DataPhysics Instrument GmbHのビデオベースの光学接触角測定デバイスOCA 20、又は同等物で行う。試験する液体で注射器を充填する前に、きれいなグラス注射器及び投与針(1.65〜3.05mm寸法)を選択し、気泡を注射器/針から除去し、注射器、投与針、及びステージの位置を調整し、既知の体積の試験液体の液滴が、投与針の下端部で形成される。液滴の形状を、ソフトウェアSCA20を用いて検出し、表面張力をYoung−Laplaceの方程式に従って計算する。測定を、閉鎖フード内の耐振動性テーブル上で実行する。
【0199】
Sessile Drop Techniqueに従って、この器具を用いて繊維の表面エネルギーも決定する。
【0200】
厚さ又はキャリパー試験
直径15mmの1フィートを500パスカル(すなわち、0.0884Nの力)で押し下げた状態で、厚さ試験をEDANA 30.5−99標準の手順に従って行う。試験を開始し、5秒間待って結果を安定させ、結果を四捨五入して0.01mmのミリメートル単位で記録する。試料分析は、利用可能な試料全体に広がる異なる位置から少なくとも20個の測定結果を含むべきである。
【0201】
孔寸法分布試験
不織布ウェブ試料の孔寸法分布を、Porous Materials,Inc.の毛細管流動ポロメータAPP 1500 AEXi、又は同等物で測定する。利用可能な清浄な乾燥した空気供給の圧力は、0.08マイクロメートルに至るまでの孔を検出することができるように、少なくとも0.69MPa(100psi)でなければならない。不織布ウェブ試料を最初に切断し、15.9mN/mの表面張力で低表面張力流体、すなわちGalwickに完全に浸す。不織布ウェブ試料の寸法は、直径7mmである。浸した不織布ウェブ試料を装置の試料チャンバ内に設置し、その後、チャンバを密封する。自動測定サイクルの開始時、ガスは、不織布ウェブ試料の後ろの試料チャンバ内に流れ、その後、ガス圧力は、不織布ウェブ試料中の最大直径を有する孔において流体の毛細管作用を打開するのに十分な値まで、コンピュータを介して緩徐に増加する。これが、バブルポイントである。チャンバ内の圧力は、わずかな増分で更に増加し、不織布ウェブ試料中の孔のすべてから低表面張力流体がなくなるまで測定されるガスの流れをもたらす。ガス流れ対圧力のデータは、「湿潤曲線」を表す。曲線が直線的に上昇し続けるとき、試料は、乾燥している(すなわち、孔には低表面張力流体がない)と見なされる。次に、圧力は、「乾燥曲線」を産生する工程において減少する。「湿潤」曲線と「乾燥」曲線の関係から、コンピュータは、多孔質媒体分野の当業者に既知であるように、平均流動孔径と、試験範囲にわたる孔径のヒストグラム(例えば、より高いガス圧力で、約0.08マイクロメートル又はそれ以下に至るまでのバブルポイント)とを含む孔パラメーターを計算する。
【0202】
毛細管流動ポロメータを用いた試験手順のいくつかのキーパラメーターは、以下の通りである:試験流体は、15.9mN/mの表面張力を有するGalwickであり、試験領域開口部寸法は、7mmであり、ねじれパラメーターは、1に設定される。器具の他のパラメーターは、最大流動:100,000cc/分、バブル流3cc/分、F/PTパラメーター1000、ゼロ時間2秒、v2ncr 25cts3、preginc 25cts50、パルス遅延0、maxpres 1バール、パルス幅0.2、mineqtime 10、presslew 10cts3、flowslew 30cts3、equiter 100.1、aveiter 100.1、最大圧デフ0.01バール、最大流動デフ40cc/分、始動圧0.1バール、及び始動流500cc/分に設定される。
【0203】
不織布引張強度(CD単位)
WSP 110.4(05)Bに従って、Instron MTS 3300引張試験装置、又は同等物を用いて不織布引張強度(CD単位)を測定する。不織布ウェブ試料は15mm×50mmであり、50mmはおむつ製品の長さに沿った長さである。試料幅は50mmであり、ゲージ長は5mmであり、その5mmはそれぞれの試料クランプ内に設置される。試験速度は100mm/分である。試料が壊れるまで応力ひずみ曲線を測定する。不織布引張強度を、観察された曲線の最大応力値と定義する。
【0204】
結合剥離強度
結合剥離強度を、バリアレッグカフ及びトップシートの2つの結合した層を長手方向に分離するために必要とされる力と定義する。試験を、MTS 3300引張試験装置又は同等物を用いて測定する。15mm×170mmの不織布積層体見本を、製品から除去する。バリアレッグカフ層からトップシートを手動で剥離することによって最後の20mmに自由端を作成し、したがって、カフフェイス及びトップシートフェイスを有する自由端を得る。試験速度は305mm/分である。見本を、機械的結合欠陥発生率試験において説明される製品から得る。
【0205】
手順
−見本のバリアレッグカフ層の自由端を、顎部の上縁部に対して垂直の試料の軸長さを有する下方顎部に挿入し、その顎部を閉鎖する。見本を上方顎部と下方顎部との間に整列させる。見本のトップシート層の自由端を、顎部の下縁部に対して垂直な試料の軸長さを有する上方顎部に挿入し、その顎部を、任意の緩みを取り除くのに十分な張力であるが、ロードセル上で5グラム未満の力で閉鎖する。見本を装填した後に器具をゼロにしない。
【0206】
−製造業者の説明書で説明されるように、引張試験装置及びデータ収集デバイスを同時に始動する。
【0207】
−見本をクランプから除去し、次の見本に備えてクロスヘッドを開始位置に戻す。
【0208】
断裂が試験中に起こった場合、別の見本を試料の同一の一般領域から切断する。断裂がこの第2の見本の試験中に同様に起こる場合、見本の結合強度を「全体の結合」として記録する。
【0209】
−最初の2.5cmの剥離部の結果は考慮しない。引張試験装置がコンピュータインターフェース接続される場合、プログラムを設定して、見本の平均剥離力をグラム単位で計算する。
【実施例】
【0210】
(実施例1)
この実施例において、第2の不織布構成要素層132は、以下の表1Aに示される、繊維直径(本明細書で説明される繊維直径及びデニール試験によって測定される)、多分散性、繊維直径範囲(最小〜最大の測定)、及びサブマイクロメートル直径繊維の量(1マイクロメートル未満)を有するN繊維を含む。
【表2】

【0211】
比較実施例1:不織布構成要素層は、以下の表1Bに示される、繊維直径(本明細書で説明される繊維直径及びデニール試験によって測定される)、多分散性、繊維直径範囲(最小〜最大の測定)、及びサブマイクロメートル直径繊維の量(1マイクロメートル未満)を有するメルトブローン繊維を含む。
【表3】

【0212】
表1Bにおいて、番号M1〜M3で識別される試料は、超微細のメルトブローン繊維を表し、番号M4〜M7で識別される試料は、微細のメルトブローン繊維を表し、番号M8〜M11で識別される試料は、中程度のメルトブローン繊維を表す。
【0213】
表1A及び表1Bで説明されるデータは、図22〜25に示される表1A及び1Bに示される数平均直径及び質量平均直径値を、図22〜25において、繊維直径分布に対して統計的に適合した曲線上に示す。図22は、N繊維試料N1の繊維直径分布を、超微細メルトブローン繊維試料M1の繊維直径分布と比較する。同様に、図23は、N繊維試料N1〜N4の繊維直径分布を、超微細メルトブローン繊維試料M1〜M3の繊維直径分布と比較する。N繊維と超微細メルトブローン繊維との比較は、超微細メルトブローン繊維試料が著しい数の1マイクロメートル未満の直径を有する繊維(少なくとも80%)を備えるが、1マイクロメートルを超える直径(最大8.4マイクロメートル)を有する有限数の繊維(約6%〜20%)も備えることを示し、大きな直径側にロングテールを持つ繊維分布を形成する。繊維分布の大きな直径側のロングテールは、2.39〜4.91の多分散性比に加えて、1.64〜2.99の質量平均直径によってよく描写されている。図24及び図25は、それぞれ、N繊維試料N1〜N4の繊維直径分布を、微細及び中程度の寸法のメルトブローン繊維試料と比較する。メルトブローン繊維試料を、図24及び図25において分類する。図24及び図25、並びに表1Bにおけるメルトブローン試料の繊維直径分布は、サブマイクロメートル(<1マイクロメートル)〜最大12マイクロメートルの繊維直径を示し、大きい繊維直径端部上にロングテールを有する著しく幅広い繊維分布を作製する。表1Bに列記される測定した試料中に大きい直径繊維(大きい繊維直径端部上の繊維分布のロングテールによって図示される)が存在するため、測定したすべてのメルトブローン試料の質量平均及び数平均直径の両方ともに、分布テール上に位置し、質量平均直径は、約1を超え、標準偏差は、数平均直径を超える。相対的に、N繊維は、測定した試料中に非常に少数の大きい直径の繊維を有する。したがって、N繊維の繊維直径分布は、ショートテールを有し、数平均及び質量平均直径の両方ともに、繊維分布の中心に向かう傾向があり、約1以内の数平均直径の標準偏差である。
【0214】
(実施例2A)
この実施例において、不織布ウェブ材料A−iの種々の試料を試験する。それらの種々の特性を表2Aに表示する。試料G−iは、本開示の不織布ウェブ材料の実施形態であり、一方で、SMS試料A〜Fは、単に比較目的のために提供される。種々の試料の低表面張力流体裏抜け時間は、(グラフにより良好なスケールを提供する試料Jを除いて)図26でグラフ上で示される。図26で見ることができるように、本開示の試料G〜Iの低表面張力流体裏抜け時間は、SMSウェブが疎水性コーティングでコーティングされるときでさえ、SMS試料A〜Fよりも著しく長い(SMS試料D〜Fを参照のこと)。低表面張力流体裏抜け値を、それぞれの試料の2つの層及び32mN/m低表面張力流体を用いて決定する。
【表4】

【0215】
(実施例2B)
この実施例において、不織布ウェブ材料A〜I(実施例2Aと同一)の種々の試料を試験する。それらの種々の特性を表2Bに表示する。試料G〜Iは、本開示の不織布ウェブ材料の実施形態であり、一方で、SMS試料A〜Fは、単に比較目的のために提供される。種々の試料の低表面張力流体裏抜け時間を、図27において、それらの数平均直径(マイクロメートル)に対してプロットする。図27に示されるように、低表面張力流体裏抜け時間は、試料中の繊維のより小さい数平均直径に基づいて増加する。低表面張力流体裏抜け値を、それぞれの試料の2つの層及び32mN/m低表面張力流体を用いて決定する。
【表5】

【0216】
(実施例2C)
この実施例において、本開示のSMNS不織布ウェブの側面性(すなわち、メルトブローン層又はN繊維層が低表面張力流体源により近位して位置付けられる層)を、SMNSウェブの低表面張力流体裏抜け時間に対して示す。図28を参照して、左側のデータにおいて、メルトブローン層(すなわち、第4の不織布構成要素層)は、SMNSウェブ試料のN繊維層よりも低表面張力流体に近位して位置付けられた。右側のデータにおいて、N繊維層(すなわち、第2の不織布構成要素層)は、SMNS試料のメルトブローン層よりも低表面張力流体に近位して位置付けられた。図28に示されるように、N繊維層が流体源により近接して位置付けられるとき、SMNSウェブは、より長い低表面張力流体裏抜け時間を提供する。
【0217】
以下の表2Cを参照して、SMNSウェブの単層を、35mN/m低表面張力流体裏抜け試験を用いて試験する。
【表6】

【0218】
単層SMNSウェブは、13gsmの坪量を有する(より具体的には、実施例2A及び2Bの試料Iを参照のこと)。この実施例2Cにおける変動は、SMNS材料のどの側面が流体源に対向しているかである(すなわち、材料が流体−SMNS又は流体−SNMSで位置付けらているか)。図28の左側のデータセットでは、試料が流体−SMNSに位置付けられており、図28の右側のデータセットでは、流体−SNMSに位置付けられている。
【0219】
統計分析は、N層が低表面張力流体源に最も近位して位置付けられるとき、より大きい低表面張力流体裏抜け時間(89%の確実性を有する)の統計的に有意な利益が提供されることを示す。したがって、一実施形態において、SMNSウェブを流体浸透に対するバリアとして用いる本開示の吸収性物品は、吸収性物品の着用者に向かって内側に対向するSMNSウェブ(すなわち、着用者−SNMS)のN層を有し得る。この概念は図3Aに示され、長手方向バリアカフ51のN層は、M−層よりも長手方向中心軸59に近位して位置付けられる。
【0220】
(実施例2D)
この実施例において、不織布ウェブの単層を、35mN/m低表面張力流体裏抜け試験を用いて試験する。表2Dは、いくつかの比較試料(SMS)及び本開示のSMNSウェブの試料の結果を示す。
【表7】

【0221】
この表の第1の試料は、実施例2A及び2Bの試料Aに等しい。第2の試料は、実施例2A及び2Bの試料Bと同様であるが、より少ない全体の坪量(すなわち、より少ないスパンボンド坪量)を有し、試料Bのメルトブローン層の繊維直径は、2〜3マイクロメートルの数平均直径及び約4マイクロメートルの質量平均直径を有する。表2Dの第3の試料は、実施例2A及び2Bの試料Dであり、Catalanの米国特許公開第2006/0189956号A1に従って、以下の様式において疎水性表面添加物でコーティングされる。ビニル終端PDMS(SM3200としてMomentiveから市販されている)及びメチル水素PDMS(SM3010としてMomentiveから市販されている)の3%溶液を調製し、30分間混合する。SMSウェブを溶液に浸し、少なくとも約400μg/gの水性シリコーン混合物がSMSウェブ上に配置されるように、余分な液体を絞り出す。次に、SMSウェブを対流オーブン内で、120℃で1分間乾燥させ、その後、冷却し、SMSウェブを試験する準備が整うまで、乾燥したきれいな場所に保管する。SMSウェブの増量(すなわち、1平方メートル当たりの乾燥したコーティングの量)は、1%未満である必要がある。表2Dの第4の試料は、実施例2A及び2Bの試料である。
【0222】
図29及び図30を参照すると、試料Iは、SMS試料(表2Dの最初の3つの試料)と比較して、低表面張力流体裏抜け時間において驚くほどに大きい利点を示し、この単層の35mN/m低表面張力流体裏抜け試験において、疎水性コーティングされたSMSの性能の中程を超える。SMNS試料(試料I)は、他のSMS試料(表2Dの最初の3つの試料)のうちのいずれかよりも少ない総坪量を有し、より大きい接触角を提供するために、20mN/mの低い表面エネルギーを有するPDMSコーティングの利点を有しない。そのような低坪量及びそのような少ない細繊維坪量を有し、かつ疎水性化学的修飾を有しなくとも、試料Iは、依然として、非常に長い低表面張力流体裏抜け時間(例えば、150秒を超えるか、あるいは更には200秒を超える)をもたらすことができる。
【0223】
(実施例3)
この実施例において、実施例2AのSMS試料A及びBの孔寸法分布を、実施例2AのSNS試料G及びSMNS試料Iと比較する。最細繊維層としてN繊維を含む試料G及びIの実施形態の孔寸法分布は著しく異なり、図31に示されるように、最細繊維層としてメルトブローン繊維を含むSMS試料A及びBよりもはるかに幅狭である。すべての試料の孔寸法分布は、細繊維及びスパンボンド層に一致する成分分布の混合物に統計的に適合しており(図31において点線で示される)、最大の孔は、繊維直径が細繊維よりも大きいため、スパンボンド層に一致する。最大モードが厚いスパンボンド繊維の最大周波数に一致する一方で、最小モードは、細繊維の最大周波数に一致し、中程度のモード(試料A、B、及びI)は、中程度の寸法の繊維の最大周波数に一致する。孔寸法分布を説明する最小モード値、平均流れ、及びバブルポイント孔径は、それらのそれぞれの坪量、繊維寸法分布、低表面張力流体裏抜け時間、及び空気透過率値に加えて、試料A、B、G、及びIにおいて以下の表3に列記される。最小モード直径によって阻止される流れの百分率は、最小モード直径に相当する圧力で、「湿潤流れ」及び「乾燥流れ」曲線(孔寸法分布試験において説明される)の交点から計算される。表3は、平均流動孔径が質量平均直径と相関することも示す。加えて、低表面張力流体裏抜け時間及び空気透過率は、平均流れ及び最小モード孔径と相関する。明確には、本開示の試料G及びIは、SMS試料A及びBと比較して、著しく小さい孔及び著しく長い低表面張力流体裏抜け時間を有する。
【表8】

【0224】
驚いたことに、平均流動孔径は、12秒を超える低表面張力流体裏抜け時間を得るために、バブルポイントよりも重要であるように見え、3gsm以下(すなわち、1マイクロメートル未満)の細繊維を有する処理されていない(疎水性添加物のない)不織布ウェブは、15gsm以下の坪量を有する。したがって、一実施形態において、15マイクロメートル以下、あるいは12マイクロメートル以下、あるいは10マイクロメートル以下の平均流動孔径が提供される。通気性のために、1マイクロメートル超、あるいは3マイクロメートル超、及びあるいは5マイクロメートル超の平均流動孔径が提供される。
【0225】
(実施例4)
この実施例において、種々の不織布ウェブの機械的結合を、900mm試料の坪量変動係数(COV)を用いて評価する。同一の材料の5mの試料を、3.5バールの縁結合パターン及び約300m/分の線速度を用いて、ドッキングステーション内の12gsmのトップシートに結合させる。ウェブ材料の種々の試料BLC1〜BLC6を試験する。それらの種々の特性を表4に表示する。
【表9】

【0226】
機械的結合欠陥を、以下の基準を用いて特徴付ける:
「穴」:結合面積において、少なくとも0.39mmの寸法を有する開口(穴欠陥限度)。穴不具合は、H1、H2、H3、H4、又はH5に分類され、それらの数は、穴を有する連続した機械的結合の数を示す。連続した欠陥を、単一の欠陥として計数し、すなわち、5つの穴を1つのH5欠陥として計数する。
【0227】
「スキップ」:少なくとも1.00mmの面積を飛ばした機械的結合(スキップ欠陥限度)。スキップ不具合は、S1、S2、S3、S4、...又はS5として分類され、それらの数は、連続して飛ばした機械的結合の数を示す。連続した欠陥を、単一の欠陥として計数し、すなわち、5つのスキップを1つのS5欠陥として計数する。
【0228】
「断裂」:ハトメリングの1.0mm以上の周囲が裂けた、周囲の断裂(断裂欠陥限度)。断裂不具合は、T1、T2、T3、T4、...又はT5として分類され、それらの数は、連続して飛ばした機械的結合の数を示す。連続した欠陥を、単一の欠陥として計数し、すなわち、5つの断裂を1つのT5欠陥として計数する。
【0229】
それぞれの種類の欠陥の総数を合計した。
【0230】
SSMMMS 13gsm(試料BLC1)バリアレッグカフが、機械的結合欠陥の数において著しい増加を示すことに留意する。BLC1、BLC2、BLC3、及びBLC4の線適合の線形フィットの外挿は、0.03(3%)の坪量COVでBLC6の水平線との交点につながる。したがって、0.03の坪量COV(局所坪量変動)は、13gsmのバリアレッグカフを用いるときに15gsmのバリアレッグカフにおいて見出される現在のレベルの欠陥に達するために必要とされるであろう。
【0231】
図32は、坪量COVの関数としての表32の試料BLC1〜BLC6の結合欠陥の図解である。線BLC6は、現在の15gsmのバリアレッグカフにおいて観察される坪量COV値の範囲にわたって観測される欠陥の平均数を表す。以前の製造業者の試みは、坪量均一性がメルトブローン坪量の量の増加を経て増加し得ることを示した。結果は、13gsmのバリアレッグカフが0.03の坪量COV値を達成することができた場合、15gsmのバリアレッグカフにおいて観察される現在のレベルの結合欠陥及び結合強度に達することが理論的に可能であろうことを示唆する。
【0232】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、そのような各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0233】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は権利請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組合せにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。
【0234】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体下部周囲に着用される吸収性物品であって、前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアを含むシャーシと、前記シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフと、を有し、それぞれの長手方向バリアカフが、材料ウェブから形成され、前記材料ウェブが、
8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む、第1の不織布構成要素層と、
1マイクロメートル未満の数平均直径と、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径と、約2未満の前記数平均直径に対する前記質量平均直径の比率と、を有する繊維を含む、第2の不織布構成要素層と、を備えることを特徴とし、
前記材料ウェブが、10%未満、好ましくは7%未満の局所坪量変動を有し、
前記長手方向バリアカフのそれぞれが、
前記長手方向バリアカフが前記シャーシに取り付けられる、長手方向の取り付け領域と、
長手方向遊離縁と、
前記長手方向の取り付け領域と前記遊離縁との間に配置される、複数の機械的結合であって、
前記材料ウェブの第1の部分から前記材料ウェブの第2の部分への取り付け、及び
前記材料ウェブから前記吸収性物品の一部分への取り付け、のうちの1つを行う、複数の機械的結合と、を更に備える、吸収性物品。
【請求項2】
前記一対の長手方向バリアカフのそれぞれが、弾性材料を備え、前記弾性材料が、前記複数の機械的結合と前記長手方向遊離縁との少なくとも部分的に中間に配置される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記複数の機械的結合のそれぞれが、4mm未満、好ましくは2mm未満の面積を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記複数の機械的結合のそれぞれの周辺周囲に形成されるハトメリングを更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記材料ウェブが、
8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む、第3の不織布構成要素層と、
1マイクロメートル〜8マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む、第4の不織布構成要素層と、を備え、
前記第2及び第4の不織布構成要素層が、前記第1の不織布構成要素層と前記第3の不織布構成要素層との中間に配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記材料ウェブが、少なくとも約20m/m/分の空気透過率を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記材料ウェブの前記低表面張力流体裏抜け時間が、少なくとも約19秒間である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
胴体下部周囲に着用される吸収性物品であって、前記吸収性物品が、トップシート、バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアを含むシャーシと、前記シャーシに取り付けられる一対の長手方向バリアカフと、を有し、それぞれの長手方向バリアカフが、第1の層及び第2の層からなり、前記第1の層及び第2の層が、約30gsm未満の複合坪量を有し、前記第1及び第2の層がそれぞれ、それらのそれぞれが、
8マイクロメートル〜30マイクロメートルの範囲の平均直径を有する繊維を含む、第1の不織布構成要素層と、
1マイクロメートル未満の数平均直径と、1.5マイクロメートル未満の質量平均直径と、2未満の前記数平均直径に対する前記質量平均直径の比率と、を有する繊維を含む、第2の不織布構成要素層と、を備えることを特徴とする材料ウェブであり、
前記長手方向バリアカフのうちの少なくとも1つが、
前記長手方向バリアカフが前記シャーシに取り付けられる、長手方向の取り付け領域と、
長手方向遊離縁と、
複数の機械的結合であって、前記第1及び第2の層を結合し、かつ0.9%未満の欠陥発生率を有する、複数の機械的結合と、を備える、吸収性物品。
【請求項9】
前記複数の機械的結合が、前記長手方向の取り付け領域に沿って配置され、かつ0.54%未満の欠陥発生率を有し、前記第1の層及び第2の層が、25gsm未満の複合坪量を有する、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記複数の機械的結合が、前記第1及び第2の層のうちの少なくとも1つを、前記吸収性物品の一部分に取り付ける、請求項8に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3A−1】
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【図3A−2】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図33D】
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【図33E】
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【図33F】
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【図33G】
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【公表番号】特表2013−518700(P2013−518700A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552992(P2012−552992)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2011/024329
【国際公開番号】WO2011/100414
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】