説明

結合材料

超音波源から表面に超音波を伝導する固体結合材料であって、前記表面との接触及び前記超音波源との接触を最大にし、前記表面及び当該材料の間の接触面と前記超音波源及び当該材料の間の接触面とのエアギャップが最小になるまたはなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面、特に患者の皮膚の表面に超音波源からの超音波を伝導するための固体結合材料に関する。また、本発明は、このような音響結合材料を含む超音波装置に関する。また、本発明は、超音波源を表面に結合する方法に関する。また、本発明は、超音波で患者を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途における超音波の使用は、十分に文書化されている。骨折の治療における超音波の使用もよく知られている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0003】
「結合ゲル(coupling gel)」を使用して、患者の皮膚に超音波変換器を結合することが知られている。これらの流体結合ゲルは、水性材料であることが多い。これらのゲルは、変換器と皮膚との接触面からいかなる空気も排除し、超音波を自由に伝達することができる。大抵の超音波用途において、変換器を皮膚表面上で移動させる必要があるときに、流体ゲルは有利である。ゲルの流体性質は、ゲルの用途品を付着すると著しく汚れるおそれがある。
【0004】
主に緩衝用に使用される固体ゲルが知られている。これらは通常、内部に鉱油を含有する熱可塑性エラストマーで構成されている。これらの材料は、高い圧力を加えると、微量の鉱油を「染み出させる(weep)」ことができる。したがって、これらの材料は本質的に乾いた表面を有する。
【特許文献1】米国特許第4530360号
【特許文献2】米国特許第5520612号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、清潔であり(表面に付着されたときに汚さない)、接触面に妨害されずに超音波を表面に伝導させることができるように、超音波変換器を表面に十分に結合可能にする固体結合材料を提供することを目的とする。例えば、超音波変換器を患者の皮膚に十分に結合させることができ、その結果、治療用超音波信号が接触面に妨害されずに人体に進入することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の形態によれば、超音波源から表面に超音波を伝導するための固体結合材料が提供され、この材料によって、表面及び材料の間の接触面と、超音波源及び材料の間の接触面とのエアギャップが最小またはなくなるように、表面との接触及び超音波源との接触を最大にする。
【0007】
結合材料の固体性質は、既知の流体ゲルと比較して清潔である点で有利である。表面と材料の間の接触面のエアギャップが最小またはなくなるように、表面との接触を最大にすることによって、超音波信号が妨害されずに表面に伝達される。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、表面は、例えば患者の皮膚表面である。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、材料は表面の形状に合わせ、これにより表面との接触を最大にすることができるように変形可能である。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、材料は流体を含む。
【0011】
好ましくは、流体は、表面の接触を最大にする流体層を形成するように材料から滲出する。
【0012】
好ましくは、流体は、軽度/最小限の圧力が材料に加えられると、膜または層が表面をすぐに濡らすように十分に可動性がある。これにより生じる流体膜または層は、材料が表面上及び変換器上に押し付けられたとき、超音波の良好な経路を確保する。
【0013】
流体の分子量を減少させることにより、流体を十分に可動性にすることができる。適切な組成物を選択することにより、流体を十分に可動性にすることができる。
【0014】
流体は、水を含んでもよい。流体は、水溶液を含んでもよい。
【0015】
流体は、少なくとも1つの有機液体を含んでもよい。流体は、少なくとも1つの炭化水素液体を含んでもよい。流体は、少なくとも1つの油を含んでもよい。流体は、少なくとも1つのアルカンを含んでもよい。この少なくとも1つのアルカンは、C〜C12アルカン、好ましくはC〜C10アルカンであってもよい。
【0016】
本発明のこれらの実施形態であって材料が流体を含む実施形態において、好ましくは、材料は、本質的に濡れた表面を有する。
【0017】
流体は、材料の総重量の約5〜95%を形成してもよい。流体は、材料の総重量の約10〜95%を形成してもよい。流体は、材料の総重量の約25〜95%を形成してもよい。流体は、材料の総重量の約45〜95%を形成してもよい。流体は、材料の総重量の約65〜95%を形成してもよい。好ましくは、流体は、材料の総重量の約75〜95%を形成してもよい。より好ましくは、流体は、材料の総重量の約80〜90%を形成してもよい。
【0018】
流体は、材料全体に均一に分布されてもよい。流体は、主に材料の表面にまたはその近傍に配置されてよい。
【0019】
流体は、例えば加湿特性など有益/治療上有用な特性を有してもよい。流体は、皮膚表面に吸収されてもよい。これはまた、汚れを防止に役立つ。
【0020】
流体は、元来材料内に存在してもよく、または人工的手段によって材料に含ませてもよい。材料は、既知の手段のいずれかによって製造されてもよい。
【0021】
実際に滲出する流体は、様々な特定の流体、溶液及び/または流体/溶液の混合物であってもよい。好適には、流体は、透明であってもよい。流体は、不快な臭気を有していないことが好ましい。
【0022】
材料による流体の滲出は、超音波を印加することにより生じさせることができる。材料による流体の滲出は、例えば患者の皮膚に対して材料を押し付けるなど、圧力を加えることによって生じさせることができる。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、材料は変換器に装着されてもよい。他の実施形態において、材料は必ずしも変換器に装着されなくてもよい。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、材料は、超音波伝導材料として十分に作用するのに十分な流体を滲出できないことを示す表示手段を有してもよい。
【0025】
この表示手段は、色の変化としてもよい。例えば、本発明の特定の実施形態において、ある色から別の色に変化することによって、材料が超音波伝導材料として十分に作用するように滲出するほど十分な流体を有していないことが示される。
【0026】
好ましくは、材料は、ほぼ均質である。したがって、材料は、空隙がない、またはほぼ空隙がなくてもよい。材料は、充填粒子がない、またはほぼ充填粒子がなくてもよい。均質な材料は、超音波をより透過するため、内部を通って進む超音波のエネルギー損失が最小になる。
【0027】
材料は、固体ゲルを含んでもよい。好ましくは、材料は、ポリマーを含む。好ましくは、ポリマーは、エラストマーである。好ましくは、ポリマーは、低いガラス転移温度(Tg)を有する。好ましくは、ポリマーは、ゴムである。ゴムは、合成のまたは天然のゴムであってもよい。好ましくは、ゴムは、皮膚の過敏性などの好ましくない潜在的影響を回避するために合成のものである。
【0028】
好ましくは、ポリマーは、低架橋密度を有する。本発明のこれらの実施形態であって材料が流体を含有する実施形態において、ポリマーに対する架橋密度が低いことは、流体の可動性を増加させることになり得る。
【0029】
材料は、スチレン、エチレン及びブタジエンのコポリマーを含んでもよい。
【0030】
好ましくは、材料は、伸展性の高いエラストマー及び高レベルの油を含む。好ましくは、材料は、油で覆われた表面を備える。
【0031】
本発明のこれらの実施形態であって材料が変形可能である実施形態において、材料は、柔軟エラストマー、または例えばヒドロゲルなどの水性の等価物であってもよい。
【0032】
柔軟エラストマーは、この点に関して特に好適である。柔軟エラストマーは、低いガラス転移温度(Tg)を有する典型的なゴムである。通常、ゴムはTgを下げるために若干の油を含有している。好適な油と適合するいずれのゴムも使用することができる。ゴムは、最小限の添加剤または空隙(気泡)を含有するべきであり、好ましくはこれらを含有しないべきである。本発明の上記の実施形態において、ゴムを十分に柔軟にするために油が必要とされる場合があるが、ゴムが十分に柔軟であり表面と十分に接触できる場合、表面を「濡らす(wet)」目的で必ずしも油は必要とされない。
【0033】
材料が「粘性」を有することができ、その結果、材料と表面との間の接着力により、表面と材料との間の接触面のエアギャップが最小またはなくなるように、接触が確実に最大になる。柔軟エラストマーは、これらが固有の「粘性(tack)」を有する点において特に好適である。
【0034】
したがって、本発明の実施形態は、ゲル、ゴム、ポリマーなどを含めたシネレシス材料(syneresing material)及びそれらの用途に関する。
【0035】
シネレシス材料は、材料組織から水または油などの流体を漏出させる材料である。また、これは「ブルーミング(blooming)」として一般に知られている。したがって、シネレシス材料は、本発明によるものである。
【0036】
本発明の実施形態では、超音波(波)治療装置または変換器に対してまたはこれと共に用いられて超音波伝道ゲルとして機能するシネレシス材料を使用する。
【0037】
超音波治療が患者にとって有益となるように、治療工程を促進するために超音波の少なくとも一部は、人体を貫通して損傷部に到達しなければならない。変換器によって生成される超音波の過度の減衰を最小限にするために、皮膚の表面と変換器のヘッドとの間には、超音波結合材料、例えば伝導ゲルが使用される。適切な量のゲルが使用ない、または患者に適切に適用されないと、治療は本来の効果が得られない。
【0038】
本発明におけるシネレシス材料は、理想的には、超音波変換器に対して効果的な伝導ゲルとして作用する油を滲出する。これは、水溶液、油の混合物またはその他を滲出してもよい。
【0039】
この油(あるいは水溶液、油の混合物またはその他)は、シネレシス材料内にもともと存在してもよく、またはシネレシス材料を提供するための人工的手段によって材料内に含ませてもよい。
【0040】
シネレシス材料は、既知の手段のいずれかによって製造されてもよい。
【0041】
実際に滲出する油は、特定の油、溶液及び/または油/溶液の混合物の多種であってもよい。好適には、油は、透明であってもよい。好適には、油は、不快な臭気を有さない。
【0042】
また油(または滲出液など)は、加湿油など皮膚に対して有益な特性を有してよい。油は、実際皮膚に吸収されてよい。これにより、汚れが防止される。
【0043】
いくつかの実施形態において、材料の滲出は、超音波によって開始してもよく、また他の実施形態においては、患者の皮膚に押し付けるなどの圧力によって開始してもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、シネレシス材料は、変換器に装着されてもよい。他の実施形態において、シネレシス材料は、必ずしも変換器に装着されなくてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、シネレシス材料は、超音波伝導ゲルとして十分に作用するために十分なゲルを滲出することができないと表示手段を有してよい。
【0046】
表示手段は、本発明の特定の実施形態において色の変化としてもよく、ある色から別の色に変化することによって、ゲルが超音波伝導ゲルとして十分に作用するように滲出するほど十分な油を有していないことを示す。
【0047】
本発明の第2の形態によれば、本発明の第1の形態による結合材料と、結合材料に結合される超音波源と、を備える超音波装置を提供する。
【0048】
本発明の第1の形態による結合材料は、それ自体を超音波源に接続する手段を有してもよい。
【0049】
超音波装置は、超音波変換器に装着される本発明の第1の形態による結合材料を備えてもよく、超音波変換器と材料の間の接触面のエアギャップが最小またはなくなるように、超音波変換器と材料の間の接触を最大にする。
【0050】
本発明の第3の形態によれば、超音波源を表面に結合する方法であって、本発明の第1の形態による結合材料を用意する工程と、超音波源を用意する工程と、結合材料を超音波源に結合する工程と、結合材料を表面に結合する工程とを有する、方法が提供される。
【0051】
本発明の第4の形態によれば、超音波で患者を治療する方法であって、本発明の第1の形態による結合材料を用意する工程と、超音波源を用意する工程と、結合材料を超音波源に結合する工程と、結合材料を患者の皮膚に結合する工程と、超音波が患者に伝導されるように超音波源を駆動する工程とを有する、方法が提供される。
【0052】
本発明の第5の形態によれば、ポリマー、及び材料の総重量の約5〜95%を形成する低分子量有機液体を有する材料が提供される。
【0053】
有機液体は、材料の総重量の約10〜95%を形成してもよい。有機液体は、材料の総重量の約25〜95%を形成してもよい。有機液体は、材料の総重量の約45〜95%を形成してもよい。有機液体は、材料の総重量の約65〜95%を形成してもよい。好ましくは、有機液体は、材料の総重量の約75〜95%を形成する。より好ましくは、有機液体は、材料の総重量の約80〜90%を形成する。
【0054】
ポリマーは、ブタジエンゴムであってもよい。好ましくは、ブタジエンゴムは、シスブタジエンゴムである。好ましくは、シスブタジエンゴムは、過酸化物硬化される。有機液体は油であってもよい。好ましくは、油は、パラフィン油である。好ましくは、パラフィン油は、軽質パラフィン油である。パラフィン油は、C〜C12パラフィンであってもよい。好ましくは、パラフィン油は、C〜C10パラフィンである。
【0055】
材料は、油1〜9割、ゴム9〜1割を適宜含んでもよい。好ましくは、材料は、油3〜9割、ゴム7〜1割を適宜含む。より好ましくは、材料は、油3〜7割、ゴム7〜3割を適宜含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
図1及び図2は、従来と異なる形態を有する本発明における固体結合材料(1,4)を示している。図1に示す実施形態において、結合材料(1)は、断面がほぼ矩形である。図2に示す実施形態において、結合材料(4)は、断面がほぼ凸状である。両結合材料(1,4)それぞれは、外面上に流体層(3)を有する固体本体(2)からなる。
【0057】
図2の実施形態は、表面(5)に接触して配置されたとき、空気が矢印(9)で示すように移動する点で有利である。これはさらに、本発明における超音波装置の動作にとって好ましくないエアギャップまたはエアポケットの形成を最小限にするまたは防止する。
【0058】
図3は、超音波変換器(6)及び表面(5)、例えば患者の皮膚表面に結合された結合材料(1,4)を示している。図示されるように、流体層(3)は、変換器(6)の表面(7)との接触及び表面(5)との接触を最大にし、表面(5,7)と材料(1,4)との間の接触面のエアギャップを最小にするまたはなくす。
【0059】
図4は、表面(5)及び変換器(6)の表面(7)の形状に合わせて変形可能な固体結合材料(8)を示している。そのため、変換器(6)における表面(7)との接触及び表面(5)との接触が最大になり、表面(5,7)と材料(8)との間の接触面のエアギャップが最小またはなくなる。材料(8)は、柔軟エラストマー、または例えばヒドロゲルなどの水性の等価物であってもよい。
【0060】
柔軟エラストマーは、以下の点において特に好適である。柔軟エラストマーは、低いガラス転移温度(Tg)を有する典型的なゴムである。一般的に、ゴムは、Tgを下げるために若干の油を含有している。適切な油と相性のよいゴムは、いずれも使用できる。ゴムは、含有する添加剤または空隙(気泡)が最小限であるべきであり、好ましくはこれらを含有するべきでない。本発明の上記の実施形態において、ゴムを十分に柔軟にするために油が必要とされる場合があるが、ゴムが十分に柔軟であって表面(5,7)と十分に接触する場合には、表面(5,7)を「濡らす」目的で必ずしも油は必要とされない。
【0061】
材料(8)は「粘性」を有してもよく、材料(8)と表面(5,7)との間の接着力により、接触が確実に最大になって表面(5,7)と材料(8)との間の接触面のエアギャップが最小またはなくなる。柔軟エラストマーは、これらが固有の「粘性」を有する点において特に好適である。
【実施例】
【0062】
好ましい固体結合材料は、高シスブタジエンゴム(Enichem’s Europrene Cisと等価でありNatinal Petrochemical Co.,イランより供給)、過酸化ジクミル(架橋剤)及びStrukthene410(低粘度ナフテン系油、Safic Alcanより供給)を有する。
【0063】
この材料は、以下の、ゴムを小切片に細断する工程と、油を加え混合物が均質になるまで(加熱は必要とされない)z型ブレード攪拌機で攪拌する工程と、架橋剤を加える工程と、それが硬化している間に鋳造して被覆する工程とによって作製されてもよい。
【0064】
材料は、架橋ゴム中に油を膨潤させることによって作製してもよい。
【0065】
(実施例1)
結合材料は、100pphの高シスブタジエンゴム、1pphの過酸化ジクミル及び900pphのStrukthene410を含む。
【0066】
(実施例2)
結合材料は、100pphの高シスブタジエンゴム、1pphの過酸化ジクミル及び400pphのStrukthene410を含む。
【0067】
(実施例3)
結合材料は、クラトンG 1650/1652(スチレン/エチレン/ブタジエン系コポリマー)を1割と、軽質パラフィン油(C〜C10アルカン)を9割とを含む。
【0068】
(比較実施例4)
市販の医療用超音波流体結合ゲル(LithoClear)。
【0069】
(比較実施例5)
内部に鉱油を含み、表面にカオリンが分散されたゴムからなる市販の固体緩衝ゲル。
【0070】
以下の表は、上記の材料に関する超音波伝達データを提示する。
【0071】
【表1】

【0072】
表から理解されるように、本発明における材料(実施例1〜3)は、これを超えるほどではないにしても市販の超音波結合ゲル(比較実施例4)と同様の伝達特性を有し、高い比率で超音波を伝達する。本発明の固体結合材料は、上記に記載するように流体ゲルと比較して清潔である点でさらに有利である。
【0073】
比較実施例5は、本質的に表面が乾燥している既知のゴムベースの材料が超音波の伝達比率が極めて低いため超音波結合材料には適さないことを証明している。
【0074】
また、固体結合材料は、グリコール油を含むポリウレタンエラストマーを含有してもよい。
【0075】
(実施例6)
ポリウレタンエラストマーを付加された油は、以下の方法で作製された。
Desmodur N3200(23.4g)を反応器に置き、ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルランダムコポリマー(176.6g,MW3900)をトリスネオデカノエート/デカン酸ビスマス触媒(0.04g, Coscat83)と共に添加した。プレポリマーを形成するために、混合物を70℃で6時間加熱した。このプレポリマーの一部(55.0g)を反応器に置き、ポリエチレングリコールーポリプロピレングリコールーポリエチレングリコールブロックコポリマー(20.0g)をCoscat83(0.004g)と共に添加し、混合物を室温で30秒攪拌した。ジエチレングリコールジブチルエーテル(300g)を添加し、混合物を10秒間攪拌し、ガラス皿に注いだ。結果として得られた反応混合物を70℃で12時間硬化させた。
【0076】
ジエチレングリコールジブチルエーテルの代わりに、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを使用することもできる。
【0077】
(実施例7)
ポリウレタンエラストマーを付加された油は、以下の方法で作製された。
Desmodur E305(16.6g)を反応器に置き、Levagel VPKA 8732(83.09g)をCoscat83触媒と共に添加した。反応混合物を1分間攪拌した。ジエチレングリコールジブチルエーテル(300g)を添加し、混合物を10秒間攪拌し、ガラス皿に注いだ。結果として得られた反応混合物を70℃で12時間硬化させた。
【0078】
ジエチレングリコールジブチルエーテルの代わりに、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを使用することもできる。
【0079】
Desmodur 3200は、ヘキサメチレンジイソシアネート(2官能性)ベースのイソシアネート終端ポリエーテルプレポリマーである。
【0080】
Levagel VPKA 8732は、ポリエーテル多価アルコール(4官能性)である。
【0081】
例示の目的で、添付の図面を以下で参照する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態における結合材料を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態における結合材料を示す図である。
【図3】超音波変換器及び表面に結合した、本発明の一実施形態における結合材料を示す図である。
【図4】超音波変換器及び表面に結合した、本発明の他の実施形態における結合材料を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1,4 材料
2 固体本体
3 流体層
5,7 表面
6 変換器
8 材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波源から表面に超音波を伝導する固体結合材料であって、
前記表面との接触及び前記超音波源との接触を最大にし、前記表面及び当該材料の間の接触面と前記超音波源及び当該材料の間の接触面とのエアギャップが最小になるまたはなくなる、固体結合材料。
【請求項2】
前記表面及び前記超音波源の形状に合わせ、前記表面との接触及び前記超音波源との接触を最大にできるように変形可能である、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
流体を含む、請求項1または2に記載の材料。
【請求項4】
前記流体が、前記表面との接触、及び前記超音波源との接触を最大にする流体層を形成するように当該材料から滲出する、請求項3に記載の材料。
【請求項5】
前記流体が、水を含む、請求項3または4に記載の材料。
【請求項6】
前記流体が、水溶液を含む、請求項5に記載の材料。
【請求項7】
前記流体が、少なくとも1つの有機液体を含む、請求項3から6のいずれか一項に記載の材料。
【請求項8】
前記流体が、少なくとも1つの炭化水素液体を含む、請求項7に記載の材料。
【請求項9】
前記流体が、少なくとも1つの油を含む、請求項7または8に記載の材料。
【請求項10】
前記流体が、少なくとも1つのアルカンを含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の材料。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアルカンが、C〜C12アルカン、好ましくはC〜C10アルカンである、請求項10に記載の材料。
【請求項12】
当該材料が、ほぼ均質である、請求項1から11のいずれか一項に記載の材料。
【請求項13】
当該材料が、ポリマーを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の材料。
【請求項14】
前記ポリマーが、エラストマーである、請求項13に記載の材料。
【請求項15】
前記ポリマーが、ゴムである、請求項14に記載の材料。
【請求項16】
前記ポリマーが、低いTgを有する、請求項13から15のいずれか一項に記載の材料。
【請求項17】
前記ポリマーが、低い架橋密度を有する、請求項13から16のいずれか一項に記載の材料。
【請求項18】
スチレン、エチレン及びブタジエンのコポリマーを含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の材料。
【請求項19】
前記流体が、当該材料の総重量の約5〜95%を形成する、請求項3から11のいずれか一項に従属するとき請求項12から18のいずれか一項に記載の材料。
【請求項20】
前記流体が、当該材料の総重量の約75〜95%を形成する、請求項19に記載の材料。
【請求項21】
前記流体が、当該材料の総重量の約80〜90%を形成する、請求項19または20に記載の材料。
【請求項22】
前記流体が、治療特性を有する、請求項3から21のいずれか一項に記載の材料。
【請求項23】
前記流体が、皮膚表面に吸収される、請求項3から22のいずれか一項に記載の材料。
【請求項24】
前記材料が、本質的に濡れた表面を有する、請求項3から23のいずれか一項に記載の材料。
【請求項25】
伸展性の高いエラストマー及び高レベルの油を含む、請求項14から24のいずれか一項に記載の材料。
【請求項26】
油で覆われた表面を有する、請求項25に記載の材料。
【請求項27】
前記表面が、皮膚表面である、請求項1から26のいずれか一項に記載の材料。
【請求項28】
請求項1から27のいずれか一項に記載の結合材料と、
前記結合材料に結合される超音波源と、
を備える超音波装置。
【請求項29】
超音波変換器に装着される請求項1から27のいずれか一項に記載の結合材料を備え、
前記超音波変換器と材料との間の接触面のエアギャップが最小になるまたはなくなるように、前記超音波変換器と前記材料との間の接触を最大にする、請求項28に記載の超音波装置。
【請求項30】
表面に超音波源を結合する方法であって、
請求項1から27のいずれか一項に記載の結合材料を用意する工程と、
前記超音波源を用意する工程と、
前記結合材料を前記超音波源に結合する工程と、
前記結合材料を前記表面に結合する工程と、
を含む、方法。
【請求項31】
超音波で患者を治療する方法であって、
請求項1から27のいずれか一項に記載の結合材料を用意する工程と、
超音波源を用意する工程と、
前記結合材料を前記超音波源に結合する工程と、
前記結合材料を前記患者の皮膚に結合する工程と
超音波が前記患者に伝導されるように前記超音波源を駆動する工程と、
を含む、方法。
【請求項32】
ポリマーと、当該材料の総重量の約5〜95%を形成する低分子量の有機液体とを含む、材料。
【請求項33】
前記有機液体が、当該材料の総重量の約75〜95%を形成する、請求項32に記載の材料。
【請求項34】
前記有機液体が、当該材料の総重量の約80〜90%を形成する、請求項32または33に記載の材料。
【請求項35】
前記ポリマーが、ブタジエンゴムであり、
前記有機液体が、軽質パラフィン油である、請求項32から34のいずれか一項に記載の材料。
【請求項36】
前記ポリマーが、シスブタジエンゴムである、請求項35に記載の材料。
【請求項37】
前記ポリマーが、過酸化物硬化されたシスブタジエンゴムである、請求項36に記載の材料。
【請求項38】
前記ポリマーが、ポリウレタンであり、
前記有機液体が、グリコール油である、請求項32から34のいずれか一項に記載の材料。
【請求項39】
添付の図面を参照して実質的に前述の通りである、結合材料。
【請求項40】
添付の図面を参照して実質的に前述の通りである、超音波装置。
【請求項41】
超音波装置を表面に結合する方法であって、
添付の図面を参照して実質的に前述の通りである、方法。
【請求項42】
超音波で患者を治療する方法であって、
添付の図面を参照して実質的に前述の通りである、方法。
【請求項43】
実質的に前述の通りである、材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538712(P2008−538712A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507149(P2008−507149)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001377
【国際公開番号】WO2006/114573
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】