説明

給湯装置

【課題】外観性を損なうことなく、設置運搬性の向上した給湯装置を提供すること。
【解決手段】本発明の給湯装置は、略直方体形状の筐体を有した給湯装置であって、筐体の正面1、背面3、両側面2a(2b)に運搬用の把持部6a(6b、6c)を備え、正面1の把持部5aと一方の側面の把持部6aとを、正面1と一方の側面2aとで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置し、背面3の把持部6cと他方の側面2bの把持部6bとを、背面3と他方の側面2bとで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置することにより、運搬時には、設置運搬従事者の視界を確保することができ、設置運搬性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機の構造に関するものであり、特に、部品点数の削減、または設置運搬時の安全性向上、従事人員の低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のヒートポンプ式給湯機において、タンクとヒートポンプサイクルとが一体的に構成された一体型のヒートポンプ式給湯機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図3は、従来の一体型ヒートポンプ式給湯機の構成図を示す。図3に示すように、従来の一体型ヒートポンプ式給湯機の運搬用の把持部は、筐体の左右両側面に配設されており、それぞれの側面には、左右の両手で把持するために、2つの把持部が設けられている。
【特許文献1】特開2005−337597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のように構成された一体型のヒートポンプ式給湯機を運搬するには、運搬者が両手で筐体を持ち上げると、設置運搬従事者の正面に、筐体の側面が立ちはだかる形で存在し、設置運搬作業時に充分な視界を確保することが困難であった。そのため運搬従事者の他に、周囲の安全確認担当者が必要となる場合もあり、設置運搬性が低いという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、外観性を損なうことなく、設置運搬性の向上した給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、略直方体形状の筐体を有した給湯装置であって、前記筐体の正面、背面、両側面に運搬用の把持部を備え、前記正面の把持部と一方の側面の把持部とを、前記正面と前記一方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置し、前記背面の把持部と他方の側面の把持部とを、前記背面と前記他方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置することにより、運搬時には、設置運搬従事者の視界を確保することができ、設置運搬性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、外観性を損なうことなく、設置運搬性の向上した給湯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明の給湯装置は、略直方体形状の筐体を有した給湯装置であって、前記筐体の正面、背面、両側面に運搬用の把持部を備え、前記正面の把持部と一方の側面の把持部とを、前記正面と前記一方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置し、前記背面の把持部と他方の側面の把持部とを、前記背面と前記他方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置することにより、運搬時には、設置運搬従事者の視界を確保することができ、設置運搬性を向上させることができる。
【0008】
第2の発明の給湯装置は、特に第1の発明の給湯装置の操作を行う操作部を備え、前記操作部を覆う扉と、前記正面に設けた把持部とを一体的に構成することにより、部品点数を削減することができ、また外観性を損なうことなくコストを低減することができる。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、第1の実施例における一体型ヒートポンプ式給湯機の正面図、両側面図、背面図である。図1が示すように、給湯機の筐体は正面(前板)1、左右2つの側面(側板)2aおよび2b、背面(後板)3、天面(天板)4を有している。そして、図2に給湯機を操作するための操作部を覆う扉の構成図を示す。
【0011】
本実施の形態では、従来例では正面に配されていた給湯機を操作するための操作部を覆う扉5aが、一つの側面上に一対であった把持部の一方の代わりとなるような構成となっている。つまり従来では、一つの側面上に2つの把持部を有していたが、本実施の形態では、正面に1つの把持部5a、側面に1つの把持部6aを設けた構成を成しており、正面に設けた把持部5aと、操作部を覆う扉とを一体的に形成している。
【0012】
そして図1が示すように、もう一対の把持部6b、6cを、把持部6aを設けた側面と対峙する反対の側面2b、及び、背面3に配している。そして、把持部5aおよび6aは、前板1と右側面2aが共有する辺を中心に対象となる位置に配設されており、さらに、把持部6および6cは、後板3と左側面2bか共有する辺を中心に対象となる位置に配設されている。
【0013】
そして、それらの把持部の高さは、水平方向にはほぼ同位置で、把持部に手を掛けて、給湯機本体を持ち上げる際に、最も作業従事者の負担の少ない平均的な位置に設定されている。
【0014】
このように構成された場合、設置運搬作業として給湯機正面からみて右から左に給湯機を運ぶと仮定すると、設置運搬作業の従事者の前面に筐体が立ちはだかることがなく、正面側を担ぐ作業者は、進行方向の視界を確保することができ、背面側を担ぐ作業者は進行方向とは逆側の視界を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
以上のように本発明の構造は、設置運搬を2名の作業従事者で行なえる重さと形状で、且つ、運搬の為に持ち上げた際に、作業従事者の目の高さより高い位置に筐体が来る形状の製品、例えば給湯機の貯湯ユニットや大型冷蔵庫に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における給湯装置の正面図(b)同側面図(c)同背面図(d)同側面図
【図2】同要部拡大図
【図3】(a)従来の給湯装置の正面図(b)同側面図(c)同背面図(d)同側面図
【符号の説明】
【0017】
1 正面(前板)
2 側面(側板)
2a 右側面
2b 左側面
3 給湯機筐体・背面(後板)
4 給湯機筐体・天面(天板)
5a 把持部(兼操作部扉)
6a 把持部(右側面上)
6b 把持部(左側面上)
6c 把持部(背面上)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状の筐体を有した給湯装置であって、前記筐体の正面、背面、両側面に運搬用の把持部を備え、前記正面の把持部と一方の側面の把持部とを、前記正面と前記一方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置し、前記背面の把持部と他方の側面の把持部とを、前記背面と前記他方の側面とで共有する辺をはさんで略左右対称となる位置に配置することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯装置の操作を行う操作部を備え、前記操作部を覆う扉と、前記正面に設けた把持部とを一体的に構成することを特徴とする給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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