説明

給水容器及び容器収容体

【課題】特に自動車等の洗車の際に、シャンプーの泡等が車体に焼きついていまうことを防止可能とした給水容器を提供すること。
【解決手段】上部を開口とした容器(2)と、容器(2)をその内部を密閉状態にしつつ収容する容器収容体(5)を具備し、容器(2)は、下方側に容器内部に連通可能に装着した蛇口(3)と、上方側に容器内部に連通可能に装着したエアー注入手段(4)と、エアー注入手段(4)の内部に備えた逆止弁を備え、容器収容体(5)は、容器(2)の上部開口を閉鎖する天井部(6)と、容器(2)の底部を支持する基台部(7)と、天井部(6)と基台部(7)とを連通した連通部(8)を備え、少なくとも連通部(8)を伸縮自在のラバー製にするとともに、天井部(6)と基台部(7)間には、容器収容体(5)の内部に容器(2)を入れるための開口部(9)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車等の際に洗車用の水を供給するために用いる給水容器及び容器収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に自宅等で洗車を行う場合には、蛇口にホースを連結しておき、蛇口を開いてホースより水を出しながら水洗いを行うことが多い。
【0003】
しかしながら、このようにホースを用いて洗車を行う場合には、例えばシャンプーを行っている間は蛇口を閉じておき、シャンプーが終了してシャンプーを流す際に蛇口を開かなければならないが、蛇口を開くためには蛇口まで行かなければならず、わずらわしさに耐えない。また、暑いときなどは、蛇口まで行く間にシャンプーの泡等が車体に焼きついてしまうおそれも考えられる。
【0004】
この点、例えばバケツに水を蓄えておき、蛇口まで行く間はこの水をシャンプー後の車体に流しておけば焼付け等は防止できるが、車体上にバケツを置いた場合には車体に傷がついてしまうおそれがある。
【0005】
また、バケツの水を車体上に流しておくためにはバケツを倒さなければならないが、このようにするとバケツに蓄えた水はすぐに無くなってしまうため、蛇口まで行って蛇口を開く前に水がなくなってしまい、泡等の焼付けを防止することができない。
【0006】
この点、手元で放水と放水の停止を操作可能なホース等が市販されてはいるが、これらのホースは価格が高いという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、特に自動車等の洗車の際に、シャンプーの泡等が車体に焼きついてしまうことを防止可能とした給水容器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上部を開口とした容器と、この容器の上部開口を閉鎖して容器内を密閉状態にしつつ前記容器を収容する容器収容体とを具備しており、前記容器は、下方側に容器内部に連通可能に装着した蛇口と、上方側に容器内部に連通可能かつ着脱自在に装着したエアー注入手段と、該エアー注入手段の内部に備えた、前記容器内に供給したエアーの容器の外側への逆流を防止するための逆止弁とを備えている。
【0009】
また、容器収容体は、容器の上部開口を閉鎖する天井部と、前記容器の底部を支持する基台部と、天井部と基台部とを連通した連通部とを備えており、少なくとも前記連通部は、伸縮自在のラバー製にするとともに、容器収容体の内部に容器を入れるための開口部を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の給水容器を用いて洗車等を行う場合には、内部に水を蓄えた容器を容器収容体内に入れ、その後、エアー注入手段内から容器内にエアーを注入する。そして、シャンプーが終了した後に容器の蛇口を開く。そうすると、容器内部に注入したエアーの圧力により、容器内の水は蛇口より流出し、これにより、車体上に、泡等の焼付けを防止するための水を流すことができる。
【0011】
このように、本発明の給水容器を用いることにより、蛇口を開くまでの間に車体上に水を流すことができるのでシャンプーの泡等の焼付けを防止することができる。
【0012】
また、蛇口から水を放出するために、バケツ内の水を使い切るまでに時間がかかるために、十分に蛇口を開きに行く余裕がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の給水容器では、上部を開口とした容器を備えており、この容器の下方部分には、容器内部に連通可能に装着した蛇口が装着されており、また、容器の上方側には、容器内部に連通可能かつ着脱自在に装着したエアー注入手段が装着されており、更に、エアー注入手段の内部には、容器内に供給したエアーが容器の外側へ逆流することを防止するための逆止弁を備えている。
【0014】
また、本発明では、前記容器を密閉状態で収容可能な容器収容体を備えており、この容器収容体は、容器の上部開口を閉鎖する天井部と、容器本体の底部を支持する基台部と、天井部と基台部とを連通した連通部とを備えている。そして、少なくとも連通部を伸縮自在のラバー製にするとともに、天井部と基台部間には、容器収容体の内部に容器を入れるための開口部を有している。
【実施例1】
【0015】
図1及び図2は、本実施例の斜視図であって、また、図3は本実施例の構造を示す断面図である、図において1が本実施例の給水容器である。
【0016】
そして、本実施例の給水容器1では、上部を開口とした有底の容器2を備えており、この容器2は、市販のバケツ等と同様の形状としている。
【0017】
また、この容器2の下方側には、容器内部に連通した蛇口3が装着されており、この蛇口3を開くことにより容器内部に蓄えた水を放出可能としている。
【0018】
更に、容器2の上方側には、容器内部に連通したエアー注入用ホース4が着脱自在に装着されており、このエアー注入用ホース4に空気入れ等のエアーポンプを連結し、容器2の内部にエアーを注入可能としている。そして、エアー注入用ホース4の内部には、容器2の内部に注入したエアーが逆流することを防止するために、図しない逆止弁を挿装している。なお、この逆止弁の構造等は特に限定されないが、本実施例では、市販の浮き輪等に用いられている逆止弁を使用している。
【0019】
次に、本実施例では、前記容器を、その内部を密閉状態にして収容可能な容器収容体を備えている。則ち、図において5が容器収容体であり、本実施例いおいてこの容器収容体5は、容器2の上部開口を閉鎖可能な天井部6と、容器2の底部を支持するための基台部7と、天井部6と基台部7とを連通する連通部8とを有しており、その全体を伸縮自在のラバーにより構成している。
【0020】
ここで、前記天井部6について説明すると、本実施例における天井部6は、丸型の盆を逆さにした形状としており、則ち、容器2の上部開口を閉鎖する閉鎖部601と、この閉鎖部601の周縁部全域に下方向に連設した緑部602とを有しており、閉鎖部601により容器2の上部開口を閉鎖しつつ、緑部602によって、容器2の上端部近傍の外周側を被覆可能としている。
【0021】
また、基台部7は盆形状としており、則ち、容器2の底部分を支持する支持部701と、この支持部701の周縁部全域に上方向に連設した緑部702とを有しており、支持部701により容器2の底を支持しつつ、緑部702によって、容器2の下端部近傍の外周側を被覆可能としている。
【0022】
次に、連通部8について説明すると、本実施例における連通部8は細長の平板形状としており、複数本の連通部8をそれぞれ、その上端を天井部6に連設するとともに下端部を基台部7に連接して天井部6と基台部7とを連通しており、その連通に際しては、互いに所定間隔で周方向に配置されるようにしている。そしてこれにより、連通部8間を、容器収容体5の内部に容器2を入れるための開口部9としている。
【0023】
次に、このように構成される本実施例の給水容器の使用方法について説明すると、例えば、水道の蛇口に連結したホースの先端より水を流しながら自動車の洗車を行う際に本実施例の給水容器1を使用する場合には、まず、蛇口3を閉じた状態にして、容器2内に水を入れ、次に、水を入れた容器2を、連通部8間の空間を用いて容器収容体5の内部に収容する。そうすると、容器2の上部開口は容器収容体の天井部6により閉鎖され、これにより、容器2の内部は密閉状態となる。なおこのとき、本実施例において容器収容体5は全体を伸縮自在のラバー製としているために、連通部8を引っ張って各連通部8間の空間を広げることができ、それによって、容器2を容易に容器収容体5内に収容することができる。
【0024】
次に、エアー注入用ホース4に空気入れ等を連結して容器2の内部に所定量のエアーを注入する。この注入量は容器2の容量や容器2に入れた水の量によって適宣調整する。
【0025】
このように、容器2の内部にエアーを注入すると、容器2の内部の水は注入したエアーの圧力により下側に押され、これにより、蛇口3を開いたときに蛇口3より確実に水を放出することが可能となる。
【0026】
次に、水道の蛇口を閉じた状態での自動車のシャンプーが終了した後に、前記給水容器1を車体上に載せて蛇口3を開く。そうすると、蛇口より車体上に水が流れ出し、これにより、シャンプーの泡等が車体に焼きつくことを防止できる。そしてその間に水道の蛇口まで行って蛇口をひねり、その後はホース先端より出る水道水を用いて水洗いを行う。
【0027】
このように、本実施例の給水容器を用いると、例えば自動車のシャンプーの後の水洗いをするために水道の蛇口を開きに行くまでの間に車体上に水を流しておくことができるため、シャンプーの泡等が車体に焼きついてしまうことを防止できる。
【0028】
またそのとき、容器に装着した蛇口より水を流すために、バケツを倒した場合と異なり、短時間で容器内の水が無くなってしまうことが無く、水道の蛇口を開きに行くまでの間を補うことができる。
【0029】
更に、容器収容体は全体をラバー製にしているために、車体に乗せた場合でも車体に傷ついてしまうことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の給水容器を用いると少量の水を継続して放出することができるために、自動車の洗車に限らず、水洗い等の全般に適用可能である。容器のみでも、使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の給水容器の実施例の斜視図である。
【図2】本発明の給水容器の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の給水容器の実施例の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 給水容器
2 容器
3 蛇口
4 エアー注入用ホース
5 容器収容体
6 天井部
7 基台部
8 連通分
9 連通分部間に形成された開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部を開口とした容器(2)と、該容器(2)の上部開口を閉鎖して容器(2)内を密閉状態にしつつ前記容器(2)を収容する容器収容体(5)とを具備し、前記容器(2)は、下方側に容器内部に連通可能に装着した蛇口(3)と、上方側に容器内部に連通可能かつ、着脱自在に装着したエアー注入手段(4)と、該エアー注入手段(4)の内部に備えた、前記容器(2)内に供給したエアーの容器(2)の外側への逆流を防止するための逆止弁とを備えていることを特徴とする給水容器。
【請求項2】
上部を開口にするとともに、下方側には内部に連通した蛇口(3)を形成し、上方側には内部に連通したエアー注入手段(4)を着脱自在に備え、更にエアー注入手段(4)の内部にはエアー逆流を防止するための逆止弁とを具備した容器を、容器内部を密閉状態にして収容可能な容器収容体(5)であって、前記容器(2)の上部開口を閉鎖する天井部(6)と、前記容器(2)の底部を支持する基台部(7)と、前記天井部(6)と基台部(7)とを連通した連通部(8)とを備え、少なくとも前記連通部(8)を伸縮自在のラバー製にするとともに、前記天井部(6)と基台部(7)間には、容器収容体(5)の内部に容器(2)を入れるための開口部(9)を有していることを特徴とする容器収容体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−89128(P2006−89128A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308846(P2004−308846)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(504396047)
【Fターム(参考)】