説明

給水装置及びスチーム発生装置

【課題】 給水タンクを取り外さずとも、水の溢れ出しを防止可能な給水装置及びスチーム発生装置を提供する。
【解決手段】 水が貯留される水槽部と、該水槽部内に着脱可能に配置され、補充が必要な消耗品が収容される収容部と、給水口を有し、水槽部の水位を一定に保持すべく給水口を介して水槽部に水を供給するための給水部と、給水口に設けられ、該給水口の閉塞方向に常時付勢されると共に、押圧力の付与に基づき開弁する弁体とを備える給水装置に、消耗品の補充時に、収容部を着脱するために、装置本体に設けられる開口部と、収容部を着脱不可とすべく、開口部に装着される蓋体と、給水口の近傍に支持され、蓋体の装着時に、弁体を開弁すべく、端部を該弁体に当接させて押圧力を付与すると共に、蓋体の非装着時に、端部を前記弁体から離間する押圧部材とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水部から水槽部へ水を供給する給水装置と、該給水装置を含み、薬剤を霧化してスチームを発生するスチーム発生装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
水を加熱して霧化させ、スチームを発生するスチーム発生装置が知られている。この種のスチーム発生装置は、水が貯留される水槽部と、該水槽部に水を供給する給水部とを備える給水装置を含み、水槽部内の水が加熱され、超音波振動子により霧化されてスチームとなった後、該スチームがファン部からの送風により装置外部へ噴出される(例えば、下記特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0003】
上記したスチーム発生装置は、薬剤を霧化させてスチームを発生する理容器として利用されている。理容器とは、薬剤のスチームを頭部に当てることにより、頭皮の洗浄や毛髪のトリートメント等を行うものである。
【0004】
このような理容器では、しかし、薬剤の水溶液が水槽部に貯留されるため、水槽部底部に薬剤が残留するという衛生上の問題があった。また、薬剤の種類により、装置内部に腐蝕が発生する虞があった。
【0005】
上記した問題を解決するため、水槽部内部に薬剤を収容するための収容部を備えるスチーム発生装置が要望されている。
図6は、スチーム発生装置の一例を示す図(その1)であり、図7は、スチーム発生装置の一例を示す図(その2)である。
【0006】
このスチーム発生装置80は、図6及び図7に示されるように、本体81と、本体81の開口部を覆う着脱自在な蓋体としてのポットカバー82とからなり、本体81の内部に、水槽部としてのポット83を有する。また、ポット83の内部には、水溶液である薬剤84を収容するための収容部としてのインナーカップ85が配置される。このインナーカップ85は、図6に示されるように、ポットカバー82を本体81から取り外した状態で、開口部を介して着脱可能となっている。
【0007】
スチーム発生装置80には、更に、カートリッジ式の給水タンク86が、給水部として取り付けられる。給水タンク86の取付位置には、図6及び図7に示されるように、突起部87が設けられ、給水タンク86が取り付けられると、該突起部87が、給水タンクキャップ88に内蔵される弁体89を押し上げる。これにより、弁体89は開弁し、給水タンク86から本体81の内部へ、水90が供給される。
【0008】
スチーム発生装置80において、給水タンク86の取付位置下方には、図6及び図7に示されるように、パイプ91が形成されている。給水タンク86から供給された水90は、このパイプ91によりポット83へと案内され、ポット83を一定水位に保持した状態で貯留される。
【0009】
また、スチーム発生装置80には、図6及び図7に示されるように、加熱部92と超音波振動子93とが、それぞれ設置されている。図7に示されるように、ポットカバー82が装着され、スチーム発生装置80が運転を開始すると、加熱部92によりポット83内の水が加熱され、水温が上昇する。これに伴い、インナーカップ85に収容された薬剤84も加熱され、霧化される。更に、超音波振動子93が出力を開始すると、ポット83内の水を媒介として、インナーカップ85に振動が伝達される。これにより、霧化した薬剤84がスチームとなり、該スチームが、ポットカバー82に設けられた噴出ノズル94を介して、装置外に噴出される。
【特許文献1】特許第4077189号公報
【特許文献2】特許第4077188号公報
【特許文献3】特許第4064657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記したスチーム発生装置80では、消耗品である薬剤を補充するためにインナーカップ85を取り出すと、ポット83の水位が下降するので、該水位を一定に保持すべく、給水タンク86からポット83へ水90が供給される。そのため、薬剤の補充後、インナーカップ85が再度装着されると、ポット83の水位が上昇し、ポット83から水が溢れ出してしまうという問題があった。
【0011】
このような水の溢れ出しを防ぐためには、インナーカップ85の取り出しに先立ち、まず、スチーム発生装置80から給水タンク86を取り外す。そして、インナーカップ85を取り出して、薬剤を補充し、該インナーカップ85をスチーム発生装置80に装着させた後、給水タンク86を再度取り付けなければならず、作業が煩雑になってしまっていた。
【0012】
したがって、給水タンクを取り外さずとも、水の溢れ出しを防止可能な給水装置及びスチーム発生装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0014】
〈構成1〉
本発明に係る給水装置は、水が貯留される水槽部と、該水槽部内に着脱可能に配置され、補充が必要な消耗品が収容される収容部と、給水口を有し、水槽部の水位を一定に保持すべく給水口を介して水槽部に水を供給するための給水部と、給水口に設けられ、該給水口の閉塞方向に常時付勢されると共に、押圧力の付与に基づき開弁する弁体と、消耗品の補充時に、収容部を着脱するために、装置本体に設けられる開口部と、収容部を着脱不可とすべく、開口部に装着される蓋体と、給水口の近傍に支持され、蓋体の装着時に、弁体を開弁すべく、端部を該弁体に当接させて押圧力を付与する押圧部材とを備え、押圧部材は、蓋体の非装着時に、端部を前記弁体から離間することを特徴とする。
【0015】
〈構成2〉
本発明に係るスチーム発生装置は、水が貯留される水槽部と、給水口を有し、水槽部の水位を一定に保持すべく給水口を介して水槽部に水を供給するための給水部と、給水口に設けられ、該給水口の閉塞方向に常時付勢されると共に、押圧力の付与に基づき開弁する弁体と、水槽部内に着脱可能に配置され、補充が必要な薬剤が収容される収容部と、薬剤を霧化すべく水への出力を行う超音波振動子と、霧化された薬剤をスチームとして装置本体外へ噴出させる噴出部とを備え、薬剤の補充時に、収容部を着脱するために、装置本体に設けられる開口部と、収容部を着脱不可とすべく、開口部に装着される蓋体と、給水口の近傍に支持され、蓋体の装着時に、弁体を開弁すべく、端部を該弁体に当接させて押圧力を付与する押圧部材とを設け、押圧部材は、蓋体の非装着時に、端部を弁体から離間することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の給水装置及びスチーム発生装置によれば、給水口に設けられた弁体に押圧力を付与して開弁させると共に、装置本体の開口部に装着される蓋体の着脱動作に連動し、該蓋体の非装着時に、弁体から離間する押圧部材が設けられるので、開口部を介する収容部の着脱時に、給水部による水槽部への水の供給が停止される。したがって、消耗品の補充に伴う水槽部からの水の溢れ出しを防止可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例に係るスチーム発生装置の構成を示す断面図(その1)である。
本実施例のスチーム発生装置10は、給水タンク12からポット13に水を供給する給水装置11を含んで構成され、インナーカップ14内に収容された薬剤を霧化し、スチームを装置外に噴出する。
【0019】
スチーム発生装置10は、図1に示されるように、本体15と、本体15の開口部15aを覆う着脱自在な蓋体としてのポットカバー16とからなる。
【0020】
開口部15aの下方には、水が貯留される水槽部としてのポット13が備えられている。ポット13は、図1に示されるように、上方へ開口する大径部21と、該大径部21と一体的に形成される小径部22とを有する。
【0021】
大径部21の開口部分には、収容部としてのインナーカップ14が、開口部15aを介して着脱可能に配置される。このインナーカップ14は、本実施例では樹脂からなり、内部に消耗品としての水溶液である薬剤23を収容する。インナーカップ14に収容される薬剤23は、例えば、毛髪用のトリートメント剤である。
【0022】
大径部21の下面21aには、ポット13に貯留されている水を加熱するためのヒータ24が、下面21aに沿って設けられている。また、小径部22の底面22aには、超音波を出力する超音波振動子25が設けられている。
【0023】
小径部22は、更に下方への開口部22bを有し、該開口部22bに、パイプ20が連結されている。また、小径部22の底面には、ポット13内の水の温度Tを検出するための温度センサ(不図示)が設けられている。
【0024】
給水装置11は、カートリッジ式の給水タンク12を備え、該給水タンク12内の水17を、パイプ20を介してポット13に供給する。
【0025】
給水タンク12は、給水部として、水17を収容し、給水口27にキャップ18を装着した状態で、該キャップ18部分を下側に、所定の位置に立設される。
【0026】
キャップ18の内部には、弁ばね19aを内蔵する弁体19が設けられている。弁ばね19aは、自然長より縮んだ状態で取り付けられ、弁体19を常時下向きに付勢している。これにより、弁体19は、給水口27に連通する通流孔28を閉塞する。
【0027】
給水口27の下方には、図1に示されるように、パイプ20が形成されている。パイプ20は、給水タンク12から供給された水17をポット13に導くための導通管として、給水タンク12の取付位置近傍から、ポット13の開口部22bまで延伸される。また、給水口27の近傍には、押圧部材としての給水シーソー26が配置されている。
【0028】
給水シーソー26は、図1に示されるように、軸26aを中心とする両端に、給水口27に向かって突出する端部26cと、ポットカバー16の被当接部26bとを有し、軸26aの周りに回動可能に支持される。また、給水シーソー26は、ポット13側の被当接部26bが、給水タンク12側の端部26cと比較して軽くなるように形成されている。そのため、給水シーソー26の端部26cは、図1に示されるように、被当接部26bより下方位置に保持される。このとき、端部26c及び給水キャップ18の弁体19は離間している。
【0029】
次に、スチーム発生装置10において、本体15の開口部15aにポットカバー16が装着された場合について、説明する。
図2は、本発明の実施例に係るスチーム発生装置の構成を示す断面図(その2)である。
【0030】
ポットカバー16は、図1及び図2に示されるように、突起部としてのツメ部16aを有する。このツメ部16aは、ポットカバー16の本体15への装着時において、図2に示されるように、給水シーソー26の被当接部26bに当接して、該被当接部26bを押し下げる。これにより、給水シーソー26は、軸26aの周りに反時計方向に回動する。これにより、給水タンク12側の端部26cは上動して、給水口27の内部に入り込み、弁体19の端部19cに当接し、弁体19に上向きの押圧力を付与する。
【0031】
この押圧力に基づき、弁体19は、弁ばね19aの弾性力に抗して上動する。これにより、通流孔28は開放され、該通流孔28及び給水口27を介して、給水タンク12から水17が供給される。
【0032】
給水タンク12から供給された水17は、パイプ20を介してポット13へと導かれる。給水装置11における給水タンク12側の水位は、図2に示されるように、給水口27の位置が上限となる。ポット13には、給水タンク12側の水位と同じ高さに達するまで、給水タンク12から水が供給される。そして、通流孔28の開放中、即ちポットカバー16の装着時において、ポット13には、図2に示されるように、一定水位に保持された状態で水が貯留される。
【0033】
パイプ20には、図1に示されるように、該パイプ20及びポット13内の水を排水するための通流孔29と、該通流孔29を閉塞する弁体31とが設けられている。
【0034】
弁体31は、弁ばね31aを内蔵し、該弁ばね31aにより常時下向きに付勢されている。また、弁体31には、図示されない作動杆が連結され、利用者により該作動杆が押圧されると、弁体31が上動して、通流孔29が開放される。これにより、パイプ20及びポット13内の水が、スチーム発生装置10の外部に排出される。そして、利用者が作動杆から手を放すと、弁ばね31aの弾性力に基づき、弁体31は下動して、通流孔29を再び閉塞する。
【0035】
ポットカバー16には、図1及び図2に示されるように、本体15への装着時にインナーカップ14の上部を覆うスチーム案内筒32と、該スチーム案内筒32に連通してポットカバー16から突出する噴出ノズル33とが、それぞれ備えられている。
【0036】
次に、本実施例のスチーム発生装置10の制御システムについて、説明する。
図3は、本発明の実施例に係るスチーム発生装置の制御システムを示すブロック図である。
【0037】
制御システム30は、図3に示されるように、マイクロコンピュータ34と、該マイクロコンピュータ34に制御される操作パネル39と、電源回路40と、該電源回路40に接続する駆動回路41とを含む。
【0038】
マイクロコンピュータ34は、メモリ35及び通電制御部37と、該メモリ35及び通電制御部37を制御するための制御部38とを備えている。
【0039】
メモリ35は、予め定められた2種類の第1設定温度Tに対応して、水の初期温度Tと、各第1設定温度T及び初期温度Tに対応するそれぞれの第2設定温度Tとを記憶している。ここで、各温度は、T≦T≦Tである。
【0040】
通電制御部37は、ポット13の底面に設けられた温度センサ36からの温度検知信号に基づいて、駆動回路41の通電率を制御する。
【0041】
操作パネル39は、本体15に設けられ、利用者により操作される。操作パネル39には、運転モードや運転時間tを設定するための設定キーや、水位の低下を警告するための給水警告ランプ、運転開始及び停止を指示するためのスタート/ストップキー等が設けられている。本実施例のスチーム発生装置10は、第1設定温度Tと、霧化量「大」或いは「小」の何れかとの組み合わせからなる4種類の運転モードの切替設定を行う。
【0042】
電源回路40は、商用交流電源に接続し、該電源回路40には、本体15の底部に設けられた転倒スイッチ42と、温度ヒューズ43とが接続されている。
【0043】
転倒スイッチ42は、運転中のスチーム発生装置10が転倒した場合に、運転を停止させるために設けられる。また、温度ヒューズ43は、異常加熱を防止するために、ヒータ24の近傍に設けられる。
【0044】
駆動回路41には、フロートスイッチ44、ヒータ24、超音波振動子25、温度センサ36及びファン部45が接続されている。
【0045】
フロートスイッチ44は、水位を検出するために、給水口27の下方に設けられる。ファン部45は、スチームに風を与えるために、給水装置11の下方に設置される。
【0046】
次に、本実施例のスチーム発生装置10の動作について、フローチャートに沿って説明する。
図4は、本発明の実施例に係るスチーム発生装置の動作を示すフローチャート(その1)であり、図5は、本発明の実施例に係るスチーム発生装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【0047】
利用者は、スチーム発生装置10の利用に先立ち、図1に示されるように、水17が収容された給水タンク12を所定位置に取り付けると共に、薬剤23を収容したインナーカップ14をポット13の大径部21に取り付ける。そして、ポットカバー16を、図2に示されるように、本体15に装着させる。
【0048】
ポットカバー16が装着されると、ツメ部16aからの押圧力に基づき、給水シーソー26が回動する。そして、給水シーソー26の端部26cが、弁体19の端部19cを押圧し、弁体19が上動する。これにより、通流孔28が開放され、給水タンク12からの水の供給が開始される。
【0049】
給水タンク12からポット13に水が供給されると、マイクロコンピュータ34の制御部38は、温度センサ36から、初期温度としての水温Tを示す温度検知信号を読み取り、メモリ35に記憶させる(ステップS1)。
【0050】
次に、利用者が、操作パネル39操作して、運転モード及び運転時間を設定すると、制御部38は、操作パネル39からの入力に基づき、第1設定温度T及び霧化量「大」或いは「小」と運転時間tとを設定し、メモリ35に記憶させる(ステップS2)。
【0051】
そして、利用者が、操作パネル39のスタート/ストップキーを押下する(ステップS3)と、制御部38は、フロートスイッチ44からの水位検知信号に基づいて、水位の確認を行う(ステップS4)。
【0052】
水位不足であると判定すると、制御部38は、操作パネル39の給水警告ランプを点灯させる(ステップS5)。
【0053】
所定の水位であると判定すると、制御部38は、通電制御部37へ制御指示を送る。制御指示を受けた通電制御部37は、駆動回路41を起動して、ヒータ24に通電させ、ポット13の水を加熱する(ステップS6)。ポット13に貯留された水が加熱されると、該水を介して、インナーポット14内の薬剤23も加熱される。
【0054】
制御部38は、メモリ35に記憶されている初期温度Tと、設定された第1設定温度Tとに基づいて、メモリ35から対応する第2設定温度Tを読み出す。そして、制御部38は、温度センサ36からの温度検知信号に基づいて、水温Tが該第2設定温度Tに到達したか否かを判定する(ステップS7)。
【0055】
ポット13の水温Tが第2設定温度Tに達すると、制御部38は、駆動回路41を起動して、メモリ35に設定されている霧化量に応じて超音波振動子25を駆動させると共に、ファン部45を駆動させる(ステップS8)。
【0056】
超音波振動子25が超音波を出力すると、ポット13内の水を媒介として、インナーカップ14に振動が伝達される。これにより、加熱された薬剤23が霧化され、駆動されたファン部45からの送風により、霧化された薬剤23がスチームとして、スチーム案内筒32及び噴出ノズル33を介して、スチーム発生装置10の外部に噴出される。
【0057】
その後、制御部38は、温度センサ36からの温度検知信号に基づき、ポット13の水温Tがメモリ35に設定されている第1設定温度Tに到達したか否かを判定する(ステップS9)。
【0058】
ポット13の水温Tが第1設定温度Tに達すると、制御部38は、通電制御部37へ制御指示を送る。制御指示を受けた通電制御部37は、駆動回路41を制御して、ヒータ24への通電率を低減する(ステップS10)。駆動回路41は、例えば、通電率を加熱時の85%に低減して、ヒータ24への通電を継続する。
【0059】
その後、利用者が、操作パネル39のスタート/ストップキーを押下する(ステップS11)と、或いは、ステップS3におけるスタート/ストップキーの押下からの経過時間が、メモリ35に設定されている運転時間tに達する(ステップS12)と、制御部38は、駆動回路41を制御して、ヒータ24への通電を停止すると共に、超音波振動子25の駆動を停止する(ステップS13)。
【0060】
そして、更に所定の時間、例えば30秒が経過すると(ステップS14)、制御部38は、駆動回路41を制御して、ファン部45の駆動を停止する(ステップS15)。これにより、スチーム発生装置10の運転が停止される。
【0061】
上記のように、ポット13に貯留された水を介して、インナーカップ14内の薬剤23が加熱して霧化され、スチームとして噴出される。利用者は、噴出ノズル33の先端部に頭部をかざして、薬剤23のスチームを毛髪に当てることができる。
【0062】
インナーカップ14に薬剤23を補充する場合、利用者は、まず、スチーム発生装置10の本体15から、ポットカバー16を取り外す。このとき、ポットカバー16のツメ部16aから給水シーソー26の被当接部26bへの押圧力が取り除かれるので、給水シーソー26は、給水タンク12側の端部26cの重みにより、軸26aの周りに時計方向に回動する。端部26cは下動し、図1に示されるように、弁体19の端部19cから離間する。これにより、弁体19への給水シーソー26からの押圧力は取り除かれ、弁体19は、弁ばね19aの弾性力に基づき下動して、通流孔28を閉塞するので、給水タンク12からの水17の供給が停止される。
【0063】
このポットカバー16の非装着時、即ち開口部15aの開状態において、利用者が、スチーム発生装置10の本体15から、開口部15aを介して、インナーカップ14を取り出すと、ポット13内の水位は下降する。しかしながら、給水タンク12の通流孔28は、弁体19により閉塞状態に保持されているので、水17の供給は停止されたままである。その後、薬剤23を補充したインナーカップ14を取り付けると、ポット13内の水位は、インナーカップ14を取り外す前の水位に戻る。
【0064】
以上のように、本発明に係るスチーム発生装置10では、給水タンク12の取付位置下方に、給水タンク12の弁体19を押し上げて開弁させるための給水シーソー26が設けられる。この給水シーソー26は、ポット13側の被当接部26bが、給水タンク12側の端部26cと比較して軽くなるように形成されるので、ポットカバー16の非装着時において、端部26cは弁体19との離間状態に保持される。したがって、給水タンク12の通流孔28が弁体19による閉塞状態に保持され、給水タンク12からの水17の供給が停止されるので、給水タンク12を取り外さずとも、インナーカップ14の着脱に伴うポット13からの水の溢れ出しが防止される。
【0065】
また、給水シーソー26は、ポットカバー16の装着時において、ポットカバー16に設けられたツメ部16aにより、ポット13側の被当接部26bを押し下げられるので、給水タンク12側の端部26cが上動し、給水タンク12の弁体19を押し上げて開弁させる。これにより、給水タンク12からポット13への水17の供給が可能となるので、ポット13に水が貯留される。したがって、ポット13内の水を介して、インナーカップ14内の薬剤23の加熱及び振動の伝達が可能となるので、薬剤23をスチームとして装置外部に噴出できる。
【0066】
なお、本実施例では、給水シーソー26は、被当接部26bが端部26cと比較して軽くなるように形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、給水シーソー26に反時計方向の引張力を付与するコイルスプリングを配設しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上記した実施例では、毛髪のトリートメントを行う理容器を例として説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、頭皮の洗浄を行うための理容器や、美容のための薬剤のスチームを顔に当てる美顔器に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例に係るスチーム発生装置の構成を示す断面図(その1)である。
【図2】本発明の実施例に係るスチーム発生装置の構成を示す断面図(その2)である。
【図3】本発明の実施例に係るスチーム発生装置の制御システムを示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るスチーム発生装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図5】本発明の実施例に係るスチーム発生装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図6】スチーム発生装置の一例を示す図(その1)である。
【図7】スチーム発生装置の一例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0069】
10 スチーム発生装置
11 給水装置
12 給水タンク
13 ポット
14 インナーカップ
15 本体
16 ポットカバー
16a ツメ部
19 弁体
26 給水シーソー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が貯留される水槽部と、該水槽部内に着脱可能に配置され、補充が必要な消耗品が収容される収容部と、給水口を有し、前記水槽部の水位を一定に保持すべく前記給水口を介して前記水槽部に水を供給するための給水部と、前記給水口に設けられ、該給水口の閉塞方向に常時付勢されると共に、押圧力の付与に基づき開弁する弁体とを備える給水装置であって、
前記消耗品の補充時に、前記収容部を着脱するために、装置本体に設けられる開口部と、
前記収容部を着脱不可とすべく、前記開口部に装着される蓋体と、
前記給水口の近傍に支持され、前記蓋体の装着時に、前記弁体を開弁すべく、端部を該弁体に当接させて押圧力を付与する押圧部材と、
を備え、
前記押圧部材は、前記蓋体の非装着時に、前記端部を前記弁体から離間する
ことを特徴とする給水装置。
【請求項2】
前記蓋体は、前記開口部への装着時に、前記押圧部材の被当接部に押圧力を付与する突起部を有し、
前記押圧部材は、前記突起部からの前記押圧力に基づき回動し、前記端部を前記弁体に当接させて、該弁体に押圧力を付与する
ことを特徴とする請求項1記載の給水装置。
【請求項3】
水が貯留される水槽部と、給水口を有し、前記水槽部の水位を一定に保持すべく前記給水口を介して前記水槽部に水を供給するための給水部と、前記給水口に設けられ、該給水口の閉塞方向に常時付勢されると共に、押圧力の付与に基づき開弁する弁体と、前記水槽部内に着脱可能に配置され、補充が必要な薬剤が収容される収容部と、前記薬剤を霧化すべく前記水への出力を行う超音波振動子と、霧化された前記薬剤をスチームとして装置本体外へ噴出させる噴出部とを備えるスチーム発生装置であって、
前記薬剤の補充時に、前記収容部を着脱するために、装置本体に設けられる開口部と、
前記収容部を着脱不可とすべく、前記開口部に装着される蓋体と、
前記給水口の近傍に支持され、前記蓋体の装着時に、前記弁体を開弁すべく、端部を該弁体に当接させて押圧力を付与する押圧部材と、
を備え、
前記押圧部材は、前記蓋体の非装着時に、前記端部を前記弁体から離間する
ことを特徴とするスチーム発生装置。
【請求項4】
前記蓋体は、前記開口部への装着時に、前記押圧部材の被当接部に押圧力を付与する突起部を有し、
前記押圧部材は、前記突起部からの前記押圧力に基づき回動し、前記端部を前記弁体に当接させて、該弁体に押圧力を付与する
ことを特徴とする請求項3記載のスチーム発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−42199(P2010−42199A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209926(P2008−209926)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(595070877)株式会社ジャパンエステティック協会 (6)
【Fターム(参考)】