説明

給紙装置およびそれを用いた画像形成装置

【課題】給紙装置において、捌きガイドと給紙ロールと分離ロールが常に目論見の位置関係に保たれ、常に前捌きを有効に機能させる。
【解決手段】給紙ロール16と、給紙ロール方向に揺動し給紙ロール16に圧接する分離ロール17と、給紙ロール方向に揺動し分離ロール17が給紙ロール16に圧接する分離ニップの手前の両側に配置される捌きガイド18とを備え、捌きガイド18は、分離ロール17に追従して揺動するように分離ロール17と異なる付勢手段183により付勢されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙ロールと、分離ロール(リタードロール)と、給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前で用紙を捌くための捌きガイドとを有する給紙装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前に捌きガイドが配置された給紙部の構成例を示す図であり、図中、16は給紙ロール、17は分離ロール、18は捌きガイド、161は給紙ロール軸、171は分離ホルダ、181は捌きガイド付ホルダを示す。
【0003】
プリンタや複写機の給紙部では、摩擦を利用して積載された用紙を一枚ずつに捌いて分離給紙している。この摩擦分離では、分離ニップに用紙が3枚以上の束で進入すると重送や不送が発生してしまう。そのために、用紙の束での進入を制限するための捌きガイド18を分離ニップの手前に設けて、用紙の前捌きを実施している。
【0004】
分離ニップでは、給紙ロール16に分離ロール(リタードロール)17が圧接し、捌きガイド18は、その分離ニップの手前で、軸方向の両側に配置される。その位置は、分離ニップへの用紙の進入を制限する必要があるため、給紙ロール16と分離ロール17の位置関係から設計される。しかし、実際の装置において、給紙ロール16は、分離ロール17から受ける分離圧によって、設計上の目論見の位置よりも持ち上げられてしまうために、前捌きが有効に機能しなくなることがある。
【0005】
積載された用紙束から1枚ずつ用紙をさばいて分離する従来の給紙装置として、用紙供給側に設けられた分離用エッジに沿って昇降可能な給紙台上に積載された用紙を、回転する吸着ドラムに吸着して供給する給紙装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この給紙装置は、分離用エッジの頂端を用紙供給方向にむかって低く傾斜させた形状とし、該分離用エッジの用紙供給側に隣接させて頂端を吸着ドラムに近接させ分離用エッジに向かって直線上に低く傾斜させた形状の捌きガイドを設けたものである。
【0006】
この給紙装置によれば、積載された用紙Pは、その最上位の用紙から回転する吸着ドラム(3)によって分離用エッジの間の給紙口(4)を通って捌きガイドにあたりながら供給されていく。このとき、複数枚の用紙が同時に給紙口(4)を通った場合には、捌きガイド(15)の傾斜によって用紙ずれを生じて1枚ずつに分離される。
【0007】
他にも、捌きガイドを分離ニップの手前に設けたものとして、給紙ロールと捌きガイドの隙間によって用紙の進入角度を鋭角にすることで用紙を進入しやすくし、捌きガイドを片持ち形状にして撓ませることで用紙の詰まりを防止する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2654959号公報
【0009】
【特許文献2】特開2004−269206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図9は捌きガイドを備えた従来の給紙装置の課題を説明する図である。この従来例では、用紙が捌きガイドを乗り越えることで前捌きが実施されるために、用紙が給紙ロールに接する面よりも捌きガイドを高く設定している。このような捌きガイドを備えた上記従来の給紙装置では、捌きガイド18が図9(A)に示すような設計上の位置関係にあっても、実際には図9(B)に示すような位置関係に変わってしまう。これは、給紙ロール16に対する分離ロール17の圧接力により、実際には給紙ロール16が図9(B)に示すBだけ、例えば0.5mm程度動いてしまうためである。そのため、図9(A)に示すように用紙Pが給紙ロール16に接する面よりAだけ捌きガイド18を高く設定することによって期待された用紙Pの良好な捌き効果が得られなくなる。
【0011】
このような問題は、特許文献1で提案された従来の給紙装置においても同様に生じる。特許文献1の給紙装置において、捌きガイドは、例えばその頂端を吸着ドラムに用紙1枚程度の隙間をもって近接させる必要がある。そのため、給紙ロールと捌きガイドを高精度に配置する必要がある。しかし、実際の装置になると、給紙ロールは分離ロールから受ける分離圧によって、設計上の目論見の位置よりも、例えば0.5mm程度持ち上げられてしまう。そのために、給紙ロールと捌きガイドの隙間が目論見よりも大きくなって、捌きガイドによる前捌きが有効に機能しなくなるという問題がある。
【0012】
また、特許文献2で提案された従来の給紙装置においても、捌きガイドは給紙装置のベースに一体に設けられているために、給紙ロールが分離圧で持ち上げられてしまうと、目論見の隙間を維持することができなくなる。
【0013】
本発明は、捌きガイドと給紙ロールと分離ロールの位置関係が目論見どおりに保たれるようにし、前捌きを有効に機能させるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る給紙装置およびそれを用いる画像形成装置は、給紙ロールと、前記給紙ロール方向に揺動し前記給紙ロールに圧接する分離ロールと、前記給紙ロール方向に揺動し前記給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前の両側に配置される捌きガイドとを備え、前記捌きガイドは、前記分離ロールに追従して揺動するように前記分離ロールと異なる付勢手段により付勢されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記捌きガイドは、前記給紙ロール方向に揺動する範囲が前記分離ロールにより制限される当接部を前記分離ロールとの間に有していることを特徴とし、前記分離ロールの付勢手段の付勢圧は、前記捌きガイドの付勢圧より大きいことを特徴とする。
【0016】
また、前記分離ロールの付勢手段は、軸方向に複数個配置され、前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールの付勢手段の間に軸方向に配置され、前記分離ロールと前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールの軸方向に対し直角方向に配置され、前記分離ロールと前記捌きガイドの付勢手段のいずれか一方は正面の給紙側に対して背面側に配置され、他方は下面側に配置され、前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールのホルダとの間に配置されていることを特徴とする。
【0017】
前記分離ロールと前記捌きガイドの揺動支点は、前記分離ロールの軸方向に平行な直線上に配置されていることを特徴とし、前記分離ロールのホルダに補助捌き部を有することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、捌きガイドは分離ホルダと別々の構造として、捌きガイドは分離ローラの位置に追従するように設けているので、捌きガイドと給紙ロールと分離ロールが常に
目論見の位置関係に保たれる。したがって、常に前捌きを有効に機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る給紙装置の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明に係る給紙装置の実施形態の動作を説明する図である。
【図3】本発明の実施例としてバネを軸方向に3つ配置した給紙装置の例を示す図である。
【図4】本発明の実施例としてバネを軸方向と直交する方向に2つ配置した給紙装置の例を示す図である。
【図5】本発明の実施例としてバネを背面側に1つ、下面側に1つそれぞれ配置した給紙装置の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例としてバネを背面側に1つ、下面側の分離ホルダと捌きガイド付ホルダとの間に1つそれぞれ配置した給紙装置の例を示す図である。
【図7】本発明に係る給紙装置を用いた画像形成装置の実施形態を説明する図である。
【図8】給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前に捌きガイドが配置された給紙部の構成例を示す図である。
【図9】捌きガイドを備えた従来の給紙装置の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る給紙装置の実施形態を説明する図であり、(A)は正面図、(B)はA−A断面図、図2は本発明に係る給紙装置の実施形態の動作を説明する図である。図中、16は給紙ロール、17は分離ロール、18は捌きガイド、30はハウジング、161は給紙ロール軸、170はトルクリミッタ、171は分離ホルダ、172、182は揺動支点、173、183はバネ、181は捌きガイド付ホルダ、201はリフト板を示す。
【0021】
本発明に係る給紙装置の実施形態は、図1(A)の正面図に示すように中央部に給紙ロール16とこれに圧接する分離ロール(リタードロール)17が配置される。捌きガイド18は、給紙ロール16に分離ロール17が圧接する分離ニップの手前の給紙側で分離ロール17の両側に配置される。給紙ロール16は、給紙ロール軸161により回転駆動されて給紙動作を行う。
【0022】
分離ロール17は、分離ホルダ171に回転不能に固設されている固定軸に、トルクリミッタ170と一体回転するように取り付けられている。分離ホルダ171は、揺動支点(回転支点)172を中心に回転(揺動)自在に軸支され、付勢手段であるバネ173の付勢により給紙ロール16を分離ロール17に互いの外周面を圧接させた状態でハウジング30側に保持される。
【0023】
トルクリミッタ170は、給紙ロール16と分離ロール17の摩擦部材で構成された外周面同士が直接圧接している場合や給紙ロール16に引き摺られる用紙に直接圧接している場合に、互いの摩擦力により分離ロール17が給紙ロール16に従動回転するように設定されている。一方、トルクリミッタ170は、給紙ロール16に引き摺られる用紙間の摩擦力では停止することにより圧接する用紙を停止させるように設定されている。
【0024】
捌きガイド18は、捌きガイド付ホルダ181の一部に形成される。捌きガイド付ホルダ181は、分離ホルダ171と同様、揺動支点182を中心に回転(揺動)自在に軸支される。そして、正面の給紙側に対して背面側にバネ173とは異なるバネ183が配置され付勢されて分離ロール17に追従して揺動する。
【0025】
ここで、バネ173の付勢圧は、バネ183の付勢圧より大きい。また、捌きガイド18は、給紙ロール方向に揺動する範囲が分離ロール17により制限される当接部を捌きガイド付ホルダ181と分離ホルダ171との間に有している。揺動支点172、182は、分離ロール17の軸方向に平行な直線上に配置されている。
【0026】
このように構成した本実施形態の給紙装置によれば、通常時、捌きガイド付ホルダ181は、図2(A)に示すように分離ホルダ171に押し付けられている。そのため、リフト板201に積載された用紙Pの先端の力は、捌きガイド18にのみ働き、分離ロール17が給紙ロール16に圧接する分離ニップを開く力は働かない。これに対し、突発的な用紙束での進入により、通常よりも大きな力が捌きガイド18にかかった場合には、図2(B)に示すように捌きガイド付ホルダ181のみが押し下げられる。しかし、分離ホルダ171には、用紙Pの先端の力が働かないので、分離ニップは開かない。
【0027】
〔実施例1〕
図3は本発明の実施例としてバネを軸方向に3つ配置した給紙装置の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)はA−A断面図、(E)はB−B断面図である。
【0028】
本実施例は、図3(C)の背面図に示すように分離ホルダ171を付勢するバネ173を中央部に配置して、そのバネ173の両側、軸方向にバネ183を配置し、捌きガイド付ホルダ181を付勢するものである。
【0029】
そのため、捌きガイド付ホルダ181は、分離ホルダ171を付勢するバネ173の配置位置に切欠き部を設けている。逆に、バネ183を中央部に配置して、そのバネ183の両側、軸方向にバネ173を配置てもよい。このように、1対のバネ183により捌きガイド付ホルダ181を付勢すると共に、捌きガイド付ホルダ181の内壁の一部と分離ホルダ171の外壁の一部とを当接部として当接させることで、捌きガイド付ホルダ181、すなわち捌きガイド18の位置が決まるように構成されている。
【0030】
〔実施例2〕
図4は本発明の実施例としてバネを軸方向と直交する方向に2つ配置した給紙装置の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)はA−A断面図、(E)はB−B断面図である。
【0031】
本実施例は、図4(B)の右側面図や、(C)の背面図、(D)および(E)の断面図に示すように分離ホルダ171を付勢するバネ173を中央部に配置して、そのバネ173の下側、軸方向と直交する方向にバネ183を配置し、捌きガイド付ホルダ181を付勢するものである。
【0032】
そのため、捌きガイド付ホルダ181は、分離ホルダ171を付勢するバネ173の配置位置に切欠き部を設けている。このように、バネ183により捌きガイド付ホルダ181を付勢すると共に、捌きガイド付ホルダ181の内壁の一部と分離ホルダ171の外壁の一部とを当接部として当接させることで、捌きガイド付ホルダ181、すなわち捌きガイド18の位置が決まるように構成されている。
【0033】
〔実施例3〕
図5は本発明の実施例としてバネを背面側に1つ、下面側に1つそれぞれ配置した給紙装置の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)はA−A断面図、(E)はB−B断面図である。
【0034】
本実施例は、図5(C)の背面図に示すように分離ホルダ171を付勢するバネ173を中央部に配置して、バネ173の位置に対し軸方向と直交する方向で捌きガイド付ホルダ181の下面側にバネ183を配置し、捌きガイド付ホルダ181を付勢するものである。ここで、バネ173を下面側に配置し、バネ183を背面側に配置してもよい。
【0035】
そのため、捌きガイド付ホルダ181は、分離ホルダ171を付勢するバネ173の配置位置に切欠き部を設けている。このように、バネ183により捌きガイド付ホルダ181を付勢すると共に、捌きガイド付ホルダ181の内壁の一部と分離ホルダ171の外壁の一部とを当接部として当接させることで、捌きガイド付ホルダ181、すなわち捌きガイド18の位置が決まるように構成されている。
【0036】
〔実施例4〕
図6は本発明の実施例としてバネを背面側に1つ、下面側の分離ホルダと捌きガイド付ホルダとの間に1つそれぞれ配置した給紙装置の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)はA−A断面図、(E)はB−B断面図である。
【0037】
本実施例は、図6(C)の背面図に示すように分離ホルダ171を付勢するバネ173を中央部に配置して、そのバネ173の位置に対し捌きガイド付ホルダ181の下面側で分離ホルダ171との間にバネ183を配置する。
【0038】
捌きガイド付ホルダ181は、その内壁の一部と分離ホルダ171の外壁の一部とを当接部として当接させ分離ホルダ171と一定の位置関係にして捌きガイド付ホルダ181を付勢する。
【0039】
この実施例において、バネ183は、分離ホルダ171と捌きガイド付ホルダ181との間に取り付けられることにより、揺動支点172を中心に回転揺動する分離ホルダ171と一定の位置関係で捌きガイド付ホルダ181も回転揺動するようになっている。そして、バネ183は、突発的な用紙束での進入により、通常よりも大きな力が捌きガイド18にかかった場合には、バネ183の存在により捌きガイド付ホルダ181のみが押し下げられるように作用する。
【0040】
以上のように給紙ロールと、分離ロール(リタードロール)と、給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前で用紙を捌くための捌きガイドとを有する給紙装置にあって、従来の装置では、捌きガイドは固定された位置に配置されていて分離ロールの位置に追従しない。そこで、本実施形態では、捌きガイド付ホルダと分離ホルダとを別々の構造にしてバネ付勢し、従来は固定されている捌きガイドの位置を、分離ロールに追従させる構造にしている。その結果、給紙ロールが持ち上げられても、捌きガイドと給紙ロールと分離ロールの位置関係が常に目論見どおりに保たれるようになる。さらに、分離ホルダにも捌きガイドの補助として捌き部を設けてもよい。
【0041】
図7は本発明に係る給紙装置を用いた画像形成装置の実施形態を説明する図であり、図中、1はロータリー現像装置、2は現像器、3は感光体、4は中間転写体、5は露光装置、6はプロセスユニット、7は1次転写装置、8は2次転写装置、9、10は給紙装置、11はレジロール、12は紙搬送ユニット、13は定着ユニット、14は排紙トレイ、15は扉体、16は給紙ロール、17は分離ロール、20は底板を示す。
【0042】
本実施形態の給紙装置を用いた画像形成装置は、図7に示すようにハウジングの上部に形成された排紙トレイ14と、ハウジングの前面に開閉自在に挿着された扉体15を有す
る。ハウジング内には、複数の現像器2を搭載したロータリー現像装置1、潜像が形成され現像されてトナー像が形成される感光体3、感光体3を露光して潜像を形成する露光装置5、無端状のベルトからなりトナー像が転写される中間転写体4、露光装置5による潜像の形成を制御するプロセスユニット6が配置されている。
【0043】
さらに、感光体3上のトナー像を中間転写体4に1次転写する1次転写装置7、中間転写体4のトナー像を用紙に2次転写する2次転写装置8、用紙を収容する給紙装置9、10、用紙上のトナー像を定着する定着ユニット13、各駆動モーターやバイアスを制御する制御ユニットなどが配置されている。
【0044】
また、扉体15内には給紙装置9、10から用紙を2次転写装置8を通して定着ユニット13に搬送する紙搬送ユニット12が配置されている。そして、各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0045】
像担持体である感光体3は、薄肉円筒状の導電性基材と、その表面に形成された感光層とを有する。その感光体3の外周には、回転方向に沿って感光体3を一様に帯電するための帯電装置(図示せず)、感光体3上に潜像を形成するための露光装置5、潜像を現像するためのロータリー現像装置1、感光体3上のトナー像が転写される中間転写体4、及び中間転写体4にトナー像を1次転写する1次転写装置7、1次転写後の感光体3の表面をクリーニングするクリーナー(図示せず)などが配置されている。
【0046】
そして、感光体3上に露光装置5により形成された潜像をロータリー現像装置1により現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を1次転写装置7により中間転写体4上に転写して、さらに2次転写装置8により用紙に転写する。
【0047】
上記構成の画像形成装置によるフルカラーの画像形成では、露光装置5にプロセスユニット6からの画像形成信号が入力されると、制御ユニットによる駆動モーターやバイアスの制御にしたがい、感光体3、ロータリー現像装置1、中間転写体4が回転駆動される。そして、感光体3は、外周面が帯電装置によって一様に帯電される。
【0048】
ロータリー現像装置1は、第1色、例えばイエローYのトナー像を形成するため、現像色切り換え動作により、イエローY用の現像器2がロータリー現像装置1の回転中心と感光体3の回転中心とを結ぶ直線上からさらに越えて回転移動する。そして、ロータリー現像装置1の回転移動する方向の下流側で現像ロール又は現像ロールの両端に配置されたコロ(以下、同じ)が感光体3に当接して停止する。
【0049】
現像器2の現像ロールが回転駆動されると同時に、まず、感光体3の表面に露光装置5によって第1色、イエローYの画像情報に応じた選択的な露光がなされ、感光体3上にイエローYの潜像が形成される。そのイエローYの潜像は、現像器2によって現像されて感光体3上にトナー像が形成される。
【0050】
ロータリー現像装置1は、現像器2によりイエローYの潜像の後端が現像され現像が終了すると、直ちに、つまりそのトナー像の後端が1次転写装置7に達する以前に、次の第2色、例えばブラックKのトナー像を形成するための現像色切り換え動作を開始する。
【0051】
この現像色切り換え動作により、ブラックK用の現像器2の現像ロールは、ロータリー現像装置1の回転中心と感光体3の回転中心とを結ぶ直線上からさらに越えて回転移動し、ロータリー現像装置1の回転移動する方向の下流側で感光体3に当接して停止する。
【0052】
この間、1次転写装置7には、トナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加され、感光体3上に形成されたトナー像は、1次転写装置7で中間転写体4上に転写される。2次転写装置8は、中間転写体4から離間されている。
【0053】
第2色の現像色切り換え動作が終了して、ブラックK用の現像器2の現像ロールが感光体3に当接して停止すると、感光体3の表面に露光装置5によって第2色、ブラックKの画像情報に応じた選択的な露光がなされ、感光体3上にブラックKの潜像が形成される。このような一連の処理が画像形成信号の第2色目、第3色目、第4色目に対応して繰り返して実行されることにより、各画像形成信号の内容に応じたイエローY、ブラックK、シアンC、マゼンタMからなる4色のトナー像が感光体3から順次中間転写体4上において重ね合わされて転写され、フルカラー画像が形成される。
【0054】
そして、フルカラー画像が2次転写装置8に達するタイミングで、給紙装置9、10の用紙が搬送通路から給紙ロール16、中間の搬送ロール、レジロール11を通して2次転写装置8に搬送され、2次転写装置8が中間転写体4に押圧されるとともに2次転写電圧が印加されて、中間転写体4上の4色のフルカラートナー像が2次転写装置8で用紙上に転写される。
【0055】
このようにしてフルカラートナー像が転写された用紙は紙搬送ユニット12により定着ユニット13まで搬送されると、定着ユニット13により用紙上のフルカラートナー像が加熱加圧されて定着され、排紙トレイ14に排紙される。
【符号の説明】
【0056】
1…ロータリー現像装置、2…現像器、3…感光体、4…中間転写体、5…露光装置、6…プロセスユニット、7…1次転写装置、8…2次転写装置、9、10…給紙装置、11…レジロール、12…紙搬送ユニット、13…定着ユニット、14…排紙トレイ、15…扉体、16…給紙ロール、17…分離ロール、18…捌きガイド、20…底板、30…ハウジング、161…給紙ロール軸、170…トルクリミッタ、171…分離ホルダ、172、182…揺動支点、173、183…バネ、181…捌きガイド付ホルダ、201…リフト板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙ロールと、
前記給紙ロール方向に揺動し前記給紙ロールに圧接する分離ロールと、
前記給紙ロール方向に揺動し前記給紙ロールに分離ロールが圧接する分離ニップの手前の両側に配置される捌きガイドと
を備え、前記捌きガイドは、前記分離ロールに追従して揺動するように前記分離ロールと異なる付勢手段により付勢されていることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記捌きガイドは、前記給紙ロール方向に揺動する範囲が前記分離ロールにより制限される当接部を前記分離ロールとの間に有していることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記分離ロールの付勢手段の付勢圧は、前記捌きガイドの付勢圧より大きいことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項4】
前記分離ロールの付勢手段は、軸方向に複数個配置され、前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールの付勢手段の間に軸方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項5】
前記分離ロールと前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールの軸方向に対し直角方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項6】
前記分離ロールと前記捌きガイドの付勢手段のいずれか一方は正面の給紙側に対して背面側に配置され、他方は下面側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項7】
前記捌きガイドの付勢手段は、前記分離ロールのホルダとの間に配置されていることを特徴とする請求項6記載の給紙装置。
【請求項8】
前記分離ロールと前記捌きガイドの揺動支点は、前記分離ロールの軸方向に平行な直線上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項9】
前記分離ロールのホルダに補助捌き部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置を用いた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−168198(P2010−168198A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13832(P2009−13832)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】