説明

給紙トレイ、その給紙トレイを備えた給紙装置およびその給紙装置を備えた画像記録装置

【課題】どのような用紙であっても、収容した用紙の枚数が少なくなった状態においても重送せずに給紙することを目的とし、収容した用紙のうちの一番下の用紙を係止する給紙トレイ、給紙装置、画像記録装置を提供すること。
【解決手段】給紙トレイのリヤガイド67には、操作部201及び保持部202が形成された係止部材20が設けられている。操作部201が操作されると、操作部201の上方がノブ部673に近づき、保持部202は上向きに変位し、保持部202とスライダ671との間に、用紙の入り込みが可能な程度の隙間ができる。1枚の用紙がこの隙間に挟まれた後、保持部202が元の位置に戻り、用紙が動かない程度に係止される。その結果、それより上に積載された用紙の給紙時にも、係止された用紙が動かないため、重送が防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容した被記録媒体を確実に一枚ずつ分離可能な給紙トレイ、その給紙トレイを備えた給紙装置およびその給紙装置を備えた画像記録装置に関し、詳しくは、収容した用紙の最下層の一枚を係止することで、それ以外の用紙を確実に分離可能な給紙トレイ、その給紙トレイを備えた給紙装置およびその給紙装置を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録用紙などの被記録媒体上に画像を記録する装置として、インクジェットプリンタやファクシミリ装置などの画像記録装置が知られている。これらの装置では、装置本体内に備えられた給紙トレイに、複数枚の被記録媒体である用紙が積層状態で収容される。収容された用紙は、用紙の最上層に当接した給紙ローラなどの給紙機構によって一枚ずつ分離給紙され、Uターン経路を介して画像記録部へと送られ、用紙表面に画像が記録される。
【0003】
特許文献1に開示されているようなインクジェットプリンタの場合、多数枚の用紙が積層状態で給紙トレイに収容される。その用紙の上面に給紙ローラが圧着し、その給紙ローラが回転することによって、用紙は記録部に給紙される。複数枚の用紙に印字する場合、一番上の用紙の給紙が完了すると、続いてそのすぐ下にあった用紙が給紙可能な状態となる。一番上の用紙への印字が完了すると、次の用紙が給紙される。従って、積層状態で収容された多数枚の用紙は、連続的に給紙されることとなる。
【0004】
給紙トレイに収容した用紙を給紙ローラで給紙する場合、一番上の用紙には、給紙ローラとその用紙の上面との間の静摩擦係数と、その用紙の下面とその用紙の下に積載された用紙の上面との間の静摩擦係数とが作用する。また、一番上の用紙よりも下に積載されているそれぞれの用紙には、用紙の上面とその用紙の上に存在する用紙の下面との間の静摩擦係数と、用紙の下面とその用紙の下に存在する用紙の上面との間の静摩擦係数とが作用する。また、一番下の用紙には、用紙の上面とその用紙の上に存在する用紙の下面との間の静摩擦係数と、用紙の下面と給紙トレイの底面との間の静摩擦係数とが作用する。
【0005】
従って、用紙を一枚ずつ給紙するためには、一番上の用紙においては、給紙ローラとその用紙との間の静摩擦係数が、収容されている積載用紙間の静摩擦係数よりも大きく設定される必要がある。
【0006】
また、給紙トレイの底面にコルク部材などのベースパッドが設けられており、一番下の用紙の下面と給紙トレイ底面との間の静摩擦係数を大きくしている。この構成により、積載用紙が残り数枚になった状態でも、給紙トレイの底面は一番下の用紙が動かないように安定に支持できるため、それより上に積載されている用紙間の静摩擦係数が低下しない。従って、給紙トレイに収容されている用紙の数枚が給紙時につられて給紙されてしまう、重送が防止できる。
【0007】
ところで、上述した画像記録装置の被記録媒体として用いられる用紙は、様々な大きさや材質のものが販売されている。さらに、近年ではインクジェットプリンタにおいて、印字を高品質に行うために、いわゆる光沢紙が用いられることがある。光沢紙は、用紙表面が平滑化されていたり、インクの受容層を設けられるなど、記録面に処理が施され光沢面を有した特殊紙である。光沢紙は、年賀ハガキとしても利用されている。
【0008】
このような光沢紙の記録面とその裏面では、摩擦係数が大きく異なっている。その理由は、記録面には様々な処理が施されているため、普通紙よりも摩擦係数が大きくなるので、積層状態から給紙する際に一枚ずつ用紙を分離可能とするために、積層状態で光沢面と接する裏面の摩擦係数が普通紙よりも小さく形成されている。以降記録面を高μ面、裏面を低μ面と称する。
【0009】
上述したUターン経路が設けられた画像記録装置にて光沢紙の低μ面に印字を行う場合、例えば光沢ハガキのように裏面に住所氏名などの宛名を印字するときには、給紙トレイの底面と向かい合うよう低μ面を下向きにして光沢ハガキが収容され、給紙ローラは光沢ハガキの高μ面をグリップして給送を行う。
【0010】
低μ面の摩擦係数は普通紙の摩擦係数よりも小さいことから、低μ面と給紙トレイ底面との間の静摩擦係数も小さくなる。このため、特に積載枚数が残り数枚となった状態では、給紙ローラの回転による供給方向に沿った力が積載状態の用紙に作用することで、積載されている用紙のうち、一番下の用紙は、給紙トレイの底面からずれて動くことがある。一番下の用紙が底面から動くことによって、一番下の用紙の上に積載されている用紙との間の静摩擦係数も低下し、動きやすくなってしまう。これに伴い、給紙トレイに積載されている用紙全てにおいて、用紙間の静摩擦係数が低下してしまう。
【0011】
このように、一番下の用紙と給紙トレイとの間の静摩擦係数が小さく、一番下の用紙が動きやすい状態において給紙を行うと、積載されている用紙間の静摩擦係数が低下しているため、給紙したい一番上の用紙より下にある用紙も、一番上の用紙とともに、重送されてしまっていた。
【0012】
この問題を解決するために、特許文献2には、給紙される用紙の表裏と同じ材質、処理を施された給紙補助シートが開示されている。この給紙補助シートは、給紙トレイの底面に載置され、その上に用紙が積載されるので、積載する用紙の上面と同じ特性を持つ給紙補助シートの面が、用紙と当接する上面となる。よって、この給紙補助シートを用いることによって、用紙下面と給紙補助シート上面との間の静摩擦係数と用紙間の静摩擦係数とが同じになるため、積載用紙の重送が防止される。
【特許文献1】特開2007−62965号(図3等)
【特許文献2】特開平9−188429号(図5等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、一般に販売されている用紙は、普通紙や特殊紙など多種存在している。また、製造メーカが異なれば、同じ光沢紙でも摩擦係数は異なることから、それぞれの用紙の摩擦係数に対応した補助シートを用意することは、事実上不可能であった。
【0014】
本発明は上述した問題を解決するものであり、どのような用紙であっても、収容した用紙の枚数が少なくなった状態においても重送せずに給紙することを目的とし、収容した用紙のうちの一番下の用紙を係止する給紙トレイを提供する。またその給紙トレイを備えた給紙装置およびその給紙装置を備えた画像記録装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の給紙トレイは、給紙ローラによって給紙される被記録媒体を堆積状態で収容可能な収容部を有する給紙トレイであって、前記被記録媒体の最下層の1枚を給紙不能に係止する係止部材を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙トレイにおいて、底面、または被記録媒体の側縁と接触するサイドガイド、または被記録媒体の給紙方向における上流側端縁と接触するリヤガイド、のうち少なくとも一つを有し、当該底面または当該サイドガイドまたは当該リヤガイドとのうち少なくとも一つにおいて、被記録媒体の最下層の一枚と接触可能な位置に前記係止部材が設けられることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の給紙トレイにおいて、前記係止部材は、前記サイドガイドもしくは前記リヤガイドの移動に連動して係止可能となることを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の給紙トレイにおいて、前記底面は、前記収容部に収容された被記録媒体と接触する接触面と、接触面より低く被記録媒体と接触しない凹み面とを有し、前記係止部材は、当該接触面よりも突出し被記録媒体を係止可能な突出位置と当該接触面から突出しない退避位置とに移動可能であること特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の給紙トレイにおいて、前記凹み面に当接部材が設けられ、前記係止部材は、前記当接部材との当接によって、前記突出位置に移動可能であることを特徴としている。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の給紙トレイにおいて、前記底面は、前記給紙ローラと対向する位置に当該底面の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材を有し、前記係止部材は、給紙方向において当該摩擦部材と同じ位置もしくは当該摩擦部材よりも下流側の位置に設けられ、被記録媒体の最下層の一枚の下流側端部と当接して止める止め部を備えることを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の給紙トレイにおいて、前記底面は、前記給紙ローラと対向する位置に当該底面の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材を有し、前記係止部材は、前記摩擦部材よりも摩擦係数の大きい高摩擦部材を備えることを特徴としている。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載の給紙トレイにおいて、前記係止部材は、被記録媒体を保持する保持部と、当該保持部を動かすための操作部とを有することを特徴としている。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の給紙トレイにおいて、前記保持部は、弾性部材を備えていることを特徴としている。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の給紙トレイにおいて、前記サイドガイドおよび前記リヤガイドは、移動可能とするための移動操作部を有し、前記係止部材の前記操作部は、前記サイドガイドおよび前記リヤガイドの前記移動操作部に設けられていることを特徴としている。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれかに記載の給紙トレイにおいて、前記係止部材は、光沢ハガキの大きさに応じた位置で係止可能となることを特徴としている。
【0026】
請求項12に記載の給紙装置は、請求項1から11のいずれかに記載の給紙トレイと、前記収容部に収容された被記録媒体を供給する給紙ローラと、を備えることを特徴としている。
【0027】
請求項13に記載の画像記録装置は、請求項12に記載の給紙装置と、画像記録部と
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1に記載の給紙トレイによれば、収容部に積層状態で収容される被記録媒体の最下層の一枚が係止部材によって給紙不能に係止されるため、給紙時にその一枚がずれることがない。従って、最下層の一枚より上に存在する被記録媒体間の摩擦係数が低下せず、重送が防止できる。
【0029】
請求項2に記載の給紙トレイによれば、底面、サイドガイド、リヤガイドのうち少なくとも一つにおいて、被記録媒体の最下層の一枚と接触可能な位置に係止部材が設けられるので、確実に被記録媒体の最下層の一枚を係止できる。
【0030】
請求項3に記載の給紙トレイによれば、給紙トレイに設けられたサイドガイドもしくはリヤガイドを動かすだけで、係止部材が最下層の一枚を係止可能となるので、操作者が給紙トレイおよび係止部材を使用するときの操作が少なくてすみ、容易である。
【0031】
請求項4に記載の給紙トレイによれば、係止部材は給紙トレイ底面の被記録媒体との接触面から突出する突出位置と突出しない退避位置に移動可能である。従って、係止部材を使用しない場合は、係止部材を用紙と接触しない位置に配置できるので、被記録媒体と係止部材とが接触せず給紙が妨げられない。
【0032】
請求項5に記載の給紙トレイによれば、凹み面に当接部材が設けられ、係止部材と当接部材が当接することで係止部材が突出位置に移動する。従って、係合部材を使用しない場合には、被記録媒体と当接部材とが干渉せず、給紙が妨げられない。
【0033】
請求項6に記載の給紙トレイによれば、底面は給紙ローラと対向する位置に摩擦部材を有し、係止部材は、給紙方向において摩擦部材と同じ位置もしくは摩擦部材よりも下流側に位置し、被記録媒体の最下層の一枚の下流側端部を止める止め部を有している。給紙時において、被記録媒体には給紙ローラと当接する位置にて給紙方向への力が作用する。止め部を有する係止部材は、被記録媒体に作用する力と同じもしくは給紙方向において下流側の位置に設けられるので、被記録媒体の最下層の一枚を確実に係止できる。
【0034】
請求項7に記載の給紙トレイによれば、底面は摩擦係数が底面よりも大きい摩擦部材を有し、係止部材は、摩擦部材よりも摩擦係数の大きい高摩擦部材を備えることから、被記録媒体の最下層の一枚を確実に係止できる。
【0035】
請求項8に記載の給紙トレイによれば、係止部材は、被記録媒体を保持する保持部と、保持部を作動可能とする操作部とを有する。すなわち、操作者が操作部を操作することで係止部材を変位させることができる。従って、係止部材の操作が容易となる。
【0036】
請求項9に記載の給紙トレイによれば、係止部材の保持部が弾性部材を備えていることから、弾性部材の弾性力によって、被記録媒体の最下層の一枚を確実に保持できる。
【0037】
請求項10に記載の給紙トレイによれば、サイドガイドおよびリヤガイドは、移動時に操作者によって操作される移動操作部を有し、係止部材の操作部は移動操作部に設けられている。従って、操作者がサイドガイドもしくはリヤガイドの移動操作部を操作すると同時に、係止部材の操作部も操作されるため、操作が容易である。
【0038】
請求項11に記載の給紙トレイによれば、係止部材が光沢ハガキの大きさに応じた位置において係止可能となることから、表裏で摩擦係数が大きく異なる光沢ハガキの重送を確実に防止できる。
【0039】
請求項12に記載の給紙装置は、被記録媒体の重送を防止できる給紙トレイを備えているため、確実に給紙が可能となる。
【0040】
請求項13に記載の画像記録装置は、重送を防止できる給紙装置を備えているため、画像の記録が確実に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
[第1の実施形態]
以下に、本発明を多機能型の画像記録装置に適用した第1の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の画像記録装置1の外観斜視図である。この画像記録装置1は、いわゆる多機能装置であり、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などの各種機能を有したインクジェットプリンタである。本実施形態では、プリンタ機能以外の機能は任意のものである。つまり、本発明は、スキャナ機能やコピー機能を有さない単機能のプリンタとして実施されてもよい。なお、以下の説明において図1の画像記録装置1の手前側を前側とし、左右方向、前後方向、および上下方向を規定する。
<外観的構成>
図1に示すように画像記録装置1は略直方体形のケーシング2と、そのケーシング2の上部に配置された原稿読取部3と、ケーシング2の前方上部に配置された装置操作部4とを備えている。ケーシング2の前面には開口部5が形成されている。その開口部5には、給紙トレイ6が進退可能に装着される。給紙トレイ6の詳細な構成については後述する。
【0042】
原稿読取部3は、コピー機能やファクシミリ機能において原稿の画像を読み取るものである。その原稿読取部3は、ケーシング2の後端側に回動可能に支持され、後端を中心として上下開閉可能となっている。原稿読取部3は、図示しない原稿載置用のガラス板と原稿カバー体とを備え、原稿カバー体はガラス板を覆うよう上下開閉可能に構成されている。図示しない原稿読取用スキャナはガラス板の下方に配置される。この構成により、ユーザが原稿カバー体を上方に開けてガラス板上に原稿を載置した状態で、原稿読取用スキャナが原稿を読み取る。
【0043】
装置操作部4は、ケーシング2の上部前方に配置され、各種操作ボタンを備えた操作パネルと操作手順や実行中の処理の状態を表示する液晶ディスプレイとを備えている。操作ボタンとしてはストップボタンやスタートボタンが含まれ、ユーザがこれらの操作ボタンを押下することによって、各種操作が行われる。また、画像記録装置1の設定状態や各種の操作メッセージなどが必要に応じて液晶ディスプレイに表示される。
<内部構成>
次に、図2を参照して、画像記録装置1の内部構成の詳細について説明する。図2は画像記録装置1の給紙トレイ6、給紙機構7及び記録部8の側断面図である。本実施形態の記録部8は、本発明の画像記録部に相当する。
(記録部の構成)
図2に示すように、図1における画像記録装置1本体の開口部5に給紙トレイ6が装着された状態では、記録部8は、給紙トレイ6および給紙機構7からなる給紙装置の上方に配置される。図2中の矢印Xは用紙Pの供給方向を示す。給紙トレイ6に収容された用紙Pは、給紙機構7によって供給方向Xへ供給され、用紙搬送路9を通り、記録部8に向かって矢印Sで示す搬送方向へ搬送される。
【0044】
記録部8では、一対のガイド部材82、83が図示しない本体フレームに固定されており、ガイド部材82、83は、図2の紙面に対して垂直方向に延びた板状となっていて、キャリッジ81は、ガイド部材82、83によって摺動可能に支持されている。キャリッジ81の下面には、記録ヘッド84が下向きに設けられており、プラテン85が、記録ヘッド84の下面と対向するように両ガイド部材82、83の間に配設されている。レジストローラ対86は、用紙Pの搬送方向Sにおいてプラテン85の上流側に配置され、排紙ローラ対87がプラテン85の下流側に配置されている。
【0045】
レジストローラ対86は、用紙搬送路9を通って搬送されてきた用紙Pを記録ヘッド84の下側に送る。記録ヘッド84は搬送されてきた用紙Pに画像を記録し、排紙ローラ対87は画像が記録された用紙Pを、給紙トレイ6の上に設けられた排紙トレイ10上に排出する。プラテン85は、搬送される用紙Pと記録ヘッド84との間隔が一定になるように用紙Pを支持する。
(給紙装置の構成)
続いて、給紙トレイ6および給紙機構7からなる給紙装置について詳細に説明する。図2に示すように、給紙機構7は、駆動軸71と、ホルダ部72と、給紙ローラ73を有し、給紙機構7が給紙トレイ6の後端側の上方に配置される。駆動軸71は、画像記録装置1の内部に設けられた図示しない本体フレームに回転可能に支持されている。駆動軸71の一端側には図示しないギヤが取り付けられており、画像記録装置1の本体に設けられたギヤ列などの公知の連結駆動機構を介して、図示しない駆動モータと連結している。
【0046】
ホルダ部72は揺動可能に形成されている。ホルダ部72内にはギヤ列からなる駆動伝達機構が設けられ、駆動軸71と給紙ローラ73とを連結している。駆動モータからの駆動は、連結駆動機構、駆動軸71、駆動伝達機構を介して給紙ローラ73まで伝達される。
【0047】
ホルダ部72は、図示しないバネによって下方向に付勢され、給紙ローラ73は、給紙トレイ6内に収容された用紙Pの最上面に圧着する。給紙ローラ73は、駆動モータからの動力の伝達によって図2において時計回りに回転し、用紙Pを記録部8に向かって一枚ずつ給紙する。
(給紙トレイの構成)
続いて、図2および図3を参照して、給紙トレイ6の構成について詳細に説明する。図3は排紙トレイ10の前部を上向きに開いた状態の給紙トレイ6の斜視図である。
【0048】
給紙トレイ6は、底板61と、左右両側版62と、供給方向Xの上流側端の把持溝631が設けられた前板63と、供給方向Xの下流側端の傾斜分離板64とによって構成され、多数枚の用紙Pを堆積状態で収容する収容部60を形成している。また、この給紙トレイ6の収容部60上には、図3に示すように、排紙トレイ10がその下流側端部が上方へ回動可能に設けられている。
【0049】
給紙トレイ6は、例えばA4サイズ、レターサイズ、リーガルサイズ等の大きいサイズにカットされた用紙Pを、その短辺が図3における傾斜分離板64に沿って多数枚積載させて収容できる形態とする。給紙トレイ6の収容部60への用紙Pの最大堆積量は、普通紙で100枚程度、積載高さは約10mm程度とする。
【0050】
図3に示すように、排紙トレイ10は、給紙トレイ6の左右両側板62に対して設けられた上下回動可能な連結部101を介して排紙トレイ10の前側を給紙トレイの上面に対して大きく上方に回動させることが可能である。この状態で排紙トレイ10を外すことなく、給紙トレイ6における収容部60に所定サイズの用紙Pを補給することが可能となる。
【0051】
図3に示すように給紙トレイ6の供給方向Xにおいて下流側端部に配置される用紙分離用の傾斜分離板64の左右方向において略中央部表面には、分離手段としての金属板バネ製の弾性分離部材641が設けられている。
【0052】
図2に示すように、用紙Pの給紙時において、給紙トレイ6に収容された用紙Pは、給紙機構7の給紙ローラ73と弾性分離部材641との協働作用により、一枚ずつ供給方向Xに沿って分離給紙される。給紙された用紙Pは、Uターンパス用の用紙搬送路9を通り、矢印Sで示す搬送方向に沿って記録部8に搬送される。搬送された用紙Pは、記録部8によって上面に画像が記録され、その記録面を上向きにして排紙トレイ10の排紙受け部102に排出される。
【0053】
図3に示すように、給紙トレイ6には、収容部60に積層状態で収容された用紙Pの供給方向Xと平行な側縁を案内し、かつ位置決めするための一対のサイドガイド65R、65Lが設けられている。このサイドガイド65R、65Lは、底板61上であって給紙トレイ6の左右両側板62の間にて、供給方向Xと直交する方向にスライド可能に設けられている。各サイドガイド65R、65Lは、底板61と平行であり収容部60に収容された用紙Pの下面を支持する支持板としてのサイドスライダ651と、このサイドスライダ651から垂直に立設する当接板652と、サイドスライダ651から延び、底板61に貫通形成された左右一対の平行状のガイド溝611に沿うラック613と、図示しないロック部材を係合および脱離する方向に変位させるための摘部654とを備えている。
【0054】
各サイドスライダ651は、底板61の上面に沿って左右方向にスライド可能で、収容される用紙Pの下面を支持する。各当接板652は、用紙Pの供給方向Xに沿う側縁に当接するものである。各ロック部材は、サイドスライダ651の下面に設けられ、底板61の上面に形成された複数の係合歯612に対して選択的に係合および脱離する方向に変位可能となる。
【0055】
また、各サイドスライダ651の下面のラック653の片面にはラック歯が形成されている。左右一対のラック653は、底板61に貫通形成された左右一対の平行状のガイド溝611内に沿って、互いに他方のサイドガイドに向かうように延びている。そして、左右一対のラック653の各ラック歯が給紙トレイ6の底板61のうち図3における左右方向の中心線位置に配置された回転自在なピニオン613に噛合うように構成されている。その結果、一対のサイドガイド65R,65Lにより、給紙トレイ6の幅方向(用紙Pの供給方向Xと直交する方向)の中心線と用紙Pの幅方向の中心線とが一致するように、いわゆるセンター位置合わせすることができる。
【0056】
収容部60において、用紙Pの供給方向Xにおける上流側端縁を規制するためのリヤガイド67は、図2に示すように底板61の上下面を挟んで、供給方向Xに沿ってスライド可能なスライダ671と、収容される用紙Pの供給方向Xの上流側端縁に当接する縦板部672と、スライダ671の上面側から縦板部672の後側に適宜隔てて立設するノブ部673とを備える。このリヤガイド67は、弾性を有する合成樹脂製の射出成型品である。
【0057】
図4は、排紙トレイ10を外した状態での給紙トレイ6の斜視図である。図3および図4に示すように、スライダ671の左右両側端部が底板61に用紙Pの供給方向Xに沿って延びるように貫通形成された一対のリヤガイド溝614およびリヤガイド溝孔616に案内されながら摺接することにより、リヤガイド67が進退移動可能となる。一対のリヤガイド溝614の間にて底板61上面には複数の係合歯615が形成されている。各係合歯615は、リヤガイド溝614の延びる方向と直交する方向に延びる凹凸形状であり、これによりリヤガイド67がロックされて位置決めできる。
【0058】
スライダ671の下面に形成された係止爪(図示せず)は、係合歯615の凹凸部分に対して選択的に係合可能とされている。平面視コ字状の縦板部672とノブ部673とをその前後間隔が縮まるようにユーザが摘むと、縦板部672の付け根部と連接されているスライダ671が、合成樹脂材の弾性により、上向きに変位し、スライダ671下面の係止爪(図示せず)が係合歯615の凹凸部分から離れるように構成されている。
【0059】
次に、図4および図5を用いて、本発明の第1実施形態であるリヤガイド67の構成を、さらに詳細に説明する。図5は、リヤガイド67の部分拡大図である。
【0060】
図4に示すように、リヤガイド67には、係止部材20が設けられている。図5(a)から明らかなように、係止部材20は、操作部201及び保持部202を有し、操作部201はノブ部673に連接され、ノブ部673を間に挟み、縦板部672の後方に設けられている。保持部202は、操作部201の下方にスライダ671と当接するよう設けられており、ゴムなどの弾性部材で構成されている。
【0061】
このような構成を有する係止部材20によって用紙Pの一枚を係止するときには、図5(b)に示すように、ユーザが、操作部201とノブ部673とを、その前後間隔が縮まるように摘む。それに従って、合成樹脂材の弾性により、ノブ部673と係合部材20とが連接されている部分を回転中心として、操作部201の上方がノブ部673に近づき、保持部202は上向きに変位する。その結果、保持部202の下方に設けられた保持部202とスライダ671との間に、用紙Pの入り込みが可能な程度の隙間ができる。
【0062】
収容される用紙Pのうちの1枚がこの隙間に挟まれた後、操作部201とノブ部673とがユーザの手から解放される。すると保持部202が元の位置に戻り、用紙Pを間に挟んだ状態でスライダ671と当接するため、用紙Pが係止されることとなる。
【0063】
その後、ノブ部673と縦板部672とが摘まれて移動可能な状態とされ、リヤガイド溝614およびリヤガイド溝孔616に案内されながら、リヤガイド67は収容される用紙Pに対応した位置まで移動される。そして、係止された用紙Pの上にさらに用紙Pが積載されることで、記録するための用紙Pの収容および給紙準備が完了となる。これにより、収容された用紙Pのうち一番下の用紙Pは、それより上に積載された用紙Pに給紙ローラ73による給紙方向Xに沿った力が作用しても、動かない程度に係止可能となる。
【0064】
また、先にリヤガイド67が収容される用紙Pに対応した位置まで移動された後に、用紙Pを挟む操作が行われてもよい。
【0065】
さらに、ユーザが、用紙Pの供給方向Xにおける上流側端部に対してリヤガイド67を当接させるために縦板部672とノブ部673とを摘む操作と同時に、用紙Pを係止する動作を行ってもよい。言い換えれば、ノブ部673を間に挟んで、縦板部672と操作部201とが、その上方を互いに近づけるように操作されることで、リヤガイド67の移動が可能になるのと同時に、用紙Pを挟む動作も行うことができる。
【0066】
上述したように係止部材20が給紙トレイ6に設けられることで、収容された用紙Pが給紙ローラ73によって給紙され、供給方向Xに沿った方向の力がそれぞれの用紙Pに作用しても、一番下の1枚の用紙Pは、給紙不能もしくは動かない程度に係止される。
【0067】
用紙Pが給紙ローラ73によって給紙されると、収容されている用紙Pのうち一番上の用紙Pに当接しながら給紙ローラ73が回転し始め、用紙P間の静摩擦係数によって、それぞれの用紙Pには供給方向Xに沿った力が作用する。
【0068】
給紙トレイ6の底板61には、底板61の静摩擦係数よりも大きい静摩擦係数を有する摩擦部材617が、左右方向略中央であって、傾斜分離板64から所定距離離れた位置に配置されている。この摩擦部材617の配置位置は、画像記録装置1に備えられた給紙ローラ73と底板61とが接触する位置であり、給紙トレイ6が用紙Pを収容し、画像記録装置1に装着されると、用紙Pを挟んで給紙ローラ73と対向する位置に摩擦部材617が配置されることとなる。この配置により、用紙Pの収容枚数が減った場合でも、一番下の用紙Pが摩擦部材によって保持されるため、一番下の用紙Pがずれたりせず、それより上にある用紙P間の静摩擦係数の低下および、それに伴う重送が防止される。
【0069】
普通紙のような通常の用紙Pであれば、給紙ローラ73によって用紙Pが給紙されるときに、摩擦部材617と一番下の用紙Pの下面との間の静摩擦係数は、それぞれの用紙P間の静摩擦係数よりも大きく設定されることとなる。
【0070】
しかしながら、摩擦部材617との間の摩擦係数は、収容される用紙Pによっては非常に小さくなる可能性がある。例えば、Uターン経路を有する画像記録装置において、光沢ハガキの宛名面である低μ面に印字を行う場合には、給紙トレイの底板61と用紙Pの低μ面とが向い合うこととなる。用紙Pの低μ面の裏面にあたる高μ面が上面に来ることから、摩擦部材617の材質によっては、用紙P間の静摩擦係数よりも、底板61と低μ面との間の静摩擦係数のほうが小さくなってしまう。
【0071】
本発明によれば、給紙トレイに係止された一番下の用紙Pが係止部材20によって係止されるため、例え底板61と低μ面との間の静摩擦係数が小さくても、給紙ローラ73の回転による用紙Pへの供給方向Xの力が作用しても、係止された状態のまま動くことがない。もしくは、動いたとしても、給紙不能な程度にしか動かない。従って、一番下の用紙Pがずれないため、積載されている用紙P間のそれぞれの静止摩擦係数も低下せず、重送を防止できる。
【0072】
また、操作部201および保持部202がリヤガイド67に設けられているため、リヤガイドを移動させるための縦板部672と操作部201とを同時に操作可能となる。従って、係合部材20によって用紙Pを挟む動作とリヤガイド67の移動とを同時に行うことができ、ユーザの操作が容易となる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図6と図7とを用いて説明する。本第2の実施形態は、用紙Pがリヤガイドではなく底板61に係止されること以外は、上述した第1の実施形態と同一の構成であるため、異なる構成部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一構成の部位については、同じ符号を用いる。
【0073】
図6は、前板63を除いた状態の給紙トレイ6の斜視図である。給紙トレイ6の後部には傾斜分離板64が設けられており、その左右方向中央部には弾性分離部材641が備えられている。
【0074】
給紙トレイ6の底板61には、底板61の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材617が、左右方向略中央であって、傾斜分離板64から所定距離離れた位置に配置されている。この摩擦部材617は、給紙トレイ6が画像記録装置1に装着されたときに、給紙ローラ73と対向する位置に設けられている。
【0075】
図6(b)は、図6(a)における給紙トレイ後部の部分拡大図である。また、図7は係止部材21の拡大断面図であり、係止部材21の(a)用紙Pを係止していない非作動状態、(b)用紙Pを係止した作動状態、(c)用紙Pを一枚係止し、その上に用紙Pを積載した状態を示す。底板61において、摩擦部材617の供給方向Xにおける下流側には、係止部材21が設けられている。係止部材21は、左右方向の略中央に配置され、操作部211と保持部212とを有する。操作部211および保持部212は、底板61にはまり込むように形成されている。操作部211は、ユーザが操作する際の目印となるように、押し部211Aが形成されており、この押し部211Aは底板61より突出しているが、収容される用紙Pに干渉しないように形成されている。そして、非作動状態では、押し部211A以外の操作部211および保持部212は、底板61の上面と面一となるよう構成されている。従って、係止部材21が非作動状態においては、用紙Pが収容および給紙されても、係止部材21が収容されている用紙Pに干渉することがない。
【0076】
図7(b)に示すように、係止部材21は、押し部211Aが押下されると、合わせて操作部211が下方へと沈み、それに伴い、保持部212は回動する様に上方へと持ち上げられる構成となっている。その結果、用紙Pで示したように、保持部212と底板61との間に用紙Pが一枚挟める程度の隙間が発生する。そして、操作部211が押下状態から解放されると、操作部211および保持部212は元の位置に戻る。
【0077】
このような構成を有する係止部材21によって用紙Pのうちの一枚を係止するときには、ユーザによって押し部211Aが押下され、保持部212と底板61との間の隙間に隙間が発生する。その隙間にユーザが用紙Pを挟み、その後押し部211A及び操作部211を押下状態から解放する。その結果、操作部211および保持部212は元の位置に戻り、挟まれた用紙Pは係止される。そして、図7(c)に示すように、その係止された用紙Pの上に、用紙Pが積載されることで、用紙Pの収容および給紙準備が完了となる。これにより、収容された用紙Pのうち一番下の用紙Pは、それより上に積載された用紙Pに給紙ローラ73による供給方向Xに沿った力が作用しても、給紙不能もしくは動かない程度係止可能となる。
【0078】
上述したような構成の係止部材21が給紙トレイ6に設けられることで、積載された用紙Pが給紙ローラ73で給紙されても、給紙トレイ6に係止された一番下の用紙Pはずれないため、積載されている用紙P間のそれぞれの静摩擦係数が低下せず、重送を防止できる。
【0079】
また、給紙トレイ6に収容されている用紙Pを給紙する給紙ローラ73は、摩擦部材617上の位置にて用紙Pと当接しながら回転し、画像記録部へ送り出す。従って、その給紙ローラ73の力は、摩擦部材617の位置に作用することとなる。係止部材21が、摩擦部材617よりも供給方向Xの下流側に設けられ、供給方向Xに逆らうように係止することから、一番下の用紙Pをさらに確実に係止できる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を図8と図9を用いて説明する。本第3の実施形態は、係止部材の構成以外は、上述した第1および第2の実施形態と同一の構成であるため、異なる構成部分についてのみ詳述し、同一構成の部位については、同じ符号を用いる。
【0080】
図8は、前板63を除いた状態の給紙トレイ6の斜視図である。給紙トレイ6の後部には傾斜分離板64が設けられており、その左右方向中央部には弾性分離部材641が備えられている。
【0081】
給紙トレイ6の底板61には、底板61の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材617が、左右方向略中央であって、傾斜分離板64から所定距離離れた位置に配置されている。この摩擦部材617は、給紙トレイ6が画像記録装置1に装着されたときに、給紙ローラ73と対向する位置に設けられている。
【0082】
図9(a)は、図8における給紙トレイ後部の部分拡大図である。底板61には、摩擦部材617よりも供給方向Xにおける下流側に、係止部材22が設けられている。係止部材22は、光沢ハガキまたはそれと同じサイズの用紙Pを係止するため、センターレジとして光沢ハガキを載置した際に、その幅方向と略一致するような位置であって、ハガキの角に対応した位置に、左右対称となるよう配置される。係止部材22は、右係止部材22Rと左係止部材22Lとで構成され、用紙Pの角を係止した際に、用紙P角の上面を覆うカバー部221を有し、用紙Pの角を係止できるように袋状となっている。 図9(b)は、カバー部221を除いた状態の係止部材22を示す。右係止部材22Rは、供給方向Xにおける用紙Pの下流側端部の右角を止めるよう、用紙Pの角を形成する2辺に沿う壁として、壁22R1、22R2を備えている。また、左係止部材22Lは、用紙Pの供給方向X下流側端部の左角を止めるよう、用紙Pの角を形成する2辺に沿う壁として、壁22L1と壁22L2とを有する。それぞれの壁の高さは、収容される用紙Pの一枚の高さとほぼ同じに構成される。
【0083】
壁22R1と壁22L1とは、給紙ローラ73によって用紙Pに作用する供給方向Xの力に逆らうための止め部として作用する。すなわち、用紙Pの両角が右係止部材22Rと左係止部材22Lとに係止されることにより、用紙Pの供給方向Xにおける下流側端縁が、壁22R1と壁22L1とによって支持される。これにより、積載されている用紙Pに供給方向Xに沿った力が発生しても、壁22R1と壁22L1とによって、用紙Pが止められることとなる。逆に言うと、係止部材22は給紙時に発生する供給方向Xの力に逆らうよう、給紙ローラ73と対向する位置、すなわち供給方向Xにおいて、摩擦部材617と同じ位置か、下流側の位置に設けられている必要がある。
【0084】
このような構成を有する係止部材22によって用紙Pのうちの一枚を係止するときには、用紙Pの供給方向Xにおける下流側端部の両角が右係止部材22Rと左係止部材22Lとにそれぞれ差し込まれるように、ユーザによって用紙Pが1枚載置される。そして、その係止された用紙Pの上に、用紙Pが積載されることで、用紙Pの収容および給紙準備が完了となる。これにより、収容された用紙Pのうち一番下の用紙Pは、それより上に積載された用紙Pに給紙ローラ73による供給方向Xに沿った力が作用しても、給紙不能もしくは動かない程度に係止可能となる。
【0085】
上述したような構成の係止部材22が給紙トレイ6に設けられることで、積載された用紙Pが給紙ローラ73で給紙されても、係止部材22によって給紙トレイ6に係止された一番下の用紙Pがずれないため、積載されている用紙P間のそれぞれの静摩擦係数が低下せず、重送を防止できる。
【0086】
また、カバー部材221によって、各壁22R1,22L1が覆われるため、係止した一枚の用紙Pの上にさらに用紙Pが積載された時に、各壁22R1,22L1と積載した用紙Pとが接触することが防止され、給紙を妨げることがない。
【0087】
本実施形態では、光沢ハガキのサイズに対応した位置に一対設けられているだけであるが、市販されている用紙サイズに合わせて、複数対設けられてもよい。その場合上述したように、供給方向Xにおいて、摩擦部材617と同じ位置か、下流側の位置にて複数対設けられていれば、様々なサイズの用紙Pを係止可能となる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態を図10ないし図12を用いて説明する。本第4の実施形態は、係止部材の構成以外は上述した実施形態と同一の構成であるため、第1〜第3の実施形態と異なる構成部分についてのみ詳述し、同一構成の部位については、同じ符号を用いる。
【0088】
図10は、前板63を除いた状態の給紙トレイ6の斜視図である。また、図11(a)は前板63を除いた状態の給紙トレイ6の平面図であり、図11(b)は図11(a)の部分拡大図である。
【0089】
給紙トレイ6の後部には傾斜分離板64が設けられており、その左右方向中央部には弾性分離部材641が備えられている。また、底板61において、その左右方向中央部であって、給紙ローラ73と接触する位置には、底板61よりも摩擦係数の大きい摩擦部材617が備えられている。
【0090】
前記第1の実施形態で説明したように、積層状態で収容される用紙Pの側縁を案内する一対のサイドガイド65R、65Lが、給紙トレイ6の底板61上であって左右両側板62の間にて、供給方向Xと直交する方向にスライド可能に設けられている。各サイドガイド65R、65Lは、用紙Pの下面を支持するサイドスライダ651と、用紙Pの側縁を支持する当接板652と、底板61に形成されたガイド溝に沿うラック653と、サイドガイド65R、65Lを移動させるためにユーザが摘む摘部654とを有している。
【0091】
給紙トレイ6の底板61は、収容される用紙Pの下面と接触し支持する構成となっている。また、底板61には、用紙Pの接触面よりも低い面を持つよう形成された、凹み部618を有している。この凹み部618は、摩擦部材617よりも供給方向Xにおいて下流側であって、図10における右半分の位置に溝状に構成されており、供給方向Xにおいて、サイドガイド65Rのサイドスライダ651の下流側先端部と同じ位置に凹み部618が設けられている。
【0092】
図12(a)は、図11(a)におけるI―I断面図である。図10ないし図12(a)に示すように、この凹み部618には、突出部材618Aが設けられている。突出部材618Aは、凹み部618の底板に形成され、底板61の用紙接触面から突出しない高さとする。突出部材618Aはサイドガイド65Rに対向する持ち上げ面を有する。この持ち上げ面は傾斜しており、サイドガイド65Rから遠い位置ほど高さが高くなるような傾斜面に形成されている。この突出部材618Aは、センターレジとして光沢ハガキを載置した際に、その幅方向と略一致するような位置に配置されている。
【0093】
図12(a)に示すように、サイドガイド65Rの当接板652には、供給方向Xの下流側の先端に係止部材23が設けられている。この係止部材23は、図12(c)に示すように、突出部材618Aに向かって先端が上方に曲ったかぎ状で、凹み部618内に収納された状態に保持され、収容された用紙Pの下面と接触する底板61およびサイドスライダ651から突出しない退避位置となるように形成されている。この係止部材23は、サイドガイド65Rおよびサイドスライダ651の移動に伴って左右方向に凹み部618内を移動し、突出部材618Aと当接可能となっている。
【0094】
図12(b)は図12(a)の状態からサイドガイド65Rおよび65Lを移動させた時の、係止部材23と突出部材618Aとの当接状態を示す図であり、図12(c)は図12(b)の拡大図である。図12(b)および図12(c)に示すように、この係止部材23は弾性を有する合成樹脂などで成形されている。サイドガイド65Rを左右方向における中央に移動させることで、係止部材23と突出部材618Aとが当接すると、係止部材23の先端が上方に持ち上げられ、底板61およびサイドスライダ651が用紙Pと接触する接触面よりも上方へ突出する。
【0095】
突出部材618Aが光沢ハガキのサイズに対応した位置に配置されているため、サイドガイド65Rが光沢ハガキのサイズに対応した位置まで移動したときに、係止部材23が上方に持ち上げられ突出位置となる。その持ち上げ高さは、用紙P一枚を止める程度の高さであるため、収容される用紙Pのうちの最下層の一枚のみを係止可能となる高さである。
【0096】
このような構成を有する係止部材23によって、特に光沢ハガキを一枚係止するときには、ユーザによって、サイドガイド65Rの摘み部654が操作され、サイドガイド65Rが光沢ハガキのサイズに対応した位置まで移動される。サイドガイド65Rの移動に伴い、係止部材23が当接部材618Aと当接し、係止部材23の先端が上方に持ち上げられる。その状態で光沢ハガキの一枚が、供給方向Xにおける下流側の先端と係止部材23とが接触するようにユーザによって載置される。そして、その係止された用紙Pの上に、用紙Pが積載されることで、用紙Pの収容および給紙準備が完了となる。これにより、係止された用紙Pは、収容された用紙Pのうち一番下の用紙Pは、それより上に積載された用紙Pに給紙ローラ73による供給方向Xに沿った力が作用しても、給紙不能もしくは動かない程度に係止可能となる。
【0097】
上述したような構成の係止部材23が給紙トレイ6に設けられることで、積載された用紙Pが給紙ローラ73で給紙されても、給紙トレイに係止された一番下の用紙Pはずれないため、積載されている用紙P間のそれぞれの静摩擦係数が低下せず、重送を防止できる。
【0098】
さらにこの係止部材23は、光沢ハガキのサイズに対応した位置にサイドガイド65Rが移動された時にのみ、底板61およびサイドサイドスライダ651と用紙Pとの接触面よりも突出し係止可能となるように設けられており、それ以外の位置にある場合には、用紙Pとの接触面よりも低い位置に退避している構成となっているため、光沢ハガキ以外の用紙Pを用いて給紙および画像の形成を行う際には、収容される用紙Pと干渉せず、給紙の邪魔とならない。
【0099】
本実施例では、この係止部材23は、サイドガイド65Rにのみ形成されているが、サイドガイド65Lにも形成され、左右両方で係止する構成としてもよい。2か所で用紙Pの先端を止めることにより、さらに確実に一番下の用紙Pを係止できる。
【0100】
また、突出部材の位置も、係止したい用紙サイズに合わせて複数配置してもよい。すなわち、係止部材23が、複数の位置で用紙を係止可能となるため、光沢ハガキ以外のサイズの用紙Pも係止できる。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態を図13ないし図15を用いて説明する。本第5の実施形態は、係止部材の構成以外は、上述した第1〜第4の実施形態と同一の構成であるため、異なる構成部分についてのみ詳述し、同一構成の部位については、同じ符号を用いる。
【0101】
図13は、給紙トレイ6の平面図を示す。また、図14(a)は図13(a)のII−II断面を、図14(b)は、図13(b)のIII−III断面を示す。図13(a)および図14(a)において、給紙ローラ73と対向する位置には、底板61の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材617が配置されている。また、摩擦部材617よりも大きい摩擦係数を有する係止部材24が、摩擦部材617の供給方向Xにおける上流側に設けられている。
【0102】
さらに、給紙トレイ6には、連動部24Aが設けられている。この連動部24Aは、摩擦部材617および係止部材24と、それぞれの裏側から連結している。また、摩擦部材617の供給方向Xにおける下流側には、空隙619が設けられている。
【0103】
図14(a)に示すように、連動部24Aは、底板61に形成された貫通孔内にはまり込むように形成されており、供給方向Xにおける上流側の端部には、リヤガイド67と当接する当接部24A1が設けられている。
【0104】
図13(b)、図14(b)および図15は、給紙トレイ6に収容される用紙Pとして光沢ハガキを用いる場合に、その端部を支持するリヤガイド67が移動された後の状態を示す。図15は、リヤガイド移動後の給紙トレイ6の斜視図である。リヤガイド67は、前記第1の実施形態にて説明したように、スライダ671と、縦板部672とノブ部673とを備えており、供給方向Xに沿って移動可能となっている。リヤガイド67は、給紙トレイ6に収容される用紙Pの、供給方向Xにおける上流側の端縁を支持する。
【0105】
図14から明らかなように、スライダ671は、底板61の上面よりも下の位置に入り込んだ構成となっている。そして、ユーザによってリヤガイド67の縦板部672とノブ
部673とが摘まれることによって移動可能となるように操作され、光沢ハガキのサイズに対応する位置まで移動されると、連動部24Aの当接部24A1とスライダ671とが当接する。当接部24A1とスライダ671の端部とが当接後リヤガイド67がさらに後方へと移動するに伴って、連動部24Aもリヤガイド67に押されて後方へと移動する。
【0106】
連動部24Aの後方には、空隙619が設けられている。連動部24Aがリヤガイド67によって押されることにより、空隙619を埋めるように連動部24Aが移動する。図14(b)および図15に示すように、リヤガイド67が、光沢ハガキのサイズに対応した位置まで移動を完了すると、連動部24Aの移動も完了となる。連動部24Aが移動することにより、その上面に設けられた摩擦部材617および係止部材24も移動する。その結果、給紙ローラ73と対向する位置にあった摩擦部材617は、その位置よりも供給方向Xにおける下流側に移動し、係止部材24が給紙ローラ73と対向することとなる。
【0107】
また、連動部24Aは、図示しないバネなどの付勢部材によって前方向へ付勢されている。その付勢力は、リヤガイド67が押し戻されない程度とされ、リヤガイドが前方へ移動すると、その付勢力によって、連動部24Aがもとの位置に戻るよう構成されている。
【0108】
このような構成を有する係止部材24によって用紙Pのうちの一枚を係止するときには、上述したようにリヤガイド67を後方に移動させたのちに給紙トレイ6に用紙Pを収容されることで、給紙準備が完了となる。その後給紙が開始されると、係止部材24の摩擦係数が大きく設定されているため、収容される用紙Pのうち、最下層の一枚の下面と係止部材24の上面との間の静摩擦係数も大きくなる。これにより、収容された用紙Pのうち一番下の用紙Pは、それより上に積載された用紙Pに給紙ローラ73による供給方向Xに沿った力が作用しても、給紙不能もしくは動かない程度に係止可能となる。
【0109】
上述したような構成の係止部材24が給紙トレイ6に設けられることで、積載された用紙が給紙ローラ73で給紙されても、給紙トレイ6に係止された一番下の用紙Pはずれないため、積載されている用紙P間の静摩擦係数が低下せず、重送を防止できる。
【0110】
また、リヤガイド67が光沢ハガキのサイズに対応した位置に移動された時にのみ係止部材24が係止可能となるので、他のサイズの用紙Pを用いて印字を行いたい場合には、係止部材24は使用されず、給紙を妨げることはない。
【0111】
本実施形態では、係止部材24が給紙ローラ76に対向する位置でのみ係止可能となる構成としたが、係止部材24をさらに摩擦係数の高い粘着性の材質等で形成し、給紙ローラ76に対向しない位置でも係止できる構成としてもよい。すなわち、リヤガイド67が光沢ハガキのサイズに対応した位置に移動された時にのみ、底板61よりも上の位置に移動し用紙Pと接触可能となるよう係止部材24を構成し、係止部材24によって用紙Pを底板61に張り付けた状態となるよう構成してもよい。
【0112】
係止部材20、21、22、23、24は、本発明の係止部材に相当し、サイドガイド65R、65Lとリヤガイド67とは、それぞれ本発明のサイドガイドとリヤガイドとに相当する。また、凹み部618は、本発明の凹み面に相当し、突出部材618Aは、本発明の当接部材に相当する。壁22R1、22L1は、本発明の止め部に相当する。そして、保持部202、212は、本発明の保持部に相当し、操作部201、211は、本発明の操作部に相当する。また、供給方向Xは、本発明の給紙方向に相当する。
[他の実施形態]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、給紙トレイのように用紙Pを収容し送り出す構成を必要とする装置に用いられてもよい。すなわち、インクジェットプリンタだけでなく、ファクシミリやレーザプリンタなどに用いられてもよい。
【0113】
また、各実施形態における係止部材を組み合わせて、複数の係止部材によって用紙Pを係止してもよい。これにより、さらに確実に用紙Pを係止できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態である画像記録装置の外観斜視図である。
【図2】給紙機構および記録部の拡大側断面図である。
【図3】第1実施形態における給紙トレイの斜視図である。
【図4】第1実施形態における排紙トレイを除いた状態の給紙トレイを示す。
【図5】第1実施形態におけるリヤガイドおよび係止部材周辺の拡大図であり、係止部材の動作を示す。
【図6】第2実施形態における給紙トレイの前板を取り除いた状態の給紙トレイを示す。
【図7】第2実施形態における給紙トレイおよび係止部材周辺の断面図であり、係止部材の動作を示す。
【図8】第3実施形態における給紙トレイの前板を取り除いた状態の給紙トレイを示す。
【図9】第3実施形態における給紙トレイおよび係止部材周辺の拡大図である。
【図10】第4実施形態における給紙トレイの前板を取り除いた状態の給紙トレイを示す。
【図11】第4実施形態における給紙トレイの平面図である。
【図12】第4実施形態における給紙トレイの断面図であり、係止部材の動作を示す。
【図13】第5実施形態における給紙トレイの平面図であり、係止部材の移動する前と移動した後の状態を示す。
【図14】第5実施形態における給紙トレイの断面図であり、係止部材の移動する前と移動した後の状態を示す。
【図15】第5実施形態における給紙トレイの斜視図であり、係止部材が移動した後の状態を示す。
【符号の説明】
【0115】
1 画像記録装置
6 給紙トレイ
7 給紙機構
20、21、22、23、24 係止部材
22R1、22L1 壁(止め部)
60 収容部
61 底板
65L、65R サイドガイド
67 リヤガイド
73 給紙ローラ
201、211 操作部
202、212 保持部
617 摩擦部材
618 凹み部
618A 突出部材
X 供給方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙ローラによって給紙される被記録媒体を堆積状態で収容可能な収容部を有する給紙トレイであって、
前記被記録媒体の最下層の1枚を給紙不能に係止する係止部材を備えることを特徴とする給紙トレイ。
【請求項2】
底面、または被記録媒体の側縁と接触するサイドガイド、または被記録媒体の給紙方向における上流側端縁と接触するリヤガイド、のうち少なくとも一つを有し、
当該底面または当該サイドガイドまたは当該リヤガイドのうち少なくとも一つにおいて、被記録媒体の最下層の一枚と接触可能な位置に前記係止部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の給紙トレイ。
【請求項3】
前記係止部材は、前記サイドガイドもしくは前記リヤガイドの移動に連動して係止可能となることを特徴とする請求項2に記載の給紙トレイ。
【請求項4】
前記底面は、前記収容部に収容された被記録媒体と接触する接触面と、接触面より低く被記録媒体と接触しない凹み面とを有し、
前記係止部材は、当該接触面よりも突出し被記録媒体を係止可能な突出位置と当該接触面から突出しない退避位置とに移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項5】
前記凹み面に当接部材が設けられ、前記係止部材は、前記当接部材との当接によって、前記突出位置に移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の給紙トレイ。
【請求項6】
前記底面は、前記給紙ローラと対向する位置に当該底面の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材を有し、
前記係止部材は、給紙方向において当該摩擦部材と同じ位置もしくは当該摩擦部材よりも下流側の位置に設けられ、被記録媒体の最下層の一枚の下流側端部と当接して止める止め部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項7】
前記底面は、前記給紙ローラと対向する位置に当該底面の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する摩擦部材を有し、
前記係止部材は、前記摩擦部材よりも摩擦係数の大きい高摩擦部材を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項8】
前記係止部材は、被記録媒体を保持する保持部と、当該保持部を動かすための操作部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の給紙トレイ。
【請求項9】
前記保持部は、弾性部材を備えていることを特徴とする請求項8に記載の給紙トレイ。
【請求項10】
前記サイドガイドおよび前記リヤガイドは、移動可能とするのための移動操作部を有し、
前記係止部材の前記操作部は、前記サイドガイドおよび前記リヤガイドの前記移動操作部に設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の給紙トレイ。
【請求項11】
前記係止部材は、光沢ハガキの大きさに応じた位置にて係止可能となることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の給紙トレイ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の給紙トレイと、
前記収容部に収容された被記録媒体を送り出す給紙ローラと、
を備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項13】
請求項12に記載の給紙装置と、
画像記録部と
を備えることを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−120767(P2010−120767A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297737(P2008−297737)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】